○及川一夫君 郵政
大臣、どっちにしても電気
通信関係というのは前に進むことばかりであって、後ろに後退するということはないわけですよ。だから、かなり僕らの頭も前へ前へというふうに進めておかないと、今のような問題が出てもなかなか
議論の展開が難しくなるということなので、僕は郵政
大臣に別に注意、勧告申し上げているわけじゃないんだが、そういう時代に入ってきたということだけはひとつ
認識を持ってもらいたい、それで電気
通信事業上の指導をしてもらいたい、こういうふうに私は思うんです。
それで、時間もありませんから、私、最近のいろんな雑誌を見ていて、モトローラ問題というのは一体何だということが非常に問われているわけですよ。
最近の雑誌に、月刊テレコメントという薄い雑誌ですけれどもありまして、ことしの三月号に、「移動
通信摩擦 米国側の要求に屈したIDOの無念」ということが非常に詳細に書かれているわけですよ。
これは、
国内外、どなたが読んでみても、これが事実だとすれば批判が起こるのは当たり前だということと、こういう事態について、神崎前郵政
大臣は十五分間のアメリカの政府の代表との交渉で終わってしまったと。郵政
大臣ですから、最後の最後ですからそういうこともあり得ますから、別にそれを非難しているわけじゃないんだけれども、問題はやはり内容なんですよね。しかも、モトローラ方式による
日本政府との交渉、包括協議、この方法が一番いいと、
日本には一番きくという
一つの方程式を与えたのは
郵政省だということにも実はなっているわけなんですよ。
今、
規制緩和の問題がかなり政治的な問題になっています。確かに緩和しなければいけない。そういう中には
通信機器というものも大きな課題としてあるわけだし、魅力のある市場としてIT&T自体が政府の副大統領のところにかなり足を運んでいろんな画策をしているというふうなことが報じられ、あるいは自動車業界、デトロイトにあった本部をわざわざワシントンに持ってきて、それを広く内外に誇示するというか紹介するというか、パーティーなどをやって、そして政府に対してさまざまな問題を持ち込むということにどうもなったようであります。
その背景には、モトローラ方式による
日本政府に対する交渉形態、これをやることが黒字解消にもなるし、アメリカから見て赤字解消にもなるしと、こういうような発想が横溢しているというふうに私は聞いているんですよ。また、物の雑誌によると、そんなことが報じられている。したがって、ここはひとつ我々も過去を振り返りながら、やはりこういったことは許してならないんじゃないかということを実は強調したい気持ちでいっぱいなのであります。
郵政省からもいろんな資料をいただきました。これにはうそ偽りはないんだろうと思う。例えば、モトローラの提案
自身について、基地局の数まで入っています。百五十九局というのが入っている。従来の価格でやれということも要求になっている。それから、四十五日以内にIDOという会社はモトローラに発注しろと。そして、十二カ月以内に受け取れというわけです。ちゃんとつくって送るから受け取れということ。さらには、受け取り後三カ月以内にサービスを開始しなさい。そして、収容可能加入数は四十五万端子ということにどうもなっているようですが、加入者の数は四十五万。その二分の一、二十二万五千の加入者が使う端末機を四十五日以内に発注しろと。そして、十八カ月以内に供給をするから受け入れろということまでこの中に書いてあると私は見ています。実際に書いてあるわけですよ。そうして、これは一体どういう性格を持つのかということが
一つ問題になりますよね。
さらには、「
我が国政府は、以下の措置を講じる。」ということになっておりまして、「IDOの計画の達成をモニターしこということですから、我々流に言えば検証しだな。そして、「最後まで見届ける。」という言葉が使われている。要するに責任を持つということでしょうな、これは。それから、「IDOの計画の実施
状況を評価するために、四半期ごとに」報告する。それこそ二重、三重じゃないかというようなこと。さらには、「問題が生じた場合には、計画遵守を確保するために、全ての可能な措置を講じる。」と、こういうことも約束されている。一体これはどんな意味を持つんだろうか。さらには、「許可、免許、認可手続きを迅速に進める等の措置を講じる。」ということも約束をされている。他の企業から見たらまさに特別扱いですわな。
しかも、「全ての可能な措置」ということは一体どういうことを
郵政省はやろうとしているんでしょうか。計画がうまく進まないということになったら、どういうことをやろうとしているんですか。融資でもするんですか。融資をするために
郵政省は動いてあげるんですか。
実際問題として六百億の投資額がかかるそうです。当初予定したのはIDOの会社では二百七十億の投資なんです。それがこの要求を満たすことによって三百三十億の過剰投資になるわけですよ。だから、それはIDOという会社の生死に値するぐらいのものがあるし、それは
郵政省黙って見ているわけにいかない。何かやってあげないとうんと言わないということになるから、一体どういうことがあるのかということなんかについて物すごく私
自身は疑問だらけなんです。
モトローラという会社は
通信機器メーカーです。IDOというのはいわゆるソフトの部分であって、通話を機械的につなぐという意味で、
提供してお金をもらっているという関係なんですから、それこそメーカーとの関係で言えばIDOという会社はお客さんで、メーカーであるモトローラはそれこそ業者でないかと。業者がお客さんに押しつける、押し売る、こんなことを
郵政省が認めたということになりますと、これはほかにも影響を与えますよ。包括協議はまだまだあるんですから、これから。
そういうことを
考えると、むしろ反省した上に立って、今後
通信機器の問題がどんどん来ますから、僕はやってもらっていいと思うんですよ。やってもらっていいと思うが、こういう形態で
日本の事業がやりたいほうだいにアメリカからやられるということについては一体いかがなものかという疑問を持つものです。時間がありませんから一応見解を申し述べただけにとどまりますけれども、自後の事態の
発展に従って私も意見を申し上げていきたいということであります。
この点、郵政
大臣、御感想持っていますか。