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清水澄子君 では、百五十時間というのは、これは
人間にとって基本的な
最低限の
基準だというふうに確認してよろしゅうございますね。
それで、今
調査のこともお願いしていたんですけれ
ども、最近東京都の品川労政事務所が、「深夜働く
人々に関する
実態調査」というので、一千カ所ぐらいの事業所で働いている人、それから事業者の方にも
調査をしているわけです。この
調査と、それから
労働省が九一年九月に全国の
企業三百九社を対象に
調査された
内容と全然違う数字が出ているんです。
これは
統計の
とり方なのかどういうのかよくわからないんですが、
労働省の方は、女子保護
規定について昨年三百社を対象に
実施したところが、時間
外労働の規制緩和を求める回答が七割を超えた、そして深夜
労働についても三割の
企業が業務の支障になっているというふうに出していると、こう出ているんです。こういうものも出てくると、何か全部
企業はそうかなと思っていましたならば、
企業だから当然と思っていたんですが、東京都品川労政事務所が調べました
統計によりますと、一千カ所の事業所の中で八百二十その回答が来ているんですけれ
ども、何とここでは、そういう女性の深夜業の規制の緩和は余り希望しないというのが多いんです。深夜の女性活用は
考えていないが六八・七%なんです。それから、規制緩和を希望しているというのは八・八%で、それは運輸・通信とそれからサービス業がちょっと多いわけです。だから、ほとんど深夜は余りやるべきでない、それから規制はもっと続けていくべきだというのも一〇%もあるわけです。
ですから、
労働省がお調べになっている
統計と地域の事業所で調べているものとでこんなに差があるというのは、非常に調べ方に――やっぱり大きな
企業では、その会社の管理
関係の人が書いちゃうんでしょう。ですから、こちらは割に東京都の方が本音が出ているんじゃないかと思うんです。そして、これからさらに二十四時間化の営業、そういうものをどう
考えるかという中で、やはり消費者のニーズに合わせてやっていくべきだというのは一九・四%であって、逆に消費者が必要以上にそういう便利さを求めるというのを
考え直すべきだという
考えの方は三五%あるんです。それは事業者の方が答えているわけです。この中には、もっとそれぞれの
行政にこういうことを望みたいという非常に生の声がいろいろ出ているわけです。もう時間がありませんのでそれは紹介できませんけれ
ども、ぜひ
調査をなさるときには、底辺の
実態の中にもう少し入っていただいて
調査をしていただきたいというふうにお願いをしておきます。
さらに、その次にお願いしたいんですが、今女性の平等というとき、均等法の制定と平等ということと女子の深夜
労働の特例
措置をどう広げるかと、絶えずそこばかりが問題になっていくわけです。だけれ
ども、それは
本当にごく一部の人たちにそれが必要な場合はあるでしょうけれ
ども、やはりここで、
労働基準というのは全体的な
基準ですから、そういう中でむしろ母性保護という面についても戦前のままの母性保護条項が続いていると私は思うわけです。
今
労働環境それから
生活環境も変わってきている。そういう中でも非常に休日が
日本では少ないわけです。そういう中で、
日本の場合は長い通勤時間がありますね。そういう中で、ただ妊娠
期間中だけが保護されていればいいというふうな問題ではないと思います。やっぱり出産前後の女性の健康な母体というものが健康な子供を産むわけですから、やはり
労働環境とか
労働条件というのは非常に重要なのであって、産前産後もまだ産前六週間産後八週間という、何か非常にこれも古い数字をそのまま温存しているわけです。多胎妊娠の場合は十週間というのがありますけれ
ども、ほとんどECでは大体十二週間なんていうことになっています。そして子供が病気のときの看護とか、それから育児休業も
日本では半分以上の
企業が乳養
期間でしょう。ですから、もっとそういう面を、働く
人々の
本当の
権利を、やっぱり
労働省しか
労働者の
権利についてはそれを
行政の中に、また
法制化できないわけですから、平等という場合には女性の産む機能を
権利として
労働法の中に保障させていくということにぜひ私はもっと熱意を持っていただきたいと思うわけです。
もう時間がありませんので、その点について最後に私はもう一度これも
労働大臣にお願いしたいわけですけれ
ども、これからは
本当にただ口先だけで男女が仕事と
家庭生活の両立を可能にすると言っているだけではだめで、これはなかなかそう簡単にはいかないわけです。やっぱり女性の方にその
負担は多い。しかし、
労働人口が不足していて人手不足で女性の
社会的な進出とか活用の要求も多いわけです。そういう中でもっと急がなきゃならないのは、
労働時間の
短縮というのは絶対的な、女性が
家庭それから子供を持ちながら男女が
人間らしく働くという
意味では重要な
課題です。
特に、その場合に
人間の
生活時間というのは一日単位です、一週間単位ではありません、子供を育てているのも、病人とか介護、家族の
生活ですね。ですから、そういう当たり前の
人間の
生活が維持できるような
労働時間のあり方というものはぜひそこを基本にしていただきたいし、それから男女平等の基盤というものを
本当に
人間らしい働き方ができるように、それは現行の男子
労働者の
基準ではないと思います。
ですから、その辺を根本的に改めるという
決意を持って私はこの介護休業法を進めていただきたいし、育児休業中の経済的支援をぜひ実行していただきたい。そして、ILO条約の批准という問題、百五十六号条約を必ず批准をするという
方向の
決意を持っていただきたいと思うんです。特に、一九九四年は国際家族年でございますから、そういう中で
本当に国際
社会で
日本の私たち女性も誇りを持って、
日本はこういう
実態をつくり上げているということが報告できるように、そういう点で最後に
労働大臣の
決意をお伺いしたいと思います。