○大島(賢)政府
委員 お答え申し上げます。
まず、ODAの分野におきます各省庁間の連携調整の問題でございますが、ODAの
事業、特に
技術協力につきましては多数の省庁が
関係しておりますので、その連携調整をきちっとやっていくということが極めて大事であるわけでございます。
そういうことで、一体性、整合性のある形でのODAの実施につきましては、行革
会議でも随分
議論がございました。そういうことを受けまして、中央省庁等
改革基本法におきましては、基本的に外務省が政府全体を通ずる調整の中核となってやっていくようにということで規定が盛り込まれまして、その精神を受けまして、今般国会に提出されております設置法案の中でそういう趣旨を生かす規定が設けられております。
今後は、こういった調整を従来以上に充実いたしまして、ODAの効果的、効率的な実施を一層期してまいりたい、こういうふうに思っております。
それから二番目に、インドネシアのいわゆるリベート疑惑の問題、それからODAにおける
透明性、
情報公開の点についてでございます。
新聞に報道されましたリベート疑惑の問題、これは一般の商取引に関連するものであるわけです。一部には、円借款との
関係があるのじゃないかということで報道がございました。私ども、これは、ODAのイメージは
もとより、いやしくもこういうことがあってはならないということで非常に重く受けとめまして、海外経済協力基金の方でも、名前が言及されました企業から直接聞き取り
調査を行いまして、外務省自身も直接の聞き取り
調査を行ったわけでございます。これにつきましては、いずれの企業も、報道にあるようなリベートの供与の事実というものはないということで、はっきり否定をいたしておるわけでございます。
一方、これはインドネシアでございますので、相手国政府による
調査も重要だというふうに考えまして、インドネシア政府に対しましても
調査を申し入れてあります。ただいまのところは、インドネシア政府内には大臣クラスをヘッドとする
調査委員会のようなものを一応設置いたしまして、本件についての
調査を別途行っております。
さらに、私ど
もとしましては、ODAの
事業につきましていやしくもこういった不正あるいは不適切なことがあってはならないということでございますので、日ごろ、ODAの
事業に
関係しております商社、関連企業八十社に対しまして、外務省、通産省、経済企画庁の三省庁によりまして、不正防止のための国際的な条約も既に成立しておりますし、その条約を受けまして不正競争防止法、国内法も成立しております、それから関連のいろいろな規定がございますので、改めまして、こういったものを予防的な
意味で周知徹底を図る措置を既にとりました。
さらに、特に円借款につきましては調達ガイドラインというものがございますが、不正防止の効果をより効果あらしめるために、もしこういった
関係企業が絡む不適正な調達、例えばリベート支払いとか虚偽の
報告とか、こういったものが客観的に立証された場合には、一定
期間、円借款の
事業への応札、入札参加ができなくなるような措置をとるということも一応方針を決めまして、改定を行うことといたしております。
そういうことで、本件につきましての事実
関係の
調査はまだ終わったわけじゃございませんし、これからも厳しく見ていくつもりでございます。
それから、
透明性につきましては、七月に総理から直接の個別の指示がございました。それを受けまして、数カ月、政府部内で
検討いたしまして、昨年十一月に一連の措置の決定をいたしまして、公表されております。
例えば、
透明性向上のために、中期政策をきちんと決めて公表すること、別途国別の援助
計画をつくってこれも明らかにすること、円借款候補となっている案件をリストにして公表すること、入札の過程に関します一層の
情報開示を進めること、それからインターネット等を通じます
情報公開をさらに進めること、こういった
内容の措置をとることを既に決定いたしております。
三番目に、効果の点についての御
指摘がございました。
確かに、特にプロジェクトでございますと、道路とか発電所が完成すれば、その結果、
交通量がどの程度ふえて、あるいは発電量がどの程度ふえて、それがどういうふうに経済発展に貢献しているかということは割とやりやすいわけでございます。
技術協力の場合には、御案内のとおり、いわゆるソフトの協力でございまして、なかなか定量的な効果測定というのは難しゅうございます。しかし、それでもやはりいろいろ工夫をすれば
かなりのことが可能であるということで、こういった
目標、設定した
目標に対しましてどの程度の効果が上がったかということの
指標をつくりまして、できるだけ定量的にこういった評価ができるような手法の
開発とその実行に努めております。
この辺につきましては、まだまだ不十分な点はございますけれども、非常に大事な点でございますので、引き続き工夫を重ねてまいりたいと思っております。
最後に、人材育成をして、帰国された研修員のフォローアップがどうなっておるかという点でございます。
私ども、先生御
指摘になったとおり、これは非常に重要な点であるということは肝に銘じておるつもりでございます。まず第一に、
日本に十一万以上の研修員がこれまで来ておりました。JICAを中心に協力をやっております。まず、やはり好ましい印象を持って帰ってもらう、そのためには、研修そのものが中身の充実したいいものであると同時に、研修の環境というものがきちんと
確保される、これが大事でございますので、施設の
整備等も含めまして、研修
内容の充実に努めております。
その結果、私どもがJICAを通じてやっております
調査によりますと、八割ないし九割は大変高い評価をしておりますし、そういう
意味では大変好ましい印象を持って帰国していると思います。
帰国後のフォローアップにつきましても、別途帰国研修員の同窓会のようなものもつくられておりまして、現在七十一カ国で七十七の帰国研修員の同窓会がありまして、大きなところでは、フィリピン、ブラジル等では会員数が二千名を超えるというようなことになっております。総会員数は三万以上になっているということでございます。こういった同窓会
関係に対しましても、一回限りで研修が終わるのじゃなくて、引き続いて、
日本とのつながり、受けた研修が効果を発揮するようにできるだけきめ細かい配慮をし、一部支援が可能なところについては支援も行っている
状況でございます。