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1999-08-06 第145回国会 参議院 経済・産業委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年八月六日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  八月五日     辞任         補欠選任      阿南 一成君     加納 時男君  八月六日     辞任         補欠選任      川橋 幸子君     福山 哲郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         須藤良太郎君     理 事                 成瀬 守重君                 畑   恵君                 簗瀬  進君                 山下 芳生君                 梶原 敬義君     委 員                 加納 時男君                 小山 孝雄君                 斉藤 滋宣君                 末広まきこ君                 中曽根弘文君                 脇  雅史君                 長谷川 清君                 平田 健二君                 福山 哲郎君                 前川 忠夫君                 海野 義孝君                 加藤 修一君                 西山登紀子君                 渡辺 秀央君                 水野 誠一君    国務大臣        通商産業大臣   与謝野 馨君    政府委員        公正取引委員会        委員長      根來 泰周君        文部大臣官房長  小野 元之君        通商産業省産業        政策局長     江崎  格君        通商産業省基礎        産業局長     河野 博文君        通商産業省機械        情報産業局長   広瀬 勝貞君        中小企業庁長官  鴇田 勝彦君        労働省労政局長  澤田陽太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        塩入 武三君    説明員        内閣総理大臣官        房参事官     南木  通君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○産業活力再生特別措置法案内閣提出、衆議院  送付)     ─────────────
  2. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、阿南一成君が委員辞任され、その補欠として加納時男君が選任されました。  また、本日、川橋幸子君が委員辞任され、その補欠として福山哲郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 産業活力再生特別措置法案を議題といたします。  まず、昨日の委員会における前川委員質疑に対し、政府委員から補足して答弁したい旨の申し出がありますので、この際、これを許します。江崎産業政策局長
  4. 江崎格

    政府委員江崎格君) 昨日、前川先生から、調査室がおつくりになられました資料に出ております全要素生産性につきまして、経済白書伸び率計測OECDデータとの違いについて御指摘がございました。これについて御説明をいたします。  全要素生産性伸び率計測いたします際に、資本投入伸び率労働投入伸び率データを代入する必要がございますけれども経済白書におきましては、実際に投入された設備、労働力効率性を見るために、資本投入につきましては稼働率を勘案いたしまして、また労働投入につきましては総労働時間の変化を勘案いたしまして数値を代入しております。したがいまして、近年の時短などによりまして労働時間の減少がございますので、経済白書におきましては、全要素生産性伸び率推定値高目に出る傾向がございます。  一方、OECDにおきましては、国際比較必要性があることなどのために、このような調整を行っておりません。加えまして、全要素生産性計測経済異常期には過大あるいは過小になる傾向がございますので、OECDにおいてはバブル期における日本の実力以上の見かけの数字を下方修正することを行っております。このため、数字としましては全要素生産性伸び率がさらに低くなっているわけでございます。  これが、一九八七年から九三年にかけての全要素生産性伸び率につきまして、経済白書OECDに比べて著しく高くなっている理由というふうに考えております。  なお、経済白書分析におきましては、バブル期の過大な評価を取り除く調整を行っていないために、この時期を除いて考える必要がありますが、七八年から八九年の平均値が一・三%であるのに対しまして、バブル期後の九四年から九六年の平均が〇・五%となっていることから、この白書におきましても生産性上昇率が約一%低下している結果となったという結論を下しているところでございます。  以上でございます。
  5. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) それでは、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 簗瀬進

    簗瀬進君 最終の質問をさせていただきますが、三十分という時間に今までの議論の中で非常に欠けておった議論等を結構羅列いたしておりますので、願わくば答弁の方を簡潔にお願いしたい、このように思います。  まず冒頭、質問通告にありませんけれども、今の答弁、まさに昨日、前川委員がこの生産性の問題についての基本的な疑念を示した。それで、答弁では経済白書の方が著しく高くなっているということなんですが、それは見方の相対でございまして、OECDの方がバブルとの補正を前面に置いたので著しく向こうの方が低くなっている、こういうふうな評価もできるわけでございます。だから、すべての基本戦略を立てる場合の基本的な数字、これは国民の生活、経済にも大変重要に絡んでくる話でございますので、できるだけ客観的な、そしてしっかりとしたその数字意味というようなものを出していただけるよう要望申し上げまして、私の質問に入っていきたいと思います。  まず昨日、水野議員通産大臣との間で大変興味あるやりとりがあったと私は思います。いわゆる情報化意味ということでございます。  情報化雇用創出力関係について、まさに私はそういう意味予算委員会でもこの問題を取り上げさせていただきましたけれども日本情報化意味というようなものを的確にとらえられていないから、どうも腰の据わらない新規雇用創出政策にスタートラインでは終始してしまったのではないかと思います。当然、情報化というようなことになってまいりますと、一面ではマイナスの言うならば雇用を減らす部門が出てまいります。今まで多くの人間がやっていたものをコンピューターがかわって処理するようになるわけでありますから、その分は当然雇用にとってはマイナスになる。それが情報化のまず第一番目の意味であります。  という形になりますと、情報化の話をした段階ではもう最初からこれだけでは絶対に雇用は減る。別の部分情報化プラス意味をどういうふうに出していくのかというようなことを戦略的に考えながら情報化というようなものに取り組んでいかなければならなかったんではないか。そこら辺の認識の差というのを水野議員も御指摘になった、この白表紙の百七十七ページの「日米情報化投資雇用に与える影響」というようなことに出ていたんではないか。マイナスが出るのは当然なんです。しかし、それを上回るようなプラスをどうつくっていくのか、その部分についての戦略が極めて日本は乏しかった、これは大いにやっぱり反省をしなきゃならないんじゃないか。  その上で、通産省によく配っていただいている資料野村総研の九〇年代のアメリカにおける雇用増加上位二十業種、このそれぞれの分析をしてみたときに、その点は私は水野議員認識と若干ニュアンスは違ってくるんですけれども、まず情報化自体は他産業に対しては、通常ベースでいきますと雇用についてはマイナス効果が普通出てくる。それから、情報産業プロパーとして持っている雇用創出力もそんなに目立ったものではない。  しかし、この情報というツールを使って、特にサービス関係、非常に大量の情報というようなものを的確に処理し、そして大量ではあるけれども個別に対応した手を打っていくことができる。まさにそれがコンピューターの最大の特色なんですけれども、それを最も有効に利用、活用できるのが実はサービス業分野なんです。  まさにそういう目で見て、この野村総研人材派遣業から始まっていくものは、情報化意味を的確にとらえて、非常に資本が少なく、しかも企業の規模としてもそんなに大きくせずに、言うならば人件費の過大な負担をかけずにビジネス展開ができるという業種がメジロ押しになっている、こういうふうに分析をすべきなのではないか。まさにこの(1)から(20)まで、人材派遣業とかレクリエーションとかホームヘルスケアとかいろいろあるわけでありますけれども、まさにそれは情報の持っている積極的な意味というようなものを的確に利用し得た中小企業が大変元気を出しているというのが、アメリカのこの雇用増加上位二十業種意味として私は分析すべきなのではないか。  でありますから、結果として、新規雇用を考える際の情報化意味も、情報プロパー、これは情報産業のための政策なんだ、コンテンツまで含めてというふうに考えることよりも、もっともっと広くして、これを全産業にいかに情報というようなものの意味プラスに出るように持っていくのかと、そういうプラスの動機づけというようなものが私は必要なのではないか。だから、成長十五分野というようなことについても、情報化ということを縦軸にして、全産業に絡むものとしてこれを考えていったらどうだというふうな提言をいたしているわけであります。  以上の私の指摘に対して、通産大臣の御所見を伺います。
  7. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 短くということなので短く答えさせていただきます。  議員指摘のとおり、高度情報化社会の実現は、新規産業創出に加えまして、既存産業競争力強化を可能とし、経済全体としての雇用創出につながると考えております。  通産省としては、情報化政策の中核を担う官庁として従来から電子商取引等経済社会分野における情報化の促進、情報関連技術開発人材育成等施策推進してきたところでございますが、情報化推進による雇用創出効果を踏まえ、今後さらに情報化施策推進に努めてまいりたいと考えております。
  8. 簗瀬進

    簗瀬進君 成長十五分野という考え方を、情報化ということを縦軸にしてもう一回見直したらいいのじゃないかという提言についてはいかがでしょうか。
  9. 江崎格

    政府委員江崎格君) 今回の法案で御提案しておりますのは、広くあらゆる産業対象にしておりまして、先般議員が御指摘になりましたような特定の製造業とかそういうことだけではなくて、医療福祉ですとか非常に広範なサービス業も含めた分野を考えておりまして、こうしたものの全般の生産性向上を図っていきたいということでございまして、広範な産業生産性向上を図ることによりまして日本全体としての生産性向上を図るという施策を御提案申し上げているところでございます。
  10. 簗瀬進

    簗瀬進君 どうも私の質問がうまいぐあいにかみ合った議論ができていないようであります。  いずれにしても、情報化というような問題を個別情報産業のものであるというふうに考えて施策を立てていくという発想は、私は基本的に間違いを生み出すのではないかと。情報という問題は、これはすべての分野に絡むんです。もちろん製造業等にも絡みますけれども、例えば福祉とか医療とかそういう分野についても、例えば多くのクライアントとか多くの患者さんとかそういう人を大量に扱ってしかも個別的な対応をしていくといった場合に、最も有効な手段になるのが情報というツールなんです。  でありますから、例えば今までの通産行政の中でも、どちらかというと雇用創出といいますと製造業中心発想というようなものがあるようでありますけれども、むしろさらにこの情報化というものを加味しながら新規雇用というものを考えていった場合に、福祉とか医療とかそういう分野こそ相当ウエートを高くしていくべきなのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  11. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 私は、自分としては情報産業というのは製造業とかサービス業に従属する業であると思っておりまして、情報自体が独立した業ではなくて、情報という手段が例えば医療福祉等と結びついたときには大変効率性の高いものになる、あるいは製造業と結びついた場合は例えば在庫管理とかそういうことで大変有効な手段になるということで、やはり情報技術情報産業というものは他の分野と結びついたときに大変威力を発するものだというふうに考えております。  そこで、例えば福祉でも医療でもどの分野でもいいと思うんですが、これを情報化することによって大変効率もよくなりますし、物事がはっきり見えてくる場合があります。  私の身近で起こった例では、新宿区の医師会がその新宿区の医師会に所属する全部の医師先生診察室を一本のラインで結んだわけでございます。そうしますと、区内でどういう病気が今起きているとかすべて地域内での統計的な物事の判断ができるわけでして、そういう医療分野での情報化というのは大変大きな可能性を持っております。  そういう意味では、情報化自体ではなくて情報技術情報化と他の分野が結びついたときの威力というのは私は大層なものであって、それは多くのやはり付加価値と申しますか便益を消費者あるいは国民に与えるものだと、そういうふうに認識をしながら物を考えていっております。
  12. 簗瀬進

    簗瀬進君 私は、まさに今の大臣のお言葉は私の認識と非常に近いと思っております。  言うならば、情報産業というのは合わせわざ産業として理解をすべきである。従属するというその表現については若干私は抵抗がありまして、むしろ情報縦軸にというふうにしてとらえた方が戦略的にはかなり有効な政策が打ち出せるのではないのかという考え方を持っておりますので、どうかそこはぜひとも御参考にしていただきたいと思うわけであります。  さて、その次の質問でございますけれども、第三条の事業構築計画認定の第六項第六号「従業員地位を不当に害するものでない」というふうなことの意味が当委員会では相当皆さんの強い関心あるいは懸念、これを生んでいるのではないかと思います。  そこで質問させていただきたいんですが、例えば明瞭に雇用削減が予定をされている、計画自体にそれが見え見えになっている、こういうような場合にはまさに計画自体従業員地位を不当に害する場合であると、こういうふうに認定をすべきなのではないのか。あるいは、そういう認定をする際には関連中小企業地域雇用への影響についても当然十分に配慮していかなければならないということで、場合によっては、こういう従業員地位というようなものが非常にビビットに絡んでいるような場合には、認定を行う主務大臣の中には労働大臣も含めて共同でこれをおやりになっていいんじゃないのか、こういうふうな発想が出てくると思うんですけれども、いかがでございましょうか。
  13. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) たとえ雇用数が減少する場合であっても、定年退職者の不補充等自然減の場合もございまして、その内容は多様であると思われます。要は、労使間で十分に話し合い企業内配置転換関係会社への出向等雇用の安定に十分な配慮を払うことが重要でありまして、こうした認定要件を満たす事業者については事業構築計画認定対象となるものであります。  また、事業構築を進めるに当たって、関連中小企業地域雇用への影響に対して十分な配慮を行うべきことは当然であり、本法案においても目的規定に「雇用安定等配慮」との文言を明記するとともに、関連中小企業者に一時期に影響が生ずる場合には第十八条第五項に基づき所要の支援策を講ずることとしており、既存下請中小企業振興策地域産業集積維持発展のための施策も活用して万全を期してまいる所存でございます。  なお、計画認定については主務大臣が行うこととしておりますが、法第三十六条に、主務大臣労働大臣労働者雇用に関する事項について相互に緊密に連絡、協力しなければならない旨規定しているところであり、計画認定等に当たっても本条に基づき必要に応じ労働大臣連絡等を行ってまいります。
  14. 簗瀬進

    簗瀬進君 だめ押しの質問で恐縮でございますけれども、再構築計画自身従業員雇用削減をするということが明瞭に見られる場合、あるいはむしろ事業構築計画自体雇用削減を事実上目的として行われているような場合というようなものについては、この六号に該当するとして再構築計画認定しないということもあり得るんでしょうか。
  15. 江崎格

    政府委員江崎格君) 再構築計画認定に当たりましては、あくまでもこの認定基準に該当するかどうかということを見るわけでありまして、認定計画の中に雇用者の数が減るというようなことがある場合には、特にこの認定基準の六号「従業員地位を不当に害するものでない」というものに当たるかどうかということを厳密にチェックするわけでございます。  その中身としましては、労働組合などと十分な話し合いをしたかどうかとか、あるいは雇用について十分な考慮を行ったかとか、具体的には例えば出向等とか、あるいは職業訓練とか、そういったことを十分配慮した計画であるかどうかというようなことを確認いたしまして、それに該当する場合には従業員等が減る場合であっても認定対象になることはあり得るということでございます。
  16. 簗瀬進

    簗瀬進君 話し合いがつかなかった場合はどうするんですか。
  17. 江崎格

    政府委員江崎格君) 協議対象になっていること、あるいは同意対象になっていることというのはそれぞれの労働協約あるいは労使協定等で決まっていると思いますが、そういったものをきちんと守っていれば、例えば同意を要するものについて同意を得られていないとか、あるいは協議をしなきゃいけないものについて協議をしていないということであれば、これは認定対象にならないと思います。  つまり、認定基準に適合しないことになりますが、同意を必ずしも要求していないものについて、同意が得られていないということで直ちに認定基準に該当しないということにはならないと思います。
  18. 簗瀬進

    簗瀬進君 同意を要求していると今おっしゃったけれども、どういう根拠規定同意を要求されている場合を今お話しになったんですか。
  19. 江崎格

    政府委員江崎格君) 個々の企業における労働協約等で、こういったものについては同意を要するとかあるいはこういったものについては協議を要するということになっていると思います。その協議労働協約等に基づくものを根拠として同意を要することになっているかどうかということを判断するわけでございます。
  20. 簗瀬進

    簗瀬進君 それは、労働協約をしっかりと遵守しながらでなければ、この不当に害するというふうな場合に該当することもあると、この基準として労働協約をしっかりと守れというようなことをお求めになっているということですね。
  21. 江崎格

    政府委員江崎格君) 先ほど申し上げましたように、この基準としては労働組合等と十分な話し合いをしているかどうかということでございますが、その内容として守るべき協議はきちっと守っているかどうかとか、あるいはその同意を必要とするものについては同意を取りつけているかどうかということを確認するということでございます。
  22. 簗瀬進

    簗瀬進君 次の質問に移ります。  計画にはなかった雇用削減計画実施途中で行われるといったことも場合によってはあり得るんではないか。ということになりますと、報告を一年に一度ぐらいというよりもむしろ半年に一度ぐらいのペースで報告させていかないと、途中で雇用削減計画が場合によってはいろいろなぐあいで従業員の過度な変動に実態としてつながってしまっているといった場合をチェックできないんじゃないでしょうか。  そういう意味では、この報告の義務づけというようなもの、これは一年に一度というよりももっと頻繁にやられるべきではないか、あるいは途中で計画と違った何らかの事実が行われた場合は適時それに報告をしなければならないとかいうふうなことで、計画にないような雇用削減が行き過ぎの形で事実上行われているということについてのチェックをすべきなのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  23. 江崎格

    政府委員江崎格君) その認定事業者が当初の計画に従って適切に事業構築というものを実施しているかどうかにつきまして、確認をするために報告徴収規定を設けているわけでございますが、私どもとしては主務大臣が毎事業年度終了後に実施状況報告を求めることを予定しております。  この中で、事業の再構築計画労働者理解と協力を得つつ推進されるように、雇用影響があると判断される計画につきましては、事業の再構築計画に係る従業員数変動をこの実施状況報告の際に求めることにしたいというふうに考えております。  それから、この法案の第三十五条にございますが、必要があればいつでもこの規定に基づきまして報告徴収を行うこととしておりまして、仮に認定要件に適合しないという事態が発生したことがはっきりした場合には、その計画の変更を指示したりあるいは認定を取り消すということになると思っております。
  24. 簗瀬進

    簗瀬進君 必要があればとおっしゃっていただけました。ということになりますと、例えば現場の労働者の方からどうもおかしいというふうなそういう申し出があったときは、通産省はそれを受けてしっかりと指導していただけるというようなこととして聞いてよろしいでしょうか。
  25. 江崎格

    政府委員江崎格君) そのような場合には、私どもとしては労働省ともよく相談いたしまして対応したいというふうに思います。
  26. 簗瀬進

    簗瀬進君 それから、「従業員地位を不当に害するものでないこと。」というこの文言は、ある意味ではセーフティーネットの一つの大きな柱だと思うんです。そういう意味では、労使協議や合意など労使で十分に話し合いが行われることというその趣旨を実際聞いてみると、告示という法形式でおやりになろうとしているのでありますけれども、一般的に告示よりも省令というのが法的な規制力は高い、こういうふうに理解をされているので、これは省令でいろいろなことを決めていったらいかがなのかという意見があるんですけれども、いかがでございましょうか。
  27. 江崎格

    政府委員江崎格君) 認定基準を極力明確化する、かつ国民にこれをわかりやすい形で明らかにするということは非常に大事だというふうに思っております。従来、事業革新法などのこうした例を見ますと、こういったものについての明確化というのは告示という形で規定をしておりますので、私どもとしてはこの法案におきましても従来の例に倣いまして告示ということで対応したいというふうに思っております。  効果としましては、その省令による場合と全く同等の効果がこれで確保できるというふうに私ども思っているわけでございます。強いて言えば、省令というのは一種の命令でございまして、告示というのは国民に広くこういうことでやりますということを明らかにするという少し性格の違いがあるかと思いますが、この認定基準はこういうことで確認をしますよということにつきまして明らかにするものを考えているわけでございますので、性格からいっても告示というのにふさわしいのではないか、このように思っておるところでございます。
  28. 簗瀬進

    簗瀬進君 事業構築計画認定、これは大変重要な部分であります。そういう意味で、これに取り組む通産省の体制、例えばそういう組織がどうなっているのか、あるいは人員としてどの程度の数を予定しているのかお聞かせください。端的で結構です。
  29. 江崎格

    政府委員江崎格君) もともとこれは迅速に私どもとしても民間事業者の取り組みを支援したいということでございまして、行政サイドとしても万全な体制を組みたいというふうに思っております。  具体的には、通産省の中では産業政策局、それから中小企業庁などが中心になりまして、窓口は恐らくそれぞれの業所管の原局が当たるということになると思いますが、全省的には産政局あるいは中小企業庁などが中心になる。それから、地方の通産局も全面的に活用したいというふうに思っておりまして、私ども全省庁を挙げまして責任を持って執行できる体制を整えていきたいというふうに思います。  それから、この問題は主務省ということで、関係省庁が幾つかにまたがるわけでございますので、そういった意味では各省庁間におきまして統一的あるいは円滑な運用が必要だということで、お互いに十分な連絡がとれるような体制もあわせて整備をしていきたい、このように思っております。
  30. 簗瀬進

    簗瀬進君 時間も本当になくなってしまいまして、きのうの参考人の話の中で、それぞれの皆さんにいろいろ大変興味深いお話をしていただいたわけでありますけれども日本SOHOセンター理事長の花田さんが来ていらっしゃいました。  起業するのは非常に楽である、能力と意思があればある程度できるんだけれども、むしろ大変なのは起業後の維持である、それについては非常に日本の仕組みというものは脆弱だ、特に個人で脱サラをした人、そういう人たちが何かを始めようといったときに、例えば契約で、当然受注者側からいえば弱い立場に置かれる、支払いカットされる、あるいは消費税の転嫁までできない、こういうふうな大変厳しい状況に置かれるということで、起業者を取り囲むスタートアップの後の厳しい経営環境からそういう起業者を守っていく総合的な施策の樹立ということこそ必要なのではないかという大変切実な話がございました。  失敗をするともう後がないんだと。場合によってはホームレスになるか、あるいは犯罪を犯すか自殺するしかない、こういう切実な叫びがあったわけでありますけれども、ベンチャーあるいは起業をした後のそれを守っていくための、厳しい経営環境からこういう起業者を守っていくというとあれですけれども、起業者を守り育てていくといったそういう環境、それをつくるための総合的な施策必要性ということについて、大臣答弁を求めたいと思います。
  31. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 通産省としましては、小規模事業者等の経営の安定等を図るため、取引先の倒産に遭遇した小規模事業者等がみずから倒産等に陥ることを回避するための中小企業倒産防止共済事業や小規模事業者の病気の際にも適用できる小規模企業共済事業を実施しており、また小規模事業者の経営支援のための各種事業を全国の商工会、商工会議所で実施をしております。また、国民金融公庫による低利融資等の資金供給の円滑化を図る等の措置も講じているところでございます。さらに、下請中小企業に対する不公正な取引の強要については、下請代金支払遅延等防止法に基づき厳正に対処しております。  今後とも、小規模事業者に対する総合的な支援に努めてまいる所存でございます。
  32. 簗瀬進

    簗瀬進君 ただ、実態はなかなか厳しいようでございます。そのような法的な施策があるにしても、それに違反をしている場合に、では裁判に持っていけるかというと、裁判に取り組むということ自体が死活問題になってきて結局は泣き寝入りをしてしまう、こういうふうな実態にある。でありますから、形式的にこういう法律がある、こういう制度があると言っただけでは私はちょっと済まないんじゃないのか、もうちょっと実態を細かく見ていただいて、さらにこの実態に合ったようなきめ細やかな施策をつくっていただきたい、このようにお願いをしたいと思います。  もうあと残り三分になってしまいました。せっかく文部省の関係者に来ていただいております。  昨日の大見参考人の話も非常に大変な示唆を私たちに与えていただきました。まず一つ、産々学々という言葉がありまして、産学では足らない、産と産と学と学だと。その中で特に学と学でございます。研究者というようなものは、例えば国立大学の講座制とかいって、意外に今までの独立自尊の気風が強くて横断的な連携がなかなかとれていないんじゃないのか、これをしっかりととっていくような学学連携の施策をしっかりとつくるべきだという提言がございました。これについて、文部省、高等研究機関のそういう研究者の横断的なネットワークあるいは連携の推進ということでどのように考えているのかということをまず第一番目にお聞きしたいと思います。  それから第二番目に、日本版バイ・ドール法というようなものがございました。しかし、よくよく考えてみますと、例えば国が国立大学に委託研究をするといった場合には個人あてじゃなくて大学なんです。当然そうなります。委託研究をする。という形になりますと、日本版バイ・ドール法の直接的な適用という形になれば、国とそれから国立大学の研究機関であって、研究者個人とその研究センターがどういうふうにつながってくるのかというのは、実は大学の中の内規と絡んでいるわけであります。大学は、全部それはセンターで持つんだというふうなことになれば、これは研究者の方には行かないんです。だから、バイ・ドール法ができた、そうすれば研究者が自分の名誉心とかあるいは大変な功名心とか、そういうものがインパクトになっていろいろとやるというふうにおっしゃって、法案説明もそうされていますけれども、実際は違う。  まずは、日本版バイ・ドール法で行くのは国対大学の研究機関だ。そうしたときに、大学の研究機関とその研究機関に所属している研究者がどうつながってくるのかということは、まさに国立大学の中で一人一人の研究者と大学の関係あるいはセンターの関係をどういうふうに内規で定めているのかということにかかってくるんです。だから、その点についての文部省のこれからの指導方針について聞かせていただきたい。  この二点で最後の質問とさせていただきたいと思います。
  33. 小野元之

    政府委員(小野元之君) 第一点目の学学の提携の問題でございますけれども、御指摘ございましたように、研究者間が連携を図るというのは大変大事なことでございます。  文部省といたしましても、大学が違っても例えば学会活動ということでいろんな形での国公私の研究者の交流が図れます。あるいは国公私を通じました研究者のグループに対して、例えば科学研究費の補助をするというようなことでいろんな形でのグループ研究を助成することでの連携等も図っております。それから、大学の共同利用機関を文部省としては今整備しておるわけでございまして、これは国立も私立も含めまして、全国の研究者の英知を集める形で研究を高めるというようなこともやっておるわけでございます。そういった形で、産学連携はもちろんでございますし、お話しございました学学の連携をさらに深める努力はしてまいりたいというふうに思っております。  それから二点目の、今回のバイ・ドール条項に伴います特許権の扱いの問題でございますけれども、お話しございましたように、国立大学に対して国が委託する場合は特許は受託者でございます国に帰属ということで今回の法律では特に変わりがないわけでございます。しかしながら、大学と研究者の間においてどういう関係にしていくのか、内規の中で研究者の方々がそれぞれみずからの発明あるいは特許を、努力した成果が個人にも何らかの形で反映できるような形で個人の能力を生かすとともに、そして大学全体としての研究基盤が高まっていくような努力、そういったことはしていかなければいけないと思っておりまして、お話しございました点も十分踏まえながら今後努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  34. 簗瀬進

    簗瀬進君 ありがとうございました。
  35. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  昨日、参考人の方々から大変示唆的な話をいただきまして、本当に人選は的確なものであったというふうに理解しておりまして、大変ありがたいと思っております。  参考人の大見教授に私も触発されておりますけれども、それで思い出した本がございまして、「脱日本のすすめ」、これはニューヨーク市立大学教授の霍見芳浩さんが書いている本でありますが、その初めの中にこういうふうに書かれております。   明治維新、第二次世界大戦敗戦後、そしていま、日本は、近代化の歴史の中で、三度目の大転換を迫られている。  この大転換なしには、今後の日本の国富の拡大はありえない。この大転換の方向は、官僚による統制経済の残滓を一掃することだ。ここにきて、これまで、官僚主導で伸びた日本経済が、統制経済の限界に突き当たっている。国が富み、国民が物心ともに窮乏している。このままだと、日本産業の空洞化がすすみ、日本も、日本企業も、米韓連合のはさみ撃ちにあって、二十一世紀初頭には、つぶれるとの予想も立つ。これを避けたいなら、日本企業と都市生活者が脱日本の思想と行動を身につけて、政治家と官僚を突き上げるほかはない。 そういうふうに書いてございまして、「官僚にしめ殺される日本」なんというふうにもかなりショッキングな言葉が書いてあるわけなんです。  そこで、質問なんですけれども、本法案の見直し規定がございまして、平成十五年三月三十一日までに廃止を含めて見直しを行うというふうになっておりまして、廃止を含めて見直しを行う際には労使等の視点などから評価枠を設定し、言うまでもないわけですけれども二〇〇一年から行政評価法が導入されるわけですから、費用対効果の観点、そういった面も含まれると私は思いますが、一体どのようにされるか、総括、そういった点が一つ。  さらに、これにあわせて、本法律案の主要な事業構築計画等の三点について事後評価分析を十分行う必要があるのではないか。同時に、その内容について、その結果について直ちに情報公開を行い、結果として安定した雇用に対する寄与の程度がわかりやすく示されることが非常に私は重要だと考えております。この辺についていかなる認識、見解を持っているかという質問でございますけれども、この辺については多少昨日質問通告した内容と変わっているところがございますので、後ほど答弁をいただきたいと思います。  それで、次に入るんですけれども、先ほど簗瀬委員からも情報産業関係について質問がございました。それから、昨日は水野委員からも質問がございましたし、私も三日の時点で、情報関連について雇用創出の観点から質問をさせていただきました。  私は、平成九年四月十日の商工委員会でこういう質問をしております。スコット・カーロンという方が出した本で「ディバイデッド・サン」、割れた太陽というか、日本が大変な状態になっていくという話なんですけれども、その中で、一九七五年以降の通産行政、とりわけ情報関係なんですが、この方が非常に示唆に富んだ話を展開している。通産がやってきましたビッグプロジェクト、例えば超LSIとかスーパーコンピューターあるいは第五世代のコンピューター、それからこの超LSIについてはIBMが当時それなりの力を持っていたわけですから、こういうプロジェクトについては非常にインセンティブが働いた、いいプロジェクトであるというような評価をしているわけなんです。しかし、スーパーコンピューター以降についてはなかなか難しい、通産行政がやっていることの中身はなかなか難しい、うまくいったとは考えていないという認識を示した本で、私も非常に触発された本であります。  私は、八月三日に、雇用創出という視点から、情報通信産業とりわけソフトウエア産業のおくれを指摘したわけでありますけれども、インド、中国、マレーシア、韓国、そういった国々、とりわけインドは国内市場が小さいにもかかわらず情報産業の展開は非常に急であるということで、世界的な優秀なプログラマーが育っているというふうに聞いております。しかし、我が国は今や中堅のいわゆるある程度の人材を育成するだけではだめである、実態としては総体的なプログラマーが減少しているという言い方もしたわけであります。  このことから、世界の市場の動向とそれに対応する技術力、とりわけ現在の情報産業の柱とも言えるあるいはコアとも言えるインターネット技術について、超高度の能力を持つプログラマーを育成することであるというふうに私は言ったわけであります。つまり、事実上の世界基準あるいは世界標準、それを日本から発信する状況をつくり上げることが極めて重要である、必要である、そうすることが情報産業をリーディングセクターに育て上げることになる、そして結果として雇用の受け皿の一つにもなり得る、そういうふうに述べたつもりであります。  昨日、水野委員に対する政府の答弁も、雇用関係についてはタイムラグがあるというような言い方をして、後々効果があらわれるというような答弁をされておりましたけれども、それは私は間違いだと思っております。通産行政情報産業に対しての取り組み方がちょっと違った角度で進んでいるのではないか、私はそういった懸念を持っております。  そこで私は、前回も申し上げましたように超高度なプログラム技術力、それを一足飛びに育成するということはなかなか難しい、これは簡単ではない、したがって明治期の開国期にやったと同じように平成のお抱え外国人制度、すなわちスーパープログラマープロジェクトを導入すべきだと主張したわけでありますけれども、とりわけ情報社会のコアになる技術としてインターネット技術について教えを請う、そういう対応も一つは考えられると私は思っておりまして、この辺について再度大臣の御答弁を伺いたいと思います。
  36. 広瀬勝貞

    政府委員(広瀬勝貞君) いろいろ情報政策につきまして御指摘をいただきました。  一つは、海外の事情をもう少しよく見ながら対策をやっていく必要があるということでございますけれども、これについてはもう全くおっしゃるとおりでございまして、技術情報あるいは市場の情報、マーケティングの情報、このあたりは常に見ながらやってまいりたいというふうに考えております。  また、こういう中で、外国の技術者との交流、あるいは場合によっては外国の技術者にこちらで仕事をしてもらうというようなことも、もちろん企業ベースでもいろいろもうやっておると思いますけれども、国としてもそういうことも考えていったらいいかということで、大臣からも実はそういう御指示をいただいているところでございます。  それから、それにしても日本のソフトウエア産業をこれからどういうふうに考えていくかということでございます。これまでいろいろおくれているところはありますけれども、しかし日本には何といいましても世界を制覇している家電もありますし、工作機械、自動車もあります。こういうあたりは、実はこれから情報化というのは非常に大事な分野でございまして、そういう我々が今持っている強いところを活用しながら情報化技術を進めていく、それによってまた世界のデファクトをとっていくというような可能性も我々は心に描きながら情報政策を進めていきたいというふうに考えております。
  37. 加藤修一

    ○加藤修一君 部分的には納得しますけれども、別の部分については納得できないところもあります。  昨日、参考人の一人でありました大見東北大学教授に私はあれから電話をいたしまして、約四十分ぐらい話をいたしました。スーパープログラマープロジェクトについては非常に大きな関心を示していただいたわけですけれども、最後に言っていたことは、政治がやはりリードしなければいけない。情報にかかわるような国家戦略についてきちっとした形で政治的な判断、決断、そういったことが非常に大事であるというふうに言われていたことは非常にそう思っております。  ただ、スーパープログラマープロジェクトの関係について言いますと、もっと単純な中身について言いますと、例えばSEなんかを含めて年俸一千万、二千万ということでありますけれども、これを年俸五千万ぐらいを考えて、さらにプラス、ストックオプション制度を導入して、あるいは成功報酬制度というのを導入するような形にして、つまり世界の動向とかインターネットのコアの技術、そういった面についても広く日本のプログラマーがここまで違うのかということを十分に覚せいさせられるような、そういった仕組みとして私は考えていくべきだと思うんです。  海外に長期にいる方もいるわけでありまして、十五年、二十年という日本人の方で、そういう方もやはり場合によっては日本のことを真剣に考えている人がいるわけでありますから、そういった日本人を雇うということも考えられていいんじゃないかと思うわけであります。  いずれにしましても、ソフトウエア産業といいますのは、日本経済の再生のための極めて重要な産業として位置づけることができるわけでありますから、SPプロジェクトも一つの国家戦略的な立場で検討していくことが私は必要ではないかと思います。  それで、その観点からいいますと、まず第一には、なぜこういったことをやらなければいけないかということを考えていきますと、グローバル市場向けの開発をやはり私は重視すべきだと思うんです。従来の開発方式というのは、日本語版の優秀なソフト開発があったとしてもそれを英語版等に作成し直すというのはなかなか大変であった。そういった意味では当初から語学的な面も含めてハンディキャップがあるわけでありますし、それから日本語版の開発ツールを利用するとある意味で無意識のうちに漢字ベース、いわゆるマルチバイトの機能が組み込まれているわけですから、それを再度英語版に直すという場合には、そういった面では難しい部分がある、そういうふうに考えざるを得ない。  そういった点から考えますと、やはりこれからの方式としては最初から英語版の開発ツールを使用してソフトウエアの開発、販売を行う。英語圏の場合は、ソフトウエアを開発すると同時にオートマチックにそれはグローバル市場に向けて販売できる体制になっているわけですから、それと似たようなことを日本それ自体がやっていかないと、なかなか太刀打ちできないのではないか。英語版で開発して、さらに今度日本語版にカスタマイズするということはより簡単にできるわけですから、そういった仕組みをつくっていくことが非常に大切ではないかと私は思うんです。  それから、つけ加えて外国語の壁が当然ある。これはやはりあいまいにしてはいけない。そういった面について明確に意識をして乗り越える努力も必要であるし、あるいは市場、海外のニーズについても具体的にわかっていないところが多いんではないかなと私は思っております。外国市場に具体的に参入し、外国企業と張り合うこと、そうすれば一応情報も入ってくる。この外国市場に参入するとか参入の仕方とか、どういうふうになっているかということも含めて、それはSPプロジェクトの関係でより鮮明に情報を得るということが非常に私は大切だと思うんです。そういったところから私は主張しているわけであります。  それで、グローバル市場向けのソフトウエア開発を何らかの形で奨励する必要があるわけでありますから、やはり私が述べておりますSPプロジェクト、そういったことも当然一つの戦略的な意味での意義づけをしなければいけないというふうに考えております。  それから、先ほど答弁の中に家電製品用のソフトウエアの関係がありました。家電製品がデジタル化するというところについては日本は非常に力を持っている、私もそのとおりだと思います。ですから、情報家電の分野について一層ソフト開発に力を注ぐべきであると思いますし、そういったところが非常に優位な位置を持っているわけですから、さらに拡大していくべきだと思いますし、付加価値を相当つけていく、そういったことがさらなるソフトウエア産業の拡大につながるというふうに考えております。  ただ、昨日、参考人の大見東北大学教授が言っていた中で非常に私は参考になったところは、第一番目に日米比較をしたところがあったんです。日本が優位の芽がある、それは日本は画像処理も含めてゲーム機の関係が非常に突出していると。  これは私はちょっと通産省に言っておきたいんですけれども、同僚委員がゲーム機の関係についても通産行政はそれなりのことをやらなくちゃいけないんではないかという質問がありました。その質問者に対しては悪いんですけれども通産は一切手を触れない方がいいと私は思うんです。触れるとまたゲーム分野もだめになってしまうと私は思いますので、ゲームの関係で非常に突出していると思うんです。だから、その関係から情報家電に入っていくということで、確かに通産が繁栄しても日本が繁栄しないという形になりかねない部分があるものですから、私はあえて言っているわけです。  それで、アメリカはパソコンから入ってきている。そして、情報家電というふうになっていますけれども、パソコンはある意味では汎用機というふうに言ってもいい部分があると思うんです。だから、専用のプロセッサーを持っているいわゆるゲーム機、そういったものが日本が非常に力を発揮できるところだと私は思います。大見参考人はソフト・イン・ハード戦略、これが非常に大切だ、専用のプロセッサーをたくさんつくるんだ、それをネットワークの中でどう流通させるかというその辺のところが大切で、いわゆるパソコンという汎用機でソフトウエアを駆使してやるというのは非常に速度が遅いと言うんです。汎用ですから、何でもかんでもやれるようにパソコンをつくってしまうわけですから。それよりも特化した使い方ができる専用のプロセッサーをつくっていく、そういう考え方に立つべきだというふうに主張しておりました。  それから、ビジネススコープのある人をどう育てるかという話もございました。これは海外市場も含めての話でありますけれども、そういった観点を含めて、私はずっと主張しておりますけれども、やはりSPプロジェクト、こういったものが大事であると思うわけであります。  それから、一方的に話をしておりますけれども、なぜ必要かという第三番目の関係なんですが、ソフトウエア企業のつくるソフトウエアの品質の評価、これについてはまだグローバルスタンダードという形になってはおりませんが、この辺についての情報もまだ我が国の業界というのは明確にとらえていないのではなかろうかと私は思っています。国際的な評価指標の導入という視点が私は必要ではないかと思っていまして、例えばISO9000という品質管理の関係がございますけれども、これはソフトウエアに特化した話ではないです。  ソフトウエアの品質の評価指標というのを考えていった場合に突き当たるのは、一つはアメリカのSW―CMMというものがあるわけです。これはケーパビリティー・マチュリティー・モデル・フォー・ソフトウエア、そういう客観的な指標として作成しているわけで、ソフトウエア機能完成度評価モデル、こういうふうに訳せるわけです。カーネギー・メロン大学のソフトウエア研究所、SEIが作成したわけでありますけれども、このあたりはほとんど我が国の業界の方は知っていない、情報を入手していない。  もちろん、これが非常に大切かどうかというのはまだわからないわけですけれども、ただ言いたいことは、アメリカの政府が調達する場合に、ソフトウエアについてはこの評価モデルがきちっと使われているわけです。だから、アメリカ国内ではこれがもう開発力の評価のデファクトスタンダードになりつつあるということを考えていきますと、こういうことに対する知的アプローチも全然なされていないという意味を考えていきますと、こういったことだけじゃなくて、そのほかのこういった面にかかわるようなものがたくさんあると思うんです。ですから、やはり世界の動向をきちっと把握している、そういうスーパープログラマーという者を呼び込む考え方がここで成立すると私は思います。  いずれにしましても、そういった手だてが十分必要だと私は思っておりますので、ぜひこの辺について積極的な御検討をお願いしたい。ウサギのように耳を大きく長くして、アンテナもあちこちに張りめぐらすという、そういった観点を含むSPプロジェクトだと私は思っておりますので、大臣、どうですか。
  38. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) スーパープログラマーというのは大変大事な考え方でございまして、報酬との関係先生指摘のとおりだと私は思っております。やはり一人二人で大変価値のあるものを生み出す人たちにはそれなりの報酬はあってしかるべきだと私は思いますし、そういうことが社会的に広く認められているという雰囲気をつくることも大変大事だと思います。  また、ゲーム機あるいはアニメ等の世界では日本はまだ確かに世界をリードしておりまして、先生の数々の御提言は大変同感するところが多いと思いながら先ほどから伺っていたわけでございます。
  39. 加藤修一

    ○加藤修一君 同感だけじゃなくして、具体的にぜひ実施の方向で検討を積極的にお願いしたいと思います。  それで、最初に質問した内容について、残された時間が非常に少ないんですけれども、ぜひお願いしたいと思います。
  40. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) まず、先生の最初の御質問は多分二つの部分に分かれているだろうと思っております。  まず第一点から申し上げますと、廃止を含めて見直しを行うと規定されているが具体的にはどういった評価を行うのかという御質問ですが、本法案については事業者による選択と集中に向けた取り組みが進み、生産性向上が図られるとともに、創業や中小企業の新事業開拓が一層活発化するといった本法案の所期の目的が十分に達成されたかどうかについて、内外の経済情勢の変化も踏まえつつ十分な評価を行い、廃止を含めた見直しをすることとしております。なお、いわゆるバイ・ドール条項を含む研究開発の活性化のための施策については、恒久的な措置として残すことを現時点では考えております。  次に、半年に一度ぐらいのペースで報告を義務づけ、その中で従業員数変動についてもきちんと把握すべきではないか、こういう御質問だったと私は理解をしておりますが、これらについては毎事業年度終了後に、従業員数変動実施状況報告の際に求めることといたします。また、必要に応じて報告徴収を行うこととしております。
  41. 加藤修一

    ○加藤修一君 終わります。
  42. 西山登紀子

    西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。  きょうは、産業競争力会議と本法案関係についてお聞きをいたします。  私は、先般の本会議の質問の中でも企業献金との関係で総理にこの点についても質問をいたしましたけれども、きょうは、通産大臣産業競争力会議の進行役を務めてこられた方でございますから、つぶさにいろいろなことを御存じだと思いますので、お聞きをしたいと思います。  衆議院の本会議の日本共産党吉井議員質問に対しまして、総理はこの法案というのは財界要求の丸のみではないと答弁されているんですけれども、そこで私は、産業競争力会議の議事次第、いろんな資料をたくさんいただきましたので少し勉強させていただいたわけです。  この産業競争力会議というのは、総理大臣がその構成も決裁をいたしまして、閣僚とそれから財界代表によって構成されているというものでございますが、その趣旨はいただきました資料の中でこのように述べられております。「現下の厳しい経済情勢を克服し、我が国経済を自律的な成長軌道に乗せるためには、需要面での対策のみならず、官民を挙げて経済の供給面の問題への取組を深め、加速化し、経済の体質強化を図ることが重要である。」ということで開いたんだという趣旨が述べられておりまして、構成メンバーがずっと出ているんですけれども中小企業の代表はお一人参加をしていらっしゃるということなんですが、ベンチャー企業の代表でございます。あと十六人の方は大企業の代表でございまして、労働者の代表は入っていないということは、これは事実でございます。  そうして、この第三回の産業競争力会議の議事要旨を見てみますと、第二回の会議でどういうことがあったのかということがメモられているわけですけれども、今井経済団体連合会会長さんがこういうことを言っていらっしゃる。「前回の会議において、」、これは第二回、四月二十八日の会議を指しているわけですが、「総理より「民間の立場から問題となる法制・税制は何で、それをどの様に直すべきか、具体的に提案して欲しい」との指示を踏まえ、経団連の考えを、具体的な提言に取りまとめた「我が国産業競争力強化に向けた第一次提言」について説明。」、これは事務局がそういうふうにまとめたものでございますので、そういうふうに発言をしたというメモです。  最後に総理がまとめ的な発言をなさっているんですけれども、こういうふうに言ったとメモられております。「先日の閣議において、この会議におけるこれまでの検討過程で取り組むべきとされた事項を中心として、雇用対策及び現時点における産業競争力強化対策を通商産業大臣労働大臣を中心に六月中旬に取りまとめるよう指示した。」、「本会議で取りまとめまでに議論いただいた成果については、可能な限りこれを盛り込みたいと考えている。」という総理の発言のメモでございます。これは公式にいただいたメモでございますから、私どもが勝手につくったようなメモではございません。  私は、構成、それから、こういうふうに産業競争力会議で成果が積まれた上でこの法案が出てきたというようなこの経過を見ましても、非常に異常じゃないか、余りにも大企業偏重ではないかというふうに思うわけです。事業所の数でいえば九九%は中小企業日本経済の大黒柱は中小企業でございます。しかし、その代表は入っていない。雇用問題にかかわる一方の当事者であります労働者の代表も入っていない。これではやはり大企業偏重というふうなそしりは免れないというふうに思うわけですけれども、まずこの点についての大臣の御意見をお伺いいたします。
  43. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 私どもは、競争力会議を通じて、いわば経団連という日本の非常に幅広い経済界を代表する方々の御意見も伺いましたし、また実は政労使会議というのを別にやっております。これは労働大臣と私が連合と日経連の方、四者でやる会合でございまして、ここにおいては、連合を通じて労働組合の方々が物事をどういうふうにお考えになっているかということは別途会議で伺っております。そういう意味では、今回の法案は競争力会議だけの産物ではございませんで、政労使の会議等の御意見も十分踏まえながら、また個別に労働組合の方々の御意見も事務的にいろいろ感触を伺いながらつくったものでございます。  また、中小企業庁も中小企業団体と広く接触をしておりますから、中小企業庁も当然ながらこの法案の作成に当たっては十分な意見を申したわけでございますし、また中小企業政策については、これとは別途に、秋に向けて今作業を進めているところでございます。
  44. 西山登紀子

    西山登紀子君 私は、いろいろなところでいろんな意見を聞いているよということを聞いているんじゃないんです。この産業競争力会議という、総理大臣が直接指名をして主宰して、閣僚とそれから十七名の代表を集めて会議をやっているんです。今も申し上げましたように、その成果を即座に生かす、ちゃんと提言を出してくれと総理が言って、総理が直接意見を聞くという、大変重いものだと思います。  このいただいた資料をずっと見ていますと、これはいろんな財界の代表の方が次々とレポートを出して報告していらっしゃるというものでございますが、そういう場にどうして中小企業の代表、一人といってもベンチャーの代表の方、それから労働者の代表はだれもいないというのはやっぱり異常じゃないかと申し上げているわけであります。  そこで、きょう私は、委員会に配付をさせていただきますが、こういう資料をつくってみました。財界の要求丸のみじゃないとおっしゃるので、それではどうなんだろうということでつくってみたんです。  これは、見ていただきますと、上の方は「経団連の要求」ということですが、これは産業競争力会議の第三回会議でこういうふうに総理から言われて出したという経済団体連合会の第一次提言を、三十七項目ございますけれども、私たちのわかる範囲で、今国会とか次の国会とか、対応がはっきりしている、政府の対応が見えている十三項目を抜き出しまして上に並べてみました。下の欄は政府の対応がどうなのかということでございます。左の方は「労働者の要求」でございますが、この労働者の要求というのは、日本労働組合総連合会、全国労働組合総連合などの要求、もちろんたくさん要求がございますけれども、その中から、今回この法案の関連で出されている要求を上の方に出してみたわけでございます。  見ていただきますとおわかりだと思いますけれども、この産業競争力会議で出した経団連の要求は、Ⅰは「産業競争力強化・供給構造改革」でございます。  その中で、(1)「企業組織形態の多様化」の①は「会社分割法制」、これは政府の対応はどうかといいますと、次期通常国会、商法の改正。②の「分社化の法制」、これは今ここで審議をしております産業再生法案の中に盛り込まれている。③の「株式交換制度の早期導入」、今国会、商法改正案。④「ストック・オプション制度の拡充」、これは産業再生法案。  (2)「税制の国際的イコール・フッティング」、①「連結納税制度の早期導入」、これは本格的な検討に入ったと。②「欠損金の繰戻し、繰越し期間の見直し」、これは産業再生法案、租税特別措置法案。  (3)「過剰設備・資産の廃棄、事業転換を容易にするための税制上の措置」、それは産業再生法案、租税特別措置法案。  (4)「企業の再建を容易にするための法制上の措置」、①「新再建型倒産手続きの早期導入」、これは次期国会。②「債務の株式化に係る法制の整備」、産業再生法案、独占禁止法運用緩和、銀行法省令改正。  Ⅱ、「雇用のミスマッチの解消・新規雇用創出のための対策」ということで、(1)「職業紹介事業の自由化」、(2)「労働者派遣事業の自由化」、これは職安法、労働者派遣法の改正で、既に今国会で成立済みでございます。  Ⅲ、「工場跡地など遊休不動産の有効活用および流動化の促進」という点で、(1)「地方自治体や住宅都市整備公団及び民間都市開発推進機構による土地の先行取得」、これは都市基盤公団を設立するということで、今国会で成立済みでございます。(2)「都市計画法の工業専用地域等の用途地域の変更」、これは運用緩和済みということで、今国会。次期国会では都市計画法の改正案。  こういうふうな形で政府の対応は既に明らかになっているところでございます。  では、労働者の要求はどうなのかということなんですが、例えば「法案の第一条(目的)に「雇用の維持・確保」を前提とすることを明記すること。事業構築計画の「認定基準」及び、計画の「実施」にあたって「雇用労働条件に影響を与える場合には、労働組合(ない場合には労働者の過半数を代表するもの)と労働者雇用維持、労働条件について労使合意が成立していること」を明確にすること。」、これは拒否。  それから「解雇規制法の制定」、これも拒否。  「EU既得権指令並みの企業の分割・譲渡・合併など企業組織変更に伴う雇用契約の継続、労働者の既得権保護法の制定」、これも拒否。  「持ち株会社下の団体交渉応諾義務の法制定」、これも拒否というような形で、一覧表にしてみますと、だれの要求がこの法案に盛り込まれたのか、政府はだれの要求の対応に力を注いでいるのか、だれの要求には背を向けているのかということが私は一目瞭然ではないかと思います。  こういう国民労働者の要求をないがしろにしたものということは私は一目瞭然だと思うんですけれども大臣の御意見をお伺いいたします。
  45. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 経団連の要求だから応じた、労働者の要求だから断ったというのは、私は多分違うのだろうと思っております。経団連の要求の中でも合理性があって実現可能なものは実現するという態度ですし、また、社会的な要請があるものについては実現するという態度で臨んだわけでございます。  なお、先生がここに選ばれました労働者の要求の四つの例示でございますけれども、それぞれ法律的な難しさというものを中に秘めておりまして、そう簡単に既存労働法制との整合性を図りながら実現するということは難しいですし、また第三項目めの、EUの項目を取り上げておられますけれども、EUはこの項目だけでなくいろいろなEUの中の雇用関係に関するいわば法律と慣行がありまして、一点だけ取り上げてフットライトを浴びせ、これが必要だということは、どうも日本労働法制全体にはうまくはまっていかないんではないかというふうに考えております。
  46. 西山登紀子

    西山登紀子君 私は、こういうふうに表にいたしますと非常にはっきりしていると思うんです。今いろいろ、なぜ盛り込まないかという理由をおっしゃいましたけれども、その理由をおっしゃればおっしゃるほど、やはり労働者や働く人たちの要求を盛り込もうとしていないなということをより私は痛感をした次第です。  それで、次に、昨日の参考人質疑の中でも、財界代表の樋口参考人が、今度の法案は要求はほぼ取り入れてもらった、短い期間だったのにうまくできていると絶賛をされておりました。満額回答と言わんばかりのお話をされていましたが、一方、連合の野口参考人は、要求のほとんどが法案の中で実現しなかった、こんなに一方的な法制化は初めてだ、企業のニーズだけに基づいて出てきたと発言をしていらっしゃるんです。(「当事者が言っているじゃないか」と呼ぶ者あり)だから、当事者がこういうふうに発言をしているわけですから、丸のみと。その言葉の意味、言葉遊びをするつもりはありませんけれども、私は、財界要求丸のみだ、そして労働者の要求、国民の要求はここの中に盛り込まれていないというのは当事者の御発言ではっきりしたと思うわけです。  大臣にお伺いいたしますけれども、働く人々あっての企業です。国民生活を豊かにするための企業活動が求められておりますし、今一番必要なことは、例えば消費税を三%に下げるなど個人消費の拡大をして需要をうんと拡大するということ、そういうことこそ政治がやらなければならないことじゃないのか。余りにもこれは財界要求の応援で、本当に応援すべき国民労働者の側に立ったものではない。余りにも財界偏重です、異常なばかりに偏重だと。その構成やこの経過を見てもそうじゃないでしょうか。もう一度お伺いいたします。
  47. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 国も社会も個人個人で成り立っておりますし、この法案を貫く思想というのは、働く方々の立場に十分配慮をしながら、また雇用の確保ということに十分配慮しながら物事を進めていこうということでございます。  そこで、これは考え方をどこに力点を置くか、どういう手順で物事をやっていくかということですが、やはり現在のままのパイ、しかも縮小するかもしれないパイをみんなで分けるという考え方でいくのか、あるいはパイを少しずつ大きくしながらみんなで分け合うのかという物事考え方の違いも多分あるんだろうと思っております。  もちろん、パイを大きくするというのは、これだけ日本経済が大きくなってまいりますと大変難儀なことでございますし、また日本経済自体が発展途上国にも追い上げられる、また先端分野では欧米先進諸国に差をつけられそうになっているという、そういう非常に難しい状況の中で、二十一世紀の日本経済を強くしてパイを大きくしていこうという考え方によって立っているわけでございます。  しかし、そうだからといって働く方々を犠牲にしようとか労働者の声を聞かないというようなことはこの法案の物の考え方にはどこにもないと私は思っておりまして、むしろ従来のように法律の中で、あるいは判例の中で、あるいは労使慣行の中で積み上げられてきた日本のよき労使のならわしをベースにして物を考えているということをぜひ御理解いただきたいと思います。  また、労働組合の御意見、働く方々の御意見を聞いていないじゃないか、あるいは中小企業の意見は聞いていないじゃないか、こういう御指摘もございます。確かに、競争力会議には労働組合の代表が直接には御参加をしていないということは事実でございますけれども、我々は連合等を初め広くいろいろな各界の意見を聞きながらこの法案を取りまとめたわけでございますから、先生の御指摘は御指摘として、我々の意図はそういうところにあったというふうにぜひ御理解をいただきたいものだと思っております。
  48. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) そろそろ時間です。
  49. 西山登紀子

    西山登紀子君 パイを大きくするということであれば、やっぱり国内総生産の六割を占める個人消費をうんとふやして、そしてうんと国民生活を豊かにする、労働時間も短縮して、そして労働者雇用をうんとふやす、こういうことだと思うんです。  最後に、労働者の意見を聞いたと言うんですけれども、昨日の参考人で連合の野口氏はこういうふうに言っています。この法案は一層の雇用不安の引き金になるおそれがある、特に、大手のリストラ策が新聞紙上で連日明らかになっている、市場もリストラ企業評価し、株価が上がるという状況さえある、こういう中で本法案のようなリストラ支援策を出せば企業は一斉に人員削減をやることは明らかだ、さらに景気が悪くなるのは明らかだと発言をされているんです。日本最大の労働組合の代表が述べた意見ですから、私は非常に重い意見だと思います。  もう答弁は要りませんけれども、こういうことで、今回の法案というのはやはり余りにも異常な大企業偏重法案であるということを指摘させていただきまして、質問を終わりたいと思います。
  50. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 持ち時間が十五分でありますので、御協力をお願いしたいと思います。  二点にわたって質問をしますが、第一点は、この産業活力再生特別措置法案産業政策局長の先般の答弁では、作成の段階では経済戦略会議の答申をベースにして取り入れたというような答弁がありました。質問をする中で明らかになったんですが、経済戦略会議というのは十年八月に小渕総理の肝いりで発足をしたと思うんですが、この経済戦略会議のメンバーを見てみますと、企業経営者が六名、学者が四名。しかも、これは行政組織法第八条の審議会、政省令で決めるというようなことになっておりますが、実際上は、この人選を見てもわかりますように、これは首相の私的諮問機関であると断言せざるを得ないと思うんです。形は審議会、しかし実質、中身は総理の私的諮問機関。  従来の国会の、私ども中曽根さんが総理の当時からの議論、それ以前からもしてきましたが、審議会のあり方、あるいは私的諮問機関のあり方、こういうものについて随分議論をしてきました。審議会というのは、労公使というようにバランスをとって、反対の意見の者も入れる、そしてそこで出た答申をもとに行政を進めていくということ。  私的諮問機関というのは、自分の好きな人、好きな者と言うと悪いけれども、そういう人を集めて話を聞いてそれをまた次に生かしていく、こういう形。ただ、私的諮問機関については恭しく答申のような形をとってはいけないというのが内閣官房長官の答弁であります。  だから、私的諮問機関的であり、審議会的であるが、私はきのうも言いましたように、例えば京セラの名誉会長であります稲盛さん、これは八月五日の日経新聞に出ておりますが、少し抜粋して読んでみますと、   極端な不況時に政府が何らかの対策をとる事は当然だろう。だが、今議論されているような一部企業のみ恩恵を受ける優遇税制や政府主導による新産業育成などは不要ではないか。日本のように成熟した資本主義の国では、政府が公正で自由な競争の環境を整えれば、経済は活性化し、起業家精神あふれる人々により、自ずと新たな企業が生まれ、成長していくはずだからである。   実際、現在活躍している大企業は、日本であれ米国であれ、政府の支援を受けて発展してきたわけではない。 こう言っている。こういう人がその中に入っておればまた違った形の答申が出ている。  それから、先ほど言いましたように、やっぱり連合の、働く者の立場、雇用を一番心配しているそういう立場の人はこの中には入っていない。そして、しかもその出た答申を恭しく通産省は受けとめて、この法案をつくるのに非常に参考にしたと。大体もとが狂ったものをどんどん継ぎ足していったような形になっているから、非常に遺憾であります。  きょうは総理にぜひそのことを聞きたかった。だけれども広島に行っておられる。官房長官に聞きたかったが、官房長官は別な委員会に出ている。説明員が来ておりますが、どうして一体こういうような形に、私的諮問機関みたいなものが審議会になって、人選もこういう形になったのか、説明だけでいいですから聞きます。
  51. 南木通

    説明員南木通君) 御答弁申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、経済戦略会議につきましては、昨年、小渕総理から我が国の経済の再生と二十一世紀における豊かな経済社会の構築のための構想に関する事項につきまして諮問を受け、精力的な審議を経まして、本年二月に総理に答申を提出したところでございます。その手続につきましては、通常の八条機関でございます審議会と変わるところのないものでございます。  それで、その委員の人選に当たりましては、我が国の経済の再生と二十一世紀における豊かな経済社会の構築のための構想を検討するというテーマにふさわしい方々の中から人選ということで、最終的には総理御自身の御判断により決定いたしましたところでございます。委員につきましては、ただいま御指摘がございましたように、実際に企業経営に携わっておられる経済人あるいは第一線で御活躍中の経済学者を中心とした構成になっているわけでございます。委員の方々には、我が国経済の再生というそういう大きな課題に対しまして、戦略的視点から非常に大局的な見地に立って幅広い御検討をいただいたというふうに考えているところでございます。
  52. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 戦略を立てる場合に、それは我が国が太平洋戦争をやったときにやっぱり戦略を立てていったけれども、戦争に負けたんだ。本当の戦略があればまたああいうような形にならぬかもしれない。  だから通産大臣大臣も内閣の一員ですから、これは審議会のあり方を、こういう場合は、私的諮問機関でいくのか、好きな者ばかり集めてやる私的諮問機関でやるのか、あるいは審議会でこれからやるというのか。これは今までの流れの関係がありますから、これは今後とも、内閣としては態度を明らかにしてもらいたいと思います。  何か決意があれば。
  53. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 一般的に審議会のあり方については幾つもの御指摘がございまして、一つは、平凡なことといいますか、これからやらなきゃいけないことの一つに、例えば女性の方の参加を多くするとか、あるいは会議の内容を広く公開するとか、あるいは役所の隠れみのになっているような審議会はやめてもらうとか、いろいろな考え方で審議会のあり方を今議論している最中でございます。  経済戦略会議は、通常の審議会とやや違っておりますのは、ここでは経済という非常に広い概念をいろんな角度から議論していただいたということで、普通の審議会ですと、例えば国語審議会ですと、何々についてということを諮問されて、それについての答申を出すという作業ですが、この経済戦略会議はあらゆるテーマを自由に討議してということで始まったというふうに私は理解をしております。これは、総理御自身が毎回出席をされて、各界の幅広い自由な御意見に耳を傾けるということが重要であったわけでございます。  かてて加えまして、戦略会議の委員の方が最後に、自分たちが発表した意見は報告書に取りまとめようということで戦略会議の報告書になっております。しかし、それも報告書が出しっ放しになっていたのかというと、そうではなくて、総理みずからがこういうものについて、各省で実現できるもの、中期的に検討するもの、長期的に検討するもの、そういうものを迅速にランクづけして自分に報告しろということで、各省ともそのABCランクで総理のところに御報告を申し上げて、Aについてはもう早急に実現するように努力しているわけですし、Bランクになったものは中期的な検討の対象としておりますし、Cランクについては、難度は高いんですが検討を始めている、そういう仕分けになっておりますから、聞きっ放し、言いっ放しという会議ではなかったと。その結果は、政府の中の政策の中で御提言の趣旨は十分生かされているものと私は考えております。
  54. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 だから、申し上げたいのは、こういうような形でこういうような実質は私的諮問機関、総理が毎回出て話を聞くというような私的諮問機関的な性格のものですね。それを今後は、こういうものを審議会のような形で、こういう形の審議会をどんどんつくっていったらたまらぬと思うんだ、好きな者だけで世論をつくって日本をずっと持っていこうとして。だから、どっちで整理をしていくのかという課題は内閣に残ると思うんですが、通産大臣も一員ですから、今後整理をしていただきたいと思います。  次に移ります。  第十四条に産業基盤整備基金というのがありまして、これをずっと読んでみまして、一体債務に対して、どれだけ借金する場合に保証するのか、あるいは保証金利はどのくらいか、よくわからない。それから、社債を発行する場合にどれくらい保証するのかという内容ですね。どうも聞くところによりますと、限度額が五十億ぐらいというわけです。社債の発行というのはこれは一千億単位じゃないかな。もっと大きいかもしれない、大企業の場合。果たしてこの支援措置であなたたちが言っているような、何か効果がどんどん出るような話だけれども、この支援措置というのは本法案の中で非常に大きな部分を占めると思うんですよ。もうからぬ会社に幾ら減価償却を早くやれといったって、減価償却できないわけですから。問題は、この支援措置、産業基盤整備基金からの借入保証、これは大きいと思ってよく読んでみましたら、中身が本当に小さいんですね。どういうことですか。
  55. 江崎格

    政府委員江崎格君) この十四条を根拠にします基盤基金の債務保証、それから出資の問題でございますけれども、債務保証の場合には一件当たり今御指摘のように五十億円というものを考えております。条件としましては、保証の範囲というのは一〇〇%、金利としては〇・二%というのを考えております。それから、社債の場合でも実は同様でございまして、五十億円の保証ということにしております。  それで、これでは非常に額が小さいではないかという御指摘でございますが、この法案をもとにする社債保証というのは、あくまでも事業構築に必要な資金の調達についての保証ということでございますので、社債を発行する場合にはもちろんもっと規模の大きい場合が通常でございますが、この法案に基づく支援措置としては事業構築に係る部分のみということで、従来からの例などを参考にしますと五十億円ということを限度にすれば大体カバーできるのではないか、このように思っているところでございます。
  56. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 そこがもう全然常識と違うんです。あなた、こんなことでカバーできる、やれると思うこと自体がもう現実とかけ離れているんですよ、通産省は。だからそのことだけ、言ってもまた同じことを答弁するんでしょうけれども、実際問題としてやれるわけないですよ、このくらいのもので。産業を活性化する、大企業を、どこかの設備を廃棄する、そういうときに、中小企業ならわかるんですけれども。しようがないですね。時間が来ましたからもう次に。  最後に、私はこの質問をずっと三回にわたって簡単にやってきましたが、一つは公取です。これは、通産省の意図している方向でいきますと企業の集中合併がどんどん進んでいきますから、それがどんどん進んだ社会というのは逆に競争を制限するような社会になりますから、独禁法を堅持する立場で公取委員長、ぜひ頑張っていただきたいと思いますが、所見を承りたいと思います。  それから、通産大臣、今不況に対して、通産行政に対して私、意見を申し上げたいんですが、今の不況下のサプライサイドの供給政策について考えてみると、今日の深刻な不況というのは、総需要が落ち込んでおりますから操業度も落ちる、したがって経営内容が厳しいし、失業が発生し、遊休設備が発生する。総需要が落ち込んでおるからそういう状況だろうと思うんです。だから、サプライサイド重視の政策、すなわち生産性向上云々という結果、何ができるかというと、生産力が高まって、また供給が増加をして、さらに需給ギャップが国内では拡大する。その需給ギャップはどうするかというと、輸出に回る。そういうことでまた貿易摩擦が始まる。その悪循環に陥っていく。だから、それを断ち切るためには、内需を拡大し、内需を拡大することによって遊休施設の稼働率が上がってくる、雇用も確保できると。  そういう政策通産省としては真剣に追求して、各局、各部課からその知恵を出させるように通産大臣の指導をよろしくお願いし、お二人の決意を承りたいと思います。
  57. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 確かに、先生おっしゃるとおり、需要が落ち込んだことで日本経済が打撃を受けたことは事実でございます。特に、日本経済の中に占める個人消費というのは六割を超えておりますし、また個々の企業の設備投資も非常に大きな割合を占めております。  実は、財政支出と申しますか公的な資本形成というのは、よく見ますれば日本経済の中のたった八%ということでございまして、この八%の部分を幾ら頑張ってもしょせんは、たかが知れていると言うとしかられますが、その部分はふやす必要はありますけれども、その部分で幾ら頑張っても他の部分で頑張った方がより効果が大きいと。中でも個人消費の部分は六割を占めていますから、その部分が少し変動しますと非常に大きな数字が出てくるわけでございます。  需要が低迷しましたのは、やはり個人の消費性向が落ちたということでございます。これは二説ありまして、一つは将来の年金とか医療福祉に対する不安、日本社会が少子高齢化社会を迎えることについての不安から消費が手控えられたという説もありますし、また、山一とか北拓とかいう大きな企業が倒産をするという事態を目の当たりにして消費が冷え込んだという説もありますし、また、消費税が上がった、健康保険が上がったから、国民の実質所得が減ったからそういうふうになったという説もありまして、いずれの説が正しいかということは私はにわかには申し上げられませんが、確かに個人消費が減ったことは事実であります。こういうことがあって、先生がおっしゃいましたようにだんだん悪い方向悪い方向に物事が進み始めて、いわばデフレスパイラルに陥りそうになったのが私は昨年だったと思っております。  それで、急いで政府が財政支出をし、また所得税、法人税あるいは住宅減税等々を行いました。行った効果は少しずつ私は出てくると思いますけれども、その需要サイドだけの対策で果たして日本経済は立ち直るのかといえばそうではないだろうと。やはりバブルの時代から残してきたツケをきちんと清算して、技術に支えられた、また日本のすばらしいアイデアに支えられた将来の力強い経済をつくりたいというのが我々の念願でございまして、私は、総需要対策も大事ですし、また日本経済の体質そのものを力強くするという方向の努力もまた我々の社会にとっては大事なことだろう、そのように考えております。
  58. 根來泰周

    政府委員根來泰周君) 先生の御懸念を払拭するためにも、私どもは独占禁止法の趣旨あるいは規定につきまして、これまで以上に厳正、適切な執行を心がけたいと思っております。よろしく御叱正のほどをお願いいたします。
  59. 水野誠一

    水野誠一君 参議院の会の水野でございます。  二十一世紀に向けて経済発展に資する新規産業を育成していくためには、その産業への資金仲介をいかに円滑に図っていくか、そのための金融システムをいかに設計していくべきかという視点が不可欠だと私は考えております。言いかえますと、今企業にとって一番重要なリエンジニアリングは資金調達のメカニズムを大きく変えていくことではないかなと考えているわけであります。  あえて私がここでリエンジニアリングと申し上げたのは、やはりリストラという言葉が響きが余りよろしくないということで、大きなパラダイムシフトを図っていく。ということは、単にいろいろな三Kと言われる過剰を削減していくということだけではなくて、そのシステム、メカニズムを変えていくということであると思うから、あえてリエンジニアリングという言葉を使わせていただいたということでございます。  その観点から、昨日の参考人質疑でも、企業の資金調達における直間比率、これは銀行融資と株式市場などを通じた資金調達の比率ということでありますが、その問題に触れさせていただきました。また、その前の委員会では、通産省の方に担保範囲の設定の違いによる二種類の融資方法、いわゆるリコースローンとノンリコースローンと呼ばれるものですが、これが企業家のトライ・アンド・エラーにとってどれほど大きな違いになるかという点も若干触れさせていただきました。  繰り返しになりますが、間接金融、つまり銀行融資に過度に依存した日本企業の資金調達ルートにおいては、依然として担保、これは土地本位制とも言われているわけでありますが、土地を中心とした担保というものが最重視されて、また一たん貸し渋りに遭えばかなり優良な中小企業といえども事業者側は途端に経営基盤の危機に陥るという体質の脆弱さを持ち続けなければならない、こういう問題があります。  しかし、競争のグローバル化や店頭市場の活性化などに見られるように、市場環境整備が進んでまいりました。今後、我が国でも企業の資金調達における直接金融のシェアは、緩やかではありますけれども次第に大きくなっていくのではないかと期待をしているところであります。そのことは、同時に、経済成長に資するようなリスクを自己責任原則のもとで積極的にとっていく投資家を育成することが極めて重要になることを意味しているわけであります。我が国においては、適正な形でリスクテークする投資家層が少ない、薄いという指摘があるわけでありますが、その原因は何なのかということ、これについて御所見を伺いたい。  また、新規開業者の資金調達の円滑化、リスクマネーの市場への供給に寄与する観点からも、こういったリスクテークをする投資家層の育成というのは不可欠だと思うのでありますが、今回の法案、そしてまた、さらに次なるビジョンも含めて今後重要となる施策は何なのかという点について簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  60. 江崎格

    政府委員江崎格君) 先生指摘のとおりでございまして、我が国の場合、海外に比べまして直接金融市場からの資金の調達が大変難しい。それから、そういう目ききができる人材が非常に少ないというようなことが非常に大きな課題だというふうに私ども認識をしております。まさにベンチャー企業の育成を図るためには、直接金融市場の育成といいますか、特に店頭市場を活性化させる、あるいは魅力ある市場とするということ、それから人材の育成というのは非常に大きな課題だと認識をしております。  私ども今まで取り組んでおりますこと、あるいはこれからやろうと思っております当面のことを申し上げますと、一つは、ベンチャー企業にも配慮しました登録基準の見直し、それからもう一つは、証券会社がみずから気配値を提示しまして売買を成立させるいわゆるマーケットメーク制度でございますが、これを早期に導入する必要があるというふうに思います。それから、公開前規制の第三者割り当て、これが今非常に大きな制約になっていますけれども、これを緩和することも非常に重要だと思っておりまして、こういったことを通じまして店頭市場の活性化策の実現に向けまして、私ども関係省庁に働きかけをしていきたいというふうに思っております。  それから、六月十一日に産業競争力対策というものが産業構造転換・雇用対策本部で決定されたわけでございますけれども、その中にも、公開前規制の見直しなどによる店頭市場の活性化ということと、それから気配値の公表頻度の向上などによる未公開市場の実現というようなことが盛り込まれまして、中小・ベンチャー企業が直接金融市場から資金を調達しやすい環境をつくっていく必要があるというふうに思っているわけでございます。  それから、この競争力対策におきまして、目ききができて手づくりで企業成長を支援できるいわゆる真のベンチャーキャピタリストといいますか、そういった方々を支援する必要があるわけでございまして、ベンチャーキャピタルファンドへの出資をできるようになりましたので、こういったことを通じまして中小・ベンチャー企業の支援をする人材の育成にも今後取り組んでまいりたい、このように思っております。
  61. 水野誠一

    水野誠一君 今のお答えにも関連するんですが、通告していない質問で恐縮ではあるんですが、できれば大臣のお考えを伺いたいんです。  最近話題になっておりますNASDAQの日本進出というのがございます。これは、日本の店頭市場が必ずしも今活性化されていないという考え方の中で非常に我々としても興味、関心を持って聞いたニュースだったわけでありますが、通産省として、あるいはこれは大臣個人のお考えでも結構なんですが、こういう動きをどういうふうに評価されるのか、伺えればと思います。
  62. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 石原現東京都知事が選挙の際に公約された中にも、東京都に中小企業ベンチャーキャピタルを調達できるような直接市場というようなお考えを述べておられまして、私は大変興味を持って見ておりました。  その後、NASDAQが日本に進出するというような話を聞いておりますが、そのNASDAQが来るかどうかということは別にいたしまして、やはり新しい意欲に燃えた企業が市場から直接お金を取れるという仕組みを充実させていくということは大変大事なことでございますし、一方、投資家に一定の保護を与えるという意味ではきちんとした正しい情報が公開される、そういう仕組みもあわせて考える必要があります。市場をつくることは私は賛成でございますが、やはり正しい情報を公開のもとで、そういう市場が整備されるというのは、どこがやるかは別にして、むしろ今必要なこととなってきたのではないかと私は思っております。
  63. 水野誠一

    水野誠一君 今、直接金融という視点から幾つかお尋ねしたわけです。しかし、依然高いシェアを占める間接金融の役割、これも重要なことは間違いないわけであります。引き続き銀行業が産業金融において果たす役割は大きいと思います。この点は、ぜひ大蔵省などとも連携の上で通産省としても引き続き大きな関心を払っていただきたい。特に、貸し渋りの問題などを見ますと、決して改善の方向に向かっているかどうか判断しがたい部分というのがあると思います。中小企業にとって、今、資金の問題、特に成長盛り、育ち盛りの中小企業が資金の問題でこけてしまうというような事例というのもまだまだあるような状況の中で、ぜひこういう部分にも御配慮をいただきたいなと私は思うわけです。  さらに、公的金融システムについても、政府がとるべきリスクとは本来何かという観点から、民間金融システムとのすみ分けのあり方、これも改めて見直していく必要があるのではないかと思います。すべてのそれぞれのセクターが適切な形でリスクをとる社会、これがこれから望ましい形ではないかと思うんですが、個人も企業も行政もこれを負担していく、それぞれのリスクを負担していかなければいけない。このリスクをとるということは、私はやっぱり発展の源になっていくべきだと思います。また、目先のリスクを避け続ける、あるいはそのリスクに逡巡するということが長期的に見れば回復しがたいリスクにつながる危険性もある。こういう時代だと思うわけであります。  その中で、国は経済社会において最大のリスクをとり得る主体であるが、財政赤字の増大などその許容範囲は限界に達しつつある可能性がある、こういう表現が経済白書にも盛り込まれております。  今後の産業政策において政府がとるべきリスクとは何なのか、この点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
  64. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) これは、公的な金融機関、政府が持っております開銀とか北東公庫、今度合併いたしましたが、あるいは国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金、環衛公庫、広い意味では保証協会もそういう機能を持っているわけですが、私は、国が持っている政策手段というのは、一つは予算を配分することであり、一つは税制で誘導することであり、一つは政策金融という分野があるんだろうと思っております。  これは戦後すぐ始まりました復興金融金庫というのが一番典型的なものでございまして、少ない資本を石炭とか鉄鋼に傾斜配分していったという歴史から始まって、その後は日本開発銀行がむしろ基礎産業に融資をする、あるいは国民金融公庫、商工中金等が中小企業を中心に担保を提供する力の弱いそういう方々のための中小企業金融をやってきた。いずれも政策金融でございました。  この政策金融というのは何によって支えられているかというと、お金の量、金利、それから貸し出す期間、こういうものが一般の市中銀行とは違うというところ、あるいは担保の提供の要求の違い、いろんな意味での違いがあって政策として成り立ってきたわけでございます。ここは直ちにリスクをとるという直接的な表現ができるかどうかはわかりませんけれども、ある種のリスクは抽象的にはとっていたんだろうと思います。  最も端的にこういう公的な存在がリスクをとりましたのは、昨年十月一日から始まりました保証の特別枠二十兆、これは担保、保証人なしで保証行為を行うわけですから、いわば一〇〇%のリスクをとっているわけです。事故率とどのぐらいリスクをとったかということは別の問題でして、むしろこの特別枠についてはほとんど一〇〇%のリスクをとった。事故率はまた別だろうと思いますが、大変高いリスクをとって大胆に中小企業金融を行った。戦後、ここ五十数年でなかなかなかった政策だったと思っております。  一時、こういう政府系の金融機関は不要だという議論がありましたが、昨年の金融システムの危機を見たりあるいは貸し渋りという状況を見ますと、やはり公的金融機関ということの必要性を実は私も昨年から感じているというのが本当の気持ちでございます。
  65. 水野誠一

    水野誠一君 もう時間でございますので、最後に一言だけ申し上げて終わりたいと思います。  今回の法案、これは、先ほど西山委員からは労働組合からの反対ということはあるけれども経営者側からの希望はほぼ一〇〇%入れられているというようなお話もございました。しかし、私が聞く限りにおいては、経営者側からも必ずしも評価されていない面というのもあるかと思います。やはりこの法案自体の実効性ということ、それが副作用の部分だけではなくて、本当の薬効がどこまで発揮されるかという点についての懸念ではないかと思います。  今回、いろいろな批判の中でバイパス論というのがありました。法案というバイパスをいっぱいつくるんだけれども本当の行き先が見えてこないんじゃないか、こういう批判もございます。私は、近道のつもりがそこに入った途端に迷ってしまうというようなものになってはいけない。知恵が本当に浅知恵になってしまうという中では、しっかりとした道案内、ガイダンスというものをいかにしていくかということが私は政府の役割、通産省の役割ではないかなと思うわけであります。  構造改革と雇用確保という大変難しい二律背反的に今まではとらえられていた二つの要素を両立させるというためには、本当に深い知恵が必要であるということと同時に、やはりパラダイムの転換という大きな課題のもとで、思い切ったジャンプをしていきませんと、逡巡、ためらいをしていたら溝に落ちてしまう。これはまさに失業者の増大という副作用だけで、全く何の効果もなく終わってしまうということにもなりかねない法律だと私は思っております。  ひとつそういう視点からのしっかりとした運用をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
  66. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  67. 簗瀬進

    簗瀬進君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となっております産業活力再生特別措置法案について、反対の立場から討論を行います。  反対の第一の理由は、法案の基本的な枠組みがお役所のお墨つき行政の復活を図っている点であります。すなわち、旧来の官民癒着を温存させ、規制緩和や自由競争の流れに逆行するものとなっていることであります。  担当大臣による事業構築計画認定、あるいは都道府県知事による経営資源活用新事業計画認定など、まさにお役所のお墨つきがなければ優遇措置は一切受けられないような枠組みを設けている。これは、総理が施政方針演説で公約した旧来システムとの決別、事前コントロールの社会から事後チェック型の社会への改革をみずから否定するものであります。今回の法案の枠組みはまさに事前コントロールの復活強化と批判せざるを得ません。  反対の第二の理由は、経営責任も明確にせずに、労働者のリストラを一方的に促進しかねない内容が盛り込まれている点であります。  経済の再生を図る場合に最も大切なのは、経営者の厳しい自己責任であり、失敗の原因についての冷厳な自己分析であります。法案はこの点を全く不問に付している。過去の真剣な反省なく、現況のみの判断で国家的救済を与えるならば、危機を乗り切るために身を切るような努力を徒労に終わらせ、日本経済全体にモラルハザードを蔓延させる結果となってしまいます。  過剰雇用、過剰設備、過剰債務の三つの過剰をあたかも構造問題のように語って論点をすりかえる、そして分社化や過剰設備の整理を中心にして事業構築推進していく、それは必ず安易な雇用削減につながっていくことは明らかであります。  法案は、確かに失業の予防、雇用の安定などに触れてはいます。しかし、その具体的な内容は明記されておりませんし、すべて努力義務にとどまっています。これではセーフティーネットどころか、安易なリストラの促進を防ぐためには余りにも頼りない不安なネットでしかないと思います。経営失敗のツケを働く者に転嫁することは絶対に許してはなりません。  なお、この際、企業組織の変更における労働者保護についての一般的な法律を制定すべきことを提唱いたします。  反対の第三の理由は、新規事業、ベンチャー企業育成策が不十分なものとなっていることであります。  中小企業への設備資金融資の拡充、国の委託研究開発に係る特許権の扱いの特例など、創業及び中小企業者による新事業開拓の支援や研究活動の活性化策が盛り込まれていることはこれは当たり前のことであって、評価にも値しません。  一方で、政府・与党が衆議院段階で、我が党提出の起業家支援法案を一顧だにせず、女性起業家支援、あるいはエンジェル税制やストックオプション税制などの強化、国立大学教官の民間役員兼務などの大胆な総合的施策を見送ったことは全く納得ができません。小出し、後出しの法案ではインパクトがないのです。  最後に、歴史的な大変動に立ち向かう国民の勇気を奮い立たせるようなメッセージもなく、また不安な国民のよりどころとなるセーフティーネットもない、そして日本経済の自立の気風を失わせ、雇用の不安を著しく助長する問題だらけの政府案に断固反対することを訴えて、私の討論といたします。
  68. 西山登紀子

    西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、産業活力再生特別措置法案に対する反対討論を行います。  反対理由の第一は、大企業事業構築、リストラ計画認定することによって、整理解雇を含む大企業の大量人減らしに国のお墨つきを与えるとともに、文字どおり全産業にわたる大企業のリストラ、人減らしを推進する法案であるからです。  事業構築計画認定基準に「従業員地位を不当に害するものでないこと。」とあります。しかし、本法案に組み込まれる事業革新法による承認企業が十六万人もの人減らしを計画段階で申請していた事実や、人減らし計画に対する労働組合との合意、本人の同意認定要件に加えないとしていることを見れば、この条項によって労働者地位と権利が守られる保障は全くありません。それどころか、整理解雇を含む計画内容であっても認定から外さず、むしろ申請時に解雇される従業員数を書かせるとしていることは、まさに解雇推進法と言わざるを得ません。  第二に、本法案は、経営責任を問うものではないとしており、バブルに踊ったり、経営判断を見誤って過剰設備、過剰債務を生んだ経営責任を不問にしたまま、そのツケを国民労働者に押しつけるものであります。  債務の株式化によって、銀行への公的資金注入の分け前を与えて債務を救済するとともに、工場閉鎖や設備廃棄などを行う大企業に金融・税制上の優遇を与えるなどの支援は、国民の税金で大企業の救済を図るものにほかならず、大企業のモラルハザードを助長するものです。  第三に、リストラによる失業者が過去最高となり、大手企業が今年度だけでも五十万人もの人減らしを計画しているもとで、本法案によるリストラの推進は、一層の大量失業と雇用不安、下請・中小企業の倒産、廃業と地域経済の疲弊をもたらし、大不況運動を加速させることになります。  第四に、本法案は、労働者国民の要求はすべて拒否する一方で、経団連など財界の要求を丸のみするもので、大企業偏重政治のきわみであります。  労働者中小企業、有識者などを排除し、政府と少数の財界代表のみによる産業競争力会議の論議をそのまま法案化したものであり、そのやり方も内容も異常なものです。  第五に、国の委託研究成果は国に帰属するという当然の大原則を根本的に覆し、国民の知的財産、国有特許権等を民間大企業に開放するものであるからです。  なお、会期末直前にこのように重大な法案を出し、十分な審議日程も保障せずに採決を強行することに反対の意を表明し、討論を終わります。
  69. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 私は、社会民主党・護憲連合を代表いたしまして、産業活力再生特別措置法案に反対の討論を行います。  反対の第一の理由は、事業構築計画の実施に伴い、雇用不安の発生が想定されることであります。  本法案の「目的」には、雇用の安定に配慮するとうたわれておりますが、これでは極めてあいまいであり、雇用の確保が明確に位置づけられなければ、雇用不安が解消する保証はありません。  また、法案の第十八条では「労働者理解と協力を得る」と規定されておりますが、産構法にあるように、労働組合との協議や合意が事業構築計画の実施段階で確保される必要があると思うのであります。  反対の第二の理由は、この法案によって我が国経済が一層寡占化の方向を強めるおそれがあることであります。  事業構築計画の中では、生産性向上を図るために、企業が合併や他の会社の株式取得などを行う場合に商法の特例措置が講じられており、これによって企業の集中・合併が一層促進されるおそれがあるのであります。  昨年、独禁法が改正されて企業結合に対する規制が大幅に緩和されましたが、今回の法案によって寡占化に一層拍車がかかり、今後、国民生活に大きな影響が及ぶことが懸念されるのであります。  第三の理由は、経営者の社会的責任の問題であります。  この法案は、企業の抱える過剰設備、過剰雇用、過剰債務の解消に向けてその取り組みを支援しようとするものでありますが、三つの過剰はバブル崩壊後の経営者の責任でもあり、その失敗のツケを労働者に回すのは本末転倒であります。まず経営者の責任を明確にした上で支援措置が講じられなければ、モラルハザードを招きかねません。むしろ急がねばならないのは、総需要の拡大の政策であります。順序が逆であると思うのであります。  反対の第四の理由は、総理府本府組織令第十八条に基づいた経済戦略会議は、産業界や学識経験者からだけで構成されており、労働界の代表や違った意見を持つ企業家は入っておりません。しかも、産業競争力会議は国家行政組織法に基づく組織ではなく、実質的には総理大臣の私的諮問機関にすぎず、総理の恣意的な判断で選ばれた財界人、学者で構成されており、国民世論を反映しておらず、公平性を欠いているのであります。  このようなもとで作成された法案内容では、到底国民の納得を得ることはできないと思うのであります。期待されるような結果が出るものではなく、我が国の経済、民主主義をゆがめて、そして国民を間違った方向に誘導する内容を持った法案であります。  以上の点を指摘して、私の反対討論を終わります。
  70. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  産業活力再生特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  71. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  簗瀬進君から発言を求められておりますので、これを許します。簗瀬進君。
  72. 簗瀬進

    簗瀬進君 私は、ただいま可決されました産業活力再生特別措置法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     産業活力再生特別措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、景気対策に万全を期するとともに、産業活力の再生を図るため、本法施行に当たり、雇用の確保に配慮しつつ、産業サイドの構造改革及び新たな雇用機会の創出等に向けた施策の総合的推進を図る観点から、特に次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。  一 事業構築計画等の認定に当たっては、事業者の主体的な取組を尊重し、行政の過度の介入や恣意性を排除する観点から、可能な限り認定基準を具体的に提示する等、手続の透明性確保を図るとともに、事業構築に対する支援については、経営倫理の欠如を惹起することのないよう十分留意すること。  二 中小企業者が取り組む事業構築については、計画認定及び施策の適用につき特段の配慮を払うとともに、事業革新に向けた中小企業者の取組を積極的に支援するための環境整備に努め、事業構築に伴う新規投資に係る支援措置の拡充に十分な配慮をすること。  三 事業構築に伴う失業の予防等雇用の安定に万全を期するため、事業者による事業構築計画の作成及びその実施に当たり、当該計画雇用影響を及ぼす場合には関係労働組合等との十分な協議を行う等、雇用労働者の意見を十分聴取し、関連中小企業等の労働者を含めた雇用の安定に最大限の考慮を払い、その理解と協力を得つつ当該計画推進されるよう適切な指導を行うこと。また、当該地域経済雇用に与える影響についても十分留意すること。    さらに、事業構築の実施が雇用不安を助長することのないよう、事業者雇用労働者雇用機会の確保、能力開発に努めるよう適切な指導を行うほか、これら事業者の取組に対する支援措置の適切な実施を図るとともに、規制緩和や新産業の育成・振興のための施策を強力に推進することにより、新たな雇用機会の創出に全力を挙げて取り組むこと。  四 企業の組織変更が円滑に実施され、かつ、実効あるものとなるためには、従業員の権利義務関係等を明確にする必要があることにかんがみ、労使の意見等も踏まえつつ、企業の組織変更に伴う労働関係上の問題への対応について、法的措置も含め検討を行うこと。  五 今後の企業法制の在り方については、本法における事業構築制度の趣旨等を踏まえ、企業活力の活性化に資する企業組織の変更手続の整備等、関係法制全般の見直しを不断に行うこと。  六 創業者及び成長期の中小ベンチャー企業の資金需要に的確に対応するため、本法に基づく信用保証制度等金融支援措置の適切な運用、周知徹底に努めるとともに、エンジェルといわれる個人投資家等からの投資を促進するための環境を整備し、併せて、未公開株式市場や店頭市場の整備等直接金融の基盤整備に努めること。    また、女性起業家に対する支援の一層の充実に努めること。  七 民間事業者への研究開発の委託の実施に当たっては、広範な知的財産権において各省庁等の連携の下、受託者が特許権等を取得できるよう最大限努めるとともに、技術力を有する中小企業者の機会確保に十分配慮すること。    また、委託研究開発の成果としての特許権等については、受託者等においてその活用が促進されるよう指導するとともに、既存の国有特許権等についても、民間事業者において一層の活用が図られるよう、その体制整備に努めること。  八 国立大学等における研究開発の成果の民間事業者への移転を促進するため、TLOの設立・事業運営に対する一層の支援を行うこと。  九 産業活力活性化のための研究・技術開発の重要性にかんがみ、官民連携の下、戦略的、集中的な研究開発を行っていくこと。特に、我が国経済社会の特性や条件に対応した先進的、効果的な研究開発を行うこと。  十 本法に基づく各般の施策の実効を確保するため、必要な財政、税制上の措置等の充実を図るとともに、今後とも産業活力の再生に向けて施策の積極的な展開を図ること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  73. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) ただいま簗瀬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  74. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 多数と認めます。よって、簗瀬君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、与謝野通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。与謝野通商産業大臣
  75. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
  76. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十五分散会