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内閣総理大臣(宮澤喜一君) 私に関する御質問が九点ございますので、一つ一つお答えを申し上げます。
まず、文部省関係の公立の小中学校の校舎等
整備事業の補助
対象面積の算定についてでございますが、
事業実施年度の翌年度以降、明らかに学級数が減少すると見込まれます場合には、原則として減少後の学級数に基づき適切な
事業認定を行うこととし、その旨、本年一月に各都道府県教育
委員会に対し指導を行ったところでございます。
厚生省関係では、三件の御
指摘がございましたが、いずれも御
指摘の
趣旨を踏まえ、保健
事業費等負担金の精算については、交付要綱を改正することとし、身体障害者療護施設等の入所者に係る
診療報酬の請求については、
診療報酬の請求と
措置費との整合の
明確化等の
措置を講じ、
国民年金の未納保険料の収納
促進については、戸別訪問等の積極的な納付督促により収納の
促進を図るよう、それぞれ適切な
措置を講じてまいることといたします。
農林水産省関係では、二件の御
指摘がございましたが、それぞれ御
指摘の
趣旨を踏まえ、新
農業構造改善事業等については、都道府県に対し
事業計画の策定について指導を
強化することとし、また、水田
農業確立特別交付金については、当該交付金の使用について適切な指導を行うなどの
措置を講じ、
事業効果を十分確保するよう努めてまいる考えであります。
平成三年度
決算に関する
会計検査院の
指摘事項に対する郵政省の
改善努力あるいは取り組みの
方針でございますが、この関係では、郵便物への郵便番号の適正な記載方法について、近く郵政省告示の改正を行うこととしております。なお、郵便番号の適正記載に関し、郵便の差出人への
協力要請等について取り組んでおるところでございます。
建設省関係では、住宅金融公庫及び住宅・都市
整備公団にまたがる不適切な重複契約の防止を図るため、公庫の貸付案内等において、契約名義人がみずから継続して居住すべきことの
周知徹底を図ったほか、チェックシステムの早期構築に向けて、現在建設省、公庫及び公団の三者で鋭意検討中でございます。
次に、
内閣に対して独立した
機関としての立場から、
会計検査院の
検査体制の充実
強化に努める必要があり、この点から
定員、
予算の確保についても十分配慮をいたしておるところであります。
会計検査院の
予算については、
検査要員に対する高度の研修経費、
検査資料・
情報の集中管理等の経費、コンピューターを利用した
検査の充実経費など、重点的に計上いたしております。また、
定員については、昭和五十年度以降ほぼ毎年一名ないし二名程度の
増員を図っており、これにより
実地検査の
施行率も、徐々にではあるが上昇していると承知をいたします。
ODAに関しまして、
会計検査院は、
相手国政府の同意のもと、海外の
援助案件の実情の視察をいたしておりますが、外務省等の関係省庁がこれに積極的に
協力をいたしております。しかし、ODAの実施主体は
相手国政府でありまして、
我が国が一たん供与した
資金の使用は、
相手国の主権のもとで、基本的に
相手国の責任において行われるものであります。したがいまして、例えばODA供与の際に、
相手国に対し
会計検査の義務を課すことは適当ではないと思われます。
我が国は、
援助の適正かつ
効果的、効率的な実施を確保するため、事前
調査から事後評価まで、
援助実施の各段階で種々の
施策を講じており、今後ともODAの適切な執行、
効果的な実施に万全を期してまいりたいと思います。
それから、
湾岸平和基金に対する
拠出金の使途に関する財務
報告につきましては、
湾岸平和基金の
運営委員会が多くの関係国からの
報告を取りまとめる作業で事務的に時間を要しておるものと聞いております。
政府としては、同
委員会に対し、財務
報告の
提出について繰り返し督促に努めているところでございます。関係国が十六カ国ございます。
湾岸平和基金に対する
日本国
政府の
拠出金は、専ら湾岸の平和と安定の回復のため、国連安保理の関連諸決議を受けて活動している各国を支援するための定められた使途に使用されることとなっており、実際にこうした使途に適切に支出されていると承知をいたしております。
会計検査院の
検査は、国の会計経理の適正を図るということを目的とし、そういった
観点から、契約手続が適正であるかどうか、あるいは契約金額が経済的かどうかという点について
検査を行っております。したがって、談合の有無であるとかやみ献金、そういったこと自身を究明することは、
検査の直接の目的ではないと承知をいたしております。
公共事業の入札制度については、手続のより一層の透明性、競争性を確保することが重要と考えており、技術力を重視し、広範な参加機会を確保する新たな入札・契約方式の導入、指名基準の具体化など、入札手続の大幅な
改善に取り組んでいるところであります。公共工事の入札参加資格については、適正な契約の履行能力あるいは公正な契約の確保の
観点から判断すべきであり、
使途不明金の有無が直ちに入札参加資格に結びつくものではないと考えております。
使途不明金につきましては、できるだけその使途を解明し、その支出先に対し適正な課税を行うこととしておりますが、どうしても使途が不明の場合には、これを損金不算入として課税をしておるところでございます。このように、
法人税制の枠内の
措置としてはできるだけの
措置を講じているところでありまして、この点、御理解をお願いいたしたいと存じます。
次に、
会計検査院による
検査は、国の会計経理に関して行われるものであります。国以外の
機関が行う契約に関して、受注した
企業にまで
検査権限を及ぼすことにつきましては、国から独立した
法人の行う契約に関するものであること、民間の
企業活動に対し国家権力が過重に介入することになるおそれがあることなどから見まして、慎重に対応すべきものと考えております。
会計検査院では、
会計検査院の機能、活動
状況、活動成果等についての広報の重要性を認識し、昭和六十二年に渉外広報室を設置し、
国民に周知されるためのさまざまな活動を行っており、
納税者からは、国の会計経理に関して多く
情報の提供が寄せられております。
検査においては、常にこれを活用することを心がけておられることと認識しております。今後も、さらに一層
納税者からの
情報を活用する
効果的な方法を検討していかれることを期待いたしております。
なお、本
会議に
会計検査院長の出席を求めることができるようにするかどうかは、国会運営の問題として、まず国会で十分に御論議いただくことが適当ではないかと考えております。
残りの
お尋ねにつきましては、関係大臣からお答えをいたします。(
拍手)
〔
国務大臣武藤嘉文君
登壇〕