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1996-05-31 第136回国会 衆議院 決算委員会第二分科会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
八年五月三十一日(金曜日) 午前十時一分
開議
出席分科員
主 査
前田
武志君
伊藤宗一郎
君
浜田
靖一君 福田 康夫君
上田
勇君
鳥居
一雄
君
吉田
治君
赤松
広隆
君
兼務
前原
誠司
君
出席政府委員
防衛政務次官
中島洋次郎
君
防衛庁参事官
藤島 正之君
防衛庁教育訓練
局長
粟 威之君
防衛庁人事局長
大越 康弘君
防衛庁経理局長
佐藤 謙君
防衛施設庁施設
部長
小澤 毅君
外務政務次官
小川 元君
外務大臣官房長
原口 幸市君
外務省アジア局
長 加藤 良三君
外務省経済局長
野上 義二君
外務省経済協力
部長
畠中 篤君
外務省条約局長
林 陽君
分科員外
の
出席者
防衛庁経理局会
計
課長
武田
宗高
君
防衛施設庁総務
部会計
課長
石井 道夫君
大蔵省主計局司
計
課長
田頭 基典君
会計検査院事務
総局
第一
局長
深田 烝治君
会計検査院事務
総局
第二
局長
森下
伸昭君
決算委員会調査
室長 天野 進君
—————————————
分科員
の異動 五月三十一日
辞任
補欠選任
伊藤宗一郎
君
浜田
靖一君
鳥居
一雄
君
上田
勇君
赤松
広隆
君
畠山健治郎
君 同日
辞任
補欠選任
浜田
靖一君
伊藤宗一郎
君
上田
勇君
吉田
治君
畠山健治郎
君
今村
修君 同日
辞任
補欠選任
吉田
治君
鳥居
一雄
君
今村
修君
山崎
泉君 同日
辞任
補欠選任
山崎
泉君
赤松
広隆
君 同日 第一
分科員前原誠司
君が本
分科兼務
となった。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
平成
四
年度
一般会計歳入歳出決算
平成
四
年度
特別会計歳入歳出決算
平成
四
年度
国税収納金整理資金受払計算書
平成
四
年度
政府関係機関決算書
平成
四
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
四
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
平成
五
年度
一般会計歳入歳出決算
平成
五
年度
特別会計歳入歳出決算
平成
五
年度
国税収納金整理資金受払計算書
平成
五
年度
政府関係機関決算書
平成
五
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
五
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
〔
総理府
(
防衛庁
・
防衛施設庁
)及び
外務省所
管〕 ————◇—————
前田武志
1
○
前田主査
これより
決算委員会
第二
分科会
を開会いたします。
平成
四
年度
決算外
二件及び
平成
五
年度
決算外
二件中、本日は、
総理府
(
防衛庁
・
防衛施設庁
)及び
外務省所管
について
審査
を行います。 これより
防衛庁
・
防衛施設庁所管
について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。
中島防衛政務次官
。
中島洋次郎
2
○
中島
(洋)
政府委員
平成
四
年度
における
防衛庁関係歳出
の
決算
につきまして、その
概要
を御
説明
いたします。 まず、(
組織
)
防衛本庁
の
経費
につきまして御
説明
申し上げます。 当初の
歳出予算額
は四兆六百五十三億二千万円余でありまして、これに
政府職員
の
平成
四年四月以降の
給与
を
改善
するための
予算補正追加額
三百十一億七千七百万円余、
高空
における
放射能塵
の
調査研究
のため、
科学技術庁
から
移し
かえを受けた額二千三百万円余、
平成
四
年度
総合防災訓練
のため、
国土庁
から
移し
かえを受けた額百万円余、
南極地域観測事業
のため、
文部省所管文部本省
から
移し
かえを受けた額二十二億二千二百万円余、前
年度
からの
繰越額
二百二十二億二百万円余を加え、
既定予算
の
節約等
による
予算補正修正減少額
六十七億四千八百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額
は四兆一千百四十一億九千八百万円余となります。 この
歳出予算現額
に対して
支出済み歳出額
は四兆九百三十億九千八百万円余、翌
年度
へ繰り越した額は百五十九億三千五百万円余でありまして、
差し引き不用額
は五十一億六千三百万円余であります。 次に、(
組織
)
防衛施設庁
の
経費
につきまして御
説明
を申し上げます。 当初の
歳出予算額
は四千八百六十二億九千九百万円余でありまして、これに
駐留軍等労務者等
の
平成
四年四月以降の
給与
を
改善
するための
予算補正追加額
十七億四千八百万円余、前
年度
からの
繰越額
二百六十七億五千六百万円余を加え、
既定予算
の
節約
による
予算補正修正減少額
一億九千七百万円余、
防衛施設周辺
の
障害防止事業等
に要する
経費
として
移し
かえをした額、
農林水産省所管農林水産本省
へ七億四千二百万円余、
建設省所管建設本省
へ十六億三千七百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額
は五千百二十二億二千六百万円余となります。 この
歳出予算現額
に対して
支出済み歳出額
は四千九百五十二億七千九百万円余、翌
年度
へ繰り越した額は百五十五億四千三百万円余でありまして、
差し引き不用額
は十四億三百万円余であります。 なお、主な
事項
につきましては、お
手元
に配付してある
資料
のとおりでありますが、
委員各位
の
お許し
を得まして、御
説明
を省略させていただきたいと存じます。 よろしく御審議くださいますよう
お願い
を申し上げます。 引き続きまして、
平成
五
年度
における
防衛庁関係歳出
の
決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、(
組織
)
防衛本庁
の
経費
につきまして御
説明
申し上げます。 当初の
歳出予算額
は四兆一千二百八億二千万円余でありまして、これに
高空
における
放射能塵
の
調査研究
のため、
科学技術庁
から
移し
かえを受けた額二千万円余、
平成
五
年度
総合防災訓練
のため、
国土庁
から
移し
かえを受けた額百万円余、
南極地域観測事業
のため、
文部省所管文部本省
から
移し
かえを受けた額十八億五千九百万円余、前
年度
からの
繰越額
百五十九億三千五百万円余を加え、
既定予算
の
節約等
による
予算補正修正減少額
二百十七億七百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額
は四兆一千百六十九億三千万円余となります。 この
歳出予算現額
に対して
支出済み歳出額
は四兆八百五十一億三千九百万円余、翌
年度
へ繰り越した額は二百八億三千万円余でありまして、
差し引き不用額
は百九億六千百万円余であります。 次に、(
組織
)
防衛施設庁
の
経費
につきまして御
説明
を申し上げます。 当初の
歳出予算額
は五千百九十五億九千百万円余でありまして、これに前
年度
からの
繰越額
百五十五億四千三百万円余、
嘉手納飛行場騒音損害賠償等請求事件
第一
審判決
に伴い生じた
損害賠償金
を支払うために必要な
経費
として
予備費
を使用した額七億二千万円余を加え、
既定予算
の
節約等
による
予算補正修正減少額
七億九千七百万円余、
防衛施設周辺
の
障害防止事業等
に要する
経費
として
移し
かえをした額、
農林水産省所管農林水産本省
へ七億四千四百万円余、
建設省所管建設本省
へ十五億五千百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額
は五千三百二十七億六千二百万円余となります。 この
歳出予算現額
に対して
支出済み歳出額
は五千百六十一億四千三百万円余、翌
年度
へ繰り越した額は百五十億二千三百万円余でありまして、
差し引き不用額
は十五億九千五百万円余であります。 なお、主な
事項
につきましては、お
手元
に配付してある
資料
のとおりでありますが、
委員各位
の
お許し
を得まして、御
説明
を省略させていただきたいと存じます。 よろしく御審議くださいますよう
お願い
を申し上げます。
前田武志
3
○
前田主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院森下
第二
局長
。
森下伸昭
4
○
森下会計検査院説明員
平成
四
年度
防衛庁
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、本院の
指摘
に基づき、
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
一件であります。 これは、
護衛艦
に搭載する砲の
オーバーホール
の
実施
に関するものであります。
護衛艦
に搭載する砲の
オーバーホール
を
実施
するに当たり、搭載に間に合うよう
オーバーホール期間
を短縮するため、あらかじめ
組み部品
を
調達
して、業者に官給することとしていましたが、
オーバーホール
の
契約業務
を
簡素化
することによっても
期間
を短縮でき、これによれば
組み部品
を
調達
する要はありませんでした。これについて
指摘
したところ、
改善
の
処置
がとられたものであります。 また、
平成
五
年度
防衛庁
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
前田武志
5
○
前田主査
ただいまの
会計検査院
の
指摘
に基づき講じた
措置
について
説明
を聴取いたします。
中島防衛政務次官
。
中島洋次郎
6
○
中島
(洋)
政府委員
ただいま
説明
がありました
平成
四
年度
の
決算検査報告
において掲記されております
処置済み事項
につきましては、
会計検査院
の御
指摘
に基づき、
平成
五年十一月に、標準的な
仕様書
を制定いたしまして、
契約業務
の
簡素化
を図るなどして、
護衛艦
に搭載する砲の
オーバーホール
を経済的に行うようにするための
処置
を講じたところであります。 今後とも
予算
のより効率的な
執行
について努力する所存であります。
前田武志
7
○
前田主査
この際、お諮りいたします。 お
手元
に配付いたしております
決算概要説明等
のうち、ただいま
説明
を聴取した部分を除き、詳細な
説明
は、これを省略し、本日の
会議録
に掲載いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
前田武志
8
○
前田主査
御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
—————————————
平成四年度
防衛庁関係歳出
の決算に関する
概要説明
防 衛 庁 平成四年度における
防衛庁関係歳出
の決算につきまして、その概要を御説明いたします。 まず、(組織)
防衛本庁
の経費につきまして御説明申し上げます。 当初の
歳出予算額
は四兆六百五十三億二千万円余でありまして、これに
政府職員
の平成四年四月以降の給与を改善するための
予算補正追加額
三百十一億七千七百万円余、高空における
放射能塵
の
調査研究
のため、
科学技術庁
から
移替え
を受けた額二千三百万円余、平成四年度
総合防災訓練
のため、国土庁から
移替え
を受けた額百万円余、
南極地域観測事業
のため、
文部省所管文部本省
から
移替え
を受けた額二十二億二千二百万円余、前年度からの
繰越額
二百二十二億二百万円余を加え、
既定予算
の
節約等
による
予算補正修正減少額
六十七億四千八百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額
は四兆一千百四十一億九千八百万円余となります。 この
歳出予算現額
に対して
支出済歳出額
は四兆九百三十億九千八百万円余、翌年度へ繰り越した額は百五十九億三千五百万円余でありまして、
差し引き不用額
は五十一億六千三百万円余であります。 平成四年度の予算の執行に当たっては、「
防衛計画
の大綱」に定める防衛力の水準の維持に配意して閣議決定された「
中期防衛力整備計画
(平成三年度〜平成七年度)」の二年度として計上された予算を効率的に使用して計画を着実に実施し、実質的な防衛力の整備を進めることを主眼といたしました。 以下、陸・海・空各
自衛隊別
にその主な内容を申し上げます。一
陸上自衛隊
につきましては、九〇式戦車二十六両、八九式
装甲戦闘車
九両、七三式装甲車九両を取得し、新たに平成五年度以降
取得予定
の九〇式戦車二十両、八九式
装甲戦闘車
六両、七三式装甲車十三両の
購入契約
をいたしました。 また、航空機は、対
戦車ヘリコプターAH
−1S八機、
観測ヘリコプターOH
−6D九機、
輸送ヘリコプターCH
−47J五機、
練習ヘリコプターOH
−6D五機合わせて二十七機を取得し、新たに平成五年度以降
取得予定
の対
戦車ヘリコプターAH
−1S四機、
観測ヘリコプターOH
−6D十一機、多
用途ヘリコプタ
−UH−1J十三機、
輸送ヘリコプターCH
−47J三機、
練習ヘリコプターOH
−6D二機合わせて三十三機の
購入契約
をいたしました。二
海上自衛隊
につきましては、昭和六十三
年度計画
の
護衛艦
七千二百五十トン型一隻、平成元
年度計画
の
護衛艦
二千トン型二隻、平成元
年度計画
の潜水艦二千四百五十トン型一隻、平成元
年度計画
の掃海艦千トン型二隻、平成二
年度計画
の掃海艇四百九十トン型一隻、平成二
年度計画
の
ミサイル艇
五十トン型二隻、平成三
年度計画
の
支援船
三隻、平成四
年度計画
及び調達に係る
支援船
三隻合わせて十五隻を取得し、新たに平成五年度以降に
竣工予定
の
護衛艦
四千四百トン型一隻、潜水艦二千五百トン型一隻、掃海艇四百九十トン型三隻、
ミサイル艇
五十トン型一隻、練習艦四千トン型一隻、試験艦四千二百トン型一隻、
支援船
三隻合わせて十一隻の
建造契約
をいたしました。 また、航空機は、対
潜哨戒機P
−3C十機、
初級操縦練習機T
−5九機、対
潜ヘリコプターSH
−60J十二機、
掃海ヘリコプターMH
−53E四機合わせて三十五機を取得し、新たに平成五年度以降
取得予定
の対
潜哨戒機P
−3C一機、
救難飛行艇US
−1A一機、
訓練支援機U
−36A一機、
電子戦データ収集機EP
−3一機、
初級操縦練習機T
−5五機、
計器飛行練習機TC
−90五機、対
潜ヘリコプターSH
−60J七機、
救難ヘリコプターUH
−60J二機、
初級操縦練習ヘリコプターOH
−6D一機合わせて二十四機の
購入契約
をいたしました。三
航空自衛隊
につきましては、
要撃戦闘機F
−15十一機、
早期警戒機E
−2C三機、
中等練習機T
−4十九機、
飛行点検機U
−125一機、
輸送ヘリコプターCH
−47J二機、
救難ヘリコプターUH
−60J二機合わせて三十八機を取得し、新たに平成五年度以降
取得予定
の
要撃戦闘機F
−15七機、
中等練習機T
−4十九機、輸送機・
救難機等基本操縦練習機T
−4〇〇三機、
救難捜索機U
−125A三機、
飛行点検機U
−125一機、
救難ヘリコプターUH
−60J二機合わせて三十五機の
購入契約
をいたしました。 また、
地対空誘導弾ペトリオット
は、一個
高射群分
(四FU)を取得し、新たに平成五年度以降
取得予定
の
教育所要
〇・二五個
高射群相当
及び
定期修理予備用
一セットの
購入契約
をいたしました。 なお、これらの装備品に係る
国庫債務負担行為
及び継続費の
契約額等
について申し上げます。 まず、
国庫債務負担行為
については、一 戦車、装甲車、
誘導弾等
の
購入契約
に要した
事項武器購入
の本年度の
契約額
は一千九百二十八億二千七百万円余でありまして、このうち本 年度の
支出額
は四億五千百万円余、翌年度以降への後
年度負担額
は一千九百二十三億七千五百万円余となります。二 航空機の
購入契約
に要した
事項航空機購入
の本年度の
契約額
は二千七百四億八千二百万円余 でありまして、このうち本年度の
支出額
は十八億七千二百万円余、翌年度以降への後
年度負担額
は二千六百八十六億一千百万円余となります。三
掃海艇等
の
建造契約
に要した
事項艦船建造
の 本年度の
契約額
は九百三十二億三百万円余でありまして、このうち本年度の
支出額
は二億八千八百万円余、翌年度以降への後
年度負担額
は九百二十九億一千四百万円余となります。 次に、継続費の
契約額等
について御説明いたします。 平成四年度の
新規継続費
の総額は一千九十三億四百万円余でありまして、このうち本年度の
契約済額
は九百六十五億五千六百万円余であります。 この
契約済額
に対して、本年度の
支出額
五億八千八百万円余を差し引きますと、翌年度以降の後
年度負担額
は九百五十九億六千八百万円余となります。 また、翌年度以降の
契約予定額
は百二十七億四千七百万円余であります。 平成四年度の
防衛本庁
の職員の定員は、自衛官二十七万三千八百一人、自衛官以外の職員二万二千二百七十六人でありまして、これを前年度の定員に比べますと、自衛官については同数であり、自衛官以外の職員について百二十七人の減員となっております。 また、
予備自衛官
の員数は、前年度と同数の四万七千九百人であります。 次に、翌年度への
繰越額
百五十九億三千五百万円余は、計画及び設計に関する諸条件等のため、工事等が遅延したことによるものであります。 また、
不用額
五十一億六千三百万円余は、退職者が少なかったことにより
退職手当
を要することが少なかったこと等のため生じたものであります。 続いて、(組織)
防衛施設庁
の経費につきまして御説明申し上げます。 当初の
歳出予算額
は四千八百六十二億九千九百万円余でありまして、これに
駐留軍等労務者等
の平成四年四月以降の給与を改善するための
予算補正追加額
十七億四千八百万円余、前年度からの
繰越額
二百六十七億五千六百万円余を加え、
既定予算
の節約による
予算補正修正減少額
一億九千七百万円余、
防衛施設周辺
の
障害防止事業等
に要する経費として
移替え
をした額、
農林水産省所管農林水産本省
へ七億四千二百万円余、
建設省所管建設本省
へ十六億三千七百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額
は五千百二十二億二千六百万円余となります。 この
歳出予算現額
に対して
支出済歳出額
は四千九百五十二億七千九百万円余、翌年度へ繰り越した額は百五十五億四千三百万円余でありまして、
差し引き不用額
は十四億三百万円余であります。
支出済歳出額
の主なものは、
調達労務管理費
につきましては、
アメリカ合衆国軍隊等
が使用する
駐留軍等労務者
の
離職者対策
、
福祉対策
、
従業員対策等
に要した経費九百四十六億四千二百万円余、
施設運営等関連諸費
につきましては、「
防衛施設周辺
の
生活環境
の整備等に関する法律」等に基づき、
自衛隊施設
及び「日本国と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における
合衆国軍隊
の地位に関する協定」等に基づく
提供施設
の
維持運営等
に関連し必要な土地の購入及び借上げ、施設の整備、各種の補償、障害及び騒音の
防止措置
、
飛行場等周辺
の
移転措置
、
民生安定施設
の
助成措置等
に要した経費三千六百八十九億六千四百万円余、
提供施設移設整備費
につきましては、「日本国と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における
合衆国軍隊
の地位に関する協定」による日米間の合意に基づき、現在提供中の施設及び区域の返還を受けるため、
当該施設
及び区域を集約移転するのに要した経費九億円余等であります。 平成四年度の
防衛施設庁
の職員の定員は、三千三百四十一人でありまして、これを前年度の職員の定員に比べますと、十人の減員となっております。 次に、翌年度への
繰越額
百五十五億四千三百万円余は、計画及び設計に関する諸条件、
アメリカ合衆国軍隊等
の事情、用地の関係等のため工事等が遅延したことによるものであります。 また、
不用額
十四億三百万円余は、石油の調達量が予定を下回ったこと等により、
合衆国軍隊特別協定光熱水料等支出金
を要することが少なかったこと等のため生じたものであります。 以上をもって、平成四年度における
防衛庁関係歳出
の決算の
概要説明
を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 ………………………………… 平成四年度
決算防衛庁
についての検査の概要に関する
主管局長
の説明
会計検査院
平成四年度
防衛庁
の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 これは、
護衛艦
に搭載する砲の
オーバーホール
の実施に関するものであります。この
オーバーホール
は
護衛艦
から砲を取りおろして
分解修理
を砲の
製造会社
に行わせるもので、定められた期間内に実施する要があり、
海上幕僚監部
では、今回その期間が通常より短い期間であったため、あらかじめ組部品を調達して、
製造会社
に官給することにより、
当該期間
内に
オーバーホール
を完了することとしていたものです。 しかし、砲を取りおろしてから
オーバーホール契約
を締結するまでの手続きをみてみますと、個別の仕様書を作成するなどして
契約業務
に時間を要していたため、あらかじ目標準的な仕様書を作成して
契約業務
を簡素化するなどの処置を講じて早期に契約を締結して、砲の
オーバーホール
を行える期間を少しでも長く確保することにより、組部品の
調達経費節減
を図る要があると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、
海上幕僚監部
では、五年十一月に、標準的な仕様書を制定し、
契約業務
の簡素化を図るなどして、砲の
オーバーホール
を経済的に行うようにする処置を講じたものであります。 以上、簡単でございますが説明を終わります。
—————————————
平成五年度
防衛庁関係歳出
の決算に関する
概要説明
防 衛 庁 平成五年度における
防衛庁関係歳出
の決算につきまして、その概要を御説明いたします。 まず、(組織)
防衛本庁
の経費につきまして御説明申し上げます。 当初の
歳出予算額
は四兆一千二百八億二千万円余でありまして、これに高空における
放射能塵
の
調査研究
のため、
科学技術庁
から
移替え
を受けた額二千万円余、平成五年度
総合防災訓練
のため、国土庁から
移替え
を受けた額百万円余、
南極地域観測事業
のため、
文部省所管文部本省
から
移替え
を受けた額十八億五千九百万円余、前年度からの
繰越額
百五十九億三千五百万円余を加え、
既定予算
の
節約等
による
予算補正修正減少額
二百十七億七百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額
は四兆一千百六十九億三千万円余となります。 この
歳出予算現額
に対して
支出済歳出額
は四兆八百五十一億三千九百万円余、翌年度へ繰り越した額は二百八億三千万円余でありまして、
差し引き不用額
は百九億六千百万円余であります。 平成五年度の予算の執行に当たっては、平成四年末に修正された「
中期防衛力整備計画
(平成三年度〜平成七年度)」の第三年度として計上された予算を効率的に使用して計画を着実に実施し、実質的な防衛力の整備を進めることを主眼といたしました。 以下、陸・海・空各
自衛隊別
にその主な内容を申し上げます。一
陸上自衛隊
につきましては、九〇式戦車二十両、八九式
装甲戦闘車
六両、七三式装甲車十三両を取得し、新たに平成六年度以降
取得予定
の九〇式戦車二十両、八九式
装甲戦闘車
七両、七三式装甲車十三両の
購入契約
をいたしました。 また、航空機は、対
戦車ヘリコプターAH
−1S六機、
観測ヘリコプターOH
−6D十一機、多
用途ヘリコプターUH
−1J十二機、
輸送ヘリコプターCH
−47J三機、
練習ヘリコプターOH
−6D二機合わせて三十四機を取得し、新たに平成六年度以降
取得予定
の対戦車へ
リコプターAH
−1S二機、
観測ヘリコプターOH
−6D九機、多
用途ヘリコプターUH
−1J十三機、
輸送ヘリコプターCH
−47J二機、
練習ヘリコプターOH
−6D四機合わせて三十機の
購入契約
をいたしました。二
海上自衛隊
につきましては、平成二
年度計画
の潜水艦二千四百五十トン一隻、平成二
年度計画
の掃海艦千トン一隻、平成三
年度計画
の掃海艇四百九十トン一隻、平成四
年度計画
の
支援船
三隻、平成五
年度計画
及び調達に係る
支援船
一隻合わせて七隻を取得し、新たに平成六年度以降に
竣工予定
の
護衛艦
七千二百トン型一隻、潜水艦二千七百トン型一隻、輸送艦八千九百トン型一隻、
支援船
四隻合わせて七隻の
建造契約
をいたしました。 また、航空機は、対
潜哨戒機P
−3C八機、
救難飛行艇US
−1A一機、
計器飛行練習機TC
−90五機、
初級操縦練習機T
−5五機、対
潜ヘリコプターSH
−60J十一機、
救難ヘリコプターUH
−60J三機、
初級操縦練習ヘリコプターOH
−6D一機合わせて三十四機を取得し、新たに平成六年度以降
取得予定
の対
潜哨戒機P
−3C一機、
救難飛行艇US
−1A一機、
電子戦データ収集機EP
−3一機、
初級操縦練習機T
−5三機、対
潜ヘリコプターSH
−60J四機、
救難ヘリコプターUH
−60J二機、合わせて十二機の
購入契約
をいたしました。三
航空自衛隊
につきましては、
要撃戦闘機F
−15十機、
早期警戒機E
−2C二機、
中等練習機T
−4十六機、輸送機・
救難機等基本操縦練習機T
−400三機、
飛行点検機U
−125一機、
輸送ヘリコプターCH
−47J一機、
救難ヘリコプターUH
−60J四機合わせて三十七機を取得し、新たに平成六年度以降
取得予定
の
要撃戦闘機F
−15四機、早期警戒管制機E−767二機、
中等練習機T
14九機、輸送機・
救難機等基本操縦練習機T
−400三機、
救難捜索機U
−125A一機、
救難ヘリコプターUH
160J一機合わせて二十機の
購入契約
をいたしました。 また、
地対空誘導弾ペトリオット
は、一個
高射群分
(四FU)を取得し、新たに平成六年度以降
取得予定
の
定期修理予備用
一セットの
購入契約
をいたしました。なお、これらの装備品に係る
国庫債務負担行為
及び継続費の
契約額等
について申し上げます。 まず、
国庫債務負担行為
については、一 戦車、装甲車、
誘導弾等
の
購入契約
に要した
事項武器購入
の本年度の
契約額
は一千四百八十六億五千万円余でありまして、このうち本年度の
支出額
は一億九千三百万円余、翌年度以降への後
年度負担額
は一千四百八十四億五千七百万円余となります。二 航空機の
購入契約
に要した
事項航空機購入
の本年度の
契約額
は三千四十二億一千五百万円余でありまして、このうち本年度の
支出額
は十三億四百万円余、翌年度以降への後
年度負担額
は三千二十九億一千万円余となります。三 輸送艦等の
建造契約
に要した
事項艦船建造
の本年度の
契約額
は四百六十六億九千四百万円余でありまして、このうち本年度の
支出額
は三億八千八百万円余、翌年度以降への後
年度負担額
は四百六十三億六百万円余となります。 次に、継続費の
契約額等
について御説明いたします。 平成五年度の
新規継続費
の総額は一千七百億五千八百万円余でありまして、このうち本年度の
契約済額
は一千五百七十九億六千三百万円余であります。 この
契約済額
に対して、本年度の
支出額
三十二億一千五百万円余を差し引きますと、翌年度以降の後
年度負担額
は一千五百四十七億四千七百万円余となります。 また、翌年度以降の
契約予定額
は百二十億九千五百万円余であります。 平成五年度の
防衛本庁
の職員の定員は、自衛官二十七万三千八百一人、自衛官以外の職員二万二千百四十四人でありまして、これを前年度の定員に比べますと、自衛官については同数であり、自衛官以外の職員について百三十二人の減員となっております。 また、
予備自衛官
の員数は、前年度と同数の四万七千九百人であります。 次に、翌年度への
繰越額
二百八億三千万円余は、計画及び設計に関する諸条件等のため、工事等が遅延したことによるものであります。 また、
不用額
百九億六千百万円余は、退職者が少なかったことにより
退職手当
を要することが少なかったこと等のため生じたものであります。 続いて、(組織)
防衛施設庁
の経費につきまして御説明申し上げます。 当初の
歳出予算額
は五千百九十五億九千百万円余でありまして、これに前年度からの
繰越額
百五十五億四千三百万円余、
嘉手納飛行場騒音損害賠償等請求事件
第一審判決に伴い生じた
損害賠償金
を支払うために必要な経費として予備費を使用した額七億二千万円余を加え、
既定予算
の
節約等
による
予算補正修正減少額
七億九千七百万円余、
防衛施設周辺
の
障害防止事業等
に要する経費として
移替え
をした額、
農林水産省所管農林水産本省
へ七億四千四百万円余、
建設省所管建設本省
へ十五億五千百万円余を差し引きますと、
歳出予算現額
は五千二百二十七億六千二百万円余となります。 この
歳出予算現額
に対して
支出済歳出額
は五千百六十一億四千三百万円余、翌年度へ繰り越した額は百五十億二千三百万円余でありまして、
差し引き不用額
は十五億九千五百万円余であります。
支出済歳出額
の主なものは、
調達労務管理費
につきましては、
アメリカ合衆国軍隊等
が使用する
駐留軍等労務者
の
離職者対策
、
福祉対策
、
従業員対策等
に要した経費一千九十四億六千百万円余、
施設運営等関連諸費
につきましては、「
防衛施設周辺
の
生活環境
の整備等に関する法律」等に基づき、
自衛隊施設
及び「日本国と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における
合衆国軍隊
の地位に関する協定」等に基づく
提供施設
の
維持運営等
に関連し必要な土地の購入及び借上げ、施設の整備、各種の補償、障害及び騒音の
防止措置
、
飛行場等周辺
の
移転措置
、
民生安定施設
の
助成措置等
に要した経費三千七百五十四億二千四百万円余、
提供施設移設整備費
につきましては、「日本国と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における
合衆国軍隊
の地位に関する協定」による日米間の合意に基づき、現在提供中の施設及び区域の返還を受けるため、
当該施設
及び区域を集約移転するのに要した経費四億一千七百万円余等であります。 平成五年度の
防衛施設庁
の職員の定員は、三千三百三十人でありまして、これを前年度の職員の定員に比べますと、十一人の減員となっております。 次に、翌年度への
繰越額
百五十億二千二百万円余は、計画及び設計に関する諸条件、
アメリカ合衆国軍隊等
の事情、用地の関係等のため工事等が遅延したことによるものであります。 また、
不用額
十五億九千五百万円余は、電気料が予定を下回ったこと等により、
合衆国軍隊特別協定光熱水料等支出金
を要することが少なかったこと等のため生じたものであります。 以上をもって、平成五年度における
防衛庁関係歳出
の決算の
概要説明
を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
—————————————
前田武志
9
○
前田主査
以上をもちまして
防衛庁
・
防衛施設庁所管
の
説明
は終わりました。
—————————————
前田武志
10
○
前田主査
これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
浜田
靖一君。
浜田靖一
11
○
浜田
(靖)
分科員
きょうは
分科会
のお時間をいただきまして、特に
防衛庁
の自衛隊の隊員の処遇の問題、そしてまた生活勤務環境の
改善
等についてお話を伺ってまいりたいと思うわけであります。 ちょうど私が当選をさせていただいてから三年間、自衛隊の現場等を見させていただいておるわけでございます。きょうは長官がお見えでないわけでございまして、
中島
政務次官がお答えになっていただくわけでありますが、政務次官もいろいろと自衛隊の基地をお回りになって、いろいろと問題点等御認識のことと思うわけでございます。
防衛庁
の方でそういう意味では大変御努力をされまして、隊舎を含めいろいろな生活に関連した
施設
整備
というものは、これは
防衛庁
の重点施策としてやっておるわけでございますので、
整備
の方は大変進捗をしてきておると認識しておるところでございますけれども、しかしながら、まだまだ私の目から見ると、
整備
の所要は十分に達成されているとは言いがたいところがあるわけでございます。 例えば隊舎の場合ですと、これは
陸上自衛隊
の場合でありますけれども、八
年度
予算
を加味しても約五六%の
整備
率であり、浴場は約五四%、そしてまた食堂、厨房等の
整備
率は約七一%程度というふうになっておるわけでございます。 宿舎については全体所要の約九六%を確保してきておるわけでございまして、かなりの御努力の跡が見られるわけでございますけれども、既設の宿舎の
内容
を見ますと、建てかえ基準を超えた老朽宿舎がまだ約三千七百戸、約一一%あるわけでございまして、これは引き続き
整備
を必要としておると私は思うわけでございます。そして、これは地方の方は大分いいわけでありますが、都市部の方はまだ所要が十分に満たされていないような状況であるわけでございます。 今のものは要するに隊員の宿舎等のことでありますが、
整備
工場とか庁舎等の勤務
施設
整備
は、その所要に対して
整備
は極めておくれているというふうに聞いておるわけでございます。そしてまた、保管倉庫の約四〇%は旧軍以来使用していたものであって、老朽化がかなり進んでおるわけであります。 こういった問題について、今後の
整備
においては、生活関連
施設
の
整備
をもっと推進するとともに、勤務関連
施設
の
整備
についても
整備
を進めていく必要性があると私は思うのであります。そういう意味で隊員の処遇
改善
を本当に真剣に進めていく必要があると思うわけであります。無論、それは
防衛庁
の方でも与えられた範囲内で一生懸命努力なされていることは私自身も十分によくわかっておるわけでありますけれども、その点について御答弁願えればと思うわけでございます。
中島洋次郎
12
○
中島
(洋)
政府委員
浜田
委員の御質問にお答え申し上げます。
浜田
委員におかれましては、全国の自衛隊の部隊を本当に熱心に御視察いただいておりまして、その活動の御熱心さには心から敬意とまた感謝を表する次第でございます。今の御質問もそうした御体験を踏まえてのことであろうかと思いますが、委員がおっしゃるとおりでありまして、自衛隊関係の
施設
の
整備
につきましては、前の中期防から生活関連
施設
に重点を置いて
施設
整備
を進めてきたところでございます。 先ほど委員がおっしゃった
整備
率につきましては、
平成
八
年度
の終了時、完成時の
整備
率は、隊舎におきましては六二%、食厨におきましては七四%、浴場は六一%と多少
改善
が進む
予定
になっております。まだまだと言われればおっしゃるとおりかもしれませんが、順次生活関連
施設
の方は
改善
が進んできておるところでございます。 その一方におきまして、委員が御
指摘
の庁舎とか
整備
工場といった勤務関連
施設
の方につきましては、今申し上げましたように生活関連
施設
の
整備
が優先したこともございまして、古い
施設
が非常に多く残っているということは委員のおっしゃるとおりでございます。 今後の
施設
整備
の方針に当たりましては、新中期防におきましても、隊員の生活そして勤務環境、これは双方の向上を図るというふうにされております。生活関連
施設
並びに庁舎や
整備
工場等の勤務関連
施設
につきましても、重点を置いて
整備
を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
浜田靖一
13
○
浜田
(靖)
分科員
ぜひとも御努力を願いたい。考えますと、防衛とか安全保障、その責任を一身に背負っておるのが最前線の自衛隊員であるわけでございます。自衛隊員の皆さんが地域の皆さん方から尊敬をされ、そしてまた自分たちの気持ちというものをしっかり持って行動するためにも、
施設
はやはり見た目でございますので、そういう立派な
施設
の中で我々は国民の期待を一身に背負って常日ごろ訓練に励み活動しているというところが隊員諸兄の励みにもつながることでございますので、ぜひともその点において、十二分に御認識のこととは思いますけれども、特にこの点は御留意をいただいた中で今後の施策を進めていただければと思う次第でございます。 今度は
予備自衛官
制度についてちょっとお伺いをいたしますけれども、昨年政府は新防衛大綱をおつくりになったわけでございますが、その中で、弾力性の保持のために即応
予備自衛官
制度の導入を入れておるわけでございます。現行の
予備自衛官
制度を考慮した場合に、日本の国情において実効性ある制度とするためには、
予備自衛官
制度をしっかりとやらなければいけないわけでありますが、特に今度は、その
予備自衛官
を訓練する場合に、今の状況ですとなかなか多くの皆さん方がそれに参加できないというようなところもございまして、さすればその環境を
整備
しておく必要があるのではないか。その環境というのは、当然これは企業からの企業保障ですとか、逆に政府の方で言えば税制の優遇というようなことで、やはりその環境を醸成することが大変重要ではないかなと思うわけであります。 確かに、今回の防衛大綱においても自衛隊のコンパクト化ということが言われておるわけであります。その点ではこの
予備自衛官
制度の充実というのは欠かせないものがあるわけでございますので、その点で今後
防衛庁
としてどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせ願えればと思います。
中島洋次郎
14
○
中島
(洋)
政府委員
お答え申し上げます。 委員御高承のとおり、即応
予備自衛官
につきましては、昨年末策定されました新防衛大綱の別表におきまして、
陸上自衛隊
の編成定数十六万人のうち、常備
自衛官
は十四万五千人といたしまして、その残りを即応
予備自衛官
で対応することとしております。 この新防衛大綱のもとで策定をされました新中期防におきましても、一部の部隊は即応
予備自衛官
を主体として編成するというふうになっておりまして、中期防
期間
末の即応
予備自衛官
の人数をおおむね五千人程度と考えております。そして、即応
予備自衛官
を円滑かつ実効性のあるものとして導入をするため、新中期防におきましても、「所要の施策を講ずる。」ことと明記をいたしておるところでございます。
防衛庁
といたしましては、
平成
九
年度
以降、可能な限り
早期
に即応
予備自衛官
の導入を図りたいと考えております。そして、訓練出頭しやすい環境を
整備
するためにはいかなる
措置
をとったらいいのかということも含めて、ただいま検討をしておるところでございます。委員御
指摘
の点を参考にさせていただきながら、具体的な施策をこれからつくってまいる所存でございます。
浜田靖一
15
○
浜田
(靖)
分科員
これから検討ということでございますけれども、特に今回の即応
予備自衛官
制度というのは、今後そういう多くの方に体験も含めて企業から、それとはまたちょっと違うのですが、多くの国民の皆さん方に自衛隊というものをわかっていただくためにも、やはり環境の
整備
、それから広報活動等も含めてかなりその気になってやらないとこれは前に進んでいかない問題だと思いますので、ぜひともそういう御認識の中で今後の施策を進めていただきたいと思うわけでございます。 そして、これに関連することではありませんけれども、自衛隊の中で、地域住民の皆さん方と一生懸命になって自衛隊員の皆さん方が交流をなさっているわけでございまして、その御努力というのは本当に私が見ていてもよくわかるわけでございます。そういう意味からも、やはりもう少し自衛隊の方も
防衛庁
の方も広報
予算
というものを十分にとられて、できるだけ自衛隊をわかっていただく。国防と言うと非常に言葉がきついような気がするわけでございますけれども、安全保障というか危機管理ということで国民の皆さん方にこのごろは大分御理解をしてきていただいておるわけでございますので、さらに一層、その点でもいいアイデアを出していただいて、もっと呼びかけをしていただくことが非常に重要なのではないかなと思うわけでございます。 先に進ませていただきますけれども、そこで今度は、教育訓練のことについてお伺いをしたいと思うわけであります。
平成
七
年度
の
予算
は、伸び率が〇・八六%と極めて抑制されたものでありまして、教育訓練の一部中止等、自衛隊にとってはまさに身を切られるようなものになってしまったわけであります。私は、平時とか有事というのは余り好きではないのですが、このように自衛隊の平時での主体である教育訓練が十分できない状態では、部隊の士気、即応性の
維持
に影響が出るのではないかと大変憂えておるわけでございます。その意味では、我々政治家の責任なのかもしれませんが、自衛隊が十分に訓練できる環境を醸成することが重要だろうと私は思っているわけでございます。 有事、平時の話はあれなんですが、しかしながら、どこの消防署にしても警察官にしても何かあったときのために努力をしているわけであって、消防署なんかは、火事が起きてみんながパニック状態になっているときにいかに冷静沈着に行動するかというのは、日ごろの要するに心のマニュアル、そして体で動くマニュアル、それによって市民の皆様を火事だとかそういう緊急事態から守るための努力を積み重ねておる。どうも自衛隊の場合には、何か有事だとか平時だとかというと、有事というとすぐ戦争というような感じで、平時というと戦争のために努力しているみたいな感覚がそこに、我々の中にもあるのかもしれませんが、そうではないと私は思うのであって、消防署とかと同じように、やはり日ごろの訓練、要するに何があっても冷静沈着にすべての状態に対応するために訓練をするのであると私は思っておるわけであります。 その意味では、例えば
予算
が足りないから訓練ができませんでしたでは、特に航空関係、
航空自衛隊
等の飛行機を飛ばす、これはやはりどれだけの時間を飛んでいるかがパイロットの生命にもかかわることでございますし、またそういう技術を習得するためには長く空を飛んでいなければいけないのです。それを
防衛庁
にお聞きしますと、いや近ごろはシミュレーターが非常によくなりまして、それでかなりカバーしておりますというお話を聞くわけであります。しかしながら、そうはいっても、機械というものは
整備
もしなければいけない、そしてまた飛んでいる。パイロットの訓練もしなければいけない、そしてそれが経験となっていざというときのための対応としてそこに示されるわけでございますので、その点はちょっと、我々の側の問題なのかもしれませんが、この辺をよく考えて
予算
等も考えなければいけないのかなと私は思っているわけでございますが、その影響、
予算
が減ったことによって教育訓練が少なくなったということについて、少しお話を例えればと思います。
粟威之
16
○粟
政府委員
自衛隊の教育訓練につきましては、今先生がおっしゃるとおり、大変重要なものだと考えておりまして、私ども、隊員挙げて日夜厳しい訓練をやっているところでございます。 先生御
指摘
のとおり、七
年度
は
予算
が大変厳しゅうございました。一部訓練を中止したものもございました。八
年度
におきましては、
予算
は大変厳しい中ではございますけれども、七
年度
に中止した訓練、主要訓練でございますけれども、そういうものにつきまして、特に必要性が高いものから回復をしたところでございます。 例えば、
陸上自衛隊
の特科部隊が北海道の矢臼別演習場に行って、そこで長距離射程の射撃訓練をやっておりますが、これが従来、六
年度
までは十五個隊行っておりましたけれども、七
年度
にはそれが二個隊まで削減されました。しかし、今度八
年度
は、これを六個隊さらにふやしまして八個隊というふうにしております。 また、
海上自衛隊
では、各護衛隊群の群のまとまった訓練でございますけれども、これを六
年度
までは五回やっておりましたけれども、七
年度
は四回に削減しました。これも八
年度
で回復して、五回ということで六
年度
の水準に戻しました。 また、八
年度
には、それとは違いますが、例えば
陸上自衛隊
の九〇式
戦車
でございますけれども、これを今度は米国において射撃訓練を
実施
するなど、部隊の練度を確保するために新しい施策もいろいろと工夫しているところでございます。 それでもまだ七
年度
に引き続き八
年度
も中止したものもございます。そういうものにつきましては、先ほど先生の方からお話もありましたけれども、我々、コンピューターシミュレーターの積極的導入、さらに艦艇、
航空機
の効率的運用によって燃料の各種
節約
をやります等、きめ細かい工夫を凝らして、部隊の練度に極力支障がないように努力をしております。 今後とも、部隊の練度の
維持
向上につきましては必要な
経費
をぜひ確保していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
浜田靖一
17
○
浜田
(靖)
分科員
隊員の安全のためにも、ぜひともその点は考慮していただきたいなと思うわけでございます。 次に、ちょっとPKOにも関連することなんですが、先日は
防衛政務次官
もゴラン高原に行かれて、隊員の皆様を激励してきたということでございますけれども、今の自衛隊の任務というのは、我々
日本国
民を代表して各地域PKOに行かれておるわけでございます。今までPKOについては世界各国からも非常なるお褒めの言葉をいただいておるわけでございまして、現状のままでも確かに隊員の能力というものは十分に評価をされるところでありますが、ただ、そうはいっても、これからまさに国際交流、防衛交流とか、いろいろそういう点も新しいものも出てきておるわけでございまして、その意味では、人材をいかに育てるかということが大事になってくるわけでございます。 今の隊員の皆さん方は、PKOの任地に行かれてもしっかりとした語学で対応をしておられるわけでありますが、今度はもっと多くの隊員の皆さん方が、どこへ行ってもしっかりと語学でも対応ができて、その習慣にもなれて活動できる、行動ができるということが非常に重要なことだと思うわけであります。特に、このPKOというものが世界でも注目をされておる今日でございますので、この点について、要するに人材育成ですね、これに関してはどのように
防衛庁
はお考えになっておるのか。 そして、特に語学教育、確かに今、英語で大体がカバーできるわけでありますが、そうはいっても、ネーティブスピーカーですか、やはりそういう、そこの現地の言葉でしゃべれるということも非常に重要なことだろうと思うので、特に語学研修、語学教育というものについての考え方もあわせてお答え願いたいと思います。
粟威之
18
○粟
政府委員
今、先生御
指摘
のとおり、国際平和協力業務など、我が国の国際活動の場における自衛隊の重要性というのは大変増しておりまして、我々自衛隊の外国語教育の重要性というのは大変高まっておるところでございます。このため、
防衛庁
といたしましては、業務の国際化に対応するために、
計画
的に語学教育を
実施
することとしております。 特に、
平成
八
年度
のことをちょっと申し上げますと、英語技能検定、TOEICでございますが、これの受験をなるべく多くの人間にさせよう、こういうことで考えております。さらに、米国の話学研修所に研修に行かせる、さらに、外国人講師による教育の充実等の施策、こういうものを講じるようにして、隊員の話学能力の向上に努めているところでございます。特に、防大を初め各学校におきましては、
平成
六
年度
から、英語能力というか、英語の時間をふやしたり、それから語学の資材、器材を入れて、先ほど申しました外国人の講師をお招きしたり、そういうことで英語教育に大変力を入れているところであります。 また、人材ということでございますので、ちょっとまた観点が違いますが、教育機関に、
防衛庁
の防大、それから陸海空の幹部学校、幹部候補生学校などにも外国人留学生の受け入れを積極的にやっておりまして、これについても、そういう留学生と生活をともにすることによって日本人学生の国際的視野を広めていく、自衛隊業務の国際化に対応した
自衛官
の育成に資するもの、こういうふうに考えてやっておるところでございます。
浜田靖一
19
○
浜田
(靖)
分科員
ぜひとも語学教育に力を入れてやっていただいて、任務が完全に遂行できるように御努力を願いたいと思うわけでございます。 そして、自衛隊員の皆さん方の任務の重要性から考えれば、隊員の処遇面の充実というのは絶対必要と考えるわけであります。いろいろな今の世情を見ておりますと、どんなに学校の先生が大切な仕事であろうと、自衛隊員の皆さん方が大変な仕事をされておるといっても、やはり生活という基盤がしっかりしていて、心にゆとりがあって初めて模範的な態度がとれるという部分もあるわけでございますので、その処遇をまた
防衛庁
の方にはしっかりと考えていただきたい。これは特に答弁は要りませんので、ぜひともそういう面からも、自衛隊員が尊敬されるような、そういう裏づけになるような処遇というものを今後どしどし考えていただきたい。我々もそれはしっかりと支えて今後もやっていきたいと思うわけでございますので、ぜひとも自信を持ってやっていただきたいと私は思うわけでございます。私の時間が大分短くなってまいりましたので、最後に、これは橋本総理の御努力もありまして、沖縄の基地返還等も成ったわけでございますけれども、しかしながら、先ほども申し上げましたように、防衛関係費の伸び率というのは
平成
七
年度
は極めて抑制をされたわけでございまして、自衛隊の訓練は一部中止だとか、
装備品
の
維持
経費
等の抑制というように、自衛隊活動の制限をせざるを得ないような状況であったわけでございます。そこへもってきて、今度はその基地返還によって、確かにこれは我々にとっては大変すばらしい基地返還であったわけでございますけれども、しかしながら、基地の移転関連
経費
を防衛関係費の中で取り扱うようなことになると、これは自衛隊まで活動を停止しかねないような状況になると思われるわけでございます。
日米
関係というのは日本にとっては極めて重要なものであって、そのための
経費
負担というのはやむを得ないわけであります。しかしながら、その一方で、日本の安全を守る自衛隊を正常な状態で
維持
するということも非常に重要であるわけでございます。とすれば、私は、沖縄関連の
経費
というのは防衛関係費の枠外で取り扱うべきではないかと思うわけでございます。そうでなければ、今のような状況の中でこれを防衛費の枠内で取り扱うということになれば、とてもではないけれどもこれはもたないというふうに私は思うのでありますが、
防衛庁
としてはどのようにお考えでしょうか。
中島洋次郎
20
○
中島
(洋)
政府委員
委員御高承のとおり、沖縄におきます
施設
及び
区域
に関しましては、SACOという特別委員会を設置いたしまして、安保条約の目的達成との調和を図りつつ、整理統合・縮小を実効的に進めるための方策につきまして検討を行ってまいりまして、四月の十五日に中間報告という形で進展ぐあいを取りまとめたところでございますが、これにつきまして、その翌日には閣議決定を行っております。 これは、この中間報告で取りまとめられた
措置
の的確かつ迅速な
実施
を確保するために、「法制面及び
経費
面を含め総合的な観点から早急に検討を行い、十分かつ適切な
措置
を講ずる」というふうになってございます。これは委員御
指摘
のとおり、一
防衛庁
だけですべて賄える問題ではございませんで、政府を挙げてこれに取り組むという決意を明確にしたものと言えると考えるものでございます。 そして政府は、この中間報告等の実現のため、関係省庁及び沖縄県の代表によりますタスクフォースを設置しまして、中間報告にあります
措置
を確実に実現するため、閣議決定の趣旨を踏まえて問題の解決を図っていくこととしておりまして、十一月に向けまして引き続き
日米
間で協議を行っておるところでございます。 御
指摘
の
経費
等につきましても、具体的にその額、また、どの部分をどこの
予算
で賄うかにつきましては、これは今後の基地の移転等具体的な中身が検討されていく中で決まってくるものでございまして、現段階で確たることを申し上げる状況にはございませんが、
防衛庁
といたしましては、そうした所要
経費
をきちんと見積もりまして、当該施策を着実に
実施
するための財源につきましても、委員御
指摘
の御心配を踏まえてきちんと対応していく必要があると考えておるところでございます。
浜田靖一
21
○
浜田
(靖)
分科員
時間がなくなりましたのでこれで終わらせていただきますけれども、最後に、
防衛庁
の皆さん方の御努力は十分によくわかるわけでありますが、最前線で我々の安全を守っておられるのは自衛隊の皆様方でございます。ぜひともその点を十分に考慮の上、確たる自衛隊をつくるためにも皆さん方のさらなる御努力を心から
お願い
いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
前田武志
22
○
前田主査
これにて
浜田
靖一君の質疑は終了いたしました。 次に、
上田
勇君。
上田勇
23
○
上田
(勇)
分科員
新進党の
上田
勇でございます。 本日はお時間をいただきまして、在
日米
軍
施設
、とりわけ私の地元であります神奈川県内の
施設
に関しまして、何点かにわたりまして
防衛庁
並びに
防衛施設庁
の見解をお伺いしたいというふうに思います。 私は、
日米
安全保障条約
、これは我が国初め極東地域の安全保障の根幹をなすものでありまして、今後とも当然堅持していく必要があるという認識に立っている者であります。したがいまして、在
日米
軍が良好な環境のもとで駐留できるように努力していく、これは我が国の責任であるというふうに考えているわけであります。ただ、そうした認識を踏まえた上で、現状の米軍
施設
のあり方について幾つか疑問に感じる点もありますので、政府の考え方をただしたいというふうに考えております。 私の地元の神奈川県にも数多くの米軍
施設
が存在しております。もちろん沖縄県に比べれば十分の一にも満たない面積でありますけれども、それでも米軍関連の
施設
は約一千九百ヘクタール、県の面積の〇・八%に相当しておりますし、四十七都道府県の中でも、上から沖縄、青森に次いで第三位ということになっております。その中には、横須賀の海軍
施設
あるいは厚木の海軍飛行場など基幹的な
施設
もたくさんありまして、また大変な議論を呼びました池子住宅なども県内にあるわけであります。 今申し上げました基幹的な
施設
など、いわゆる防衛上直接に関係する
施設
というのでしょうか、防衛政策の根幹にかかわるような
施設
については、ここで議論を行っても、私の方の準備もできておりませんし、時間の制約もございますので言及はいたしません。 むしろその他の補給とか、いわば付帯的な比較的小規模な
施設
、これも県内に多数散在しております。横浜市内だけでも七カ所ありまして、これは通信
施設
などを除いたとしても、そういう補給
施設
、住宅などが七カ所ございます。合計面積が百七十ヘクタールという実態になっております。例えば根岸の住宅、横浜ノースドック、これは港湾設備であります。富岡倉庫、小柴貯油
施設
、鶴見貯油
施設
、神奈川ミルクプラント、横浜冷蔵倉庫、そういった
施設
があるわけであります。 こうした比較的小規模な米軍
施設
の現状を見ますと、これは何か非常に散在しておりまして、無秩序というのでしょうか無
計画
というのでしょうか、しかも多くが密集した市街地の中に存在しているのが現状であります。普通に考えますと、それらの
施設
の利用目的、利用状況あるいは輸送路等のアクセスの状況、こういった立地の合理性に疑問を感じるわけであります。また、こうした
施設
の多くは、先ほど申し上げました市街地の真ん中にあるというようなこともありまして、都市
計画
あるいはその地域の再開発などにも多くの支障を来しているというのが現実であります。 先ほど申し上げました
施設
をいろいろ押しなべて見ていく中に、既にその目的、その必要性が少なくなっているものであるとか、極めて利用率の低い
施設
もあります。こうした
施設
については廃止あるいは縮小を図るべきであるというふうに考えますし、立地
条件
が不適切になってしまっているものについては再編、移設といった
措置
を図るべきだというふうに考えますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
小澤毅
24
○小澤
政府委員
お答え申し上げます。 ただいま先生からお話ございましたように、現在横浜市内におきましては、いわゆる米軍に
提供
しております
施設
・
区域
といたしましては、横浜ノースドック、鶴見貯油
施設
、神奈川ミルクプラント、根岸住宅地区、富岡倉庫地区、小柴貯油
施設
、それと池子住宅地区及び海軍補助
施設
、さらに通信
施設
として上瀬谷通信所、深谷通信所というのがございます。 このうち、ただいま先生がいろいろ具体的に名前を挙げられました横浜ノースドック、ミルクプラント、鶴見貯油
施設
、富岡倉庫等につきましては、これは確かにいわゆる大きな
施設
ということではございませんけれども、やはり米軍の運用上どうしても必要な
施設
であるというふうに我々は認識しておるところでございます。 その前に、まず立地
条件
について一つお答え申し上げたいと思います。 これら
施設
につきましては、多くのものがいわゆる旧軍のものをそのまま米軍が引き継いで、いわゆる接収したというところから経緯が始まっておりまして、その後、米軍の中、または我々国内におきましても、いろいろ見直し作業等を行っております。 例えば、横浜市内に所在しておりました山手住宅地区の住宅等につきましては、横須賀の海軍
施設
や厚木飛行場へ四十七年までに全部
移し
て返還したとか、さらに横浜べーカリーの
施設
につきましては、これは特にどこに設置することという
条件
なしで昭和五十二年に返還しております。またさらに、横浜海浜住宅地区、新山下住宅地区、横浜チャペルセンター、根岸住宅地区の一部等につきましては、これをほとんど横須賀海軍
施設
に移設するなどしまして、昭和五十三年から五十七年にかけて返還する、こういうことで、横浜市内における
施設
・
区域
の整理統合といいますか縮小と申しますか、これについては我々いろいろ努力してきているところでございます。 また、横浜市また神奈川県の御
当局
からもいろいろ
施設
・
区域
の返還の要望等がございますので、その辺の調和を図りながら、今現在
施設
の運営等に当たっているところでございます。 なお、最近の例といたしましては、先ほど先生もお挙げになりました神奈川ミルクプラントにつきましては、これを横浜のノースドック地区に統合するということで、これをさらにまた地域の方々の御利用に供すことができるというふうなことで現在作業を進めておるところでございます。 また、横浜冷蔵倉庫につきましては、現在暫定でございますけれども、大黒埠頭の方にこれを
移し
て、最終的にはこれもやはりノースドックの方に集約するというふうなことで、横浜冷蔵倉庫につきましては、いわゆるみなとみらい、MM21の作業に支障を来さないように我々いろいろな工夫を重ねているところでございます。
上田勇
25
○
上田
(勇)
分科員
今の御答弁の中に神奈川ミルクプラントの話が出ました。また、今御答弁にあったように、大変ゆっくりでありますが、かなりの
施設
が市街地の拡張に合わせるように返還されてきているということに対して、その御努力は大変評価するものでありますけれども、例えば今答弁の中で触れられましたミルクプラント、これは既に移転、跡地返還が決定済みということでありますが、私もそのごく近所におりまして、昔からしょっちゅうその前は通っているので、若干所感を述べさせていただきたいのです。 その
施設
というのは、牛乳や乳製品、これはアイスクリームなどだそうですが、その製造
施設
であるわけであります。接収されました昭和二十一年当時、これは日本では余り乳製品を食べなかったわけでありますので当然専用
施設
が必要であるということはわかるわけでありますが、果たして今日までその
施設
が本当に必要であったのか。また、これは聞くところによりますと、米国の民間業者に委託されて運営されているというふうに聞いております。我が国の国内にもむしろ乳製品は過剰ぎみでございまして、十分対応可能であるというふうに考えますし、加工品は、どんどんもう我々の周りに輸入品があるわけですから、製品として輸入すれば事足りるというのが常識的な考え方じゃないかというふうに思うわけであります。 それで、ここの地域は、現況を若干申し上げますと、JRの東海道線、幹線であります、それと京浜急行の線路の間に挟まれたような、横浜駅からも歩いて行けるぐらいの市街地の真ん中でございます。例えば普通の民間の工場であったとしても、こんなところに乳製品の工場というのはもはや立地
条件
としては余り適しているとは常識的には考えられぬじゃないかとも思いますし、ここは周辺は極めて密集した住宅街でありまして、都市
計画
上もまた地域の住民からも、地域の
整備
開発のためにも大きな支障になってきたという声はもうずっと前から多分皆さんの方にも届いているのじゃないかというふうに思います。 私、ようやく移設が決まったことは大変評価するわけでありますが、余りにも対応が遅過ぎるということは、これはちょっと批判を免れないのじゃないかというふうに思います。 また、先ほど申し上げましたように、同
施設
の移設でありますが、その必要性自体も大変疑問に思いますし、また移設先の横浜ノースドックも、これも場所的にいえば横浜港のほとんど中心に位置しているところであります。そういったところが適切な場所とは余り考えられないような感じもいたしますし、当然この
施設
の
提供
、移設には
防衛施設庁
の
予算
が入っているわけでありますね。もうちょっとその辺を整理、検討する必要があるのじゃないかというふうに考えるわけであります。 それはともかく、こうした
施設
の必要性あるいは
施設
の効率的な運用というような観点から、これまでに、例えば米軍側からの申し出がある前に同
施設
の廃止や移設といったことを検討されたことがあるのか。また、
日米
合同委員会、そのもとでの実務レベルの協議が頻繁に行われていると思うのですが、そうした協議の中で我が国側から問題を提起し話し合われたことはあるのか。あるのなら、いつごろからそういう作業が行われてきたのか。経緯も含めて御
説明
いただきたいと思います。
小澤毅
26
○小澤
政府委員
まず、ミルクプラントの必要性について申し上げたいと思います。 このミルクプラントにつきましては、ただいま先生御
指摘
ございましたように、本土に駐留いたします米軍、北は三沢から始まりまして、ずっと岩国、佐世保近くまでのいわゆる乳製品の一括的な製造と管理を行っているというふうに我々承知しております。 この
施設
につきましては、確かに今現在日本でも乳製品はいろいろございますけれども、規格の問題だとか米軍の嗜好の問題とか、何かいろいろそういうような問題等がありまして、やはり米軍としてはこの機能はぜひ
維持
していきたいということでございまして、移設を
条件
に、市街地の再開発また横浜市民、県民の皆様方への利用ということが有効になるように、その返還についてお互いに合意したというものでございます。 次に、
施設
の返還等につきまして
日米
間でどのような協議が行われているかということでございますけれども、主として横浜地区についての関係を申し述べますと、昭和四十三年に第九回の
日米
安全保障協議委員会が開催されております。これは、御承知のように、
日米
の防衛、国務関係のトップが集まる
会議
でございますけれども、ここにおいて山手住宅地区についての返還というものが合意されております。またさらに、昭和四十八年に同じく第十四回の
日米
安全保障協議委員会が開催されておりまして、ここでやはり横浜市内の住宅関係の返還、移転というふうな問題等が議論されております。 そのほかにも、個々の
施設
につきましては、地域の方々の御要望、さらに市
当局
等の御要望、これはいろいろな席で我々もお伺いしますし、また市
当局
からの陳情等も受けております。それらを受けまして、常に合同委員会等の場におきまして
施設
・
区域
の見直し等につきましては話し合っているところでございます。そのようなことから、個々の
施設
につきましても逐次これの返還というものが実現しておるというところでございます。 またさらに、最近の例といたしましては、上瀬谷におきます電波
障害
関係の防止等につきましても、これは
日米
間のいろいろな話し合いの結果、
平成
七年四月一日から電波
障害
制限
区域
の廃止という
措置
が実現されたというような経緯もございます。
上田勇
27
○
上田
(勇)
分科員
いろいろ協議の場で大変な御苦労をされているのは十分わかるわけでありますけれども、これはやはり米軍もそれから我が国の地域も双方のメリットになるような
計画
を立てていかなければいけないことであると思いますし、こうした
施設
、幾つか事例が今述べられたわけでありますが、また今のミルクプラントの話なども、私はちょっとこれは普通の感覚では到底理解できるようなお話ではないと思うのですね。 これは協議の場で大変御苦労されているというのはわかるのですが、それでは、今度移設が決まりましたけれども、今まであった地区は亀住町というところであります。そこに行って、いや、アメリカ人は我々と違う乳製品を食べるからミルクプラントというのはどうしても必要なんだと。ところが、スーパーに行ったらアメリカから輸入されておる牛乳、チーズなどというのはもうごろごろしているわけですよね。こうした
説明
というのはなかなか理解が得られるものじゃないのじゃないか、これはもう率直な感想であります。 そのほかの
施設
、先ほど挙げさせていただいた
施設
などを見てみましても、例えば先ほど必要な
施設
の一つに挙げられていました富岡倉庫の
施設
なども、これも倉庫とはいっても上屋などがもうほとんどない、いわゆるストックヤードでありますね。確かに近くを通ってみますと若干の鋼材などが野積みになっておりますが、さびだらけになっております。余り移動がされているような気配もございません。どうも余り高度に利用されているというふうには感じられないのが現実であります。 あと小柴の貯油
施設
、これはいろいろと鶴見の貯油
施設
とあわせて利用されているというのはわかりますが、その真ん前に立つと何百棟に及ぶような大規模な住宅団地が目の前にあります。これは引火性の高い航空燃料の貯蔵
施設
としては立地
条件
としてもはや余り適切ではないのじゃないのかなというのが、これは素人考えかもしれませんが、率直な感じであります。 横浜ノースドックなども、ある
資料
によると最近十年ぐらいは年に一回か二回しか利用されていないというふうにもありますし、ここも場所的には横浜駅、みなとみらい地区などからも非常に隣接の地区でありまして、周辺は第一京浜国道が前を通っている交通量も極めて多い地域であります。ここで兵員や車両の陸揚げをして輸送するというのは、ここはもう慢性的な渋滞地域でありまして、とても適切な立地
条件
とは考えられないというのが率直な感想なんです。 私の方も専門的な知識を持ち合わせているわけではないので、ごく常識的な観点から所見を述べさせていただきましたけれども、たとえ専門家の目から見ても、そうした判断というのはそれほどかけ離れていないのではないか。そうした専門家の見方がそれほど違うというようなことであれば、これはちょっと技術上というのでしょうか、その辺が問題があるような感じがするわけであります。 今、これまでの努力、あるいはこれからも努力していっていただけるというお話がありました。今私が幾つか事例を挙げたのは、率直な、ごく普通の人間がその
施設
の近くにいる、あるいは見たときに感じるところでありますので、ぜひともこれは、よりそういう立地
条件
などを考慮した上で、場合によっては廃止、縮小、移転なども今後ともひとつ検討していっていただきたい、このことを要請させていただきたいと思います。 私も、これらの
施設
が地元からなくなってどこか遠くへ行ってしまえばいいと言っているわけではないのですけれども、これらの
施設
が設けられてから、もう既に五十年近く経過しているものがほとんどであります。その時点から見れば周囲の環境が著しく変化しているわけでありますし、当時は良好な地点だったのかもしれませんが、今やもはや不適当になっている、そういう経緯も確かにあるのだというふうに思います。そういう意味で、
施設
の機能が米軍にとってもより効率的、効果的に発揮できるということにも寄与するのではないかとも考えるわけでありまして、こうした問題について我が国の方から、都市
計画
あるいは周辺の状況などを踏まえた上で、早い時期に前広に問題を提起して、協力して検討していくべきではないかというふうに考える次第であります。 そういう意味で、
施設
がもう四十年、五十年経過しておりまして、かなり老朽化しているわけであります。更新の時期に来ているものも多いというふうに思います。したがって、タイミングとしては、こういう
計画
の見直し、再配置には非常に適切な時期に来ているのではないかと思うわけでありまして、ぜひともその点
早期
な対応を
お願い
したいというふうに思います。 それで、時間の制約もありまして次の話に移らせていただきますが、神奈川県内には、横須賀の海軍
施設
であるとか厚木の飛行場などの米軍
施設
を我が国の自衛隊が共同で利用しているケースがあります。この横須賀、厚木というのは、どちらも我が国の防衛政策上極めて重要な
施設
であるというふうに考えます。 この共同利用の根拠は、
日米
地位
協定
の二4(a)の一時的な使用ということになっております。これは、
地位
協定
の条文を読んでみますと、「一時的に使用していないときは、」使用してよろしいというようなことであります。 この後段の部分をどういうふうに理解するのかは解釈が違うのかもしれませんが、私が読む範囲においては、米軍が必要と認めるときは自衛隊がどかなければいけないというふうに解せるわけであります。それでは、これらの
施設
、しかも極めて重要な
施設
におきます自衛隊の存立が、法律的な根拠が極めて不安定なのではないかというふうに感じるわけであります。 本来ならば、自衛隊が利用している土地というのは、我が国に一たん返還してもらって、自衛隊が国有地に
施設
を設ける、そこにおいて安定した防衛上の役割を果たしていくというのが本来の形ではないかと思うのですが、この二4(a)によって利用するとしている理由は何なのか、その辺を御
説明
いただきたいと思います。
藤島正之
28
○藤島(正)
政府委員
先生御
指摘
のように、二4(a)でございますけれども、米軍が使用している中で一時的に使用していない場合には、
日本国
政府は「みずから使用し、又は
日本国
民に使用させることができる。」この規定によっているわけでございます。一方、二条四項(b)というのがございまして、これは逆に自衛隊の
施設
につきまして一時的に米側に使用させている、この両方で成り立っているわけでございます。 御承知のように、我が国は国土が狭い中にぎりぎりの基地を持っているわけでございますので、やはり効率的に使用していくため、あるいは我が国有事のためには共同の対処という面もあるわけでございますので、そういう観点からも、米軍と自衛隊が相互に一時的に使用していない部分について使用し合うという必要があるわけでございます。
上田勇
29
○
上田
(勇)
分科員
もちろん、自衛隊の
施設
の手当てについては、当然
施設
庁の方でいろいろな地元の調整だとか大変な御苦労をされているわけでありまして、そういう意味では、米軍の
施設
との共同利用というのは、ある意味で苦肉の策ということでは十分理解できるのです。もちろんそういう共同利用するところでは、私も、本来であればもっと地元の協力が得られるのがいいことなのだと思いますけれども、現状においてやむを得ざる
措置
であると思いますし、おっしゃったように、土地の有効利用という意味ではいいことだと思うのです。 その上で、厚木にも横須賀にも既に自衛隊が駐留しております。二4(a)の条文を見ますと、ただし書きがあります。この中では「両政府間に合意された場合に限る。」というふうになっております。この「合意された場合」以外の状況というのですか、多分これは、わざわざ一時利用ということは、その合意がない場合にはどういうことを考えるかということを想定されていることだと思うのです。自衛隊の方が万が一の場合にどいてくださいというような形、そういうことがなければ当然これは返還されて国有地になればそれで済むことでありますので、そうでないということはそういう事態を何か想定されているのだと思うのです。ただし書きでは「両政府間に合意された場合に限る。」というわけでありますから、これ以外の場合というのはどういう場合を想定されているのか、ひとつ御
説明
いただきたいと思います。
小澤毅
30
○小澤
政府委員
二条四項(a)につきまして、確かに条文上におきましては「ただし、この使用が、」云々として「両政府間に合意された場合に限る。」ということになっておりますけれども、これにつきましては、ただいまの先生のお話と我々の解釈とはちょっと異なる点がございます。 我々はこれにつきましては、要するに
日米
双方できちっとした合同委員会という場を通じてこういうことができる、共同使用ができるということをこの
地位
協定
で明示しているというふうに解釈しておるところでございます。したがいまして、これ以外の場合による共同使用というものにつきましては一般的にはあり得ないということでございます。 ただし一点、一方、
地位
協定
第三条におきましては、アメリカの
合衆国軍隊
は
施設
・
区域
内においてあらゆる
措置
をとれるというふうな条項もございます。これに基づきまして、いわゆる米軍の管理権のもとでいろいろ共同使用をしているという例はごくまれにはございます。
上田勇
31
○
上田
(勇)
分科員
今の御答弁を理解いたしますと、これはいわゆる共同使用の始まりの部分を規定しているわけであって、一たん共同使用が始まった場合においては、それが米軍の事情によって自衛隊の存立あるいはそこの存在が、どいてくれと否定されることはまず想定されないというふうに理解してよろしいわけでございますね。 そうすると、ちょっとこの問題、幾ら
日米
安保の信頼関係の上に立っているとはいっても、やはり自衛隊は我が国の防衛の重大な責務を担っているいわゆる防衛の一元的なところでございますので、それが何か使用していないから一時的に貸してあげるみたいなところで駐留しているのは、どうも不安定で理解に苦しむところでございます。 ちょっと私の意見だけを述べさせていただきまして、時間でありますので、これで終わらせていただきます。 以上でございます。ありがとうございました。
前田武志
32
○
前田主査
これにて
上田
勇君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして
防衛庁
・
防衛施設庁所管
の質疑は終了いたしました。
—————————————
前田武志
33
○
前田主査
次に、
外務省所管
について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。小川
外務政務次官
。
小川元
34
○小川(元)
政府委員
外務省所管
平成
四
年度
決算
につきまして御
説明
申し上げます。
平成
四
年度
外務省所管
一般会計歳出
決算
につきましては、
概要
次のとおりでございます。
歳出予算現額
は七千八百二十三億七千五十万円余でありまして、
支出済み歳出額
は六千六百四十九億五千二百五万円余、翌
年度
繰越額
は一千百二十三億三千六百十五万円余、
不用額
は五十億八千二百二十九万円余であります。
歳出予算現額
の内訳は、
歳出予算額
六千五百二十五億一千七百四十四万円余、前
年度
繰越額
一千七十三億九千三百三十六万円余、
予備費
使用額二百二十四億五千九百六十八万円余であります。 以上、
平成
四
年度
の
外務省所管
一般会計の
決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げました。 何とぞよろしく御審議のほどを
お願い
申し上げます。 続きまして、
平成
五
年度
決算
につきまして御
説明
申し上げます。
平成
五
年度
外務省所管
一般会計歳出
決算
は、次のとおりでございます。
歳出予算現額
は八千四百七十六億八百四十九万円余でありまして、
支出済み歳出額
は七千二百七十九億五千六百九十三万円余、翌
年度
繰越額
は一千百八十億三千五百七十八万円余、
不用額
は十六億一千五百七十七万円余であります。
歳出予算現額
の内訳は、
歳出予算額
七千百七十七億六千六百三十一万円余、前
年度
繰越額
一千百二十三億三千六百十五万円余、
予備費
使用額百七十五億六百二万円余であります。 以上、
平成
五
年度
の
外務省所管
一般会計の
決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げました。 何とぞよろしく御審議のほどを
お願い
申し上げます。
前田武志
35
○
前田主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院
深田第一
局長
。
深田烝治
36
○深田
会計検査院
説明
員
平成
四
年度
外務省の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 次に、
平成
五
年度
外務省の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
前田武志
37
○
前田主査
この際、お諮りいたします。 お
手元
に配布しております
決算概要説明等
のうち、ただいま
説明
を聴取した部分を除き、詳細な
説明
は、これを省略し、本日の
会議録
に掲載したいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
前田武志
38
○
前田主査
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
—————————————
外務省所管
平成
四
年度
決算
の
概要説明
外 務 省
平成
四
年度
外務省所管
一般会計歳出
決算
につきまして、その
概要
をご
説明
申し上げます。
歳出予算現額
は七千八百二十三億七千五十万円余でありまして、
支出済歳出額
は六千六百四十九億五千二百五万円余、翌
年度
繰越額
は一千百二十三億三千六百十五万円余、
不用額
は五十億八千二百二十九万円余であります。
歳出予算現額
の内訳は、
歳出予算額
六千五百二十五億一千七百四十四万円余、前
年度
繰越額
一千七十三億九千三百三十六万円余、
予備費
使用額二百二十四億五千九百六十八万円余であります。 次に、
支出済歳出額
の主なものは、経済協力の一環として、青年海外協力隊派遣、開発調査、センター協力、機材供与、保健医療協力、農林業協力、産業開発協力、開発協力、専門家養成確保等の事業、アジア諸国等の開発途上国に対する経済開発援助及び国連開発
計画
等の多数国間経済技術協力のための拠出等に要した
経費
四千五百八十二億一千四百九十一万円余、エネルギー対策のため国際原子力機関に対し同機関の憲章に基づく分担金及び拠出金として三十四億八千七百六十二万円余並びに各種国際機関に対する分担金等として六百億六千四百二十八万円余であります。 次に、翌
年度
繰越額
について申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰越のものは一千百二十一億四千七百五十八万円余でありまして、その内訳は、経済開発等援助費九百五十四億三千八百四十二万円余、食糧増産等援助費百六十七億九百十五万円余及び財政法第四十二条の規定による事故繰越のものは食糧増産等援助費一億八千八百五十七万円余であります。
不用額
の主なものは、経済協力費の項で、経済開発等援助費を要することが少なかったこと、国際分担金其他諸費の項で、国際機関等拠出金を要することが少なかったこと、並びに在外公館の項では、
職員
諸手当を要することが少なかったこと等のためであります。 以上、
平成
四
年度
の
外務省所管
一般会計の
決算
につきまして、その
概要
をご
説明
申し上げました。 何とぞ、よろしく御審議のほど、
お願い
申し上げます。
—————————————
外務省所管
平成
五
年度
決算
の
概要説明
外 務 省
平成
五
年度
外務省所管
一般会計歳出
決算
につきまして、その
概要
をご
説明
申し上げます。
歳出予算現額
は八千四百七十六億八百四十九万円余でありまして、
支出済歳出額
は七千二百七十九億五千六百九十三万円余、翌
年度
繰越額
は一千百八十億三千五百七十八万円余、
不用額
は十六億一千五百七十七万円余であります。
歳出予算現額
の内訳は、
歳出予算額
七千百七十七億六千六百三十一万円余、前
年度
繰越額
一千百二十三億三千六百十五万円余、
予備費
使用額百七十五億六百二万円余であります。 次に、
支出済歳出額
の主なものは、経済協力の一環として、青年海外協力隊派遣、開発調査、センター協力、機材供与、保健医療協力、農林業協力、産業開発協力、開発協力、専門家養成確保等の事業、アジア諸国等の開発途上国に対する経済開発援助及び国連開発
計画
等の多数国間経済技術協力のための拠出等に要した
経費
四千八百十七億五千二百八十八万円余、エネルギー対策のため国際原子力機関に対し同機関の憲章に基づく分担金及び拠出金として四十億七千百三十一万円余並びに各種国際機関に対する分担金等として七百六十六億五千六百五十万円余であります。 次に、翌
年度
繰越額
について申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰越のものは一千百七十七億五千八十万円余でありまして、その内訳は、外務本省
施設
費二十八億九千八百六十七万円余、経済開発等援助費九百七十六億五千八百八十万円余、食糧増産等援助費百七十一億九千三百三十三万円余及び財政法第四十二条の規定による事故繰越のものは経済開発等援助費二億八千四百九十八万円余であります。
不用額
の主なものは、外務本省の項で、
退職手当
を要することが少なかったこと、国際分担金其他諸費の項で、国際機関分担金を要することが少なかったこと、並びに在外公館の項では、
職員
諸手当を要することが少なかったこと等のためであります。 以上、
平成
五
年度
の
外務省所管
一般会計の
決算
につきまして、その
概要
をご
説明
申し上げました。 何とぞ、よろしく御審議のほど、
お願い
申し上げます。
—————————————
前田武志
39
○
前田主査
以上をもちまして
外務省所管
の
説明
は終わりました。
—————————————
前田武志
40
○
前田主査
これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
前原
誠司
君。
前原誠司
41
○
前原
分科員
外務省の
決算
につきまして御質問をさせていただきたいと思います。小川政務次官、また林
局長
、畠中
局長
にお忙しいところ御質問いたしますが、よろしく
お願い
いたします。
決算
という観点からいろいろと質問をさせていただきたいと思うわけでありますが、私のきょう質問をする
内容
はODAであります。後ほど、総務庁の行政監察や
会計検査院
の報告に従って個別案件の
改善
状況等を御質問したいと思いますが、その前に、全体のODAの問題、また問題意識について御質問をしたいと思います。 私自身は、ODAそのものの重要性というのは十分認識しております。もともと日本も、戦争の荒廃から今のような状況になってきたというのは、いろいろな国の援助があったわけでありますし、また現在においても、日本が援助をすることによって、貧困とかあるいはそれを原因にする争いというものがODAによってなくなっている、あるいは少なくとも予防できているという観点からしたときに、ODAの重要性というのは紛れもないものだというふうに思っております。 しかし、ODAというのは、防衛の問題と同じでなかなか理解をしてもらえない部分があります。目に見えにくいというか、間接的にそれを予防するというのは、国民にはなかなか理解のしにくい問題であります。したがって、なおさらODAについては、国民の理解を得るために、ODA大綱に基づいた的確かつ、言ってみれば戦略的なものでなくてはいけないと私は思うわけであります。 そこで、大局的な御質問になるわけでございますが、現在ミャンマーの情勢もさらに混沌としてきたような気がいたします。NLDという国民議会に対する軍事政権の弾圧も伝えられておりますし、また中国の援助については、核実験の継続あるいは台湾総統選挙のときの威嚇にも類するような軍事演習ということで、これに対してODAをやっていく必要性というものをもし外務省が感じておやりになっているのであれば、相当程度御
説明
が必要なのではないかと思うわけでありますが、今後のミャンマーあるいは中国に対するODAについてどのような方針で臨まれるのか、まずお伺いをしたいと思います。 〔主査退席、福田主査代理着席〕
小川元
42
○小川(元)
政府委員
ODAの大綱には、その四原則の運用に当たっては、相手国の要請、社会的状況及び二国間の
関係等
を総合的に判断して援助を
実施
する旨述べております。我が国と各相手国との関係が種々異なる場面が多いわけでございますので、そうした関係を総合的に勘案をしながら大綱を運用してきているところでございます。 委員御
指摘
のミャンマーの経済協力につきましては、八八年の国軍のクーデター以降、我が国の援助は原則として停止をしてまいりました。しかしながら、九五年七月のアウン・サン・スー・チー女史の自宅軟禁解除に伴いまして、同国の事態の進展が図られてきておりましたので、この方針を一部見直しまして、民主化及び人権状況の
改善
を図りつつ、当面は、既往継続案件や民衆に直接関係のある生活の基礎的部分についてもケース・バイ・ケースで検討していく方針でございます。 今後のミャンマーの経済協力の
実施
に当たりましては、当然のことでありますけれども、今般の事情も踏まえまして、ODA大綱に沿って対処していく方針でございます。 いずれにいたしましても、我が国といたしましても、今後とも、ミャンマー政府とNLDがこの緊張を乗り越えまして民主化の実現に向けて努力していくことを強く期待しておりまして、両方の勢力とのチャンネルを有効に生かしつつ、ミャンマーの国民和解の実現に向けて強く働きかけていきたい、こう考えております。 また、対中経済協力は、委員御承知のとおり、改革・開放経済の進展に伴いまして中国と日本の関係が安定的に推
移し
ていくということが、アジア太平洋諸国のみならず、世界の平和と繁栄に貢献するというものだと考えておりまして、この経済協力が我が国の対中政策の基本的な部分をなしております。 一方中国は、九五年八月、我が国の再三の申し入れにもかかわらず核実験を
実施
いたしておりまして、我が国といたしましては、これに対して強い遺憾の意を伝えるとともに、御承知のとおり対中無償協力の、一部例外を除いて供与しないという前例のない強い
処置
をとったところでございまして、我が国の中国の核実験反対という立場はこれによって明らかになったというふうに考えております。 今後とも、政府といたしましては、対中協力につきましては、ODA大綱を踏まえて、諸般の事情を総合的に勘案をした上で適切に対処していきたい、こう考えております。
前原誠司
43
○
前原
分科員
今次官が御答弁をされましたことで結構だと思います。 ODAについては、これは政府の専権
事項
でありますので、これは機動的にかつ戦略的にやっていただければいいと思いますけれども、
予算
をつけるのは国会でございまして、国会というのは国民の総意が代表されるところであるということも踏まえて、幾ら専権
事項
といっても、国民が理解をしないことをやられると、それが評価として出てこない、そして
予算
をつける我々の立場としても苦しい状況になる。 ただ、一番初めに申し上げましたように、なかなか理解しにくい問題ではあると思うのですね。直接何か利益のあるものだったら国民にも
説明
しやすいですけれども、間接的に、平和な環境をつくるとか貧困をなくすことが回り回って我々のプラスになるということはなかなか難しい問題と思います。そういう点は我々も努力をしますけれども、政府としても、ぜひ広報活動もやっていただいて、国民の理解を得られるように引き続き努力をしていただきたいと思います。 個別の事例に入らせていただきます。 まず、
会計検査院
から出されております報告に基づいて御質問をしたいと思うわけであります。
会計検査院
がいろいろなプロジェクトに対して現地調査を
実施
されております。その中で、
会計検査院
の報告によりますれば、
平成
四年は四件、五年は五件、
平成
六年が六件の
指摘
があるということであります。
平成
六年については、七十七事業についての現地調査を
実施
されており、そのうちの六事業について「援助の効果が十分発現していない事態が見受けられた。」こういう報告があります。 おしかりを受けるかもしれませんが、七十七を調べて六がまずいということであれば、総じてうまくいっているのではないかと私は思うわけであります。七・八%ぐらいがチェックを受けるということでありまして、とすれば、残りの九〇%以上は効率よくいっているということでありまして、その点私は、おおむね全体のODAの
実施
の状況については評価をしてもいいのではないか、こういう視点に立って質問をするわけであります。 ただ、やはり国民の税金を使っている以上は、それを一〇〇%までに高める努力は不断にやっていかなければいけない、こういう観点から、この
会計検査院
が
指摘
をされていることについて、外務省で実際どういう調査をされて、今後どういうフォローをされるおつもりなのか、お伺いをしたいと思うわけであります。
平成
六年の六事業のうち五事業については、「相手国が自国
予算
で
実施
することになっている
施設
が完成していないなどのため、援助の対象となった漁網製造機械、発電機、送電線、小売市場の冷蔵倉庫等が十分利用されていなかったり、硫化鉱製錬技術の移転が十分に行われなかったりしていた。」ということであります。あと一事業については、「援助の対象としたかんがい
施設
の完成が遅延しているため、相手国が自国
予算
で
整備
したほ場へのかんがいが行われていなかった。」こういうことであります。 外務省として、どういう実態調査をされて、そして
改善
努力をされているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
小川元
44
○小川(元)
政府委員
委員御
指摘
のとおり、ODAの
実施
に当たりましては、国民の皆様の理解と御支持をいただくことが最重要なことでございまして、また同時に、国民の貴重な税金を使わせていただくわけでございますから、その一層効果的なおかつ効率的な運用というものを心がけることは当然のことだと考えております。 今委員に、なかなかよくやっているというお褒めの言葉をいただきましたけれども、我々はそれに安心することなく、御
指摘
のとおり、一〇〇%うまくいくように努力をさせていただきたいと思っておりますし、今日まで努力をさせていただいております。 なお、御
指摘
の個別案件の状況につきましては、
局長
より答弁させていただきます。
畠中篤
45
○畠中
政府委員
先生御
指摘
の六案件につきましては、御
指摘
のとおり、事業が思ったような効果を上げていないケースでございますけれども、かなりの部分が、当初
予定
では先方の手配するところがそのとおりになっていないという感じでございます。 特に、御
指摘
にありましたかんがい事業につきまして、その後の状況を御
説明
させていただきますと、この件につきましては、農業生産の増大のためにダム、水路等のかんがい
施設
を
整備
するものでございましたけれども、これを決めましてから、その後、政権の交代がありましたり、あるいは入札業者の施工能力の不足によりまして途中で
契約
が解除されてやり直しになる、そういったようなことが起こりまして、残念ながら事業が大幅に遅延したものでございます。 こういった状況にございましたけれども、こういった状況は、当初
計画
をしましたときになかなか見通せない状況ではございますけれども、その後、案件管理の調査などをいたしまして、事業全体の進捗状況の把握に努め、先方にもできるだけ早く事業をするように助言をいたしまして、現在の見通しでは、
平成
九年九月にはすべての
計画
を完成する
予定
になっております。
前原誠司
46
○
前原
分科員
今の御答弁について、行政監察の話をした後にまとめてちょっと御質問をさせていただきたいと思います。 行政監察局が、無償資金協力と技術協力を中心として監察をしていただいております。 有償資金については
平成
七
年度
に調査をスタートするということで、まだ終わっていないということで、当然ながら報告もいただいておりませんので、無償資金協力と技術協力を中心とした質問になろうかと思うわけであります。 その具体的なものを見てみますと、外務省にかかわる問題が結構多いわけであります。これはすべて、もうもちろんお目通しをいただいていると思いますので、個別具体的な事例はここで読み上げたりはしませんけれども、こういう行政監察を受けて、どういうような
改善
手続をされているのか、そういう努力、そのプロセス、それをお伺いしたいと思います。
小川元
47
○小川(元)
政府委員
今回の行政監察の対象になりました無償資金協力及び技術協力につきましては、例えば草の根無償資金協力は、一定の
条件
の採択権限を在外公館に委譲しまして、迅速に援助を行えるような体制をつくってきておりますし、また、さらにそれを一層促進をさせていただきたいと考えておりますし、JICAの研修
内容
の技術拡充を努める等、効率的、効果的な援助をするための必要な
処置
をとらせていただいております。
前原誠司
48
○
前原
分科員
この中で、例えば行政監察を受けて、この点についてはもう既に
措置
をしたとか、あるいはこの点については
改善
策を行ったということがありましたら挙げていただきたいと思うのでありますが。
畠中篤
49
○畠中
政府委員
技術協力、無償協力は十八省庁にわたっておりますけれども、外務省に対する
指摘
が多うございますのは、先生御存じのように、無償資金協力の
予算
は外務省についておりまして、JICAが
実施
を手伝っておる。全体の政府の技術協力の中の約五割強がJICAを通じたものということで、
改善
を
指摘
された分野は多うございますけれども、
指摘
されました諸点は、先生御存じのように非常にたくさんございます。その中で、私どもはその
指摘
を受けて、内部で詳細、現在の状況でどういう
改善
ができるかということを事務的にも検討いたしまして、それぞれできるものについては
措置
をとることにいたしております。 例えば、先ほど政務次官の方からもお答えいたしましたけれども、その一つの
指摘
は、草の根無償というものを迅速に
実施
していくために、これまでは一件一件在外公館から本省に請訓をしておりましたのを、一定限度在外に権限を与えてはどうかという御
指摘
がございましたが、これは既に、一件当たり三百万円以下の案件につきましては在外公館長の判断で出せるように
改善
をしております。 それから、食糧援助あるいは食糧増産援助といったようなものを相手国に供与してまいりますときには、それに見合います現地通貨を相手政府に積み立てさせまして、それをさらに日本政府と協議をしながら使うという制度がございますが、この件につきましても、総務庁の方では、特に所得水準、経済水準の低いLLDCの諸国につきましては、その積み立ての割合が必ずしも現状に合っていないと申しますか、厳し過ぎる点もあるかもしれないので、その辺を、
条件
の緩和も検討したらどうかというような御
指摘
がございますが、この点につきましては、特にLLDCにつきましては、ほかの国よりも
条件
を緩和するといったような
措置
を検討しておるところでございます。 それから、今申し上げました見返り資金の用途につきましても、もう少し広い範囲に使わせるように制度を
改善
したらどうかという御
指摘
もございましたが、この点につきましても、
平成
七
年度
供与分から、それまでの、例えば食糧増産援助につきましては農業開発を目的としたものに見返り資金を充てるということになっておりましたけれども、それを超えて、一般社会開発にも充てることができるように範囲を広げるといったような
措置
もとっております。 たくさんございますが、もう一つ、技術協力の方で申し上げますと、集団研修というコースがございます。これは、各国から集まった方々を個別に研修させるのではなくて、一定のコースを設定して、そこへまとめて受け入れるコースでございますが、そういうコースを設定いたしますのには、いろいろな関係方面の協力も得る必要がございますので、大体五年間をめどで
実施
してきておりました。しかしながら、総務庁の
指摘
の中に、もう少し見直しをきちんとして、現実に合った、
定員
割れをしているようなものが少なくなるように努力をするようにという御
指摘
もございまして、この集団コースにつきましては、過去五年間で既に、二十九コースを今までのものをやめて新しいものに変えるといったような努力もしております。 それから、例えば技術協力の面では、最近は第三国研修と申しまして、途上国に技術協力をしてまいりますけれども、その当該の途上国以外の第三国の途上国からもそこに研修生を集めて研修をするというシステムがございます。これは、日本まですべての研修生を連れてくるということではなくて、ある一定の途上国の周辺の諸国の研修生をそこに集める。
経費
の面でも、いろいろな習慣、言葉その他の面でも非常に活用の範囲が広うございますが、行政監察の方では、こういった第三国研修をふやしたらどうかという御
指摘
がございます。これにつきましても、
平成
六
年度
では八十七コース、七
年度
では九十三コースといった形で、行政監察の
指摘
を受けてふやす努力をしてきております。 とりあえず例示的に申し上げました。
前原誠司
50
○
前原
分科員
こういう問題について
改善
の努力をされているということ自体は大変評価はできることでありますが、問題が起きた事後にいろいろ対策をとるということだけではなくて、問題が起こる根本原因というのはやはりいろいろあると思うのです。そこで、私も二点ぐらい
指摘
をしたいわけでありますが、これはよく言われている問題でありますけれども、プロジェクトの
計画
の立案の段階からしっかりと事前
審査
ができるような体制に今なっているのかどうかといったところが一つの大きなポイントだと思います。 先ほど畠中
局長
の御答弁の中に、
計画
策定時には見通せなかったようなことが起きている。もちろんそれは、政権が急にかわったり、そういった本当に不測の事態があって、そんなものは幾ら事前
審査
の体制が充実していても見通せないわけでありますけれども、しかしながら、個別案件が行き詰まるような事柄については、やはり事前
審査
をある程度充実をすればこういった問題がある程度防げるのではないかというのが私の考える第一点であります。 第二点では、言ってみれば、
計画
立案だけではなくて施行体制そのものをフォローしていくという体制がやはり必要になってくるのではないかと思うわけであります。 第一に
計画
立案、事前
審査
の充実、そしてそれをフォローしていくこと、これがやはりしっかりしていないといけないのではないかと思います。現在でこういう状況が果たして十分なのかどうかというのを政府としてどのようにとらえられているか、その点についてお伺いをしたいのと、あと、大使館員をふやすとかということだけではなくて、民間を使ってそういうものができ得るものなのかどうか、そういったところについても、御意見があればお聞かせ願いたいと思います。
小川元
51
○小川(元)
政府委員
委員御
指摘
のとおり、プロジェクトをやりますときには事前のフィージビリティースタディー、調査というものが大変重要になってくるということは、私ごとで恐縮でございますが、昔民間におりましたときに、ODAを含めたプロジェクトをやったことがございます。私もよく承知をいたしております。また、プロジェクトが始まりましてから後の
実施
体制につきましても、これもまた非常に重要であるということも当然なことでございます。そのためには、やはりどうしても人員の増強ということが必要になってくるわけでございます。 政府としての人員の増強につきましては、
定員
の枠という非常に厳しい状況下でございますけれども、各方面の御理解を得まして、
外務省経済協力
関係
定員
は、八一年に本省、在外含めまして百七名でありましたものを、九五
年度
には四百十九名に増員されております。また、JICAの援助関係
定員
は、これは本邦及び在外で、移住部分は除いておりますけれども、同
期間
中に七百二十三名から千百八十四名に増強いたしております。 しかしながら、諸外国に比べまして、我が国は援助額に比しましてまだ
定員
が少ない、数が少ないということも事実でございまして、人をふやすだけでできると思いませんけれども、やはり必要な援助要員の拡充強化についてはこれからも引き続き努力をしてまいりたい、そう思っております。 また、委員御
指摘
の民間の活用につきましても、これは政府の案件でございますので、幾つか制約もございますし、慎重にいかなくてはいけないと思いますけれども、やはりできるところは民間の協力も得ていきたい、そのように考えております。
前原誠司
52
○
前原
分科員
ODAというのも一種の公共事業になるわけでありまして、無償の場合は、一般競争入札でございますか、それが徹底されておりますので問題がない部分もありますけれども、円借款、有償については、やはり日本と同じような構造が持ち込まれていると私は思っております。 そして、行政監察の中で
指摘
がされておりますけれども、「援助案件の受注企業については、すべて公表すること。」これは私は、国民の税金を使ってどういう援助がなされたのかということと同時に、どういった企業がそれに絡んでいるのかといったことについてはやはり徹底をすべきであると思いますし、また、個別具体の案件の入札といいますか、そういう選定方式については、有償無償にかかわらず、できる限り透明度の高い方式というものがこれから望まれることではないかと私は思います。 現在、建設業の中では、これはWTOの決まりにもなっておりますけれども、ある一定規模の公共事業については一般競争入札によらなくてはいけない、こういうことになっておりますし、その透明性とか競争性、客観性というのが求められているわけです。ODAについても、私は、同じような原則というものがやはり当てはまらなくてはいけないと思っております。 そういった意味で、発注の方式とかあるいはプロジェクトを組むときの透明性とか、そういったものの日々の具体的な
改善
努力がなされていなくてはいけないと思うわけでありますが、その点について、行政監察の報告にもございますけれども、外務省が今までどういった努力をされてきているか、あるいは今後どういった
改善
の努力をさらにされようとしているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
畠中篤
53
○畠中
政府委員
落札業者、企業の公表の件でございますけれども、実は数年前までは日本のODA、有償も無償もそうでございますが、相手国政府とそれから私企業との間の
契約
でございましたために、私
契約
の守秘義務と申しますか、そこのところを守るということで、公表をしてこなかった時期が大変長うございました。 しかし、最近になりましてからは、相手国政府の了解を得て公表するという努力をしておりまして、毎年、前の年のODAの実績をまとめて御報告します年次報告というのを六月に出しております。ことしもそろそろ一九九五年分を出す時期になっておりますけれども、その中で、例えば円借につきましては、ちょっと額を失念いたしましたけれども、一定額以上の受注については企業名を公表しております。また、無償につきましては、
平成
七年七月から、落札企業及び金額につきまして、閲覧方式ですべて公表することになっております。 したがいまして、できるだけ透明性を高めて情報公開をしていくという方向で私どもも努力してまいりたい、そう思っております。
前原誠司
54
○
前原
分科員
これで質問を終わりますが、先ほど申し上げましたように、おおむねこのODAについてはよくやっていただいているという評価がございますけれども、その中で、やはりまだまだ
会計検査院
や行政監察の方から不備な点があるという
指摘
は真摯に受けとめて、さらに一〇〇%に近い
内容
のあるものに努力をしていただくということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
福田康夫
55
○福田主査代理 これにて
前原
誠司
君の質疑は終了いたしました。 次に、
吉田
治君。
吉田治
56
○
吉田
(治)
分科員
吉田
治でございます。 いろいろ質問を考えておったのですけれども、きょうの朝刊を見まして大変驚いた点が一点ございます。事前に質問通告しておりませんでしたけれども、例の北朝鮮の科学者の亡命問題です。「私に明日はない」といって北京の日本大使館に駆け込んだ。しかしながら、いや、うちではどうしようもない、そこを何とか頼みますと頼まれて、次の日の未明にようやく韓国大使館を紹介したというふうに新聞報道がなされておりますが、この辺の事実関係並びに対応というもの、それについていま一度お聞かせいただきたいと思います。
加藤良三
57
○加藤(良)
政府委員
まず、五月七日、北朝鮮の科学者だと名乗ります人物が、我が方の在中国の大使館に接触いたしまして、韓国への亡命を希望するということを述べた経緯がございます。 その後この人は、第三国と申しますか、日本、韓国、中国、北朝鮮以外の場所にいるということでございましたが、本日朝、韓国側が発表いたしましたところによりますと、
航空機
によってきょう十三時に金浦空港に到着することになったということのようでございます。
吉田治
58
○
吉田
(治)
分科員
そういうふうな中で、よく政治亡命ですとか難民という言葉が、どういうふうに言ったらいいのかわからないのですけれども、例えばフランスのパリなどは亡命者をたくさん受け入れている。私も詳しいことは知らないのですけれども、日本で、亡命という概念であるとか法律用語であるとか、法律的に規定されているとか、それについてどういうふうに対応するかというふうなものの
整備
は今なされておるのでしょうか。
加藤良三
59
○加藤(良)
政府委員
私、必ずしも詳細な部分をつまびらかにいたしませんけれども、法務省関係の入国管理の法体系等によってその運用方針が定められております。 そして、それは個別のケースに応じまして、日本側が、日本へのいわゆる亡命と申しますか、これを認めるべきケースであるということになった場合には認めるということで、決して亡命を認めないということが制度的に固まっているわけではないということだと理解しておりますし、少なくとも、日本に対する亡命を認めない場合にも、これを身体に危険があるような、母国と申しますか、そこへは返さないというような運用方針、これを行っているというふうに承知いたしております。
吉田治
60
○
吉田
(治)
分科員
事前に通告しておりませんので、余りしつこく聞くのもいかがかと思いますけれども、過去の例として、戦前でしたら、孫文が日本に随分亡命をしておって、それによって辛亥革命が起こったとか、例えば中国の国民党、共産党指導者を含めて、日本を足がかりにたくさん亡命をして、中国の革命というもの、また日本留学等ということで随分日本に対する思いを深めたということがあるのです。 現実、日本に戦後亡命というものがあり、それを受け入れたというふうな事実はあるのでしょうか。
加藤良三
61
○加藤(良)
政府委員
ちょっと記憶から御答弁申し上げるのもいかがかと思いますので、調査の上、別途御
説明
をさせていただきたいと存じます。 〔福田主査代理退席、主査着席〕
吉田治
62
○
吉田
(治)
分科員
一度調査をして教えていただきたい。 と同時に、調査をしなければわからない、記憶にないということですが、多分、
局長
さん以下皆様は昭和の三十年代ぐらいから外務省におられて、いらっしゃる間にそういうことがなかったということは日本という国にとっていいことなのか悪いことなのか。亡命を受け入れるとか受け入れないとかというのは、国策というのですか、そういう部分も考えた上でこれから御判断をしていただければな、私はかように思う次第でございます。 この問題はこれぐらいにいたしまして、次に、海洋法等も制定されてまいりましたけれども、二百海里内にあります竹島並びに尖閣列島についての日本の領有権というのですか、それぞれの国が領有権を主張している。 一部韓国では、総選挙の前に竹島の領有権をめぐって非常に激しい対日抗議というのですか、見ていて私は本当にいつも思うのですけれども、海外で日本の国旗を燃やされた、日の丸が燃やされたことに対して、どうですか、抗議をしたことはあるのですか。私が聞いた話では、海外の人たちにとってその国の国旗というのは自分たちの魂だ、それを燃やされることに対して、その国民並びに政府というのは大変な怒りを持って重大な抗議をするというふうに私はよく聞くのです。 まず最初に、国旗が燃やされるというとんでもない事態に対して、外務省として、どうなんですか、国際法上というのですか、慣例上何らかの対策を練るとか講じるとかいうことはしていらっしゃるのでしょうか。
加藤良三
63
○加藤(良)
政府委員
今御
指摘
の件は、過般、ことしの二月、韓国側が竹島に接岸専用
施設
みたいなものを建設しているという論評が行われた際に、私どもが竹島の領有権の問題を提起いたしまして、これに対して韓国側で起こった反応の一つとして国旗が燃やされるという事件があったことを指されたものだと思います。 この点につきましては、池田大臣から金太智大使に対して、二月十四日の夕刻、約三十分間話をする機会がありましたけれども、そういう際を含めて提起いたしております。
吉田治
64
○
吉田
(治)
分科員
こういう議論をしていくと、すぐあいつは右だとか国粋主義者だという議論になるので甚だしづらいのですけれども、私は、戦後世代、しかも高度経済成長に生まれた世代としてあえて申し上げたいのは、そういうふうに妙な接岸をするのであれば、我が国としては海上保安庁なり自衛隊なりを派遣する。自分の国がそういうふうに侵犯されておるのに、いや、それは外交問題で、金大使に三十分お話ししました、これじゃ余りにも日本の外交姿勢というものは、いや、もうあそこの国は言葉だけだ、武力だなんだと世界第何位の軍事
予算
を持って自衛隊というものを持っているけれども、あれは張り子のトラだと。やるときにはやるんだという日本側の強い姿勢というものをこの竹島問題については持っていかなければ、戦後いつまでたっても、日本に攻められた、日本に占領された日本に占領されたと、私は三十四ですけれども、私たちの世代までそのことを言われ続けて、私たちの子供や孫まで言われ続ける可能性がある。 今、ここはしっかりと、はっきりとそうじゃないんだという姿勢が必要だと私は思うのですけれども、その竹島の問題が起こったときに、他省庁、特に海上保安庁であるとか
防衛庁
との連携、並びに、今後、例えば韓国軍がやってくる、韓国の漁民がやってくる、韓国人がやってきた場合にどう対応をとられるのか、しっかりしたお答えを聞きたいと思います。
加藤良三
65
○加藤(良)
政府委員
今の御発言を拝聴させていただきました。 この接岸
組織
の建設ということのみならず、韓国が竹島付近で軍事演習を行ったり、いろいろなことがあったわけでございますけれども、我々は、あらゆる適切な機会をとらえて、韓国側に我が方の竹島領土問題をめぐる一貫した立場をきちんと
説明
してまいっております。そして、竹島の領有権の問題については、あくまでも私たちは、やはり外交ルートを通じた粘り強い話し合いなどの平和的な手段によって解決を図るという基本方針に立っておるということは御理解いただきたいと思います。 先般、三月二日、バンコクで橋本総理大臣と金泳三大統領との首脳会談が行われました際にも、この領土問題ということは、海洋法の締結に伴って生ずる線引きの問題などと切り離して、その文脈においてこれを粘り強く追求していくという我が方の姿勢を明らかにしたところでございます。
吉田治
66
○
吉田
(治)
分科員
どうなんですか。
防衛庁
だとか、ほかの省庁とそういう話し合いを持ったことがあるんですか。
加藤良三
67
○加藤(良)
政府委員
先ほど演習の例も一例として挙げさせていただきましたけれども、この状況につきましては、
防衛庁
、海上保安庁その他と緊密な連絡を心がけております。
吉田治
68
○
吉田
(治)
分科員
では、もう一つの尖閣列島の話ですね。 これは中国が相手で、もう中国軍の方はたしかヘリポートまでつくっておったのではないかと思うのですけれども、これなんかも、時間を区切らずにいつまでもいつまでも平和的手段で、交渉事でという態度で、日本政府としては外交チャンネルを通じて接触を保っていきたいということなんでしょうか。
加藤良三
69
○加藤(良)
政府委員
ちょっと先生、竹島と尖閣諸島の立場というのは違うと思っております。 竹島については、韓国が事実上の支配をこれに及ぼしている状態が長く続いているということが事実としてあるわけでございます。私たちは、竹島に関する限りは、事実上の支配ということは正当性という意味合いにおいて必ずしも実効的支配を意味しない、どれほど韓国が事実上の支配を強める具体的な策をとられたとしましても、私たちの方は、これに対して一貫して我が方の立場というものを主張し続けることによって、実効的支配の成立要件の一つであります平穏性の要件が破られる、韓国側から見れば破られるということであると思っている次第でございます。 一方、尖閣諸島につきましては、領土問題というものがそもそも存在しないというのが私どもの立場でございます。これは歴史的な経緯、今詳細を申し述べることは差し控えさせていただきますけれども、歴史的な経緯からいたしましても我が国の固有の領土であることは明らかでございますし、また、我が国が実効的支配というものを持っていることも明らかであるということなのだろうと思います。すなわち、尖閣諸島における標識の建立てありますとか、あるいは尖閣諸島に対する視察とか、そういった種類の行動をも含めまして我が国の実効的支配というものが現に今そこに成立しているという状態にあろうと思われますので、そもそも外交的に折衝していくべき領土問題が存在しないというのが政府の立場でございます。
吉田治
70
○
吉田
(治)
分科員
私も、竹島と尖閣諸島とちょっと勘違いしておりました。 どちらにしても、何度も申し上げておりますように、日本という国の外交力がここで試されているんじゃないかなと私は非常に思うわけですね。 日本という国は、ちょっとでもちょっかい出してぎゃあぎゃあ言っておけば、しかも、その裏づけとして、日中戦争がどうしたとか第二次世界大戦がどうした、日本に植民地にされてどうしたということを言っておけば、そういうものまで正当化されていくというふうな国だよということがこれから未来永劫続くんだ。私たちは次の世代を保つ人間としてたまったものじゃない。子や孫に対して日本という国を責任を持って、誇りを持って言えない。これは、一部マスコミの間違った論調というのですか、行き過ぎたような論調というものが多分に大きく影響すると私は思うのです。 ここで北方領土との比較というものをしていいのかどうかわからないのですが、北方領土は確かに
日本国
有の領土であって、そこへ現実に日本人の方が住まれていて、強制的に北海道に帰ってこられた。私どもの地元大阪でも、北方領土返還運動促進大阪府民
会議
というのがございまして、毎年一回中之島公会堂に集まって決起大会をしておるのですけれども、戦後五十年もたちますと、来られる方が随分もうお年を召された方になってまいります。そうしますと、そこで生まれ育った方々も帰れない。外交問題となると非常に息の長い話になってしまいます。 だから、竹島、尖閣というものに対して、それぞれの形態は違うのかもしれませんけれども、例えば北方領土返還のような国民的な運動をするのかどうか、いやいや、やはりあくまでも外交ルートでの交渉という形で進めていくのか、これから先のこの問題に対する取り組みというものをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
小川元
71
○小川(元)
政府委員
竹島の問題につきましては、既に
局長
より御答弁申し上げましたように、我が国の立場は一貫しております。しかしながら、他方、この問題で両国民の感情的な対立が起こるというふうなことは、隣国でもございますし、これは避けていかなくてはならない問題だ、こういうふうに考えておりまして、私どもは冷静に話し合いを積み重ねることによりまして平和裏に解決をしたい、こういうふうに考えております。 また、尖閣列島につきましては、これも
局長
から御答弁申し上げましたけれども、これは立場が違いまして、そもそも領土問題は存在をしていないわけでございます。したがって、中国との間の領有権をめぐっての解決すべき問題は存在していないということでございまして、これにつきましては、こういう立場は今日までも再三にわたって明らかにしておりますけれども、今後ともそういうことを明確にしていきたい、こういうふうに考えております。
吉田治
72
○
吉田
(治)
分科員
私たちが学んだ歴史の教科書の俗に言う帝国主義時代においては、こういう問題が起これば今ごろ戦争をやっていたのかもしれません。非常に平和な時代でよかったと思うと同時に、そういう意味でいったら、物足りなさというか、もっと頑張れ、しっかりしろ、何のための自衛隊なんだというふうなことを感じたりもいたします。 こういうことはすべて情報収集、情報発信というのですか、それぞれの在外公館、特に外務省においては五千人体制というのを長年悲願にされておりまして、これがようやく達成された。在外公館の情報収集も非常に重要だ、これはハード面、ソフト面はもちろん。そしてもう一つは、その情報をどう発信していくのか。格好よく言えばそういうふうに言うのですけれども、ちょっと下世話な言い方を申し上げますと、アメリカ用語でいいましたら、ロビー活動をどううまくするんだということに尽きるのじゃないか。そのためのハードであるとかソフトであるという発想だと私は思うのですけれども、今現在のそういうハード面、ソフト面における外務省の在外公館並びに在外公館から外の出先機関へのネットワークというのですか、システムというのですか、それは現実的にどうなっているのでしょうか。
原口幸市
73
○原口
政府委員
現在、本省と在外公館の間で年間約二百五十万通の電報のやりとりが行われておりまして、大変な量でございます。しかも、過去十年間さかのぼってみますと、この電信一つをとりましても、その量の増大は、平均いたしますと九・四%の伸びを示してきております。 したがいまして、こういう情報を適切に処理していくためには、人力だけに頼っているわけにはいきませんものですから、本省にはコンピューターを設置いたしまして二十四時間勤務体制で電信の発受に当たっている次第でございます。 そしてまた
平成
七
年度
からは、新高度データ通信システムと呼ばれるシステムの導入を開始したところでございます。このシステムによりますと、単に電報のやりとりだけではなくて、ファクシミリ、電話、データ通信を同時に行うことができるほかに、本省と在外とのLANを接続することも可能になってきております。 また、それに加えまして、中近東、アフリカ、アジア、中南米等開発途上地域におきます通信事情等も考慮いたしまして、かつ在留邦人の保護の観点から、在外公館の無線通信等の
整備
も行っているところでございます。
吉田治
74
○
吉田
(治)
分科員
衛星は持っているのですか。
原口幸市
75
○原口
政府委員
衛星は、特に通信事情の悪い地域と本省との間の最後の手段として非常に重要でございますので、できる限りその
整備
に努めているところでございますが、いわゆる衛星というので二種類今我々使っておりまして、一つはインテルサットでございます。これは大使館の中に地上局を設置するものでございまして、現在、インドとジャカルタに設置しております。それ以外にインマルサットというのがございまして、これはポータブルでございます。携帯可能のものでございまして、これはなかなか便利なものということもありまして、現在三十五公館にこれを配備しておりますが、今後ともその配備拡大に努めていきたい、このように考えております。
吉田治
76
○
吉田
(治)
分科員
これはどう言ったらいいのですかね、軍事偵察衛星という言い方がいいのかどうかわかりませんけれども、雑誌等を読んでおりましたら、十メーター四万から一メーター四万までわかるような偵察衛星があるとか、そういう話もあります。私は、必要であるならば日本もそういうふうなものを持つ必要があるのじゃないかな。それが管轄が外務省になるのか
防衛庁
になるのか、どこになるのかわかりませんけれども、そういう意味での情報収集活動というのは必要じゃないか。 また、発信の方も、各地域のシンクタンク等との交流ですとか、さまざまなものをもっと深めていただきたい。そのためのお金なら惜しまずに使いたいところですけれども、一時、二年ほど前ですか、写真週刊誌等をにぎわしましたように、どうも電報の何分の一かに株取引の電報が入っていたとか、そういうふうなあるかないかわからないような話が外へ漏れ伝わるようなことだけはやめていただきたい。 それともう一つは、私はこういうシステムを外務省がやられているかどうか教えていただきたいのですけれども、私どもの大阪の事務所を仕切っている女性がいるのですが、彼女がアメリカ政府から招待を受けまして、一カ月ずっとアメリカ国内、ワシントンから各地域を回るインターナショナル・ビジター・プログラムがあると聞いて行って、もう今やほとんど半分アメリカ人みたいな感じになって、アメリカは、アメリカは、日本はこういうところが悪い、悪い、悪いと、今はやりの言葉でマインドコントロールというのですか、洗脳されて帰ってきたような形で、ある意味で甚だ困ってはおるのですけれども。 これは単にここ数年じゃなくて、戦後すぐからずっと、アメリカンセンターという名で各地にアメリカ文化を広げる、アメリカ自身の考えというものを広げていくということの一つの方法だと聞いているのですけれども、日本政府として、いかがなんでしょう、そういうふうなことをどういうふうな形でやっておるのでしょうか。
原口幸市
77
○原口
政府委員
私どもも、人的交流を促進することが外交政策それから相互理解を進める上で大変有効な手段の一つだというふうに考えておりまして、外務省におきましても、各種の招待プログラムというものを推進しております。もちろんアメリカとは違った形のものでございますけれども、できる限りにおいてこのプログラムというものは一層拡大していきたい、このように考えております。
吉田治
78
○
吉田
(治)
分科員
自治体国際化協会で、向こうから来て英語の補助員をやるとか国際交流を担当するというのは、後々のことを考えると
日米
関係のみならず非常にすばらしいプログラムだ。ただ、このごろ労働組合ができて、雇用がどうだとか
契約
がどうだとかというふうな一部マスコミ報道等が出ておるのは残念ですけれども、その辺は対応だとか対策があるようでしたら教えてください。
原口幸市
79
○原口
政府委員
今先生が言及されましたのは、JETプログラムと称しているものだと思います。私の記憶に間違いがなければ、年間二千人ぐらいの若い外国人を語学教師ないし地方の国際化を支援する助手みたいな形で日本に呼んでおりまして、高等学校それから地方公共団体も一部受け入れていると思います。それは、一つにはそういう日本の国際化を助けるという意味もありますし、同時に青年交流の側面もあると思いますので、文部省と外務省、それから自治省ですか、三省が協力して一生懸命努力をしているわけでございます。 もちろん、外国人が日本に参りまして、一年、場合によっては二年、場合によっては三年の間、地方に行って生活をしながら教育等もやるわけでございますので、いろいろと習慣の違い等々で摩擦も、数が多くなればなるだけ起こっているというふうに聞いておりますが、そこはよく話し合って、せっかく善意で行っているものでございますので、よく話し合えばそうした不必要な摩擦というものは解消していけると思いますし、我々も、関係者一同少しずつなれてきておりますので、その辺については先行き楽観しているところでございます。
吉田治
80
○
吉田
(治)
分科員
私もお友達が結構それで来ていまして、この議論は別の機会にさせていただきたいと思うのですけれども、終わった後必ずアメリカへ帰らなければいけない、アメリカだけじゃなく、来た国へ帰るという条項がありますので、こちらへまたそのまま就職するのもいろいろ不都合な点もあると聞いております。 それはそれとしまして、
日米
ですとか、さまざまな交渉事をやりますと、例えばさっきの自動車摩擦等におきましては、通産省さん、また運輸省さん、そして外務省さんというので交渉事をなさる。特に、今の総理、当時の橋本通産大臣なんかがカンターUSTR代表と一緒にやられたという状況がありますけれども、例えば自動車摩擦ですとか、さまざまな個別案件で摩擦をしているときに、外務省としてどうバックアップ体制といいますか、よく言われますように、アメリカのワシントンでしたら台湾ロビーというのは非常に強いものがある。だから李登輝総統が、日本には来られないけれどもアメリカには入れた、屈辱の飛行機での一時間があったから正式にコーネル大学へ行けるようになったという話もありますけれども、そういうふうなものを含めて、外交をつかさどる省として、ではほかの省庁にもう任せきりなのか、あと、いやそうじゃない、自分たち自身でこういうことをしているのだというものがあれば教えていただきたい。
野上義二
81
○野上
政府委員
御承知のように、外務省は外交交渉全般を一体的に遂行するという責任を持っているわけでございまして、各交渉において積極的かつ中核的な役割を果たすという形で、我々、毎日努力しているわけでございます。 今御
指摘
のような経済交渉につきましては、御承知のように所掌
事項
が関係省庁にかかわるということもありますので、常に、国内におきましても、それから在外公館におきましても、関係省庁との間で協力関係をつくっているわけでございます。 そういった観点で、今御
指摘
の自動車であるとかそういった交渉につきましては、もちろん外務省として交渉に参画する。それから、事前の段階において、今御
指摘
のように幾つかの関係各省が関与しているわけなので、そういう時点での日本全体としてのポジションの調整をやる。それから、在外公館を通じて事前の情報を収集する。それから、自動車のときには非常に行いましたけれども、第三国に対して、日本の自動車にかかわる考え方、それから国際機関の場等におきましても日本の自動車問題についての立場等を、広報といいますか、よく知らしめる、こういうような作業もしてまいりました。同様に、現在
日米
の保険の協議などが進んでおりますけれども、こういった点につきましても、大蔵省と協力しながらそういう作業を進めているところでございます。
吉田治
82
○
吉田
(治)
分科員
外交等のチャンネルというのは、外務省一元化ですとか、そういう省庁ごとの個別案件だけではなくて、別のチャンネルという言い方がどうかわからないが、お互いに友達同士がたくさんいらっしゃいます。例えば、亡くなられた大来佐武郎元外務大臣というのは、もっと別のそういうアメリカとのネットワークを持っておられた。彼が亡くなってから
日米
関係というのはちょっとどうもおかしいのじゃないかという話が出たりする。私は、そういうものを排除するのじゃなくて、かえって大きな視点で外務省が受け入れて、それも活用するのだ、うまく利用するのだということが必要じゃないかな。 そういうふうなことで、私もちょっと昔ワシントンに住んでおりましたので感じるのは、やはりその辺は韓国ですとか台湾ですとかというのは、ありとあらゆるルートを使ってうまくやられているな。ちょうど日露戦争の末期に、金子堅太郎がハーバードの同級生であったルーズベルト大統領に会いに行った。これは、完全な外交ルートじゃない部分で日露戦争の決着を見た。そういうふうな故事もございますので、その辺は広い目でよく見ていただきたいなと思います。 時間になりますので、最後に質問申し上げたいのは、やはり台湾との関係でございます。 先ほど申しましたが、アメリカは李総統を受け入れました。私は前もお話ししたのですけれども、総統という言葉イコール大統領、英語ではプレジデントでございますけれども、外務省は何でいつまでも総統という言葉、現地が総統とつけているから総統なんだという意見はわかるのですけれども、民選で、国民によって選ばれた、台湾の人たちに選ばれた中華民国の大統領でありますから、そろそろそういう言葉に変えることも必要じゃないかなという意見を申し上げたいと同時に、これからの日本と台湾、日本と中華民国との関係というものを、特に亜東関係協会のこちらへ来られている方に対する外交特権を日本として要求されたけれども断った。では、日本側が向こうで外交特権をもらっているのも、もしももらっているのならば遠慮するのが筋ではないかと思うのですけれども、その辺を含めて、日台関係というものをこれからどう考えていくのか、最後にお聞かせいただきたいと思います。
加藤良三
83
○加藤(良)
政府委員
日台関係の進め方については、これまでと同じ方針で対応していくということだろうと思います。すなわち、一九七二年の日中共同声明において、中華人民共和国が中国を代表する唯一合法の政府であるということ、日本はそういう立場が明確になっているわけでございます。そして、台湾との関係は、非政府関係、実務関係ということでこれを発展させていく、そういう枠組みになっているわけでございまして、この枠組みがこれからも堅持されるということになろうと思います。 そういう枠組みのもとででございますけれども、台湾側の駐日台北経済文化代表事務所に与えられる便宜の件について最近報道があったことは事実でございます。ただ、これは外交特権の付与を台湾側から日本に申し入れてきたということは事実ではございませんで、ここにいる駐日台北経済文化代表事務所の人たちに与えられる待遇の
改善
ということで先方から申し入れがあったものであると承知いたしております。 この件につきましては、一九七二年の十二月二十六日に当時の二階堂官房長官の談話がございます。「双方の民間事務所が今回調印された取決めに基づいて各種の民間交流を円滑に進めていくよう期待している。今後、財団法人「交流協会」が今回の取決めに基づいて各種の業務を運営していくに際し、政府としても、わが国国内法令の範囲内で、できる限りの支持と協力を与える方針である。」というふうに述べているわけでございます。台湾側もこの点を十分承知いたしておられるようでございます。 その観点から、待遇
改善
、ここにおける事務所の人たちの仕事をもっとやりやすくする観点から何かできないかということで申し入れがございまして、今その
内容
につきましては亜東関係協会と交流協会との間で交渉、折衝中でございますので、私から詳細を申し上げることは適当でないと思いますけれども、政府といたしましても、しかるべき協力をもって、また誠意をもって、台湾のそういう人たちの仕事が、先ほど申し上げました日本の対中政策の大枠の枠組みのもとにおいて図られるようになるように、地道に、また一貫して努力をしてまいりたいと思います。
吉田治
84
○
吉田
(治)
分科員
時間ですので終わりますけれども、やはりこれは日本の国のあり方というのが問われていると思うのですね。自由と民主主義を堅持する日本であれば、国民によって選ばれた大統領の国を選ぶのか、一党独裁の国を——選ぶという言い方はよくないです、どちらかに一方に思い切り肩入れをすることなくおつき合いをこれから進めていくということが私は必要ではないかなということだけを申し上げまして、まだほかに質問したいことがありますけれども、時間ですので終了いたします。 ありがとうございました。
前田武志
85
○
前田主査
これにて
吉田
治君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして
外務省所管
の質疑は終了いたしました。 これにて本
分科会
の
審査
はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
分科員
各位の御協力を賜りまして、本
分科会
の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午後零時二十分散会