○竹村泰子君 今参議院では行財政改革・税制等特別
委員会が開かれておりまして、
大臣、毎日御苦労さまでございますけれ
ども、そういう合間を縫って私
どもは今国会中に、先日は厚生省、通産省、そして総務庁などにこの
委員会においでいただいたのですけれ
ども、何といったって官庁の中の官庁と言われる
大蔵省をお呼びしなければやはり私たちの役割は果たせないだろうということで、ずっと折をねらっていたわけでございます。
理事会では
委員長に御努力をお願いいたしまして、きょう突如として時間があいたということでこの
委員会、
大蔵大臣においでいただいて開くことができたわけでありますので、私たちも十分な準備ができていない、しかも時間が二時間しかないということで、我々の
質問時間も非常に短いものですからなかなか思ったようなことが言えないと思いますけれ
ども、幾つか時間の許す範囲でお聞きしてみたいと思います。また、残りました分につきましては折を見て何かのときに
質問させていただきたいと思います。
大阪の朝日新聞、これは大阪版だけなんですけれ
ども、こういう報道を見つけました。「関西
金融再編に影響も キーマン二人姿消す」、こういう見出しなんです。キーマン二人というのは、言うまでもなく杉井孝
大臣官房審
議官と墳崎敏之近畿財務局長のお二人で、関西の
金融再編のキーマンと見られていたという報道であります。
大臣はよく御存じのとおりでありますけれ
ども、杉井氏は銀行局審
議官として中小
金融分野を担当、同年十一月、第二地銀の阪和銀行に銀行として戦後初の業務停止命令を出す決意をされた。また、昨年は、預金保険法改正のために奔走をなさったというふうにお聞きしております。今回の
処分で杉井氏は、
処分を受けた後に自主退職をしていらっしゃいます。墳崎氏は
官房付となり、キーマンが二人いなくなった関西の
金融界は非常に大きなショックであったというふうに見られているわけであります。
私が何を言いたいかといいますと、
接待王と呼ばれるような、すごい
接待の洪水を毎日毎日受けておられたこの方たち、キャリアの方たち、もうラーメンが食べたいよと。毎日毎日宴会の料理はもう嫌だよ、僕はラーメンが食べたいよとおっしゃるくらいの
接待漬け攻勢であったということであります。
接待を受けられる官僚はできる官僚なんだという、関西
金融界のキーマンとか、あるいはもうお一人お一人お名前は挙げませんけれ
ども、さまざまな
接待漬けになっておられた方たちは仕事のできる人たちだった。仕事のできる人間にお座敷がかかるのは当たり前だろうと自負しておられたと。これは杉井さん御
本人がおっしゃった言葉だそうです。それは当然のことだろうと。私の目に触れたのは朝日の大阪版の記事でありますけれ
ども、他紙も大阪紙面ではこのような記事が出ていたのではないかと思います。
この
接待王たちの自負といいますか傲慢といいますかおごりといいますか、こういうことが
大蔵省の常識になっていたというふうに私
どもは思います。その
大蔵省の常識がこういった腐敗を呼び、キャリアの犯罪を呼び、そして
大蔵省のみならず
省庁のキャリアたちの犯罪が次々と暴露されている、露呈しているということではないかと思うんです。
大蔵省の体質となっているということになりますと、露呈するのはこれは交通事故と同じで不運だったと。みんなやっているのに当たり前のことなのに。私
どもがいただきましたこの
処分の名簿、そして
処分事由、
処分内容を拝見しても、百十二名の方たちの
処分事由というのをずっと読んでおりましたらそういう感がするのであります。まさに
接待されるのは、できる人が当たり前のこととして、当然のこととして
接待を受けている。露呈したのはほんの不運な人であってというふうな言い方を私たちは聞くわけであります。
こういうことで、杉井さんについては一番重い停職四カ月ですか、これは非常に重い
処分だったというふうにおっしゃっておりますけれ
ども、こういう体質が果たしてこれらのことで今日是正されてきているのだろうかと非常に私は疑問に思うわけであります。
今回の
処分で、
松永大蔵大臣は、当初は事務当局の案を見た上で自分で
判断するという態度で臨んでおられた。首相や自民党幹部の感情を探っておられるうちに、事務当局主導による従来の
処分の延長線では首相官邸が納得しないという
判断に達しられたというふうにお聞きしております。
橋本龍太郎首相は、小村前事務次官に辞表を持ってこいとおっしゃったと。三塚前
大蔵大臣が
金融検査をめぐる汚職
事件の
責任をとって
辞任をされた。このとき小村さんと武藤敏郎
官房長は居座りを決め込むつもりだったといううわさを聞いております。監督
責任を名目にして、次官、
官房長に戒告程度の
処分をするという案をつくり、橋本総理のところに持っていった。このときにはまだ
松永さんは蔵相におなりになる前ですから、橋本さんに持っていったと。当時、それに対して総理の怒声が飛んだわけでありまして、小村、武藤両氏は
辞任を申し出たのに対して、武藤氏については立て直しのため残れという命令を出されたと、こういうふうにお聞きしておりますが、
大蔵大臣、これは事実と違いますか、どうですか。