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西山登紀子君 アメリカにおくれること二年四カ月、そういう事態でもまだそういうふうなことを何か弁解がましくおっしゃっているんですけれ
ども、私はこの問題については今の御
答弁では十分ではないと思っております。今後とも、その点について集中
審議などでさらに詳しくお聞きしたいと思います。
次に、実はミドリ十字というのは単にこの回収の虚偽報告で売り続けただけではなくて、
エイズが問題になって以来ずっと製薬会社の存立にかかわるような、企業モラルが問われるような行為を続けてきました。
お手元に配付をさせていただきました資料を恐れ入りますけれ
どもちょっとごらんになっていただきたいと思います。これは両方ともミドリ十字が作成をし、配った文書でございます。
まず最初に、五月三十日と日にちが打たれている文書でございます。これは
エイズについて、「社内資料 須山忠和」、名前が入っておりますけれ
ども、この方は当時ミドリ十字の副社長でドクターでありまして、研究所の所長をしておられた方です。「株式会社ミドリ十字」と名前が入っている文書です。
この社内資料は、
エイズというのはどういう病気かという定義について最初に三行ほど述べられておりますけれ
ども、最後の方には「死に至る死亡率の高い疾患である。」と、このようにきちっと明記がされています。そして、病因はといえば、「
ウイルス感染による
可能性が濃厚である。」、このように記述がされておりまして、そしてさらに三枚目のところですけれ
ども、米国のCDCの
調査の結果が載せられているわけですけれ
ども、それには血友病
患者の死亡率、
エイズの
発症者、血友病
患者の中では実に七三%が死亡する、死亡率は非常に高い、こういう報道も載せているわけです。
そして、四枚目になりますけれ
ども、
感染経路はどうかといいますと、「AIDS
患者からの
血液および製剤」、このように
感染経路は
エイズ患者からの
血液及び製剤だ、こういう経路もきちっと記録がされているわけです。
そして、最後の二枚ですけれ
ども、これは米国
政府の当時の対処の仕方はどうだったかという資料でございます。その資料の中には、一九八三年当時ですけれ
ども、一番最後のページですね、第Ⅷ因子に関して米国
政府はどういうディスカッションをしているかということです。一九八三年の五月三日、二番目を見ていただきたいと思うんですが、「製造工程を改良する(加熱処理)」、そして最近FDAは加熱処理を許可した、こういう記録がきちっとこのメモに載せられています。これが八三年の五月三十日に出された文書です。
そして、第二の文書は何かといいますと、これは実は一九八八年の十一月二十九日に
厚生省が当時のミドリ十字の社長さんを呼んで事情聴取をされて確かめられた文書であります。これは当時、八八年に実は社会労働
委員会でこの資料について我が党の沓脱タケ子議員が
質問をし、
調査を依頼したものですが、この二枚の資料というのは一体何かといいますと、作成者はミドリ十字の須山忠和さんですね。この文書は一九八三年の七月に作成されまして、配付されたのは八月だと。どれぐらい配付したのかといえば七十部ほどで、これは特に社員教育用に
病院からの問い合わせに役立てるためにミドリ十字のプロパーの方などに持たせていた資料です。
内容はといいますと、これはつまり社外向けであるわけですけれ
ども、内容をよく見ていただきたいと思うんですが、最初の三行ほどですけれ
ども、これは
エイズの問題について日本は八〇%を
血液、原料血漿を米国からの輸入に依存しているけれ
ども、「AIDSの日本上陸・発症の
可能性は皆無に近い。ほとんど
考えられない。」、こういうふうに内容を記述しているわけです。
さらに、左側のページ、第Ⅷ因子のところですけれ
ども、これも血友病
患者からの
エイズの発症率については「非常に小さい。」、「それが第Ⅷ因子製剤によるとする証拠は全くない。」、このように
危険性を全くないというふうに断言をしているわけです。そして、最後のページの結論のところでは、「輸入血漿およびその製剤による日本でのAIDS発症はほとんど
考えられない。」と、このように記述をしているわけです。
少し詳しく
お話をさせていただいたわけですけれ
ども、この二つの文書、
局長は既に見ておられると思いますけれ
ども、同じものだとお
考えになりますか、内容が。