○梶山国務
大臣 相当に信頼
関係の深いお二人のやりとりを聞いておりまして、もう思想、哲学が全部出ておって、将来性まで見通して
お話をなさっているようでございまして、私のような人間がこの問題に口を挟むべき問題ではありませんが、ただ、
武藤長官の説明をしているその思想、哲学はわかります。
具体的な話は、先ほど来
鹿野委員の質問の中に出たわけでありますが、
バブルがだれによって演出をされたかどうかという問題は抜きにいたしまして、いずれにしてもこの資産インフレ、資産デフレが今日の
日本の
経済を大変大きく曲げてしまったという現実は、これはもう覆いがたいことであります。そして、
住専に見られるあの時代、特に
銀行も悪い、
大蔵省も悪い、その中からこの話が出てまいったというふうに、私は小さいところから見ているわけですから余り大きい見方はできないのですが、いずれにしても
大蔵省が企画立案と検査
監督、悪く言えば二枚鑑札を持っていることはよろしくない、これを分離をすることが一番いいのだということで、この発端が出たわけであります。
今、
武藤長官の話を聞いておりましても、前回の質問でもだれかの質問に答えておりましたけれ
ども、これから
行政改革を進めていけばもう一回これを見直すかもしらないという表現を使っております。
と申しますのは、なぜそれではこの
金融監督庁かといいますと、
金融監督庁はいわば
行政改革の一丁目一番地的な
立場にこれは位置づけられたものであります。昨年来、いかにして
大蔵省の
権限を分割するか、それから二枚鑑札をなくするか、そういうことが今度の
金融監督庁につながったという気がいたします。
ですから、私たちの与党の中でも、昨年の九月に出たプロジェクトチームの答申の中からは、
大蔵省改革案という名称で出ておりますから、どう見てもこれは
大蔵省をどうするかという問題が中心にあったはずであります。ですから、今
委員御指摘のような
公取型、
独立性を保っておこうということに力点が置かれたわけであります。それからややさめたというか、いい
意味でさめた、その熱意がさめたのではなくて、冷静にその力
関係というかそういうものを見るために、今度は、昨年末に出たものは金融
行政機構案、そういうことですから、金融
機構はどうあるべきかという視点に立って、今回のいわば素案というか大きな
方向づけが我が与党の中ではなされたわけであります。
そういうものが、独立官庁がいいのか、あるいは
行政的なそれぞれの仕組みを併用できる分野がいいのかどうなのかという結論のもとで、今日のいわば
行政機関としての
金融監督庁、これをつくり上げたわけであります。
私も、本当は、官房ですから本来知らなきゃならないのですが、そういう形、おおよその枠を決めればおおよその建物は建つだろう、そして最後は、今も最終的な話にあった、この
長官をどういう人を持ってくるか、これによってこの
金融監督庁のこれからの将来が決まっていくだろう。この大事において私は過半のいわばこの
金融監督庁の成否が決まる、このような感じすらいたしますので、ぜひともその
意味での御協力を願いたいと思います。