○
磯村修君 私
どもが
PKOに参加していくというその
組織というものは、やはり政府案、
修正案等見ましても、
自衛隊の出動ということが、
派遣ということが前提になっているわけですね。なぜ私たちが別
組織にしなければならないのかと申し上げますと、
先ほども触れましたが、
自衛隊は専守防衛の
任務に限定されている。そしてまた、
憲法の拡大解釈そのものに対する疑念が払拭し切れない。そして
自衛隊法制定当時の
国会決議、そういうふうなことを踏まえながら、さらに
国民の
世論というものが今
二つに大きく分かれている。そうした中で、あえてそこにある
自衛隊を
海外に
派遣するということはやはり
国民の
世論に背くことになる。そういうことも
考えながら別
組織ということを編み出したわけでございます。
その別
組織も、いわばこれまでの政府の
説明にもありますように、
PKOへ参加する
現地というのはなかなか大変なものであるという
説明があります。場合によっては、
自衛隊の能力と申しましょうか、そういうものを活用しなければならない場面もある。いろいろとそういうことを
考えて、いわゆる休職・出向という形で、民間の人あるいは一般の行政庁の人とともに別の
組織をつくりまして、そして
海外に行っていただき
協力をしていく、こういう
考えでつくったわけでございます。
特に、いや、そういう紛争地に行っても戦場に行くのではないというお
言葉があります。それはそうでしょう。もちろんそんなことがあってはなりません。しかし、私たちが心配しているのは、例えば
カンボジアの例をとっても、既にポル・ポト派、つまりクメール・ルージュのタカ派と言われておりますところのタ・モックがパリの和平協定を無視している。承認していない。そういうことからも、地雷を国道に敷設したり橋を破壊したりというそういう行為、行動というものが現にある。そうしたところに
自衛隊を送り込むということはやはり
武力行使につながる危険があるんじゃないか、こういう懸念も多くの
国民は持っているわけですね。そういう
意味合いにおいても、今の
段階で
武力集団の
武器を携行した
自衛隊が行くことは好ましいことではないということを私たちは
考えているわけでございます。
例えば見直しということをよく言われます。三年後に見直しをするということが
修正案にもございますけれ
ども、私たちは逆であると思っています。まず別
組織にしてから、別
組織によって
海外に行って
協力し
活動し、そしてそれを見直して
考える、それが本来の筋ではなかろうか、こういうふうに私
どもは
考えております。
いずれにいたしましても、紛争地に行くわけですから、やはり私たちは、同僚
議員も
カンボジアに行ってまいりましたし、私もキプロスを見てまいりました。そういう面から
考えましても、これはなかなか一〇〇%この
PKO法案があるから安全である、そういう
憲法の枠を超えるようなことはあり得ないということを政府側は
説明いたしますけれ
ども、私はそれに大きな疑問を持っている。やはり別
組織でなければならないというふうに私は確信しております。