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1988-03-25 第112回国会 衆議院 社会労働委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年三月二十五日(金曜日)     午前十時九分開議  出席委員    委員長 稲垣 実男君    理事 高橋 辰夫君 理事 戸井田三郎君    理事 丹羽 雄哉君 理事 野呂 昭彦君    理事 畑 英次郎君 理帯 池端 清一君    理事 沼川 洋一君 理事 田中 慶秋君       相沢 英之君    粟屋 敏信君       伊吹 文明君    今井  勇君       小沢 辰男君    大野  明君       大野 功統君    片岡 武司君       木村 義雄君    近藤 鉄雄君       佐藤 静雄君    自見庄三郎君       中山 成彬君    堀内 光雄君       三原 朝彦君    箕輪  登君       持永 和見君    伊藤 忠治君       永井 孝信君    新井 彬之君       大橋 敏雄君    吉井 光照君       塚田 延充君    児玉 健次君       田中美智子君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 藤本 孝雄君  出席政府委員         厚生大臣官房総         務審議官    黒木 武弘君         厚生大臣官房審         議官      佐藤 良正君         厚生省健康政策         局長      仲村 英一君         厚生省保健医療         局長      北川 定謙君         厚生省保健医療         同老人保健部長 岸本 正裕君         厚生省薬務局長 坂本 龍彦君         厚生省社会局長 小林 功典君         厚生省年金局長 水田  努君  委員外出席者         社会労働委員会         調査室長    石川 正暉君     ───────────── 三月二十五日  厚生年金保険法の一部を改正する法律案内閣提出第七七号) は本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  厚生関係基本施策に関する件      ────◇─────
  2. 稲垣実男

    稲垣委員長 これより会議を開きます。  厚生関係基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塚田延充君。
  3. 塚田延充

    塚田委員 我が国社会保障は、国民のさまざまな努力によりまして、先進諸国に劣らない内容を整えるに至っております。もう既にアメリカやヨーロッパの水準に十分達していると世間的には受けとめられております。例えば世界でも最長の水準にあります平均寿命、最も低い乳児死亡率など、社会保障内容が充実されてきたことを跡づける指標は枚挙にいとまがないほどでございます。これはこれまで官民を挙げてわき目も振らずに制度の枠組みの確立と、内容水準向上努力してきた結果にほかならないと思います。この中にありまして、創設五十周年を迎えられました厚生省役割は非常に大きなものがあったと高く評価し、その努力に対して敬意を表したいと存じます。  しかしながら、制度の一応の完成を手中にはしておりますものの、今国民全体で考えなければならないのは、社会保障制度充実の結果である平均寿命の伸長ということが逆にもたらしました長寿社会への制度的な対応ギャップ、このギャップを埋める必要が出てきた、このように考えられる現状ではないでしょうか。厚生大臣所信表明に当たりましては、真っ先にこの問題に触れておられますけれども、だれもが喜べる長寿社会建設基本姿勢につきまして、まず厚生大臣の御所見をお伺い申し上げたいと存じます。
  4. 藤本孝雄

    藤本国務大臣 御指摘のように、厚生省の今後の社会保障制度推進して充実していくための役割は非常に大きいものがあると思います。一口に申し上げまして、今後急速に進行いたします高齢化社会、この高齢化社会我が国をいかに軟着陸させていくかということが厚生行政の大きな課題であると思っております。  御承知のように、高齢化が進行していくわけでございますので、老後が長期化する、しかも高齢者がふえるということでございますから、お一人お一人が安心して、しかも生きがいを持って生活できる、そういう社会を築いていくことが最も望ましいわけでございまして、そのために、言ってみれば五十年型の人生から人生八十年型の経済社会というものを築きまして、そういう活力のある経済社会の中でお一人お一人が生きがいを持って安心して暮らせるように持っていくことが大きな課題であると思っております。政府におきましては、昭和六十一年に長寿社会対策大綱というものをその手段、指針といたしましてお示しいたしておりますし、また厚生省といたしましては、それを受けまして、高齢者対策企画推進本部報告という形でお示ししているところでございます。私どもは、この方針に基づきましていろいろな施策を充実さしてまいりまして、長寿社会におきまして、いやしくも高齢者が肩身の狭いような思いをしない、そういった明るい長寿社会を築いていかなければならない、かように考えておるところでございます。
  5. 塚田延充

    塚田委員 長寿社会建設のための制度改革は、既に一部大臣見解にもございますように着手されていることはいると思います。しかし、事態場当たり的対応で済むほど生易しいものではないはずでございます。国民がひとしく苦しさ、そして負担を分かち合っていかなければ、改革は成就し得ないところまで事態は来ているのではないでしょうか。したがって、今や本音の議論をして国民理解を求め、国民とともに現今の情勢をリードしていかなければならないと考えています。  そこで、お伺いしたいと思いますが、さきの衆議院予算委員会におきまして、我が党の永末副委員長社会保障の将来推計について資料を要求したわけでございますが、これも今申し上げたような理解に基づくからでございます。そしてその要求にこたえまして、三月十日厚生省及び大蔵省両省から資料提出があったわけでございますが、この推計、大変な内容がその中に包含されているわけでございますけれども厚生大臣自身は、この推計の結論を見てどのような御感想をお持ちになったのか。これは大変だぞというのか、これは見通しが明るいぞというような感想になったのか、その辺の感想についてお伺いしたいと思います。
  6. 藤本孝雄

    藤本国務大臣 今後、御承知のように、高齢化社会を本格的に迎えるわけでございまして、ピーク時は昭和九十五年ごろでございますが、昭和七十五年、八十五年の時点におきまして高齢化状況がどういうものであるか、また社会保障給付負担についてどういう姿になるのであろうか、こういうことをいろいろと御判断いただくために、資料をつくりまして提出さしていただいたわけでございます。  率直に申し上げまして、社会保障給付というのは、国民生活の安定のための基盤でありますから、これはぜひとも確保していかなければならぬ、一方におきましては、給付負担というのは裏腹でございますから、負担が過重なものにならないように、これまた別の角度から考えていかなければならぬ、こういうことがあるわけでございまして、あの数字を見ますと、率直に申し上げまして、社会保障経費というものが高齢化社会に向かって増大していくということはもちろん理解しておるわけでございますけれども数字を見ることによって極めて現実的にそういう状況を感じたわけでございまして、一口で言えば社会保障経費というものが非常に増大する、これは大変だ、これをいかに確保していくかということは非常に大きなといいますか、我々にとっては最大の課題だというふうに感じた次第でございます。
  7. 塚田延充

    塚田委員 大臣の御感想にございましたように、この推計を見ますと、これは大変なことだということでございまして、その財源をいかに確保するかとか、また逆にどのようにこれを合理化、適正化していくかということが大切なこととして読み取られるのではないかと私も大臣見解をともにするものでございます。  そういうことで、今回の社会保障の将来推計という大蔵、厚生両省提出資料は、社会保障のこれからのあり方を考える重要な基礎データとなるものだと思いますけれども、現在の状況がこのまま推移すれば将来どうなるかという、これは統計的な意味における客観的な推計でございまして、これをもとに、次にそれならばどうするのかという政策があって初めて意味を持ってくるものだと思われます。現在の社会保障水準を維持しながら、またどれだけの努力をして給付合理化、適正化させるのか、そして一方では国民負担を最小限は抑えていくのか、その結果出てきた推計値がどのくらい合理化されるのか、そしてその目標値は結果的にはどのくらいになるのか、またはしなければいけないのかといった総合的な、また長期的な政策立案作業をこの推計資料もとに進める必要があると考えますが、厚生省はこれにつきましてどのように対応されているのか、今後また対応しようとしていかれるのか、お伺いしたいと存じます。
  8. 黒木武弘

    黒木政府委員 今回御提出いたしました展望は、御案内のとおり、現行制度施策に基づきまして仮定計算という形で出さしていただいたわけでございますが、それなりに二十一世紀初頭を展望して、社会保障負担給付あるいは高齢化状況が読み取れるものと私どもは思っております。そういう意味で、いろいろな評価、反響をいただいているわけでございますけれども、既にその中で、これもまた御指摘のように、政策努力あるいは制度改革を織り込んだ形での試算も必要ではないかというような御意見もいただいておるわけでございます。しかしながら、今後の施策を織り込んだ給付負担の定量的な形をお示しするということになりますと、これから二十一世紀初頭にかけまして、将来にわたります具体的な施策内容あるいは実施時期というものをどう見通すかという難しい問題があるわけでございます。例えば医療について給付負担公平化をどう図っていくか、あるいは私どもはこのままでいいとは思っていないわけでございますけれども老人の一部負担をどのように設計をするか、あるいは年金につきましても、一元化を通して受給開始年齢をどういうふうに織り込んでいくか等々を含めまして、これから国民的な合意を得なければなかなか判断のつかないもの、あるいはこれからの在宅福祉サービス総合化等を見ましても、計量化が非常に難しいもの等々がまだまだございまして、今回の推計に当たりましては、現行制度を前提にした推計にならざるを得なかったということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。  しかし、今回の展望は、先生からも御指摘をいただきましたように、これを素材にして、これから大いに国民各層に御議論をいただきまして、また社会保障の必要な水準を確保しながら、どうやって国民負担を過大にならないようにしていくか、ここのところにつきまして、私ども国民の御議論をいただき、その合意の線に沿って、これから社会保障制度合理化効率化に努めますとともに、総合的な施策の展開を図っていく必要が当然ある、そのために、そういった検討作業も引き続き行う必要があるというふうに思っておるわけでございます。
  9. 塚田延充

    塚田委員 厚生省がおつくりになりましたその推計数値のまま推移した場合には、社会保障負担によって厚生省のみが残って国家が滅びてしまうというくらい重要な中身を持っておる、だからそれをいかに適正化するかということが厚生省にとって大きな役割になる、このような認識もとに、この資料もとに長期的な展望に基づく立派な政策づくり、また国民に対する合意を求める努力をしていただきたいと思います。  長寿社会への対応は、社会保障を真に有効に機能するものとするためには早急に着手する必要がございますが、現行制度をつぶさに見てみますと、新しい時代潮流への対応という観点以前に見直すべき大きな問題点があると私は指摘したいと思います。  それは、まず総合的アプローチの欠如でございます。これまで社会保障制度は、今後の特定のニーズに着目して、それだけのために個々の制度がそれぞれつくられてきたわけでございますので、制度制度の間、または対策対策の間で谷間になっている問題であるとか、制度間の整合性がとれていない問題などがございますし、一方、いわゆる差別化といいましょうか、インテグレーションが必要となっていることも事実ではないでしょうか。さらに、この社会保障制度を単にそれのみで考えるのではなくて、住宅政策雇用政策産業政策などとの連携をも考えながら整備していかなければいけない段階に至っているはずでございます。これは言うなれば総合的福祉の実現ということが重要となっていると言っていいと思います。この総合的福祉推進のためには、例えば国レベルまたは地域レベル官民各層が一緒になって参画する合同推進検討組織を設けることによって、申し上げたような制度制度もしくは対策対策の間の谷間を埋めていく、整合化を図っていく、このような状況が生じておると思いますが、このような問題につきまして、各省庁間とよく相談してとか地方公共団体とよく連携をとってとかいうような単なるお題目だけじゃなくて、はっきりとしたこういう推進検討組織総合化のために設ける時期が来ているのじゃないかと考えますが、厚生省はどうお考えでございましょうか。
  10. 黒木武弘

    黒木政府委員 今後の長寿社会に的確に対応していくためには、御指摘のように、各制度間の整合性確保等に努めますとともに、社会保障住宅あるいは雇用産業政策等との連携を図りまして総合的に取り組んでいく必要があると思っております。非常に大切な点であると認識をいたしておるわけでございます。  このため、政府といたしましては、既に昭和六十年七月に長寿社会対策関係閣僚会議設置いたしまして、各種施策総合的推進を図っているところでございます。そこで長寿社会対策大綱も定めておりますけれども、その中で、雇用所得保障システム、健康・福祉システム、学習・社会参加システム住宅生活環境システム等々幅広い分野にわたりまして各施策を総合的に推進することにいたしておりますとともに、長寿社会対策推進に当たりまして、特に次の点に留意することということで、施策重点化効率化及び総合化を図ることというふうに政府方針として決められているところでございます。  私どもとしましては、例えば厚生省におきましては、新しく組織を再編成いたしまして、老人医療から保健から福祉をまとめました形での、仮称でございますが、老人保健福祉部設置する予定にいたしておりますとともに、各県、市町村レベルにおきましても、もろもろサービス調整するようなチームあるいはシステムの形での総合化が図られておりまして、御指摘方向の取り組みは着々と進めておるつもりでございますが、さらにその上に官民各層が参加しますところの合同推進検討組織設置が必要ではないかという御提案につきましては、これからよく研究をさせていただきたいというふうに考えます。
  11. 塚田延充

    塚田委員 国レベルにおきまして、そのような総合化のための努力施策が着々とうたわれているということにつきましては、心強い限りでございますけれども、私の提案のように、単なる横の連絡会というのは、権限とか何かの問題が出てまいりますので、しかも民活ということも考えて、ぜひ恒久的と申しましょうか、しっかりした組織をつくる必要があるということを再度強調しておきたいと思います。  私が今指摘した中には、国レベルと同時に地域レベルにおいてそれをすることが重要じゃないか。特に福祉という問題につきましては、どうしても実施のための最前線部隊、直接の任に当たるのが地方公共団体など地域レベルでございます。そういう意味におきましては、社会福祉関係者もとより、保健、衛生、教育労働など関連分野との連携という意味において多種多様な各種サービスができるように、地域社会レベル調整、統合していくシステムづくりを進める必要があろうと考えますが、地域レベルでの問題につきまして、厚生省指導方針についてお伺いしたいと存じます。
  12. 小林功典

    小林(功)政府委員 御指摘のように、例えば高齢者一つをとりましても、非常に多様なニーズがございます。それに対応しまして適切な福祉サービスを提供するためには、例えば保健あるいは医療あるいは福祉という非常に幅広い各分野での連携が必要であるというのは御指摘のとおりだと思っております。このために、本年度から各部道府県佐高齢者サービス総合調整推進会議というのを、これは県レベルでございますが、設けまして、また各市町村レベルでは、高齢者サービス調整チームというのを設置いたしまして、福祉あるいは保健医療といった各分野の各省の行政連携調整、言ってみれば交通整理と言ってもいいかもしれません、そういったものを図ることにしたわけでございます。これを六十三年度も引き続いて予算化をしております。  それからもう一つ、これも本年度から始めたものでありますけれども寝たきり老人等のさまざまな御相談がございます。これにはなかなか分野が違いますものですから、今まで的確に対応し切れなかったという反省がございまして、それではいけないということで、いろいろな相談に総合的に対応できるというふうにするために、都道府県高齢者総合相談センター、俗にシルバー一 一〇番と言っておりますが、これは六十二年度初めて設置をいたしまして、六十三年度もさらにそれを拡充し、さらに六十四年度もそれを実施継続いたしまして、六十四年度までには全県にこの総合相談センターをつくるという計画を持って現在努力をしている段階であります。  もちろん、先生のおっしゃる中には、もう少し幅広い問題もあろうかと思いますけれども、とりあえず六十二、六十三でそういう施策推進をしているところでございます。
  13. 塚田延充

    塚田委員 社会福祉行政住民生活に密着した地域性の強いものであることは、ただいま指摘したとおりでございます。そして最も基礎的な実施主体でございます市町村実施主体であるということも申し上げたとおりでございますけれども、この原則をもっとはっきり確立する必要があるんじゃないかと思います。  そこで、実際に地方自主性がもっともっと生かせるように、例えばメニュー補助方式であるとか総合補助方式など、こういうものをもっともっと多く導入すべきだと考えておりますが、これらの件について、現状と今後どのように対応していくのか、厚生省の考え方をお聞かせいただきたいと存じます。
  14. 小林功典

    小林(功)政府委員 これまた御指摘のとおりだと思います。社会福祉行政の多くは住民に身近な行政事務でございます。それらの事務は、したがいまして、できる限り住民に身近な団体において処理されることが望ましい、これは私どもも全く同感でございます。  そのような見地から、従来から例えば家庭奉仕員、ホームヘルパーでございますが、これの派遣事業でありますとかあるいはデイサービス事業等住民に非常に身近な事業につきましては、これは市町村実施主体という原則を立てておるわけでございます。  また、メニューお話もございましたけれども、これにつきましても、例を申しますと、老人デイサービス事業というのがございますが、これは例えば通所とか訪問とかいろいろ形態がございますし、サービス内容につきましても、給食とか入浴とかあるいはリハビリテーションとかいろいろさまざまでございます。そういったものをメニュー化しております。  また、障害者関係では、在宅障害者デイサービス事業というのがございますが、これも陶芸とか園芸とかいう創作活動あるいは機能訓練あるいは介護方法指導あるいは更生相談と、もろもろ事業がございますが、それをメニュー化しております。それから障害者につきましては、御案内障害者の住みよいまちづくり事業というのをやっておりまして、助成をしておりますけれども障害者生活環境の改善でありますとかあるいは各種福祉サービス実施でありますとかあるいは市民啓発でありますとか、これもいろいろな事業がございます。これもメニューにしております。  それから、老人障害者、共通でございますが、日常生活用具給付事業というのがございます。これはいろいろな給付品目がございまして、それをその中から市町村ニーズに応じて選択をする、こういう道もつくっておるわけであります。  いずれにしましても、おっしゃいますように、一つ一つ事業助成をするということではなくて、一定の予算の範囲内で、市町村地域の実情に応じてどのような事業を取り上げるかあるいはどのように実施していくかということを自由に選択をし、創意工夫を凝らして実施するという方策が私は一番望ましいと思っていますので、そういう意味メニュー方式を今やっていますけれども、さらにできる限りこれを推進してまいりたいと考えております。
  15. 塚田延充

    塚田委員 ぜひそのように地方公共団体自主性をもっともっと活用できる方向に誘導していっていただきたいと存じます。  それでは、視点をちょっと変えまして、例えば高齢者であるとかまたは障害者とかいうような、社会的にハンディキャップを背負った方々は関する問題を取り上げてみたいと存じます。  これはそういう方々社会への完全参加とノーマリゼーションの徹底という言葉で言いあらわせるものと思います。今までの諸制度と申しますと、このようなハンディキャップを背負った方々に対しまして、どちらかというと、隔離をして、そして保護をするといった形での対応姿勢が強かったのではなかろうか、このように受けとめざるを得ないわけでございます。しかしながら、今後はこのような高齢者だとか障害者方々、その他社会的にハンディキャップを持っておる立場の方々に対して、その配慮というのも百八十度方向転換しまして、社会の中の普通の一員としてとらえられるよう徹底すべきではないでしょうか。  そして社会保障制度としては、ハンディキャップのその部分についてのみ補完し、また徹底して支援するというような姿勢とやり方が重要だと思います。この点は社会保障の極めて幅広い分野にすべて当てはまる原則でございますけれども、となりますと、国民の間、すなわち健常者方々においても、また一方それを受益すると申しましょうか、片側でございます、ハンディをお持ちの方方自身の間でもそうなんだというような認識をすべて一様にひとしく持つ必要があると存じます。  となりますと、これにつきましては、例えば義務教育であるとかその他さまざまの機会を通じまして、そのような認識向上であるとか普及に努めなければ、そのようにいわゆる制度的な面について方向転換した場合にいろいろ問題が出てしまう、こういうことで、社会全体に対する周知徹底につきまして、厚生省はどのように対応されていくのか、御見解をお伺いいたします。
  16. 小林功典

    小林(功)政府委員 高齢者障害者に対する施策を推し進めていくためには、これらの方々に対する国民理解というのがどうしても不可欠でございます。今お話のございましたように、完全参加と平等でありますとかノーマライゼーションでありますとか、そういった基本理念について理解を深めていただくことが大変重要だと認識をしております。  厚生省といたしましても、いろいろその普及啓発活動努力をしているわけでございますが、もちろん、例えば老人福祉週間あるいは身体障害者福祉週間等におけるいろいろなマスメディアを利用した各種のキャンペーン、これはもとよりでございますが、そのほかに例えば障害者の住みよいまちづくり推進事業、先ほどちょっと触れましたけれども、これなども助成をして市町村にやっていただいておりますが、その事業の中の大きな柱として、市民啓発事業というのがあるわけでございます。  また、毎年国体の後で行われます身体障害者スポーツ大会というのがございます。これは障害者はもちろん参加するわけでありますが、そのほかに健常者も含めて一般住民、それから大勢のボランティアの皆さん、こういった方々が一体となってこの大会を盛り上げていただくわけでございますが、そういった面においても普及啓発が進んでいるのではないかと考えております。  さらに来年度、六十三年度におきましては、実はアジアで初めて開催されるリハビリテーション世界会議というのがございます。九月に東京で開かれますが、そこでは障害者はもちろん、その関係の方、随分多数御参加いただくことになっております。そこでそれを通じて国民理解を深める、そういう意味があるというふうに考えております。  さらに来年度は、初めて全国健康福祉祭というのを十月に開催したいと思っております。兵庫県でございますが、それによってお年寄りも若い人も一体となって、そこで大会を盛り上げていただくというようなこと等、そういういわば行事、イベント等も通じまして、老人障害者が積極的にこれに参加していただいて、お年寄りは若い人と、障害者健常者と、あるいはお年寄り同士、あるいは障害者同士という触れ合いというものを一層深めていただく、これによって国民理解が深まるのではないかということで、今後ともいろいろな機会をとらえて啓発普及活動に努力をしてまいりたいと考えております。
  17. 塚田延充

    塚田委員 そのノーマリゼーションの理念の普及とあわせてどんどん進めていかなければいけないのは、福祉サービスのあり方の中で、いわゆる居宅処遇の原則に基づいて、在宅サービスを中核として、その充実をもっともっと期していかなければいけないと思います。各種福祉施設は在宅サービスを容易に推進するサービスを提供できるよう、その条件整備を図る必要があると思います。例えば家庭奉仕員の大幅増員、これは何度か厚生省の方でやっていますよ、頑張っておりますよというわけでございますけれども、実情からいきますと、まだまだそれが足りないで、私どものところにもっともっとこれを充実していただけないかという声が泣きつくような形でもって、祈るような気持ちで届けられております。また施設の持っておりますいろいろ専門的な機能をうまく生かして、それを地域に開放するとか、またそのような施設の配置に地域によって偏りがある、これを適正な配置にしていくとか、いろいろもっともっと充実させるために対応を考えなければいけないと思います。  この件につきまして、家庭奉仕員など、今の厚生省の計画で社会的なニーズに十分こたえておられると考えているのか、それとも予算の制約があって今苦しい、しかしもっと頑張るよというようなレベルにあるのか、特に家庭奉仕員状況について厚生省の忌憚のない御意見をいただきたいと思います。    〔委員長退席、野呂委員長代理着席〕
  18. 小林功典

    小林(功)政府委員 在宅福祉の必要性というのは、先生と全く同じ認識を持っております。  今家庭奉仕員お話でございますが、六十三年度予算におきましても千八百人という大幅な増員を図っております。またこの数年かなり大幅な増員を図っておりますので、かなりの線にはいっておると思いますけれども、まあお年寄りはどんどんふえますし、寝たきり老人もふえるという現状を考えますと、これからも大幅増員を継続していけるように努力をいたしたいと思っています。  なお、家庭奉仕員につきましては、量もさることながら、質の問題もいろいろございまして、実は六十三年度新規でございますけれども、ホームケア促進事業という事業を新たに予算に計上しております。これはちょっと家庭奉仕員の関係ではございませんけれども、ショートステイの範疇でございますけれども、いずれにしろ在宅福祉の充実という意味で、新規でございますのでちょっとお話しいたしますと、従来地域住民の中で在宅の介護が非常に難しいという場合、一時的にショートステイにお預かりして介護をしてあげるという制度がございました。これもそれなりに大幅増員を図っておりまして、地域で喜ばれているのでございますけれども、従来お年寄り一人だけをお預かりしたわけですが、それをさらに拡充いたしまして、今度は家族の方も一緒に入所をしていただきまして、お年寄りには給食とか機能訓練とかいうサービスをしてあげる、それからついてこられた御家族の方には在宅でどういう介護をしたらいいかという、いわばノーハウをお教えし、それからいろいろな御相談にも応じて、それで帰っていただくという事業もやったわけでありまして、それやこれや量的、質的両面において努力をしているつもりでございます。
  19. 塚田延充

    塚田委員 在宅サービス対策につきましては、まあまあの厚生省の現況についてお伺いし、ある程度は安心できるわけでございますけれども、今後とも、特に家庭奉仕員のことにつきましては、その量及び質の向上についてさらに努力していただきたいと存じます。  さて、それとあわせまして、在宅サービスということになりますと、今もやっておるようでございますが、日常生活用具などの給付が行われておりまして、現段階では低所得者であるとか、ひとり暮らしの老人などに限定されておるようでございますけれども、これにつきまして、その対象とする給付世帯をもっと広げるとか、給付品目の多様化を図る必要があるのではないかと考えますが、この件、いかがでしょうか。
  20. 小林功典

    小林(功)政府委員 寝たきり老人や身体障害者等に対する日常生活用具給付事業についての御質問でございますが、これにつきましては、御案内のように、従来からその充実に努力しているところでございまして、昭和六十三年度におきましても、新たにひとり暮らし老人等に対する緊急通報装置、それから身体障害者用といたしましてはワードプロセッサーを追加品目として掲上しております。年々この給付の多様化に対応して品目の数をふやしてまいりまして、老人については既に十二品目になっておりますし、身体障害者については三十二品目にまでふえているわけであります。したがいまして、今後とも寝たきり老人のニードの変化というものを十分に把握いたしまして、この制度の充実に努めてまいるつもりでございます。
  21. 塚田延充

    塚田委員 基本的には大きな流れとしては、在宅サービスの充実という方向に流れていくのはやむを得ないと私は考えておりますが、しかしその一方、本当にどうにもならなくて、やはり施設に収容しなければいけないという方々が非常に多いことも事実でございます。例えば老人痴呆性の方方であるとかがその対象になってくると思います。そういうことを考えますと、今厚生省がお題目みたく唱えることでは、在宅サービスの充実、そしてそれとの関連においていわゆる中間施設の充実ということが宣伝されますけれども、となると、本当に動きがとれなくて、今の特別養護老人ホームなどに収容してもらうのが社会的に見ても最も妥当であるというような方々が非常に心配しているわけでございます。そして今の時点におきましても、そういう中間施設はまだまだテスト段階である。そして在宅サービスといっても、今から家庭奉仕員などを充実させる。ところが現実的にはもう動きがとれなくて御家族がどうにも耐え切れないというような、いわゆる老人であるとか病人を抱えた家庭が苦しんでいるのが現状でございます。  そしてその収容施設、私の地元などにおきましては、やはりベッド数が足りない。幾ら頼んでも順番待ちということで、一つのベッドに対して二十人も三十人心順番待ちをするというような状況が起きていることは確かでございますし、その辺をとらえて、国は何をしておるんだ、社会保障充実世界一に近いとか言っておるけれども、身近な問題としては、この動けない病人、老人をどうしてくれるんだという声が強いことも事実でございます。また別の面から見てみますと、このような特別養護老人ホームをみずから開設して、社会のために役立ちたいと考えておられる篤志家的な方がおるけれども、それについても認可がおりないで、各県庁のしかるべき窓口のところでたまってしまっておって、ほとんど新設が滞っておる。このギャップについていかがお考えになり、いかがこれを解決しようとされておるのか、御説明をいただきたいと存じます。
  22. 小林功典

    小林(功)政府委員 特別養護老人ホームの御要望は各地から大変強いものがございます。そこで私どもも、社会福祉施設整備費補助金、これについて毎年増額を図っておるわけでございます。確かに先生おっしゃるように、地域的にはそういうことがあろうかと思います。ただ、全国的に見ますと、この数年大体年間百二十カ所、定員で申しますと、八千人程度の大幅な整備を図ってきておりまして、これを数年続けております。このペースは落とすことなく、これからも続けていきたい、こう思っていますので、できる限り地域の実情をお聞きしながら、御要望に沿えるように努力をしたいと思います。  中間施設のお話がございました。中間施設がこれからふえていくでありましょうが、それがありましても、特別養護老人ホームは依然として増床が必要であるという認識を持っておりまして、昭和七十五年までには、現在の約倍に当たります二十四万人分のベッドを確保したいという計画を持ちまして、先ほどのようなペースで進めていきたいと考えております。
  23. 塚田延充

    塚田委員 先般発表されました厚生白書によりますと、福祉ボランティアを支える層は量的には四百万人に達していると推計されております。まことに心強い限りでございますけれども、さらにこのボランティア人口をふやしていかなければ、これからの長寿社会対応することができなくなってくると思います。  ちょっと話が変わりますけれども老人問題、長寿社会において問題になってきますのは、いわゆる老人性痴呆症の方々が極めて増大してくるのじゃなかろうかということでございます。ある機関の推計によりますと、この老人性痴呆症が生じやすい職業階層でいきますと、サラリーマンの方のこの老人性痴呆症にかかる比率が非常に高いと言われておる事実がございますけれども、職業別に見て、非常に一般的でございますけれども、私どもはサラリーマンの方がこの確率が高いとしておりますけれども資料か何か、これを立証できるものを厚生省としてはお持ちなのかどうか、それからこの常識が通用するのかしないのか、厚生省としてはどう考えておるのか、これについて教えていただきたいと存じます。
  24. 北川定謙

    ○北川政府委員 委員御指摘老人性痴呆が今後増大をしていく、大変重要な問題として厚生省認識し、これまでもいろんな検討を進め、また六十三年度予算においても所要の予算を確保し、さらに対応を強めてまいる計画を持っておるわけでございます。ただ、委員御指摘老人性痴呆がサラリーマンに多いか、どういう職業に多いかという点につきましては、まだそこまで明確に言える材料はないかと存じます。むしろ、全般的にどの種の職業においても、この種の問題は重要な問題ではないかというふうに考えております。
  25. 塚田延充

    塚田委員 今私が申し上げましたことは、一般的に言われていることでございまして、確たるデータが私自身もあるわけじゃございません。しかし、一般的に言われていることというのは意外と当たるのですね。それから火のないところから煙は立たないということでございますので、この辺の職業別とか何かについても、今後の対策のためにぜひ御研究いただきたいと思います。  また、同じような見地から、一般的な、うわさ的なことを申し上げますけれども、サラリーマンの方が、六十五歳で区切ってみた場合、そこでその伴侶、妻に先立たれた場合に、三年以内に残された男性の方の八五%が亡くられた奥さんの後追いをしてしまうというようなことが流布されておりますけれども、これについて厚生省、知っておられますか、もしくは御感想だけで結構でございます。
  26. 北川定謙

    ○北川政府委員 一般的には、委員が御指摘のように、夫婦が健全な生活をしている段階で突然どちらかが他界をした、その場合に残された側に及ぼす影響というのは非常に大きいということはいろんなデータで証明をされておるわけでございます。  ただいま御指摘のように、ただ数字がどのくらいであるかというようなことについては、必ずしも的確なデータがあるわけではないと存じております。
  27. 塚田延充

    塚田委員 余談ではございますが、今のケースの場合、逆の場合、すなわち御主人に先立たれた場合には、奥さんの方はほとんどが平均寿命を全うされるということが言われております。  さてそこで、いわゆる老後の生きがいをいかに確保していくかというのが社会的に大きな問題となっているということを私は強調したいがために、今のような例を出したわけでございまして、ボランティアの数が大変要るのだ、そしてこういう高齢者方々生きがいを確保するのだということからしますと、このような高齢者方々をボランティア活動の方に思い切り誘導していくということ、これは単にそうした方向が望ましいという以上に、今言ったような事例を防ぐためにも、国家の一つのプロジェクトとしてこの問題を検討し推進する必要が出てきたんじゃないか。すなわち、高齢者そのものの生きがい対策、いわゆる老人性痴呆症を防ぐとか、生きがいがなくなって他界することがないように防ぐことと、そして質的にも要求されますボランティアを増員する、この二つの目的からも、私は、国家プロジェクトとしてシルバープランと申しましょうか、この問題を御検討いただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
  28. 小林功典

    小林(功)政府委員 これからの社会福祉を考えます場合には、ボランティアというものは大変重要な役割を占めていただかなければならないものだと思います。ボランティアの中でも、今お話がありましたように、お年寄り自体がボランティアで活動される、これが最も好ましい姿であろうと思っております。この点も全く同感でございます。  従来から行政としましてもいろいろ配慮をしておりまして、ボランティアというものが積極的に活動が行えるように環境整備と申しますか条件整備と申しますか、そういう促進策をとっていくという方向での施策をいろいろやっております。  一つ例を申しますと、老人クラブというのがございます。これは社会奉仕活動とかあるいは生きがいを高めるという意味でいろいろな活動をしている組織でありますが、それに対して予算上の助成をしているというのが一つ。  それから、ボランティアの関係で福祉ボランティアのまちづくり事業というのを予算に計上しております。我々はボラントピア事業と言っておりますが、これは内容的にはボランティアの養成でありますとか研修あるいは登録、あっせんあるいは組織化、そういういろいろな内容を持った事業でございますが、これを実施しておるわけでございます。そういった中でボランティアの活動の積極化、中でも老人御自身のボランティア参加という点を推し進めていきたいと思います。  実は、私先般老人クラブの会合にちょっと出たのですけれども、そこで体験発表がございまして、お年寄りが集まって地域に非常に貢献をなさっているという実例を聞いて大分感銘を受けたわけでございますが、子供と一緒に作業をする、あるいは昔覚えたことを子供に教える、あるいは地域の清掃活動その他非常に多岐にわたる活動をしているという体験をお聞きしたわけであります。それによって老人生きがいと喜びを持っておられますし、そして地域住民も大変喜んでおられる、こういうことでございました。  その意味では、ただいまお話がございましたようなことは全くそのとおりでございまして、特にボランティア振興、しかも老人自体のボランティアへの参加ということをこれからも積極的に推進してまいりたいと思います。
  29. 塚田延充

    塚田委員 次に、医療政策についてお伺いいたします。  国家政策としての国民皆保険制度を初めといたしまして、医療関係者の大変な御努力によりまして、現在この医療関係は世界最高の水準にあり、この恩恵を受けて長寿社会が実現しようとしているわけでございます。しかしながら、これを医療費という面で見ますと、冒頭私が御質問申し上げたように、厚生省推計でもございますように、医療費の負担、圧迫というのが大変な問題になってくることは明らかでございます。  そこで、端的にお伺いいたしますけれども医療費のあり方について今後どのような施策によって適正化していこうとしておるのか、その場合何がポイントとなるのか、さらには国民としてこの問題について何を協力していくことができるのか、その見解を伺います。
  30. 岸本正裕

    ○岸本政府委員 老人医療費は、老人人口の増加や医療技術の高度化等の要因によりまして、今後とも増大することは避けられないところでございますけれども国民にとって過大な負担にならないよう、これを適正なものとしていくことが極めて重要な課題であると認識いたしております。厚生省といたしましては、従来からレセプト審査とか指導監査等の充実、診療報酬の合理化などの医療費適正化対策を積極的に実施をしてきておりまして、今後ともこの面で一層強力に推進することといたしたいと思います。  また、壮年期からの健康づくりを目指しました保健事業、いわゆるヘルス事業でございますが、これを一層推進するとともに、老人の心身の特性にふさわしい良質な医療を効率的に供給するためのシステムづくり推進することが、結果として医療費の適正化にも資するものと考えております。具体的には、例えば老人医療ガイドラインやリハビリテーションマニュアルを作成すること、訪問看護の拡充等の在宅ケァを充実すること、老人保健施設の整備を進めること、医療計画を推進すること等の施策を着実に実施したいと考えているわけでございます。  国民として医療の適正化にどういうことができるかというようなお話がございましたが、長寿社会を迎えますけれども、健康な老後を過ごすということが本人にとって最も幸せであるし、社会の活力の源でもあると私は思います。本人といたしましては、自分の健康はみずから守る、こういう自覚のもとに、若いときからの健康づくり、こういうことを本人も進める、行政もそういうことを本人が進めやすい環境づくりをしていく、こういうことが大切であろうというふうに考えております。
  31. 塚田延充

    塚田委員 医師数、歯科医師数の増加は医療費の増加と強い相関関係があると言われておりますけれども、こういう医師及び歯科医師の供給過剰が現実化してきておりますが、その現状と今後の対策についてお伺いしたいと思います。
  32. 仲村英一

    ○仲村政府委員 医師、歯科医師の養成の現状でございますが、我が国も人口対比でいいますと、アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ等と比べましてそろそろ遜色のない水準に達してきておるのは御指摘のとおりでございます。このまま推移いたしますと、逆に今先進各国で悩んでおるような医師、歯科医師の過剰という御指摘のような状況が出現する可能性が非常に高いわけでございまして、それは医療費の適正化ということも含みますけれども我が国医療水準を維持するということからも、過剰の医師、歯科医師というのは望ましくないと私どもは考えておるわけでございまして、六十一年にいろいろ検討していただいた結果でございますけれども昭和七十年を目途に新規参入を最小限、お医者さんは一〇%、歯医者さんは二〇%削減する必要があるという御意見をいただいたわけでございます。この方針にのっとりまして、私ども文部省にも働きかけまして、適正な医師数を維持したいということで現在やってきておりまして、六十二年度までに、入学定員の削減でございますが、医師の場合には五十九年の八千三百六十人に対しまして百二十人を削減しております。あるいは歯科医師につきましては、五十九年の入学定員の三千三百八十人に対しまして百人の削減をしております。したがって、このような努力を今後とも引き続きやっていきまして、供給面からの適正化というものを図ってまいりたいと思うわけでございます。
  33. 塚田延充

    塚田委員 最後に、原爆被爆者対策についてお伺いいたします。  戦後四十三年が経過した今日、なお原爆被爆者の方たちは被爆者対策の充実を求めて活動を続けています。きのうも被爆者の代表の方々から私ども民社党に要請がございまして、日本原水爆被害者団体協議会が本年三月十日付でまとめました原爆被害者調査第二次報告を持ってこられたわけですけれども、この中には厚生省調査には今までなかった死没者に関する具体的な調査の結果が報告されていたわけで、私どもそれを見させていただいて感慨無量だったわけでございます。  厚生大臣にお伺いいたしますけれども大臣はこの報告書を読まれたのでしょうか。読まれたとすれば、どんな感想をお持ちになったのか。そして被爆者の方々が要求し続けておられます原爆被爆者援護法の制定についてどのようなお考えなのか、最後に大臣の御答弁を求めます。
  34. 藤本孝雄

    藤本国務大臣 今回取りまとめられました調査結果を拝見いたしまして、改めて被害の甚大性と被災者関係者の御労苦につきましてお察しを申し上げたわけでございます。  政府におきましては、御承知のように昭和六十年に被爆者の実態調査を行っておりまして、昨年、そのうちの生存者の調査結果がまとまっております。その中で被爆者の方々高齢化が進行しているということ、また保健福祉の面で御心配が多いということもよくうかがわれるところでございまして、六十三年度予算におきましては、がん検診の実施を初め各種施策の充実を図っております。またこの実態調査の一環といたしまして、死没者調査も行っておりますが、この調査につきましては、六十三年度いっぱい時間がかかるものと考えております。  また、援護法の制定の問題は、私は昭和三十八年に当選したわけでございますが、当時の社会労働委員会におきましてずうっと議論のありましたことを承知をいたしております。いろいろな経緯、経過があるわけでございますけれども昭和五十五年の原爆被爆者対策基本問題懇談会の報告の趣旨も踏まえまして、原爆被爆者対策につきましては、広い意味での国家補償の見地に立って、被害の実態に即した措置、対策を謀ずべきものだと考えております。  援護法の制定につきましてはいろいろ問題があるわけでございますので、今後とも現行の原爆二法の対策を充実することによって、私どもといたしましては対処していきたいと考えております。
  35. 塚田延充

    塚田委員 以上、終わります。
  36. 野呂昭彦

    ○野呂委員長 代理 児玉健次君。
  37. 児玉健次

    ○児玉委員 先日の厚生大臣の所信を伺いましてさまざまに考えることがございましたが、きょうは、大臣の所信とも関連させながらエイズの問題、とりわけ血友病患者におけるエイズ感染の問題を中心にしてまず御質問をしたい、こう思います。  そこで、大臣に最初にお尋ねをしたいのですが、聖マリアンナ大学教授でHIVキャリアの発症予防・治療に関する研究班主任研究者山田兼雄先生、この方が「血友病がAIDSの直撃をうけたことは、今世紀における医療の最大の悲劇の一つと考えてよい。」このようにおっしゃっております。この分野医療活動、教育活動で文字どおり先頭に立たれている医学者の言葉として私は非常に強いものだと思いますが、大臣のこの言葉に対するお考えを聞かしていただきたい。
  38. 藤本孝雄

    藤本国務大臣 患者を預かっております主治医としての率直な御感想であるというふうに受けとめております。
  39. 児玉健次

    ○児玉委員 この三月の一日のことなのですが、私どもの党の国会対策委員長をやっております寺前巖議員に対して一人の母親から手紙が参りました。その手紙では、 前略  私は血友病の小学生を持つ母親です。  残念というより悔しいことですが、私の息子は エイズに感染しています。 こういう書き出しで、何ページかのものですが、その中で特に次の部分です。   今、私たちは発症の不安におびえています。  先日も息子が「エイズの治療薬は二年ぐらいで  できるって先生言ってたよね、もう二年たって  いるよ」と言うのです。そして「僕、もうイヤ  になってしまうんだ」とポツリと言った時私は  心臓がドキッとしました。その息子の言葉を忘  れられません。   今、子どもはじっとこらえています。親に少  しでも心配かけまいと自分の不安をできるだけ  みせないようにしています。十歳足らずの子ど  もがです。子どもの気持がどんな状態にあるの  か、厚生大臣や首相は少しでも知っているので  しょうか。どんなにつらい思いをしているのか知って欲しいのです。全国の血友病の子どもた  ちがどんな思いで毎日を送っているのか思いを  はせて下さい。大臣も人の子の親だと思います。  この質問に向けて、東京と北海道で何人かの血友病の患者の方、家族の方とお会いしました。そういう方々から共通に出される切なる願い、その第一は発症の予防です。キャリアになったということを本当に深いショックで受けとめていらっしゃるのだけれども、根治療法の何らかの対策ができるまでせめて発症を予防してほしい。今の子供も、二年と子供心に言い聞かせながら頑張ってきて、「もう二年たっているよ」。もちろん根治療法の確立を目指しながら、発症の予防と治療、ここに血友病患者と家族の最も切なる願いがあると私は受けとめておりますが、大臣のお考えを聞かせてください。
  40. 藤本孝雄

    藤本国務大臣 一般的に病気に関して考えてみますと、病気にならない、そのための予防、また不幸にいたしまして病気になった場合は、早く治す治療、この両面があるわけでございまして、エイズに関しましても、まさにその両面はございます。先般のロンドンにおきます国際会議におきましても、治療方法が確立していない。そういう現段階におきましては、まず予防に全力を挙げる。しかし治療方法の確立、研究推進ということも無論大事な問題でございまして、その点につきましても、もとより懸命に努力をしなければなりませんし、また現在しておる、こういう状況でございますけれども、国際的に見まして、現段階で、エイズの治療法はこれだ、これをもってすれば治るというところまでなかなか来ていないということが現実でございまして、まことに残念なことだと考えております。
  41. 児玉健次

    ○児玉委員 ちょっと大臣、重ねてお聞きしたいのです。  この母親は厚生大臣に知ってもらいたいと。今の言葉は私は大臣として当然の言葉だと思いますが、エイズというのは、もし発症しますと、残念ながら死に至る可能性の高い疾病でございます。そして今大臣の言葉のとおり、まだ根治療法はなく、発症予防についても模索の段階です。そのことについて厚生大臣として、厚生行政の責任者として、この問題を重点に置いてどういうふうに進められようとされるのか、そこのところ、詳しいことは後で局長から聞きますけれども大臣の人間としての言葉を聞きたい、そう思うので、お願いします。
  42. 藤本孝雄

    藤本国務大臣 エイズにつきましてはよく御存じの先生でございますから、詳しくは申し上げませんけれども、およそ感染者になりますと、今のところ、五年前後で四〇%の発症をしておるわけでございまして、その結果として九〇%の死亡率と、極めて高いわけでございます。私といたしましても、国民の健康を守る非常に重い使命があるわけでございまして、エイズの感染予防には無論全力を挙げてまいりますけれども、不幸にしてキャリアになった方々が発症しないように、その予防、また患者になった方々に対しましては、その対策に全力を挙げていくということについては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、今後も全力を傾注してまいる決意でございます。
  43. 児玉健次

    ○児玉委員 そこで、少し絞ってお聞きしたいのですが、発症の予防と治療、過去の経過は私はもう一切必要ありませんから、現在の瞬間で、この発症の予防と治療というものがどこまで来ているのかということを端的にお聞かせいただきたい。  そして、この後どこに重点を絞って発症の予防と治療ということでお進めになろうとしているか、この二点についてお伺いいたします。
  44. 北川定謙

    ○北川政府委員 まず、発症の予防、これは非常に大事な問題でございますので、厚生省といたしましては、既に昭和六十一年度からこの仕事を始めております。ただ、非常に長期にわたっての観察を要する問題でございますので、今の段階でどこまで来て今後どこだ、こういうふうに切るわけにはいかないわけであります。  御存じのように、この問題が非常に深刻な状態であるということがだんだんわかってくる過程で、特に昭和六十三年度からはエイズの研究費も格段に増加はさせて、六十三年度からはさらに研究の内容を深めていく、こういうことでやっておるわけでございます。  一番の発症予防の可能性のあるテーマとしては、各種の免疫調整剤等を中心とする新しい治療薬剤を実際に使ってみる、そしてその成果を長期にわたって観察する、こういうことを進めておるところでございます。
  45. 児玉健次

    ○児玉委員 ヘモフィリア友の会の会報があるのですが、その中で、これは一九八六年、一昨年の三月の段階のアンケートでございまして、対象は患者またはその家族、この場合答えたのは二百七十名です。今局長がおっしゃったことに絞ってみます。「免疫力回復などの治療を受けていますか。」「受けている」と答えた方が六名、二%です。「受けたことがある」が五名で二%です。「受けていない」百九十九名、七四%。「受けているかもしれない」一名。無記入が五十九名、二二%です。この状態についてどうお考えでしょうか。
  46. 北川定謙

    ○北川政府委員 このエイズの発症予防の問題というのは、医学の分野におきまして、人類にとって全く新しい課題であるわけでございます。したがって、どの薬をどのように使っていったらいいのかということについては、まだまだ模索の段階であるわけでございまして、そういった観点から見ますと、今委員御指摘のように、それを実際に受けておられる方というのは非常に少ないわけでございますが、厚生省といたしましては、六十三年度からは現在までのいろいろな専門家の議論をベースに置いて、この発症予防の研究を拡大をしようとしておりますから、その数字は六十三年度からは飛躍的に増加をさせることができると思っております。
  47. 児玉健次

    ○児玉委員 最近都立駒込病院のお医者さんたちが集団で「エイズを診る」という本をお出しになって、私あれを一気に読みました。その中でこもごも言われていることは、みずからがキャリアであるということを知らされている患者と、そしてこの問題について熱心に研究、努力をされている医師との相互の深い信頼関係がなければ、この問題は進んでいかないという指摘が随所にあります。  先ほど私が言いました山田兼雄教授、この方はHIVキャリアの発症予防・治療に関する研究班のいってみればキャップでいらっしゃるわけでありますが、この後、この研究班の人数も思い切ってふやし、地域的にも日本のどの場所にいても研究班のドクターとコンタクトができてその治療にあずかれる、こういう体制をつくることが必要だと思うのですが、そのことについて具体的なプランをお持ちでしょうか。
  48. 北川定謙

    ○北川政府委員 先ほど来申し上げております発症予防の研究を的確に進める、それからエイズに感染をしている血友病患者の全体像を的確に把握をする、この両面の課題を進める上で、ただいま委員が御指摘のように、全体をうまくネットワークをつくっていく、これは非常に重要なことであると私ども認識をしておりまして、今御指摘のございましたような山田先生を中心とする専門家ともいろいろと議論を詰めておる段階でございます。
  49. 児玉健次

    ○児玉委員 六十三年でこのスタッフは何人ぐらいは増員されるでしょうか。
  50. 北川定謙

    ○北川政府委員 研究者の数というふうに考えますが、まだ人数を何人というところまでは考えておりませんが、ただいまの段階で想定できるのは、日本全国で大体二十カ所くらいと想定をしますと、相当数の血友病の患者がカバーされるというふうに考えております。
  51. 児玉健次

    ○児玉委員 厚生省では、これまでの努力の中で昭和六十二年四月一日「エイズ診療の手引き」というのをお出しになっております。その中で、先ほど私が申しました、このことについて専門的な知見を有する熱心な医師とキャリアであることを告知された患者との継続的な信頼関係、その場合に検査をした人たちがどのくらい結果を知らされているかということが当然重要な問題になります。  ヘモフィリア友の会からごく最近伺ったところによりますと、この点で四百五十七名の方から去年の六月から七月の間にアンケートの答えを皆さん方はお受けになった。そこで四百五十七名中、「検査を受けて結果を知っている」二百三十人、五○%です。「検査を受けたが結果は知らない」百六人、二三%です。先ほどの厚生省の「手引き」の中には、その二十三ページのところですが、「感染者には、HIV感染の事実とその病状を十分説明したうえで、健康管理上、注意すべき事項を指示することが必要である。」こう述べてあります。これは恐らくその検査の結果を医師の責任で、適切な配慮のもとに、基本的には検査を受けた方に伝えろという意味だと思うのですが、いかがでしょうか。
  52. 北川定謙

    ○北川政府委員 エイズは感染症でございますので、次への感染の防止を図るという観点からは、告知をするということが原則であると思います。しかし、特に血友病の患者さんの場合には、非常に年少者が多いわけでございます。そういう観点からいきますと、いろいろと本人への影響あるいは周辺への影響を考えますと、必ずしも告知をするということがいい結果を招くかどうか、ここのところはその主治医が非常に悩むところでございまして、私も何人かの先生方とお話をしましたが、そこのところは非常に議論が分かれているところでございます。  そういう状況でございますので、感染防止という観点からすれば、告知をするということは原則でありますけれども、告知をしない状況の中で、さらに感染を防いでいくというようなことは可能かと思われますので、そこのところは主治医が適切に判断すべきものと考えるわけでございます。
  53. 児玉健次

    ○児玉委員 まさしく私も主治医の判断でというふうに申し上げているわけです。,  そこで、この「エイズ診療の手引き」ですが、ページをあけると、すぐ「この手引きは、学問の進歩や経験の蓄積などに応じて今後とも改訂を加えていく必要があるものであることを付言する。」こう書いてありますね。これはやはりそれぞれの場所で頑張っていらっしゃる臨床医にとっては重要なアナウンスメントの一つだと私は承っております。ここで書かれているような、新しい進歩や経験の蓄積などに応じて改訂を加える、その点で厚生省としては、この後どんな御予定がありますか。
  54. 北川定謙

    ○北川政府委員 先ほども申し上げましたように、六十三年度から新たにエイズに関するいろいろな研究班をスタートさせるわけでございますので、そういう知見も十分に取り入れて、適時その結果を社会に、あるいは専門家である医師の方々に情報を提供していく、その努力は継続的に続けてまいりたいと考えております。
  55. 児玉健次

    ○児玉委員 端的に聞きますから、端的にお答えいただきたいのですが、次のその改訂版はいつ発行される予定ですか。
  56. 北川定謙

    ○北川政府委員 六十三年度の末までには一度やりたいと思っております。
  57. 児玉健次

    ○児玉委員 この問題に関連して、次の問題に入りたいのです。それは血友病患者と家族の切なる願いのもう一つの点は何かといいますと、安全な補充療法剤の供給ということだと何回も申されました。  そこで、ここに北海道の市立美唄病院の小児科医長をなさっている後藤三雄先生、これは発刊されたのが昭和五十九年十月です。五十九年十月だということをちょっと御留意いただきたい。この後藤先生は補充療法剤の使用に関連して、肝炎ウイルスに汚染される機会が多いか少ないかというところに着目されながら、濃縮血液剤について、「一度に高単位を必要としない軽度の出血や、高単位を必要としない乳幼児では、なるべく、一人の供血者の血漿から製造したクリオなど、低単位製剤を使用することをお薦めします。」こう言われております。それからもう一つは、昭和六十年十月に発刊された日本医事新報でございます。北海道赤十字血液センター所長、関口先生がこのような指摘をされています。「頭蓋内出血、重症の出血や大手術時には乾燥濃縮剤を、術後の維持や小手術時あるいは軽度出血症状に対しては乾燥剤やクリオプレシピテートを用いるように、症状に応じた適応を考慮すべきである。」現場からの問題提起なんですが、この問題提起について厚生省としてはどんな御見解をお持ちでしょうか。
  58. 北川定謙

    ○北川政府委員 医師はそれぞれの責任において一番新しい医学的な情報に基づいてそれぞれ判断をし、診療を担当されるわけでございますので、そこのところは行政がどうこうすべきだということを申し上げる立場にはないと思います。
  59. 児玉健次

    ○児玉委員 おっしゃるとおりです。そこで、現場の医師から先ほど言ったような問題提起があります。この問題提起を言い直すと、こうなりませんか。血友病には重症、中症、軽症がございますね。それからそれぞれの患者の出血の態様についてもさまざまな違いがあります。軽症の血友病の患者の方や軽度の出血や乳幼児の場合などはなるべくクリオを使う、そういう医師からの問題提起があるわけですから、厚生省としては当然それに万全に対応できるようにしなければなりませんね。その点はどうですか。
  60. 北川定謙

    ○北川政府委員 いろいろな医療を進めていく上で幾つかの選択肢があるわけでございまして、それぞれの選択肢にはプラスの面とマイナスの面とがあると思います。今先生指摘のクリオの場合には、治療上非常に不便が多いとか、あるいは逆に言えば、現在一番多用されております凝固因子製剤は使用が非常に便であるというようなことから、医師はそれぞれの判断をして、どちらを選択するかを決めていくべきものではないかというふうに思うわけであります。
  61. 児玉健次

    ○児玉委員 局長、今選択肢と私も言ったし、局長も言われたのですが、そうなりますと、血友病の凝固因子の補充療法剤について言えば、濃縮製剤だけが一つ選択肢だということはありませんね。選択肢は複数ですね。どうですか。
  62. 北川定謙

    ○北川政府委員 そういう意味からいけば、選択肢はあると思います。
  63. 児玉健次

    ○児玉委員 それで、そういった選択肢をふやしていって、それぞれの状況にふさわしい最も適切な治療を行う、もちろん医師の判断とその責任において。そういう治療が進められなければならないのですが、今全国の血友病患者の皆さん方の中から、日本赤十字社の乾燥低フィブリノーゲン抗血友病人グロブリン、RCG5の製造許可を早くしてほしいという要望書が斎藤厚生大臣に一昨年来届けられていると思いますが、要望書は届いているでしょうか。
  64. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 そういう御要望が出ておることは私ども承知しております。
  65. 児玉健次

    ○児玉委員 製造の許可の申請はいつ出たのか、そして今そのことについての扱いはどうなっているのか、その点。
  66. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 日本赤十字社からのRCG5の承認申請は昭和六十一年五月に出されております。  現在の状況でございますが、このRCG5につきましては、その安全性が既に承認をされております他の濃縮加熱製剤と同等であるとして、ウイルスの不活化・除去についての資料が提出をされておるわけでございますが、こういった凝固因子製剤は血友病患者に幅広くかつ長期間使用されるものでありますので、特に安全性の検討は重要な項目であるわけでございますので、中央薬事審議会において、その資料について検討いたしました。その結果、やはり献血血液を原料とするといたしましても、各種のウイルスが混入して原料段階で排除できなかったという万一の場合においても安全性が確保される必要があるということから、特にエイズウイルスと、さらに多くのウイルスについて不活化・除去試験を多く行う必要がある、こういう御意見をいただいたわけでございます。  そこで、これに基づいて、現在日本赤十字社におきまして各種ウイルスの不活化・除去試験が行われている段階でございまして、厚生省におきましては、その試験結果が出てまいれば直ちに審査を進める、こういう対応をとる所存でございます。
  67. 児玉健次

    ○児玉委員 このRCG5について、時には中間製剤と言われたり中間クリオと言われたり、現場の医師や患者の中から特別に強い期待が出ているんですが、その中間クリオとか中間製剤とかと言われるのはなぜでしょうか。
  68. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 中間と言われるゆえんは、従来用いられておりましたクリオという型の製剤と最近の濃縮凝固因子製剤とのほぼ中間に位置するものという意味で用いられているものと理解しております。
  69. 児玉健次

    ○児玉委員 そうであれば、先ほど選択肢の議論をやったわけなんですが、その濃縮製剤とクリオの中間に存在する、もしそれが認可されたら自己注射が可能になるでしょうか。
  70. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 まだ確定的なことは申し上げられませんが、その可能性はあると理解されております。
  71. 児玉健次

    ○児玉委員 だからこそ血友病友の会の皆さん方から再三にわたって強い要望が出されております。  そこで、私は伺いたいんですが、日赤という団体は収益を目的とするのか、収益を目的としていないのか。どんな団体でございましょうか。
  72. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 日本赤十字社は法律に基づいて特別に設立されております法人でございまして、営利目的の法人でないことは明らかでございます。
  73. 児玉健次

    ○児玉委員 まさしくノンプロフィットの団体ですね。そういう団体が幾つかある血液製剤のメーカーとの中に伍してさまざまな御苦労をなさっている。そして厚生省としても、厚生省の御努力の結果として、日本ではボランティアによる献血ということに絞られてきております。そういった中で、この日赤がRCG5について今検討を進め、そしてこの申請も出してきている。そういう中で、厚生省としてはただ座して待つのでなく、この製剤が早く認可ができるように行政としても必要な努力をすべきではないか。今までもそのような努力を加熱製剤についてはなさっておりますし、そして過去にさかのぼれば幾つかの薬剤について厚生省は迅速に努力をされた経過もあります。RCG5について、その努力をなさるおつもりはありませんか。
  74. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 こういった製剤が先ほどから議論になっておりますような選択肢の一つとして使われるということには非常な意味があると考えておるわけでございますので、私どもも、現在日本赤十字社で必要な試験などを行っておる段階において、できるだけそれが早く進むように期待をしておるわけでございますし、各種相談などには十分応じるようにしておるわけでございます。ただ、技術そのものは日本赤十字社の技術でございますから、私どもが直接そこに入っていくということはできないわけでございますが、できるだけの支援をいたしたい、また、承認の際の手続の迅速化についても努力をいたしたいと考えております。
  75. 児玉健次

    ○児玉委員 そこで、次の問題に移りたいのですが、濃縮血液製剤の使用と血友病患者のエイズの感染の事実における因果関係、これはことしの二月二十三日の衆議院予算委員会で坂本政府委員が、非加熱製剤によってエイズウイルスに感染したという因果関係はあるわけでございますと答弁されておりますが、間違いありませんね。
  76. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 私がそう答弁したことは、そのとおりでございます。
  77. 児玉健次

    ○児玉委員 これはこれまでの国会の論議の中でたびたび明らかにされてきたことですが、アメリカでは昭和五十八年の三月にFDAがハイリスクグループからの採血中止を指示する、加熱製剤の製造承認を続いてやる、フランスや西ドイツやオランダは、血液製剤の輸入禁止をフランスの昭和五十八年五月を先頭にしてどんどん進めていっている。  そこで、新しい観点からと言うとちょっとおこがましいので、今の点は引っ込めますが、濃縮血液製剤の使用ということで、安全にするための加熱製剤、その加熱の態様はさまざまあるわけですが、この加熱の態様としてはどのように進めることが好ましいと今お考えでしょうか。
  78. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 エイズといういわば人類にとって未知の病気が発生いたしまして、現在専門家がいろいろな手段によってその予防策あるいは治療策について研究しておる段階でございまして、なかなか明確な決め手というものが見出せないという状況にもあるわけでございます。そこで、加熱ということも予防策の一つであるわけでございますけれども、いかなる方法が最も適しているか、これはいろいろ試行錯誤と申しますか、専門家がいろいろな角度から検討しながら次第に経験を積み重ねて、結果としての最良の方法というものを見出していくというような過程を経ることになるだろうと思います。今までのところで過去のそういった状況を見てまいりますと、どちらかと申しますと、いわゆる乾燥加熱方式に比べて液状加熱方式の方がより安全度が高いのではないかという一応の推論がなされておるという状況にあると理解しております。
  79. 児玉健次

    ○児玉委員 できるだけ早く液状加熱または蒸気加熱にまとめていくということで、厚生省としてはそれを促進する意思はございませんか。
  80. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 乾燥加熱あるいは液状加熱、こういうふうに二つの分け方をいたしますとこれは非常に大ざっぱな表現になってしまいますが、それぞれの方式において加熱の温度とか加熱の時間、そういったような条件次第でやはり多少の優劣の度合いというものも出てくるかと思いますが、一般論的に言って、同じような温度、同じような時間であれば、液状加熱の方がより安全であろう、こういうことが大体認められておるわけでございます。したがいまして、そのほかにまた別途の処理方法もあるやに聞いておりますが、いずれにしても、現在の段階でできるだけ安全度の高い方法件よって製剤が製造されるように私どもとしても努力をする考えでおります。
  81. 児玉健次

    ○児玉委員 その努力を強めていただきたいということを要請いたします。  さて、この加熱製剤への切りかえがもし可能であったら、そして非加熱製剤についての回収が行われていたらということがこれまで何回か議論になっております。私はそのことに余り時間をとるつもりはありませんが、一つだけお聞きしておきたいのです。  薬事法の五十六条の五「異物が混入し、又は附着している医薬品」、六に「病原微生物により汚染され、又は汚染されているおそれがある医薬品」とありますが、エイズウイルスが混入しているおそれのあるこの血液製剤は、この六番目に該当しないでしょうか。
  82. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 エイズウイルスというものがその製剤の中に明らかに混入しているということが認定された場合には、該当する可能性がございます。ただ、これまでに日本で使われておりました非加熱の凝縮濃厚製剤につきまして、エイズウイルスを明確に検出できる検査方法というものが従来確立されておらなかったために、そういった検出によって、これが明らかに汚染された製剤であるという断定は困難であったという事情はあると考えております。
  83. 児玉健次

    ○児玉委員 今の局長のお答えだったら、薬事法五十六条は、病原微生物による汚染された医薬品というレトリックになるはずですよ。そうでなくて、「又は汚染されているおそれがある医薬品」これについても明確に指摘されているのですよ。今のお答えでは承服できませんね。
  84. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 やはりおそれのあるというものもそれなりに根拠が必要でございますので、このエイズウイルスについては、これまでになかなか確認のできない部分もあったということで、そこまでの確度を持って判断をするという点については、非常に困難な面があったというように考えておる次第でございます。
  85. 児玉健次

    ○児玉委員 この問題は、この後残された重要な問題として私は指摘しておいて、ヘモフィリア友の会から承ったお話としてもう少し進めたいのです。  四百五十四人の患者の方がいらっしゃる。これも去年の六月の段階です。濃縮製剤の注射頻度、年数回という方が七十六人、これは一七%です。月一回という方が五十八人、一三%です。合わせて約三〇%ですが、これらの方々については、まさしくクリオが適正な補充療法剤ではないだろうかと思うのですが、どうですか。    〔野呂委員長代理退席、委員長着席〕
  86. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 クリオプレシピテートという型の製剤が適当であるというケースは、これは医師の判断によって決められるものであろうと考えるわけでございますので、そういったケースは当然あり得るわけでございます。
  87. 児玉健次

    ○児玉委員 あらかじめ厚生省にお示しをしておりますが、先ほど私が引用させていただいた「日本医事新報」、北海道赤十字血液センターの所長をなさっている関口先生の論文、その中で、一九八三年における「スイスと日本におけるヒト血液凝固第VIII因子製剤の消費量」という表がございます。日本の場合はクリオが二・〇%、そして濃縮製剤が九八・〇%です。スイスの場合はクリオが七一・八%、そして濃縮製剤が二八・二%です。明らかに逆転していますが、これはなぜでしょうか。
  88. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 ただいま御引用になりました報告については、私どもも拝見をしておりますが、スイスの治療の実態については、実は私ども余り詳しく存じておりませんし、またこの報告の中にもなぜそういう状況になるかということは書かれておりませんので、私としてもその理由について確定的なことを申し上げられる状況にはございません。  ただ、いずれにいたしましても、こういった製剤をどう使用するかということは、 医師の判断あるいは患者の要望等によって決められるわけでございますが、日本とスイスでいろいろと医療事情にも違いがあるということも考えられますので、非常に多くの要因が絡み合っているのではないかというように一応理解をしているわけでございます。
  89. 児玉健次

    ○児玉委員 ちょっとその答弁は私たちを納得させませんね。この点について私は新しくスイスを取り上げたのですが、過去にも例えばノルウェーで、アメリカからの濃縮製剤の危険性が指摘された段階でクリオに切りかえて、現在ノルウェーこおける感染者は六%、六%自身が非常に痛ましいことではありますが、日本に比べてはるかに低率で抑えている。  私は端的に聞きますが、スイスやノルウェーと日本の医療で、今日のような発達した科学社会で、こういう大きな差、有意の差なんというのではなく決定的な差が生まれている。それを医療事情の違いだといって片づけられますか。局長のお考えを聞かせてください。
  90. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 私の表現が適切でなかったとすれば、もう一度重ねて申し上げますが、断定的なことを申し上げるだけの知識は私にはございませんが、日本における状況として一つ承知しておりますことは、従来のクリオ型の製剤も、これはこれなりにいろいろなメリットがあるわけでございますけれども、新しい濃縮型の凝固因子製剤も非常に大きなメリットがある。それは特に自己注射が可能になったことによって、患者の方が社会活動の範囲を非常に広げることができて喜んでおられるということでございます。また五十八年には全国ヘモフィリア友の会の方から、やはりそういったことを前提にいたしまして、自己注射の実施というものを今後とも後退されることのないようにやっていただきたいという御要望も出ておるわけでございます。その辺がただいまお挙げになりましたスイス、ノルウェー、どういうふうに一般に理解されているかということは、私は全く存じませんけれども、少なくとも日本の場合には、医師のほかに患者においても濃縮凝固製剤に対する要望が非常に強いということは、事実としてあるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  91. 児玉健次

    ○児玉委員 これも二月二十三日の予算委員会での議論ですが、「このエイズのウイルスが混入していたということが発見できなかった時期というのが相当長く続いておりますし、また、血友病の患者にとってどうしてもその投与を中止するということがこれは生命にかかわる問題であってできない、こういう時期がございました」云々と答えていらっしゃる。血友病患者の生命維持のために供給責任があったというのが皆さんの唯一のこれまでの逃げ口上なんです。ところがスイスやノルウェーでは、補充療法剤を濃縮製剤一本に絞っていないために、その患者の状態に応じて適宜クリオその他を使って、こういった点についての危険を免れる最大限の努力をしている。なぜそれが日本でできなかったのか、伺います。
  92. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 日本におきましても、濃縮型の凝固因子製剤のみが使われていたわけではございませんで、クリオプレシピテートも使われていたことが事実でございます。またその供給につきましても、これは従来と同じように供給をされておったわけでございまして、使用は可能な状況にあったわけでございます。私どもはクリオの方の使用をとめて濃縮凝固因子製剤だけを供給したということではございませんので、やはり使用に当たっての医師の判断なりあるいは患者の方の要望といったものがそこでは相当重要な比重を占めて、その結果、クリオプレシピテートは必ずしも多く使用されていなかったということになろうかと思いますが、供給はなされていたというのも事実でございます。
  93. 児玉健次

    ○児玉委員 供給はなされていたけれども、その供給といいますか、使用の結果がどうだったのかというのは、さっきスイスの例で私は事実を挙げて指摘しているのですよ。その点についてはあなたも当然御承知ですよ。医師の判断、医師の判断と言われますが、これは風邪を引くか引かないかという程度の問題でなく、エイズウイルスに感染するかどうかというのは、冒頭申し上げたように、大臣のお答えもあったけれども、これは人の生命に関する問題ですから、そのとき西欧諸国がやったような判断がなぜ日本でできなかったのか。私は結果のことを言っているのでなく、一定の行政指導方向づけというのがあったら、あの悲劇は起きなかったはずだ。  思い出すのですが、小児麻痺が全国的に流行したとき、ソ連製の生ワクチンの服用について多くの議論があったことがあります。そのとき厚生省としては、さまざまな手続についての極めて迅速な措置や特段の措置をお講じになって、これが服用されて小児麻痺の蔓延を防ぐという事態がありました。厚生省はかつてそのことをなさった。なぜ血友病患者について同様の立場から御努力をなさらなかったのか、はっきりお聞きしたい。
  94. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 五十八年の七月に厚生省としては加熱型製剤の開発をメーカーに指示したわけでございます。したがって、できるだけこの加熱型凝固因子製剤が早期に供給できるように私どもはまず第一弾の対応をしたわけでございます。その後各社におきまして開発が進み、六十年の七月に承認がおりておるわけでございます。この間、非加熱のものと、先ほど申しましたように、クリオのものと両方国内には供給されておりまして、いずれも使用可能の状態にあったという状態の上に、できるだけ早く加熱型を供給したいという考え方で私どもとしては最大限の努力をもって臨んだということでございます。結果としては一年有余かかったわけでございますが、これはやはり当時としては加熱による副作用というものがないかということを十分確認することがどうしても欠かせない必要な条件であったということと同時に、承認申請が出てまいりました段階で、他の承認に係る品目の承認を持たせてまでエイズ関係の凝固因子製剤の承認を優先させて早期に承認した、こういった意味で最大限の努力をいたしてきたわけでございます。
  95. 児玉健次

    ○児玉委員 先ほど私はアナウンスメントの問題を問題にしたのですが、現場の医師に対する周知徹底の問題です。  エイズサーベイランスには非常にすぐれた研究者が大勢おいでです。例えばこの「エイズ診療の手引き」などを使って、局長の方はもっぱら非加熱から加熱に切りかえるための努力がどうだったかということをるる申しているけれども、こういうケースの場合はクリオが適切で、その分については感染の危険性がない、なぜそのアナウンスメントをこの方々のお力もかりながらするように進められなかったのですか。その点を伺います。
  96. 坂本龍彦

    ○坂本(龍)政府委員 医薬品の製造、供給という面について申し上げれば、できるだけ安全な医薬品というものをできるだけ早期に供給する、これに最大限の努力をするということは当然でございますので、私どもの果たしました、実施してまいりました努力というのは、そういう面に集中されたということでございます。
  97. 児玉健次

    ○児玉委員 時間だそうですから、最後に大臣に伺いますが、これまで言われていた濃縮製剤は生命維持のために供給しなければならなかったのだ、まるで緊急避難的な措置というニュアンスは、私は今の議論の中で崩れていっていると思うのです。国の責任は余りにも明白でして、全国血友病の皆さん方が今要望されている国に対する補償要求、感染被害者の完全救済、治療対策の確立・体制の強化、完全な血液製剤国内自給体制の確立、こういう点で、大臣厚生省に特段の御努力を私はこの際要望したいのですが、その点でのお言葉を承りたいと思います。
  98. 藤本孝雄

    藤本国務大臣 児玉さんもよく御承知のように、エイズ対策の最も中心はこの病気の蔓延を防ぐということでございます。そのためには治療と予防に力を入れる、ただし、内容国民の皆さん方に、どういうふうな状況でこの病気が感染するかとか、またこういうことをやらなければ大丈夫とか、そういう予防についても十分に徹底する。さらに患者の人権、プライバシーも十分に守っていく。先ほど例に挙げられました駒込病院のあの本、私も拝見いたしました。実際に連絡をしてきた患者がある日突然来なくなった、理由を聞けば、自分のプライバシーが守られない、自分がだれかわかるというような危険を感じて来なくなった、そういうことなんかも、私は、今後の関係者の御協力をいただいて、重要な課題だと思うわけでございます。  そういう対策を進めていく中で、確かに血友病の患者の中から血液製剤を使うことによってエイズに感染された方々に対しては極めてお気の毒であるわけでございますから、この方々に対する救済というものは、これはやらなければならぬという考え方で、私は事務当局に対しまして、六十三年度予算措置以外のものについてどういう対策がとれるかということの検討を指示したわけでございます。  その後、総理から予算委員会におきます御答弁の中で、まさにこの問題は政治の力で対応すべき問題だという御発言もこれあり、そういう総理の御発言も念頭に置きまして、さらに今検討中でございます。今御指摘のことにつきましても、念頭に入れまして、今後どういう救済措置ができるかということについて早急に内容をまとめてみたい、かように考えておるわけでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  99. 児玉健次

    ○児玉委員 引き続いての御努力をお願いし、かつ、年金関係の質問を予定しておりましたが、そこまで行かなかったことをおわびして、質問を終わります。ありがとうございました。
  100. 稲垣実男

    稲垣委員長 次回は、来る二十九日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四分散会