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参考人(
山本勝一君) 私は、
全国商店街振興組合連合会の理事長でございまして、本日、このような機会をいただきまして厚く御礼を申し上げます。
中小企業関係につきましては、
商工会さん、中央会さん、これは同じような団体でお互いに助け合ってやっておるわけでございますので、先ほどお述べになりましたところは割愛させていただきまして、商店街としての専門的な立場から
お願いを申し上げたいと存ずる次第でございます。
大店舗法の改正でことしの五月一日から新たに
規制緩和が行われました。四年前の日米
経済協議によりまして
規制緩和が行われ、そして約四年間に約六千店舗の新規の店舗が展開をされたわけでございます。
特に大型店につきましては、郊外といいますか、ロードサイドにローコストの店を展開するということで店舗展開が行われてきたわけでございますので、旧市街地の商店街はいわゆる
空洞化が今非常に甚だしいものがございます。
地域によりましてはそのまま放置するというところもあるかもしれませんが、これを何とか再構築しようというような面もございまして、今大変な状態に陥っておるわけでございます。
特に
景気につきましても、一部好転したあるいは底入れしたというようなお話がございますけれ
ども、現場におきましては依然として停滞が続いておるわけでございます。大型百貨店につきましても、五月以降の
規制緩和、要するに休日の
減少、営業時間の延長等々の緩和が行われましたけれ
ども、前年比マイナスだということでございまして、依然として
景気が停滞しておるということでございます。にもかかわらず、大型店はいろいろなことで販売
努力をされておるということもございまして、その中で我々も競争して
努力をしておるわけでございますが、いずれも相当な幅におきまして売上高が低下しておるということもございます。
なお、この大店舗法につきまして、今の内閣の方で一定の時期を置いて見直そうというような御
意見もございますけれ
ども、私
ども考えますと、現在の大店舗法というのは最悪の場合の調整を
お願いできるというような場でございますので、これはぜひとも存続をしていただきたいということでございます。
現行におきましては、新しい出店につきましてはほとんどこれという支障がないわけでございます。それも
規制緩和の時代でございますのである
程度はやむを得ないとは思いますけれ
ども、しかし現在百五十八万の商店、六百万に近い社員、
従業員がおるわけでございまして、これから今後の
景気動向等を考えますと、これははっきり言って死活問題であるというふうに思うわけでございます。国の機関による大店審の審議会が
地方に置かれておりますけれ
ども、そういうことも十分踏まえて調整をしていただくように
お願いをしておるわけでございますので、そういう面もひとつ御
理解いただきまして、政治の面でも御配慮をいただきたいと思うわけでございます。
今、いろんなことが言われておりますが、私
ども将来を考えますと、行政改革が一体どういう形で行われるのかというようなこともございますし、
地方分権にどうというお話もございます。そうすると、私
どもがいろいろ御指導いただいておる行政がどう変化をして、どこで
お願いできるんだというようなことも案じられるわけでございまして、これも必要であるとおっしゃるならば、的確な指針をお出しいただきましてお進めをいただきたいというふうに思うわけでございます。省庁が減るのかどうなるのかというような、先行きに対するいろんな意味において不明瞭な不安がいっぱいあるわけでございますので、そういう面につきましても明確な指針をひとつ早くお示しいただければありがたいと思うわけでございます。
いわゆる冷戦構造が解消したということで、世界のあらゆる国が市場
経済ということになっておりますので、必然的に競争が激化し、競争しなければならないということにつきましては私
どももある
程度理解をしておるわけでございます。しかし、何といいましてもこれは大きな変化でございまして、我々はそれにどう的確に対応するかということを真剣に今検討しておるわけでございますが、なかなか不透明ではっきりつかめないということもございます。特に、政治関係におきましても明確な線をお示しいただけないということもございますので非常に不安があるわけでございます。なかなか前向きの対策なり
事業の
転換がやりにくいということでございますので、その点にもひとつ御配慮をいただきたいと思うわけでございます。
あと消費税の問題につきまして、きょう国会で御審議になっているということでございますけれ
ども、消費税関係につきましても五%というようなことで二年先に実施というお話でございます。
正直申し上げまして、今三千万円前後の
売り上げのものが私
ども全国組織におきまして五六%ぐらいあるわけなんです。しかもかなり低所得であるということでございますので、業界の中でも、減税の恩恵はない、そして消費税のアップというようなことでかなり苦悩な線を出しておるわけでございます。それにつきまして何だか益税があるとかどうというお話でございますけれ
ども、三千万円以下でも仕入れる段階では税を払っておるわけでございます。今度は五%ということになりますと、果たしてこれを転嫁せずにおれるかという問題があるわけでございまして、五%以上になれば
企業負担で済むかどうか、当然転嫁しなきゃいかぬではないかというような線も出るかと思います。
いずれにしましても、現場におきましていわゆる転嫁が非常に難しいということもございますので、先般総理に
お願いしたときには、税金を取られるという国民感情から、納めるというふうによく
理解をしていただくような方法で
政府の方で体制をとっていただきたいと。
日本人はどっちかというと、今まで税は取られるものだというような印象が非常に強いわけでございます。中小の商店の現場で対面でお話をしておると、税金ぐらいまけてくれというような要求が非常に強いわけでございます。これが率が高くなれば税をまけよというようなことも当然出てくるわけでございますが、これについて、税は納めなきゃいかぬのだというような国民感情をつくっていただくということをしていただかぬと、私
ども現場で非常にやりにくいという面があるわけでございます。そういうような観点から、そういう面に対しても御配慮をいただきたいと思うわけでございます。
次にまいりまして、今の内外
価格差の解消といいますか、今ディスカウントなんかで商店街は安売りをやっておりますけれ
ども、しかし一過性の安売りは簡単にできますけれ
ども、本当にいい物を安く売るようにするということになりますと、これはもっと構造的に根本的に検討し、再検討しなければ継続できないんではないかというふうに思うわけでございます。
そういう観点から申しますと、内外
価格差というのは、四十年間続いた冷戦下においてインフレ
経済といいますか、コストが上がるような運営が長年行われてきたということもございまして、コストを低下させるということはこれは容易なことではございません。ただ私
どもが競争して安売りをすれば解決するというような問題でもございませんので、メーカーも入れ、場合によれば公共料金も
価格破壊があってもいいんではないか、そのくらいから始めないと本当の意味の内外の
価格差は解消できないんではないかというふうに思うわけでございますので、そういう点につきましても十分御配慮いただいて施策を講じていただきたいと思うわけでございます。
今、各団体からお話がございましたが、私
どもの団体としましても今、七年度の
予算を庁並びに省に
お願いをしておりますが、その中で新たに
お願いしておるのは、公共
投資のいわゆる重点化枠ということで十億
お願いをしておるわけでございます。
これは正直申し上げまして、商店街というのは非常に公共性が強いわけでございまして、町の中の商店街というよりも商業集積というものは市民の方々の生活の場であり憩いの場であるということになるわけでございますので、そういう観点からいえば非常に公共性が強いということでございます。特に各市におかれましても、商店街というよりも商業集積をどう構築して市民の憩いの場にするかということは、むしろ市の行政サービスでやっていただかなければならぬというふうに思うわけでございます。そういう観点から考えますと、これは公共
投資の範疇に入るんではないかということから、ぜひとも公共
投資の中で
予算を確保していただきたいということを
お願いしておるわけでございます。ぜひとも
先生方に御
理解いただきまして、お力添えをいただきたいと思うわけでございます。
承継
税制につきましては先ほど中央会さんからお話がございまして、全く同じ次元の問題でございます。商店街はどちらかというと表通りに位置しておる、町でいけば繁華街ということになるわけでございますのでどうしても地価が高い。そういう意味からやはり御配慮いただきまして、承継
税制の見直しというか、承継
税制の改正、是正を
お願いしたいと思うわけでございます。
特に、地価が若干下がってはおりますけれ
ども、依然としてやっぱり地価はかなりの額でございまして、バブル以前に比べればまだ五割から七割高いということでございます。それに
関連しまして、地価税あるいは
固定資産税というものが非常に高いということで、こういう面から都心地区のいわゆる
空洞化というものが非常に大きく出ておるわけでございます。
先ほど申し上げましたように、ローコストをねらって郊外に大型店が出る、しかも車の時代でございますので、そちらへお出かけになると。都心部へ来ると、駐車場はあっても一時間三百円、五百円という駐車料を取られるということになりますと、どうしてもお客さんは、今低
価格で済むという時代でございますので、郊外の大型ショッピングセンターは一日置いていても駐車場はただというようなこともございまして、中心部が
空洞化をしていくということもございます。そういう面もこれから何とか再構築しなければいかぬというふうに思っておるわけでございますので、ひとつ格別の御配慮をいただきたいと思うわけでございます。
ほかの方々が非常に細かく御説明をいただきましたので、商店街としての立場だけで
お願いを申し上げましたのですけれ
ども、いずれにしましても大型店、特に
大手におきましては寡占、独占を目指して店舗展開をされておるということもございまして、中小零細業者はもう既に潜在失業のたまり場ということになりかけておるということでございますので、そういう面につきましても格別な御配慮を賜りたいと思うわけでございます。
ちょっと簡単ではございますが、以上
お願い申し上げまして、私の
意見とさせていただきます。ありがとうございました。