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1991-09-11 第121回国会 衆議院 厚生委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年九月十一日(水曜日)     午前九時三十五分開議 出席委員   委員長代理理事 野呂 昭彦君    理事 粟屋 敏信君 理事 石破  茂君    理事 加藤 卓二君 理事 丹羽 雄哉君    理事 網岡  雄君 理事 池端 清一君    理事 遠藤 和良君       今津  寛君    岩屋  毅君       片岡 武司君    坂井 隆憲君       鈴木 俊一君    住  博司君       戸井田三郎君    平田辰一郎君       三原 朝彦君    宮路 和明君       山口 俊一君    伊東 秀子君       岩田 順介君    岡崎 宏美君       沖田 正人君    川俣健二郎君       小松 定男君    辻  一彦君       外口 玉子君    土肥 隆一君       永井 孝信君    石田 祝稔君       大野由利子君    児玉 健次君       柳田  稔君    菅  直人君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 下条進一郎君  出席政府委員         厚生省生活衛生 小林 康彦君         局水道環境部長  委員外出席者         警察庁刑事局保         安部生活経済課 松原  洋君         長         環境庁水質保全         局企画課海洋汚 木下 正明君         染・廃棄物対策         室長         大蔵省主計局主 渡辺 裕泰君         計官         労働省労働基準         局安全衛生部安 大関  親君         全課長         建設省建設経済 風岡 典之君         局建設業課長         自治省行政局行 岩崎 忠夫君         政課長         自治省財政局調 香山 充弘君         整室長         厚生委員会調査 高峯 一世君         室長     ————————————— 委員の異動 九月十一日  辞任        補欠選任   岡田 克也君    今津  寛君   岡崎 宏美君    辻  一彦君 同日  辞任        補欠選任   今津  寛君    岡田 克也君   辻  一彦君    岡崎 宏美君     ————————————— 本日の会議に付した案件  廃棄物処理及び清掃に関する法律及び廃棄物  処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出、第百二十回国会閣法第六八号)      ————◇—————
  2. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 これより会議を開きます。  委員長指定により、私が委員長の職務を行います。  第百二十回国会内閣提出廃棄物処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口俊一君。
  3. 山口俊一

    山口(俊)委員 それでは、ただいま議題になりました件につきまして、質問をさせていただきたいと思います。  御案内のとおり、平成元年度のごみの量、何と五千八万トンにも達しております。聞きますと、これは東京ドームの百三十五杯分にも相当するということでありますが、対前年度比三・五%増、これまた東京ドームでいいますと五杯分ふえたというふうなことのようであります。確かに私たちの身の回りを見渡してみましても、大変多くの物に取り囲まれ、豊かで便利な生活をされておるといったことがわかるわけであります。しかしながら、逆にこの豊かな暮らしや活発な経済活動の裏側では、大量かつ多様な廃棄物が生み出されておるということも事実であります。  近年の廃棄物排出量の増大やその多様化にはまさに目をみはるものがあるわけでありますが、そのために、適正な処理をするため多くの手間や高度な技術、設備を必要とするなど、処理が極めて困難となったり処理施設が不足したり、あるいは不法投棄等のいわゆる不適正な処理が横行するなど、さまざまな問題が生じておることは御承知のとおりであります。我々の日常生活産業活動になくてはならない廃棄物処理を取り巻く問題、今まさに重大かつ喫緊の課題であるというふうなことが言えようかと思います。将来の日本環境を守るためには、今私たちがこの廃棄物問題に正面がう取り組んでいくというふうなことが必要であります。  そうしたいろいろな現状から、さきの国会では再生資源利用促進法、いわゆるリサイクルでありますが、これが成立をいたしたわけでありますが、残念ながら廃棄物処理法改正案の方は継続というふうなことになってしまったわけであります。いわばごみ処理の法案が成立をせずに、その後のリサイクルの部分が先行してしまったというふうな、若干いびつな格好に今現在なっておるわけでありまして、どうしてもこの改正案を一日も早く国会成立させなければいけないというふうに考えておる次第であります。  そこでお伺いいたしますが、今回の廃棄物処理法改正案は、このような廃棄物のいろいろな現状を踏まえて、二十一世紀云々というふうな大臣お話もございましたけれども、ある意味でそうした将来を展望した根本的な対策を講じようとしたものと思うわけでありますが、その基本的な考え方及び具体的な内容についてまずお伺いをいたします。
  4. 下条進一郎

    下条国務大臣 委員指摘のように、快適な文化的な国民生活を守るという観点から、廃棄物適正処理ということは非常に重要な問題になっていること、私たちも同じような認識を持っておるわけでございます。したがいまして、今回この廃棄物処理法律のさらに整備を図るために改正案提出させていただいたわけでありますが、御指摘の点につきまして少し御説明を申し上げます。  廃棄物処理を取り巻く深刻な状況に対処するためには、廃棄物処理法改正し、二十一世紀を目指した廃棄物対策を確立することが必要であります。廃棄物処理法改正案では、減量化再生促進適正処理確保処理施設整備の三点を柱といたしておるわけであります。具体的には、減量化再生等を含む廃棄物計画的な処理推進廃棄物適正処理に関する事業者等の協力、有害廃棄物等に対する規制強化廃棄物処理施設等に対する規制強化廃棄物処理センター指定不法投棄等に対する罰則強化等措置をそれぞれ講ずることといたしております。これらの改正によりまして、減量化再生推進適正処理確保処理施設整備がより一層促進されるものと考えております。
  5. 山口俊一

    山口(俊)委員 今基本的なことについてお伺いをいたしたわけでありますが、御存じのとおり、これまでのように出たごみを焼いたり埋めたり、そうした方法だけでは対応し切れなくなってきておるわけでありまして、そうした意味合いからお伺いをさらにいたしますけれども、廃棄物減量化再生利用推進というのが、ただいまのお話にもございましたように、廃棄物問題を解決する大きな柱であろうと考えるわけでありますが、これについてこの改正案の中ではどのように位置づけられておるのか、さらに、平成四年度の概算要求化おいてはこれに関してはどのような取り組みがされておるのか、お伺いをいたします。
  6. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物減量化再生利用推進重要性は、先生御指摘のとおりでございます。このため、廃棄物処理法改正案におきまして、法律目的排出抑制、それから再生、これを明記をいたしますとともに、市町村によります排出抑制分別収集計画の策定、廃棄物減量等推進審議会及び廃棄物減量等推進員設置、多量の廃棄物排出事業者による減量処理計画の作成、都道府県知事による優良な廃棄物再生事業者登録などの制度を設けたところでございます。  平成四年度概算要求におきましては、住民啓発分別収集等推進する事業や、リサイクルセンター等資源化再生利用のための施設整備事業に対する補助金として廃棄物処理総合対策事業費八十四億円を要求し、地方公共団体に対する財政的支援を充実することとしたいと考え、要求しておるところでございます。
  7. 山口俊一

    山口(俊)委員 特に地方のいわゆる弱い財政を助けていくことによって、この施策もよりスムーズに推進をされるのであろうと思いますので、よろしくお願いをいたしたいわけであります。  続きまして、廃棄物処理施設というのは、私たちの毎日の生活やすべての産業活動を円滑に営む上でも必要不可欠の、まさに社会基盤とでも言い得る施設であり、廃棄物現状を踏まえますと、早急かつ計画的な整備というものが必要になってくるわけであります。今回、廃棄物処理施設整備五箇年計画、第七次になろうかと思いますが、これを更新していくわけでありますが、同時に、廃棄物処理法改正案では、処理施設設置促進を柱とした施策を講じようとなさっておられるわけであります。それで、この五カ年計画の基本的な考え方内容は果たしてどのようなものになるのか、また、平成四年度の概算要求においては具体的にどういう事業を考えておられるのか、お伺いいたします。
  8. 小林康彦

    小林(康)政府委員 第七次廃棄物処理施設整備計画は、廃棄物排出量の急増、生活排水によります水質汚濁進行等の問題に適切に対処し、快適で潤いのある生活環境を創出するため、平成三年度から平成七年度までの五カ年間に廃棄物処理施設計画的な整備を積極的に推進しようとするものであります。  この第七次五カ年計画は、廃棄物処理施設整備緊急措置法改正案成立を受けまして閣議決定を行うこととなりますが、今次計画におきます投資規模は、前計画費の約一・五倍の総額二兆八千三百億円を予定しております。目標年次平成七年度におきまして、ごみの八四%を焼却資源化等によります減量処理をするとともに、生活排水適正処理推進することなどを計画目標とする考えでございます。  平成四年度の概算要求につきましては、厚生省計上廃棄物処理施設整備費として、一般会計、産業投資特別会計合わせまして八百七十一億円を要求し、また、生活関連重点化枠では百二十五億円を別途要望し、要求、要望合わせまして合計九百九十六億円、対前年度伸び率一一五・五%を要求、要望しているところでございます。  なお、他省庁計上分を含めますこの関連の予算といたしまして、一千十八億円、対前年度伸び率一一五・七%を要求、要望しているところでございます。
  9. 山口俊一

    山口(俊)委員 内容についてお伺いをいたしましたけれども、本来家庭のごみといいますか、いわゆる一般廃棄物というのは、各自治体処分をするというのが当然原則としてあるわけでありますけれども、御案内のとおり、昨今のいろいろな状況を見ておりますと、廃棄物広域移動活発化といいますか、そうすることによって地方公共団体の間の摩擦とか、あるいは不法投棄の増加というのが問題になってきておるわけであります。地域の実情によってはやむを得ない、例えば大都会大都市部でありますが、そうしたところを中心にして、やむを得ないと考えられる広域移動に対しましてどのような対策を講ずるおつもりなのか。御承知のとおり、既に香川とか福岡等々、ともかくよそからのごみ御免だというふうな条例をこしらえておる県もあるわけであります。その件についてお伺いいたします。
  10. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物につきましては、運搬効率向上あるいは運搬中の環境保全上の配慮の観点から、自区内処理が望ましいと考えておりますが、現実は、特に大都市圏におきまして、廃棄物処理施設不足等の理由から、一部の廃棄物につきまして市町村域あるいは都道府県域を超えて処理が行われている、広域的な移動が行われているという現状がございます。また、処分効率性観点から、余り規模なものでは適正な管理期待できないということがございまして、ある程度の規模がまとまる、すなわち、広域的な廃棄物集中処理が必要というような場合も考えられるところでございます。  しかしながら、廃棄物広域移動活発化地方公共団体の間で摩擦を生じましたり、不適正処理を招くものがあることから、今回の改正案におきましては、必要な広域移動計画的かつ体系的に行われるよう、市町村一般廃棄物処理計画における他市町村処理計画との調和都道府県産業廃棄物処理計画への厚生大臣助言、特別な管理を要する産業廃棄物への積み荷目録の使用の制度化廃棄物処理センターによります広域的な施設整備促進等措置を講ずることとしております。以上のような措置を講じ、廃棄物適正処理が全国的に確保できるように法の整備を図ったところでございます。
  11. 山口俊一

    山口(俊)委員 確かに、広域処理というふうなのがより効率的で、より効果的というふうな場合もあろうかと思います。そうした中で、大臣助言とか、ともかく公共団体の間の調和を図っていくのだ云々というふうなことがあるわけでありますので、この法律改正案成立が急がれるわけでもあります。ただ、一般的に言えるのじゃないかと思うわけですが、持ち込む側、いわゆる持っていく側は、処分地確保などに果たして十分な努力をしておるのかどうかというふうな疑問もあるわけであります。安易に流れやすいんじゃないかというふうなこともあるわけであります。逆にごみを持ってこられる側としては、都会ごみ捨て場になるのは御免だというふうな意識もあるわけであります。そこら辺を十分勘案しながら、慎重に対応していただきたいと考えておるような次第でございます。  続きまして、産業廃棄物不法投棄等の不適正な処理による環境影響環境に対する影響というのが強く心配をされておるわけであります。私たち生活環境を守るためには、これらの不適正処理廃棄物管理について厳格な対応が必要であろうと考えるわけでありますが、この不法投棄現状及びそうしたものに対する今後の対策というものについてお伺いいたします。
  12. 小林康彦

    小林(康)政府委員 警察庁の調べによりますと、平成元年産業廃棄物不法投棄によります検挙件数は二百四十六件でございます。不法投棄された産業廃棄物種類は、建設廃材が七十五万二千トンで全体の八六・六%を占めており、建設業関係不法投棄が多い実情にございます。不法投棄をされました場所で見ますと、関東一都六県だけで八十八件と、全体の三五・八%を占めております。  今回の廃棄物処理法改正案におきましては、特別管理廃棄物につきまして処理基準強化積み荷目録制度化等による規制強化いたしますとともに、廃棄物処理業者資格要件強化事業者等に係ります委託基準強化罰則全般的強化等により、不法投棄の防止に係る措置強化することとしたところでございます。
  13. 山口俊一

    山口(俊)委員 ともかく、こうした不適正な処理とかいわゆる不法投棄については、厳しくこれを取り締まることによって、監督をすることによって今回の改正案も十二分に生きてくるということもあるわけでありまして、今後の御努力に御期待をする次第であります。  次に、今回問題になっておりますが、いわゆる不法投棄云々国際版とも言えるバーゼル条約についてお伺いをいたしたいと思います。  廃棄物国際越境移動による開発途上国での環境影響というのが問題化をしてきております。これを取り締まるためのバーゼル条約の発効が近づいておると聞いておりますけれども、日本はいまだこれを批准をしておりません。同条約早期批准が可能となるように早急に国内法整備をするべきではないか。聞くところによりますと、現在十三カ国が批准をしておる。これが二十カ国になった段階で発効すると聞いておりますので、時間的余裕も余りないんじゃないかということで、この件についてお伺いをいたしたいと思います。
  14. 小林康彦

    小林(康)政府委員 バーゼル条約は、一九八九年、スイスのバーゼルで採択をされました有害廃棄物越境移動及びその処分管理に関する条約でございまして、国境を越えて地球規模移動することを規制しようとするものでございます。このバーゼル条約につきましては、地球環境保全に積極的に貢献をし、廃棄物適正処理を国際的に確保する観点から、廃棄物輸出入に関する関係各国の動向も見つつ、批准のための検討を進めることが適当と考えております。条約内容につきましては、現在外務省等関係省庁検討を行っているところでありまして、条約批准に当たり、国内廃棄物処理との整合をとりつつ、廃棄物輸出入管理を適正に行えるよう、国内法体制整備をしてまいるつもりでございます。
  15. 山口俊一

    山口(俊)委員 御案内のとおり、既に東南アジアの一部では、日本から送り出したものが問題になっておる、土壌汚染をしたというふうな話も出てきておるわけでありまして、早急にこの批准が求められておるのではないかと思うわけでありますので、関係省庁との調整等々、対応お願いを申し上げておく次第でございます。聞きますと、外務省では次の国会云々というふうな話もあるようでありますので、厚生省が特にリーダーシップをとって、できるだけ早急に批准に持っていっていただきますようにお願いをいたしたいと思う次第でございます。  ますます増大して多様化をするこの廃棄物焼却再生等によりこうしたものを適正に処理をしていくためには、多方面の技術や能力を十二分に活用していく必要があるわけでありますが、これからの廃棄物行政にとって、民間事業者振興というのがどうしても必要になってくるのではないかと思うわけであります。この民間事業者振興というものについて厚生省としてはどのようにお取り組みになっていくおつもりなのか、これについてもお伺いをいたします。
  16. 小林康彦

    小林(康)政府委員 御指摘のとおり、健全な廃棄物処理業再生事業の育成は必要不可欠でございまして、特に産業廃棄物に関しましてその必要性が高いというふうに考えております。改正法の中で、処理業許可につきまして更新制を導入するなど、許可要件強化するとともに、再生事業者登録制を導入するなど、処理業者の質の向上を図ることとしております。また、廃棄物処理業だけでなく、広く廃棄物関連をいたしますビジネスにつきましても、あわせて振興、指導し、両者相まった発展を推進することが重要と考えておりまして、今後このような観点からも検討を行い、必要な施策推進してまいりたいと思っております。  なお、平成四年度概算要求におきまして、産業廃棄物処理施設を総合的に推進する事業に対しますNTT・Cタイプの融資、税制上の優遇措置のために必要な措置、さらに産業廃棄物処理施設整備促進するための債務保証制度、これらを要求しているところでございます。
  17. 山口俊一

    山口(俊)委員 この廃棄物問題に正面から取り組むということの必要性というのは、先ほど来申し上げておるとおりでありますけれども、我々の生活と、それこそ日本経済にとって最も重要かつ深刻なこの廃棄物問題に、私も従来より強い関心を持っているわけでありまして、今回の法律改正を含めて、必要な施策推進につきまして積極的に勉強し、取り組んで、応援もしてまいりたいと考えておるわけであります。  ただ、ここで今回の改正につきましてお願いをしておきたいのは、御案内のとおり、かつての公害行政、覚えておいでになると思いますけれども、それと同じように、今の廃棄物行政というのは自治体が先行しておる面も一部あるのではないかと思うわけでありまして、今回の法改正が、そうした自治体独自のいろいろな対応策に決してブレーキをかけるものであってはならないと思うわけであります。  御案内のとおり、我が隣県の香川県あたりでは、いわゆるマニフェストシステムの導入とか業者への廃棄物処理事業計画書提出、あるいは地元への説明会というのを義務づけをした条例があるわけでありまして、そうしたある意味廃棄物先進県的なところもあるわけであります。そうした自治体の動きを逆に応援するような法改正であってほしい、厚生行政であってほしいと思うわけでありますので、その点お願いをいたしておく次第でございます。  最後にお伺いいたしておきますが、廃棄物処理法改正あるいは平成四年度の概算要求における取り組みといったことを中心にお伺いをしてまいりました。いろいろ御答弁をお伺いする中で、廃棄物問題の解決に向けた皆さん方のともかく一生懸命な姿勢というのがよくわかったわけでありますが、改めてその長であります大臣廃棄物問題に対する決意というものを、ずっと今まで短い時間でしたけれども質問した中、いろいろ踏まえて御決意をお伺いして、質問を終わらしていただきたいと思います。
  18. 下条進一郎

    下条国務大臣 先ほど来廃棄物につきまして、極めて重要な点についての御意見やまた御指摘を拝聴いたしました。この廃棄物問題が極めて重要な問題になっていることは御指摘のとおりでございます。こういう状態に即応いたしまして、今回の法律改正お願いいたしておりました。  その要点は、先ほどお話を申してありますように、減量化再生推進、また適正処理確保処理施設整備の三点を重点といたしまして改正をいたしたい、こういうことでございますが、要は国民全体が廃棄物に対する認識を高める、これに対して行政が必要な裏打ちをしていくということでございますので、いろいろの御議論がありましたそのような点を十分尊重しながら、これからも真剣に取り組み、そして一刻も早くこの問題の解決促進されますように努力をしてまいりたい、このように考えておる次第であります。     〔野呂委員長代理退席粟屋委員長代理     着席〕
  19. 山口俊一

    山口(俊)委員 御決意をお伺いをいたしましたけれども、仄聞するところによりますと、やはりこうした問題というのは各省庁のいろいろな綱引きもあるようでありまして、大臣の強力なリーダーシップを御期待をさしていただきたいと思うわけであります。  この廃棄物の問題というのは大変多岐にわたっておるわけでありまして、私も余り質問時間がなかったもので、大まかな概略についてのみきょうは質問をさしていただきましたけれども、いろいろな御批判があるのも恐らく大臣承知であろうかと思います。いわゆる製造者の責任の問題はどうだとか、あるいは事業者規制をもっとすべきじゃないかとか、あるいは、こみにはコストがかか るんだ、ごみを出す者が払うべきじゃないかというふうないろいろな話もありますけれども、そうしたいろいろな点に関しましては今後の課題というふうなことで私もとらえておるわけでありまして、どうか今後とも厚生省主体で、この廃棄物の問題が二十一世紀を考えながら、十二分に今から処置、処理できますように格段の努力を御期待をさしていただきまして、質問を終わらしていただきます。
  20. 粟屋敏信

  21. 川俣健二郎

    川俣委員 しばらくぶりの大改正廃掃法ですが、特に分別再生処理という歓迎すべき大変な大改正でございますが、まず大臣から目的などを含めた基本姿勢というか、そういったところをちょっとお述べいただきたいのです。
  22. 下条進一郎

    下条国務大臣 今回の廃棄物法改正は、委員指摘でございますように、また、委員がこの問題についても極めて専門でいらっしゃる立場から、御理解をしていただいていると思いますけれども、日本は限られた領土で、しかも人口稠密である、しかも高い文化の生活をしておるということから、年一年と廃棄物が非常にふえてさておりまして、これが生活を脅かしておるという現状がございます。  したがいまして、こういう問題を我々は真摯に受けとめまして、一刻も早く環境整備し、そして暮らしやすい条件を整えていかなければならないという観点から、今回の法律改正では、そのような廃棄物の出る量をいかに少なくするか、また、それの再生利用をいかに図るか、また、その種類によりましての適切な処理をどのように行うか、さらにまた、焼却場その他の施設についての整備を図る等々の問題を重点的にとらえまして改正案お願いしているわけでありまして、この改正案成立の上に我々はさらに強力な廃棄物処理施策を充実してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  23. 川俣健二郎

    川俣委員 総括的に私から各項目を一通り質問して理解を深めたいと思いますが、さらにその後は同僚議員が具体的に中身を深めたいと思います。  なお、手数料を取る自治体が非常にまちまちなんですが、参考までに今配らせておりますので、皆さんに御高覧に供します。  我々野党も、今の大臣の趣旨、目的、社会における廃棄物の激増に対して、我々ならこうしなきゃならぬのじゃないのだろうかという共同案を参議院の方へ提出しようかという準備をしておるので、それらを展望しての質問に入りたいと思います。  項目は、まず言っておきますと、製造事業者の責任、排出事業者の責任、こういうのは特に建設省に。それから有害物質の管理責任、これは警察庁にもおつき合い願いたい。それから官民一体の共同処理責任、第三セクターですね。特に自治省に。五番目は不法投棄、今も話が出ましたが、特に環境庁。それから処理施設環境管理。資料を持っていますが、労災などもばかにならない件数を見せられております。それから、生活一般廃棄物処理を何か委託するというか、民間にゆだねるという傾向が出てきたので、これは分別リサイクルと逆行する行政ではないか。それから、何が何でもやはり先立つものは国の予算ですが、大蔵省に。こういったところを与えられた時間でやりたいと思います。  それで、まず製造事業者の責任でございます。この案によりますと、製造事業者の基本的責任として、国、自治体施策に協力しなければならない、そして、市町村長は適正処理困難物の製造事業者に対して協力を求めることができる、さらに厚生大臣の方から通産大臣や建設大臣に要請もできる、こういうようになっておりますが、これでいいのでしょうかね。通産省、まだですか。建設省は来ていますね。じゃ厚生省からお答え願って、建設省はそれを承知かということを二人に。
  24. 小林康彦

    小林(康)政府委員 先生お話のございました内容、おおむねそのとおりでございます。
  25. 風岡典之

    ○風岡説明員 お答えいたします。  私どももおおむねそのとおりに承知しております。
  26. 川俣健二郎

    川俣委員 協力を求めるとか要請するとかいうことを厚生省も言うし、受ける方も承知しておると言うが、今度は一方、製造事業者市町村に協力しない、関係大臣の協力要請にもこたえてくれない、こういう場合が非常にある。現にあるのだから。しかし、市町村長や関係大臣はどうすることもできないのだというように思うのですよね。この訴え方、どう思います。厚生省、どうです。これはやはり製造業界の同意がなければ義務づけることができない、こう言っているのですけれども、ちょっとこれはあなた任せの法律じゃないですか。どうですか。
  27. 小林康彦

    小林(康)政府委員 市町村によります処理が困難となっている一般廃棄物について厚生大臣指定する際には、厚生大臣は、一般廃棄物になる前の製品等の製造等の事業所管をしております大臣の意見を聞くこととしておりまして、また、指定後には、当該大臣に対し、その処理について市町村製造者等の協力を得ることができるよう、必要な措置を講ずることを要請できることとしております。このため、製造者等が市町村の協力要請に応じない場合には、厚生大臣からの要請にこたえて、事業所管大臣によって有効かつ責任ある指導が行われるものと考えております。
  28. 川俣健二郎

    川俣委員 いや部長、棒読みでなくて、書いたものを読んでくれというのじゃないのだから。このぐらい大事なことだから、義務づける法律がなぜできなかったのだろうか、これが一つ。  それから、時間がないから言いますよ。適正処理困難物の製造事業者に対して市町村長が協力要請できるという規定であるのだが、これは限定すると、適正処理困難物以外のものは協力要請することがちょっとダウンするんじゃないのかなと思うので、なぜこれに限ってやったのだろうかなというのが一つです。  それから三つ目。製造事業者に対して、せめて回収、再生利用、できるだけ努力しようという努力義務程度は、これは書いたっていいんじゃないですかな。どうです。しなければならないじゃない、努力するという法律ぐらいは——努力義務はけしからぬというのが我々のよくする質問だけれども、努力義務ぐらいはうたったっていいんじゃないのかね。この三つだけひとつ。
  29. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず第一点でございますが、物の製造、販売、さまざまな形態がございますし、その物を買いました消費者の責任ということもございますので、特に問題となりやすいものについて限定的に明記をしたというのが第一点でございます。  第二点目の市町村の協力要請がかえって弱まるのではないか、こういう御指摘でございますが、厚生大臣指定に係る廃棄物以外の廃棄物につきましても、改正法案では、再生を含め適正な処理確保いたしますために、厚生大臣は、物の製造等を行う事業を所管する大臣に対し、その製造等に係る製品等の材質またはその処理方法を表示させること、その他必要な措置を講ずるよう求めることができるとされております。また、製造業者を含めた事業者の一般的責務といたしまして、廃棄物の減量その他その適正な処理確保等に関し国及び地方公共団体施策に協力をしなければならないことを明記をすることにしておりまして、製造業者等に対する協力要請が困難になることはない。一般的には一般的な規定で担保いたしまして、その中に特別の規定を強調をした、こういう制度を提案をしておるつもりでございます。  三点目は、製造業者等に回収、再生利用等の努力の規定はどうか、こういう点でございます。現行法の第三条第二項におきましても、事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物再生利用等を行うことによりその減量に努める旨、規定をしておりまして、これは先生ただいま御指摘の製造事業者によります回収、再生利用の協力義務とほぼ同じ趣旨というふうに理解をしております。  なお、改正法案では、廃棄物適正処理観点から、厚生大臣事業所管大臣に対しまして製品 の材質の表示を行わせるほか、必要な措置を講ずるよう求めることができることとしておりまして、また別途、再生資源の利用の促進に関する法律が既に成立しておりますが、この再生利用促進法との調整を図り、二つの法律相まって、製造事業者の責任強化によります廃棄物再生利用促進を図ることとしたところでございます。
  30. 川俣健二郎

    川俣委員 それでは、通産省まだ来てない、政府委員は。朝遅いとか朝寝坊したとか。こんな大事な法案を、通産省が廃棄物処理の法案の行方ぐらいは注意しておくべきだよ。今もそう言ったでしょう。リサイクル法と関係があるんだと部長言っているじゃないですか。  では、私はそこに通産省の大物がだれかいたら、こういう質問をしようと思った。リサイクル法には努力義務がある。だからここまでは通産大臣。これから厚生大臣。この接点を一緒に論議しようと思ったら、リサイクル法が先に上がっちゃったのよ。先に打っちゃった。そして十月一日になった。厚生大臣がおくれているのよ。最初に通産大臣、これから厚生大臣ですよ。通産大臣の方の回収は努力義務をうたっているのに、こっちの方にそれをうたったっていいんじゃないのかな、同じ趣旨だというのだったら。どうですか、小林さん。
  31. 小林康彦

    小林(康)政府委員 資源の再生利用あるいは廃棄物からの再生につきまして、再生資源利用促進法廃棄物処理法とそれぞれ役割を持たせながら、相努力しながらリサイクル促進を図ろうという趣旨でございます。企業活動の内部での努力及び企業活動において資源として再生されましたものを積極的に活用するという点につきましては、再生資源利用促進法の立場から、それから家庭あるいは市町村の活動の中、廃棄物処理の活動の中から資源の再生リサイクルを積極的に進めようというのは廃棄物処理法の立場からということで、二つの法律を組みながら廃棄物リサイクル、資源の再生利用促進しようとしたところでございます。したがって、二つの法律をごらんいただきながら御検討いただければと考えております。
  32. 川俣健二郎

    川俣委員 これは共管とか、同時に一つの法律に入っているならあえて言わないんだけれども、大分かみ合ってはきたが、こっちの方と両方見てもらえばちょうどいいんだと言う。法律は全然別なんですから、官庁は別なんですから。ですから、私はこの問題はすとんとこない、納得しない。したがって、関係同僚議員がこれをさらに深めると思うから。  それから、今度は排出事業者の責任の方に移ります。  産廃ですが、これは政府統計で、ごみの総排出量の実に八七%が産業廃棄物である。不法投棄事件、この主役というか、環境汚染の不安という点でも主役。ところが、政府案によれば、産業廃棄物排出事業者に対し、爆発性、毒性、感染性など特別管理産業廃棄物に限って例の積み荷目録、マニフェストですか、この制度を導入しよう。これはいいんですよ。ところが、不法投棄の九割を占める建設廃材一般には法律上何ら適用されていない。この辺は建設省ともやりとりしたいのですが。また、処理業者による不法投棄事件が発生した場合でも、これに委託した排出事業者は——排出事業者は委託するんだから、委託基準を守っている限りは何ら責任が及ばないというのが現状であるが、しかし、政府はこれを改めようとしていないんじゃないの、この法律を見ると。  さらに、急増しておる事業一般廃棄物、これは有料の原則を明確にすべきだ。今ちょっと料金の一覧表を回したので、時間がないから説明する暇がないのですが、明確にすべきだが、市町村条例によって手数料を徴収できるとする現行法のままだ。さらに、土台の防腐剤、アスベストなんか、何らこういうものにマニフェストが及ばない。そこで、排出事業者の責任という観点から政府案を見ると、以上のように読めるが、私の理解で間違いないんだろうかね。  そこで二番目に、建設廃材法律上のマニフェスト制度を適用できないようにしたのは、どのような事情と経過によるんだろうか。できるだけ詳しく、なるほどな、それなら仕方がないなど私も納得したいのだけれども、どうもこれは建設省、業界の気持ちばかり聞いていたんじゃ。そこで、建設業界の意向について建設省から事実関係を報告してほしいと思うね。建設廃材にマニフェストを適用する件について、建設業界はどのような反応を示しておるんだろうか。こういったところをまず三つ聞きたいですね。まず厚生省。以上のように読み取れるんだが、建設、大体そのとおりでいいのか。厚生省に聞いて、それから建設省。
  33. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず、マニフェストを特別管理産業廃棄物に限った背景でございますが、マニフェストにつきまして、諸外国におきましてもその適用が有害廃棄物処理に限られていることから、人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある特別管理廃棄物についてのみマニフェストの使用を義務づけることといたしまして、その他の産業廃棄物につきましては、従前から行っております行政指導により、引き続きマニフェストの普及定着に努めることとしております。  不法投棄につきまして、排出事業者が不当に安い料金で処理を委託した、こういう場合は、その理由のみで排出事業者責任を遡求することはできかねると考えますが、排出事業者が優越的地位を利用したと認められます場合には独占禁止法上の不公正な取引等に該当し、排除措置等の所要の措置を講ずることができる場合があるものと考えております。また、委託基準強化いたしまして、違反をいたしました排出事業者について、その責任を遡求できるようにしたいと考えているところでございます。  事業系の一般廃棄物につきましては、処理コストについての意識、事業者責任の考え方排出抑制経済面からの推進等の観点からも、排出者が応分の費用を負担することが適当であると考えておりまして、その手数料の額につきまして、改正法では、市町村ごとに処理の形態や必要な費用が異なりますので、それらの実情に応じまして、その廃棄物の特性、収集、運搬または処分に要する費用等を勘案して、市町村条例で定めることとしておるところでございます。  建設廃材につきましては、今回マニフェスト制度をどうするかの議論を私どもしたところでございますが、今回の改正案では、マニフェストにつきましては、廃棄物処理に要する事務的負担が過大なものとならず、合理的な範囲にとどまる必要があると考えられること、それから諸外国の例等も見まして、特別管理産業廃棄物についてのみマニフェストを義務づけることとしたものでございます。その他につきましては、従前からの行政指導で普及定着に努め、今後マニフェストの適用範囲につきまして、その普及定着の状況を踏まえまして、さらに検討を進めることとしたところでございます。
  34. 風岡典之

    ○風岡説明員 お答えいたします。  建設廃棄物対策につきましては、建設業界としても極めて重要な問題であるというふうに認識をしておりまして、業界におきましては、日建連、全建等建設関係の八団体で廃棄物対策の連絡会議というのを設けまして、いろいろ検討しております。  そういった中で、建設廃棄物を対象といたしますマニフェストにつきましても、行政指導によりまして昨年の六月から実施をしているところでございます。しかしながら、その状況につきまして私どもが業界と意見交換をしたところでは、業界からは、建設廃棄物は収集、運搬過程で他の事業者のものと混合するなどの特性を持つ、そういうことから、現状では法律においてマニフェストを義務づけるというのは時期尚早であるというような意見が出されております。
  35. 川俣健二郎

    川俣委員 割合に消極的だね、業界は。それじゃ、これは業界を呼ぶ必要がある。  警察庁にお調べ願っていると思うが、産業廃棄物不法投棄や無許可業者による投棄事件が多発 しておることはお認めだと思う。ここ五、六年の産業廃棄物の事件の概要を、もしありましたら、あらましで結構ですから、ちょっとお答え願えませんか。
  36. 松原洋

    ○松原説明員 お答えいたします。  廃棄物不法投棄等につきましては、主として廃棄物処理及び清掃に関する法律を適用して取り締まりを行っているところでございますが、過去五年間で、これは一般廃棄物産業廃棄物を含めた検挙状況でございますけれども、昭和六十一年が三千八百五十三件、六十二年が三千九百八十件、六十三年が三千百六十八件、平成元年が二千六件、平成二年が千八百七十二件となってございます。  このうち産業廃棄物不法投棄事犯の検挙状況を申し上げますと、平成二年中は八百八十七件となっておりまして、その違反態様別を申し上げますと、無許可処理業が百五十件、委託基準違反が四百六十七件、不法投棄が二百六十三件、その他七件などとなっております。同じく平成二年中に検挙した事件を通じて把握をいたしました産業廃棄物の不法処分量でございますけれども、総量で約百九十万トン、内容的には、建設廃材が八三・〇%、最も多いわけでございまして、次いで鉱滓が五・四%、建設木くずが五・一%などとなっております。  以上でございます。
  37. 川俣健二郎

    川俣委員 このように、今皆さんお聞きのとおりでございますので、どうやら主犯はとの辺にあるな。その主犯の連絡協議会なるものが業界としては時期尚早だというようなことを言われるのでは、ちょっとこれは委員長お願いなんだけれども、理事会に相談してみてくれませんか。建設業界を呼んで、同僚議員がこの問題を深めるときに、何とか参考人として——証人じゃありません、参考人でございます。
  38. 粟屋敏信

    粟屋委員長代理 理事会で協議をさせていただきます。
  39. 川俣健二郎

    川俣委員 私の感じでは、マニフェスト制度特別管理廃棄物に絞ったことは全く理解できないだろう、これだけ多いんだもの。だから、建設業界が景気がいいというわけじゃないが、宅急便でもやっている積み荷伝票の記入なんだから、手渡しぐらいできないはずはないんだ、やる気があるんなら。そうでしょう。これは大臣だってうなずけると思うよ。だからぜひお願いします。  それから次は、自治省、環境庁に。有害物質の管理責任、私たちはこれを非常に重く見て、我々の考え方を野党案に載せています。いわゆる環境汚染の原因となる特定の有害物質については、一般廃棄物産業廃棄物の別なく、最終処分場に持ち込ませず、製造事業者または排出事業者による管理保管制度が必要だ、私はそう思うよ。これは全くないんだよ。だから、我々はこう思うんだけれども、小林さんはどう思うか。  それから二つ目は、有害廃棄物の遮断型の最終処分場は、地震、洪水などに非常に強い、こう言うのだが、なぜ廃棄物処理場をつくると騒ぐか、村の住民、地域の住民が。それは現在起こっているからなんです。しみ込んでくる、しみ出てくるというのかな。だから、そういったものを小林さんはどう思いますか。
  40. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず、有害廃棄物の保管の点でございますが、生活環境保全の観点からは、有害廃棄物につきましては無害化等の中間処理を確実に行うことが第一に望ましいと考えておりまして、単に保管のみを行うというのは適切ではないと判断をしております。このため、今回の改正法案におきましては、特別管理廃棄物といたしましてその適用の範囲を広げるとともに、処理基準強化をいたしますし、それから、特別管理産業廃棄物管理責任者を置くことにいたしました。また、先ほど来御議論のございますマニフェストの使用を義務づける、さらに特別管理産業廃棄物処理する処理業者について新たに特別の許可を要する、こうした制度強化を図ったところでございます。  遮断型の処分場につきましての周辺環境に対する問題でございますが、最終処分場につきましては施設の構造基準が定められておりまして、有害廃棄物処分場については、生活環境保全上支障を生じさせることがないよう、科学的データ等に基づいて特に厳しい基準が設けられているところでございます。また、最終処分場の維持管理につきましても、定期的な点検の実施等、厳格な管理基準が定められているところでございます。改正法では、これら従来の規制基準に加えまして、施設設置を届け出制から許可制にするとともに、災害防止計画の策定を義務づけるなど、最終処分場の安全確保強化を図ったところでございまして、こうした措置によりまして、最終処分場の安全性は確保できると考えております。
  41. 川俣健二郎

    川俣委員 まあ届け出制から許可制にしたのは非常に進展したと思うけれどもね。  それじゃ、定期点検というのは何年ごとなんですか。
  42. 小林康彦

    小林(康)政府委員 精密検査といいましょうか、精密な点検は三年でございます。浸出液等につきましては、年あるいは月というような単位での規定を置いております。
  43. 川俣健二郎

    川俣委員 そして、それの点検者ですが、これはどんどんふえできますよ。点検者はどなたですか。
  44. 小林康彦

    小林(康)政府委員 遮断型につきましてはそれほど多くの容量が要るとは考えておりませんが、検査につきましては、設置者の自主的な検査を義務づけ、必要がありますとそれを都道府県が報告を徴する、こういう制度にしてございます。
  45. 川俣健二郎

    川俣委員 自分を自分が検査することはできないのですよ。市町村の職員はどういうことなんですか。
  46. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お答えいたします。  点検の項目、点検の方法あるいはその点検を行える者の能力等を定め、それについて指導いたしますれば、自主検査におきましても十分なデータ確認が得られるというふうに考えております。
  47. 川俣健二郎

    川俣委員 納得できない。これは問題点の大きな三だ。  それから、時間がないから進みますが、今回の法案の特徴は、官民一体になって共同処理をやろうという、こういう制度をつくろうということは非常にいいと思います。第三セクターとして都道府県に法人の廃棄物処理センターがそれであると思いますね。  ただ、自治体が、さっきあなたが言うように、監督するその立場もあって、私たち自治体の出資率は少なくとも最低、よく持ち株と言うのですが、やはり五一%以上なきゃ発言権というのはないものなんだよ。ところが、これは一覧表をざっと見ると、まあほとんど自治体の方、公共の方が多いですよ。秋田県が八一%、宮城県九六、ずっとあります。埼玉、栃木などは約五〇。栃木県が五〇というのは、どういうわけで一%足せなかったかなと思うのだけれども、神奈川県なんかわずか四%、九六%が民間。岡山県も一一%が公共体、自治体、八九%が民間、こうなっておるので、私たちはやはり五一%以上と定めた方がいいのではないかいな、こう思うのです。この我々の考え方はどう思いますかが一つ。  それから、地方公共団体が出資する廃棄物処理公社などいわゆる第三セクターですね、とりわけ地方公共団体が基本財産の過半、すなわち五一%の出資者となっているものがどれだけあるかとよく聞かれるのですが、それは先ほど申し上げたとおりでございます。  そこで、自治省にお伺いします。  いわゆる第三セクターに関する情報、資料、例えば予算、決算、こういった状況について出資者たる自治体が報告させることのできる場合は、自治法上どのようなケースになっているんだろうかね。これはこれだけではなくていろいろあると思いますが、第三セクターの場合、そこを教えてくれませんか。
  48. 岩崎忠夫

    ○岩崎説明員 地方公共団体が出資しております法人に対します地方団体の関与といたしましては、地方自治法で二分の一以上を出資している法 人に対する地方団体の長の調査権があるわけであります。この場合、二分の一以上出資している法人に対しましては、出資法人の収入及び支出の実績もしくは見込みにつきまして報告を徴することができるとされているところでございます。二分の一以上出資法人に対する長の調査権が地方自治法で定められているわけでございます。
  49. 川俣健二郎

    川俣委員 部長、この法律、知っていましたか。やはり五一%なければできないのですよ。そこで、知っておったかどうかを正直に大臣の前で答えてくれ。やはり五一%以上自治体が出資したものでなければ公的関与が十分できないんだ。したがって、自治体議員はこの法律をよく知っているものだから、各自治体の議員は超党派でこの五一%以上というのを言っているのよ。これ、わかりますか。わかったら法律にするべきだね。どうなんです、その辺のくだりは。わからないんならもっとやるよ。
  50. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物処理センターの基本財産につきましての地方公共団体の拠出金の割合は、都道府県ごとに一般廃棄物産業廃棄物の取扱量の割合と事業内容が異なりますこと、また、当該地域における処理の実態及び基本財産の範囲等を踏まえて定められるものでございまして、さらに都道府県等の自主性の尊重という観点から、全国的な一律の割合を定めるのは適当でないと判断をしております。しかしながら、センターの指定に当たりましては、地方公共団体の関与の度合いをしんしゃくして行うとともに、その運営が先生御指摘の点も含めまして適正に行われるよう、十分指導してまいりたいというふうに考えております。
  51. 川俣健二郎

    川俣委員 わかっていながら反論するようですが、私は別に一律にやれと言っているんじゃないんだ。ここに六〇%、九六%、五一%ぎりぎりという自治体の一覧表があるが、私が言うのは、自治省が答えてくれたように五一%なければできないのよ。自主性に任せるなんというのは何の話だ、それは。せっかく法律をつくっておいて、もう一歩というときに何でこれを入れないか。意味わかりますか。大臣、この意味わかりますか。検討する課題なの、これ。今修正しろと言ってない、おれ理事じゃないんだから。どうなんですか。
  52. 下条進一郎

    下条国務大臣 ただいまの御指摘、部長からもお答え申し上げましたが、この廃棄物処理センターは、市町村において適正な処理が困難な一般廃棄物特別管理廃棄物処理するほか、産業廃棄物を広域的に処理するものでありまして、その運営が円滑かつ適正に行われるためには公共的性格が必要であるということで、関係者に開かれたものであることが不可欠であるわけでございます。  センターに対します今御指摘地方公共団体の出資比率につきましては、センターの業務内容等が各地域によりまして、また、民間の参加の状況等によりまして必ずしも一律ではございませんので、そういう意味で具体的比率をこの場合に特定するということは困難ではなかろうか、こういうことでございまして、以上のような考え方から、センターの指定に当たりましては、地方公共団体の関与の度合いをしんしゃくいたしまして、その運営が適正に行われるように指導を徹底してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
  53. 川俣健二郎

    川俣委員 それは大臣、役人が書いたのを読むからそういうことになる。政治家同士で。自治体の議員は超党派で五一%以上にしてくれと言っているんだよ、自治体が。各自治体がそう言っているんだよ。その意味はわかりましょう。一律にやれと言っているんじゃないんだ、これは。せっかく自治体がこれから管理しなければならない、点検しなければならないというような、予算、決算持ってこいという場合なら五一%覚悟しておかなければだめだと言っているんだよ、地方自治体の議員方が超党派で。この意味わかりますか。どうです、もう一遍。そんな役人の書いたものを読んだって……。
  54. 下条進一郎

    下条国務大臣 そういう御意見もあることも承知いたしておりますが、先ほど申し上げましたように、各市町村状況によりまして、また地域の状況あるいは扱う品物の状況等が必ずしも画一的ではございませんので、今直ちにそのような指定をこの法律の中に入れるということは困難であろうと考えておりまして、その状況に応じた形で指導をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
  55. 川俣健二郎

    川俣委員 そうなると、私はきのうの提案趣旨をおやっと思ったのが何カ所もあるので、これに触れざるを得ないな。前向きに検討するぐらい言ってくれるのなら、おれは言わないけれども。てにをはは五、六カ所、速記を起こしてみたら違うのですけれども、非常に沈着て温厚篤実な大臣にしては、これはこの法案に自信がないせいだなと思ったんだ、血が通っていないとか。  例えばちょっと読んでみますか。趣旨に「廃棄物計画処理推進することとしております。廃棄物の減量等の観点から、市町村一般廃棄物処理計画及び都道府県産業廃棄物」の「産業」は読まなかったけれども、これはいいけれども、「廃棄物処理計画内容を充実するとともに、市町村長または都道府県知事は、多量に廃棄物排出する事業者に対し、廃棄物処理に関する計画の策定を指示することとしております。」これはすごいなと思って、わっと思って聞いたら、見たら原文は「指示できることとしております。」随分遣うんだね、これは。「指示することとしております。」「指示できることとしております。」どっちが本当なのか。速記は「指示することとしております。」でいきますよ、これは。「指示できることとしております。」が原文。だけれども、速記は「指示することとしております。」になっていますよ、速記は。どうなんです。
  56. 小林康彦

    小林(康)政府委員 提案をさせていただいております法律では「できる」という表現にしてございます。
  57. 川俣健二郎

    川俣委員 では、どうすればいいんだ。速記は残るよ。知らないよ。助け舟を出すわけじゃないが、これは予算委員会ならとまるよ。答えようがないだろう。だから、この処理は何とかしないといかぬよ。おれはわかったって速記は直らないんだよ。ちゃんと理事会を通してやらないと直らないよ。ついでに五カ所のミスも直したらどうですか。どうです。
  58. 小林康彦

    小林(康)政府委員 速記の修正についてお願いをしたいと思います。
  59. 川俣健二郎

    川俣委員 それは理事会でやらなければだめだ。理事会でやるかどうか、ちょっと。
  60. 粟屋敏信

    粟屋委員長代理 今の件は、後刻厚生省から理事会の方に、申し出が必要ならばしていただきたいと思います。
  61. 川俣健二郎

    川俣委員 直したくないのなら直さぬでいいからね。残るのだから、「すること」で。  それから次に、例の不法投棄ですが、この責任。産業廃棄物不法投棄、または不適切な放置によって環境汚染のおそれある地域が非常に多くなっている。その原状回復について、知事が原因をつくった者に命令できるようはっきりした規定を設ける必要があると思う。どうです。我々はそう思うんだよ。我々の案はそう書いてあるんだ。あなたはどう思いますか、小林さん。  また、その原因者にかわって知事が代執行した場合、その費用を原因者ばかりでなく原因者に委託した排出事業者にもつけかえる、ツケを回すことができるようにするとともに、その費用を回収できないとき、会社不存在とかあるいは支払いする能力がない、零細だとかというような場合には、国が補助できるようにするところであるのだが、このようなことが全くないと思うんだ。それが一つ。社会党の案をどう思うか、それから何でこれを書かないか。  そこで、具体的に言いますと、私たちは昨年福島県のいわき市に、それからことしは香川県豊島に、余り住民が要求するものだから現地調査をした。派遣させた。これらの現地は投棄または放置された産業廃棄物による環境汚染のおそれがあると思うが、どうか。これに関しては環境庁、現地 調査をしたのかどうか。これは環境庁に聞いた方がいいかもしらぬな。それが一つ。そこで、この二つの事件が周辺環境に及ぼす影響について、地元の香川、そして福島が調査したというのだが、その全貌は、きょうは時間がないから後で同僚議員に資料を出して説明してもらいたいと思うが、それはできるか。今出さぬでいいよ、時間ないから。  私は鉱山会社にいましたから、鉱業法は無過失賠償責任といって、何と昭和十二、三年にできたもの、冠たるもの、この責任の所在については。だから住友鉱山でしたか、土呂久のあれをかつてあのように、ある村の山師から買って全然手をつけないんだけれども、鉱業権は今住友にあるものだから、住友がやらせられたでしょう。こういうことがあるので、私はその辺も含めて三点を質問します。
  62. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず、原因者に対する改善命令等でございますが、今回の改正法案におきまして、産業廃棄物の基準に適合しない処分によりまして生活環境の保全上支障が生じ、または生ずるおそれがあると認められますときは、都道府県知事が原因者及び委託基準に違反した排出事業者に対して、当該支障の除去等を命ずることができることとしております。  次に、その代執行を知事がいたしました場合でございますが、その費用につきまして、委託基準に違反をしました排出事業者からは、代執行に要しました費用を国税滞納処分の例により徴収することができると考えております。その費用につきまして国が補助するという点につきましては、原因者の責任を不明確にし、不法投棄を、不法行為をかえって助長するおそれがあることから、不適当というふうに考えております。
  63. 川俣健二郎

    川俣委員 環境庁に聞く前に、あなた棒読みするからおれの質問わからないんだよ。何も全部国家補償やれと言っているんじゃないんだよ。それを探し求めてやらせろ、そしてどうしてもこの世には存在しない、あるいは見つけたんだけれども能力がないといった場合には国が補助してやれるような、非常に細かく我々は分析したのよ。それぐらいは答えられるでしょう。どうです。何もかも国が補助せいと言ってないよ。
  64. 小林康彦

    小林(康)政府委員 そのような場合の費用につきましては、いろいろな方策が考えられるかと思いますけれども、現時点で補助に限って法律上明定するのは妥当でないという判断をしたところでございます。
  65. 川俣健二郎

    川俣委員 やはり血が通ってない。あなた方、この法律に血が通ってないよ。これ大分、一カ月や二カ月審議する必要がある。問題点だ、これ。  そこで、環境庁はどうですか。
  66. 木下正明

    ○木下説明員 お答えいたします。  環境庁といたしましては、これら不法投棄事件については、基本的には、投棄者の処理責任を踏まえ、地元の関係知事等関係者によって適切な対応がなされることが必要であると考えております。そういうことでございますので、環境庁として特に調査は両事件についてやっておりません。しかしながら、地元からの情報収集に努めておるところでございます。その情報によりますと、香川県豊島地区におきましては、県の方で周辺の公共用水域につきまして調査を行いましたが、その結果、汚染は認められていないということのようでございました。  なお、香川県におきましては、当面の緊急措置といたしまして、産業廃棄物事業所外への飛散、流出を防止するための措置事業者に対しまして指導しております。それから、福島県のいわき市につきましては、一部の公共用水域にトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが水質目標値を超えて検出されているという報告を受けております。  以上でございます。
  67. 川俣健二郎

    川俣委員 調査する気ないかね。県からの報告が何も障害がないという報告だったけれども、やはり調査する努力の必要があるんじゃないかな。したがって、これはもう時間がないから、同僚議員が質問するときに、機会を見てこの二つの問題のあらましを、福島と香川を詳細に書いて出してください。いいですね。委員長でもいいですよ。
  68. 木下正明

    ○木下説明員 先生御指摘の点につきましては、厚生省とも十分相談しながら対応したい、このように考えます。
  69. 川俣健二郎

    川俣委員 それから、処理施設環境管理しなければならない問題は、知事の許可制と政府案はなっておりますので、多とします。最終処分場については、災害防止計画の策定を許可要件にしておる、これもいいと思います。ただ、廃棄物処理施設環境管理を徹底するためには、施設設置者による環境アセスメント、これの実施義務、最終処分場の閉鎖時における知事の災害防止措置命令、そして国立、国定公園及び自然環境保全地域等における産業廃棄物処理施設設置制限などが必要であると思う。私たちはここまで細かく盛うたのですよ。そこはどう思いますか。  そこで、環境庁は廃棄物処理施設が周辺の環境にどのような影響を与えるのか、調査したことがあるのだろうか。もしないのなら、調査する方向で検討する必要があるのじゃないんだろうか。どうだろうかね。これをやらないと、これからにょきにょきつくらなければならないこの施設が、地域住民に反対されて大変ですよ。その辺も心配して質問しているんだ。どうです。環境庁でもいいよ。
  70. 木下正明

    ○木下説明員 廃棄物処理施設等環境アセスメントのことかと思いますので、その点お答えいたします。  廃棄物処理施設のうち、特に規模が大きく、環境に著しい影響を及ぼすおそれのあるものにつきましては、五十九年の閣議決定によりましてアセスメントを行うように義務づけられております。具体的には、最終処分場で埋立面積が三十ヘクタール以上のものがこの閣議決定によるアセスメントの対象になっております。
  71. 川俣健二郎

    川俣委員 ぜひ調査してください。  それから次に、生活一般廃棄物処理、これは非常に安易になっている。安易になっているというのは、委託というか請負に出すというか。なぜ私はこういうことを質問するかというと、今回の改正の眼目というか目的は何でしたかね。さっき大臣に言ってもらったけれども、小林さん、何でしたか。
  72. 小林康彦

    小林(康)政府委員 再生資源化促進という観点適正処理という観点処理施設整備確保という観点、この三点でございます。
  73. 川俣健二郎

    川俣委員 趣旨じゃなく、ちょっと目的を読んでごらん。
  74. 小林康彦

    小林(康)政府委員 目的、第一条「この法律は、廃棄物排出抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬再生処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。」  以上でございます。
  75. 川俣健二郎

    川俣委員 要綱はありますか、要綱の目的を読んでみて、二ページ。
  76. 小林康彦

    小林(康)政府委員 要綱におきまして「法律目的に関する事項 廃棄物排出抑制すること、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬再生処分等の処理をすることを、この法律目的規定に明記すること。」  以上でございます。
  77. 川俣健二郎

    川俣委員 いや、目的の要綱を我々はもらったでしょう、あなた方から。全然違うところを読んでいる。我々委員がこの法律について貴重な資料をもらったでしょう。
  78. 小林康彦

    小林(康)政府委員 「改正の趣旨」のところでよろしゅうございましょうか。
  79. 川俣健二郎

    川俣委員 いやいや、「第二、目的 一、目的
  80. 小林康彦

    小林(康)政府委員 一、目的、ただいまお読みいたしました「法律目的に関する事項……
  81. 川俣健二郎

    川俣委員 いやいや、貸そうか、おれがもらったやつを。これを貸そう。
  82. 小林康彦

    小林(康)政府委員 失礼いたしました。  一、目的 この法律は、廃棄物の減量及び処  理に関する事業者地方公共団体等の責務を明  らかにし、並びに廃棄物の適正な分別、保管、  収集、運搬、再資源化及び処分、有害物質の貯  蔵等の処理を行わせ、有害物質を使用する製品  にかかわる廃棄物を回収させる等により、生活  環境の保全及び公衆衛生の向上を図るととも  に、資源循環型社会の形成に資することを目的  とする。」  以上でございます。これは政府提案の要綱ではないと思いますが……。
  83. 川俣健二郎

    川俣委員 その要綱をどう思いますか。もう一遍具体的に言うと、資源の循環型社会、これは非常に大事だと思う。最終版なんだ。いいですか。資源の循環型社会の形成、これがあなた方がつくった法案にずっと流れているんだよ。資源の循環型、これから何ぼでも出るんだから。ごみはふえこそすれ減ることはないんだ。したがって、なるべくこの資源を循環させてやるような社会をみんなでつくろう、こういうのが非常ににじみ出ているのよ。そうでしょう。どうです。
  84. 小林康彦

    小林(康)政府委員 資源の循環型の社会を目指しつつ廃棄物の適正な処理を図る、これが基本というふうに考えております。
  85. 川俣健二郎

    川俣委員 だとすれば、ごみをなるべく減らして資源循環型の社会を形成しようという、これはあなた方がつくったものも我々も同じなんだから、その収集、運搬に従事する職員ですね。これはやはり分別再生利用というのがこの法律改正の、大改正の眼目でしょう。そうなると、一般市民に対して日常ふだんの市民のコーチ役というか、市町村清掃に当たる人方はコーチ役になるんだと思うよ。私はそう思いますよ。ところが政府案だと、そう言っていながら、生活一般廃棄物処理はやはり直営でやらない。バケツを青と赤を二つ各家に回した程度では、これからいろいろなものが出てくるんだ、つくる方も。これに薬が入っているとか爆発性とか引火性とか、いろいろこれから家庭にも出てくる。それを一般の民間にゆだねたのではできないのです、その指導は。やはりここに役場と書いたものでなければだめなのよ。コーチにならないの。そう思うのだ。  そこで、住民が排出する生活廃棄物処理というのは、地方自治法上市町村固有の責務とされている。したがって、厚生省はこれを直営にすべきであって、むしろ委託の方向があなたの目に映るかね。そういうようなことは行政指導でやるといったって、じゃ皆さん方は、自治省ですかな、過去五年間のごみの量のふえ方と担当の職員の減り方と、ちょっと言ってごらんなさい、資料はあるから。
  86. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず、ごみの量でございますが、昭和五十八年度から六十三年度にかけまして、ごみの量は一二・九%ふえております。それに対して、私どもの調査によりますと、市町村廃棄物関係の職員数は五・七%減、うち、ごみ関係につきましては三・六%減、こんな状況でございます。
  87. 川俣健二郎

    川俣委員 自治省どうですか、この数字でいいですか。
  88. 香山充弘

    ○香山説明員 現在私の方で把握いたしておる数字で申し上げますと、市町村職員数、ごみ関係、五十八年が七万八千人強、六十三年が七万五千人強ということになっております。
  89. 川俣健二郎

    川俣委員 このように、ごみはもう限りなくふえていく。だけど、あなた方は承知したようなことを、廃棄物減量等推進員というようなボランティアでなんか、そんなのはできるわけないのですよ。今回の眼目は分別でしょう。分別は燃えるものと燃えないだけではない。これからいろいろなのが入ってくる、複雑になってきていますから。自治省は何か職員数に対する通達でも出したのか。どうです、自治省。
  90. 香山充弘

    ○香山説明員 お答えいたします。  職員数に関しましては、特段の通達のようなものは出していないというふうに現在私考えております。
  91. 川俣健二郎

    川俣委員 それでは自然と減ったのだろうか。
  92. 香山充弘

    ○香山説明員 現時点で減少した理由を正確に申し上げることは私自身の能力としてはできませんけれども、結果としてこのような数字になっておるということは事実でございます。
  93. 川俣健二郎

    川俣委員 もうこれでは審議ではない、大臣。自治省が非常にウエートのある法案でしょう。だめだよ。それでは能力のある人はいるか。能力のある人出してくれるか。これは結論は保留にしておくよ。ごみはどんどんふえていく、職員数はどんどん減っていく。委託業者がふえていく、ほっておくのではないのだから。そういうことではせっかくの分別再生利用という大臣の大眼目の目的を果たせないのだと思うのですよ。小林さん、どう思います。私はそう思うのだけれども、おれだけだろうか。
  94. 小林康彦

    小林(康)政府委員 一般廃棄物処理につきましては、先生お話ございましたように市町村の固有事務ということにされておりまして、地域の実、情に応じた体制の整備が行われることとなるのがその制度であろうと思っております。  今回の改正法案で、減量化再生利用対策推進を含めまして適正処理を一層進めることにしておりますけれども、一般廃棄物に対します市町村の責任を踏まえまして、その処理体制の確立を指導してまいりたいというふうに思っております。
  95. 川俣健二郎

    川俣委員 どういう指導をしますか。
  96. 小林康彦

    小林(康)政府委員 分別あるいは再生目的を明らかにしつつ、その地域の実情に応じ、どういう形態が最も適しているか、最もその地域として適切な形態であるか、市町村の責任という点も踏まえまして十分市町村として検討し、適切な体制を組むようにということで考えております。
  97. 川俣健二郎

    川俣委員 さっきの自治省、能力がないと言ったかな。能力ある、責任のある人を出してもらって、今の問題は質問を保留にしますから。  そこで、せっかく労働省に来てもらっておりますが、労働災害が非常に発生する。我々も新橋の裏に見に行ったら、回してはねてきた。それは水だからよかったけれども、ガラスはどうなるんだろう。と言ったら、しょっちゅうあるというのです。その件数はどうですか。労働省、つかんでいますか。
  98. 大関親

    ○大関説明員 清掃業における労働災害でございますが、労災保険給付データによれば、平成二年における休業四日以上の死傷者数は一千七十九名となっております。なお、全産業で労働災害が減少する傾向にございますが、清掃業では増加の傾向にございます。
  99. 川俣健二郎

    川俣委員 大臣、お聞きになりましたか。全産業では減る方向、清掃業ではふえる方向。労働省の数字はやはり正直だ。こういうことを考えると、この法律管理運営するのは厚生省だというのでしょう。それともこの廃掃法環境庁ですか。どっちなんですか。
  100. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物処理法厚生省が所管をしておりまして、処分基準の作成の部分につきまして環境庁と相持っておるところでございます。
  101. 川俣健二郎

    川俣委員 どうもきのうの政治改革にはその点は出ないけれども、本当に血が通った廃棄物処理をしないと、どこかの官庁に持っていかれるよ。私はそう思う。何となくあなた任せのような、ずっとストーリーがそうだもの。  それから、時間がなくなりましたから、最後に申し上げて終わりますが、国庫補助です。我々も回って歩くと、同僚議員もそう思うのだろうけれども、施設をつくらないと大変だけれども予算がないと言われて大変だ。しかも、許可は受けたけれども、取りかえ時期であり、新たなものをつくるのが余りにも増大して予算が間に合わない、こういうことです。大蔵省、聞いておいてくれよ。じゃ廃棄物処理施設平成四年は厚生省、どのくらい要求したのですか。
  102. 下条進一郎

    下条国務大臣 先ほど来いろいろと御指摘を受けました。それぞれが廃棄物処理関連する極めて重要な点でありまして、我々もいろいろな御意見は今後とも十分尊重しながら対処してまいりたいと考えております。  そこで、最終のところで予算のお話でございますけれども、御指摘のように、本年度の予算は廃棄物施設整備費といたしまして八百六十二億、それから廃棄物処理対策費として五億、こういうことでございますが、これは、とても今各市町村、各地方の需要にこたえるには十分ではないわけでございまして、絶えずその御要望がこちらの予算をオーバーいたしておりまして、対策に非常に苦慮しているのが現実でございます。したがいまして、来年度、平成四年度の予算につきましては、私の方といたしましては、一般会計と産業特別会計合計いたしまして八百七十一億の要求をいたしておりますし、また、生活関連重点化枠の中で百二十五億を要求し、さらにまた他省庁分も上乗せいたしますと全体で千十八億という数字になりまして、ことしよりはさらに特段の配慮をするように努力をしている次第でございます。
  103. 川俣健二郎

    川俣委員 それで、平成三年度中にも地方から上がってきているのは、私なりに累計しますと千四百億くらい欲しいと言ってきているのですよ。今大臣が千百億の数字を出しましたが、これは大蔵省、きょうは聞いておいていただく程度でいいのですが、この政府案で新たに国庫補助の対象となったのは、廃棄物処理センター市町村の委託を受けて一般廃棄物処理施設設置する場合だけである。私のあれ、間違いないかな。このため、現在予算補助が行われている一般廃棄物の最終処分場について法律補助に改めるのには至らなかったのだろうかな。  また、現行法によれば、市町村はいわゆる一般廃棄物とあわせた産業廃棄物その他の産業廃棄物処理施設を設けているのに、法律上いずれも国庫補助にはなっていないが、都道府県産業廃棄物処理施設設置することもできるとされておる。また、今予算補助の対象となっている一般廃棄物最終処分場を法律補助に改めることはなぜできないのだろうかな。  そこで、三つ目に納得できないのは、同じ市町村焼却施設、これは法律補助なんだよ、焼却施設は。最終処分場はこれができないということにはならないと思うのだがね。この三つ目は、大蔵省がせっかく見えておるので大蔵省、あとの運用二つは、私の解釈が間違っているかを含めて小林さんから。
  104. 小林康彦

    小林(康)政府委員 一般廃棄物の最終処分場につきましては、昭和五十一年の法改正によりまして廃棄物処理施設に加えられ、それに対する補助は予算補助として措置されたところでございます。それ以降、市町村が行います最終処分場の整備につきまして、国庫補助のほか起債、交付税による地方財政措置を講ずることで円滑に施設整備が行われてきておりまして、現時点で法律補助とする必要があるとは判断をいたしませんで、現行どおりとしたところでございます。産業廃棄物につきましては、原則的に排出事業者がその費用負担をすべきものとの考え方で、現在補助制度はございません。  なお、不法投棄のときのお答えで一点だけ追加をお許しいただきたいと思いますが、廃棄物不法投棄をされましたまま生活環境の保全上問題となっているケースもありますことから、不法投棄を原状回復させることの必要性については私ども十分認識しているところでありまして、その方策について今後さらに検討を深めたいと思っております。ちょっと後で恐縮でございます。つけ加えさせていただきます。
  105. 渡辺裕泰

    ○渡辺説明員 お答えをさせていただきます。ただいま厚生省の方から御答弁がございましたが、若干敷衍して御説明をさせていただきたいと存じます。  法律補助にするか予算補助にするかという御議論でございますけれども、補助金の性格によりまして、法律に書く書かないの意味が若干違ってくるのではないかというふうに思っております。生活保護についての国庫補助のような義務的な負担金につきましては、法律に書くことによりまして財政上の取り扱いが規定されるという性格を持っております。他方、ただいま問題になっております廃棄物関連補助金のようないわゆる奨励的な補助金の場合には、法律に明示されているかいないかによりまして財政上の取り扱いが特に異なるというわけではございません。したがいまして、法律に書くかどうかは、立法政策上その位置づけを法律に例として明示しておくのが望ましいかどうかという判断によるものと承知をいたしております。  お尋ねの最終処分場につきましては、ただいま厚生省からも御答弁ございましたが、予算補助だからということで特に支障が生じているというふうには聞いておりませんし、助成効果も十分発揮されていると考えております。
  106. 川俣健二郎

    川俣委員 法律補助でなくていいと言ったが、焼却場法律補助、最終処分場は予算補助、これは納得できないよ。後の質問者も追加すると思う。  そこで、時間が終わりましたので、私は質問を若干残しましたが、残したことと問題点を提起したが、これらの問題についてはうちの方の理事とどう処理するかを相談していただいて、それを申し上げて終わります。ありがとうございました。
  107. 粟屋敏信

    粟屋委員長代理 岩田順介君。
  108. 岩田順介

    ○岩田委員 先般の本会議で本法案の改正案につきまして代表質問をさせていただきましたが、本日は、地元の問題でもありますけれども、小さな町で起こった大きな問題、こういう認識の上で何点か質問をさせていただきたいと思います。  先ほどからもるる出ておりますが、廃棄物の量は近年ますます増大をいたしておりまして、一般廃棄物につきましても五千万トンを超えて六千万トン、しかも、推計でありますけれども、その推計も実際はもっと数倍出ているのではないかということも言われております。また、産業廃棄物につきましても推計三億六千万トン、こういうことが現実に言われておるわけでありますが、当然のこととして、産業廃棄物の最終処分場の問題が極めて深刻な事態になっておるわけです。全国的な状況としましても、この法律改正を前にして処分場建設の届け出もかなり増加をしている、こういうふうに聞いております。また、産業廃棄物処分場建設に伴う住民とのトラブルも多発の状況であることは、御承知のとおりだろうと思います。  地元、福岡県も例外ではありません。むしろ近年の、ここ数年のごみ排出量は全国トップレベルという数字が出ておりまして、県におきましても御承知のようにマニフェストシステムを早々に導入する、さらにはことしの一月一日から、いわゆる住民等との紛争防止条例といったものも施行して、言ってみれば先進的な取り組みをしている県の一つではないか、こういうふうに判断をするわけであります。  ところで、地元、嘉穂郡嘉穂町に起こっております処分場をめぐるトラブルについてでございますが、一万二千名足らずの山村でありますけれども、七千名の皆さんが署名をして連日これに対応している。一触即発の状況業者との間はあるわけであります。こういう地域で社会問題になっている事態について、厚生省としては一体把握をされているか、また、把握をされているとすればどのような認識をされているか、今後の産業廃棄物行政の問題にも影響すると思いますので、どういう把握をされて、認識をされているのか、お伺いをしたいと思います。
  109. 小林康彦

    小林(康)政府委員 御指摘のございました福岡県嘉穂町の事例につきましては、福岡県より逐次連絡を受けて、その状況を把握しているところでございます。  産業廃棄物管理型最終処分場の設置に際しまして、設置しようとする産業廃棄物処理業者と地元住民の皆さんとの間にトラブルが発生したものと承知をしております。本件につきましては、設置者と地域住民との間で訴訟に至っており、いまだ解決していないと承知をしております。厚生省といたしましては、こうした廃棄物処理施設が関係者の理解と合意の上に進むことが望ましいというふうに考えておるところでございます。
  110. 岩田順介

    ○岩田委員 十一カ月に及ぶ対立が続いているわ けてありますが、厚生省は、今小林部長の御答弁にありましたように詳細に御存じだということでありますから、省きます。  しかし、この特徴を見てみますと、今度の法案とは非常に関係もあるのでありますが、建設に際して一回も住民に理解が求められていない。それから、これも御承知だろうと思いますが、着工後に森林法違反や国土利用計画法にも違反をしている、こういう問題が判明をしているわけですね。それから、業者側が住民側が行っているいろいろな対応策に対しまして裁判所に仮処分の申請を申し立てる、さらに森林法違反や国土利用計画法違反で逆に住民側が告発をする、こういう事態になっているわけですね。それから、町長初め町議会、農協なども立ち上がっているわけでありますが、議会も全員協議会ができまして、連日協議という状況であります。詳しくはもう御承知のとおりであるので言いませんけれども。  そこで、この法の手続について一体問題はなかったか。現行法制下では限界があって、起こり得べき事態である、事件であるというふうに私は思いますが、厚生省、国としては住民と業者とのこの対立を見守って看過できる問題であるのかどうなのか、一体この法律の手続は問題はなかったかどうか、見解を示していただきたい。
  111. 小林康彦

    小林(康)政府委員 本件につきまして、先ほどの受けました報告に基づきまして内容検討しているところでございますが、福岡県及び産業廃棄物処理業者が行いました現行廃棄物処理法に基づく手続に特段の問題はなかったと考えております。しかしながら、本件が問題化したことにつきましては、産業廃棄物処理施設設置についての住民の関心が高まっている一方で、産業廃棄物処理施設について住民の信頼感を十分に得ていなかったことも、その要因の一つと考えられております。  このようなことから、現在提案をさせていただいております改正法案におきまして、施設整備を円滑に行うために、産業廃棄物処理施設設置に当たりまして届け出制を許可制にし、その許可に当たりまして生活環境の保全上必要な条件を付することができることとする等、廃棄物処理施設の信頼性向上のための措置を講ずることといたし、さらに、施設設置者は、その施設と周辺住民との調整が図られるよう、周辺地域の生活環境の保全及び増進に配慮するものとしたところでございます。
  112. 岩田順介

    ○岩田委員 今部長がお答えになりましたように、まさに法の不備がこういう問題を惹起しているという認識は、そのとおり私も受け取っておきたいというふうに思います。したがって、この嘉穂町問題というのが仮に届け出制度ではなくて許可制のもとで行われておったというふうにすれば、事態の責任はもっと明確になっておったということも考えられるわけであります。しかし、現状ては責任が非常に不明確、明確ではない。当事者間による努力以外にない、こういう問題なんですね。そこが問題ですよ。  この届け出制度のもとでは余りにも問題が多過ぎるということで、今おっしゃったように、今法律改正のやさきにあるわけですね。それで、このような場合の責任は一体どうするのか、これを私は今指摘をしているわけであります。こういう事態があるから法律改正をしているという認識は、そのとおりなんでしょう。しかし、このはざまにあるこの問題を一体どういうふうに解決するのかという点では、厚生省もやはりもっと力を入れるべきではないか、当問題だけではなくて全国にいっぱいあるわけですから、そういうことを私は指摘しているわけであります。  かつて一九六〇年代に四大公害というのがございましたね。富山のイタイイタイ病、新潟水俣、それから熊本の水俣、さらには四日市ぜんそく等がございました。これらの公害を反省するというか、省みて関係機関や関係者が異口同音にその後言われていることは、これらの公害問題とか環境問題というのは法律が不備である、行政責任で本来やっておくべき問題であるにもかかわらず、裁判にぼんと持ってくるという問題ではない、行政責任の問題である、法が不備であったということが数多く指摘されておるわけでありますが、私もこの嘉穂町問題、それから全国に起こっている多岐にわたる問題の多くは、法律の不備である、長年放置してきた国の責任であろうというふうに思っているわけであります。  そこで、何回も申し上げますが、まさに法の不備や欠陥が問われて法改正が審議中である。このような過渡期の問題解決には、厚生省は重大な責任があると言わざるを得ない、こういうふうに思うのです。したがって、あの小さな町でも大きな都市でも、起こっている問題の重大性は一つだろうと思います。共通していると思うのです。重大であるという点では共通していると思います。厚生省は現地に対する指導は今検討中と、指導というか、この問題の把握は検討中というようなことをおっしゃいましたけれども、この指導は一体どうなっているのか。問題解決の指導を厚生省は積極的にすべきではないかと思っておりますけれども、この点についてはいかがでしょう。
  113. 小林康彦

    小林(康)政府委員 福岡県の嘉穂町の事案は、地域のさまざまな事情が絡んだ問題と考えておりますが、この事業が福岡県の産業廃棄物行政全体に与える影響を見ながら、必要に応じまして福岡県に対して助言、指導等を行ってまいりたいと考えております。
  114. 岩田順介

    ○岩田委員 助言、指導をぜひ行っていただきたいと思うわけでありますが、事態は極めて緊迫しているという問題もございます。双方が十一カ月にわたり、先ほど申し上げましたように、また御認識にもありましたように、一方では仮処分申請をする、一方では告発をする。一方では現場に通じる林道にくいを打って、対決の状態が続いているわけですから、問題の本質を平和裏に解決するということを、長引かせることは非生産的でもありますし、今後の問題についても指導をぜひ強化していただきたいと思います。  再度重ねてお尋ね、要請しておきたいのでありますけれども、御承知のように、裁判所も事態を重視いたしております。先月、八月に双方に対して和解案を示しておりますけれども、これを契機に、今月の六日でありますが、町議会も一定の和解の方向を目指すべく努力をして、全員協議会で一つの方針を出しております。そういう努力もしているわけでありますが、部長も御承知でありますから詳しく申し上げませんけれども、この和解の焦点は、業者側も一歩譲歩いたしまして、現実進行している処理場については中止してもいい、しかし同町内に代替地を求める、これを町や住民は了承してくれ、こういう対案が出されているわけです。御承知と思いますけれども、同町は山村でして、いわゆるフルーツの里として活性化を図っておりますが、全国の例を見るまでもなく、風評公害等が問題になれば一遍で吹っ飛んでしまうという小さな町でありますから、そういう点もありまして感情が対立している、こういう実態にあるわけでありまして、ぜひとも平和的な解決を望んでおるわけであります。  ところで、今月の十三日、明後日に仮処分について裁判所の和解も含めた最終的な審尋が行われる、こういう実態、現状になっているわけであります。そうしますと、通例から、一般的な判断からいきますと、この審尋が最終的だというふうに判断をして、決裂に終わりますと、十日以内くらいに裁判所は仮処分の決定を出すでしょう。そうしますと、現状からいって、業者側には届け出に対する決定的な違反はないわけですから、これは認められることになりますね。森林法違反や何かありますけれども、本体工事は着工というふうにもしなった場合に、これは大変な事態になってくることが予想されるわけですね。したがって、この期間何日間が非常に大事だということで、きょうあえて私は時間をとらしていただいたわけでありますが、厚生省は、先ほども御答弁いただきましたけれども、緊急な対応を含めた解決のための指導助言、こういう積極的な姿勢での取り組みを、取り組みというかこの事件に対する対応をお 願いしたい。  さらに、先ほども申し上げましたが、この事件は小さな町の事件でありますけれども、やはり産廃行政ごみ行政への今後の影響にも関係してくる、こういうふうに考えておりますので、ぜひとも再度厚生省の態度をお示しいただきたいと思います。
  115. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物処理施設につきましては、その構造、管理環境に対して支障を与えないものであるとともに、その地域との調和も非常に重要なことと考えております。ただいま先生からお話のございましたことも念頭に置きまして、福岡県と十分連絡をとり、必要に応じての指導助言をしてまいりたいと思います。
  116. 岩田順介

    ○岩田委員 ぜひとも積極的な問題解決の指導と支援をお願いしておきたいと思います。  次に、この際、この事件を通して、本改正案に関する問題について、時間の許す限り質問をしたいと思います。  廃棄物は一たん不適切に処分をされますと、半永久的に土壌や水の汚染というふうになっていくわけですね。先ほどの先輩、川俣委員の御質問にもありましたし、厚生省の見解も示されておりますが、全くそのとおりであります。しかし、一般的には、埋めてしまえばやれやれということで、環境保全についての関心は薄くなってしまっている、こういう状況もあることは事実であります。  ところで、現行は、遮断型、それから管理型、安定型というふうに三つの管理方法がとられておりますけれども、これをもっと安全性の高いものにする必要があるんじゃないかというふうに思います。時間がありませんから簡単にお聞きをいたしますけれども、少なくともトラブルの多い安定型を管理型もしくは準管理型ぐらいにしていかないと、いわゆる住民との調和のとれた行政というのはなかなか困難ではないかというふうにも思うんですが、いかがでしょう。
  117. 小林康彦

    小林(康)政府委員 現在の最終処分場の三つのタイプにつきましての構造の基準及び処理処分の基準が適切に守られておりますれば、周辺に対する環境問題が生じないレベルの基準というふうに私ども考えております。しかしながら、実態といたしまして、その構造基準あるいは処分基準に外れる行為も存在をしておるわけでございますので、まず現在の規定を遵守する、そうした態勢に持っていくことが重要というふうに私ども考えております。
  118. 岩田順介

    ○岩田委員 現実はそんなに生易しい問題ではない。後ほど先輩の辻委員からも御質問があるようでありますが、御承知のように、本来含まれていないはずの有害廃棄物が含まれている。これが大変問題ですね。数え上げれば枚挙にいとまがありませんけれども、君津、それから富士山ろくでは、本来有害物は含まれていないはずであるのだけれども、安定型の産業廃棄物の最終処分場の下から、それから下の沢あたりから砒素やシアン、こういった猛毒な有害物が流れ出ている、これが実態なんです。したがって、この点については今後の議論の中でも出ると思いますけれども、もう一歩進んだ対策をぜひとも講じていただきたい、こういうふうに要望しておきたいと思います。  それから次の質問でありますが、処理場の建設について環境アセスメントの実施が重要なポイントであるということは、この法律改正に当たる間、議論されてきた中でも重要なポイントである、こういう指摘がされておったことは御承知のとおりであります。しかし、この改正法ではそうはなってないんですね。ただ、この改正法案の九条の四に「周辺地域への配慮」、こういったものが規定をされておることは事実であります。しかし、これは過去の例でもそうでありますが、これくらいのことで果たしてうまくいくかどうか。いわゆる訓示規定にすぎないんではないか、実際のいろいろな安全性を確保するためには実効性は乏しいんじゃないか、こういうふうに思うのですね。何でこんなにずっと後退されたのか、もう少し積極的に環境アセスメントの実施がなされなかったのか、私は非常に不満であります。この際、このアセスメントの実施の義務を明記して、評価項目や評価方法、一般的な基準も政令によって何らか明らかにすべきではないか、こういうふうに思うわけでありますが、いかがでしょう。
  119. 小林康彦

    小林(康)政府委員 開発事業に関します環境影響評価、いわゆる環境アセスメントにつきましては、昭和五十九年の環境影響評価の実施についての閣議決定が行われ、それに基づきまして、廃棄物処理施設につきましても、厚生省通知に従い、一定規模以上の最終処分場について実施をしておるところでございます。廃棄物処理施設整備のみを対象に環境影響評価を法律上義務づけることは、ただいまの閣議決定の趣旨及び他の開発事業との関係から、現時点では困難であると判断をしております。  しかしながら、今回の改正法におきまして、周辺環境整備につきまして、努力規定ではございますけれども法的な義務ということで明記をいたし、関係の行政庁がこの規定に基づいて必要な指導を行うことができ、適正な周辺環境整備が図られるよう措置をしたところでございます。
  120. 岩田順介

    ○岩田委員 御答弁がございましたが、先ほどの川俣委員の御質問でも、いわゆる共管競合の問題は確かにあるんだけれども厚生省はしっかりしろというお話がありましたが、閣議決定があるからだめだということですね。法律にならないということだと思いますが、それでは、これ以上進まないという問題について政府はどう対応するのか。これは単に厚生省だけの問題じゃなくて、政府自身の問題として言っているわけですから、将来の問題でありますけれども、ぜひともその点についても御検討いただくように指摘をしておきたいと思います。ぜひこの環境アセスメントについては前向きの御検討をいただきたいということで、お願いをしておきたいと思います。  最後の質問でありますけれども、処理業者の問題、いわゆる許可の問題について、全国にはいろいろな状況や実態がありまして、それでも国一本にして、全国共通のものにした方がよいという意見もあるやに聞いております。これは業界の中にもあることは知っておりますが、私はやはりそれは問題ではないか、こういうふうに思います。国立公園やその他の重要施設や、環境問題が違うわけですから、したがって、そういう意味では一本でいい、全国一律でよいとは私は思ってないわけであります。したがって、この改正法にも若干明記をされておりますけれども、許可権に対する知事の権限、この幅の問題、こういったものについてはもっと付与するべきではないか。許可要件に地域特性をどのように考慮するか、この点についての厚生省のお考えを聞いておきたいと思います。
  121. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物処理施設設置に当たりまして、知事あるいは保健所設置市長の許可という制度にしたわけでございますが、その許可の基準につきましては、まず全国一律のものを守っていただく必要がございます。改正法案では、施設設置に当たりまして、地域の特性を踏まえて、生活環境保全上の配慮が必要な場合には、施設設置許可生活環境保全上必要な条件を個別に付すことができる制度をつくりまして、個別の状況にも対応できる道を開いたところでございます。
  122. 岩田順介

    ○岩田委員 個別の問題を取り上げて恐縮でありましたが、単にこれは地方の問題ではなくて、今後全県下、全国にわたる影響も大きいということで、要望を含めて質問をさせていただきましたが、ぜひとも積極的なお取り組みを要請して、質問を終わりたいと思います。
  123. 粟屋敏信

  124. 辻一彦

    ○辻(一)委員 きょうは飛び込みで大変皆さんに御迷惑をかけて、ありがとうございました。  私は、八月二十二日の予算委員会の最後に、一般廃棄物、特に敦賀の例、全国からごみが持ち込まれる問題を提起をして、答弁は大臣からももらわずに、問題提起して、現地を見た上で当該委員会でまた質問したい、こう言って終わっております。したがって、今その前段については、既に予 算委員会で聞いてもらったと思いますから、これは割愛します。  関東、関西、全国から、三十数市町村から、二年ほど前から大量のごみが持ち込まれて、非常に社会問題化をいたしております。厚生省はその実態をどういうように把握しておるか、簡単で結構ですから、まず伺いたい。
  125. 小林康彦

    小林(康)政府委員 御指摘の点につきましては、最終処分場の設置者でございますキンキクリーンセンター株式会社と委託契約を結んだ市町村が昭和六十三年四月に一般廃棄物の搬入を開始しており、これまでの処分場への搬入実績は、昭和六十三年度四万二千トン、搬入の自治体数にしまして三十七、平成元年度八万六千トン、自治体数三十八、二年度十万四千トン、自治体数三十六、三年度、六月現在でございますが、一万五千トン、自治体数二十、合計、廃棄物の搬入量二十四万七千トンと聞いております。なお、搬入しております一般廃棄物種類は、燃え殻と不燃物でございます。  この処分場は、産業廃棄物処理施設管理型としての届け出もされておりまして、昭和六十二年十一月から平成二年度末までの産業廃棄物の搬入量でございますが、七万二千トンと聞いております。搬入されております種類は、燃え殻等の十四種類で、無害な物に限るとされております。
  126. 辻一彦

    ○辻(一)委員 今数字的な実態は一応明らかになりましたが、なお要点だけ申し上げますと、全国から大量のごみが観光の町敦賀に持ち込まれておるということ、そして将来における水質汚染の心配があるということ。こういう点から、夏は若狭湾に五百万人からの観光客が来る。その中心地が一つは敦賀でありますから、大変な海水浴のお客さんが来る。また有名な天下の三松原、気比の松原がありますが、そういうところのイメージがひどく傷つけられる懸念がある、こういう点が一つあります。  それからもう一つは、これはもう御承知のとおりですが、この一般廃棄物については、業務を開始するときには市町村長の許可が要るというのが原則でありますが、これは業者委託のために、例外規定で許可不要で進んでいる。だから、市は当初に関与せずに、今日も法的に関与の権限なしに、大量のごみが持ち込まれて非常に問題が起こっている。そういう点では、私は予算委員会でも、現行法に法の不備がある。しかし、二十年前に立法化された法律におきましては、これだけの広域圏のごみのことを想定してなかった。そういう点から、産廃にしても生活ごみにしても大量に出るようになって、新しい事態の中に起きた法の不備である。したがって、やっている業者はその法の中で違法ではない。法の中でやっておるわけでありますが、極めて大きな問題があるということ、これをまず今その実態の上にちょっと指摘をしておきたいと思います。  そこで伺いたいのは、市町村長の許可が不要——原則的には市町村長の許可が業務を営む場合には必要であるとなっておりますが、通常の場合は、後者は不要になっておるのですが、この法的な根拠をちょっと説明いただきたい。簡単で結構です。
  127. 小林康彦

    小林(康)政府委員 現行法の第七条第一項のただし書きによりまして、不要とされております。  これを不要としております理由でございますが、市町村一般廃棄物の収集、運搬及び処分の業務を市町村以外の第三者に委託をして行わせる場合には、その行為の責任は原則として市町村にございます。また、一般廃棄物処理といいますのは、その市町村処理計画を策定し、この計画に従って実施することとなりますが、市町村が業務を委託をいたします場合には、その委託業務に関してあらかじめこの一般廃棄物処理計画と整合性が確保されている必要がございますし、同一の市町村でございますので、その整合性が確保されていると考えられるから、許可不要の事業としておるところでございます。
  128. 辻一彦

    ○辻(一)委員 厚生省の五十四年の課長通知といいますか通達というのがありますが、それを見ると、これは詳しくは読み上げませんが、委託をして許可が不要の場合には、委託したところの市は引き受け地のB市と十分に話し合う必要があるとしております。敦賀の場合に一応この通達でやっておったのですが、十分な話し合いがなされたと見ているかどうか。それはいかがですか。
  129. 小林康彦

    小林(康)政府委員 市の外の他の市町村廃棄物を搬入する計画を立て、搬入する前におきましては市長さんと十分協議をし、協議が調った上で廃棄物の搬入を開始しているというふうに承知をしております。ただし、その後、敦賀市長さんの方の方針といいましょうか、状況が変わったようでございまして、現時点で搬入をしておる市との間ですべて円滑に合意に達しているかといいますと、そこは必ずしもぴったりというわけではない状況になっているというふうに承知をしております。
  130. 辻一彦

    ○辻(一)委員 なお申し上げておきますが、ごみはやはり社会で、いずれかのところで処理をしなければならない。だから、私は全面的にそういうことを否定しているわけではないのですが、余りにも法の不備のために起きている問題点を指摘している、このように理解いただきたいと思います。  当初十分な話し合いがなされたというような理解のようでありますが、社会党の調査団は議員四名で八月の二十九、三十日と調査をし、きのうも市の方で事情を再度聴取をしてきたのでありますが、それによりますと、ごみ処理の最終処理場の施設ができるのは、知事の届け出制ですから、条件が整えばこれはやむを得ないということで、認めるというふうになるのですね。敦賀市としては、施設ができてごみが来るぞということがわかって、なるほど町から十五分ほど車では離れておりますが、市街地があり、海水浴場がある、こういうところへごみを持ってきてもらっては困るというので厚生省に相談に行ったが、法的には拒否できない、こういう指導を受けて、やむを得ぬからということで、そこで認めたわけではないが、仕方がないということで搬入する市町村と相談をした。しかし、それは内部的には業者とそれから委託する市町村が既に話し合った数字を何トン、中身はいろいろありますが、そういうものを確認して、あとはできるだけ持ち込まないようにしてくれとか、あるいは減量してほしいということをお願いするしかない、こういう出発をしているわけですね。  そこで、今申し上げたように、県外から大量のごみが搬入されるについて、今日のように社会問題になり、一年ごとに、初めは協定書、その次は確約書というのを交わしておったのですが、ことしの三月三十一日に確約書を敦賀市長は破棄をしたわけですね。ところがなお、数はちょっと減って二十数自治体、団体から依然としてごみが持ち込まれて、ことしは五万トンぐらい入るだろう、こういうことになっておるわけですね。この実態を見ると、私は、これは十分な話し合いをしてそこから出発をしている、あるいはその過程において話し合いが十分なされているというようにはとても考えられない。いわゆる通達自体の趣旨にも合っていない感じがします。もう一度お尋ねしますが、いかがですか。
  131. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お話にございましたように、一般廃棄物処理施設設置届が受理されました後、六十三年四月、一般廃棄物の搬入開始に先立ちまして搬入自治体と敦賀市との間で事前協議が行われ、協定書を締結されております。こうした形として残っておりますものを見ます限りにおきましては、両者合意の上で事業、搬入が始まったものと理解をしております。
  132. 辻一彦

    ○辻(一)委員 だから、十分な話し合いがなされたというけれども、受け取る方は、これはもう本省へ行っても拒否できないのだから仕方がないと言われて、やむを得ないという半分はあきらめですね。そういうところから出発しているので、十分協議して了承して出発する、そういう性格ではないんですよ。これが初めに当該受け入れ市町村長が業務について許可をしているのなら別です が、それは委託業務だから許可は不要である、これで出発しているのですから、当初の出発点において十分な話し合いがなされているというようには私の方はなかなか理解ができないのですね。  そこで、さっき言ったように、例外規定でここは許可不要ということで出発している。だから、受け入れ市町村自治体の意見が反映されないですね。ところが、通達は十分な話し合いが必要としている。しかし、実態は反映されていない。だから実際の話し合いの結果としては、話し合いが十分できないままに、受け入れ市町村の意見が反映されずになっている、こういう状況にあるのですね。この点は私は法的には一つの不備であろうと思うのですが、搬入自治体に対して受け入れ自治体の協議の規定をもっと明確にすべきでないか。これは福井県の知事から政府にも要請、陳情がなされておりますし、我々国会議員の方にもなされております。  詳細を言うのは割愛しますが、ポイントだけ申し上げますと、「県は、国に対して、県外一般廃棄物の持込みについて次の事項を法改正に盛り込むよう陳情している。」一つは「搬入自治体と受入れ自治体の協議の規定。」もう一つは「一般廃棄物処理を民間に委託する場合、委託した自治体の責任を明確にすること。」あともう一つありますが、敦賀市からも同様に、受け入れる自治体の協議権をもっと明らかにしてほしい、このままではお願いするしかない、これだけの状況の中でお願いだけで済むような問題ではない、ここらを明確に規定してほしい、こういう要請が非常に強いし、私もその必要ありと思いますが、これについてはいかがですか。
  133. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物は、なるべく自区内あるいは近いところで処理処分をするということが望ましいわけでございますが、現実問題として、土地利用の高度化等によりまして物理的に困難な市町村もございますので、従来から、他の区域で行います場合に十分話し合うような指導をしてきたところでございます。  しかしながら、ただいま御指摘のように必ずしも十分でないというケースも見られるところから、改正案ではこの話し合いの部分をさらに徹底させまして、一般廃棄物広域処理を行う場合には、その廃棄物の適正な処理を図るため、処理を他市町村で行う市町村及び受け入れる方の市町村、相互の市町村間で十分話し合い、一般廃棄物処理計画を策定するよう明記をいたし、具体的には、関係市町村の「一般廃棄物処理計画調和を保つよう努めなければならない。」という規定を新たに入れたところでございます。この規定を適切に運営し、その趣旨を周知徹底することによりまして、市町村間の調整につきまして一層の指導を行ってまいりたいと考えております。
  134. 辻一彦

    ○辻(一)委員 改正案第六条四項を指されていると思うのです。「調和を保つよう努めなければならない。」云々とありますが、調和というのはどういう意味なのか、そして現行法と調和を挙げた改正案はどこがどう違うのか、簡単で結構ですから、要点だけ聞きたい。
  135. 小林康彦

    小林(康)政府委員 現行法には、受け入れ側の地域に対する配慮というものは特に明定をしておりません。現在はそれぞれの市町村がそれぞれの区域で一般廃棄物処理計画を立てることにしておりますので、よそに廃棄物を持っていきまして処理をいたします場合には、その受ける先での廃棄物処理計画調和のとれた形、具体的には両者でよく話し合いをしていただきまして、大きな支障のない、大きな社会的問題を生じない形で円滑な廃棄物処理処分が行われるよう、そうした確認をしながら広域的な対応をとっていく、こういう内容の予定で規定をしたものでございます。
  136. 辻一彦

    ○辻(一)委員 どうも言葉はいろいろ使われておるけれども、最後に、具体的にはよく話し合いをしなさいということのようですね。それは現行法にもそういう通達で知らせておるのですよ。中身はそれからいうと余り変わりはないと思うのですね。  では、その調和が図れない、具体的に言うと、よく話し合いをしたが、協議をしたが調わないというときに、一体自治体は断ることができるのかどうか。これはいかがですか。
  137. 小林康彦

    小林(康)政府委員 指導の方針といたしましては、よく話し合い、話し合いがついたところで処理をするように、こういう趣旨で指導してまいりたいと思います。
  138. 辻一彦

    ○辻(一)委員 よく話し合いをしなさい、話し合いがついたところでやりなさいと言っても、だから私が言っているのは、その話し合いをして、よく話し合いができて協議が調えば、それは心配ないのですね。だけれども、どうしても調わない。例えば敦賀は、話をしても無理だ、調わないというので今契約を破棄しているわけですよ。こういうふうに、よく話し合っても話し合いがつかない、協議が調わないというときには自治体はどうできるのですか。それはどうしても困るから搬入をやめてくれと拒否できるのですか。いかがですか。
  139. 小林康彦

    小林(康)政府委員 法律上の明定はしておらないところでございます。しかし、その構造なりあるいは処分に不適正、基準に合わないところがございますれば、それに対する措置といいますものは許可をしました者が講ぜられる制度にしてございます。
  140. 辻一彦

    ○辻(一)委員 先ほど私が申し上げたが、この敦賀市は六万八千人ほどの市ですが、港町であるとともに、夏にはあの若狭湾一帯には五百万人ぐらいの海水浴客が来るのですね。高速道から国道、地方道とももう何時間も渋滞をする、こういう状況ですね。この処理場は高速道の近くにあるから、ある点では便利なのですが、そういう観光の町で、そして観光のお客さんに挟まって、これは随分量が来るわけですよ。  しかもこの計画等では、業者は第二の拡張計画を出して、これは県がまだ書類が整わないというので、今のところ却下といいますか、まだ受け付けていないのですが、それを第二に出そうとしている。業界に宣伝されているというか業界紙等にPRされているのは、収容容積三百万立方メートル、百五十万トンから二百万トンくらいは収容できますから来てくれと全国に呼びかけているわけですよ。そうすればこの観光の町に、このままでいけばどんどんごみが入ってくる。  こういうのを、いや一定の条件があればそれでやむを得ないのだ、何か違法があれば別だけれども、そうでなければ仕方がない、こういうことでいいのかどうか。そこに敦賀の地元の市や市長がもっと何か地元の意見を反映することができないのか。許可するかしないかという権限を与えるなら、当然そんな問題は初めに論議されるのですよ。だけれども、届け出制で、しかも業務については許可不要だから、決まった後にどうするかということで出発しているのですね。だから私は、そういう点を考えれば、もっと市の意向というものを反映さす何らかの裏づけがきちっと法的にもされてしかるべきじゃないか。現行法ではだめだ。では改正法を見たら、言葉は違っているけれども、話し合いをしなさいというのでは何も変わりはないのですね。そこを何とかしてくれというのが敦賀市であり、また福井県、知事の要請でもある。それをどう考えるのか。
  141. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物処理施設は、構造及び管理が適切でございますと、周辺環境に支障を生じない形で設置、運営が可能な施設でございますし、全国的に一定の量の施設整備というのは不可欠なものでございますので、まず環境に十分配慮した構造、管理を行うべきものと考えております。  地元の市町村あるいは住民との関係、非常に重要な点でございまして、円滑な事業の運営をいたします上で不可欠なことでございますが、法律事項として明記するには必ずしも適当でないということで、今回の改正法でも、そこのところはその地域地域での話し合い、協議というところに任せておるところでございます。
  142. 辻一彦

    ○辻(一)委員 結局、短い時間だから、論議をしてみたけれども、この問題については現行法と改 正法はさして進歩も進展もない。一番最後には、具体的に話をしなさい、その話がつかなければ仕方がない、こういうことになる。これでは今私があれだけの事実を申し上げたことを——大臣にこれを差し上げてほしいのですが、これだけ全国の新聞にも敦賀の問題が紹介されておるのですね。この気持ちが何も生かされないというのは改正法としては極めて欠陥、足りない点があると思うのですが、大臣、どうされますか。もっとこの意欲というもの、意見が何らか酌み入れられるべきだと思いますが、いかがですか。
  143. 下条進一郎

    下条国務大臣 先ほど来委員の御指摘の敦賀市の産業廃棄物の取り扱いについてのいろいろな問題点、御指摘がありました。極めて心を痛める大きな社会問題である、このように受けとめておるわけでございます。そういう産業廃棄物の取り扱いにつきましては、今度の法律におきましてもその対策を講じているわけでございまして、市町村がみずから最終処分場を設置することが困難な市町村では、ごみ焼却灰等の埋立処分等を他の市町村で行う場合が、やむを得ない場合がございますので、このような場合には、厚生省としては受け入れが円滑に行われるように、事前に関係市町村で十分話し合うよう指導を行って今までもおったわけでございます。  今後その徹底を図るために、廃棄物処理法改正案では、市町村一般廃棄物処理計画策定に当たりましては、関係市町村一般廃棄物処理計画調和を保つよう努めなければならないことを新たに規定しております。また、市町村間の調整について一層の指導を行ってまいりたいと考えておるわけでございます。さらにまた改正案では、民間の処理業者による処理施設設置につきまして、現行法は届け出制でございますけれども、許可制とするということで、これを厳重にするということをしておりまして、処理施設の安全性や信頼性の一層の確保に努めていく所存でございます。
  144. 辻一彦

    ○辻(一)委員 それは今までいろいろ皆さんがお話しになった中身であって、それでは現行法と改正案の中身で前進した点はこの問題についてはほとんどないと言わざるを得ないが、どこが前進しているのか、ちょっと事務当局に聞きたい。
  145. 小林康彦

    小林(康)政府委員 今まで通達等によって指導してまいりました、いわば廃棄物処理施設のあり方というところから出ました指導でございましたのを法律で明記をいたしまして、法律の規定に基づいて具体的な行為が行われるよう措置をしたところでございます。  それから、ただいま大臣からお答えしましたように、民間の行います処理施設につきましては、届け出制から許可制にして、許可権者の意向がより的確に反映できるようにしたところでございます。
  146. 辻一彦

    ○辻(一)委員 調和云々、なるほど課長通達であったものを本文に直したという点、それは今までのが法律の一つになったということですから、半歩前進ですよ。しかし、中身を見ると、文言にはなったけれども、活字にはなったけれども、中身を見れば依然として話をしなさいという域を余り出ていないですね。だから、きょうはこれ以上、時間がないので残念ですが、ひとつより検討をしてもらって、そして今申し上げた敦賀や福井のこういう自治体の声を法の中の修正、それが困難であれば、今後出される政令であるとかいろいろな具体化をする道があるわけですから、その中でぜひ考えてもらいたいと思いますが、この政令等の中で、この問題を、より具体的に地元の意向を盛り込むということは可能かどうか、そこはいかがですか。大臣、どうですか。
  147. 下条進一郎

    下条国務大臣 ただいま部長からもお話し申し上げましたように、確かに取り扱いは厳しくなってまいりまして、我々としても事件の起こらないように鋭意努力をしていく態度をそこに明確にした次第でございます。また、今御指摘の通達等のことでございますが、事象によりまして検討いたしまして、適切な対応をいたしてまいりたいと考えております。
  148. 辻一彦

    ○辻(一)委員 これで終わりますが、どうも時間の点から意を尽くし得ない感じがしますから、これはまだ連合審査や参議院との論議を通してあると思いますが、この問題は引き続いてどなたかにまたお願いをして、ぜひひとつもっと問題を詰めたいと思っております。  終わります。
  149. 粟屋敏信

    粟屋委員長代理 この際、休憩いたします。     午後零時二十一分休憩      ————◇—————     午後三時四十六分開議
  150. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、下条厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。下条厚生大臣
  151. 下条進一郎

    下条国務大臣 午前中の川俣先生の御質疑の中で、私の提案理由の読み上げの間違いを御指摘いただきました。おわびを申し上げます。  つきましては、あらかじめ配付されております文章のとおりに訂正させていただきたいと存じます。
  152. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 質疑を続行いたします。大野由利子君。
  153. 大野由利子

    ○大野(由)委員 大変長い間待望されていました廃棄物処理法改正がいよいよ審議入りをいたしまして、国民の皆さんの関心も大変高い中できょうの委員会が開催されたわけでございますが、廃棄物処理法が、一従来の法律では「目的」が「廃棄物を適正に処理しことのみうたわれていたものが、今回の改正案で「廃棄物排出抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬再生処分等の処理をしこのようにうたわれるようになったのは画期的なことである、そのように思うものでございます。  生産性や効率性を追い求めて、使い捨て社会を形成してきたことに今日のごみ問題の現況があるわけでございますが、この使い捨て社会から脱却するために今回の法改正が中途半端なものであってはいけない、抜本的な改正にしていかなければならない。そのために全力を挙げていただきたい、このことを最初に申し上げまして私の質問を行わせていただきたい、そのように思います。  初めに、「廃棄物の適正な分別このようにございますが、この適正な分別市町村によってとらえ方が現在全くまちまちでございます。分別して燃やす、また、分別して埋め立てるというだけではごみ減量につながらないわけですが、それも分別、そのように解釈している市町村もございます。分別の定義を明確にしていただきたいと思いますし、分別するということは、資源になり得るように素材別、発生源別により分ける、そういうことでなかろうかと思いますが、どの程度分別をするのか。市町村が最初の段階から分別をするのか、また、集めてからより分ける、いろいろ方法はあろうかと思いますが、今既に十四、十五種分けていらっしゃるところもありますし、全く分けていらっしゃらないところもある。それをどのように、どの程度分別をするというふうに行政指導をされていかれるおつもりか、その点についてお伺いしたいと思います。
  154. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お答えをいたします。  廃棄物分別につきましては、その物の性状あるいは収集の形態、その後の処理処分の状態によりまして区分をして、適正な処理を図るということにしておるわけでございます。現在のところ約九割の市町村におきまして、何らかの形で廃棄物を区分して、分別をして収集をしておるところでございますが、その多くは燃えるごみ、燃えないごみという二つの区分、それに粗大ごみを加えるかどうかというのが通常の姿でございまして、現状におきましては、資源化を念頭に置いてごみを区分する、分別をするという市町村は六十三年度で六百八十三を数え、割合でいきますと約二割という状況でございます。  今回の法律改正に先立ちまして、平成二年六月に市町村における資源ごみ分別回収、分別収集を徹底するよう通知をして、指導強化をしておるところでございますが、今回の法改正では、御指 摘いただきましたように、目的に、廃棄物処理分別再生を明確に位置づけるとともに、そのための措置を講ずることにしておるわけでございます。  具体的には、法律の中に、国民及び事業者に対しまして、廃棄物分別して排出する等により、地方公共団体施策に協力しなければならないこと、市町村の策定をいたします。般廃棄物処理計画におきましてこの分別収集に関する事項を定めること、それから、廃棄物再生事業者の知事への登録制を創設いたしまして、市町村ごみ再生等に必要な協力を求めることができることなどの規定を置きまして、分別収集によりごみ資源化を一層推進することにしているわけでございます。  ごみ処理にはかなり地域的な要素がございます。それから、それに対します市町村職員の創意工夫にまつ部分も多いわけでございますので、国で一律に何種類に分けてということは必ずしも適当でないと考えておりますが、今回の法改正で資源に回すということを明確に意識をして計画を立て、それの収集の体系をつくるようにということを法律上明確にしたわけでございます。これらの具体的な指導につきましては、事例を集め、提供するような形で、市町村計画、体制を組みます上で参考になります事柄を十分提供していきたいというふうに考えております。
  155. 大野由利子

    ○大野(由)委員 まず、ごみの最初の段階での減量というものに努めなければいけないと思うわけですが、オフィスの紙ごみなど大量の一般廃棄物を出す事業者市町村長が減量化計画をつくるように指示できる、今回このように掲載されているわけでございますが、大量とはどれくらい以上を大量と言うのか、これによってどれくらいごみ減量化しようとしていらっしゃるのか、まず第一番の質問でございます。  二番目に、このように計画を立てても実施が不十分な場合、また、計画そのものが不十分な場合どうするのか。市町村長は権限はどこまであるのか、罰則なしの指示の効果はどの程度あると思っていらっしゃるのか、その辺が非常に不明でございます。もっと強力な措置が必要ではないかと思いますが、二番目でございます。  三番目。産業廃棄物について、都道府県知事は、多量の産業廃棄物を生ずる事業所に対し、産業廃棄物処理計画を作成するよう指示することができる、このように出ています。しかし、産業廃棄物の減量そのものについては全く触れていらっしゃいません。これはどうしてか。一般廃棄物に関しては減量化計画をつくるようにということですが、産業廃棄物に関しては処理計画を作成するというだけで、減量化計画というふうに出ておりませんが、この減量には一体どのように、だれが産業廃棄物に関しては取り組むべきだと思っていらっしゃるのか。それが三点目でございます。  四点目は、ごみが急増している大半の原因は、産業廃棄物事業系の一般ごみにあるわけでございますが、特に産業廃棄物は全国で一般廃棄物の八倍排出されている、そういう状況でございます。圧倒的なこの容量から見たときに、産業廃棄物の問題が解決されたときにごみ問題は約九割方解決をするのじゃないか、そのように思いますが、この産業廃棄物をどの程度減量しようと思っていらっしゃるのか。国として明確な目標を立てるべきではないか、おおよその目安をともかくやはり立てるべきではないか、そのように思いますが、どのような方針で臨まれるのか。それとも排出量の増加率を抑制すればいい、そのように思っていらっしゃる程度なのかどうか、この点について明確にお答えをいただきたいと思います。
  156. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず、市町村が減量計画の作成等の必要な事項を指示することができる多量排出事業者の「多量」でございますが、この判断基準は、各市町村におきます廃棄物の発生量や処理体制の状況に応じまして決められるべきものでございまして、現段階におきましても市町村ごとに考え方にかなりの差がございます。そうした実情等を見ますと、今直ちに一律に、多量はこれ以上というふうに決められないもの、しばらく市町村の判断に任せて状況を見守るというのが適当な分野ではないか、こういうふうに考えております。  減量化目標なり内容でございますが、減量化計画の具体的な内容といたしましては、廃棄物再生方策、どのようにリサイクルに回していくかという再生方策、それから事業者がみずから行います廃棄物処理のやり方、処理の方策、それから原材料等の転換によりまして廃棄物が減量できないかという、プロセスの変換によります減量方策などが考えられるわけでございますが、この点につきましても、減量の目安につきましては、それぞれの地域の特性を見定めまして、市町村の判断によって定めるという形で指導したいというふうに思っております。  こうした減量に対します指示、計画の策定等、守られるかどうかという三点目でございますが、今回の改正によりまして、事業者の責務として、廃棄物の減量等について地方公共団体施策に協力をしなければならない、こういう規定を置いておりますし、一般廃棄物につきましては市町村処理計画に基づいての実施、それから、かなりの部分は市町村処理施設に搬入をされるという実態がございますので、市町村の指導は適切に事業者に行き届くというふうに考えております。廃棄物処理法改正の動きを受けまして、現在各地でそれを先取りといいましょうか、その精神に基づいて事業者を指導し始めている市町村が出てきておりますが、現在のところ、おおむね円滑に減量化の指導が行き届いているように見受けられるところでございます。  それから、産業廃棄物の多量排出者に対して、処理計画を作成させることができるとしておるわけでございます。これは都道府県知事の仕事ということにしておるわけでございますが、まず排出事業者排出いたしますみずからの廃棄物について十分実情を把握し、廃棄物排出抑制でございますとか再生利用促進等によります方策を検討させ、減量化及び適正な処分確保を図るということを目的としたものでございます。したがいまして、指示をいたします計画の中には、排出をいたします廃棄物種類、発生量及び処理量の見込み、それから廃棄物減量化再生利用その他の適正処理に関する事項を定めていただくことにしたいと考えておりまして、御指摘いただきましたような減量化に対する計画内容もこの処理計画の中に織り込まれる、処理という概念の中に減量ということも大きな要素として入っているというふうに私ども考えております。  この計画を立てます人は廃棄物を出します事業者でございまして、それに対します指導といいますのは都道府県の役割ということにしてございます。産業廃棄物減量化処理に当たりましても、単に数字的に何%減ということではなしに、その発生の状況処理の過程、あるいは原料等を変えることによります廃棄物への効果、いろいろな側面の要素がございますので、それらにつきまして十分検討をし、各ケースにおきまして具体的な指導ができるようにと考えております。国としても産業廃棄物に対します情報の提供等の責務を新たに負うことになりますので、そうした減量化処理のための必要な情報の収集、提供には努めていきたいというふうに考えております。
  157. 大野由利子

    ○大野(由)委員 廃棄物をどれだけ減量しようかという目標なくして、協力をするようにという責務だけ押しつけられても、どこまで十分な実効性があるかどうかということが非常に疑問であるわけでございますが、まず、この産業廃棄物排出量が果たして幾らの排出量なのか、そういう十分な認識がなされているのかどうかという疑問があるわけでございます。現在三億千二百万トンという、推定でしょうが出ておりますが、この三億千二百万トンという数字はどのようにして出されたのか、お伺いしたいと思います。
  158. 小林康彦

    小林(康)政府委員 産業廃棄物の全国の排出量は、全国的な産業廃棄物排出原単位を業種別に求めまして、それに産業の活動指標を掛け合わせ て求める原単位による算出をとっております。この実態調査、実績調査につきましては、全国の都道府県がおおむね五年ごとに産業廃棄物排出処理状況の詳しい調査をいたしておりますので、従来五年ごとに厚生省が全国調査を行い、排出実態をまとめるというふうにしてきたところでございます。  厚生省といたしましては、来年度に産業廃棄物の全国の排出処理状況の詳細な調査を行い、御指摘のございました最新の状況を把握したいと考えております。ここでは産業廃棄物排出量につきまして、マクロ的に一定の仮定を置いて推定をするという手法もあわせてとることにしております。現在、一九九〇年度では、約三億六千万トン程度にふえているのではないかというふうに予測をしておりますが、詳細は来年度の予算で丁寧な調査をし、廃棄物の実態をさらに明らかにしていきたいと考えております。
  159. 大野由利子

    ○大野(由)委員 昭和五十年の新聞記事がございます。十六年前のものですが、通産省のデータによりまして昭和四十八年度の時点で調べた産業廃棄物が三億五千万トン、そのように新聞に掲載をされております。このことを厚生省も御存じだと思うのです。あれから十六年間、産業廃棄物の量がふえないで、むしろ減ったということはあり得ないと思うわけですが、この辺はどのように認識をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
  160. 小林康彦

    小林(康)政府委員 全国にわたります各業種にわたりましての調査、推定作業を含んでおるものでございますので、その前提といたしました状況によりまして、推定者により多少の差が出るのはやむを得ないというふうに思っております。私どもは五年ごとに調査をしてまいりまして、最近五年間で産業廃棄物は七%増加しておるという把握をしておりまして、産業界の努力もございまして、経済活動の伸びよりは少な目の産業廃棄物排出、現在三億一千二百万トンと押さえておりますが、妥当なところの数字であろうというふうに考えております。
  161. 大野由利子

    ○大野(由)委員 産業廃棄物の推定の仕方によって数が変わってくるという、そういう御答弁でございましたが、通産省、厚生省、また環境庁等によってこれほど数字に大きな差が出てくるというのは一体どうしてなのか、その辺のきちっとした正確な実態調査をして、また、その結果国民にこれこれの目標、どの程度の廃棄物抑制をしたいというそういう目標を定めて、そして国民また事業所、さまざまな立場の方の御理解をいただいて、全力を挙げて努力をするということがもっともなやり方ではないか、そのように思いますけれども、もう一歩その辺が、どれくらい減量をしよう、廃棄物を減らそうと思っていらっしゃるのか、ふえるのを抑えようと思っていらっしゃるのか、その辺がこの法案では明確ではございませんので、もう一歩この辺をはっきりさせていく必要があるのではないか、そのように思います。  それから次の、同じ目標についてでございますが、最近ドイツで、増大する包装ごみ製造者と販売業者の責任で回収、再生させるという決定をいたしまして、家庭ごみ年間三千万トンのうち少なくとも千二百万トンがこれで減るであろう、そういう目標を掲げて、そして包装ごみ製造者、販売業者に回収、再生まで協力を求める、そういうふうなことが報道されておりましたけれども、このように目標値を掲げるということと同時に、製造者なり、そういう製造責任というその立場から努力をしていただくということが大事なのではないか、そのように思うわけでございます。  ごみの総量を減らすためには、できるだけ再資源化する、リサイクルするということが大事なわけですけれども、メーカーが生産工程から再利用する、再資源化しやすいものをつくる、そういう配慮が必要なのに、肝心の製造者の責任が今回の法案は抜け落ちてしまっているというのが非常に残念なわけでございます。  いろいろと業界からの圧力もあったのではないか等々の取りざたもされているわけでございますが、実はこのリサイクル製品にはもっと思い切って減免措置をする、使い捨て製品には課税をする、そのような措置を思い切ってとっていかなければリサイクルも進まないのではないか。製品によって減免措置をする、課税措置をする、製品によってそのように決めるのがもし難しいようであれば、企業ごとに原料にリサイクルをしたものをどの程度使っているか、その割合によって減免なり課税なりを、課税率を決めていく、そういう方法もあろうかと思います。企業がもっと熱心に製造段階で、素材の段階で再資源化しやすいものをつくっていく、製品の段階でつくっていく、そういう努力が必要ではないか、そのように思いますが、厚生省の御見解を伺いたいと思います。
  162. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず最初の減量化目標についてでございますが、全体の減量化目標をマクロに掲げるということも重要でございますが、それぞれのルート、形態ごとに丁寧に実態を把握して、その中で目標検討し掲げていく、そうした積み重ねがここしばらく重要だろうと認識をしております。  廃棄物を考えまして製品を製造し、販売するということが大変重要でございまして、そのために今まで廃棄物再生利用促進というところで税制が幾つかございまして、廃プラスチックの再生でございますとか古紙の脱墨、インクを取る技術処理装置等につきまして、税制上の優遇措置が認められているところでございます。先生お話のございましたように、製品にする段階での税制につきましては、事業者に対します廃棄物減量化への意欲づけ、あるいは再生利用促進のためのインセンティブを高める手段の一つと位置づけられるのではないかというふうに考えております。  しかし、商品に着目をいたしまして、今のような素材に着目をして課税を行いますことは、税の負担を生産者、販売者、消費者のどの段階で課すのか、それから使い捨て、リサイクル、こういった判断基準で課税等の対象をどのように定めるのか等々さまざまな検討課題がございまして、廃棄物環境問題に関します税制全般の中で幅広い観点から研究すべき課題であると考えておりまして、現在直ちにその税制で実施を提案という段階にないというふうに私ども考えております。
  163. 大野由利子

    ○大野(由)委員 今、現状においては直ちに実施することは難しいという御答弁であったかと思いますが、ぜひこの点まで踏み込んで検討していただかなければ再資源化は進まないのではないか、ただ業界にお願いをするというだけでは進まないのではないか、そのように思いますので、ぜひ一歩進んでこの辺の検討を進めていただきたい、そのように要望をさせていただきたいと思います。  次の質問でございますが、「今後の廃棄物対策の在り方について」という答申の中に、「オフィスから排出される紙くずや建設業に係る紙くず、木くずなどについては、産業廃棄物とする方向で検討する必要があると思われる。」また「廃棄物の区分を家庭系と事業系に区分して一般廃棄物は家庭系に限定するなど、廃棄物の区分の基本を見直す考え方もある」、そのように答申の中に出ているわけでございますが、実際に出てきた改正案を見ますと、事業一般廃棄物処理市町村の責任として、産業廃棄物じゃなくて一般廃棄物、そのように分類がされているわけでございます。しかし、事業一般廃棄物処理に関しましては、その費用は全額排出事業者が負担すべきではないか、生活一般廃棄物と費用の点では明らかにこれは扱いを分けるべきではないか、そのように思います。  産業廃棄物排出事業者のみずからの責任のもとで処理をしているわけでございますので、そういった意味では事業一般廃棄物事業者の責任のもとで行う、全額負担をすべきではないか、そのように思いますが、厚生省の見解を伺わせていただきたいと思います。昭和六十三年現在の調査では、事業系の一般廃棄物の費用を三八%の市町村が無料で取り扱っているという現状がございますが、これに対してどのように行政指導をなさるか、お伺いしたいと思います。
  164. 小林康彦

    小林(康)政府委員 事業所から出てまいります紙くず等につきましては、生活環境審議会の答申の中で、産業廃棄物に区分がえをするか、あるいは事業一般廃棄物としたままでも、その処理に要する費用を実質的に事業者が負担をするように、こういう二つの選択肢をつけた答申をいただいたというふうに理解をしております。  現在のオフィスから出ます紙ごみ、量は確かに多量になってまいりましたが、それぞれ一般廃棄物としての処理の体系が一応整っておりますし、その性状を見ますと焼却に支障がないものでございますし、リサイクルに回せばリサイクルに回るということで、処理に特に困難性を要するという要素も薄いというところもございまして、量は多いわけでございますが、今直ちにそれを産業廃棄物に切りかえて、一般廃棄物処理の体系から産業廃棄物の、具体的には許可業者の手に切りかえるというのは実態の上でも混乱が生ずるおそれもございまして、産業廃棄物にせず、一般廃棄物の区分に置いたまま費用の負担の強化を図るという選択をしたわけでございます。  一般廃棄物の中で事業系のものにつきましては、その排出の実態あるいは処理の経費を勘案いたしまして、市町村条例処理手数料を定める、こういう例示を新しい条項の中に入れまして、事業所から出ます量の多い紙ごみにつきましては、適切な費用を排出者に負担をしていただく、こういう方向づけをしたところでございます。そうした形で適正な処理及び適正な費用の負担というものを図ることにしたところであります。
  165. 大野由利子

    ○大野(由)委員 適正な負担をしていただくということでございますが、遠慮してなかなかきちっと請求できない市町村もあるかと思います。事業一般廃棄物に関しては、排出費用は全額その事業所で負担をしていただくのが原則だというくらいに、しっかりと行政指導をしていただくのが望ましいのではないか、そのように思います。  続いて、厚生大臣は、一般廃棄物のうちから適正処理困難物を指定することができる、そういう法案の内容になっておりますが、この適正処理困難物の定義と判断基準、根拠等について教えていただきたい。これが一点目でございます。  二番目は、市町村によって処理能力に差があって、巨大な処理施設を持つ市では適正処理困難物ではないけれども、小さな処理能力の市では適正処理困難物になってしまうというように、市によって基準が変わってくるかと思いますが、どちらの市を基準にして指定をされるのか。二点目でございます。  三点目は、既に市町村によっては業界に協力をしていただいて、回収処理をしていただいている市があるわけでございますが、今回の法律ができて、それから外されるというようなことも考えられるかと思います。業界に協力を求める権限を厚生大臣だけではなくて知事または市町村長にも与えるべきではないか、少なくとも自治体指定票請権が認められるべきではないか、このことを法案の中にきちっと明文化すべきではないか、そのように思いますが、これについてお尋ねしたい。  四番目は、市町村は「事業者の協力を得ることができるよう、必要な措置を講ずることを要請することができる。」法案にこうあるわけですが、内容がはっきりいたしませんで、これは資金提供なのか、単なる自主回収なのか、またはインフラ整備なのか、どの程度の協力を要請することができるのか、内容について全く不鮮明でございますので、この点について教えていただきたいと思います。
  166. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず、適正処理困難物の定義でございますが、現に市町村がその処理を行っております一般廃棄物でありまして、市町村一般廃棄物処理に関する設備及び技術に照らして、その適正な処理が全国各地で困難となっていると認められるものを厚生大臣指定することができることとなっております。厚生省としましては、この趣旨に照らしまして、市町村における一般廃棄物処理状況を調査した上で、適切に指定を行う所存でございます。したがいまして、適正処理困難物の要件といたしまして、全国各地の市町村処理が困難になっている状態というものを考えております。  こうした適正処理困難物を厚生大臣指定をすることによりまして、従来からの事業者の協力が得られにくくなるのではないかという疑問を出していただいておりますが、全国各地で困難となっております一般廃棄物につきまして調査をいたしまして、要件に合致するものを指定するということにしておりますので、指定の必要なものにつきましては、適正処理困難物として指定をされる流れに乗っていくというふうに考えております。  また、今回の改正案におきまして、廃棄物適正処理観点から、厚生大臣事業を所管いたします大臣に対して、製品に材質等の表示を行わせるほか、必要な措置を講ずるようその製造者等を指導することができるとともに、事業者の一般的責務として、従来の事業者の責務に加えまして、廃棄物の減量その他その適正な処理確保に関する国及び地方公共団体施策に対する協力義務規定を新たに設けております。このように事業者の責任、事業者の協力に関しましては、従来に比べ一般的に強化をし、さらに適正処理困難物という区分もつくっておりますので、今までよりも協力を得にくくなることはないというふうに考えております。  それから、市町村からこの指定につきまして厚生大臣に要請をするという方法はどうか、こういうお尋ねをいただいております。厚生大臣は、指定に当たりまして、一般廃棄物処理状況を調査することになっておりますので、この際に市町村の意向も十分把握できると考えておりまして、特段規定を置く必要はないというふうに考えております。また、市町村が必要と考えます場合には、この指定に関しまして厚生大臣に対して要請いたしますことは、法律の根拠がありませんでも、地方公共団体の業務として十分できることでございますので、今回特段の規定を置かなかったところでございます。  最後の、適正処理困難物について事業者の協力の内容はどうかというお尋ねをいただいております。この協力の内容は、指定をされます廃棄物種類製造者等によります回収処理体制の整備状況によりまして、いろいろな形が考えられると思いますが、具体的には、製造者等によります引き取り及び処理製造者が直接引き取り、処理をするという方法、それから、製造者等によります住民等にこういう処理ルートに乗せれば適切に処理ができるという処理ルートの紹介、三番目は、製造者等によります市町村の行う収集、運搬への協力、四番目が製造者等によります市町村における処分への協力、五番目に製造者等による市町村処理するのに必要な費用の一部負担、こういうような方法が考えられまして、業種、全国的なネットあるいは地域的なネット、市町村状況等によりまして、これらを単独あるいは組み合わせての協力内容というものを想定しております。
  167. 大野由利子

    ○大野(由)委員 市町村長の意見は十分反映されるという御答弁でございましたが、処理能力の下の方のレベルの市町村の意見が反映される、要望が反映される、そう受けとめて間違いではございませんでしょうか。
  168. 小林康彦

    小林(康)政府委員 市町村によりまして廃棄物処理の能力にはいろいろの差がございます。私どもとしては、全国的に処理が困難ということで、大都市では処理が可能でありましても、多くの市町村処理の体制が組めないというものについて指定をしたいというふうに考えております。全国的に少数の、わずかの市町村が体制がとれないというようなものにつきましては、市町村側での処理の体制のレベルアップという点も必要な部分もあろうというふうに考えております。
  169. 大野由利子

    ○大野(由)委員 適正処理困難物と指定されるものに現在どういうものを想定していらっしゃるか、教えていただきたいと思います。
  170. 小林康彦

    小林(康)政府委員 大型で運搬あるいは破砕に困難を来すようなもの、具体的には家庭におきま す耐久消費財のようなものを想定しております。
  171. 大野由利子

    ○大野(由)委員 有害物質を含む一般廃棄物、例えば乾電池等は適正処理困難物に指定されますかどうか、お答えいただきたいと思います。
  172. 小林康彦

    小林(康)政府委員 有害物を含んでおりまして処理が困難なものというのは、その資格があると考えておりますが、乾電池につきましては、最近メーカーの努力によりまして、水銀を含まない乾電池におおむね切りかわる方向が定まっておりますので、そうした状況を見ながら判断、検討をしたいというふうに思っております。
  173. 大野由利子

    ○大野(由)委員 今、水銀が少ないものに切りかわりつつあるとおっしゃいましたけれども、これも水銀の国内総生産量は従来よりもふえている現状でございます。また、輸入乾電池も非常にふえている現状でございます。水銀に関して申し上げましてもそうでございますし、また、水銀よりも今大変大きな問題になっておりますのはニッケル・カドミウム電池で、これは今ビデオカメラ、無線電話、またノート型パソコン等に非常に普及をしておりまして、このカドミウムが大変大きな含有量を持っております。この電池が大変問題になっております。これはかつての富山県のイタイイタイ病の原因にもなりましたけれども、このカドミウム電池についてどのように扱われるようになるか。これはさっき申しました処理困難物になるのかどうか、その辺お答えいただきたいと思います。
  174. 小林康彦

    小林(康)政府委員 ニッケル・カドミウム電池には、ビルその他非常用の電源として使用されている大型のものと、家庭用の電気機器で使用されている小型のものがございます。最近ではビデオカメラでございますとかパソコン等、携帯式の電気器具や電子機器の普及につれて、家庭用の電気器具への使用量が急速に増加をしているというふうに承知しております。ニッカド電池は現在回収ルートが不十分でございまして、回収ルートの確立と回収率の向上が今後の課題というふうに承知しております。ニッカド電池はカドミウムの含有率が十数%でございまして、その適正な処理を図る必要があるとともに、ニッケルの再生にも資することから、厚生省といたしましては回収率の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。  適正処理困難物に指定するかどうかにつきましては、これからの検討事項でございます。
  175. 大野由利子

    ○大野(由)委員 今現在このカドミウムは約千五百トン電池に使われておりまして、二割程度しかリサイクルされてない、そういう現状でございますし、また、電池だけ取り出すことはできないものが非常に多い、四割ある、そういう現状でございますが、指定されないと一般のごみとして埋立処分がされるということも考えられ、また、非常に私たちの健康を損なうおそれも出てくるわけでございますので、この辺真剣に取り組んでいただきたい、そのように思います。  時間がもうちょっとなくなってきましたので、もっといろいろお尋ねしたかったわけでございますが、最後に一つだけ有害物質について。  日本は非常にこの指定が少のうございます。旧西ドイツでは八十五、アメリカでは四百五十指定されている現状でございますが、一刻も早くこのバーゼル条約等の批准もやっていただきたいと思いますし、少なくともバーゼル条約で規定されています四十七物質に関しては有害廃棄物として指定をする必要があるのではないか、そのように思いますが、その点について最後にお話を伺わせていただきたい、そのように思います。
  176. 小林康彦

    小林(康)政府委員 特別な管理を要する廃棄物につきましては、従来有害産業廃棄物という区分だけでございましたが、今回、爆発性、毒性、感染性という要素まで入れまして、特別な管理を要するということで特別管理廃棄物という区分をし、適切な管理を図るということにしておるわけでございます。その対象等につきましては、お話のございました諸外国の動向あるいはバーゼル条約に見られますような国際的な協定、条約等の動きも見ながら、今後計画的にその対象について検討を進め、落ちのないような規定にしていきたいというふうに考えております。
  177. 大野由利子

    ○大野(由)委員 当初の答申よりもこの廃棄物処理法改正案が非常に後退をしているということを非常に心配しているものでございますが、今後のこの廃棄物の問題に関して厚生大臣の御決意を伺わせていただいて、終わりたいと思います。
  178. 下条進一郎

    下条国務大臣 廃棄物の問題は、委員指摘のように国民生活のいろいろな分野に大変大きな波紋を投げかけ、またその対策は慎重を期し、またすべての廃棄物がいろいろな問題を起こさないように手立てをしていくことが肝要でございます。そのために、今までの法律においては十分でなかった点を今度改正をいたしまして、さらに整備の整った法体系の中で、今御指摘のような問題を解決していくように努力をしてまいりたいと考えております。
  179. 大野由利子

    ○大野(由)委員 ありがとうございました。
  180. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 児玉健次君。
  181. 児玉健次

    ○児玉委員 日本ごみの列島にしない、そのためにも今度提起されている改正案は非常に重要な内容を持っている、こう思います。私はきょうの質問では、まずいわゆる適正な処理が困難な廃棄物についてお尋ねをしたい、こう思います。  今も御質問がございました。ただいまの厚生省のお答えでは、適正処理困難物として、大型で運搬や破砕が困難なものを考えているというふうなお話でしたが、もっと具体的にその品目を言っていただけませんか。
  182. 小林康彦

    小林(康)政府委員 現段階で指定を予定しておりますものを具体的に私どもとして列挙することはできないわけでございますが、市町村廃棄物行政の集まりでございます全国都市清掃会議からは、具体的に大型テレビ、大型冷蔵庫等の大型家電製品、スプリング入りマットレス、タイヤ等が挙げられ、要望が出ているところでございます。
  183. 児玉健次

    ○児玉委員 昨年の十二月十日、生活環境審議会が出された答申の中で、「適正な処理が困難な廃棄物の引取り」云々というところで、「大型テレビ、冷蔵庫やタイヤ、自動車、オートバイなど市町村の通常の行政サービスでは処理が難しい一般廃棄物」というふうに述べておりますね。これは非常に素直な整理だと思うんです。市町村処理するのが難しい廃棄物、そういうふうに見ていきますと、今厚生省が言われたもののほかにさらに幾つかのものがある。市町村の意見を十分聞いていけばその品目は追加されていきますね。どうですか。
  184. 小林康彦

    小林(康)政府委員 市町村処理の対象になっているもので処理が困難だ、こういうことがございますので、ただいま例示を挙げていただきました自動車につきましては、市町村廃棄物の体系に入らずに収集、回収のルートが確立をできれば、適正処理困難物に指定する必要はないというふうに考えております。
  185. 児玉健次

    ○児玉委員 その点は後からもう少し議論をしたいと思います。  そこで、厚生大臣処理困難物の指定を行う。指定から除外された廃棄物は、今回の改正案の第六条でいろいろ述べられている事業者の責任が外されることにはならないだろうか、市町村にその処理のすべてが押しつけられることにならないだろうか、そういう危惧を持つのですが、もしそうでないとおっしゃるんだったら、そうでないと言われる根拠を具体的に述べてください。
  186. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず、適正処理困難物の指定に際しまして、全国的に調査をいたすことにしておりますので、真に指定が必要な廃棄物につきましては指定のルートに乗るものと考えております。また、廃棄物処理法におきまして、従来から事業者に対して、製品等が廃棄物となった場合に、その適正処理が困難とならないようにしなければならない、こうした事業者の責務としてり規定を定めまして、行政といたしましても、製品等の処理困難性の自己評価をガイドラインにより指導しているところでございます。  さらに、今回の改正法におきまして、廃棄物適正処理観点から、厚生大臣事業所管大臣に 対しまして、その製品に材質等の表示を行わせるほか、必要な措置を講ずるようその製造者等を指導することができることとともに、事業者の一般的責務といたしまして、従来の責務に加えまして、廃棄物の減量その他その適正な処理確保に関し国及び地方公共団体施策に対する協力義務規定を新たに設けることとしておりまして、従来の事業者の責任、事業者の協力に対する姿勢、義務につきましては弱めているところはございませんで、強化をした面だけでございますので、従来以上にこの点での効果を上げられるものと考えております。
  187. 児玉健次

    ○児玉委員 議論をかみ合わせたいので、私、今そうでないと言うんだったら、そうでないという具体的なその根拠を言ってくれと申し上げたんです。  この法律の第六条の三その二で、市町村長は、事業者に「当該市町村において当該一般廃棄物処理が適正に行われることを補完するために必要な協力を求めることができる。」こういうふうになっていますね。そして、先ほどの同僚議員の質問に対して厚生省は、例えば引き取り処理処理ルートの紹介、収集への協力、処分への協力、必要な経費の一部負担、こういうふうに述べられた。これはもっと多様だと思います。しかし、これらの部分が指定から外されてしまったら、この法律でほぼ明示されている事業者の協力というのが消えていきませんか。どうですか。
  188. 小林康彦

    小林(康)政府委員 全国的に必要なものにつきましては、指定というルートで乗りますので、その点につきましては十分カバーできると思っております用地域地域での工夫、協議あるいは指導によりますものにつきましては、先ほど申し上げましたような規定を置いておりますので、市町村の個別的な指導、協力という形で解決ができる単位というふうに考えております。
  189. 児玉健次

    ○児玉委員 今の問題はちょっと別の観点で議論をしてみたいと思います。  処理困難物に対する事業者の責任について、先ほど私が引用しました生活環境審議会の答申は、「生産、流通、販売ルートを通じた回収システムを促進していく必要がある。」こう明記しておりますね。そして、答申はあわせて「一定の要件の下に、市町村製造者等に引取りを求める、または、市町村処理費用の一部について負担を求めるこさらに幾らかのことを言って、「新しい制度の創設を検討すべきである。」こう言っています。非常に具体的で見識のある提起だと思いますね。そこのところを厚生省としてはどのように具体化されようとしていますか。
  190. 小林康彦

    小林(康)政府委員 それを受けまして適正処理困難物の指定という制度を設けたつもりでございます。基本の協力要請権限は市町村に置いておりますが、市町村それぞれがそれぞれの判断で要求を出しますと、その間に大きな差が出ることもございますし、物によりましてはかなり広範囲での対応が必要なものがございますので、厚生大臣指定という一つの前段階の行為、調整部分を入れまして、全国的に合理的な収集、回収あるいは協力の体制が組めるように、そうした体制を整備をしたつもりでございます。
  191. 児玉健次

    ○児玉委員 今の全国的に可能な収集、回収の仕組みをつくっていく、この点は非常に重要な答弁だと私は思うので、早速着手をしていただきたい、こう思います。  さて、製造者の引き取り責任、販売ルートを活用した収集システムの創設についてですが、ことしの六月に発表された公正取引委員会事務局のつくりました主要産業における生産集中度に関する調査、この調査は一九八七年と八八年の両年を対象にしたものですが、読んでみましたら非常に興味深いのです。例えば電気冷蔵庫、三つのメーカーで日本じゅうの電気冷蔵庫の五九%を生産している。八つのメーカーで実に九八・三%です。ほぼ全部をカバーしますね。普通自動車についていえば、上位三社で八一・一%です。そして五社で九八・八%。ですから、大臣、メーカーがそのメーカーの持っている販売ルートを逆に使えば、何もたくさんのメーカーをカバーする必要はない。今の電気冷蔵庫や普通自動車でいえば、三つで大体相対的多数をカバーできるし、五つ、八つでほぼ全部をカバーできる、そういう状態になっているようですね。国が数社に対する本格的な対策、指導に乗り出したら、回収ルートの創設、処理費用の分担がほぼその品目については全体的に進んでいく。それは同時にその企業のイメージアップにもつながるだろう。この点で厚生省の考えを聞きたいのです。
  192. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お話のございましたように、生産から販売に至るルートを逆にたどりまして回収をするのが最も合理的と判断をされる廃棄物あるいは製品があろうと思います。ただ、個々のものにつきましてどういうルートを確立するのがいいか。メーカーは数が少ない場合でございましても、途中に入っております卸、小売、流通系統等複雑な場合もございますので、それぞれの廃棄物に応じまして合理的な協力のあり方を検討し、実施に移していくのが重要というふうに考えております。
  193. 児玉健次

    ○児玉委員 そこで、私は放置自動車の問題を一つの例として取り上げたいと思うのです。全国にどのくらいの放置自動車があるのか、警察庁を呼んで聞いてみましたら、わからないということでした。では公道、道路を管理している建設省はどうかと、建設省の担当者も部屋まで来ていろいろ話しましたが、これまたわからないというのです。幸い厚生省は、この八月に全国の都道府県の放置自動車に関する調査を依頼された。非常に積極的なことだと思います。この調査はぜひ完成させて、そしてその結果を私たちにも示していただきたいし、皆さんの取り組みを参考にしていただきたいのです。  そこで、大臣伺いたいのですが、廃棄物の適正な処理という国民的な課題の中で、放置自動車はもう社会的な問題になりつつありますが、この問題をどのように位置づけていらっしゃるか、大臣のお考えを伺います。
  194. 下条進一郎

    下条国務大臣 今委員が御指摘になりましたように、実態を把握することが一番大事でございますが、谷底にあるとかあるいは人の目につかないところに置かれるというようなことでありまして、まだ実態がわかっておりません。その面で八月に各都道府県に調査を依頼したわけでございます。早急にこの結果を取りまとめまして、実態把握の上でさらに強力な対策を講じてまいりたいと思いますが、ただいまはこれを確認して、そしてわかったものについては直ちに撤去してもらうというのが筋でございます。  これはもちろん持っている人がわかった場合でございますが、しかしながら、廃車後のナンバーの記録の有効期間がたしか五年というようなことも聞いておりますので、その車を確認いたしましても実際の所有者がはっきりいたさない、不明であるというようなこともありますので、やむなく市町村廃棄物として処理を行うことがありまして、そういうために、これに協力してもらい。ますように、日本自動車工業会等がその処理費用を負担する制度厚生省の指導も踏まえて実施に移されたところでございます。また同時に、このような自動車の放置を防止するために、販売店が廃棄車両を引き取り、専門の処理業者に引き渡す制度も実施に移されております。これらの制度が円滑に運営されるように指導することによりまして、放置自動車の適切な処理と自動車の放置の防止に努めてまいりたいと考えております。
  195. 児玉健次

    ○児玉委員 今の問題なんですが、確かに放置自動車が犯罪に関係がある場合もあるし、それから、所有者を調べていくという点で非常な困難がある。  私は、この機会に厚生大臣に申し上げたいのですが、今この放置自動車の問題というのが市町村にとって非常に重要な問題になっております。横浜市のデータを取り寄せたのですが、横浜市が公道上に放置されている自動車を処理した台数は、昭和六十年が十六台、六十一年二十一台、六十二年が八十九台、六十三年が百八台、一昨年は三百 六十四台、そして昨年は五百七十三台です。ことしは四月以降のわずか四カ月で既に二百五十台になっていますから、一年間通すと千台に近づくかもしれません。そのくらい急増している。そしてこれは、さっき部長がおっしゃった多くの市町村処理しているというくくりでいえば、今まではくくれなかったかもしれないけれども、急速に全国化している。  そういう中で横浜市は、放置自動車及び沈船等の発生の防止及び適正な処理に関する条例案を九月十日に市議会に提出されているのですね。その内容を私取り寄せてみましたら、第四条でこう言っています。「事業者等は、自動車又は船舶が放置自動車又は沈船等とならないよう回収その他の適切な措置を講ずるよう努めるとともに、横浜市が策定し、及び実施する総合施策に協力する責務を有する。」と言っています。かなりずばっと言っています。事業者は、自動車や船が放置されないよう回収その他の適切な措置を講じると言って、そして横浜市がやる施策に協力する責務がある。国もこういった態度を一つの重要な参考にしながら、取り組みをさらに具体化し、強化し、その点で急ぐべきでないかと思いますが、その点を最後に伺いたいと思います。
  196. 下条進一郎

    下条国務大臣 粗大ごみとか扱いの困るごみ、そういうものについての対策は大変重要なことでございまして、そのためにメーカーの段階から御協力をいただかなきゃならない、こういうことになるわけでございます。この問題につきましては、既に通産省の法律で、リサイクルという見地でこの問題の対策を講じていただいておりますが、厚生省としては、廃棄物という立場からメーカーに関心を持っていただくということでございまして、その処理の困難なものについてはそれぞれの所管の官庁に厚生省から協力を要請して、メーカーの段階からそのような後の回収が容易になるように御協力していただくように、これからも努めてまいりたいと思っております。
  197. 児玉健次

    ○児玉委員 本日の質問は、これで終わります。
  198. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 柳田稔君。
  199. 柳田稔

    ○柳田委員 時間が短いので、簡単な御答弁をお願いしたいと思います。さらに、何度も何度も質問されたことの再確認になるかもわかりませんけれども、御返答をお願いいたします。  まず、マニフェスト制度についてでございますけれども、今回政府案の中では、爆発性、毒性、感染性の特別管理産業廃棄物についてのみマニフェスト制度を適用する、その他の産業廃棄物については適用しないということになっております。しかし、マニフェスト制度産業廃棄物適正処理に極めて効果的であるということは明らかでありまして、このことは厚生省の方も認識をされていると思うわけであります。このマニフェスト制度について、限定するというのが今回の中身でありますが、今後いろいろな廃棄物についてこのマニフェスト制度を導入していこうということについて、私はそれなりの意味があるかと思うのですが、そのことについては厚生省はどのように御判断されておりますでしょうか。
  200. 小林康彦

    小林(康)政府委員 マニフェスト制度は、排出事業者によります廃棄物の流れの把握及び廃棄物の性状等に関します情報の正確な伝達を目的として導入したものでございますが、今回お話のございますような限定をいたしましたのは、廃棄物処理に要します事務的負担が過大なものとならず、合理的範囲にとどめる必要があると考えたこと、諸外国の例を見ましても有害廃棄物処理に限られている、こういうことから、人の健康または生活環境にかかわる被害を生ずるおそれのある特別管理廃棄物についてのみ義務づけたところでございます。  なお、その他の特別管理廃棄物以外の産業廃棄物につきましても、従前から行政指導で行っておりますマニフェストに関しまして、その使用の普及定着に努め、その普及定着の状況を踏まえまして、今後この制度の適用範囲についてさらに検討してまいりたいというふうに考えております。
  201. 柳田稔

    ○柳田委員 マニフェスト制度導入については、いろいろな事務的な煩雑さ並びに人の配置の問題とか、いろいろ問題があるという御指摘でございました。そのことについては理解ができるわけでありますけれども、厳然として不法投棄がある、これを早急になくしていきたい。まず、こういう不法投棄がなければマニフェスト制度も導入する必要がないわけですけれども、厳然として不法投棄が行われておる。今度はその不法投棄されたものに対する除去について質問させていただきたいわけであります。  捨てた人がはっきりわかっている場合について質問させていただきますけれども、今回法案の中では、知事に支障除去命令が出せるというふうになっておるようであります。このことについては評価をしたいというふうに思うわけでありますけれども、放置している廃棄物の中には、これは環境汚染の問題があるというふうな、人体の健康にも害があるというふうに見られる不法投棄、そのことについて除去をしなさいということで知事が言っていった場合に、捨てた人が、これは捨ててあるのではなくて、再利用をするために今ここに置いているわけです、これが善意であり悪意であり、いろいろあるかと思うのですが、早急にどこか持っていっていただきたいし、また環境を考えると移動をしなければならない、人的な健康問題もあるというふうに判断をした場合でも、これはただ単に置いているわけです、再利用をするために置いているだけなので御容赦を願いたいというふうな御返事があった場合、このときはどういうふうに判断をされるのでしょうか。
  202. 小林康彦

    小林(康)政府委員 現在の法律におきましても、排出事業者に対する改善命令及び不適正な処分に対する措置命令が規定をされておりますが、今回の改正法案では、保管、収集、運搬処分、これらの基準に適合しない産業廃棄物処理が行われました場合には、処理を行った者に対し、都道府県知事が保管、収集、運搬または処分の方法の変更その他撤去も含めた必要な措置を講ずべきことを命ずることができることとされておりますので、御指摘のような場合にも十分知事の権限が発動できるものと考えております。
  203. 柳田稔

    ○柳田委員 今、十分というお言葉がありましたけれども、それはその近隣に住んでいる人の意見が十分反映されるというふうに聞いてよろしいのでしょうか。
  204. 小林康彦

    小林(康)政府委員 処理処分の基準に照らし、生活環境への汚染あるいはそのおそれ、そうした観点からの判断でございます。
  205. 柳田稔

    ○柳田委員 次に、排出者または不法投棄した人が、会社がわかりませんが、それがわからない場合についての質問でありますけれども、現状では不法投棄された側、うちのそばに捨てられた、大変困っているという場合は泣き寝入りをしている、何も言うことができない。言ったとしてもそれが除去されないというのが現状ではないかというふうに思うわけなんです。このような場合にも知事がかわって物をどこかへ移せる、適正な場所に運べるというふうにすべきではないかと思うのですが、このことについてはいかがでしょうか。
  206. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物不法投棄を行った者を確知、確認、認識することができない場合の都道府県知事措置命令及び行政代執行については、廃棄物処理法では特段の規定はございませんけれども、知事は、必要と認める場合には、民事訴訟法に定める公示送達の方法によりまして不法投棄産業廃棄物の除去等を命じ一これが履行されない場合には行政代執行を行うことができるものと解釈をしております。
  207. 柳田稔

    ○柳田委員 ということは、そういう情報があれば、判断をされて除去ができるということでございますか。
  208. 小林康彦

    小林(康)政府委員 そのとおりでございます。
  209. 柳田稔

    ○柳田委員 こういうことが多くあってはならないわけでありますが、そういうものを運ぶ、除去するというのには大変な費用がかかるかというふうに思うわけであります。それは地方自治体がすべて賄うというのが現状であるかと思うのですが、この費用に対して国として補助といいます か、負担ができるようなことは考えられないものでしょうか。
  210. 小林康彦

    小林(康)政府委員 不幸にして万一そういう事態がございました場合に、国がその回収費用を補助することはいかがか、こういう御意見でございますが、国が補助をするといたしますと、原因者の責任を不明確にして、不法投棄をかえって助長するおそれがあることから、不適当であるというふうに考えております。しかしながら、不法投棄が行われました場合の原状回復をさせることの重要性につきましては御指摘のとおりでございまして、今後そのための方策、財源につきましてさらに検討してまいりたいと考えております。
  211. 柳田稔

    ○柳田委員 最近ごみの問題がクローズアップをされてきまして、本法案が提出されたというふうに思っております。中身については、我々すべて一〇〇%納得、これが一番いいというふうには感じてないわけでありますが、大幅な前進であり、今後において希望が持てる、そういう気持ちを持っております。本法案をスタートといたしまして、今後増大するであろうごみの問題に対しまして、厚生省としても全力で当たっていただきたいという要望を最後につけ加えまして、質問を終わらせていただきます。
  212. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 次回は、来る十三日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時一分散会