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1997-03-03 第140回国会 衆議院 予算委員会第八分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会平成九年二月二十五日(火曜日)委員 会において、設置することに決した。 二月二十八日  本分科員委員長指名で、次のとおり選任さ  れた。       高鳥  修君    藤井 孝男君       村山 達雄君    太田 昭宏君       西川 知雄君    海江田万里君 二月二十八日  藤井孝男君が委員長指名で、主査選任され  た。 平成九年三月三日(月曜日)     午前十時開議  出席分科員    主 査 藤井 孝男君       菅  義偉君    高鳥  修君       村山 達雄君    一川 保夫君       太田 昭宏君    西川 知雄君       福島  豊君    海江田万里君    兼務 木村 隆秀君 兼務 小林 多門君    兼務 田中 和徳君 兼務 田中 昭一君    兼務 山口 泰明君 兼務 島   聡君    兼務 中野  清君 兼務 松崎 公昭君    兼務 大森  猛君 兼務 秋葉 忠利君    兼務 上原 康助君  出席国務大臣         建 設 大 臣 亀井 静香君  出席政府委員         建設大臣官房長 小野 邦久君         建設省建設経済         局長      小鷲  茂君         建設省都市局長 木下 博夫君         建設省河川局長 尾田 栄章君         建設省道路局長 佐藤 信彦君         建設省住宅局長 小川 忠男君  分科員外出席者         警察庁刑事局暴         力団対策部暴力 宮本 和夫君         団対策第二課長         沖縄開発庁振興         局振興第一課長 榎本 晶夫君         国土庁計画・調         整局調整    谷口 博昭君         大蔵省主計局主         計官      村瀬 吉彦君         林野庁業務部業         務第二課長   高橋  薫君         資源エネルギー         庁公益事業部業 染川 弘文君         務課長         中小企業庁小規         模企業部小売商 近藤 賢二君         業課長         建設大臣官房会         計課長     倉林 公夫君         参  考  人         (住宅都市整 増山 雍二君         備公団理事)         予算委員会調査         室長      大坪 道信君     ————————————— 分科員の異動 三月三日  辞任         補欠選任   高鳥  修君     大村 秀章君   村山 達雄君     菅  義偉君   太田 昭宏君     松浪健四郎君   西川 知雄君     福島  豊君   海江田万里君     池田 元久君 同日  辞任         補欠選任   大村 秀章君     高鳥  修君   菅  義偉君     村山 達雄君   福島  豊君     中川 正春君   松浪健四郎君     太田 昭宏君   池田 元久君     鉢呂 吉雄君 同日  辞任         補欠選任   中川 正春君     一川 保夫君   鉢呂 吉雄君     海江田万里君 同日  辞任         補欠選任   一川 保夫君     西川 知雄君 同日  第一分科員小林多門君、松崎公昭君、第二分科  員田中昭一君、秋葉忠利君、上原康助君、第四  分科員木村隆秀君、大森猛君、第五分科員田中  和徳君、島聡君、第七分科員山口泰明君及び中  野清君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成九年度一般会計予算  平成九年度特別会計予算  平成九年度政府関係機関予算  (建設省所管)      ————◇—————
  2. 藤井孝男

    藤井主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。  私が、本分科会主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。  本分科会は、総理府所管国土庁並び建設省所管について審査を行うことになっております。  なお、両省庁所管事項説明は、両省庁審査の冒頭に聴取いたします。  平成九年度一般会計予算平成九年度特別会計予算及び平成九年度政府関係機関予算建設省所管について、政府から説明を聴取いたします。亀井建設大臣
  3. 亀井静香

    亀井国務大臣 建設省関係平成九年度予算について、その概要を御説明いたします。  まず、一般会計予算は、六兆七千七百八十七億円を計上いたしておりますほか、道路整備特別会計治水特別会計都市開発資金融通特別会計特定国有財産整備特別会計について、それぞれ所要額を計上しております。  また、財政投融資計画については、当省関係公庫公団等分として十五兆四百七十九億円を予定しております。  建設省といたしましては、以上の予算によりまして、二十一世紀に向けて、豊かな生活と活力に満ちた経済社会を構築するための基盤となる質の高い住宅社会資本整備を的確に推進してまいる所存であります。  特に、平成九年度におきましては、計画的な事業推進を図るため、治水事業五カ年計画を新たに策定するとともに、事業の効率的、効果的な実施を図りつつ、電線類地中化など当面する政策課題に対応した住宅社会資本整備を戦略的、重点的に推進していくことといたしております。  具体的には、  高規格幹線道路網地域高規格道路整備、空港、港湾等へのアクセスの強化など次世代の活発な経済社会活動の展開のための交流基盤整備  電線共同溝による電線類地中化など情報ハイウエー整備やITS(高度道路交通システム)の開発などマルチメディア社会に対応した新たな社会資本整備  水と緑のネットワークの形成、ふるさと下水道整備防災公園等整備高齢者障害者に優しい町づくり床上浸水解消対策交通渋滞対策など快適な暮らしが実感できる生活環境の創出  良質な公的住宅の的確な供給都心居住促進対策高齢者向け住宅供給推進、優良な宅地開発促進など住まいの豊かさを実現するための住宅宅地整備  道路橋、堤防、住宅等の補強、土砂災害対策のり面防災対策推進密集市街地整備など安全で安心できる地域づくり町づくり推進に焦点を置くことといたしております。  なお、事業別重点施策概要につきましては、お手元に配付しております平成九年度建設省関係予算概要説明によりまして御承知を願いたいと存じます。  以上、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  4. 藤井孝男

    藤井主査 以上をもちまして建設省所管についての説明は終わりました。     —————————————
  5. 藤井孝男

    藤井主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げます。  質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林多門君。
  6. 小林多門

    小林(多)分科員 私は、日ごろから亀井建設大臣を尊敬し、また何かとお世話になっておりますので、大臣関係局長の顔を逆なでするような質問はいたしません。しかし、幾らお世話になっているとは申しながらも、正々堂々とただすべきはただし、改めていただかなければならない点についてはずばり指摘をさせていただいて、私の公約実現のためにひとつ全力を挙げて質問をいたしますので、御協力のほどをお願いを申し上げたいと思います。  私の質問のまず第一点は、中央道高井戸料金所から八王子インターまでを首都高速道路に移管できないかということであります。  私が何ゆえにこのような質問をしますかと申しますと、大臣も御案内のとおり、例えば多摩都民皆さんが用があって新宿都庁舎に来るときに、八王子インターチェンジで、あるいは国立のインターチェンジで、そして調布のインターチェンジでまず中央道料金六百円を払います。そして、高井戸に参りまして今度は首都高速道路料金を七百円払います。合わせて千三百円を払わないと、私ども多摩都民新宿都庁舎に来ることはできないのであります。  しかし、同じ都民でありながら、二十三区のいわゆる特別区の都民皆さん首都高速道路の代金七百円を払えば、これが品川であろうと大田区からであろうと、あるいはまた江戸川区からであろうと、新宿都庁舎に来ることができるわけでありまして、まさにこれは私どもがよく言う二十三区と多摩の格差を象徴する典型的なものではないかな、このようこ思うわけであります。  私は、中央高速道路高井戸から八王子までをぜひ首都高速道路に移管していただきたい、このように思うわけでありますが、大臣の御見解をまずお伺いをいたしたいと思います。
  7. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 ただいま先生のおっしゃられました中央自動車道、これは西の方から高井戸まで、それから首都高速については高井戸から都心部といったことを供用しております。首都高速供用でございますが、これは当初は都心から大体七キロから八キロぐらいの範囲で進められてきたわけでございますが、その後、都市圏の拡大に伴いまして二十キロ以上の範囲に及ぶといった形になってきております。  そういった中で、都市高速路線につきまして、既存のネットワーク料金圏をそのまま広げておきますと、同一料金圏の中におきます利用距離が著しく違ってくる場合が生じてきます。これが利用者間の公平性の見地から、やはり独立した料金圏を設定していかなくてはならない。したがいまして、広がっていった場合には、ある程度大きな範囲で幾つかの料金圏といった形で検討させていただいております。  この中央道路線の場合でございますが、よその首都高速で行っているところにつきましても、現在、新宿から横浜、この間におきましても、東京区間とそれから横浜区間を合わせますと千四百五十円。それから五号線などにつきましても、池袋線でございますが、これも和光までが千二百円と、首都高速整備している路線も大体同じぐらいの料金になっているかと思います。  したがいまして、この区間につきましては、管理主体は違っておりますが、これを首都高速に変えたにしましても恐らく同じぐらいの料金の設定になるかと思いますので、国民としての不公平感は余りないのではないかというふうに思っております。
  8. 亀井静香

    亀井国務大臣 今局長がお答えしたことがいわゆる現実の負担の面についてのお話だと思いますが、私は、委員が御指摘料金の問題もさりながら、首都圏を一体的に高速道路網整備をしていく場合に、その主体が今のままでいいのかどうかという問題は、料金の問題以外の問題もあろうかと思いますし、また、ほぼ違わないという局長答弁をしておりますけれども、そのあたりの負担感公平性ということも重要だと思いますので、委員が御指摘の点は、今直ちにというわけにはまいりませんが、将来の問題としては全体の中で検討していく課題だ、このように思っております。
  9. 小林多門

    小林(多)分科員 今の御答弁を聞いておりますと、中央高速道路首都高速に移管するということはなかなか困難である、このようなことのようでありますけれども、それでは、もう少し具体的に私は数字を挙げて申し上げてみたいと思います。  首都高速道路埼玉県の戸田市から羽田までの三十九・四キロを利用しても七百円。中央高速道路に接続しております高井戸から新宿まで、わずか八キロであります。しかし、これも七百円。これはまさに不公平ではないかな、建設大臣、このように私は思うわけであります。  それで、多摩都民が不公平、割高である、このように思われないような料全体制に早急に改善すべきである、このように私は思うわけでありますけれども、具体的な解決方法があるのかどうか。ありましたら、ひとつこの際、お聞かせをいただきたい、このように思います。
  10. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 首都高速道路におきましては、大量交通を円滑に処理するといったことが利用者サービスの観点から非常に大事な問題でございます。そういったことで、均一料金といった形で、乗るときに料金を徴収して、後はフリーといったスタイルをとっております。  このような形でいきますと、やはりその中で行っていきますと、広いある程度の料金内におきましては、近いところは割高になるし、それから遠いところにおいては割安になるといった状況が起こってくるわけでございますが、これを解決するには、基本的には対距離料金にしなくてはならないということになります。ですが、これを行いますと、先ほどの利用者サービスの点では、渋滞等を起こして問題が起こるといったことで、基本的には、やはり均一料金で行っていくといったことが基本の線かと思います。  ですが、最近の状況といたしましては、特に道路審議会中間答申でいただいている中にありますが、新しい料金収受方法といたしまして、ノンストップ自動料金収受システムというのを現在検討しております。これによりますと、対距離料金に沿った比較的きめの細かい対応ができるのではないかといったことで、これのシステムについて現在検討も進めており、試行に入っていきたいといった状況でございます。
  11. 小林多門

    小林(多)分科員 ただいま佐藤局長から、ノンストップ自動料金収受システム、このような機械を導入されるということのようでありますけれども、この機械については、既に研究開発がされているでしょうか。また、もしされているとするならば、一体いつごろを目標に、何年後を目標にこの機械を導入するようになるのかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
  12. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 このシステムは、電波によります無線通信技術を用いまして、有料道路料金所で車がとまらず料金収受が行われるといったシステムでございまして、平成七年度に建設省道路公団民間企業の十グループと共同研究を行ってきたところでございます。  現在、その結果等を用いまして、我が国に導入すべき仕様につきまして、関係省庁といろいろ相談しながら検討しているところでございます。  今後は、必要な試験を行うとともに、このシステム仕様決定とか公表、それから、これについてはやはりいろいろな機器が調達できなくてはなりませんので、そういった調達を経まして、平成十年度中を目途にしまして実用化検討していきたいというふうに考えております。  そういったことで、これからそういったものを前向きに進めていきたいというふうに思っております。
  13. 小林多門

    小林(多)分科員 ぜひひとつ、この機械を早急に入れて、多摩都民あるいは多くの皆さんが不公平と思われることのないように早急に対策をしていただきたい、このように思うわけであります。  それでは、次に進ませていただきます。  次は、首都圏中央連絡道路、いわゆる圏央道についてであります。  圏央道は、歴代の建設大臣建設省皆さん方の大変な御努力によりまして、既に東京青梅市から埼玉県鶴ケ島までは完成をいたしまして、今利用されているわけであります。  また、東京都内青梅市から八王子市の間の約二十二・五キロについても、今まさにつち音高くその工事が行われているわけでありますが、その工事進捗状況と、平成何年度を目標にこの工事完成をされるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  14. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 首都圏中央連絡自動車道通称圏央道と言っておりますが、これは東京都心よりほぼ四十キロから六十キロぐらいの位置に計画されております環状の二百七十キロの高速道路でございまして、首都圏の機能を一層高める上でも非常に大事な路線でございます。  先生がおっしゃられましたように、東京埼玉県境から関越道までの約二十キロの区間につきましては、平成八年三月に圏央道として初めて供用を開始したところでございます。  東京都区内のうち、国道二十号から埼玉県境までの延長二十二・五キロ区間につきましては、平成元年三月に都市計画決定し、平成二年度より用地買収に着手して、現在、秋川市及び青梅市で工事を進めているところでございます。その場合に、用地買収が済んだところから逐次工事を進めてきております。平成七年度には八王子市につきましても工事を着手したところでございまして、今後引き続き地元皆さんの御理解と御協力を得て、事業促進していきたいと思っております。  その中で、なるべく早く早期供用を図れるよう努力していきたいというふうに思っております。
  15. 小林多門

    小林(多)分科員 私は今、平成何年度ということでお尋ねをしたのですけれども、なるべく早くということでございますけれども、ぜひ全力で頑張っていただきたい、このように思います。  それでは次に、時間がありませんから進みますけれども圏央道アクセス道路となります八王子南道路についてでありますが、この予算の獲得につきましては、復活折衝の中で、亀井大臣あるいは佐藤局長、多くの皆さん大変お世話になりました。私は、この機会に心から御礼を申し上げる次第であります。  そこで、八王子南道路のこれからの取り組み方について、そしてまた平成何年度を目標にこれらの工事が行われるのかどうか、この機会にお聞かせを願いたいと思います。
  16. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 国道二十号の八王子南道路でございますが、これは、八王子南インターチェンジ圏央道と接続しまして、八王子市北野町から南浅川町に至る九・六キロの幹線道路でございます。  この道路につきましては、平成九年の二月に都市計画決定がされたところでございます。したがいまして、決定されたばかりでございますが、そういった中で、地元国道二十号周辺におきましては非常に交通混雑が進んでいるところでございますので、早期事業化を進めていきたいといったことで、今年度新規事業化予定路線というふうに考えております。  今後もそういった形で進めますが、関係機関地元皆さんの御協力等よろしくお願いいたしたいというふうに思っております。
  17. 小林多門

    小林(多)分科員 時間がありませんから次に進みますけれども、次は、八王子北インターチェンジについてお伺いいたします。  現在、八王子北インターチェンジは、残念ながら、ハーフインターという形の中でその工事が進められております。私は、かねてから地元住民要望を受けまして、八王子市や東京都さらには建設省出先機関であります相武国道事務所の方を通して、再三にわたって、フルインターとして工事をしていただきたい、このように強く主張をしてきたわけでありますが、残念ながらいまだその解決に至っていないわけであります。  せっかく二十一世紀のシルクロード、まさに二十一世紀ハイウエーとしてつくる道路でありますから、ぜひ、今からでも私は決して遅くないと思いますから、供用開始までにはハーフフルインターにしていただきたい。これが八王子市民の強い要望でありますけれども亀井建設大臣のぜひ心温まる答弁をお願いいたしたいと思います。  なお、圏央道はまさに私ども多摩三百七十万都民経済活性化あるいは市民生活に欠かすことのできない重要な道路でありますから、この圏央道建設に寄せる大臣の決意をあわせてお聞かせを願いたいと思います。
  18. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 御指摘八王子北インターチェンジでございますが、八王子市におきます主要地方道山田宮の前線を接続道路としまして計画されたインターチェンジでございますが、交通需要及び周辺道路網整備状況などを総合的に勘案いたしまして、美山地区から南の方向を主とし、中央道国道二十号に向けてアクセスします構造、先生おっしゃられるようにハーフインターという形になっております。  現在、この計画に従い事業促進を図っているところでございますが、八王子北インターチェンジフルインター化につきましては、今後の周辺開発それから交通需要の動向、そういったものを踏まえまして、八王子市や関係機関調整を図りながら、その必要性等について今後の検討課題ということでやらせていっていただきたいというふうに思っております。  それから早期整備の問題でございますが、地域皆さんからの強い促進要望もいただいておりますので、今後も引き続き積極的に事業推進していきたいというふうに思っております。
  19. 亀井静香

    亀井国務大臣 今道路局長が事務的なお答えをいたしましたが、私も、フルインター化というのは将来にわたっては必要になってくる一このように認識をいたしておりますので、今後委員にはまたいろいろ地元との要望等つなぎ役をお務めいただきまして、ぜひ我々も取り組まさせていただきたいと思うのです。  なお、圏央道については、これは申し上げるまでもなく、多摩を含めて首都圏交通網整備にとってはもう欠くべからざる道路網でございますので、最重点の一つとして取り組んでまいります。
  20. 小林多門

    小林(多)分科員 ぜひひとつ亀井建設大臣の時代に、私は、このハーフインターフルインターにするような調査そして設計ぐちいには入っていただきたい、このように思うわけでございますけれども、今からでもまだ十分間に合うようでございますから、ぜひひとつ関係者の方に指示をしていただきたい、このように思うわけであります。  次に、JR中央線三鷹高尾間の連続立体化事業についてお伺いをいたします。  三鷹立川間の連続立体交差事業は既に始まっていますが、その工事進捗状況完成見通し等についてお尋ねをいたしたいと思います。
  21. 木下博夫

    木下政府委員 委員指摘ございましたように、今までの経緯大変長うございまして、昭和四十四年に地元協議会を発足して以来大変時間を要しております。  したがいまして、我々としてもこの三鷹立川間の連続立体交差事業については急いでやらなければならないと思っておりますが、全体で十三・一キロ、十八カ所の踏切を除去しなければいけないことになっております。在来線だけにつきましても約千七百二十億円の事業費を要すると見込んでおりますが、このうち特に都市サイドといいますか道路サイドに千四百四十億円かけることになっておりますので、我々の責任は大変重うございます。  今までは詳細設計なりJRとの協定その他の事務をやってまいりましたが、既に用地買収もおおむね二割をとりあえず手当てする段階になっております。全体の事業ベースとしては、先ほど申し上げました中ではわずか数%にまだとどまっておりますが、今後この線につきましては、大変要望が強いということでしっかりやってまいりたいと思っております。  時期については、まだ今後の予算等もございますが、平成十五年ぐらいの完成を何とかということで考えております。
  22. 小林多門

    小林(多)分科員 ただいま木下局長から御答弁はあったわけでございますが、まさに三鷹立川間の連続立体化は順調に進んでいる、このように私は思うわけであります。しかし、今度は高尾立川間ですね。これもやはり中央線スピードアップ化、車両の増両化あるいはあかずの踏切を解消するためには早急にこれらの事業も手をつけていただきたい、このように思うわけであります。  恐らく間もなく八王子市やあるいはまた日野市から建設省の方にあるいは大臣の方に要望書が提出をされると思いますが、ぜひ大臣、この立川高尾間、これもやっていただかなければ、どうしても八王子市内あるいは日野市内交通渋滞を解消することはできないわけでありますけれども大臣からひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  23. 亀井静香

    亀井国務大臣 私かつて運輸大臣もいたしておりましたけれども交通網の現代における整備はまさに立体交差化なくしてはあり得ないわけであります。  この問題については、それぞれ地域住民の方との間でいろいろな問題も場合によっては生じておるところもありますけれども、国としては、地元住民の方また関係自治体JRあるいは私鉄その他とよく協議しながら、これは全体的に精力的に進めてまいりたい、このように考えております。
  24. 小林多門

    小林(多)分科員 時間がありませんから次に進みます。  次は、八王子市の川口リサーチパークについてお伺いをいたします。  川口リサーチパークは、住宅都市整公団事業者であり、現在八王子市は市の長期計画である八王子21プランに促進すべき事業として位置づけております。  それをもとに、住宅都市整公団八王子市も事業促進に向けて全力で努力をしているわけでありますが、そこで、住宅都市整公団の現在の取り組み状況と今後の見通し等についてお聞かせをいただきたいと思います。  なお、亀井建設大臣住宅都市整公団事業内容を見直すとおっしゃられましたけれども、私は、川口リサーチパークは、先端技術産業の研究開発機能や業務機能を備えた町づくりであるわけでありまして、まさに亀井建設大臣の発想にマッチした事業であると思います。これからも、建設省も積極的にこの事業にバックアップしていただきますように、ぜひお願いをいたしたいと思います。  以上をもって私の質問を終わります。
  25. 小鷲茂

    ○小鷲政府委員 お尋ねの川口地区でございますが、八王子の中心から北西方向八キロ、先ほど来御議論になりました圏央道のルート上に位置しておる約百七十ヘクタールの地区でございます。今先生おっしゃいましたように、八王子市ではここをリサーチパークとして位置づけておるわけでございます。  ところが、平成五年に、ここにオオタカが生息しているということが判明いたしまして、現在、その保護対策、あるいはそのための一部土地利用の修正等を見込んだアセスの追加を準備しておるところでございまして、これを終えませんと事業が動き出さないという状況でございます。  円滑にこれらの準備が進むように、建設省どいたしましても側面的に支援をしてまいりたいと考えております。
  26. 小林多門

    小林(多)分科員 ありがとうございました。
  27. 藤井孝男

    藤井主査 これにて小林多門君の質疑は終了いたしました。  次に、福島豊君。
  28. 福島豊

    福島分科員 大臣、連日、大変に御苦労さまでございます。本日、私は、地元のことにつきまして何点かお聞かせいただきたいと思っております。  まず初めは、国道一号線のことでございます。  私の地元は、守口、門真、そして大阪市の旭区、鶴見区というのが私の地元でございますが、国道一号線は守口を通りまして大阪市内の旭区に入ります。一号線のここを走っておりますと、だれでも気がつくことがございます。守口におきましては、一号線の両側というのは高いビルがずっと続いておりまして、大変高度な土地利用がなされております。しかし、一たん旭区に入りますと、その沿線にありますのは、かなり古くなった二階建ての木造住宅でありますとかが続いておるわけでございます。  同じ一号線を走っていてなぜこんなに違うのか、大阪市内に入るとかえって町並みが古くなったような印象を受けるのはなぜかということを、私ずっと疑問に思っておりました。地元の方にお聞きしますと、この一号線について現状のような町並みになっているというのは、一つは拡幅計画の関係があるんだということを聞いたわけでございます。  まず初めに、この国道一号線の旭区の範囲におきまして、拡幅計画についてどのような計画があるのか、そしてまたいつごろそれは決定されたのかということにつきまして、事務的なことでございますが、お聞かせをいただきたいと思います。大体で結構でございます。
  29. 木下博夫

    木下政府委員 御質問と趣旨がちょっと違っているかもしれませんが、先生お話にございました拡幅計画とおっしゃるのは、昭和二十一年五月に都市計画決定をしておりまして、これで八車線の四十メートルということでしております。
  30. 福島豊

    福島分科員 大変に昔に決定されたことだと。拡幅計画がありますと、当然その拡幅の対象になっております地域におきましては、その範囲におきましては簡単な建物しか建てることはできない。したがって、先ほど申しましたような二階建ての家がずっと続いている。  地元の方はどういうふうに感じておるかといいますと、あのあたりは土地も非常に高いわけでございますし、また千林商店街というような、非常に大阪市内の有数の商店街もその背後にはございまして、地域活性化するためには、できればもっともっと土地を有効に利用したいというような思いがございます。そしてまた、ちょっと奥に入りますと高いマンションとか建てられるわけでございまして、一号線に面した、非常に土地としてはいい土地を持っていても、有効に使うことができない、大変不利益をこうむっているというような思いも地域の方にはあります。  私は、当然、一号線を拡幅して立派な道路にするということも大切だというふうにも思いますし、しかしまた一面、地域の方が今自分の持っている土地をもっと有効に利用できないのかという思いもまさに当然のことだというふうにも思うわけなんです。  したがいまして、大切なこととしましては、この事業が一体どういう見通しなのか。道路に関しましては第十一次の整備五カ年計画が策定されたわけでございますけれども、いつごろになればこの拡幅というようなことが実現をしていくのかどうか、そのあたりの見通しというのはなかなか難しいことだというふうにも私思います。いついっと具体的にはなかなか定め切れない部分もあると思うのですけれども、見通しということにつきまして、概略で結構でございますのでお教えをいただければと思います。
  31. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 国道一号線につきましては、非常に古くから整備された路線でございますが、今となっては、通過交通等たくさん出てきておりまして、その対応の仕方が非常に難しくなってきております。  これを拡幅する計画も従来からございますが、拡幅するだけで処理できるという問題ではありませんので、むしろバイパスで一気に抜くといったことが、従来からこれも計画されております。その計画が現在、第二京阪道路といった形で、京都府の久御山町から大阪府の門真市に至る二十六キロの幹線道路計画となっております。これによりまして、大方の通過交通はそちらで処理できるのじゃないか。  ただ、そうはいいましても、街路としての機能も有しておりますので、拡幅計画、並びに当面は交通安全対策とか交差点改良を進めたりとか、そういったことは必要になってくるかと思います。そういったあわせての対応をしていきたいというふうに思っております。
  32. 福島豊

    福島分科員 ただいまの御説明で、抜本的な対応ということでは、第二京阪道路建設によってバイパスで流していくということの方が有効だというふうに受けとめさせていただきました。  そうしますと、一つは、長期的にそういう展望がある場合には、この国道一号線の沿線に土地をお持ちの方、これが塩漬けになったままで、気がついたらバイパスができていたということでは大変また申しわけないような気もいたすわけでございます。それを踏まえますと、拡幅計画が現状ある、あるとしましても、いつになるかということがまだまだ甚だ不透明なわけですから、もっと有効な利用ができるように、やはり規制について積極的に緩和をしていくべきではないかというふうに思うわけでございますが、この点につきましての御見解をお聞きしたいと思います。
  33. 木下博夫

    木下政府委員 ただいま、整備見通しにつきましては道路局長から若干の御説明をさせていただいたわけですが、先生の御質問は主として、都市計画のサイドと道路のいわば事業の見通しについてどう整合性をとるかということでございます。  ちなみに、東京あるいは大阪という大都市圏につきましての現在までのそれぞれの都市計画道路整備率は、おおむね申し上げまして五〇%をちょっと超えるぐらいでございますから、そういう意味では、残り四〇%余りについては、そういう御不信といいますか、期待を持っていらっしゃることも言うまでもないわけでございます。  都市計画、そもそも考えますと大変時間を要しておりまして、そういう意味では、二十年、三十年のオーダーでの整備について、なかなか実体の経済とかあるいは生活という面では御不自由をかけておりますが、基本的には、原則論で申し上げますと、都市計画法の第五十三条で本来のいわゆる建築制限をかけております。  ただ、一部の都道府県等におきましては、今おっしゃられたように、現実の問題としていろいろ御要望をいただいておりますので、その中では、例えば余り高くない建物、あるいは利用目的等も将来に長引かないものというようなことでの一部利用を認めているところも現実的にはありますが、我々としては、できるだけ早く道路整備をすることがまず大事だと思っておりますし、でき得ればやはり、先生おっしゃられたように、これからの整備目標をできるだけ地元の方々にしっかりとした形で明示していくことも、一つの、打開策にはなりませんけれども補足する策ではなかろうかと思っております。そういう意味では、例えば東京都などは、前期、後期という形での、これからの五年、十年ということで一応整備目標を示すことによって、地元の方々のこれからの生活設計などにも役立てていただく、そういうことも現実にはやらせていただいているところでございます。
  34. 亀井静香

    亀井国務大臣 今委員が御指摘の点、私は非常に大事な点だと思います。  土地利用がそうした公共事業の将来計画との関係で規制を受けている。しかし、状況が変わっていく中で、今バイパスというような形も検討もされておるわけです、進められておるわけでありますけれども、そうした状況の中で、従来のそういう規制がこれでいいのかどうかということは、私は、きっちりと見直していかなければ地域住民にとっては大変なことになっていくと思います。私は、委員の問題点、これは我々としてもきっちりと受けとめまして、自治体とも協議をしていかなければならない、このように考えております。
  35. 福島豊

    福島分科員 大臣に前向きな御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。ぜひともよろしくお願いいたします。  引き続きまして、先ほどお話が出ました第二京阪道路のことにつきましてお聞きをしたいと思います。  私、地元に住んでおりまして、一号線というのは大変な渋滞でございまして、わずか十二、三キロの距離を、私は毎日通っておりましたが、一時間半ぐらいかかるというような渋滞状況が毎日毎日繰り返されているわけでございます。これはやはり抜本的な対策が必要である、その抜本的な対策というのは第二京阪道路建設することであるというふうに私は強く確信いたしております。この第二京阪道路につきまして、機会あるごとに私は早期建設をということでお願いをしてまいりまして一この分科会におきましても申し上げたいと思っております。  まず初めに、第二京阪道路事業進捗状況につきましてお聞きしたいと思います。
  36. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 第二京阪道路でございますが、これは複断面の構造になっておりまして、一般部、平面部でございますが、それにつきましては、大阪北道路としまして枚方−門真間の十八キロを昭和五十八年に、それから京都南道路、これが久御山町から田辺町の九キロでございますが、これを昭和六十一年に、それぞれ建設省におきまして事業化しております。  その上に乗っかってきます第二京阪道路の自動車専用道路部でございますが、これにつきましても、道路公団の一般有料道路として平成四年度より事業を行っているところでございます。  京都府域につきましては、これまで調査設計を完了いたしまして、九割以上の用地を取得してきております。現在、残る用地の取得を促進するとともに、一部工事に着手しているところでございます。  それから、大阪府域でございますが、こちらにつきましては、用地の買い取り請求に応じて用地取得を行ってきたところでございますが、距離も大分長いようでございますので、用地取得の進捗状況といたしましては約四割程度でございます。現在、早期計画的な用地取得に入っていけるように、調査設計、詳細を進めるとともに、一部地域におきましては地元協議を進めているところでございます。  なお、門真市地域の一部区間につきましては、平成九年の大阪国体の主会場であります「なみはやドーム」へのアクセス道路として整備するために、平成九年の夏までの供用を目途に、現在、副道及び植樹帯の工事を行っているところでございます。  そういったことで、今後とも早期供用を図るべく、地元の御協力を得まして鋭意事業を進めていきたいということを思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  37. 福島豊

    福島分科員 鋭意努力をしていただいているというふうに受けとめさせていただきましたが、いつできるのかと、地元の方も、これはなかなか、わしが目の黒いうちはできないんじゃないかと、そう言う方もおられたりいたします。現在門真で、なみはや国体に関連して事業を進めていただいておりますが、あれはほんの端の部分ということになるわけでございまして、そうしますと、もう二十一世紀もかなり過ぎてからできるのではないかなどということもございます。また、むしろ第二名神の方が早くできるのではないかというような御意見もございまして、そういう意味では、地元としては大変に心配をいたしておるわけでございます。  一日も早くという思いがございますし、なかなかこれも、今後の見通しということは、財源にも限りのあることでございますから難しいことと思いますけれども、いま一度、見通しといいますか、いついつぐらいまでには少なくともこのぐらいはというような思いをお聞かせいただければというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
  38. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 私ども事業は、計画、用地、それから工事と進めていく中で、やはり計画段階での問題とか、それから用地取得、その段階でなかなか協力を得られないといった場合には、どうしても非常に事業の期間がかかってしまうといった状況でございます。  そういった中で、京都府域につきましては九割程度進んでおりますので、ことしが十一次の五カ年計画の最終年度でございますが、恐らく次回の五カ年計画の中では供用開始ができるのではないかというふうに思っております。  それから、大阪府域につきましては、まことに申しわけございませんが、四割程度の用地の状態でございますので、まだ何年といったあれがっかめないわけでございますが、私ども早期供用に向けて全力投球していきたいというふうに思っております。
  39. 福島豊

    福島分科員 ぜひよろしくお願いいたします。  そして、最後にもう一点お尋ねしたいことは、密集住宅市街地の問題でございます。  守口市、門真市といいました地域は、人口急増都市というふうにかつて言われておりました。今や、人口急増ということはおさまりまして、むしろ横ばいという状況でございますが、短期間にたくさんの人が流入してきた、その結果何が起こったかといいますと、木造の賃貸住宅が極めて密集した町並みができ上がってしまったということでございます。  よく言われますように、文化住宅というのがございまして、これが本当に一メートルほどの間隔びっしりと建っている。私どもも、地元を回りますと道に迷うことがしばしばありますけれども、そういうような、言ってみたらランダムな建て方をされた町並みが私ども地元の特徴でございます。これは、阪神・淡路大震災のときに被害の拡大の大きな原因になった町の構造であると言っても過言でないと私は思っております。  そういう意味では、この戦後の人口急増の中ででき上がった町並みをどうやって二十一世紀に向けてつくり直していくのか、快適な住環境、そしてまた防災上でも安全な町並みをつくっていくのか、大変に大きな課題であるというふうに思っております。現状におきまして、建設省としてどのような対応をなされておるのか、若干御説明をいただきたいと思います。
  40. 小川忠男

    ○小川政府委員 お答えいたします。  現在、防災上危険と思われます密集市街地は全国で大体二万五千ヘクタール程度存在するというふうに推計いたしております。これは、昨年でございましたが、公共団体の協力を得まして、住宅の密集の割合でございますとか木造比率、老朽化比率、こういうふうなものを念頭に置いて推計した数字でございます。首都圏で一万ヘクタール、近畿圏でも四千四百ヘクタール、三大都市圏で全体の約六四%がございます。  こういうふうな事態に対応いたしまして、予算措置ではございますけれども、私ども、密集住宅市街地整備促進事業というふうな予算制度を持つております。これは、老朽住宅の除却費を補助いたしますとか、あるいは移転用の住宅建設費に対して補助をするというふうな事業でございますが、これらの制度を動員いたしまして、現在、全国で百四十四地区、五千五百ヘクタールについて現在進行形というふうなことで鋭意努力いたしております。  ただ、冒頭申し上げました二万五千ヘクタールというふうな膨大な潜在的危険な場所に比べまして、極めて微々たるものというふうなことでございますので、今国会にも新しい法律というふうなものをお願いしながら、全力投球で努力したいと思っております。
  41. 福島豊

    福島分科員 今御説明いただきましたように、二万五千ヘクタールのうち五千五百ヘクタールである。その五千五百ヘクタールの事業もやはりなかなか、地元の地権が入り組んでいたりしまして、スムーズには事業が進んでいかないということもお聞きいたしております。そういう意味では、今国会で審議される予定になっております新しい法律、新しい枠組みのもとでの対応ということが極めて重要だと思いますし、その上で積極的な取り組みをしていただきたいというふうに思っているわけでございます。  その中にありまして、私が大変危惧いたしておりますことは、こうした密集住宅市街地、大変古く老朽化した文化住宅には、お年寄りの方がたくさん住んでおられるというのも現実でございます。こういったところは、逆に言いますと、大変利便性は高いのですね、町中でありまして、買い物に行くのも不便ではないし、見知った人もいるし。その再開発を進めていくということに当たりまして大切なことは、現在この地域に住んでおられる方の生活環境をどう守っていくのかということが大事だと思うのです。町並みはきれいになつたけれども、住んでいた人はどこかに行ってしまったよということではなくて、やはりそこに住んでいた人がそこで居続けることができる、それは立場といいますか、ちょっとは変わるかもしれませんが、そういう方向での取り組みを期待したいと思うわけでございます。  先ほどの新しい法律の御説明もございましたが、できれば高齢者の居住環境を守るという意味から、その地域において公的な受け皿というものを積極的に推進し、同時に町並みも新たにつくり変えていくというような、二段構えといいますか、複線の対応が必要なのではないか、私はそのように認識をいたしておりますが、建設省のお考えをお聞きいたしたいと思います。
  42. 小川忠男

    ○小川政府委員 木造賃貸住宅密集市街地整備を考える際に、ポイントは二つくらいあろうかと思います。一つは、全体の住宅の中で、老朽化した賃貸住宅、木造でございますが、これが非常に多いという点が一つでございます。それから、住んでいらっしゃる方々が比較的高齢の方々が多いというふうな点がございます。  例えば、木造賃貸住宅の割合でございますけれども、大阪府下の平均は、全体の住宅に対して老朽化した賃貸住宅、これは一五%でございますが、例えば寝屋川あるいは豊中の萱島地区でございますとか庄内地区、こうなりますと、全体として五〇%を超える住宅が老朽化した木造賃貸住宅、こういうふうなことになっております。そういうふうなところを整備する場合に、まさに先生おっしゃいましたように、片方で居住者の居住の安定というふうなことを最大限考えないと、何の事業をしようと思っても現実問題できないというふうな点が事実としてございます。  したがいまして、新しく法制度を考える場合にも、やはり最大のポイントというのは、公営住宅ですとか特定優良賃貸住宅ですとか、あるいは公的な形で受け皿住宅というふうなものを片方できちっと整備した上で地区の整備を図るというのが、セットになって初めて動くだろうという強い気持ちがいたしております。その辺につきましては、法制度上も明快に位置づけた上で、少し体系的に強力に展開したいというふうに考えております。御指摘のとおりだと思います。
  43. 福島豊

    福島分科員 前向きな御答弁をお聞きしまして大変安心をした次第でございますが、最後に大臣にお願いだけはさせていただきたいと思います。  法的な枠組みができましても、やはり事業を進めていくのは財源でございますので、そういう意味では、財源的なバックアップというものをしっかりとお願いをいたしたいと思っております。  若干時間を残しましたが、私の質問を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
  44. 藤井孝男

    藤井主査 これにて福島豊君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。
  45. 上原康助

    上原分科員 予算委員会ではなかなか個別具体的なことがお尋ねできませんので、亀井建設大臣に若干お尋ねさせていただきたいと思います。  まず、今回の予算委員会質疑を通して、特に公共事業費のあり方が大変議論になりました。私も、基本的には、いろいろ基本計画を含めて、公共事業のあり方というものは、今日的次元あるいは将来に向けて再検討、見直しは必要だという認識をしております。だが、行財政改革にしても、いろいろな社会構造改革というのは、総論は賛成でも、各論になるとなかなか容易でないというまた難しさがあって、今日まで、政府初め各政党が御努力をなさっても、思うように進まなかったという実情でもあろうかと思います。  そこで、公共事業のあり方を改革といいますか見直しをしていく場合に、地域差があるし、特に地方圏というか地方都市は、ある意味では、公共事業があればこそ、その地域経済が成り立っているということもまた偽らない実情なんですね。そういう意味で、せんだってもちょこっと申し上げましたが、やはりバランスのとれた予算の配分であるとか、事業を進めていく場合の計画であるとかというのは私は立てなければいけないと思うのですが、亀井大臣の、今後そういうことにはどのように御配慮をなさりながらこの公共事業、今議論されている長期あるいは中期現実的改革というものを推し進めていかれようとするのか、その基本的な御見解についてお聞かせ願いたいと存じます。
  46. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員が御指摘のように、公共事業も、全般についてやはり今日の時点で二十一世紀を見据えてどうあるべきかという議論をし、そうして変えるべき点は変えていくということは、私も大賛成であります。  ただ、残念ながら、今国会でのいろいろな議論の中で、公共事業をとにかく減らせばいいんだというようなムードが出ておることは、私は、今後の国政を推進する上においてもいい空気ではない、このように思います。  委員指摘のように、今は日本列島、北海道から沖縄まで、その地域活性化しなくていいというのであれば別でありますけれども東京、大阪が中心の繁栄であってまならない。沖縄につきましても、自立をした、活性化した地域として発展をしていくためには、やはり社会資本をきちっと整備をするということは不可欠でございます。  私は、そうした問題を、委員指摘のように、とにかくばらまき的に、市町村から要望があるから補助をすればいいというような形の公共事業の進め方は今後すべきではない。各自治体ともちろん十分協議をしながら、国としてのやはり政策的判断というのをどうしても強く打ち出していく必要があると思いますし、今は特に地方分権ということが言われておりますが、公共事業につきましても、それぞれの地方自治体がある意味では自主性を持って整備をしていく面と、国が国家的な均衡ある発展という観点から力を入れていくべき戦略的な地域と、いろいろ私はあると思うわけでございますので、そのあたりのことをトータルとして今後腰を落ちつけて議論をし、それを具体的な予算化をしていくということが必要だ、委員の御指摘のとおりだろうと私は思います。
  47. 上原康助

    上原分科員 今大臣おっしゃるような地域実情といいますか、いろいろな格差、あるいは先行している部分、まだまだおくれをとっている地域がありますが、そこいらはぜひ御配慮願いたいということを要望しておきたいと思います。  そこで、分科会というのは、ある意味では議員個人がというか、政党が受けるその地域のいろいろな陳情案件というか要請事項を取り上げて、できるだけ政府に御理解を願うという意味もあると思いますので、私はめったに建設省担当部門で質問したことはないのですが、どうも気になるところが多いものですから……。  御承知のように、沖縄の産業構造は、言うまでもありませんが、今若干触れましたように第二次産業が非常に割合が低いのですが、しかし、その割合が低い中でも建設業に異常に依存をしている実情なんですね。これは、全国比較としても約倍近く、あるいは倍の依存率になっております。しかも、二十七年の米軍支配があったということに加えて、今おわかりのように、基地問題が国内問題だけでなくして日米間の大変重要な外交、政治課題になっている。  そういう状況を考えますと、地方を歩いてもやはり、ぜひ橋をかけてもらいたい、道路をもっと整備をしてもらいたい、あるいは高規格道路を一層延伸をしてもらいたい、北部に対しても、南についても、こういう要望は大変強いわけですね。  そこで、具体的課題としてお尋ねしたいわけですが、今既に建設省が沖縄開発庁、政府の御理解、御協力も得て進められている古宇利大橋の架橋の問題であるとか、ある意味では伊平屋−伊是名にも架橋をしてもらいたい、また、北部振興との兼ね合いで沖縄自動車道の宜野座以北をもっと、投資効果とかそういうことではなくして、やってもらいたいとか、相当政府の方には県なり関係市町村等自治体から要望が上がっているかと思うのですが、こういうことについて建設省御当局としてはどのように御認識をなさり、また、この要望について実現していくような御努力をしておられるのか、お聞かせを願いたいと存じます。
  48. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 沖縄県北部の振興のための道路整備という観点のお話でございますが、沖縄の北部の振興の開発の軸となる開発道路というのを地元の方から話を伺っている中では、沖縄自動車道から名護東道路を経まして国頭村及び本部半島へ続く道路といったものが、平成六年の一月に沖縄県知事が策定しました広域道路整備基本計画におきまして広域道路検討区間として位置づけられております。こういったものにつきまして、幹線道路になりますので、沖縄総合事務局並びに沖縄県と協力して、こういった軸の路線を中心とした関連道路といったものの路線の必要性、役割などを検討して進めていきたいというふうに思っております。  それから、先生お話のございました古宇利大橋でございますが、この橋につきましては、平成五年度に今帰仁村を事業主体としました市町村事業として国庫補助事業に採択されております。平成七年度までに、橋梁の予備設計、漁業補償、用地補償等が進められてきております。  八年度には一般県道古宇利屋我地線としてこの路線が市町村道から県道に昇格されまして、現在、沖縄県が事業主体となり進めているところでございます。今後の予定でございますが、平成九年度には橋梁本体工事に着手する予定でございまして、平成十三年度完成を目途に今後ともやっていきたいというふうに思っておるところでございます。  それから、本部−伊江架橋の構想についてもお話がございましたが、これも現在、沖縄開発庁、それから沖縄県と協力しながら、離島架橋全般にわたります調査を行っている中でいろいろな課題を詰めながら進めていきたいといったことで、現在検討している段階でございます。  それから、沖縄自動車道を北伸してということでございますが、沖縄自動車道に接続する北部の方の高い規格の道路整備してほしいといった御要望をいただいております。でございますが、高速道路につきましては、やはり利用者の方々の負担整備されていくといった状況もございますので、なかなか難しい点がございます。特にこの地域につきましては、国道三百三十一号、それから県道等がございますが、こういった一般道路整備がまだ十分ではございません。  そういったこともございまして、私どもといたしましては、こういったところの局部改良とか、それから部分のバイパスとか、そういったものを整備することによって、走行速度を速め、あるいは安全性、使いやすさを増加する、そういった方法をまず検討させていただこうということで現在検討させていただいているところでございます。
  49. 上原康助

    上原分科員 これは予算も必要としますし、また、いろいろ優先順位等がありますからなかなか容易でないと思うのですが、一つ御理解いただきたいことは、今おっしゃった名護東道路については、将来高規格道路にするということで既に平成九年度から新事業として採択されておりますね。  それといま一つは、今お話ありました古宇利架橋との関係で、県道屋我地仲宗根線、一名ワルミ架橋を含む道路整備ですね、これはぜひ促進方を強く要望をしておきたいと思います。  そこで、ここは大臣の御見解をちょっとお聞かせ願えればと思うのですが、あと、やはり沖縄の二十一世紀を考えた場合には、伊良部大橋、いわゆる宮古・平良と伊良部との大橋問題が一つ大きくありますね。これはもう随分前から話題になって強い要望が出てきている。今私がお話ししました本部−伊江間をどうするかということ、もう一つは伊是名−伊平屋間というもの、これも私は沖特などで何回か見解を求めて、技術的には問題ないという答弁が既にあるわけですね。  しかし、公共投資とかこういう大型プロジェクトについては、冒頭申し上げましたように、非常に厳しい指摘もあるわけですが、やはりこういうことについては、私は、単なる投資効果とかそういうことではなくして、その地域全体の産業、経済をどう振興するのか、もっと自然と人に優しい橋づくり、道づくり、道路づくりというのを建設省はお考えになっていただいたらと思うのです  ね。  これまでも、どかっと、高度経済成長の中で海岸はみんなテトラポッドで埋め尽くして、余りいい感じしませんね。こういうところも改めながら、沖縄の自然を生かしながら架橋をするとか道路整備をするということは、政治の力として私はあってもいいと思うのですね。  こういう点について、大臣の御所見と、ぜひまたお力もかしていただきたい、こう思いますが、いかがでしょう。
  50. 亀井静香

    亀井国務大臣 私はまず、沖縄ということだけじゃなくて、我が国全体の建設行政のあり方として、御指摘のとおりでありまして、私はよく言っておるのでありますが、戦後五十年間、焼け跡の中でとりあえず雨露をしのぐバラック建築をやつていくということで精いっぱいだった、今後は二十一世紀へ向けて本格建築をあらゆる分野でやっていく時期だ。  そういう意味では、自然環境を残していきながら、公共工事が、ある面では生活が便利になるけれども、ある意味では生活破壊をしていくということがあれば、これは意味がないことでありまして、やはり人間の幸せをつくり上げるという観点がなければいかぬわけでありまして、そのとおりでございます。  そういう意味では、今、公共事業のコスト削減ということが厳しく言われておりますけれども、そういうかけ声がそういう面に対する配慮を欠いてもいいという、ただ道をつくればいい、ただ港湾を整備すればいい、そういうものであっては私はならない。そうした自然環境をきっちり残していくためのコストがかかるという面、私は、これはやむを得ないことでもあり、防災的観点もまたしかりである、このように考えております。  それから、沖縄につきましては、簡単に申し上げまして、総理や官房長官からも建設行政についてきつい御指示がございますけれども、本来は本土が公平に負担すべきことを沖縄で負担をしていただいている、これに対して、投資効果がどうだこうだということよりも、そうした大変な犠牲を強いられておる沖縄が、将来、今後自由貿易地域等いろいろな将来の構想がございますけれども、自立して一つの経済拠点として発展をしていくための社会資本整備はどうあるべきかという観点から、むしろ先行投資的な観点を入れて私は沖縄については整備をすべきだ、このように考えておりますので、そういう立場で事務局を私なりに指導をいたしております。
  51. 上原康助

    上原分科員 ぜひひとつ、大臣運輸大臣も御経験をしておりますし、私は冗談で、もう鹿児島から沖縄までトンネルを掘ったらどうかといって、これこそおしかりを受けるかもしれませんが、言ったこともあるわけです。なぜかといいますと、私は、明治開闢以来日本国民は、国鉄以降から今日のJRを含めて新幹線、いわゆる日本の総合交通体系の整備の中で相当の恩恵を受けたと思うのですね、国の投資によって。  しかし、残念ながら沖縄は鉄軌道一つさえないのですよ。これは、道路整備をどんなに国の御協力をいただいて、県も、みんなが努力をしてやつても、交通渋滞というのは一向によくなりません。それは、やはり鉄軌道がないからです。だから私は、国際都市形成をやっていくにしても、何をするにしても、鉄軌道の整備ということを一本人れないと、沖縄の将来はそう住みよい環境づくりということは、あるいは観光客を含めてうまく還流をよくするということにはならないと思うのですね。  そういう意味で、今さっきから私も申し上げておりますように、大臣も御指摘ありましたように、どうも開発庁なり役人と質疑応答をしますと、やれ投資効果がどうのとか、自動車の一日の流れの台数が幾らとか、すぐそういう面でくるから、全く高規格道路にしても道路整備は難しい、こうくるわけですよ。  これはうまく道も港もつくってやらないから過疎になるわけで、ますます不便になる。たくさん自動車も通って人も集まるところはもっと金を入れるからますますよくなっていくので、この悪循環は私はやはり是正すべきだと思うのですね。そのためには少々お金がかかってもいいんじゃないかと思うのです。  そういう意味で、鉄軌道問題と、今もありましたが、私は、既存の国道三三一号であるとか、それと県道の改良、改修をやっていくということも大事なんだが、北部の東村、大宜味村、国頭村、よくいう国頭三村まで道路を東と西側、本部半島、海洋博から奥間ビーチにかけてドッキングさせるという構想は将来あっていいと思うのですね。  そうせぬと、あの空間をうまく活用して沖縄の全体的なバランスのとれた振興というものは非常に難しいと思いますので、こういう点についてはぜひ政府全体として、建設省なりがイニシアチブをとる、あるいは開発庁とも御相談をしていただいて進めていただきたいと思うのですが、もう一度大臣の御見解を聞かせてください。
  52. 亀井静香

    亀井国務大臣 沖縄に対する考え方は先ほど私は基本的に申し上げましたが、ただ、あとは具体論として私は委員に申し上げたいのは、やはり東京、霞が関、あるいは永田町で沖縄の将来像についてどうあるべきかということをもちろん考えなければなりませんが、基本は沖縄の人たちが、沖縄県が、どうしたらいいかという将来像、青写真はやはり考えていただくということがないと、私はなかなか難しいと思うのです。  そうして出していただく将来のあるべき姿について、我々としては全力を挙げて御協力を申し上げるということであろうと思いますので、委員、今後ともぜひひとつそういう面でお力をいただきたい。我々としては、先ほど申し上げましたような観点から、全力を挙げてまいりたいと思っております。
  53. 上原康助

    上原分科員 確かにおっしゃるとおりでしょう。これは地域の意向を尊重するというのは政治の基本ですから、そのとおりだと思うのですが、今、御承知のように沖縄政策協議会の中でいろいろ検討をされておりますね。多分その協議会にもう既に県側から、あるいは地域というか、北都市町村会なり各中部、南部等要望も出ておると思いますが、この沖縄政策協議会の中にも建設省も、四つの部門にですか、四つのPTにたしか参画をしておられるわけで、建設経済局長が幹事クラスとして出ておられる。その中にも、今私が申し上げた北部への高規格道路の延伸であるとか、先ほど申し上げた架橋の問題等々が出ております。  県は、今どちらかといいますと基地問題に大変追われて、本当にスタッフの方々も四苦八苦だと思うのですね。ですから、そういうことについては、ただ政府が押しつけるとかそういうことではなくして、よく協議をしていただいて、やはり政府のスタッフの持っておられる立派な知恵とかノウハウとかあるいは助言というものは必要だと思いますので、こういう点は強く要望として申し上げておきたいと存じます。  それと、もう一点具体的な件で、これは沖縄開発庁の方と建設省がいろいろ相談をしていると思うのですが、具志川市の中部、県道三十六号線のループ橋の件があると思うのですが、これについては、ぜひ市から提起をされているような方向で、いわゆる自然緑地地域であるという面と環境面を大事にする。私はよくわかりませんが、その地域は傾斜地になっておって、通常の道路をつくるよりも、ループ型の橋というのか、道にした方がいいということで要望が上がっていると思うのですが、この件についてはどのようにお考えなのか、また、その可能性についてお聞かせを願いたいと思います。
  54. 榎本晶夫

    ○榎本説明員 県道三十六号線のバイパスに関連いたしますループ橋整備につきまして御説明申し上げます。  現在、県道三十六号線のバイパスといたしまして、沖縄自動車道の沖縄北インターチェンジから流通加工港湾でございます中城湾港新港地区を結びます延長六・四キロメートルの整備を沖縄県において推進をしてございます。このうち、沖縄北インターチェンジから県道具志川環状線の具志川市喜仲交差点までの延長三・九キロメートルにつきましては、先行的に整備を進めてきておりまして、一部区間を残しまして既に供用をしてございます。また、具志川市の喜仲交差点から中城湾港新港地区までの二・五キロメートルにつきましても、九年度に事業着手をする予定としてございます。  そこで、この区間でございますけれども、地形上大きな、御指摘がございましたような高低差がございますために、地元の具志川市では、沖縄の米軍基地所在市町村に関する懇談会等におきまして、ループ橋による整備要望していると伺っております。これは県道十六号線等に直接接続をするということをねらいとしておっしゃっておられるのかと存じておりますけれども、このループ橋によるか否かにつきましては、地形、土地利用計画あるいま交通機能、維持管理など、さまざまな総合的な見地から判断をされるべきものと考えておりまして、今後必要に応じまして関係機関調整を図ってまいりたいと考えております。
  55. 上原康助

    上原分科員 これは多分建設省との協議もこれからなされると思いますから、ぜひ地元の強い、行政区を分割しないという観点も含めてのようですから、特にお願いをしておきたいと思います。  もう時間が来ましたので、最後に、私はさっき申し上げましたように、これからの沖縄の産業振興ということを考えた場合に、どうしても鉄軌道というのは必要だと思うのですよ。沖縄政策協議会の中でも、沖縄国際都市形成基本計画という案に、北部圏拠点ネットワークのイメージ図とあわせて、軌道交通システムの確立ということが既に提言をされているわけですね。  そこで、那覇空港を拠点にして南部は平和祈念公園まで、できれば北部は海洋博記念公園まで、もちろんこれは一挙にはできませんから、そういう形でぜひ整備をしていただきたい。運輸大臣の御経験もありますから、これは内閣の中でもそういうことをぜひ提言をしていただいて、少し夢を膨らませてもらいたい、そのお考えを聞いて質問を終わりたいと思います。
  56. 亀井静香

    亀井国務大臣 現在は都市モノレールの起工式を終えまして、これの完成に向けて全力が挙げられておるところでありますけれども委員御承知のように、やはり鉄軌道が沖縄の将来、産業、観光、発展にとって必要な交通機関ではないか、私はこのように考えております。環境保全という点からも非常にいい機関ではないか、私はこのように考えておりますので、私なりに今後努力を政府内でしていきたい、このように考えています。
  57. 上原康助

    上原分科員 ありがとうございました。終わります。
  58. 藤井孝男

    藤井主査 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時二十七分休憩      ————◇—————     午後一時開議
  59. 藤井孝男

    藤井主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  建設省所管について質疑を続行いたします。木村隆秀君。
  60. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 自由民主党の木村隆秀でございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  私は、三つのテーマについてお伺いをしてまいりたいと思う次第でございます。  まず初めに、河川敷の有効利用についてお伺いをしてまいりたいと思います。  まず第一に、河川管理についてであります。  昨年の十二月に河川審議会が「社会経済の変化を踏まえた今後の河川制度のあり方について」という提言をまとめられたわけでありますけれども、それを拝見させていただきますと、河川の役割として、これまでの治水、利水とともに、新たに河川環境整備の重要性が指摘をされているわけであります。  過密な都市部にあっては、私は名古屋選出でございますけれども、このような地区にあっては、潤いのある水辺空間は都市にゆとりを持たせ、住民が気軽に自然と触れ合うことができる貴重な財産となるのじゃないかと思うのであります。  そんな関係から、河川審議会のこの提言が十分に生かされるべき、またそのように努力をしていただきたいと思うわけでございますけれども、河川環境整備に対します政府の基本的な考え方からまずお伺いをしてまいりたいと思います。
  61. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 ただいま先生指摘のとおり、昨年の十二月に、河川審議会から「社会経済の変化を踏まえた今後の河川制度のあり方について」御提言をいただいたところでございます。この中で、先ほどお話がございましたとおり、河川環境の問題を従前の治水と利水にあわせて、同じように三本柱として今後の河川整備を進めていくべきだという趣旨で御提言をいただいたところでございます。  この背景を少し御説明をさせていただきますと、平成七年の三月に「今後の河川環境のあり方について」という形で、河川審議会から河川環境に絞った形で御答申をいただいております。その中では、生物の多様な生息、生育環境の確保、健全な水循環系の確保、河川と流域の関係の再構築という大きなテーマ、三つのポイントについて御指摘をいただいておるわけでございます。  その後、昨年の六月に「二十一世紀の社会を展望した今後の河川整備の基本的方向について」ということで、河川法が制定されまして昨年でちょうど百年でございました。そういう節目の年に当たりまして、百年を振り返って、今後二十一世紀の河川の整備のあり方についてどうかという形で答申をいただいたところでございます。この中でポイントが三つございまして、一つは安全の問題、二番目が環境の問題、三番目が活力の問題ということでございます。環境の問題につきましては、自然と調和した健康な暮らしと健全な環境の創出ということでございます。  そして、こういう答申を背景にいたしまして昨年の十二月に出されましたのが先ほど申し上げました河川制度のあり方についてという御提言でございます。  これを受けまして、現在河川法の改正について御審議いただくべく準備をいたしておるところでございますが、今後とも私ども建設省といたしましては、洪水を安全に流下させるということを基本としつつも、治水事業の基本を多自然型川づくり、環境に配慮したそういう施策を講じつつ河川の整備を図っていきたいと考えておるところでございます。
  62. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 今これからも新たな河川行政の方向として環境に考慮した河川の行政を進めていくという御答弁をいただいたわけであります。  ところで、平成六年に建設省は、緑の政策大綱、これを作成されました。それによりますと、二十一世紀の初頭までに緑の公的空間量を現在の三倍にするという目標を立てられたのであります。まことに結構な話でありまして、ただ、実際にこれを行っていくというのは大変なことだろうと思うのであります。  緑の政策大綱の基本目標として、公共公益施設等の樹木の数を一億六千万本にするとか、市街地の緑地の割合を三割にするとか、非常に具体的に施策が述べられているのであります。  例えば、都市公園一人当たりの面積、これは二十平方メートルにする、こうなっているわけでございまして、現在、全国平均というのは、もう御案内のとおり、七・一平方メートルでございます。私、愛知県でございますけれども、愛知県はちょっと低うございまして五・七平米でございます。ただ、イギリスあたりでは、日本の目標にしている二十に限りなく近い十九平米ぐらいもう既に整備がされている、こう聞いておるわけであります。  この大綱を実現するために、とりわけ都市に緑と潤いを与える、こういう観点からいたしましても、今の河川の環境整備というのも大いに施策を充実というか、推進をしていかなければいけないのじゃないか、こう思うわけでございますけれども、こういう意味において今後どのような施策を講じていかれるのか、お伺いをしたいと思います。
  63. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 ただいま先生の方から緑の政策大綱のお話をいただきましたが、従前、河川事業では、例えば堤防の上に木が生えているというような場合、これは台風が来たようなときに木が倒れて根っこがえぐれて、そしてそれが堤防決壊の原因になりかねないということで、木を切ってまいったわけであります。  ところが、昭和六十三年度から桜づつみモデル事業という形で、これは堤防のちゃんとした定規断面、正規の断面のほかに、盛り土をしてそこに桜を植える、こういう施策でございますが、都市の中の水と緑の非常に重要な空間である河川の持っておるその機能に着目をいたしまして、大きく方針を転換いたしたところでございます。  その後、平成二年度からは多自然型川づくり、こういうことで、自然に配慮した、あるいは本来川が持っておる自然としてのそういう機能をより一層強くしていこうという形で、モデル事業的に、パイロット的に始めたわけでございますが、今後は多自然型川づくりそのものをすべての河川に応用していこうというふうに考えておるところでございます。  また、水質の問題、先ほど先生の方から庄内川のお話が出ましたが、従前、上流の陶土によって大変汚れておった庄内川も矢田川を中心に非常にきれいになってきたわけであります。きれいな水が流れておる、それでこそ初めて河川と言えるわけでございますので、そういう水質環境についても下水道事業等々と一緒になりまして総合的かつ緊急的な水質浄化事業、そういうものを推進しておるところでございます。  また、地域の交流拠点となります水辺プラザの整備というようなことも進めておるところでございまして、都市の中でのオアシス的な機能を果たしております河川の整備に際しまして、御指摘をいただいたような点、十分踏まえつつ今後進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  64. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 今局長さんから、愛知、名古屋に配慮して庄内川のこともお話をしていただいたわけでございます。分科会地元のことをお願いといいますか、いろいろお伺いしてもいいということをお聞きをしましたので、ちょっと我田引水になるかわかりませんけれども、今の庄内川、これ私のちょうどふるさと、地元選挙区を流れている川でございますけれども、このことについてお伺いをしてまいりたいと思います。  今、河川法改正という手続、これからしてまいりたいというようなことをお伺いをしたわけであります。その中で、やはり環境の面も恐らく入ってくるのではないかと思いますけれども、それらの施策というのは、これから庄内川についても順次やっていただくことになるのではないかと思います。  特に、地元の話で恐縮でございますけれども、横井橋から一色大橋の間の右岸について、私は、実はいつもその近くを通るのでございますけれども、あの広大な河川敷をもっと整備をしていただいたら、地元のみんなが休みの日などは本当に家族連れでのんびりとできるのにな、子供たちと一緒にキャッチボールもできるな、こんなことを思いながら、いつもあそこを通っておるわけであります。  横井橋から新前田橋に至ります間というのは、既に都市計画決定がされて、昭和四十八年には横井橋緑地ができておるわけでございます。新前田橋上流部で、またお花畑も建設省の方でやっていただいておると聞いていますけれども、大変、春、秋の時期になりますと、みんながそのお花畑の中を家族連れで歩いている姿を見るわけであります。そんなところで、新前田橋から横井橋のところ、都市計画決定されていますけれども、ばらばらな整備みたいな気がしてなりません。その辺をやはり総合的、一体的に整備ができないものかな。  それと同時に、新前田橋から下流部に至りますところ、各大学のボート部の艇庫がありまして、学生などが庄内川でボートの練習をしている光景も見ますし、野鳥なども飛んできているような地区もございます。その辺をこれからさらに整備を進めていくような手続ができないものかな、こう思っておるわけでございますけれども、この辺の整備のことについて、どういうふうに今後進めていただけるのか、お伺いをしてまいりたいと思います。
  65. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 ただいま先生指摘のとおり、河川の空間は、都市の中を縦貫して流れておる空間でございます。細切れ的に使うということになりましては、大変まずいというふうに考えておるところでございます。  そういう意味合いで、平成六年三月に、庄内川におきましては、庄内川水系河川環境管理基本計画というのを定めまして、それぞれの河川の高水敷をゾーニングをしながら、この地域は自然を残す地域、この地域については整備をする地域という形で、区分けをしながら整備を進めておるところでございます。  ただいま先生指摘の一色大橋から横井橋の間について申しますと、一色大橋から新前田橋の間は自然ゾーンとして、これはもともとヨシ、アシ等の非常に自然そのものが残った区域でございますので、そういうものを残した形でお使いをいただく。そして、新前田橋から横井橋の間は整備ゾーンというふうにいたしまして、御指摘ございましたお花畑とか、そういう形でゾーニングをしながら利用していただく。そういう形で整備を進めていきたいと考えておるところでございます。
  66. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 ぜひひとつ、特に緑の少ない名古屋の町でございますので、昔は白い町と言われたわけでございますが、そんな中で、河川敷の有効利用について今後ともお力添えをいただきたい。まず、お願いをしてまいりたいと思います。  次に、市街地の再開発についてでございますけれども、今河川の環境整備についてお伺いをしたわけでありますが、都市の環境整備、こういうことからすると、都市の再開発というのが重要な問題になってくるのではないかな、こう思うのであります。  高度成長期のとき、またバブルと言われたときというのは、民間の参入も期待どおりにあって、比較的順調にいろいろな事業が進められたのではないかと思うのでありますけれども、バブルが崩壊いたしましてから、各地で大変問題が起きているということを聞くわけであります。  バブルの崩壊以降、計画が見直されたり、また新たに計画された事業はどのように進んでいるのかなと思うのであります。そんなことをお伺いをしながら、また、国として今後都市の再開発事業をどうやって進めていこうとされているのか、お伺いをしたいと思います。
  67. 木下博夫

    木下政府委員 お答えしたいと思います。  都市には今や人口として八割以上の方々がお住みだということで、まさに都市の時代でございますし、都市行政は、そういう意味では大変重要な行政分野を担っていると思います。  お話しございましたように、先般からバブルの問題はいろいろ御議論がございましたけれども、都市の面から見ましても、バブルの崩壊というのは、今や大変大きなインパクトを与えていることも事実でございます。そうした中で、御質問のございました再開発といいましても、市街地再開発あるいは区画整理事業がそれに該当すると思います。  若干数字的なことを申し上げるわけでございますが、最近の再開発事業につきましての内容から見ますと、平成元年から平成四年に向けての内容を申し上げますと、住宅とかあるいは公共公益施設が大体三分の一ぐらいのシェアを占めておりました。一方では、業務とかホテルあるいは商業関係というのはそのようでございますが、今や、平成五年以降になりますと、やはり住宅あるいは公共公益施設の分野が大変多くなっております。こういう動向というのは、今委員お話しのございましたようなことの社会経済情勢を受けたものであろうかと思っております。  昭和六十三年から平成四年までに計画いたしました再開発事業、全国で百五十二ございますが、そのうちの三分の二、百一地区は既に完了しております。残りにつきましても、予算等の制約がございますことは正直申し上げてあるわけでありますが、これらの立ち上がりかかった再開発事業については、ぜひとも早く収束するように努力したいと思います。  そうした中で、我々としては、再開発の面におきまして、職住近接あるいは都心居住、こういう方向づけは大変大きな課題であり、方針としてはぜひ貫いていきたいと思っています。その際に、周辺に社会福祉施設等の公共公益施設の供給も行う必要があろうかと思いますから、こういう面での公的な支援というのま大変重要ではなかろうか、こう考えております。
  68. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 今、住宅や社会施設を再開発の中へ取り入れていく場合に支援をしていく、こういうお話を伺ったのですけれども、補助制度、いろいろなことがあると思いますけれども、その辺、どのような支援策を考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
  69. 木下博夫

    木下政府委員 二つの事業でお答えしたいと思います。  一つは、市街地再開発事業でございます。  これにつきましては、九年度におきまして、三大都市圏内で住宅重点的に供給すべき地域として定められている地域におきましての事業でございますが、住宅と社会福祉施設等の公共公益施設をそれぞれ一定割合以上含んだ事業につきましては、その建築工事費の一部を補助対象に加えていきたい、こう考えておりまして、予算等の措置を今お願いしているところでございます。  二つ目は、区画整理の事業の世界でございます。これにつきましては、名前が少し長くなりますが、街区高度利用土地区画整理事業というのを考えております。  この事業におきましては、三大都市圏の既成市街地あるいは近郊整備地帯で行われる事業につきましては、都心居住建築物または社会福祉施設等の公共公益施設、これらが整備される際、区画整理でございますので、従前の建築物がその上に建っております。この移転補償につきまして、補助の対象の補助限度額にそれらの分野の移転補償費を加えていく、こういう制度改正を今お願いしているところでございます。
  70. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 高齢化社会を迎えて社会福祉施設を充実していくということは大切なことだろうと思うし、ゆとりのある生活、そのために住宅政策を充実していく、建設省も容積率を変えて広い住宅に住めるようなことをこの間ニュースで見ましたけれども、大変大事なことだ、私も同感であります。  それはそれで本当に大事なことなのでございますけれども、一方で、これから国際化、情報化という問題、これにも対応していかなければいけないのではないか。そして、地域地域では、やはりオフィスビル、商業施設なども誘致して都市の機能を高めたい、そういう地区の要望もあるわけでございまして、固有ニーズにこたえていくことも大切ではないかな、こう思うのですけれども、この点に関して今後どんなふうに取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
  71. 木下博夫

    木下政府委員 言うまでもないことでございますが、全国には多くの都市がございます。それぞれの都市の顔があるわけでございまして、そのそれぞれの都市にお住まいの方、あるいは行政をつかさどっておる方々がその町をどうするかということについて、我々はまず最初に注目したいと思うわけでございます。  先生おっしゃったように、住まいの問題あるいは商売の問題、これはありますが、もう少し高い次元というのは少し言い方としては適切かどうかわかりませんが、そういう中で、国際化あるいは情報化という問題は議員御指摘のとおりであります。  こういう問題の際に、一つの都市ではなかなか一つを手がけるというわけにはいきませんので、建設省といたしましては、各都市のそれぞれの連携、交流の中でこの国際化、情報化をやっていきたいと思っておりますが、そのためには、やはり拠点市街地の再開発とか、あるいは幹線道路整備とか、あるいは新しい鉄軌道の関係の整備など、万般それぞれございますので、そうした中核的な施設整備ということを我々の方からも応援できるような体制を組んでいきたい、こう考えております。
  72. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 今、しっかりやっていくという御答弁をいただいたわけでありますけれども平成九年度の予算で、その再開発に当たって社会福祉施設、住宅等々の事業に対しての補助制度、新たに施策として打っていかれるということでございまして、今後やはり国際化、情報化に合わせたいろいろなきめ細かな施策もどしどし打っていただくように、これは要望してまいりたいと思う次第でございます。  質問の最後、三つ目でございますけれども、ビッグプロジェクトと道路網整備ということについてちょっとお伺いをしたいと思います。  私ども名古屋を中心として東海地方というのは、昔から日本の交通のかなめといいますか、東西交通の結節点、こんなことも言われておったわけでございまして、その中で、これまで東名高速、名神高速、中央自動車道、高規格幹線道路を順次整備をしていただいてきたわけであります。  ただ、もう御案内のように、経済の発展とともに交通量も本当に増大をして、いつも飽和状態、その中で、今東海地方では地域の交通ネットワークのかなめとなる第二東名、東海環状自動車道、そして名古屋環状二号線の計画が進められているところでございます。  これらの規格の高い幹線道路の現在の進捗状況、どういうふうになっているか、お伺いをしたいと思います。
  73. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 全国的な道路網を形成します、特に高規格幹線道路網でございますが、これは国土の均衡ある発展、並びに都市の骨格等の形成から非常に大事な道路でございますが、特に東海地区におきましてはこの高規格幹線道路整備が順調に進められているところでございます。  初めに、第二東名高速道路でございますが、これは東京都から静岡市を経て名古屋市に至る路線でございます。東海地区におきましては、静岡、神奈川県の付近の一部区間、これは秦野市から御殿場市でございますが、この区間を除きまして、昨年の十二月に整備計画決定されたところでございます。  その中で、特に沼津から東海の間二百十六キロ、これにつきましては平成六年九月に本格的な事業に着手いたしまして、用地の買収、所によっては工事推進も始めているところがございます。このうち、特に名古屋市内でございますが、名四東から東海間五キロでございます。名港大橋、西と東と合わせまして三橋あるところでございますが、これにつきましては一般有料道路として伊勢湾岸道路と重なるところでございますので、この間につきましては既に事業を進めておりまして、平成九年度の完成を予定しているところでございます。  それから東海環状自動車道でございますが、これにつきましても、岐阜、三重県の県境付近において一部事業化されていないところがございますが、それ以外は全部事業化されているといった状況でございます。用地買収とか、所によっては路線測量等が推進されているところでございます。また、平成八年度には土岐市から関市間において一部工事を着工いたしております。さらに、事業化がされていない県境区間でございますが、これにつきましても早期整備に向けて調査推進を図ってまいる所存でございます。  それから名古屋環状二号線でございます。これは複断面になっている、自動車専用道と一般道と併設しております。一般道路につきましては、国道三〇二号線として用地がほぼ全部完了いたしております。この路線についての整備は、自動車専用道と一般道路どちらかを整備、あるいはもう両方とか、そういった形で、なるべく供用を早めるといった方向で進めてきております。  特に、高規格道路ということでございますので、自動車専用道路の進捗でございますが、名古屋西から上社を経まして名四東に至る区間につきましては、特に名古屋西から上社間二十六キロでございますが、これは近畿自動車道の名古屋大阪線としまして既に供用しております。  さらに、上社から名四東の間、通称東部・東南部と言われている区間でございますが、これにつきましても、昨年末の国幹審におきまして新たに基本計画決定されまして、今後、採算性とか構造の詳細な検討推進しているところでございます。  さらに、西側の名古屋西から第二名神高速との間につきましては、既に都市計画決定がなされまして、今後事業手法について検討調整を図っていくところでございます。  そういったことで、今後ともこれらの高規格幹線道路につきましての整備につきまして、事業並びに調査を積極的に推進していきたいと思っておりますので、よろしく御支援のほどをお願いいたしたいと思います。
  74. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 もう時間がなくなってまいりました。  大臣に、最後にお願いも込めて御所見をお伺いをしたいと思うのです。  今、高規格幹線道路、順調に進めていただいておるようでございますけれども、当地では、もう御案内のように、万博ですとか中部新国際空港ですとか、大きなプロジェクトがメジロ押してございます。これらというのは施設だけではだめでございまして、やはり交通アクセス、この高規格幹線道路等の道路整備は不可欠じゃないかと思うのでございますけれども、こういう大きな事業を控えたこの地区における道路網といいますか、高規格幹線道路を初めとした道路網整備について、大臣の御所見をお伺いをしたいと思うのでございます。
  75. 亀井静香

    亀井国務大臣 中部地方は、御承知のように大型プロジェクトがメジロ押しになっておるわけでありますが、関空が一応成功したと言っておりますのは、一つはやはり空港アクセス早期にきちっと手がけたということがそのあれになっておると思います。今後、委員指摘のように、そうしたアクセス等の整備が大事であると思いますが、これには我々政府も努力いたしますが、地元の熱意と協力はいろいろな意味で必要だと私は思います。
  76. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 ありがとうございました。  地元も一丸になって事業の成功に向けて努力をしてまいりますので、大臣、今後ともよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  77. 藤井孝男

    藤井主査 これにて木村隆秀君の質疑は終了いたしました。  次に、田中和徳君。
  78. 田中和徳

    田中(和)分科員 自由民主党の田中和徳でございます。  私の地元、川崎市が抱える諸問題を中心にお尋ねをさせていただきます。  六つの改革を掲げ、あすの日本を切り開くために必死の努力をいたしております橋本政権の中にあって、有力閣僚として、亀井建設大臣への国民の期待はまことに大きいものがあります。行財政改革のもとで、公共事業についても率直に持論を展開される大臣の姿を拝しながら、期待を申し上げ、順次お伺いをしてまいりますので、大臣並びに建設省関係者の明快な答弁をお願いをいたします。  最初の質問は、二十一世紀に向けたこれからの公共事業のあり方についてであります。  従来の予算編成は、ゼロシーリングだとかマイナスシーリングといった、横並びの歳出カットの手法がとられてきました。しかしながら、個別の具体的な案件ごとに費用対効果の関係を分析し、経済合理性の見地から優先順位をつけていくという手法はとられておりません。この点については、有識者からも再三指摘があるように、将来の日本にとって本当にプラスなのかどうか的確に見きわめながら、大胆なめり張りをつけ、行財政改革に聖域なしと言われる時代の予算編成を行う必要があると思います。これからの公共投資のあり方について、基本的な認識をお伺いをいたします。
  79. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、現代に生をうける者の一人といたしまして、また政治に責任を持つ一人といたしまして、現在我々の生み出しておる富をどういう形で配分をしていくかということについては、ただ現在の生活を楽しくおもしろく愉快にやれる、その面にだけ費やしていいものであると基本的に考えておりません。やはり子々孫々に対して、諸外国の先進国に比べておくれております社会資本をどうきちっと整備をして残してやるかという、そのためには、我々の今の生活自体を少しは切り詰めてでもそういう努力をすべきだという基本的な考え方に私は立っておるわけであります。そういう意味では、景気のよし悪し、財政事情のよし悪し、これはいろいろございますけれども、そういう視点から、後世の者から我々がそういう努力を怠ったという批判のない努力をしなければならない、私はこれが基本的な考え方であります。  また、そうした社会資本整備にいたしましても、今費用対効果というお話がございましたけれども、現時点での、あるいは今からこの数年間の費用対効果、そういう面ももちろんこれは大切でありますが、北海道から沖縄まで、非常に狭い国土であります。これをどう有効的に活用していくか、人口がやはり東京、大阪等に集中をしない、そうしたためには何をすべきかという視点を外してはならない。  特に、長くなりますから申しませんが、世界はどんどん変わってきておるわけでありまして、日本列島細長いわけでありますけれども、例えば自由経済、ロシアと日本の関係を考えますと、統制経済、社会主義国ソ連と日本との関係とはがらっと変わってくるわけでありますから、東京経由でつき合いをするというよりも、直接北海道、東北あるいは日本海沿岸等が日本との交流の窓口になっていくわけであります。  また、この地球で将来一番発展するのが東南アジアだと言われておりますけれども、あるいは韓国、中国含めて、こことの日本の窓口といえば、これも何も東京、大阪を回ってつき合いをするわけではございません。沖縄であり、またこれは九州であるはずであります。そのあたりを、現時点において費用対効果の面において東京や大阪、名古屋等の大都市と比べて落ちるからといって、そこの社会資本整備を手を抜いていいということにはならない。やはり政治というのは、十年、二十年、あるいは半世紀先を目指しながらそうした整備をしていくのが政治である、私はこのように考えております。  なお、委員は川崎の御出身でありますが、どうも大都会中心に、公共事業、もういいんじゃないかというような声が、委員は別でありますが、割と上がっておることについて、私は不思議でしようがないわけであります。川崎にしても、この東京にしても大阪にしても京都にいたしましても、今、道路網整備を含めて、社会資本が欧米の先進国のようにきちっと整備されておるとは私は思いません。そういうことから手を省いて、毎日おもしろくおかしく生活していける、その方面にだけ金をつぎ込んでいいということを、私は、間違いだ、このように思っております。
  80. 田中和徳

    田中(和)分科員 ただいま亀井大臣より、国家百年の大計を考えながら行政を推進していく強い姿勢をお示しになりました。私も全く同感であります。ただ、きょうは限られた時間でありますので、私は地元のことを述べさせていただくことをお許しをいただきたいと思います。  バブル経済崩壊後、都市部でも経済の復調が思うように進みません。都市部からの従来の潤沢な税収を地方へ配分することが、国土の均衡ある発展を生み、都市と地方との格差を是正するという政策は、総論では賛成できても、現実には難しい時代がやってきております。  川崎市は、京浜工業地帯の中核都市として、また政令指定都市の中でも国への市民一人当たりの納税額が過去長い間第二位をキープし、貢献してまいりましたが、残念ながら、ピーク時年間六兆八千七百五億円の工業生産高が、昨今四兆円近くまで急速に落ち込んでおります。一方、政令指定都市の中で最下位に位置するこれまでの国からの公共投資額や都市基盤整備のおくれが、政令指定都市の中でも特に目につきますことを考えますと、川崎市民には不公平感があることも事実であります。  都市部と地方の公共投資配分の見直しを一部行いながら、投資効果が得やすい都市部の再生を図って税収アップを実現することが、我が国の財政改革を強力にバックアップすることになり、現実的な、効果的な手法の一つと考える側面もあるのではないかと思われます。財源が極めて限られた時代の都市部と地方の公共投資配分について、公平性、効率性の見地から基本的な認識を、大臣のお話はありましたけれども、もう一度お聞かせをいただければと思います。
  81. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、大都会における経済活動の効率化といいますか、活力を生んでいくためにも、交通網整備社会資本整備が不可欠だ、このように考えております。それをきっちりしないで、国際競争力を含めまして、そういうものが生まれてくるはずはない。そういう意味では、何度も申し上げますが、私は公共事業至上主義などと言っておるわけではありません。そうではなくて、やはりそうした基本的なフレームといいますか、産業活動のフレームというものを整備をしていくという視点を失っていけば、経済の活力自体も間違いなく低下をしていく。そういう意味では、委員の、大都会におけるそうした整備が我が国の経済活性化していく面において不可欠だという認識とは、私は全く同感であります。  ただ、先ほど申し上げましたような、均衡ある国土発展という将来を見通してのそうした先行投資的な意味を含めての整備もあわせて必要だ、このように考えております。
  82. 田中和徳

    田中(和)分科員 ありがとうございます。  都市部の中でも、京浜工業地帯は、工業立国日本の基礎をなし、経済成長の原動力となってきました。川崎市内でも、長年にわたって蓄積されている産業集積のボリュームは、研究者の数も含め、日本一とも言われております。そうした日本の財産ともいうべき産業集積を維持することは、国益の上からも大きなメリットがあると思います。  以上の視点から、川崎市域の防災対策の充実、住環境の改善、幹線道路整備等について、数点伺います。  まず、防災対策についてですが、昨年九月一日、総理大臣を初め関係閣僚の参加のもと、首都圏七都県市の防災訓練が川崎市幸区を本部として実施をされました。川崎市を中心とする京浜工業地帯には、阪神・淡路大震災の中心地、神戸地区と比較して、石油タンクが四百基に対して三千基、高圧ガスタンクが十七基に対して三百五十基と、その危険物、毒物を含め比較にならないほどの量があります。そのエネルギーは広島の原爆の何倍にも相当し、爆発するとその火炎は十キロ四方にまで及ぶと言われております。この地域の居住者は約五十万人になります。しかも、臨海部のコンビナートはほとんどが地盤の弱い埋立地であります。既に調査でも明らかなように、阪神・淡路大震災と同規模の地震が来ますと、その被害は何倍にもなることが予想されております。  建設省事業に、密集住宅市街地整備促進事業があります。この事業の指定を受けている川崎区小田地区の進捗状況が数日前新聞で報道されましたが、京浜工業地帯周辺は古い下町地域で、住宅密集地域でもあります。しかし、この事業の指定を受けても、せっかくのリフレッシュ対策は遅々として進んでおりません。報道にもあるように、現行の施策だけでは、この不況時、利用者にとって魅力がなく、実が上がらないのが実情であります。  今国会において、密集住宅市街地整備促進事業を拡充する法案が提出されました。しかし、それだけでなく、費用はかかりますけれども、以前より言われております、大きい土手を築き植栽をする、グリーンベルトとしての防災遮断帯の建設、さらには区画整理事業などを同時並行して推進をすべきと考えますが、建設省の取り組みについてお伺いをさせていただきます。
  83. 小川忠男

    ○小川政府委員 先に、住宅建築関係の方からお答えさせていただきます。  日本の都市住宅行政で二十一世紀にツケを残した最たるものは、やはり今先生指摘になりました防災関係であろうと思います。阪神・淡路大震災のときには、全部で六十五ヘクタール、七千六百棟が被災を受けました。また、例えば東京でございますが、現行のまま関東大震災と同程度の地震が発生した場合には、四十八時間以内に全面積の四分の一が焼失するというようなシミュレーションもございます。  そういうふうな状況のもとで、現在、密集住宅市街地整備促進事業住宅行政の面ではそういう予算、制度でいろいろ事業をやらせていただいております。ただいま先生指摘になりました川崎市でも、小田二丁目、三丁目地区でやらせていただいております。  ただ、予算面で全力投球はいたしておりますが、御指摘になりましたようになかなか難しい面もございまして、完全というわけにはまいりません。これは、予算面でという点もございますけれども、やはりいろいろな意味で人間関係のしがらみが二重、三重に積み重なっているというふうなところが難しさのポイントでございまして、その意味では、予算面と同時に、法制度の拡充というふうな側面と、それを執行する行政サイドのマンパワーの拡充と、この三つがワンセットになって恐らく初めて有効に機能するというふうなことだろうと思います。  そういうふうな観点から、今御指摘いただきましたように、新しい法制度の枠組みを今回国会に御審議を賜りたいというふうなことでお願いいたしておるわけでございますので、ひとつよろしくお願いいただければと思います。
  84. 木下博夫

    木下政府委員 重ねてお答えしたいと思いますが、建設省の場合ですと、各局のそれぞれの持ちごまの中におっしゃっておられるような防災対策に類するものがたくさんございます。  今、住宅局長からお答えしましたのは、例えばミクロ的な住宅の建てかえ、これも我々としてもなかなか重要だと思って、やっていかなければいけないと思っておりますが、もう少し面的な広がりをぜひ考慮に入れろということで、今回の法案もそういうことでございますので、まずは、やはり災害の危険度についてもう一回住民と一緒に確認をし合う、そういうことで危険度の判定をしつかりやりたい。それから、それぞれの町で新しいそうした防災に視点を置いた町づくりの絵づくりをするときに、その計画に対しての補助もさせていただきたい。それから具体的には、やはり各地にまちづくり公社などがございますので、今少し眠っているところもございますので、こういうところをもっと活性化していかなければいけないということでございます。  舞台としてはそういう舞台でございますが、手法としては、先生おっしゃられたように、大変大きな仕掛けという意味ではやはり道路をしっかりつくること、あるいは、そこに遮断帯としての効力を持つグリーンベルトなども絵としては入れていかなければならないと思います。いずれにせよ、過去からもしっかりやってきましたけれども事業としては大変小さな事業であったということに対しての御不満は我々としても承知しておりますから、新しい仕掛けの中にはその辺も入れながら施策を進めていきたい、こう思っております。
  85. 田中和徳

    田中(和)分科員 ぜひお力を賜りたいと思います。  時間の関係がありますので、次に道路についてお伺いをしてまいります。  川崎市における都市計画道路事業進捗率は何%で、政令指定都市の中での道路整備率の順位はどの程度になっているのか、確認をさせていただきたいと思います。
  86. 木下博夫

    木下政府委員 先ほどの先生の御質問にも大変川崎市の状況は厳しいというお話を申し上げましたので、大変お答えしにくいわけでございますが、川崎市の現在の都市計画道路の総延長は約三百九キロございまして、改良済み延長はおおむね百七十キロございますので、整備率は五五%、正確に申し上げますと五四・五%ということでございます。政令都市の中で何番目かということでございますが、全国で政令都市が現在十三ございまして、その中では第十一番目でございます。
  87. 田中和徳

    田中(和)分科員 川崎の道路は、東京の隣という日本の中心地に位置しながら大変おくれている、これは地元にも大変責任があると思います。東京湾横断道路がことし、平成九年度中にも供用開始になりそうでございます。東京湾横断道路事業は、均衡ある首都圏を形成するための期待の事業でありますが、それと切っても切れないワンセットの事業として位置づけられておりますのが川崎縦貫道路であり、この事業についてお伺いをしてまいります。  この事業のきっかけは、東京湾横断道路建設というビッグプロジェクトが持ち上がった当時にさかのぼります。横断道路完成時、川崎市内への車両の流入が増加し、慢性的な交通渋滞都市、川崎にさらに重大な事態を引き起こすことが予想され、横断道路そのものに神奈川県側は反対の意思表明をいたしました。その結果、たび重なる国側との協議が持たれ、結局、昭和六十年に横断道路建設了解の条件として、建設大臣と神奈川県、横浜市、川崎市の四者間で約束が交わされ、建設の運びになったのが川崎縦貫道路であります。  このルートは、国道四〇九号線の一般国道の拡幅整備とあわせ、首都高速道路を新設する大事業でございまして、千葉県側からの東京湾横断道路に川崎側の臨海部の浮島ジャンクションで接続し、多摩川沿いの細長い地形の川崎を縦に突き抜けます。途中で、東京湾岸道路、産業道路、第一京浜、第二京浜、綱島街道、第三京浜、国道二四六号線と交差し、東名高速道路で終結する、極めて重要なルートになります。この事業は、一期工事だけで五千二百億円、残りの二期工事も優に五千億円を超える、東京湾横断道路にも匹敵するほどのビッグプロジェクトであります。  当初の約束では、完成の時期は東京湾横断道路完成前、遅くとも同時ということでありました。それがいつの間にか、臨海部から第一京浜までの一期工事平成十一年におくれ、二期工事に至ってはまだ都市計画決定すらされておりません。市民の中には、事情がよくわからず、国がうそをついたのではないか、こういうことを言う人までおる昨今の様子があります。  一期工事東京湾横断道路よりおくれること二年の現計画平成十一年完成は間違いないのか、東名高速道路につながる二期工事はいつまでに完成するのか、大幅におくれた理由も含めてお答えをいただきたいと思います。
  88. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 川崎縦貫道路でございますが、東西に細長い川崎市の背骨となる道路でございます。さらに、この道路は、首都圏の骨格となる道路の一翼を担う、そういった大事な道路でございます。  そういったことで、先生おっしゃられましたように、東京湾横断道路とあわせまして東名高速自動車道までの間を供用することを目標にいたしまして、先ほどの一期区間、これは浮島ジャンクションから国道十五号に至る八キロの間でございますが、これにつきましては、昭和六十一年、東京湾横断道路事業化されるときにあわせて事業化されたところでございます。  しかしながら、当該地域都市計画決定を行うに当たりまして、ルートや構造それから環境問題等々、そういったことに関しまして川崎市議会等から多数の御意見等が出されまして、その調整のために相当の期間を要してきております。  それで、この調整は、地形的な、川崎市自体が東西に長いといったこと、それからその北側に河川がある、そこを渡ってくる鉄道の問題、道路の問題、そういったものの調整もあったわけでございますが、地元の住民の方々とのいろいろな調整等、そういうことに時間を要しまして、都市計画決定が大幅におくれまして、平成二年の八月に決定される、都市計画決定までに四年を費やしておるといった状況でございます。  それと、その後でございますが、平成三年度より用地買収に着手しております。これも鋭意進めてきたところでございますが、まだ大きな工場等の物件が残っておるといった状態で、現在までに約八割程度の用地買収を完了しているところでございます。  そういったことで、まだ完全には地権者の方々の御協力を得られないといったような、用地買収が難航している状況でございまして、現時点において平成十一年度の完成というのは厳しい状況になってきております。今後とも、地元の御協力を得ながら用地交渉を積極的に進めていきたいというふうに考えております。  それから、国道十五号から東名高速までの二期の区間でございますが、こちらにつきましては、建設省それから神奈川県、川崎市、三者の相互協力のもとにルート等調査を始めているところでございます。  平成三年度から四年度にかけまして、川崎市が川崎市議会においておおむねのルート、構造の説明を行うとともに、市内十四会場におきまして地元説明会等を行ったところでございます。しかしながら、地元説明会等におきまして、環境や構造に関連しての多くの意見が出されまして、その対応方策等に現在検討を重ねているといった状況でございます。  いずれにしましても、一期の区間早期完成、それから二期の区間につきましては、現在まだ都計もされておりませんので、早期に都計を確定するために地元の皆様の御理解と御協力が不可欠であると考えておりますので、よろしく御支援方、お願いいたしたいと思います。
  89. 田中和徳

    田中(和)分科員 大変御努力をいただいている様子はわかりますけれども、とにかく頑張っていただかなければならないルートだと思っております。当然、私も真剣に御協力をさせていただきたいと思いますけれども、一期工事平成十一年の完成の見通しが立たない、こういうお話でありますし、急いで頑張ってもらうわけでありますけれども、問題は、実は幾つもこれから出てくるわけでございます。  国道四〇九号線とその接続道路が、もう今大変交通渋滞を引き起こしておるわけでございます。多摩川にかかる橋も、大師橋、六郷橋とも新橋をかけたり拡幅をいたしまして努力はしていただいておりますけれども、渋滞解消の兆しがまだ明確でありません。そこに一期工事完成しますと、市内外からの利用する車の増加によりどのような事態になるか、これは議論の余地がないところであります。すなわち、当初の計画どおり二期工事も並行していかないと、供用開始時期はやはり同時でなければ、最初の計画どおりにそうしなければ、問題が起こってくると思います。既に、地域住民の中に、一期工事だけが完成しても供用開始をさせるべきではないのじゃないか、大変な混乱が起こってくるのではなかろうか、こういう話が出ております。  時間の関係ではしょりますけれども、場合によっては、とりあえず第二京浜国道あたりまで二期工事を進めていただいて、供用開始を一期と第二京浜のところまでで合わせていくとか、何か方策を考えないと、せっかくの大事業がマイナスの事業になっていく可能性があるわけでありまして、ぜひひとつ最後にお答えをいただきたいと思いますし、もう一点は、地域住民にとって、経済的に落ち込みのひどい川崎市でありますから、ビジネスチャンスにつながるという期待もございます。  工事そのものが一兆円も超える事業であればなおさらでありますし、またそれができ上がった後をあわせての経済効果を考えれば、建設省の先般の調査も拝見しましたけれども、一兆円に対しての経済効果も説明をいただきましたけれども、私は、他の平均的な効果よりもこのルートは必ず大きい効果が見込めると思うわけでございまして、特段の御理解と御協力を願いたいと思います。私も当然、地元の議員でありますから、責任を持ってしっかりと努力をすることをお誓いしまして、最後の御答弁をお願いをいたします。
  90. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 二期の区間を、二期の一部でございますが、一期と合わせて供用できないかという先生のお話でございますが、二期区間につきましては、現在計画決定がまだ進んでおりません。ですが、これは先生のおっしゃられるとおり、東名につながるところまで早く整備していかなくてはならないといった観点から、私どもといたしましては、全力投球して少しでも早く進めていきたいというふうに思っております。そうすることによって、一期と合わせることがなかなか難しい面はございますが、ずれることがあってもなるべく少ない時間で済むように努力していきたいというふうに思っております。  また、地元での皆さんの御理解とかをいただかなくてはならないと思いますが、その点につきましてもよろしくお願いいたしたいと思います。
  91. 藤井孝男

    藤井主査 これにて田中和徳君の質疑は終了いたしました。  次に、山口泰明君。
  92. 山口泰明

    山口(泰)分科員 私は、埼玉十区、三市六町二村、三十八万人の人口、東京からいいますと東上線に池袋から乗りまして四十分から八十分、関越自動車道でございますと鶴ケ島インターと東松山インター、この中には東松山市も含まれているものですから、私は、清潔、信頼、ぬくもりをキャッチフレーズに、中小企業の都市ガス会社の専務から、昨年の選挙で当選をさせていただきました。  質問は、私生まれて初めてでございます。ましてや実力大臣の前でございますので、大変緊張もしており、失礼があるかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。  また、公約の中に、私はわかりやすい政治ということでお訴えもしてまいりました。五カ月目になりますけれども、いろいろな委員会に出ていても、答弁を聞いていて、これは肯定しているのか否定しているのかわからない答弁もありますので、ぜひイエス、ノーがはっきりわかるように御答弁をいただければ大変ありがたいと思います。  まず、圏央道についてお聞きしたいと思います。  首都圏中央道は、東京都心よりおおよそ四十キロから六十キロメートルの位置に計画をされています約二百七十キロメートルの高規格幹線道路であります。本道路は、横浜、厚木、八王子、筑波研究学園都市、成田、木更津等の中核都市を連絡するとともに、東京湾横断道路東京湾岸道路東京外郭環状道路等と一体となって首都圏の広域的な幹線道路網を形成し、首都圏の諸機能の再編成、産業活力の向上等を図る上で重要な役割を果たすものであります。圏央道は中央環状及び外環と一体となって通過交通の排除、東京都心部への交通の適切な分散、導入を図り、首都圏全体の道路交通の円滑化に資するとともに、沿線の開発構想等を支援するものであります。  まず最初に、首都機能の一翼を担うとともに、自立性の高い県づくりを推進するため、土屋埼玉県知事を筆頭に、埼玉県では県内一時間道路網を目指し、計画的な整備を進めているところであります。圏央道は、東西方向の連携を強化するなど、極めて重要な道路の一つであります。この重要性にかんがみ、埼玉県内の圏央道早期整備する必要があると考えますが、整備進捗状況等お聞かせいただければありがたいと思います。
  93. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 首都圏中央連絡道でございますが、これは首都圏の骨格となります三環状九放射の自動車道路ネットワークといったものを現在整備中でございますが、その一部をなす大事な路線でございます。  その中で、埼玉県におきましては、東京埼玉都県境から関越道鶴ケ島市まででございますが、この延長約二十キロにつきましては、昭和六十年度に事業着手いたしまして、平成八年の三月に圏央道としましては初めて供用開始したところでございます。  また、関越道鶴ケ島市のところからでございますが、国道二五四の川島町までの八キロ間につきましては、平成元年度に同じように着手しておりますが、四年度に用地買収に入りまして、現在用地買収を進めているところでございます。  さらに、二五四の川島町から埼玉・茨城県境幸手市の間でございますが、これが三十キロくらいございます。この間につきましては、平成六年度に事業化を行っております。八年の四月に都市計画決定がされまして、平成九年の二月、つい先ほどでございますが、整備計画が策定されたところでございます。現在、一部区間において路線測量とか道路設計、地質調査等を促進しているところでございます。  今後とも、この事業の重要性にかんがみまして、地元皆さんの御理解と御協力を得て鋭意事業推進してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
  94. 山口泰明

    山口(泰)分科員 わかりました。  ちょっと重複しますけれども、その圏央道青梅インターから関越の鶴ケ島ジャンクションまでは昨年の三月に初めて供用したところでありますけれども供用済み区間の効果をさらに高めるために、今計画決定されましたけれども、二百五十四までの整備をどの程度のスケジュールでいくのか、もっと詳しく教えていただければありがたいと思います。
  95. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 関越道の鶴ケ島市から国道二五四の間についてでございますが、先ほど申しましたように、平成元年度に事業着手しております。四年度から、設計協議が調った地区から順次用地買収に着手しております。現在、川越市と川島町におきまして用地買収促進されておりまして、平成八年度末でおおむね約三割ぐらいの用地進捗率となっております。  従来から計画的あるいは効率的な道路整備を図ってきたところでありまして、圏央道ネットワーク効果をさらに高めるためには、既に供用している区間の延伸を図ることが一番大事なことであるというふうに私ども感じておるところでございます。  このため、現在供用済みの青梅インターチェンジから関越道の鶴ケ島市に隣接する当該区間につきまして、できるだけ早く供用が図れるよう今後とも用地買収促進を図っていきたいと思っておりますし、その用地買収とあわせて、用地の取得がまとまってくれば工事促進にもつなげていきたいというふうに思っております。
  96. 山口泰明

    山口(泰)分科員 圏央道の効果をより発揮させるために、圏央鶴ケ島インターチェンジの周辺の、例えば県道川越越生線などの県道網の整備も必要と考えておりますけれども、その辺の整備状況についてもお聞かせいただければありがたいと思います。
  97. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 圏央道に関連しての鶴ケ島インターチェンジからのアクセス道路でございますが、特にインターチェンジからは市道一〇一五線を介して国道四〇七号、県道川越越生線で市内にアクセスするといった形になっております。  しかしながら、国道四〇七号及び県道の川越越生線につきましては、慢性的な渋滞が起こっているといった状況でございますので、川越市内の国道十六号から圏央道の圏央鶴ケ島インターチェンジを経由しまして、県道飯能寄居線に至ります十五キロ間を県道川越越生線のバイパスとして整備を図ってほしいという要望が強くなってきております。  この要望区間のうち、全体の半分の八・四キロにつきましては都市計画決定がされておりまして、圏央鶴ケ島インターチェンジから国道四〇七号までの約一・一キロについては、圏央道青梅インターチェンジから鶴ケ島ジャンクションの供用にあわせまして、鶴ケ島市道を国庫補助事業として平成八年の三月に暫定二車線で供用を図ったところでございます。  また、国道四〇七号から新田通り線の間の一部の新田区画整理事業区間につきましては、平成十二年度完成を目指しまして現在事業中でございます。残りの都市計画区間につきましても、早期事業着手できるよう、現在埼玉県と地元市において事業の進め方を検討中というふうに埼玉県の方から聞いております。  なお、都市計画決定がなされていない区間につきましてま、都市計画こ向ナ調整が進められており、平成九年度から調査を実施する予定であると伺っております。  建設省といたしましては、地元からの御要望については積極的に支援していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  98. 山口泰明

    山口(泰)分科員 圏央道で最後の質問なんですが、圏央道整備効果を受けとめ、地域の発展のためにも、既に供用している圏央道の鶴ケ島インターチェンジ付近に計画されております鶴ケ島市南西部土地区画整理事業や既に用地買収を進めております川島インターチェンジ付近の川島西地区土地区画整理事業を積極的に進めるべきではないかと思うんですが、その御見解をお願いいたします。
  99. 木下博夫

    木下政府委員 お答えいたします。  先生質問の中で言われました二つの事業については若干タイムラグがあるように思いますが、まず鶴ケ島の南西部の第一期土地区画整理事業、これにつきましては、昨年度、平成七年度から事業を既に実施しております。  計画といたしましては、これから、いろいろな事情がございますが、平成十二年度までを一応計画をしておりまして、全体の事業費約八十二億円を用意しておりますが、先ほどもお話がございましたように、昨年の春の鶴ケ島−青梅間の開通が一つの地元に対する明るいニュースとして伝わったと私ども受けとめておりまして、大変そのあたりにつきましても地元のまとまりが進んできたように存じております。そういうことで、この事業をさらに予算面でもいろいろバックアップさしていただきたいと思います。  もう一つは川島西地区の区画整理事業でございますが、これも今申し上げました第一期と同じように組合施行を考えておりますが、私ども承知しておりますところでは、まだ全体の事業の中身が地元で十分調整が終わっていないようでございますが、規模としては約百八十ヘクタールぐらいをお考えのようでございまして、今年度も既に町はみずからの単費を出して調査をしておられるようでございます。  我々もいろいろ御相談は十分承りたいと思っておりますが、お話がございましたように、やはりこうした圏央道を含めまして主要な幹線道路というのは一つのいわば手段でございまして、その手段をもとにして一つの地域にインパクトを与える、いわばくしになりましたその道路にくっつくだんごの部分は、我々としては何をこれから目玉にしていくかということは地元の方の総意を十分踏まえてやっていかなきゃならないと思います。とりわけこうした地域でございますが、当然、お話にございましたように、流通関係のいわば拠点的なことが一つのイメージとしてはわいてくるわけでございますが、その際に、周辺の土地利用なんかも含めてでありますが、新しい業種なども念頭に置きながらさらに町づくりとあわせた地域活性化に役立つような土地区画整理事業として役立てていきたいと考えております。
  100. 山口泰明

    山口(泰)分科員 ありがとうございました。私もその二百五十四号の川島町に住んで今国会に通っているわけでございますけれども、私の町から七十二年ぶりに国会議員が出たものですから地元の期待も大変大きいものですから、ぜひ亀井建設大臣にもお願いして、一刻も早く、計画より早くなることをお願いしたいと思います。  次に、住宅都市整公団についてお話をお聞かせいただきたいと思うんですが、最近本当に公団さんはいろいろなところでいろいろ、いい話はないんですけれども、私はさっきも述べましたようにガス会社の出身で、昭和五十四年に今自分の、坂戸ガスというところへ入ったんですけれども、そのときは日本住宅公団さん、その後合併して住宅都市整公団となったわけでございますけれども、私の管内の三市の中にも北坂戸団地、東坂戸団地、若葉台団地、高坂ニュータウン、そして今始まった坂戸入西、五つ抱えているわけでございます。  私が会社へ入ったときは、営業の係長として公団のバランスがまもみずから取りつけに行った経験もありますし、そういった面で公団の内容、非常に今バッシングいろいろありますけれども、私はある意味では本当に公団さんは、今までのそういった安全面ですとか、そういった面のサービスというのは、特に賃貸においては値段も私の地域では三割から四割民間より安い。そして、阪神大震災を例えにとるわけではございませんけれども、安全というものはお金では買えないことでございます。  そういった面で、今、住民の方も私のところへ来て、泰明さん、私公団に入っているんだけれども今後どうなってしまうんだろうという本当に素朴な住民の声があるわけでございます。そういった点で、今後公団の改革に当たっては、家賃はともかく、その管理体制、公団賃貸住宅管理面、特に安全面のそういった方向をはっきりしませんと、やはり住まわれている方が不安になりますので、その辺の局長さんのお考えをお聞かせ願えればありがたいのであります。
  101. 小川忠男

    ○小川政府委員 ただいま住宅都市整公団の今後の基本的なありようをどう考えるのかというふうな点につきまして、建設大臣の直接指揮のもとで大車輪で将来展望を検討中でございます。当然その中で管理体制、現在公団の賃貸住宅七十二万戸二百万人の方が現に住んでいらっしゃいますが、その管理体制を今後どうすれば最も効率的また安定的な制度が構築できるのかというふうなことも重要な検討項目の一つでございます。  ただ、具体的にどうするかというふうな点につきましては、もうしばらく時間をおかりいたしたいと思いますが、ただ一つだけ申し上げておきたいのは、やはり七十二万戸二百万人という数字は極めて重いという点がございます。  それから、現に入居していらっしゃる方々の例えば収入でございますが、よく第一分位、第二分位というふうな概念を使いますが、第一分位から第三分位、所得の低い方からずっと積み上げていきまして第三分位、現時点では年収七百五十万円ぐらいだと思いますが、未満の方々が全部で七二%を占めていらっしゃるというのも事実でございます。  また別の指標で見ますと、入居者の世帯主の年齢でございますが、六十五歳以上の方々が一三%を占めている、これまた事実であろうかと思います。  したがいまして、今後公団の賃貸住宅の管理体制あるいは組織、あらゆる角度から検討いたしたいと思いますが、やはり最も基本的なことは、これらの方々の生活がいずれにいたしましても混乱をするというふうなことだけはやってはいけないというふうなことは肝に銘じております。  ただ、具体的な中身につきましては、申しわけございませんが、もうしばらく検討の時間をいただきたいと思います。
  102. 亀井静香

    亀井国務大臣 今住宅局長からお答えをいたしましたけれども、本来住都公団は、所得面においては比較的恵まれないと言ったらおかしいんですが、中低所得者層に対する住宅供給という使命を帯びてこれは生まれておるわけでありますし、今までもその使命を果たしてきたわけであります。  そういう意味で、今後そうした入居者の方々等についてこれが生活環境についてもレベルダウンすることがない、そういうことはこれは基本でありますので、私どもは分譲から全面撤退をし、賃貸から一部を除き撤退をするという方向を出しておりますけれども、これはやり遂げますけれども、しかしその間、今委員が申されましたような不安ということは絶対に現実化しないような措置はきっちりとってまいりますから、御相談に来られた方全員に、お任せください、きっとしますというようにお答えをいただきたいと思います。
  103. 山口泰明

    山口(泰)分科員 もう一点、公団さんというのは、私は個人的にもおつき合いがありまして、本当に非常にすばらしい能力のある方が多いわけでございます。そういったノウハウ、すばらしいところがあるわけですから、改革後も、密集地の整備ですとか既成市街地の整備を地方の公共団体等と役割を分担してやられたらいいんじゃないかと私は思うんですが、その辺局長さんのお考えをお聞かせいただきたい。
  104. 小川忠男

    ○小川政府委員 先ほど来非常に高い評価を公団に対して与えていただきまして、まことに恐縮いたしております。私どもも、住宅都市整公団の今までの機能、役割を振り返ってみますと、やはり住宅をつくるというふうなことに加えまし七、町をつくる、町の再編成をする、再開発をする、こういったことで果たしてきた役割もこれまた大きかったと思います。  また今後を展望するときには、やはり箱物そのものについてはいろんな議論は可能だとは思いますが、今先生指摘になりましたように、都市の基盤を再編成するあるいは再開発をする、こういった分野、例えば密集市街地でございますとかあるいは都心部でもう少し高密度な居住空間をつくるというふうな問題につきましては、やはり専門家集団としての住宅都市整公団の機能あるいは役回りというものは高く評価して、それなりの役割が果たせるような位置づけをきちっと与えるべきであろうと私どもは思います。  例えば神戸の震災後でございますが、現段階でも住都公団二百七十人を現地に張りつかせて兵庫県、神戸市のお手伝いをさせております。こういったことをやはりもう少し新しい体制のもとでシステマチックに展開できるように十二分に検討させていただきたいと思います。
  105. 山口泰明

    山口(泰)分科員 今後も是は是、非は非で、ぜひいいところを伸ばしていただいて、ぜい肉はカットしていただくようにお願いできればと思います。  最後に、私は亀井大臣に御質問建設省ではないのでございますけれども。  四月から消費税が五%になります。そして今、火の玉行革ということで橋本内閣は一歩も引けない状態でございます。それで、大臣は、埼玉県警の捜査二課長時代、もう前なのですけれども、今でもその能力、見識等が非常に、いまだに警察庁から来られた方では右に出る者はいないという評価でございます。また、橋本内閣の行革が成功するかしないかは、私は亀井大臣が一つのキーマンだと思っておりますので、行革全体について今後の大臣の決意なり抱負を聞かせていただければ大変ありがたいのでございます。
  106. 亀井静香

    亀井国務大臣 総理が既に言明をいたしておりますように、ことし十一月末までに、中央省庁の再編成を含めて、国家を機能別に類別をして、それに従った省庁の再編をやる、特殊法人も当然これと関係してやるということを言明しておるわけでございまして、もうルビコンを、御承知のように渡りました。もしこれを実施しなければ、これは橋本内閣、直ちにおしまいであります。  それで、もう今から時間はございませんけれども、その間に、国民との間のコンセンサス、与野党間のコンセンサス、いろいろなし遂げなければならぬことはありますけれども、我々といたしましては、耳を長くしながら、心を広くしながら、二十一世紀の国家建設を今からやるのだという気構えで徹底的に取り組んでまいりますので、ぜひひとつ御協力をお願い申し上げたいと思います。
  107. 山口泰明

    山口(泰)分科員 時間を余しますけれども、私はこれで質問を終わらせていただきます。私はきょう初めての、本当に生まれて初めてのこういう質問で、初めて質問したときの方が今の総理大臣だよと言えるように、ぜひ大臣も頑張っていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  108. 藤井孝男

    藤井主査 これにて山口泰明君の質疑は終了いたしました。  次に、秋葉忠利君。
  109. 秋葉忠利

    秋葉分科員 済みません、名前がなかなか舌をかむような名前でして、私もニュースキャスターをやっているときに一番苦労したのは、実は自分の名前を正確に発言するということですので、子供にはもう少し発言しやすい名前をつけました。  社民党の秋葉ですが、大臣初め、主に河川行政、公共事業等について何点か質問させていただきます。  まず最初に、これは道路に関連したところでの亀井大臣の発言なのですが、私の前の委員も言及しておられましたように、亀井大臣の、私は政治家になられてからの仕事しかほとんど存じ上げませんけれども、決断力あるいは長期的なビジョン、そういったところで、日本の政治家の中にあっては非常に際立った存在であり、その期待も非常に大きい、しかも大胆に問題提起をする、そういった形で亀井大臣の存在が認識されてきたところだと思います。     〔主査退席、高鳥主査代理着席〕  例えば、日野市の市長が高速道路について、有料道路についての発言をした際に、これは恐らく口が滑ったというところだと思いますが、アルツハイマーじゃないかというような発言をされた。ある意味で、私はそれは非常に残念に思っております。  というのは、亀井大臣の日ごろからの発言を伺っておりますと、やはり問題があるところはきちんと議論を行う、賛成、反対にはかかわらずちゃんと議論をして決着をつけるんだ、そういった態度が私は亀井大臣の身上の一つであるというふうに考えてまいりました。  それについて、何といいますか、俗人的にああだこうだという議論になると、おまえはばかだとかばかじゃないとか、そういうレベルの話になってしまって、実は今回の問題でも、例えば亀井大臣と私は大体同じ世代ですから、小さいときから、そのうちに高速道路はただになるとずっと聞いてまいりましたし、ではそういった公約を変える手続はどんなものなのかとか、あるいは地方自治の本旨とはどういうことなのか、いろいろと議論する問題がございます。実は、私が期待しておりましたのは、亀井大臣にはそういった点で一方の旗頭としてきちんとした整理された議論をすることを大変期待しておりました。  その期待にこれからでもこたえていただけると思いますけれども、とりあえずはアルツハイマーという言葉は撤回して、そういった本当の意味での政治の議論、あるいはより多くの皆さんに政治の問題について、特に若い人たちに理解してもらう上での建設的な議論、そういった方向にぜひシフトしていただきたい。  そのために、アルツハイマーにかかっている方々、その家族の方々の心等も考えますと、この際やはり撤回をしていただいた方がいいのではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
  110. 亀井静香

    亀井国務大臣 極めて友情あふれる御質問を賜りまして恐縮をいたしております。  アルツハイマー発言について、なぜそういうことを記者会見の場で言ったかということでありますが、私は、今道路公団の抜本的な改革を言明をいたしております。そういう意味では、将来道路公団のあり方をどうすべきか、どうなっていくべきかということについては、私は、国民のいろいろな立場の方からどんどんと御議論をいただかなければならない。我々も率直にこれは耳をかさなければならない。  はっきり申し上げまして、今白紙でこれを検討しておるわけでございますので、秋葉委員からもぜひひとつ具体的な御指導を賜りたいと思うのですが、では、なぜ日野市長の発言に対して私がそういうことを言ったかと申しますと、一般の評論家の方とか一般の市民の方々が固定資産税を払うのはおかしいじゃないかという問題提起をされたということであれば、私は、それはそれとして、今秋葉委員がおっしゃいましたような形で我々も議論をしていきたいと思うわけでありますが、現職市長という立場におられる方が歳入見積もりに、平成九年度予算の中に固定資産税を入れるというお話でございますから、これはちょっと違うわけでございまして、地方税法の今の立場からいきますと、これは五〇〇%といいますか一〇〇〇%といいますか、絶対不可能なことであります。  そうした不可能なことを責任がある現職の市長がおっしゃるということま、到底私ごとっては信じられぬことでございまして、水をがぷがぷ飲む一人があればこれは糖尿病じゃないかとか、せきをごほんごほんする人があれば風邪を引いているんじゃないのというのと同じような意味で、実は私の肉親の一人も現在かかっておるわけでございまして、私も年をとりますとアルツハイマーという病気にかかる可能性も血続からいうとあるのかなというふうに覚悟はいたしておるわけでございますが、そういう意味で、別にアルツハイマーという病気を妙な意味で、差別した意味で言っておるわけではございませんで、風邪だとか糖尿病と同じような意味で、御高齢でもあられるので、どう考えても責任のある方のおっしゃること、おやりになることではないとすれば、私は、アルツハイマーにでもかかっておられるのかなという率直な感想を述べたわけでございまして、別に妙な意識で言ったわけではございませんので、その点はぜひ委員に御理解を賜りたい。  なお、高速道路の将来の建設、維持管理のあり方、どうすべきかという問題、重大問題であります。そういう意味では、日野市長が言っておられるように、将来は固定資産税を払うような形での経営といいますか、それも選択肢の一つとしてはあり得るわけであります。私は、今民営化も視野に置いて検討しろということを言っておるわけでございますから、議論としてはあり得る議論である、このように思っておるわけであります。
  111. 秋葉忠利

    秋葉分科員 今のお話を聞いていますと、それほど御自分では意味のある言葉として発言した覚えはないということなんですが、それほど意味がなければ簡単に撤回してください。それが一番穏当なところだと思います。  もう一つ、この際ですから申し上げておきますけれども、それが事実であれ、他人の病気に言及をして、しかも公の場でそういった発言をなさるというのは、やはり私は個人のプライバシーの問題その他がありますので最低限慎重にしなくてはならないことだと思いますし、仮に今お話があったように、日野市長がアルツハイマーにかかっているのかという疑念が生じたのであれば、まず事実の確認をした上で、さらに仮にそれが事実であったとしても、公の場でそれを公表するかどうかといった配慮もした上で発言されるべきことだと思います。  今の御発言の中にはもう撤回してもいいんだというような雰囲気がちらっとあったように思いますので、適切な場所で適切なときにきちんと撤回をしていただきたい、そのことをお願いいたしまして、次の問題に移りたいと思います。  これも新聞に大きく出たことですけれども、これは日曜日の読売新聞ですが、社会面に「タクシー券たかり」という非常に大きな記事が出ております。これは建設省の方何人かに伺いましたけれども、実は、同じ事実に対して何回も同じような記事が出ているんだというような御発言でした。  となると、同じことなのに前に書いたことを忘れて何回も書いているということになると、亀井大臣の発言を引用するとそれはアルツハイマーではないかみたいなことになってしまうのです。ですから撤回をしてほしいと言っているので、しかし問題は、そういうラベルを張ることによって解決する種類のものではないと思います。  これが事実であるのだったら事実としてきちんと認めた上に、これからどうすべきなのか、あるいは事実でないとすればその旨きちんとしたやはり対応を建設省として、さらには読売新聞に対してもきちんとした態度をとられるべきだと思いますが、まず、この事実関係をどういうふうに認識しておられるのか伺いたいと思います。
  112. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 ただいま先生お尋ねの記事の件でございますが、これは財団法人河川環境管理財団が平成八年二月から三月にかけまして平成四年から六年分の内容の税務調査を受けました。そしてまた、財団法人ダム技術センターと、同じく財団法人ダム水源地環境整備センターが平成八年八月から十月にかけまして平成五年分から七年分についての税務調査を受けまして、追徴課税をされたことに基づく報道かと存じております。  これらにつきまして、いずれも公益法人と収益事業の見解の相違というようなことをめぐっての税務処理上の指導がなされたものと理解をしておるところでございまして、特にタクシー券について申しますと、名前を記載するところがあるわけでございますが、そこに名前の記載がないものにつきましては財団の職員が業務上使用したという形で証明ができないということをもちまして交際費として処理すべきという指導を受けたものでございます。  そして、このタクシー券の使用の内容につきましては、現在調査を進めておるところでございまして、なるべく早い機会調査を完了いたしまして、しっかりした形で御報告をいたしたい、こういうことでただいま鋭意調査を進めている状況でございます。
  113. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘の点につきまして、事務局から現在の建設省調査をしている状況を御報告いたしましたが、現在まで私が承知している状況では、どうもタクシー券については、私はもう既にこれは事務方にも厳しく言っておるわけでありますが、まあこのくらいはいいや、やはりそうした感覚で、本来であればまだ電車もあるときに、何も役所までいつもタクシーで通勤しているわけではございませんから、十分そういう交通機関があるにもかかわらず、どうぞとやられますと、はいはいというような形でいただいて、それをそのときに使わぬで、また後日使ったというような、ちょっと役人の感覚として余り好ましくない状況もあったのではないか。役人道という面からこういうこともきちっとしなければだめだぞということを私は既に厳しく言っておるわけでありますけれども、なお詳細については現在調査をいたしておるところであります。役人道といいますか、それから大きく外れるようなことがあるとすれば、これは厳正な対応をしなければならない、このように考えております。
  114. 秋葉忠利

    秋葉分科員 それに関して非常に前向きの調査をする、あってはならないことというお答えをいただきまして、その線でぜひきちんとした調査をしていただきたいのです。  それに関連して二つ申し上げたいのですが、一つは、今電車のある間ということを大臣言われました。ほかの省庁等でも事情は同じだと思いますが、例えば徹夜で仕事をしなければいけないような場合も皆さんおありだと思います。その際に、例えば朝の五時ごろまで一生懸命仕事をして、もう電車があるじゃないか、電車で帰れ、あるいはラッシュの時間になって電車で帰れというのもしゃくし定規で、仮に電車があるとしても、例えば徹夜をして疲労こんぱいした後にはタクシーの利用も許すといったようなきちんと実情に合った処理の仕方が大切なんじゃないかと思いますので、その辺のルールも、柔軟化することによってルールそのものの重みが増すということもあると思いますから、それもぜひ考えに入れていただきたいことが一つです。  それからもう一つは、省内の調査ということですと、例えば厚生省の調査等にも見られたように、やはりこれは人間の弱さですから、ついつい身内には甘くなるという事実がございます。にもかかわらず頑張ればいいんだということではなくて、やはりこれは調査の結果にもよりますけれども、第三者、利害関係のない第三者にきちんとした調査を依頼するといったような方向で私は今後の行政すべて進むべきだと思いますけれども建設省がそのイニシアチブをとって、第三者機関あるいは第三者による公平な調査といったようなことも御検討いただければ大変ありがたいと思います。これは要望ですので、お願いをしておきます。  次に、河川の問題について、建設省が所管をする各種の五カ年計画がございます。たまたま私の調べた範囲では八つの五カ年計画がありますけれども、実はそのどれを見ても、住宅建設を除いて、前期の計画、それと現行あるいはこれからの計画というところを比較してみますと、大体四〇%以上、五〇%近いものもあるわけですが、三〇%、四〇%の伸び率になっております。  これはまた、焦眉の課題である財政再建という過程から、もう既に閣議決定がされているいないにかかわらず、やはり建設省として、この圧縮のための見直しをまず建設省からやるんだ、財政改革のキーマンは亀井建設大臣である、そういう風評も先ほどの委員の言及にもありました。そういった言葉もあるわけですので、財政再建とこの各種五カ年計画の伸び率との関連について、大臣としてはどういう姿勢で臨むおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  115. 亀井静香

    亀井国務大臣 財政再建は、これはもうまさに国家的な課題でありますので、全力を挙げて取り組まなければならないことは当然であります。  私は、先ほど他の委員の御質問にもちょっとお答えをしたわけでありますけれども、現在生をうける我々が、我々の稼ぎ出す富を、ただ今日この時点の快適な生活といいますか、飲んだり食ったりというようなことの中にだけ費消をしていいのか。やはり、諸外国、先進国と比べて極めておくれております我が国土の社会資本整備、特に日本は、委員御承知のように、災害国家と言ってもいい国家であると思います。それについて、子々孫々に対してきっちりとした整備をしてやるためには、我々自身がどんなに景気が悪くても、現在つらい思いをしておっても、それを切り詰める分でも、私は、そうした社会資本整備から手を抜いてはならない。哲学といったらおかしいのですが、私自身のこれは哲学でもありますけれども、そういう観点から、不必要な惰性に流れた公共事業、これは絶対実施をしてはなりません。  役所というのは、ともすれば、前年度のシェアにとらわれて、それを伸ばすことに役人の生きがいを感じるというか、それで役人として優秀かどうかがはかられるみたいなところがありますが、私は、そういうこととは決別をしっかりとすべきだ。まあ、御承知のように、建設省という役所はなくなるわけでありますから、そういう中で、今申し上げましたように、社会資本整備を子や孫のためにどういう形で、どういうバランスでこれを整備をすべきかという観点から大きく見直していくことは、私は当然のことであろうかと思います。  ただ、それが公共事業のそうした五カ年計画とかそういうものについてのみ、委員はそうじゃございませんけれども、今残念ながら議論が集中をしてきておりますけれども、先ほど申し上げましたような他の分野についても同じような観点から検討をされるべきである、私はこのように考えております。  建設省といたしましても、来年度予算編成に向けて、今までのシェアだとかそういうこと、予算を自分の局が伸ばすということだけに血の道を上げることは、私は許すつもりはございません。
  116. 秋葉忠利

    秋葉分科員 財政再建については非常に大きな期待が寄せられているわけですが、事建設省所管予算になると、ほかの省庁がどういうふうにやるか横並びで見て、亀井大臣も、鶏口となるよりは午後となる道もあえて辞さないというようなお答えにとれましたけれども、やはり建設省に対する期待は非常に大きいので、頑張っていただきたいと思います。  その公共事業のうち、やはり治水関係、河川の問題について何点か伺いたいと思います。  特に、私が関心を持っておりますのは、欧米における河川政策が非常に大きく変わってきております。例えばドイツでは、憲法の改正まで行って河川に対する基本的な考え方を改めて、それだけではなくてそれをきちんと実行している、実行するための各種の法制も整えているという現状ですけれども、日本においては、なぜこれまで、こういった欧米では常識になってきた、例えばダムはこれ以上つくらないんだとか、あるいは河川政策の基本は河川をコンクリートで固めることではないんだ、自然に戻すことなんだ、そういった考え方が浸透していないのか、その点、まず伺いたいと思います。
  117. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 ただいま委員の方から、外国と比較して、日本の河川行政、河川整備は環境に対する配慮が少な過ぎるのではないかという御趣旨の御指摘があったかと存じます。  河川ごと、あるいは国ごとによりまして、河川の状況は大変違います。委員よく御承知のとおりでございますが、我が国の場合は、地質的あるいは地形的に申しまして、大変厳しい、特に洪水に対して厳しい状況にございます。これは、一級水系だけで見ましても百九ございますし、二級水系二千七百ございます。これに対して、先ほど例示として挙げられましたドイツ等につきましては、非常に平地河川でございまして、そういう意味合いで、洪水対策の持つ意味合いというのが大きく違うのだというふうに私は思っております。  特に、我が国におきましては、もともと河川がはんらんをしてつくりました土地に人口の半分が集中をし、資産の四分の三が集中をする、そういう状況でございます。そういう中で、治水問題というのが、これはもう日本人がこの日本列島に住みついて以来、一番大きな課題として取り組んできたテーマではないかなと思っております。  そういう中で、特に敗戦後、あの国土を復興してくる、その中で、少々の水では水を流域の中に入れない、治水優先ということでやらざるを得なかったという面が非常に強いかと思います。そういう中で、やっと幾らかそういう状況を脱しつつあるという中で、河川が持っておる総合的な機能をこれから全部生かしながら河川改修を進めていける、そういう状況になりつつあるというふうに受けとめておるところでございます。  それから、アメリカでダムをつくらなくなったというお話がございましたが、つい昨年の十一月のカリフォルニア州での住民投票で、一九六〇年以降投資をしていなかったそういう水資源開発への投資が十億ドル、ボンドとして認められる、そういう住民投票が実施されたというふうに聞いております。そういう州の動きが連邦にどうつながっていくのか、それはこれからでございますが、いずれにしても、国ごと、それぞれの特性を踏まえつつ河川の整備を進めていくというのが私は非常に大事なことではないかなと存じております。
  118. 秋葉忠利

    秋葉分科員 アメリカの例ですけれども、もうダムは要らないんだということを、例えばビアードさんという河川政策の責任者が世界じゅうで言って歩いていたり、あるいは、グレンキャニオンダムその他幾つかのダムで、実際にダムの放流が行われたり、あるいはダムの工事がとまったりしていることもありますので、その一つの事例だけですべてがはかれるわけではありません。今のボンドの話にいたしましても、そういった大きな流れの中の例外というふうに考えていただいた方がいいのではないかと思います。  それから、日本の河川の状況や、あるいは平たんな地域が少ない、そういったこと、さらには、そういった地域の資産の勘定の仕方その他についてもたくさん問題がありますので、議論したいところですけれども、余り時間がありません。  仮に、そういう状況が全部おっしゃるとおりだったとしても、そこに私は異論があります。しかし、例えば河川に手を加える際に、その決定過程を透明にする、公開をするといったこととは一切矛盾をしないはずです。  例えばドイツの場合、ノルトライン・ヴェストファーレン州の例が一番いいと思いますけれども、ここでは、計画を立てるに当たってきちんとした手順で、まず一つ大切なのは公開性だと思いますし、それから客観性です。つまり、評価を行うに当たって、客観的な資料によって評価を行う、それから最終的な決定を行う際に、具体的な実質的な選択が行える、複数の中から選べるというところが大事なのですけれども、そういったことを保障する手続法ができております。  これは、もちろん河川局の皆さん御存じだと思いますけれども、最低限、日本の河川やあるいはダム等の工事についても、こういった手続を明確にする、客観的に行う、複数の選択肢を住民に与える、そういったことが当然だと思いますけれども、これまではそういったことを実行してこなかった。今後はこういった方向で当然お進みになる覚悟だと思いますけれども、その決意をお聞かせいただきたいと思います。
  119. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員の御指摘のこと、建設省もそのように考えておりますので、このたび河川法改正、今国会提出をいたしますが、まさに委員の御指摘の手続面等を含めまして、広く声を聞く、また、環境面への配慮、それを取り入れた思い切った改正を行う予定にいたしております。  なお、そうしたダムの必要性等につきましても私ども厳しく、今まで既に投資しているからこのまま継続しようというのではなくて、やめるべきものは思い切ってやめるということで、昨年も四つのダムを私ども建設中止を決定もいたしております。それは今後とも厳しくやっていくつもりでございます。
  120. 秋葉忠利

    秋葉分科員 実は今、その方向で河川法の改正というふうにおっしゃいましたけれども、残念ながら、今申し上げた例えばノルトライン・ヴェストファーレン州の手続と比べると、改正が提案されている河川法ですね、仮に改正されたとしても、その中には、例えば河川整備の基本方針の策定に当たって住民の参加はできないとか、それから最終的な決定に至る段階で、例えばこれはドイツであれば法律できちんと条件づけられているような客観評価が盛り込まれていないとか、あるいは複数の選択肢をきちんと順位をつけてそれを住民に提示して住民投票を行うとか、そういった具体的な形での手続が一切含まれておりません。  こういった具体的な手続がないままに最終的な決定権が建設省にあるというのは、これまでのやり方を踏襲するものだというふうに理解されてしまっても仕方がないような気がするのですけれども、今申し上げたような具体的な手続というのはどういうふうに担保をされるおつもりなのか。
  121. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 ただいま委員指摘の河川整備の基本方針と整備計画という二本立てに整理をするという方向で現在考えております。  そしてこの基本方針につきましては、これは、水系を一貫をして上流で降った雨が下流までつつがなく流れていく、そういう物理的な技術的な担保が必要でございますので、そういう専門の立場から河川審議会の意見を聞いて決めさせていただく。それに基づいた上で、具体のダムをどこにどうつくるか、堤防をどうつくるかという議論につきましては、河川の整備計画の中で具体につくっていく。この過程の中で、地方公共団体の長の皆さん方あるいは地域の住民の方たちの御意見も一緒になってやっていく。そういう形を考えておりますので、まさに委員がお考えの方向を日本の河川の特性に合わせて仕組んでいる、そういうふうに私どもとしては考えておるところでございます。
  122. 秋葉忠利

    秋葉分科員 今の御答弁の中、かなり不正確な部分がたくさんありますので反論したいのですけれども、もう質問時間が終わりましたので、これは継続して、河川行政をもっと透明にして、客観的な基準によって住民の意思による決定が行われる方向で議論を続けさせていただきたいと思います。  これで質問を終わります。
  123. 高鳥修

    高鳥主査代理 これにて秋葉忠利君の質疑は終了いたしました。  次に、大森猛君。
  124. 大森猛

    大森分科員 日本共産党の大森猛です。第八分科会はきょう十四人の質問者で、大臣の方も大変お疲れだと思いますが、私がちょうど折り返しのところですので、ひとつよろしくお願いします。  私は、神奈川県城山町葉山島において起こっている建設残土の不法投棄の問題をまずお聞きをしたいと思います。  今日、最近でも瀬戸内海の豊島の産業廃棄物問題あるいは鹿児島の志布志の処分場問題など、建設残土あるいは産業廃棄物の不法投棄事件が大変大きな社会問題になっております。  今回取り上げる神奈川県の城山町の残土の不法投棄問題は、今日の建設残土の問題を集中的、象徴的にあらわしている事件として、そういう立場で質問をしたいと思います。  この事件は、神奈川県城山町葉山島で国有林七・一ヘクタールを含む二十・九ヘクタールもの山林地に長期にわたって不法な建設残土の投棄が行われた事件であります。  参考までにきょう写真をお持ちしたので、主査、ちょっと大臣にお見せしてよろしいでしょうか。
  125. 高鳥修

    高鳥主査代理 はい、どうぞ。
  126. 大森猛

    大森分科員 ごらんいただいたように、もう山や谷が全くなくなってしまうというような大変な残土の投棄状態になっているわけでありますけれども、この問題は大きく言って三つの点で問題点があると思います。  第一は、極めて長期にわたる不法投棄だということであります。残土の投棄が始まったのは一九八八年八月ごろとなっておりますけれども、一九九五年十一月、不動産侵奪罪で業者が逮捕されるまで七年間にわたって残土の投棄が続いてきました。しかも、昨年十一月からは同地にまた残土が不法投棄され始めて、ことし一月まで続いている。今後の不法投棄の不安もぬぐえないというような状況で、不法投棄が始まって以来、足かけ七年、八年もこういう投棄が行われているということであります。  それから第二の問題として、その残土の投棄量及び面積は全国最大規模だということであります。とにかく一日最大千七百台、十トントラックで三十五万三千台、二百十二万立米と言われております。三十五万台、これはもう縦につなげれば日本列島全体にも匹敵するぐらいのトラックの台数で、しかもその残土の投棄された量は、道路公団が年間に処分場に搬出する残土総量をも上回る、そういう量にもなりている。  三つ目に、全経過で違反行為が何回となく繰り返され、この地域は全くの無法地帯になってしまっているという問題であります。国有林の杉、ヒノキなど二千九百本が伐採され、新聞報道によれば、それが売却されている。山を削り、谷を埋め、国有地が削られ、国有水路ももう埋められてしまった。ですから、これをごらんいただきたいのですが、国有水路が埋め立てられた、こんな池までつくられて、しかもボートまで浮かべてあるような状況で、無法地帯と化してしまっているということであります。  こういう面でまず林野庁にお伺いしたいのですが、現場では署員の方が大変苦労されているわけでありますけれども、国有林七・一ヘクタールが侵食され、保安林が伐採、そして売却までされているという事件で、どうして今日までこれが解決されないできたのか、どういう対応をされてきたのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
  127. 高橋薫

    ○高橋説明員 国有林における対応でございますけれども、林野庁といたしましては、国有林野の管理につきまして、国民共有の貴重な財産であるということにかんがみまして、常に良好な状態で維持保存されるよういろいろな法律に基づきまして適切な管理に努めているところでございます。  今回の葉山島での国有林野内への残土の不法投棄につきましては、発見以降、営林署から直ちに中止を指導いたしまして、原状回復等を約させた経緯がございます。  ただ、その後も不法行為が続きましたので、営林局あるいは営林署におきまして常に監視に努めながら、司法、警察当局の指導を受けつつ、中止あるいは復旧命令、さらには、現地におきます仮の境界ぐいを打ったり、ロープを設置いたしまして国有林の境界の明認、あるいは国有林野内に入らないような封鎖措置を繰り返してきたところでございますし、また御質問にございましたように、不動産侵奪罪で告発するなど、こういった行為の中止、復旧にできる限りの手段を講じてきたところでございます。
  128. 大森猛

    大森分科員 時間がありませんので、私は林野庁にも、責任が大変大きいということも申し上げておかなくてまならないと思います。  この業者が二度にわたって自主復旧工事計画を出して、その二度とも林野庁はいわばだまされたという形になるわけなのですが、二度目のときは、その自主復旧工事をお互いに承認したその直後に、業者が十万枚も残土処分券を売り飛ばすというようなことも行われた。こういうことが行われたということで、林野庁の責任も大きいわけなのです。私は現地の調査もしてまいりました。そういう調査の中で、こういう無法きわまりない事件が長期に未解決になったその問題点として、二つ指摘をしたいと思います。  第一は、暴力団による支配が放置されてきているのではないかということであります。報道によれば、逮捕され起訴されたのは、指定暴力団稲川会系フロント企業巽産業社長吉沢保被告であり、同じく報道によれば、これは稲川会系堀井一家の相談役という人物で、この巽産業という会社は三十億円を荒稼ぎして、その中から四億円から六億円以上が稲川会系暴力団に流れていた、こういうことが一連の新聞でも報道されているわけであります。  この吉沢被告は同町の出身者で、かねてから、例えばこういう報道もされているわけなのですが、「「(搬入に)反対すると、家に火を付けるぞ」と脅したり祝儀を贈るなどして懐柔しながら違法な投棄を続けたという。」こういうようなことも言われておるわけなのですが、金と暴力によってやりたい放題。県警が、九五年十一月二十日に不動産侵奪容疑で同容疑者を逮捕しておりますけれども地元の人たちは、この面でも余りにも遅かった対応ではないか、もっと早く何とかならなかったのか。「地元に不満の声」こういう報道もされているわけであります。  県警は、既に二年半も前の九三年一月に森林法違反でこれを逮捕しているわけなんですけれども、不法投棄の量はむしろそれ以降の方が多くなっているということからいっても、余りにも遅い対応ではないかという指摘は当然だと思います。  これだけ無法きわまりない事件が長期に未解決となった背景に、やはりこういう暴力団犯罪に対する甘い認識があったのではないかということを指摘せざるを得ないと思います。警察庁の見解をお伺いしたいと思います。     〔高鳥主査代理退席、主査着席〕
  129. 宮本和夫

    ○宮本説明員 御指摘の事案につきましては、平成五年の一月三十一日にまず森林法違反で検挙をし、さらに平成六年一月、神奈川県城山町内の国有林野の一部につきまして国有林野無権原使用に伴う復旧工事の名目で使用許可を得ていたところ、平成六年三月から七年一月までの間に、その許可区域外の国有林野に植栽されていた立木を伐採し、土砂を搬入するなどして、その一部を侵奪したという事案につきまして、平成七年十一月二十日に同人を不動産侵奪罪で逮捕したというものでございまして、警察といたしましては、違法な事案につきましては適正に対処しておるところと考えております。
  130. 大森猛

    大森分科員 こういう犯罪に対する認識が甘いのではないかという指摘なわけなのですけれども、とりわけこういう建設残土、産業廃棄物等に絡む事件というのが大変多くなっている。  例えば、これは昨年十一月の新聞の報道ですけれども、毎日新聞ですが、過去三年間で十四府県で二十四件、こういう産業廃棄物あるいは建設残土に絡む犯罪が調査によって報道をされております。  この間、直接現場で土砂等の運搬にかかわる方の御意見などを伺ったのですけれども、こういう残土の不法投棄に暴力団が絡むというのはいわば常識だということまで言われているわけで、こういう面での認識はやはり厳しくしていただきたいということと、取り締まり等については今後改めていただきたいということであります。  この問題の第二の問題点として、取り締まりだけではやはりだめではないか。現行の建設残土をめぐるシステム、体制に、発注者あるいは元請業者の責任が問えないようになっている。いわゆる建設残土については、廃棄物処理法の対象になっていない。罰則もない。残土が規定されているのはリサイクル法、これだけになっているわけであります。この点で、このリサイクル法によると、建設残土についての発注者の責任について、抑制、再利用、適正な処理が努力目標として規定されておりますけれども、残土の発生元については特定できないという仕組みになっております。  そこでお伺いしたいのですが、九五年十月二十日の神奈川新聞によると、城山町の不法投棄現場には明らかに公共残土が運び込まれていた事実が浮かんでいるとして、さらに「県警の内定捜査の結果判明した公共残土の搬出元は、東京多摩ニュータウンと横浜・港北ニュータウン建設など住宅都市整公団地元自治体などがかかわる工事があった。」こういうことを県警内定捜査の結果として報道しております。もしこれが事実とすれば、こういう公共事業が暴力団の資金源に流れていた、あるいは数多い無法行為の大もとに公共事業がなっていたということになるわけなのですけれども建設省は、城山町の現場に建設省関連の残土が一立米も入っていないと断定できるでしょうか。
  131. 小野邦久

    ○小野(邦)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの城山町の件で、私ども、例えば建設省の直轄事業でございますとかあるいは公団事業で発生した残土あるいは土砂、こういうたぐいのものがそこにいささかもないのかということになりますと、相当おびただしい数の現場からそこへ搬入されてきているという実態なのではないか、こういうふうに思うわけでございまして、なかなか確認することが難しいのでございます。  ただ、一般的に、私ども事業、あるいはこれは広く公共団体も含めました事業でございますけれども、残土というのは大変再生利用が可能なものでございまして、なるべく再生使用をする、設計あるいは企画の段階から再生使用ができるような、例えば工事を行う前の段階でいろいろな処理方法を考えるというようなことを基本に置いているわけでございます。現実に、三〇%から五〇%ぐらいは、例えば公団事業等で出てきた残土等につきましても恐らくは再生利用しているという実態にあると思います。  ただ、遺憾ながら、あるいはそういうようなことをやりましても、なお具体的な施工段階になりますと、それぞれの運搬業者の方々あるいは元請は、そういう点について十分監督できないというようなこともございまして、今先生指摘のような事件も起こってしまった、こういうことでございます。  私ども公共工事の発注機関あるいは公団事業を含めまして、あるいは市町村工事等公共団体の事業も含めまして、公共的な部門からやはり御指摘のような点が出てくるということ、そういう点があるとすれば、私ども大変反省をしなければいけない点でございます。いろいろな法律あるいは制度というものが絡んで、総合的にやっていかないといけないということがある部分でございますので、そういう点については率直に反省をして、今後十分な取り組みをしてまいりたい、こう思っているところでございます。
  132. 大森猛

    大森分科員 建設省の統計でも、建設残土の全国の発生量の、平成五年が八四%、平成六年で八六%が公共事業の残土となっているわけで、この城山町の投棄された量の八割以上が公共事業によるものと、そのことだけからは申し上げません。しかし、おっしゃった再生、リサイクルの率でいえば、これはむしろ三六%から三二%だ。公共事業については、最近低下をしているわけですね。西暦二〇〇〇年に七〇%の目標というのも、とてもおぼつかないような状況だと思うのですね。先ほど冒頭に申し上げたように、これは、建設残土をめぐる集中的な、象徴的な問題であると思うのです。ですから、私は、改めてこの点でぜひ、ここへ搬出した事業は一体何なのかということも含めて、警察等の協力も得て、ぜひこの件に関して建設省として調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  133. 亀井静香

    亀井国務大臣 全国的にあちこちで、こうした自然環境を破壊をし、国土を荒廃をさせるまことにふらちな行為があるということ、我々非常に残念でございます。建設残土の再有効利用を含めて、そうしたことがあってはならない、今後厳重に戒めてまいりたいと思います。  ただ、この件を先ほどから聞いておりまして、警察庁ここに来ておるようだけれども、私もかつて警察におりましたけれども、警察はやはり犯罪を予防する責務があるわけだと私は思います。これほどまで徹底した自然環境破壊、国土の荒廃が長期間行われたことに対して、警察が二度ばかり捕まえたからこれで責任を果たしたという感覚、私はいかがなものかという気がいたします。  例えば、そうしたことが行われているという情報をキャッチすれば、そこについて交通どめ、立入禁止処分、これは警察は道路についてできるはずであります。それを侵した者については、道交法でこれは検挙ができるはずであります。また、不動産侵奪罪で検挙したということであれば、そうした行為が絶え間なく行われたわけでありますから、その過程において警察力をもってこれは私は処置ができたはずであろうし、また農林省が森林法違反という形で告発をしたわけでありますが、これあたりも警察ともっと密接な連絡をとつていけば、ここまであの地域は公表されないで片がついたであろうと私は思います。そういう意味で、私は警察当局にきつい反省を求めたい、このように思います。帰ってよく言っておけよ。  私はそのように思います。
  134. 大森猛

    大森分科員 警察の行政面の改善と加えて、冒頭にも申し上げましたように、建設残土については廃棄物処理法のようなそういう法的な網がかぶせられていない、そういう隘路をとらえた問題であるということも、ひとつこの中から指摘をしなくてはいけないと思います。  これは建設省自身が監修された建設副産物適正処理推進要綱の解説の中で言われておるわけですが、不法投棄等の不適正処理は、建設副産物全体に対する不信感を醸成し、建設業や建設工事そのものに対する悪いイメージを増殖させかねない、建設省自身がそういう問題意識を持っておられるわけで、ぜひこれはもう法的な整備を御検討いただきたいということが一つ。  加えて、大きな問題として、あの跡地を一体どうするのかということがあるわけです。これは、昨年三月の神奈川県の調査報告書によると、「盛土の上部に湛水を生じさせ、下方の盛土、ひいては人家にまで大被害を及ぼすことになりかねない」という状況に今なっているわけで、こういう中で、城山町でも、児童の安全を図るために三百万円以上の年間の予算でスクールバスをわざわざ出したり、大変な苦労をされているわけですね。  ですから、一つはそういう法的な整備での検討という点と、加えて、この跡地についてどうするか。これは本当に、あれは国だ、あれは県だと言っておられない状況であると思うのです。建設省がぜひリーダーシップをとって、これはもうそれぞれの機関で知恵を出し合って、これは自然環境を含む原状回復について対策を御検討いただきたいと思いますが、その点での御答弁をぜひお願いしたいと思います。
  135. 亀井静香

    亀井国務大臣 これは自治体と、また関係省庁とも協議をいたしまして、そうした努力を最大限やってまいりたいと思います。
  136. 大森猛

    大森分科員 よろしくお願いします。  次に、二番目の問題でお聞きをしたいのですが、亀井建設大臣は、二月二十七日の朝日新聞のインタビュー記事で、公共事業のむだ遣い批判に答えた中で、「コスト削減の努力は常にやってる。」「割高といわれるからコスト削減の努力をしている。」と強調をされております。コストの内訳はいろいろありますが、「建設省だけの努力でできることは設計、契約方法などわずかしかない。」とも言われています。  そこで、きょうは、契約方法などによるコスト削減に関連して若干のことをお聞きしたいと思います。  私は横浜市に住んでいるのですけれども横浜市は今、集合住宅、マンション等に住む方が三八%になる。これはもう、都市周辺ではマンションあるいは集合住宅にお住まいの方が大変ふえているわけなんですが、こういうマンション等にお住まいの皆さんが、本来こういう集合住宅は都市空間の高度利用とか環境安全上あるいは町づくり上非常に公共性が高いにもかかわらず、電気それからガス、水道、そういういわゆるライフラインの提供を受ける、そういう面で費用負担が戸建て住宅と比べて割高になっているという問題で、行政上、本来政治の光をもっと当てなくちゃいけない、住民が不公平な扱いを受けているという問題です。その大もとになっているこういう契約における費用負担のあり方について、きょうはもう時間もありませんので、その中で、電気に関連して一例を公団の例で挙げるわけなんですけれども、お聞きをしたいと思います。  最初に、通産省の方にお聞きをしたいのですが、電気料金その他の供給条件については、通産大臣が電気事業法十九条に基づいて各電力会社の供給約款を認可する認可料金制度がとられています。  変圧器室等の電気供給設備の費用負担のあり方については、平成三年、一九九一年十二月の、我が党の寺前衆議院議員の「分譲マンションに関する質問主意書」に対する政府答弁書の中で、マンション等の「供給用変圧器等の設備は電力会社の負担で設置する」が、「他方、供給規程」、これは今日では供給約款となっておりますけれども、「においては、「外壁塗装を含む修理費」、「変圧室の電気料」等の取扱いについては明示されておらず、需給両者の話合いによって決定されるものであると承知している。」こう回答されておるわけですが、これは間違いないですね。
  137. 染川弘文

    ○染川説明員 間違いございません。
  138. 大森猛

    大森分科員 今の御答弁のとおり、こういう話し合いで決めていくということで、現実に、各電力会社と団地との話し合いで変圧器室の外壁塗装を含む修理費等について電力会社が負担している実例があると思いますけれども、これも間違いないですね。
  139. 染川弘文

    ○染川説明員 話し合いの結果、電気事業者側が負担した例というのはあるというふうに聞いております。
  140. 大森猛

    大森分科員 これは電力会社と契約者との話し合いによって、それこそコストを削減するというような面で話し合いが成立をしているわけなんですが、ところが、建設省の関係でいいますと、公団それから住宅供給公社、公営住宅とさまざまあるわけなんですけれども、こういう公的な住宅に関してはこういうぐあいになっていなくて、一方的に電力会社との協定で、変電室外側の維持管理について電気需要者の側の負担にこれはなっているわけですね。こんなばかげた話はやはりないと思うんですね。認可権者の通産相が、供給約款に明示のない部分は需給当事者の話し合いによるとして、実際、一部電力会社の負担も見られるわけなんですけれども公的住宅に関してはそうなっていないということになるわけであります。  こういう点で、電力会社と公団の協定も行われているようなんですけれども公団だけではなく住宅供給公社と公営住宅等が、みんながこういう形に需要者側の負担になっている。これは、それこそコストを引き下げる観点で、ぜひ話し合いを行っていただきたいと思います。  大臣は、このインタビュー記事の中で「コスト削減の努力をしている。もっと建設省をほめてください」とも言われているわけなんですが、ぜひこの問題に限って建設省が褒められるように、大臣の方から一言御見解をいただきたいと思います。
  141. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、そうした状況があることを不明にしてきょうまで知らなかったわけでありますが、委員指摘のように、電力コストをこちら側で負担する理由はありません。公団等に対して、電力会社の方で負担するように交渉しろ、これは協定があるようでございますから、それに基づいてそうした協議をするように私どもの方から指導したい、このように思っております。
  142. 大森猛

    大森分科員 先ほども申し上げたように、これがこういう形になっているのは公団だけじゃなくて、あらゆる公的住宅がそうなっているということもありますので、あわせて御指導をお願いしたいと思います。  加えて、私はマンションに政治の光をということを言い続けてきたわけなんですけれども、水の場合でも、これは同じ量を使用しても、戸建て住宅とマンション住民では倍も違うような現状があるわけで、こういう点を一つ一つ取り上げて、今後も改善等の要請もしていただきたいと思います。  以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  143. 藤井孝男

    藤井主査 これにて大森猛君の質疑は終了いたしました。  次に、中野清君。
  144. 中野清

    ○中野(清)分科員 新進党の中野清であります。  本日は、商店街の活性化について、特に町づくりの観点から、大臣初め関係者に御質問をしたいと思います。  商店街の活性化については、本来通産省に聞くのが筋でございますけれども、これまで商店街対策は都市政策というものと切り離してやってまいりました。建設省にはそういう意味で、建設省の中心でございます都市計画の観点で−今求められているのは、都市政策と商業政策の一体化、町づくりと商店街の活性化の一体化だと思うのでございます。そういう意味でお伺いいたします。  二月十九日の予算委員会で、亀井大臣は、美しく安全で人間のにおいのする町をつくりたいと御答弁がございましたけれども、私も同感でございます。そういう御答弁につきまして、その人間のにおいのする町というのは、まさに日本の地域社会、文化の顔として発展してきた商店街だと考えております。建設省では、今後の町づくり、特に中心市街地の町づくりにおいては、商業や商店街の活性化、そういう視点をより高く掲げるべきと考えておりますが、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。  あわせまして、通産省の平成八年の「商店街実態調査」によりますと、繁盛していると答えた商店が、実は昭和四十五年で四〇%だったのです。しかし、平成七年には三%になってしまいました。このように、商店街を取り巻く環境というものは大変厳しいものがございます。  建設省は、これまで基盤整備とか面整備とか取り組んでまいりました。今後求められているのは、商店街の快適性、アメニティーだと私は考えております。具体的には、商店街の中に公園やホールや広場や美術館、それから安心できる車道や歩道をつくって、活力あふれる商店街をつくってもらいたい。建設省として今後どういうふうに進めていくか、あわせてお伺いしたいと思います。
  145. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、いわゆる町に対するイメージ、委員と全く同感であります。大スーパーだけあって商店街が火の消えたような町、そんなものは、どんなに整然と開発されようが、これは私は、人間の住んでいる町とは言えない、このように思います。  そういう意味で、建設省といたしましても通産省とタイアップしながら、市街地の再開発等をやっていく中で、商店街が今後生き生きとしていけるような、そのための具体的な支援を今もやっておりますが、具体的なことにつきましては、都市局長から答弁させます。
  146. 木下博夫

    木下政府委員 今大臣からもお話ししましたように、我々も、中心商店街の今の疲弊化というのは全国的に大変大きな問題になっていることを十分認識しております。通産省だけではなく、自治省あたりと従来からやってまいりました特定商業集積の整備促進に関する特別措置法というのがございまして、これについては、共管でございますが、ちなみに、とりわけその中で私ども建設省が担当いたします公共施設の整備などについては、我々も、私ども所管しております事業を最大限に使わせていただいて、今応援させていただいています。  具体的には、再開発事業とかあるいは区画整理事業というような面的事業、さらには街路事業とか駐車場整備事業、こういうようないわば個別の施設事業、さらにはそれらを含めましたソフト事業などを全体的なまとめの中で取り組んでおります。  今後、いわば商店街の中では、先生お話のございました公園とかその他潤い施設、これは大変我々重要だと思いますが、商店街の規模によりますので、それは個々の商店街の大きさあるいはテーマに基づきましての御支援をしてまいりたい、こう考えます。
  147. 中野清

    ○中野(清)分科員 中心商店街を活性化するのに欠かせないのが、本当にこれは駐車場の整備以外ないと私は考えております。  建設省の街路課では、身近なまちづくり支援街路事業として進めておりますけれども平成三年以来今日まで、六十九都市、七十三地区でもっていろいろな事業を行っております。好評ですけれども、数が少ないと思っております。商店街の活性化の立場といたしまして、駐車場整備支援及び活性化対策をどう考えているか、お伺いをしたいと思います。  あわせまして、中小企業庁では、商店街振興の一環といたしまして、商業基盤等の施設整備事業を行っております。その中で、商店街の駐車場整備の補助を行ってきたわけでございますけれども、具体的には、商店街が単独でもって五十台未満の駐車場をつくる場合には、国、県それぞれ四分の一、合計二分の一の補助をして、残りの二分の一に対しては四〇%の無利子の融資をしております。しかし、これでも、現実には駐車場をつくるときにおいて融資の返済に困る、採算がとれないと言われておるわけでございますけれども、この場合におきまして、限度額の引き上げ、補助率のアップ等についてお考えがないか、お伺いをいたしたいと思うわけでございます。  また、来年度新たに、中小企業庁として初めて駐車場問題を取り上げまして、駐車場対策として提案されました商店街駐車場モデル対策事業のねらいと今後の展開についても、簡単で結構でございますから、御説明を願いたい。お願いいたします。
  148. 木下博夫

    木下政府委員 中小企業庁につきましては、後ほど通産省の方からお答えいただきたいと思いますが、今、身近なまちづくり支援街路事業について御披露いただきました。まだまだ数が足らないじゃないか、大変力強い御支援をいただいておりまして恐縮でございますが、お話ございましたまちづくり支援街路事業につきましては、先ほど申し上げましたような各商店街の規模とかあるいは顔によって違います。大変昔ながらの歴史的な環境を持ったエリアもございますし、一方では新しい、全く白地のところから町づくりをやっていくところもあろうかと思います。  そういう意味では、それぞれの顔に似合った事業を我々としても進めさせていただきたいと思っておりまして、鋭意これはまたやってまいりたいと思いますが、とりわけこれらの事業をやってまいりました経験からいきますと、単独の個々の事業でやり遂げられるものではありませんで、例えば都市局でいきましても、今先生お話ございましたような公園とかあるいは再開発とか、さらには区画整理とか、こういうような事業の中で、一部駐車場事業も含めて総合的にやるということで、都市局の中では今、パッケージアプローチといいまして、各事業間のそごのないような仕事ぶりを心がけてまいりたいと思いますが、その精神はこれからも引き続きやってまいりたいと思っております。  それから、あわせて商店街の活性化の中で共同駐車場整備促進事業をぜひやれ、これについてお話がございました。これにつきましても、もともとは民間の共同でおやりになる駐車場がねらいでございましたが、平成三年度のスタート以降、いろいろ我々の経験を踏まえまして、現在ではそれに加えまして、三セクとかあるいは地方公共団体がそれに参画していく形で共同でやっていくということにつきましても、我々、制度的には拡充しております。  ちなみに、現在全国では、数はまだ少ないわけでございますが、六カ所、千三百台、あるいは現在整備中で近々完成を待つものが約五カ所、二千二百台ということでございますから、これらをまずしっかりと仕上げることが先だと思っております。  加えて、やはり駐車場の位置というのは、単にいろいろなところに駐車場をたくさんつくりましても、むだが多いと思いますので、そういう意味では、できるだけ街角から街角まで、街路、商店街をしっかり買い物客を中心といたしまして歩いていただくことも商店街の活性化につながることだと思いますので、少し細かいことまで申し上げましたが、そういうような視点も十分入れられた事業にこれから育てていくことも必要ではなかろうか、こう考えております。
  149. 近藤賢二

    ○近藤説明員 お答え申し上げます。  御指摘、二つございました。まず一つは、中小企業対策として、商店街が駐車場を整備する場合の補助率や補助限度額をもう少し引き上げろという御指摘でございます。  これにつきましては、平成元年度に商業基盤等施設整備事業ということで制度を創設いたしまして以来、四回にわたって補助限度額の引き上げをやってきたところでございます。また、補助金の残りの部分につきましても、高度化の無利子融資という形で、中小企業の方々が駐車場の整備をすることに私ども支援をしてきたわけでございます。今後とも、駐車場問題、建設省とも力を合わせながら前向きに対応していきたいと思っておるところでございます。  それから、もう一つ御指摘いただきましたのは、商店街の駐車対策モデル事業というのをことしの予算要求の中に入れてあるがどういうことかということでございますけれども、実際に駐車場をつくります制度は、既に今御説明申し上げましたようにあるわけでございますが、それに加えまして、例えば、中心市街地から商店街とはちょっと離れている、ただ、その離れている商店街と駐車場との間を、例えばパーク・アンド・ライドのような形で無料のバスをピストン輸送をさせて駐車場を上手に使うとか、近隣の小さい駐車場幾つかをうまく組み合わせて使う、そういった工夫に対してモデル的に支援をしていこうという制度で、ことし新規の要求をさせていただいているところでございます。  いずれにいたしましても、駐車場問題は商店街にとっては非常に重要な問題でございますので、これからも建設省ともども力を向けてまいりたい、こんなふうに思っておる次第でございます。
  150. 中野清

    ○中野(清)分科員 それぞれ御答弁、ありがとうございました。  今、五十台以上の問題について御答弁がございまして、全国でもって共同駐車場をつくる場合の共同駐車場整備促進事業の例がございました。六カ所で千三百台ですか、それから整備中が五カ所で二千二百台というふうな、全国でということなんですよ。何でこれしかできないか、そういうことについて申し上げますと、実は、補助率が三分の一だ、それはよくわかるのです。しかし、実際にはその基幹的部分の四分の一に対して三分の一つまり十二分の一なのでございます。それに県の十二分の一を足しますと六分の一だ。  これでは大臣、駐車場をつくろうといっても無理だ。しかも、先ほど言ったように、商店街の方では二分の一でもなかなか残りの四割に対しての返済が難しい。せめて建設省がこれから町づくりの中心として中小企業庁並みの対応といいますか、助成ができないか、そういう点についてまずお伺いをしたいと思うのです。  それからもう一点は、都市計画の駐車場や特定届け出駐車場に対しまして所得税や地価税や固定資産税などの軽減措置がとられておりますけれども、今のは十分だろうか。私は、もう少しこれも考える必要があるだろう、それについてお伺いをしたいと思うのです。  また、商店街について言いますと、設置します五百平米未満の駐車場については、これはそういう対象外だ、そういう点につきましても、できたらその減免の対象に入れていただきたい、そういう意味で御見解をいただきたいと思うのです。  そういう意味で、実は、こういう助成の問題と一緒に、当面する駐車場不足を解消するには、駐車場案内システム、これは全国各地で幾つかできておりますけれども、これがもっと必要だと思います。建設省としてこのようなシステムに対しましてどのような支援と方策を持っていらっしゃるか、三点についてお伺いをしたいと思うわけでございます。
  151. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のように、商店街の活性化のためには、駐車場というのは欠くことのできない施設であると思います。  補助率の問題、また税制の問題と、委員の御指摘に共感するところ大でございますので、私ども これは重要な検討課題だということで取り組まさせていただきます。
  152. 木下博夫

    木下政府委員 基本的には今大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、若干、事務的なマターによるところを御報告させていただきたいと思います。  お話にございましたように、確かに、共同駐車場整備促進事業については補助率が大変低いということはあります。ただ、駐車場の考え方でございますが、公的性格を負うものもございますが、一方で、やはり自立として地元の商店街などに御努力いただかなければいけないところも若干あるかと思います。  そこで、我々としては現在、特定交通安全施設等整備事業ということの、これは一般的には道路事業の関係でございますが、こうした世界でも、今もお話ございました共同駐車場整備促進事業にあわせてやらせていただいていまして、とりわけ八年度からは、従来百台以上という規模でございましたが、その採択要件を、例えば二カ所に割ってそれぞれが五十台以上であればというようなことも、いろいろ運用上の問題も含めましてでございますが、今努力をしております。その辺の我々の前向きな姿勢についても御理解いただきたいと思います。  あわせて、融資、さらには税制についても御指摘いただきました。個々には申し上げませんが、今までにも相当制度的には改善を図ってまいっておりますが、これからも、地元の御要望も十分お聞きしながら制度のさらなる拡充に努めてまいりたいと思っております。  それから、駐車場の不足する面を補う形として、駐車場の案内システムについての御質問がございました。  まさに我々としても、従来、この点について街路事業とか、今申し上げました交通安全対策の一環としてやらせてきていただいております。これはやはり、一方で大変混雑している駐車場がありながら、一方で利用率の低い駐車場があるということも現実でございますから、できるだけ皆さんが全体の駐車場の状況を把握していただくような、そういう仕組みを今も進めております。全国で約三十四カ所でこのシステムは完了しておりますが、さらに三十カ所ばかりで事業を進めております。  それから、もう一つ私ども考えておりますのは、これは、例えば市役所のような公共施設、さらには銀行等金融機関等の公的施設、こういうものは、土曜日、日曜日、大体駐車場があく機会がございますので、管理等なかなか難しい問題も一方であるわけでございますが、せっかくのそうした空間を、例えば休祭日など開放することはできないのかということは、前々からいろいろ工夫しております。これらに対しても、必要な経費の一部ではございますけれども、補助制度なども設けて取り組んでおります。  いずれこせよ、ない知恵を絞りながらやらせていただいておりますが、これからもさらに、駐車場整備ということについての重要性を十分念頭に置きながらやってまいりたいと思っております。
  153. 中野清

    ○中野(清)分科員 それぞれ、大臣初めとして前向きな答弁、ありがとうございます。  御承知のとおり、このほかに建設省で、街並み・まちづくり総合支援事業で駐車場もございますし、いろいろありますけれども、私は御要望として、できれば駐車場についての、建設省に行ったらどこに相談していいか、道路課とかいろいろありまして、なかなか総合的な駐車場対策がない。それについては、できればまとめたものをつくっていただきたいということをまずお願いをしたいと思います。  それから、今、大臣も御承知と思いますけれども、大店法が大きな問題になっております。実は、平成三年以来三回の改正がございまして、ほとんど骨抜きにされてしまって、規制がなくなってしまった。私は、もうこれ以上規制を緩和する必要はないと考えている一人でございます。  なぜかといいますと、この間に大型店は二・七倍にふえました。従業員も二〇%、二十万人ふえましたけれども、商店街の方は十四万店も減っております。そして三十一万人の従業員が減っておりまして、この大店法の改正の問題、非常にあります。これは、実は私、大臣に申し上げるのではなしに、一般論としての現実を申し上げたわけでございます。  ところが、この大店法の撤廃を要求しているアメリカでございますけれども、確かに商業的な売り場面積とかそういう問題についての規制はございません。しかしながら、ゾーニング法とか都市計画法とかという、いわゆる都市計画上の法律はありまして、大型店をつくるときに町づくりの観点においての規制はたくさんあるのです。  町の中でもって、例えば、田んぼの中にある日突然いわゆる大型店ができて、交通が渋滞している、そして、それでもって結局は町の中にある大型店もつぶれてしまう、そういうような、いわゆる無秩序な今の大型店の運用については、私は問題だと思っております。  そして、そういう意味におきまして、ぜひ欧米のように、今までの流通という問題だけの大型店対策の問題でなしに、やはり都市計画という観点からの都市計画行政、そういう意味での大型店対策という問題の取り上げ方が必要ではないだろうか。町づくりと商店街活性化ということ、そこに私が冒頭に申し上げた意味があるわけでございますけれども、その点について御所見を承りたいと思うわけでございます。  それから、もう一点でございます。  先ほど大臣が、美しく安全で人のにおいのする町とおっしゃいました。こういう町は、シェアを重視した効率一辺倒の、先ほど大臣おっしゃいましたけれども、いわゆる大型店の論理ではできない。むしろ、その町に住む商店街の人々、市民や自治体、そういう人たちの力によってのみ可能だと私は考えておるのです。  どうか大臣町づくりと、ちつちゃくても一生懸命今商店が頑張っております、その人たちに対する大臣としての姿勢なりコメントなりございましたならば、あわせて、いただければありがたいと思います。
  154. 亀井静香

    亀井国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、簡単に言いますと、大型店は金もうけのためにやってくるわけであります。しかし、政治や行政は、その地域に住む人たちがいかに人間的な生活をされるか、そのためにはその町はどうあるべきかという観点から考えるのは当然の話でありまして、それがいわゆる短期的な資本の論理、そうしたものによって地域社会が食い荒らされていってしまう、これは自由競争だからしようがないというわけにはいかないと私は思います。弱肉強食の社会、これが大競争時代とはいいましても、それが本当に人間を幸せにするのであろうか、自由な競争が極限までいった場合、それが人の幸せにつながるのであろうかということを常に政治は考えていかなければならない。  規制緩和もやるべきでありますけれども、弱者を強者から守るという、そうした基本的なものがなければ、私は政治なんか必要ないという形になってしまうと思います。そういう意味で、委員先ほど来御指摘のような気持ちで我々建設行政を進め、また、政府全体が、通産、自治行政を含めて、そういう立場でやらなければならない、このように考えております。
  155. 中野清

    ○中野(清)分科員 本当にありがとうございました。よろしくお願いいたしたいと思います。  次に、地元に関連する問題を幾つかお伺いさせていただきたいと思います。  まず、あかずの踏切の解消と、そのための連続立体交差についてでございますが、私は、この事業の必要性というものは高く評価しております。しかし、首都圏にあります路線の中で一時間当たり三十分以上遮断機がおりている踏切の箇所というのは、JR、私鉄を合わせまして七百六十カ所ぐらいございます。この抜本的な対策として期待されながら、規模や費用の膨大さ、そして厳しい採択基準などのため、多くの地域でなかなか事業化されないというのが現実でございまして、これは残念なことだと思っております。  そこで、幾つかお伺いしたいと思うのですけれども、立体交差化の採択基準に、一日の踏切の交通遮断量の和が二万台以上ということになっております。埼玉県内で百三十カ所のあかずの踏切というのが言われておりますけれども、そういう二万台を下がったものといいましょうか、そういう意味で二万台以上が五十八カ所しかございませんけれども、そういう中でございます。  しかし、現実には二万台以下でもあかずの踏切というものが生活圏を分断したり交通渋滞をもたらすなどの影響を与えているのは事実でございまして、例えば私の地元でも、東武東上線川越−志木間を例にとりましてもたくさんございます。川越市でも上福岡市でも富士見市でも、この問題はもう三十年来の懸案となっておりまして、どうか私はこの連続立体交差事業を一層推進をしていただきたい。そして、そのためにどうやって建設省がやっていただくか、その点についてのお考えを承りたいと思います。
  156. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、あかずの踏切の状態がいわゆる常態化すれば立体化をするなんというのはまさに後追いである、このように思います。そうした目安としての基準は一応あるかもしれませんけれども、そういうものにとらわれず、そうした運輸業を営む者は、社会的な環境が変わってきた場合、それに対応した経営をするのが社会的責任を果たすことであると私は思います。もちろん、これは経営者だけではなかなか難しい。そうなればユーザーの運賃との関係も出てくるでしょうけれども、そういうことを含めて、私は、立体交差というのは、これは都市におけるどうしてもなし遂げなければならない喫緊の課題である、このように考えておりますので、建設省といたしましては、運輸省とも協議をし、そして自治体とも協議をする中で、それについて建設省として支援できる点は、都市の再開発事業、駅前再開発その他と、いろいろ関連する場合が多いと思いますけれども、精力的に進めてまいりたい、このように考えております。
  157. 中野清

    ○中野(清)分科員 大臣の御答弁、ありがとうございました。  実は大臣、私も、これは大臣が前に担当していた運輸省の話だと思いましたら、むしろ建設省が重要な役割を持っているということを伺っておりまして、ぜひ建設省の御奮起を願いたい。そういう意味で、先ほどからいろいろな問題がございますけれども、一番実行力があるのは建設省でございますから、よろしくお願いをしたいと思うわけでございます。  それから、最後に、富士見市のリブレーヌ構想についてお伺いしたいと思うのですけれども、このリブレーヌ構想というのは、昭和六十二年の調査開始以来十二年がたっておりまして、いまだ事業化が何も進んでいないということで、地元が大変困惑をいたしております。  その原因といたしまして、区画整理によって生ずる調節池分の地元負担、これは当然地元負担するのでございますけれども、上流の所沢市、東京都かから流入する雨水の調節分まで、何か初めのうちは下流の富士見市が持てということで非常に困惑をしたわけでございますが、この際、河川局として何らかの措置を講じて地元負担を軽減し、不安を解消すべきだと考えておりますが、まず建設省の御見解を承りたいと思うわけでございます。  そして、もう一点は、地元の富士見市では、用地の減歩率をせめて四〇%にしていただきたい、そういうふうに希望しておりますけれども、現在いろいろ積算され、提案されておるのは五十数%というので、これではできない、何のためのリブレーヌなんだろうということでもって地元が納得しておりません。どうか、この事業を実際にやるために減歩率を下げる、そういう対策がどのように講じられるか、お伺いをさせていただきたいと思うのであります。  それから、あわせまして、先ほど私の隣の山口議員からも幾つか質問がございましたけれども地元の環状道路についての中で、昨年三月に青梅インターから鶴ケ島ジャンクションまで十九・八キロが開通しました圏央道について、まずお伺いをしたいと思うのでございます。  先ほどは地元の話でございましたから、私はもっと大きく、青梅八王子間の連絡はいつになるのだろうか。二点目といたしまして、八王子以南、東名との連絡についてはいつになるのか。やはりこの際御説明をいただきたいと思うのです。  それから、昨年の四月に、一般国道二五四から埼玉・茨城県境に都市計画決定いたしました。地元は大変喜んでおりますし、期待をしておるわけでございますが、今後の予定はどうなっているか、あわせてお伺いをしたいと思うのです。  もう一点、環状道路といたしましては、御承知のように、圏央道、外郭環状道路とともに地元が期待されておりますが、まだはっきりしておりません核都市広域幹線道路、これについてお伺いをいたしたいと思うのでございます。  今後の計画、方針、特にこれは、荒川を挟みまして荒川以西、荒川以東という意味での進捗状況と見通しについて、あわせて御説明いただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
  158. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 それでは、まず私の方から、富士見市のリブレーヌ構想につきまして御説明をさせていただきたいと存じます。  先生指摘のとおり、水辺空間都市の形成を行おうというものでございまして、開発面積約七十ヘクタールのうち調節池が約二十ヘクタールくらいを占める、こういうものでございまして、地元でも、開発による流出増の抑制機能と当該河川におきます治水安全度を高める、その二つの遊水機能を一つにあわせてやろう、こういうものでございます。当然、治水の安全度を高めるための遊水機能というものにつきましては、河川管理者の負担によって整備するものでございまして、地元に過分な負担を強いるということのないように今後とも努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  159. 木下博夫

    木下政府委員 今河川局長からお答えしました関連で、区画整理事業をここで採用しておりますので、その関連で御質問ございました。  おっしゃるように、区画整理の場合は、減歩ということで、公共施設に充当したりあるいは保留地として工事費等に充当するための土地を一部留保するケースがございますが、いずれにせよ、地元の方々と公共団体の適切な役割分担ということでお願いしているわけでございます。  したがいまして、御質問のあるように、できるだけ地権者の負担を下げるという方法で、知恵としては、調整池の一部を公園として二重に使うことによってできるだけ公共施設の用地を少なくするというのも区画整理事業手法の中へ入れていかなければならないと思っておりますし、また、一部、調整池等に対しての公共施設の管理者負担金を導入していくということも考えられると思います。  いずれにせよ、現在、県、市あるいは地権者の方々が河川管理者も交えて調整しておられるわけでございますから、私どもはそれを若干見守るような形でございます。ちなみに、近くでは越谷のレイクタウンが、これは住都公団が実施したところでございますが、ここはおおむね四割近くで実施されたと聞いておりますので、こういうケースも参考にしながらやっていきたいと思います。  それから、先ほど大臣の方から決意表明をしろという御指示でございましたが、連続立体交差事業について、これは建設省の仕事ではないか、御認識いただいて大変ありがとうございます。我々としては、一部、この事業道路事業であるという認識はまだ世間に十分徹底していないところがありますので、PR不足はありますが、街路事業その他を含めて最重点で今やらせていただいておりますので、その点、御承知いただきたいと思います。
  160. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 道路関係でございますが まず圏央道でございます  圏央道につきましては、先生おっしゃられますように、東京埼玉都県境から鶴ケ島市までの約十八・数キロの間は八年の三月に供用開始したところでございます。  それから、初めにお話のありました国道二十号から埼玉県境までの間でございますが、これについては用地買収がかなり進んでおりまして、工事も同時に促進されているといった状況がございます。ですが、一部まだ計画等、用地に入れないところもございまして、供用時期については今のところまだ調整中でございます。  それから、東名に至るところにつきまして、ようやく都市計画決定がなされているところでございます。そういった調査が進められておりますので、その調査が済み次第事業促進していきたいというふうに考えております。  それからあと、関越から埼玉方向、茨城方向でございますが、こちらにつきましても、二五四、川越街道までの間、これは既に用地買収に入っております。それから先については、まだルート等、調整調査中といった状況でございます。  この圏央道につきましては、一部供用が図られたわけでございますが、全区間にわたってこれから事業調査、それから計画段階、それからそういった事業に入っているところもございますが、いずれにしましても、早期にそこら辺の検討を進めまして、早くこの一部供用区間からのつながりを全体に広げていきたいというふうに考えております。  それから、その次に核都市広域幹線道路の位置づけ、今後の見通しといったお話がございましたが、この道路につきましては、埼玉県のみならず、全域にわたって、将来交通量とか整備効果の推計といったようなことを初めといたしまして、整備の必要性に関する調査、それから整備手法等に関する検討などを現在実施しているところでございまして、今後とも、調査推進に努めてまいりたいと思っております。
  161. 中野清

    ○中野(清)分科員 ありがとうございました。これで質問を終わります。よろしくお願いします。
  162. 藤井孝男

    藤井主査 これにて中野清君の質疑は終了いたしました。  次に、田中昭一君。
  163. 田中昭一

    田中(昭)分科員 私は、自由民主党の田中でございます。先番議員さんの質問との重複を避けながら、数点お伺いをさせていただきたいと存じます。  私が毎年のように感じておりますことが、この二月ないし三月の時期になりますと各地各所で土木工事が行われておりますが、お伺いをいたしますところ、予算を全部使い切ってしまわないと来年度予算の配分と要求等ができなくなってしまう、こういうために予算を使い切ってしまうのだ、このような答えが返ってまいりました。したがいまして、二月、三月の交通渋滞を招く要因ともなっておる、このようこも考えておるところでございます。  私は、あくまで予算でございますから、各都道府県ないし市町村に対して、残した予算は来年度回しにする、それが行政改革、経費の節減につながってくると考えております。私は、予算は必ず使い切ってしまわなければならない、こういう予算であってはならない、このようにも考えております。  したがいまして、建設省は、残された予算に対して、一〇%以上節減ができた都道府県ないし市町村には逆に、奨励金と申しますか、何らかの温かい方法、思いやりの気持ちを持って当たったならば、経費の節減に大きく寄与されるのではないか、私はこのように考えておりますが、建設省はどのように考えておられますか。まず、お伺いをいたします。
  164. 亀井静香

    亀井国務大臣 私、ちょっと御質問の趣旨を取り違えておるかもしれませんが、確かに、予算というのが決まった以上、その後の事情で執行できょうができまいが、とにかく消化をしてしまわなければならないというようなことがあってはならぬというのは当然のことであると私は思います。直轄事業であろうが補助事業であろうが、これは同じことであります。このことは何も、今、財政再建が叫ばれ、コスト縮減が叫ばれておるから始まったことではございませんで、国民の貴重な税金でございますから、必要がない場合は執行しないということであろうかと思います。  しかし、私は、人を見れば泥棒と思えという態度はとるつもりはございませんで、建設省に対して、補助金につきましても、各市町村、県等からそれぞれ必要性について十分精査をした上で要求してきておるわけでもありますし、うちの建設省の役人も寝ておるわけではございませんので、眼力を持ってそのあたりについては対応しておるという前提に立ちたいと私は思うわけであります。  そういう意味でも、予算が成立する前から一〇%とか一五%削減目標を立てろなどということは、ある意味ではふまじめな話であるととられても仕方のない面もあろうかと私は思うわけでありまして、もちろん予算は有効に使わなければならない、その後の事情で執行できない場合には、これは執行残にするが当然である、私はこのように思います。
  165. 田中昭一

    田中(昭)分科員 大臣答弁は私もごもっともだろうと考えておるわけでございますが、この時期に参りまして多くの土木工事が発注されますと、まさに交通渋滞の要因ともなることは火を見るよりも明らかでございます。そしてまた、景気浮揚対策にも私はつながってこようかと存じます。  できるものならば、各都道府県、各市町村の土木工事予算にあった工事の発注は十月いっぱいくらいに発注をするような行政指導を建設省はしていったらいかがか、このようにも考えますが、どのように考えておられますか、お伺いをいたします。
  166. 亀井静香

    亀井国務大臣 私どもは、予算の執行の平準化ということには日ごろから心がけておりますが、委員指摘のように、年度末に集中していくことのないような指導を今後とも徹底してまいりたい、このように思います。
  167. 田中昭一

    田中(昭)分科員 私は、千葉県第四区選出の議員でございます。したがいまして、地元のことで大変恐縮でございますが、現在東京湾で唯一の今後の発展地と言われております京葉二期、市川二期を早期推進をし、第二湾岸道路建設国道十四号、地元の千葉県船橋市湊町地先の一日も早い交通渋滞緩和を図っていくべきと考えておりますが、京葉二期と市川二期に対しましてはどのように指導しておられますか、また、建設省は今後どのように指導していこうと考えておられますか、お伺いをいたします。
  168. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 第二東京湾岸道路でございますが、これは東京都の大田区から千葉県の市原市に至ります五十キロの間の幹線道路でございます。現在、これにつきましてはいろいろ調査検討を進めているところでございます。  具体的には、この第二湾岸道路と並行する首都高速道路湾岸線におきまして、西行きの方向の葛西ジャンクション合流部を先頭とする渋滞とか、それから東方向の有明ジャンクション合流部及び大井オンランプを先頭とする渋滞が起こっておりますので、この湾岸線の機能を持った第二湾岸をつくることが非常に急がれておるわけでございます。  そういった中で、先生おっしゃられております、本路線が通過するところと想定されております三番瀬地区ですか、三番瀬地区の埋立計画というのがございます。これが、市川二期地区、京葉港二期地区の土地造成計画に基づいて行われているというふうに伺っております。  この件につきましては、平成七年十一月の千葉県環境会議の提言を受けまして、現在、計画主体であります千葉県企業庁におきまして環境保全に関する補足調査平成九年十二月までに行うこととしており、湾岸道路につきましては、この調査を踏まえまして調整を図りまして、一体となった計画推進していく必要があるというふうに認識しているところでございます。
  169. 田中昭一

    田中(昭)分科員 私は地元で生まれ育ち、六十年地元におりますから、よく地元のことは皆さんより把握しておる、このように認識をしておりますが、あの三番瀬は人工三番瀬であって、あれは明治時代からあった三番瀬ではございません。ひとつ勘違いをしないように指導していただきたいと存じます。  あの三番瀬フォーラム云々という方々は、私に言わせていただくならば、私の知る範囲では、大体あの三番瀬フォーラムをやって工事を引き延ばして、何とか自分たちが反対をすることによって生活設計を立てていこう、本当に環境を考えておる方々ではないのですね。新幹線や列車に乗って三番瀬反対に来ておる、とんでもない。地元の漁民は、地元の市民、県民は、一日も早い建設省の指導によって、一部は人工海浜をつくって昭和初期の船橋海岸に戻す、一部はマイナス十五ないし十三メートルの水深を持った、横浜、神戸両港にまさるとも劣らないような工業岸壁をつくっていただきたい、こういう要請もございます。  一方では、第二湾岸道路のお話でございますが、市川市までは橋梁で参りまして、船橋市に参りますと地下に潜る、船橋市と習志野市でございますか、これは地下になってしまう、このようなお話も伺っておるわけでございます。  私は、横浜とか東京湾ベイブリッジですか、すばらしい橋がございますが、今後、あのようなすばらしい背景、風景と申しますか、名物になるようなすばらしい橋梁を建設をしていただき、一日も早い京葉二期、市川二期の推進を指導していただきたい、このように考えておりますが、建設省はどう考えておられますか、お伺いをいたします。
  170. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 先ほど申しましたように、この道路につきましては、現在まだ調整段階の道路でございます。したがいまして、地元におきますいろいろな御議論をされていることも伺っておりますので、そこら辺のいろいろな御意見等を伺いながら、地元との調整を図っていきたいというふうに思っております。
  171. 田中昭一

    田中(昭)分科員 いま一つ、地元のことで大変恐縮でございますが、私の出身地船橋市は、JR船橋駅南口再開発を百億円以上の経費を投入してこれから着手をしよう、とんでもない道楽息子を抱えてしまう船橋市になってしまう、こういう懸念も市民、県民の中からわき起こっております。  建設省は、御存じでしたら御存じの範囲で結構ですから、どのような指導をしてきたのか、また今後どのような指導をなさっていただけるのか、お伺いをさせていただき、私の質問を終わりたいと存じます。
  172. 小野邦久

    ○小野(邦)政府委員 御指摘JR船橋駅の再開発の件でございますけれども、今詳細は存じておりませんけれども、いずれにいたしましても、再開発は、地方の公共団体中心、あるいは組合施行の場合でも、地元の方々が再開発をやるという機運によって基本的には醸成をされていく、それによって私ども必要ならば御支援を申し上げる、こういう建前でございます。  詳細を十分、船橋市の再開発について私、今、手元に資料がございませんけれども、いずれにしても、十分地元の方々の御意見が反映されるような形での事業の展開が行われるように、私どもも側面から御支援をしていきたい、こう思っているところでございます。
  173. 田中昭一

    田中(昭)分科員 大変恐縮でございますが、市民の皆さんは大変御心配をなさっております。どうぞ的確な御指導と、でき得るものならば少しでも多い補助と申しますか御支援を心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  174. 藤井孝男

    藤井主査 これにて田中昭一君の質疑は終了いたしました。  次に、一川保夫君。
  175. 一川保夫

    一川分科員 私は新進党の一川保夫でございます。建設大臣、どうも御苦労さまでございます。  私も午前中少しこの審議を聞かせていただいておりましたけれども、私も道路問題を中心に、現在建設省が取り組んでおられる政策につきまして、地域のいろいろな思いも込めてお考えをただしておきたい、そのように思っております。  現在、社会資本のいろいろな整備の問題なり公共投資の実施のあり方についていろいろな議論があるわけでございますけれども、きょうの午前中の議論の中でも、上原委員の方からも、全国的にそういう公共投資のバランスといったようなことを踏まえて、余り効率一辺倒で物事を判断してもらっては困る、やはり地域地域なりの期待感を込めた投資を非常に要望しておられるというお話がございました。私もある面では本当に同感でございまして、私自身は北陸石川県の出身ではございますけれども、主に道路という問題は、今の車社会の中では、特に利便性という観点からやはり非常に期待感が強いところがございます。私もかつて県の議会にも籍を置いていた人間でございますけれども建設省のいろいろな施策、道路行政の中で、高規格道路と称する本当の広域的な幹線道路というものに相当重点的に取り組んでいきたいという姿勢が最近特に目立ってきておるわけでございます。それはそれとして非常に大事なことだろうというふうに私も認識しております。  しかし、従来から、一般国道と称する国道が、先ほどの議論にもございますように、都市圏でも大変な問題を抱えておると思いますけれども、我々地方におきましても、最近朝夕の渋滞が大変深刻な問題になりつつございます。これは、車が相当ふえてきた、そういう問題が背景にあろうかと思いますけれども、もう既に生活道路的な位置づけとして国道が活用されているわけでございます。  そういう中にあって、特に、従来のそういう国道の渋滞を緩和させるという政策の中で、各地方の都市の周辺部では、国道のバイパス工事とか国道の拡幅工事、そういったようなものが当然ながら取り組まれておりますけれども、こういう整備状況を見ておりまして、どうもその地域の住民の方々が、その工事がどういうスケジュールでいつごろをめどに完成するのかというところがなかなか見えてこないような姿が結構見受けられるわけです。  今日公共投資のあり方がいろいろ議論されている背景に、こういった大型の公共投資に対する一種の不信感といいますか、地域の方々のそういう願いを受けて、大体いつごろをめどにこの工事完成させるのだという見通しをある程度明確に示していくということが非常に大事なことではないかなというふうに私は思っております。特に、国道ということですから建設省が直轄で中心的にやっておられますし、一部知事管理区間というのもございますけれども国道と称する以上、やはり建設省の方でしっかりとそのあたりの責任を果たしていただきたい、私はそのように思っております。  そういう観点で、今日取り組まれているバイパス工事とか国道の拡幅工事、そういったようなものに基本的にどういう考え方で今取り組んでおられるのか、建設省としての基本的な態度をちょっとお聞かせ願いたいというふうに思います。
  176. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 地方の国道等を初めとする道路についての取り組み状況、現況、それから今後の方針等を私の方から説明させていただきます。  先ほどお話ありましたように、道路にとりましては、やはり交通渋滞という問題が非常に大きな問題でございます。そういったことで、地方部の道路についてはこの渋滞対策をどうするかといった問題が第一でございます。これにつきましては、市街地を迂回するバイパスの整備あるいは現道拡幅、さらには交差点とか踏切の立体化等による円滑な交通の確保といったことが中心になるかと思います。  そういったものが中心でございますが、先ごろ、やはり物をつくるということだけではなくて、むしろ管理面で、ソフトの面ででございますが、情報板を十分に設置するとか、それから、これは公安委員会の方の仕事になりますが、信号整備をどういうふうに扱うかとか、そういったようなソフト面の扱い等もあわせて整備していくといったことで、公安委員会の方々ともそういった連携を強めているところでございます。  それからさらには、地方部の国道ですと、やはり災害時の路線確保とかいったものもございますし、それからまた、国道であると同時に住民の方々の身近な道路でもございます。そういった意味では、歩道の整備とか、そういった身近なこともあわせてやっていくといったことで進めているところでございます。
  177. 一川保夫

    一川分科員 私が特にお聞きしたいのは、現在取り組んでおられるバイパス工事、それからある程度区間の長い拡幅工事も含めまして、先ほど私がちょっと申し上げましたように、用地買収、いろいろな補償関係、確かにそういう不確定要素はございますけれども、ある程度建設省としてはいつごろをめどにこの区間については完成させたい、ついては地域の人たちにも協力してほしいというようなことが、地域にいた場合に何かしっかりと見えてこないのではないかということを私は常々感ずるわけです。  それは、皆さん精力的に取り組んでおられるというのはわかるのですけれども、今日、地域の方々もやはりそういう道路の必要性ということには相当理解が深まってまいりましたので、いろいろな面で、用地の折衝事、補償の折衝事も、そのあたりをしっかりと話を持ち込めば賛同してもらえるところがだんだんふえてきておると思います。やはりある程度目標を持ってそういう工事に取り組んでいただきたいというのが私のお願いでもございます。  それとあわせまして、当然ながら、道路ですから最終的な完成断面でやるわけですけれども、例えばバイパスであれば、最終的には四車線でやるところを暫定的に二車線を供用するとか、そういうことも含めた、要は、交通渋滞区間を少しでも緩和させるために供用時期を少しでも早めるという観点と、それから地域の方々にある程度目標を示していくということが、公共事業全体に対して信頼を回復する一つのやり方ではないかなというふうに私は考えるわけですけれども、そのあたりの御答弁をもうちょっと明確にお願いしたいのです。
  178. 亀井静香

    亀井国務大臣 牛のよだれのように、いつでき上がるかわからないということがあってはならぬわけでありまして、やはりそれには、優先順位といいますか、それをもうちょっと厳格にやっていく必要がある。優先順位の高いところについては、やはり思い切って予算も投入をして短期に完成をさせていくということでなければならない。  そういう意味で、今度は国幹審で九百八十二キロ整備計画をいたしましたけれども、これも、従来は二年半で大臣施行命令を出しておりましたが、今度は条件さえ整えば一年以内に出していきたい。そうして、重要度の高いところ、そうじゃないところを厳しく選択いたしまして思い切って早期完成をするという方向で今道路局も検討いたしておりますが、一般国道につきましても必要性についての判断をもっと厳しくやっていく必要がある、このように考えております。
  179. 一川保夫

    一川分科員 今大臣の御答弁の中で、その必要性を厳しく判断するというところがちょっと気になるところでもあるのです。我々地方にいる立場の者からすれば、当然ながら必要性というのは非常に重大だというふうに思っているわけですけれども、全体的な、例えば経済効率的な観点で余り厳しい見方をされますと、いや、若干そのあたりの交通量が少ないのじゃないかとか、そういう言い方で優先度が落ちてしまうということを心配しておる面もございますので、そのあたりはまた、地域地域のいろいろな利便性のバランスが崩れないように、その格差が開かないように、ぜひそのあたりの配慮方をお願いしたいな、そのように思っております。  それからもう一点、私は、国道という中で非常に不思議に思っているというか、ぜひそのあたりを関心持っていただきたいのは、大臣もせっかくいらっしゃいますけれども、実は、私の石川県から福井県にかけて、どちらが始点か終点かわかりませんけれども、石川県の小松市からずっと山手へ入りまして福井県の勝山へ抜けて、それから勝山から福井市の方へ抜けて越前海岸へ抜ける国道四百十六号線という全長約九十キロぐらいの国道があるわけです。この道路は、国道に昇格をしていただいてから約十五年ぐらいたっております。しかし、現状では、福井県と石川県のちょうど県境付近、これは山岳地帯というか山でございますけれども、そこのところに、要するに車も人も通れない、そういう区間が約六キロ残っておるわけです。車も人も通れない、現状は全く山の状態です。  そこが一応四百十六号線という国道の認定を受けておるわけですけれども、このあたりを建設省の方にちょっとお尋ねしますと、国道の中でも全国的に交通不能区間と称する区間がまだ相当部分残っておるというふうにお聞きしております。どうも私は、国道というものにそういう交通不能区間があること自体もちょっと不思議なんですけれども、しかし、もしそれがあるとすれば、それを早急に何らかの方向づけをするというのが正しいと思うのです。まず、今現在のそういった交通不能区間の実態というものはどういうふうになっておるのか、そのあたりをちょっとお聞かせ願いたいのです。
  180. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 交通不能区間の実態でございますが、現在全国の一般国道、四百五十五路線ございます。総延長が約五万三千三百キロでございますが、そのうち、交通不能区間の中でも最大積載量四トンの普通貨物自動車が通行できない区間、そういったものをも不能区間に含めますと、四十八カ所、延長三百四十キロ、延長比では〇・六%となっております。
  181. 一川保夫

    一川分科員 今、四トン車が交通不能な区間を入れて全体で三百四十キロぐらいというお話でございますけれども、先ほど言いました四百十六号線というのは、四トン車どころじゃなく人間も通るのに大変だという地域なんです、かつては人間が歩いて行き来していた、そういう地域だとは思いますけれども。そういう全く車も人も通れないというようなところというのは、現実に国道としてまだあるのじゃないですか、そのあたりいかがですか。
  182. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 現道ではないというところもあるわけでございますが、交通機関としては林道で結ばれていたりとか、そういうところもございます。ですが、私どもの方でキャッチしております国道として現道のない区間は百六十六キロでございます。したがいまして、先ほどの三百四十の中の半分ぐらいがその現道のない区間ということでございます。
  183. 一川保夫

    一川分科員 百六十キロ余りそういう現道なしというところがあるという実態でございますけれども、私は、自分自身の一番かかわりのある路線を見ておりましても、その地域の方々は一日でも早くその道路を行き来できるような状態にしてほしいというのがもう長年の悲願なわけです。  十五年前に国道昇格をお願いしたのも、恐らくそういった地域の方々の強い要望があって昇格したのだろうというふうに思いますけれども、今日、十五年を経過した現時点において、その区間整備方針すら定まっていない、それで具体的な調査も進んでいない、それから基本的なルートがどうなるかということもはっきりしない、そういうことで放置されているということは、そういう面ではますます不信感みたいなものが募ってくるのじゃないかというふうに私は思うのです。現実、その区間を即工事をやろうとすれば相当の経費がかかることは、それはもう私も十分わかりますし、今何年で完成させるなどということは明確に答弁できないのは当然わかりますし、そういうことまで期待してはいないのですけれども、基本的にルートとしては将来的にはこのルートを通すと。  それで、先ほどもちょっと触れましたように、将来は恐らくしっかりとしたトンネルを掘らないとその県境は整備されないのかもしれませんけれども、暫定的に、例えば一車線でもいいですから、ある程度車が行き来できるぐらいの、そういう道路整備の仕方ということもちょっと工夫をしていただいた方がいいのじゃないか。それは、何十年後か知りませんけれども、きれいに完成した断面で開通する時期が来ると思いますけれども、私は、今のままでは全然そういった希望が持てないというか、そういう感じがするわけです。ですから、一車線でもいい、ところどころ待避所をつくってでもいいから、要するに、車が曲がりなりにもそちらの地域とこちらの地域が行き来できる、そういう状態にぜひしていただきたいというのが私の気持ちでございます。  大臣、そのあたりの実態を御存じかどうかわかりませんけれども、全国に百六十キロ余り、そういう国道と称して国道らしき道路が全然ない区間がある、それからまた四トン車も通れないような区間が三百何十キロも残されているという実態でございますので、曲がりなりにも国道という指定を受けた以上、やはり建設省がもっと責任を持ってそのあたりの整備方向を明示していただきたいというのが私の強いお願いでございます。大臣、このあたりのやりとりを聞いておられて、そのあたりの決意も込めたお話をぜひお願いしたいのです。
  184. 亀井静香

    亀井国務大臣 私の田舎もまさに山間僻地でございます。今のお話を聞いておりまして、私、現場を見たわけではございませんが、国道という指定をしている以上は、基本的に建設省国道としての整備をする責任はあろうかと思います。  ただ、ちょっと不思議でしようがないのは、実際に石川県あるいは福井県の方々の生活道として整備が不可欠な、他に代替可能なそういうものがないとすれば、もうとうの昔に解決をされていないとこれは世にも不思議な物語になるわけでありますので、そのあたりの実態を、国道とはいいながら、その地域生活に責任を持っている県あるいは市町村、このあたりがどう考えておるのかということを私なりに聞いてみたいなという感を深くしておるわけでございます。  そのあたり、国道として整備をすることが必要ないという、地域生活にとってほかの代替的な方途があるというのであれば、国道の指定を取り消すというのも一つの責任のとり方でしょうし、そのあたりのことは、生活実態との関係で県と関係市町村がもっと真剣に御検討もいただかなければいかないのじゃないかなという感じが私はいたします。羊頭狗肉ということであってはいかぬわけでありますから、現場は知りませんけれども、そういう感想を持っております。
  185. 一川保夫

    一川分科員 私が問題提起いたしたいのは、先ほど言いましたように、地域皆さん方の願いを込めて当時国道に指定をしていただいたんだろうというふうに思いますし、恐らくそういうところは全国にあるんだろうと思いますけれども、そういうところについてはやはりしっかりとした基本的な方向づけを、ぜひこの際真剣に考えて取り組んでいただきたいというふうに私は思っております。  また、今日、非常に車社会の中で行動範囲も広がっておりますし、また、いろいろな面で隣県と連携する、そういう時代でもございます。そういう面では、県境を越える、そういう国道というのは大変関心も深まってまいっておりますし、その期待感も強いわけでございますので、ぜひそのあたりについて早急に対応をされることを心からお願いを申し上げたい、そのように思っております。  それから、建設省平成九年度のいろいろな施策の中で、他省庁所管事業とできるだけ連携を図っていきたいというような一つの柱立てがございます。それは、私自身も非常に大切なことだろうというふうに考えております。  これは、今の生活環境の問題にしろ、道路にしろ、河川の問題にしろ、いろいろな面である程度類似した事業関係省庁にいろいろ制度化されているというのが実態でございます。そういう中にあって、地域のいろいろな要望の中で関係各省庁の事業が錯綜すると言ったらおかしいんですけれども、どの事業でやるかという面では地域の方々も御苦労されると思いますし、そのあたりの調整がなかなかつかないという例もございます。また、いろいろな面で手続に時間を要するということも実態としてあるわけでございます。  私は、この際、今の公共投資なり社会資本の問題がいろいろ議論されているこの時期に、やはり建設省がリーダーシップをとって、公共事業を扱う関係省庁としっかりと話し合いをしていただいて、そういったいろいろな関連する事業が本当にしっかりと連携をとってスムーズに仕事が進むようにぜひしていただきたい、そのように思っております。もう既に関係省庁の連絡会議的なものがスタートしているというふうに聞いておりますけれども、そのところの基本的な考え方なり具体的な取り組み内容についてお聞かせ願いたいというふうに思います。
  186. 小野邦久

    ○小野(邦)政府委員 先生指摘のとおり、類似する目的を有する事業というものを効率的に、また効果を最大に発揮するように関係の各省庁と連絡をとりながらやるということは、大変重要なことだと思っております。  既に、先生指摘のとおり、公共事業の実施に関する連絡会議というものを設けておりまして、これにつきましては、例えば私どもあるいは農水省、運輸省という公共事業省庁だけじゃなくて、調整官庁である国土庁にお入りをいただいて、全体として取り組みをしょう。個々の事業につきましては、例えば道路とか汚水処理につきまして、いろいろ事業が十分連携をとっているのか、あるいはダブっていないか、答申は重複していないかといったような御指摘があるわけでございますけれども計画段階から、例えば県なら県レベルで調整ができないかということで、従来からいろいろな取り組みをやっているわけでございます。  なお、こういう財政再建大変厳しい中で、貴重な税金を使って事業をやっていくわけでございますから、なお一層こういう事業調整については意を用いてやっていきたい、こういうふうに思っているところでございます。
  187. 一川保夫

    一川分科員 ぜひそういう方向で積極的な対応をお願い申し上げたいと思います。  では、今ちょっと国土庁の名前が出ましたけれども、国土庁の担当者は来ていらっしゃいますか。——今回の平成九年度の予算の中で、国土庁の所管されている中に、国土総合開発事業調整費という予算がございます。この予算は割と伝統的な予算ではございますけれども、このたびの予算で相当大幅に増額計上されております。  これは、恐らく新たな考え方が導入されたんだろうというふうに私は思います。国土総合開発事業調整というこの予算の性格上、公共事業関係省庁のいろいろな事業をいろいろ調整されているというふうに聞いているわけでございますけれども、まず、これまでの調整費というのはどういう使われ方をしてきたのか、そのあたりをちょっと御説明をお願いします。
  188. 谷口博昭

    ○谷口説明員 国土総合開発事業調整費は、先生御案内のことかと存じますが、各省庁の所管する公共事業を円滑に推進するために設けられたものでございます。これにより、調査事業調整を行っているところでございます。いずれも、各省庁からの要求に基づき、当該年度の調整の必要に応じ配分します調査事業決定し、的確に配分しているところでございます。  御質問調整費の最近の配分状況につきましては、ただいま御説明させていただきました調整費制度の性格から、年度により変動しておりますが、治水、道路、農業・農村整備、公園、下水道、港湾等幅広い事業、及びその前段となる調査に有効に活用されております。  平成八年度の場合を申し上げますと、事業は七十九件で百四十三億一千四百万円、調査は十八テーマで九億八千七百万円を配分したところでございます。
  189. 一川保夫

    一川分科員 そういうことで、過去には各省所管の公共事業のいろいろな調整に携わってこられたということでございますけれども、先ほど建設省にもお聞きしましたけれども、いろいろな面で各省庁所管の事業の連携が非常に大事な時期でございます。今回新たに、相当調整費の予算枠が増加して計上されている。それは、従来のそういう考え方を基本的に変えて、新たな思想を導入していくというふうに私はお聞きしているわけですけれども、その今回新たな制度を導入する目的なりその内容についてお聞かせ願いたいと思います。
  190. 谷口博昭

    ○谷口説明員 公共事業における事業の縦割りによる弊害の排除、経済構造改革に関連する分野等への配分の重点化に資するため、各省庁間の枠を超えた連携の強化推進に努めることとし、国土総合開発事業調整費に新たな調整制度を創設するものでございます。  新たな調整制度は、各省各庁の所管する事業を複合的、一体的に実施する連携事業について必要な調整を行い、円滑な着手の支援、推進を図るものでございます。国土庁としましては、各省庁間の事業の連携を一層推進するために、積極的に活用してまいりたいと考えております。
  191. 一川保夫

    一川分科員 そういう面では、今回の新たな調整費枠というのはこれまでにない一つの考え方だろうというふうに思いますし、一つの方向づけとしては私も非常に期待するところがあるわけでございますけれども、余りそういった点をやり過ぎると、またある面では各省庁のいろいろな権限との摩擦というものがあるような気もいたします。そのあたりは、今日いろいろな面で問題が提起されている時代でございますから、国土庁がその点をしっかりとリーダーシップをとって軌道に乗せていただきたい、そのように要望して、私の質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  192. 藤井孝男

    藤井主査 これにて一川保夫君の質疑は終了いたしました。  次に、松崎公昭君。
  193. 松崎公昭

    松崎分科員 新進党の松崎公昭でございます。  私はこの委員会ではありませんけれども亀井大臣は、きのうは電波少年にも出られて、兄弟仁義の歌も聞かせていただきまして、最近特に大変幅広い活躍をされておる大臣でございまして、特に私は今回初めて国会に出させていただいて、やはり今、与野党ともに政治の指導性ということが非常に叫ばれておりますし、今まではよかったのでありますけれども、今後の日本のために官僚制度、中央集権を政治がどうやってコントロールしていくか、そういう点では私も非常に期待をしておる大臣の一人でありますので、よろしくお願いをしたいと思います。  ただ、きょうは主に地元の問題を中心に伺いますので、大きなお話はまた後ほどお願いをしたいと思っております。  まず最初に、住都公団の問題でありますけれども、これは、これからの政治課題の中で、財投の問題、特殊法人の見直し、大変話題になるし、また、我々がしっかりと取り組まなければならない問題だと思います。  その中で、大臣は一月の二十二日にも本会議で答弁されておりますが、住都公団は分譲住宅から完全撤退する、また、賃貸住宅も一定限度を残して撤退をする、今後は都市、市街地の再開発重点的に取り組む、そうおっしゃっております。  この問題は大変重要な問題でありまして、今後の一つの方向性を示すことかな、そんなふうに思いますので、まず、住都公団の今後の大きな方針を一度しっかりと、今考えられる大臣の所見をお願いしたいと思います。
  194. 亀井静香

    亀井国務大臣 住都公団につきましては、今後の改革の大筋は、一応明示をいたしておるわけでございます。  そうした中で、やはり一つの問題は、現に居住をしておられる七十二万戸の賃貸住宅の今後のメンテナンス、または生活環境をレベルダウンさせないためにはどうしたらいいか、これについてのどういう管理主体が必要なのか、あり方がどうなのかという大きな課題がございます。  それとあわせて、これは老朽化していくわけでございますから、居住者の方々のためによりよき住宅としてこれを建てかえていくということも当然必要になってくるわけでありまして、そういうことに対しては、住都公団の方向転換後もこれは公団が直接それを実施していくのか、あるいは別な形においてもっとベターな方法があるとすれば別な形でそれを実施をしていくのか。  いずれにせよ、目的としては、先ほど申し上げましたように、居住者の方々の将来に対して、住都公団が今までと同じように管理をしていくという以上のよりよきメリットのあるやり方を考えなければならない、このように考えておるわけでございますが、これを今鋭意検討いたしておるところでございます。そのように御理解いただきたいと思います。
  195. 松崎公昭

    松崎分科員 これから大臣を中心として、確かにそのほかの建設省関係の特殊法人の見直しもしっかりおやりになっていただく必要があるとは思いますが、ただ、この前、自民党さんの行革推進本部では、住都公団は廃止、あるいは新たな形で法人化していくということになっておりまして、先ほど大臣のおっしゃった現在住んでいると十二万戸の方々は、その辺を相当心配されていると思います。  具体的な問題に入らせていただきますけれども、十六万戸の二百十三団地、昭和三十年代につくられたこれらの十五万九千という戸数、これは、実は既に建てかえという形で計画が入っております。  私の住みます千葉県柏市にも昭和三十一年にできました光ケ丘団地、これは建てかえが今進んでおります。もう一つ、昭和三十九年の、これはぎりぎりの建てかえの中に入っております豊四季台団地というのがございますが、この辺の建てかえを本当にしていただけるのかどうか。今の大臣のお話ですと、まだはっきりわからないということもありますので、非常に不安に思っておりますので、建てかえたら建てかえたなりにまた家賃が上がるという心配があるのですけれども、その辺を具体的に、三十九年の団地である豊四季台団地等はどういうふうに、二百十三団地の今後の建てかえの対応、ぜひお答えいただきたいと思います。
  196. 亀井静香

    亀井国務大臣 先ほども答弁をいたしましたけれども、建てかえ時期に来ておるそうした賃貸住宅を、居住条件が悪化をしていくままに放置をしておくわけにはまいりません。当然、三十年代のものに対しましては建てかえという方向で現在もやっておるわけでありますので、今後、これについてはそういう方向で推進をしたい。  したがいまして、私が今までいろいろな場面で申し上げておることは、賃貸については一部限定的にやるということを言っておるわけでございまして、そのあたりで御理解をいただきたい。ただ、そのやり方の中身につきましては、先ほど言いましたような目的に従って、今までよりあらゆる面でレベルダウンをしないという、既居住者の方に御迷惑をかけない、喜んでいただけるという方向の中でやってまいるつもりでございます。  ただ、それの事業主体といいますか、住都公団地域整備公団との関係で業務内容が極めてダブってまいりますので、一度両方廃止をして新しいのをつくったらどうかという案もございますし、いろいろ案がございますけれども、そういう場合におきましても、今の責務をきっちりと何らかの形で果たせる形にしてまいりたいと思っております。
  197. 松崎公昭

    松崎分科員 わかりました。その辺はひとつ、これからしっかりと御検討をお願いしたいと思っております。  ところで、もう一問お願いをしたいというのは、今現実問題として、特に首都圏でこういう公団に入っておる——私どものおります豊四季台団地というところは非常に駅から近い、ですから、便利な団地ほど今非常に高齢化しておりまして、既に今の建てかえの中でも高齢者が新しいところへ入りづらい、そんなところで、公団の方でもいろいろな施策があるようでございます。  そこで、高齢者に対して、つまり家賃が払えなくなりそうな方々に対する施策としては、自治体との取り組みが非常に重要だろう。地方自治体が土地を借りてシルバーハウジングをつくるとか、そういうことがどうしても福祉政策の面でも大事であります。  そこで、自治体もそうしたいのでありますけれども、その土地の問題等がどうなるか、非常に地元でも心配をしておりまして、そういう地方自治体と公営住宅との組み合わせでいくと、少しは今後の年輩の方あるいは弱者の方々も救われるのであります。  今財政が厳しいのはわかっておりますけれども、その辺の便宜をぜひ地方自治体に対しても、福祉政策の一環ということでも、特に土地に関しまして地方自治体に対する手厚い対応策をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  198. 小川忠男

    ○小川政府委員 制度のお話でございますので、私からお答えさせていただきます。  公営住宅の併設というふうな概念がございます。本来、公団住宅の建てかえに伴いまして必要となる戻り入居に対しては公団で対応する、これが基本でございますが、今、若干触れられましたように、公団の敷地の一部に公共団体の御協力を得ながら公営住宅を併設していただきまして、例えば高齢者の方々、所得の低い方々には公団から併設された公営に移っていただく、こういうふうな制度でございます。  ただ、今若干お触れになりましたけれども、基本的には、併設の場合も土地の交換を前提条件にする、あるいは、最小限、交換が難しい場合でも、時価で公団から公共団体にお譲りするというふうになっております。したがいまして、若干その辺が折り合いがつかないというふうなこともややあるやに聞いておりますが、ただ、先般、公営住宅法が改正されまして、借り上げて公営住宅として供給するというふうな新しい道が開けました。したがいまして、公団が建てても、それを公共団体から公営としてお借りいただいて、公営として供給するというふうな可能性が制度上開けましたので、こういうふうなことの活用も含めまして、公団と公共団体が協力しながらいろいろな事業展開をしていきたい、このように考えております。
  199. 松崎公昭

    松崎分科員 それこそ、財投の問題とか特殊法人の問題、大きな財源問題の中で、大変言いづらいわけでありますけれども、やはり弱者に対する対応だけはその中でしっかりと対応をお願いをしたいというのが本音であります。  では次に、日本一汚れている沼のお話をお願いしたいと思います。  私どもの住んでおります千葉県の北部でございますけれども、そこに手賀沼という沼がございまして、ここは、もう既に二十二年間日本一汚れている沼ということでございます。日本一汚れているということま多分世界一だろり、そんなふうに思っておりますけれども、これはディズニーランドの大体十四倍ぐらいの大きさで、東京ドームの五倍ぐらいの水が入っております。  周辺は、昭和四十年代ぐらいまでは二十万人ぐらいしか流域にいなかったのですけれども、いわゆる首都集中というかドーナツ化現象といいましょうか、私どもの千葉県、ドーナツ化現象の場所は、昭和四十年代から急激な人口増加によりまして非常に環境が変わりました。下水道の普及も非常に遅かったものですから、その雑排水がほとんど沼に集中的に流れ込んで、閉鎖性の沼でありますので、今は二十二年間もワーストワンである、そういうところでございます。今、流域人口が倍以上の四十六万人ございます。これは、当然建設省さんの方でも、総合浄化対策指定湖沼とか、非常に重要な湖沼ということで随分頑張ってはいただいております。  しかし、ここは、私も先ほどの船橋の田中先生と同じで地元人間でありますので、ここで小さいころは泳いだり、非常に透明なきれいなところだった。しかも、実はここは、大正時代には白樺派の文人がたくさん住んでおりました。武者小路実篤、志賀直哉、柳宗悦、それから陶芸家のバーナード・リーチ、杉村楚人冠、柳田国男、柔道の嘉納治五郎さんもいたわけでありますけれども、非常に風光明媚な、北の鎌倉という場所だったのですね。  ですから、ここをどうしても昭和四十年代のきれいな沼に戻したいというのが私たち地元の人間の悲願でございまして、特にここは、世界的に有名な山階鳥類研究所という、秋篠宮殿下が総裁をされている世界に冠たる鳥類研究所も我孫子市にございます。ですから、この環境を何とかしたいということで今までも頑張っております。  特に、千葉県を中心にいろいろな手段で非常に頑張り、また、流域下水道もようやく六〇%台にはなりました。しかし、御存じのとおり、一年でも二%ぐらいしか上がらない非常にお金のかかる事業でありますので、やはりここは抜本的な方策がないだろうかということで、実は、建設省さん主導で北千葉導水事業という、いわゆる人工の川、利根川から江戸川へ通す大きな川をつくっていただいて、間もなく、平成九年度には完成するわけであります。  これは昭和四十九年から約三千億かかっております。最大四十トンの水を利根川から東京の水がめのために江戸川へ通すわけですけれども、その四十トンのうちの十トンを手賀沼へ流そうということで、これを流しますと水が大変きれいになるのですね。これは皆さん建設省さんの方でも計算されておると思いますけれども、この最大十トンの水が入りますと、今の十四・四日で一回転、先ほど言った東京ドームの五倍の水が一回転するのですけれども、この水が入りますと五・四日で一回転する。これが全部、汚い水が利根川へ行くのですね。  そこで、実は御質問なのですけれども、悲願であります水をきれいにするという点では、大変これは、本当に待ちに待っていることでありますが、この水が流れてまいりますと、下流は、そこで水道水の取水もしていますし、漁民もいらっしゃるのですね。ですから、これがそっくり流れていってしまいますと、大変厳しいだろう。うちの方がきれいになるからおまえのところはいいやというわけにはいかないということで、この辺の対策をどのように考えていらっしゃるか、まずお聞きをしたいと思います。
  200. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 北千葉導水事業に関します技術的なお尋ねでございますので、私の方から御説明をさせていただきたいと思います。  今委員指摘のとおり、せっかく利根川のきれいな水を手賀沼に入れまして、その結果、汚い水が利根川に戻るということであってはならないと私どもも考えております。  そのために、まず、れき間浄化施設、これは地元ではジャリッコ浄化施設、こう名前をおつけいただいておるようでございますが、石の間、れきの間に水を通すことによりまして、いろいろな指標がございますけれども、大体半分ぐらいの改善が見られるというふうに考えておるわけですが、そういう施設の中に水を通す。  それとともに、手賀沼につきまして、緑化護岸としてヨシ等の植生をさせる、そういうことによりまして、利根川への排水の環境負荷を従前より高めることがないようにということにした上で利根川に放流をする。要するに、循環する水は手賀沼の汚いいろいろな要素を集めてくる、集めてきた結果をその浄化施設で浄化をして、その上で利根川に放流をする、そういうシステムで考えておるところでございます。  御指摘のとおり、平成九年度末から、利根川への水質の影響を十分調査しながら、慎重に試験通水を行います。その結果を見ながら、平成十一年度からの本格運用を目指してまいりたいと考えておるところでございます。
  201. 松崎公昭

    松崎分科員 大変御努力をいただいているということは十分わかっております。  ただこれも、最大十トンというのが非常にみそでございまして、夏、渇水時期に利根川に水がないとなかなか厳しい。ですから、その辺の夏場は特に汚れるわけでありますので、この辺は自然の摂理がありますので、何としても十トン確保しろといったところでこれは何もなりませんけれども、全体の環境ということを考えながら、下流のことも考えながらこの装置ができるようでありますが、少し小さいかなと私は感じているのですけれども、ひとつ御検討をよろしくお願いしたいと思います。  さて、その上水はきれいになるわけでありますけれども、もう一つ、汚れる大きな原因にヘドロというのがありまして、私も県会時代からずっと取り組んでおりまして、ただ、計画そのものが、今言っている計画は半分の沼の計画を九〇%やりましたと言っているのですね。ところが、九〇%やっても、しゅんせつをやったのですけれども、やはり毎日流入が、十五トンから二十トンほどヘドロが入ってきてしまう。ですから、実際のところはほとんどまだ残ってしまっているというのが現状でございまして、上水はきれいに流れていきますけれども、下はヘドロがたまっています。ですから、これを取らないことには本当の浄化にはならない。  そこで、あの周辺は人口が相当張りついておりますので、今までの土木の手法のしゅんせつでは場所がないものですから、一年間に二、三トンしか取れない。私の想定ではまだ百万トン近く残っているのではないか、今、千葉県もその量を調査しておりますけれども、ですから、もっと新しい技術でヘドロの対策をすべきだ。  私も四、五年前に、あそこにバイオの研究者と一緒に、千葉県の御了解をいただきながら実験もやってみました。バイオ技術が一番いいのじゃないかと思うのですけれども、これもまたいろいろ全体のことを考えますと、自然環境を考えると心配だということで、なかなか取り組んでいらっしゃっていないようであります。  ぜひ、バイオを含めた新しい技術導入を図っていただきまして、膨大な量のヘドロを何とか除去していただく。そういうことに、この事業は千葉県が中心でありますけれども、これは私はどうしても建設省のところでお願いをしたがったのは、環境庁さんに言ってもだめなんですね、事業主体は河川局でございますので。  そこで、建設省さんにその辺をしっかりと頭に入れていただいて、お金をつけていただきたい。そして、新しいヘドロ対策事業もお願いをしたいな、そんなふうに思っております。新技術の導入というのはなかなか難しいことはわかっておりますけれども、ぜひひとつ、どうでしょうか、その辺の見解は。
  202. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 委員指摘のとおり、表層の水だけきれいになりましても、底層が汚いままではどうしようもございませんで、ヘドロのしゅんせつは大変大事な仕事だというふうに認識しております。  おっしゃいますとおり、大都市圏におきましては、しゅんせつしたヘドロをどこにどうするか、それが大問題でございます。そういうための技術開発としまして、霞ケ浦におきましては、底泥の薄い層のしゅんせつ技術の開発、薄さ二十センチから三十センチのところだけを取る、ここが一番汚れているわけでございますので、そこだけを取るような技術開発をしております。  そのほか民間技術、これもバイオ等々いろいろな研究がなされておるようでございますので、効率的な湖沼の底泥処理技術の開発ということを官民連帯共同研究として実施をいたしております。また、総合技術開発プロジェクトにおきましても、建設副産物の発生抑制、再生利用技術の開発、こういう技術開発もいたしております。  今後とも、こういう技術開発を民間の技術開発と相まちまして、効率的に、そしてでき得ればそういう出てきたヘドロを再利用できるような形の、そういう技術を目指して頑張っていきたいと思っております。
  203. 松崎公昭

    松崎分科員 現実的に、その沼のほとりに我孫子市というのがございまして、そこに電力中央研究所という非常にヘドロに関しましては高い技術の、電力各社が出資している非常に権威のある研究所が、既に我孫子市とそういう方々と一緒に研究しているのですね。  それから、どうも私今まで、千葉県もそうなんですけれども、お役人さんの考えを聞いていますと、確かに慎重になるのはわかるのですけれども、新しい技術は今相当進んでいますから、もうそろそろ思い切ってそういったことに取り組んでいただきたい、これは御要望を切にお願いをする次第であります。  それからもう一点、汚染の問題では窒素と燐というややこしい、富栄養化に向かう、これは汚染の本当にどうにもならない原因がございまして、これに関しまして、燐の除去、これも大事なんですが、これは千葉県の土木部で平成七年に実験をいたしました。東大の先生を中心にかなりいい結果が出ております。九〇%ぐらい燐の除去ができるという実験もされまして、いいデータが出ております。  この辺、一つ五十億ぐらいかかってしまうというのですね。ですから、千葉県もまだ建設省さんの方には言い出しがたいということで、検討はしておるようでありますので、この辺いかがなものでしょうか。聞いておりますか、このやり方というか、除去装置の施設について。
  204. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 富栄養化に関しましては、窒素、燐をいかに除去するかというのが一番大きな課題だというふうに思っております。そのための技術開発としていろいろな技術が開発されておるわけですが、やはりこういう施設で一つ検証しておく必要があるのは、そういう処理の安定性の問題だろうというふうに思っています。最初は非常によく取れても、それが安定して機能を発揮するかどうかというのが大変大事でございます。  そういう意味合いで、私ども、民間の技術だからだめだということではなしに、民間の技術だからこそ一緒になって、特に私ども所轄の事務所においては、いろいろな技術開発に積極的に取り組むというのが私どもの仕事だと認識をしておりますので、今後ともそういう技術を十分活用するよう努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
  205. 松崎公昭

    松崎分科員 よろしくお願いをいたします。  もう一問ありましたので、ちょっと急ぎます。  同じく地元でございまして、一般国道十六号線というのがございまして、埼玉県から約三十キロ圏を結ぶ、神奈川から埼玉、そして千葉、これが動脈として柏というところのど真ん中に入っております。これが交通情報でもいつも出てくる柏市篠籠田というところを通るのですけれども、大変な混雑で、千葉県、私ども地域ではこれもまた悲願でございます。一日六万三千台通るわけでありますけれども、今、第十一次五カ年計画の中に入れていただいております、千葉柏道路というバイパスをつくるという、二十八キロ約二千億ぐらいかかるということが言われておりますけれども、これも非常に悲願なんですけれども、まずこれをいつごろをめどにされているか。  特にこれは、ほかの委員会でも出たと思いますが、常磐新線という新しい電車、筑波学園から東京へ結ぶその路線が同じくクロスするわけですね。これは九百ヘクタール近い大きな開発を含めまして、そのど真ん中にこの十六号線が入っていまして、このままでいきますと大変な大渋滞、今でも大渋滞のところがもっと渋滞になる。ですから、一日も早くお願いをしたいということで、この着工の見通し、いかがでしょうか。
  206. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 国道十六号でございますが、先生指摘のように、千葉県内におきましては、東葛地域とそれから県都の千葉市及び東京湾臨海部を連絡します大事な路線でございます。その上、この路線につきましては、近年の自動車交通量の増大に伴いまして、交通渋滞が日常といったことで非常に整備が急がれているところでございます。  建設省におきましても、特に著しい渋滞が存在する柏区間について、野田市から沼南町を考えておりますが、調査促進しているところでございまして、現在、環境影響評価の準備書案の取りまとめを行っているところでございます。したがいまして、今後、環境への影響について十分配慮しつつ、路線計画の具体的な検討並びに関係機関との調整を進めまして、早期都市計画決定の手続に着手できるよう準備を進めていきたいと思っております。
  207. 松崎公昭

    松崎分科員 十一次に入れていただいて、そろそろ発表の時期だというふうに聞いておりますけれども、ひとつよろしくお願いいたします。  それで、もう一つだけちょっと済みません。  実は、先ほどお話しした道路は、多分、手賀沼を横断するんです。手賀沼を横断するということで、大変これは、先ほどから言った自然環境の問題を、景観の問題も地元では非常に言っておりまして、沼南の町長さんなんかは、地下道を通してくれと、大変ぜいたくな話でありますけれども、沼の地下を通れないかという要望もございまして、また密集地も一部通るということで、ぜひ環境面に今から取り組んだ上での計画をお願いしたい。  特に、今回河川法の改正がございまして、大臣の方からも出ておるわけでありますけれども審議会の答申があって、今まで治水とか利水が中心であった河川法が、環境に対して非常にしっかり取り組んでいこうというお話がございまして、特にこの問題を踏まえてお願いをしたい。今まで建設省の中でも、環境も既に十年前から言われておりますけれども、特に今回河川法が改正されまして環境面を強く出したというところの基本的な考えを、もしお時間があれば、大臣からお答えいただきたい。
  208. 亀井静香

    亀井国務大臣 美しい自然環境をできるだけ破壊しないで公共事業推進するということは当然のことでありますが、御指摘のことについては、地下を潜らせなければ環境が破壊をされるものであるかどうか、そのあたりは十分検討してまいりたい、このように思います。
  209. 松崎公昭

    松崎分科員 どうもありがとうございました。
  210. 藤井孝男

    藤井主査 これにて松崎公昭君の質疑は終了いたしました。  次に、島聡君。
  211. 島聡

    ○島分科員 新進党の島聡でございます。  今まさしく、ことしは財政構造改革元年ということで、橋本総理も含めまして、公共事業予算の見直しも、公共事業の歳出削減も視野に入れながらやっていらっしゃるということでございますけれども、もちろん、日本の公共事業予算はアメリカに比べまして割高なコストもあります。硬直化した事業別シェア等々、いろいろ見直す点があると思います。工夫次第では、国民の便益を損なわずに予算を削ることというのは十分可能であると私は思うわけでございますが、ただ、公共事業抑制に関しましては悪い先例も当然にある。  赤字国債脱却を目指しました八〇年代でございますが、そのときこま優先頂位をきちんとつけなかった、一律横並びの抑制策をとった結果によりまして、省庁別、事業別シェアが既得権益化してしまった。後に景気対策で公共投資を拡大する際にもそれが踏襲された。結果何が起きたかというと、国民のニーズとの乖離、そしてまた、あるいはむだ遣いということで批判を招くことになったわけであります。  今後の公共事業は、日本が直面する課題には重点的に投資をし、そして時代に適合しなくなった事業は速やかに撤退するべきであるという観点から、本日は質問を申し上げる次第でございますので、よろしくお願い申し上げます。  なお、分科会ということでございますので、極めて地域的な問題を取り上げさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。  私が今後の日本で最も重要であろうと考える課題の一つが経済構造の改革でございます。  言うまでもなく、産業の空洞化が進むのに対してどう対処していくかということでございますが、特に公共投資におきましても、建設省の「公共事業の効率的・効果的実施についての検討委員会 中間報告」というのがありまして、そこには、「我が国経済・産業の生産性の向上に寄与する社会資本整備」が必要である、また「我が国経済の国際経済における生き残りという観点からの社会資本整備推進が必要である」と書いてあります。私は、全くそのとおりであると思うわけであります。  また、本年の予算は、これからの建設事業重点としては、経済構造改革の推進というのもまた取り上げていらっしゃる。これは極めて明快な方針、ぴったりとした方針だと思うわけでございます。  その意味で、今後展開されます建設省及び通産省所管の新産業創出基盤形成あるいは特定産業集積活性化事業等々、これは地域の製造業の国際競争力の維持、物流コスト削減に対しての貢献度の意義は非常に大きいと思うわけでございます。  建設省は、空洞化対策、特に道路を中心に整備をされるということでございますけれども高速道路あるいは重要港湾を結ぶ関連道路、情報通信インフラ等々を重点的に整備すると述べておられます。  しかし、よく言われる話でございますが、日本というのはどうも縦割り行政で、省あって国なしと言われて、二つの所管にまたがるような法案あるいは施策というのはなかなかうまくいかないというわけでございますが、この事業で重要な役割を果たすと考えられる建設省、特に亀井大臣はすばらしいリーダーシップを発揮される大臣と聞いておりますので、所管大臣のお一人として、この取り組みにどう取り組んでいかれるか、御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
  212. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のように、経済活性化、また経済コストの削減について、私は、やはり交通インフラの整備、これは決定的な影響を与える、このように考えております。そういう意味では、通産行政にとって建設行政というのは欠くべからざる存在である、このように考えておりますので、その地域地域の産業構造もそれぞれ特徴があり違うわけでありますけれども、やはりそのニーズに合った整備をしていきませんと、お国の立場からだけという視点でそうした整備をやることは、私は、やってはならない、このように考えております。
  213. 島聡

    ○島分科員 本日は、地域の問題を取り扱うということで、パネルを用意させていただきました。  これが愛知県の西三河地域というところでございますが、こちらに豊田があるところでございます、見えにくいかもしれませんが。いわゆる自動車産業の中心地でございます。  ちなみに、私の選挙区であります愛知十三区というのは、安城、知立、刈谷、高浜、碧南という五つの市から成っておりまして、大臣は選挙期間中においでいただいたのでおわかりかと思いますけれども、その五つの市から成るところでございます。  それで、この五つの市の工業出荷額、豊田を除いただけで、これは三兆八千億円を超えておりまして、大蔵大臣の宮城県の工業出荷額を超えているところでございます。いわゆる日本の産業集積の基盤地域であると考えていただいて間違いないかと思うわけでございます。  こちらの方に豊田がございまして、この緑のところが東名高速です。これが第二東名高速道路建設予定地でございまして、ここに衣浦港というのがございます。この衣浦港というのは、要するにここから車が輸出されるわけでございまして、つまり、先ほどの高速道路と港湾が存在する地域であるわけでございます。  この地域、今申し上げたように、私は日本でも有数の産業集積の地域であると考えておりまして、ここ自身が国際競争力を失っては、日本全体の国際競争力がなくなるのではないかと思う。これはもう自負しておる地域である次第でございます。  それで、この港湾と高速道路を結ぶのが衣浦ですから、衣浦と豊田を結ぶ、いわゆる衣豊線という形になっております。実はここのところ、この地域が四百十九号線なんですが、今まだできておりませんで、つながっておりません。ここにこれができ上がっていないことによりまして、極めてこの地域に渋滞が起きておりまして、流通コストが高くなる遠因となっております。  また、この二十三号線も同様に、いろいろなことが進んでおりませんもので渋滞が起きているのですが、とりわけこの四百十九号線につきまして、今後、いわゆる国際競争力を上げるという観点から、どのような方針で整備されるのか、お聞きしたいと思います。お願いします。
  214. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 先生指摘の四百十九号線でございますが、これは、ただいまのお話の中の衣浦豊田道路の一部でございます。むしろ二百四十七号線、それからこの四百十九、百五十五号と三路線をつなぐことによってこの衣豊道路というのが機能しております。そういったことも踏まえまして、平成六年十二月に地域高規格道路計画路線として指定されております。  その中で一番交通渋滞の著しいところが知立市の国道二十三号から一号にわたっての区間でございます。その区間に御指摘国道四百十九号知立バイパス二・八キロを現在、一般国道補助事業整備推進しております。  それから、北の方の百五十五号、これは豊田南バイパスということで、これにつきましては直轄事業整備し、あわせて衣浦豊田道路としての機能を十分に果たすよう、鋭意整備推進しているところでございます。
  215. 島聡

    ○島分科員 今、鋭意整備推進いただく、ありがたいことでございますけれども、産業の空洞化というのは非常に高スピードで進んでいます。  通産省の産業構造審議会の報告書というのがありますが、今後五年間で製造業千三百五十万人のうち百二十四万人が減少すると言われています。  ちなみに、今この五市の話をしましたけれども、製造業、全国に六百六十四の都市がありますが、そのうち高浜というのは、製造業で働く、二次産業で働く人間は六一・二%で日本一でございます。刈谷が五位、そして碧南が十位、安城が十三位、この知立ても二十七位であります。  それだけ二次産業で働く人間が多い地域で、これから先、千三百五十万人から百二十四万人が五年間で減るというのが通産省の産業構造審議会の報告でもやっている。ということは、十一人に一人これから減るわけであります。  要するに、五年間でそういうことになるのだと通産省は言っているわけでございますが、今おっしゃった整備が一体、一般的にはどれぐらいで進むのか。一つの方は、五年間で十一人に一人減ってしまうというわけですが、どれぐらいの期間で進んでいくとお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
  216. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 道路整備の場合には、当初、計画をつくりまして、それに基づいての調査それから都市計画決定が行われまして、その後、用地が買収される、それから工事といった段階を経て行われます。したがいまして、工事についてはかなり期間を機械的に計算することはできるわけでございますが、計画段階の調整とか用地の取得といったことについては、そこについては、何分相手のあることでもございますし、これが何年でできるとか、そういうことは決めることができない状況でございます。
  217. 島聡

    ○島分科員 もちろんそのことはよく存じ上げておるわけでございますが、いわゆる経済構造改革を推進する、国際競争力を維持する、そういう目標のために今回、重点配分するというわけでございます。  片方は、通産省の方はこれから五年間で十一人に一人の製造業の職がなくなるということを言っているわけでございますから、これは速やかにやらないと、経済構造改革を推進するために公共投資をするというのは単なる絵にかいたもちといいますか、そういうふうになってしまうわけであります。単なるスローガンになってしまう。  大蔵省の予算編成過程で「開けゴマ」という言葉があるそうでございまして、その時代時代に応じてそういうものをまくら言葉につけると予算がとりやすいという話だそうでございます、ちょっと前までは、国際貢献とかそういうことをつけると、「開けゴマ」とぱっと大蔵省の主計局が上がったそうでございますが、今回は何か経済構造改革と書くといいのだという感じで書いている。  最も経済構造改革が必要なところに重点的な投資配分をするという形でぜひとも公共投資を配分していただきたいと思う次第でございますが、その考え方について、大臣の御所見をお願いしたいと思います。
  218. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は委員指摘のとおりだと思います。一部ちょっと私誤解しているかもしれませんから、全面的にというわけにいかぬかもしれませんが、経済構造改革というのはお題目を唱えたからできるものではありません。  具体的には、先ほどから委員が言っておられますように、交通インフラを含めて社会資本をきちっと整備していくことが大事だということでありますけれども、ただ、西三河地区だけが日本の経済を支えておるわけではございませんので、そういう意味では日本列島の各地に対する委員御主張のような施策を経済構造改革の裏打ちとしてやっていく必要があると私は思います。  そうした中で、何か社会資本整備自体が悪だみたいな風潮が今非常に蔓延をしてきておるわけでありますが、委員を初め新進党におかれまして、委員御主張のようなことをぜひひとつ積極的に御主張を賜りまして、全体のパイがございませんと、西三河地区だけをやるわけにはまいりませんので、よろしく御協力お願いいたします。
  219. 島聡

    ○島分科員 もちろん重点的な投資配分というのは、堂々とそれはやっていただきたい。もちろん今申し上げたように必要なところに重点的にパイを配分する。  第二の質問は、今度は、このところ新聞等では国費のむだ遣いと批判されることが多いダム等事業について御質問を申し上げます。これも、分科会ということでございますので、地域問題でございます。  私のところに矢作川という川がございますが、その矢作川のところに矢作川河口堰という事業がございます。これは地元の新聞では第二の長良川河口堰と呼ばれているものでございます。  実は、私の生まれはもともとはこちらでございませんで、岐阜県でございまして、海抜ゼロメートル地帯の生まれでございます。したがいまして、治水が政治の基本であることも十分に承知いたしておりますし、高校三年生のときには安八の長良川決壊がありまして、私自身、学校に避難したこともあるわけでございます。  したがって、治水というものが重要であるということを十分認識しておりますが、現在の治水計画におきます堤防、ダム、河口堰などの各施設は、どのような考えに基づいて組み合わされているのか、お尋ねを申し上げます。
  220. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 現在、治水計画を策定いたします際には、各水系ごとに工事実施基本計画というものを定めております。この工事実施基本計画におきましては、外力となります高水量をもとにいたしまして、どういう外力を相手にするかということを決めた上で、その上で、ダム、河道、あるいはお話の河口堰あるいは遊水地、それぞれにどういう形で流量を配分するのがその流域にとって最もすぐれているかということを科学的、技術的に検討をいたします。  その際、日本の持っております非常に地形が厳しく、そして地質がもろいということから、土砂を含んだ流れであるという特性が日本の河川の大変な特性でございまして、その辺のところも十分考慮に入れながら治水の計画をつくっておるところでございます。
  221. 島聡

    ○島分科員 矢作川の河口堰についてでございますが、これはもうダム事業評価システム等々の試行対象になりまして、ダム事業審議委員会がもう既に設けられているわけでございます。  今おっしゃった、その地域地域によってということでございますが、治水の三つの方法といいますか、堤防を高くするか、堤防を広くするか、あるいは川をしゅんせつするか。ところが、しゅんせつすると塩害が起きる、塩害が起きるから河口堰をつくってそれを淡水化するんだ、そういうようなことを聞いておるわけでございます。特に、河口堰を設ける場合には治水とそれから利水というもの、この二つの一挙両得になるんだからいいんだというような説明も聞いているわけでございますが、これについてまず最初の質問を申し上げます。  私の地域、先ほど申し上げましたように、海抜ゼロメートル地帯の岐阜県海津町というところにおったわけです、もともとの生まれ故郷は。そこには、ヨシ一本が、植物のアシでございますが、一尺上げるということわざがあります。つまり、洪水時に川がざあっと流れているときに何か一つの防御物がありますと、ヨシ一本でも一尺ぐらい水のかさを上げてしまって危ないんだということわざがこれは昔からの言い伝えであるわけでございます。  河口堰というのは、それどころか、ヨシ一本どころか、こんなふうにいろいろなものをつくるわけでございますけれども、これが本当になぜ治水にいいのかということについてお尋ねをいたします。
  222. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 確かに、委員おっしゃいますとおり、川の流れの中にそういう構造物があるということは、水の流れとしては好ましいことではない、おっしゃるとおりでございます。  ただ、河口堰をなぜつくらざるを得ないかという点は、委員自身も御指摘のとおり、河床をしゅんせつをせざるを得ない。河床をしゅんせつをいたしますと、塩水が上流まで上がってくる。そうしますと、河川からとっている水だけでなしに、川の水が流域の中に地下水として供給されておるわけでございますので、地下水が塩水化をしてくる。これは非常に大きな環境改変になるわけでございます。そういう海の水が川に上がってくることをとめる、そのためにどうしても河口堰をつくらざるを得ないということになるわけでございまして、その際、そういう構造物をつくることになります。  その際には、そういう構造物をつくっても水の流れに支障がないかどうか、ないようにもちろん計画をするわけでございますが、その上で、実際の模型をつくりまして検討をする、あるいは数値シミュレーション等々によりまして、そういう構造物が川の中にある場合においても上流に悪影響を及ぼさないように河口堰なんかもスパンを非常に、幅を飛ばしてつくる、そういうことで対応しておるところでございます。
  223. 島聡

    ○島分科員 極めてこの分析、分析というか、こういうもの、政策の説明には、客観的な説明と政策を遂行するための説明があると言われています。これについて理論上の討論をする時間はございませんのでやめますが、私自身ままだ正直言ってきちんと納得している次第ではありません。  それで、次にちょっと質問でございますが、先ほど、治水、利水、一挙両得であるという話を承りましたが、一〇〇%比でいきますと、治水と利水、一体何対何ぐらいとしてこの矢作川河口堰の場合考えたらいいのかということをお尋ねします。
  224. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 治水と利水と申しますか、そういう共有の、共通といいますか、ある一つの構造物が両方の効用を持つ場合に、その費用をいかに負担をするかという御質問かと存じます。  その際には、分離費用身がわり妥当投資法という形で算出をいたしております。すなわち、単独で物をつくった場合、要するに利水が入らない場合のものと、逆に利水で、治水が入らない場合のものと、そういう構造物を仮想設計をいたしまして、その上で比較をしてそれぞれの費用分担を決めるという形で算出をするのが普通でございます。
  225. 島聡

    ○島分科員 私がいろいろな形で取材をしたところ、大体今の算出の結果で調査をしたところ、大体この矢作川河口堰は五七対四三ぐらいの比率だと聞いておりますが、それで間違いございませんか。
  226. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 矢作川河口堰におきましては、ただいま委員指摘のとおりの数字になっておろうかと思います。
  227. 島聡

    ○島分科員 つまり治水が五七%。これについて私も少し、五七についても若干疑問がございますけれども、とりあえず利水の方は四三であるというふうに考えさせていただきます。  この矢作川河口堰の利水の問題についてちょっと質問をさせていただくわけでございますが、この河口堰、つくられた当時、最初のころの昭和六十年の水需給見通しでは、これは昭和五十一年三月の第四次愛知県地方計画からとられている。ちょっと、十年間ブランクがあるわけですが、当時、西三河地域は毎秒三立方メートルが不足するとされていた。これを矢作川河口堰で開発するんだという御意向であったと聞いております。  これは年間にしますと約八千五十万立方メートル、これから数字がたくさん出て恐縮でございますが、新規に必要なのが八千五十万立方メートルで、これで需給一致して、矢作川河口堰をつくるんだと言われていた。  しかし、工業用水必要量、現在の第六次愛知県地方計画によりますと、二〇〇〇年に新規に必要な量というのは五百七十万立方メートル、当初の約十五分の一になっているわけであります。矢作川河口堰の新規供給可能量というのも七万五千二百立方メートル、誤差があったせいで減らされたそうでございますが、この需給差六万九千五百立方メートルあります。  わかりやすくするために、前は、つくられたときは毎秒三立方メートルと言ったのが、現在では毎秒〇・二一立方メートルしか要らなくなった。この状況では、利水という面に関しましては、矢作川河口堰の持つ利水という政策的な意義というのが極めて少なくなっておるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  228. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 確かに、委員指摘のとおり、第六次の愛知県地方計画におきましては、愛知県さんの推定として、二〇〇〇年時点における新規に必要とする量、不足量といいますか、それは毎秒が〇・二トン程度というふうに推定をされておられます。  ただ、これは二〇〇〇年時点での推定値でありまして、二〇〇〇年ですべて物事が終わるわけではなしに、先ほど委員指摘のとおり、西三河地域は日本の産業を担っておる地域でございまして、それ以降の水需要も当然あるわけでございます。そういうものを勘案した上で、現時点においては愛知県さんとしては三トンの水をぜひ矢作川河口堰に確保したいとお考えだというふうに承知をいたしております。
  229. 島聡

    ○島分科員 私は、治水、今最も重要なことと考えるわけでございますが、この利水の面、先ほど百分の比で五三対四七だと言われた。今のところは、もちろんほんの少し要らなくなったというならわかりますが、十五分の一になった、つまり十五分の十四は要らなくなった。つまり、今までは百分の比のうち五三対四七で、四七の掛ける十五分の十四というのは四三%なわけでございます。四三%政策的意義がなくなったものというものが果たしてどうなのかということは、非常に私は疑問が残るわけでございます。  ただ、私は、何度も申しますが、治水は最も重要なことと考えておりまして、また利水というのも高度成長期にはかなり必要なものだったと思います。高度成長期には、ともすれば環境というものが優先順位では下に置かれた。それは、利水事業と環境の関係でもあったわけで、利水がかなり優先的に置かれたわけでございます。  矢作川の海水が淡水と交わる河口付近の浅瀬というのは、非常に良質のノリやアサリが育ちます。近傍では指折りの好漁場でございます。もちろん建設省さんが代替地として試験的に人工干潟をつくっていらっしゃることもよく存じ上げておりますけれども、環境が変わって、長期的な意図からするとどうなのかということがございます。  この問題は、利水の必要性が時代の経過によって薄れてきた。治水計画における河口堰は、今まで治水、利水と言われていたわけでございますが、両得というよりもちょっと考えてもいいのじゃないか。ですから、治水のみを、治水をかなり重点的に考えて、そして環境と両立するというようなよい治水事業がないのか。  現在計画している河口堰について、今申し上げたように十五分の十四の利水需要が今のところないということでありましたら、さらに適切な治水計画を考え得るのではないかと私は思うわけでございますが、その点について御見解をお願いいたします。
  230. 尾田栄章

    ○尾田政府委員 先ほど来の利水の議論は、二〇〇〇年時点においてどれだけの不足量が出るか、こういう議論でございます。これが二〇〇〇年で切れるわけではなしに、二〇一〇年、二〇二〇年、ずっと続くわけでして、そこまでにらんだ上で、愛知県当局としては三トンの必要量というのは現時点においても必要だというふうにお考えだと理解をいたしております。  ただ、一般論として申しますれば、委員指摘のとおり、治水の計画が変わり、あるいは利水の計画が変わり、そういうときに全体の計画を見直せないのかということで申しますれば、一般論では、そういういろいろな条件の変化に応じて物事を見直していく。特にこういう時期でございますので、それは当然のことだというふうに考えておるところでございます。
  231. 島聡

    ○島分科員 同趣旨の質問大臣にぜひともお願い申し上げます。御所見を伺いたいと思います。
  232. 亀井静香

    亀井国務大臣 まず第一に、単純に申し上げますと、利水について、県及びその地域の市町村が要りませんということを、建設省が要るでしようという立場にはございません、はっきり申し上げまして。  そういたしますと、治水という観点から、洪水を防ぐという意味でほかに代替的な方法があるかないか、そういうことについては建設省としては真剣に考えていかなければならない。ただ、利水のことについて、我々が、将来は必要だろうからつくりましょう、つくりましようという立場には全然ございません。  そういう意味で、先ほど委員が御質問なされましたように、その地域経済活性化のために水が将来どうなのかという真剣な御検討を県並びに市町村、委員もやっていただきたい。その御意見は今後の我々の方針について十分参考にさせていただきたい、このように考えております。
  233. 島聡

    ○島分科員 先ほど申しましたように、私が生まれましたのは岐阜県の海津町というところでございます。ここは、実は長良川河口堰の推進派が多いとされた地域でございます。当時は、環境破壊につながる、ダムのない河川である長良川にそういうものをつくるのはいかがなものかというような御意見があった、それこ対して推進派は治水を重視して、地元推進派であったというような、そんな絵がありましたけれども、私は、実際にそこの生まれとしまして、どうもそうではないのではないかという感想を実は持っております。  あの議論においては、どうも、本当は地元の人も見直した方がよかったのではないかなと思っていた。ところが、いろいろな経緯がございまして、非常に大きな権限を持つ日本の行政システムが口を閉ざさざるを得ないような状況に追い込んでしまった。非常にぎすぎすしたものが当時の私の生まれ故郷にはあったというふうに聞いておる次第でございます。  今回、矢作川河口堰というところが私の地域にあるわけでございますが、これは、賢明な選択によりまして……
  234. 藤井孝男

    藤井主査 島聡君に申し上げます。質疑時間が終了いたしましたので。
  235. 島聡

    ○島分科員 わかりました。  賢明な政策選択によりまして、改めて大いなる再検討をしていただくことを念じまして、私の質問を終わらせていただきます。  本日はどうもありがとうございました。
  236. 藤井孝男

    藤井主査 これにて島聡君の質疑は終了いたしました。  次に、菅義偉君。
  237. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 神奈川県の第二区より、亀井建設大臣の大変力強い応援をいただきまして議席を得ております自由民主党の菅でございます。質問に対しても大臣から応援のいただけますよう期待をしながら、皆さんにいろいろとお伺いをいたします。  まず最初に、住都公団の改革についてであります。  私は、一月二十二日の衆議院本会議におきまして、亀井大臣の住都公団改革に対しての答弁を感動しながら拝聴いたしました。まさに多くの国民の皆さんが望んでいることを大臣は明快に断言をされたわけであります。そして、その後も予算委員会やあるいはマスコミとのインタビューの中で、大臣は、改革については、夏ごろまでに改革案を出して十一月ごろにはまとめる、そういう趣旨の発言をされておられます。やはり改革というのは私は時間との闘いでもあると思います。そういう観点から、この改革を進めていくについての大臣の考え方を改めてお尋ねをいたします。
  238. 亀井静香

    亀井国務大臣 建設省は、二十一世紀へ向けて、建設行政のあるべき姿は何かということで、建設省の役人、これは特殊法人の職員を含めて、明治維新政府の役人のようなつもりで、省益とかそういうことは抜きにして今真剣に取り組んでおるわけであります。住都公団の改革につきましても、住宅局あるいは都市局と住都公団との間で、私が指示をいたしました方向に従っての具体的な作業を今実施をいたしております。  問題は、事業を切って捨てればいいとか、組織をスリム化すればいいということではございませんで、やはり国民のために具体的な行政の前進があるためには特殊法人たる住都公団をどうすればいいかという観点で取り組んでおりますので、委員の方からもいろいろと御提言なり御指導を賜りたいと思います。
  239. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 公団の改革と同時に、関連会社の改革についてもこれはいろいろ言われておるわけであります。確かに、本体の経営に税金が投入をされて関連会社が莫大な利益を上げている、どう考えてもおかしいことであります。大臣は、これに対しても徹底して改革をする、そういう趣旨の発言をされておりますけれども、これについても具体的にどのように改革を進めていくのか、お尋ねをします。
  240. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のように、これは住都公団の総裁を初め職員がいわば悪意を持ってそうした事態を招いたということでは私はないと思います。住都公団としての、中低所得者に対する住宅供給をきっちりとやっていくという使命に邁進をしてきたと思いますけれども、残念ながら人間のやることであります、組織も制度疲労が起きてまいります。そういうことの中で、住都公団の下請関連の企業が膨大な黒字を出しており、住都公団に対しては国から税金がつぎ込まれているという現在の状況が生まれていることは事実でございます。  そういう意味では、下請あるいは関連の企業等に対する契約方法その他を含めまして、もう抜本的にこれも改革をしていく、見直していくということでございます。
  241. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 私の選挙区であります横浜市においては、住都公団との協調事業やあるいは町づくりに、住都公団に対していろいろお願いをしながら行っておる事業が数多くあるわけであります。その中で、港北ニュータウンの事業とみなとみらい21の事業についてお尋ねをいたします。  現在、公団の売れ残り物件やあるいは売り出し凍結物件、さらには工事中断物件が約五千件ほどあるということでありますけれども、当然港北ニュータウンにおいてもこうした物件があるだろう。町づくりについては大変心配をいたしておるわけでありますけれども、全体の宅地の処分状況、立ち上がりの状況はどのようになっているのか。さらに順調に進むようこれからもぜひ対応してほしい、こう思っております。これについてお尋ねをします。
  242. 小鷲茂

    ○小鷲政府委員 港北ニュータウンの宅地の処分状況でございますが、御案内のとおり、港北ニュータウンは日本でも代表的な大規模な開発でございまして、昭和四十年に地元開発構想ができましてから、昨年ようやく換地処分を迎える時期になりまして、一応都市基盤整備はほぼ概成という状況でございまして、今後新しい段階に入るわけでございます。  この中で、公団の保有地が三百八十ヘクタールございまして、現在までのところ、このうち二百四十一ヘクタールを処分いたしております。率にいたしますると六三%という状況でございます。計画人口二十二万に対して現在八万人でございますので、都市づくり、町づくりという点では、ようやく骨格ができて、これから肉づけをし、本当の血を通わせる、こういう大変重要な時期を迎えているのではないかというふうに思うわけでございます。  これまでも港北ニュータウンの場合には、いわゆる住民参加で町づくりをやってきたという大変ユニークな特徴がございます。今後とも、地元の地権者、公団並びに地元の公共団体、こういったところが十分連絡をとりながら、都市づくり、町づくりの熟成を期していく、こういうことになるのではないかというふうに思います。  当面、問題になりますのは、商業業務施設を早く定着させる。そういう意味からは、平成十年に、地下鉄三号線の北駅、南駅、それぞれの駅前に大規模な商業店舗が開業するという点もございます。そしてまた、業務施設用地、研究所でありまするとか研修所、大学、こういったものにつきましても、まだ当初予定が全部埋まっておりませんので、関係者、相協力しながら積極的に誘致を推進していく、こんな問題も残っておろうかと思いますが、いずれにいたしましても、今後、本格的な町づくりの時期でございますので、関係者、十分調整をとりながら積極的に対応してまいりたいと考えております。
  243. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 さらに、このニュータウン内の住宅関係でありますけれども、かなり売れ残りがあるのじゃないか、あるいは賃貸にも空室があるのじゃないかということが言われております。確かに厳しい状況の中でありますけれども地元においては、ことし地下鉄四号線が新規採択されるなど、町づくりに対しての盛り上がりが非常にある中で、公団のそうした売れ残りや供給調整があると足を引っ張るのじゃないかという懸念もあるわけであります。これについてどのように対応されていくのか、お尋ねをします。
  244. 小川忠男

    ○小川政府委員 ただいま御指摘いただきました港北ニュータウンでございますが、御指摘のように、分譲物件につきまして、昨年の十二月断面でございますが、売れ残り、つまり募集をしたけれども買い手がいないという住宅、百六十戸余りございます。また、完成を間近にして工事を中断している、募集をしていないというふうな、供給調整というのでしょうか、これが三百戸余りございます。これらの物件につきましては、販売促進に努力をする、これは当然でございますが、管理組合の御理解を賜りながら賃貸住宅へ一部切りかえるというふうなことも交えながら、最大限の努力をさせていただきたいと思っております。  また、空き家でございますが、同じく十二月断面で百九十戸余りの空き家がございます。ただ、  これにつきましては、先般、一月一日付で全体として平均四万円の家賃の値下げを全体五百六十七戸について、港北ニュータウンでは措置いたしました。これによりまして、賃貸住宅についてはかなり応募があるのではなかろうかと現段階では期待をいたしております。  いずれにいたしましても、既に発生いたしました分譲の売れ残りあるいは賃貸住宅の空き家、これについては、いろいろな措置を講じながら、最大限努力させていただきたいと思っております。  また、若干、港北ニュータウンにつきましては住宅建設用地として既に保有している土地もございます。これらの立ち上がりにつきましては、将来の需要動向がかぎを握るかと思いますが、需要動向をにらみながら、また、公団改革の方向をにらみながらというふうな前提はつきますが、ただ、町全体としてきちっと立ち上げる、これは公団の責任だろうと思いますので、引き続き全力投球させていただきたいと思います。
  245. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 ぜひ全力で取り組んでいただきたいと思います。  次に、みなとみらい21関係についてお尋ねをいたします。  大臣は、住都公団の業務を住宅建設から都市開発などの町づくりにシフトをしていく、こういう趣旨の発言をされておりました。町づくりにおいては、地域の自治体と緊密に連絡をとり協調体制をとっていく、これは当然のことであると思いますけれども、さらに、このみなとみらい21事業のように業務商業系の誘致や集積を目指す事業に当たっては、やはり社会経済の急激な変化に対応するような柔軟な町づくりがどうしても必要だと私は思いますけれども、これについて、大臣、いかがですか。
  246. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のとおりでございます。  そういう意味では、新生住都公団、名前ももちろん変わると思いますけれども、これが新しい組織体になるかどうかを含めまして今検討しておるわけでありますが、これはやはり民間、それから自治体ときっちりとタイアップをしていく、そうした仕事を展開をしていかなければならない。柔軟な展開ができる、そうした組織体にしてまいりたい、このように考えております。
  247. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 今の大臣答弁を聞いて私ほっとしたのでありますけれども、実は、横浜市のみなとみらい21の中に二十四街区という街区があります。今、ここにおいて実際に町づくりが行われておるわけでありますが、横浜市の二月の市会において、予想を超えた地価の大幅な下落に伴い、現在の契約条件のもとでは事業の継続が難しい、そして、先発した二十四街区の事業と後発事業との著しい不均衡を是正することを理由に権利金を減額をする、こうしたことを実は市会で議決をいたしました。ちなみに、単価は平米四百七十万円から二百六十七万円に下げたわけであります。そしてまた、後発の街区、昨年の十二月に四十一街区というところが土地処分されたわけでありますけれども、これは平米百五十一万円であります。  また一方、この街区については公団横浜市が共同で実は事業を行っておるところでありまして、公団においては、契約の変更について現在のところは慎重に検討している、いまだに事業者と合意に達しないというように私は聞いております。  この二十四街区というのはみなとみらい21地区の中でも先導的な街区でありますので、これがまとまらないと、その後の影響というのははかり知れないものがあります。どうぞ何としてもこの二十四街区を、六月末までの契約期間の間に公団としても横浜市と歩調を合わせてぜひ柔軟な対応を行うべきである、こう考えますけれども大臣の見解を伺います。
  248. 木下博夫

    木下政府委員 若干、事態の推移に関連するところでございますが、私からまずお答えさせていただきたいと思います。  先生御自身が市会議員でいろいろお務め時代からも調整をやっていただいていることは、私も伺っていました。  それで、今お話にございましたように、本来この事業は、横浜市と公団とがともに土地所有者であるというところからスタートしておりますが、区画整理事業そのものは公団がやっておりますし、総合的な行政主体として横浜市がやっていただいたわけでございます。先般の横浜市の判断は、そういう意味では大変大きな決断であったと私ども承知しております。  私どもも、平成の四年でございますか、当事者同士で契約をしたことも承知しておりますが、先生のお話にもございましたように、この二十四街区というのは交通計画上の大変重要な結節点に位置しておりますので、この地区のこれからのあり方というのは、当然MM21全体にも大きな影響を与えることも我々承知しております。  公団の方では、お話にございましたようなことのいろいろな諸情勢を踏まえて、これからもさらにできる限りの協議をさせていただきたいということでございますから、きょうここでございました議論なども踏まえまして、私ども公団とのお話し合いを進めさせていただこうと思っております。
  249. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 今局長答弁にありましたけれども、確かに、横浜市にとっても大変な実は決断でありました。ただ、近場の東京臨海副都心、ここにおいては、やはり平米二百八万円で契約したものを百三十八万円に土地の価格の見直しをされております。私がここで申し上げたいのは、公団がこれから都市開発を中心に町づくりを行っていく、そうした中で、この二十四街区というのはやはり一つの試金石になると思っております。  そういう意味でぜひ、大臣におかれましては先ほど、柔軟に対応するということでありました。かつては四百七十万であった土地が、横浜市は二百六十万円の決断をしたわけでありますし、すぐ隣の土地が昨年の暮れに百五十一万円ですから、そうした変化にぜひ公団も十分に、共同事業者でありますから、対応することを強く意見として申し上げて、次に移ります。  道路事業予算配分でありますけれども、これはぜひ大臣答弁をいただきたいのですが、横浜市というのは、都市計画決定道路整備状況というのは五三、四%です。同じ政令指定都市でも九〇%ほど整備されておるところがあるわけであります。けれども、しかし、予算は毎年、対前年何%、そういう方向で決まっておるようであります。しかし、私は、やはり投資効果の大きいところへは重点的に予算を配分するような、そうした予算の箇所づけについて大幅な見直しを行うべきではないかと思いますけれども、いかがでございましょう。
  250. 亀井静香

    亀井国務大臣 道路予算のみならず、すべてについて言えることでありますけれども、いわゆるばらまきという形でやるべきではない。道路財源が潤沢で使い道に困るという事態ではないわけでありますから、これは委員の御指摘のとおりでございます。
  251. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 そこで、横浜市の関係の予算について質問いたします。  現在、横浜は人口が三百三十万、名古屋市は二百十五万、京都は百五十万。横浜は、実は東名高速道路のインターというのは一つしかないのです。名古屋は既に四カ所ありますし、京都は二カ所あります。現在、横浜都心からインターに行くまで、朝晩は一時間近く実はかかるわけでありまして、大変渋滞をしております。  そういう中で、東名高速の横浜青葉インター、新たに二つ目のインターチェンジが今工事をされておるわけでありますけれども、このインターの進捗状況についてお尋ねをします。
  252. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 東名高速道路の青葉インターチェンジでございますが、従来は通称緑インターと申しておりましたが、この青葉インターにつきましては、東名の川崎インターチェンジ横浜インターチェンジの間に極めて深刻な交通渋滞があるといっだことに対応することが一つでございます。それと、港北ニュータウンでのいろいろな周辺開発などと一体となって対応するといったことで、平成二年度より事業着手をした追加インターでございます。  現在、全面的にもう工事が展開されておりまして、今後とも地元の御協力を得ながら、平成九年度中に供用が図られるよう一層努力してまいっているところでございます。よろしくお願いいたしたいと思っております。
  253. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 局長、もう一度。平成何年、ちょっと聞き漏らしたのですが。
  254. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 平成九年度内に供用が図られるよう、努めております。
  255. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 さらに、この建設と同時に、首都高や横浜中心部とのつながりを強化するためにも、緑支線を含めた西側横浜環状道路の北側に連結する部分だけでも早期事業化が望まれますけれども、この点についてはいかがでしょう。
  256. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 横浜環状道路につきましては、北部区間それから西部区間、南部区間と三区間ございますが、先ほどのインターチェンジに関連してきますのは西部区間でございます。これにつきましては、現在、交通需要の分析とか整備効果の把握といったことの検討を進めているところでございます。  さらに、事業手法、事業の進め方の検討もあわせて進めることになりますが、今後とも、周辺道路整備状況を勘案しながら早い時期に計画策定ができるよう、調査推進してまいりたいというふうに思っております。
  257. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 さらに、横浜青葉インターの開通にあわせて、市ケ尾立体化事業推進をいたしておるわけでありますけれども、これの進捗状況はいかがでしょう。
  258. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 先ほどのインターチェンジが出てきたところの取りつけ道路が、一般国道の二百四十六号の市ケ尾というところでございます。そこの市ケ尾におきまして、ここはもちろん交通渋滞のもともと著しいところでございましたので、ここの交差点を立体交差化するといったことが、既に事業が進められております。  昭和六十一年から事業を着手しているところでございますが、この立体交差につきましても平成九年度内に、横浜青葉インターと同時に供用が図られるよう、鋭意工事促進してまいりたいと思っております。
  259. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 さらに、現在、東名のインターへ直接乗り入れのために、保土ケ谷バイパスの工事を行っておりますけれども、この進捗状況、さらにその供用の時期についてお尋ねをいたします。
  260. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 保土ケ谷バイパスは、現在の横浜インターにつながる国道十六号の交通渋滞が激しいといったことで、その影響が高速道路にまで及ぶといったことがございまして、ここの保土ケ谷バイパスから高速道路に至るまでの立体交差を事業として行っております。  これにつきましても、現在床版工事も大分進んできておりまして、地元の皆様の御理解、御協力を得ながら、平成九年度内の供用に向けて事業促進しているところでございます。
  261. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 この横浜青葉インターと保土ケ谷バイパスの直接乗り入れが完成すれば、横浜道路事情もかなり変わってくるのかなというふうに思っておりますので、ぜひ、今の答弁のような形で九年度内ということで期待をいたしております。  さらに、首都高速の湾岸五期の進捗状況もお伺いしておきます。
  262. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 首都高速湾岸線の五期についてでございますが、昭和六十二年度に都市計画事業の承認を受けて以来、用地買収及び工事促進してきております。  用地につきましては、懸案でありました根岸地区の大規模な工場に関する契約も平成六年度末に終了いたしまして、平成八年の十二月末で、ほぼ九割程度の進捗になっております。  工事につきましては、並木地区では半地下区間、トンネル工事等、それから本牧地区におきましては高架の上下部工事を完了いたしまして、同じく十二月末におきまして、約六割程度の進捗となっております。  そういったことで、平成八年度は、事業費四百九十六億円をもちまして、杉田、本牧の各区間の高架工事を実施しているほかに、新たに磯子地区の高架工事に着手したところでございます。  本路線につきましては、横浜市域の骨格を形成する重要な道路でございますので、地元の方々の一層の御理解と御協力を得つつ、一日も早い供用が図られるよう努力してまいる所存でございま す。
  263. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 この高速湾岸五期でありますけれども、ようやく根岸地区の大規模工場についてはそれなりの見通しがついたということでありますけれども、これは先に完成をしたところから、その区間だけでも早期部分供用できないかと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
  264. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 この五期の区間、四区間ございますが、その間の事業進捗が一律ではございません。したがいまして、御指摘の部分供用につきましては、部分供用のときの道路構造の課題、どういう形でできるかといったこととか、それから交通安全や、その場合に周辺の交通にどんな影響があるかといったような問題がございますので、今後、その可能性について関係の機関とも十分調整を図って検討してまいりたいと思っております。
  265. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 これは最後に大臣お尋ねをしますけれども、三五七号の件でありますけれども、今、ベイブリッジの下に国道三五七号線を早く走らせよう、そういう運動をしていますけれども、なかなか現実は厳しい状況であるようであります。ぜひこれについても前向きにお願いしたいのは当然でありますけれども、現在、港湾業者の人たちが大黒と本牧、この二つの埠頭の間を交通で通る場合に、どうしてもベイブリッジを一日に何往復もするわけでありますから、このベイブリッジのみの利用者について特別の料金というものが考えられないかどうか、これについて大臣お尋ねをして、質問を終わります。
  266. 亀井静香

    亀井国務大臣 この件に関しては、先日来私のところに、ちょっとこれは矛盾じゃないか、簡単に言うと、生活道が切断をされておる中で無理やり渡らされるということで、そうしたコストに大変な影響を与えているという、そういうお話もこの間私は直接お伺いをいたしました。  確かにそういう不合理な面もあろうかと思いますけれども、その港湾の関係業者だけについて特別な料金をいただくとか、そういう設定ということもなかなか私は難しい面もあろうかと思いますけれども、そのあたりの矛盾といいますか、これを解決するにはやはりきっちりと、ベイブリッジを通らなくても、生活道といいますか、産業道路としてきちっと使える状況をつくっていくことが基本的にはやはり解決法かな、私はこのようにも考えておりますが、なお非常に難しい問題でございますので、今後検討させていただきます。
  267. 藤井孝男

    藤井主査 これにて菅義偉君の質疑は終了いたしました。  次回は、明四日午前十時より開会することとし、建設省所管並びに総理府所管中国土庁について審査をいたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後六時十三分散会