○田中(恒)委員
近藤大臣とは当委員会を
中心に大変長い間、
立場は異なっても
農業、
農村を思う心は同じでありまして、一緒に歩んできた仲でありますが、今の
農村というのはその前提に大変厳しい困難な問題を山積しておる、そういう中で
大臣に就任せられたので、私は余りおめでとうという
言葉も言えぬし大変なことだと思いますよ。あなたも腹の中ではこれはどうしたらいいかと悩まれておることは大変多いのだろうと思いますが、しかし皆さんがおっしゃるように、あなたはまあ自民党の中でも何人かの
農政のわかる人ということになっておるわけでありまして、そういう
意味での期待があると思うのですが、いざ物にしていくということになると、どれをとってみてもなかなか大変だと思うのです。
それで、
日本の
農政は特に国際化という問題が出てきて以降はどうも受け身、防戦に追いまくられて、頭の中では考えておるのだけれ
ども手足が動かぬ、こういう状態になっておるように思えますので、その辺を皆さんの
言葉をかりると、これからの新しい
農業、
農政のあり方について
一つでも
二つでも、何かあなたの、
近藤大臣の在任中に築いたというものをつくっていただくようにお願いをしておきたいと思うのです。
先ほど目黒さんが、
農業基本法を
勉強されるということだがどういう
内容だと言われましたが、なかなか今お答えはできぬだろうと私もわかりますし、
農業基本法ということになると大変な問題で、いろいろな
意見を聞かないといけないと思いますが、ただ先ほど来、この委員会できのうからきょうと
議論された中にも幾つかの大きな柱はあると思うのです。
例えば
日本の
農業の経営
規模が、
基本法農政が掲げた自立
農家をつくったかつくらないかという問題、点としては企業的
農業というか
専業農家層が多少あるが、しかしこれは面になり切っていない。そうするとやはり協業、協同ということはまた
一つ大きな問題ですが、その辺が可能かどうか、そういうことが出てくると思います。
あるいは国際化というものが非常に大きくかぶさってくる。
ガット・
ウルグアイ・ラウンドという形でこの委員会でも一番論戦されたわけでありますが、国際化というものがまたこれ、
規模拡大などと微妙に絡んできておる、そういうことが出てきております。
それから、やはり
大臣よくおっしゃるが、
地域の
農業、
地域で住みよい
地域社会をつくっていくという幅広い着想を持ちながら、しかしあくまでも
農業、林業、漁業、こういう
産業を発展させるという
意味の
地域づくりということがこれから非常に大切だと思うのです。私は、
日本の
農政は霞が関が動かしてきたと思う。ここにずらっと並んでおる官僚の諸君がその先頭であったと思うのですが、しかし霞が関
農政では動かなくなっておる。
農民もあるいは
関係者も余りもう信用しない、こういう状態になってきておると思うのです。やはり
地域でつくらせる、しかし
地域といったってどの
地域だということになったら、たくさんあってまことにさまざまであることも事実であります。そして全体としては人がいなくなった、それほどの厳しさを
我が国の
農業は今持っておると思うのです。人をどうするかというところあたりが出発になってくるのじゃなかろうかと私は思っておる。
実は私
どもは今度、
農業従業者援助法というか制度といったようなものを考えようやということで、今
勉強しておるわけであります。ヨーロッパの方ではもうやっておりますが、そういうものをまねしますから、もう農林省も目は向けておると思いますが、いずれにせよ、人をつくっていくというところから始めなければいけない。ことし二千百人の就業者だ、こう言っておる。二千百人といったらトヨタ自動車よりも多分少ないと思う、新入社員。それら一人一人に対して
政策の
焦点を置いて対応していくということをやっていけば相当な力が出てくるように思うのです。
そんなことを全体として感じておりますが、
大臣は、私が今申し上げましたことについて御
意見、御感想があれば承りたいと思います。