○都築譲君 私は新緑風会に所属しております都築でございますが、今回の
政治改革、小
選挙区制の
導入ほか
選挙制度の
改革あるいは
腐敗防止、一連の
改革が大きく進んできたわけでございまして、ここに至るまで各党のあるいは
関係議員の
先生方の本当に御尽力、御努力、そして熱意に改めて敬意を表するものでございます。この
改革によりまして
国民の
政治に対する
信頼を大いに
回復することを
期待したいと、このように思っております。
私からは、
幾つか
法律案が出ておりますけれ
ども、
政党交付金の
交付を受ける
政党等に対する
法人格の
付与に関する
法律案を
中心に
幾つかただしていきたいと、このように考えております。
政党助成法が
成立いたしまして、やがて三百九億円という
国民の税金によります公的な助成を
政党に対して
交付することになるわけでございます。その
観点から、
政党に対して法的主体としての地位すなわち
法人格を与えて適正な運営に努めていこう、そして
政党政治の発達に貢献していこう、こういう趣旨であろうと考えるわけでございます。
ただ、この
政党助成法につきましても、前年実績の三分の二を上限とするというふうなことになっております。これはけさほ
ども御答弁がございましたけれ
ども、自助努力を求めるんだと、こういうことでございますけれ
ども、例えば
政党の予算として一億円の経費がかかるということであれば、
政党交付金の助成が
期待できるといたしましても約六割は自助努力で確保しなければならないと、こういうことになるわけでございまして、そういった
意味では、今までの十割全部自前で調達しろということに比べれば改善かもしれませんけれ
ども、いずれにしてもまだ少し疑問が残るのかなというふうな感じがいたしております。
きょうは、その問題は既に
法律として
成立をしているわけでございますから取り上げないことといたしまして、
法人格付与法案を
中心に
幾つかただしていきたいと、こう思います。ただ、
衆議院の
政治改革調査特別委員会におきましても、「
改革」の前田武志議員が既にかなり詳細にわたって質問をいたしております。重複は避けたいというふうに考えておりますので、そうするとかなり技術的な
事項になろうかと思いますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
私は、この
法人格付与法案、やはり
政党法といったものにつながるんではないかという疑念が提示されておりますけれ
ども、その
観点から、特に
政党の
政治活動の自由あるいは
個人の
政治活動の自由の
観点から
幾つか御
見解を伺っていきたい、このように思っております。
松永
委員長は、
提案理由説明の中でも特に言及されまして、
政党の
政治活動の自由を制約するものではないということを特に強調されておられるわけでございます。
〔
委員長退席、理事一井
淳治君着席〕
例えば
法案の第二条にその趣旨の「解釈規定」があるわけでございます。「この
法律のいかなる規定も、
政党の
政治活動の自由を制限するものと解釈してはならない。」と、こういうふうになっておるわけでございます。
では、ここでいうところの「
政党」とは一体何ぞやと、こういう問題もあるわけでございますけれ
ども、第三条に「定義」として「この
法律において「
政党」とは、
政治団体のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。」ということで、
国会議員を五人以上有する、あるいは
選挙の際に二%の
得票数をとったものと、こういうことになるわけでございます。そうすると、五人未満とかあるいは二%未満の
得票率しかとれない、そういった
政党はこの第二条の「解釈規定」の中からはどうなるのかというふうな、非常に素人っぽい発想でございますけれ
ども、そんな読み方もできてしまうのかなというような気がします。
その問題は別といたしまして、少し詳しく見てまいりますと、例えば第四条でございます。ここで「
法人格の取得等」ということになっております。「中央
選挙管理会の確認を受けた
政党は、その主たる事務所の所在地において登記することにより、
法人となる。」、そして第四条の第二項で「この
法律の規定により登記しなければならない
事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。」と、こういうふうに書いてあるわけでございます。
それで、私が特に問題にしたいのは
政党の名称の問題でございます。一般に第三者に対抗し得ないという
法律上の用語につきましては、民法の百七十七条、こういったところにございまして、取引の安全を図る、取引
関係の保護を図るというふうな形で善意の第三者の保護を図る規定になるわけでございますけれ
ども、例えばこれとはまた別の法体系、商法の十二条でも同じように、登記すべき
事項については登記した後でなければ第三者に対抗できないと、こんな規定もあるわけでございます。
ただ、商法の場合はもう一つ二十四条の第二項に「商号の譲渡」というふうな規定がございまして、ここではいわゆる会社の名称、こういったものを物権に準ずるものとして、あるいは無体財産権のような性格を持つものとして保護がされる、こういうことになっておるわけでございます。ただ、これについては学説もいろいろあるようでございまして、排他的効力を否定する、いやしないんだと、こんな
議論もあろうかと思います。
政党の名称というのは、その一つの
政治グループの
政治理念とか
政治姿勢とか
基本政策とか、あるいは
国民の中でどのグループに自分たちの
政治活動を依拠するのかそういったものを端的に明瞭に具現をする、体現をする非常に重要な公称、そういう機能を持つものだろうと、こう思うわけでございますけれ
ども、この第四条第二項の第三者に対抗し得ないということは一体何を
意味するのか、名称の独占を登記した
政党に認めることになるのか、あるいは重複した登録を認めることも可能なのかそこら辺のところをお伺いをしたいと、このように思います。