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田中(美)
委員 大臣は女性の問題を全くおわかりになっていらっしゃらないという感じがいたしました。
というのは、サミットに参加する国の中で男女の賃金格差が広がった国は日本しかないのです。だんだん均等法によって縮まった、こういうふうにお思いになっていらっしゃるかもしれませんけれ
ども、実際にはこれはどんどん広がっているのです。今少し広がっているんですね。こういうことを
考えますと、女性の
年金というのは、今のよううな
制度の中では半永久に男と同じような
年金に
はついていかないということですね、そういうことを一つお教えいたしておきますから、今後きちっと御勉強いただきたいというふうに思います。
その次に、
基礎年金で、これは一番基本の問題ですので、
総理よく聞いていただきたいのです。
基礎年金まで
保険料の掛けた金額と掛けた期間によって
年金額が決まる、こういうことを基盤にしてできている現在の
年金制度は、国がまるで
年金保険会社を経営しているものだと私は思います。スウェーデンのように
基礎年金は国と
企業が全責任を持つという基盤、こういう
年金制度、
社会保障的な
年金制度に変えていく、思い切った発想の転換をする必要があるところに来ているのではないか。金持ち日本と言われていながら……(発言する者あり)妨害はやめさせてください、
委員長。静かに聞いてください。大事な話をしているのです。あなた
たちがよくわからないことを教えているんですよ。ちゃんと聞いてください。
日本の
社会保障は、
社会保障などと言えるものではない。
年金は
社会保障なんと言えるようなものになっていませんよ。せめて
基礎年金は国と
企業が責任を持って、すべての日本人に責任を持つということになれば、無
年金者だって百万近くもいるという人を救うことはできます。それから、男女の
年金格差もずっと縮むことができます。その上に
厚生年金とか
共済年金というものが二階建てにいく、これが世界の
社会保障の行き方だと私は思うのです。ところが、日本のこれは
社会保障じゃないですね、
政府が保険株式会社をやってもうけている、そういう感じの問題だというふうに、私はまさにそういう感じに思うのです。
ですから、
海部総理、私は今すぐそうせよとは言いません。しかし、今言った女性の格差の問題にしたって、無
年金者にしたって、滞納者にしたって、この滞納者は次の無
年金者になっていく人
たちなんですよね、そういう
意味ではこういう方向に、
社会保障的な
年金にしていけばこれを
改善することができる。いますぐやれと私は言いません。しかし、あなたは若いということを言っているわけですから、今までの
総理と比べれば若いわけですから、思い切って発想の転換をして、こういう線で
検討の第一歩を進めるということを決断していただきたいと思う。あしたからやれと言ってません。
検討の第一歩を進めていただきたい。これを心から私は期待するのですが、
大臣の決断をお伺いしたいと思います。