○赤尾
政府委員 ただいま
和田先生から御指摘のございました点について、数点申し上げたいと思います。
最初に、十九日の予算
委員会におきまして山口先生が言われました点、すなわち、二、三回言われたと思いますけれども、「デクエヤル事務総長は、このサウジアラビアに展開している米軍というのは
国連決議六百六十一号とは
関係がないんだ、別だということをおっしゃったでしょう。」という点が第一の点……(
発言する者あり)「別だということをおっしゃったでしょう。」と言っておられます。もう一度、二回目に「デクエヤル事務総長は八月十三日、サウジアラビアに展開しているこの米軍は
国連決議とは別の問題だ、こう明確に言ったわけです。」もう一度言っておられますけれども、この点につきましての私の解釈、あるいは私たちの解釈をまず最初に申し上げておきたいと思います。
この八月十三日、ニューヨークにおける記者会見において
国連事務総長が申しました点は、海上封鎖あるいは封鎖とか、英語の資料を見てみますと、海上封鎖、両方使ってありますけれども、アメリカ軍が封鎖を行うという
報道があったのを受けて、事務総長は十三日の記者会見におきまして、「
国連の
観点からは、「封鎖」という言葉は正しいものではない。我々が目にしている
事態は、サウディ・アラビア
政府及びクウェイト
政府との合意により、米、仏、英、アラブ諸国を含むその他の諸国により決定が行われているが、それは
国連決議の文脈の中のものではないということである。」この点をとらえて山口先生は二回か三回言われたと思います。これは今、
和田先生が言われたとおりだと思います。
引き続いて、安保理の決議を通じ、
国連のみが封鎖につき現実に決定することができる。それゆえ事務総長は、我々が封鎖という言葉を使うのは避けるべきだと
考える。これは初め十三日の記者会見の内容でありまして、この点につきましては、
社会党の
質問に立たれました何人かの
委員の方と私たちと認識の違いは全くありませんが、この中で事務総長が言っております、第二文で言っております、我々が目にしている
事態は、サウジアラビア
政府や
クウェート政府の合意により、米、仏、英等により決定が行われているが、これは
国連決議の文脈の中のものではないということである、この点につきましての解釈の違いはあり得ると思います。
これは、この前後から見まして、事務総長が言っておりますのは、あくまで封鎖について、海上封鎖については
国連決議の文脈のものではないと言っているということだと思います。それは、後の八月十六日にニューヨークで行われました事務総長
報道官談話におきましても、「封鎖は憲章四十二条の下で規定されており、安保理の承認を要するというものである。」という点、まずこの一点だけ先に述べさせていただきたいと思います。
その次に、山口
委員の、今申しましたような御指摘を受けて私が十九日の予算
委員会の際申し上げましたことは、一部の
新聞報道等におきまして、事務総長は、多
国籍軍の展開は
国連とは
関係のないような
発言をしたかのごとく報ぜられましたが、これは、簡潔に申しますと、その後のニューヨークの事務総長
自身――これはその後は川崎先生との
質疑応答を通じまして、私は、事務総長
自身はリマにおりましたので、ニューヨークで事務総長にかわって談話を出しましたのは事務総長
報道官であるというふうに申し上げまして、この点は御
理解いただいたと思いますけれども、事務総長
自身が記者会見において、このような
報道は自分、すなわち事務総長の
真意を伝えていないと述べて
新聞報道を否定していますというふうに山口先生の
質問にはお答えしまして、その後は川崎先生と小澤先生から、これは間違っているじゃないかという御指摘がございまして、私がお答えしましたことは、この十三日の事務総長の記者会見、それと十六日などに行われました一部
新聞報道、これは後で確認しましたところ、ロイター電とロイター電を受けて報じましたニューヨーク・タイムズの
報道だと思いますが、それを受けて、八月十六日になりまして
国連の
報道官がニューヨークにおきまして述べたことでございますが、それは、前はこの封鎖はどういうものかということを、繰り返しになりますので申しませんが、(
発言する者あり)事実
関係だけ最後に述べます。
「事務総長は、「憲章に違反する」との言葉を用いたことは一度もない。」これは、ロイター電とニューヨーク・タイムズが事務総長が憲章違反だと述べたことを受けて、
報道官は、憲章に違反するという言葉を用いたことは一度もないというふうに言ったものでございます。それで、川崎先生と小澤先生から御指摘受けましたときには、私は十九日の私の申し述べました点は、この点を、このような
新聞報道、すなわち米軍等の行動は
国連憲章違反であるというふうに事務総長が述べたという点について、
報道官はそうではないと言ったという点を私は川崎先生と小澤先生に
説明したつもりでございます。(
発言する者あり)