○大城
眞順君
竹村委員の御質問にお答えいただきまして、
沖縄開発庁長官が
沖縄のビジョンというものを示していただいたわけでございますけれ
ども、やはり
沖縄開発庁だけでは
沖縄の
振興はできないと思います。そして、やっぱり夢を見ながら現実を踏まえていくということも大事だと思います。その現実の中で、戦後処理もまだまだたくさん残っております。あるいは各
省庁における
沖縄の
本土との
格差、むしろその幾分かは差別と言ってもいいぐらいのやつがあるわけであります。こういったものを抜きにしては、頭が出てしりが抜けちゃうというようなことでは
沖縄の
振興開発は私は達成できない、このように考える
立場から、その
格差とは何か、差別とは何かを二、三例示いたしたいと思います。
政府は、
沖縄の厚生年金の
本土との
格差是正について
県民の強い要請を受けまして、一九九〇年、去年四月一日から
沖縄の復帰に伴う厚生省
関係法令の適用の
特別措置等に関する政令を改正していただきました。このことにつきましては一歩前進ということで
評価をいたしますが、残念ながら抜本的改正にはなっておりません。この改正によっても、厚生年金は
本土の約七一%までしかたどり着いていないという現状であり、まだまだ大変な
格差があるようであります。この問題は、国の責任において
解決しなければならない最大の戦後処理の案件であります。その原因は、復帰時における
政府の措置が十分でなかったということであり、このことは年金
審議会を初め
政府自体認めるところでありました。これが
本土と完全に公平、平等になるまで要求し続けるため、今まさに
県民運動が大きく盛り上がっているところであります。
本院は
平成元年十二月五日の内閣
委員会においてこの問題を取り上げ、詳しく数字を挙げて議論をし、いかに
格差がひどく、大きいかを
指摘し、追及してまいりました。そのときの議論の結びといたしまして
政府は、「現実に
沖縄県民の方々が厚生年金を受給している額、そしてまた
本土の方が現実に厚生年金を受給している額、ここに
格差があって、今回の措置によってその
格差が完全に解消してしまうという形にはならないかと思っております。それは事実であろうかと思っております」、
格差があるということは十分承知しておりますと答弁され、
格差が現実に存在することを認めました。であれば、それを是正するのは当然のことであって、やらなければ
沖縄県民を法的にも政治的にも、また社会的にも経済的にも差別することに相なるわけであります。我々はこの
格差是正は加入年月日を
昭和二十九年五月一日まで遡及しなければ抜本的
解決にはならないと思いますが、この件について、まず厚生省のお考え方を簡略に示していただきたいと思います。