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1997-02-20 第140回国会 衆議院 本会議 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年二月二十日(木曜日)     —————————————   平成九年二月二十日     午後一時 本会議     ————————————— ○本日の会議に付した案件 酒税法の一部を改正する法律案内閣提出)及び  租税特別措置法及び阪神淡路大震災被災  者等に係る国税関係法律臨時特例に関する  法律の一部を改正する法律案内閣提出)の趣  旨説明及び質疑     午後一時三分開議
  2. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  酒税法の一部を改正する法律案内閣提出)及び租税特別措置法及び阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明
  3. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) この際、内閣提出酒税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法及び阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨説明を求めます。大蔵大臣三塚博君。     〔国務大臣三塚博登壇
  4. 三塚博

    国務大臣三塚博君) ただいま議題となりました酒税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法及び阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、以上の趣旨を御説明申し上げます。  まず、酒税法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  本法律案は、現行蒸留酒に係る酒税税率格差をガット第三条に整合的なものとすることを要請した昨年十一月のWTO勧告対応するため、しょうちゅうウイスキー類スピリッツ類及びリキュール類に係る税率見直し税率格差の縮小を図るものであります。  以下、その大要を申し上げます。  しょうちゅう甲類及び乙類並びにリキュール類税率現行スピリッツ類水準まで引き上げ、これらの酒類税率アルコール分一度当たりで同一とすることとしております。また、これらの酒類ウイスキー類とのアルコール分一度当たり税率格差を一・〇三倍に縮小するため、ウイスキー類税率引き下げることとしております。  次に、租税特別措置法及び阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  本法律案は、最近における社会経済情勢等に顧み、住宅土地関連税制等について適切な対応を図るほか、租税特別措置整理合理化その他所要措置を講ずるとともに、阪神淡路大震災に関する特例等措置を講ずるものであります。  以下、その大要を申し上げます。  まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  第一に、住宅土地関連税制について、住宅需要を刺激するための措置として、住宅取得促進税制を当初拡充した上、段階的に適正化を図っていくという見直しを行うこととするほか、住宅取得等に係る登録免許税特例拡充不動産譲渡契約書等に係る印紙税税率引き下げ等改正を行うこととしております。  第二に、社会経済情勢等対応するため、特定の中小会社が発行した株式に係る譲渡損失繰越控除創設等措置を講ずるほか、沖縄振興観点から、沖縄に対する税制上の特例措置新設拡充を行う一方、企業関係租税特別措置等について整理合理化等を行うこととしております。  以上のほか、民間国外債利子等非課税制度等適用期限の到来する特別措置について、実情に応じてその期限を延長する等所要措置を講ずることとしております。  次に、阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律の一部改正について、御説明申し上げます。  阪神淡路大震災被災者住宅の再取得等支援するため、被災者住宅の再取得等に係る住宅借入金等を有する場合の住宅取得促進税制特例等措置を講ずることとしております。  以上、酒税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法及び阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)      ————◇—————  酒税法の一部を改正する法律案内閣提出)及び租税特別措置法及び阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出)の趣旨説明に対する質疑
  5. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。これを許します。上田清司君。     〔上田清司登壇
  6. 上田清司

    上田清司君 私は、新進党を代表して、酒税法の一部を改正する法律案並びに租税特別措置法及び阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案について、総理及び関係大臣質問をさせていただきます。  まず、酒税法の一部改正案でありますが、去る二月十三日、世界貿易機関WTOは、日本に対して酒税格差是正実施は十五カ月が妥当とする裁定を下し、日米両国に通告したことは御承知のとおりであります。  政府提出改正案は、しょうちゅう乙類について十三年十月一日となっていますので、この改正案WTO裁定に反する内容になるわけでありま す。政府部内では関税で調整するという話もあるそうですが、ある意味ではWTO裁定の結果が見えていたわけですから、裁定をクリアできる改正案を最初から出すのが筋であると思いますが、なぜ現改正案になったのか、理由をお伺いしたいと思います。  関税によって米国との協議調整を行うという答弁を予想して申し上げますが、蒸留酒関税撤廃が欧米での潮流であることを踏まえての改正案であるのか、いささか疑問に思うところです。この点についても御見解をお聞きしたいと思います。  消費者にとって、しょうちゅうは高くなる、ウイスキー類は安くなるといった痛み分けの改正案でもありますが、九年十月一日と十年十月一日に、しょうちゅうあるいはウイスキーはそれぞれ幾ら値上がりし幾ら値下げになるのか、概算で結構ですので、大蔵大臣には国民にわかりやすくお答えをしていただければ大変ありがたいと思います。  一方、今回の改正案は、しょうちゅう製造業者にとっては死活問題になりかねない事態でもあります。既に、業界対策として二百三億の財政支援策金融税制面での対策が講じられております。私は、あくまで零細中小業者育成支援につながる前向き、積極的な支援策に限るべきだと考えますが、どのような業界育成支援のための支出となっているのか、具体的事例を挙げて御説明をいただきたいと思います。  さらに、残念ではありますが、とかく我が国は、世界貿易ルールについては、ぎりぎりの段階に追い込まれてから対処するというパターンを繰り返しております。くれぐれもグローバルな潮流についてはスピーディーに対処していただくように、政府にお願いを申し上げる次第であります。  次に、租税特別措置法及び阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案について質問させていただきます。  まず、いわゆる住宅取得促進税制効果について、平成八年度の新設住宅着工戸数が極めて高い水準で推移していることなどから、それなりに評価をさせていただくことができると思います。  今回の改正案は、住宅借入金等の年末残高一千万以下の部分に適用される控除率引き上げ適用期限平成十三年まで五年延長するものであります。  これまで、景気対策としても住宅関連税制のインセンティブは大きいものと考えられできました。しかし、平成九年度以降に限って言えば、消費税率引き上げによって、その効果は極めて低いものと考えざるを得ません。例えば頭金一千万で四千万のローン住宅を購入した場合、平成八年度は消費税額を百二十万円払っても、六年間の控除合計百六十万から四十万おつりが来るわけであります。改正案をもとに、平成九年度は、同じように頭金一千万で四千万のローン住宅を購入した場合、消費税額は二百万円、六年間の控除額は百八十万ということになり、控除額消費税を払うことができないばかりか、マイナス二十万円ということになります。  以上のように、私は、消費税率五%によって、この住宅取得促進税制改正案は必ずしもその名のとおり住宅取得促進につながらないのではないかと危惧しておりますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。改正案によって予定される住宅取得促進の具体的な計数などあれば、御教示いただきたいと思います。  同様に、阪神淡路大震災被災者再建住宅に係る住宅取得促進税制特例についても、同じように頭金一千万、四千万のローン住宅取得をした場合、改正案は六年で控除額が五十万ふえて二百十万まで控除できるとしても、消費税が八十万円ふえるので、差し引き十万円のメリットにしかなりません。実際に住宅取得のための意欲がわくのかと疑問に思うわけであります。  兵庫県に限定してもいいのですが、この特例案によって被災者方々にとってどのぐらい住宅取得促進になるのか、予定件数があれば御教示いただきたいし、現行促進税制利用件数も出していただきたいと思います。  私は、住宅に関する被災地対策からすれば、少し視点がずれているのではないかと思います。なぜなら、被災地における応急仮設入居者は、御承知のように、七〇%の方々が三百万以下の所得であります。応急仮設入居者方々を救済するのが緊急の要件だとすると、住宅取得促進税制特例は実際には役に立たないのではないでしょうか。むしろ、公営住宅建設または民間家賃補助が有効ではないかと考えます。御所見を承りたいと思います。  事実、厚生省の調査では、兵庫県、大阪府の応急仮設入居戸数及び入居人は、合計で、それぞれ三万七千二百四十一戸、七万五百九十四人となっています。平成九年二月十四日の日付であります。ちなみに、平成八年六月に、応急仮設入居戸数が四万一千八百四十六で、入居人数が七万九千八百四十六ですから、この八カ月間で応急仮設戸数で四千六百五、入居人数で九千二百五十二人しか減っていません。この際伺いますが、仮設入居者はいつまでに仮設住宅から脱出できるのか、明確に答弁をいただきたいと思います。  阪神淡路大震災からちょうど二年たちました。七万人以上の人がまだ仮設住宅居住を余儀なくされております。この現状、あるいはまた日本海原油流出事件のひしゃくをもってもそうですが、この文明国日本で何とかならぬのかと思うのは私だけではないと思います。恐縮ですが、総理の感想を述べていただき、仮設入居者対策についても改めてお伺いしたいと思います。  さて、私たちは、代表質問あるいは予算委員会を通じて、財政再建のためには経済再建が必要であると論じてきました。既に述べましたように、税制経済活動刺激策として最も有効性の高い施策であります。そういう意味で、昨年末の税制改正は大変期待されたところであります。  しかし、実際は、法人税制の抜本的な見直しの先送りを初め、多くの課題が残されてしまいました。「ビジョン欠く税制改正案」「新たな税制改革へ出直しを」「税制改正案が忘れたこと」「行革の熱意はどこにある」「長期展望ない税制改正」、このスローガンは、昨年の税制改正時における日本経済新聞、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞等の社説のタイトルであります。政府税制改正が余りにも不徹底であったという解説に尽きています。  私も経済構造改革の数々の課題を一年やそこらで簡単に解決できるとは思いませんが、税制改正は単年度でできるはずです。今からでも遅くはありません。経済活性化のため、改めて申し上げます。特別減税継続有価証券取引税法及び取引所税法の廃止、地価税非課税、以上三点を早急に実行すれば、日本経済再建のターニングポイントになることは間違いないと考えます。  総理のリーダーシップに期待し、明快なる御答弁を求めて、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣橋本龍太郎登壇
  7. 橋本龍太郎

    内閣総理大臣橋本龍太郎君) 上田議員にお答えを申し上げます。  まず、被災地における住宅取得促進税制などの住宅対策についてのお尋ねがございました。  まず、住宅取得促進税制につきましては、阪神淡路大震災に係る特別の措置でありまして、十分な効果があると考えております。被災者向け公営住宅につきましては、需要対応して約三万九千戸を供給することといたしております。  また、民間賃貸住宅居住者については、阪神淡路大震災復興基金を活用しての支援を行うことにいたしております。仮設住宅入居しておられる方々への対応につきましては、仮設住宅居住しておられる低所得者で希望する方のほぼ全員が平成十年度中に公営住宅入居できるようにする ことを目標に、災害復興公営住宅整備の推進を図っておるところであります。また、公営住宅への円滑な入居を図るために、あわせて特別な家賃低減対策を講ずることといたしております。  次に、日本海における原油流出事故にも言及をされました。  平成二年のリベリア船籍事故の教訓として、荒天時の外洋において有効に機能し得る資機材が必要であるという指摘があり、その後検討が続けられておりますけれども、残念ながら、世界的にもこのような資機材が実用化されておらず、我が国におきましても、現時点ではこのような資機材が採用されるに至っておりませんでした。結果として議員が御指摘になりましたような状況を現出したことを、まことに申しわけなく考えております。  次に、特別減税継続などについての御意見がございました。  まず、特別減税につきましては、回復の動きを続けている現在の経済状況、さらに、危機的な財政状況のもとでその財源を特例公債によらなければならない、こうしたことから実施をしないこととしたところです。  次に、有価証券取引税につきましては、平成八年度税制改正におきまして税率を軽減する措置を講じてまいりました。有価証券取引税あるいは取引所税のあり方につきましては、金融システム改革全般進展状況を踏まえながら、株式等譲渡益課税を含む金融証券税制全体の中で検討したいと考えております。  次に、地価税につきましては、平成八年度税制改正におきまして税率を半減する等の措置を講じてまいりました。地価下落もありまして、地価税負担は相当減少していることを御理解賜りたいと考えております。  私どもは、今、平成九年度予算早期成立に努めながら、平成八年度補正予算とあわせての切れ目のない経済運営により、円滑な執行に努力しながら、適切な経済運営に努めてまいりたいと考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)     〔国務大臣三塚博登壇
  8. 三塚博

    国務大臣三塚博君) まず、酒税法改正法案についてのお尋ねでございますが、今回の酒税改正法案は、本件のもともとの当事国であるEUと正式に合意した内容であります。ただ、今回の仲裁において経過期間が問題とされるところでありますが、この点については、仲裁によって定められた期限であります平成十年二月一日までに、米国との間で代償措置を含めWTO協定に従い解決してまいりたいと考えております。  いずれにしても、本改正案内容WTO勧告に沿ったものと考えており、仮に改正が行われない場合には、WTO勧告に沿った前進は一切図られず、我が国の国際的な立場は一層厳しくなってしまうことから、今国会においてぜひ成立を図る必要があることを御理解いただきたいと存じます。  また、蒸留酒関税に関するお尋ねでございますが、現改正法案は、EUとの合意を踏まえ、ウイスキー、しょうちゅう等税率改正内容としております。さらに、これに加えて、平成十年度の関税改正において、EUが関心を有する、平成十六年四月までに段階的にゼロまで引き下げ予定スコッチ等ウイスキー、ブランデーの関税について、平成十年十月一日以降、しょうちゅう乙類残存格差相当分だけ引き下げることについて合意をいたしております。  今次改正による酒税率増減額についてのお尋ねにお答えいたします。  通常瓶の標準的な商品では、しょうちゅう甲類については、平成九年十月に約八十三円、平成十年十月に約八十三円の引き上げとなっており、また、しょうちゅう乙類については、平成九年十月に約八十七円、平成十年十月に約八十八円、平成十二年十月に約八十八円の引き上げとなっております。一方、ウイスキーについては、平成九年十月に約三百二円、平成十年十月に約九十九円の引き下げとなっております。  酒類価格はそもそも自由価格であり、税率改正に際し各酒類製造業者がどのように価格設定を行うかについては、基本的には市場において個々の企業の自主的な判断に基づき決定されるべきでございまして、確たることは申し上げられませんが、この酒税率増減額価格にそのまま反映されるとすれば、その額に消費税相当額増減を含めて価格が変化することになるものと考えられるところであります。  しょうちゅう製造業界に対する財政支援についてのお尋ねでありますが、今般の酒税法改正に当たっては、そのほとんどが中小企業であるしょうちゅう乙類製造業者について、業界構造改善、経営の近代化等を一層促進していく観点から、日本酒造組合中央会において、近代化合理化のための施設整備に対する助成、需要振興などの事業を実施するほか、転廃業を余儀なくされる者に対する転廃給付金の支給を行うことといたしております。このため、平成八年度補正予算及び平成九年度当初予算において所要財政措置を講じておるところであります。  消費税引き上げによる住宅取得促進税制効果についてのお尋ねでありますが、消費税率五%への引き上げは、先行実施しております所得税個人住民税恒久減税とおおむね見合うものでありまして、税制改革影響平成六年以降について全体としてとらえていただければ、住宅取得に対しプラスの影響を与えるものであります。  なお、改正案による住宅取得促進税制の具体的な効果についてのお尋ねでございますが、住宅建設については、税制のみならず、財政面金融面を含めさまざまな諸措置が講じられたところでありまして、本改正案のみを取り出した住宅取得促進効果をお示しすることは困難でありますから、御理解をいただきたいと存じます。  いずれにせよ、今回の住宅取得促進税制改正は思い切った内容であり、住宅投資を相当程度促進するものと期待されます。  被災者再建住宅に係る住宅取得促進税制特例についてのお尋ねでありますが、阪神淡路大震災については、その被害が広範な地域にわたり、同時、大量、集中的に発生したことを踏まえ、地震発生直後からさまざまな支援措置を講じてまいってきたところであります。このような中で、今回の特例は、借入金年末残高一千万円以下の部分に適用される控除率を、全控除期間、六年間でありますが、を通じて拡充するという思い切った措置を講じたものであります。この特例適用予定件数については確たることは申し上げられませんが、これまでの住宅に関する税制上の措置財政金融等措置とあわせ、被災地における早期住宅再建に資するものと考えておるところであります。  以上であります。(拍手
  9. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  10. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後一時三十三分散会      ————◇—————