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1999-02-18 第145回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年二月十八日(木曜日)     午前九時開議  出席分科員    主 査 西村 眞悟君       岸田 文雄君    津島 雄二君       大畠 章宏君    吉田  治君       西  博義君    鈴木 淑夫君    兼務 藤田 幸久君 兼務 中島 武敏君  出席国務大臣         文 部 大 臣 有馬 朗人君  出席政府委員         科学技術庁科学         技術振興局長  田中 徳夫君         文部大臣官房長 小野 元之君         文部省生涯学習         局長      富岡 賢治君         文部省初等中等         教育局長    辻村 哲夫君         文部省教育助成         局長      御手洗 康君         文部省高等教育         局長      佐々木正峰君         文部省体育局長 遠藤 昭雄君  分科員外出席者         人事院事務総局         公平局長    上村 直子君         大蔵省主計局主         計官      細溝 清史君         厚生省健康政策         局看護課長   久常 節子君         厚生省保健医療         局国立病院部運         営企画課長   鈴木 秀幸君         労働省労働基準         局賃金時間部労         働時間課長   渡延  忠君         文教委員会専門         員       岡村  豊君         予算委員会専門         員       大西  勉君     ————————————— 分科員の異動 二月十八日  辞任         補欠選任   吉田  治君     大畠 章宏君   斉藤 鉄夫君     西  博義君 同日  辞任         補欠選任   大畠 章宏君     吉田  治君   西  博義君     冨沢 篤紘君 同日  辞任         補欠選任   冨沢 篤紘君     上田  勇君 同日  辞任         補欠選任   上田  勇君     斉藤 鉄夫君 同日  第二分科員藤田幸久君及び第四分科員中島武敏  君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成十一年度一般会計予算  平成十一年度特別会計予算  平成十一年度政府関係機関予算  (文部省所管)      ————◇—————
  2. 西村眞悟

    西村主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  平成十一年度一般会計予算平成十一年度特別会計予算及び平成十一年度政府関係機関予算文部省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大畠章宏君。
  3. 大畠章宏

    大畠分科員 おはようございます。  きょうは予算分科会の二日目ということでありますが、日本の国の基本はやはり教育だと思います。そういう意味で、有馬文部大臣におかれましては、教育問題あるいは科学技術について大変造詣が深いと伺っておりますし、存分な御努力を、行動をぜひお願いしたいと思います。  最初に、学校週休二日制に伴うさまざまな問題についてお伺いをしたいと思います。  今の小学生あるいは中学生等々で、いわゆる学級崩壊という話が出ておりまして、学校先生方大変苦労をしています。苦労といいますか、苦労を通り越しているかもしれません。大変な困難、苦難に遭遇していると思います。  なぜそういう状況に至ってしまうんだろうか。一つには、先生方も大変多忙であるということがあると思いますし、また子供たちも、一体何のために物を学ぶのか、とにかく教科書を渡されて、これを暗記しなさい、これを覚えなさい、あしたまでに九九を丸暗記してきなさい。とにかく学校に行くことが、言ってみれば苦痛で、楽しくないんだと思うんですね。  私は、有馬大臣もそうだと思いますが、小学生のころは学校が楽しかったと思うんですよ。友達に会えるし、授業も、何となくいつもオルガンの音が学校にこだましていて、休み時間が楽しみだし。ところが今は、学校先生学習塾ということを苦心するように、とにかく学力学力学力。いかにして物を効率的に覚えるか。そういう雰囲気が満ち満ちているのが学校になってしまったんじゃないかという感じがするんです。なぜそうなってしまったのか。  そういうことから、できるだけ子供たちゆとりを与えることが必要だろうということで、そういう発想もあって週休二日制というものが導入されたと思うんですが、大臣、これがまた何か子供たちゆとりを失わせているような感じを持つんですね。  前回、昨年のこの分科会でも私は質問させていただきましたけれども、今、月二回週休二日制というものを実施していますが、合わせますと、土曜日がなくなるんですから八時間休みになるんですね。しかしながら、文部省から指定されている教育の履修時間というのは減っていないんですよ。どこで工夫しているかというと、ゆとりの時間を削ってみたり、休み時間を削ってみたり。前回も申し上げましたけれども、ある小学校では休み時間は五分。これは、例えばこの予算分科会などもそうですが、大臣、五分間の休憩がありますからさあ休んでくださいといったって、トイレに行って帰ってくればそれで終わり。これでは、私はとても子供たちゆとりを与えることはできないと思います、精神的に。  それで、私は、週休二日制を二回実施したら八時間なぜ削れないんだという話をしたら、教育指導要領というのがあって、その改訂年度というのは決まっているんです、今度の改訂は二〇〇三年ですから、二〇〇三年のときに変えます、こういうふうな話で、月八時間の削減というのはできませんというのが前回の話でありました。  今度、月四回実施ということで、今度は十六時間の減少になるんですが、ここら辺がなぜ文部省というのは頭がかたいのか。こういうかたい頭からは、これからの世界的な潮流の中を生き抜いていくような日本人は私は生まれないんじゃないかと思うんですよ。まず文部省の頭を柔軟にしていただいて、そして、何が何でも、文部省指導要領を変えない限り授業時間数、必要な時間数は削らないんだ、そういう発想を、私は去年もお話し申し上げましたね、これはそこら辺からひもといていかないと、学級崩壊という話に今つながっていますが、いろいろな要素がもうこんがらかってしまっているんですよ。  ですから、文部省も、明治のころからやっているかもしれないけれども、この指導要領方式、現場は変化しながらも基本的な考えを四年に一遍とか五年に一遍しか変えないという、科学技術立国とか、あるいはもう宇宙ステーションをつくろうという時代に、四年に一遍しか教育方針根幹のものを変えないということ自体が、私は日本の国の教育基本としてはふさわしくないと思うんです。  ここら辺について文部省当局基本的な見解を、多分また同じような話しか来ないかもしれませんけれども、改めてちょっとお伺いしたいと思うんですが。
  4. 有馬朗人

    有馬国務大臣 まず私からお答えを申し上げましょう。  私はこのところ小学校中学校などを方々回って見ておりますし、平均すれば月に二回ぐらいは、特に夏には集中するのですが、理科実験を見せて子供たちに話をするというふうなことを、繰り返しこの数年やってまいりました。  よく言われる学級崩壊ということでありますが、私が見に行ったところ、これは選ばれたからだということもあるかもしれませんけれども、大変子供たちが熱心。学校は楽しいかと聞くと、大変楽しいと言う。それから、サイエンスの実験などを見せてやる、それほど大勢じゃありません、百人とか、場合によっては六百人、そういうところで話をする限り、これは来たいという意思を持った小学校中学校子供が来るせいもあるんですが、非常に活発。この前も、小学校で昼御飯を一緒に食べたときに、学校は楽しいと聞いたら、大変楽しいですと。どうも初めからそういうふうに答えろよという指導先生はしていなかったと思うんですが、大変そういう子供が多かった。  しかしながら、問題点は幾つかあります。  まず第一に、不登校が明らかに多くなった。十万を超える。この点。  それから、いろいろ新聞等々の情報、それから、私自身もそういう小学校中学校に行ったときに、教える困難はありませんかと言うと、やはりあると。ですから、この前行きました都内の小学校は、何百人かいる子供のうちの一人とか二人が不登校問題、あるいは、来ても授業についていけないという問題がある。こういうものに対して、チームティーチャーをつけて随分丁寧に指導しておりました。そういう例はあります。確かに、昔よりはるかに教え方が難しくなったという面はあると思います。  しかしながら、その理由は何かというと、学校だけに、学校の教え方がまずいからというだけではない、本質的には家庭、本質的には我々の社会の問題だと思います。例えば正義感とかそういういろいろなものも、我々社会人が持っていない限り、子供に教えるといっても無理だと思いますね。そういう意味で、社会全体の問題である。  しかしながら、御指摘のように、やはり小中高にしても、理解ができない子供がいる、それから、学校がどうもおもしろくないという子供がいる、そして不登校が多い、これは歴然たる事実でございます。私も大変心配をいたしております。  それから、御指摘のとおりでございまして、せっかく月二回、隔週に土曜日休みにしても、ちっとも子供ゆとりを持てない、先生ゆとりを持てないという問題、明らかでございます。  そこで今度は、二〇〇二年より学校完全週五日制を導入いたします際には教えるべきことを二割ないし三割を削減することにいたしました。そういうことで、先ほど御指摘のように、せっかくゆとりの時間を与えたけれども、学習指導要領内容を実行するだけで大変だ、それでゆとりの時間も使ってしまう、あるいは休み時間も減らしてしまう、こういうふうな状況が一部にあるようでございますので、それに対しては、二〇〇二年よりはないように学習指導要領も減らします、それから理科にしても社会にしても三割ぐらい減らします。  ただ、私はお伺いしたいことがあるんです。社会人たちは反対の方もおられるんですね。私の仲間の理科教育をやっている連中は、そんなに減らされちゃったら困るという人すらいるんです。ですから、そういう意味で、中和をとって、どこにどういう教え方をしていくかということをこれからよく考えなきゃならないと思っております。そういう点で、御指摘のとおり今少し減らしました。  もう一つ、多分申し上げておいた方がいいと思いますが、今すぐに、それでは二〇〇二年までどうするか。これに対しては移行措置を随分考えておりますので、少し初中局長よりお話を申し上げたいと思います。  しかし、ぜひとも、社会自体がこの際、子供たちに対してどういう教育を施していくのか、どういうふうにしたらいいかというふうなことを御関心持っていただきたいし、お父さんお母さんがもっと、間違っていることは間違っている、いいことはいいんだ、家事を手伝え、こういうふうな積極的な方に育児をお進めいただきたいと思っております。
  5. 辻村哲夫

    辻村政府委員 先生から、もっと学校ゆとりを、一人一人学校が楽しくなるような学校づくりに、そういう観点からのいろいろな御提言を伺ったことを十分承知いたしております。  今回の学習指導要領、三年後完全学校週五日制でスタートをするということで、今、枠組みのところで、時間数を減らし、内容を減らしということは大臣の方から御説明がありましたが、もう一つ、各学校創意工夫を生かして、各学校がそれぞれの地域学校の実情に合わせてできる限り創意工夫を生かす、全国一律に、一斉に同じことをということではない、そういう教育に取り組めるような、そういうことにも我々心がけたつもりでございます。  具体的には、例えば小学校のところ、小学校の一年生となりますと、これから完全学校週五日制になりますと週二十三こま授業になります。その中にはもちろん教科以外の時間、道徳、特別活動含めていろいろあるわけですけれども二十三こま。二十三こまということになりますと、五で割りますと四時間授業の日と五時間授業の日。四時間授業の日ということは、お昼をとったらもう帰るということです。それから、五時間授業というのは、昼食、給食をとって一時間授業をして帰るということでございます。  それに加えて、小学校一年生、二年生ですと生活科というような時間がある。これは、各学校地域に応じた授業。それを今度は、三年生から総合的な学習の時間というのを週三こま入れるようになります。それは、趣旨やねらいは学習指導要領で示しますけれども、具体的にどういう内容を行うかということは各学校判断にお任せしましょう、例えば環境とか情報とか国際理解とかいろいろな例示はしますけれども、それぞれ各学校工夫をして内容を決めてください、こういった時間も小学校の三年以上には週三こま入ってくるというような状況になります。  ですから、私どもは、先ほど大臣から御説明がありましたような絶対数の時間数とそれから内容を減らすという形でのゆとりと同時に、一方で、各学校創意工夫を思い切り生かせるような仕組みも今回は整えた所存でございます。それを十分に生かし切って、ゆとりを持ちながら、しかし学ぶことが楽しい、本当に子供たち一人一人が学ぶことを身につける、そういう学校教育をぜひこれから実現したいものだと思います。  それで、もう一つ、それは二〇〇二年度から、平成十四年度から、三年先でございますので、それまでの間ということでございますが、私ども、この一年度間は、指導要領がこう変わるということを、学校先生はもちろん保護者やPTAやその他の人たちに十分に伝えるということに当てたいと思っておりますが、来年度の平成十二年度からは移行措置に入る。それは新しい学習指導要領趣旨をできるだけ前倒しにして十二年度から移っていく、そういう精神で移行措置も考えたい、こんなふうに考えております。
  6. 大畠章宏

    大畠分科員 有馬文部大臣になってから随分答弁姿勢が変わってきたような感じがするんですが、去年聞いたときは、そういうことはできませんとか、一言で言いますと、文部省というのもかたいところだな、こういう感じがしたんですが、ぜひ、やはり柔軟な思想というのは大変重要なんです。もちろんそれは、変えていけないことは変えていけないんですが、やはり変えるべきものは変えていくという姿勢が私は重要だと思うんです。  そこで、大臣、私は今大臣がおっしゃったこと、いわゆる学校だけが教育じゃない、もちろんそうだと思うんです。お父さんも会社ばかりに入っているんじゃなくて、やはりうちに帰って子供と対話だとか、それから近所、隣との関係をつなぐとか、お父さんの役割が私は大変重要だと思うんです。もちろん社会も重要だし、そういうことを総合して子供教育をやらなきゃならないのは、私も大臣のおっしゃるとおりだと思うんです。  それで、もう一つ私が申し上げたいのは、今のお話で少しずつ方向が見えてきたんですが、何か義務教育とか高等学校教育だけ、がりがりがりがり詰め込んで、大学に入ったらレジャーランド化している、これが私は日本の問題だと思うんですよ。  諸外国、アメリカ関係は、小学校、まあ幼稚園の英才教育をやっているところはあるでしょう、徐々に徐々にスピードを上げていって、大学に入ってからもう最高のスピードに入るわけですよ。ところが日本の場合には、大学に入った途端に失速してどんどん、四年間何となく、逆に言えば学力が落ちているんじゃないかと思うほど。  ここが私は、大臣日本の、文部省の範疇かどうかわかりませんが、今お話しになったように一生懸命こういうふうにしようこういうふうにしようと言うけれども、大学に入った途端に、言葉が悪いかもしらぬけれどもレジャーランド化しているこの日本現状を変えない限り、ノーベル賞もとれないし、最近ちょっと聞かないですね。なぜなんだろうか。博士はたくさんいますよ、博士は。ノーベル賞がとれない。それから、ビル・ゲイツがなかなか出てこない。私は、何か全体的な方針が間違えているんじゃないか。  私は、明治以来の日本教育方針は大成功だったと思いますよ。明治から富国強兵でずっと来た。それで、終戦で、戦争で負けて、軍事力は削減して経済力だけ上げようというんでどんどんやってきた。これもいわゆる日本教育方針は当たったと思うんですよ。でも、昭和六十年あるいはバブルの九〇年以降の日本のありさまは、まさにダッチロールし始めていますよ。そして、最終的な姿が学級崩壊大学レジャーランド化ですよ。これを何とかしなければ何のための文部省かという、まあ文部省だけが悪いわけじゃないんですが、何のための教育なのか。  だから、みんな目的を見失っちゃっているんですね。うちの方からも同僚の皆さんからお話がありますが、大学入試というのが、東京大学入試というものをほとんど目指すような形になっちゃったでしょう。私は、全員が同じものをきちっと何が何でも学ばねばならない、そういう形のもので平等主義が来ましたけれども、それはそれとしてあれでしょうけれども、私は何か最近の世界にもう合わなくなっているんじゃないかと思うんですね。  無理やり国体選手並みスピードを要求されて、私なんかも足が遅い方なんですが、無理やりトレーニングさせられる、これはやはり苦痛なんだと思うんですね。だから、その子に合ったスピードのトレーニングを学校でやれば楽しくなるんだと思うんですが、いつも国体選手オリンピック選手みたいに百メーターは十秒切りなさいと言われたら、私は多分登校拒否になりますよ。私はベストで十四秒五ぐらいしかありませんでしたから。  そこで、話はちょっとかわりますが、先ほど、指導要領改訂というものを二〇〇二年ですか、行うというんですが、それを前倒しして現状に合った形にやっていきたいというお話がございましたが、それはすなわち、月二回の週休二日制で八時間減少されますが、それを具体的に織り込むということですか。
  7. 辻村哲夫

    辻村政府委員 今の月二回の枠組みというものを前提にしながら、新しい内容は、先ほど大臣からありましたように、相当スリム化されたものになります。そこでそれを取り込んでいくということです。  例えば中学校、これはまだ検討しておりませんし、これから省内でも議論しなきゃいけないわけでございますけれども、例えば中学校のところ、これまでクラブというのが月一回、全員必修というのがございました。しかし、部活動も十分に今活発になっているからということで、今回は必修から外しました。そうしますと、それは一こま浮くわけでございます。ですから、ではクラブというものはもう移行措置の間から必修じゃなくていい、それぞれの学校工夫でいいというようなことも例えば考えられるわけでございます。そんなふうに、新しい学習指導要領に盛り込まれたもの。  それから、例えば新しく総合的な学習の時間ということで、各学校判断カリキュラムを決めてくださいという時間をつくるということを申し上げました。あれは小学校だけじゃなしに、中学校についても設けるわけでございますけれども、そういうものも十二年度からの移行措置の期間にも取り込めないものかというようなことで、全面実施になる十四年度よりも前から、全面実施後のもののかなりの部分をできるだけ前に持ってくる。そして、各学校創意工夫判断を尊重した形での、そういうカリキュラムを行い得るような、そういう移行措置をつくってはどうかということで、今いろいろ検討しているところでございます。
  8. 大畠章宏

    大畠分科員 そうすると、来年度からそういうことを前倒し実施し始めるということに理解してよろしいですか。
  9. 辻村哲夫

    辻村政府委員 十二年度でございますね。  十一年度は、実は高等学校学習指導要領、間もなく、近々に告示することにしています。小中学校は昨年の十二月に告示しました。高等学校が近々に告示される。そして、この十一年度は、小中高の新しい学習指導要領趣旨を十分に学校関係者保護者人たちに伝達する、そういう一年間にあてたいと思います。  したがって、その間に各学校に十分準備していただいて十二年度でございますね、来年度という意味は十二年度からそういった移行措置に入りたい、こう思っています。
  10. 大畠章宏

    大畠分科員 そこら辺のスピードがまだ遅いですね。平成十二年度といったら、ことしが十一年でしょう、来年の四月からですね。そこら辺のスピードは、私はもうちょっと上げていただいた方がいいのじゃないかと思いますが、とにかく有馬大臣、よろしくお願いしたいと思います。  それから、あと、今大臣からもお話がありましたが、いじめの問題、いじめ原因とした自殺の問題、非常に悲惨なお話を伺いますね。これは、ここ数年ずっと続いています。それから、不登校の問題もお話がございました。それから、高校中退の数も急増しているという話もございます。そして、最近の新聞でも出ています学級崩壊というところに至って、これは子供たちもそうでしょうし、先生もそうでしょうし、大変辛苦ですね、これは。そういう状態に至っていると思います。  そこで、これらを総合して、今いろいろとゆとりの問題等々もお話し申し上げたのですが、原因は複雑なんだと思うのです。でも、やはり悩んだときには相談するところがある、これが重要だと思うのですね。お父さん相談したりお母さん相談したりもそうでしょうし、ある程度物心ついてくると、お父さんお母さん相談するというよりも友達相談したりするのですが、学校の中で、今、心の相談室とかいうものを設けていただいているという話なんですが、ここら辺の充実が重要だと思うのです。今文部省も、国の予算が足りないから、先生減らせ減らせ、こういうふうな話もあるのでしょうけれども、基本的に予算を効率化することも重要なんですけれども、何のために教育しているかというその根幹を忘れてしまったのでは、単なる株式会社みたいな話になってしまいますから。  そこで、相談窓口といいますかそれの充実と、それから、人を養成すること。それから、そういう設置された方だって、いろいろな相談を受けると悩むのですよね。そういう方々の連携といいますか、お互いの話し合う研修の場とか、そんなものを私はもっと充実すべきだと思うのですが、そこら辺についてお伺いしたいと思います。
  11. 辻村哲夫

    辻村政府委員 ただいまの、子供たちが一生懸命勉強する、しかし、いろいろな悩みが出てきたときにはちゅうちょなく腹蔵ない相談のできる、そういう体制が整えられる、大変重要なことだと思います。  その際には、まずは私、各学校先生自身がそういうカウンセリングマインドと申しましょうか、最低限度相談に乗り得る、そういう力を持つ、教科指導だけではない、そういう相談できる力を持つということも大切だと思います。  そういう意味で、一人一人の教師にそういうことを求めたいと思いますが、やはりこの分野、先生だけではない、かなり専門性の高い、そういった力も求められるということで、文部省ではスクールカウンセラーというものを平成七年度から配置をしてきておりまして、平成十年度、今年度は全国小中高等学校の千六百六十一校に配置をされております。来年度もこれを拡充するという形で今予算審議をお願いをしているところでございまして、まずこのスクールカウンセラー充実確保ということを柱に対応したいと思います。  それからもう一つは、このスクールカウンセラーというのは臨床心理士等専門家であるわけでございますけれども、先生からもお話ございました心の教室相談員、これは、いろいろな経歴を持った人たち、青少年活動をやった方とか、先生のOBもいらっしゃると思いますけれども、そういう人たち地域の近くの中から招聘して、子供のそういった相談体制に加わっていただく。こういう人を、これはもうほぼ全国学校に既に配置をいたしておりますが、そうしたものとあわせて、この教育相談体制の充実というものを期していきたい、こんなふうに思っております。
  12. 大畠章宏

    大畠分科員 心の相談員については、確かに全国学校配置していただいたのは聞いております。これは、非常に私は有効だと思うのですね。学生さんから先生のOBまで含めて、幅広い人が入っています。ただ、その人たちの、相互の話し合う場というのがないのですよ、今。それはありますか。
  13. 辻村哲夫

    辻村政府委員 これは各自治体任せのようなことになっています。  この心の教室相談員は、補正によって緊急措置としてスタートいたしまして、そしてこの平成十一年度ではそれを平年度化した形で、ずっと引き続き予算をお願いするようになっておりますけれども、まず学校配置するということを我々は最重点に考えました。  したがいまして、その相談員になった人たち相互の連携と申しましょうか、そういったものにつきましては、全国にこれはあることでございますので任されておりますが、私たちも研究協議会のような場を設けてその支援をするという取り組みは始めようとしておりますが、これから本格的に考えたいと思います。
  14. 大畠章宏

    大畠分科員 地方分権というのですが、学校も非常に文部省から言われたとおりにやるという習慣がついていますので、いろいろそういうふうな指令がないと、なかなか自由な活動ができないのですね。したがって、私は、ここま文部省から指令を出した方がいいのかどうかわかりませんが、とにかく現状ではそういうふうな習慣になっていますから、ぜひきめ細かなことまで考えて、そういう心の相談員の人がお互いに、相談員が悩んでしまったのでは困りますから、そういう仕組みもつくるように努力していただきたいということをお願いしておきたいと思います。  それから大臣、私は、時間がもうあと一、二分しかなくなりましたので、最後の質問にさせていただきますが、正義感の問題。  正義感というのは、学校で教えることはなかなか難しいのですね。私は、これはある新聞で読みましたが、自然とたくさん接した子供正義感が強いという、これは当たっているかどうかわかりません。でも、これからは正義感というのが必要なんですよ。数字で、一足す一は二とか、二足す二は四という、正しく計算ができると同時に、その物事が正しいか、正しくないかという、それも正義感に基づいて判断できるような、そういうことが私は重要だと思うのですね。  大臣、時間になりましたので質問を終わりますが、義務教育から詰め込みに詰め込んでそして大学に入った途端に失速する、そういう教育の体系をぜひ変えてもらいたいということと、正義感をどう育てていくかということをぜひ考えていただきたい。時間がありませんが、一言大臣からお話しいただいて、終わりたいと思います。
  15. 有馬朗人

    有馬国務大臣 いいポイントを御指摘賜りまして、ありがとうございます。  正義感が欠けているということ、今おもしろいデータを御紹介いただきました。私もそれに非常に着目しておりまして、きょうここに持ってきていると思いますけれども、やはり、家庭の手伝いをやる、あるいは自然をよく見る、こういう人が正義感が強いんですね。ですから、単に学校正義感正義感と教えてみても足りないんだと思います。しかしながら、例えば道徳の時間を使うとか、国語であろうと英語であろうと、国を救ったようなすぐれた人々のことを話す、それから困った人を助けた人のことについて話す、こういうふうな幅広い教育を今後していかなければならないと思っております。  それにしても、お父様、お母様のお力をどうしてもかりたいと思いまして、今度は家庭手帳というのをつくりまして、小学生の親とか、それから中学生の親に配ることにいたしました。その中には、正しいことは正しいと指導しなさい、間違っていることは間違っていると言ってください、家庭の手伝いをさせてくださいというような、本来国がここまで一市民の方々にまで入っていっていいかどうか、私は大変心配をいたしましたけれども、思い切ってやらせていただくことにいたしました。これが一つ。  それから、先ほどスクールカウンセラーのことは局長より詳しく御報告申し上げましたが、もう一つ、子育てで困っておられるお父さんお母さんのためのホットライン、二十四時間、子供たち相談できるホットライン、これも二十四時間、各地区に備えるよう、今努力をしているところでございます。
  16. 大畠章宏

    大畠分科員 これで終わりますが、日本根幹教育でありますから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。大変ありがとうございました。
  17. 西村眞悟

    西村主査 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。  次に、中島武敏君。
  18. 中島武敏

    中島分科員 私は、きょうは、主として国立大学附属病院の看護職員、看護婦さんの皆さんのいわゆる二・八体制問題について質問をいたしたいと思っております。  最初に伺いたいと思っておりますのは、人事院の皆さんにお伺いをいたしたいんですけれども、二人夜勤、月八日以内といういわゆる二・八判定について、その経緯、それから行政措置要求と判定内容の要旨並びに判定勧告後の達成状況について、ごく簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  19. 上村直子

    ○上村説明員 いわゆる二・八判定についての御質問でございますけれども、これは全日本国立医療労働組合の委員長から昭和三十八年四月十九日付で提出をされました看護婦、准看護婦及び助産婦の夜間勤務規制等に関する行政措置要求について、昭和四十年五月二十四日に判定をしたものでございます。  その内容といたしましては、大きく二つございます。まず一つ目でございますが、一人夜勤で足りると考えられる看護単位につきましては突発事態の発生等に備えた措置等を講じる、その他の看護単位につきましては計画的に一人夜勤を廃止することということでございます。それから、二つ目といたしましては、月間の平均夜勤日数、これを約八日を目標とすることということでございます。こういった内容を示しまして、それに向けての努力をお願いしたものでございます。  この判定を踏まえまして、関係省庁におかれましては、目標の達成に向けてできる限りの努力をしてきているというふうに承知をいたしております。
  20. 中島武敏

    中島分科員 続いて、厚生省に伺いたいんですけれども、国立病院の二・八体制の達成状況、これについてお答えください。
  21. 鈴木秀幸

    鈴木説明員 お答え申し上げます。  国立病院・療養所におきます夜間看護体制でございますが、昭和四十年五月の人事院判定、さらに、平成四年の十二月でございますが、看護婦等の確保を図るための措置に関する基本的な指針、これらを踏まえまして、看護業務の実態、入院患者の状況等に応じた複数を主とした月八日以内の夜勤体制、これがいわゆる二・八体制でございますが、この二・八体制の確保を図ることといたしまして、従来から最重点事項として取り組んできた次第でございます。今、国家公務員全体の非常に厳しい定員事情の中で、特に看護婦の確保に配慮した増員を行ってきたところでございます。  また、増員によります努力と並行いたしまして、国立病院・療養所の再編成や運営病床の見直し等の自助努力を一層推進するということも行いまして、これらによりまして生じた定員の再配置を行うことによっても夜勤体制の改善が図られるよう努力しているところでございます。  このような取り組みの結果、平成十年十月におきます国立病院・療養所全体の夜勤回数は、八・〇回でございます。複数率は九九・七%というふうになっております。おおむね二・八体制の達成が図られている状況にあるというふうに考えております。
  22. 中島武敏

    中島分科員 簡潔で結構なんですが、国立大学附属病院の二・八体制の状況はどうか、これについてお答えください。
  23. 佐々木正峰

    ○佐々木政府委員 国立大学附属病院は、高度な医療を担う機関といたしまして、手厚い看護を要する重症、難病の患者の診療に当たっていることから、看護体制の整備を進めることは極めて重要であると考えておるところでございます。  そこで、従来から、看護体制の充実と看護婦の勤務条件の改善を図る、そういう観点に立って、厳しい定員状況あるいは財政事情のもとではございますが、必要な看護職員の確保及び関係予算充実に努めてきたところでございます。  この結果、看護婦一人当たりの平均の夜勤回数は、平成九年度では月八・三回と、人事院判定に近い状況まで改善が進んできたところでございますが、先ほど申しましたように、国立大学附属病院は高度医療の提供を一つの使命としておりますことから、重症患者の比率が高く、三人以上の夜勤体制を組む必要がございます。そんなわけで、二人以上勤務体制の五割近くが三人以上勤務体制となっている等の事情もございまして、現在のところ、月八回の夜勤体制というのをまだ達成するには至っておりません。今後とも看護職員の充実等に努めて、二・八体制の実現に向けて引き続き最大限の努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。(中島分科員「達成状況はどうですか、達成状況」と呼ぶ)月八・三回でございます。
  24. 中島武敏

    中島分科員 もう一つ伺いたいんですけれども、ベッド数三百床以上の病院の看護職員の夜勤回数、それから夜勤の体制ですね。それから、続けて伺いますけれども、国立以外の大学病院の看護職員の夜勤回数、それから夜勤時の体制、これを伺いたいと思います。どちらが答えられますか、厚生省が答えられますか。
  25. 久常節子

    ○久常説明員 お答えいたします。  看護職員の夜勤体制と夜勤回数につきましては厚生省としてデータを把握しておりませんけれども、看護職員の夜勤体制につきましては、三百床、また三百床以上と限定しても把握しておりません。しかし、限定なしで全体としての状況でしたらお答えできると思います。  日本看護協会の病院看護基礎調査、平成六年十月によりますと、一般病棟のうち、三交代制をとっているものは六九・五%、二交代制をとっているものは二五・一%でございまして、三交代制をとっている一般病棟のうち、二人夜勤をしているものが五六・七%、三人夜勤をしているものは三四・二%となっております。二交代制をとっている一般病棟のうち、二人夜勤をしているものは五〇・三%、三人夜勤をしているものは三〇・六%となっております。  また、看護職員の夜勤回数につきましては、三百床以上という限定なしに、全体としての状況につきまして、先ほどの日本看護協会の病院看護基礎調査によりますと、一般病棟のうち、三交代制をとっている場合における看護職員一人当たりの夜勤回数は、加重平均で八・〇回となっております。一般病棟のうち、二交代制をとっている場合における看護職員一人当たりの夜勤回数は、加重平均で五・一回となっております。
  26. 中島武敏

    中島分科員 これは今お話を聞いてわかるとおりなんですけれども、文部省の方でなかなか、国立大学の附属病院、ここは、さっきも答弁がありましたけれども、把握はできない。それから、今いろいろお話がありましたけれども、私立を含む他の国立大学でないところは一生懸命やっている。これは全体としても一生懸命やっている、こういう実態なんですね。  それは、今お話があったかと思いますけれども、高度医療だとかあるいは重い患者に対してやらなければならないという大学病院の使命からいって、三人体制、四人体制をとらなければいかぬからなかなか大変なんだ、こう言っているのですけれども、私は、これはちょっと理由にならないのじゃないかなと。ほかのところはやっているのですから、だから大学病院だけ何でそんなに達成できないのか、こういうことですね。  私、文部省に聞きたいのですけれども、どうなんですか、これを達成させるための計画というものは立てたことはあるのですか。
  27. 佐々木正峰

    ○佐々木政府委員 二・八体制というものを達成するために具体的な年次計画というものは立ててはおりませんが、国立大学全体の定員事情が極めて厳しい中で、看護婦につきましては、年々充実を図るということで対処してまいっておるところでございます。  例えば、平成十年度の国立大学全体の定員は七十九名の減を立てておるわけでございますが、その中にあって、看護婦につきましては、重点的増員を図るという観点に立って三十八名の純増を図っておるところでございます。また、平成十一年度におきましても、国立大学全体では百三十九人の減を立てておるわけでございますが、看護婦につきましては五十三名の純増を図るというふうなことで、看護体制の充実に向けて、文部省としても最大限の努力を払っておるところでございます。  なお申し上げますと、例えば百床当たり看護婦要員数で申しますと、国立大学の附属病院は五十・四人となってございます。この人数は国立病院に比べてかなり多いわけでございますが、先ほど申しましたように、三人以上夜勤体制が極めて多いということもございまして、現在のところ八・三回という数字になっておるわけでございますが、引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
  28. 中島武敏

    中島分科員 時間がたっぷりあるわけじゃないのですから、聞いたことにどうぞひとつお答えくださいますように。それで、要するに、私が聞いた達成する計画を立案しているかということにつきましては、しておりませんというのがお答えだったのですね。あとのことはちょっと附属ですから、聞いたことにひとつお答えください。  それで、人事院に伺いたいのですけれども、この二・八体制、二・八判定が出されてから三十四年になるのですね。三十四年になって国立大学の附属病院が達成できていない、これについてどうお考えになりますか。
  29. 上村直子

    ○上村説明員 今御質問のこの問題でございますけれども、先ほど来お話が出ておりますが、やはり、定員の枠でありますとか医療の内容を含む看護体制のあり方でございますとか病院の勤務環境等、さまざまな現実の条件が密接に関連をする大変難しい問題であるとは思いますけれども、関係省庁におかれましては、一般の公務員の定員管理が極めて厳しく行われている中で看護婦さんの人員増を図られるなど、目標の達成に向けて精いっぱい御努力をされているというふうに承知をいたしております。  しかし、なお今後とも引き続き関係機関の御努力をお願いし、その改善状況を見守っていきたいと思っております。
  30. 中島武敏

    中島分科員 なかなか穏やかな返事をしていらっしゃるのですけれども、三十四年たっているのですよ、皆さんが判定を出してから。だから、この辺でもう一回きちっと調査してみる、三十四年たっても達成できていない、そしてこれについては再勧告するというぐらいの決意でひとつやっていただきたいと思うのですね。  それで、ちょっとまた具体的にやりますが、私も簡潔に聞きますから、ぜひひとつ簡潔にお答えいただきたいのです。国立大学病院での一カ月の夜勤回数というのはどれくらいですか。一人夜勤体制というのはありませんか。
  31. 佐々木正峰

    ○佐々木政府委員 国立大学附属病院でございますが、看護婦個々人の夜勤回数までは把握しておりませんが、病棟単位で見た看護婦一人当たりの平均夜勤回数は、最大で月十二・九回でございます。  また、一人夜勤につきましては、国立大学附属病院に六百七十六の看護単位がございますが、その中で、RI病棟や結核感染病棟など入院患者数が極端に少ない病棟など六看護単位で一人夜勤となっております。
  32. 中島武敏

    中島分科員 今、十二・九回というお話だったのですけれども、私たち日本共産党は、ワーストテンと言われる中で七つの大学をいろいろと視察、調査をさせていただきました。  それで、その中で非常にはっきりわかってきましたのは、京都大学は十七回という状況がわかりました。私自身が調査に入りましたところでは、医科歯科大学なんですけれども、ここは何と十九回なんです。一月の勤めは二十二、三日でしょう。そのうち十九回とか十七回とか、これはすさまじいじゃありませんか。これはフクロウ労働と言われているのですよ、夜ばかりいつも働くから。だからフクロウ労働だなんて言われている。こういう実態というのは、私はどんなことがあっても改めていかなければならないのじゃないかということを思うわけですね。  それから、続けて伺います。年休についてなんですけれども、年休は二十日間だと思いますけれども、取得状況で最大と最低と平均がどうなっているかということについて、文部省に伺います。答えだけでいいですよ、数字だけで。
  33. 佐々木正峰

    ○佐々木政府委員 国立大学附属病院でございますが、平成九年度の一人当たりの平均が九・七日でございます。それから、平均年休取得日数の少ない大学が四・二日、多い大学が十七・九日でございます。
  34. 中島武敏

    中島分科員 これも私たちもいろいろ調査してみて、大変驚きました。  率直な意見が看護婦さんたちから出されまして、実に、随分とっていると思われる方々、二十日とっているというふうな人がいても、そういう人はやはり病気で年休をとっているとか、それからまた、少ない方は、これは驚くべきことなんですけれども、半日なんですね。二十日間のうち半日です。これは熊大です。それから平均でどうかというと、これは皆さんの方からお答えがあったとおりなんですけれども、これはもう全然お話にならないと思うのですよ、九・七日というのは。  労働省来ていらっしゃると思うのですけれども、労働省いらっしゃいますか。お伺いいたしますけれども、従業員千名以上の民間企業の年休消化率、消化日数についてお答えください。ぜひ簡潔にお願いいたします。
  35. 渡延忠

    渡延説明員 労働省が実施しました平成九年賃金労働時間制度等総合調査によりますと、企業規模千人以上の民間企業における年次有給休暇の取得日数は十一・三日、消化率にしますと六〇・〇%でございます。
  36. 中島武敏

    中島分科員 これと比較しましても、大学附属病院の方は少ないのですよ。ここをよく考えていただきたいと思います。  それから、次の問題なんですけれども、人間には、朝起きて、昼働いて、そして夜は寝るという生体リズムがあります。ところで、そういう点からいいますと、深夜労働というのは、人体に大変有害ではないのかと思うのですね。  それで、実は、いろいろ調べてみますと、一回の夜勤で二万七千歩歩いているのですね。一回の夜勤で二万七千歩というと、もう一晩じゅう走り回っているという、これぐらいのつらさなんですよ、これは。こういうことをやられている。これは山口大の例ですよ。しかも、立ちっ放しというのは女性にとっては非常に有害なんじゃないかというふうに思うのですけれども、労働省の見解を伺いたいと思います。
  37. 渡延忠

    渡延説明員 労働省では、医学、人事労務管理、労働法学などの学識経験者の参集を求めまして、深夜業の実態や健康への影響を把握する観点から、昨年五月来、深夜業の就業環境、健康管理等の在り方に関する研究会という形で検討を行ってまいりました。  その研究成果が昨年十一月、中間的にまとめられておりますが、これによりますと、深夜業の健康影響については、「明確な結論を導くには十分でない部分もあるため今後も調査が必要である。」とした上で、深夜業が、人間本来が有している一日単位の睡眠、覚せいのリズムに反し、身体の自然な活動を乱す特性を有していることから、健康へ影響を及ぼすポテンシャル、潜在的可能性を持つため、深夜業に従事していない者に比べ充実した労務管理、健康管理が必要であることが指摘されるとの中間報告をいただいております。  なお、この報告では、現時点の医学的知見等の範囲内におきまして、女性が男性に比べ深夜業による健康影響を受けやすいという結論は得られていないといたしております。  ちなみに、この研究会は、深夜業全般を対象にしたものであることをお断り申し上げておきます。
  38. 中島武敏

    中島分科員 女性は子供を産まなければならないということがありますから、男性と女性との間には大きな違いがあるのですよ。そういうお答えが返ってくるかと思ったら、何か一般的な調査の結果だというので、ちょっといささか……。そういう点も、どうぞこの機会ですから、労働省、よく調査をしてくださいますように。  それから、もう一つ伺いたいと思うのですけれども、妊産婦の夜勤免除措置ですね。これは、妊娠に気づいてから出産後一年以内、つまり一年六、七カ月夜勤を免除するということになっているのですけれども、この措置はどんなふうに履行されておりますか。文部省です。
  39. 佐々木正峰

    ○佐々木政府委員 妊娠中の看護婦の勤務でございますが、当然のことでございますが産前産後の休暇や育児休暇等があるわけでございますが、各大学病院においては、妊産婦個人の身体的状況により、外来勤務や検査部への配置がえなどによって夜勤を免除するなど、それぞれの実情に応じて対応しているところでございます。
  40. 中島武敏

    中島分科員 これも私たちの調査なんですけれども、職場の実態というのはよくつかんでいただきたいと思うのです。やはり、大変な中で働いているでしょう。だから、自分がそういう措置をとりたいということを思いましても、とても気兼ねして、あの人たちが働いているというのがもうまぶたに浮かんでくるのですよ。だから、とったらいいことはわかっているんだけれども、とることができない、そういう実態にあるんですね。  だから、そういうこともぜひひとつ文部省としては調査をしていただきたいと思います。
  41. 佐々木正峰

    ○佐々木政府委員 所要の調査を行ってまいります。
  42. 中島武敏

    中島分科員 それから、ただ働き残業というのはありませんか、サービス残業。
  43. 佐々木正峰

    ○佐々木政府委員 平成九年度の国立大学附属病院全体での超過勤務手当については、約百八十三億円を措置しております。したがいまして、各大学附属病院においては、超過勤務の実態に応じて適切に支給されているものと考えております。
  44. 中島武敏

    中島分科員 適切にやられている、こういうふうに言われるのですけれども、全く違うのですね。これは驚くべき状況ですよ。  大臣もよく聞いておいていただきたいのですけれども、私たちがいろいろ調査しましたところ、婦長さんは残業を指示していないのですけれども、黙示的に残業をさせているんですよ。だから、日勤を五時半までやって、そのまま九時まで残業して、そして二、三時間仮眠をして、それで深夜勤もやっている。だから、実際には、月に五、六十時間の残業はざらにあるのです。しかし、残業代は三分の一の二十時間だけ、こういう実態なんですね。  私は労働省に伺いたいと思うのですけれども、民間病院の場合は、労働基準法二十四条、三十七条違反だったら一体どうなるのかという問題なんです。ただ働き残業が繰り返し行われている、慢性化している、これは重大、悪質ということの認定になるんじゃないのですか。労基署は、これを発見すれば、あるいは申告があってそのとおりだということになったら、是正勧告(甲)を打つんじゃないのですか。是正勧告(甲)を打って、それでも直らなかったら、司法処分にするんじゃありませんか、違いますか。
  45. 渡延忠

    渡延説明員 労働基準法の適用事業で、使用者が法定労働時間を超えて労働させたにもかかわらず、当該労働に対し、労働基準法第三十七条で定めた割り増し賃金の全部または一部が支払われていなければ、労働基準法第三十七条違反となるものでございます。  また、所定時間外労働を行わせたにもかかわらず、この割り増し賃金を含めた賃金の全部または一部が支払われていなければ、これは労働基準法第二十四条違反となるものでございます。  労働省といたしましては、これらの労働基準法の条項につきまして、的確な監督指導実施し、法違反の排除に努めてまいりたいと考えておるところでございます。     〔主査退席、鈴木(淑)主査代理着席〕
  46. 中島武敏

    中島分科員 労働基準法は、御存じのように、実は国立大学の附属病院には適用外なんです。だからこういうサービス残業が許されるなんて考えたら、とんでもない話ですよ。私は、その実態は本当によく調べて、是正をしていただきたいと思います。  時間もありませんから先へ行きますが、定員削減の問題です。時間がないから私言うのですけれども、実は、昨年医科歯科大学の調査に入ったのですよ。そうしましたら、あなた方はどうなんだと言ったら、定員削減と増員の問題、要するに増員の問題なんですけれども、この問題で、やはりこう言うんですね、随分足りない、人間が不足していると言うわけです。二・八も到底実行できておりません。そこで、これから毎年十五人、十五人、十五人、十五人と四年間要求するんだ。六十人ですよ。ところが、ことしいただいた資料によりますと三人なんですね、ふえているのは。これは何年かかりますか。そうすると、結局二十年かかるということになってしまうのです。これが今の実態なんですよね。だから、これは本当に改善してもらわなければなりません。  また、看護業務改善経費、この問題についても、看護婦さんの確保のために使う、こういうふうに理解していないところも調査の中にはあるのです。だから、これは全額看護婦確保のために使ってもよろしいということもぜひ文部省の側からはっきりさせていただきたい。  それから、さらに言いますと、病院運営改善特別経費というのがあるのです。これは、俗に言いますと院長裁量経費なんです。これはどういうふうになっているかというと、これも人件費に絶対使ってはいかぬと思い込んでいるところもあるのですよ。いろいろですね。そういうのはちゃんと、やはりこれも看護婦確保のために使ってよろしいものだということもぜひ徹底をさせていただきたいと思います。よく徹底させてくれますか。
  47. 佐々木正峰

    ○佐々木政府委員 看護業務改善経費及び病院運営改善特別経費でございますが、これらの経費につきましては、それぞれ措置された目的がございます。その目的に沿って、各大学病院において適切に使用するよう指導してまいりたいと思っております。
  48. 中島武敏

    中島分科員 そういう抽象的なことを言っているからだめなんですよ。これは看護婦さんの確保に使ってよろしいんだと、こういうことをきちっと言わないから、目的に沿ってなんて抽象的なことを言っているからなんです。  では、最後に文部大臣にぜひ伺いたいと思うのですけれども、今お聞きいただきましたように、夜勤の非常に深刻な実態が現場にはあるのですね。年休も満足にとれない。妊産婦の夜勤免除措置なんというのもとられていない。それから、さらに言えば、ただ働き残業も日常化している。これは私たちの調査ではっきりしているのです。こういう実態をぜひ調査し、そして是正をしていただきたいというように思うのですね。それで、二・八体制を一刻も早く実現をしていただきたい。  大体、大学病院というのは、普通の病院とは違います。国立の他の病院とも違うのです。これは研究と教育にとってなくてはならない機能であり、機関ではありませんか。ですから、看護婦さんは単なるサービス要員じゃないのですよ。そういう点ではやはりスタッフの一員なんです。この点、非常に私は大事だと思っております。  文部大臣が今私が申したことについてどんなお答えをするか、これは全国の何千何万という看護婦さんたちが、国立大学附属病院の看護婦さんたちが耳をそばだてて聞いておるわけですから、どうかひとつしかとした御返答をいただきたいと思います。
  49. 有馬朗人

    有馬国務大臣 私は、東大の総長だったときに、職員の人たちと毎年、年に三回ぐらい交渉をいたしました。そういうことを通じて実態はよく知っております。それからまた、私自身が入院する、毎月一回ずつ病院に行くというふうなことを通じて、少なくとも東京大学の看護婦の状況がどういうものかということは、先生以上に知っていると思います。それが一つ。  そこで、問題点は定員の問題でございまして、大学というのはやはり教育ということが非常に重要です。そうすると、教職員という中でも教員のところはどうしても確保しないといけない。こういうふうなことで、どうしても事務系とか技術系が多少なかなか苦しい状況になっている。こういうふうな中では、看護婦さんに関しましては、私どもは最大限の努力をしていると思っております。  ただ、今御指摘のようなことに関して、必要な看護要員の増員を重点的に図る、あるいは看護婦の看護業務の外部委託や機械化による看護婦の負担の軽減を図る、あるいは各大学附属病院における看護体制の見直しなど、今病院全体としての業務の改善を進めているところでございます。なお、さらに文部省としては、夜勤回数の多い国立大学附属病院へ直接出向き、夜勤の多い実情などについて、現場を視察しながら、直接ヒアリングを行い、その改善のための助言等を行っているところでございまして、今後ともさらに努力をしてまいりたいと思います。  そういうことで、私は、確かに国立大学病院の看護婦問題もありますけれども、施設などについても大変心配をしております。そういう意味で、多分かなり重点的に大学病院の改善というのは今施設等に関しても行われている状況でございますので、このこともあわせて申し上げておきたいと思います。
  50. 中島武敏

    中島分科員 文部大臣、ぜひ、看護職員というのは決してサービス要員というのではなくて、スタッフの重要な一員なんだということをよくお考えくださって、二・八体制の早期の達成ということのために御努力くださいますようお願いして、終わります。
  51. 鈴木淑夫

    鈴木(淑)主査代理 これにて中島武敏君の質疑は終了いたしました。  次に、西博義君。
  52. 西博義

    ○西分科員 公明党の西博義でございます。よろしくお願いいたします。  本日は、これは数年前から大変重要な政策課題となっております理科教育の振興、これはもう文部大臣、もっとも今までも大臣になる以前からお取り組みされた内容だと思うのですが、それともう一つは、パソコンのできる教員の養成、このことについて文部省並びに科技庁に御質問申し上げたいと思います。  まず初めに、理科教育の振興の一環として、科学学習センターの整備事業、こういう事業がございまして、これは市町村単位の一定の地域、これに科学学習センターを設置して、児童生徒の体験的学習活動を促進し、理科教育の振興を図ろう、こういう事業でございます。平成七年度からこの設備の整備のための予算補助が行われまして、三分の一が国の方で残りの三分の二が地方、こういう形で年間三カ所ずつ設置をしていく、こういう計画でスタートいたしました。  今までにこの科学学習センター、何カ所が完成し、また工事中のところもあるかもしれません。また、今予算でこれから計上されようとしている計画のところもあるかもしれませんが、その箇所数をお願いをしたいと思います。
  53. 辻村哲夫

    辻村政府委員 これまでに設置されましたのは二カ所でございます。平成七年度、八年度の計画で一カ所、九年度、十年度で整備されたものが一カ所の計二カ所でございます。  今後でございますけれども、十一年度計画を予定しておりますところが一カ所ございます。そして、もう少し長期的に私ども調査をいたしますと、この数年の間に十数市町村において計画を予定し、あるいは検討をしている、こういう状況になってございます。
  54. 西博義

    ○西分科員 先ほど申し上げましたように、かなりのスピードでこれを仕上げていかないと実際には効果はないのではないかということが前の委員会の議論でもございました。この整備事業、今の段階で文部省としてはどのように評価をされているのかお聞きをしたいと思います。
  55. 辻村哲夫

    辻村政府委員 私ども、この二カ所につきまして、実施状況あるいは将来に向けての課題等につきましていろいろな形で聞いておるわけでございますけれども、まず科学教育理科教育の点では大変評価を得ております。子供たち理科に対する、あるいは科学に対する好奇心や探求心を高めるという評価は、引率をされた先生あるいは生徒自身一致して認めているところでございます。  具体的に、実施状況でございますけれども、これは一般の人も入っておりますけれども、平成七年度、八年度にかけて設置されました徳島県の科学学習センターについて申しますと、一月平均約二千九百名が利用いたしております。  それから、九年度、十年度にかけまして設置されました金沢の例でございますと、これは、昨年の十月末にオープンをいたしました。そしてまた、金沢というところは、冬期ということで、数字が一部でございますけれども、それでも一月平均千六百名くらいが利用しておるということでございます。  そして、徳島県の方で、この利用につきまして調査をいたしておりますけれども、そこでは、先ほど申しましたような高い評価があるということでございます。ただ、課題といたしまして、私ども、指導に当たる職員の確保にかなり苦心をされているということがうかがえます。それから運営費の措置の問題、こういった点が課題としてあると思われます。  それからさらに、若干技術的になりますけれども、この補助が、先ほど先生からもお話がございましたように三分の一の国庫補助ということでございますが、あと残りの三分の二につきましては、それぞれの市町村が単独で措置しなければいけない。これにつきましては地方債の問題等もございまして、その点の問題があろうかと思っております。  繰り返しになりますけれども、したがいまして、その趣旨や目的、ねらい等につきましては、十分これは成果を上げているわけでございますけれども、人的、物的な条件のところで、我々考えていかなければならない課題が見えてきたのかな、こんなふうに思っているところでございます。
  56. 西博義

    ○西分科員 この問題については以前にも質問をしたことがあるのですけれども、その際に文部省が言っていたことは、五カ年で各都道府県に最低一カ所はつくりたい、こういう前向きなお話でございました。最低それくらいのペースでやらないと、この理科教育の課題を短期間に克服することはできないのではないか、私自身も思っておりました。それでも、これだけで理科教育を振興するということになりますと、これもまだまだ他の施策も十分組み合わせてやらないといけないなという印象を持っておりました。  しかし、今、報告にありますように、今現在で二カ所、十数カ所は将来的には予定されているというお話ですが、非常に少ない、政策としてはなかなか思うように進んでいないなというのが率直な印象でございます。  初年度五億円、それからその後八億円から九億円、この三分の一分でございますが、計上されております。これは、使用されなかった分については、どういう会計処理になっているのでしょうか。お教えください。
  57. 辻村哲夫

    辻村政府委員 これは、公立文教施設整備の中の一つということでございますので、予算計上いたしまして、十分使い切れなかった分につきましては、通常の公立学校の施設整備の方に移されて処理される、こういうことになってございます。
  58. 西博義

    ○西分科員 ということは、毎年ほかの費目で使って、また新たに予算計上、毎年度やるということでございますね。はい、わかりました。  当初から私の疑問は、このペースでは難しい、なかなか実効が上がらないのではないかということで、当初は、バスに機材を積み込んで各学校を回って、そしてあまねく全国理科教育のすばらしさを目の前で見ていただく、また、しかも授業休みで、よそに行ってその施設で勉強するというよりも、自分の学校でそういう刺激を与えた方がいいんじゃないかという提案もしたことがあるのですが、今回の計画については何か一工夫しないと、今後、これ自体が私は全く意味がないというふうに申し上げているわけではないのですが、いけないのではないかというふうな問題意識を持っております。  文部省として、今後もこの事業を継続するつもりなのか。または、これは今となっては申し上げにくいのですが、当初、市町村別にということも一部答弁の中に、議事録を繰ってみますと載っているわけでございます。事業の進まない原因が、先ほどの三分の一の補助で、今地方財政が大変厳しい中で果たして引き受け手があるのかどうかということについても、大きな予算を伴うことでございますので、大変課題は大きいなというのが私の今思っているところでございます。  この辺のことにつきまして、担当の方と、それから大臣理科教育全般についての御感想をできればお願いしたいと思います。
  59. 辻村哲夫

    辻村政府委員 現状と評価につきましては、大ざっぱなものでございますけれども、私ども、先ほど申しましたような問題意識を持ってございます。  この施設の果たしておる役割、科学教育に対する役割というのは大変大きい、これは一致しているわけでございますので、私どもとしては、ぜひ先ほど申しましたようなさまざまな条件の工夫ということに努力をし、また、市町村等におきましては、地元に例えば理科センターがあるとか既存の施設があるというようなことで、この独自性といったものについての正しい御理解をまだ得ていないというようなこともあります。  したがいまして、財政上の問題だけでなく、そうした点もあろうかと思いますので、私どもとしては、実際に科学センターを開いて子供たちに科学教育を行っております、そのさまざまなこれまでのこうした施設の取り組み等を十分に伝える等して、市町村関係者の理解を深めて、ぜひこれを進めていきたい。二つの施設は大変な成果を上げているわけでございますので、ぜひそういうふうに取り組んでいきたい、こんなふうに思っております。
  60. 有馬朗人

    有馬国務大臣 まず、特に二〇〇二年以降、学校完全週五日制になります。そういうときの理科教育をどうするかということは大変重大問題でございまして、御指摘のとおり、やはり学校だけではなく、こういう科学学習センターであるとか科学博物館、科学技術館、こういうふうなもので子供たちが喜んで勉強できる状況をつくっていかなければいけないと思っております。  そこで、私としても、この科学学習センターはぜひとも、今御指摘のような点でおくれておりますし、また、地方の方の財政問題もあると思いますけれども、さらに、市町村により一層この施設の意義を伝えまして設置に向けて工夫をしていただくように努めたいと思っておりますし、文部省としても努力をいたしたいと思います。  なお、今のところ、地方自治体ですぐれた科学博物館、科学技術館が随分できてまいりましたし、それから天文台等々、随分方々にできてまいりました。そういう点で、科学学習センターも含めて、総合的に自然科学の教育をどうしていくかということを考えさせていただきたいと思っております。  科学技術庁の方では、サイエンスカーというのでしたね、もう既に製造し始めたキャラバンカーみたいなものはごくごくまだ少数ですけれども、最新のいろいろな科学技術を詰め込んだ自動車をつくりまして、方々をキャラバンしよう、こういうふうになっておりますし、もう活躍を始めていると思います。  いずれにいたしましても、今のペースでは、科学学習センターはなかなか完成してまいりませんので、今後とも努力をさせていただきたいと思っております。
  61. 西博義

    ○西分科員 確かに、大臣がおっしゃられますように、今のこのセンターの事業だけではなくて、既存の多くの施設があります。それと学校教育との関連を総合的にもう一度見直してみる、既存のものも含めて。これは大変重要なことだと私も思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、理科教育の振興という点では、先ほどちょっと大臣からもお話ございましたけれども、私は、科学技術庁、これはいわば理科の技術の専門でございますので、大変今積極的にアピールをされているなという印象を持っております。サイエンスレンジャーと呼ばれる科学実験の演出をしていただいたり、また、学校に出張して教えていただいたりということもしていただいているようです。もちろん、大臣も率先して実験の担当をされたということもお聞きしておりますし、その意味では心から尊敬をしているわけです。  私自身も、先ほどちょっとバスの話も申し上げましたけれども、今の子供たちはバーチャルの世界をずっと経験しておりますものですから、少々のことでは驚かない。やはり現場で実際に手にとってやってみる、現場で見せる、そういうところに新鮮さがあるのじゃないかというふうに思っております。できるだけ現場に行ってじかにやる、こういうことを基本にしていただきたいなというふうに思っております。  また、科技庁は専門番組をつくろうという意欲を持っておられるようで、サイエンスチャンネルの試験事業も行っている、こういうこともお聞きしております。今はケーブルテレビで流しているようですが、CSなど、できるだけ多くの皆さんが見れる機会をつくってはどうかというふうに思っておりますが、科学技術庁の御意見をお伺いしたいと思います。
  62. 田中徳夫

    ○田中政府委員 今御指摘のように、科学技術に関します情報について、国民の皆様、特に青少年の人たちにわかりやすく伝達するというのは大変大事な仕事になっております。それから、その手段といたしましては、総理府でおやりいただきました調査で見ましても、テレビを情報源とするということが大変多くなってございます。  そういうことで、ただいまお話しのように、昨年の十月から、科学技術に関します興味深いトピックス、あるいは科学技術実験などの番組をつくりまして、ケーブルテレビを通じて放送いたしますサイエンスチャンネルというものを試験的に放送しております。  これは、実は平成八年当時に、当時有馬大臣が理化学研究所の理事長でおられたときに座長をしていただきまして、科学技術社会に関する懇談会というものを開いていただきましたが、その提言を踏まえて実現したものでございまして、現在、土曜、日曜、六時間、午前十時から午後四時までケーブルテレビ会社を通じて放映しております。  これは、今試験放送でございますので、将来どのようにしていくかというのはいろいろ検討事項がございます。できるだけ多くの方々に親しみやすく見ていただくというのが大事だと思いますので、今のお話のような、衛星放送はどういう可能性があるかということも含めまして広く検討して、よい放送にしていきたいと考えております。
  63. 西博義

    ○西分科員 では、次に、情報関係にちょっと話題を移したいと思います。  まず初めに、教育情報化推進指導者養成研修という項目がありまして、各都道府県、それから教育会館、教育センター等で研修をされているようです。毎年二千人というふうに伺っておりますが、この研修の評価。  それから、これとは別に、各学校におけるコンピューターの指導者を養成するということも各都道府県でもやっておられるようです。そんな一つの御努力の中で、一方では、文部省の調査で、コンピューターを操作できる先生の数というのが四九%、それから、実際に授業に活用している先生の割合というのは二二%という数字が出ております。  政府は、二〇〇一年度までに教員全員がパソコンの操作をできるように、また半数の人は少なくとも授業に使えるように、こういう目標を定めているというふうにお聞きしましたけれども、今申しました教育情報化推進指導者養成研修、長い名前ですが、この研修でもって、これが全体なのかどうか私も存じ上げませんが、この目標が達成できるというふうにお考えなのか、効果的なほかの施策をとろうとしているのか、このことについてお答えを願います。
  64. 辻村哲夫

    辻村政府委員 コンピューターを操作できる先生、それからコンピューターを指導できる先生現状は、ただいま先生がお述べになられたとおりでございます。そこで、新しい学習指導要領のスタートがあと三年後に迫りました。それまでに、おおむね全員が操作できる、それから半分は指導できる、こういうことで私ども計画をしておるわけでございます。  そこで、今回、今先生が紹介されました、ちょっと長いのですが、教育情報化推進指導者養成研修、これは新規に十一年度からスタートする予算でございます。  といいますのは、従来は、文部省が直接行いますのは、さまざまな情報の分野のリーダー的な人たち、例えば高等学校の工業とか商業とか、あるいは情報とか、あるいは理科、数学というような、そういう情報を中核として扱うような先生を中心に、かつリーダー的な人に集まっていただいて研修をしておりました。しかし、今回の構想は、全体の先生指導力を高める、そういう構想を打ち立てるというわけでございます。  そこで、その構想の考え方でございますけれども、全国小中高等学校に一人ずつ、各学校のこの面でのリーダーになってもらおうということでございます。そして、そのリーダーの指導に当たる先生、この先生を、高等学校当たり一人ぐらい、全国で五千名ぐらい養成をし、その人たちが、その近くの学校のリーダーとなる先生方と随時連絡をとりながら指導力を高める、そして各学校のリーダーの先生が中心となって各校全体の指導力を高める、こういう構想であるわけでございます。  ちょっと前置きが長くなりましたが、そこで、国としましては、今回、先ほど紹介いたしました養成研修というものを新規にスタートさせることにいたしまして、各学校のリーダーの指導に当たる全国に五千名ぐらいの指導者、このための研修を集中的にやろう、こういうことでスタートさせるものでございます。もう既に操作ができ、事実上地域のリーダー格になっている人たちがまたお集まりいただくことになろうかと思いますけれども、その人たち指導力をさらに高めるための研修でございます。  私どもとしては、その成果が上がり、その先生方地域に帰られて地域の全体の指導力を高める、そのために大いに資していただくような研修をぜひ実施していきたい、こんなふうに思っているわけでございます。
  65. 西博義

    ○西分科員 目標も明確に定めておられるわけですので、精力的な取り組みをお願いしたいと思います。  さて、平成七年度から教育用ソフトウェアライブラリの整備という事業がありました。数年にわたって予算がついたのですが、この本来の目的は、学校関係者に対し学習活動に必要、最適な教育用ソフトウエアの選択の機会を提供する、こういうことでございました。  しかし、実際には、県下に一カ所しかない、それから、場所的な関係で平日にしかオープンしていない、こういう障害がありまして、コンピューターの研修のために派遣されてきた先生以外で、単にソフトの選択のため、本来の目的のためにライブラリを訪れる先生がほとんどいないという実態です。私もきのうも現場を見てまいりました。  このソフトウェアライブラリが本来の機能を果たしているのかどうかということについて、文部省はどうお考えなのか、お答えいただきたい。
  66. 御手洗康

    ○御手洗政府委員 ソフトウェアライブラリセンターにつきましては、当時、平成七年度、八年度、予算がつきまして、現在、国の補助を出しておりますだけで全国に五十二カ所設置されているわけでございます。  残念ながら、私ども、個々の、各都道府県等におきますセンターの利用状況については十分把握はいたしておりませんけれども、その後、ネットワーク化というような課題が出てまいりまして、このライブラリセンターに情報通信ネットワーク機能を付与するという形での予算を付加し、さらには、全体としてのネットワークをつくっていこうということで、平成八年度から国立教育会館にソフトウェアライブラリ総合センターを設置いたしまして、もっぱら手探りで進んでまいりましたけれども、インターネットを最大限利用して、できる限り、二次情報等、利便のいいような形で使っていくというような形に徐々に政策を展開しているわけでございます。  したがいまして、当初始めたときは、各地域で見られるような形が大事ではないかと思ったわけでございますけれども、その後のインターネットの普及によりまして、現在、平成十三年度までに全国の公立の小中高等学校をすべてインターネットで結ぶという計画も本年度から着手しているわけでございまして、そういったものを利用した形で、今後、総合的な整備のあり方というものをさらに再検討すべき時期ではないだろうか、こう思っているところでございます。
  67. 西博義

    ○西分科員 私は、この問題について、平成七年、平成八年の二度にわたって文教委員会で提言を申し上げました。この事業の代替案として、オンラインによるソフトウエアを提供するということでございます。わざわざ教育会館とかそれから教育センターに行って、そしてソフトを手にとってそこでいろいろ調べるということではなくて、先ほどお話がありましたように、パソコン通信を利用して、いわば職員室とか自宅にいて、直接この教育用ソフトを、ダウンロードというんですけれども、取り込んで、そしてソフトを使う、こういう方法を使えば、その場にいながらにして利用できる、わざわざ学校を休んでそこに行くという必要がないということを提言をしてきたわけでございます。  昨年八月、「情報化の進展に対応した教育環境の実現に向けて」と題する文部省の協力者会議の報告書があります。その中でこのように書いているんですが、ソフトウェアライブラリは、県内に一カ所では所在地から遠い学校などは利用しにくく、実際に必要とする人に届いていないとして、インターネットによる情報提供、これを提言されております。  インターネット上でソフトを試用し購入するというのは、これも今では一般化されていることで、何も珍しいことではありません。教育用ソフトウェアライブラリの今の施策と違って、この特徴は、いつでもどこでもアクセスができる、そういう便利さがあります。それから、そこにアップロードしているソフトが随時交換されますので、新しいバージョンができたらまた新しいバージョンがそこにある、こういう便利さもあります。それから、ソフトを買い上げなくても、いろいろなものを使ってみてよければ買うということができる、こういうことが言えるのではないかと思います。全国にソフトを配置しなくても一カ所でコントロールできるという利便性もまたあるわけでございます。そんなことがあって、ぜひともそういう方式にしていただきたい、こういう要望を申し上げたいと思います。  これは、ソフトの概要を、先ほどお話ありましたように、二次情報といいますか、概要を紹介するというものではなくて、インターネットを利用してオンラインでそのままつないで、そしてソフトを取り込んで、ダウンロードして、そしてそれを使ってみる、実際に使ってみる、そして満足じゃなかったら次のものをまたやってみる、こういう、大臣もよく御存じだと思いますが、どれがいいかというのは使ってみないとわからない。教科一つでも、全部見てみないとわからないということが現場の先生方のお気持ちではないかと思うんです。大体、タイトルだけ見てこれにしようなんということにはならないんじゃないかと思うんです。  そういう意味で、先生方が職員室とか自宅とかあらゆるところで使ってみられる、そういうシステムが、もうシステム上は十分可能だと思いますので、教育会館等を中心にそういう方式を採用していただければありがたいと思うんですが、御答弁をお願いしたいと思います。
  68. 御手洗康

    ○御手洗政府委員 私、個人的にも大変重要な御指摘だと思っております。  今後のソフトウエアを供給する側の供給方法がどうなってくるかということにもよりますが、それ以外にも自作の教材を相互に交換するというようなことも現実にはあるわけでございますので、省内におきまして、関係各課、著作権処理の問題やいろいろの問題、大変勉強すべき課題がたくさんございますので、今後十分勉強させていきながら、そういう方向で施策の展開を検討させていただきたいと思っております。
  69. 有馬朗人

    有馬国務大臣 今、パソコンを中心にしたお話でございました。そこでインターネットというのが登場してまいりますが、さまざまな点から日本情報教育がおくれておりまして、今最大限、文部省としては情報教育充実を図っているところでございます。  その中には、ソフトウエアの交換であるとかそういうことも含まれるわけでございますが、そのための、まずインフラストラクチャーをきちっとしないといけない。そこで、平成十三年度、これは二年前倒しいたしました、全国の小中学校にインターネットを接続する。それからまた、補正予算では、まだ校数としてはほんのわずかでございますが、千校程度、一・五メガビットの高速回路で三十地域学校を結ぶモデル事業を始めました。これができますと、ソフトウエアの交換などというのが非常に速くできるようになると思っております。  依然としてまだまだ努力をしなきゃいけないと思いますが、文部省としても最大限の努力をしているということを申し上げておきたいと思います。  もう一つ、実は、先ほど科学技術庁の方のサイエンスチャンネルの努力の話を申し上げましたけれども、同時に、文部省といたしましても、子ども放送局というふうなものを衛星を使いましてやりまして、子供たちから直接質問をすることができるような工夫もいたしているところでございます。
  70. 西博義

    ○西分科員 時間が参りましたが、きょうは、理科教育とコンピューターの教育の問題のここ数年間の政策課題に対する文部省の施策とその数年後の実態について少し比較をさせていただきました。  やはり、政治というのはある程度の時間がたてばどういう状況になっているかということを常に見ながら修正していくということも大変大事だと思いますので、最後にその点、やはり速いスピードで進んでいる世の中に対応した施策を的確に打っていただけるように大臣にもお願い申し上げまして、本日の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  71. 鈴木淑夫

    鈴木(淑)主査代理 これにて西博義君の質疑は終了いたしました。  次に、藤田幸久君。
  72. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 きょうは文部大臣に二つほど質問させていただきたいと思いますが、いろいろな意味で、広い意味での教育障壁と申しますか、そういったことに関することでございます。  まず最初の質問でございますけれども、年末にも日経新聞の「春秋」に取り扱われておりました、アメリカの大学日本校における卒業資格の問題でございますけれども、日経新聞に出ておりましたので調べてまいりましたが、南麻布にございますテンプル大学という大学は、文部大臣が非常によく御存じと思いますが、アメリカに三千ほどある大学の中で第一カテゴリーに属しておる八十八の大学に属するという、大変由緒のある大学でございますが、その日本校でございます。  いろいろ調べてみましたら、一九九一年以降ですが、当時の東京大学大学院が、このテンプル大学のテンプル大ジャパンの卒業生について大学院の入学資格というものを認めて、それで東京大学大学院の受験を認めさせておる、テンプル大学ジャパンを初めといたしまして延べ五名の受験を認めていたというふうに出ておりますが、当時の東京大学の総長でいらっしゃった文部大臣でございますので、まずテンプル大学ジャパンの卒業生に対して大学院の受験資格を認めたということの理由についてお伺いをしたいと思います。
  73. 有馬朗人

    有馬国務大臣 御指摘のとおり、私が東京大学総長時代の平成三年でございましたが、テンプル大学の、今おっしゃられたような大学院受験を認めたことがあったと思います。  テンプル大学というのは、私もアメリカ時代何回か行ったことがありますけれども、きちっとしたアクレディテーションを受けた学校である、アメリカ国内では堂々たる私学であります。そういうアクレディテーションを受けているというようなことで、日本大学としてはすなわちアクレディテーションを受けたものではありませんけれども、日本に持ってきているテンプル大学日本校の教育も、そういう意味で十分大学としての評価を受けている、そういう大学であろうかと私は判断をしております。  一方、法学政治学研究科において、今御指摘のように、同大学日本校卒業者の大学院の受験を認めたことがあったことを承知しております。東京大学だけではないと思いますが、従来の慣習として、大学院の入学資格の有無について、各研究科の判断に任されているというところがございます。そういうことのために、テンプル大学日本校卒業者に大学院入学資格を認めた事例が一、二あったかと思っております。  しかし、このことに関して、東大の法学政治学研究科の判断はそういうことでございましたけれども、文部省としては、全日本という立場から考えまして問題がある。すなわち、テンプル大学がアメリカにおいてアクレディテーションを受けているかどうかということは別として、国内においてはまだ無許可の施設としての位置づけがなされている。そういうことから、大学院入学資格を認めることについては慎重にすべきであるという指導を当時受けたということを覚えております。
  74. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 仮に、アメリカのテンプル大学を卒業した人が、国籍あるいはどういうパスポートを持っているかは別にいたしまして、卒業して日本に帰ってきた。例えば卒業式の数日前とかに、アメリカのテンプル大学、あるいはイタリアにもテンプル大学がございますが、日本人でも結構でございますが、帰ってきて、一カ月前でも結構ですが、それで、最後の一カ月間、南麻布のテンプル大学ジャパンにいたとします。その人の場合には卒業資格はどうなるのでしょうか。
  75. 有馬朗人

    有馬国務大臣 私は、その場合には、やはり実態論的に、仮に一年前となれば問題はあると思いますが、一月前というようなときには、適切にその事情を判断してよろしいかと思います。
  76. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 別に意地悪で申し上げるわけじゃありませんが、私、今大臣がおっしゃっていただいた実態論というのが教育において非常に重要ではないかと思っております。  テンプル大学のいわゆる卒業証書というものを、実際にどんなものか取り寄せてみたのですが、このテンプル大学において、世界じゅうにいろいろなキャンパスがございますが、どこのキャンパスを卒業しても同じ卒業証書なんですね。したがいまして、南麻布で卒業しても、ペンシルベニアで卒業しても、イタリアで卒業しても、同じ卒業証書をもらう。  少し離れまして、基本的な教育についての見解をお聞きしたいと思います。  文部省の方では、国際化教育ということも非常に大きな柱としておる。それから、いわば留学生の受け入れということについても大変熱心であるし、留学生という場合には日本大学における外国人という意味と思いますが、と同時に、外国系の大学のキャンパスで勉強する外国籍の学生の日本における数の増加ということにも積極的というふうに聞いております。  そういう観点からいたしますと、一般的に申しまして、例えばアメリカの大学の学生で、特にアメリカ人の学生が日本でいい環境で勉強ができるということは、日本の国益に大変かなうことと思っておりますが、その基本的な考え方についてはいかがでしょうか、大臣
  77. 有馬朗人

    有馬国務大臣 日本の国内に置かれている外国大学校あるいは大学の分校をどうするかという問題点の御指摘でございますが、非常に形式論になるかもしれませんけれども、現在、日本の国内で大学をつくろうとするときには、かなり厳しく大学設置基準を調べるわけでございます。そういうプロセスを踏んでくだされば、外国学校であろうと何であろうと、きちっとした大学として認め、その卒業者は全く問題なく大学院への受験資格がございますので、私としては、テンプルにもお願いをしたのですけれども、大学設置基準をちゃんと満足して、そして文部省の方に申請をしていただけないか、そうすれば、大学設置審議会で検討して、きちっとした大学として認めることはやぶさかでないということを申し上げている次第であります。
  78. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 設置基準に触れる前に、もう一つ申し上げておきたいのは、日本大学がアメリカにも進出をしております。例えば帝京大学。この帝京大学も、幾つか提携をしてキャンパスがあるようでございますけれども、例えば、ここの帝京大学を卒業した場合には、アメリカのいかなる大学院でも受験ができるという実態がございます。  そうしますと、この設置基準ということと別の次元で、やはり教育におきましても、相互主義というのが私は非常に重要ではないか。設置基準、アメリカの場合には州ごとに違うようでございますけれども、実際に、アメリカの大学あるいはほかの国の大学日本に来て、日本の設置基準で、いわば入り口で、水際で退けられてしまう。一方、日本から行く日本人のアメリカにおける大学生は非常に温かく受け入れられ、恐らく非常にいい働きをされるんだろうと思うのですが、この設置基準と相互主義との関係についてはいかがお考えでしょうか。
  79. 有馬朗人

    有馬国務大臣 この点、私は、日本の設置基準は決して高くないと思う。難しいと思わない。特に、大綱化が行われましてから、大学が持っていなければならない、例えば本の数というふうなものは大幅に軽減されました。あとは、校舎が本来の学校のものであるかとか校舎の面積とか、そういう問題がありますけれども、設置基準そのものはもう既に大綱化してかなり楽になっておりますので、やはり総合的に、日本大学がアメリカに行くときでも、アメリカのアクレディテーションを受けませんと、その限りにおいて、大学院へは行けないと思うのですね。やはりテンプルも、そういうふうな意味で、日本での大学基準を満たして、そして正式な大学として認められるようなことをお勧めしているということを繰り返し申し上げておきたいと思います。  日本大学が、高等学校でもそうですが、フランスなりに行ったときに、必ずしもすべてが大学に行けるように高等学校卒業資格を認めてもらえないところもあります。これはさまざまな例があると思いますので、現在、文部省といたしまして、鋭意、日本学校がアメリカ等々外国でどう取り扱われているか、あるいは逆に、人々が日本に来たときにどういうふうに考えるか等々について今調査しているところでございます。
  80. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 また実態の話に戻りますが、設置基準は決して高くない、建物とか土地という話になってくるわけですけれども、建物とか土地とか、そういう設置基準とは別にしまして、実態として、非常にいい教育が行われておる、その数も非常に多くの学生さんがいらっしゃるわけです。それから、日本大学、分校を卒業して、アメリカなりに帰って、非常に活躍をされておられる方もいらっしゃる、日本でもそうですけれども。  例えば、そういう方々が、結局学費に消費税も五%払わなければいけない、それから通学定期ももらえないということは、そもそも、外国の学生をふやしたいという本来の基本的な目的とは逆行するような、結果的に、教育障壁と申しますか、ある意味では機会均等を損ねる状況にあるわけですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。
  81. 有馬朗人

    有馬国務大臣 私は、寡聞にして、外国で、例えば定期を安くする、学割をどうするかなどということは聞いておりません。  確かに、オランダなどで、何らかの理由で、例えば年齢等で安くして切符を売ることがあると思いますけれども、定期というふうなことは私は聞いておりません。しかしながら、できる限り日本の学生と等しくした方がよいということはあると思います。  こういう点で、どういうところが問題になるか等々に関しては、先ほど申しましたように、海外の大学あるいは高等学校等々の取り扱われ方について今検討しているところでございまして、今のような問題もその中に含まれてくるかと思っております。
  82. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 設置基準の壁がだんだん低くなってきたとおっしゃいますが、現在、これから日本大学をつくる場合には、恐らく東京から一時間以上のところに結局つくらざるを得ないというようなことになっておりますね。  そういうことと、本来、できるだけいい教育を、しかも、ライシャワー大使じゃございませんけれども、できるだけ多様な教育、多様な文化に触れ、多様なダイメンションを持った、先ほど私の前の方がソフトウエアについて質問されておられたようですけれども、そういう観点からいたしますと、できるだけ多様な方が、できるだけ同じような条件で、そして同じようなアクセスを持って勉強できる環境をつくっていくための教育の設置基準といいますか、どうもハードの面の、建物等々の方が基準に重んじられて、ソフト面の、内容的な基準といいますか、あるいはインカレッジするような内容に変える必要があるんではないかという印象も持つわけですが、その辺はいかがでしょうか。
  83. 有馬朗人

    有馬国務大臣 大学設置の場合、最も大切なことは教員の質であります。これが第一点。それから第二点は、大学の面積等々について、こだわるようでありますけれども、やはり公正という面から、学生諸君が十分な空間を享受することができるか、そういう点で大学設置基準が置かれているわけでございます。詳しくは高等教育局長がお返事申し上げた方がいいと思いますけれども。  ただ、その中で、昔はというか、大綱化が行われる前の場合にはかなり難しかったんですけれども、このごろは随分そこがやわらかくなってまいりました。例えば社会で大きな業績を上げたような人が大学の教授として迎え入れられやすくなりました。今までのように、研究とか教育の経験をうんと重視するというようなことがなくなってきました。そういう意味で、先生方の実力に関する評価もまた今までと変わってきている。  こういうことから見て、今、私は、外国学校がちょっと努力をしていただければ、日本学校と同じように大学としてあるいは高等学校としてきちっとお認めできると思います。そういう点で御努力を賜れればと思っております。
  84. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 その一番大切な教員の質ということに関しては、私もちょっと調べてみましたけれども、既にワールドスタンダードにいっているというふうに思っております。実際に、先ほど申しましたようなアメリカのある意味では非常に優良大学のファクリティーがそろっておるわけです。  一方、土地建物等に関しましては、もう少し努力とおっしゃいますが、こういう点、私は、結果的に難しいということに関してはやはり特別な配慮が要るんではないか。やはり結果の機会均等ということが重要ではないかという気がするわけです。  アメリカの場合に、アファーマティブアクションというのがございますけれども、まあアファーマティブアクションまでいかずとも、やはりある程度の、もちろんいろいろ厳しく審査をした上で、例えば、アメリカにおいてある程度の基準以上の大学に関して言えば、例えば大学の何%の学生数は日本で受け入れる、そういう措置を講じるとか、そうでなければ、本来の目的の機会均等それから多様な文化を習得する、日本のいわば教育内容充実させるような教育は、まあ大臣はそんなに難しくないとおっしゃいましたが、ハードの面では非常に難しいんではないか、いろいろな、税法の問題とか土地の問題とかございますので。  その点について、さらにより前向きな御検討をお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  85. 有馬朗人

    有馬国務大臣 私は、多少ハードウエアの面にこだわります。やはり学生諸君が十分な施設、環境のもとで勉強するということが必要であると考えておりますが、繰り返して申し上げますけれども、大学の校地面積基準に関しましても、三倍かな、大分易しくしました。これもつけ加えておきましょう。  先ほどは教員の質について特にお答え申し上げましたけれども、大学の校地面積基準につきましても、一昨年十二月の大学審議会の答申を踏まえ昨年三月に大学設置基準を改正し、それまでの六倍基準を三倍基準に緩和したところであります。  こういう点で今いろいろ努力をしておりまして、学校法人において安定的、継続的な教育研究活動が実施できる財政的基盤を有している者につきましてはその基準について弾力的な対応をするという努力を今しております。
  86. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 今おっしゃいました安定的、経済的な基盤ということに関しましては、例えば本校の方が非常に安定した、ある意味でいえば、数年前のバブルの時代と違いまして、アメリカに優良なキャンパスを持って財政的に豊かな大学であれば、それ自体が、逆に言いますと今日本大学よりは経営状態もいいわけですから、むしろ安定しているということは言えると思いますので、ぜひその辺も御配慮をいただきたいと思います。  もう一つ質問がありますので、あと七、八分しかございませんので、恐縮ですが次のもう一つ教育障壁についてお聞きをしたいと思います。  たまたま、きょうの質問の準備をしておりましたら、昨晩のニュースステーションの特集で、通信制の高校のサポート校のことが出てまいりました。今までの答弁等を拝見しますと、このサポート校の実態について文部省の方で実態を余り把握していないのかなという印象もございますけれども、いわば高校生で不登校児が、例えばきのうのテレビでも出ていましたけれども、退学処分になってしまった。それで五つの高校に入学を申し込んだけれども、ある一つの高校で退学処分になってしまったために結局ほかの高校で受け入れられなかった。それで通信制の高校に在籍をしてサポート校に通っておる。  サポート校もいろいろあるようですが、私いろいろ調べてみましたら、いろいろ優秀なサポート校がございまして、例えば通信制の高校の高校卒業率というのはどうも平均二割のようでございますが、それに対しまして幾つかのサポート校に通っているお子さん方は、八割以上が高校卒業資格を得ているというふうな事例も出ております。これがすべてでないかもしれませんが、実際にそういうようなサポート校が存在をする。  ということは、全日制の高校に不登校で通信制に籍を置いて、通信制というのはある意味ではレポートのやりとりですから、不登校児に対して細かいケアができないわけであります。在籍上は通信制にいるけれども、細かいケアをするためのサポート校があるがゆえに、通信制の在籍であっても、サポート校のそういうきめ細かな教育を受けることによって卒業が成功しているという事例があるわけです。ところが、このサポート校の学生さんに対しては結局通学定期が出ないという状況にあります。  実は、これに似たようなケースが、中学校に関して言えばフリースクールというのがございまして、フリースクールに関しましては、これは九三年、今話題の鳩山邦夫文部大臣のころのようですが、調べてみましたらフリースクールに関しては通学定期が支給されている。  そうしますと、中学に対するフリースクールと高校の通信制におけるサポート校というのは極めて実態的に似ておることにかんがみまして、サポート校におきましても、通学定期というものを私はぜひ支給すべきではないかという意見を持っておるわけですが、いかがでございましょうか、大臣。     〔鈴木(淑)主査代理退席、主査着席〕
  87. 辻村哲夫

    辻村政府委員 現状につきまして、私の方からまずお答えさせていただきたいと思います。  サポート校につきましては、その性格を見ますと、通信制の高校である。それで、レポートは、本来子供がいろいろな形でつくるわけでございますけれども、それを手助けするという、いわば補習塾的な機能を果たしているわけでございます。そして、その形態も、毎日行くサポート校もございますし、随時通えば可というようなものもさまざまあるわけでございます。  これは、小中学校に置き直しますと、子供たち学校から帰って、いろいろな考えに基づいて塾に通う、おけいこごとに通うというようなわけでございまして、これを、では小中学校と同一に評価できるかというと、それはなかなか難しいだろうと言わざるを得ないと思うんです。したがいまして、このサポート校につきまして、一律にこれを高等学校教育の一環という評価をして対応するということは、私どもとしてはなかなか難しいのではないかと思っております。  なお、フリースクールにつきましては、小中学校に行けない、しかし民間の施設で、いわゆるフリースクール等で努力をして、学校復帰の取り組みをしている、そして、小中学校と連携をとりながらやっておる、そういったところがあるわけでございますけれども、その場合には出席扱いをする。小中学校には通えない、しかしフリースクールに行っている、しかし、連携をとって、一定の要件を満たした者につきましては出席扱いを可能とするというようなことになっておるわけでございますが、そうしたいわゆるフリースクールにつきましては、通学定期の適用等も行っているわけでございます。  そういうことでございまして、そこにやはり我々としては一線を画さざるを得ないのではないか、こんなふうに考えております。
  88. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 今のは、局長、私のさっきの話を聞いていなくて、去年と同じ答弁をしているわけです。  私が今申し上げましたのは、そういう補習塾としてのサポート校という認識では違うということをさっき申し上げたわけです。それを聞かないで、準備された答弁を、去年と同じものを言われたわけですが、さっき申しましたのは、いわゆるレポートをサポートする補習塾じゃなくて、実際に高校卒業資格をたくさん取るような形でサポート校が存在しているということは、これは補習塾という領域をはるかに超えておるわけで、しかも、もともとの出どころは、全日制高校を不登校になった人がかなり通信制に行って、それでサポート校に入っているわけですから、もともとのルーツは、全日制高校で不登校になった人を対象にすべきだろうと思うんです。したがいまして、実際のサポートをしているのは、便宜上は通信制の高校生をサポートしているわけですが、本質的には全日制高校に行けなくなった人をサポートしているという認識をまず持っていただきたい。  実は、そのフリースクールに定期を適用するようになった平成五年三月十九日の初等中等教育局の中学課長の通知というものがあります。これによりますと、ポイントは三つありまして、一つは、学校復帰が前提となっているわけです。学校復帰に関しては、通信制に実際籍を置いているわけですから、これは復帰は問題ありませんね。  二つ目は、相談指導を受ける期間が長期にわたる。これも、サポート校というのはほぼ毎日行っているわけですから、長期にわたっているわけですね。これも満たしているわけです。  それで、三つ目は、在籍学校長が手続を行うということになっているわけです。ですから、これは現住所の通信制の高校の校長先生が手続をとればいいわけであって、出席扱い云々というのは、先ほど申しましたように、もともと全日制高校が不登校になった形で通信制高校を経由してサポート校に行っているわけですから、本質的に考えれば、これは実際にはそういう形で出席扱いに私はしてもいいんじゃないか。あるいは、出席扱いということは、このフリースクールの場合でも項目にないわけです。要するに、長期的に通っているということがポイントになっているわけですから、それを満たしておるわけですね。  そうしますと、フリースクールを認めた三つの条件ともこのサポートスクールが満たしている。しかも、実態として、ある意味では、全日制高校で不登校になっている人々を、サポート校があるがゆえに、現住所を通信制高校に置きながら見事に高校まで卒業させているわけですね。この実態と、それから手続上もフリースクールの三つの条件を満たしているわけですから、私は、サポート校に関しても通学定期を、むしろ文部省の方からお願いをしてでも、まさにある意味では文部省をサポートしているわけですから、前向きに検討すべきではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
  89. 辻村哲夫

    辻村政府委員 二つの点でちょっとお話をさせていただきたいと思います。  一つは、一律にこれを高等学校教育の一環として位置づけるのが難しい。したがって、一律にそういう理由をもってサポート校に通学定期をというのはなかなか難しいということを申し上げました。  ということは、裏返せば、サポート校の中にもいろいろな形態がございます。株式会社のもの、いろいろなものがある。随時来ればいいよというのもあるし、ほぼ学校のような形態のものもある。そこで各種学校として認可をされているようなサポート校もあります。そういうものにつきましては、各種学校という評価のもとに通学定期の適用等は受けているというのが一つございます。したがって、一律に高等学校教育として評価するのは難しいというのが一つ。  それからもう一つ、出席扱いということでございますので、小中学校の場合には、学校に行くと相当の評価をして出席に扱っている。しかし、サポート校は、あくまで本来の学校があって、そこに対してのお助けをしているということでございますので、小中学校の生徒が一般の塾に行った場合にそれは出席扱いにはしないわけで、それはサポートはしていますけれども、出席扱いにするわけではない。いわゆるフリースクールは、連携をとり、いろいろな要件を満たした場合には、出席扱いをして学校教育と相当と評価をしているというわけでございますので、そこには私どもとしては線を画さざるを得ないのではないかというわけでございます。
  90. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 まず、一律ではないというのは、これは当たり前の話でございます。フリースクールもそうなっているわけでございまして、ここにも、「本人の自立を助けるうえで有効・適切であると校長が判断する場合」となっているわけですから、一律ではないというのは、それはもう当たり前の言わずもがなの話だろうと思います。大臣もうなずいておられますから。  それから二点目ですけれども、フリースクールとの違いをおっしゃいましたけれども、結局それは、サポートスクールの実態として、全部じゃありませんけれども、全日制高校に行けなくなっている不登校児を一番実質的にサポートしているサポート校があるという認識がなければ、出席扱いという、たまたま通信制高校を経由しているがゆえの、もともと通信制高校というのは出席しないのが前提になっていますけれども、ただ、要は、そこに在籍することによって、サポート校との相互補完関係において、全日制高校にいたら卒業資格がもらえない人が卒業資格をもらえるところまで育て上げているという実態があるわけですから、先ほどのように塾とは違うわけですね。塾と違うサポート校もあるということ。  それからもう一つ、去年、富岡生涯局長が、文教委員会で池坊保子議員に答えて言っておりますけれども、必要な学習を行う場を補完的に提供する民間教育事業ということに着目し、何らかの措置を講ずることができないかと言っているわけです。フリースクールも民間のフリースクールもあるわけです。ですからサポート校が、今おっしゃったように民間事業であってもいいんだろうと思うんです。その点を確認していただきたいと思います。
  91. 辻村哲夫

    辻村政府委員 このサポート校が実態としてどういう機能を果たしているかという点につきましては、私どもも、先生と同じような認識を持っているわけです。ただ、いろいろな教育機関があり、いろいろな教育活動が行われているわけでございますが、そのときに、それを学校教育として評価するかどうかというそこの問題だろうというふうに思います。  ですから、また別途の角度からこのサポート校を評価するということ、それはそれでまたあり得るだろうと思いますが、高等学校の一環として位置づけて、それを評価して、そこをスタートにしていろいろなことを考えるということにおいて、実態としていろいろな機能を果たしていることについては我々も十分評価するわけでございますけれども、高等学校の一環というそこのところの、考え方かもしれませんが、そこのところで、私どもとしては、一線があるのではないかということを今考えているということでございます。
  92. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 ということは……
  93. 西村眞悟

    西村主査 残念ですが、時間が。
  94. 藤田幸久

    藤田(幸)分科員 では、一環ということは別にして、つまり、少なくとも定期のことに関して言えば、今の答弁でも矛盾がないように存じますので、大臣の方も今ゆっくり聞いていらっしゃいましたけれども、非常に重要な問題でございますので、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  95. 西村眞悟

    西村主査 これにて藤田幸久君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして文部省所管についての質疑は終了し、これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  分科員各位の御協力により、スムーズに議事が進められ、終了いたしましたことに深謝申し上げます。  これにて散会いたします。     午前十一時九分散会