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1989-06-21 第114回国会 参議院 外交・総合安全保障に関する調査会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成元年六月二十一日(水曜日)    午前十一時十分開会     —————————————    委員異動  四月二十八日     辞任         補欠選任      青島 幸男君     喜屋武眞榮君  五月十五日     辞任         補欠選任      志苫  裕君     野田  哲君  六月六日     辞任         補欠選任      関  嘉彦君     栗林 卓司君     —————————————   出席者は左のとおり。     会 長         加藤 武徳君     理 事                 板垣  正君                 大木  浩君                 下稲葉耕吉君                 矢田部 理君                 和田 教美君                 上田耕一郎君                 栗林 卓司君     委 員                 植木 光教君                 中西 一郎君                 永野 茂門君                 林田悠紀夫君                 堀江 正夫君                 真鍋 賢二君                 久保田真苗君                 野田  哲君                 本岡 昭次君                 中西 珠子君                 田  英夫君    政府委員        外務省経済協力        局長       松浦晃一郎君    事務局側        第一特別調査室        長        荻本 雄三君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○外交総合安全保障に関する調査調査報告書に関する件 ○調査報告に関する件     —————————————
  2. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) ただいまから外交総合安全保障に関する調査会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る四月二十八日、青島幸男君が委員辞任され、その補欠として喜屋武眞榮君が選任されました。  また、去る五月十五日、志苫裕君が委員辞任され、その補欠として野田哲君が選任されました。  また、去る六月六日、関嘉彦君が委員辞任され、その補欠として栗林卓司君が選任されました。     —————————————
  3. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事栗林卓司君を指名いたします。     —————————————
  5. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 外交総合安全保障に関する調査を議題といたします。  本調査会は、外交軍縮小委員会安全保障小委員会及び国際経済社会委員会の三小委員会を設置し、それぞれ調査を進めてまいりましたが、先般、各小委員長から、会長手元調査報告書が提出されました。  この際、調査概要につきまして、各小委員長から報告を聴取いたします。  まず、大木外交軍縮小委員長にお願いいたします。大木小委員長
  6. 大木浩

    大木浩君 外交軍縮小委員会における調査概要を御報告申し上げます。  本小委員会は、外交軍縮問題を調査するため、さきの国会に引き続き今国会におきましても設置されたものでございます。  昨年五月に既に各会派所属委員意見を含めた中間報告書調査会長に提出しておりますので、本年は調査会最終の三年目に当たることから、本小委員会といたしましては、調査の総まとめとして、課題提言等に向け、これまでの調査を踏まえ、テーマを、一、アジア・太平洋地域軍縮問題、二、外交機能強化等と設定し、各会派所属委員による最終意見開陳を行いました。  本小委員会といたしましては、これらの各会派所属委員開陳意見に基づき、我が国がなすべき外交軍縮政策に焦点を置いて、審議経過及び課題提言等を鋭意取りまとめ調査会長報告書を提出いたしました次第でございます。  その主な提言は次のとおりであります。  まず、外交政策についてでありますが、国際平和の実現と維持及び諸国民経済的繁栄を引き続き外交政策の柱として推進すべきであること。経済摩擦北方領土問題等外交懸案を解決するため、各方面での環境づくりをすること。我が国は、直接開発途上国を援助するだけでなく、開発途上国相互間の交流協力を側面から支援すること。世界が必要とする人材を育成提供するための施策を実施すること。我が国についてのみの海外広報とすることなく、東アジア各国との協力により、世界の人々に東アジアについても広報活動を行うこと。地方自治体による国際親善都市姉妹都市交流積極的支援体制を整備すること。高校・大学において国際交流教育を取り入れていくこと。外務省の定員及び予算の増強、在外公館強化人材の育成など、外交機能強化充実を図ること。外交一元化に留意すること。議員外交充実のため政府は積極的に支援すること。対外協力におけるNGO活動に対し、政府はその自主性を尊重し適切な支援を行うことなどでありま す。  次に、軍縮政策についてでありますが、非核原則について各国理解を求める努力を続け、国連等を通じ世界軍縮促進条件整備に努めること。軍縮検証手段開発のため、我が国先端技術の活用を図ることなどであります。  これらのほか、一致には至りませんでしたが、各会派からさまざまな提言等がございました。それらの詳細は報告書に譲りたいと存じます。  以上、御報告申し上げます。
  7. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 次に、板垣安全保障小委員長にお願いいたします。板垣委員長
  8. 板垣正

    板垣正君 安全保障小委員会における調査概要を御報告申し上げます。  本小委員会は、安全保障問題を調査するため、第百八回国会以降各国会ごとに設置され、今国会においても引き続き設置されたものであります。  本小委員会としては、昨年五月に中間報告書を提出しておりますが、これまでの調査及び安全保障問題をめぐる新しい情勢なども踏まえて、去る三月二十二日、新デタント情勢下における我が国安全保障というテーマのもとに、課題提言等に向けて各会派所属委員からそれぞれ意見開陳がございました。  当日の開陳意見におきましては、国際軍事情勢に対する認識を初めとして安全保障基本的考え方、自衛隊と憲法との関係日米安保体制是非等全般にわたり、依然として委員間の見解が分かれておりますが、本小委員会の二年間にわたる論議を締めくくるに当たって、協議検討の結果、全会一致をもって小委員会報告書を取りまとめ調査会長に提出いたしました。  以下、小委員会報告における課題提言の主な内容を申し上げます。  我が国は、憲法理念である平和国家としての立場を踏まえ、軍事大国とならず他国に脅威を与えないことを初め、集団的自衛権の不行使、海外派兵の禁止、シビリアンコントロール武器輸出原則等の諸原則を確立するとともに、唯一の被爆国として非核原則を国是としてきたところである。  今日、経済大国となった我が国がこれらの諸原則を堅持していくことは、我が国のみならず世界の恒久平和と安全にも大きな貢献をなすことができるものと考える。よって政府は、今後安全保障政策を進めるに当たっては、これらの諸原則を誠実に堅持していくべきであり、また、緊張緩和への流れを定着させ、世界軍備管理軍縮を進めて、相互信頼を高めるための努力をすべきである。  言うまでもなく、国の安全保障政策国民意思に基づき形成されていくべきものであり、そのためにも、国会は内外の諸情勢を踏まえた総合的な安く、保障論議を一層充実させていく必要がある。  近時、国の安全保障政策における外交経済科学技術等分野重要性が増す一方、軍事分野専門化、高度化してきている状況の中で、総合的見地から安全保障政策検討するとともに、政治が軍事を十分把握してシビリアンコントロールの実を上げることは極めて重要な課題である。このためにも、国会国政調査機能の向上をさらに図る必要があり、国会調査が円滑に行われるよう政府の一層の協力を要望する。  また、我が国安全保障について広く調査し、各会派所属委員意見開陳する場として、今後も本調査会のような機関の設置が望まれる。  以上、御報告申し上げます。
  9. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 次に、矢田部国際経済社会委員長にお願いいたします。矢田部委員長
  10. 矢田部理

    矢田部理君 国際経済社会委員会における調査概要を御報告申し上げます。  本小委員会は、国際経済、国際社会問題について調査するために設置されたのでありますが、調査テーマとして、引き続き開発途上国に対する経済協力あり方を取り上げることといたしました。  三月八日には、この調査テーマのもとに政府当局出席を求め、最近における政府開発援助執行状況経済協力に関する行政監察及び対外経済協力関係閣僚会議目的等について説明を聴取し、質疑を行いました。次いで三月二十二日の小委員会では、三年目のまとめとして、開発途上国に対する経済協力あり方について各会派所属委員からそれぞれ最終的な意見開陳が行われました。そこではODAを中心とした経済協力国際開発協力といたしました。  意見開陳では、国際開発協力理念目的、諸原則ODA量的拡大及び質的改善国際開発協力行政及び実施体制国会と行政府との関係国民理解協力立法化必要性等が述べられました。意見開陳は、各会派所属委員が所属する会派を代表する立場で行われましたが、述べられた意見には、委員間に数多くの共通認識が見受けられましたので、可能な限り小委員会意思となるよう取りまとめを図ることといたしました。  その後、数次にわたり協議を重ねた結果、次のような事項について合意が得られたのであります。  その内容は、一、国際開発協力理念目的に、人道的考慮開発途上国の平和と安定が日本を含む世界全体の平和と繁栄に不可欠との相互依存の趣旨を盛り込むこと。二、主権尊重内政不干渉基本に自主的に行い、軍事的用途への転用を禁止することなどを原則とすること。三、ODA量的拡充質的改善必要性はもちろんのこと、国際目標の達成を目指して計画的に改善を行うこと。四、国際開発協力実施体制一元化を図ること。また、実施体制充実評価体制強化すること。開発協力に従事する者に対し必要な施策を講ずること。五、国際開発協力重要性にかんがみ、国会の関与を強めること。政府は、外交上特段の支障のない限り、ODAに関する方針及び講じようとする措置など国会審議に必要な資料を提出すること。また政府は、毎年国会ODA実施状況報告し、協力実績などODA関係資料を速やかに提出すること。六、国民理解協力及び参加を得るため、情報の提供、広報活動強化など適切な措置を講ずること。NGOに対し自主性を尊重しつつ支援強化すること。七、立法化についてはさらに検討を続けることなどであります。  これを踏まえ、本小委員会全会一致をもって既に調査会長に提出いたしております調査報告書を議決したのでありますが、この報告書には、昨年の中間報告の確認に基づき本小委員会として合意した事項が盛り込まれております。  なお、七、立法化検討については、決議事項とすることに異論があり、調査会長への報告事項とすべきであるという意見がありましたことを付言いたします。  以上、御報告申し上げます。
  11. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 以上で三小委員長報告の聴取は終わりました。  ただいま各小委員長から概要説明のありました調査報告書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  13. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 次に、調査報告書についてお諮りいたします。  本調査会は、調査経過及び結果についての報告書議長に提出することになっております。理事会において協議を行いました結果、お手元に配付の外交総合安全保障に関する調査報告書案がまとまりました。  つきましては、本案を当調査会報告書として議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  15. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) この際、お諮りいたします。  ただいま議決いたしました調査報告書につきましては、議院の会議におきましても報告をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  17. 加藤武徳

    会長加藤武徳君) 最後に、一言ごあいさつを 申し上げます。  本調査会は、国政基本的事項に関し長期的かつ総合的な調査を行う参議院独自の制度である調査会の一つとして、第百六回国会において設置されて以来、間もなく三年を経過いたすことになります。  この間、委員各位は熱心かつ積極的な論議を続けてこられ、これがただいま議決されました調査報告書に結実いたしたものであります。委員各位の御努力調査会運営への御協力に対しまして、心よりお礼を申し上げる次第でございます。  今国会は明日をもって閉会となり、いよいよ通常選挙を迎えるわけでありますが、選挙に臨まれる方々には所期の目的を達せられまして再会できますよう、衷心から御期待申し上げますとともに、今期をもって退任なさる方々に対し、国政への御尽力に感謝の意を表し、今後の御健勝をお祈り申し上げましてごあいさつといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十六分散会      ——————————