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1992-04-24 第123回国会 衆議院 外務委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成四年四月二十四日(金曜日)     午前十時二十三分開議 出席委員   委員長 麻生 太郎君    理事 新井 将敬君 理事 鈴木 宗男君    理事 浜野  剛君 理事 福田 康夫君    理事 宮里 松正君 理事 上原 康助君    理事 土井たか子君 理事 遠藤 乙彦君       鯨岡 兵輔君    古賀 一成君       長勢 甚遠君    松浦  昭君       山口 敏夫君    井上 一成君       川島  實君    玉城 栄一君       古堅 実吉君    和田 一仁君  出席国務大臣         外 務 大 臣 渡辺美智雄君  出席政府委員         外務大臣官房審         議官      畠中  篤君         外務省経済協力         局長      川上 隆朗君         郵政省郵務局長 早田 利雄君  委員外出席者         法務大臣官房審         議官      森脇  勝君         外務大臣官房審         議官      野村 一成君         外務大臣官房審         議官      小西 正樹君         外務大臣官房外         務参事官    服部 則夫君         運輸省海上交通         局海事産業課長 深谷 憲一君         運輸省海上交通         局外航課長   淡路  均君         郵政省郵務局切         手文通振興課長 井口 義勝君         郵政省郵務局国         際課長     大橋 郁夫君         郵政省貯金局総         務課長     玉井 弘明君         外務委員会調査         室長      市岡 克博君     ————————————— 四月二十四日  子ども権利条約全面的批准等に関する請願  (伊藤忠治紹介)(第一七八九号)  同(土井たか子紹介)(第一八七二号)  子ども権利条約批准と実行に関する請願  (神崎武法紹介)(第一九〇三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  アジア太平洋郵便連合一般規則及びアジア=  太平洋郵便条約締結について承認を求めるの  件(条約第四号)(参議院送付)  千九百六十八年二月二十三日の議定書によって  改正された千九百二十四年八月二十五日の船荷  証券に関するある規則統一のための国際条約  を改正する議定書締結について承認を求める  の件(条約第一〇号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 麻生太郎

    麻生委員長 これより会議を開きます。  アジア太平洋郵便連合一般規則及びアジア太平洋郵便条約締結について承認を求めるの件及び千九百六十八年二月二十三日の議定書によって改正された千九百二十四年八月二十五日の船荷証券に関するある規則統一のための国際条約改正する議定書締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川島實君。
  3. 川島實

    川島委員 私は、ただいま議題となっております船荷証券に関するある規則統一のための国際条約改正する議定書についてお尋ねをいたします。  その前に、最近の外務大臣予算委員会並び参議院外務委員会等の中での発言で、PKO法案に対する修正発言をいたしておりますが、これは国会法に違反をするのではないかという疑いが持たれておりますので、その点についてお伺いをしたいと思います。  大臣は、三月七日、衆議院予算委員会で、PKFへの参加を凍結することに前向きな考えを示した。さらに三月十八日、参議院予算委員会で、公明、民社両党の意向を踏まえ、法案の再修正に前向きに対応していく考えを改めて強調した。三月二十六日、参議院外務委員会で、多少手直しすることでより多くの人が賛成でき、本来のPKOが大きく阻害されないのであれば、その程度のものの修正政府としてやむを得ないのではないか。四月十二日、札幌市内におきまして、双方の考え方政府・自民党として受け入れる用意があることを示した。四月二十一日、閣議後の記者会見におきまして、PKOについて話し合いはつくんじゃないか、痛み分けをし、少しずつ譲り合わなければまとまらない。このような発言があるわけでございます。  我が国国会法におきましては、第五十九条「内閣が、各議院会議又は委員会において議題となった議案を修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。但し、一の議院で議決した後は、修正し、又は撤回することはできない。」このような規則があるわけでございますが、これについてどのような御所見をお持ちなのか、お伺いをしておきたいと思います。
  4. 渡辺美智雄

    渡辺(美)国務大臣 政府としては、原案を出しておるわけでございますから、原案どおり何が何でもひとつ御成立を願いたい。  政府と党との関係もございまして、それでは成立しないこともあるかもわからぬよと。参議院状況は御承知のとおりでございます。どうしても政府側は絶対に原案で固執をするかと言われますと、我々は、それはオール・オア・ナッシングというわけにはいきませんと。それは国会が決めることでございますから、そういうとで国会で決められればそれはやむを得ないことであるという内々のお話はしたことは事実でございます。  しかしながら、我々は、原案を出しておる以上は原案で通していただきたいというのが結論でございます。
  5. 川島實

    川島委員 この国会法にはただし書きで、先ほど申し上げましたようにはっきりと「一の議院で議決した後は、修正し、又は撤回することはできない。」とあるわけです。少なくとも外務大臣正規予算委員会なり外務委員会でこのような発言ということ、これは許されるべきでないと思いますが、撤回をされますか。
  6. 渡辺美智雄

    渡辺(美)国務大臣 政府原案についてぜひとも御審議をちょうだいいたします。
  7. 川島實

    川島委員 私が言っているのは、外務大臣正規の、公の機関で発言をされたその発言内容、これは一回だけし々ないのですね、何回もやっているわけです。先ほど私が指摘をいたしました。法を守る立場にある政府がこのような発言をしているということに実は重大な問題点があるわけでございまして、この点についてどういうお考えを持っておるのか、こう言って聞いているわけです。あなたの今のような発言を聞いているわけじゃないのです。国会法に抵触する、このことをどう受けとめておるか、こう言っているわけですから、この件についてはっきりとお答えをいただきたいと思います。
  8. 渡辺美智雄

    渡辺(美)国務大臣 やはり政府としては、原案を出しておるのですから、原案でぜひとも御審議を願いたい。予断を与えるようなことを言ったとすれば、それは訂正をいたします。
  9. 川島實

    川島委員 この問題につきましては、やりとりをこれ以上いたしましてもボールの投げ合いだけになりますので、理事会で御審議をするように、ひとつ委員長、お願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
  10. 麻生太郎

    麻生委員長 それは社会党理事の方の御提案ですか。
  11. 川島實

    川島委員 同意を得ております。
  12. 麻生太郎

    麻生委員長 社会党理事の方から正式な御提言があれば、その場で検討いたします。
  13. 川島實

    川島委員 よろしくお願いをいたします。  次に、世界有数海運国我が国が何ゆえに今日まで今回の改正議定書締結していなかったのか。まことに国際海運界におけるつき合いの悪さというか、国際的な協調性に欠けておると言われても仕方がないのではないかと思います。  平成二年の我が国海上貿易は、輸出入合計七億六千九百五十万トン、金額にして五十九兆八千七百四十四億と言われております。我が国も当初は、海上貿易発展を受けて船荷証券利用、流通が進展するに伴い、輸送品荷主、買い主である企業商社等はもとより、銀行、保険企業等船荷証券利用者要望背景に、従来運送人に有利となる内容が多かった免責約款の範囲を限定し、船荷証券利用者が取引上、不測の損害をこうむることのないよう船荷証券記載事項統一しようと一九二四年にベルギーで海事法外交会議が開催され、この一九二四年船荷証券統一条約、へーグ・ルー・ルは、主要海運国発展途上国を初め、現在五十二カ国が締結し、我が国は一九五七年五月に同条約批准しております。また、この条約批准実施のため、外航海運について商法の特例を定める国際海上物品運送法が制定され、施行されてきました。  しかし、条約作成から長期間を経て、海上、陸上、航空を一貫するコンテナ輸送体系の確立という国際貨物輸送海上物品輸送発展等により、船荷証券証拠力提訴期間の延長をめぐる解釈が締約国間で分かれていることなどを背景に、一九六七年、一九六八年の両年にブラッセルで第十二回海事法外交会議が開催され、ヘーグ・ウィスビー・ルール改正議定書関係国締結されましたが、我が国がこの改定条約加盟しなかった理由船主責任限度額が高かったからだとも言われているわけでございますが、いかなる理由をもって締結されなかったのか、お尋ねをしておきたいと思います。
  14. 畠中篤

    畠中政府委員 ただいま先生の御説明ありましたように、我が国は一九二四年のもとの条約には加入しておりますが、一九六八年議定書につきましては、この議定書作成当時の我が国船主負担いたします責任限度額というものが大変高額であったということで、我が国海運企業に過大な経済負担をもたらすものであったために、直ちにこれを締結することはできなかった状況でございます。  ちなみに申し上げますと、一九二四年条約日本加盟しました五七年当時の国内法での限度額は約十万円でございました。六八年の議定書作成時点での限度額を引き直しますと約二十四万円に当たることになっておりました。
  15. 川島實

    川島委員 今回締結をしようとする一九七九年の改定議定書は、さきのヘーグ・ルール及びウィスビー・ルールに比べて具体的にどういうところが違っておるのか。さらにまた、どういう情勢の変化で今回締結に至ることになったのか。この辺の経過についてお伺いをしておきたいと思います。
  16. 畠中篤

    畠中政府委員 六八年に二四年の条約議定書改正いたしました。そのときの主な改正点は、二四年以来の運送技術の進歩に伴いましてコンテナ輸送といったものが普及してまいりました。あるいは二四年以降、二四年条約というものを各国が適用してまいりましたけれども、その過程におきまして規定の内容の不備なところあるいは現状に合わなくなったところ、そういうものを改正したのが一九六八年の議定書でございます。  七九年の議定書につきましては、六八年の議定書改正されたものを土台としておりますけれども、大変大きな変更点は、一九七一年にドルと金の兌換制が廃止になりまして、免責限度額を規定いたしました通貨の単位金フランというものを使うことが合理的でなくなりましたので、それをIMFの引き出し権、SDRという単位に変えたのが改正点でございます。
  17. 川島實

    川島委員 今回の改定議定書締結に当たりまして、政府国内の対策として今国会国際海上物品運送法の一部を改正する法律案を提案しておるわけでございますが、この内容と今日までの改正に至る手続の経過についてお伺いをしておきたいと思います。
  18. 森脇勝

    森脇説明員 お答えいたします。  まず、改正に至った経過でございますが、ただいま御説明ございましたように改定議定書締結された当初においては引き上げ額が高いといったような問題があったわけでございますが、その後、円高等の影響によりまして、これを容認できる体制になったという背景、事実がございます。昭和六十三年に至りまして、船主協会あるいは荷主協会の方から各省庁に対しまして、ウィスビー・ルール締結してほしい、これに伴って国内法改正してほしいという要望が出されております。その後、改正についての種々の議論が重ねられまして、法務省に対しましても平成二年十一月に国際海上物品運送法改定要望がございました。法務省におきましては、法制審議会で小委員会を設置していただき、そこでの御議論を得て今回の改定の運びとなったわけでございます。
  19. 川島實

    川島委員 一九七八年の国際連合海上物品運送条約の採決に当たりまして、我が国は六十八カ国とともに賛成を行っているわけでございますけれども、これは締結をしておりません。これはなぜ締結されなかったのか。また、カナダリベリアギリシャスイス棄権をしておりますが、この棄権理由についてお伺いをしておきたいと思います。
  20. 畠中篤

    畠中政府委員 先生お尋ねの件は、一九七八年のハンブルクルールの件についてだと了解いたしますが、我が国はこのルール採択のときには賛成をしております。これはハンブルクルールを提案しております国、途上国が多いわけでございますけれども、そういう国の中でもし締約する国があれば、それは反対する理由がないということで特に反対は唱えませんでしたが、このルール自体我が国締結しておりません。
  21. 川島實

    川島委員 カナダリベリアギリシャスイス棄権理由が答弁を受けておりませんが、これは一九二四年に我が国賛成をし、一九六八年には議定書に調印をしなかった。さらに、一九七八年に、今回の一年前に、ハンブルクルールが一つあるわけですね。これがどのような形でつくられて、これからどういう形で発効を見ることができるのか、この件についてお伺いをしておきたいと思いますが、一九七八年と今回の改正議定書との関係といいますか、内容を見ますると、その一年前の方が今回よりも改正内容がはるかに詳しく条約の中にあるのですが、これらのことを含めてのコメントをお願いしたいと思います。
  22. 畠中篤

    畠中政府委員 先ほどお尋ねの中で、スイスカナダギリシャ棄権した理由につきまして私答弁いたしませんでした。この理由については、現在のところはっきりとした理由を私ども承知しておりませんけれども、これから御説明いたしますように、ハンブルクルールそのもの内容につきましては、きょうお諮りしております七九年議定書、あるいは六八年の、改正のもとになります議定書、そのもとになります一九二四年の条約といったものと考え方は基本的に相当異なったものを採用しておりまして、そういう観点から、主な海運国はこのハンブルクルールにつきましてはその内容については賛成をしておりません。そういう事情がございます。  一九七八年のハンブルクルールと一九七九年の改正議定書との関連と申しますか内容でございますけれども、一九七八年のハンブルクルールの方は、どちらかと申しますと、それまでに採用されてきました二四年条約あるいは六八年の議定書といったようなものの体系内容と比べますと、従来の体系運送人に対する例えば免責等について手厚く保護されておる、そういうことがありますので、荷主サイドといたしましては、国の中には、主として荷主が多い国といいますか荷主となるケースが多い国の方から、従来の体系、例えば免責といったようなこと、具体的に申しますと、従来から海上輸送に伝統的に認められてきました航海過失免責制度あるいは船舶が火災になったときの免責制度といったようなものをこの新しいハンブルクルールでは認めておりません。そういったようなことがございますので、荷主船主バランス、均衡を図って作成されてまいりました二四年条約あるいは六八年議定書といったようなものに参加している国から見ますとこれはバランスを欠いているものだという感じがいたしますので、このルールには参加しておりません。  ちなみにハンブルクルールの方は、二十カ国が批准した後一年後の翌月の一日から発効するということになっておりまして、現在の見通しは、本年十一月に発効する予定になっております。すなわち、二十カ国が批准をいたしましてその発効要件を満たすのが本年十一月ということになっております。
  23. 川島實

    川島委員 三条約との比較をいろいろお聞きしておきたいと思ったわけでございますが、時間がございませんのでこれは後日に譲りたいと思います。  最後に、国際化時代と言われております中で、我が国海運業界においては、昭和五十四年の第二次石油ショック、六十年の円高不況による厳しい経営、六十一年の海運の集約、平成二年度は湾岸戦争影響等経営環境は非常に厳しくなってきております。為替レート海運市況等不透明感があるわけでございますが、我が国海運業界現状問題点、さらに政府の今後の方針についてお伺いしておきたいと思います。
  24. 深谷憲一

    深谷説明員 お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、我が国外航海運をめぐりましていろいろな問題を抱えでございます。周囲を海で囲まれております日本といたしましては、また資源も乏しゅうございます。資源エネルギーを初めとする貿易物資安定輸送ということが大変大事であるということで、これまでも我が国外航海運は国の経済あるいは国民生活に大きな役割を果たしてきておるところでございます。  御指摘のとおり、円高基調の問題でありますとか船員費の格差の問題等々によりまして国際競争力の低下というふうな大きな問題を抱えている、我が国外航海運はそういった環境に置かれているわけでございますけれども、昭和六十三年、平成元年度、このあたりにおきましては経営状況も若干改善をいたしましたが、平成二年度には湾岸危機等がございまして経営環境はまた悪化をし、平成三年度、昨年度の中間決算におきましても減益基調というふうな状況にありまして、その経営基盤は脆弱でございますのでなかなか厳しいものがございます。  このため、こうした厳しい状況に対応して、日本商船隊国際競争力回復に努めるとともに、より一層経営基盤の強化に取り組んでいくことが必要であるというふうに認識をいたしておりまして、運輸省といたしましても、昨年五月に運輸政策審議会から「二十一世紀を展望した我が国外航海運のあり方」というふうなことにつきましての御答申をいただいておりますので、そういったことを踏まえまして、外航船舶の整備を初めとする我が国商船隊国際競争力回復のための諸施策を推進しますとともに、海運企業経営効率化経営基盤安定化、こういったことに努力し、それを支援してまいりたい、かように考えております。
  25. 川島實

    川島委員 次に、アジア=太平洋郵便連合一般規則及びアジア=太平洋郵便条約についてお尋ねをいたします。  我が国は、一八七四年に設立された郵便分野における国際協力を目的とした万国郵便連合加盟し、政府は今日まで国際郵便業務発展のために中心的な役割を果たしてきたと認めております。この基本文書である万国郵便連合憲章第八条により地域的郵便連合設立が認められ、各国地域的に特有な郵便上の問題を検討して、業務改善、利便の増大を図り今日まで参りました。現在、地域別には十の限定連合設立されておると言われておりますが、どのような地域に分かれておるのか、また我が国はそことどのように対応しておるのか、まずお伺いをしておきたいと思います。
  26. 小西正樹

    小西説明員 お答え申し上げます。  今先生が御指摘になられましたとおり、万国郵便連合関係がございます限定連合は全部で十ございます。まず第一にはヨーロッパ郵便電気通信庁会議。第二、アフリカ郵便電気通信連合。第三、米・スペイン・ポルトガル郵便連合。第四、アフリカ郵便連合。第五、これが御審議をお願いしておりますアジア=太平洋郵便連合でございます。第六、汎アフリカ郵便連合。七、北欧郵便連合。八、中央アフリカ郵便電気通信庁会議。九、南西アジア郵便連合。十、アンデス郵便連合。以上の十でございます。
  27. 川島實

    川島委員 今回改正が提案されておりますアジア=太平洋郵便条約は、一九六一年にアジア=オセアニア郵便条約により設立され、その後一九八一年に今日の名称になったと聞いておりますが、我が国は、当初アジアオセアニア郵便連合参加をしておりません。七年たった一九六八年に連合加盟をしておるわけでございますが、この七年間未加盟であった理由は一体何であったのか、お伺いをしておきたいと思います。
  28. 小西正樹

    小西説明員 我が国は、アジア太平洋地域限定連合が創設されるということの必要性はこれまでも痛感してきておりました。  先生指摘になられましたアジアオセアニア郵便条約、その連合設立会議昭和三十六年、一九六一年に開催されたわけでございますけれども、この会議には日本からも代表を派遣するとともに、会議作成されました条約にも署名いたしまして、原署各国としての立場は確保したわけでございます。ただ、この条約締約国は当時四カ国でございました。フィリピン、タイ、韓国及び台湾でございましたけれども、そういうことで、我が国といたしましてはしばらく締結を見合わせていたわけでございます。  その後、我が国締結につきましても域内各国から強い期待が表明されましたので、日本としてもこの連合加盟し、域内郵便業務面での協力に貢献していきたいということで昭和四十三年に連合加盟したものでございます。
  29. 川島實

    川島委員 今回のアジア太平洋郵便連合一般規則及び郵便条約改正点とその主な理由についてお伺いをしておきたいと思います。
  30. 小西正樹

    小西説明員 まず、アジア太平洋郵便連合一般規則改正点について御説明いたします。  この一般規則は、アジア太平洋郵便連合の運営に関する事項を規定しているものでございますが、今回の改正点は、現行一般規則年額七万米ドルであったアジア太平洋郵便連合支出最高限度額年額十万米ドル引き上げるということでございます。この改正が行われるに至りましたのは、この一般規則対象期間が一九九一年から九五年と想定されておりますけれども、この対象期間に予想されます物価上昇、八%程度と想定しておりますが、この支出に見合う必要があるという考慮がございました。また、この一般規則が採択されました一九九〇年のニュージーランドのロトルア大会議におきまして、今後の連合の活動をさらに活性化していく、郵便業務改善を図る、そのために加盟国の間で研究協力情報交換等を拡充するということが決議されましたので、この決議の内容を実施するのに見合った支出増を確保するという観点からこの最高限度額引き上げに至ったものでございます。  以上が、郵便連合一般規則に関する改正点でございます。  それから、第二に先生お尋ねになられましたアジア=太平洋郵便条約、この条約郵便業務に関する事項を規定したものでございますが、その中の改正点について御説明いたします。  条約改正点は、現行条約ではアジア=太平洋郵便連合加盟国間で、いわゆる平面路と言っておりますが陸路、河川路または海路、こういった平面路によって交換する書状及び郵便はがきについての低減郵便料金の適用が加盟国の義務とされておりました。これを今回改正いたしまして任意化したものでございます。これは背景を申し上げますと、従来加盟各国低減郵便料金を適用することが財政上の負担になっているという事情がございまして、これを踏まえまして、加盟各国がみずからの財政事情を勘案して変化する市場環境に弾力的に対応することを可能ならしめるために、義務的なものとして郵便料金を決めるのではなくて任意化することになったものだというふうに承知しております。
  31. 川島實

    川島委員 今回の改正万国郵便条約との関係相違点が出てくるわけでございますけれども、これの扱いはどういうふうになるのですか。
  32. 小西正樹

    小西説明員 先生冒頭に御指摘のとおり、アジア=太平洋郵便連合と申しますのは万国郵便連合憲章第八条に基づくこの地域、すなわちアジア太平洋地域の限定的な連合地域的な郵便連合ということでございます。  それでその相違点でございますけれども、特に主要なものとして二つ挙げられるかと思います。  一つは、万国郵便条約では継ぎ越し料継ぎ越し料と申しますのは、郵便を送達する際に発信国から到達国に至るまでの間に仲介国が存在する場合にその仲介国に手数料を払うというその手数料でございますけれども、その継ぎ越し料について所定の額を支払うというふうに規定されております。アジア=太平洋郵便条約ではこれは無料化または減額して徴収することが可能であるというふうに規定されております。  また第二の主要な相違点といたしましては、陸路、河川路または海路、すなわち平面路によって交換されている通常郵便物につきましては、先ほど御説明いたしましたとおり条約に定めるところに従って国際料金の設定を行うことが万国郵便条約では規定されておりますけれども、アジア=太平洋郵便条約第三条におきましては、加盟国郵便物について国際料金よりも低い料金を適用することができると今回改正されたわけでございます。
  33. 川島實

    川島委員 次に、アジア=太平洋郵便連合では加盟国の分担等級に基づいて連合の予算を位置づけているわけでございます。我が国は一九九二年には五千三百二十五ドルですか分担金を拠出しておりまして、連合総予算として六万九千五百九十五ドルという予算を立てて事業を行っているわけでございますが、その事業の概要についてお伺いをしたいと思います。  さらに、五年ぐらいさかのぼってみますと我が国の分担額もふえたり減ったりしているのはどういう理由なのか、あわせてお伺いをしておきたいと思います。
  34. 小西正樹

    小西説明員 この予算でございますが、先生今御指摘のとおり、我が国の予算は約五千三百ドル、邦貨にして六十九万円でございます。  それで、アジア=太平洋郵便連合の予算総額、一九九二年で申し上げれば六万九千五百九十五ドルでございますけれども、この内容は、このアジアー=太平洋郵便連合を運営いたしております事務局長等の職員の給与を二万八千四百四十ドル、それから加盟国に対します航空運賃の償還費を二万三千百九十三ドル、旅費を五千五百ドル、こういった費用に充てることが主要な支出項目となっています。  ただいま先生指摘の事業でございますけれども、連合の予算には、特定の事業の実施に対する支出というのは見込まれておりません。  予算がいろいろ時期に応じて流動したということについては、詳しく承知いたしておりません。
  35. 川島實

    川島委員 説明書の中で、我が国郵便連合の中で中心的役割を果たしている、こういう説明があるわけですが、この運営の機関として大会議、執行理事会等が設けられ、さらに中央事務局、研修センター等で運営がなされているわけですが、我が国からの役職者の派遣というのは何名ぐらいおるのか、そして我が国がこういう事業に対してどういう協力をしておるのか、お伺いしておきたいと思います。
  36. 小西正樹

    小西説明員 我が国からの事務局への貢献でございますが、この事務局は現在マニラに置かれておりますが、事務局の運営は、事務局長、事務局次長、ほか二名の計四名で運営されておりまして、事務局長及び事務局次長はフィリピン人でございます。日本からの職員はございません。  それから、今先生のお話しになられましたアジア=太平洋郵便研修センターというセンターが事業を行っております。これは、実は以前に国連開発計画、UNDPという機関が昭和四十五年にタイのバンコクで設立されたものでございますけれども、UNDPの援助がその後だんだんと減少いたしまして、昭和五十年にはこの郵便連合のメルボルンの大会で、条約改正によりこの郵便連合の機関となったわけでございます。  このアジア太平洋郵便連合におきまして、我が国は奨学資金を拠出いたしております。平成三年度で申し上げれば約七万二千米ドルでございますが、こういう奨学資金を拠出するとともに、このセンターにおきまして講義を行うほか、教官の指導及び訓練活動の改善のための助言の任に当たる専門家一名を派遣いたしております。
  37. 川島實

    川島委員 今回の加盟国以外で加盟の資格のある非加盟国がこの地域で大分数があるわけですが、これらとの取り扱いの関係はどういう変化をするのか。さらにまた、万国郵便条約にもアジア太平洋郵便連合にも加盟していないマーシャル諸島、それからミクロネシア連邦、この二つがあるわけですが、これとの関係はどういうふうになるのか、お伺いしておきたいと思います。
  38. 早田利雄

    ○早田政府委員 今お話ございましたように、UPU条約にも加盟していない国もございますし、APPU条約にも未加盟の国があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、郵便物ができる限り世界の隅々まで送達されることが望ましいわけでございますので、私どもといたしましても、連合加盟国であると否とを問いませんで、すべての国及び地域郵便物を送達できるよう努力をしているところでございまして、実際的には、直行便がある場合におきましては直接に、また直行便がない場合には第三国の仲介によりまして実施しているところでございまして、今お話ございましたマーシャルとミクロネシアにつきましては、グアムを経由いたしまして郵便物を送達しているというような形でございます。
  39. 川島實

    川島委員 時間もございませんので、現在我が国郵便物の扱い等について、ここ最近の一、二年の状況を見てみますと、評価を受けたものと行政のあり方が問われているものが数あるわけでございます。  特に行政のあり方が問われたものについての御所見をお伺いをしておきたいと思いますが、評価を受けたものとしては、一九九一年四月には、郵便集配に低公害車十月から実施。それから五月には、郵便局の土地有効利用、高層ビルに建てかえ、さらに郵便物の処理完全自動化、新システム開発着手。六月には、配達急がぬ手紙の料金割り引きをします。九月には、国際郵便サービス、各地の海外名産品六十種目扱う。十二月には、一声配達制度化、さらに郵便局でパスポート、サービスの多様化。一九九二年一月には、国際ビジネス郵便七十七カ国、電子郵便四十四カ国、さらに郵便局のファクスで住民票請求可能に。二月には、身近な郵便局で市税の納入可能。こういうことが報道されているわけでございます。  行政のあり方が問われた方が、一九九一年の一月には、郵便車の盗難によりまして入学願書千四十通、書留千五百通被害。四月には、日本航空のミスで海外小包二百八十個四カ月放置。六月には、クイズ解答はがき六千通二週間遅延事件。十一月には、配達されない二万三千通の郵便、電算機の操作ミス一カ月放置。一九九二年の一月には、行政監察結果として保有地十八万平方メートル未利用。二月には、どうなる土曜郵便、労使の意見対立。三月には、郵便局泥棒続発、切手など被害一億。こういうふうに数出ておるわけでございますが、この件について、特に国民に関係があります土曜郵便関係、それから改善をしなければならない海外の小包等の放置問題等、これらの主なものについてひとつ御所見をお伺いしておきたいと思います。
  40. 早田利雄

    ○早田政府委員 ただいま先生から御指摘いただきました私どもの郵便事業運営上に起こりましたことでいろいろ国民の皆様に御迷惑をおかけしたことは事実でございまして、まことに私ども申しわけないというふうに思っております。  このような郵便車の盗難事件でございますとか、あるいは小包であるとかクイズ郵便が遅延したというようなことにつきましては、早速いろいろな防止策をとりますとともに、今後ともそのようなことを二度と起こさないように一生懸命やっていきたいというふうに思っております。  それからまた、国民の皆様方から大変関心もございます私どもの土曜日の郵便配達休止の関係でございますけれども、昨年の末でございますけれども、関係の組合からも実験的に試行したらどうだというようなことも提案を受けておるわけでございますけれども、私どもといたしましては、土曜日に郵便を休みますことにつきましては、一つには、現在の社会の中で国民の皆様方の、お客様の理解が得られるかどうかという点について、大変私どもといたしましては、国民の皆様の、お客様の理解を得ることが難しいという判断をしております。  それからまた、アメリカ、イギリス、フランス等、完全週休二日制が既にもう進展している多くの国におきましても、現在土曜休配を実施しておりますところはカナダ以外にはございませんで、先ほど申し上げましたアメリカ、イギリス等におきましても土曜休配を実施していないということは、それだけ郵便につきましては土曜配達の必要性が高いというふうに思っておるということが二つ目でございます。  それからまた、現在日曜日につきましては、配達を休ませていただいておるわけでございまして、そういう点では、月曜日には日曜日と月曜日の分を配達しておるわけでございますけれども、それに加えましてさらに土曜日の配達分を月曜日に配達するということになりますと、月曜日中にそれらの郵便物を配達することは現在の施設であるとか要員面から考えまして不可能であるというふうに考えております。  それから、小包等のコンテナが日本航空の倉庫で発見されまして大変遅延したということにつきましては、航空会社とも十分相談いたしまして、二度とこのようなことがないようにただいま措置をしたところでございます。  今後ともまたいろいろと御指導をよろしくお願いしたいと思います。
  41. 川島實

    川島委員 最後に、現代は郵便新時代とも言われ、情報化時代の進展に伴って電子メディアを中心にニューメディアが続々と登場している中で、郵便需要もまた拡大の一途をたどっております。これらの需要にスピーディーに対応する郵便物流のあり方、新時代にマッチしたきめ細かな郵便サービスが問われるわけでございますが、政府はこれらの郵便新時代に対応する方針についてどのように御所見をお持ちか、お伺いをしておきたいと思います。
  42. 早田利雄

    ○早田政府委員 私どもの郵便事業といたしましては電気通信メディアとの競合関係にもあるわけでございまして、また情報化につきましては、私どもの事業の中にも積極的に取り入れているところでございますけれども、将来的に私どもの郵便事業というのは、電気通信メディアが発達いたしましても、さらに郵便事業は拡大していくものというふうに思っております。そういう中で、これからまた消費行動も変化いたしますし、情報化も進展いたしますと、今までと違うような形の個別化、多様化した郵便物が大量に差し出されるというようなことも起こってくるのではなかろうかというようなことを予測しております。  一方、そういうふうに郵便物は今後とも需要が拡大していくというふうに予測しておりますけれども、現在のところ特に大都市部を中心にいたしまして大変労働力不足というようなことが出てきておりますし、また局舎とか施設とか、こういうふうなものの狭隘ということにつきましての問題点も出てきておりますし、またさらには交通問題であるとか公害問題に対する対応であるとか、いろいろな対応を迫られているわけでございまして、そういう中で私どもとしましては、こういうふうに大変ふえてまいります。務量の増加に対応いたしまして、また一方、労働力不足だとかいろいろな課題もございますけれども、そういう中で国民の皆様方に安定した、信頼される郵便業務を今後とも確保していきたいというふうに考えておるところでございます。  そういう意味で、私どもにおきましても、中長期的な展望に基づきまして、郵便事業の情報機械化等もさらに進めていくと同時に、またお客様のニーズに対応したサービスの開発であるとか改善をしていきたい、かように思っております。  それと同時に、また私ども二万四千の郵便局ネットワークがございますので、これらのネットワークを活用いたしまして、引き続き地域社会との連携を深めながら豊かな地域づくりに貢献していくとどもに、国際化の進展の中でさらにこれらに積極的に対応していきたい、かように考えております。
  43. 川島實

    川島委員 終わります。ありがとうございました。
  44. 麻生太郎

  45. 土井たか子

    ○土井委員 船荷証券議定書について、まずお尋ねをしたいと思うのです。  我が国は、一九二四年条約批准しておりますが、一九六八年改正議定書批准をいたしておりません。なぜこれを批准しなかったのでございますか。
  46. 野村一成

    ○野村説明員 先生指摘のとおり、六八年議定書締結しておらないわけでございます。これは先ほど川島先生の御質問でもございましたけれども、二四年条約の成立の時点で運送人責任限度額というのが規定されておるわけでございますが、それが運送人にとって六八年改正議定書の採択の時点でもやはり過大の負担をもたらすものだということで、その時点では締結するのに困難な事情があったということでございます。  その後、我が国の物価水準の上昇とか大幅な円高によりまして、責任限度額というのが我が国海運事業にも許容できる水準となったということ、またイギリスとかフランス等、主な海運国が既に七九年議定書締結しているということでございまして、やはり国際的な海上物品運送の分野での規則統一するということについて、国際協力の見地からもこれに入るということが適当であるというふうに判断した次第でございます。     〔委員長退席、新井委員長代理着席〕
  47. 土井たか子

    ○土井委員 御説明を聞いておりましてももう一つはっきりしないのですが、なぜ批准しなかったのかというのをもう一回、聞いていてはっきりわかる明瞭な御答弁、簡単明瞭な御答弁でひとつお願いできませんか。
  48. 野村一成

    ○野村説明員 運送人責任限度額、それが我が国海運企業にとって過大な負担であったということが、簡単に申し上げて六八年議定書についてその時点で締結できなかった理由でございます。
  49. 土井たか子

    ○土井委員 今回の改正議定書に、これは参考として六八年改正議定書がつけられていますが、今回の改正議定書批准することによって、六八年改正議定書には日本批准しておりませんけれども、この六八年の改正議定書はどのような関係になるのですか。
  50. 野村一成

    ○野村説明員 先生指摘のとおり、今回、六八年議定書締結しないで今回の七九年議定書締結するわけでございます。  今回の議定書につきましては、第六条(2)におきまして、「条約締約国でない国によるこの議定書批准は、条約批准の効果を有する。」というふうに規定しておりまして、さらに今申しました「条約の」というその条約についての定義が設けられておりまして、その条約とは一九六八年議定書によって改正された一九二四年条約をいうというふうに定義されております。このため、今回の七九年議定書のみを締結するということによりまして、一九六八年議定書によって改正されました二四年条約内容に拘束されるということになるわけでございまして、したがいまして、今回、二四年条約の二度にわたる改正内容を受け入れるためにはこの議定書のみを締結するということで十分であるというふうに判断した次第でございます。  他方、ただいま先生指摘のように、今回、六八年議定書を参考として国会に提出させていただいております。実は締結対象として六八年議定書はなっておらないわけでございますけれども、まさに六八年議定書によって改正された二四年条約内容に拘束されることになるわけでございます。したがいまして、この六八年議定書内容を見なければ全体を把握できない、そういうふうに判断いたした次第でございます。
  51. 土井たか子

    ○土井委員 そうすると、以前は批准することをためらった六八年議定書についても、今回は意識をしてそれを適用の対象にしていかなければならないという問題にも相なるわけですよね。  さて、今回の改正議定書批准することによって、日本批准していた一九二四年条約はそれじゃどうなるのですか。
  52. 野村一成

    ○野村説明員 お答え申し上げます。  一九二四年条約、ハーグ・ルールと言われておるのでございますが、それと今回の七九年議定書との間では、その責任限度額どこの規則統一という見地からは大きく内容を異にしております。したがいまして、同時に両条約の義務を果たそうといたしますれば、この二つの異なった制度の併存を認めるということになるわけでございまして、この船荷証券に関する国際規則統一というこういった条約の本来の趣旨が損なわれるということになりますし、また法的にも複雑な扱いが必要となってくるのではないかというふうに判断いたしまして、したがいまして、今回御審議いただいておりますこの議定書締結後、この議定書発効すると同時に二四年条約は廃棄する、そういう手続をとる方針でございます。  なお、こういった基本的な考え方に基づきまして二四年条約を廃棄している国といたしましては、イギリス、オランダ、イタリア、スウェーデン等いわゆる海運国の主要国も同様の手続をとっておる次第でございます。
  53. 土井たか子

    ○土井委員 廃棄すると今おっしゃった。その手続をとるということもおっしゃいました。その条約自身が無効になるということと条約に対して廃棄の意思を表示するということは違うのですよ。破棄の意思を表示してもその条約自身は事実として存在しているわけですから、無効になっていないわけです。この二四年の条約を破棄するということの通告をすることによって、二四年の条約に記載されております条文はどういうことに相なるわけですか。
  54. 野村一成

    ○野村説明員 お答え申し上げます。  確かに二四年条約条約の規定に基づきまして廃棄できるということになっておりますので、その手続にのっとって二四年条約を廃棄するわけでございますが、他方、今回の七九年議定書の中にはまさに条約ということで定義が設けられております。したがいまして、内容的には基本的には二四年条約で記載されておる条項というのが、全部ではございませんけれども、それに我が国が拘束されるということにはなります。しかしそれは廃棄した二四年条約の効果というよりはやはり基本的に七九年議定書そのものに拘束されることの法的な効果である、そういうふうに理解いたしております。
  55. 土井たか子

    ○土井委員 二四年条約には我が国は留保条項を付した箇所があると聞くのですが、これは九条、十条ではあるまいかと思いますが、そのとおりですか、どうですか。
  56. 野村一成

    ○野村説明員 御指摘のとおり、二四年条約締結に当たりまして留保を付しております。
  57. 土井たか子

    ○土井委員 二四年条約を廃棄したということになると、その留保条項はどうなるのですか。
  58. 野村一成

    ○野村説明員 今回、二四年条約を廃棄するという手続をとるわけでございますので、しかもこの議定書我が国について効力を発する時点で二四年条約我が国について効力を失う、そういうふうに手続を進めたいと思っておりますので、二四年条約の廃棄が我が国について効力を発生する時点で当初の留保、二四年条約に付した留保というのは意味を持たないというふうに考えております。
  59. 土井たか子

    ○土井委員 こういうふうな例は逝去にほかにございましたか。
  60. 野村一成

    ○野村説明員 留保を付して締結国会承認を求めた条約といたしまして、その後廃棄手続をとったものとしまして小麦関係の幾つかの条約がございます。
  61. 土井たか子

    ○土井委員 その小麦関係条約とおっしゃるのは、新しく改定をしたために、もともと締結してきた条約に対して廃棄ということを措置としてとったという関係にありますか。これは違うと思いますよ。
  62. 野村一成

    ○野村説明員 お答え申し上げます。  訂正いたします。私、今廃棄という言葉を使いました。間違いでございます。これは期限が来て終了したという意味でございます。したがいまして、終了すると同時に新しい条約によって置きかえられたということでございますので、仏その辺のところを混同いたしましたので、おわびいたします。  他方、今回の条約体系船荷証券につきましても、新しい国際規則統一という見地ではございますけれども、条約によって置きかえるという趣旨でございますので、前の締結した条約が廃棄という手続によるのはあるいは期限が来たということでございましょうが、終了したという点に着目いたしますと、その条約についていた留保も同時に我が国について意味を持たなくなった、そういう意味で御指摘させていただいた次第でございます。  他方、そういう留保を付した条約を廃棄した例がという御質問でございますけれども、申しわけないのですけれども、私、今事実関係を承知いたしておりません。
  63. 土井たか子

    ○土井委員 それはぜひ改めてお調べをいただきたいと思いますが、私の知る限りではこんな例は過去にはないようでありますよ。一回調べてみてください。  先ほどおっしゃったことで私は少し気にかかる点もあります。この条約自身は、二四年条約というのは存在しているわけですから、日本として廃棄の意思表示をするという日本政府立場があるわけであって、二四年の条約自身は存在しているがゆえにこの条約しか加盟していない国があるわけであって、その後の六八年も今回の七九年も加盟してないという国があるわけです。例えばアメリカ、旧西ドイツ、そうじゃないですか。アメリカとの間でのこの条約がしたがって七九年、ないわけです。六八年もないわけです。二四年しか締結してないわけです。アメリカとの関係に不都合を生じませんか。
  64. 野村一成

    ○野村説明員 お答え申し上げます。ただいま先生指摘のとおり、アメリカ合衆国等二四年条約だけを締結している国がございまして、今回我が国がこの二四年条約を廃棄するということの結果、二四年条約締約国との間ではその条約は適用されないということになるわけでございます。  他方、アメリカもそうでございますけれども、二四年条約だけを締結している国でありましてもその条約と同じ内容国内法をきちんと持っておるわけでございまして、例えば日米間の輸送で考えますと、有価証券の裏面約款と申しますか、その中できちんと荷積みの地点あるいは荷揚げ地のいすれがの法律によると準拠法を定めておるわけでございまして、したがいまして、いずれかと申しますのは、七九年議定書によるのかあるいは二四年条約内容と同一のアメリカ国内法によるのか、どちらかの適用を受けるということになるわけでございまして、その点、不都合は実際の運用に当たりましては生じないというふうに考えております。
  65. 土井たか子

    ○土井委員 今の御答弁を聞いておりますと、実際上の不都合を生じない、運用上も不都合を生じないと言い切っていらっしゃるのですが、二四年の条約は、条約国内法化して、それを遵守することのための国内法は制定されてあるわけです。七九年の、今回のを批准したら、やはりこの条約を遵守することのために日本では国内法化される国内法があるわけで、したがって、それぞれが国内法によって取り扱いを進めるというときに、そこに二四年と七九年と違いがあるがゆえに、今回は二四年を廃棄しますとわざわざ日本は意思表示するわけでしょう。これはそごが本当にないのですかね。大丈夫ですか。これは、その間のアメリカとの話し合いというのはやはり必要になってきますよ。     〔新井委員長代理退席、宮里委員長代理     着席〕
  66. 野村一成

    ○野村説明員 お答え申し上げます。  先ほど申しましたように、実際の運用におきましては、有価証券の裏面約款におきましてどちらの法律を準拠法とするかということは書かれるわけでございますので、その点に関してはトラブルは生じないということを、乱そういう趣旨で申し上げたわけでございます。  他方、同じ証券規則統一という見地からいたしますと、我が国があえて今回、二四年の条約それから六八年、七九年と、そういう新しい形態、その時代に合って規則が定められて一番新しい規則統一されていくというのが基本的には条約の趣旨とするところでございますので、アメリカにはアメリカの事情があるというふうに理解しておりますけれども、できるだけ多くの国が一番最新の規則にのっとって、国と国との関係におきましても条約関係が生じることが望ましいというふうに考えております。
  67. 土井たか子

    ○土井委員 今おっしゃっている国内法の問題なんですが、今日本では国際海上物品運送法改正案が参議院の法務委員会審議中ということを伺っておりますが、条約上の要請は、恐らくは延着責任について条文の上で見ましてもないように思われるのですが、この点は、条約から考えたらそこまで要請をされていない、また義務づけられていない部分についても、日本としては国内法の上でこの規定を設けるということになるのですか、どうなんですか。
  68. 森脇勝

    森脇説明員 先生指摘のとおり、一九二四年条約は延着の場合について何ら規定しておらないわけであります。しかし、運送品の延着というのも滅失あるいは損傷と並ぶ運送品に関する損害の一態様でありまして、延着の場合だけを他の損害と区別して別個の法的取り扱いをするのは合理的でないというふうに思われます。  この国際海上物品運送法は、国際海上物品運送の私法的な関係につきまして包括的に定める法律として制定されたものでございます。したがいまして、その制定時に、損害のあらゆる形態について統一的にこの法律で処理していこうということで立法されたわけでございまして、今申しましたような理由によって延着の損害についてもこの法律を適用するという形で立法されたわけでございます。今回、七九年議定書あるいはこれの中身になっております六八年改定議定書によりましても、延着について言及するところはないわけでございますが、今申しましたような考え方というのは改正法案においてもそのまま妥当すべきものだというふうに考えております。したがって、改正法案においては延着責任の部分についてあえて変更を加えないということにいたしております。
  69. 土井たか子

    ○土井委員 御説明を承っていて、それだけで質問していくとまた一時間でも二時間でも質問になると思うのですがね。  この条約について、今回外務省の説明書を読んでおりますと、早期に締結をすることが非常に気持ちを込めて書いてございますけれども、七九年からは既に十三年たっております。そうして、二四年条約のときにも一九五七年になって日本批准をいたしております。随分これは時間がかかっているんですね。なぜもっと早く出されないのかなという気がするわけでありますひそして説明書には早く国会での承認をとせかされているわけで、なぜもっと早くこれは出されなかったのかということを一言聞きたくなりますね、これはどうしても。もう長い説明要りませんから、ひとつ簡単に言ってください。     〔宮里委員長代理退席、委員長着席〕
  70. 畠中篤

    畠中政府委員 先ほど来御説明してまいりましたように、本件条約船主それから荷主の適切なバランスの上にのっとって実施していくということが建前でございますが、七九年議定書が長い間批准できなかった理由は、何度か御説明してまいりましたとおり、船主の方の限度額負担の問題がございましたけれども、こういう問題を踏まえまして、昭和六十三年に船主サイドからもそれから荷主サイドからもこの議定書批准をしてもらいたいというような話が出てまいりまして、それ以降国内のいろいろ調整を進めて今日に至ってまいりました。  先ほど来申し上げておりますように、この条約につきましてはイギリス、フランス、北欧諸国その他海運の主要国が入っておりますので、日本もできるだけ早く入って海上運送の統一的な円滑な実施をしたいという趣旨でございます。
  71. 土井たか子

    ○土井委員 御説明を求めてもそれ以上のことは、繰り返しおっしゃる以上は出ないだろうと思いますから、あと一つ郵便条約について私は外務大臣の御所見を承っておきたいと思うのです。  今回、このアジア太平洋郵便連合について予算の最高限度額引き上げというのが出されております。これは予算の最高限度額引き上げをいたしましても、実際APPUが使用できる予算というのは余り大きくありません。会議を開催した場合の参加者の航空料金というのは、各国の分担金から控除されるというふうなことにもなるわけでありますからね。  そこで、大体APPUの機能というのはどういう辺にあるか、存在意義はどういう辺にあるかということを考えると、これから非常に重要な意味と役割を担っていくということを言わざるを得ないと私は思うのです。  例えばアジア=太平洋郵便研修センター。郵政職員の交流と開発途上国郵便業務のレベルアップ、これは大事なんですね。そこで、ただいまの分担金というのは、日本の場合もこれは少額でありますけれども、分担金で賄っていくということではなくて、拠出金制度に持っていって、任意拠出金という格好でアジア太平洋郵便研修センターなどを運営されているわけですから、それを充実させていくということに日本は積極的な役割を担うということがあってしかるべきではなかろうかというふうに思うわけであります。  一つは、郵便分野というのは、国際貢献ということから考えて大変大きな意味を私は持っていると思うのです。我が国が国際貢献策の一つとして非軍事の立場考えていった場合に、これは非常に大きな意味を持っております。特にアジア太平洋地域でのそれは、日本の理解増進に多大の寄与ということになるだろうというふうにも思うわけですが、こういうことも含めて、外務大臣、これからのアジア太平洋郵便連合業務について、また日本のそれに対する対応のあり方について、どのようにお考えになっていらっしゃるかというのをお聞かせいただきたいのです。
  72. 渡辺美智雄

    渡辺(美)国務大臣 予算が少ないという話でございますが、分担金は分担金でルールがあってやっておることですから、それをルール以上に私は負担するということを申し出るのもおかしな話。アジアの研修センターはまた別な話であって、そういうことについては要望が強くあれば今後考慮していくということでいいのじゃないかと思います。
  73. 土井たか子

    ○土井委員 拠出金制度に変えるということも一つのアイデアだと思うのですね、今の分担金で枠が決められているという中身も。そういうことに対しても、大臣、積極的な提言ということに対してお考えございませんか——いや、これは大臣からひとつ政治的な御見解をお聞かせいただきたいと思います。いや大臣、どうぞそれはやってください。そんな説明は不要ですよ。
  74. 小西正樹

    小西説明員 事実関係の……
  75. 土井たか子

    ○土井委員 いや、事実関係はいいから。  先ほど申し上げたとおりであって、アジア=太平洋郵便研修センターは任意拠出金で運営されているという実態があるのですね。だから、そういうことを考えていくと、より一層これを活発化させていくという意味においても、やはりこれは従来の分担金でない拠出金制度ということに重点を置くというのは一つの大事なアイデアではないかということで申し上げているのです。これは事実と間違っていますか。
  76. 渡辺美智雄

    渡辺(美)国務大臣 これは任意拠出金にしますと、みんな出さなくなって日本にばかり出してくれと言われたって困る話なのです、実際は。だから、分担金は分担金としてみんな義務的に出すものは出す、しかしそれでどうしても足らぬとかどうとかという話があれば、それはまた別な話として今後相談していくということが実務的じゃないでしょうか。
  77. 土井たか子

    ○土井委員 最後に外務大臣に。  先ほど川島委員が質問の冒頭で取り上げて、一連のPKO法案をめぐる外務大臣発言について質問がございました。国会法五十九条を挙げて、国会法五十九条からすればあの関連の御発言というのは国会法違反であるというふうな立場での質問でございました。それに対して外務大臣は、発言にもしそういう予断を抱かせるという向きがあるならば訂正するということをおっしゃったのですが、訂正するというのはどういうぐあいに具体的に訂正をなさるわけですか。
  78. 渡辺美智雄

    渡辺(美)国務大臣 私は国会法違反だとは思っておりません。それは国会法五十九条、一つの院で議決した後は内閣が自分の意思だけで修正したり撤回することはできない、こういうことでございます。これはもちろんできるはずがないのですね。内閣だけでやろうとしても、勝手に、出した法案を衆議院通過して参議院に行って、あれはもう撤回ですというようなことは内閣はできません。それは当たり前のことを書いてあるのだろう、私はそう思っております。内閣が修正しようとしても内閣だけでは修正はできませんよということでございますから、それは内閣は自分ではできません。野党間で、与野党で話し合いをして、内閣は必ず意見を求められるわけですから、それについて意見を全く言わないということもあり得ないことであります。  私は、修正の手続その他について積極的に修正、撤回法案を内閣が出すとか、そういうことをやっているわけじゃなくて、政治的な発言をしたわけであります。そこのところに何か修正を我々の方が積極的に求めているというふうにとられるという点があればそれは訂正をいたしますと言ったのでございます。
  79. 土井たか子

    ○土井委員 そういうふうに考えられる向きがあるとするならば、その点は修正じゃなくて撤回でしょう、正確に言えば。その部分は、そうでしょう。外務大臣、もう一度そこのところをはっきり言ってください。
  80. 渡辺美智雄

    渡辺(美)国務大臣 結果は、それは法律論で言えばどうか知りませんが、しょせん政治家の言う話ですから政治的発言でありまして、積極的に我々が直してくれ、直してくれと言って歩けば、それは法の精神からして少し行き過ぎじゃないか、こう言われてもそれは仕方がないかもしれませんが、こちらは嫌々の話でございますから、積極的に私が直してもらうように走っているというようにとられるとすればそこのところはこれから改めますということであります。そういうふうには言っていないのですが、誤解を受けているのでしょう。
  81. 土井たか子

    ○土井委員 どうもはっきりしないね。それは誤解を受けているのでしょうと言ったって、そうするとその部分は撤回するとはっきりおっしゃっておかないと、外務大臣、それはいつまでもその辺は不明朗なままで尾を引きますよ。これははっきりおっしゃっておいた方がいい。
  82. 渡辺美智雄

    渡辺(美)国務大臣 だから、先ほど幾つも幾つも例を挙げておっしゃって、積極的に私が修正を求めていると思っている部分はどの部分であるかよくわかりませんので、そういうのがあればそれは訂正しますと申し上げたわけであります。
  83. 土井たか子

    ○土井委員 それじゃ、改めてその辺は御検討いただいて、撤回の意思表示を切にここで申し上げさせていただいて、終わりにします。
  84. 麻生太郎

    麻生委員長 玉城栄一君。
  85. 玉城栄一

    ○玉城委員 二つの条約についてお伺いをいたします。一つはただいまのアジア太平洋郵便条約、もう一つは船荷証券条約、この二つについてお伺いいたしますが、割り当てられた私への時間はトータルで二十分しかありませんので、みんな質問はできかねると思いますが、ひとつよろしくお願いをいたします。  最初は、アジア太平洋郵便条約についてお伺いいたしますが、APPU、この予算の最高限度額七万ドルを十万ドルに引き上げる。先ほど土井先生も御質問されましたけれども、十万ドルといえば日本円にして一千三百万ですか、これは署各国が二十カ国ということでありますから、今のお話を伺って非常に感じましたことは、国際化あるいは情報化、こういう事業というものが活発にされるというものを期待している中で、七万から十万に上げたからいいのじゃないか、ところが額にしてちょっと少な過ぎるような感じがしますね。その辺、特に我が国はこれに積極的に協力体制をとるということをおっしゃっている以上は、その辺のまず金目の問題をお伺いいたします。
  86. 小西正樹

    小西説明員 お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、憲章第十四条に基づき会議が定めました平成三年度から平成七年度までのアジア太平洋郵便連合の年次経費の最高限度額は十万ドルでございます。それで、我が国の分担額も約六十九万円ということで比較的小さなものでございます。しかしこれは、この分担金として想定されております最大の単位、五単位というもので負担しておりまして、ほか四カ国で同じ額を負担している加盟国がございますけれども、約六十九万円の額を負担しているわけでございます。  ただ、我が国はこのような分担金による義務的な拠出とは別に、アジア=太平洋郵便研修センターというセンターに対しまして、これはバンコクにございますが、郵便の研修のためのセンターでございますけれども、ここに年間約七万二千ドルという額の奨学資金を拠出しております。それ以外にも、中国、インドネシア、韓国、フィリピン及びタイとの間で毎年郵便の職員の交換計画を実施いたしております。また、このセンターにおいて講義を行い、教官の指導や訓練活動の改善のための助言を行う専門家を一名派遣する等、積極的に協力をしてきております。  このようなアジア太平洋郵便連合の枠内での協力のほか、必ずしも連合加盟国のみを対象とするもりではございませんけれども、郵政幹部のゼミナールヘの研修員の受け入れ等の協力も行っております。  こういう形で、私どものこのアジア太平洋地域の郵政、郵便業務関係の拡大のための協力は、ひとり分担金の拠出を通じてのみでなく、任意の拠出金を通じてのものあるいは我が国独自のいろいろな協力があるわけでございます。
  87. 玉城栄一

    ○玉城委員 郵政省にこの機会にお伺いいたします。  郵政省は国際ボランティア貯金というものをやっていらっしゃいますが、もうこれは一年くらいになるんでしょうか。その国際ボランティア貯金という制度をつくりましてからこれまでの間の成果ですね、まずそれからお伺いいたします。
  88. 玉井弘明

    ○玉井説明員 お答え申し上げます。  国際ボランティア貯金につきましては、昨年一月の取り扱い開始以来多くの方々から御支援いただいているところでございまして、平成三年度末で約六百七十四万人の方々からお申し込みをいただいたところでございます。  平成二年度の寄附金につきましては、昨年の六月に郵政審議会の答申をいただきまして、百二の団体、百四十八の事業に総額で約九億一千万円を配分決定いたしたところでございます。具体的には、女性の自立や子供のために実施する事業に約二億九千万円、農民の自立のための事業に約一億二千万円、湾岸戦争の被災者のための事業に約四千万円、湾岸戦争以外の難民、被災者のための事業に約一億四千万円、その他の事業に約三億二千万円を配分したところでございます。さらに、本年三月には、エチオピアの干ばつ等による飢餓被災者を対象にいたしまして、緊急援助として二団体が実施する二事業に一億円の配分をいたしたところでございます。  これらの援助活動を行っております国の住民の方々からの感謝のお手紙が私どもの方に多く寄せられておりますので、これにつきましては非常に好意的に受けとめられているのではないかなというふうに考えているところでございます。
  89. 玉城栄一

    ○玉城委員 今お伺いします限りにおいては、郵政省の方が非常に進んで国際貢献ということをやっていらっしゃるというふうにうかがえますけれども、こういうことについて外務省としてはどういう御協力をしていらっしゃるのか、お伺いいたします。
  90. 川上隆朗

    ○川上政府委員 国際ボランティア貯金活動に関しましては、基本的に、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律に基づきまして、郵政相が関係行政機関の長と協議するということになっておりまして、この規定を受けまして外務省といたしましては、例えばプロジェクトがNGO事業として適当なものであるかどうか、国際協力の理念にかなっているかどうか、外交的な観点、さらには特にプロジェクト実施上の点で、例えば邦人保護といったような点、安全の問題等でございますが、そういう点に問題がないかといったような観点から御意見を申し上げて、改善すべき点については改善を求めるといったような措置をとっておりまして、全体といたしましては、これらの活動が海外で行われる活動でございますので必要に応じて在外公館等の協力も求めながら、郵政省の本事業に対しまして円滑かつ発展させるという方向で協力してまいりたいというふうに考えております。
  91. 玉城栄一

    ○玉城委員 最後の部分は協力体制をとるということでありますけれども、お話の前半はチェックしていらっしゃるということです。だから、そういうことでなくして、やはりこういう国際化という時代において積極的に郵政省はそういう制度をつくって協力体制をとっているわけですから、むしろバックアップするようなそういう体制であってほしいなという思いがいたします。  それで郵政省にちょっとお伺いしますが、今一部の郵便局の窓口でいわゆる外貨の両建てといいますか両替といいますか、それからトラベルチェックといいますか、そういうものを郵便局で、全部じゃないですけれどもやっていらっしゃるということを伺っておりますが、その点はどういうふうになっておるのか御説明をいただきます。
  92. 玉井弘明

    ○玉井説明員 お答え申し上げます。  外貨の両替それからトラベラーズチェックの売買につきましては、昨年の十月一日から全国百の郵便局でその業務を開始したところでございます。本年の三月末までこの六カ月間の御利用状況としては、約一万七千件の御利用をいただいているところでございます。また、これを取り扱う局につきましては、この平成四年度におきましてはさらに百局追加することで現在取り運びしているところでございます。
  93. 玉城栄一

    ○玉城委員 全国の郵便局といいますとこれは隅々まであるわけですが、今のお話とも関連しますけれども、パスポートですね。特に、私は選出が沖縄県でありますが、ああいう離島県におきましては、県庁所在地というふうな形でこのパスポートの発給をされるというのではなくして、こういう郵便局ですね、各離島ずっとあるわけですが、全部とまでは言わない、主要なところにおいては、そういうパスポートというのは、こういう国際化の時代ですからそういう時代の流れに沿った形でやっていく必要が当然あろうかと思いますけれども、この点外務省はどうお考えでしょうか。
  94. 服部則夫

    ○服部説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生指摘のように、旅券の発行窓口につきましては我々も大変努力しておりまして、例えば昨年は旅券事務にかかわる窓口拡充整備の元年というふうに位置づけまして、その時点では百九十四カ所でありました窓口が現在では既に二百三十三カ所にふえております。これは必ずしも県庁所在地だけで旅券の受け付けをやっておるわけではございませんで、都道府県の各地にあります窓口で、支所等でもっても受け付けております。  それから、郵便局の窓口の活用につきましては私どもも検討いたしておりまして、今後とも郵政省とも十分協議してまいりたいというふうに考えております。
  95. 玉城栄一

    ○玉城委員 郵便局の窓口においてパスポートをということは、これは外国では一部はされているわけですから、やはりこういう時代になってくると、当然それに沿った形で郵政省としても外務省と協力体制でぜひやってもらいたい。特に時間のロスといいますか、かかる。もちろん交通費、経費もかかる。あるいはパスポートをとるために二回も通うというようなこと、特に離島の地域におきましてはこれは大変なことなんです。ですから、そこら辺を考えて、郵便局で、重立ったところでやれないかということは当然常識的に考えられるわけですので、郵政省、もう一回その点お伺いいたします。
  96. 井口義勝

    ○井口説明員 お答え申し上げます。  郵政省としましても、郵便局におけるパスポートの取り扱いについて、外務省とよく協議して検討を進めていきたいと存じます。
  97. 玉城栄一

    ○玉城委員 これも郵政省にお伺いします。  沖縄県は本土復帰して二十周年、記念式典も五月十五日、中央と現地で行われますけれども、その二十周年式典を記念しまして郵政省は沖縄関係の切手を発行するという話も伺っておりますけれども、その点御報告いただきたいと思います。デザインもちょっと報告してください。
  98. 井口義勝

    ○井口説明員 お答え申し上げます。  沖縄復帰に関する切手につきましては、昭和四十七年に復帰記念、五十七年には復帰十年記念切手を発行いたしておりますが、本年は沖縄が本土に復帰してから二十年目に当たりますことから、その歴史的意義にかんがみ、郵政省では沖縄復帰二十年記念切手を発行することといたしております。  発行枚数は千六百万枚で、来月十五日から全国の郵便局で発売されます。また発行日には、沖縄県において開催されます復帰二十周年記念式典において、その切手の贈呈を行う予定でございます。  切手の意匠につきましては、首里城と朝日とツバメといったものを描いておりまして、首里城は沖縄の文化を、ツバメは帰還を、朝空に輝く太陽は沖縄の明るい未来をあらわしているものでございます。
  99. 玉城栄一

    ○玉城委員 非常に時宜に適した、二十周年ということでありますから国民的な、やはり沖縄が返還されて二十周年という特にこれを記念して切手を発行されるということは非常にいいことだと思います。  もう一つの条約船荷証券条約についてちょっとお伺いをいたします。  あの条約は、一九二四年、大正十三年に我が国加盟をして、途中で改正もあったということでありますが、今回また加盟するということであります。ずっとこの時代、もちろん経済的な事情も変わってきていますが、その間我が国として不都合といいますか、この条約、一九二四年に入って、途中でいろいろあったにしてもこれまで入らなかったということによる不都合性というものは感じなかったのか、なぜこれをまたこの時点で入らなくてはならないのか、その辺をもう一回お伺いいたしたいのです。
  100. 畠中篤

    畠中政府委員 どのような不都合があったかというお尋ねでございますけれども、この議定書が定めます物品の滅失または損害について、具体的な統計というものが作成されておりません。そういうことで、具体的に実際上の不利益がどうだったという実態は必ずしも定かではありません。  ただ、運送人、使用人の責任というものがあいまいであったり、いろいろ条約上あいまいであるところが長い間に出てまいりましたし、その間に先ほど来御説明しております技術上の進展もありましたし、また、主要海運国がほとんどこの新しい議定書に入っておりますので、今度の議定書参加することによって我が国海運業務がより円滑に行われることを期待して、このたび参加することにいたしました。
  101. 玉城栄一

    ○玉城委員 いわゆるこの条約改正国内法ですね、これは参議院法案を、法務省ですか出していらっしゃる。これはその案を見れば、勉強すれば大体わかると思いますが、この際、どういう改正内容国内法を提案していらっしゃるのか、その点をお伺いいたします。
  102. 森脇勝

    森脇説明員 国際海上物品運送法と申しますのは、昭和三十二年にこの一九二四年船荷証券統一条約批准することに伴いまして、国際間の海上物品運送に関する法律をこの条約に適合するようにしようということで立法されたものでございます。したがいまして、今回一九七九年議定書締結することに伴いまして条約の方が変更になりますので、これに伴って国内法改正しようというものでございまして、七九年議定書、それからこれの内容をなしております六八年議定書内容をそのまま国内法に取り入れよう、こういう改正案を提出しておるところでございます。  その主な改正点でございますが、一点は、船荷証券の効力の強化という点でございます。第二点目といたしましては、責任限度額、これをIMFの特別引き出し権、SDRに計算単位を改めるとともに、責任限度額引き上げを図るというのが第二点でございます。第三点目といたしまして、運送人及び運送人の使用する船長あるいは船員等の運送品に関する不法行為による損害賠償についても、契約責任におけると同様の責任の軽減あるいは免除を認めようという点でございまして、以上の三点が主な改正点でございます。
  103. 玉城栄一

    ○玉城委員 終わります。
  104. 麻生太郎

    麻生委員長 古堅実吉君。
  105. 古堅実吉

    ○古堅委員 アジア太平洋郵便連合一般規則及び郵便条約についてお尋ねします。  日本は一九六八年にアジア太平洋郵便連合加盟しております。その前に万国郵便連合への加盟もあります。そこでお尋ねしますが、我が国アジア太平洋郵便連合加盟によって特別に受けるメリットというのはどういうものがあるか。
  106. 小西正樹

    小西説明員 お答え申し上げます。  一般に、限定連合地域連合という連合設立する趣旨は、特にその域内関係国の間の郵便関係を拡大する、その地域に特有な事情を考慮しつつ域内郵便関係事務の拡大を図っていく、それによって文化、経済、社会面での交流を増大するということでございますけれども、特に今回審議をお願いしております改正点も含めましたアジア太平洋郵便連合というもののメリットと申しますか意義といたしましては、私ども四点ほど考えております。  一つは、今度の改正点にも係る事項でございますけれども、連合加盟国あての平面路、陸路、海路、河川路、これによる書状及び郵便はがき、これにつきましては低減料金を適用できるという趣旨で今回改正されておるわけでございます。したがいまして、域内の諸国の利用者はこういう低減料金の恩恵に浴することになるということが言えると思います。  また、第二点といたしまして、各加盟国協力によりまして、地域内における郵便業務、その能力の改善が図られるという結果が出てくることが期待されるわけでざいます。  また、第三点といたしまして、我が国域内の主要な先進国の立場にございますけれども、そういう我が国立場から技術協力を供与することによりまして、地域内の郵便業務能力を一層改善させていく、そういう点でこの郵便連合のメリットがあるわけでございます。  また、第四点、最後の点でございますけれども、この郵便連合の存在によりまして、この一層大きな枠組みであります万国郵便連合におきまして、アジア地域のこの加盟国が、その万国郵便連合会議におきます議題、討議すべき事項についていろいろな協力がこの憲章によっても可能になっているという事情がございます。
  107. 古堅実吉

    ○古堅委員 この一般規則及び郵便条約について、ベトナムとミャンマーなどが署名していないように思いますが、その理由は何ですか。
  108. 小西正樹

    小西説明員 お答え申し上げます。  このアジア太平洋郵便連合加盟国は全部で二十二カ国でございます。今先生がおっしゃいましたように、この条約及び一般規則に署名いたしましたのは全部の国でございません。二十カ国でございます。  それで、署名しなかったのはバングラデシュそれからベトナムでございます。それぞれの国の事情について私ども必ずしも十分には承知いたしておりませんけれども、例えばその会議に出席する費用の点とか、そういった点を考慮した結果、それぞれの事情によりまして署名できなかったのではないかというふうに推測いたしております。
  109. 古堅実吉

    ○古堅委員 アジア=太平洋郵便研修センターというのがございます。これはこの条約の重要な点だと思いますけれども、その人員規模と日本人の割合、予算規模と日本の拠出額、それを説明してください。
  110. 小西正樹

    小西説明員 まずこのセンターの予算規模でございますが、総計六十三万ドルでございます。我が国からは奨学資金を拠出いたしております。平成三年には、約七万二千ドルの額に及んでおります。我が国は、このセンターにおいて講義を行うほか、教官の指導及び訓練活動の改善のための助言の任に当たる専門家を一名派遣しております。  また、このセッターの構成、管理についてお尋ねだったと思いますが、このセンターの管理につきましては、センターの所在国、タイにございますけれども、タイの郵政省、郵政庁の長を議長としておりまして、連合の執行理事会の議長、参加国の郵政庁の代表者及びこのセンターの活動に対して年額一万米ドル以上の額に相当いたします援助を行う連合加盟国の代表者で構成する運営理事会により行われておりまして、その財政は、このセンターへの参加国の負担及びその他の国または機関の任意拠出により賄われておるわけでございます。
  111. 古堅実吉

    ○古堅委員 尋ねました人員規模と日本人の割合、お答えありませんのでそれを答えてください。  先ほど説明がありましたように、日本の拠出金額が七万二千ドルといいます。これは日本円に直しますというと一千万円足らずであります。先ほど、連合についての国際貢献の立場からの予算をふやすべきじゃないかという御意見もありましたが、この研修センターの予算は連合の予算とは別個に組み立てられるような仕組みになっております。この規則の第百十一条十二項によりますというと、任意拠出も大いに期待されております。そこで、日本の果たせる国際貢献の役割から見ますというと、もっと拠出があってもいいのではないか、このように思われますが、いかがですか。
  112. 小西正樹

    小西説明員 先ほどの先生の御質問の中にありました郵便研修センターの中の日本人の存在でございますが、私どもが承知しておりますのは、研修部長、ポスタルコンサルタントといたしまして一名私どもの方から入っております。  それから、任意拠出の増額の可能性でございますが、これにつきましては、私どもの方といたしましては、こういった郵便研修センターの事業が増進することによりまして域内郵便関係の拡大が図られるということは非常に望ましいことでございますので、その事業の内容、どういった対象のプロジェクトを行うか、こういったことを検討いたしまして、今後とも積極的に考えていきたいというふうに考えております。
  113. 古堅実吉

    ○古堅委員 署各国が二十カ国ございます。そのうち年間一万ドル以上の拠出をしている国とその金額を簡単に示してください。
  114. 小西正樹

    小西説明員 年額一万米ドル以上の拠出を行っている国としてどういう国があるかということでございますけれども、我が国、それからオーストラリア、中国でございます。
  115. 古堅実吉

    ○古堅委員 この研修センターの運営理事会は、研修方針の決定、予算の執行監督、大事など大変重要な権限を持っています。ところが、一般規則第百十一条三項によりますというと、「年間一万合衆国ドル以上の額の現金を拠出し又は当該金額以上の額に相当する現物の提供、奨学制度への拠出若しくは専門家の派遣を行うその他の加盟国」、それが投票権を持つ国とされております。現在、投票権を有する国は署名二十カ国中何カ国ですか。
  116. 小西正樹

    小西説明員 お答えいたします。  投票権を持ちますのは執行理事会参加しておる国でございますが、これはまずセンターが所在しておりますタイ、それからアジア太平洋郵便連合の執行理事会会議の議長国でございますニュージーランド、及び自国の研修生の費用の一部または全部を負担いたしておりますブルネイ、インドネシア、韓国、マレーシア、パプアニューギニア、フィリピン、それに一万米ドル以上の拠出を行っております国、先ほど申し上げました日本、オーストラリア、中国、以上でございます。
  117. 古堅実吉

    ○古堅委員 十一カ国ですか。
  118. 小西正樹

    小西説明員 そうでございます。
  119. 古堅実吉

    ○古堅委員 大事な研修センターにおける投票権というもの、いろいろな意味合いを待つと思うのです。それは一国一票制、当然のことながら民主的なあり方だというように思いました。いろいろな事情がありましょうけれども、それが加盟国に等しく保障される、そういうことになることが一番望ましいというふうに考えます。今後の課題として、センターの運営理事会の投票権がすべての加盟国に無条件に与えられるように努力をすべきではないか、このように考えますが、大臣、御所見を伺いたいと思います。
  120. 小西正樹

    小西説明員 今先生の御指摘の点は私どもも非常に大切な点だというふうに考えておりまして、この執行理事会、投票権がある国が、その国々の思ったとおりということでは必ずしもなく、この研修センターを利用している国々すべての利益を考えて行動するということが非常に重要であるというふうに考えております。
  121. 古堅実吉

    ○古堅委員 時間が来ましたので終わりますが、大臣、二十カ国中十一カ国しか投票権がないという現状、これは五五%です、そういう現状についてどうお考えですか。改善の必要があるとは思いませんか。御所見を賜りたい。
  122. 小西正樹

    小西説明員 先生がお述べになられました点は非常に大切な点でございますので、私どもその点も念頭に置きまして、今後投票権を行使する際には、ぜひともそういう国々の立場も十分理解して投票権を行使するということで先生のお考えを生かしていきたいというふうに考えております。
  123. 古堅実吉

    ○古堅委員 大臣はどうお考えなんですか。
  124. 渡辺美智雄

    渡辺(美)国務大臣 そういうような規則になっているのでしょうが、投票権のある国はない国の立場も十分考え発言をしたり投票したりするように心がけていくことが重要であろうと存じます。
  125. 古堅実吉

    ○古堅委員 終わりますが、改善の方向が大事ではないかということをお聞きしたのです。ぜひそういう方向での御努力を要望しておきたいと思います。
  126. 麻生太郎

    麻生委員長 和田一仁君。
  127. 和田一仁

    ○和田(一)委員 きょうは二条約審議しておりますが、まずAPPUの方からお尋ねしたいと思います。  ただ、私が聞きたいと思っていたことはほとんど質問し尽くされたな、こんなふうに思いますので、答えが同じだったも同じとおっしゃっていただいて結構だと思います。  ただ一つ、初めに、こういう条約の精神を一口で言うとどういうことなんでしょうか。万国またはアジア・太平洋、それぞれ違いますけれども、世界が郵便法というものを条約で結んでいる精神はどういうことでしょう。一口でいいです。
  128. 小西正樹

    小西説明員 お答えいたします。  一口で申し上げますならば、郵便利用者に対しまして、その郵便を迅速かつ確実に、届けたいと思う相手に送達するということについて国際協力を増進していくということであるかと思います。
  129. 和田一仁

    ○和田(一)委員 料金の点については今おっしゃらなかったのですが、私はかつて新聞でちょっと読んだ記憶があるので、もうほとんど質問することがないのでお聞きしたいのですが、日本国内郵便物が高くなったなという話があったときに、ダイレクトメールでも何でもいいですが、日本でお互いに出すよりは香港へ持っていって香港から内地あてに出した方が安いんだということがいっとき新聞に出ていたような記憶があるのですが、これは今でもそういう現象があるのですか。
  130. 大橋郁夫

    ○大橋説明員 お答えいたします。  ただいま先生指摘の香港から出されるケースというのはリメールと称しておりまして、香港の日本あての郵便料金が安いために起こる現象であったわけでありますけれども、これは万国郵便条約によって規制がされておりまして、日本の郵政省といたしましても万国郵便条約の規定にのっとりまして制限をしております。その関係上、最近はほとんどそういう香港からのリメールで来る郵便物はございません。
  131. 和田一仁

    ○和田(一)委員 要するに迅速、確実に相互に郵便物を配達するというだけでなく、そういう料金についても不都合なことがあれば規制するという内容のものなんですね。  それから、現実に規制してそういうことはなくなっているのでしょうか。
  132. 大橋郁夫

    ○大橋説明員 お答えいたします。  万国郵便条約におきまして、ある国に居住する差出人が外国から自国あてに大量の通常郵便物を差し出した場合には、それらの通常郵便物を差し出し元へ返送するか、または内国料金を徴収した後配達できるという規定になっております。  以上です。
  133. 和田一仁

    ○和田(一)委員 では、我々が外国へ行ってそれで出す分には構わないということかなとも思いますね。国内でやるべきものを外へ持っていってやってはいけない、こういうことですね。  七月一日に、今諮っているAPPUは批准して承認すれば発効というのですが、もしこれが六月末で終わるということになると、とぎれた場合にはこれはどういうことになるのか、これもちょっとお聞きしたいと思います。  もう時間がありませんので、それとあわせて、域内の低減料金が任意化された背景はどういうことなのか。  それからもう一つ、継ぎ越し料というのがありますが、これは原則として料金は徴収しないというふうに理解しているんですが、日本の場合はこれを取っているわけはどういうことなのか。世界ではほとんど取っていないらしいのですが、郵便事業について先進国であると自負しているはずの日本が、こういうものをほかは取らないのが日本だけ取るという意味合いはどういうことか、ここら辺についてちょっとお尋ねいたします。
  134. 小西正樹

    小西説明員 先生お尋ねの最初の二問についてお答え申し上げます。  まず、七月一日までにこの一般規則及び条約締結しなかった場合にどういうような支障が生じてくるかという御趣旨の御質問だったと思いますが、御指摘のとおり、この郵便条約及び一般規則は七月一日に発効するということが規定に入っております。この七月一日、この新しい、改正されました一般規則条約発効いたしますと、当然のことながら同時に現行一般規則条約は効力を失うわけでございます。したがいまして、我が国が仮に七月一日までにこれらの文書を締結しないということになった場合には、我が国連合加盟国あての平面路、すなわち陸路、海路及び河川路による通常郵便物に低減郵便料金を適用するというための法的な根拠を失うわけでございます。  また、対外的には、我が国はこの郵便連合加盟国でございます。それで、加盟国に適用される憲章がございます。憲章におきましては、すべての加盟国においてこの一般規則及び条約が義務的な文書ということになっております。したがいまして、憲章上は加盟国はこういった文書を速やかに締結するということが求められているわけでございます。したがいまして、仮に我が国が七月一日までに締結できないという場合におきましては、このような憲章上の義務を我が国が履行していないという状況が出てくるのではないかというふうに考えております。  第二の質問でございますけれども、低減郵便料金の適用が今回の改正において任意化された理由背景ということであったと思いますが、今回の改正におきまして、平面路における書状及び郵便はがきについて任意規定といたしましたのは、従来、加盟各国低減郵便料金を適用することが財政上の負担になっているという事情がございました。こういった事情を踏まえまして、加盟各国がみずからの財政事情を踏まえ、勘案しつつ、変化する市場環境に弾力的に対応していくということを可能にするために今回の改正が行われたものでございます。
  135. 大橋郁夫

    ○大橋説明員 三点目の御質問の継ぎ越し料についてお答えいたします。  先生指摘のとおり、この継ぎ越し料につきましては、無料、原則取らないという規定が設けられております。しかしながら、現在、パキスタン、タイ、インド、パプアニューギニア及びシンガポールといった国々では、この条文の規定にかかわらず継ぎ越し料を徴収しておるところでございます。また、それ以外の国の、例えばネパール、ブルネイ、中国、マレーシア、フィリピン、インドネシアといった国々では、そもそも継ぎ越しを行っていないという状況にございます。  我が国といたしましても、こういったような各国状況を勘案した上で、もし我が国継ぎ越し料を無料にすれば、その結果、無料にした部分の費用は最終的に日本郵便利用者の負担になる、新たな負担を求めることになるというようなことを考えまして、現在では、我が国万国郵便条約に基づいた継ぎ越し料を徴収しておるところでございます。また、現在徴収しております継ぎ越し料を今後無料にするということは、現時点では考えておりません。
  136. 和田一仁

    ○和田(一)委員 期限がいよいよ迫っている時期にこういう審議をしておるわけなんでちょっと伺ったんですが、一九九〇年の第六回大会で今回の改正は決まった、それを早く国会承認してくれという。タイミングからいうと随分とゆっくりしているなと思ったので伺ったわけなんですが、間に合えばいい、間に合わなければ大変だということだけはよくわかりました。  それから、継ぎ越し料については、これはそんなに大きく日本郵便利用者に負担がかかるものなんですか。その辺をもう少し私は考えてもいいんじゃないかなという気はしますが、お答えいただきましょうか。
  137. 大橋郁夫

    ○大橋説明員 先ほど申し上げました財政負担に加えまして、もう一点検討しなければならないことを補足させていただきますが、条約第一条、継ぎ越し料を徴収しないことにつきまして、国内法との関係で根拠足り得るかどうかということについても検討しなければいけないという状況にございますので、補足させていただきます。  以上です。
  138. 和田一仁

    ○和田(一)委員 船荷証券についてもいろいろお尋ねしたいと思っておりましたが、ほとんど質疑が尽きているような気がいたします。  私が聞きたいと思いましたのは、一九二四年に本体ができたこの古い条約でありますが、それがその後六八年に改正、七九年に改正、こういう地点を踏まえながら今日まで放置していた理由はどういうことかということをお聞きしたかったのと、その間何ら問題がなかったのかということもお聞きしたかったんですが、いずれも質問がございました。お答えの中でなお補足することがあれば補足していただきますが、なければそれで結構でございます。  さらに、当時から見て物の流れも量的にも非常にふえている。そういう中でどういう提訴があったか。これはやはりそういう意味では件数も多いし、大変であったのかどうか。こういうこともお聞きしたかったわけです。  それから、この中にある非常に耳なれない言葉ですが、一包・一単位というような表現ですが、こういうものの基準というのが何かあるのかどうか。一包・一単位と言うけれども、例えば石油やあるいは天然ガス、小麦のばら積み、こういうようなときにはどういう基準ではかっていくのか。こういうことももう少し細かく聞きたいなと思いましたが、もう時間が全然ありません。  それで、そういうことと、それからもう一つ、最初の御質問にありましたが、ハンブルクルールと並行してあるこういう中で、我が国とアメリカとの間の交易というのは非常に量も多いし、一番主流であろうと思うのですが、両国がそれぞれ違う方向であるということについて支障があるのかないのか、こういう点についてもお聞きしたかったんですが、いろいろ御答弁がありました。ありましたので、それ以上ちょっとつけ加えたいということがあればお答えいただいて、もう時間になりましたので私の方からの発言は終わります。
  139. 畠中篤

    畠中政府委員 ただいま先生からいろいろ御指摘がございましたが、今まで私どもが答弁させていただきました中で触れておりませんでした点、一点だけ御説明させていただきます。  すなわち、一包または一単位とは何を基準にしておるのかという点でございますが、これはほとんど商習慣で決まっておりまして、例えばこん包物になっておりますと、例えば段ボールといったようなもの、これは一包みが一包ということになります。先生指摘のようなばら積みの石炭とか小麦とかいったようなものにつきましては、それぞれ船荷証券に一トン当たり幾らといったような形で単位が出てまいります。その単位が一単位ということになることになっております。
  140. 和田一仁

    ○和田(一)委員 時間になりました。終わります。
  141. 麻生太郎

    麻生委員長 これにて両件に対する質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十分散会