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1996-04-04 第136回国会 衆議院 内閣委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年四月四日(木曜日)     午前十時開議  出席委員   委員長 大木 正吾君    理事 熊代 昭彦君 理事 宮路 和明君    理事 渡辺 省一君 理事 今井  宏君    理事 倉田 栄喜君 理事 弘友 和夫君    理事 山元  勉君 理事 宇佐美 登君       大野 功統君    唐沢俊二郎君       久野統一郎君    鈴木 俊一君       虎島 和夫君    福永 信彦君       古屋 圭司君    石田幸四郎君       石破  茂君    奥田 敬和君       鹿野 道彦君    塚田 延充君       野田 佳彦君    五十嵐広三君       田口 健二君    金田 誠一君       松本 善明君    岡崎 宏美君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 日野 市朗君  出席政府委員         内閣官房副長官 渡辺 嘉藏君         郵政大臣官房長 谷  公士君         郵政大臣官房審         議官      品川 萬里君         郵政省郵務局長 加藤豊太郎君         郵政省貯金局長 木村  強君         郵政省電気通信         局長     五十嵐三津雄君  委員外出席者         大蔵省銀行局総         務課金融取引管         理官      大月 洋一君         通商産業省機械         情報産業局電子         政策課情報産業         企画官     石黒 憲彦君         郵政大臣官房人         事部長     金澤  薫君         郵政大臣官房国         際部長     長谷川憲正君         内閣委員会調査         室長      松下 英彦君     ――――――――――――― 委員の異動 四月四日  辞任         補欠選任   加藤 紘一君     福永 信彦君   佐藤 信二君     久野統一郎君   塩谷  立君     古屋 圭司君 同日  辞任         補欠選任   久野統一郎君     佐藤 信二君   福永 信彦君     加藤 紘一君   古屋 圭司君     塩谷  立君     ――――――――――――― 四月二日  郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第三八号) 三月二十九日  非営利の芸術団体市民文化団体法人制度の  実現等に関する請願石田幸四郎紹介)(第  一一一一号)  同(遠藤和良紹介)(第一一一二号)  同(遠藤利明紹介)(第一一一三号)  同(田中昭一紹介)(第一一一四号)  同(土田龍司紹介)(第一一一五号)  同(徳田虎雄紹介)(第一一一六号)  同(林義郎紹介)(第一一一七号)  同(藤田スミ紹介)(第一一一八号)  同(山花貞夫紹介)(第一一一九号)  同(米沢隆紹介)(第一一二〇号)  同(綿貫民輔紹介)(第一一二一号)  同(太田昭宏紹介)(第一一六一号)  同(亀井静香紹介)(第一一六二号)  同(河本敏夫紹介)(第一一六三号)  同(佐藤孝行紹介)(第一一六四号)  同(斉藤鉄夫紹介)(第一一六五号)  同(津島雄二紹介)(第一一六六号)  同(辻一彦紹介)(第一一六七号)  同(畠山健治郎紹介)(第一一六八号)  同(細川律夫紹介)(第一一六九号)  同(堀内光雄紹介)(第一一七〇号)  同(森喜朗紹介)(第一一七一号)  同(山名靖英紹介)(第一一七二号)  同(池田隆一紹介)(第一二二六号)  同(岩佐恵美紹介)(第一二二七号)  同(岩浅嘉仁君紹介)(第一二二八号)  同(佐藤泰介紹介)(第一二二九号)  同(谷口隆義紹介)(第一二三〇号)  同(野田佳彦紹介)(第一二三一号)  同(細川律夫紹介)(第一二三二号)  同(前島秀行紹介)(第一二三三号)  同(松岡滿壽男紹介)(第一二三四号)  旧軍人恩給資格欠格者に関する請願濱田健一  君紹介)(第一一五九号)  衆議院解散に関する請願千葉国男紹介)(  第一一六〇号)  恩給欠格者の救済に関する請願佐藤泰介君紹  介)(第一二二四号)  同(中村時広君紹介)(第一二二五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月二十九日  人事院の寒冷地手当削減反対に関する陳情書  (第一五六号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第三八号)      ――――◇―――――
  2. 大木正吾

    大木委員長 これより会議を開きます。  内閣提出郵政省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————  趣旨説明を聴取いたします。日野郵政大臣。  郵政省設置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 日野市朗

    日野国務大臣 郵政省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。  二十一世紀も間近になった今日、世界経済社会は、従来の枠組みを超えて大きな変化を遂げつつありますが、我が国としても、このような激動する国際社会の中にあって、我が国経済社会国際化をさらに促進し、より一層世界に開かれた経済社会を実現することはもとより、相互依存関係を深める国際社会において、我が国が積極的な貢献を果たしていくことが重要な課題となっております。  特に、情報通信分野においては、その重要性と今後の発展性に着目して、世界各国が戦略的な取り組みを行っている結果、さまざまな国際摩擦が生じており、郵政行政として、複雑かつ多様に影響し合う利害の相違を超え、国際社会全体としての調和達成に取り組むべき課題が山積しております。  さらに、情報通信基盤整備については、持続的な経済成長、新たな雇用創出等世界が現在直面しているさまざまな課題を解決していく際のかぎとして、国際的に関心が高まってきており、我が国としても、従来こも増して国際的な連携協調を深め、世界的な情報通信基盤整備に積極的に貢献していくことが重要となっております。  郵政省におきましては、従来、国際問題に関する事務大臣官房総務審議官総括整理してきたところでありますが、かかる見地から、我が国を取り巻く国際情勢推移等を踏まえつつ、高級事務レベルで国際問題の的確な処理を図るとともに、総合的な国際郵政行政を強力に推進していくためには、事務次官に準じて郵政行政に係るこれらの国際関係事務総括整理する職の整備が必要不可欠となっております。  このため、郵政省所掌事務に係る重要な政策企画、立案及び実施に関する事務総括整理する郵政審議官一人を設置することとし、この法律案を提出した次第であります。  なお、この法律案施行期日は、平成八年七月一日からといたしております。  以上が、この法律案提案理由及び内容であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。     —————————————
  4. 大木正吾

    大木委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉田栄喜君。
  5. 倉田栄喜

    倉田委員 新進党の倉田でございます。  郵政省設置法の一部を改正する法律案につきまして、まずお伺いをいたしたいと思います。  今、大臣から提案理由の御説明をいただきましたので、提案理由についてはほぼわかりました。ただ、いわゆる準事務次官級と申しますか、この郵政審議官新設、ここをもう少し御説明をいただければと思うわけでございますけれども、この郵政審議官新設のいわば趣旨は、概要を今御説明をいただけたかと思いますが、もう少し補足をしていただきますと同時に、その役割、また、準事務次官級ということでございますけれども、その待遇というのはどういうふうになっているのか、この点をまず確認をさせていただきたいと思います。
  6. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの提案理由で御説明申し上げましたことと若干重複いたしますけれども、近時、郵政行政におきましても国際関係事務重要性の増大ということが出てまいりまして、そういう意味で、郵政行政に関しましても、国際関係事務について推進体制を強化することが必要だと考えております。  例えば、サミットなどの首脳級の会談でございますとか、G7あるいはAPECなどにおける情報通信担当閣僚会合におきましても、世界的な情報通信基盤整備議題となっておりまして、国際的に政府間のハイレベル取り組みが必要となっております。また、WTOなどでの多国間の協議でございますとか、日米日欧などの二国間の交渉などにおきましても、国際政策協調を図るべき高度な課題が増大してまいっております。  こういった国際情勢推移等を考えますと、高級事務レベルで国際問題の的確な処理を図るとともに、総合的な国際郵政行政を強力に推進していくための体制整備が必要でございますので、これらの国際関係事務総括整理をする職として郵政審議官設置をさせていただきたいと考えた次第でございます。  それから、国際関係につきましては、やはり相手国との関係がございますので、相手国のそういった会合に臨む方々とのレベルを合わせていくという必要も非常に重要な問題になってまいるわけでございます。  この郵政審議官につきましては、事務次官に準ずる職でございますので、事務次官級処遇ということになるわけでございますが、こういった次官級の職につきましては、既に幾つかの省庁でも類似の職が設けられておりまして、そういった職と同等の処遇ということを考えております。
  7. 倉田栄喜

    倉田委員 新設郵政審議官がいわゆる国際関係を扱う、大体今御説明いただきました。  私なりに申し上げさせていただければ、情報通信サミット等国際会議、こういう対応、それから、外交対処処理方針、こういう調整をされるのだろう。さらに言えば、国際問題に対し、関係部局をまたがった省内調整もされるのであろう、こういうことだと思っておりますけれども、こういう問題はずっと今までも違うポストでやってこられたわけですね。  そういう意味からすれば、本年度になって、準事務次官級としていわば国際的な審議官設置する必要が新たに出てきた理由は一体どこにあるのか。そして、今私申し上げましたけれども、もっと具体的に詰めていけば、この審議官の具体的な事務内容というのはどういうことになるのか、もう一度御説明いただければと思います。
  8. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 仰せのとおりでございまして、従来こういった事務に関しましては、郵政省では、官房国際部におきまして国際関係事務の取りまとめを行いました上で、重要な国際問題につきましては、総務審議官という職がございますので、この総務審議官関係部局間の総合調整を行い、また、外国とのさまざまな交渉場等に臨んできたわけでございます。  しかし、先ほども申し上げましたけれども、GII構想でございますとかAII構想のような世界的な情報通信関係構想等がいろいろ提唱されるようになってまいりまして、情報通信分野重要性が国際的にも高まってまいります中で、国際関係対応につきましても、事務的な段階ではございますけれども、閣僚代理あるいは次官級によります非常にレベルの高い対応が必要となってまいりました。  総務審議官と申し上げますのは局長級でございまして、こういったことに対応しますための省内での調整、さらには政府内での調整、それから外国政府との関係、それぞれの分野におきまして非常にレベルの高い対応が必要となってきたということでございます。  それから、所掌事務でございますけれども、先生ただいま御指摘ありましたとおり、こういった国際的な課題につきまして全省的な立場から強力な調整を行っていく必要があるということでございますので、そういった事務をもちろん行います。  それから、先ほど申し上げましたような世界的な情報通信基盤整備等に関しまして、あるいは情報通信分野における高度な国際経済摩擦をめぐりまして、頻繁に開催されます閣僚代理あるいは次官級国際会議における対応ということがございます。それから、開発途上国に対する国際協力、また政策協調のためのレベルの高い政策対話といったようなことを担当することになると考えております。
  9. 倉田栄喜

    倉田委員 情報分野の非常に質的、量的な重要性、また拡大から考えていけば、この交渉に当たっては、対外関係の上でも準次官級の、ある意味では重みを持ったポストが必要なんだろう、そういうふうに理解をいたしますし、またその職責ということも重要であろうかと思います。  また一方で、いわゆる新しいポストの増設ということに関して行革絡みでどうかという観点からいえば、まあお聞きしたところによれば、行政機構簡素合理化を図るために、通信政策局次長あるいは官房審議官及び国際機関課長、これを廃止をする、こういうふうに聞いておりますので、それなりに努力をされておられるんだろうと理解をするわけでございます。  そこで、こういう郵政審議官新設、また一定ポスト廃止、そして国際関係重みのついた準次官級ポストを設ける。この新設郵政審議官がこれから仕事をなさるに当たって、この郵政審議官が一番最初、当面取り組まなければならない問題、課題というのは何なのか。今の時点でとらえておられる問題点をお聞きしておきたいと思います。
  10. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 ただいま考えられております問題、課題といたしましては、ちょっと先ほども触れましたけれども、一つは世界的な情報通信基盤整備の問題でございます。  この問題は、持続的な経済成長、それから新たな雇用創出など、世界が現在直面しておりますさまざまな課題の解決のかぎともなるべきものでございまして、国際的な連携協調の中で積極的な貢献が必要と考えております。また、開発途上国、とりわけ地理的、歴史的にも我が国にとって密接な関係を有しますアジア太平洋地域とは、密接な関係の増進が重要であると考えております。  二つ目は、情報通信分野での政策協調でございまして、戦略産業でございます情報通信分野における経済摩擦の解消のために、二国間あるいは多国間の協議を通じまして国際的な政策面での協調推進が必要と考えております。  三つ目は、情報通信に関します新たな制度枠組み国際調整でございまして、急速な技術革新と競争的な事業活動の結果、従来の垣根を超えるいろいろ新たなサービスが国際的に登場してまいります。こういったことにつきまして、国際的な制度枠組み調整が大変重要になってくると考えております。  幾つか挙げさせていただきますと、以上のようなことでございます。
  11. 倉田栄喜

    倉田委員 新設審議官が国内的、国際的にも果たさなければいけない大きな役割というのを理解いたします。一方で、例えば、いわゆるその対外ポストということで郵政省海外でやっていかなければならない問題等々、具体的な話として、例えばいろいろな問題が出てくるんだろうと思います。後でこのことに関連して御質問をさせていただきますけれども、例えば駐在費等々の経費の問題でございます。  総括としてお聞きをしておきたいと思いますけれども、郵政省のこの海外駐在経費概要大体どういうふうになっておるのか。そして、海外駐在をしておられる郵政省の皆さんの役割というのは一体どういう役割を果たしておられるのか。こういうことも総括されるのもこの新設審議官なのかな、こう思いますので、まずこの点お伺いをしておきたいと思います。
  12. 長谷川憲正

    長谷川説明員 郵政省から、大使館、領事館等在外公館でございますとか、それから万国郵便連合あるいは国際電気通信連合といったような国際機関等々へ職員出向させまして、海外派遣をいたしているところでございます。郵政省独自の海外駐在というような制度がございませんものですから、こうした外務省あるいは国際機関等を通じた職員出向にできる限り配意をしているところでございます。  これらの海外派遣されました職員は、それぞれの出向先職員としてその組織業務を行うものでございまして、海外におきます。そうした必要な経費はそれぞれの各機関負担をされているところでございます。  これらの職員につきましては、それぞれの機関でその機関の職務を遂行するわけでございますけれども、私ども郵政省といたしましても、こうした機関で働く、海外で経験を積むということでいろいろなノウハウが得られるというふうに考えておりまして、これが郵政省としても有益であると考えて派遣をさせていただいているところでございます。
  13. 倉田栄喜

    倉田委員 今のお答えの中に、実は私が今から申し上げる問題点が隠されているんだろう、こういうふうに思うわけでございます。  既に新聞報道でもありました。また、逓信委員会での質疑もありましたので、郵政大臣はもうこの問題についてはお答えになっておられます。そこで、私は、その事実関係の有無ということよりも、それはもうお答えの中で一応私も読ませていただきましたので、このいわゆる郵政省出向、これを例えば、かつてはNTT負担をしてもらっていたんではないのか、そしてこれが廃止になると財団法人肩がわりをさせていたんではないのか、こういう問題がありました。  いわば今駐在という制度がない。そこで出先機関肩がわりをしていただいている。これが、いわゆる政府、いわばよく言われる官、それから民間、業、この役割分担について一体どういう関係にあるのか。大臣は、この実情を踏まえると別に問題意識を持っていらっしゃらないみたいな、異常なことだとは考えておらないというお答え記者会見でなされたというふうに、新聞報道で読んでいます。それは、今お答えいただいた中の延長にあるんだろう、こう思います。  いわゆる報道をされました郵政省ワシントン事務所経費問題、それからNTTワシントン事務所への郵政省からの出向社員経費の問題。財団法人郵政国際協会ですけれども、この経費肩がわりというふうに報道指摘された問題について、大臣自身はこの問題をどういうふうにお考えになっておられるのか、まずそれをお聞きしておきたい、こう思います。
  14. 日野市朗

    日野国務大臣 今先生の御指摘報道でございますが、これは毎日新聞二月二十日火曜日の夕刊のことであろうかと思います。それの見出しを読みますと、「駐在経費丸抱え「異常と思わぬ」日野郵政相」こういう見出しが打ってある。まあ小さな記事でございますが、その記事を指しておられるのであろうと思います。この記事は、二月二十日の閣議後の記者会見において、郵政国際協会業務内容出向体制等は特に異常なものとは思われないということを私は発言したのであります。  これは、郵政国際協会業務というのは国際協会でおやりになっていることでありまして、そこに郵政省からの出向が出ているわけでございますね。そして、その方が郵政国際協会組織一員として、その業務内容はそういう一員としての業務を行ってきたわけであります。  そこで、私が異常とは思わないと言ったのは、これは、そういう業務をやっている以上何が異常があるのですかというような感じで私は申し上げたのであって、ところが、この記事内容を見ますと、毎日新聞の方で丸抱えだということを勝手に決めてかかっているわけです。  実はそうではないのですよ。これは、郵政省職員郵政省の方から離れて国際協会に行って業務をしているわけですから、給与や何かはそっちから出るのは当たり前なのですね。丸抱えでも何でもない。私はそう言ったわけです、特に異常とは思わないと。そうしたら、経費丸抱えが異常とは思わないという見出しを打っているわけです。  これについては、郵政省の方で毎日新聞社に正式に抗議をしたというふうに私は伺っております。  でありますから、先生、この記事のとおりに信じ込んでおられるとしたら、ひとつそこは認識をお改めいただきたい。
  15. 倉田栄喜

    倉田委員 私が今問題提起をさせていただいておりますのは、冒頭、郵政省としての、機関としてのいわゆる駐在制度がない。しかし、海外でやらなければならない仕事というのは郵政省としてもたくさんあるはずです。しかし制度がない。経費もうまく捻出ができない。  そこで、ある意味では、出向という形で民間なりあるいは財団なりにお願いをしなければいけない。この問題も、それは郵政省をおやめになってそこに職員としてお入りになったわけだから、そこでその給料、経費というのが払われるのは当然である。大臣はそこの部分をおっしゃったのだと思うのですけれども、一方で、そこの仕事が終わるとまた郵政省の方にお帰りになっているわけですね。この現状は、実はどうなのか。  今まで、いわゆる護送船団社会として、政と民で協調でやってきました。どう言えばいいのか、官・業協調体制というのか。一方でこれは指弾、厳しい批判もあるわけです。たかりなのではないのか、あるいは癒着なのではないか。この辺も透明にしていかなければならない。  もちろん、日本が国際社会の中で大きな発展を遂げるためには、政府民間も共同、協調してやっていかなければならない部分があるけれども、それは一定のもとで、政府として果たさなければならない部分民間が独自に自己責任のもとで果たさなければいけない部分、そこはきちっと分けられなければいけないのではないのか。  従来どおりで、いわば駐在という制度がないから出向という形でやっていこうということでは、これから新しい審議官新設をされて、その部分についてはなかなか国民にも納得がいかないのではないのか、こういうふうに私は思って大臣にお伺いをいたしたわけでございます。  この点について、郵政省海外でやるべきことと民間でやるべきことときちんと区別をしていかなければ、この問題の、それは誤解かもしれないけれども、批判指摘というのは免れないと思うわけでございますが、大臣、この点を改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
  16. 日野市朗

    日野国務大臣 国際化の時代において、国際協調などのために、政府間の外交関係というのは極めて重要な責務でございます。国がみずから的確にその責務を果たしていくためには、これは非常に大事なことだというふうに思っております。  他方、海外情報収集とか調査研究などについては、これは広く、国が行うということだけではなくて、民間企業NTTとかそれからシンクタンク、これは先生指摘国際協会などもそれに当たるわけですが、多面的にいろいろな取り組みをやっていく、これは極めて重要なことであるというふうに考えております。  今後も国際社会一員として我が国が積極的な役割を果たしていくというためには、こういった、国と民間とが互いに協力をする、それぞれの特長を生かして海外での活動を行っていくこと、これは非常に重要でございます。  ただ、このような活動推進に当たっては、国民誤解を招かないように十分配慮していかなければならないと思っております。  NTTに対する出向とか国際協会に対する出向というのは、これは人事の交流の一環として行われていることであって、それぞれの機関会社、例えばNTTならNTT、それから国際協会なら国際協会が適材を適所に配置をしていくということは、これはもうそれぞれの会社研究機関において適当なことであろうと思うわけですね。  それで、NTT国際協会出向した職員は、私から申し上げるのもあれでございますが、非常に研さんを積んだ優秀な人物が多いわけでございまして、適材適所ということでそういうところに配置されているというふうに私は心得ているわけでありまして、こっちが意図的に、じゃ、これこれの職員を、NTTの例えばワシントンの事務所とか、それから国際協会のワシントンの事務所とか、そこに配置をしてくださいという意図を持ってこれは出向させているのではないということは、ひとつ御理解いただきたいと思うのです。
  17. 倉田栄喜

    倉田委員 どうも大臣問題意識と私の問題意識は少し違うのかなという気がいたしております。  新設の国際ポストとして郵政審議官制度設置をされる。この郵政審議官が、重要な役割課題があるわけですから、きちっとその仕事をやるためには、こういう出向とかそういう人事の交流という側面ではなくて、やはりきちっとした出先機関として、きちっと説明ができる、そういうものをつくっていかなければ、それがないから民間の方に出張、出向という形でお願いをしますよ、こういうことでは、多分、これから二十一世紀の、質的、量的に物すごい重要な分野になってくる情報通信分野において、郵政省が果たすべき役割を果たしていけないのではないのか。また、こういう何となくあいまいな形で説明をしなければいけないような状況では、国民も納得できないのではないか。  もっと思い切って、せっかく新設郵政審議官ができるわけですから、この郵政審議官海外でもきちっと郵政省出先機関としてやれるように、そういうことも検討していくべきではないのか、そこで、政府がやらなければいけないことと民間で独自でやってもらわなければいけないことがきちっと区別されなければいけないのではないのか、こういう点から問題提起をさせていただいたわけでございます。これは御検討を願いたいと思います。  この問題にかかり過ぎて時間がなくなってまいりましたので、きょうは実は郵便貯金のオンラインシステムの故障の問題、あるいは阪神・淡路大震災、危機管理の緊急通信システムの問題等々もお尋ねをしたがったわけでありますけれども、きょうは、通産省とそれから大蔵省にもお見えいただいております。これも私の問題意識ですけれども、いわゆる電子マネー、ICカード、この問題がございます。  例えば、これはそれぞれ各省も総括的にお答えいただければ結構でございますが、電子マネーとICカードについて、郵政省、それから通産、大蔵省の取り組み、この電子マネー、ICカードの実用化の可能性、そして諸外国ではどうなっているか。  大蔵省では、銀行協会でこのICカードの仕様統一の問題が出ているというふうに聞いておりますけれども、その点、現在各省がどういう方針でどこまでの取り組みをなされておられるのか。  この電子マネー、ICカードについて、電子マネー犯罪等々の問題、暗号化とかさまざまな難しい問題も指摘をされているわけですけれども、この辺の問題意識をどう持っておられるのか。これは現在の時点で結構でございますので、郵政省、通産省、大蔵省、それぞれの立場で順次御説明いただいて、きょうの私の質問は終わりたいと思います。
  18. 五十嵐三津雄

    ○五十嵐(三)政府委員 先生からただいま御質問ありましたように、いわゆる通信ネットワークを活用いたしましたサイバービジネスということで、電子決済あるいは電子現金ということにつきましても、諸外国で非常に熱心な取り組みあるいは実験がなされようとしている状況であろうというふうに思っております。  電子決済あるいは電子現金、これがネットワーク上で機能するためには、その通信内容が第三者に盗まれないか、あるいは通信相手が本当にその人であるかというような観点とか、あるいは通信内容が途中で変質したり改ざんされたりすることはないかというようなこと、あるいは通信内容が二重に使用されないかとか、通信を行った事実を相手方に否認されないかとか、幾つかの解決すべき課題というのがありまして、特にインターネットのように不特定の相手方と通信を行うことのできるオープンなネットワークにおいては、まさにこういう重要な課題がございます。先生からも御指摘のありましたとおり、そういう意味では暗号あるいは認証技術の活用というのが不可欠でございます。  このために、私ども郵政省といたしましては、昨年七月に設立されました民間企業のコンソーシアムでありますサイバービジネス協議会というのがございまして、そこを受け皿といたしまして、今、電子商取引における暗号、認証技術の実証実験というのを行っているところでございます。  それから、昨年の十一月からは、電子決済、電子現金とその利用環境整備に関する調査研究会というのを開催していただいておりまして、先ほど申し上げたような問題等々の検討を行っていただいておりまして、今月中にその報告書がいただけるという見通しになっております。  この調査研究会には、大蔵省所管の財団法人であります金融情報システムセンター、あるいは日本銀行の方にも委員として御参加いただいておりまして、私どもといたしましては、これら関係機関連携をいたしまして、電子決済あるいは電子現金の利用環境の整備推進してまいりたいというふうに存じております。
  19. 石黒憲彦

    ○石黒説明員 通産省の情報政策企画室長をしております石黒でございます。  委員指摘の電子商取引に関します通産省の取り組みでございますが、今、郵政省の方からも御説明がございましたが 私どもからしますと、どういう内容の電子取引が実際に物になるのか、それからまた技術の面でいきましても、取引の安定性とか、それから委員指摘がございましたいろいろなセキュリティーの問題といったようなものにつきまして、どういう技術が物になるのか、そういったものにつきましては、これからさまざまな意味で実験をする必要がございます。  それからさらに、もう一つ大事なポイントといいますのは、いろいろな技術を発掘していくとともに相互運用性をどう高めていくかという問題がございまして、その場合には、技術の面でどうやって相互運用性を高めていくか、また、制度の面でもどういうふうにプラットホームになるような仕組みをつくっていくかといったところがポイントでございます。  そういう観点で、私どもといたしましては、昨年の四月に補正予算百億円、また秋に同じく補正予算二百十七億円、合計三百十七億円の補正予算を獲得いたしまして、さまざまな形で、民間主導でさまざまな実験をやっていただこうというふうに思っております。  そういった意味で、私ども官の役割としては、場をつくって、先ほど申しました相互運用性の調整をしていくための場づくりといったところに重点を置いてやっていきたいというふうに思っております。そんなことで、電子商取引推進協議会という組織を昨年の末に設立をいたしまして、ことし一月から具体的に稼働しまして、そこで、先ほど言いました相互運用性にかかわるようないろいろな実験結果についての調整といったようなことを始めつつございます。  それからまた、法制度の問題につきましても、電子商取引環境整備研究会といったようなものを設けまして、今申し上げました制度においてのプラットホームになるような仕組みにつきまして、商慣行といったようなものについて、新しいルールをどうつくっていくかといったようなところについて検討を行っているところでございます。  以上でございます。
  20. 大月洋一

    ○大月説明員 御説明させていただきます。  最近の電子技術進歩に伴いまして、電子マネーと言われるような新しい決済方法の研究開発が進められておるところでございます。こうした手法につきましては、経済活動の効率性を向上させることが期待されるわけでございます。  一方、これが幅広く決済手段として利用されるようになりますと、金融システムにも大きな影響を与えるものと予想されまして、そういう観点からいたしましても、犯罪防止あるいは安全性といったような点も含めまして、金融システムの安全性や効率性の観点から検討してまいりたいというふうに考えております。
  21. 倉田栄喜

    倉田委員 以上で終わります。
  22. 大木正吾

    大木委員長 次に、松本善明君。
  23. 松本善明

    ○松本(善)委員 最初に、法案についてお聞きしたいと思います。  法案は、国際関係を担当する郵政審議官設置しようというものでありますが、これまでの郵政省の対アメリカ交渉などを見ておりますと、国民の立場から見て非常に問題があるのではないかと思います。  例えば、電気通信事業者の外国資本参入の規制緩和や、電話料金認可制の緩和、通信網へのアクセス自由化など、次々とアメリカの対日要求を受け入れてきております。その結果、電話料金では、大企業、財界が要求してきました長距離電話や大口利用者の料金を引き下げる一方で、一般家庭向けの基本料金や公衆電話料金、番号案内料金などを引き上げてきました。そのために、特定ユーザーと一般利用者との料金やサービスでの格差が広がってきております。  そこでお聞きしたいのは、アメリカの通信改革法によりまして、対日圧力が高まることが予想されます。その結果、特定ユーザーと一般国民の料金、サービスの格差がもっと広がることが懸念をされておりますが、その点は、大臣、どう考えておられましょうか。
  24. 五十嵐三津雄

    ○五十嵐(三)政府委員 先生ただいま御質問いただきました点でございますが、参入あるいは接続、料金の認可等々につきましては、私ども基本的には、なるたけ安い料金で、しかも多様なサービスが提供できるようにということで、私どもの通信政策あるいは法制度ということにつきまして取り組んでまいったつもりでございます。  特に、基本料金あるいは公衆電話料金等々が値上げされたということは先生おっしゃるとおりでございまして、この辺のところはむしろ、今日本の持ちます市場構造で、いわゆる独占部分の料金がだんだん上がってきて、競争部分が下がっているというのが実態でございます。  そういったことで、基本的な料金のあり方については、料金規制という観点からは、国民の生活にかかわる基本的な料金あるいは経済活動の基本的な料金、こういうことについては認可制となっておりまして、認可に当たりまして、私ども、利用者の公平性の確保というようなことに十分考慮を払いながらやってまいっているところでございます。この提供条件についても同じでございます。  そういった意味合いにおきましては、今後とも、不当な差別的な取り扱いの防止、言ってみますと、利用者間の公平利用の確保については十分考慮を払いながらやってまいりたいというふうに存じております。
  25. 松本善明

    ○松本(善)委員 しかし、なかなかその懸念がなくならないのですね。  特定ユーザーと一般国民の料金やサービスの格差の拡大は、さきの電気通信審議会の答申でも、料金体系の地域通信と長距離通信の分離、料金を認可制から届け出制に一層緩和することを提案をしておりまして、格差がさらに拡大するということはもう明白であります。  これまで対米交渉での郵政省対応は、アメリカ政府が自分の国の財界や多国籍企業の要求をバックにした日本市場の開放要求に基本的にこたえるというものになっております。結局、今回設置をいたします郵政審議官も、アメリカの対日要求をスムースに通すことが中心的な役割になることは明白であります。  それは、郵政審議官と同様に設置をされました農水審議官が、アメリカの要求にこたえて、農民の強い反対を無視し米の自由化に奔走したこと、さらに運輸審議官の場合も、関西新空港や羽田空港沖合展開などの建設に米国企業の参入を図るために機能してきたように、既に経験済みであることを指摘をしまして、この法案に反対の意思を表明しておきます。  次、ニュー夜勤問題について少し伺いたいと思います。  九三年から導入されましたニュー夜勤ですが、郵産労、新夜勤の廃止を求める全国郵便職場連絡会が調査したところでは、ニュー夜勤従事者の在職死亡者が二十一名にも上っております。ニュー夜勤の勤務中、明けた日または翌日に、心不全、クモ膜下出血、心筋梗塞などで急死をしております。  二月二十二日、参議院の逓信委員会で我が党の上田耕一郎議員が、東京の郵便局の実態に基づいて職員の健康破壊の問題を追及しました。日野郵政大臣はそのとき、「職員の健康問題については重大な問題でありますから、今後とも十分に配慮して」いくということを答弁をされましたが、深夜業務による職員の健康への影響について、郵政大臣、どういうふうに考えておられるか、まず伺いたいと思います。
  26. 金澤薫

    ○金澤説明員 郵便関係職員に完全週休二日制を実施するため、平成五年三月以降、新夜勤を導入したところでございます。職員の勤務条件は、労働基準法等関係法令、労働組合との協約、就業規則等で定められております。郵政省はこれらを遵守して運用しているところでございまして、新夜勤についても健康上特に問題があるものとは考えていないわけでございます。  しかしながら、健康により一層配慮するため、深夜にわたる業務に従事する職員につきましては、定期健康診断のほかに特別健康診断を実施し、年二回の健康診断を行っているところでございます。平成六年六月から、新夜勤に従事する三十五歳以上の職員を対象にいたしまして、人間ドックの受診希望者に個人負担なしで優先的に受診できるよう措置する等、特別に配意しているところでございます。  健康問題、非常に重要でございまして、より一層配意してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  27. 松本善明

    ○松本(善)委員 大臣、次の質問とあわせてお答えいただければと思います。  今、そういう郵政省の答弁がありましたけれども、在職者が四十代、五十代でどんどん死んでいくという事態は、これは放置することはできないと思うのです。昼間の覚醒、活動と夜間の睡眠、休息という人間の二十四時間周期の生体リズムに逆らって深夜勤を繰り返すことが、生体のバランスを失わせて、その機能を低下をさせて身体的疲労を蓄積させる結果をもたらすなど、深夜勤は職員の健康に重大な影響を与えることは医学的にも、労災認定をめぐる裁判の判例でも明確であります。  深夜勤の場合、職員の健康保持に十分な対策がなければなりません。ニュー夜勤によって、従来の十六時間勤務にあった早寝午前零時以降、遅寝午前二時以降の三時間の仮眠が奪われたために、深夜勤の職員の健康破壊が一層進んでおります。  郵政大臣にあわせてお答えいただきたいのですが、深夜勤の職員の健康を保持する上で、深夜の仮眠は必要でないということなのか、あわせて伺いたいと思います。
  28. 日野市朗

    日野国務大臣 ただいま事務方の方からお答えをいたしましたように、新夜勤の実施に伴います健康上の配慮ということについては、随分手厚くやっているつもりでございます。  先ほども申し上げましたが、年二回の健康診断、それから人間ドックの受診希望者に個人負担なしで優先的に受診できるように処置するという特別の配慮などをやっておりまして、新夜勤従事者の人間ドック受診状況、平成六年を申し上げますと、人間ドックの受診は、申込者が二千九百十三人ございまして、受診者は二千七百五十人、実施率が九四・四%という数字になっております。まだ実施されていないというのは受診申し込みをされた方のキャンセルによるものでありまして、一応こういうきちっとした健康に対する配慮はやっておりますし、これからもこの点については特に留意しながらやってまいりたい、このように思っております。  それで、先生指摘の二十一人の事案でございますが、これについても今郵政省の方ではかなり詳細にこの分析をやっております。中には、私病である、これは新夜勤とは特に関係なかろうと見られるケースも含まれております。それから公務外と認定されたものもかなりの数に上っておりますので、これからどういうことを読み取るか、現在も調査中ということでございます。  いずれにいたしましても、今までの時間内の仮眠ということについてこれからどう考えていくかということも、これからの検討課題としてちゃんと検討はいたしたいというふうには思っておりますが、私どもといたしましても、つまり郵政省としても、非常にこの点には意を用いながら今やっているということでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
  29. 松本善明

    ○松本(善)委員 大臣も関心が深いと思います、仙台の例でお話を申し上げますと、仙台中央郵便局に働いている職員からニュー夜勤の実態を聞きました。ニュー夜勤で十六時から二十一時までの勤務、その後、無給の二時間の解放時間、それから二十三時から翌日の八時三十分までの勤務。夜九時からの二時間の解放時間には生理的に仮眠がとれないのですね。仮眠をとりたい二十三時以降は業務が継続をされている。もともと二時間の解放時間では仮眠にならない。  大臣、おわかりと思いますが、人間は機械を動かすスイッチのようにはいかないわけで、眠るまでに最低十五分ぐらいはかかる。それから目覚めて仕事につくために最低十五分以上必要で、従来の三時間の仮眠時間は実態に合っていたけれども、深夜勤で考慮しなければならないのは職員の健康保持であります、今も言われていますけれども。  いろいろ健康診断をやっているということですが、仙台中央郵便局の九四年度の定期健康診断の結果は、受診者七百五十九名中二百二十八名、三〇%もの職員が再観察必要者である。しかも、四十歳代が圧倒的に多いのです。国民にとって欠くことのできない郵便事業が、劣悪な労働条件によって人的に支え切れなくなる心配がある。単に労働者の問題だけではない、郵政事業そのものの問題になりかねないということです。  大臣、計数の報告だけじゃなくて、実際に深夜勤の状況を調べて、労働実態をつかんで納得のいく改善をされるべきではないかと思いますが、伺いたいと思います。
  30. 日野市朗

    日野国務大臣 仙台におけるケースは、これは事務方の方で掌握しているかどうか、そちらに任せたいと思いますが、ただ、この制度、もう既に、平成五年三月に導入をしたわけでございますが、もうかなり定着をしてきているわけでございますね。そして、我々は、さらに健康上の面についてはずっと留意をしてまいろう、これからもその点については努力をしてまいりたいと思っております。  また、これの勤務条件については、労働基準法等の関連法令、それから労働組合との協約、就業規則等で定めたとおりこちらも遵守してきておりまして、健康上の問題、留意はするにしても、今これが定着してきて一つの方向が出てきているという事実もまた一方でございますので、ひとつその点を御理解いただきたいと思っております。
  31. 松本善明

    ○松本(善)委員 定着しているというのは我慢させられているということでもあるのですよ。そう簡単に定着している、定着しているで済ますわけにいかないです。  今二十一名と言われましたけれども、私、ここに死亡状況についての表を全部持っています。そう私病だとか簡単にいくものではございません。  生活大国五か年計画は、「労働時間の短縮は、勤労者とその家庭にゆとりをもたらし、職業生活と家庭生活、地域生活との調和を図り、「生活大国」の実現を目指す上での最重要課題の一つである。」と明記しています。週休二日制、労働時間短縮の名のもとにニュー夜勤が導入され、深夜の仮眠が奪われ、実労働時間が増加をし、職員の生活実態は、睡眠を中心とした基礎的な生活調整の面でも、疲労増大、健康低下の面でも、家庭・社会生活の面でも大きな負担になって、閣議決定とは全く逆の、生活大国五か年計画と全く逆の状況になっている。深夜勤でも、やはり最低三時間の仮眠を確保するということを私は真剣に考えなければならぬのではないかと思います。  もう一つ例を挙げて申しますと、目黒郵便局。人員不足のもとで多くの非常勤職員が働いております。目黒で郵便内務非常勤として夜勤専門に約六年半働いてきた方が、ことしの一月、自宅で急死をいたしました。この男性の方はニュー夜勤の業務についていたのですが、六十三歳という年齢にもかかわらず、週三回ぐらいの連続深夜労働を行っていて、死因は脳内出血でした。血圧が高い方であったという。ニュー夜勤従事者の在職死亡者二十一名の中で四十五歳以上の中高年齢者が多くを占めています。  疲労が蓄積しストレスが増大するニュー夜勤から、五十歳以上の中高年齢者の職員を外せというのが職場の要求であります。郵政大臣、この要求と、それから、途中で申し上げました三時間の仮眠を確保するということについてお答えをいただきたいと思います。
  32. 金澤薫

    ○金澤説明員 五十歳以上の中高年齢の職員を勤務から除いたらどうかという御指摘ございました。お答え申し上げます。  郵政省では、健康診断の結果、健康に問題のあるとされた職員に対しましては、その程度に応じて勤務時間の短縮、新夜勤等交替制勤務の軽減、超過勤務及び休日勤務の軽減等の勤務軽減措置というものを講じております。  このように、職員の健康には十分配意しているところでございます。したがいまして、本人の健康状態にかかわらず、年齢のみをもって一律にこのような新夜勤という勤務から除くというようなことは適当ではないのではないかというふうに考えております。  なお、御指摘の健康の問題、非常に重要な問題でございますので、今後とも職員の健康には十分配意してまいりたいというふうに考えております。
  33. 加藤豊太郎

    加藤(豊)政府委員 先生指摘の、その三時間の仮眠時間の問題でございますけれども、御承知のように、完全週休二日制を導入する際に、平成三年十二月の閣議決定で二つの条件が付せられました。つまり、一つは、サービスを極力低下させない、それからもう一つは、現行の予算、定員の範囲内で行え、こういうふうな御指摘でございました。  そこで、私どもの郵便の作業につきましては、その送達速度を確保するため、つまり、サービスのレベルを保つためには、深夜の郵便処理作業が必要不可欠であるというふうに考えているところでありますが、最初スタートしたときには、勤務と勤務の間に二時間のいわゆる勤務解放時間、勤務でない、拘束されない時間ということを設定し、これで仮眠をとっていただいていたわけでありますけれども、その後の運用実態を踏まえまして、さらに平成五年九月以降ですけれども、三十分の休息時間、これは有給でございますが、これを合わせて最大二時間休めるように措置したところでありますが、夜勤帯におけるところの業務運行を確保するためには、これ以上は非常に困難であるというふうに考えているわけであります。  ただ、健康の御指摘があったわけでありますけれども、総体的に労働条件を考えますと、この新しい夜勤の創設によりまして、完全週休二日制の早期実施ができた、それからまた職員から非常に強い要望があったところの非番日の暦日付与、こういうふうなものが実現された、それから夜間労働の軽減、つまり、夜勤回数の軽減というふうなものをできたというふうなことで、総体としては労働条件は改善されたというふうに考えている次第でございます。
  34. 松本善明

    ○松本(善)委員 最後に大臣伺いたいと思うのですが、中高年齢者についての配慮は労働安全衛生法でもちゃんと指摘をしております。  私は、もう一つ、大臣関心深いであろう仙台北郵便局の問題で申し上げたい。  これはニュー夜勤の問題だけじゃないのです。仙台北郵便局で開局以来七年間で七名の職員が在職死亡です。年休がほとんどとれないとか、廃休、非番買い上げの常態化など人員不足が深刻なんです。在職死亡が毎年のように起きているような職場の労働実態というのはまともとは決して言えません。やはり郵便局についてはきちんと調査も行って、業務量に見合った要員の増員配置等具体的な改善措置をとって、在職死亡は起こらないようにすべきであると思います。  私は、郵政大臣伺いたいのは、やはりニュー夜勤問題でも、在職死亡者の問題についても、お役人の答弁というのは、それは、説明はいろいろ数字を使ったりなんかするのですけれども、実態を指摘をされて、いや、それを反省してどうしようかということにいかないのですよ。それは、今例えばエイズの問題でも、住専の問題でも、それから郵政省でも、TBSの問題でも、いろいろやはり官僚制度の欠陥というものが本当に噴出してきていると思います。やはり大臣仕事というのは、そういう問題の指摘があった場合に、予告なしに直接現場へ出ていく、そして、私は実態を調べるべきだと思う。実態を見た上で、今までやっていたことがいけないかどうかということをやはり検討する、それが大臣仕事ではないかと思う。  私は、ニュー夜勤の状態や在職死亡者がたくさん出ている職場に直接大臣が行かれて調べて、改善をされることを要望したいのですが、大臣の御意見を伺いたいと思います。
  35. 日野市朗

    日野国務大臣 大臣の職務に関しては、先生のおっしゃることも一面の理を含んでいるとは考えます。ただし、全面的に先生がおっしゃるようなものであるとも私は考えておりません。
  36. 松本善明

    ○松本(善)委員 改善されることを強く要望して終わります。
  37. 大木正吾

    大木委員長 次に、岡崎宏美君。
  38. 岡崎宏美

    ○岡崎(宏)委員 郵政省設置法の一部改正について、実務の円滑な運営という意味ではあえて反対をするものではありません。  ただし、今回の審議官設置の主な説明理由を聞いておりますと、他省庁では既に同等の官の設置がされている、郵政省にはこれまでなかったということで、同レベル協議が進むようにという、ある意味では横並びの意識、また、設置されれば国際対応に責任が持てる、政策における責任を持った判断ができるという郵政省の非常に強烈な自負のようなものが受け取れるわけです。  これはある意味で、今の国民の目にとってみますと、非常に簡単に高級官僚のポスト設置をされるということへの批判、さらに、政策判断の責任者であるという自負は、ある意味で行政の独断あるいは独走というものを許してきたのではないか。この間非常に問題になっておりますけれども、情報を公開したがらない、国民の監視の目を嫌がっている、そういう姿勢につながるのではないかという批判もまた厳しくあると思います。  これに対して、特に今回設置をしようとする郵政審議官の場合は、先ほど来話になっておりますように、情報通信産業、非常に大きな転換の時期を迎えているわけですから、これらの批判に対してきちんとこたえていけるものでなければならないと思います。これに対しての簡単明瞭な決意というものをお伺いをしたいと思います。
  39. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 事前での御説明の中でいろいろ舌足らずな点があったかもしれないことはおわびしたいと思います。  いろいろな省庁で類似の職が設けられておりますということにつきましては、それぞれの分野において全般的に国際化が進んでいることのあらわれということでございまして、情報通信分野につきましては、近時急速に、先生指摘のような国際的な課題が出てまいったという状況を踏まえまして、郵政行政分野におきましてもこのような対応が必要だということでございます。  それから、官職につきましては、それぞれの必要に応じましていろいろな、分掌でございますとか、レベルポストが設けられておるわけでございますが、私ども、こういった国際面で、情報通信分野を初めとして郵政行政でさまざまな課題が出てまいります中で、省内におきましても、あるいは政府内におきましても、あるいは対外的な折衝等におきましても、ハイレベル対応が必要になってきていることに対応いたしまして、そういった責任を持てる体制をつくっていかなければならないという趣旨でございます。  そういう対応ができるような体制をつくる必要があるということでございまして、その中で私どもとしては精いっぱい努力をしてまいるつもりでございまして、結果として、これさえできればというような、結論を見通したような言い方をしたというふうに受け取られましたならば、それは私どもの言い過ごしであったかもしれません。そういうふうに御説明しておるつもりではないわけでございまして、そういう体制をつくらせていただきたいという趣旨でございます。
  40. 岡崎宏美

    ○岡崎(宏)委員 ハイレベル協議というのは結構ですが、外で協議をして、約束をしてきて、後で国内的な追認をする、そういうことがあるのではないかという批判に対しては、これは郵政審議官がそのような役割を負うことがないように気をつけてくださいと申し上げておきたいと思います。  今回、委員長を初め各会派の皆さんの御配慮をいただきましてせっかく得た質問の時間でございますので、どうしても私、政府の考え方をお聞きしておきたい問題がございまして、きょう内閣の官房の方にもおいでをいただきました。  実は、もう既にたくさんの請願や要請のございます阪神・淡路大震災の被災者の生活再建についての問題です。この間地元の、これはもうさまざまな団体、住民の皆さんから、ぜひとも直接的な支援策をとってほしいという請願が上がってきていると思います。しかし、この間政府は、それに対して具体的な回答をされておりません。しかし、もう震災後一年二カ月以上たちまして、非常に暗い状況が続いておりますので、この際、お考えをお聞きしたいと思います。
  41. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)政府委員 ただいまの岡崎議員からの御質問に御答弁申し上げますが、昨年の一月十七日に突如として起きました阪神・淡路大震災、これに対しましては、当時の内閣総理大臣村山総理は「人にやさしい政治」を標榜しておられたわけですが、全身全霊を注いでこれの救助、復旧、復興に官民挙げて取り組まれたことは、これは御理解いただけると思うのです。  さて、この個人補償の問題につきましては、一般論としては、既に御案内のとおり、自然災害に対しましては、個人が被害を受けたことに対しましては、個人の自助努力ということによって回復をしていただくのが原則、こうなっております。  しかしながら、今申し上げたような考え方で、政府といたしましても、災害救助法による救助や各種融資等の措置を講じまして、被災者の支援などに現行制度を運用いたしながら、幅広くかつきめ細かく生活再建に支援をしてきたところです。  特に、この阪神・淡路大震災については、被害の甚大さにもかんがみまして、特別の立法等も講じまして、被災者の生活再建等への支援措置を拡充しておるところで、個人補償という形ではありませんけれども、六千億に上る阪神・淡路大震災復興基金への地方財政措置や、あるいはまた住宅金融公庫等の特別な融資制度の創設など、あるいはまた瓦れき処理の民地における公費による実施であるとか、こういうことを行いまして、大幅な支援措置を講ずることによって適切な対応をしてきたと存じておりまするので、御理解をいただきたいと思います。
  42. 岡崎宏美

    ○岡崎(宏)委員 政府がこの間とられましたさまざまな、特に個人の生活に関する特例措置は、昨年末、また今年の三月末をもってそのほとんどが打ち切りとなっております。  今非常に暗たんたる気持ちでおりますのは、仮設住宅で、そこから出る展望を持てない何万という人々です。融資ということさえ受けられない人々です。この人たちは国内における難民とさえも評されておりまして、家や家族あるいは財産、近隣の人のつながり、職業、そういうものをすべて失った人たちを、個人補償ができないというその一点のみで放置をすることは、これは到底国家としてはもう許せないのではないか。  それ以前の問題として、すべての国民は健康で文化的な生活をこれはもう営む権利がある。ここをどう保障するのかという問題になってきていると思います。なおかつ、この間、個人の財産、私有財産をめぐって、この震災の被災者への対応、それからこの四月一日から非常に問題になっております沖縄の土地の所有者への問題など、この財産をめぐって国家が今対応を求められていると思います。  この震災の復興に当たっては、もう一度、国に自然災害の責任はない、また個人補償の責任はないということではなくて、憲法二十五条をどう具体化させていくかということでぜひ検討いただきたいのです。そういうはねつけ方はやはりこの際されるべきではないと思います。お答えをください。
  43. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)政府委員 重ねて申し上げますけれども、やはり地震、火山あるいはまた津波あるいはまた風水害、いろいろな自然災害があるわけですが、特に日本はまたそれが多いわけですが、今議員がおっしゃった、そういう被害者に対する、悲惨な実情からも多くの声を寄せられておることは事実です。しかしながら、今申し上げました原則を崩すことは、これは今までの過去の例から考えましても無理ではなかろうか。  しかし、それにかわるべきものを、あらゆる手だてを現行法の中で講じながら、時には許される範囲内で特別な立法をつくって対応してきておるわけですから、決して政府がこれらに対して冷たい扱いをしておる、こういうことでは全くありませんので、重ねて御理解をいただくようにお答えをいたしておきます。  以上です。
  44. 岡崎宏美

    ○岡崎(宏)委員 すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利という観点からいった場合に、何万人という仮設住宅を出る展望のない人をどうするか。これについての具体的な対応はこれから毎日求め続けられていく。これには、具体的な答えを出していただきたいということを重ねて要望をいたします。  それとあわせて、先ほど質問の中でお尋ねしましたが、個人の財産に国が踏み込めないということであれば、現在問題になっております沖縄の知花昌一さんの土地について最後に、これはもうイエスかノーかでお答えください。知花さんは自分の土地に入ることができますか。その答えと根拠をお示しください。それで質問は終わります。
  45. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)政府委員 この件につきましては、政府としては官房長官の談話でいろいろ申し上げておりまするので、今私はこれについての答弁は差し控えたい、こう思います。  ただし、知花さんのそういう申し入れについては、防衛庁その他につきましてもいろいろと本人の意思を尊重できるような方向で検討していらっしゃると聞いておりますので、以上、お答えをいたしておきます。
  46. 岡崎宏美

    ○岡崎(宏)委員 どうも、政府対応は日々変わっておるようであります。  これは、はっきりと答えをいただきたいということをあえて申し上げまして、時間ですから終わります。
  47. 大木正吾

    大木委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  48. 大木正吾

    大木委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出郵政省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  49. 大木正吾

    大木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 大木正吾

    大木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  51. 大木正吾

    大木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時十三分散会      ————◇—————