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1994-03-01 第129回国会 衆議院 政治改革に関する調査特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年三月一日(火曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 石井  一君    理事 大島 理森君 理事 北川 正恭君    理事 古賀  誠君 理事 額賀福志郎君    理事 野田  毅君 理事 細田 博之君    理事 松永  光君 理事 保岡 興治君    理事 左近 正男君 理事 前田 武志君    理事 三原 朝彦君 理事 太田 昭宏君       逢沢 一郎君    片岡 武司君       久野統一郎君    自見庄三郎君       白川 勝彦君    谷垣 禎一君       穂積 良行君    松下 忠洋君       谷津 義男君    若林 正俊君       大畠 章宏君    小林  守君       輿石  東君    細川 律夫君       堀込 征雄君    岡田 克也君       西川太一郎君    吹田  愰君       石田 勝之君    前原 誠司君       茂木 敏充君    赤松 正雄君       権藤 恒夫君    日笠 勝之君       川端 達夫君    柳田  稔君       東中 光雄君    石破  茂君  出席国務大臣         内閣総理大臣  細川 護熙君         自 治 大 臣 佐藤 観樹君         国 務 大 臣 山花 貞夫君  出席政府委員         自治政務次官  冬柴 鐵三君         自治省行政局選         挙部長     佐野 徹治君  委員外出席者         衆議院法制局第         一部長     内田 正文君         衆議院法制局第         一部副部長   臼井 貞夫君         衆議院法制局第         一部第一課長  小菅 修一君         自治大臣官房審         議官      谷合 靖夫君         自治省行政局選         挙部選挙課長  松尾 徹人君         自治省行政局選         挙部管理課長  山本信一郎君         自治省行政局選         挙部政治資金課         長       大竹 邦実君         特別委員会第二         調査室長    田中 宗孝君     ――――――――――――― 委員の異動 二月二十八日  辞任         補欠選任   谷  洋一君     松永  光君   葉梨 信行君     古賀  誠君 三月一日  辞任         補欠選任   斉藤斗志二君     久野統一郎君   自見庄三郎君     谷垣 禎一君   津島 雄二君     松下 忠洋君   町村 信孝君     若林 正俊君   大畠 章宏君     輿石  東君   小沢 一郎君     西川太一郎君   簗瀬  進君     石田 勝之君 同日  辞任         補欠選任   久野統一郎君     斉藤斗志二君   谷垣 禎一君     自見庄三郎君   松下 忠洋君     津島 雄二君   若林 正俊君     町村 信孝君   輿石  東君     大畠 章宏君   西川太一郎君     小沢 一郎君   石田 勝之君     簗瀬  進君 同日  理事大島理森君、北川正恭君、野田毅君及び保  岡興治君同日理事辞任につき、その補欠として  古賀誠君、細田博之君、松永光君及び額賀福志  郎君が理事に当選した。     ――――――――――――― 二月二十八日  小選挙区制の撤回に関する陳情書  (第八七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正  する法律案起草の件  衆議院議員選挙画定審議会設置法の一部を改  正する法律案起草の件  政治資金規正法の一部を改正する法律の一部を  改正する法律案起草の件  政党助成法の一部を改正する法律案起草の件  政治改革関連法施行に関する件      ――――◇―――――
  2. 石井一

    石井委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案衆議院議員選挙画定審議会設置法の一部を改正する法律案政治資金規正法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び政党助成法の一部を改正する法律案、右四法律案起草の件について議事を進めます。  四件につきましては、先般来、衆参連立与党と自由民主党との間で協議された政治改革協議会における合意に基づき、理事会におきまして御協議をいただいたところでありますが、お手元に配付いたしましたとおりの四起草案委員長から御提案いたしたいと存じます。  各起草案趣旨及び内容につきまして、御説明申し上げます。  御承知のとおり、政治改革関連法案につきましては、第百二十八回国会において、両院協議会成案を得て成立したところでありますが、両院協議会成案が得られるに至った経緯とその趣旨を踏まえて、ここに関係法律改正を行おうとするものであります。  まず、公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  その一は、衆議院議員選挙制度についてであります。  衆議院議員定数につきましては、小選挙選出議員を三百人、比例代表選出議員を二百人に改めることといたしております。また、比例代表選出議員選挙につきましては、全都道府県の区域を十一に分けた各選挙区において行うことといたしております。十一の選挙区を申し上げますと、北海道、東北、北関東、南関東、東京都、北陸信越、東海、近畿、中国、四国及び九州であります。なお、比例代表選出議員選挙は、中央選挙管理会がこれを管理することといたしております。  次に、小選挙選出議員選挙において候補者届け出ができる政党その他の政治団体につきましては、所属国会議員を五人以上有するもの、または直近衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員通常選挙における得票率が百分の二以上であるものに改めることといたしております。また、比例代表選出議員選挙において名簿届け出ができる政党その他の政治団体は、小選挙選出議員選挙において候補者届け出ができる政党その他の政治団体のほか、名簿登載者数当該選挙区の定数の十分の二以上であるものに改めることといたしております。  なお、重複立候補は、比例代表選出議員選挙選挙区の区域内の小選挙区に係る候補者についてできることとするとともに、名簿登載者の数は、重複立候補者を除き、選挙区ごとに当該選挙区において選挙すべき議員の数を超えることができないこととし、また、比例代表選出議員選挙について、いわゆる阻止条項は設けないことといたしております。  以上のほか、再選挙等特別選挙及び選挙運動に関し、所要規定整備を行うことといたしております。  その二は、戸別訪問について、何人も、選挙に関し、戸別訪問をすることができないことといたしております。  その三は、あいさつ状禁止について、公職候補者等選挙区内にある者に対して出してはならないあいさつ状は、答礼のための自筆によるものを除き、年賀状、寒中見舞い状暑中見舞い状その他これらに類するものとすることといたしております。  次に、衆議院議員選挙画定審議会設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  衆議院議員選挙画定審議会設置法施行期日につきましては、ただいま申し上げた公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律公布の日から施行することといたしております。  次に、政治資金規正法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  その一は、政党要件緩和でありまして、政党とは、政治団体のうち、所属国会議員を五人以上有するもの、または直近衆議院議員の総選挙もしくは直近参議院議員通常選挙もしくはその前回の通常選挙における得票率が百分の二以上であるものに改めることといたしております。  その二は、会社等資金管理団体に対する寄附について、会社労働組合その他の団体は、資金管理団体に対して、年間五十万円を限度寄附をすることができることとするとともに、施行日から五年を経過した場合にこれを禁止する措置を講ずるものとすることといたしております。  最後に、政党助成法の一部を改正する法律案について申し上げます。  その一は、政党交付金交付の対象となる政党につきましては、政治資金規正法上の政党のうち、国会議員を有するものとすることといたしております。  その二は、政党助成法運用等について、政党は、政党交付金国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意し、その責任を自覚し、その組織及び運営については民主的かつ公正なものとするとともに、国民信頼にもとることのないように、政党交付金を適切に使用しなければならないものとすることといたしております。  その三は、政党届け出について、政党交付金交付を受けようとする政党は、当該政党本部及び各支部の前年における収入総額を合計した額から政党交付金、借入金及び本部や各支部において重複計上された額を控除した前年の収入総額を、計算書等を添付して自治大臣届け出なければならないことといたしております。  その四は、政党交付金交付額について、その年分として各政党交付すべき政党交付金交付限度額は、その政党の前年の収入総額の三分の二に相当する額とするとともに、各政党に対する政党交付金交付は、毎年、七月、十月及び十二月に行うこととするほか、所要規定整備を行うことといたしております。  なお、以上の四法律案施行期日につきましては、いずれも公布の日から施行することといたしております。  以上が四起草案趣旨及び内容であります。     ————————————— 公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案     ————————————— 衆議院議員選挙画定審議会設置法の一部を改正する法律案政治資金規正法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案政党助成法の一部を改正する法律案    〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 石井一

    石井委員長 なお、今回、四起草案提案に当たり、議長から、国民注視の的である重要法案にかんがみ、法案提出方法やその審査の進め方につきまして十分配慮すべきであるとの御意向がありました。私もその趣旨に賛同し、理事会におきましてもこの点を考慮の上、本日の委員会を開会させていただいた次第であります。     —————————————
  4. 石井一

    石井委員長 ただいまガーナ共和国国会議員団御一行が傍聴されておりますので、御紹介いたします。  サンキュー フォー ユア アテンダンス。     〔拍手〕     —————————————
  5. 石井一

    石井委員長 この際、御発言の申し出がありますので、順次これを許します。太田昭宏君。
  6. 太田昭宏

    太田(昭)委員 私は、日本社会党護憲民主連合、新生党・改革連合、さきがけ日本新党、民社党新党クラブの御了解を得て、公明党代表して、ただいま委員長提案として議題になりました公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を含む政治改革関連法案につきまして、発言並びに総理に若干の質問をいたします。  長年の懸案であった政治改革がさきの臨時国会成立し、去る一月二十八日の細川総理河野自民党総裁との合意、いわゆる総総合意を踏まえて連立与党自民党との間で協議を行い、ここに合意の結果として委員長提案という形でようやく結実をいたしました。総理総裁を初め与野党関係者の皆様、特にその衝に当たられた石井委員長の労に心から敬意を表したいと思います。  そして、数々の難関を越えての今日の結実の背景には、紛れもなく世論の力があったと思います。何としても政治改革を実現し、硬直、腐敗日本政治を変え、歯車を前に進めよという国民の切実なる声があったことを忘れてはならないと思うのでございます。  また、既に幾たびか報道されたように、政治改革協議会での白熱した議論国民注視の中で行われたものであり、新しい政治土俵を築くべき作業でありました。真剣さの中からあふれた知恵のあらわれであったと思います。まさに、さまざまな議論を経て、議会制民主主義の基礎ともいうべき代表の選び方、選挙活動政治資金のあり方など、いわば政治共通土俵づくりが実現することは極めて重要な意義があると思います。  リクルート事件以来の議論の中で、政治改革選挙制度も含めた深い改革でなくては腐敗防止も徹底しないという合意が形成されてきたと思います。また、激変する世界の中で日本政治現状維持は許されない、五五年体制の枠の中で築き上げたさまざまなシステムと決別しなければならないとの共通認識が築かれたと思います。  その中で合意を見た小選挙比例代表並立制によって、衆議院選政権の担い手を選ぶ選挙になります。国民の選択によって政権がかわる、権力は絶えず国民に対して敏感になる、一票の行使がそのまま政権交代に直結するという新たなシステムとなります。同時に、民意を素直に反映する比例代表部分によって、価値観の多様化する社会に対応することになります。小選挙区三百、比例区二百、十一ブロック制となりましたが、これまで主張してきたように、比例代表部分重要性をここで改めて指摘しておきたいと思います。  加えて、政治資金制度は、企業団体寄附について我々のかねてから主張してきた禁止への強い方向が実らなかったことは残念ですが、現状に比すれば企業献金が大幅に制限されました。また、透明度も極めて高くなり、政治資金並びに政治活動における違反者に対しての罰則を強化するなど、腐敗防止についても飛躍的に強化されております。  また、一票の格差が大幅に縮まり、政党政策本位制度へと大きく踏み出しているわけでございます。その意味で、今回の改正は戦後五十年を前にして戦後政治史を画する画期的な内容であると思います。  そこで、総理政治改革政権を標榜してきた細川内閣成立後七カ月でこの難事業を実現し、国民への公約を果たしました。この意義は極めて大きいものがあります。また、今後、この歴史の転換期に当たってさまざまな改革変革が必要でありますが、今回の政治改革実現はその足場を強固にするものであると私は思います。総理は、今回の政治改革意義をどのように認識されているのか、また、今後、本格政権としていかなる改革政治目標に取り組んでいく決意か、総理見解を承りたいと存じます。
  7. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 政治に対する信頼を取り戻すということは国民の長い間の強い関心事でございましたし、また、政治家である私どもにとりましても、いかにして国民政治に対する期待を取り戻すか、信頼を取り戻すかということは大きな課題でございました。  そうした意味で、政治改革法案成立をするということは極めて大きな意義のあることであると思っておりますし、もちろん、この制度ができたことによって政治が非常によくなるということでは必ずしもないと思いますが、制度がすべてだということではないと思いますが、しかし、絶えざる改革というものを、見直しというものを進めていきながら、少しでもこの制度というものがよくなっていくようにさらなる努力をしていかなければならないと思いますし、そのことによって責任のある政治というものが遂行されますようにさらにお互いに努力をしていく必要があろう、このように思っております。  政治改革は本内閣のもとより最大の課題でございますが、そのほかに、経済改革あるいはまた行政改革経済改革の中にはもとより日米摩擦のような問題も含まれますし、また、行政改革の中には、これも日米摩擦の問題などとも絡んでまいりますが、規制緩和のような問題もあろうと思います。そうした問題に、引き続きこの政治改革の後、取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
  8. 太田昭宏

    太田(昭)委員 今回、政党本位民主主義の育成を目指して、公的助成が導入されることになりました。各政党に対する政党交付金は、前年収入の三分の二を上限とすることとなりました。国民のとうとい税金政党政治活動に使われるということに対し、政治にかかわる者として襟を正すべきことは言うまでもありません。  しかし、注意すべきことがございます。議会制民主主義を推進する上で最も重要な役割を果たしている政党活動に対しては、行政権が介入することは許されるべきではありません。政治改革協議会でも、政党規制にならないか、新しい政党について大変厳しい面があり、既存政党固定化につながるのではないかという強い主張がございました。政党収支の実績に行政が立ち入るようなことは極力排除されなければならないと思うわけでございます。この点について、行政トップ最高責任者として、総理はどのように考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
  9. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 おっしゃるとおりだと思います。  政治資金規正法収支報告書によって政党の前年の収入額につきましては把握をすることになっておりますし、行政政党財政の中に立ち入るようなことにはならないというふうに考えておりますが、いずれにしても、行政政党の内部に立ち入るようなことは好ましいことではない、このように思っております。
  10. 太田昭宏

    太田(昭)委員 もう一つ残された問題として、区画画定する作業がございます。  区画画定に当たっては、第三者機関としての審議会がつくられてこれを決定することになっておりますが、あくまでも公平と公正が確保されなければなりません。いささかも国民疑惑や不信を招かないように決定されなければならないことは言うまでもございません。与野党とも、また議員個人としても、自分自分の党に有利になるような圧力や口を出すようなことは慎むべきだと思います。中立、公正が確保されるよう万全な対応を図るべきだと思いますが、この点についても総理見解をお伺いしたいと思います。
  11. 山花貞夫

    山花国務大臣 全く御指摘のとおりだと考えております。  今回、学識経験者から成る公正な第三者機関として選挙区画審議会を設けているところでございまして、衆参を通じての議論におきましても、まさに国民疑惑など全くない公正な区画をつくらなければならないということについては、十分その議論を踏まえて、これからこの審議会のメンバーに区割りをつくっていただきたい、こういうように思っているところでございまして、そのことについては、今後の問題でありますけれども政府としても、十分心して対応していきたいと考えているところでございます。
  12. 太田昭宏

    太田(昭)委員 以上、申し上げましたように、今回の法案は、歴史的な政治改革に具体的に踏み出す画期的な改正法案でございます。何としても成立させるとともに、第一に、さらなる改革に踏み出すこと、第二に、さらなる新しい制度がその意図したとおりに作動できるよう私たち努力をしなくてはならないことを訴えまして、私の発言を終わります。  ありがとうございました。
  13. 石井一

    石井委員長 次に、大島理森君。
  14. 大島理森

    大島委員 六年前に法案を出したときに官邸におりました。振り返ってこの六年間、回り回って、今仕上げようとする法案は、そのときとかなり似たようなものでございます。当時は山花さんも佐藤さんも、公明党さんも民社党さんも、体を張って反対された法案が、学習の上に立って、そして自分たち理念自分たちの考え方がやはりあのときは間違っておった、そうして勉強した結果、あのときの案にかなり近い、基本理念も正しいものであったといって今法案ができ上がろうとすることに感無量でございます。  私は、政治改革目的というのは一体何だろうかと、ふと考えておる毎日であります。その間、いろいろなことがありました。総理、私は次のように思っておるのです。つまり、政治家責任政党責任、それから主権者である選ぶ側の責任、総じて言えば、政治責任を一層明確化するということが基本的な目的だったのではないか、こう思っておるのでございます。そして、そういう中にありまして、その政治責任というものを今日において私どもはこの制度を通じて明らかにしていく、もっと明確にしていくということがこの制度改革趣旨であったと思うのです。その中にありまして、私はこのごろ思いますのは、結局、政治がいろいろな人間の総意で決められていくという過程において、一番大事なのは言葉だということを思っておるのです。  つまり、もっと言いますと、言葉責任というものを私どもはいま一度真剣に考えなければならぬ。政治改革内閣として誕生された細川内閣のこの七カ月を見てみますと、その言葉責任というものについていささか私は疑問を持つ。例えば、この特別委員会総理議論をしましたときに、二百五十と二百五十は何でいいんですか、理念の論争をしました。そのときに総理は、山があって松と竹が半々ぐらいあるのが美観上いいじゃありませんかということを私に言われたのです。ところが、出てさましたら、その理念総理は変えられました。ですから、それもまた総理のお勉強の成果、やはりあのときはおれの意見は間違っておった、自民党の案の理念の方がよかった、これは過ちを正すにはばかることなかれでありますから結構なことだと思います。  また、政治改革年内に実現するんだ、これは政治責任なんだ、総理責任なんだと言われて、残念ながら、これは今日、年内に実現できずに三月にできようとするそのことに対しても、私は、言葉重みというものをいま一度もう少し考えていただかなければいかぬな。国民福祉税、米の問題あるいはその他を考えますと、私は総理言葉が軽いなと感じている一人でございますし、もし総理の著書である「責任ある変革」という言葉がそういうことだと称するのであれば、いささか私はその言葉重み、つまり政治改革趣旨というのが責任ということであれば、言葉重みというものをもっともっと総理は真剣に重く受けとめて発せられなければならない。  なぜかといいますと、日本の中だけで総理発言が生きているのではない、今や総理発言世界に対しての発言なんです。私は、イラクのクウェート侵攻のときにつくづくそう思いました。したがって、時には総理官房長官意見が右と左のように違う、まあさまざまに意見があるから、連立だからという、いわば一つの言いわけ的なことられてもいいような、必ず出てくる言葉がその言葉でありますが、国内的にはそれはわかるかもしれませんが、世界に向かってはそれはわからないのです。  したがって、そういう意味で、今後、細川内閣はきょうあした倒れるわけではないとは思いますが、ぜひ、責任ある政治をこれからしていくんだという政治改革ができようとするときに、総理言葉というものに対してもっともっと深くお考えになって発せられてほしい、これは一国民というより日本を思う一人として私はそう思います。例えば七日に所信表明をやりたいんだなんという、これはやはり内閣総理大臣としては国会運営にああいう発言をされるのはいけませんね。やはりいけないと思うのです。  そこで今国民は、この日本丸のリーダー細川総理であります。ところが、そこのリーダーをサポートする副操縦士やあるいは機関士、ナビゲーターあるいは栄養士さん、こういうスタッフをかえるのかかえないのかという話が新聞でいっぱい出ております。心配しておるのです。今すぐかえて、一体新しくなる人はトレーニング大丈夫なんだろうか。予算という大事な国民の生活を今こういうふうにこれから審議しようとするときに、キャプテン、トップはかわらないけれども、それをサポートする人たちをかえるのかかえないのか。何か総理はかえたいとかかえたくないとかという言葉新聞に出る。これも総理言葉だと思うのでございますが、そういう意味で、国民のその心配に対して、ずばり総理はここ一週間以内に内閣改造する御予定ですか。お答えください。
  15. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 その前に、国会の日程のことにつきましては、七日にお願いをしたいというふうなことを申し上げたことはございません。正確に伝わっていないということはぜひ御理解をいただきたいと思います。あくまでもこれは国会の御日程であるということを申し上げました。  それから、改造の問題につきましては、政治改革なりあるいはウルグアイ・ラウンドなり、経済のパッケージなり、日米協議なり、そうしたものが、まだ政治改革にしても区切りがついたわけではございませんが、一つの、何というのか、峠は越えたかなという感じがしておりまして、そうした観点から改造の問題についても考える余地が出てきているかなというふうには思っておりますが、この一両日の間にもう少し全般的に総合的に判断をして決めたいというふうに考えているところでございます。
  16. 大島理森

    大島委員 任命権者は総理でございますし、まあこれ以上のことは申し上げませんが、どうぞ今後、総理国民に向かっておっしゃること、それは国民だけに向かって言っているのではない、世界に対しても言っていることだ。当然に総理も重々に御承知のことと思いますが、国民福祉税のあの経過を見たときに、今の日米関係の、いろいろなファクターがあったと思います。あったと思いますが、やはり私はそういうものも影響しているのじゃないだろうかという思いであります。それはまた閣内におられる皆さんも一緒なんですね。閣内におられる皆さんも一緒だ。  ですから、ぜひそういう意味で、自民党だから与党だからあるいはどうだからというのではなくて、日本国を背負ってこれからやられるというその重い責任をみずから改めて認識されていろいろな場面で御発言をされることを望みますし、ぜひそのことは、政治改革ができるという意味で、何のために政治改革をやるんだ、何のためにこんな苦しい六年間を踏まえてきたのだ、その意味は、改めて申し上げますが、責任ということをもっと明確にする政治をつくりたいということではなかったかなと思いますので、その点を心してひとつ頑張っていただきたいものだ、こう思います。  さてそこで、政治改革の中身について申し上げましょう。  先ほどもちょっと申し上げました。総理とこの衆議院で論戦をさせていただきましたときに、松と竹の話を出されて美観論争をさせていただいたわけでございます。例えばそういう経過を、いろいろな経過を踏まえまして、あのときに、これは最善のものなんだ、そして総理年内にこの法案法律にしてと公約して、頑張っていくんだ、こう言った。しかし残念ながらそれはできなくて、そして予算そのものも人質にある意味ではとられて今日まで来ました。その決意、その努力というものは一つのやり方ではあったと思いますが、私どもはそうではない。そして、その後においてこういう結果になりました。  一体、総理のそういう理念の変遷、今度の総総会談における合意というのは、仕方ないんだ、これはという思いでサインをされたのか、それとも、やはり論議の結果、基本的に自民党が主張しておられた理念、そういうものの方がこれからの政治をつくるためにいいのだという思いでされたのか。私はやはり理念の変遷だと思うのです、総理の。その辺について総理の所感を伺いたい、こう思います。
  17. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 理念の変遷とおっしゃいましたが、長い間の御論議の経過を経て政府案として御承知のようなものを出させていただいたわけでございますが、その後また、国会におきましてもさまざまな御論議がございました。先ほど、めぐりめぐってまたもとのところへ来たんじゃないかという趣旨のお話もございましたが、それに近いものになったかなという気もいたします。  しかしとにかく、政治というのはやはり妥協の産物という、そういう現実的な側面を押さえなければならないということも現実でございましょう。私どもは、政府案としてさきにお示しをしたようなものがベターであるということで出させていただいたわけでございますが、その後の御審議の経過、あるいはまた、何とか成立をさせなければならないという国民の期待、そうしたものを踏まえたときに、一月の二十八日でございましたか、河野総裁との間で、先ほど委員長からお示しがございましたような形での合意というものが成立をして、こういう方向でいこうということになったわけでございますが、それは確かに私どもが当初お示しをしたものとは、数の問題を初めとして違ったものではございますけれども、しかしその後の、先ほども申しましたように、この委員会等々における御審議の経過あるいは政治の全般の動きと申しますか、そういう中での現実的な判断として、何としてもここで長い間のこの改革の論議に決着をつける必要があろう、そういう判断から出たものであるということをぜひ御理解をいただきたい、こう思っております。
  18. 大島理森

    大島委員 総理のさまざまなというお言葉が何回か出られましたので、今考えてみますと、歴史にもしということは言ってはいけないことなのかもしれませんが、年内実現という総理のまさに政治公約を実現しようとするならば、そのときの判断を年内にしておけば、予算編成も、今、三月に来年度の予算を出すなんということは、歴史上、これはある意味では初めてですよ。景気対策も、あるいはそういうもろもろの総合的な判断を、今の判断を年内にしておけば、国民の利益にとってよかったのではないかなという思いで私はおります。  さてそこで、佐藤自治大臣、これも旧聞の話で、必ず否定されるのですが、私はこれを見たときに本当に腹が立ったのですよ。一月二十九日に、区割り法案について、当時の与党の党利党略も背景にあってこれはゼロから見直さなければならぬ。言ってないとあなたは言うかもしれませんが、これは時事ファクスのコピー、私今でも持っておる。党利党略というのは、これは私はあのときに、またしつこいようですが、官邸の片隅の小さいいすに座っておって、そんなことは一つもありませんよ。名誉のために申し上げておきます。こういうことを言うということは、逆に党利党略でつくるという、逆のそういう誤解を与えるのです。先ほど申し上げました。大臣というのはもう少し言葉を慎みなさい。総理初め余りにも言葉が軽過ぎる。政治を劇場みたいにしてはだめなのです。こういうことを言ったことがありますか。
  19. 佐藤観樹

    佐藤国務大臣 当時、海部内閣の案が出たときに、野党の方からこの区割り案は党利党略ではないかといういろいろな声があったことは、私は事実だと思っております。ただ、自治大臣という立場になりましていろいろ調べてみますと、今大島先生言われますように、ワーキンググループ五人の方が公正な形で三百のあの海部案の区割りをつくられたということを私も承知をし、また、これから七人の新しい審議会委員の方を国会でお決めをいただいて、そしてこれから、数は確かに三百ということで同じ小選挙区ではございますけれども審議会委員の方は始めてこの審議を始められるわけでございますから、当然のことながら、ゼロからまさに公正な審議をしていただいて御答申をいただくということでございますので、確かに当時、党利党略ではないかといろいろ意見があったことは事実だと思いますが、そのことに関係なく、これはいわばゼロから区割り案をつくっていくということでございますので、若干前と後ろがくっついて話が報ぜられたようでございますけれども、私の申し上げた真意はそういうことでございます。
  20. 大島理森

    大島委員 自治大臣はこういうことを言ったことはない、こういうことですな。  そこで総理区画法は六カ月以内につくる、こうありますね。総理のお気持ちとして、目いっぱい六カ月間かけたいというお気持ちですか。それとも、できるだけ早く、まあ幾らそのときのワーキンググループ、全くゼロから見直すことは別にしても、資料としては相当あると思うのですよ、その当時の資料が。だから、できるだけ早く区画法を出したいというお気持ちですか。あるいは今の国会の中でできれば出していきたい、こう思っておられますか。この辺の、まあ総理のお気持ちというか、そういうふうなものはいかがですか。
  21. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 これはもう、まさに審議会委員の方々の御判断で決めていただきたい、御審議をじっくりお願いをしたい、このように思っております。
  22. 大島理森

    大島委員 いずれにいたしましても、区画法案というのは、六年前も、出した途端に各議員の生命にかかわる問題です。そしていろいろな論議を今日までしてまいりましたが、その土俵そのものであります。  そこで、私は総理山花大臣や佐藤大臣それぞれに覚悟としてぜひお聞き及んでいただきたいし、まず政治的に絶対に中立であること、これが第一点、そして地政学的に、やはり地方の意見をよくお聞きになられること、そしてそういう中で二対一という問題に限りなく努力をされること、私はこの三点ではないかと思っておるのです。そのことに対して、改めて総理も、それから山花さんも佐藤さんも決意のほどをきちっと述べていただきたい、こう思うのです。
  23. 山花貞夫

    山花国務大臣 全く御指摘のとおりだと考えているところでございます。
  24. 佐藤観樹

    佐藤国務大臣 もう大島委員御承知のように、法律にはちゃんと行政区画、交通あるいは経済的な関係等々、そういったことを総合的に勘案して合理的な案をつくるということが書いてございますので、今委員言われましたように、二倍以内にどのくらい近づけるかということも十分審議会委員の方が考えていただいて、客観的かつ公正な案をつくっていただける、まだそういう方を国会の御承認をいただいて選んでやっていただくということでございますので、委員御指摘のとおりだと私も考えております。
  25. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 もう両大臣から申し上げたとおりでございます。
  26. 大島理森

    大島委員 冒頭に改造問題をお伺いして、両大臣、もしそうなった場合にずっとお残りになるかどうか私わかりませんので、きちっと総理からも伺って、ぜひそのことだけは心して、まさに委員の人選のときから、いやしくも客観的に見ておかしいというようなことがないように、しっかりとした案を出されることを希望いたしたいと思います。  さてそこで、次に公的助成のことについて伺います。  三百億という税金政党が今度交付を受けることに相なりました。例えば三十三条、政党助成法の中には、自治大臣は、政党政党助成法規定に違反して政党交付金を受けた場合には返還を命ずることができ、その返還すべき政党交付金は、国税滞納処分の例により徴収することができるということを規定しております。  これはとても大事な私は条項だと思うのです。この規定をさらに意義あるものにするためには、政党が公金の支出を受けたことに関する一切の問題に対して十分な責任を果たさなければなりません。そのためには、やはり政党みずからが権利義務の帰属主体となっての責任の所在を明確にするようにしなければならぬだろう。いわば権利能力を付与する措置を講ずる必要があるのではないか。そういうことで、いわば委員長、今は委員長席でございますが、我が方の松永座長との間に、これは今後勉強しよう、この点は非常に大事なところだと合意されました。  行政府としてこの点に関してはどんな問題意識を持っておられるか、この点についてお答えを願いたい、こう思うのです。
  27. 佐藤観樹

    佐藤国務大臣 政党法に関する問題は、かなり本委員会でもいろいろな立場からの議論がございました。たくさんの問題があるとは存じますけれども、御質問の件につきましては、連立与党と自由民主党におきまして、政党交付金交付を受けることができる政党は法人格を有すべきであるとの自由民主党の意見に留意し、今後連立与党と自由民主党との間において協議を行い、衆議院議員選挙区を定める法律案国会提出までに結論を得るものとするとの合意が行われているところであることを承知しておりますので、今後連立与党と自由民主党との間で十分御協議をいただきたいというふうに行政府としては考えております。
  28. 大島理森

    大島委員 これは本来は委員長にお尋ねをした方がいいと思うのでございますが、むしろ、委員長は今委員長席に座っておられますから、そっちの方にちょっとお伺いしましょうか。  資金管理団体ですね、これで立候補予定者の認定問題なんですが、合意の中で、資金管理団体届け出に当たっては、立候補予定者の選挙届け出義務をするということになっておるのです。これは改正法案に入っていないのですね、これを見ますと。これはどういうふうに処理されるつもりなのか。
  29. 佐野徹治

    ○佐野(徹)政府委員 この件につきましては従前から、届け出関係の書類をどういうようにつくるか、どういうものを出していただくか、そういうことは従来から自治省令で様式を定めております。今回も、従来の考え方に沿いまして、自治省令で適宜措置をいたしたいと考えております。
  30. 大島理森

    大島委員 それから、政党助成法は前の国会改正法では年四回、こうなっておりました。これが今度三回になりましたね。そこの変化の経緯、この辺についてちょっと理由を教えてください。
  31. 佐野徹治

    ○佐野(徹)政府委員 今回の政治改革協議会におきます連立与党と自由民主党との間におきまして政党助成の上限枠を設定されました。この設定との関連におきまして政党の方からいろいろな書類を提出をしていただくことになっております。  この書類の提出につきましては、原則といたしまして四月末までに提出をしていただきます。自治省におきましては、この書類の提出を受けましていろいろな確認等の作業をさしていただくことになるわけでございますけれども、もともとの政府提案におきましては、こういった条項がございませんでしたので、四月、七月、十月、十二月、この四回に分けまして交付をするという考え方でございましたけれども、上限枠との設定の関連におきまして政党交付金の決定時期がおくれることになります。  こういうこととの関連で交付時期の最初の時点が、もともとの政府提案では四月でございましたけれども、これが七月にずれ込むのではないかということで、七月に二分の一、それからあと十月、十二月につきましては従前の政府案と同じような考え方で措置をさしていただきたいと考えております。
  32. 大島理森

    大島委員 いずれにしても、この政党助成法に基づく政党に対する交付、また交付を受領するということの大変な重みを各政党ともに、あるいは各議員ともに認識して、いやしくも国民の前に後ろ指を指されるような使用の仕方はすべきではない、そのことについてさらに、どうあるべきか、どういうふうにしたらそういうことを担保できるか、これはさらに研究し、結論を出していかなければならない問題だ、このように思います。  最後に、これはいわば十項目七の他にはある意味ではなかったのかもしれませんが、記号式の投票という問題についても、今冷静に考えますと、参議院の実態、比例政党が四十だとか三十だとかばあっと出てきたときに、本当に記号式というのはなじむんだろうか、本当にいい制度なんだろうかということを実は我が党は真剣に議論をしております。また、ふと考えると大変なことだなという気がいたします。これは新しい制度でありますから、議論して気がついたら、やはりそこはそこでまた、私は、みんなで考え直して、つくり直せばいいことだと思いますが、参議院と衆議院の選挙制度の違いというまた実態も踏まえて、記号式二票制という問題は本当にそれでいいのかなという思いがありますが、山花大臣どうですか、どう思われますか。
  33. 山花貞夫

    山花国務大臣 これまでも、世界の趨勢ということもあり、かつ過ちが少ない等々の理由から記号式ということで政府提案してまいりましたが、御指摘のとおり、参議院におきましてはなお自書式、加えてこれからの参議院改革がどう進んでいくかということも慎重に見守る必要があると思っております。例えば、拘束式名簿が非拘束になるかならないかというようなことなども見守っていかなければならないと思っている次第でございまして、したがって、今回は記号式というよりよき案ということでお願いをいたしたところでございますけれども、今後そうした参議院の議論等についても慎重に見守ることはあるのではないか、こういうように考えているところでございます。
  34. 大島理森

    大島委員 よく答弁の趣旨が何となくわからないのでございますが、ぜひこれも与野党協議もしていただきたいと思います。  いずれにしても、新制度ができたから新しい政治がすぐできる、きれいな政治がすぐできるというものではありますまい。一にかかって、新制度趣旨に沿って目指す政治ができるかどうかは、まさに我々の責任であろうと思います。そういう意味でも、なお一層この問題について、今後ともお互いに切碓琢磨していいものをつくり、その趣旨に沿って政治活動をしていかなければならない、こんな思いでいる我々でございます。どうかひとつ今後とも、与野党の中でいろいろな話があると思いますが、実りある話し合いをしていただきたいと思います。  以上をもちまして終わります。ありがとうございました。
  35. 石井一

    石井委員長 東中光雄君。
  36. 東中光雄

    ○東中委員 初めに、今回の政治改革関連法というのは、リクルート事件に端を発して、佐川、ゼネコン疑惑などの金権腐敗政治をなくしていく、そのための政治改革ということであったと思います。国民が期待した政治改革は、金権腐敗政治の一掃、根絶ということであります。  ところが、細川連立内閣が金権腐敗の問題を選挙制度の問題にすりかえた。そして、民意をゆがめ、第一党が有利な小選挙区制、並立制を導入して、強権政治を進める方向をとった。肝心の企業団体献金の禁止については、連立政権の魂とまで言っていた政治家個人への企業団体献金禁止をやめて、企業献金を全面的に温存をする、その上に政党助成もやるというふうに進んでおります。  しかも、政府提出の政治改革法案は、参議院で否決をされました。両院協議会でも成案が得られなかった。当然廃案にすべきものでありましたが、それを、細川総理自民党総裁の密室談合協議によりまして、あの十項目の合意で、国会の成規の規定を覆す形で強引にこの四法案提案というところまで来たわけであります。その内容においても、やり方におきましても、二重に三重に議会制民主主義をじゅうりんするものだというふうに思います。  そういう点で、この四法案提案、しかも委員長提案という形で進めることに強く反対をするものであります。  ところで、選挙制度について総理に伺いたいのです。  総理は、民意を集約するために小選挙区制を入れるということを何遍も答弁をされました。私たちは、小選挙区並立制は民意をゆがめ、国民多数の意思を切り捨てて、第一党が得票以上の虚構の多数議席を占める最悪の制度だという立場で何回も申し上げてきました。これに対して総理は、小選挙区と比例代表定数が二百五十、二百五十の半々だから、民意の集約と反映が相まって、相補う形で実現されていく、現実的に妥当な案だというふうに委員会でも何回か答弁をされました。ところが、密室協議、私たちで言ういわゆる総総会談で、その半々が、二百五十が小選挙区二百七十六になり、今度は三百となった。  これでは、総理が公式に国会で現実的妥当な案だと言うたことを、それを今度は、内閣総理大臣の肩書はあるけれども個人で話をしたというようなところの合意によって覆されてしまったということになるので、全く違う結論が出てきておるということになると思うのですが、総理、その点どう言われますか。
  37. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 確かに定数上は小選挙区制が重視をされるという結果になっておりますが、今お話がございましたように、小選挙区制と比例制というものが相補う形でやはり生かされている。その基本的な並立制の考え方というものは、今このように修正をされた中におきましても生かされている、このように考えているところでございます。
  38. 東中光雄

    ○東中委員 それはちょっとおかしいじゃないですか。この前の答弁は、半々だから民意の集約と反映が相補っていいんだ、現実的で妥当な案なんだ、半々だからということを何回か言われていますよ。ところが半々じゃなくて六分四分になったんでしょう。半々であっても小選挙区制が中心になってしまうといって私たちは言ってきたんです。それが半々じゃなくて三百、二百ということになったんですから、これは相補ってと言われますけれども、前の答弁とは明らかに違うじゃありませんか。今同じように言われていますけれども、半々じゃないでしょう。ちょっとはっきりさせてください。
  39. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 今申し上げましたように、確かに小選挙区の方に少し偏ったものになっているわけでございますが、その基本的な考え方は生かされている、こう申し上げたわけでございます。
  40. 東中光雄

    ○東中委員 そういうのはまさに変節だと思いますね。しかも、国会で公式に言うたことを、今度は密室でどういうことでやったのか知らぬことに変えてしまって相補うなんというようなことを言ったって、それは私は、それこそ国会審議を軽視する密室でのゆがめ方だというふうに思います。  山花担当大臣にお伺いしますが、この三百、二百という、そして十一ブロックというのは八次審答申の線ですね。このときはちょうど公選特で私も委員になって、山花さんも委員でおられた。あのときの態度は、並立制はだめだということを盛んに言われていましたね。ただ一般に並立制じゃなしに八次審で出てきておること、社会党も併用制に踏み切るかどうかということを検討しているというような段階だったですよ。  だから、少なくとも、八次審の三百、二百ということで十一ブロックというやり方については、これは社会党としても、あるいは公明党民社党もみんな反対だということを言っておられる。山花さんは特に、こういう並立制というのは民主主義を根底から覆すものということを、これは去年の四月段階で言われたことでありますけれども、もともとの起こりは八次審のときだ。  これは、佐藤大臣も八次審のときは、木で竹を接いだというのはあの海部内閣のときであると盛んに言われましたが、山花さん、これは半々だからということで出発したはずのものが、最も反対しておったところへ密室で行ったということについてどう思われますか。
  41. 山花貞夫

    山花国務大臣 今御指摘の中で、確かに過去の議論、一部、委員おっしゃった部分もあったと思っております。今回法案提出に当たりまして、政府はベストと思って成立を期してこの法案を出させていただきましたが、同時に、十分衆参国会における御議論をいただいて、そこでの成案は尊重させていただきますということを当初から一貫して申し上げてきたところでございます。  そうした経過の中で衆参で修正という手続が進んできた今日までの経過でありますから、政府としてもベストと思って出しましたけれども国会議論は尊重する、こういう一貫した姿勢のもとで今回も受け入れ、これを成立を期しているというのが今日の状況でございます。  今、三百、二百、二百五十、二百五十、全く違っているではないか、こう御指摘もいただきましたけれども、この点については、総理既にお話しのとおりでございまして、確かに数は違いましたけれども、民意を反映させる比例部分が組み込まれている、こうした並立制の相補うという性格、本質につきましては、私は、維持されている、こういうように考えているところでございます。
  42. 東中光雄

    ○東中委員 もう話にならぬですよ。あなたも公式に社会党として言ってきたことでしょうがな。余りにも恥ずかしくないですか、本当。本当に私、公債を感じますよ。それは三百じゃだめだ、二百七十六のときにどうだといって言うたじゃありませんか。そういうことで表向きのことと違うところでどんどんいく、これはもう本当に議会制民主主義としては問題だということを申し上げておきます。  次に、この間予算委員会でもちょっとお聞きしたんですが、選挙の供託金制度の問題につきまして。  それで、政府案で小選挙区並立制を導入するについて、小選挙区部分については一人三百万円、それから比例代表選挙については名簿登載者一人につき六百万円という制度が、これは最初の閣法がそうなんですが、それでこの間お聞きして、総理最後に、一つの意見としてお聞きするという趣旨のことを私の質問について言われました。私、ちょっとただしておきたいんですけれども、小選挙区で三百万、あるいは比例代表で六百万というのは、これはもう世界で全く例のない異常な状態だということを申し上げました。  そこでお伺いしたいんですが、比例代表選挙における選挙金の供託制度というのは、世界的に探すのに苦労するぐらいないんだそうですね。そして、オランダで、とにかく、換算率にもよりますが、全国、全体の比例代表名簿を出すについての供託金が日本円に換算して百七十七万ぐらいということ、それがあるだけだというぐらいに聞いています。  それで、総理は、比例代表選挙を初めて衆議院に取り入れるわけですから、それでその供託金制度を、ほとんどそれはどこの国もやってないんだということを御承知の上でやられたのか、それは、そんなことはよく考えないで、前の参議院制度のことをそのままやったということなのか、そこをちょっと聞きたいんですが、総理自身としてはどうでしょう。
  43. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 大まかにはいろいろな話を聞きながら、今度のものを出させていただいたわけでございます。とにかく当選を度外視して多数の候補者が出られるということをやはり阻止をするということが、ただその選挙運動をするということだけが目的になって、そこで売名的な行為が行われるというようなことを阻止するということがこの供託金の制度趣旨でございましょうし、そうした観点からこの供託金の制度というものが設けられているわけでございましょうが、選挙の公営ということになりますと、多額のコストがかかることでもございますし、現行制度との整合性という観点から考えましても、私は整合性のとれたものである、このように考えているところでございます。
  44. 東中光雄

    ○東中委員 比例代表制を衆議院に取り入れるのは初めてなんですね。それで、世界の大きな流れは比例代表選挙をやっているわけですよ。そこは全部政党を中心にやりますから、供託金制度というのはないんですよ。それから、小選挙区といったら、今度は選挙区が狭くなる、一人区ですから、人口も少なくなるということで、今度は世界を調べてみれば、せいぜい日本の金にして十万か二、三万ということになっているわけですね。  ところが日本は、まるっきり中選挙区という世界になかった状況の中で、三百万とか、それから参議院では六百万とかということになっているということで、それをそのまま、世界の全体の動きを承知の上で、日本だけ別なんだ。それも二倍、三倍というんだったらまだいいですよ。イギリスで三十倍ですよ。それからフランスやカナダだったらあなた百倍以上ですがな。百五十倍ですよ。そんな供託金を取って、そして政党選挙活動を抑えつける。これは被選挙権の尊重という点からいっても、もう異常ですよ。  だから、そういうこと、選挙公営をやっているんだと。選挙公営というのは、各国では政党への助成でしょう。ということで選挙公営なり議会活動への補助を出しているんですよ。日本選挙公営というのは、選挙の公正とそれから選挙活動を保障するということでやっているんであって、それは候補者に負担をさせるとかさせないとかいうふうな問題じゃないですよ。どこもそんな発想はしてないんです。だから、発想はしていても額が二、三倍というんだったら、まあ日本は高いけれども、まあ二、三倍かということかもしれない。しかし、百倍、二百倍というふうなことを漫然とやるというのは全く異常やないか。  政党には助成をする、しかし政党選挙行動について助成をするという部分については、その公費が出ているから、だから供託金をたくさんするんだ。これはどうしてもいかぬと思うんですが、ひとつそれもう一回、総理、どう思いますか。おかしいと思いませんかな。
  45. 山花貞夫

    山花国務大臣 総理お答えのとおり、現行の金額と同じでございます。ということを前提といたしまして、今御指摘の世界比例代表制度、そこでは選挙システムが違っているということを抜きにして論ずると今委員御指摘のようなことになると思っているところでございます。  二つの方向があります。選挙もそうです。選挙の、法定選挙費用を決めた後、選挙は自由にやらせる、こういう仕組みの場合と、我が国のように選挙公営でさまざまな仕組みというものが確保されている国とは全然仕組みが違っているわけでありまして、そこを抜きにいたしますと御指摘のようなことになると思いますけれども、現行選挙公営について、供託金の何倍のお金がかかるという制度、そして一定の票をとれば返してもらえる供託金ということですから、制度の仕組みが違うことを同一に論ずるのはいかがかと思っているところでございます。
  46. 東中光雄

    ○東中委員 まるっきり違うんだよ。仕組みの違うことをやっておるのがいかぬと言っておるときに、仕組みが違うんだ。何を言っているんですか。ばかげたことを言いなさんな。少しは論理的に言ってくださいよ、ごまかしをやめて。  いずれにしましても、これはだめです、こういうへ理屈を言ったら。だって、中選挙区というのは世界に例がなかったんでしょう。それで、中選挙区制は個人でやるから金がかかるからといって小選挙区に変えたんでしょう。それで、小選挙区は政党中心にやるんだと。それから、個人の立候補権も侵さないようにするというけれども、それじゃ差別をつけられて、政党中心なんでしょう。それでその政党には助成を出すというんでしょう。  政党政党として各選挙区に立候補させるというのは、これはもう当然のことですよ。国民の選択権を、民意を反映する選択権を行使するための被選挙権として当然あるでしょう。それをやるときに、ぼうっとべらぼうに金を積ませるというのは、中選挙区で金がかかるからと言っておったときのやつをそのまま踏襲するんだから。中選挙区から比べれば、今度は小選挙区三百になったら、中選挙区百二十九に対して三百ですから、面積は二分の一以下でしょう。人口もそうでしょう。そういうふうになるんでしょうがな。そして、人口もそうだと。選挙期間も今度短縮したでしょう。  だから、全部をそういう小選挙区制の体制にしながら、供託金だけは中選挙区のやつを従来からやっていたからといってそのまま持ってくる。もう本当に実態を見ない、とにかく、新しい政党やあるいは弱小政党に対する金銭的な圧力をかけるということ以外に何でもない。  社会党の皆さんがそういうことで非常に先頭的に権利を抑制するようなことを発言されると……(発言する者あり)社会党の所属の人が答弁しているから、その答弁について言っているんだよ。横から当たらぬで。社会党所属の大臣じゃありませんか。  これはもうだめだということだけ申し上げておきます。  それで、時間がなくなりますが、企業献金団体献金の禁止についてであります。  これについては、連立政権合意事項、七月二十九日では、公費助成等と一体となった企業団体献金の廃止等の抜本的政治改革関連法案成立させるというように言っていますし、細川さんも、近年続発する政治腐敗事件が企業などの団体献金に起因することを考え、この際、公費助成の導入などの措置を講ずることによって廃止の方向に踏み切ることが適当だ。要するに、公費助成は企業献金を個人に対してやるのを禁止するということが前提のように言っているんですね。企業献金団体献金の廃止に向けて大きく一歩を踏み出すことによって国民の理解が得られるんだ。  ところが、今度の合意で、企業献金、個人に対するものも、もとへ戻してしまったじゃありませんか。これは、市川公明党書記長は、政治家個人の企業団体献金禁止改革をうたった連立政権のいわば生命線、魂です、これを自民党と話し合うことによって譲ることは問題外だ、そんなことはとてもあり得ないと公式に言っていたんですね。ところが、この間の総総会談でこれも外してしまったじゃないですか。連立政権の魂、生命線を譲り渡したんです。  総理、あなたの答弁との関係でいって、これはどうなるんですか。
  47. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 改正案では、五年間の経過的な措置として、資金管理団体に対して年間五十万円を限度企業などの団体献金を認めるということになっているわけでございますが、これをもって政党助成の前提と申しますか、意義が失われることになるというふうには考えておりません。
  48. 東中光雄

    ○東中委員 禁止をするから、だから、助成をやることによって禁止をする、これが目的だ、こう言っておったわけでしょう。しかも、その五年後のというのは、いわゆる総総会談の合意の第二項は、企業団体献金は五年に限り年間五十万円を限度に認める、だから、五年間だけ認めて、五年間たったらもうなくなるんだというふうに読めるように書いてあるんですが、今度出てきた法案はどうですか。禁止の措置をとるものとするでしょう。改めて立法措置をとらなきゃいかぬでしょう。総総合意とも違うんですよ。完全な復活じゃありませんか。現行法の政治資金規正法の附則八条ですか、あれと質的には変わらない、そういうことになっています。  これも、本当に羊頭狗肉といいますか、魂、生命線を売り渡すのにこういう言葉のあやで、そして実際は、今度の、今提案されたやつでいけば、「法律施行後五年を経過した場合において、これを禁止する措置を講ずるものとする。」でしょう。だれが講ずるのかというのは、これは法律をつくらなきゃいかぬでしょうが。こういうごまかしをやるのはいかぬということをはっきり申し上げておきます。  最後に、政党助成は、企業団体献金を禁止したから公費助成に対する国民の理解は得られる、これは総理の、政治家個人への企業団体献金を禁止したから公費助成に対する国民の理解は得られる、これは去年の十月十三日の総理の答弁です。だから、それを、政治家個人への企業団体献金の禁止をやめたんだから国民の理解は得られないということになるはずであるが、そいつを強行をするというのは断じて許せないことだ、総理国会答弁についての責任をちゃんととってもらわないといかぬということを第一点に申し上げます。  時間がありませんので、もう一つ。この政党助成法改正について、第四条の二項で「政党は、」「その責任を自覚し、その組織及び運営については民主的かつ公正なものにするとともに」という条項を今度入れましたね。これは総総合意にも何にもなかったんですが、入れました。  だから、提案者にお聞きするんですが、政党の組織及び運営について民主的かつ公正なものにすることというのは、組織、運営について民主、公正という概念はどういう概念か。だれがそれを判定するのか。条文にわざわざ入れた、これは政党法に向かっていく政党規制の第一歩ということを含むように思われるんですが、なぜこの条項を助成について入れたのか、これを伺いたいと思います。
  49. 石井一

    石井委員長 国民の非常に貴重な血税を政党が受けるということでありますから、みずからそのことを強く政党責任者は戒めるべきである、それを法に明記することによって、さらに確実な法の施行が行われるのではないか。また、これに対する罰則規定も助成法の中に明記されておりますので、そういう中から、自助努力を続け、公正なる中に国民の審判の正しいものを仰ぎたいという政治家の意欲を示した、こういうことであります。
  50. 東中光雄

    ○東中委員 全然条文についてのお考えはお話にならぬです。この条項を入れる前に、あなたの今言うたようなことは書いてあったんですよ。それがそのまま残っておるんです。  そこで、問題なのは、法律政党の組織、運営、というのは、組織、運営ということになったら、政党のあり方そのものでしょう。それが公正、民主的なものでなければならないというふうなこと、これを入れるのは、ドイツが政党法をつくったときに民主主義体制というやつを入れまして、それに反するからといって四百の団体を解散させたことがあるんですよ。私が弁護士になり始めのころに、それは随分問題になりました。それに通ずるものがあるんですよ。組織、運営について民主的、公正。公正、民主的というのはだれが判断するのか、何をもって言うのか。それは政党自身がやることなんですよ。そういうことを法律で決めるというのは、これはだめなんだ、政党法に通ずるものだということで、私たちは強く反対をしております。  問題は、政党助成の、企業団体献金を禁止したから助成は許されると言うとったのに、禁止を解除したんだから助成は許されないということになると思うんですが、それについて総理言葉があれば聞かしていただいて、質問を終わります。
  51. 石井一

    石井委員長 一言申し上げますが、その問題は深く議論をいたしました。共産党が御参加されておらなかったのはまことに遺憾でございますけれども、そういう中から政党法を志向いたしておりません。政党に対する法人格を与えるかどうかは、今後継続して審議し、それらの問題については確実に根拠のあるものを決めていこう、こういうのが合意でありますから、御心配の御懸念は要りません。
  52. 山花貞夫

    山花国務大臣 今最後御指摘の点につきましては、企業団体献金の禁止にどこまで踏み込むことができるのかという観点から我々は、政府はここまでこういう法案を出したわけでありますけれども、しかし、国会における御議論、そして協議会における御議論ということで決まったものでありますから、これはこれとして受けとめていくべきである、こう考えているところでございます。
  53. 東中光雄

    ○東中委員 終わります。
  54. 石井一

    石井委員長 石破茂君。
  55. 石破茂

    ○石破委員 多大の皆様方の御労苦に心から敬意を表したいと存じます。  先ほどから政治改革ができたという言葉が何度か使われておりますが、私はこれは政治改革ができたとは全然思っておりませんで、その第一歩がやっとスタートするという、そういう感じを持っております。すなわち、選挙制度改革ができるというだけのことであって、政治改革というのは、まさにこれからいろんなことをやっていかねばならぬ。  その一つはやはり理念に基づいた政界再編であり、もう一つは地方分権というのをきちんとやっていかないと、選挙制度だけ変えてもこれは何の意味もない、やらないよりはやった方がましであるというような程度のことであろうというふうに私は考えております。  そこで、総理にお尋ねをいたしたいのでありますが、政策で争う選挙だ、だから小選挙区制なんだということを言ってまいりました。しかし、それはもう少し言葉を突き詰めなきゃいけないんで、政策で争う、それはすなわち、政策と予算と財源と、それがセットになって国民に問うていかねばならない。それで初めて政策で争う選挙ということが言えると思うのであります。つまり、減税はやります、福祉もやります、これも一つの政策でありますが、そこに財源と予算が裏打ちをされていなければ、それは政策の名に値しない、単なる希望を述べたにすぎない。  いろんな政党がいろんなことを今まで言ってまいりましたが、それに予算と財源が裏打ちされていなかったから、何が選ばれたのか全然わからない。それぞれの議員選挙区にこれを下さい、これを下さいと言ってきたのが今までの中選挙区制であって、それを改めねばならないということで私どもはやってきたと思っておるのであります。  したがいまして、今二極であるとか三極であるとか、いろいろなことが言われておりますが、私は基本的に今回大きな進歩があったと思うのは、より小選挙区に近づいてきたんだ、より民意の集約ということに近づいてきたんだ、これは高く評価をしなければならぬと思っております。  すなわち、何が選ばれたのか、どのような政策、どのような予算、どのような財源を国民が選択したのか、予算をきちんと国民が選んでいくんだということで、小選挙区制、より民意の集約に近づいたことは評価すべきだと思っておりますが、その点の御見解はいかがか、それが第一点。  第二点は、地方分権に関連してのことでございます。  すなわち、今までの政治というのは、中央集権、そして中選挙区、一党支配、万年与党・万年野党、これが今までの政治であったと思う。それを可能ならしめたのは米ソ冷戦構造であり、日本の一国平和主義を可能ならしめたそういう背景であり、そして右肩上がりの経済成長であったというふうに思っております。経済が成長していったから、皆さんに幸せを分け与えますよ、こういうことが言えたのでありますが、これから総理がやっていかれる時代はそういう時代ではないというふうに思います。  さすれば、私は、どうしても必要なのは地方分権であろう、そして地方交付税のシステムも含めました地方の財政制度の見直しであろう。国のことは国がやります、地方のことは地方がやります、そうはいいながら、今の地方財政のシステムを残す限り本当はそうはならないんじゃないか。この橋は何々党がかけました、このトンネルは何々党がつくりましたということになってしまっては、これは今と大同小異である、かように思っております。地方分権というのをきちんとやらないと今回の選挙制度を変えた意味がない。  私は、自民党議論をしておりましたときも、一番欠落していたのは地方分権に対する議論が欠落をしていた、これをきちんとしなければ中央の選挙制度だけ変えても何の意味もない、そういうふうに思っておりました。ですから、地方分権というものを急ぐ必要があるのではないか、かように切望しておりますが、いかがでございましょうか。  最後にお尋ねをいたしたいのは、いわゆる政党というものをどのようにとらえるかということでございます。  政党法につきましては先ほど来いろんな御論議があるところでございますが、やはり政党というものをきちんと法的に位置づける必要は、私は政党政治を標榜するからには必ず必要なことであるというふうに思っております。  政党に対して過度な行政の介入を防ぐんだ、だから政党法なんかない方がいいんだ、これも一つの御議論でございましょうが、しかし政党を権力から守っていくという意味でも政党法というのは位置づける必要があるのではないか、かように思います。  そしてまた、小選挙区というのは、だれだれに投票するということはすなわちその候補者の属する政党の党首を内閣総理大臣にします、そういうような国民の意思表示のはずであります。だとすれば、政党の党首がどのような方法によって選ばれるのか、それもきちんと民主的に定められませんと、これまた趣旨に反することになるのではないか。  政党の法的な位置づけにつきまして総理の御見解を賜れれば幸いでございます。  以上でございます。
  56. 細川護煕

    細川内閣総理大臣 第一点でございますが、おっしゃるように、より民意の集約という方向に近づいたものである。集約と反映ということがずっと論議されてきたわけでございますが、小選挙区の数が三百ということは、より集約の方に近づいてきた、おっしゃるとおりだと思っております。そのことについてはいろいろ御論議はございましょうが、とにかく、国会の御論議の中でそのような方向に修正をされてきたということを、政府としてもしっかりと受けとめているところでございます。  それから、分権の問題につきましては、おっしゃるように権限と財源の問題というものが非常に重要な問題であるということでございますし、分権ということを考えていくに当たって、何よりもその権限と財源の問題をどうするのか。もちろんサイズの問題とかいろいろなことございましょう。ございましょうが、何よりもその権限や財源をどうするのか。特にその財源の問題、税制などを含めてどういうふうに考えていくのかということが非常に基本的なことであるというふうに思っております。  で、今度の選挙制度との関連で、三百の小選挙区というものが、おっしゃる意味は、基礎的な自治体としてそれと合致するようなものになっていくのかどうかという、また、なっていくべきではないかという恐らく趣旨のことではないかと思いますが、私もその辺につきましては、その自治体のサイズがどういう基礎的な単位として適正なものであるかということについては、よくわかりませんが、さまざまな御論議を聞いていて、私なりの定見があるわけではございませんが、このように小選挙区が三百ということになったということは、今後の基礎的な自治体のあり方というものを考えていく上で一つの判断の大事な素材にはなるのではないかな、このようには思っております。  それから、政党法の問題についてのお尋ねがございましたが、これは政党活動の自由との関係で、先ほど来御論議ございますように、今後より慎重に考えていかなければならない課題であろう、このように思っております。
  57. 石破茂

    ○石破委員 結構です。終わります。
  58. 石井一

    石井委員長 これにて発言は終了いたしました。  公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案起草案について、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣意見を聴取いたします。佐藤自治大臣
  59. 佐藤観樹

    佐藤国務大臣 政府といたしましては、公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきましては、特に異議はございません。
  60. 石井一

    石井委員長 これより採決いたします。  まず、公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案起草の件につきまして、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  61. 石井一

    石井委員長 起立多数。よって、そのとおり決しました。  次に、衆議院議員選挙画定審議会設置法の一部を改正する法律案起草の件につきまして、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  62. 石井一

    石井委員長 起立多数。よって、そのとおり決しました。  次に、政治資金規正法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案起草の件につきまして、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  63. 石井一

    石井委員長 起立多数。よって、そのとおり決しました。  次に、政党助成法の一部を改正する法律案起草の件につきまして、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  64. 石井一

    石井委員長 起立多数。よって、そのとおり決しました。  お諮りいたします。  各法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 石井一

    石井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————
  66. 石井一

    石井委員長 ただいま、各法律案の提出に当たり、自由民主党・自由国民会議日本社会党護憲民主連合、新生党・改革連合、さきがけ日本新党、公明党民社党新党クラブ及び改革の会を代表して、北川正恭君外六名から、政治改革関連法施行に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。北川正恭君。
  67. 北川正恭

    北川委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して案文を朗読いたします。     政治改革関連法施行に関する決議(案)   政治改革関連法施行に関して、次のとおりそれぞれ所要の措置を講ずるものとする。  一 衆議院議員選挙区の画定重要性にかんがみ、衆議院議員選挙区画審議会選挙区の画定案を作成するに当たっては、これを中立かつ公正に行うとともに、同審議会内閣総理大臣に勧告したときは、政府はこれを尊重して速やかに衆議院議員選挙区を定める法律案国会に提出するものとし、国会はこれを速やかに審議するものとすること。  二 政党助成法に基づく政党交付金は、国民から徴収された税金等の貴重な財源によるものであることに特に留意し、政党は、その責任を自覚してその組織及び運営を民主的かつ公正なものとし、いやしくも国民の批判を受けることのないよう、政党交付金の適切な使用と的確な経理の確保に努めるとともに、将来にわたり国民の理解と協力のもとに政党助成制度が定着して、各政党の健全な発展に資するものとなるよう、引き続き努力するものとすること。   右決議する。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
  68. 石井一

    石井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  69. 石井一

    石井委員長 起立多数。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。  この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤自治大臣
  70. 佐藤観樹

    佐藤国務大臣 ただいまの決議につきましては、政府といたしましても、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
  71. 石井一

    石井委員長 お諮りいたします。  ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 石井一

    石井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ————◇—————
  73. 石井一

    石井委員長 この際、理事辞任についてお諮りいたします。  理事大島理森君、北川正恭君、野田毅君及び保岡興治君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 石井一

    石井委員長 御異議なしと認め、そのとおり決しました。  次に、理事補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 石井一

    石井委員長 御異議なしと認めます。  それでは、委員長は       古賀  誠君    額賀福志郎君       細田 博之君 及び 松永  光君を理事に指名いたします。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十四分散会      ————◇—————