○石破
委員 多大の皆様方の御労苦に心から敬意を表したいと存じます。
先ほどから
政治改革ができたという
言葉が何度か使われておりますが、私はこれは
政治改革ができたとは全然思っておりませんで、その第一歩がやっとスタートするという、そういう感じを持っております。すなわち、
選挙制度改革ができるというだけのことであって、
政治改革というのは、まさにこれからいろんなことをやっていかねばならぬ。
その一つはやはり
理念に基づいた政界再編であり、もう一つは地方分権というのをきちんとやっていかないと、
選挙制度だけ変えてもこれは何の
意味もない、やらないよりはやった方がましであるというような程度のことであろうというふうに私は考えております。
そこで、
総理にお尋ねをいたしたいのでありますが、政策で争う
選挙だ、だから小
選挙区制なんだということを言ってまいりました。しかし、それはもう少し
言葉を突き詰めなきゃいけないんで、政策で争う、それはすなわち、政策と予算と財源と、それがセットになって
国民に問うていかねばならない。それで初めて政策で争う
選挙ということが言えると思うのであります。つまり、減税はやります、福祉もやります、これも一つの政策でありますが、そこに財源と予算が裏打ちをされていなければ、それは政策の名に値しない、単なる希望を述べたにすぎない。
いろんな
政党がいろんなことを今まで言ってまいりましたが、それに予算と財源が裏打ちされていなかったから、何が選ばれたのか全然わからない。それぞれの
議員は
選挙区にこれを下さい、これを下さいと言ってきたのが今までの中
選挙区制であって、それを改めねばならないということで私
どもはやってきたと思っておるのであります。
したがいまして、今二極であるとか三極であるとか、いろいろなことが言われておりますが、私は基本的に今回大きな進歩があったと思うのは、より小
選挙区に近づいてきたんだ、より民意の集約ということに近づいてきたんだ、これは高く評価をしなければならぬと思っております。
すなわち、何が選ばれたのか、どのような政策、どのような予算、どのような財源を
国民が選択したのか、予算をきちんと
国民が選んでいくんだということで、小
選挙区制、より民意の集約に近づいたことは評価すべきだと思っておりますが、その点の御
見解はいかがか、それが第一点。
第二点は、地方分権に関連してのことでございます。
すなわち、今までの
政治というのは、中央集権、そして中
選挙区、一党支配、万年与党・万年野党、これが今までの
政治であったと思う。それを可能ならしめたのは米ソ冷戦構造であり、
日本の一国平和主義を可能ならしめたそういう背景であり、そして右肩上がりの経済成長であったというふうに思っております。経済が成長していったから、皆さんに幸せを分け与えますよ、こういうことが言えたのでありますが、これから
総理がやっていかれる時代はそういう時代ではないというふうに思います。
さすれば、私は、どうしても必要なのは地方分権であろう、そして地方
交付税の
システムも含めました地方の財政
制度の見直しであろう。国のことは国がやります、地方のことは地方がやります、そうはいいながら、今の地方財政の
システムを残す限り本当はそうはならないんじゃないか。この橋は何々党がかけました、このトンネルは何々党がつくりましたということになってしまっては、これは今と大同小異である、かように思っております。地方分権というのをきちんとやらないと今回の
選挙制度を変えた
意味がない。
私は、
自民党で
議論をしておりましたときも、一番欠落していたのは地方分権に対する
議論が欠落をしていた、これをきちんとしなければ中央の
選挙制度だけ変えても何の
意味もない、そういうふうに思っておりました。ですから、地方分権というものを急ぐ必要があるのではないか、かように切望しておりますが、いかがでございましょうか。
最後にお尋ねをいたしたいのは、いわゆる
政党というものをどのようにとらえるかということでございます。
政党法につきましては先ほど来いろんな御論議があるところでございますが、やはり
政党というものをきちんと法的に位置づける必要は、私は
政党政治を標榜するからには必ず必要なことであるというふうに思っております。
政党に対して過度な
行政の介入を防ぐんだ、だから
政党法なんかない方がいいんだ、これも一つの御
議論でございましょうが、しかし
政党を権力から守っていくという
意味でも
政党法というのは位置づける必要があるのではないか、かように思います。
そしてまた、小
選挙区というのは、だれだれに投票するということはすなわちその
候補者の属する
政党の党首を
内閣総理大臣にします、そういうような
国民の意思表示のはずであります。だとすれば、
政党の党首がどのような方法によって選ばれるのか、それもきちんと民主的に定められませんと、これまた
趣旨に反することになるのではないか。
政党の法的な位置づけにつきまして
総理の御
見解を賜れれば幸いでございます。
以上でございます。