○新盛
委員 ありがとうございます。
私はこの問題は、クロマグロ、そしてオーストラリアはタスマニア沖のミナミマグロの問題までに波及していくのだろう。いわゆる南緯六十度以南、こういう箇所で、今絶滅に瀕しているのではなくて、クロマグロは今おっしゃられたように大変好調であることは間違いないのですが、逆に、今御承知のようにアメリカあたりはお金持ちがレクリェーション、スポーツフィッシング、あの巨体をスポーツの魚釣りに四〇%も費やしているのですね。
今
日本のマグロは、こういうことになりかけているものですから、すし屋では、この間築地の市場で三百五十キロのクロマグロが何と七百万円、八百万円、それを一キロ
当たり二十七万円ですよ。
皆さんはトロを食べられるが、あの一切れが一万円となるのですよ。これはとんでもないことでありまして、流通が混乱をしてくることも間違いない。したがって、食文化で任じている
日本民族、特に魚食民族は、これはゆゆしきことである。
この観点から、実は地元の方からも既に署名運動がございまして、クロマグロ問題でスウェーデン大使に陳情、鹿児島県県鰹ですね、これはカツオ・マグロの業界でございますが、署名運動をして、町の総員の署名簿三万八千通をスウェーデンの大使の方に持っていかれたそうです。ところが、「科学的な根拠のある、クロマグロを資源の
管理をしてやっているICCATで確認しているのに、資源が給滅しているということでスウェーデンが出したのはどういうことですか」という問いに大使答えていわく、「スウェーデンのこのCITESに出したのは、科学者とともに科学的根拠に基づいた確固たるものである。資源絶滅のおそれはないものの、一時的な漁獲の停止が必要という。スウェーデンはICCATの加盟国ではないので十分な働きかけができず、ワシントン条約にこの意向を展開ずみ。大西洋クロマグロを規制することは
日本に影響はないのではないか」こういう答え方をしておられるわけです。しかし、しつこく陳情された
日本側の代表の
皆さんに向かって、「陳情は民主主義のプロセスにのっとった法的行為でございます。厳粛に受けとめて本国に伝えます」こう言っておられるそうですから、ぜひこの際、今度のCITESにおける
日本の態度を、おっしゃったように毅然としてやっていただく、各国を、魚も見たことのない国が参加するわけですから、そういう国々もこういう引きずられていくようなことのないように、ぜひひとつ、これはアメリカもICCATに入っているわけですし、スウェーデンは入っていませんけれども、こういう関係のことですから、十分に話をしていい結果を得るようにお願いをしたい。いいですね。
それと、今度はブラジルでの新しい二十一
世紀に向ける地球サミット、この地球サミットの主要議題をちょっと見てみましたら、海洋捕鯨問題、公海漁業、南極海洋投棄等、対象領域に広く各国の利害対立が先鋭化するおそれありという、このことについて、やはり議論としてはなっているようです。
そこで、問題なのは
日本の捕鯨が一体どういうことになるのか。今
日本では、例の一九七二年ストックホルムでございました第一回のこの地球サミットで、どういうわけかベトナムの枯れ葉剤散布によって
世界の目がアメリカに集中したときに、海洋資源である鯨の方に目が向いちゃって、これを決議をしました。商業捕鯨まかりならぬ。モラトリアムであります。それからこの方、ずっと捕鯨はシロナガスを初めとして禁止されています。そして、
日本はIWCの第八条に基づいて科学的調査をということで今
世界各国の理解を得ながらやっているんですが、昨年四十三回のIWC総会に私も行きました。そのときに、
日本が調査捕鯨やっていることもけしからぬ、再考を促す決議案が提出されまして可決されました。
しかし、
日本はこの科学的調査をミンクを中心にやっているわけですが、既に非科学的なグリーンピースを初めとして動物保護団体の諸君は、もう
世界の海にミンクという鯨は二万頭ぐらいしかいないだろう、こういう非科学的な表明をしていたんです。その後
日本の国が中心になって目視調査あるいは科学的な調査を始めて、しかも五次にわたる調査捕鯨を、毎年二、三百頭とりましてちゃんと年齢を調べたり生態系を調べたり、その頭数がどれぐらいいるかを確認しているんですが、今七十六万頭おるというんです。そして七十六万頭のうち科学小
委員会の科学者が言うのは、四千八百頭ぐらいは捕獲をすべきである、いわゆる間引きをすべきである。そうでなければ、最近あのシロナガスという、それこそもう
皆さんのごらんになるあの大きな鯨ですが、これは五百頭ぐらいで停滞しているそうです。それはいわゆる鯨が食べているのはオキアミですからね。同じものを食べるんですから、数の多い方にみんな打っちゃうんですから、それは頭数がふえるわけはないんですね。それで、魚体もシロナガスはでかいんですから、二十メートルぐらいあるでしょう。そうすると、ミンクの、方は十メートル弱ですから泳ぎの方も速いし、それはどんどんふえていくわけですね。
したがって、こういうことの中で、
日本のこのミンクをそうして科学的に調査をしているのに、最近このサミットに向けて、あるいは京都のCITES、ワシントン条約の締約国の
会議に向けてでしょう、一九九一年、去年の十二月七日から以降十二月二十一日まで、これはオランダ船籍のグリーンピース号、七百トン未満ですが、二十七名ぐらい乗っているんだそうですが、これにレスキューボートを載せ、そして航路の、
日本の調査船が出ている前面に出てきて妨害をする。それもしつこいんですね。一月五日からまた一月の十七日まで、油が切れるわけですからどこかに寄港するはずです、その間はちょっといないんですが、いずれにしても、この一月の二十六日まで、ここに資料にありますのは、最後は一月の二十九日、一月三十日、いずれにしても南氷洋ミンククジラ捕獲の調査を妨害する。
その挙に出ているグリーンピースはどこの船がということになると、これはオランダ船籍であるから、国際的な動物愛護の
皆さんがおやりになるのは結構ですけれども、しかし食文化は、特に魚食民族である
日本のこうした、鯨だけを食べるんじゃないんですが、鯨を調査しないと海洋生態系が変わってきている。だからイワシクジラも大変窮屈になって最近イワシがとれないとかという話が雑談で出るわけですから、そういう面で、こういう妨害行為に対して一体外務省は、国際的な体面を何かこう、どういうわけかいろいろあって、摩擦があってとかいうんで、こういうことは余りかかり合わぬ方がいいといづて黙っているという姿勢が見受けられるんですね、これはけしからぬことですよ。だから、この調査捕鯨される方々は命がけなんだから、そういう面でこの妨害に対して一体どうするか。
しかも、この妨害しているグリーンピースの
皆さんはビデオで全部撮って、進路妨害をする。船が進むのにその目の前にタグボートでやってくるのですからそれははね飛ばされて海難事故になってもいたし方ないと言ったって、これは航路妨害ですからね。そういうのを平然とやるものですから
日本の調査船も水を散水して排除するというのだから、なかなかそうはいかない。それをビデオに撮って今度のCITESに、いわゆる京都
会議に事前に放映するんだそうです。そして宣伝をする。この国会でこうして取り上げること自体問題になったよといって彼らは大々的に宣伝するらしい。だけれども、私はここは
政府が毅然とした態度を持ってもらわなければ、自民党の中にも捕鯨議連というのはあるでしょう。田澤吉郎さんを会長にして憲政記念館で年に一回、食文化を愛する、鯨食のそういう文化を愛する
皆さんでお集まりになって食べるでしょう。なのにどういうわけですか、こういうことに対する抗議が
一つもない。そして科学的な調査をしてやっているこの現状を、実はこの六月のブラジル
会議に
日本の主張をしてもらわなきゃいけません。
まずこの辺でおきましょう。このことについての回答をいただきたい。