○岩田
委員 これで同和問題に対して質問を終わりますけれ
ども、あえて最後に誤解がないように申し上げておきたいのは、残存事業について予算をつければいいということを私は望んで発言をしているわけじゃないんですね。
あと数
年間、今の地対財特法みたいな
法律を名前を変えて新しく発足させて事業を延長させればそれで事足りるということを私は言っているわけじゃないんです。まさに人権が国際問題になっている時期に、もう少し政府としては積極的に前向きになっていいのではな
いかということが
一つです。
それから、恐らく
関係者の
方々も、もちろん予算をつけることは大事でありますけれ
ども、それにも増して、
日本における人権確立の
基本である
基本法をつくってほしい、そうでなければ、部落問題を中心とする
日本の差別というのは
いかがなものか。諸外国からいろいろ人権問題で批判されるようなことは、もう
国民だれだって嫌なんですよ。これは政府が一番克服しなければならぬ問題ですね。そういう
立場で
皆さん方は要求されているし、私もそういうことでこの地対協の
意見具申をいいものが出るように要請をしているということを御確認をいただきたいと思う。よろしく
お願いを申し上げたいと思います。
それから、ILO問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。
第七十八回のILOの総会が行われておりますけれ
ども、これには小里前
労働大臣が御出席になっておりまして、高い次元で演説をされております。私も一読をさせていただきましたし、好評を博したということも
出席者からも聞いておるところであります。
この七十八回の総会の報告書を読ませていただきまして、私、幾つか印象に残ることがございました。
その
一つは、やはり東西対立が終わったという歴然とした事実がこのILOの場にもあらわれていますね。これまでいわゆる東ヨーロッパの政府というのは、ILOの主張にはほとんどと言っていいほどノーであった、こういう
状況であったのですね。ILOの結社の自由条約の適用等についてはかなり激しいやりとりがあったというふうに聞いておりますが、今回は東ヨーロッパの諸国もILOの主張を全面的に受け入れるというのが
一つの特徴ではなかったかというふうに感じたわけであります。
それから二つ目の問題は、IMFの事務
局長が出席をされておりますね。しょっちゅう見えるのかどうか知りませんけれ
ども、演説をされております。この趣旨というのは、かなり多くの発展途上国がIMFの監督下で経済再建をやっているという実情があるようでありますけれ
ども、したがって、今後のこれらの発展途上国への技術援助を初めいわゆる復興
計画についてILOとIMFは共同してやろう、恐らく国連も今まで以上に共同作業が進むと思いますけれ
ども、こういうことの要請ではなかったか、こういうふうに思います。
三つ目は、アパルトヘイトの問題について、この廃止についての重要な段階を迎えておりますが、ILO総会の反アパルトヘイト
委員会は、南アフリカに対する制裁を今回の総会でも呼びかけておりますけれ
ども、
日本はこれは採択を保留していますね。アメリカもこれには賛成いたしておりませんけれ
ども、残念なことだと思います。
しかし、二、三申し上げました私の印象の特徴からしましても、ここのところの国際化の
時代というのが特徴になっていくのではな
いか、こういうふうに思っているわけであります。その中における小里前
労働大臣の演説というのは、時宜を得たものであろうという評価をされておりますが、私も全くそのとおりに思うわけであります。
大臣は、ILOの活動、責務、これらについて
日本が積極的に貢献したいというふうにおっしゃっていますが、
大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。