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1998-09-25 第143回国会 衆議院 外務委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年九月二十五日(金曜日)     午前九時開議 出席委員   委員長 中馬 弘毅君    理事 福田 康夫君 理事 牧野 隆守君    理事 茂木 敏充君 理事 森山 眞弓君    理事 玄葉光一郎君 理事 藤田 幸久君    理事 東  順治君 理事 東  祥三君       柿澤 弘治君    瓦   力君       岸本 光造君    小坂 憲次君       河野 太郎君    阪上 善秀君       櫻内 義雄君    中谷  元君       深谷 隆司君    細田 博之君       八代 英太君    吉川 貴盛君       上原 康助君    島   聡君       羽田  孜君    丸谷 佳織君       山中 燁子君    古堅 実吉君       松本 善明君    伊藤  茂君  出席国務大臣         内閣総理大臣  小渕 恵三君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 額賀福志郎君  出席政府委員         国際平和協力本         部事務局長   茂田  宏君         防衛庁防衛局長 佐藤  謙君         防衛庁運用局長 大越 康弘君         防衛庁人事教育         局長      坂野  興君         外務政務次官  町村 信孝君         外務省総合外交         政策局軍備管         理・科学審議官 阿部 信泰君         外務省総合外交         政策局国際社会         協力部長    上田 秀明君         外務省北米局長 竹内 行夫君         外務省条約局長 東郷 和彦君  委員外出席者         通商産業大臣官         房審議官    北爪由紀夫君         外務委員会専門         員       宮本 吉範君     ――――――――――――― 委員の異動 九月二十五日  辞任         補欠選任   野呂田芳成君     小坂 憲次君   深谷 隆司君     岸本 光造君 同日  辞任         補欠選任   岸本 光造君     深谷 隆司君   小坂 憲次君     野呂田芳成君     ――――――――――――― 九月二十四日  対人地雷使用貯蔵生産及び移譲禁止並  びに廃棄に関する条約締結について承認を求  めるの件(条約第一号) 同月二十一日  日米物品役務相互提供協定改定反対に関する  請願木島日出夫紹介)(第二三五号)  同(春名直章紹介)(第二三六号)  同(古堅実吉紹介)(第二三七号)  同(山原健二郎紹介)(第二三八号)  同(佐々木陸海紹介)(第二七九号)  同(金子満広紹介)(第二九九号)  同(石井郁子紹介)(第三一四号)  同(大森猛紹介)(第三一五号)  同(金子満広紹介)(第三一六号)  同(木島日出夫紹介)(第三一七号)  同(穀田恵二紹介)(第三一八号)  同(児玉健次紹介)(第三一九号)  同(佐々木憲昭紹介)(第三二〇号)  同(佐々木陸海紹介)(第三二一号)  同(志位和夫紹介)(第三二二号)  同(瀬古由起子紹介)(第三二三号)  同(辻第一君紹介)(第三二四号)  同(寺前巖紹介)(第三二五号)  同(中路雅弘紹介)(第三二六号)  在沖縄米軍基地の縮小・撤去に関する請願(保  坂展人君紹介)(第三一三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  対人地雷使用貯蔵生産及び移譲禁止並  びに廃棄に関する条約締結について承認を求  めるの件(条約第一号)      ――――◇―――――
  2. 中馬弘毅

    中馬委員長 これより会議を開きます。  対人地雷使用貯蔵生産及び移譲禁止並びに廃棄に関する条約締結について承認を求めるの件を議題といたします。  政府から提案理由説明を聴取いたします。外務政務次官町村信孝君。     ―――――――――――――  対人地雷使用貯蔵生産及び移譲禁止並びに廃棄に関する条約締結について承認を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  3. 町村信孝

    町村政府委員 提案理由説明に先立ちまして、一言発言をさせていただきます。  昨日、国会に提出いたしました対人地雷使用貯蔵生産及び移譲禁止並びに廃棄に関する条約締結について承認を求めるの件につきましては、同条約署名国会に提出するまでの間、種々の検討に時間を費やし、結果として国会提出がおくれることとなりました。十分な御審議をしていただくことが困難な状況に至りましたことは極めて遺憾であり、外務省として深く反省をしております。  今後、条約締結案件につきましては、国会において十分な御審議をいただくべく、遅滞なく国会に提出するよう努めたいと考えております。  委員各位の御理解と御協力を改めてお願いを申し上げる次第でございます。  続きまして、提案理由説明させていただきます。  ただいま議題となりました対人地雷使用貯蔵生産及び移譲禁止並びに廃棄に関する条約締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、平成九年九月にオスロで開催された国際会議において作成されたものであります。  この条約は、対人地雷使用生産、保有、移譲等禁止及び廃棄義務について規定し、あわせて条約上の義務実施を確保するための事実調査制度等について規定するものであります。  我が国がこの条約締結することは、対人地雷全面的禁止に向けた国際協力を促進するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この条約締結について御承認を求める次第であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いを申し上げます。  以上であります。
  4. 中馬弘毅

    中馬委員長 これにて提案理由説明は終わりました。     ―――――――――――――
  5. 中馬弘毅

    中馬委員長 これより質疑に入ります。  なお、本日は、前半の質疑小渕内閣総理大臣及び額賀防衛庁長官の御出席をいただくことにしております。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤田幸久君。
  6. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 きょうの外務委員会総理の御出席をいただきましたことを心から感謝申し上げたいと思います。  今回のオタワ条約批准及び国内法上程ということでございますが、今回のこのオタワ条約調印並びに批准ということに関しまして、従来はこういった関係条約軍備管理あるいは軍縮といった性格のものでございましたが、今回、総理のリーダーシップ、外務大臣当時、調印に至った経緯を見てみますと、やはり被害者を含む市民の方が動いて、それにNGOが呼応して、それに外国の外交官、それから超党派をもちました国会議員、そしてマスコミといった大変広範な人々が一緒に動いて、いわば共同作業によって今日の条約調印をされた。ノーベル平和賞を受賞されたジョディ・ウイリアムズさんは、こういったたぐいの条約は一国とか二国のいわば超大国によってできたものではなく、いわば市民スーパーパワー、新しいスーパーパワーが新しい次元でこういった条約調印に至ったのだと。その一翼を外務大臣であられました総理が担われたわけです。  今日、新しい意味での条約そして次元外交ができたというふうにも言えると思いますけれども、そういった今日に至る経緯について、あるいは経過について、総理の方から所感をいただければ幸いです。
  7. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 このたび対人地雷禁止条約につきまして国会批准お願いすることとなりました。この条約調印、昨年十二月以来、既に署各国のうち、これが発効に至る四十カ国を経過いたしまして、我が国といたしましては、調印をいたしました以上、一日も早くその批准方国会お願いいたさなければならぬと思いましたが、今日その機会を得ましたこと、大変私自身も感慨深いものでありますと同時に、委員長初め、特に外務委員会の諸先生方におかれましては、本問題につきまして政府を督励いただきまして今日に至りましたこと、改めて私、感謝の意を表させていただきたいと思っております。  いずれにいたしましても、本件は、昨年私、外務大臣に就任しました記者会見におきまして、こうした対人地雷におきます大きな被害、特に無事の民といいますか、幼少の子供たちがその被害に遭っておる現状にかんがみまして、この問題について、先ほどお話しのように世界じゅう大変大きな関心を寄せておりましたし、また有名なダイアナ妃におかれましても先頭に立ってその廃止に御努力をされ、今お話しのようにNGO方々も積極的にお取り組みいただきまして、政府関係者の力というよりも、むしろそうした方々の国際的な世論が盛り上がることによって条約署名に至ったことでございました。  したがいまして、今日、多くの方々の御協力を得ながら国会にこの批准お願いすることになりました。一日も早くこの条約批准お願いし、そして世界の中で我が国としてもこの問題に対して国民全体が積極的に取り組んでおるという姿勢を示すことができれば幸いであるというふうに考えております。  そういった意味におきまして、改めて今日この条約を御提案申し上げるに至りましたこと、時間がやや経過いたしましたけれども、ぜひ来年の三月の発効に至るまで、日本として積極的にこの問題について取り組んできた姿勢を内外に明らかにすると同時に、今後とも、この批准の暁におきましては、その条約を遵守いたしますと同時に、今なお、先般一億個以上というようなことを言われておりましたが、七千万というような数字も出てきておりますけれども、世界各国に散布される多くの地雷が除去されてそして被害が少なくなるために、さらに日本政府としては努力をいたしていかなければならぬ、このように考えておる次第でございます。
  8. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 批准上程に上がったということは大変ありがたいことですが、四十カ国未満で批准ができなかったというのは大変残念に思っているわけです。ことしの初頭以来の経緯を見ておりますと、どうも日本政府の方でほかの国を見過ぎたのではないか。  つまり、NATOの諸国等におきまして米軍基地を持っておる。同じ状況でございますので、在日米軍との関係におきましてもそういった国々を見過ぎているうちに、実はいつの間にか、かなりの国がスピードを上げて批准をしてしまった。例えばドイツの場合には、オタワ条約調印六週間後に既に批准をしておるわけでございます。どうも相手を見過ぎてしまったのではないかということ。  それから、プロセス段階でもう少し国会議員とかNGOの意見を入れながら解釈等作業をしておれば、ほかの国を見ずにもっと早目に、例えば一カ月早目にこのプロセスが行われておれば四十カ国入りに間に合ったと私は思いますので、その辺について総理の方から、もう少し早くできなかったのかということについて、簡単にお答えをいただきたいと思います。もう三分しかありません。
  9. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 おっしゃられればそのとおりかと思いますけれども、ドイツとちょっと状況が変わりますのは、日本におきましては、周辺地帯におきまして、今なおこの地域の安全、安定に必ずしも状況が確定をしておらないというような点もございまして、日本安全保障という問題も常に考慮しなければならない問題であるというような点もございまして、そういった点では御指摘は甘んじてちょうだいをしなければならないかと思いますけれども、政府としては精いっぱいの努力をいたしてきたということで御理解をいただきたいと思います。
  10. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 それから、内容についてでございますけれども、米軍基地における貯蔵等は認める、一方、対人地雷輸送については、もともとは日本業者がやることになっておったところを、総理自身の判断で、これは日本業者にはやらせない、米軍自身が運搬するべきだ、これはオタワ条約の精神を遵守するという意味でもそういうふうに変えたというふうに伺っておりますが、そのことの確認と、やはり解釈に関しまして、オタワ条約を忠実に遵守するということを改めて確認していただければ幸いです。
  11. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 いろいろな経緯がございましたが、結論的に言いますと、今委員指摘のようなことの決断によりまして、またアメリカとの関係におきましても御理解をいただき、そしてそのような決定をしたということでありますし、また条約は、遵守していくことは当然のことと理解しております。
  12. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 その遵守ということでございますが、例えばイギリスにおきましては、解釈上例えば抜け道があるといった場合にはオタワ条約を遵守するということを改めて国会の席でイギリス政府の方が言明したようでございますけれども、日本においてもそういう態度でよろしいかということを改めて確認いただければ幸いです。
  13. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 改めて政府としての考え方を申し上げました。
  14. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 ありがとうございました。
  15. 中馬弘毅

  16. 山中あき子

    山中(燁)委員 山中燁子でございます。  十分の時間ですが、質問の前に一言申し上げたいと思います。  五月二十八日の本委員会で私は、もう既に二十二カ国が批准していて国連寄託が十三カ国だ、外務省の十三カ国という発表に対して、そこの落差というものが批准を早めるという発想を持って早く批准に向けて進んでいただきたいということを申し上げたときに審議官は、調べてみますということで、後ほどいただいたファクスは十四でしたというものでした。  しかし、そのとき既に二十数カ国がもう批准をしていた。批准をしたということは国連寄託をするということであって、それが思ったより速いスピードで四十カ国になった。今回の四十カ国に入らなかったということの背後に外務省認識の甘さというのを私はどうしても指摘しておきたいと思います。  もう一点、昨夜十一時になってやっときょうのこの委員会がきちんと設定されて、しかも本会議はない、そういうことで、本会議も省いてというような慌ただしい批准の仕方でなくて、私は、この地雷禁止条約を全面的に支持してきた者としては、もっといい形で生みたかった、もっといい形で誕生させたかったという思いが非常に強くあります。  そういう意味で、今回の認識の甘さと、しかも、四十カ国に入らなかったのだったら、多分それならば六月にありますモザンビークの最初寄託国会議にきちんと間に合うように、そして日本はこれだけのことをやれる、そういう準備があるのかなと私は思っていました。ところが、四十と聞いた途端に慌ただしくこういう形で委員会を持った、この点において私は非常に残念に思いました。  昨日、たまたまウォルフレン教授が、日本タクティクスということはあるけれどもという話をしましたが、ストラテジーの欠如で、その帳じり合わせタクティクスということの連続が外交であっては決して信頼を得られないということを一言申し上げておきたいというふうに思います。  私は、イギリスのクリストファー・ムーン氏にお会いしたときに、彼はもちろん御存じのように対人地雷禁止撤去のキャンペーンの運動家でしたけれども、軍隊、軍備はまだ今の世界には必要である、しかし戦闘後に民間人被害を受ける対人地雷禁止すべきであると。この言葉を強く心にとめておりまして、そういう意味で、対人地雷というものの早期批准に賛成する者として、これから総理大臣質問をさせていただきます。  小渕総理大臣は、外務大臣就任以来このことに大変情熱を燃やされて、昨年十二月のオタワ条約のときも、その署名式に先立つ演説の中で、犠牲者ゼロということをうたわれておりました。しかも、ことしの五月の主要八カ国外相会議のとき、ロンドンでございますが、そのときも、目標を達成するため、使用禁止などの規制面と除去と、被害者に対する人道支援という車の両輪のアプローチが大切だということで、その総括文書の中に犠牲者ゼロというものが盛り込まれたと思います。そういう経緯を見ますと、小渕外務大臣、そして総理大臣になられたこの動きの中で、なぜもっと本当に外務省がそれを支援しなかったかというのは私は大変残念でなりません。  それはそれとして、今回は短い時間ですので、簡単に三つほど質問させていただきたいと思います。  一つは、四十一番目の寄託国についての情報を既に得ていらっしゃいますでしょうか。  二番目は、百億円の予算の中で、例えばAARを初めNGO活動というのも視野に入れていらっしゃいますでしょうか。また、第六条の中に、地雷撤去に対する専門家の派遣というようなこともありますが、現在日本には専門家としては自衛隊しかおりませんけれども、PKO法の附則第二条の凍結部分というものの見直しも視野に入れていらっしゃいますでしょうか。  そして最後に、米、中、ロ、インド、パキスタンなど、最大生産国で、しかも輸出国で、しかも使用国、これが調印していないわけですけれども、どのようにそれに呼びかけ、そして今後、日本地雷禁止を含めた平和への貢献ということを展開していくという御決意がおありでしょうかということ。三点伺わせていただきます。  そして、時間がありませんので、続けまして防衛庁長官に二点だけお伺いしたいと思います。  在日米軍のことでございますけれども、外務省説明によりますと、有事における日本国内での使用禁止である、それから、自衛隊及び民間輸送者ともにその輸送禁止している、それから、新ガイドラインの後方支援においても日本人地雷には携わらない、それから、米軍基地内の日本人の労務者も禁止である、あと、日米共同訓練の際も対人地雷使用自衛隊は行わないということを外務省から説明を受けておりますが、これと同じ認識でいらっしゃいますでしょうか。  それからもう一つは、代替の手段についてでございますが、対人障害システム開発中のもの、それから指向性散弾、これは当座使うものですが、これが第二条の人の存在、接近または接触において爆発するというふうに設計された地雷という定義に反しない範囲で機能を果たせるものというふうな認識開発をなさるつもりでしょうかというこの二点、続けてお伺いいたします。  よろしくお願いいたします。
  17. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 お尋ねの第一は、残念ながら四十一番目にナミビアが既に寄託をされたと聞いております。残念でありません、それによってますます発効批准国がふえたということは、願わくはすべての署各国が一日も早く国内手続を済ませていただきたいと願っておるところでございます。  二番目のNGO問題等につきましては、ビクティム・ゼロの活動のために百億円を用意しております。こうしたものを活用していただきまして、ぜひ効果のある後の処理ができるように最大努力をしていきたいと思っております。  それから、批准をされておられない国につきましては、積極的にこれから日本の今日の立場説明を申し上げ、後に続いていただくように、これまた奨励をいたしていきたいと思っております。  と同時に、未署各国はほとんど大国でございますので、ぜひこうした点につきましては、現時点では製造されたものを他国輸出をしないようにということでお願いをしておりますけれども、ぜひこれをジュネーブの軍縮会議等におきましても積極的に取り上げることによりまして、他国輸出禁止する交渉をまず進めると同時に、究極的にはこの条約に加盟していただきますように、これまた最大努力我が国としていたしてまいりたい、このように考えております。
  18. 額賀福志郎

    額賀国務大臣 まず最初の問題でありますが、この対人地雷禁止条約及び国内実施法国会において承認、成立をした場合は、自衛隊及び民間業者在日米軍対人地雷輸送することはしません。山中先生のおっしゃるとおりであります。  それから、二番目の指向性散弾とかそれから対人障害システム、これは、隊員が自分の目で確かめて、そして遠隔操作を行って作動するというような仕組みになっておりますから、地雷に相当しません。
  19. 山中あき子

    山中(燁)委員 総理のお時間もありますので、これで質問を終わらせていただきます。詳細は後段の質問に移ります。  終わります。
  20. 中馬弘毅

    中馬委員長 続いて、東祥三君。
  21. 東祥三

    ○東(祥)委員 総理、おはようございます。自由党の東祥三です。  私は、一九八〇年代、難民救済活動国連機関の中で行っておりました。世界各国で、中米あるいは中東で対人地雷被害者に多く接してまいりました。議員になってからもすぐ、当時まだカンボジア和平が成立していない段階でございましたが、多くの難民タイ国境地帯を越えてタイ領土に入り、カオイダンあるいはまたサイト2という難民キャンプで多くの被害者に会いましたときに、やはり非人道的な兵器である対人地雷というものが世界からなくなることを強く思っておりました。  そういう意味においては、この対人地雷戦闘員、非戦闘員の区別をすることなく、殺傷のみならず手足をもぎ取ってしまう残虐な兵器が一日も早くなくなることを希望しておりました。他方、対人地雷というものは、国によってその使われ方がある意味で異なっている。とりわけ日本においては、兵器そのもので見るならば真に防御的な兵器でございます。  そういう意味において、安全保障上の視点から見たときに、とりわけ日本安全保障という視点で考えた場合、果たしてこの問題が冷静に議論されたのかどうかということについて、極めて疑問を持っております。  その視点から、今申し上げたことを前提にした上で、総理にお聞きしたいと思います。  この条約の目的は、地雷による被害をできるだけ減らすと同時に、最終的には世界から対人地雷を全廃させることだと思います。そのためには、まず使用をやめさせなければならない。  しかしながら、日本はそもそも国内における地雷による事故あるいは死傷等は問題になっていない。地雷輸出していない国でもあります。日本条約批准することによって、国際的に出ている地雷被害状況に、ある意味で直接的な形で影響を及ぼすことはない。条約効果を生むには、最も多く使用している国が参加しなければならない。そうでない限り、状況には大した変わりはないのではないのか。つまり、多くの被害者を出している問題国地雷を使い続ければ、条約効果が最小限に終わってしまうのではないのか。  一九九七年六月のディフェンス・ニュースによりますと、五百万個以上の地雷が敷設されている国、つまり状況が最もひどい国は、エジプト約二千三百万個、アンゴラ千二百万個、アフガニスタン、イラク、中国がそれぞれ千万個、カンボジア九百万個といったような国です。  しかし、この六カ国の中で条約署名しているのはアンゴラカンボジアだけです。残りの四カ国は署名すらしていません。世界では一億一千万ほどの地雷が埋められていると言われておりますが、この半分以上はこの四カ国だけで占められている。つまり、冷静に見た場合、この条約効果世界地雷の半分以上には及んでいないというふうに言えるのではないのか。  こういうことを踏まえた上で、当然昨年の一連の動きの中で、総理はこの対人地雷問題に関し、日本安全保障上、他方国際的な人道主義的な視点に立っていろいろ試行錯誤されたと思います。そういう意味におきましては、なぜ総理がみずからイニシアチブをとってこの条約署名する行動に動かれたのか、その点がまだ明確になっていないのではないのか、このように思うわけでございます。  政府は、九六年六月に、全面禁止に向けた国際的な努力を支持するという方針を打ち出しましたけれども、条約に対してどうするかは最後最後まではっきりしませんでした。直前まで政府立場を決めていなかったと思います。  当時外務大臣だった小渕総理は、九七年十月十三日の予算委員会で、留保条件を全くつけることなく調印するかという質問に対して、このように答えられております。  「現時点におきまして、私自身もまだ、政府部内における関係各省庁との話し合いが終結しておりませんので、大変申しわけありませんが、当委員会におきまして、現時点でイエス・オア・ノーを申し上げることはできない」、このように答弁された。また、「日本日本として独自の考え方で対処しなければならない、そういう考えで現在取りまとめさせていただいておりますが、国内外の世論の動向もかなり、この問題につきまして、先般ノーベル賞受賞者がこの問題で誕生したというようなことにもかんがみまして、いろいろと変化をしてきておるのではないかと思っております。」と九七年、昨年の十月におっしゃっているわけです。  それが、昨年の十二月になって突如として署名に至る。つまり、政策的な変更があったのではないのか。つまり、その前提としては、御案内のとおり防衛庁においては、九七年度予算と九八年度予算に既に最新式の地雷の製造や地雷調達費が盛り込まれていたではありませんか。そうすると、その政策的な変更がどのように行われたのか、何を根拠にして総理はイニシアチブをとられたのか、その点について明確に答弁していただきたいと思います。
  22. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 基本的には人類に対するヒューマニズムと、少し高尚な言葉かもしれませんが、そういうことが原点であったと思います。私、外務大臣に就任をいたしまして、そのときに、カンボジアその他におきましての不幸な対人地雷における被害が絶え間なく世界のどこかにおきましても起こっておるということでございまして、これはぜひなくしていかなきゃならないという素朴な気持ちを記者会見で申し上げました。私自身もその後この問題について勉強を重ねてまいりました。その過程におきまして、我が国政府としてとってきた対応につきましても理解をいたしております。  もとより、我が国の国民の生命財産を守るために自衛隊としても対人地雷を保有をし、そのことによって我が国防衛の一助にしておるという現実も承知をいたしておりますし、また、米軍におきましても対人地雷を保有していることも承知をいたしております。がしかし、大きな世界の流れの中で、平和を志向する我が国として、まずこうした非人道的な武器というものを除去していくことは我が国民の願いではなかろうか、こう認識をいたしまして、その後この問題に対処いたしてまいりました。  時あたかも、NGOのジョディ・ウイリアムズさんほか皆さんの努力によりまして、特にカナダにおきましてアクスワージー外相が提唱しまして世界的な問題としてこれが取り上げられましたので、私といたしましては、もちろん日本安全保障というものを十分考慮しつつも、この問題については、ぜひ日本としてこの条約に参加すべきだという認識に立ち、以後努力をさせていただいた、こういうことであります。
  23. 東祥三

    ○東(祥)委員 総理大臣日本世界に冠たる平和国家であると思います。専守防衛です。日本みずから攻撃をしかけるということはしないと高らかに宣言している国でございます。したがって、攻撃的な兵器を持っていない。さらにまた、この当該問題であります対人地雷に関しても、輸出もしていない。国内に百万発と言われるものを保有しているにすぎない。それは、真に防御的な、そういう形で保有しているにすぎない、このように僕は思います。したがって、直接、日本がこの条約批准したからといって、今総理がおっしゃられたような形で、すぐ世界における対人地雷被害者に対しそれをなくすというところには貢献しないのではないのか。そうであるとするならば、安全保障上の観点からどうなのか。  つまり、安全保障上の観点を考慮に入れつつも、基本的にはその他の尺度でもって総理を動かしたというふうに理解してよろしいでしょうか。時間が来ましたので、最後にします。
  24. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 取り違えて失礼いたしたと思いますが、安全保障上の問題につきましても十分考慮いたしますと同時に、我が国としての姿勢を内外に明らかにすることでございまして、我が国がこのことを行わずしてほかの国にこのことを求めることはできない、このように考えております。
  25. 東祥三

    ○東(祥)委員 ありがとうございます。
  26. 中馬弘毅

    中馬委員長 次に、松本善明君。
  27. 松本善明

    ○松本(善)委員 我が党はこの条約に賛成でありますが、問題点は非常に多いと思いますので、端的に聞きたいと思います。  経過的に申しますと、昨年四月私は本委員会で、特定通常兵器使用禁止制限条約改正議定書の審議に当たって、この対人地雷の問題についての国連での批判も紹介しながら、当時必ずしも積極的でなかった政府を厳しく追及いたしました、池田外務大臣のときに。その後、超党派の対人地雷禁止の運動にも参加をし、積極的に活動いたしました。本委員会禁止の決議もしょうとしましたが、当時は与党側の反対で実現をいたしませんでした。その後、総理外務大臣当時に調印を進められて、今国会に提出ということになったことは歓迎すべきことだと考えております。  それで、総理にお聞きしたいのは、時間も限られていますので端的にお答えいただきたいと思いますが、この条約発効しても在日米軍対人地雷を保有しているわけでありますが、この条約は、対人地雷が領域へまたは領域から物理的に移動し、かつ、当該対人地雷に対する権原及び管理が移転することを移譲として、これを直接的でも間接的でも禁止しております。自衛隊は、米軍の対人地雷輸送することはこの条約禁止されていると思いますが、どうでしょう。
  28. 額賀福志郎

    額賀国務大臣 今先生おっしゃるように、この国内法が成立、承認されれば、自衛隊民間業者輸送はできないことになります。
  29. 松本善明

    ○松本(善)委員 この問題について、既に国会に提出をされております。辺事態法案との関係をお聞きしたいと思います。  周辺事態法案は、米軍に対する後方地域支援として自衛隊が米軍の武器弾薬などを輸送することになっております。自衛隊が持つ武器弾薬を米軍に補給はできないが、米軍の武器弾薬は自衛隊輸送できるというのが政府の見解であります。  今回、対人地雷全面禁止条約締結すれば、この米軍の対人地雷自衛隊輸送できなくなる。再確認ですが、このとおりでございましょうか。
  30. 額賀福志郎

    額賀国務大臣 そのとおりであります。
  31. 松本善明

    ○松本(善)委員 それでは、さらにお聞きしますが、周辺事態法案の別表第一は、法案第三条の後方地域支援の内容を列記したものであります。日本ができないことを「備考」として明記しております。例えば、「備考」の一は「物品の提供には、武器(弾薬を含む。)の提供を含まないものとする。」とか、それから「物品及び役務の提供には、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備を含まないものとする。」など、自衛隊ができないことを明記しております。  対人地雷全面禁止条約締結国となる以上、この周辺事態法案は今のままというわけにはいかなくなると思います。条約締結自衛隊ができないことがふえたのでありますから、政府の手で法案を手直しすべきだ。我々は撤回を求める立場でありますけれども、少なくも政府の手でこれを手直ししなければならないと思いますが、政府はどう考えておられますか。
  32. 額賀福志郎

    額賀国務大臣 この問題については、ACSAの協定と対人地雷の問題は別の問題というか、政府政府の権限内で判断をして、この地雷については、国内法が整備されれば輸送はしないというふうに判断をすることにしたいと思います。
  33. 松本善明

    ○松本(善)委員 自衛隊ができないことがふえたわけですから、私は、政府の方でやはりその点は法案上もはっきりすべきではないか。このことは総理の判断にもかかわると思いますが、そういうふうに検討し直すべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
  34. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 周辺事態法の別表の関係でございますけれども、これまで防衛庁長官から御説明しておりますように、この条約それからこの規制法が成立いたしますと自衛隊としてそういったものを輸送できなくなることは明白でございますので、あえてこの「備考」に記載する、こういう必要はないかと思います。
  35. 松本善明

    ○松本(善)委員 私は、今政府の答弁がありましたけれども、やはり重要な問題でありますので、これは理事会で協議をしていただきたいと思います。
  36. 中馬弘毅

    中馬委員長 さように取り計らいます。
  37. 松本善明

    ○松本(善)委員 総理に伺いますが、この条約につきましては、加盟国をふやすということの努力、これは他の委員質問をいたしました。その点は当然でございますけれども、米軍が我が国の主権の及ぶ範囲に対人地雷を持っているわけです。この対人地雷がどうなるのかということについての総理認識、アメリカの説明、並びに日本政府として、この条約締結する以上これの撤去外交交渉をするべきだと私は思いますが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
  38. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 この条約は、締結国に対し、自国が所有、占有または自国の管轄、管理下にある対人地雷廃棄義務づけているものでありまして、我が国在日米軍が所蔵する対人地雷についての廃棄義務を負わないものと考えております。
  39. 松本善明

    ○松本(善)委員 条約がそのようになっていることはそのとおりでございますが、わざわざ総理にお聞きをしておりますのは、我が国として、やはりこれは撤去するという方向で、全世界的に対人地雷がなくなるということを目指すわけでしょう、各国ともに。先ほども御答弁がありましたように、加盟国をふやすということはそういう方向で日本政府は行くということですから、少なくも日本の主権の及ぶ範囲においてはこれを一刻も早く実現するという外交交渉をするべきではないか。  これは条約解釈の問題ではないのですよ。総理がどういう考えでいるかという問題なんです。
  40. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 我が国といたしましては、米国が二〇〇六年までに必要な代替手段を開発し、対人地雷禁止条約締結することを期待いたしておりますので、米軍といたしまして我が国の安全あるいは極東の平和と安定のために必要であるという認識をいたしておりますれば、それはアメリカ軍の基本的な考え方に存することだと思いますが、冒頭申し上げましたように、アメリカとしても、将来におきましては、対人地雷の全廃のために努力をしていこうといういろいろな手段を今講じつつあると認識しております。
  41. 松本善明

    ○松本(善)委員 もう一つ総理にお聞きしておきたいと思います。  これは我が国自衛隊も持たない。私は、日本に上陸作戦をしかけてくるような国は今ないと思いますよ。アメリカの対人地雷日本の防衛のためではないと私は思います。アメリカ軍がどこかへ出動していって使うものではないか。この問題については、日本安全保障の根本問題にもかかわります。  この点については、総理はどのように、アメリカ軍の持っている対人地雷日本の防衛のために必要なのか。自衛隊はないのですよ、自衛隊は必要ないということでやめるわけです。これは何のためにあるというふうにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
  42. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 米軍といたしましては、極東の平和と安定のためにあらゆる手段を講じてその安定に努力をしておる、その一環と考えております。
  43. 松本善明

    ○松本(善)委員 総理は、自衛、日本を守るためということについてはあえてお答えになりませんでした。あえてだと思います。  私は、そうだとすれば、ますますもって米軍の対人地雷撤去の交渉を直ちにやるべきであるということを主張して、私の質問を終わります。
  44. 中馬弘毅

    中馬委員長 次に、伊藤茂君。
  45. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 総理、御苦労さまでございます。幾つか質問をさせていただきます。  その前に、署名から十カ月、今日の事態となりました。先ほどおわびの言葉がございましたけれども、私どもは、小渕外務大臣のあのときのイニシアチブを大いに歓迎をしたわけでありまして、それから後、いろいろと何かややこしい話を随分聞かされました。さらに、やはりああいうイニシアチブをきちんと発揮されますように求めておきたいと思います。  まず第一に伺いたいのは、現段階署名の国、地域のリストを見ますと、アジア、特に北東アジアで安全保障に密接にかかわる中国、韓国、また北朝鮮とかはリストに入っておりません。  私どもは、特に日本として、北東アジアにおける努力をどうするのかという意味でのやはり大事な役割を果たすポジションにあるというふうにも思うわけでございまして、間もなく韓国大統領、中国の主席もお見えになる。この話題をテーマにするかどうかは別にして、そういう意味では、やはりイニシアチブを積極的に発揮するというのが我が国の国際的に見た使命ではないだろうか。  リストに近隣国が入っていないことも含めまして、今後どう努力をなさいますか。
  46. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 伊藤先生御指摘のように、この周辺、すなわち中国、韓国、朝鮮半島それぞれ、この問題につきましては、いまだ本条約署名をしておりません。  我が国といたしましては、こうした国々に一日も早く署名をいただくように最大限働きかけをいたしてまいりたいと思いますが、署名に至るという前に、各国ともまず輸出入の禁止から取り組めるように、先ほども御答弁申し上げましたけれども、軍縮会議でそのような条約交渉の開始をするための特別委員会の設置を実は我が国として提案をいたしておりますので、積極的な努力をさらに傾注させていただきたいと思っております。
  47. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 総理おっしゃいましたように、あなたの国も早く署名をしなさいよという努力だけではなくて、そういう環境、条件、構図をどうつくるのかということが外交戦略だと思います。そういう意味では、やはり我が国は大事なポジションを持っているという意味での多面的、多角的な御努力お願いしたいというふうに思うわけであります。  やはり北東アジアの新しい時代をどうつくるかということが、アジア全体から見ても、また国際的に見ましても重要なかぎだというふうに思っておりますので、一層の努力を展開していただくように要請していきたいと思います。  総理防衛庁長官がいらっしゃるので伺いたいのですが、きのうの衆議院の本会議で、先般の2プラス2、TMDの問題、共同研究とかに関連をして、総理の方から、これは2プラス2で確認、議論がございましたけれども、政府決定ではありませんというお話がございました。  ただ、2プラス2、双方の二人ずつの主要な、大事な役割を持っている大臣が確認をされたということなので、政府決定ではありませんということは手続上もちろん私はそうだと思いますが、政府でさまざま検討し、閣議でどうするのか、それに伴うさまざまのことというのは当然必要なわけでございまして、そういう意味からいいますと、一体今後どういう方向にどうなされるおつもりなのか。  それから、私は申しますけれども、こういうものをどうしていくのかにつきましても、巨額の費用も伴いますから、多面的な研究と議論をしなくてはなりません。議会でもしなければならないと思います。国民的なコンセンサスもなければならないと思います。ましてや、今防衛庁で国民環視の的での大スキャンダルと申しましょうか、不祥事態が発生をしている。こんな中で巨額の費用を必要とするようなことを強硬に進めるとか、早く進めるとかというふうな状態として、政治として私は認識できないだろうというふうに思うわけでございます。  本会議では、政府決定ではございませんという簡単な御説明がございましたが、今後のそういう総合的な物事の考え方、お考え、総理の見解をお伺いしたいと思います。
  48. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 先般の日米安全保障協議委員会、すなわち2プラス2におきまして、弾道ミサイル防衛の意義等にかんがみ共国技術研究を実施する方向性が示されたわけでありますが、今、政府部内で調整を含めて作業を進めておるという報告を私は受けております。  いずれにしても、政府としては共国技術研究の着手に決定したわけでなく、本件につきましても、政府として、我が国の防衛政策上も日米安保体制の運用上の重要な課題として認識をしておりまして、適切に対処いたしてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、論理が飛躍するかもしれませんが、対人地雷の問題についてこのような決定をしました、そのことの一つは、やはり今日我が国においての防衛上の問題、私は専門家ではありませんが、いわゆる地上戦その他の問題についての可能性については極めて薄くなってきつつあるのではないか。  一方、先般の北朝鮮のミサイル発射に見られるように、これからの世界安全保障の問題といたしましては、そうした形での兵器その他が生まれてくるわけで、それを日本としては防衛的立場からいかにその安全を確保するかというようなことを考えますと、やはりこういったBMDというような問題についての研究、検討は進めていくべきものではないかと思っておりますが、委員指摘のように、これには莫大な費用も想定されるわけでございます。費用対効果、その他のことを考えなければなりませんが、日本の安全という立場で国民的コンセンサスが得られるということであれば、この問題についてもさらに積極的に検討いたしていくべき課題だと私は考えております。
  49. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 私は、今の総理の御説明については大変不満であります。  やはり、北朝鮮のミサイル発射以来、さまざまなことが起こっております。片っ方では、防衛庁の不祥事が起こっております。やはり大事なことは、ポスト冷戦時代のアジアについて大きな戦略をどう持つのだろうかということですね。時間もかかると思いますし、知恵も必要だと思いますし、さまざまな努力も多面的にしなくてはなりません。国際世論も形成しなくてはなりません。そういうものが基礎にあり、そして、防衛庁長官の御努力は当然ですけれども、今の防衛あるいは防衛庁に対する国民の強い不信感をどう払拭するのかということがまず喫緊の課題であります。そういうものの上でどうするのか。  もう時間がございませんから改めて総理に気持ちを伺いたいのですが、私どもは小渕外務大臣署名を歓迎しました。あのときには、やはり平和、軍縮、国際世論、それと、やはり世界の世論とともにああいうものが実現できたという一つのモデルの姿だったと思います。NGOの皆さん、ノーベル平和賞受賞もありました。ダイアナさん、もう一周忌になりますが、そういうことがあったわけであります。ああいう姿勢が大事ではないだろうか。そういうものをどう形成していくイニシアチブをとるのか、そういう中で、今度の金大中さんも江沢民さんもいらっしゃる中で、一体、小渕総理がどういうイニシアチブを前向きに発揮されるのかということを注目しているわけでございまして、やはり国境を越えた世論、連帯、そういうものに耳を傾け、大事にしながらやるという姿勢外交戦略の基本であろうというふうに私は思いますが、最後に一言総理の御決意を伺いたい。
  50. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 お説のとおり、日本は、憲法にも規定されておりますように、ほかの国々との信頼と信義によって我が国の安全も確保していかなければならぬということでありますので、他国との関係はより一層緊密にいたしていかなければならぬ、このように考えておる次第でございます。
  51. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 終わります。ありがとうございました。
  52. 中馬弘毅

    中馬委員長 では、これで総理大臣、御退席結構でございます。  次に、藤田幸久君。
  53. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 それでは、まだ防衛庁長官が十分ほどいていただけるということでございますので、主に防衛庁長官最初の十分間は質問させていただきたいと思います。  まず、オタワ条約調印に至るまで、特に防衛庁長官の方で、対人地雷というのは日本の防衛にとって必要不可欠であるという認識条約に反対をしておられたわけですけれども、本当に対人地雷がなければ日本の防衛というものができなかったのか、それから、今度調印をして批准をするということは、ある意味では対人地雷がなくても日本は守れるという確信を持って調印及び批准に至っているというふうにとれるわけですが、その点についての認識防衛庁長官から伺いたいと思います。
  54. 額賀福志郎

    額賀国務大臣 藤田先生にお答えをいたします。  日本列島、海洋国、島国でありますが、海岸線をいただいておりまして、大変起伏も多いし、奥行きはそんなに深くはない。そういう中で、万が一の侵入を防ぐ場合に、対人地雷というのは一つの有力な手だてであったことは間違いがないだろうというふうに思っております。  しかしながら、小渕総理のリーダーシップによって対人地雷禁止条約署名をしたわけでありますから、私どもといたしましては、これまでの対人地雷にかわるもの、代替手段を講じることによって、引き続いて日本の安全を考えていきたいというふうに思っているところであります。
  55. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 昨年の六月でございますが、対人地雷禁止議員連盟で、当時の橋本総理オタワ条約調印の要望に参りましたわけですが、その直後に、橋本総理が防衛庁当局に対しまして、どんな場合にどうしても対人地雷が不可欠かという質問をされたようで、そういう具体的なケースを例示せよということがあったわけです。それで、もしその代替兵器というものを開発すれば、それにかわるというのであるならば、代替兵器というのは指向性散弾ということにとりあえずなっているわけですが、では、それがなければ日本が守れない状況というのはどういう状況なのか。逆に言いますと、指向性散弾がなければ日本が守れないということになると、日本自衛隊の防衛能力を疑わざるを得ないということにもなるわけです。  それから、それに関連して、ここに防衛白書がございますが、こういう地図が日本の防衛について出ているわけです。平成九年度の同じ地図なのですが、ここに地雷が書いてあったのです。今度十年度のものには地雷が書いてないのです、指向性散弾も書いてないわけですけれども。こういうことから想像といいますか判断がつくところは、指向性散弾がないから日本が守れないということでは、逆に日本の防衛がおぼつかないのではないかという気もするわけです。  そもそも本当に対人地雷が必要であったのか、不可欠であったのか、もちろんあれば有効ということはわかりますけれども。それから、代替兵器がなければ本当に極めて重大な安全保障上の影響があるのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
  56. 額賀福志郎

    額賀国務大臣 やはり対人地雷とかこういう指向性散弾の防衛上の効果というのは、相手国が侵入をしてきたときに、一足飛びに侵入されることではなく、いろいろと相手が遅滞を起こしたり混乱を起こしたりすることによって、我々の防衛力、反撃態勢が構築できるというか、準備ができるとか、さまざまな効果を生んでいくであろうというふうに推測をされます。  また、国を守る側といたしましては、あらゆる想定、費用対効果等々を考えながら、国を守るあらゆることを考えていくのが我々の仕事であるというふうに思っております。
  57. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 次に、対人地雷の保有を自衛隊がしておるわけですが、百万個とも言われておりますけれども、その廃棄のことについて御質問したいと思います。  今、自衛隊の方で、今年度も四億円の予算を計上しておりますけれども、今の計画では、民間業者に委託をするということになっておるようであります。私も、十分ではありませんけれども得た情報では、今まで、例えばオーストリアとかスイスとかあるいはアメリカにおいては、軍が爆破をしたり解体をしたりしておる。まあ、アメリカの場合には民間にも一部は委託をしておるようでございますけれども。  それで、やはり先週も外務委員会質問した際に、防衛庁の説明では、経済性とか安全性ということをおっしゃったわけですが、経済性ということからしますと、やはり自衛隊がみずから演習場その他で廃棄をするという方が経済的であろうと思われますし、それからもう一つ重要なことは、やはり先ほど来出ておりますオタワ条約に加盟をしていないアメリカですら相当廃棄をしてきているわけです。それから、廃棄をした幾つかの国は、例えばマスコミの方を呼んで公開して、これだけ廃棄をしているという、これはメッセージとしても非常に重要だろうと思うのです。  そういった意味で、自衛隊において、全部とは言わずとも、公開をしながらみずからの手で廃棄をしていくということが経済的理由も含めて必要ではないかと思いますが、その点、防衛庁長官にお伺いしたいと思います。
  58. 額賀福志郎

    額賀国務大臣 これは、条約成立承認後、発効後向こう四年間の間に廃棄をしていかなければならないということでありますから、きちっと予算上もそういう手当てをして、約束事は果たしていくようにしたいというふうに思っておりますが、細かいことについては事務局から話させます。
  59. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 基本的な考え方につきましては、今防衛庁長官から御説明しましたように、条約に従いまして四年間で廃棄を完了する、こういう前提に立って、ではいかなる方策がいいのかということを、今先生も御言及されましたが、各国の状況も可能な限り調べてみました。また、実際に、それを処理するためにどうしたらいいか、自隊でやる場合にどの程度の処理ができるのか、それがその演習場で爆破する場合にどういう影響があるのか等々をいろいろ研究しました結果、やはり民間業者に委託して処理をしていく、こういうのが我々としては一番経済的、また合理的だろう、こういうふうに考えた次第でございます。
  60. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 自衛隊よりも民間の方が経済的だという根拠がまだ示されていないのですけれども。  それからもう一つ民間業者にという場合に、実際に、この前伺ったところでは、地雷そのものを製造している企業、それからその火薬等の製品を扱う企業と二種類に分けられるようです。ということは、日本でそういったことを扱う業者というのは非常に少ないということでございます。今防衛庁のいろいろな調達問題が起きておりますけれども、やはり随意契約ではなくて、民間業者に仮にさせる場合でもきちっと競争することが非常に重要ではないかという気がいたしますが、これは非常に政策的な問題ですので、防衛庁長官の方からお答えいただきたいと思います。
  61. 額賀福志郎

    額賀国務大臣 これは、装備品の調達にしても、当然、供給総数を拡大して、自由競争の原理が働くようにしていくことが大切であろう。そのために今、調達制度の調査委員会をつくって勉強させていただいておりますが、今回の民間業者に委託する場合も、当然そういう原理的なものが働いた上で選定されていくことが望ましい。しかし、大変危険なことでもありますので、能力とか技能とか、そういうことも大事であろうというふうに思っております。
  62. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 まだ防衛庁長官、よろしいですか。  最後にもう一つ防衛庁長官にお伺いしたいと思います。  先ほど松本善明委員の方から、今回の条約と周辺事態法との関連、とりわけ日本人業者が運搬等にかかわるかどうかについて質問がありましたが、それに関連して、自衛隊ができないことがふえたというような指摘もございました。今回のオタワ条約に関連して、国内法に関連して、ガイドラインとの関係で変更が実質的に起きてくると思うのですが、その辺について、アメリカ側、特にアメリカの国防総省等が十分理解をしているのかということについて、防衛庁長官からお答えをいただきたい。
  63. 額賀福志郎

    額賀国務大臣 当然、日米安保条約に基づいて我が国の安全と極東地域の安全を考えているわけでありますから、地雷の問題についても御相談をしているわけでありますが、私は、アメリカ側から特別のことを言われているというふうには聞いておりません。
  64. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 では、防衛庁長官は退席されるようですので、外務政務次官の方に質問をさせていただきたいと思います。  冒頭で小渕総理質問をいたしました中で、なぜ今回の批准がおくれてしまったかというようなことを幾つか質問させていただきましたが、その認識においては総理の方におかれましても大体同じような認識を持っておられましたが、では、そういう前提で、これからこういう批准案件がおくれないような対策をどう講じていくかということが、これは単にオタワ条約に限らず、条約一般に関して重要ではないかと思うわけです。  先ほど答弁の中にもございましたように、国会にきのう提出されてきょう委員会ですぐ決めなければいけないというようなことがないように、十分な協議時間をとるということが一つでございますが、もう一つ重要なことは、今まで日本政府調印をして批准をしていない条約がたくさんあるわけです。つい最近批准が決まった砂漠化条約がその一例でございます。百何十カ国、既に批准をしておった。それから、私ももう二年来質問をしておるのですが、赤十字条約というのがございまして、これも二十年以上批准をしていない、議定書の方ですけれども。この調印しても批准をしていない条約の総点検を外務省として緊急にしていただいて、どういう理由で批准がおくれているのか。  私も幾つかの条約について外務委員会等で質問しておりますが、答えが余り出てこないのです。さらに検討中とか、二十年たった後、さらに検討中とかいう答えであって、例えば、国内法関係でこの省庁とこういう事例があるのでとか、あるいはほかの国においてもこういう事例があるのでと。例えば赤十字条約の場合も、最近、外務省が根拠にしておりましたイギリス批准をしたということに対して聞いても、いや、さらに検討中というようなことでございます。  私は、外務省が、先ほど来出ておりますように、NGO、国際世論も含めた日本の平和外交というのを進めていくためにも、できるだけその理由を明らかにして、アカウンタビリティーと透明性を高めてやっていくことが日本外交上必要ではないかと思うのです。  そういった意味で、調印しているけれども批准をしていない条約について総点検をして、その理由を明らかにするというようなことをぜひやっていただきたいと思うわけですが、その辺について、外務次官の方からお答えをいただきたいと思います。
  65. 町村信孝

    町村政府委員 正確に何件あるか、私もちょっとまだ知識が不十分でよくわかっておりませんが、そういうものも幾つかあるのだろうと承知をいたしております。  国内の関連法制との整合性でありますとか、国内のいろいろな施策との整合性等々、いろいろな事情があるのだろうと思いますが、いずれにしても、今、委員から貴重な御指摘もいただきましたので、何らかの格好でその辺をつまびらかにする努力はしていきたい、かように考えております。
  66. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 それからもう一つ条約関係しまして、相手国があるような条約と、それから、今回の対人地雷条約のように、相手国というよりも国際社会で共通に取り組むような条約とあると思うのですけれども、その場合に、プロセス段階で、今回のようにいろいろな国が状況に応じて解釈等も含めて詰めているようなときには、逆に、NGOとか国会議員あるいはマスコミの方、有識者のような方も含めて、解釈等々について、そういった方々の意見も入れながら国内法もつくっていくというようなことが必要ではないか。  特に相手国が具体的にない場合に、相手国がある場合には秘密性の問題とかあるわけですけれども、今回の場合も、急に一日、二日で国会で議論する。私は実は先週十八日にもきょうとかなり似ているような質問をしたのですが、まだ国会に出していないのでということで答えがなくて、それで実は、きのう出てきてきょうということですね。  であれば、法制局も含めて検討している段階でもうちょっとプロセスを明らかにして、有識者を入れるような形であれば、それは秘密会でやっても構わないと思いますけれども、より実質的なさらに中身の詰まった形で国会に提出をされてくる、さらに国会で十分審議をした上で批准ということであれば内容的にも向上できるのではないかと思うのですけれども、そういったプロセスについてぜひ外務省の方でも検討いただきたいと思います。それについて外務次官の方からお答えいただきたい。
  67. 町村信孝

    町村政府委員 今般、大変に提出がおくれ、審議の時間が著しく制約された状態になってしまったことは大変申しわけないということで冒頭おわびを申し上げたところでございます。  なお、一般論として、今委員お話しになったようなプロセスの透明性とでも申しましょうか、こういう問題であります。いろいろな法律につきましては相当詳細な審議を、例えば関係する審議会などでやって、その審議会もかなり公開された形でやり、あるいは議事録などを提出しという形で透明性を担保しているケースも多々あると私は思っております。  したがいまして、この条約関係がどうなのかなということを今ちょっと考えていたわけでございますけれども、まあ二国間、多国間、それぞれ違いがあるのかもしれませんが、他方、政府部内での議論というのはいろいろな議論をこれはするわけであります。私もかつて通産省の役人をやっておりましたときに、内閣法制局とこんなことまで議論しなければならないのかと思うような、縦横斜め十文字の、可能性とかいろいろなことを議論いたします。それらの一々をすべて公開すべきか否かというあたりになりますといささか疑問な点も出てまいりますので、一概にそのプロセスを全部公開しろというのはいかがかなと。  ただ、まさにそうしたことを含めて、私は、国会での議論、通常であればもう少し時間があるという意味で今回はおわびを申し上げますが、まさに国会でのこのやりとり、議論というものが何よりも透明性を担保する最良最善の手段ではなかろうか、かように私は考えます。
  68. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 私は全部公開しろというふうに申し上げておるわけではございません。  それから、政府内部で縦横十文字はあるのだろうと思いますが、今回の、例えばオタワ条約なんかに関しましては、その日本の法制上の縦横十文字もさることながら、実はいろいろな国における被害状況とか、それからそれに対してどういう取り組みをしているのか、それから先ほどの地雷廃棄の情報についても、残念ながら政府の方で全部把握していないようであります。  それから、ほかの国が批准をするスピードに対する見通しについてもやはり情報が十分でなかったと思います。今インターネットの時代でございますので、まさに去年ノーベル平和賞を取った地雷廃止国際キャンペーンという、ICBLという団体がございますが、実はリアルタイムでそういった情報が入ってくるわけですね。ですから、政府の方でもいろいろ情報をとっておられましたが、部分的には私の方が早いものもあったわけでございます。私が、そのプロセス段階でそういった情報も入れながらやっていく意味があるというのは、そういう政府部内以外の縦横十文字について、全部とは言いませんけれども、あるいは全部の条約とは申しませんけれども、入れていくことが、ましてこれは安全保障問題等もかかわるわけでございますので、より重要ではないかということを申し上げておるわけですが、いかがでしょうか。
  69. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 今回の条約国会審議に提出がおくれましたことは大変申しわけなく思っております。その点についてはとやかく言いわけをすべきではないと思いますが、このたびの地雷禁止条約というのは、そういう意味では大変新しい種類の条約でございまして、まさにNGOなどの推進運動と一体となって動いてきた条約でありますだけに、私どもも、その作業の進め方について、いわば途中で試行錯誤のようなこともありまして、先ほど指摘のありました批准国の数の確認につきましても当初は大分手間取ったところがございます。その後、いろいろ勉強しまして、インターネットを通じてとるとかいうことで改善を図ったわけですが、まさにこういう経験を踏まえまして、これからプロセスの透明性、また各方面との情報、意見の交換に努めてまいりたいと思います。
  70. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 では、次官、今の審議官の言葉も含めましてぜひ積極的に、私は、実は幾つかでもそういういろいろな民間の方の意見も入れながら条約なりがまとまっていったという事例ができれば、日本外交にとっても選択肢が非常に広がったということにもなると思いますので、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。  それから次に、在日米軍地雷輸送等について質問したいと思います。  在日米軍が結局みずからその地雷輸送をするということになるわけですけれども、その場合に、先ほど来出ております、これはやはり専門的な技能が要るわけですが、地雷輸送部隊が在日米軍にはないというふうに聞いておりますけれども、そうすると、どこかから派遣をしなければいけない。そういった場合に、その費用負担を求められた場合にどう対応するのか、あるいはその費用負担というのは条約上どのように解釈をされるのかということについて次官にお伺いしたいと思います。
  71. 町村信孝

    町村政府委員 在日米軍によります対人地雷輸送に対して、例えば日本政府が直接その資金協力を行うというケースでございますが、それにつきましては、条約禁止をされております援助というのに当たる行為になるおそれがありますので、政府といたしましては、そのような在日米軍による輸送の経費を日本が負担をする、支援をするということは考えておりません。
  72. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 ありがとうございます。  それからもう一つ。それであるならなおさらでございますし、それから、先ほど来の答弁で、在日米軍対人地雷というのは日本の防衛のためではなくて極東の安全のため、米国がオタワ条約に今日まで入っておらない最大の理由は朝鮮半島における地雷使用ということを言っておりますので、大体目的が明らかであるわけです。  ということは、この在日米軍が持っております対人地雷日本に持ち込む、あるいは江田島だとかにあるようですけれども、その米軍基地内の対人地雷を朝鮮半島に持っていく場合に輸送が起きるわけです。であるならば、これから対人地雷日本に持ち込みますよ、あるいは対人地雷を、有事が起きた、あるいはその有事に対する予防、準備等々で朝鮮半島に移送しますというような場合には、やはり日本政府の方に事前通告を求めることが私は必要ではないか、あるいは望ましいのではないか、日本の領土あるいは領海を通るわけですから、そういうことが必要ではないかと思いますが、その点について次官の方からお答えいただきたいと思います。
  73. 町村信孝

    町村政府委員 在日米軍日本国内でそれを使用したり開発したり生産する、これは日本立場から認めないということになっております。他方、貯蔵及び保有につきましては、日本安全保障の確保、特に今委員も御指摘になられました、米軍が、朝鮮半島における安全保障上の理由、これを主な理由にしているようでありますが、したがって、本条約には署名をしていない、二〇〇六年までに朝鮮半島での対人地雷の代替兵器開発を目指している、こういう状況から貯蔵及び保有までを認めないとすることは政策判断として不適当であろう、こう考えているわけであります。  したがいまして、在日米軍によります対人地雷の保有等を認める以上は、我が国の領域の通過について事前通告を要請するということは必要ないのではなかろうかということでございまして、事前通報を求める考えは日本政府はございません。
  74. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 先ほどの委員質問の中に、やはりオタワ条約調印それから批准をしたという観点からいいますと、まして日本の防衛のためでもないということであるならば、やはりその在日米軍地雷対人地雷というものを、本来使う目的であるところの地域に移管をしていただくということが非常に重要ではないかという気もするわけです。  そうしますと、やはりその場合に、知らないうちに日米安保条約に基づいて米軍の対人地雷貯蔵等を認めているということは、例えば、いつの間にかどこかの国に出ていってしまったというのではなくて、やはり日本政府も、少なくても報告を受けて対人地雷の移送が行われたという形が、信頼関係の上からいっても芳しいのではないかというふうに私は思いますが、いかがでしょう。法律論とまた別な次元もあるかと思いますけれども。
  75. 町村信孝

    町村政府委員 今申し上げましたけれども、条約の趣旨、これは要するに、私どもは、貯蔵、保有までは在日米軍禁止を求めないということでございますので、そこに一つあるのか一万個あるのか、基本的にはそれは私どもが直接あずかり知らぬことということであろうかと思いますので、一つ一つについて今事前通告を要請するという考えはないと申し上げたわけであります。
  76. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 では、若干関連いたしますけれども、日米両国は共同の軍事訓練等をいたすわけですが、その際には対人地雷使用というものを認められますか。
  77. 町村信孝

    町村政府委員 日本が自分の国を守るために対人地雷使用することを放棄するというのが今回の条約の趣旨である以上、米軍と共同であるか、あるいは自衛隊単独であるかということにかかわりなく、自衛隊自身対人地雷使用を目的とした訓練を行うということは認められない、かように考えます。
  78. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 ありがとうございます。  それでは、少し違った観点の方から質問をしたいと思いますけれども、地雷除去の関係の支援の質問に移りたいと思います。  先ほど、犠牲者ゼロというお話、小渕外務大臣のころからのアイデアでございますけれども、日本でも民間企業でかなり持ち出しでボランティア的に対人地雷探知装置あるいは除去装置を開発した方々もいらっしゃいますし、それから地雷除去にボスニア等々でかかわっておられるNGO方々もいらっしゃるわけです。  そういう民間企業、NGOを含めまして、海外でそういう地雷除去あるいは探知にかかわっている、あるいはこれからかかわろうとしておる日本方々に対する支援ということが非常に重要ではないか。今までのそういう被害者支援というのはほとんどお金の支援に限られてきたという側面がありますので、お金以外の面で、そういった顔の見える支援というものの後押しというのは重要ではないかと思いますが、その辺について、政府の考え方を次官の方からお答えいただきたいと思います。
  79. 町村信孝

    町村政府委員 昨年十二月に、犠牲者ゼロ・プログラムというのを、先ほど総理もお答え申し上げましたように、向こう五年間で百億円程度の支援を行うということで決めたわけであります。  この中には、従来からやってまいりました国連などの国際機関に対する資金協力による支援に加えまして、私どもがやっておりますいわゆる草の根無償でありますとか、あるいはNGO事業補助金等による支援、こうしたものに加えまして、今度は二国間援助を通じました地雷除去関連機材等の供与でありますとか、あるいは医療や義肢の製作あるいはリハビリテーションに係る施設整備、機材供与、技術協力、こういうものを積極的にやっていこうという方針でございます。  これに基づきまして、今委員も御指摘になりましたけれども、既に本年六月から七月にはカンボジア、八月から九月にはボスニア・ヘルツェゴビナに調査団を派遣いたしまして、より具体的に、支援をどのようにやっていくかということについて検討し、できるだけ早く実施をしていこうということを今考えている、また実行を行っている最中でございます。
  80. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 それから、その関連でもう一つ地雷除去というのはかなり危険を伴うわけです。それで、例えば先ほど来話に出ております長野オリンピックの最終聖火ランナーのクリス・ムーンさんという方は、まさに地雷除去に行っておられまして、アンゴラで右手右足を失っているわけです。私の知っております日本のボランティアも、自分の見ている目の前で、たまたま現地人、ボスニア人ですけれども、死亡したというような、つまり、もう一メートルくらいずれておれば彼も亡くなってしまっていたかもしらないというようなことがございます。  ある意味では、今までのPKOに近いような形でかなり危険と隣接をしておる、そういう日本の支援にかかわっている方もいらっしゃるわけです。そういった方々が負傷したり、あるいは死亡なんてこともあり得ると思うのですけれども、そういった方々に対する治療とか死亡給付金とか、そういったものに対する対応を考えておられるかどうか、お聞きしたいと思います。
  81. 上田秀明

    ○上田政府委員 お答えいたします。  日本NGO方々も各地で地雷除去作業に関連したさまざまな活動を行っておられることは承知しておりますけれども、現在いろいろな、カンボジアや、あるいは旧ユーゴ方面等で行われております地雷除去の活動につきまして、私どもが承知しているところでは、日本方々は、主としてマネジメントの方でございますとか、あるいはリハビリテーションでありますとか義肢でありますとか、そういった方面にかかわっておられます。直接地雷除去の方面にかかわっておられる方は余り多くないのではないかとは思っております。  今、そういう状況の中で、仮に日本NGO方々で、地雷除去というような作業に直接かかわられたとして、それの犠牲に対して何らかの財政的な支援を行うというような仕組み、現行上は困難でございます。
  82. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 次に、やはり地雷除去装置についての質問ですけれども、政府の方では、対人地雷の除去装置については武器輸出三原則の対象外とするという決定を最近下しているわけですが、その条件として、人道的な対人地雷除去活動に限って使用することというのが一つ。それから二つ目として、装置が日本政府の事前同意なく第三者に移転されないことが担保された場合というのが二点目だろうと思います。それから特定の国を支援対象として輸出するということも、三つ目といえば三つ目の条件ですけれども。  ただ、これらの条件に違反する抜け道はないのか。そういう審査とか運用をどういうふうにしているのか。これはこの前もちょっと伺いましたが、部品の問題とも関係をするわけですけれども、どういう形で審査をしてチェックするのかということについてお答えをいただきたいと思います。
  83. 上田秀明

    ○上田政府委員 お答えいたします。  御指摘のとおり、地雷除去機材あるいはそれに関連する技術の輸出につきましては、いわゆる武器輸出三原則との関係におきまして、その適用の除外とするということが昨年十二月の官房長官談話で発表したところでございます。  今先生御指摘のような、いろいろな条件と申しますか、そういう前提がついておりますが、これに関しましては、輸出相手国の政府我が国政府との間の約束を結びまして、これによって担保していくということになっております。この場合、当然特定の国でございますので、またそういう必要性があって特定の機材等を提供することになるわけでございましょうから、これらの国々との間で約束が誠実に履行されていくという考え方に立っております。
  84. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 それから、これに関連しまして、質問通告をしていたのかどうか、私もたくさん質問があるので定かではありませんが、先週も実は外務大臣質問をしたわけです。対人地雷の部品そのものの製造も禁止されておるわけですが、一方、平和目的に通常は使われておりますいろいろな汎用品があるわけです。その汎用品を日本民間業者がつくっておって、それが民間業者の知らぬところで、外国でその部品を集めて対人地雷をつくってしまった。仮にもしそういう事例ができた、あるいはわかった場合には、政府として、そういった汎用品であってもその部品が結果的に対人地雷に形を変えて使われてしまうという場合には、その民間業者に対しまして、輸出を自粛するとかあるいは輸出の方法等について詳しく検証するとか、そういったこともこの条約解釈上は出てくるのではないかということが容易に想像がつくわけですが、その辺についての対応について、お答えいただければ幸いです。
  85. 北爪由紀夫

    ○北爪説明員 通産省でございます。  先生今御指摘になりました対人地雷の部分品でございますが、まず原則からいいますと、専用部品として設計された場合には、当然のことながら武器輸出三原則等の原則によりまして、原則として輸出禁止するということでございます。特に、先生も御指摘のとおり、対人地雷というのは比較的簡単な構造でございまして、主要な構成品というのは信管と爆薬でございますので、これにつきましては、通産省は外為法に基づきまして輸出規制の対象としましてしっかり輸出管理をしております。  今後とも、先生の御指摘のような御心配がないように、しっかりと輸出管理をしてまいりたいと思います。
  86. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 もう時間がありませんので、最後に、これは条約局長なのかもしれませんが、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。  法律案の第一章「総則」、あるいはこれは、国内法は通産省なのかもしれませんが、第一章「総則」の「対人地雷の所持を規制する等の措置」というのがあります。それから、第三章に「対人地雷の所持等の規制」というのがありますが、この「等」「等」とあるのは、金融法案の「等」も重要であったわけですけれども、ここで言うところの「等」というのは、自然に読んでみますと、使用貯蔵、所持というふうに解釈されるべきではないかと思いますが、それでよろしいでしょうか。  では、時間がありませんので、今の二点の「等」の意味について、使用貯蔵、所持の規制ではないかと思いますけれども、確認をしていただきたい。つまり、なぜ聞いているかというと、これはイギリスなどでも問題になったわけですが、あらゆる状況対人地雷を所持しないという、あらゆる状況という言葉が国内法で入っていないのですね。これがイギリスの議会などでも、そういう抜け道がないようにということを国会でも確認をしているのです。  したがいまして、先ほど私は総理に何回か確認を求めましたのは、オタワ条約遵守ということでお答えいただいたと思っておりますけれども、具体的にその「等」の意味とかいうことについて、ぜひ遵守をしていただきたい。これが、そのプロセスがかかったことと、協議時間がない、審議時間が短いということもあわせて、次官の方から、ぜひその辺のコミットをしていただければ幸いです。
  87. 町村信孝

    町村政府委員 まだあと二時間近く委員会が続きますと思いますが、途中で、この法案の方は今商工委員会でかかっているわけでございますが、その「等」の解釈につきまして、きちんとしたお答えを後ほどさせていただきます。
  88. 東郷和彦

    ○東郷政府委員 国内法解釈の点でございますので、今次官が申し上げましたように、商工委員会審議を待つべきと思いますが、念のために現時点での理解を申し上げますと、条約上は、第一条によりまして、対人地雷使用それから開発生産等七つの行為が禁止されております。国内法は、これを整理しまして、主として所持と製造という二つに大略整理されておりますので、おおむね今先生御指摘のように所持というところで、広い意味での保持その他、その行為が含まれているというふうに考えております。  以上でございます。
  89. 藤田幸久

    藤田(幸)委員 ありがとうございました。
  90. 中馬弘毅

    中馬委員長 続いて、中谷元君。
  91. 中谷元

    ○中谷委員 対人地雷禁止条約について質問をさせていただきます。  昨年十二月三日にオタワで調印をされました対人地雷全面禁止条約批准した国が九月の中旬に条約発効に必要な四十カ国になりました。これによって、来年三月一日にこれが発効するわけでありますが、日本がせめて、四十カ国には入れなかったけれども、三月一日にこの条約のファーストメンバー、議定国になることを目指して、今非常にぎりぎりのところまで来ていると思います。このファーストメンバーに入るというのは、私から言うと、憲法前文に書いてある「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」ということです。どんな立派な演説、どんなにたくさんな経済支援よりも大切なことであるというふうに思っております。  先ほど藤田委員も言われましたとおり、そもそもこの運動は、NGOが五年ほど前に対人地雷禁止に踏み出して、昨年の四月ごろでしょうか、国会でも超党派の議員連盟ができまして廃絶運動が本格化をいたしました。これは一つの冷戦後のPKOに並ぶ新しい社会現象というか国連平和活動の事例だというふうに思いますが、これまでの大国のエゴや圧力、また経済的な支援の見返りというのではなくて、東西、南北にかかわらず、世界同時多発的にNGOが連携をとって、特にインターネットとか衛星通信とか、そういった情報通信の発達も生かしながら、国家というよりも個人のネットワークを生かしたこのような形の軍備管理軍備を管理する、そういうふうな新しい社会現象ではないかなというふうに思います。  そこで、外務省にお伺いをいたしますが、小渕総理は、就任直後の記者会見で、この地雷の廃絶においては、被害者を支援しながら禁止に立ち上がらないのは政策上の矛盾であるというようなことを指摘して、この条約発効させた国の一つになることで外交成果としたいというふうに思っておられました。  現実に外務大臣時代は防衛庁とか外務省内を指導されたと思いますが、総理になっても、例えば九月の半ばにも、この四十カ国に入りたいというようなことを目指して、官邸に外務省関係者を数回にわたって呼びまして早期の国会提出を指示してきたところでありますが、なぜこういったぎりぎりまでこれが進まなかったのか。まずこの点について外務省にお伺いをいたします。
  92. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 ただいま御指摘ありましたように、総理からは、署名に至るまでの政府の決定の過程、またその後のこれまでの批准に至る過程におきまして、できるだけこれを早く進めるように、できれば最初の四十カ国の批准国に入るようにという明確な指示をいただきまして、私どももそれを目指して努力してまいったわけですが、国内の、我が国安全保障を確保するという点、それから日本と米国との安全保障条約に基づく関係、そういった面につきます検討、調整に手間取りまして、このように国会に提出がおくれましたことは、私どもとしてまことに申しわけなく思っております。責任は十分感じております。  加えて、言いわけになるかしれませんが、予想されたよりも各国の批准が非常に早く進んだ。これはカナダを初めとするこの条約の推進国が非常に熱心にキャンペーンを進め、またNGOも歩調を合わせて努力したという結果のたまものだと思いますけれども、その意味で、我が国努力が四十カ国に間に合わなかったということはまことに申しわけなく思っておりますが、できますれば、何とか早急に批准に関する承認をいただきましてできるだけ早い機会に批准を達成したいと考えております。
  93. 中谷元

    ○中谷委員 そういう御説明がありましたけれども、実は、日本安全保障という話がありましたが、これは昨年に橋本総理が大決断をして防衛庁の中においては地雷使用と訓練を中止するという大転換も行われていますし、実際ある地雷の破棄も始まっているわけでありまして、安全保障においてはもう決着した問題でございます。ですから、残された問題は、アメリカに対する配慮というか遠慮というか、そういうものがあったということで、これはまさしく外務省側の怠慢ではないかなというふうに思います。  最近でも、北朝鮮のミサイル発射問題においても、ミサイルが発射された十二時七分から十分後には第一報が入っていながら、国民に対する情報公開も、韓国の国防部はもう三時、四時ぐらいには国防部長の側近の記者、また全国民に対しては五時ごろのテレビで日本を通過して太平洋に弾着したというような公開がされながら、日本の場合は、夜の十一時になるまで一般国民に知らされていなかった。  非常に慎重に情報を取り扱うのは結構でありますけれども、やはり外務省の情報収集そして処理能力で何が必要であるのかという、能力の向上の問題と、それからもう一点は、国民の成熟化というか、これほど情報がはんらんする社会において、非常に本質をとらえて状況を判断する能力が向上したと思います。安全保障とか軍備に対するアレルギーも薄くなって、適切な情報の提供によってまともな判断ができ得るようなレベルにも成熟してきておりますので、こういった情報の公開。特に、アメリカとの今回の地雷の交渉においても、一体アメリカとどういう交渉がされているのか、与党の私でさえこの一週間ぐらい前まで知らされなかったわけでありますが、やはりもっともっと情報公開をする必要がございます。  北朝鮮問題に戻りますが、今回の米朝合意で北朝鮮に対する麦の食糧支援、またKEDOの枠組みの保持等も、日本の意思の有無にかかわらず、アメリカで合意をされて、それを決まった後に日本に求めてきているような状況でございますが、日米安保同盟国である日本を尊重しておかないと、相互の連携も保たれないわけでございます。  ですから、こういう意味で、非常に外務省はアメリカに対して、まあ配慮も必要ですけれども、遠慮を持ちながら外交を続けてきたわけでありますが、中でも小渕総理がこの条約署名に踏み切ったということは、これは一つ意味では画期的なことでございます。  そういう意味で、もう一度、我が国が本条約に対する態度を変更して積極的に取り組むことになった経緯についてお伺いをいたしたいと思います。
  94. 町村信孝

    町村政府委員 防衛問題に大変御造詣の深い委員から今御指摘をいただきました。  一般論として言うならば、いろいろな面で情報をできるだけ公開をし、そして国民の皆様方に十分な理解をしていただく努力というのは常に必要だろう、こう思っております。  特に、北朝鮮のミサイル問題についての御指摘もございましたが、そこはいささか、やはり韓国の立場日本の上空を飛んでいったという立場等々の違いもありますので、いたずらに早きをもってとうとしとなすというわけでもなかろうとは思いますが、ただ、じゃ、あのタイミングであの内容で十分であったかどうかというあたりは、委員指摘のとおり、これは外務省、防衛庁を問わず、官邸も含めて、率直な反省をし、今後の貴重な教訓としていかなければいけないだろうという意味で、委員の御指摘は率直に受けとめなければならない、かように考えております。  そういう中で、今のこの地雷問題の経緯でございますが、これについては先ほど小渕総理もお話がございましたけれども、また委員からもお話あったとおり、新しい傾向として、新しい姿としてのNGOの国際的な熱心な活動の広がりというのが一つあることは間違いがないわけでございます。また、その一環として委員議員連盟等々で大変熱心な活動をされてきたことを、私どももよく承知をいたしております。  また、先ほど小渕総理の方からも人道主義的な観点、ヒューマニズムという言葉を使われましたが、こうしたまさに当時の外務大臣としての、政治家としてのリーダーシップを大いに発揮されたということもあって、それまで政府全体としては慎重なスタンスをとっていたところから一転をして、積極的にこれをやはりやっていこうということに転換をしたのだろう、かように理解をいたしております。
  95. 中谷元

    ○中谷委員 続きまして、地雷の処理活動についてお伺いをいたしたいというふうに思いますが、もう既に我が国としての地上からの地雷廃絶においてはさまざまな形で行われております。一番有名な例としては、東京都内のジオ・サーチという会社の冨田洋さんという人が地質の会社を経営されていますが、それに関連して独自に開発したマイン・アイという機械で、実際にカンボジアにおいて地雷を除去されております。  そういう形で、民間の人でも地雷を除去する機械を開発したりアイデアを出したりしておりますが、こういったものは武器輸出三原則の壁というものがありまして、地雷を探知、それを無力化する機材となれば、いわゆる防衛的な武器となるというようなことで、簡単に国外への持ち出しができていなかったわけでございます。湾岸戦争のときも、自衛隊が防護マスクを持っていくときとか自衛隊の車両を運ぶときなんかも非常に大きな制約があって大変な問題になったわけでありますが、今後こういった地雷処理機材の国外への持ち出しについてどうなっているのか。  また現在、地雷の処理において、被害者のリハビリ支援も含めて、どのような活動が行われているのか、お伺いをいたします。     〔委員長退席、森山委員長代理着席〕
  96. 上田秀明

    ○上田政府委員 お答えいたします。  御指摘ございましたように、これまでも日本は、国連を中心といたします世界各地におきます地雷の除去の活動、あるいはそれに関連した犠牲者支援の活動協力してまいりまして、主として今までは、御指摘のように、国連等、国際機関に対しまして累計で約三千万ドル以上に上る資金を拠出してまいりました。  それから、私どものODAのスキームの中にございます草の根無償でございますとかNGO事業補助金等を通じた支援も行ってきております。  このたび、来年度予算の外務省としての考え方といたしまして、これに加えまして、いわゆる二国間の援助におきまして、今いろいろ御指摘ございました、除去等に関します機材についても支援ができるように、あるいはまた義肢その他の機材、医療関係の機材についても二国間の無償資金協力等で支援ができるように予算要求をしていこうというところでございます。  御指摘ございましたNGOの、あるいは冨田氏のような活動につきましても十分連携をとらせていただいておりまして、実はこの秋にカンボジアで、カンボジアが主催いたしまして地雷除去に関しますシンポジウムを行いますけれども、そういう際に、冨田氏にその機材のデモンストレーションを行っていただくようなことを考えて、支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
  97. 中谷元

    ○中谷委員 ですから、そういった立派でハイテクの優秀な技術がたくさんあるわけですから、大いにそういう機材の海外への運搬の手続なんかも規制緩和をして、自由にしていただきたいと思います。  それからもう一点、今度は自衛隊地雷処理の貢献のあり方についてお伺いしますが、現在海外には一億一千万個地雷があります。特に、中国一千万個、カンボジアにも一千万個、アフガニスタンにも一千万個、ベトナムに三百五十万個、クロアチアやボスニアには六百万個等ありまして、この処理について各国が懸命に取り組んでおります。  これは、官民挙げて取り組んでいる国がほとんどだと思いますが、日本の場合は自衛隊の海外派遣等が禁止されてそういうことに参加できていないというふうに思いますし、PKOも、PKO活動としては実際にやっておりますが、凍結事項の中に地雷処理の項目が含まれておりまして、PKOの活動としても地雷処理ができないというふうになっております。この点において、自衛隊の持っているすぐれた能力を地雷処理のために貢献すべきだと思いますが、現在、その研究開発とかの参加も含めて、自衛隊が海外において地雷の除去活動に貢献できているかどうかについてお伺いさせていただきます。
  98. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 今先生御指摘ございましたように、自衛隊活動につきましては、それに対する法的根拠ということが必要になってくるわけでございます。  海外におきます地雷除去活動ということになりますと、一つPKO法活動PKO法に基づく活動ということが考えられるわけでございますが、PKO法におきますPKOの本体業務という中で地雷の処理業務が位置づけられておりますが、PKOの本体業務につきましては、その附則におきまして、別に法律で定めるまでの間はこれを実施しない、こういうふうになっておりまして、現在それが実施できないというふうな状況になってございます。  自衛隊の持っております能力につきまして、これをいろいろな形で活用していくということは重要なことだと思っておりますけれども、現状は、今申し上げたような状況になってございます。
  99. 中谷元

    ○中谷委員 私も元自衛隊に勤務していたときに実際に地雷の埋設とか処理について経験したことがありますけれども、本当にこれは神経の要る、時間のかかる、大変精神的なプレッシャーもある難作業であります。とても一般の方が気軽に行ってボランティアで参加というのは極めて危険なわけであって、これが処理できるのは、日本においては訓練された自衛隊が一番適当だと思いますので、だれが考えても、地雷の処理においては、侵略の意図とか他国を困らすという意思は持っていないわけでありますので、こういった点についても、早期に凍結項目から外して何らかの貢献ができますように、また自衛隊の持っている地雷処理の機材とか技術も提供できるようにお願いいたしたいというふうに思います。  次に、この条約においては、絶対的に必要最小限の数の地雷の保有または移譲が認められております。これは訓練とか廃棄のための技術開発等でございますが、この量について、各国で量がまちまちだと聞いておりますが、我が国において絶対的に必要な最小限の量とはどの程度まで許されると考えているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
  100. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 この条約では「若干数」という最小限の数、具体的には規定しておりません。これは、各国によって地雷の除去の活動の研究のため、あるいは探知技術の開発のためということについて事情が異なるということを踏まえて具体的に決めていないものと思われますが、現実には、これから担当します防衛庁におきまして具体的な数量を検討していくということになりますが、もちろん、どんな数でもいいということではございませんで、これは締約国団への報告の義務もございますので、これから締約国会議が開かれればそこで議論されていくということになると考えております。
  101. 中谷元

    ○中谷委員 それから、先ほど藤田議員質問をされましたけれども、処理の問題でございます。  現在、我が国が保有している対人地雷を破棄するためには数十億円の経費がかかるということでありますけれども、北朝鮮の動向を含めて、我が国の装備の近代化を含めると、防衛費ももっともっと必要になってくるわけであります。しかるに、地雷廃棄するといういわゆる防衛力の削減をするものにおいても防衛費を使わなければならないというふうな、極めてむだなことをしなければなりません。  ですから、我が国の防衛のことを考えますと、これは防衛費の別枠でというふうにお願いをいたしたいと思いますが、この点について政府はどのように考えているのか。  そして、藤田議員も言われましたが、一般の隊員には危なくてさせないのかどうかわかりませんが、処理を外注、業者委託ということで進んでいるようですが、まさしくこれも、特定の業者に限ることなく、例えば自衛隊のOBの方の就職先をどうしたらいいかということが今大きな問題でありますけれども、OBの皆さんに、こういう作業をして、手間賃、日当等を払うとか、せっかく持っている自衛隊のノウハウを生かしながら、そして自衛隊の中の隊員も一つ作業としてやればこういった経費も切り詰められると思いますが、コンクリートに詰めて地下深く埋めるとか、こういう案も含めて、処理の問題についてのお考えをお伺いさせていただきます。
  102. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 地雷廃棄方法でございますけれども、私どもとしては、この条約発効後四年以内に完全にこれを処理する、こういう考え方で臨んでいるわけでございます。  それで、その廃棄方法につきまして、例えば自隊においてこれを爆破処理するということを考えました場合に、例えば、爆破処理ができる訓練場を使ってそれで爆破する場合に、その安全性それから実際の処理能力等々を考えてみた場合に、そういう方法で今回処理するのではなくて、むしろ、そういった安全性とか経済性を考えて、我々としては、国内業者に処理をさせる、こういう方がよろしいのではないか、こういうふうに考えているところでございます。  また、この処理のために、現在、平成十一年度の概算要求におきましては、四億円の計上をしているわけでございます。全体を処理するためには二十億円弱の金を要するのではないか、現在の諸元をもとにいたしますと、そういうふうに想定されるわけでございます。  一方、先生御指摘のように、現在防衛予算は非常に厳しい状況にございまして、その中で、この中期防衛力整備計画に予定されております事業を何とか実施していくように、今回の概算要求におきましても必要な予算を何とか要求しているわけでございまして、今後とも、この対人地雷廃棄に係る予算措置も含めまして、また、中期防衛力整備計画の実施ということに必要な経費も含めまして、必要な予算措置が確保されますように、我々としては努力してまいりたい、かように考えております。
  103. 中谷元

    ○中谷委員 対人地雷というのは非常に小さなものですから、信管を抜くには、非常に精密な作業で、これを機械化をしてやるのかどうか私も知りませんが、業者に頼んでも、やはり手作業というか、人が一つ一つ真剣にやるという作業が必要になってくると思います。  ですから、せっかく予備自衛官制度とか即応予備とかありますので、ぜひ自衛隊のOBにも自衛隊の中に来ていただいて、作業小屋で安全に気をつけて作業するとか、なるべくオープンに、経費がかからないような形で処理できることも考えていただきたいと思います。  それでは、最後に、我が国の周辺における地雷問題についてお伺いをさせていただきますが、アメリカが地雷廃棄できない理由として、朝鮮半島の紛争というものがあるということでありまして、これはもっともな話だというふうに思います。  しかし、私が思っているのは、朝鮮半島で紛争が起こったときに、地雷がまかれたらどうなるかということです。  カンボジアも、非常に激しい内戦で、一千万個の地雷がまかれて非常に大きな被害が出ているわけでございますが、内戦の勢力で、フン・セン派とかシアヌーク派とかいましたけれども、どっちが勝つにしろ、悲劇に遭うのは国民であり、両勢力の兵士であり、両勢力の人々なんですね。  ですから、朝鮮半島で紛争が起こって、北が勝つのか南が勝つのかわかりませんが、どちらが勝利をおさめようとも、まかれた地雷被害や悲劇は百年も二百年も朝鮮半島に住む人々が味わわなければならない問題であって、紛争が起こるというのは社会現象であって仕方ないですけれども、そのために地雷がまかれて、未来永劫にそこに住む国民が被害に遭って不安におののくということは何とか防ぎたいというふうに思っております。  ですから、今回日本がこの条約批准して、世界に対して呼びかけをする際には、やはり朝鮮半島の紛争時には地雷を使わないという呼びかけを、アメリカ、韓国、北朝鮮、中国にも呼びかけるべきだというふうに思っております。  どの国も、自国の安全保障を犠牲にしながら、こういった人類の崇高な目的のために、政治家として非常に高度な政治判断をして、国としても行動するわけでございますので、我が国といたしましても、対人地雷がこの地球上からなくなるように、事我が国周辺の国々の人々が地雷によって傷ついて悲惨な経験をすることがないように努力をしていただきたいと思います。  アメリカ、北朝鮮、韓国等に対する地雷廃絶の支援の取り組みを外務省にお伺いさせていただきます。
  104. 町村信孝

    町村政府委員 もとより、地雷を地球上から廃絶していく、そういう努力を各般にわたってしていくのは非常に大切なことだと思っております。  ただ、問題は、朝鮮半島であれどこであれ、要するに紛争が起きないようにいかに外交努力をするかということがまず大前提であろう、こう思っておりまして、今そのためにさまざまな枠組みの努力が行われているのは委員御承知のとおりでございます。  したがいまして、一挙に、仮に紛争が起きた場合に地雷を使わないようにしましょうという運動をするよりは、いかに朝鮮半島を安定した半島にしていくのかというために、韓国、中国、アメリカあるいはロシア等々関係数カ国で新たなフレームワークをつくったらどうかという小渕総理のお考えもあるやに聞いておりますので、そうしたさまざまな外交努力を積み重ねることがまず先決ではなかろうかと考えております。
  105. 中谷元

    ○中谷委員 私も、安全保障関係する者として、戦略上また戦術上地雷というものは非常に有効な兵器であるということは重々に認識をしておりますが、それ以上に、使った後に大きな被害が出て取り返しのつかないような状況になるという点で、紛争が起こるのは社会現象ですから仕方ありませんけれども、せめて地雷を使わない、使わないで紛争を行うというようなことでこれからの人間社会、人類の営みを続けていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。
  106. 森山眞弓

    ○森山委員長代理 通産省北爪審議官から発言を求められております。北爪審議官
  107. 北爪由紀夫

    ○北爪説明員 先ほど藤田先生の御質問につきましてお答えを保留いたしました点について、御説明をさせていただきます。  商工委員会にかけております対人地雷禁止法案の第一条の「等」でございますが、第一条は「対人地雷の製造を禁止するとともに、対人地雷の所持を規制する等の措置を講ずる」、この「等」は、第二章、第三章で製造の禁止、所持等の規制をやっているわけですが、「国際連合事務総長の指定する者の検査等」という第四章の規定、こういったものを指しております。  それから、第三章のタイトルの「対人地雷の所持等の規制」の「等」でございますが、これは、第三章の中で、例えば十一条の「廃棄」、これは所持の外側でございますので、こういったものをあらわしております。  それでは、条約とそれから商工委員会でかけております法案との関係でございますが、商工委員会でかけております法案は、本外務委員会で御審議いただいています条約の第一条の一般的な義務、七つほど例示がございます、使用生産開発、取得、貯蔵、保有、移譲、このうち既存の法律で対応できないもの、具体的には生産開発、取得、貯蔵、保有、これにつきまして法案の方で規制をしております。  それで、既存の法律でできますのは、対人地雷使用、これは既存の法律で爆発物取締罰則というのがございまして、これで、治安を妨げ、または人を害することを目的としての対人地雷使用禁止されております。  それから、移譲輸出入につきましては、本法案の中にも書いてございますが、外為法の規制下としております。  それで、生産開発は当然この法律の第三条で禁止されておりますし、取得、貯蔵、保有、これは本法案の所持という概念で第三章で規制をされております。  そういう意味では、条約で書いてある一般的な義務につきましては、商工委員会で議論をしております対人地雷禁止法、それから爆発物取締罰則、それから外為法、これですべてしっかりとした規制をするという体系になっております。  以上でございます。
  108. 森山眞弓

    ○森山委員長代理 次に、山中燁子君
  109. 山中あき子

    山中(燁)委員 山中燁子でございます。  一番最初質問のときに申し上げたのでもうこれに触れないでおこうと思いましたが、中谷委員質問に対して阿部審議官の方から、思ったより早く批准が進んだという、それも一つの原因であるということがありましたので、私はもう一度確認させていただきます。  五月二十八日というのは、六月、七月、八月、九月と、今からおよそ四カ月前の話でございます。そのときに、既に批准したのは二十二カ国あったということで、これはアメリカの新聞の記事で思ったより早く批准されるかもしれないというふうに言っていますということを議事録に書いてあるわけですが、さらに、この十三カ国の寄託国という外務省のお答えに対しては、Eメールでとれますということを申し上げたら、はっきりと阿部審議官は、御自分の方もEメールでとってみますと。そのお返事が十四カ国であったということを先ほど申し上げたわけですから、このときにきちんと警告を申し上げているわけで、きちんとした批准国寄託国との区別をEメールなどでとっておけば、四カ月前にもう明らかに、二十二カ国というのは四十カ国の過半数を超しているわけですから、すごいスピードで進んでいるなということは当然認識できたというふうに私は思っております。  ですから、つけ加えさせていただいて、二度とこういうふうなことではたばたしないように、これを一つの教訓にしていただきたいというふうにお願いして、質問を始めたいと思います。  まず、この条約の本文につきまして、三点御質問申し上げます。  まず、先ほどの中谷委員のと関連いたしますが、第三条の「若干」というのは、今のお答えですと、防衛庁が決めるということでございますか。それでよろしいわけですか。
  110. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 地雷の除去技術の研究などにつきまして、防衛庁が主として行いますので、防衛庁において具体的にどの程度の数が必要であるかという検討をいたしますけれども、私どもも、条約の趣旨の観点から相談をしていただくということになります。
  111. 山中あき子

    山中(燁)委員 それでは、防衛庁にお伺いいたしますが、一体どこの部局でいつごろまでに計画を立てるおつもりでしょうか。
  112. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 防衛庁といたしましては、この条約で認められました地雷の探知、除去それから廃棄の技術の開発というものと、それから訓練を目的とした対人地雷、これを例外保有するということを考えておりますので、この技術開発については技術開発の分野でもってどのくらいの地雷を保有しておく必要があるのか、それから、一方、訓練の方からいたしますと、除去をするための訓練として年間どのくらいのものが必要なのかということを、これは運用局の方で検討することになると思いますけれども、それぞれのそういうところで検討をして全体としての例外保有数を決めてまいりたい、こんなふうに思っております。
  113. 山中あき子

    山中(燁)委員 いつごろまでにお決めになる予定でいらっしゃいましょうか。これはこの条文の後の方にも出てまいりますけれども、きちっとその削減についての計画も国連の事務総長あてに報告しなければいけないわけですから、今からめどを立てておきませんと、また間際になってということになってもいけません。一応いつごろまでというふうにお考えですか。
  114. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 いずれにいたしましても、条約では、今先生お話しのように、発効後百八十日以内に国連への通知が義務づけられているわけでございます。私どもとしては、それに対応するように対応をしたいと思っております。  なお、現在我々が考えております検討状況でございますけれども、例外保有数といたしましては、今後十年間の所要量として一万五千個程度を考えているところでございます。  いずれにいたしましても、今後各種の検討をいたしまして最終的な結論を得たいと思っておりますけれども、今現在はそんなふうに考えております。
  115. 山中あき子

    山中(燁)委員 一万五千個ぐらいということが出ておりますので、また、国連に対する報告書が作成されたときには、国連に対してだけではなくて、ここの委員会、すなわち国会でございます、そして、国民に対してもきちんと透明性を担保していただけますでしょうか。
  116. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 いずれにいたしましても、どういう例外数になるかということは明らかにするつもりでございます。
  117. 山中あき子

    山中(燁)委員 同じような計画のことなんですが、廃棄計画について、先ほど、平成十一年度の予算は約四億円、これは約二〇%の廃棄というふうに聞いておりますが、その後平成十二年、十三年の、結局実施を考えていきますと、予算としてはその三カ年間で、今のおっしゃった約一万五千個を除いて百万個と言われている、これも幾らお聞きしても防衛庁は数をまだおっしゃっていただけませんが、もう批准をしたらすぐおっしゃっていただけるのだろうというふうに思っておりますけれども、十二年度、十三年度は約四〇%、四〇%ということ、すなわち、金額的には多少変動があるかもしれませんが、七億、七億というようなことで、およその計画はそういう考え方、そういう認識でよろしいのでしょうか。
  118. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 私どもといたしましては、条約の定められた期限どおりに、四年以内に必要な廃棄をするということでございます。そういう考え方で計画的にまいりますと、今先生が言われたようなそういう線表になろうかと思います。実際の金額等につきましては、これはそれぞれの年度の予算がどういうふうにセットされるかということにもかかわりますが、我々としてはそういうものを基本に考えているということでございます。
  119. 山中あき子

    山中(燁)委員 それでは、その次に、第六条に関連してでございますけれども、第六条の六項に、「地雷の除去のための各種の方法及び技術に関する情報並びに地雷の除去に関する専門家、専門的な機関又は自国の連絡先の名簿」、こういうものを提出して、それを公表するということがあるわけですが、今現在、日本の場合にはどういう形のものが提出される予定でしょうか。
  120. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 この第六条六項の規定に基づく報告、情報提供につきましては、現在まだ具体的に用意はできておりません。したがいまして、これから発効までの間にしかるべく用意をしまして提供するということでございます。
  121. 山中あき子

    山中(燁)委員 この中で、その技術は今開発中であるということですが、先ほどの質問にもありましたけれども、現在お聞きしているところでは、専門家と言われるのは自衛隊の方たちしか今のところいないという認識は正しいのでしょうか。
  122. 上田秀明

    ○上田政府委員 今先生のお尋ねが、直接地雷の除去の、信管を外すとかそういう作業に携われるような人材が日本におるかというお尋ねでございますれば、そういう方々は極めて少ないというふうに、要するに、専門の自衛隊方々を除いては極めて少ないというふうに考えております。
  123. 山中あき子

    山中(燁)委員 それでは、その極めて少ない方たちが、先ほど、PKOの本体業務の凍結というようなことを解除して、そして海外においてこの地雷の除去活動に携わるというような、そういった貢献を視野に入れて考えているかどうかということを小渕総理にお聞きしましたが、その点はあえてお答えにならなかったと思いますけれども、もちろん、これは実際の法律をどうするかということですから国会マターではありますけれども、外務次官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  124. 町村信孝

    町村政府委員 この問題は、一つ地雷のことだけではなくて、幅広い本体業務についてどう考えるかということであろうと思っております。この凍結業務の取り扱いにつきましては、国会の中でもさまざまな御意見が現実にあろうと思っておりますし、また、政府といたしましては、既に終了しましたカンボジアとかモザンビークとかザイールとか、こうした派遣の貴重な経験も積んできているわけでございまして、今後、国会におけるいろいろな御議論にも私ども十分耳を傾けた上でしっかりと検討していきたいと考えております。
  125. 山中あき子

    山中(燁)委員 こういった貢献のために率先してというふうなところにはおいでにならないというふうに解釈してよろしいのですか。
  126. 町村信孝

    町村政府委員 地雷の除去作業のところだけを取り上げてこの問題を議論するのはいささかバランスを失しているのではないだろうかと私は思います。やはり全体としてどう考えるかという、そういう取り上げ方の一環としてこの地雷除去作業というものも考えられるのではないでしょうか。
  127. 山中あき子

    山中(燁)委員 附則の中にどういうふうに設けるかということでかなりの限定はできるのではないかというふうに私は思っておりますので、質問を申し上げました。  では、その次に、第七条に関してですが、ここの中には、所有に関して、そしてさらに廃棄作業に関して非常に細かく、型式であるとか数量であるとか、できればロットの番号などとか、そういったようなことを報告するというふうに書いてあるわけでございますから、このことは、今度は政務次官の方にお伺いいたしますが、外務省としても公にすべて国民に対しても公開をするというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  128. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 七条の透明性に関しますたくさんの規定がございますが、これにつきましては、透明性は基本的には締約国相互間の透明性ということでございまして、これから締約国会議でどのような様式でどのような具体的情報を提供するかということをさらに詳細を決めまして、相互に情報を提供する。恐らく国連事務局、事務総長に対しまして提供するということになるかと思いますが、その取り扱いにつきましてはこれから締約国団で討議して決定するということになると思いますので、日本政府としてもそれに従うということになると思います。
  129. 山中あき子

    山中(燁)委員 私がお伺いしているのは、それは条約に従ってですが、政治的な見解として、それを国民にきちんと透明性を担保する、つまり公開をするというふうに考えてよろしいですかというふうに次官の見解を伺っております。
  130. 町村信孝

    町村政府委員 まず、事務総長に報告をするということがこの条約で決まっております。その上で、国際的にやはりそこは足並みをそろえて、どういう扱いにするのかというのは締約国会議で議論をして決めるべきことではないのだろうかと私は考えます。
  131. 山中あき子

    山中(燁)委員 国民に対して国内的に発表するかしないかというのも締約国会議で決まることなのでしょうか。
  132. 町村信孝

    町村政府委員 すべてそうだとは思いませんが、まずやはり一斉に各国足並みをそろえてスタートするわけですから、そこでの議論をよく私どもも見据えた上で、その後さらに国内向けにどうするかというのは考えていきたいと思います。
  133. 山中あき子

    山中(燁)委員 各国の状況を見て、足並みをそろえてというのは何十回も何十回もいろいろな場面で繰り返されておりますけれども、私は、日本が四十番目に入れなかったとか入るとかということを超えて、やはりこの平和を目的とする地雷禁止条約を率先して世界のイニシアチブをとりたいというのであれば、国民に対してやはりそれがわかるように開かれた形で公開をする。国連の事務総長には出すけれども国民には出せない、出すかどうかは締約国の間でどういうふうになるかを見て決める、そういう姿勢は私はいささか後ろ向きというか弱いのではないかというふうに思って、何度も何度もお聞きしているわけでございます。  私は、こういうところはぜひ、これからの情報公開もございますけれども、今これは、自衛隊が、例えばあるいは米軍が軍事的な意味でどれだけ保有しているかというのを公開するのであれば軍事機密に属すと思いますけれども、そうではなくて、国際的な条約の中で日本国連に対して報告することが国民に対しても公開ができると言い切れないというのはどういうところなのでしょうか。
  134. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 私がこういうことを申し上げるのは僭越であり、あるいは出過ぎたことかもしれませんけれども、この提供されます情報につきましては、原則としては、防衛上必要なものを除きましてはできるだけ公表するということが原則ではないかと思います。  また、国際機関の関係の事務に携わった者としましては、実は、この署各国百三十カ国がもし全部締約をしまして締約国団になったとしますと、この情報はすべて全締約国に送付されるということになっておりますので、現実的には、百三十カ国が全部手にしますと、ほとんどは公開されてしまう、事実上されてしまうということでございまして、ここに提供される情報というのは、方向としては恐らくすべて公になるということではないかと思います。
  135. 山中あき子

    山中(燁)委員 防衛上必要なものはなくなるはずですからそのエクスキューズはなくなるとして、実質的に公開されるであろうということであれば、やはり私は、日本政府としては、国民に対して、あるいは国会に対して、率先してきちんと情報公開を、例えば、国連事務総長に送ると同時、その前とは申しませんけれども、同時にきちんと公にする、そういう姿勢がぜひとも必要だというふうに思います。  申しわけありません。再度、次官の政治的な見解をお伺いいたします。
  136. 町村信孝

    町村政府委員 今事務方がお答えしたように、「受領した報告のすべてを全締約国に送付する。」というのが第七条第三項にございます。そういう意味では、事実上、公開情報になるのだろうとは私も思いますが、しかし、提供する情報の中に、日本の防衛のあり方、防衛戦略とかそういったことと、私はやはり、幾つ数を持っているかというのは、そこからある意味では逆類推をして、日本がもしこういうケースではこういう防衛戦略を持っているのだよということをある意味ではあらわしているのかもしれませんので、そこのあたりはやはり私ども無条件に何でもいいからどんどん情報公開すればいいということに一概には言えないのではなかろうか、こう思います。
  137. 山中あき子

    山中(燁)委員 この条約批准するということは、日本の防衛上において地雷は破棄する、つまり防衛上に地雷はもう使わないということなのかというふうに私は理解しておりました。そうであれば、防衛上出せないものを国連の事務総長には出せるということでもないでしょうし、ましてや、これは保有も、先ほど言いましたように、廃棄プロセスも全部明らかにせよと毎年報告する義務があるわけですから、そういう中で、防衛上の秘密の部分は全部出せるわけではないというお答えは承服しかねますけれども、やはりまだ防衛上の問題も絡むのでしょうか。
  138. 町村信孝

    町村政府委員 もし専門家から必要があれば補足をしてもらいますけれども、おっしゃるとおり、それはもう地雷は使いませんということになります。しかし、そこで、日本が例えば十発持っているのか、一万発持っているのか、一億個持っているのかということによって、日本の防衛戦略というものが一体どういうものであるのか、あったのかということはそこで一つ類推できるわけでありますね。しかも、そこには相当細かい情報も今そこの条約に書いてありますように出てくるということから、やはり私は、したがって、仮に地雷がなくなった後、では日本の防衛というのはいかにあるべきかということも、これはやはりまさに国家秘密だろうと私は思っておりますから、そういう意味で、すべてをさらけ出すことが本当にいいことなのかなと。逆に、かつて、要するに、日本がどういう防衛戦略を持っていたかということを逆類推させますよという心配が私は若干するものですから、こういう答弁をしているわけであります。
  139. 山中あき子

    山中(燁)委員 これは、条約に書いてあった約束をすることですから、それはもう国内的に承知の上で、地雷に関しては公表するというのが原則だと思います。そこに過去はどうであったというような実態を盛り込む余地は、この条約からは私は読み取れません。もう一度、そこの解釈政府の中できちんと検討していただきたいと思います。  そのかわり、私は、この代替案というものがなければこの条約批准できないと防衛庁の方もずっと言い続けていらしたわけで、それがどうなっているのかという方が、むしろこれが防衛上に非常に大事なことだというふうに思っております。ですから、地雷ではなくて、代替案の方のことは、もし今のおっしゃったことであれば私は納得いたします。その辺をきちんと分けることが国際的な条約をきちんと履行するかどうかということのバロメーターだと思いますので、もう一度その辺はぜひ御検討いただきたいと思います。
  140. 町村信孝

    町村政府委員 いずれにいたしましても、委員の御指摘もございますので、よく検討して、どういう形の情報公開を国会に対して報告するか等を含めて考えさせていただきます。
  141. 山中あき子

    山中(燁)委員 それでは、いずれお返事をお待ちしております。  今申し上げました代替案なのですけれども、当座は、指向性散弾というのに今年度は十四億円という予算がついているわけですよね。来年度は四億円ということになっておりますが、この先まだ購入の必要があるのか。  それと関連いたしまして、代替案として、今研究開発していらっしゃるようですが、対人障害システムというのに今年度は〇・二億円、そして来年度には六億円ということで予算が計上されているようですが、大体いつごろまでにこの対人障害システムというのはめどがつくのでしょうか。     〔森山委員長代理退席、委員長着席〕
  142. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 今先生御指摘ございましたように、私どもとしては、我が国の防衛に万全を期すという観点から、条約上の対人地雷に該当しないで一般市民にけがをさせるおそれのない代替手段ということで、対人障害システムの研究を行っているところでございます。  これは、平成九年度の補正予算それから十年度予算ということでその研究のための予算を計上いたしまして研究をしてまいりまして、今度、十年度予算ではいわばその参考品を調達いたしまして、実際にどういうふうに運用できるものかということを調査する、こういう段階でございます。  したがいまして、今の段階で、この先どうだということはなかなか見通せないわけでございますけれども、我々といたしましては、できるだけ早く実際の装備化といいましょうか、そういうところにこぎつけたい、こういうふうに考えているところでございます。
  143. 山中あき子

    山中(燁)委員 最初に申し上げたクリス・ムーンさんのおっしゃるように、まだ軍備を全廃するというところに国際的に至ってないわけですから、その辺の代替案というのがどういう形になるかというのは、やはりきちんとした予算が必要であれば予算を投入して、そして開発をする、ただしこの地雷最初の基本にもとるような、精神にもとるようなものにならないようにという点をきちっと申し上げておきたいと思います。  それで、この代替案についてなんですが、アメリカ、中国それぞれ、アメリカは二〇〇六年までにということを言っておりますけれども、それぞれ代替のシステムがあるいは代替のものが開発されればというようなことを条件として何度も言っているわけですが、日本として共同開発というようなことを考えていらっしゃいますでしょうか。
  144. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 私どもといたしましては、代替手段を研究するに当たりまして各国でどういう研究をしているかということも、当然のことながらいろいろ勉強をし参考にさせていただきました。しかし、我が国としては、我が国の国情それから地理的な条件とか、そういったものにふさわしい代替手段をできるだけ早期に開発したいと思っておりまして、そういった意味では各国と共同ということを現在考えておりません。
  145. 山中あき子

    山中(燁)委員 それも視野に入れて、多分TMDよりもっと現実的に開発可能だと思いますので、世界の知恵を結集できるように、あるいは予算をプールしながらやれるように、そういう形で、基本的な精神は平和を目指す、しかし、まだ必要なものに対してはきちんとした代替のシステムをつくり上げるということをぜひ努力していただきたいと思います。  時間が参りましたが、九六年五月にジュネーブで開かれた特定通常兵器禁止制限条約というような中で、実はこのとき日本は、日本は長い海の国境を持っており、対人地雷は防衛上欠かせない兵器であるとか、あるいは地雷は防衛上に必要な兵器で、問題は無責任な使用にあるとか、一九五四年の自衛隊創設以来地雷を使ったことはない、日本はいかなる地雷輸出していないし国連の除去活動には二千五百万ドル拠出してきたということをおっしゃって、これはすべて事実でございますが、これに対して、陸上国境がなく海で囲まれている日本地雷禁止に最も熱心でいいはずであるとか、あるいは地雷禁止に向けて多くの国々や関連のNGOが動いており、日ごろ平和、国際協力の推進を看板にしている国としては残念である、あるいは、これでは我が国の核兵器は防衛的なものであり、先制使用はしないと言っている国と同じであるというような声が随分上がったというふうに聞いております。  今から改めまして、日本の平和に対しての積極的な独自的姿勢、自主的な姿勢、そして計画性、情報の公開というものが求められていると思います。やはりいつも申し上げておりますけれども、いかに信頼を得る、信頼醸成を構築していくかという平和的手段と、それとやはりまだいろいろな危険が伴う間にどういう軍事的な準備が必要か、その辺をきちっと精査した上で、条約批准するからには一点の曇りもない実施をぜひお願いいたします。  以上で終わります。
  146. 中馬弘毅

    中馬委員長 続いて、東祥三君。
  147. 東祥三

    ○東(祥)委員 先ほどの小渕総理との質疑を踏まえまして、人道的観点からの日本外交政策におけるイニシアチブと、それから安全保障上の観点から質問させていただきたいと思います。  総理とお話をしているときに、総理は、日本がこの条約署名し、そして批准することによって、地雷使用している国、あるいはまた製造、輸出している国に対しての発言の立場、また地雷を全面撤廃、廃棄させていく上での日本の言うべき根拠、それを持つことができる、こういう趣旨の発言をされておられました。それに関連して、先ほど私の方から、使用国について、使用国のうち六カ国は五百万個以上の地雷を敷設している国ということで、六カ国の中で四カ国はまだ署名していない、こういう報告をさせていただきました。  また、製造、輸出国としては、公式的なデータではありませんけれども、ヒューマン・ライツ・ウォッチが発行しております「地雷問題ハンドブック」というのがございますけれども、これによりますと、世界百八十カ国のうち二十五カ国は輸出国とされております。輸出国とされている国の中で、アメリカなど自発的に輸出を自制している国もありますが、十一カ国、イスラエル、インド、北朝鮮、シンガポール、中国、台湾、ベトナム、ユーゴ、ロシア、アメリカ、エジプト、これは条約署名すらもしていない、こういう状況でございます。最も地雷使用している国、また最も輸出している国が条約に参加しない限り、条約が掲げている全面禁止という目的はある意味で絵にかいたもちに終わってしまうのではないのか。  先ほどの総理の発言は、まさに日本署名しそしてこれから批准する、そういうことであるならば、これらの国々に対して瞠目すべき外交的イニシアチブをとっていくのだろう、このように私は決意として伺いました。  小渕総理は、既に犠牲者ゼロ・プログラムを提唱しております。使用輸出をする国が残る中、そうした結果に向けた具体的な対策をとらない限り、単なる理想で終わってしまうのではないのか。じゃ、その意味で具体的に日本政府として犠牲者ゼロ・プログラムの実現のためどういうことをやろうとしているのかということを、まず町村政務次官にお聞きしたいと思います。
  148. 町村信孝

    町村政府委員 犠牲者ゼロ・プログラムの詳細につきましては、先ほど来から各先生から御指摘をいただいております。多国間における資金の援助でありますとか、あるいは二国間での資金の援助、あるいはより具体的な技術協力、あるいはリハビリ、あるいはその犠牲を受けられた方々作業所とか、働く場所とか、さまざまな形での協力があり得る、こう思っておりまして、そうしたものを最大限に努力することにより、そして、世界じゅうまさに犠牲者をゼロにしたい、そうした小渕総理の考え、日本政府の考えを実現していきたい、かように考えているところでありまして、そういう趣旨で、昨年の十一月、発表させていただいたわけであります。
  149. 東祥三

    ○東(祥)委員 今町村政務次官が言われたことをやることであるならば、別にこの条約署名あるいは批准しなくても十分できるのではないのか。先ほど総理が言われた、署名批准することによって地雷全面廃棄に向かっての行動をする、また発言していく、そういう根拠といいますか、そういうものを持つ、そういうふうに私は理解いたしました。  本来ならば、人道的に非難されるべき国というのは、この地雷輸出し、そしてその犠牲者を生み出している国なのではないのか。例えばカンボジアにおいて、具体的な例で言いますけれども、非難すべき対象の国だと僕は思いますが、中国が莫大な数の地雷を敷設している。中国に対して、日本政府として、カンボジアにもう既に敷設してしまっているものを断固処理すべきだ、こういう覚悟でこの問題を考えておられるのか、もう既にそういうことを要求しているのかどうなのか、これがポイントなのだろう、このように思うのですが、いかがですか。
  150. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、カンボジアに敷設されております地雷はもう既に敷設されてしまった地雷でございまして、我が国政府としましては、まず第一にこれ以上の輸出をとめるということで、この条約に入らない国に対しても輸出だけはとにかくまずとめるようにということで別の条約を働きかけておりまして、それがジュネーブの軍縮会議で交渉開始に近づいているという状況にあります。  実際に、中国からもし輸出されたものにつきましてどのような協力でこれを除去していくかということにつきましては、別途の国際協力を進める中で、中国その他の国にも積極的に参加していくように働きかけてまいりたいと考えております。
  151. 東祥三

    ○東(祥)委員 もう既に、中国が輸出したものでカンボジアに敷設されているものを撤去すべきだ、処理すべきなのではないのか、こういうことを日本政府は中国に言っていますか。
  152. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 私が承知する限りでは、具体的に中国に対してそのような特定の働きかけはしていないと承知しております。
  153. 東祥三

    ○東(祥)委員 なぜしないのですか。
  154. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 大変難しい質問でございますが、その点につきましては、国際的に地雷除去の必要性を強調し、それに対する国際協力の必要性を訴えるという流れ、盛り上がりを助けるという努力の中で行っていく必要があるかと考えております。
  155. 東祥三

    ○東(祥)委員 そうしますと、先ほど阿部審議官の方から、有力な手段の一つとして輸出させないということは、僕は、おっしゃられるとおりなのだろうと。ただ、日本外交政策としてあれほど総理が肝いりでやっている問題です。その条約それ自体に本当に効力を持たせるという覚悟を日本政府はしたのだろう、また、そのためにやっていくことが日本外交上よろしいことなのだろう、こういう判断をしているのだと思うのですね。そうであるとするならば、具体的にその条約が効力を発揮していくために日本のとり得る施策というものが一体何なのかということに来るのではないのか。  具体的に申し上げれば、ODAとの関連で、ODAの援助にこの地雷の製造、輸出、こういうものに関して関連づける、こういう考え方は日本政府は持っておりますか。
  156. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 政府のODAの実施に関しますODA大綱の中で、その国の大量破壊兵器などに関します政策その他を勘案してODAを実施するということが決められております。したがいまして、そのようなODA受益国の具体的な軍事分野での行動を勘案しながらODAの実施を行っていくというのが基本の方針であろうかと思います。
  157. 東祥三

    ○東(祥)委員 今度の条約批准によって、ODAの四原則、これもまたいっかちゃんと議論しなくちゃいけないのだと思うのですけれども、今阿部審議官がおっしゃられた意味で、今回の条約批准することによって地雷とのかかわり合いの中でODAというものをフルに利用していく、条約の目標実現のために日本のODAを使っていくという方向性なり方針なり、そういうことは確認されているのでしょうか、どうなのでしょうか。
  158. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 具体的に、ODAの実施につきまして、地雷に関するその国の活動、行動というものを直接結びつけるということは、現在の方針としてはございません。しかし、先ほど申しましたように、一般的なその国の軍事面における行動というものをODAの実施に関して勘案するということは基本であろうかと思います。
  159. 東祥三

    ○東(祥)委員 直接的な形で結びつけてはいないということなのですが、そうすると、先ほど総理が言われた、この条約署名しそして批准することによって、まさに地雷の全面廃棄に向けて、一つ日本の施策を行うことによっての担保といいますか、日本はこのように批准して頑張ろうとしているのだと。  じゃ、今度は具体的に何をもってその目標を達成しようとしているのか、そこが問題になってくると思うのですが、この点はどうなのですか。
  160. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 まず第一には、この条約署名をした国、日本も含めましてでございますけれども、早く批准して締約国数をふやすということが一つ努力でございます。どうしてもそれができないという国につきましては、ジュネーブで始めます輸出禁止を中心とした条約で少なくとも輸出はやめていただくということがあるかと思います。加えて、既に埋設された地雷の除去に関しましては、我が国のODAを中心とする協力を初めとしまして国際協力でこれを推進していくということかと思います。
  161. 東祥三

    ○東(祥)委員 町村政務次官、アジア地域に、この条約についてまだ署名していない国々が多数を占めています。特に目立つのは、中国、台湾、韓国、北朝鮮、そしてまたインド、パキスタン等でありますけれども、その中で、アジアの中で署名しているのは日本だけというふうに言っても過言ではないのではないのかと思うのですが、このアジア地域における他の国と日本とにおいては認識に大きなずれがあるのじゃないのか。どこでこういう差が出てくると町村政務次官は思われますか。
  162. 町村信孝

    町村政府委員 大変難しい御質問でございますが、日本も例えば台湾も島国でありますから、島国であるというのが唯一絶対の理由にはならないと思います。結局、それぞれの地域の安定度といいましょうか、日本も先般の北朝鮮のミサイルで決して安全な国ではないということがある意味では証明されたわけでございますが、それでもなおかつ、それぞれの国は、国境を接していたり、あるいは紛争の予兆のようなものを内在していたりということで、やはりそれぞれの国が、それぞれの国家の独立と主権を守るために私どもの感覚からすると明らかに過剰な軍備力を持っている、その一環としての地雷も持っている、使っているということではないのでしょうか。  もしかすると、他のアジア諸国より日本の方が、表現は不適切かもしれませんが、平和ぼけをしているという部分がやはりあって、しかるがゆえに、ある意味では地雷も率先して廃棄をしようという行動をとれた。しかし、私は、今回の条約を進めることは大変必要なことだとは思っております。思っておりますが、要するに、どれだけ自分の国が危険な状況に置かれているかというところの認識の差というものが、今回の条約批准といったものの態度の違いにあらわれているのではないだろうか、私はそう思います。
  163. 東祥三

    ○東(祥)委員 すごくおもしろい話ですけれども。そうすると、日本はどうなんでしょうか、安全保障上の脅威は別にほとんど感じない、そういうことじゃないのですか。
  164. 町村信孝

    町村政府委員 ちょっと誤解を生じたとすれば、それは大変失礼をいたしました。  私は、日本が決して何もしなくても安全な国などと全く考えておりません。必要な自衛隊というものをさらにより練度の高いものにしていく等々、我が国の平和と独立を守るための自衛力というのはさらに整備する必要があるということは、今般の北朝鮮のミサイルの事件でもより明らかになった、こう思っております。  ただ、多分、政府あるいは国民全体がどのくらい自分の国が安全かと考えているかという、そこの違いというものが、これは推測でありますから証明はできませんが、その辺が、例えば非常に一人当たりGNPが低い国であっても、日本の感覚からすると非常に軍備力の水準が高過ぎる。例えば北朝鮮のように、それこそ餓死者がどんどん出ているのではないかという情報がありながら、他方で核開発を進める動きをしたり、あるいはミサイルを打ち上げてみたりという、どう考えても、そこの軍事的な水準とその国の経済社会水準と比べてのアンバランスが大きい国々がアジアの諸国には非常に多いという意味で、それは多分、国民の安全というものに対する、国家の安全というものに対する意識の違いがそこに出ているのではないかという、これは私の個人的な推測でありまして、外務省はもしかしたらもっときちんとしたいい見解を持っているのかもしれませんが、私はそう考えております。
  165. 東祥三

    ○東(祥)委員 政務次官、国民というより指導者なのじゃないですか。指導者の安全保障に対する考え方が、安全保障に対しての考えの違いとして出てきているのじゃないでしょうか。これは、一般の国民の人は、日本の安全は、それは当然政府を主軸として、そして自衛隊が守ってくれるのだろうとおぼろげながら思っているはずですから、それをどういうふうに使おうとするのかという政治指導者の意識に依存してしまうわけですから。そういうことだと思いますけれども、その点についてはどうですか。
  166. 町村信孝

    町村政府委員 北朝鮮などを見ると、まさに国民の意識というのはどこにあるかわかりません、情報が余りにもありませんから。そういう意味では指導者そのものだろうと思いますが、長い目で見れば、やはりそれは国民の意識が指導者の政策、方針にあらわれてくるというのが通常の民主主義国家の原則でありましょうから、そういう意味で国民と申し上げたのですが、一義的にわかりやすいのは指導者の意識ではないかという委員の御指摘は、ごもっともだと思います。
  167. 東祥三

    ○東(祥)委員 中国が署名しなかった理由というのは、対人地雷がないと長い国境線を守ることができないというふうに私は聞いております。また、署名に積極的だった北大西洋条約機構、NATO加盟国などは、国境線が短くて、そもそも加盟国内での紛争は想定されていない、したがって対人地雷の必要性は極めて低い。一方、我が国は、長い海岸線を、これはいろいろ判断によるわけですけれども、決して数多いとは言えない陸上自衛隊で守ろうとしているわけです。少ない隊員しか配備できない地点に対して敵が上陸してきた場合、対人地雷で時間を稼いで、その間に有効な兵力を他の場所から差し向けるという戦術、これをとらないで国土防衛は可能なのかどうなのか。  先ほどの他の同僚議員に対しての答弁にありました、百万発なら百万発というのを持っている、それによって、日本の防衛のあり方、一つの戦術論というのがそれを通してわかるのではないのか、そういうふうに考えているのではないのか。それが、今回の対人地雷禁止条約批准することによって、日本安全保障上の戦術といいますか、それが基本的に変わったのかどうなのか、この点について、佐藤防衛局長お願いできますでしょうか。
  168. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 まず、ヨーロッパ諸国と我が国との戦略的な違いということは、これは一つはあると思います。特に地雷という面で見れば、欧州諸国の場合はむしろ対戦車地雷の方の依存度が大きい、こういうことは言えると思います。我が国の場合は、敵の侵攻があった場合に、対人地雷というものを使ってその侵攻をおくらせて、一つには時間的余裕を稼ぎ予備の部隊を投入する、あるいは敵をそこでくぎづけにすることによって撃破率を高めるとか、そういった防衛上の有効な手段である、こういうふうに我々は考えております。  しかしながら、今回こういう形で対人地雷禁止するということであれば、従来、対人地雷によって確保してきた機能を別のものでやはり確保していく必要があるだろう、こういうふうに私は考えております。そのために、対人地雷にかわる代替手段ということの開発に今鋭意取り組んでいる、こういう状況にございます。
  169. 東祥三

    ○東(祥)委員 対人地雷を破棄すれば、技術、戦術的に兵員をふやさざるを得ない、こういう非公式の自衛隊の幹部の発言が指摘されておりますが、国民の身体、生命、財産を守るという国家としての最低限の役割を考えれば、日本の防衛に穴があくことは決して認めることはできないと私も思います。  それでは、対人地雷の破棄をするならば、それにかわる、今防衛局長がおっしゃったような代替技術で対応しなければならないと思うのですが、技術、戦術的に兵員をふやさざるを得ないのかどうなのか。これは、新防衛大綱に基づく陸上自衛隊の定数削減、十八万人から十四万五千人体制への定数削減、これを変更する必要はないのかどうなのか、この点についていかがですか。
  170. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 この対人地雷というのは、いろいろな意味で、敵の侵攻をとめるに非常に有効ないろいろな特性を持っております。そういう点からしますと、これにかわる対人障害システムというものが果たして運用上どういうものになってくるかというのを見てみないと、具体的なことは申し上げられないと思います。  ただ、私ども今考えておりますのは、何とか新しい障害システムを工夫をして、また、それの運用に当たってもいろいろな工夫を講ずることによって、今先生がおっしゃったようなことにしないで対応をしていきたい、こういうふうに現在のところ考えているところでございます。
  171. 東祥三

    ○東(祥)委員 時間が来ましたので、また別の機会に質問させていただきたいと思います。ありがとうございます。
  172. 中馬弘毅

    中馬委員長 松本善明君。
  173. 松本善明

    ○松本(善)委員 外務次官に質問します。  地雷は、世界の六十数カ国に敷設されているものが、対人地雷で約一億二千万個。これは、世界では毎月二千人以上が死傷し、二十五万人の負傷者がいるということです。さらに、地雷除去作業で、千個から二千個を除去するたびに一名の割合で犠牲者が生まれている。こういうものですから、これはもう全面的に禁止すべきであると思います。  条約の前文には、「武力紛争の当事者が戦闘の方法及び手段を選ぶ権利は無制限ではないという国際人道法の原則、武力紛争においてその性質上過度の傷害又は無用の苦痛を与える兵器、投射物及び物質並びに戦闘の方法を用いることは禁止されているという原則並びに文民と戦闘員とは区別されなければならないという原則に立脚して、次のとおり協定した。」こう明記されております。  対人地雷禁止をされたのは、明記をされたこの前文の国際人道法の原則に反するからだと思いますが、外務次官の認識はいかがでしょうか。
  174. 町村信孝

    町村政府委員 委員指摘のあったこの条約の前文の一番最後の段落でございましょうか、「戦闘の方法及び手段を選ぶ権利は無制限ではないという国際人道法の原則、」という規定でございますが、私は、今回のこの条約は、まさにその考え方に立脚をしているということであって、特に人道上の観点から対人地雷全面禁止に向けた国際協力を支持してきた私どもの国の基本的な立場に合致するものである、こう考えております。そういう認識で臨んでおります。
  175. 松本善明

    ○松本(善)委員 今までは、特に防衛庁などの答弁、きょうも防衛庁長官は盛んに対人地雷効果を強調した答弁をしておられましたが、対人地雷の保有や使用は、これまでは防衛のためという理由で拡大されてきたと思いますよ。この条約によりますと、対人地雷については、防衛目的よりも国際人道法の原則が優先する、これを日本政府承認した、こういうことだと思いますが、いかがでしょう。
  176. 東郷和彦

    ○東郷政府委員 先生御指摘のように、この条約の前文に規定されております、「武力紛争の当事者が戦闘の方法及び手段を選ぶ権利は無制限ではないという国際人道法の原則、」これは一般国際法上確立した原則の一つであるというふうに考えております。  しかしながら、それではいかなる具体的な手段、内容というものがこの当事者が選ぶべきあるいは選ばざるべきものであるかというこの具体的な点につきましては、これは種々議論のあるところではございまして、今回の対人地雷というものは、そういう意味では、まさに条約をつくりその条約に加盟した国が対人地雷を使わないという義務を負うという、そういう限りのものというふうに考えております。  世の中の大きな流れというものは、先生御指摘のように、あるいは私どもが考えておりますように、この対人地雷廃棄対人地雷を使わないという方向に流れているという政治的な事実というのはございますけれども、法的には今のように考えるべきというふうに考えております。
  177. 松本善明

    ○松本(善)委員 この条約は締約国に関するものだということは当然ですが、この原則は、昨年四月に議論をいたしました特定通常兵器使用禁止制限条約、あのときは改正議定書ですけれども、本来、その条約にも同じようなことが国際人道法の原則として書かれております。  言うならば、国際人道法の原則というのば、国際法的には定着をしてきているのではないかというふうに思います。その趣旨の答弁もあったかと思いますが。現在ある地雷の中で、対人地雷が限定的に禁止の対象になったのは、この国際法の原則に真っ正面から反するからだと思います。  先ほど来防衛庁は、対人地雷を改良したり新型地雷開発をすると言っていますが、これは結局非戦闘員を巻き込むことになるのではないか、この条約の精神に反するのではないかと思いますが、政府はどう考えていますか。
  178. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 私どもとして、現在、代替手段として開発を考えておりますのは、まさにこの条約上の対人地雷に該当せず、一般市民に危害を与えるおそれのないものを考えているわけでございます。
  179. 松本善明

    ○松本(善)委員 対人地雷というのは、第二条の定義があります。ただ、条約に抵触しないから何をやってもいいというわけにはいかないと私どもは思います。  これは政府の方針として次官に聞こうと思いますけれども、昨年の四月にも議論したのですが、「国際連合と地雷」という国連の出したパンフレットがあります。その中で、当時のガリ事務総長は、「国連システムの諸機関は一致協力して、地雷使用貯蔵生産・移転の全面禁止を支持しています。」「世界禁止という広範な目標を積極的に追求しなければなりません。」当時の池田外務大臣も、そういう方向を追求しなければならぬということは答弁をされました。  日本政府としては、対人地雷のみならず、やはり地雷全面禁止と、そして先ほど来議論をしております国際人道法の原則が貫徹するように努力をするというのが日本政府のあり方でなければならぬと思いますが、外務次官、いかがお考えですか。
  180. 町村信孝

    町村政府委員 地雷には、私の素人考えでありますが、対人地雷と対戦車地雷というのがあろうかと思います。対戦車というのはまさに軍隊を相手にするというものでありますから、地雷一般をすべて禁止するのが妥当であるとは私は必ずしも考えません。
  181. 松本善明

    ○松本(善)委員 これは対戦車地雷でも対人地雷を回りにつけているのもありますね。そして、それが非戦闘員を殺傷するということももちろんあります。新型地雷で代替的なものも地雷類似のものになろうと思いますけれども、それも非戦闘員を傷つけるかもしれません。同時に、先ほども申しました特定通常兵器使用禁止制限条約では、こういうことも前文に書かれています。  先ほどのことも書かれていますけれども、「文民たる住民及び戦闘員は、この条約及びこの条約の附属議定書又は他の国際取極がその対象としていない場合においても、確立された慣習、人道の諸原則及び公共の良心に由来する国際法の原則に基づく保護並びにこのような国際法の原則の支配の下に常に置かれるべきであるとの決意を確認し、」ということで、非戦闘員のみならず戦闘員も含めて、この国際人道法の原則が貫徹するようにということをこの条約ではうたっているのであります。  我が国は、言うまでもなく、国際紛争は平和的な解決を原則とするという国であります。これは、世界の先頭に立ってこの国際人道法の原則が貫徹されるように、また国連で諸機関が求めているように、地雷の全面的な禁止という方向に一歩でも進めるというのが日本政府の態度でなければならぬと思いますが、外務次官はそのような考え方は反対ですか。
  182. 町村信孝

    町村政府委員 一般論でいえば、いかなる兵器であれ、それは多いよりは少ない方がいいだろうと思いますし、そういう意味で、核兵器軍縮に始まっていろいろなレベルの兵器軍縮努力というのが今行われ、あるいは輸出禁止努力が行われている。その流れでいえば、それは地雷も例外ではないだろうと思いますが、ただ地雷だから何でもとにかくやめればいいんだということには必ずしもならないのではないのかな、こう思います。あくまでも、その地雷の形態でありますとかあるいは目的でありますとかあるいは使用のされ方でありますとか、そういったことによって決まってくるのだろうと思います。  ただ、一般論として申し上げるならば、それは余りにも過大な兵器世界にあり過ぎますから、それをより縮小していく努力が必要であるというのがもし委員の御指摘であるならば、それは私はあえて否定するものではございません。
  183. 松本善明

    ○松本(善)委員 先ほど来も議論されていますが、九九年度予算概算要求で、自衛隊対人地雷廃棄のための四億円を計上する一方で、対人地雷にかわる代替システムの開発のための六億円と改良型兵器の取得のための三億五千万円を計上しております。私は、やはりこういうことはやめるべきだと思うのですが、その根本問題として聞きたいのは、一体自衛隊地雷あるいはそれの代替兵器を持つことの意味はどこにあるのか。  ソ連が崩壊をしてから、やはり世界安全保障の問題、平和の問題というのは根本的に変わってきていると思います。先ほど総理がおられたときにも少し申し上げましたけれども、日本に兵員を輸送して敵前上陸をしてくる、日本の海岸線に地雷を敷設する、そのことが必要になる国、そういうことを考え、そういう能力を持っている国、一体どこだというふうにお考えですか。  私は、防衛予算につきましても無限に金があるわけではない、やはり世界情勢を考えて、そしてどういうふうに金を使うかというのは当然、我々は、恐らく次官などとは考えが違いますけれども一次官など今の政府の考え方からしても、それは当然にそういうことが考えられなければならない。一体どこの国が、地雷を敷設しなければ日本を守れないような対象になるのですか、どういうことを考えているのですか、お答えいただきたい。
  184. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 私どもといたしましては、まさに日本の国の平和と安全を守るという観点から防衛力を整備し、日米安全保障体制、こういったものでもってそれに対応しよう、こう考えているわけでございます。  それから、防衛の考え方といたしましては、特定の脅威等々を念頭に置くのではなくて、むしろ独立国として最小限の基盤的防衛力を整備していく、こういう考え方で我々としては防衛体制を整えているということでございます。
  185. 松本善明

    ○松本(善)委員 こういう答弁があるから、審議はやはり外務大臣がいたときでなければだめだ。それから、連合審査の要求もありました。あのようなことではないのですよ。やはり今何を政府は考え、どういう場合に備えて地雷の代替兵器が必要だ、そこへ国の、国民の税金を使うのはなぜなんだ、このことを明らかにしなければならないのですよ。そういうことの答弁が大臣や次官からされるべきなんです。こういうことの答弁を防衛庁の防衛局長に任すというような姿勢そのものが間違っている。次官、そう思いませんか。
  186. 町村信孝

    町村政府委員 日本の防衛力のあり方について先ほど局長が答弁をいたしましたが、今まで大体あの答弁で一貫をしておりますから、事改めてここで新しい議論をするつもりもございませんので、あえて局長が答弁をされたわけであります。  しかし、どんどん議論をもし委員のように進めていけば、極端なことを言えば自衛隊は要らないとまでおっしゃるのかなとさえ私にはちょっと聞こえてまいりました。もしかしたら私の誤解かもしれません。やはり国というものが一定の力を持ち、自衛力を持ち、国家の安全と独立を維持するために必要な諸要素というのがあるわけでありまして、その際に、その構成要素の一つ地雷であるかもしれないし、あるいはそれにかわるものかもしれませんし、そして戦車とか飛行機、もろもろある。それは常に具体的にどこの脅威を想定して、それは図上ではいろいろ考えますけれども、しかし具体的に、じゃあA国ですか、B国ですか、C国ですか、C国のどういう軍隊がどうですかと、それを全部一々想定をしなければ自衛隊の構成、兵器というものができないかといえば、決してそんなことはないのであります。  私どもが必要最小限、まさに限られた予算の中で最も効率の上がる防衛体制というものを日米安保を前提としながら常に維持する努力をしているというのが基本姿勢であることは、もう言うまでもないと私は考えております。
  187. 松本善明

    ○松本(善)委員 私は、やはりそういう一般論でお答えになるということ自体が今の時代ではだめだと思います。私は、別に一般論があなたと一致するとは思いませんけれども、そのことは当然そういうふうに考えておられるということは前提にしながら、この地雷の問題について一体なぜそんなに必要なのかということを言っているわけです。これ以上お聞きしましても恐らく答えがないと思いますので、次へ移ろうと思います。  先ほど総理大臣にお聞きをしましたら、米軍の対人地雷は極東の平和と安全のためにあるという趣旨のことを答えられました。それは日本の防衛のためということよりも、これは私は、米軍は極東の平和と安全のためということで総理がお答えになったということは、先ほど来もいろいろ議論されていますけれども、これは率直に言って朝鮮で使う、あるいは海外で使うというものではありませんか。外務次官はどのように認識をしていらっしゃいますか。
  188. 東郷和彦

    ○東郷政府委員 お答え申し上げます。  米軍の対人地雷を所有する政策に関しましては、これまで米国の方から公に発表された政策というのがございます。そのうちのポイントは既にきょうもお答え申し上げている次第でございますけれども、一つの点としましては、二〇〇三年までに朝鮮半島以外でのすべての対人地雷使用を中止するという点がございます。それからさらに、二〇〇六年までに朝鮮半島での対人地雷の代替兵器開発を目指す、そういう代替兵器開発等の条件が整えば二〇〇六年までにこの条約署名するというような諸点が米国の政策と承知しております。  以上申し上げた米国の政策からも、米国が対人地雷を今持っているのが何を目的としているのかということについては相当明らかに理解できるのではないかと考えております。
  189. 松本善明

    ○松本(善)委員 今条約局長の言ったようなことは、米軍のインターネットにもありますから皆承知をしています。問題は、やはりその目的については承知していないということですね、今の答弁は。違っていたらちょっともう一回答弁して。  米軍が対人地雷を持っている目的は、私は朝鮮半島とか海外での干渉用のものではないかというふうに思いますけれども、それについてはどういう答えをしたのですか。
  190. 東郷和彦

    ○東郷政府委員 明確でなくて申しわけなかったと思いますが、まさにここに挙げられているような諸点、すなわち朝鮮半島における事態等を念頭に置いて米軍が対人地雷を所有しているというふうに私も理解しております。
  191. 松本善明

    ○松本(善)委員 もしそうだとすると、私は、この条約最初に議論をいたしました国際人道法の原則、朝鮮半島に居住している人たちに対しては一体そういうものは考えないでいいのか。アメリカは条約批准していませんから、これは、米国のことは米国です。日本はやはりそういうことについて、この国際人道法の原則を承認した国としてやはり、このアメリカ軍の対人地雷撤去をせよ、アメリカがほかへ持っていくのならこれはまた別の問題ですけれども、我が国の主権の範囲内において今回の条約の精神に反するような使い方をするという前提であるこういう地雷撤去をすべきであるということの外交交渉をするのは当然ではないかと思いますけれども、外務省はそういうようなことは議論したことがないのですか。
  192. 阿部信泰

    ○阿部(信)政府委員 米国の持っております対人地雷の取り扱いにつきましては我が国と米国政府の間で不断に協議をしておりますが、米国自身、この条約署名すべきか否かということについては大変国内でも議論があったようでございます。  そもそも、対人地雷禁止の運動というのがアメリカを一つの中心としてスタートをしたわけでございまして、それだけに米国政府としても、できるだけ対人地雷というものは早く使用をやめたいということで考えております。でありますけれども、現在の朝鮮半島の厳しい国際情勢というものを踏まえまして、二〇〇六年までは代替措置の開発に要するということで、それ以後にできるだけ早く批准をして締約国となりたいというのが米国の政策と理解しております。
  193. 松本善明

    ○松本(善)委員 時間が来ましたので終わろうと思いますけれども、朝鮮半島で使っても、これはやはり朝鮮の住民の、子供でありますとか女性であるとかが犠牲になることには変わりないのですよ。今回の条約批准するということは、この国際人道法の原則を貫徹しようという意思表示だと私は思います。  そういう点でいいますならば、先ほど総理にも申しましたけれども、少なくとも、各加盟国をふやすということも大事ですけれども、我が国の主権の及ぶ範囲内において米軍もこの対人地雷撤去するという外交交渉を強力に進めるべきだということを要求して、私の質問を終わります。
  194. 中馬弘毅

    中馬委員長 次に、伊藤茂君。
  195. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 短い時間ですが、二、三質問をさせていただきます。  非常に国民的にも国際的にも関心の高い本条約でございまして、この条約批准の後、いろいろな意味効果的な展望がなされるように期待を込めているわけであります。  同僚議員質疑を伺っておりますと、質問なさる方と答弁する方にもさまざまの幅があるということもございます。また、質問なさる同僚議員方々にも意見の幅がございます。  私はこれが現実だろうと思いますが、やはり今必要なことは、ポスト冷戦のアジア、非常に重要な役割を持っている日本ということでございますから、やはり国民の理解をベースにしながら、現実、外交安全保障の問題ですから、いろいろな意味での展望と理想、目標を持たなければなりません。と同時に、やはりすぐれた現実性を持って現実からスタートをする、その道のりをどうつけるのかが私どもの仕事、課題ではないだろうかというふうな気持ちがいたします。  そんな気持ちで考えながら、まず政務次官に伺いたいのですが、朝から質疑がございましたように、みんな、国民の歓迎の中で小渕外務大臣調印をなさった、署名をなさった。あれから予想以上に長い長い期間かかった。その中の一つの原因は、一つの問題は、やはり日米安保条約下、アメリカの立場あるいは在日米軍立場我が国の調整というものがどうできるのかというのが幾つかの中の一つであったことは事実だと思います。  そういうことを考えますと、現実には日米安保条約があります。あるいはアジアの安全保障についてはアメリカが、例えば朝鮮問題など、米朝交渉などさまざまの努力をしている。日本もさまざまの打開をしなくちゃならぬというふうなのを持ちながら、その過程の中で問題が起きているというふうなことになるわけでありまして、当面の対応と同時に、やはりさまざまの、先に向けたプログラムを持ちながら努力をするというのが必要だろうと思います。  その当面の面で見ますと幾つかあるわけでありまして、その中の一つには、日本国内在日米軍が所有している対人地雷の問題、これは、日本国内で米軍の地雷使用されることは認めないというのは当然のことだと思いますし、輸送の問題の議論がございました。米軍の地雷及び部品につきまして日本民間業者輸送しないということになったというふうにも聞いているわけでございますけれども、それらについての措置をどうなさったのか、まず伺いたい。
  196. 町村信孝

    町村政府委員 御指摘のように、日米安保条約というものを前提にしながら、日米外交当局間等々で相当何度もやりとりがあったわけでございます。最終的には、九月十六日ワシントンで、国務省と外務省との間でのやりとりで大体の方向が決まったというところでございます。  もう今委員御承知のとおりでございますけれども、日本としては、対人地雷禁止条約上、在日米軍による対人地雷貯蔵、保有、使用開発生産及び移譲活動を防止、抑止する義務は負っていないわけであります。しかし、日本政府の政策判断として、在日米軍による対人地雷貯蔵及び保有は引き続き認める。貯蔵、保有は認める、他方、使用開発生産はだめですよ、こういうことで日米間で合意をいたしました。  なお、輸送につきましては、在日米軍による対人地雷貯蔵、保有に関連をして、自衛隊とかあるいは民間業者による在日米軍対人地雷輸送はだめですよということでこれまた合意を見たところでございまして、ではだれが輸送するのかといえば、米軍みずからこれは輸送してもらう、こういうことで日米間の合意を得たところでございます。
  197. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 当面の問題と同時に、展望を持った、長期の展望というよりも、ではこれから先どんな努力をしていくのかなという面が必要ではないだろうかというふうに思います。  その中の一つとして、我が国はさまざまのハイレベルな技術などを持っているわけでございますから、地雷除去のための技術、機材などの輸出の問題、協力の問題がございます。それから、いろいろな意味で、こういうことにかかわってNGOとか民間とかいろいろな方々努力をなさったり発言をなさったりしている、こういうことも私は大いに尊重し、大切にしたいというふうに思うわけであります。それと、武器輸出三原則との関連などもいろいろと報道され、この経過の中で御議論があったというふうなことになるわけであります。  私は、国際的に日本が、対人地雷のない世界にしていく長期の目標に向けてさまざまな意味での協力努力は積極的になされるべきだというふうに思いますが、一部懸念で、それがその目的以外に使用された場合とか、あるいは他国で別の技術に使われるような輸出があった、技術が使われた場合には困るということは当然あるわけでありまして、これらをどのように担保するのか、あるいは目的以外に使用されないように検証するのかというふうな措置も必要ではないだろうか。言うならば、積極的な努力はしなくちゃならぬし協力もしたい、と同時に、変なことにならないようにセーフガードをしなければならないというふうに思いますが、それはいかがでしょうか。
  198. 町村信孝

    町村政府委員 武器輸出三原則との関連につきましては、昨年の十二月二日に、官房長官談話という形で、人道的な対人地雷除去活動に必要な機材、技術等については、これを、一定条件のもとで、武器輸出三原則等によらないこととするということを決めたわけでございます。  その際に、今委員指摘のように、それでは、その中には汎用品もあるだろうから、他の目的に使われたらどうなるのかというような懸念が当然出てくるわけでございますけれども、実際問題といたしましては、当該武器等を人道的な対人地雷除去活動のみに使用されるという前提で相手国と合意をするわけでございますから、輸出相手国政府等と日本政府等との間の国際的な約束、それは本当にぎりぎり、どこまでかというのは、一〇〇%とはあえて申し上げがたいところもありますが、しかし、やはり基本的には、国際的な約束によってそれは担保されるべきものであろう、こう考えております。
  199. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 もう一問だけお伺いいたしますが、先ほど来の議論を聞きながら考えたのですが、代替兵器と言うのか代替技術と言うのかという議論がございました。  防衛庁の皆さんとの質疑を聞いておりましたら、極めて防衛庁らしいというのか、そういうふうな答弁をなさっているということになるわけでございますけれども、私は、これは我が国安全保障、独立国家ですから、自衛権は持っている国ですから、やはり、国と国民の安全は守る、これは当然のことでございまして、それらの措置について、政府が、また私どもが責任を持つということも言うまでもございません。  ただ、これは、この二十世紀の、長いさまざまなことがあった歴史の繰り返しであってはならないと思いますから、やはりポスト冷戦のこれからの時代にふさわしい、全体的な、総合的な政策判断、総合的な安全保障の政策判断のもとに、防衛面でどうなのか、外交面でどうなのかということがまさに非常に重要になっているというふうなことだと思います。  それから、ヨーロッパにおきましても、OSCEのすべての国が参加したさまざまの努力がございます。と同時に、何か大きな問題が起こったときには、NATOの出動とかいうふうな問題もある。それは、しばらくの間共存しながら努力をして、次の時代を考えるというようなことだと思いますが、アジアの場合には、ワンテンポかは時代がおくれ、まだ残念ながらそこに至っていない、複雑な、多様な状況にあるということにも実はなるわけであります。  それらを考えますと、やはり先ほど来あったような代替技術、例えば、この四年間のうちに、それにかわるあるいはそれと同じような効果を持った別の手段を考えるという発想でいくのか。もっと総合的なアジアの安全保障の角度の中で、目の前に攻めてくると仮定される、仮想される国はない状態、今だって私はないと思いますけれども、そういうものを考えるというようなことが必要ではないだろうかという外交努力が優先いたしませんと、非常にまずいと思いますし、また、例えば悪いのですが、ノースモーキングの時代になったらその後にドラッグの時代があったとかといったことではかなわぬわけですから、そういう意味での知性というものが非常に大事なのではないだろうか。防衛庁との間の防衛論争というよりも、そういう視点が持たれるべきであろう。  政務次官の御見識をちょっと最後に伺いたい。
  200. 町村信孝

    町村政府委員 アジアにおきましても、まだEC、EUほどのきちんとした国際的な枠組みはできておりませんが、それでもASEANリージョナルフォーラムを初めとしてかなりそういう意味の対話の萌芽というものが出始めている。こうした面をいろいろ活用しながら私どもとしても国際的な外交努力をやっていくということは当然まず大前提であるということは、伊藤先輩御指摘のとおりだろうと私も思います。  しかし、しからば、それでは現実の防衛というものを考えたときに、先ほどどなたかの委員が、空白期間をどうするんだという御指摘もありましたが、やはりできるだけ空白はつくりたくないという思いで代替の手段を短い期間で開発をしようという努力を、やはり現実というものを踏まえたときに防衛庁がするのは、それもまた当然であろう、こう思っておりますので、私は、当面の対応としての代替手段の開発と、それから別途外交手段で、外交によって日本の平和を維持発展をし、アジアの平和をつくり上げていく努力というのは、決して相矛盾するものではなくて、同時並行的に行われてしかるべきではなかろうか、かように考えます。
  201. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 まだ議論はありますが、時間ですから、終わります。ありがとうございました。
  202. 中馬弘毅

    中馬委員長 これにて質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  203. 中馬弘毅

    中馬委員長 これより本件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  204. 中馬弘毅

    中馬委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  205. 中馬弘毅

    中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  206. 中馬弘毅

    中馬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十五分散会      ――――◇―――――