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1986-12-10 第107回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年十二月十日(水曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 加藤 万吉君    理事 上草 義輝君 理事 町村 信孝君    理事 宮里 松正君 理事 上原 康助君    理事 玉城 栄一君 理事 和田 一仁君       北村 直人君    佐藤 静雄君       武部  勤君    中川 昭一君       中村正三郎君    野中 広務君       鳩山由紀夫君    船田  元君       五十嵐広三君    江田 五月君       小谷 輝二君    藤原 房雄君       林  保夫君    瀬長亀次郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (沖縄開発庁長         官)      綿貫 民輔君  出席政府委員         沖縄開発庁総務         局長      小谷 宏三君         沖縄開発庁振興         局長      塚越 則男君         外務省北米局長 藤井 宏昭君  委員外出席者         防衛施設庁施設         部連絡調整官  森山 浩二君         防衛施設庁労務         部労務企画課長 井上 憲治君         環境庁自然保護         局野生生物課長 佐野  弘君         国土庁計画・調         整局計画課長  糠谷 真平君         農林水産省農蚕         園芸局総務課長 赤保谷明正君         林野庁指導部計         画課長     三澤  毅君         運輸省航空局監         理部航空事業課         長       平野 直樹君         運輸省航空局飛         行場部計画課長 堀井 修身君         気象庁地震火山         部地震津波監視         課長      勝又  護君         特別委員会第一         調査室長    木村 俊之君     ───────────── 十一月二十日  北方領土返還促進等に関する請願(町村信孝君紹介)(第一八三五号) は本委員会に付託された。     ───────────── 十一月十三日  沖縄嘉手納基地からの爆音被害除去に関する陳情書外二件(第一四八号)  沖縄県の軍用地に関する陳情書(第一四九号)  北方領土早期復帰に関する陳情書(第一五〇号) は本委員会に参考送付された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  沖縄及び北方問題に関する件      ────◇─────
  2. 加藤万吉

    加藤委員長 これより会議を開きます。  沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村正三郎君。
  3. 中村正三郎

    中村正三郎委員 本日は貴重なお時間をちょうだいいたしまして、質疑の時間をお与えくださいまして、委員長理事各位の御配慮に心から感謝申し上げる次第でございます。  きょうは宮里松正先生沖縄御選出の代議士として御質問予定でございますので、私は簡潔に御質問いたしまして、あと重要なところは宮里先生の方にお譲りをしたいと思います。  きょう、私は沖縄の問題について御質問させていただくわけでございますが、沖縄で本島のことですと比較的皆様方の御関心が強くて、いろいろなことを御存じな方が多いわけでございますが、沖縄は私が申すまでもなく大変多くの離島を抱えておるわけでございます。そして離島の中で中心的な大きなところが宮古諸島でありまた八重山群島であるわけでありますが、本日はそういったところの振興計画、これからの問題等について御質問させていただきたいと思います。  四十七年の返還以来――四十七年返還以前から政府援助としていろいろな事業をやっておりましたが、沖縄のこの地域は戦争で大変な打撃を受けたため、早く立ち直ってもらおうということで数々の特例を設けて援助をしたりいろいろな施策を立ててまいったところでございますけれども現状を見ますとまだこれからやらなければならないことが山積をしていると思うわけでございます。  例えば八重山地域現状経済を見ましても、昨年の統計だと思いますが、今沖縄大変力を入れております農業生産が百億ちょっと程度漁業生産八重山地域全体で十七億程度しかない。それに比較いたしまして観光収入が百七十四億とどんどんふえてきているわけでございまして、今後もふえる見通しではないかと思うわけであります。それに比較いたしまして、公共投資中心とする振興開発事業費が二百億。各種の基幹産業の売り上げ、それぞれの項目より一番多いのが公共投資中心とした振興開発事業補助事業等であるというところであります。  やはりこういった状況から早く脱却して自立をしていかなければ、公共事業にいたしましても道路をやり河川をやり橋をかけ、また空港計画等もございますが、いつまでも公共事業ばかりに頼るわけにもいかぬと思うわけでありまして、これからの八重山地域の将来に関します振興開発計画について御答弁をちょうだいいたしたいと思うわけでございます。
  4. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 沖縄全般振興開発計画というものも今二次振計で進めておるわけでありますが、御指摘八重山地区は特に最近観光面において非常に脚光を浴びているところであります。今御指摘のように、観光亜熱帯農業を推進していくというのがこれからも変わらない基本方針でありますが、この振興につきましては沖縄の自然の美しさ、こういうものを中心にした観光産業振興できるような基盤を推進していくことが大変重要だと考えておる次第であります。今後も海洋性亜熱帯性を持つ八重山特殊性を生かすような方向振興開発方向をぜひ進めていきたいと考えておる次第であります。
  5. 中村正三郎

    中村正三郎委員 今大臣がおっしゃられました方向でぜひ強力な政策を進めていただきたいと思うわけでございますが、個々の問題をとりますと、農業をやるにいたしましても亜熱帯であるがゆえにいろいろな障害がございまして、これの対策について、事務当局の方で結構でございますから、少しお伺いをいたしたいと思うわけでございます。  私、過去にこの委員会に所属しておりましたときに沖縄に参りましていろいろ要望を聞いてまいりましたが、例のミカンコミバエウリミバエ除去という話がございました。ミカンコミバエ除去が済んだということでございますが、こういうことで温州ミカンとかスモモとかこういうものが本州出荷が可能になったということも伺っております。  問題はウリミバエでございまして、これの駆除をいたしませんと向こうの多くの果樹が本州に送れないということでございます。マンゴーだとかインゲンだとかピーマン、カボチャ、トウガン、スイカ、ニガウリ、こういったものがあるわけでございますが、これの除去計画は大変時間がかかる計画になっておりまして、私が昔伺いましたときに、たしか十年以上かかるような計画がございました。しかも、これが八重山群島という一番南の苦労の多いところが一番最後になっておったわけでありまして、これを何とかしていただけないかという地元からの要請もたくさんございました。  そのときに何回も沖縄に参りまして、石垣島にありますウリミバエ不妊虫ふ化施設を視察いたしましたりいろいろいたしまして、当時の農林省の担当官が関口さんという方だったと思いますが、その方にもお願いいたしまして、また予算取り等にもいろいろ御協力をいたしましてやってまいったわけでありますが、まだ大分先のことになるように聞いておるわけであります。農業振興しようといっても、つくったものが自由に売れないというのではどうにもならないわけでございまして、このウリミバエの撃滅を本当に早くやっていただきたいと思うわけでございます。  そこで、今までウリミバエ駆除に費やしてきた予算、またこれからどういう予算を費やしてやろうとしているのか、またどれくらい早く八重山まで手を伸ばしてもらえるのかということについて御質問をいたします。事務当局で結構でございますから御答弁を賜りたいと思います。
  6. 塚越則男

    塚越政府委員 御質問ウリミバエ根絶の問題でございますが、不妊虫放飼法によりまして沖縄県全域からウリミバエ根絶するために不妊虫大量増殖施設の整備を計画的に進めることといたしておりまして、六十一年度には大量増殖施設内部設備の増設を続けて行っております。  御質問の、これまでどれぐらい予算を投入したかという問題でございますが、昭和四十七年度以降六十一年度までの国費の累積を申し上げますと、ウリミバエ関係で約七十一億円ということになってございます。  次に八重山地域における撲滅計画でございますが、ミカンコミバエにつきましては五十七年度から六十年度の間根絶防除事業を実施しておりまして、これに要した国費が約七億円でございます。ウリミバエにつきましては、昭和六十四年度から六十六年度ということで不妊虫放飼による根絶防除計画しているところでございます。ウリミバエにつきましては宮古地区につきまして六十一年度に根絶予定でございまして、次に沖縄群島を六十一年度から六十四年度にかけてやります。八重山群島につきましてはその後ということになりますが、いずれにいたしましても六十五年度から六十六年度ということで根絶をする計画を立てている次第でございます。
  7. 中村正三郎

    中村正三郎委員 六十四年度から六十六年度というと六十六年度完結ということですか。六十四年度から六十六年度の間にやり遂げられるという意味ですか。
  8. 塚越則男

    塚越政府委員 根絶を六十六年度というふうに考えております。
  9. 中村正三郎

    中村正三郎委員 来年のことを言うと鬼が笑うといいますけれども、これは大変先のことになるわけですね。このために今ニガウリが絶対に移出できないといって地元の人は困っています。ニガウリというのは皆さん御存じかもしれませんが、大変苦い、体にいいウリで、これが将来非常に有望な移出品目になるんじゃないかといって期待をしているんですが、これが移出禁止ですね。あとは検査だとか消毒だとかで出せるようでございます。これは大臣にもお願いしておきたいのですが、御答弁は要求いたしませんが、八重山群島ウリミバエ根絶にいま一つお力を賜りたいとお願い申し上げる次第でございます。  そして、こうしたいろいろな対策をしてこの地域振興を図っていただくわけでございますが、年々二百億以上のいろいろな公共投資中心にしたお金が入っていく、こうした農業関係予算も費やしていろいろな農業対策もやる。また、国営のいろいろな魚の養殖に関する種苗センターもつくったり、いろいろな政策をやっていただいているわけでございます。しかし、何といってもこの沖縄は島でありますので、交通本州のようなわけにはいかないという中で、野菜出荷だとか農産品出荷にも航空路というのが欠かせない要素になってまいると思うわけであります。  そこで、きょう運輸省お見えいただいていると思うのですが、沖縄、特に離島における交通というのはこれから主流は、もう今までもそうですが、航空路であります。その航空路確保ということ、これが非常に重要なことだと思うのですが、いろいろな投下される公共資本、こういったものが有効に活用されるためにも、どうしても航空路確保というのが必要だと思う。それに対する本州等の中における交通と違った意味の行政の指導また監督というものがあってしかるべきだと思うのでございますが、そこらについての御見解運輸省にお伺いしたいと思います。
  10. 平野直樹

    平野説明員 お答えいたします。  先生今御指摘のとおり、離島につきましては航空あるいは海運というものが非常に必須の交通手段でございます。私ども航空を担当しておりますが、その意味離島の航路の維持ということを心がけておる次第でございます。具体的には着陸料その他の諸料金の軽減でございますとか所要の措置はございますけれども、ただ御理解いただきたいのは、基本的には民間企業でございますので、経営を賄っていくに足りる需要がないとなかなかこれがやっていけないということでございますので、そういった需要に応じた供給を提供していくということで、できるだけ企業努力を期待しておるところでございます。
  11. 中村正三郎

    中村正三郎委員 いただきました資料によりますと、沖縄全体に対する流入人口のうち九五%が航空路で入る、八重山に行かれる方の九三%は航空路を利用するということでございます。また、これから農産物海産物出荷もふえてまいると思いますが、大体伺いますと、八重山から出る海産物で三九%かそこらのものが航空に頼っているということでありまして、あそこに南西航空という飛行機が飛んでいるのですが、そこの社長さんに以前会いましたときも、やはりこれから航空路野菜だとか生鮮食品に大いに使ってもらいたいということをおっしゃっておられました。これがどんどんふえていくと思うのですが、現状航空に頼るこうした産品の出荷状況、それからこれからの見込みについて御答弁を賜りたいと思います。
  12. 塚越則男

    塚越政府委員 八重山地域からの輸送形態別出荷量でございますが、農産品につきましては、これは昭和五十九年の統計しかございませんけれども、輸送される量の大体五%が航空輸送に頼っているわけでございます。水産品につきましては、先ほど先生からもお話がございましたが、現在三九%が航空輸送に頼っている状況でございます。畜産品については現在のところそれがございませんが、これから農産品水産品とも航空輸送に頼る比率が非常に大きくなるのではないかということが予想されるわけでございます。
  13. 中村正三郎

    中村正三郎委員 将来の見通しについてはいかがですか。
  14. 塚越則男

    塚越政府委員 現在、航空輸送されております品目といたしましてはオクラ、スイートコーンといった農産品、それから水産品につきましては近海マグロ、カツオ、ウナギ、クルマエビといったようなものが航空輸送されているわけでございます。今後クルマエビ養殖等八重山地区では行われるということが予想されますので、この辺の輸出量が非常に伸びてくるのではないかと予想いたしております。
  15. 中村正三郎

    中村正三郎委員 そして、先ほど開発庁長官からお話がございましたように、その中で観光客ということもこれからの八重山経済にとって非常に重要な位置を占めてくるわけでございます。資料をいただいておりますので、私の方から申し上げますと、今入域者数沖縄へ入る方の八六%が観光客でいらっしゃるそうでございます。そして、八重山に来る方、入域者数の中で七〇%がやはり観光客だそうでございます。そしてその観光客の方が百七十四億円の、農業生産にまさるお金を落としていくというのが八重山現状なのでございます。一  そこで、八重山に行っている航空路がいかに重要かということを私は申し上げたいわけでございますが、その航空路問題点について若干御質問をさせていただきたいと思うわけでございます。  御案内のとおり、あそこは南西航空という飛行機会社が飛んでいるのでございますが、一社の独占で飛んでおります。そうした状況からかどうかわかりませんが、私ども八重山に興味を持つ者にとりまして、いろいろな方から話を伺いますと、まず飛行機切符がとれないという話をよく聞くんですね。あるところで買おうとしたけれども買えない、なかなか買えないで飛行場に来てみますと、キャンセル待ちで待っててくれと言われる、待ってて立っていると何とか乗れる、乗ってみたらば空席があったというようなこともあるということも聞きます。  また、私自身過去に経験したことでありますが、飛行機切符というのは一カ月前から売り出されるわけでございますが、一カ月前にJTBなりなんなり観光業者に頼んで申し込みをしておきます。一カ月前の解禁日になった途端に満席という表示が出て、一切切符はありませんということになります。裏からどういうふうにすればいいですかと言うと、沖縄へ行って買ってくださいと言う。沖縄に行くと何とか買える場合がある、買えない場合はどこに行ったらいいですよと言われてそこに行ってみると、延々と待たされて一枚か二枚出てくるというようなことは、実際に私は経験したことがあるわけでございます。  また、私ども友人等が、沖縄というのはこういういいところだよ、観光にもいいよということで、選挙区の新婚旅行の方などを紹介する。行こうとするけれども切符がとれませんでした、また行ってみたらば飛行機便がなかったという話を聞くんです。これはあらかじめ航空局の方に伺いましたら、計画便ということで削減するというんですが、例えば那覇石垣を一日六便なり飛んでいたのが今は何便ですというようなことで、行ってみると減っているというようなことがございます。また、何の予告もなく行ってみたら、きょうはストライキで飛びませんということで飛ばない、実際に行けなかったということを私どもよく苦情として聞かされるのですが、そこらについて運輸省はつかんでおられるかどうかお伺いいたします。
  16. 平野直樹

    平野説明員 お答えいたします。  ただいま先生指摘の事実につきましては、私ども必ずしもその実態を承知しておりませんが、御案内のとおり沖縄観光が非常に盛んでございますので、一時期に需要が非常に集中するというようなことがございまして、どうしてもトラブルが生じやすいというのも事実でございます。  私どもといたしましては、航空企業というものは非常に公共性の強いものでございますので、そういった事実があるとすれば問題であると考えておりまして、切符の販売につきましても公平に、疑問が生ずることのないように指導してまいりたいと考えております。
  17. 中村正三郎

    中村正三郎委員 つかんでおられないというのは公式な場ですからそういう御発言になるのかなと思いますが、そういう苦情が渦巻いていることは事実なんでございます。私はここでうそを申し上げてない。私が体験したことを申し上げているのでございまして、そういう御認識を持っていただきたいと思います。今現実問題、ある航空会社に行って石垣まで切符を売ってくださいと言ってごらんなさい。売らないところがありますよ。その点は御存じですか。
  18. 平野直樹

    平野説明員 私ども事業者を通じていろいろな実態を把握するようには努めておるのでございますが、我々自身平時航空を利用するという立場でもございませんし、先生の御指摘のような事実は必ずしも承知しておりません。
  19. 中村正三郎

    中村正三郎委員 それは、例えば僕らは衆議院議員だし、皆さんはお役人ですから買えるのですよ。しかし、一般の人がある航空会社に行ったら売らないというケースがあるのです。事実です。やってみせてもいいです。実際に今あって、実はそれは御存じなんだと思いますが、それを今立場上お答えにならないんだと思いますからこれ以上追及はいたしません。  そこで、非常に需要の多い時期に混乱が生じるというような御答弁がございましたが、観光客が多い大事なときにストライキが大変集中して起こるという現象がございます。国鉄でも過去随分ストライキをやりまして、ストライキをやったところが、今の時代に、こうした経済情勢も厳しい中でみんなが努力して生きているところで、ストライキ公共交通機関がそう簡単にやっていいものかということで民間一般の人の共感が得られないで大変な批判国鉄がさらされたこともあります。私は、まさに今そういう批判にさらされているのが南西航空じゃないかと思うのです。我々の身近、東京周辺等で起こりますと、これが非常に大きな問題ですからみんなの関心事になる。しかし、それがああいう離島ですと、ここに新聞がありますが、地元では悲痛な叫びを上げているわけです、大変だ、観光はつぶれちゃうし農産品は送れないと。ほかの船で行こうといったって行けないということで大騒ぎしているのですが、泣き寝入りになっているというのが現状であります。  そして、どのようなスト状況があるかということでありますが、ストというのは一つの労働者権利であると言えば権利でございますが、今この世の中で、この地元に我々の血税から多くの公共事業だとかいろいろな補助金をつぎ込んでおる。観光のために道路もよくしたり施設もつくったりしている。しかし、それを利用するのには航空機に乗らなければ利用できない。その航空というものは軽々にとめてはいけない。これは国民の血税をむだにする原因にもなるわけでありまして、一般交通とは全く分けて考えなければいけない。一般交通にしたって、今この東京周辺国鉄をとめて我々の通勤に困るようなことをしたら大混乱が起こり、大変な批判が起こるでしょう。それをあえてやっていることに対して、私はそれなりの運輸省の御監督なり御指導を賜りたいと思うわけであります。  御参考までにどんなようなストをやっているかということを申し上げさせていただきたいと思うのですが、まずここ数年間、必ず五月の連休にはとめる。連休観光客の一番多いときであります。例えば五十七年が二百九十四便連休にとまっております。五十八年が四十三便連休にとまっております。五十九年がちょっと外れましたけれども、六月に十四便とまっております。また、六十年が五十六便連休にとまっております。それから、この間の十一月の最後連休と言われる大変な観光シーズンに百十二便の欠航を出して三日間全く飛べなかった。八重山には全く観光客は入れなかったのです。  こんなことをやっていいかと、私どもは怒りさえ覚えるわけでありますが、ちょうど私の秘書がそのときに那覇空港におりましていろいろな話を聞いてきたのです。独占航空でやらしているからこんなことになるんだというような、もう暴動にも近いような状態が那覇空港で起こっていた。それで南西航空の職員の人が、私の秘書のことを国会にいる者ということがわかって、むしろ国会で取り上げてくれということまで言ったというような事実があるわけであります。  そして、ほかの航空会社との比較で見ますと、五十七年から六十一年に南西航空は六百八十五便の欠航をさせております。これが全部連休にひっかかる。一部は六月というのもありますが、ほとんどが連休にひっかかる、観光客の足をとめてしまっているということであります。もちろん農産物だとか水産物の出荷もこれによってとまっておるでありましょう。それが日本航空は五十七年から六十一年まで五百八十三のストライキによる欠航であります。これは日本航空は恐らく運航便が一けた多いでしょう。一けた多い航空会社より多い数の欠航便を五年間にやっている。全日空はその間に七便の欠航であります。そして東亜国内航空はその間に五百九十一便の欠航であります。  こういった状況を改善するためには、過去のデータを幾ら見ても南西航空には反省の色が見えない、やはり自由競争を導入して、その競争の中でサービスの改善を図るという方法しかないと私は思うわけでございます。事実、日本航空が、例えばスト欠航した場合は我々はほかの航空会社を利用することができる。全日空ストをした場合にはほかの航空会社が使える。しかし、南西航空は使えないのです。海で行く以外にない。そうすると、この世の中が忙しい時代観光もあきらめざるを得ないということであります。この点についての運輸省の御見解を賜りたいと思います。
  20. 平野直樹

    平野説明員 お答えいたします。  南西航空スト状況につきましては、ただいま先生指摘のとおりでございます。ストライキにつきましては、これ自体は労使間の問題ということでございまして、私ども個々の内容について是非を判断する立場にはないのでございますが、御指摘のとおり南西航空沖縄におきます唯一の定期航空事業者でございますし、また地元資本が入っておるということで地域の足の確保ということが期待されておるところでございますので、できるだけストライキを避けるような努力が望まれるところでございまして、私どもといたしましても、労使間で粘り強く交渉していただいて健全な労使関係を確立して、できるだけ利用者の利便を損なわないようにということを期待しておるところでございます。
  21. 中村正三郎

    中村正三郎委員 今の答弁で私は満足しないわけでありまして、事実、私の経験を申し上げますが、あるストライキにぶつかったとき聞いてみたのです。いつ動くんだ、目標はと言ったら、うちの会社は今労使交渉やっておりません、三日ぐらいとめて、後で夜中になってやるんだから、それまではめども何も立ちませんという返事が来た。そういうことがなければ、運輸省にこんなきついことを言って嫌な質問をいたさないのであります。こういうのを解決するには、運輸政策審議会の答申もあるし、ダブルトラッキングということを考えなければいけないと私は思うのですが、その点について明確な御答弁をお願いします。
  22. 平野直樹

    平野説明員 航空事業の運営につきましては、先ほど先生指摘のように運輸政策審議会からこの六月に答申をいただいたわけでございまして、ただいま私どもはこの答申の趣旨に沿って、需要の多い路線について利用者利便の向上を図るという観点からダブルトラック化あるいはトリプルトラック化といったような競争促進政策を進めております。このような競争促進政策は、沖縄に関連する路線につきましても一般的に適用されるというふうに考えております。  ただ、一方でまた答申は、離島路線を運営する中小航空企業の路線運営にも配慮するべきであるということになっておりまして、南西航空は非常に不採算な離島路線も運営しておるということでございますので、こういった配慮も必要であろうかと存じます。運輸省といたしましては、こういった点を考慮いたしまして、あるいは地元の意向も踏まえまして適切に対処してまいりたい、このように考えております。
  23. 中村正三郎

    中村正三郎委員 今、不採算路線等の航空会社のことも考えなければいけないというお話ございましたが、国民の血税から投下された沖縄開発の種々の政策が有効に生かされるためにも適切な御指導をお願いしたいと思うわけでございます。  大変貴重な時間をいただきましてありがとうございました。あとは宮里先生質問を譲りたいと思います。
  24. 加藤万吉

  25. 宮里松正

    宮里委員 沖縄離島航空の問題につきましては、先ほど中村先生から御指摘がありました。私も全く同感であります。これからも運輸省当局におかれてはその体質の改善、経営の改善、地元の人たちに迷惑がかからぬように、ひとつ一層の御努力をお願いいたしたいと思います。同時にまた、この離島航空路につきましては、今、宮古、八重山中心に本土への直行便の開設を地元が大変強く希望しておるところであります。このことにつきましての答弁は求めませんが、ひとつ御尽力をいただきたい、こう思います。  そこで、私の質問に入らせていただきます。綿貫長官は、国土庁、北海道開発庁及び沖縄開発庁の三長官を兼務され、しかも最近は三原山の突然の大爆発によって住民の避難問題あるいは帰島問題などで大変多忙をきわめられ、大変にお疲れのところだと思いますが、本日は当委員会に御出席をいただきましてまことに御苦労さまでございます。長官の御熱意に心から敬意を表する次第であります。  本日は、長官に御出席をいただきまして沖縄問題を実質的に論議する最初の委員会であり、私にとっても政府の対沖縄政策について質問させていただく最初の機会であります。そこで今回は、余り時間もありませんので、政府が復帰後推進してきた沖縄振興開発計画の基本問題を中心に、その課題や今後の進め方などについて長官及び関係御当局の御所見を伺っておきたいというふうに思います。  私の質問の第一点は、沖縄県の振興開発計画を推進する上で沖縄開発庁の果たしてきた役割についてであります。  沖縄県が戦中戦後に歩んできた苦難の歴史を考慮して国が復帰の際に確立した沖縄政策は、沖縄戦と長年の異民族支配によってもたらされた本土との間のもろもろの格差を早急に是正し、かつ沖縄経済の自立的発展の基礎条件を整備して、沖縄県が我が国の経済、社会の中で望ましい位置を占めるように努めることは、長年にわたる沖縄県民の労苦と犠牲に報いる国の責務であるという考え方に立っておりました。そして、そのような考え方のもとに、復帰の際に制定された復帰特別措置法は、復帰によって県経済または県民生活に混乱や不利益をもたらしてはならないとの見地から、税制その他、県民生活の各分野にわたって所要の特別措置を講じる、また同じく沖縄振興開発特別措置法は、沖縄県の振興開発計画を強力に推進するために公共事業に対する高率補助制度を創設したほか、各種の特別措置を講じました。この沖縄振興開発特別措置法に基づいて実施される沖縄県の振興開発計画を推進するために設置されたのが沖縄開発庁であります。復帰の際に講じられたこれらの措置はいずれも適切なものでございまして、今後とも堅持しなければなりません。  とりわけ、沖縄開発庁はそのかなめをなすものであり、初代の山中貞則長官以来歴代の長官並びに主要ポスト沖縄県の立場や実情に明るい立派な人物を得たこともあって、それが沖縄県の振興開発計画を推進する上で果たしてきた役割と功績は実にはかり知れないものがあると思います。したがって、私は沖縄開発庁の現在の組織及び権能を今後とも堅持していくべきだと考えますが、そのことについて長官の御所見を伺っておきたいというふうに思います。
  26. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 御指摘のとおり、沖縄開発庁は長らく御苦労いただきました沖縄皆様方の生活基盤や生産基盤が本土との格差が縮まるように一日も早くその実現を期すべく、復帰の特別措置を背景にいたしまして第一次振興開発計画、今第二次の振興開発計画計画的にいろいろと進めてまいっておりますが、まだ所得は全国の最下位、失業は本土の倍というようなことでありますし、水の問題とかあるいはさらにそれらの基盤の整備につきましてもまだまだ不十分だと考えるわけであります。  私どもは、所期の目的が達せられるまでこの沖縄の格差是正、この一大目的を実現するために全力を尽くしてまいりたいと考えております。
  27. 宮里松正

    宮里委員 そこで私の質問の二点目は復帰特別措置等の延長問題と、現在の高率補助制度の堅持についてであります。  復帰の際に確立された国の基本政策に基づいて昭和四十七年度から昭和六十一年度までの間に国が沖縄開発庁を通して沖縄県の道路、港湾、空港、治山治水、農業基盤整備等の公共事業関係に投入した資金は、私が当局から入手いたしました資料によりますと合計で一兆九千三百七十三億一千二百万円ほどであります。その結果、沖縄県の道路、港湾、空港、上下水道その他の社会資本の整備は急速に進み、復帰前に比較して著しい進歩を遂げてまいりました。これは何人も否定のできない事実であります。  しかしながら、長官先ほど御指摘がありましたように、沖縄県の現状を本土各地と比較した場合、社会資本や産業基盤の整備面における本土との格差はまだまだ大きく、その上企業の経営基盤が弱く、県民所得は全国で最下位であるというのに、失業率は全国平均の二倍にも達しているという依然として厳しい状況にあります。長官先ほど御指摘されたとおりであります。したがって、私は県から現在国に要請されております復帰特別措置法に基づく十二本の特別措置、それから沖縄振興開発特別措置法に基づく八本の特別措置はぜひともこれを延長して、そしてまた沖縄振興開発特別措置法に基づく一連の高率補助制度は、全力を挙げて堅持していかなければならないと考えるわけであります。この点につきましても簡単で結構でございますから、長官の御所見を承っておきたいというふうに思います。
  28. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 復帰特別措置、高率補助については基本的に維持すべきものと考えており、今後ともこの問題に取り組んでまいります。
  29. 宮里松正

    宮里委員 私の質問の三番目は、いよいよ来年に迫ってまいりました海邦国体の開催についてであります。  御承知のように、来年はいよいよ待望の海邦国体が沖縄県各地で開催されることになりました。戦後、我が国の全国的な公式行事のうち、沖縄県民が異民族支配下にありながらも比較的初期のころから日本国民として公式に参加できたのは国民体育大会と高校野球であります。そのような経緯もあって、国体につきましては沖縄県民は大変特別な感情、親近感を抱いているところであります。しかも、来年のこの海邦国体は、戦後全国各地において順次開催をされてまいりました全国持ち回り国体の最後を飾るものであります。  この海邦国体の際には、全国各地から選手、役員を初め、大勢の観光客沖縄県を訪れるでありましょう。したがって、沖縄県側にとっては、これらの方々に復帰後十五年の間に築き上げてまいりました沖縄県の姿をごらんいただき、沖縄県の新たな歴史の歩みを御理解いただく絶好の機会ともなるわけであります。  そのような意味におきまして、この海邦国体は、全国各地で開催されてきた先例に倣い、これに沖縄県特有のローカルカラーを加味するなど工夫をした上で、ぜひとも成功させなければならないと思うのであります。そしてまた、これを成功させるためには、競技施設整備の予算確保の問題を初めとして、沖縄開発庁としてもそれ相応の御協力をいただかなければならないと思うのであります。この点につきまして長官はどのようにお考えでありましょうか、一言お伺いをしておきたい、このように思います。
  30. 塚越則男

    塚越政府委員 明年行われます国民体育大会につきましては、現在、県、市町村におきまして、主会場とされます会場を初め、いろいろな関連公共施設の整備を積極的に行っているところでございます。  沖縄開発庁といたしましても、国体関連施設の整備につきましては昭和六十一年度予算の重点事項といたしまして二百六十九億三千万円を確保いたしておりまして、こうしたことの結果、国体競技施設の九八%が昭和六十一年度中に完成する予定でございます。六十二年度予算におきましても残りの関連事業費としては百五十九億四千万円を要求しているところでございまして、国体開催に支障が生じないように万全を期するつもりでございます。
  31. 宮里松正

    宮里委員 私の質問の四番目は、海邦国体後の沖縄振興開発計画の課題とその推進についてであります。  沖縄県は、県当局の懸命の努力にもかかわらず産業や企業の経営基盤が弱く、依然として財政主導型、とりわけ公共事業主導型の経済運営を余儀なくされております。これは、長官御承知のとおりであります。そこで、県内の経済界の中には、来年の海邦国体が終了したら公共事業関係の予算が削減をされて、沖縄県の県内経済は次第に沈滞するのではないかと心配する向きがございます。  そこで、沖縄県は最近「沖縄振興開発の課題と展望」と題しまして海邦国体後に推進すべき主要プロジェクトの一覧表を作成いたしまして、これを強力に推進していくことを明らかにいたしました。長官御承知のとおりだろうと思います。この主要プロジェクトの一覧表には、従来からの継続事業として羽地ダムの建設計画以下四十二事業、これからの新規事業として沖縄北西部河川総合開発事業以下三十九の事業計画が挙げられております。  私は、沖縄県の地理的位置と離島の人々の実情を考えると、古宇利―屋我地―今帰仁間、伊平屋―伊是名間、浜比嘉―平安座間、宮古―伊良部間、小浜―西表間等の離島間架橋の建設計画も当然これに入れて考えるべきだと思います。そして、これらの事業計画はいずれも沖縄県の現在及び将来にとって必要かつ重要なものばかりでございますし、しかも第二次振興開発計画後期のプロジェクトとしてかなり前から計画してきたものでありますから、沖縄開発庁を初め関係省庁の御協力をいただいてぜひとも実現しなければならないと考えているところであります。  中でもとりわけ、北の読谷村から嘉手納、安謝、泊、那覇の三港と那覇空港を経て南の糸満市に至る湾岸道路の建設計画、これは後ほど触れますが、長官既に御承知のとおりだと思います。今予算要求がなされております宮古地区の国営かんがい排水事業計画、そして古宇利―屋我地―今帰仁間以下の離島間架橋建設計画、さらには自由貿易地域の設置計画などは早急にその実現を図るべきであると考えますが、そのことについて長官はどのようにお考えでございましょうか。  申しおくれましたが、この湾岸道路の北側の部分につきましては、長官から御就任早々建設計画を御指示いただきまして、今その準備が着々と進んでいるところであります。その点に関しまして心から御礼を申し上げ、御答弁をお待ちする次第であります。
  32. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 宮里先生、海邦国体後のことを大変御心配になっておるわけでございますが、やはり海邦国体をばねにさらに発展をしてもらいたいというのが我々の願いであります。そのためには、さらに必要なインフラを整えると同時に、今御指摘の、沖縄の県民の皆様方が本当にやる気になって、観光あるいは農業その他、新しい産業に取り組んでもらいたいということを期待しつつ、私どももそれをバックアップしてまいりたいと考えております。  いろいろの具体的問題については局長の方から御答弁申し上げたいと思います。
  33. 塚越則男

    塚越政府委員 ただいま御質問の中でいろいろな問題が取り上げられましたが、順次お答え申し上げます。  一つは、湾岸道路の話でございます。  沖縄本島の西海岸を南北に縦貫いたしております主要幹線道路といたしましては国道五十八号線、三百三十一号線というものがございますが、これが大変交通混雑をきわめておるということで、これを緩和するための方策として構想されておりますのがお話しの湾岸道路であろうかと思います。西海岸道路というふうに俗に言っておりますが、これにつきましては、特に渋滞の著しい道路交通のネックとなっている箇所、あるいは臨海部の開発事業が進展しているという箇所から順次事業化を図ることにいたしております。  先ほどお話のありました嘉手納バイパス、これは非常に交通混雑だということで先に取り上げているわけでございますが、そのほかに宜野湾バイパスも着手をいたしております。今後も交通状況とか関連事業の進捗状況等を勘案しながら整備を推進いたしてまいりたいというふうに考えております。  その次に、離島架橋の問題でございます。  沖縄の場合は離島県でありまして、離島間の交通確保ということが沖縄振興開発上非常に大きな課題であるというふうに認識をいたしております。離島の架橋につきましては、架橋することによって住民の生活、産業面に著しくその効果が期待できて、効率的に架橋が実施可能な離島につきましては先行的、先導的役割を果たすものとして架橋を進めるということを方針といたしておりまして、これまで野甫島の架橋、瀬底島の架橋等を行いましたほかに、現在、外地架橋、池間架橋といったような事業を進めております。  地元から多数の御要望があるということは承知をいたしておりますけれども、現在事業中の箇所の進捗状況を勘案しなければなりませんほか、離島の自然的、社会的特性であるとか技術的な可能性、投資効率といったような問題あるいは地元住民がどういうことを開発してその島でやっていこうとしているのか、そういう御意向といったものを勘案しながら、沖縄県とも調整をして振興計画後期のプロジェクトの検討項目の一つとして考えてまいりたいと思っております。  それから、あとお話の出ましたのは宮古の国営かんがい排水事業でございますが、宮古地域農業用水に恵まれておりませんで、しばしば干ばつ被害に見舞われておるというような状況でございます。農業振興を図るためには農業用水の確保が極めて重要な問題でございます。このため、地下ダムをつくりまして農業用水の確保を図るということを考えまして、国営かんがい排水事業宮古地区の全体実施設計を昭和五十九年度から実施してきております。現在その取りまとめを進めているところでありますが、昭和六十二年度新規着工することといたしまして、現在予算要求をいたしておるところでございます。  以上でございます。
  34. 宮里松正

    宮里委員 海邦国体後の主要プロジェクトにつきましては、県から出てまいりました一覧表を総ざらいという形でございますが、先ほど指摘いたしました離島間架橋の問題は、沖縄特殊性から見てどうしても実施をしなければならぬと思いますので、これからもひとつ御検討をいただきたいと思います。  それから、沖縄本島西海岸道路と言われるものを実は海洋博のころ海洋博関連道路として計画をいたしました。その構想につきましては、当時、建設省の道路局ともほぼ協議をして将来の道路網として建設していこうというふうになっておったところであります。長官、既に北側の嘉手納の方は御指示をいただきましたので、これを先ほど申し上げましたように国道五十八号の緩和策としても糸満市まで延ばしていただきたい。そうすることによって観光客も安心して旅ができるということになろうと思います。それをお願いいたしたいと思います。  そこで、私の質問の五番目は、沖縄県が我が国の地方自治体として今後果たしていくべき役割についてであります。  沖縄県は、日本列島の南西の端に位置をし、古くから近隣諸国と善隣友好を重ねてまいりました。そこで、復帰のころから、このような地理的、自然的条件を生かして国民の保養の場としての活用を図るとともに、国際交流の場としての役割を果たしてまいりたいと希望してまいりました。このような見地から、最近国際センターが設置されまして、今、アジア、アフリカ、中南米、中近東、オセアニア諸国から来た約百名の学生たちがそこに集まっておりまして、かなり好評を博しているところでありますが、長官御承知のことだと思います。沖縄県の方では、琉球大学にも門戸を国際社会に開いていただきまして、学術、文化の面でさらに国際交流の輪を広げていきたい、こう考えているところであります。私、もともとそのような考え方に賛成であります。  しかし、沖縄県がこのような国際交流の場としての役割を果たしていくためには、どうしても那覇空港を国際空港として位置づけまして、これを本格的な形で整備をしなければならぬと思います。そのことにつきまして、もとより空港の整備につきましては所管が運輸省でざいまして、また一定の手続を経て構想、計画が積み上げられていかなければならぬことも私は承知をしておりますが、方向として、その点は長官はどのようにお考えか、お聞かせを願えれば幸いであります。
  35. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 沖縄振興開発の一つの方向としては、国際性というものを豊かにしていくということがやはり非常に重要ではないかと考えております。ただいまフリーゾーンのあり方等についても県の方でもいろいろ御検討いただいておるわけでございますが、将来国際空港として大きな窓口を開いていくということは必要ではないかと考えております。
  36. 宮里松正

    宮里委員 私の質問の六番目は、沖縄県の農業、とりわけパイン、花卉、果樹などの助成策についてであります。これは農林省の方にお答えいただければ結構であります。  沖縄県の基幹作目でありますサトウキビの問題につきましては、政府の温かい御配慮によりまして当面の対策が一応樹立できました。このサトウキビとともに、今危機的状況にあるのがパインの問題であります。政府は、今このパイン問題についてどのような対策を講じようとしておられるのか、お尋ねをしておきたいと思います。  次に、沖縄県では最近若い青年層を中心に菊やランなどの花卉と、マンゴーを中心とする熱帯果樹の栽培が盛んになってきております。これは沖縄県のこれからの農業に希望を与えるものとして期待をされております。そこで、これまで行ってこられた、そしてそのことにつきましては先ほど中村先生からも御指摘がございましたが、病害虫対策とともに政府がこれらの新しい農業の担い手に対しましてどのような助成策を持っておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
  37. 赤保谷明正

    ○赤保谷説明員 お答え申し上げます。  三点について御質問があったかと思いますが、まず最初に沖縄のパイン産業の問題でございます。  パイナップルは沖縄県の農業の基幹作物の一つでありまして、その地域の産業は地域経済にとって重要な分野であると認識をいたしております。しかしながら、近年缶詰需要の低迷に加えましていわゆる円高等の影響によりまして、沖縄県産のパイナップルの缶詰の競争力が低下をしてきているといったような状況で、極めて厳しい環境に置かれておるわけでございます。このような沖縄県のパイン産業の活性化を図るために、パイナップル作の生産性の向上あるいは品質の改善を図る、さらには原料の安定供給、加工の近代化が図られてきたところでございますが、今後は需要の動向に即した果汁、ジュースでございますが、果汁の生産を検討していくことが必要であろうと考えております。いずれにいたしましても、沖縄県のパイナップル産業の重要性を念頭に置きながら各般の施策を推進、展開してまいりたいと考えております。  それから次に、花卉の問題でございますが、近年花卉の需要が商品の高品質化あるいは多様化、そういうことに伴いながら増大をいたしておりまして、これに対応した施設栽培が拡大をしているところでございます。こうした状況のもとにおきまして、沖縄におきましては、温暖な気候条件を活用いたしまして冬とか春、そういう期間における出荷用の花卉栽培、菊とか洋ランあるいは観葉植物、そういうものが中心でございますが、そういう花卉栽培が普及しておりまして、品質面でも本土産のものに匹敵し得るというような状況となっているわけでございます。  私ども農林省といたしましては、このような沖縄県における花卉産地育成のために共同育苗施設だとか集出荷施設あるいは簡易な土地基盤整備、そういったことを行うことができる事業、花き産地総合整備事業という事業を実施してきておるところでございますが、我が国の花卉の需要は引き続き増大をするというふうに見込まれるところでございまして、今後とも沖縄県の立地条件を生かしながら花卉産業を振興するためにこれらの施策を実施してまいりたいというふうに考えております。  三点目は、特産果樹の振興対策でございます。  沖縄県におきましては、亜熱帯性気候を生かしましたパインを中心とした特色のある果樹農業が展開されているところでございます。先ほど中村先生からもお話しがございましたが、近年ミカンコミバエあるいはウリミバエ、そういうものの防除対策が実施されておりまして、ことしの二月、ミカンコミバエ根絶によりましてかんきつ類とかビワ、スモモ、バナナ、アボカド、レイシ、グァバ、そういった果実の移動規制が解除されるとともに、蒸熱処理技術が確立されましてマンゴーの移動規制が解除されているところでございます。さらに今後、防除対策の実施によりまして、先ほど問題になりましたが、ウリミバエ根絶された場合にはパパイアの移動規制も解除可能になるということが考えられまして、これらの熱帯性果樹の生産意欲が非常に高まってきている、そういう実情でございます。  農林水産省としましても、地元の方々の意欲を生かしたこれらの地域特産果樹の産地育成を図ることといたしまして、昭和六十年度からこれらに必要な、生産から流通、加工にわたる総合的な条件整備を行うことのできる地域特産果樹産地育成対策という事業を実施をしてきたところでございます。今後ともこれらの対策を通じまして、地域の特色を生かした沖縄県果樹農業振興努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  38. 宮里松正

    宮里委員 時間がなくなってまいりましたので、若干の御要望を申し上げて私の質問を終わりたいと思います。  先ほど農林省、新たな市場の動向を踏まえてパイン対策の中ではジュースの生産をふやしてまいりたいというお話でございましたが、前の生パインの件もございますので、ジュースの問題の中では沖縄生産農家が圧迫を受けないようにひとつよろしくお願いをしておきたいというふうに思います。  あとは開発庁長官に対しまして、沖縄電力の民営移管の問題といわゆるつぶれ地の中の市町村のその他の道路の補償問題について御要望申し上げておきたいというふうに思います。  沖縄電力は沖縄県の産業経済や県民生活と密接不可分の関係にあるばかりでなく、その資産及び資本形成の過程には沖縄県及び沖縄県民と重大なかかわりがあります。御承知だと思います。したがって、その民営移管の際の株式の評価、処分その他の具体的な措置を講ずるに当たりましては、沖縄県及び沖縄県民が十分納得のいくような方法でそれをしていただきたい。そのことはもとより長官の御所管ではございませんので、通産省あるいは大蔵省等とも御相談をいただいて、ぜひそのような方向をおとりいただきたいというふうに思います。  また、つぶれ地の問題は、これは長官御承知のことと思いますが、戦後、沖縄が米軍に占領されまして、いわゆるニミッツ布告第一号によって日本の行政が停止をされ、米軍の占領下に入った後、米軍の指令等によってつくられたのがこのつぶれ地の原因であります。  私は当時中学三年生、戦争中は学徒隊として郷土防衛にも参加したわけでありますが、その後県民が収容所に収容をされ、そして米軍が対本土作戦を立てるために多くの土地を基地に使っておった実情もよく承知をしておるところです。そして住民は一定の収容地域に収容をされ、対本土作戦がなくなった二十年十月、収容所から解放されて、それぞれの居住地域、といいましても基地として使っているそのらち外、そのはざまに指定をされて移されたわけであります。したがいまして、この道路というのは、そのようにして住民が一挙に収容所から一定の地域に、しかも制限された地域に移されてまいりました。そこで居住を確保するために、あるいは生活のための道路をつくるために米軍の指示によって道路がつくられ、テント小屋が張りつけられた、こうしてでき上がったのが市町村のその他の道路と言われるいわゆるつぶれ地の問題であります。  これは米軍、占領軍による強権によってあるいはその命令によってでき上がったものでありまして、今なおそれが解決を見ないまま、放置をされているところであります。県道、国道につきましては、あるいは市町村道の幹線道路につきましては、補償措置その他解決の方法が講ぜられたのでありますけれども、市町村のその他の道路につきましては、いまだにその解決のめどもつかぬまま放置をされて今日に至ったところであります。  しかしながら、地権者の側から見ますと、戦後四十年、何らの補償もないまま道路として接収されてきているわけでありまして、これは耐えがたいところまできているわけであります。最近、開発庁を中心にその解決方法が講じられつつあるということを聞いて、私も実は安堵しておるところでございまして、そのことにつきまして引き続きひとつ御尽力を賜りたい、このことを御要望申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  39. 加藤万吉

    加藤委員長 上原康助君。
  40. 上原康助

    ○上原委員 最初にちょっとお断りをしておきたいのですけれども、実は、きのう内閣委員会でいろいろ忙しかったものですから、私の質問の要旨については秘書の方から各関係省庁にお伝えはしてございますが、十分なレクをしてございませんので、あるいは若干違ったお尋ねをするかもしれませんが、ひとつよろしく誠意ある御答弁をお願いをしたいと思います。  まず綿貫長官にお尋ねをいたしますが、沖縄開発庁長官に御就任なされて、もちろん三庁の長官を兼ねておられるので、沖縄問題専任というわけにはいかないかもしれませんが、これまで既に沖縄を訪問なさったのは二回ですか、その間いろいろと御努力をいただいたことにまず敬意を表したいと思います。  それと、沖縄の抱えている問題とか今後の経済振興開発をどうするかという面においては、野党にしても与党にしてもこのとらえ方あるいは政府に対して解決を迫っている事柄もおおむね似通っている面があります。ここでいろいろ取りざたされてきたことは、この十四、五年来あるいは昭和四十五年の国政参加選挙以来から取り上げられてきた問題も多いし、かわりばえのしない点もあるかもしれませんが、沖縄開発庁長官に御就任をなされ、二回沖縄の現地を視察し、また各界の代表の皆さんからいろいろと御要望もお受けいただいたと思うのですね。  最初に、長官の率直な御感想と、やはり担当大臣として今後の沖縄をこうしていかなければいけない、現在の政府の政策や行政やそういう中で具体化をしていかなければいけないということが、お気づきになった面あったと思うのですね、その所感からひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  41. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 沖縄開発庁長官に就任をいたしまして、沖縄を訪れまして、今月もまた参ります。現地に参りましていろいろ皆様方の御要望あるいは御感想等を承りながら、本土との間にやはり格差というものが存在する、これを少しでもなくするように全力を挙げて取り組んでいかなければならないという皆様方のお気持ち、私も全く同様でございます。  そのために今まで復帰のための特別措置法を背景にいたしまして、一次振、二次振という計画を取り決め、それに従いまして振興開発を進めてまいったところでありますが、今なお水の問題とかあるいは基盤整備の問題等、まだまだ立ちおくれておる問題もございますし、また所得が本土との間にまだ最低というようなランクづけになっておりますし、失業問題も倍だ、こういうことを聞きますと心が痛む次第でありまして、これらの格差が少しでも解消されるように努力をしなければならないということを心に誓ったわけであります。私は、沖縄皆様方の気持ちになり、沖縄の県民の目でひとつすべてを見るような気持ちで今後とも行政を進めていきたいということを冒頭申し上げましたが、今もそのつもりでございます。  なお、今後の沖縄振興開発計画の大きな柱といたしましては、やはり地理的に亜熱帯性また海洋性、こういう特色を備えておるわけでありまして、これらを十分生かしていけるような沖縄振興を図っていかなければならないと思っております。なお、さらに国際性というものも加えながら沖縄の開発を図るべきだと考えておる次第であります。そのためには、やはり大きな柱としては観光というものをさらに育てていかなければならないと思います。  また、亜熱帯性に適した農業、しかも第一次産業としての農業からさらに付加価値の高い農業にこれを高めていかなければならない、こういう問題を念頭に置きながら沖縄振興開発を進めていきたいと考えておるわけであります。そのためにもさらにいろいろの基盤整備とかあるいはインフラの整備とか、こういうことはしていかなければなりませんが、同時に、県民の皆様方も新しい形でひとつ沖縄を考えるという意欲を持っていただくように、我々もそれをサポートしてともに取り組んでいきたいというふうに考えておる次第であります。
  42. 上原康助

    ○上原委員 ぜひひとつ特段の御努力を要望しておきたいと思います。  そこで、これから具体的にお尋ねしていきますが、しばしば行財政改革の中で中央官庁の統合問題も出ているわけですね。私も行革問題では随分いろいろ携わってきましたので、その都度総務庁長官であるとかあるいは官房長官であるとかにも要望したりしてきているわけですが、特に今回綿貫長官が、沖縄開発庁、それから北海道開発庁、国土庁と兼ねた三庁の頭を持っておられるわけで、それは長官御自身にとっては大変結構なことで、忙しいのはあれでしょうが、三つの肩書があるわけですから、ほかの国務大臣よりは任務は大きいわけです。そうしますと、やはり沖縄が受ける印象としては、国土庁に北海道も沖縄も統合していくのじゃないのか、こういう懸念を持っているわけですね。また、この種のことについては、総論賛成、各論反対で政府部内にも若干の雑音があることも私たちは承知をしております。  しかし、今冒頭お述べになったように、格差是正もおぼつかない、基盤整備もこれからだ、産業振興もずっと継続してやっていかなければいかぬという課題がある中で、私はやはり専属の開発庁ということが当分、相当期間なければいかないと思うのです。そういう意味で、沖縄開発庁長官をしておられるから、三庁統合してもいいとはおっしゃらないと思うのですが、この問題に対する御認識と、もしこういう問題が持ち上がったときに、行革審とかそういう中で出た場合に、この経緯を見ても、北海道は昭和二十五年、沖縄開発庁が四十七年、国土庁が四十九年なんです、設置をされたのは。ひとつ長官の御決意をお伺いしておきたいと思います。
  43. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 このたび初めて三庁長官兼務という大臣が生まれたわけであります。私も大臣就任冒頭皆様方からこのことをお尋ねを受けたわけでございますが、これは私はそれぞれの役所ができた経緯があり、また存在価値があるというふうに考えておるわけであります。  特に沖縄開発庁は、先ほども申し上げましたように、本土との格差是正ということを任務とする大変大きな使命を担った役所だと思っております。したがいまして、これらの役所の存在価値を十分価値あるものにするためには、形だけ統合するということではない、それぞれ十分機能してもらう、それらが機能するように長官が三庁をうまく運営していくというのが使命であると私は考えておりますので、私がこの任務をうまくバランスをとってやることが三庁統合につながらないことである、こういうふうに申してきたわけでございまして、ただいままでその方向努力をしてまいっておるつもりでございます。  なお、沖縄開発庁のあり方につきましては、いろいろの行政を一つに束ねまして、沖縄振興のために施策を総合的に進めておるということで、非常にいいシステムであるというようなお褒めもいただいておりまして、ある方々は、北海道、沖縄のみならず日本の本土の中のブロック別にこういうことをやったらどうかという意見も最近は出ておるぐらいでございまして、私は今までの行政のあり方として非常にうまくいっておると思いますし、今後も進めていきたいと考えておる次第であります。
  44. 上原康助

    ○上原委員 その点はよく御認識を持っておられるようですから、県民の期待を生かすように今後ともお力添えを賜りたいと思います。  そこで、先ほど来御議論があるわけですが、問題は二次振計も後期に入っておるわけですね。二次振計が後期に入って、先ほどもありましたように、来年は海邦国体が開催をされる、それ以後がどうなるかという問題が大きいわけですが、二次振計後期プロジェクトの策定というもの、沖縄開発庁での作業状況を進捗も若干行き詰まりとは言いませんが、多少手間取った感じがしないでもないわけですね。後期の目玉というのは、これまでもいろいろ挙げられてきた。改めて、一体いつごろまでそのプロジェクトを明確にして後期をどうしていくのか。同時に、私はやはり二次振計だけで終わらすわけにいかぬと思うのですね。  この間、何か選挙のときに行くと、みんな気前いいことをおっしゃるんだ。特別措置法も全部責任を持ってやりますとか、沖縄振興開発は少なくとも二十七年間は継続しなければいかないと言った方もいるわけだから。二十七年というと、二次だけで終わらないということね。  それはともかくとして、後期のプロジェクトの考え方、どうするかということ、これが一つですね。後期プロジェクトの策定に向けた戦略なり方向性をもっと具体的にお示しをいただきたいということと、もう一つ、国土庁長官も兼ねていらっしゃるので、四全総がたしか今月初めに中間報告が発表されましたね。私も十分には目を通しておりませんが、来春をめどにこの四全総を決定していくということですが、四全総と三全総を比較して沖縄の位置づけというものが大変後退をしているのじゃないかという気がしてならないのですね。せっかく国土庁長官が四全総の責任者なのに、さっきの決意と裏腹に――これは事務局がやったかもしれませんが、後でもし必要ならば具体的に指摘をしますが、この二点についてまず御見解を聞かしてください。
  45. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 二次振の後期の問題については後から局長がお答えすることにいたしまして、四全総の中における沖縄の位置づけということでありますが、これは沖縄のみならず、各地域からもこの問題について今いろいろな御議論が出ておるところでございます。私は、先般の国土審の中の計画部会から出されました答申を一応中間というような形で出しましたが、これはこの方向で行きますよというものではないのでありまして、これはたたき台でありますから、これに対し恐らくいろいろな意見が出るだろうということも予測して発表させていただいたわけでありまして、これから各地域皆さん方のいろいろのお考えをヒアリングの形でお聞きしながら四全総の中に盛り込んで最後の仕上げをしていく、こういうことでございますので、先般の問題に対しては大いに沖縄の主張も皆さん方から主張していただきまして、それを吸収させていただきたいと考えております。
  46. 小谷宏三

    小谷政府委員 初めに、後期プロジェクトの策定についてお答え申し上げます。  第二次振計の後期プロジェクトにつきましては、現在沖縄振興開発審議会におきまして調査、審議中であることは先生御承知のとおりでございますが、方向といたしましては、沖縄の個性を伸ばすということを基本に据えまして、沖縄の地理的、歴史的特性を生かした産業振興民間投資を効果的に誘発するような公共投資などが現在議論されておりますので、この方向で結論が出ると思います。なお、この時期でございますが、国土庁が現在第四次全国総合開発計画を策定中でございますけれども、これと密接な関係がございまして、そちらの方の基本的な考え方と十分調整する必要がございますので、現在のところ私どもの審議会では、結論を得るにもう少し時間がかかると考えております。  それから、四全総の沖縄関係部分に対する私ども沖縄開発庁事務当局の考え方でございますが、まず第一に、沖縄を一つのブロックとして掲げていただいておりますが、これにつきましては、三全総もそうでございましたけれども沖縄の我が国における位置というものを的確に御認識願っているなと感じている次第でございます。また、この中の「沖縄地方整備の基本的方向」の内容につきましても、私どもといたしましては沖縄経済、社会の現状地域特性を活用した発展の可能性を踏まえて記述なさっているというふうに考えておりまして、したがいまして、今後の沖縄振興開発方向となるものを御認識してくださっている、私どももそれと同じ方向で物事を考えていきたいと考えております。  現在、さしあたってこの中間報告を土台にして沖縄振興開発審議会におきましても検討を続けておりまして、また私どもとして意見がまとまりましたならば、国土庁に対して御意見を申し上げたいというふうに考えているところでございます。
  47. 上原康助

    ○上原委員 そこで、四全総に対しては、今大臣お述べのようにもちろん中間報告ですからこれから成案を見るわけですが、既に相当批判的意見が出ているのは御承知のとおりですね。何か中曽根首相の意向で東京中心の開発構想に戻ろうとしているわけです。――いや、実際に国民はそういうことにしか受け取っておりませんよ。そうなりますと、ますます過密都市、過疎化を進行させるようなもので、朝日新聞の九日の「論壇」にも「東京集中の四全総に失望 地方の活力そぐ安易な現状追認」と、厳しい指摘がありますね。  ですから、今一番大事なことは、後進県の産業、経済をどう活性化させるかということが日本のこれからの、特に低成長時代、こういった激動というか内需を拡大をしていかなきゃいけない政治経済状況の中では着眼すべき点だと私は思うのです。この点が、たたき台とはいえこの四全総は非常に欠落しているんじゃないか。ですから、東京とか大都市から遠距離にある県、地域経済や政治の恩典というか光を当てられる度合いがますます弱くなっていく。そうあってはいけないと思うのです。綿貫長官のお考えももちろんそうでないと私は思う。今私が指摘したことを解消したいというお気持ちで策定、成案をなさると思うのですが、この点どうなのか。今実際には、出された中間報告についてはそういった国民の印象はぬぐえない。この点が一つ。  それから、先ほど私が指摘した沖縄の位置づけが三全総よりも後退する懸念があるのではないかということについては後ほど具体的にお尋ねしていきますが、長官は沖縄振興開発を推進するに当たって一番阻害要因になっているのはどういうこととお考えですか。
  48. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 四全総の問題につきましては、今、大都市、特に東京というところが、国際化、情報化ということでいろいろなものが世界じゅうから集中して、それが時には過密の弊害を生むということもありましょうが、一つの新しい時代のメリットを生んでいるということで特殊な性格を持ってきている。したがいまして、これを過密のまま放置することはいいことではないと私は思っておりますが、それらの問題を性格を含めて、大都市圏というものはどうあるべきかということと同時に地方圏というものはどうあるべきか、この二つの比較において今後の日本の均衡ある発展を考えていくということであります。  なお、中曽根総理から何か指示を受けて私が東京初め過密を助成するような四全総をつくるということで動いているように一部言われておりますが、そういうことは全くありません。私も地方の振興にはもっと力を入れていくべきだということを考えておる一人でございます。  沖縄振興開発についてどういうことがネックになるかということでございますが、やはり島がたくさんあるということ、あるいは航空輸送を初め輸送の問題がすべてにひっかかってくるという問題、そういう問題があるわけでありますけれども、それだけに、いろいろな本土にはない独得の特色も、海洋性とか亜熱帯性とかまだあると考えておりますので、それらの特色を十分考えていかなければならない、そのマイナス面になるような条件は克服するように全力を上げていかなければならない、こういうふうに考えております。
  49. 上原康助

    ○上原委員 意識的かどうかはわかりませんが、基地の問題についてお触れになりません。振興開発を推進するに当たって、あれだけ巨大な基地が居座っていることは阻害要因とは御認識されないのですか。
  50. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 沖縄も日本の国土の一部だと考えておるわけでありまして、国土の繁栄と地域の繁栄、この二つが同時に満たされるような形が望ましいことだと私は考えております。基地の問題につきましては、これが日本の国防上必要であるということであれば認めていただいて、受け入れながら繁栄を図っていただくというのが当然ではないかと考えております。
  51. 上原康助

    ○上原委員 問題は、四全総の位置づけもそうですが、後期プロジェクトを考える場合に、軍事基地を全面的になくしなさい、安保体制は要らぬということの議論をここでやろうとはもちろん私は思っておりません、それを言ったって平行線だと言われてもいけませんから。しかし、返すべきところは返す、あるいは返してもらいたいという要望のある部分については、もっと熱意を示さなければいかぬと思うのです。少なくともこの沖縄振興開発計画を頭に置いて、何かプロジェクトを描いていく場合には、広大な米軍施設、区域等の存在による硬直的な土地利用など地域の発展を阻害する要因が多いという基本認識がない限り、幾ら沖縄振興開発は個性を生かすとか亜熱帯性、地理的条件を活用していくと言ってみたって、それは文章にすぎないわけですよね。どうかそういう点は明確にしていただきたいということ、少なくとも沖縄開発庁という立場で。  そこで、今明確なお答えは難しいかと思うのですが、今私が指摘をしたことと同時に、やはり二次振計が後期に入って、そろそろその後期プロジェクトを具体化していこうという段階ですから、沖縄開発庁としては二次振計後期のプロジェクト策定は三次振計につなげていくという展望を持ちながらの青写真でなければいかない、プランニングでなければいかないと私は思うのですね。その点については共感をお持ちと思うのですが、いかがですか、大臣
  52. 小谷宏三

    小谷政府委員 お答えいたします。  実は三次振計でございますが、現在二次振計がつくられましてから間もなく五年になるところでございまして、十年計画のうちの折り返し点にまさに達しようとしているのが現在でございます。この時期におきまして、私ども事務当局といたしましては、三次振計が必要である、あるいは必要がないであろうという予測を申し上げることは御勘弁願いたいと思う次第でございます。
  53. 上原康助

    ○上原委員 さっきの基地の整理縮小についてのことはどうなのですか。四全総の沖縄の位置づけと二次振計後期プロジェクトを策定するに当たっては。これは長官の方からお答えいただきましょう。
  54. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 基地の返還の問題につきましては、私も先般那覇に参りましたが、天久の地域が返りまして、今後いろいろ那覇中心街として繁栄をする基盤整備を今進めているのを見て、大変うれしく思った次第でございます。  なお、沖縄の知事の方から軍用地返還についての具体的な細目についての御要望も出ております。これにつきましては、沖縄開発庁といたしましても、外務省、防衛庁にぜひ協力してもらいたいということで、先般私からこのことも両大臣に申し出をしたところでございます。
  55. 上原康助

    ○上原委員 これは後でちょっと具体的に聞きますが、私も長官がそういう御要望を防衛庁長官や外務大臣にやったという記事を見ているわけですが、昨日の内閣委員会で私がそのことをただしたら、防衛庁長官は否定をしましたね。それは後ほど施設庁も来ていると思いますから、明らかにしていただきたい。  この二次振計のことと関連をしますので、次のお尋ねは沖縄関係の税制問題なのですね、特別措置等々のことで。  御承知のように、来年五月十四日で期限切れになる復帰特別措置に関する税制とか、あるいは沖縄振興開発に関する税制、いわゆる特別措置があるわけですが、今回の政府の税制改正とも直接深いかかわりは持たないかもしれませんが、しかし、影響を受ける面があることは間違いないと思うのですね。そこで、六十二年税制に関する延長を県当局から既に開発庁、大蔵省、自治省それぞれ受けていらっしゃると思う。先ほど来ありますように格差是正や自立的経済発展の基盤整備を継続してやっていくということであるならば、重要なこれらの延長措置は私は当然と考えるわけですが、開発庁もそのお立場で大蔵省や自治省等々に要望したということも聞き及んでいるわけですけれども、改めてこの特別税制措置に対してどのようにお考えで、どうこれを実現をするか、していくための御努力をなさるか、決意を披瀝していただきたいと思います。
  56. 小谷宏三

    小谷政府委員 お答え申し上げます。  沖縄復帰特別措置の一環である税制の特例は、沖縄振興開発にとって極めて重要な役割を果たしてきた制度であると考えております。そこで、復帰特別措置の延長につきましては、昨年来、沖縄県知事その他地元の方々から要請をいただいております。沖縄開発庁としましては、この御意向を踏まえまして、県からの御要望があった事項すべてにつきましてこれを延長していただきたいものと考え、関係省庁に対し、その措置方を申し入れてきているところでございます。  現在、税制関係はそろそろ大詰めに近づいてきておるようでございますが、まだ私ども詳しい情報は入手しておりませんけれども、引き続き今後とも大蔵省、自治省等、関係省庁と連絡を密にしまして、可能な限り沖縄県の要望に沿えるよう努めてまいるつもりでございます。
  57. 上原康助

    ○上原委員 県の各関係団体というか県から昨年、復帰特別措置関連でたしか十五項目の要望がなされた。沖振法関係で十二項目。これは、このすべてについて開発庁としても延長措置を図るように御努力をする、そういうことでいいですね。これは長官、いかがですか。
  58. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 そのとおりでございます。
  59. 上原康助

    ○上原委員 そこで、いま一つは売上税云々が出て、これは大変問題で、まだ細目というか具体的な内容がこれから明らかになるにつれて、いわゆる大型間接税の中身というのが明らかになってくると思うのですが、私たちは、これはどう詭弁を弄しようが公約違反であることは間違いないので、そのことについては来国会にかけて国民がそれぞれ判断をすると思うのですね。  そこで、このような動きの中で沖縄関係税制の特別措置に対しても手をつけられるのが出てきはせぬかという新たな懸念が持たれるわけですね。例えば工業開発地区とか、先ほどもありましたように自由貿易地域関係、これもいまだに立地し得るのかどうかはっきりしない、生かされていない状態、こういう状況下でこの税制改悪が強行されたとした場合、今後の沖縄は、一億以上の売り上げというような一つの枠とか基準はあるにしても、相当影響を受けていくことは間違いないと思うのですね。こういうことなどもよく県当局やあるいは関係団体と早急に協議をして対応策をとらなければいけないと思うのですね。まだ、これから作業が進んでいくわけですから、今の段階で具体的にどういう影響を受けるかということを断定的に言うことは私も難しいと思うのですが、このことについてはどういう御認識を持っておられるか、また、私が今一、二例指摘をしたことと関連づけてどのように政府としてはお取り組みをなさるのか、ひとつ御見解を聞いておきたいと思います。
  60. 小谷宏三

    小谷政府委員 今回の税制改正でどのような新しい制度になるのかわかりませんが、そのことによって沖縄に対する優遇税制が実質的な悪影響を受けないよう、現在、情勢を見守っているところでございます。例えば、自由貿易地域に関する沖縄の特殊な税制を延長いたしましても、本土の税制本則が変わることによりその効果が損なわれるようなことがないよう最善の努力を尽くさなければならないと思っておりますが、本土における税制の変わりぐあいがまだ予想つきませんので、現時点では沖縄県御当局あるいは沖縄県の経済団体とお話をいたしましても対応策が浮かばないかと思いますが、引き続きこの推移を見守っていきたいと考えております。
  61. 上原康助

    ○上原委員 その点はひとつ長官の方も十分御留意をいただきたいと思います。  三点目は、これもいつかもお尋ねしたことなんですが、要するに一連の補助率カットの問題ですね。これは六十年度から始まって三年に限ってということだったんだが、さらにこれは継続をされていく可能性、十分ありますね、強いですね。それで、今のように一律カットであるとか、あるいは高率補助がどんどん削られていくと、要するに沖振法、さっき言いました特別措置で有利な措置優遇というか有利な措置を、必要があるからそういうことをやってみたって、形骸化をされてきておることは間違いない。  それで、沖縄関係の補助率カットも、六十年度、十分の十の公共事業に限って五%でしたかね、十分の九・五となった。六十一年度もカット対象は十分の九とした。で、今は十分の八・五に引き下げられた。こういう補助率引き下げに伴う削減額は、六十年度で公共性、非公共性がそれぞれどのくらいあるのか。六十一年度はどうなのか。また、六十二年度においても継続してカットされるとするとどのような影響を受けるのか、明らかにしてください。
  62. 塚越則男

    塚越政府委員 補助率引き下げに伴う沖縄開発庁一括計上分に係る削減額ということでお答えをさせていただきますが、五十九年度から六十年度について見ますと約三十九億円、それから六十年度から六十一年度ということで見ますと約二十九億円ということになります。  六十一年度の措置が行われました後につきましては、現時点では沖縄開発庁としては何も聞いておりませんが、いずれにしましても沖縄振興開発事業及び沖縄県、市町村の財政に支障がないように十分配慮してまいりたいと考えております。
  63. 上原康助

    ○上原委員 私が調査をしているのと若干数字は違いますが、後でこれは事務当局にまたいろいろお尋ねをします。  一括計上分では三十九、二十九、大したことじゃないというお気持ちかもしらぬが、しかしこれはそれだけじゃないわけですね、この補助率カットは。市町村に影響を与えないようにやりますということをその都度おっしゃってきているわけですが、問題は、この補助率、これは沖縄だけに限ったことではないとまたお答えするかもしれませんが、公共事業に限らないわけね。公立小中学校の事務職員への給与助成であるとか栄養職員に対する給与の国庫負担とか、こういうものも全部今の一律カットとか補助率カットの中で影響を受けてきているわけですよ。  だから、皆さん沖縄開発庁関係では裏負担をやるとか、あるいは直接はそんなに大きなインパクトを与えていないと言うかもしれませんが、市町村自体が現にこの行財政改革なり補助率カットという面で全国的枠の中でやられているのは膨大なものに達しているということ、こういうことも含めて沖縄の県の負担額あるいは各市町村の財政実態というものを把握しない限り、国体の成功と言いながら、国体にかける費用とか持ち前はだんだん今需要は多くなっている、国庫補助のあり方としてここに非常に問題があるということ。この点はどういう御認識なのか、ひとつ明らかにしてください。
  64. 塚越則男

    塚越政府委員 補助率全般の問題につきましては、私ども所管庁でございませんので正確なお答えができるかどうかちょっと危ぶむところでございますが、いずれにしましても、六十一年度に行われました補助率のカットにつきましては、国と地方との事業の分担の見直しを含めまして措置がされたことでございます。それで、県及び市町村につきましては、その負担がふえないように地方財政措置が講ぜられたところでございます。また、公共事業につきましては、そういうことが行われました上に事業量の増大が図られておりますので、いろいろな振興開発計画にそれ自体として影響を及ぼすような事態は起こっていないというふうに認識をいたしております。  沖縄の場合の特例措置が形骸化するのではないかというお尋ねでございますが、公共事業の、全国の場合には二分の一以上の補助率についての措置がとられましたのに対しまして、沖縄の場合には従来から高率の補助の比率が非常に高かったわけでございますが、その中で十分の九を超えるものに限って、しかも全国の分が一〇%カットに対しまして五%ということで、十分に沖縄特殊性を配慮した措置になっているというふうに考えております。
  65. 上原康助

    ○上原委員 これは後に戻すのか、期限が来たらまた戻るという可能性はないのですね、長官、沖縄開発庁分にしてもね。そこが問題であるということ。  そうしますと、一つは、開発庁関係については起債とか特別交付金等の措置をカットされた分に対しても継続して講じていくのかどうか。  もう一つ、皆さんは、補助率はカットされても事業量を拡大しているからそんなに影響を受けないという言い方をしてきたわけね。これはきょうもおっしゃっているが、前からそういうことだ。しかし、実態はそうじゃない。もう補助率をカットされて精いっぱいなんだ。事業量を拡大したって起債でしか賄い切れない。あるいは自己財源がないわけだから、市町村にあっては事業量を拡大したって対応できないという面があるわけでしょう。事業量をふやせばそれで補助率カット分は実質的には賄っているんだという、その認識は誤っていると私は思いますよ、いずれまた具体的な例を出してこれは議論していいですが。そういうことではこの補助率カットの埋め合わせにはなっていない。  したがって、私たちとしては、特別措置法でちゃんと決められた以上は、こういう財政状況が非常に苦しいということは理解をしないわけではないわけですが、これ以上の補助率カットをどんどんされていったんじゃ、これは二次振計後期のプロジェクトなんて絵にかいたもちになっちゃいますよ。長官、これはどうお考えですか。
  66. 塚越則男

    塚越政府委員 先生にお言葉を返すようでございますが、一定の国費を使って事業量をふやすということで、それもねらいといたしまして補助率のカットが行われております。したがいまして、国費を一定といたしますと事業量としてはふえているということでございます。  また、事業量がふえた分、県、市町村財政の負担が非常に多いではないかということでございますけれども、この点につきましては、地方財政上の措置がすべて講ぜられておりまして、裏負担については起債が認められておりますし、その元利償還分についても地方財政交付金による措置がとられるというふうに承知をいたしておりますので、県、市町村の財政に対して支障が起こらないような措置がとられているというふうに認識をいたしております。
  67. 上原康助

    ○上原委員 それは違うよ、あなた。きょう自治省は来ておられないのでまたいずれ議論しますが、起債だって利息を若干面倒を見たって、市町村に影響がない、そんなことがありますか。そういったいろんな今の特別措置で定められた補助率がどんどんカットされることによって及ぼしている影響は大きいわけです。それだけじゃないし、さっき言いましたようにその他の一律カットとかいろいろな面で影響を受けている、県も含めて市町村というのは。こういう実態を十分把握した上での振興開発計画とか財政需要を立てないと、これからますます厳しい状況になりますよ。その点だけ特に指摘をしておきたいと思います。  次に、さっきもありましたが、振興開発計画と関連しますので、軍用地返還問題をもう一度お尋ねをしておきたいと思うのです。  先ほど長官の方から、せんだって県側から出されたいわゆる軍転協、これは西銘知事が会長なんです。御承知のように県下三十五の市町村で構成されております。十三施設、二千七十四ヘクタールの返還を求めて、その返還後の返還地の跡利用まで織り込んだ具体的計画となっておると思うのですね。先ほどもお答えがあったのですが、これが出された段階で綿貫長官から外相と防衛庁長官に要請をなさった、五日午前の閣議に先立ってということになっているわけですが、防衛庁長官や外務大臣に本当に御要望なさったのですか、どうなんですか。
  68. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 いたしました。
  69. 上原康助

    ○上原委員 きのうは防衛庁長官がそれを否定しているのです。施設庁はどうなんですか。防衛庁、来ていますか。
  70. 森山浩二

    ○森山説明員 お答えいたします。  私はその間の経緯については全然存じ上げておりませんので、残念ながらお答えできません。
  71. 上原康助

    ○上原委員 お答えできない人がここに出てきて何をするのですか。何のためにあなた来たのですか。冗談じゃないですよ。  そこで、長官は御要望なさった。綿貫さん、これは非常に難しい面があると私は思いますよ、大臣沖縄へ行かれて、ごらんになって。しかし避けて通ってはいけないですよ。今のようにああいう調子なんだ、施設庁といったって。使う方だけしか考えない。しかも外務省も、来ているかどうかわかりませんが、少なくとも沖縄の三十五の市町村長がキャップになって軍転協というのをつくって政府に具体的な提案をしたということについては、もう少し重く見てもいいんじゃないですか。ただ閣議の前に話をするとか、やったとかやらぬとかいうようなことではなくして。だから私はきのうも官房長官に、これは外務省だ、防衛庁だ、開発庁だといったって、みんないいことはやりたがるのだが、アメリカのこととかいろいろ難しいものについてはみんな任期中は余り問題ないようにやっておけばいいんだ、後くされのないようにということで。  昭和四十九年、五十一年に日米安保協で返還合意をしたものさえも手をつけていない状態なんですよ。このことについてはもう少し真剣に国務大臣としてやっていただかなければいかぬと私は思うので、改めて開発庁長官が、沖縄振興開発にいろいろな隘路、支障を来す、ついては防衛庁としても外務省としても日米間で話すべきことなりあるいは政府内部で調整しなければいけないことについては積極的に対応しましょうやということで、連絡会議を持つなり、この軍転協から出された返還要求に対しては政府として誠意を持ってこたえていくという姿勢をお示しいただきたいと私は思うのです。そのイニシアチブを開発庁長官がおとりになっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  72. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 今回の軍転協のお申し出の件につきましては、それぞれの役所でいろいろと事務的に話をしてある程度話し合いが進んでおるように私は承知いたしておりましたので、その点を基本にして口頭で、詰まっておる事務の話はひとつ御協力を願いたい、こういうふうに申し上げたわけで、具体的に一つ一つ申し上げておりませんので、事務的にどの程度話が詰まっているのかをもう一遍確認した上で、私としての行動を決めたいと思っております。
  73. 上原康助

    ○上原委員 ぜひそのようなお取り計らいをやってもらいたいと思いますし、経過を知らない人がそこに来ておっても始まらぬから、施設庁も十分調査をなさって対応してもらいたいと思います。  それと、返還を具体化していく上においては、当然、返還された後も跡利用が十分にできるような財政措置も含めて考えていただかなければいかぬということ。返せばいいということではない。もちろん、返す場合の一つの手順がありますから、ある程度の補償措置というか手だてはなされているわけですが、十分でないところがある。したがってまた、返還されたら困るという地主も出てきて、ますます難しい状況に追いやって、そのことをいいことにというのか、悪い言い方をすれば返されたら困るというから使っているのだというのが防衛庁の態度なんです。これではいかぬですよ。ぜひこの点についてはさらに熱意を持って解決を図るように要望をしておきたいと思います。  次に、二次振計後期のこととも関連をいたしますが、先ほどもありましたけれども、私は沖縄観光産業観光振興というか今後の沖縄振興ということを考えた場合には、空の問題ももちろんあります。空港整備なりいろいろ、繁忙期になるとなかなか切符がとれないとか支障はあるわけで、これは沖縄に限ったことでないし、どこでもそういう一過性的なことはあったりしますが、それが著しく影響を与えてはいけないと思うのですね。したがって、離島空港整備も積極的に進めていかなければいけませんし、また必要に応じては空港の滑走路の延長拡大ということも必要でしょう。  同時に、沖縄の陸上交通渋滞をどう解消するかというのが何といったって今後の最大の課題ですよ。私は、藤仲さんが振興局長あるいは事務次官をなさっておったころから絶えずこのことを指摘して、今の小林さんにも、小谷さんだって、みんな総合事務局長をやっているでしょう。したがって、今後の振興開発を考えた場合に道路網の整備ということはイの一番の重要課題なんですよ、長官。だから、私は今嘉手納町に住んでいて一番感ずることは、嘉手納ロータリー周辺の渋滞ぶりといったら本当に大変ですよ。万一ああいう渋滞の状況下で事故とか火災とか何か起きた場合にはパニックが起きますね。  ですから、例えば本部で桜祭りをするとか、あるいは海洋博跡公園で何か記念事業とか祭りとかやるという場合には、行きも帰りももう大変な状態なんです。それだけではない。都市地域周辺の、那覇近郊、あるいは沖縄市、宜野湾市、浦添市、そういった中堅都市を含めて大変な交通渋滞である。これは基地に影響されている面、あるいは道路網の整備というものがまだ不十分であるという証左だと思うのですね。  ですから、既にいろんな案が出ているようですが、これは優先順位を決めてやらなければいけない面があると思いますから、少なくともこの嘉手納バイパスについては、既に長官もこの間、八月に行かれたときに、六十二年度の調査費を要求してやるということを明らかにしてございますから、この件については敬意を表しますが、具体的にこれをどう進めていくのか、またいつごろまでに完成のめどを立てるのか。  ただ、さっき私が基地の問題については御認識ないんですかとお尋ねをしたのは、このバイパスをつくるにも、嘉手納弾薬庫地区、読谷補助飛行場、あるいはトリイ通信施設の約十二万平米の用地返還が必要だと言われているんですよね。こういうものも含めて、いろいろ施設庁なり外務省なりと協議をした上でこのプロジェクトというものを推進していかないとなかなか容易じゃないと思うのですね。このことについてどのようにお考えか。また、今私が指摘をした軍用地返還をやらなければ実現をしないという宿題が残されている。このことについてどのように解決していきますか。
  74. 塚越則男

    塚越政府委員 嘉手納バイパスの問題でございますけれども、そのルートにつきましては、地形とか地質、既存の土地利用でありますとか、関連道路網等いろんなことを勘案いたしまして決定することとしておりまして、米軍の軍用地返還の必要があるかどうかということも含めて、現在そのための調査を実施している段階でございます。したがいまして、ルートはどういうのが一番いいのかまだ決まっておりませんので、軍用地返還の必要があるのかどうか、そこのところもこれからの問題になろうということでございます。  それで、このバイパスの概要を申しますと、読谷村座喜味から嘉手納町の兼久まで約九キロでございまして、事業期間としましては昭和六十二年度から昭和七十年代前半ということを見込んでございます。ただ、全部完成する前に一部を供用することもできますので、ロータリー部分の非常な混雑を緩和するということは、あるいは六十年代の半ばぐらいにはできるかというような考えを持っております。  以上でございます。
  75. 上原康助

    ○上原委員 ルートは、土地購入とかそういう面も影響するから、なかなか難しい面はありましょう。しかし、いずれにしても、さっきもありましたように、現在の国道五十八号線に沿うような湾岸道路をずっとつくるという場合においては、中部一帯、読谷に至るまで基地とのかかわりというものは深い。このことも念頭に置いてプロジェクトをつくって、工期というものもつくらないといけないという点を指摘しておきたいし、同時に私が注文をつけておきたいことは、こういうルートでバイパスをつくるとなりますと、どの地点につくるかは別として、どうしてもこれは比謝橋、架橋をしなければいけなくなりますよね。  その場合に十分考えなければいかぬことは、外部から来るお客さんだけの便宜を図ってはいかぬということです、道路というのは。本部町が今さびれているのは海洋博でつくったあの橋だと思いますよ、本当に。あのとき私は注文をつけた。あれでは本部の町はさびれますよ、渡久地港も。実際にそうなっている。海洋博公園に行くお客さんは非常に便利になったけれども、本部の町には経済的にも都市計画においても何ら効果をもたらさなかった。こういうものは、短期間で、便利で、ただつくればいいということではない。したがって、今回の場合も、嘉手納のロータリー周辺の商店街なり、そういった地域に住んでいる人々も十分に道路を整備することによって好影響を受けるというプロジェクトにしてもらいたい。これもあわせて考えてもらいたい。  一例を言いますと、陸橋の問題なども、これも、藤仲さんじゃない、小玉さんが事務次官のときでしたかね、私は陸橋をつくるよりも地下道を掘れと言ったのですよ。私の提案については開発庁賛成だった。だが、既に町当局と陸橋でいいということで合意したということで、ちょっと遅かったのですがね。環境の面から見ても何から見ても、ロータリーから今の役所の方に地下道を掘って、もっと住民の便宜を図るべきなんだよ、交通渋滞の面からしても。手おくれだ。しかし、将来これは考えなければいけませんよ。  そういうことを含めて、このバイパスをつくる場合には、嘉手納町のこのロータリー周辺の商店、そういうものがこれによってまた悪い影響を受けないようなことを頭に置いてプロジェクトをつくってもらいたい。そして、あの交通渋滞を解消するには、今の五十八号線、比謝橋を含めて、地下にするか、あるいはその他のことも考えなければいかぬですね。同時に、駐車場の問題等を、これは直轄でないかもしれませんが、ある意味ではロータリーの下に公用駐車場をつくるぐらいのことなどもいろいろ考えて、渋滞解消ということを図ってもらわなければいかぬと思うのですが、こういうことを含めてぜひ御検討いただいて、今私が指摘をしたこと等とあわせて解決をしてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
  76. 塚越則男

    塚越政府委員 先生から御指摘をいただきました点を念頭に置きながら、今後検討をいたしてまいりたいと思っております。
  77. 上原康助

    ○上原委員 次に、先ほどもございましたが、パインの問題、これはこれまでもその都度取り上げてきておるわけですが、もう一度私の方からも取り上げておきますが、現在のパインの動向及び政府は沖縄パインの解決をどう図っていこうとしているのか、今後の見通しなど含めて、まず簡単に説明をしてください。
  78. 赤保谷明正

    ○赤保谷説明員 お答え申し上げます。  上原先生にかねてからこのパイン産業の問題について御質問いただいておりまして、非常に私どもの方も叱咜激励を受けておるわけでございますが、先ほどもお話がありましたとおり、沖縄におけるパイン産業、これは地域産業にとりまして非常に重要な産業であるというふうに認識をいたしております。近年、その缶詰の需要の停滞、これも再々滞貨の問題等指摘を受けておりますが、そういう問題がございますし、また円高等の影響を受けまして沖縄のパイ缶の競争力が低下しておるということで、非常に厳しい状況であるわけでございます。  ここで改めて申し上げるまでもなく、私ども沖縄のパイン産業に対しまして生産対策、流通、価格等々各般の施策を講じてきたところでございます。最近の動向といたしましてはパイ缶の需要が低迷しておりますが、片方、果汁の需要が旺盛でございますので、その生産について検討をしていく必要がある、かように考えておるところでございます。
  79. 上原康助

    ○上原委員 今、県産パイン缶詰の在庫はどういう状況になっておりますか。
  80. 赤保谷明正

    ○赤保谷説明員 お答えを申し上げます。  数年前に比べますと沖縄の在庫は大分少なくなってはおりますが、今年の八月現在ですと十六万ケース、それから九月現在で二十四万三千ケースということになっております。
  81. 上原康助

    ○上原委員 それで私が非常に疑問を持つのは、皆さんは、沖縄のパインは基幹作物である、基幹産業に位置づけているということは絶えず言っているわけですね。基幹産業であれば基幹産業らしくそれなりに農民や企業が成り立つ政策をするのが当然だと思うのですが、実際にはそうなっていないわけですね。しかも、ジュース化の問題はどこから要求があったのですか。これは明らかにしてもらいたいと思うのですが、これはIQ品目なんだ、非輸入品目だったんだ。これをわざわざ輸入していく。幾つの企業がジュースを輸入しようとしているのですか。
  82. 赤保谷明正

    ○赤保谷説明員 お答えいたします。  パイ缶から伸びているジュースの方向生産を検討していくべきであろうということを申し上げましたが、これは最近の需要の動向を踏まえまして県当局あるいは関係団体とも御相談の上、そういう方向で検討していくことが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。  それから、IQ物資であるパインのジュースの輸入の問題でございますが、ただいま申し上げましたように、パインの果汁に対する需要が非常に旺盛である。従来、沖縄産への影響を考慮しまして枠の設定は行っていなかったわけでございますが、果汁に対する需要が非常に旺盛であるということから、今回必要最小限度の数量について計画割り当てを実施することにしておるわけでございます。
  83. 上原康助

    ○上原委員 取り扱う企業は幾つですか。
  84. 赤保谷明正

    ○赤保谷説明員 需要者団体割り当て制という割り当て方法をとることにいたしておりまして、割り当て団体は従来の四団体、果汁協会それから全国清涼飲料工業会、いわゆる全清飲、それから全農と果汁農協連、それに沖縄を加えてございます。
  85. 上原康助

    ○上原委員 缶詰は需要が鈍化しているけれどもジュースが旺盛だとか、あるいは需要があるからそうしたいということらしいのですが、冷凍パインの場合もやらぬ、やらぬといってやっちゃった。あの冷凍パインで沖縄のパイン産業は危機的状況に何回か追い込まれてしまったのです。しかもIQ品目でありながらジュース化をしていくということによって、ただでさえ円高・ドル安あるいは工場閉鎖等々も重なって危機的状況にあるのに、追い打ちをかけるようなものなのです。一説によるとこれは沖縄側が要求したとか、あるいは何かそれでいいというような、だれかがやったということも聞いている。そういう事実があるのですか。
  86. 赤保谷明正

    ○赤保谷説明員 お答えいたします。  ただいま御答弁申し上げましたように、ジュースの需要が非常に旺盛であるということから今回輸入をすることにしたわけでございます。  なお、つけ加えてお答えさせていただきますと、今度の輸入分につきましては沖縄産の果汁にブレンドをする、輸入物につきましては糖度が高い、フレーバーもよいということで沖縄産自体の果汁の需要増進も期待できるということも私どものところでは期待をいたしているわけでございます。
  87. 上原康助

    ○上原委員 直接お答えしてないですがね。沖縄産のものにブレンドをしていく、それは最初だからそういうことなんでしょう。しかし、本土の企業も輸入をして製造できるとなると、冷凍パインと同じようになりますよ。企業能力においてはここの方がまさっている。これは目に見えていますよ。盛んに需要が高い、高いと言うけれども、このパインジュースの年間の需要を一体どのくらいと見ていらっしゃるのですか。
  88. 赤保谷明正

    ○赤保谷説明員 六十一年度の見込みでございますが、原果汁の消費量、これは五分の一濃縮換算でございますが、二千五百トンと見込んでおります。それに対しまして国内の生産量が二千百トンということでございます。そのギャップが四百トンあるわけでございますが、六十二年度にはもう少し伸びるであろうということを見込みまして五百トンの輸入をいたすことにいたしておるわけでございます。
  89. 上原康助

    ○上原委員 これは皆さん需要を三千五百トンと見積もってやろうとしているんじゃないですか。こうなりますと、政府のこういった政策変更によって沖縄のパインがますます打撃を受けて、結局は北部や八重山の農民やパイン企業に携わっている人々が生活の基盤さえ失うことになってしまうので、決まったことだからそれでいいというわけにはいきません。沖縄パインを重点保護していくということでこの問題の解決については全力を尽くす、そのことはお約束できますね。
  90. 赤保谷明正

    ○赤保谷説明員 先ほど来お答えを申し上げているとおり、パイン産業は地域産業にとりまして極めて重要な地位を占めておると考えておりますので、今先生のおっしゃったような方向で全力を挙げて沖縄パイン産業の育成に努力をしてまいりたい、かように考えております。
  91. 上原康助

    ○上原委員 またいつかやらなければいけないほかの細々したものもありますが、開発庁長官、これは沖縄農民にとっては重大な問題ですよ。農林省任せではなくして農水大臣ともよく御協議をなさって沖縄のパインの農民、企業の保護育成というもの――これは地域経済に及ぼす影響は大きいですよ、雇用の面からも。ひとつお力を入れていただけますね。
  92. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 沖縄のパインにつきましては、いろいろとただいまのやりとりを聞いておりましたが、この振興策について十分配慮していきたいと考えております。
  93. 上原康助

    ○上原委員 ぜひよろしくお力添え賜りたいと思います。  あと空港問題も聞こうと思いましたが、これは別の機会にいたします。  最後になりますが、環境庁来ておりますね。山原の自然保護の問題で、特にノグチゲラの保護についてお尋ねをしておきたいわけですが、現在の生息状況とか、保護する上での環境庁の御方針はどういうものなのかお聞かせをいただきたいと思います。
  94. 佐野弘

    ○佐野説明員 お答えいたします。  まず第一点は、ノグチゲラがどの程度生息しているのかというお話でございますが、私ども昭和六十年に民間団体に委託いたしましてノグチゲラの調査をいたしました。その調査結果によりますれば、約百匹以下程度であろうというような生息数になっております。したがいまして、非常に数が少なくて、手を加えなければ絶滅のおそれがあるというような認識をしているわけでございます。  沖縄本島の山原地区に生息しているわけでございますが、その地域に県が今五カ所の鳥獣保護区を設定しております。この面積が約千五百ヘクタールでございますが、こういった鳥獣保護区の設定等をさらに進めまして守っていきたい。しかし、こういうことを行うためには、沖縄県も含めまして関係機関の御理解と御協力が必要である。特に、山原地域地元の方々の御理解と協力がぜひ必要であるということで、こういった努力をしながらノグチゲラの保護の一層の推進に努めてまいりたい、かように考えているわけであります。
  95. 上原康助

    ○上原委員 これは環境保護というだけじゃなくして、世界にも、沖縄にしか生息していないというノグチゲラ、トキにも匹敵する、あるいはそれ以上の非常に重要な鳥類だと思うのです。  そこで、七日でしたか、この間もNHKでも特集をしているわけですが、環境庁だけではこれはだめですね。ノグチゲラに関する六十年度予定しておった米軍の北部訓練場内の調査ができなかったわけでしょう。それまで含めてやらなければ、保護というものは、生息環境保全というものは非常に難しいんじゃないですか。そのことをどう打開をしていこうとしておられるのか、それが一つ。  さらに、保護地域の拡大というものを、もっと県当局なりあるいは米軍とも話し合ってやるべきだという感じがするわけですが、この点はどうなのか。  いま一つは、林野庁とも関係があるかもしれませんが、やはりダムをつくったりいろいろなことをやる上において山を余り伐採し過ぎる。植林をするためにかえって伐採をしてまたやる、こういつたいろいろな悪条件の解消というものを、今おっしゃったように関係機関で協議をして、ノグチゲラの保護ということ、さらには環境保全というものに万全を期さなければいけないと思うのですが、この点についてはどのようにいたしますか。
  96. 佐野弘

    ○佐野説明員 まず第一点の昨年の調査の件でございますが、御指摘のとおり、山原地域のノグチゲラは米軍の演習地の中にも生息しているわけでございます。昨年調査予定しておりましたが、年度末ぎりぎりになりまして米軍との調整をつける時間的余裕がございませんので、昨年は現地調査が基地内はできなかったわけでございます。それで、実は昨年限りの調査のつもりでおりましたけれども、やはり米軍基地内の調査もあわせて行わないと十全なる調査にならないという考え方で、今年度補足的な調査をぜひ実現したい、そのように考えておるわけでございます。  それから御指摘の第二点は、保護地域を拡大する必要があるだろう。鳥獣保護区という制度がございまして、先ほど御説明しましたように、約千五百ヘクタールの鳥獣保護区を設定しておるわけでございます。私どもは、でき得ればさらにこれを拡大したいというふうに考えておるわけでございますが、そのためにはやはり地元の林業を行っている人たち等の御理解と御協力が不可欠でございますので、今後ともその辺と十分話し合いをしながら努力してまいりたい、かように考えております。
  97. 上原康助

    ○上原委員 時間が来ましたので、あと一問で終わりますが、この十年間で千三百ヘクタールも生息地域が減少しているのですよ。これじゃノグチゲラは本当に危機的状況に追いやられますよ。植林伐採の問題とか天然林を伐採してまた植林をするとか、そういう場合にも林野庁としても十分環境庁あるいは地域と連携をとってやらねばならぬと思うのですが、林野庁どなたか来ているんでしょう、ひとつお答えください。
  98. 三澤毅

    ○三澤説明員 先生御承知のとおり、当該地域沖縄本島北部にございまして、林業の振興地域であると同時に、今おっしゃいましたような鳥の問題、昆虫の問題、さらに重要な水がめの地域でございますので、その辺で、それらの水源涵養なり野生鳥獣の保護なり林業の振興なり、そういったことを調和させつつ地域振興を図っていかなければならない、このように考えておる次第でございます。  当該地域はダムのために少し伐開が急速に進んだ形跡がございまして、この辺については伐採の仕方等をこれからもっと気をつけなければならない点があるんじゃないか、かように考えておりまして、今後新しい観点に立った林業の振興ということについてもう少し配慮してまいるつもりでおります。
  99. 上原康助

    ○上原委員 終わります。
  100. 加藤万吉

    加藤委員長 この際、午後一時まで休憩をいたします。     午後零時二十八分休憩      ────◇─────     午後一時一分開議
  101. 加藤万吉

    加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。玉城栄一君。
  102. 玉城栄一

    ○玉城委員 まず、長官に最初に基本的な御認識の点をお伺いをしておきたいわけでありますが、長官も御存じのとおり、沖縄が本土復帰する際に、当時佐藤総理は、沖縄の本土復帰がない限り日本の戦後は終わらないということをおっしゃって、長年県民としては本土復帰を悲願として、いよいよそれが実現される、そういうことで、いわゆる政府に対して大変な期待もしておって、今もしているわけですが。したがいまして、復帰の時点で、御存じのとおり長年の本土と沖縄の格差の是正あるいはその自立的な基礎条件を整備するということで沖縄振興開発特別措置法が制定されまして、十年間の沖縄振計でその基本的な目標に向かってきたわけですけれども、なかなかその目標どおりにはいかない、なかなかその格差が縮まらない。したがって、さらに十年過ぎて第二次沖縄振計が延長されまして、ちょうど来年がその二次振計の後期になるわけであります。  復帰して十四年、十五年になるわけですが、県民所得が、もう長官もよく御存じのとおり、四十七都道府県で最下位なんですね。全国平均の約七割ぐらいでしょうか。それで、そのように政府が責任を持って、そういう計画もつくってやっていくのだ。しかし、十四、五年にもなってまだ県民所得一つとってみましてもなかなか全国レベルに上ってこない。その辺を長官とされてはどういうふうに感じていらっしゃるのか、そして今後はどうすればいいのか、お伺いします。
  103. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 沖縄が復帰して十四年目でありますが、今おっしゃいますように、第一次の振興開発計画、今第二次ということでありますが、その中で学校とか道路、港湾、空港、上下水道、それぞれ急ピッチで整備をしてまいったので、まだ本土に比べると格差があるということでありますが、ある程度の実績はできてきたと思っております。  今おっしゃいますように、所得格差あるいは失業者が多いとか、さらに、まだ水の需要に対して十分応じ切れないとか、基盤整備が余り進まないとか、いろいろあると思いますが、今までの方針に従いまして、今後ともこの特別措置の延長を含めて沖縄の格差是正に全力を挙げていきたいと考えております。
  104. 玉城栄一

    ○玉城委員 歴代長官からもそういうお話は伺ってきておるわけですが、現実に今実態としてなかなか所期の目標どおりいっていないということで、これは長官でなくて結構ですが、今までのいろいろな実績、成果といいますか、そういう点で、実績は長官も今おっしゃられた点もありますが、反省点といいますか、いわゆる総括しまして、これから二次振計後期ということで、後でまた四全総の問題、私の方からも質問させていただきたいと思うのですが、やはり開発庁とされてこれまでのどういう点がまずかったのか、どういう点で今後は力を入れるべきなのか、その辺をお伺いします。
  105. 小谷宏三

    小谷政府委員 お答えいたします。  まず沖縄県の県民所得の現況から申し上げますと、最近確定しました昭和五十九年度県民所得統計によりますと、五十九年度の県民所得は一兆七千百四十四億円で、五十八年度と比べて六・五%の増加でございます。一人当たりの県民所得につきましては百四十八万円でございまして、五十八年度と比べて五・二%の増加でございます。一人当たりの県民所得は復帰後着実に増加しておりまして、一人当たりの国民所得との格差も徐々に縮小してきておりまして、五十九年度では七四・一%の水準となっております。  ただ、先生御承知のように、復帰以来一人当たりの県民所得を申しますと、沖縄は全国最下位でございます。昭和五十一年度に下から二番目になったことがございますが、その年はどういう年かと申しますと、海洋博の年でございます。それが終わりまして、再び全国最下位になっております。しかし、徐々に全国平均に近づいてきておるということは、着実に統計上見られますので、なお一層の努力をしてまいりたいと思います。  また、現在本土格差は完全に解消していない、また経済の自立的発展の基盤も十分できていないという点は先生指摘のとおりでございます。私ども一次振計においては公共投資ということに重点を置いてやってまいりました。今後はソフト面にも重点を置き、沖縄県の特色を生かしながら活力のある経済体制に持っていかなければならないと考えているところでございます。あえて申しますと、一次振計の期間はいわば学生に参考書を買い与えていた時期ではないか、で、参考書もほぼそろいましたので、これからは、沖縄開発庁の施策としましては、ソフト面にも重点を置き、その参考書をそしゃくして十分な学力をつけていく時期なのではないかと考えております。そして、間もなく参ります二次振計の折り返し点以降、特に国体終了後、沖縄県をいかに振興開発するかについて、先生御承知のとおり、後期展望を現在検討中でございます。
  106. 玉城栄一

    ○玉城委員 ちょっと運輸省の方、何かほかの委員会とかち合っているようでありますので、先にお伺いしておきます。  これは例の四全総の中間報告を伺ってからと思ったのですけれども運輸省もよく御存じのとおり、いわゆる那覇の国際空港、これの沖合い展開は非常に重要であるということで、そういう要望が非常に強いわけでありますが、これが一点です。  それと、本土―沖縄間の航空運賃というのは非常に高いですね。これは特に国際線、グアム等と競合という関係もありまして、沖縄御存じのとおり観光振興しなくてはならぬ、あるいはまた沖縄県民だけでもありませんけれども、いわゆる生活路線、足のような感じで、本土と沖縄を行き来する場合ほとんど飛行機を使うわけでありますから、そういう航空運賃が高いということで通行税の撤廃の問題、これは通行税のいきさつからしまして撤廃すべきではないか、これが一つ。  それから、最近自民党税調で例の売上税、これが五%ということですが、航空運賃も課税対象になるのかどうか。それと、これも御存じのとおり、先島と本土間の直行便の早期実現という問題についてお伺いいたします。
  107. 堀井修身

    ○堀井説明員 先生の方から御指摘がございました大那覇の件につきましてお答えを申し上げます。  私ども沖縄県を初め地元経済団体等から現在の那覇空港の沖合を埋め立てまして新たに滑走路を一本建設するというような、いわゆる大那覇構想といったものにつきまして強い要望があることはよく承知をしておるところでございます。ただ、現在の那覇空港を、とりあえずということで国際線のターミナルビルの新築でありますとか滑走路の延長、これは既に昨年度に終わっておりますが、このように国際化に向けての施設整備を整えてきたところでございます。そのようなことから申し上げますと、滑走路能力あるいはターミナルの処理能力といったものはまだ十分余裕があるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  したがいまして、今後の航空需要動向がどうなるかということでございますけれども、こういうものをよく踏まえながら長期的な課題ということで検討してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  108. 平野直樹

    平野説明員 通行税の問題と宮古の直行便の問題につきましてお答え申し上げます。  まず通行税の問題でございますが、これにつきましては、運輸省といたしましては廃止ということで要望を出しておるところでございます。  先生指摘の売上税の問題につきましては、ただいま各般の議論が行われているところでございまして、どのような形になるかわかりませんが、いずれにいたしましても極力利用者の負担を軽減することが私どもにとっては望ましいということでございまして、そういう気持ちで調整をしてまいりたいというふうに考えております。  それから第二点の宮古の直行便につきましては、地元から非常に強い要望があるということは承知しております。ただ、一般に路線開設につきましては、必要な需要というものがまず前提条件でございますので、その需要の想定あるいはそれを踏まえて採算性が確保できるかどうかというようなこと。それから、沖縄県内いろいろな路線がございますが、離島路線については経営の維持が非常に困難であるという状況がございますので、そういった離島路線の維持との関連ということをあわせて考える必要がある。それから、現在羽田の発着枠というものが満杯状態でございますので、これをどう確保するかというような問題がございまして、当面これを実現することは困難な状況にございますが、なお引き続き検討してまいりたい、このように考えております。
  109. 玉城栄一

    ○玉城委員 最初の那覇空港の大型化については長期的な課題で検討していきたいということですが、本当は四全総の話からした方がわかりやすかったと思うのですが、それはそれとして、一つは安全性の問題もあるのです。きのうも那覇空港で、あれは自衛隊と共用ですから、福岡発の全日空が着陸するときにもう滑走路に自衛隊機がいて、急に着陸を開始しておりる、自衛隊機の方は管制の指示で滑走路にいたのだ、管制の方はそんな指示を出した覚えはない、これは百六十六名乗っているわけですが、そういう似たような事故がこれまでもたびたびあるわけです。  そういう安全性の点からもいろいろな問題がありますし、沖縄という四全総の位置づけから、国際空港とかいろいろそういうことから考えましても、あの空港はあのままの状態では危険を伴うし、また今後の沖縄振興開発、ひいては我が国が国際化して開けていくあるいは南の玄関としてのあの空港は、長期的というような感じではなくて、やはり真剣に運輸省も取り組んでいただきたい、このように思うわけです。  きのうのそういう事故は御存じだと思うのですが、それこそ事故が起きたらえらいことになるわけで、その点だけちょっと答えてください。
  110. 堀井修身

    ○堀井説明員 お答えいたします。  私直接の担当でございませんので明確にお答えができないわけでございますが、これまでも先生が御指摘をされましたように、那覇空港におきましてその種の事故と申しましょうか、そういうものが起きておることは承知しております。私ども施設の面での安全対策あるいはソフトの面での安全対策といったものにさらに留意をしてまいりたいというふうに考えてございます。
  111. 玉城栄一

    ○玉城委員 さっきの通行税の撤廃の問題ですが、廃止ということで要望しておるというのはどこにですか、大蔵省にでしょうか。そしてその見通しはどうなんですか。それともう一つは、売上税というのは航空運賃も課税の対象になるのですか、ならないのですか。
  112. 平野直樹

    平野説明員 お答えいたします。  通行税の廃止の要望は大蔵省に対して行っております。  売上税につきましては、先ほどもちょっと申しましたように、ただいま各般の議論がございまして、航空運賃にかかるのかどうかという点についてもまだ議論が行われているということでございまして、この結果がどういうことになるのかはまだ何とも申し上げかねるという状況でございます。
  113. 玉城栄一

    ○玉城委員 通行税は沖縄と羽田片道航空運賃三万七千三百円の一〇%、三千七百三十円、売上税は五%ということになると千八百六十五円ですか、売上税は航空運賃だけの問題じゃないですね。あらゆるものに五%、売り上げ一億以上ですか、こういう税金はとんでもないことで、これは沖縄振興だけの問題じゃありませんけれども沖縄振興という立場からこういうとんでもない税金について長官はどう思われますか。反対をされるのですか、推進をされるのですか。
  114. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 税制の問題はただいまいろいろと論議をされておる最中でございまして、これに対してコメントするというのはちょっと差し控えさせていただきます。
  115. 玉城栄一

    ○玉城委員 長官のお立場からされましても、沖縄振興開発は当初の目標どおりにもなかなかいっていない、さらにこういう売上税がかかってくるということは沖縄振興開発という立場からも極めて好ましくないという立場で、ぜひひとつそういう税が導入されないように御要望していただきたい、このようにこちらからもお願いしておきたいと思います。  通行税は、この税のいきさつからしまして極めて前時代的というのですか、そういう性格の税金であります。沖縄―本土間というのは船で行く人というのは極めて少ないのです、これは生活路線ですから。そういうものにそういう通行税がかかってきて――先ほどおっしゃったように、利用者の負担軽減という立場から我々も大蔵省へ説得に参りますけれども運輸省もひとつ頑張っていただきたい、このようにお願いを申し上げておきます。  では、運輸省の方は結構です。  私も四全総の問題についてお伺いをしておきたいわけでありますが、今回の四全総の中間報告における沖縄の位置づけについて、まず最初に概要だけでも御説明をお願いしたいと思います。
  116. 糠谷真平

    ○糠谷説明員 お答えをいたします。  第四次の全国総合開発計画につきましては、広く国民各階各層の御意見を承ってつくっていくということが必要だと考えまして、先般、国土審議会の計画部会におきまして基本的な考え方を中間的に発表いたしたところでございます。その審議経過報告におきまして、沖縄地方につきましては、亜熱帯地域に位置し、広大な海域、多彩な自然・景観、豊かな伝統・文化に恵まれており、今後これらの地域特性を生かし、東南アジアを初めとする諸外国との交流、中継拠点、あるいは国際的規模の保養地としての発展の可能性が高い地域、こういうような位置づけをしているところでございます。  今後、この報告に基づきまして沖縄県を初め関係方面と十分に意見交換を行いまして、最終的には四全総におきまして具体的な施策を明らかにしていく、こういうふうにしたいと考えているところでございます。
  117. 玉城栄一

    ○玉城委員 それは私も持っておりますけれども、大体方向性としてはそういうことではないか。これまでいろいろな議論がされてきましたけれども、その議論はよくわかるところもあるし、そのとおりだと思うところもあるし、これはどういうことかなとちょっとわからないところもあるのですが、いろいろなものを書いてみて、これがどう実現されていくかということが一番大事な問題だと思うのです。そういう意味では本当にパンチがきいているのかどうか、その辺もちょっとお伺いしたいわけですが、本来、こういうメニューというのですか、こういうものが出てきた議論のプロセスといいますか背景といいますか、そういうものをちょっと御説明していただきたいのです。
  118. 糠谷真平

    ○糠谷説明員 お答えをいたします。  四全総の策定作業は五十八年から始めておりまして、その後、長期展望というようなものをまとめて発表いたしまして、地方公共団体あるいは関係諸団体と意見交換を行いましたり、あるいは民間の有識者の方等にアンケート調査をするとか、そういったような形で国民各階各層の皆様の御意見を承るということをやってまいりました。それから、各地方公共団体個別に、沖縄県からも御要望の沖縄地方の位置づけ、あるいは具体的なプロジェクトとしてどんなことを盛り込んでほしいか、こういったようなことも伺ってまいったところでございます。  今回、そういった意見交換の中から、先ほど申し上げましたような基本的な方向づけというのを出したわけでございますが、これから具体的なプロジェクトについて関係省庁その他各方面とも意見交換を行って詰めてまいって、具体的な施策としてあらわしたい、こういうことでございます。
  119. 玉城栄一

    ○玉城委員 これから具体的な詰めをやるということでありますけれども、私も最初にお伺いしましたが、沖縄県が、戦争による荒廃、あるいは二十七年のブランク、復帰十四年、いろいろなこれまでのハンディというものは一応克服されて、今まで言われた沖縄問題というのは一通り終わったんだ、これから新しい沖縄問題が展開されるのだということなのか、それとも、まだまだいろいろな問題があるが、それも引き継ぎながらこういう方向で行くんだとか、その辺は基本的にどういう立場に立っていらっしゃるわけですか。
  120. 糠谷真平

    ○糠谷説明員 お答えをいたします。  沖縄県につきましては、第三次の全国総合開発計画におきましても、特殊な条件下に置かれていた地域であるから特別な配慮が必要である、こういう位置づけをされたところでございますし、その後振興計画に基づきましていろいろ整備が進められているということではございますけれども、私ども、そういった歴史的条件というものは四全総におきましても考えて位置づけをしていかなければいけない、このように考えております。
  121. 玉城栄一

    ○玉城委員 これは四全総の中間報告で、最終案が来年の三月ごろにできるようでありますが、ある意味沖縄サイドからすれば非常に期待もしているわけですね。  それで、具体的にこの中で、例えば「開発・整備のための施策」で「南の国際拠点としての機能充実を図るため、国際交流、国際協力のための各種施設の整備を図るとともに空港及び港湾の整備を進める。」これは一番目にあるのですが、「各種施設の整備」というのはどういうことを我々はイメージとして考えればいいのか。それから「空港及び港湾の整備」こうあるのですが、空港というのは離島空港もありますし那覇空港もありますし、港湾というのは例えばアジアポートとか中城湾とか、それをもう少し具体的に、この部分で結構ですから御説明いただきたいのです。
  122. 糠谷真平

    ○糠谷説明員 お答えをいたします。  今回の審議会報告の目的は、基本的な方向を明らかにいたしまして、その後具体的なプロジェクトを詰めていくための素材にしようということで計画部会でおまとめになったものでございますので、現時点で具体的にどのプロジェクトを想定しているということではございませんけれども沖縄県等から、那覇空港の問題あるいは国際化のためのいろいろなコンベンション施設とかいったものをつくる必要があるとか、いろいろな御要望を私どもは具体的に承っておりますので、そういった御要望のプロジェクトも念頭に置きながらこれから詰めてまいりたい、こういうことでございます。
  123. 玉城栄一

    ○玉城委員 ではもう一点、「地域発展の基礎的条件整備として、都市内の交通混雑解消のための施設整備、都市再開発事業等を進める。高規格幹線道路の整備、」この「高規格幹線道路の整備」というのはどういうことですか。例えば新交通システム、モノレール等もそういう意味なのか、あるいはリニアカーとかも最近ありますけれども、そういうものなのか、どういうふうに解釈すればいいのかお伺いいたします。
  124. 糠谷真平

    ○糠谷説明員 お答えをいたします。  高規格幹線道路といいますのは、自動車専用で高速交通可能な道路ということで、現在、国土開発幹線自動車道七千六百キロの計画がございますが、それに加えまして新しい整備手法等も考えながら、自動車専用で高速交通可能な道路を整備していこう、今こういう考え方が出ているわけでございます。その一つとして、沖縄地方におきましてもそういうものが考えられるかどうかということで書かれているものでございます。
  125. 玉城栄一

    ○玉城委員 これから詰めるということでしょうが、どうも少し頼りないような感じなんです。そうしますと、この中間報告に基づいて沖縄開発庁の方々とか沖縄県とかが具体的なプロジェクトにしまして、そういうものの話し合いをこれからやるわけですね。これは中間報告ですからそうだとは思うのですが。
  126. 糠谷真平

    ○糠谷説明員 お答えをいたします。  私ども、一月、二月と各地方に出かけてまいりまして、地方公共団体の皆様と具体的に詰めていく、そういった会合を持ちたいと思っております。それから沖縄開発庁とも当然でございますけれども具体的に御相談をしていく、こういうことでございます。
  127. 玉城栄一

    ○玉城委員 この四全総の問題で最後に私ちょっとお伺いしておきたいのですが、これには、広大な米軍基地、区域等の存在など地域の発展を阻害する要因というふうにこの中間報告にあるわけですね。これは三全総には「米軍施設、区域については、できる限り早期に縮小されるべき」というふうにあるが、そういう文言はこれにはなくなっているわけですね。これは何か理由があるのかどうか。せっかく広大な米軍基地、区域等の存在などが地域発展の阻害要因になっているというところまでは指摘されて、ところが三全総には、したがってそれは早期に整理縮小していくべきであるという、その部分の文言がこれにはないのですね。何か理由があるわけですか。
  128. 糠谷真平

    ○糠谷説明員 お答えをいたします。  今回は計画部会報告という性格でございますので、基本的な方向、それから問題点指摘にとどめているというところでございまして、最終計画におきます具体的な書き方はこれから検討いたしてまいります。そういう意味で、特段理由があるということではございません。
  129. 玉城栄一

    ○玉城委員 次にフリーゾーンの問題について、これは開発庁の方がずっと担当していらっしゃるわけですから、沖縄自由貿易地域の現在の進展状況、現在どういうふうな状況に置かれているのか、お伺いいたします。
  130. 小谷宏三

    小谷政府委員 フリーゾーンにつきましての現在の進捗状況を申し上げます。  自由貿易地域の設置につきましては、現在沖縄県におきましては、輸出加工型ではなくて輸入中継型のフリーゾーンを目指して具体的な計画を立案中でございます。  設置場所といたしましては、那覇港湾施設、いわゆる那覇軍港の一部の地域、面積にして約二・八ヘクタールを予定しておりましたが、昭和六十三年度にフリーゾーンが開設できるような方向で検討を進めておりまして、その敷地が現在米軍提供施設内にあるために、去る七月十四日に、沖縄県が、当該用地に係る共同使用のための承認申請書を那覇の防衛施設局に提出したところでございます。現在米国側と協議中であると聞いております。  開発庁といたしましては、県庁のみならず沖縄県の経済界の方々もこの実現に非常に御熱心でございますので、この計画の内容を見まして沖縄県及び関係省庁とも十分協議した上でその実現を図る方向で検討を進めたいと考えております。さしあたってはこの土地の共同使用がどのような時期にどうなるかということに注目しているところでございます。
  131. 玉城栄一

    ○玉城委員 ですから、これは米国側と協議中ということですが、これは防衛施設庁がやっていて、共同使用がどうなるかということはこれは開発庁ではわからないから、施設庁ということでしょうね。施設庁、どうなんですかねこれは。協議中であり、どうなるか、今後。
  132. 森山浩二

    ○森山説明員 お答えいたします。  六十一年の十月二十一日付の施設特別委員会に本件の共同使用要請を出しておりまして、ただいま米側で検討中でございまして、回答を待っておるという段階でございます。施設庁といたしましては、早急に回答をいだだけるよう今後も米側と折衝を続けたいと考えております。
  133. 玉城栄一

    ○玉城委員 これは長年私もこの委員会でもまた地元でも、特に経済界の方々のそういう要望、強いわけですが、こういう自由化の時代になってきますと、フリーゾーンに果たしてどういうメリットがあるかというのも、もたもたしているうちにそういう議論も起き始めているわけですよ、これにはまたいろいろな異論もありますけれども。早急にやりたいということは、来年のいつごろ。米側の回答を待つということ、全然この見通しはないわけですか。
  134. 森山浩二

    ○森山説明員 ただいまのところ、見通しはまだ得ておりません。
  135. 玉城栄一

    ○玉城委員 とにかく早くやってくださいよ。そのうち全部自由化されたら――そうまではいかないと思うのですけれども、ただ、これは開発庁に伺いますが、これは沖振法の二十八条によって、特殊な法人によって造成それから上物、そういうことは必要があればやる、わざわざこう書いてあるのですね。これはやはり特殊な法人でそのフリーゾーン、今米側がオーケーと――恐らくオーケーと来るでしょう。とした場合は特殊な法人でやるのか、それとも言われている県営でやるのか、その場合の造成の費用、建物の費用、それはどうなるのですか。
  136. 小谷宏三

    小谷政府委員 お答えいたします。  沖振法には確かに先生のおっしゃいますとおり特殊法人をつくってフリーゾーンを運営するという、いわば約束したような文言がございます。ただ、残念ながら現在の行革の情勢で、既存の特殊法人が次々に民営化されていく時代でございますし、また、例えば沖縄電力株式会社も特殊法人から将来民営に移管するという作業が進んでいる状況でございまして、現在新しく沖縄のフリーゾーンのために特殊法人をつくるということは到底できない状況にあるということを御理解願いたいと思います。  また、土地造成、上物のための予算が当然要るわけでございますが、これにつきまして現在の財政事情のもとで、沖縄開発庁といたしましてはいろいろ検討しておりますが、来年度予算に関して申しますと、マイナスシーリングの時代でございまして、それを例えば開発庁が補助金なり何なりを出すということになりますと、これはほかの開発庁予算を削らなければならないということで、現在フリーゾーンのための予算要求をしておりません。この点も御了承願いたいと存じます。
  137. 玉城栄一

    ○玉城委員 それは御了承できないんですよ、そういうことは。せっかく沖振法の二十八条に、特殊法人によって、沖縄自由貿易地域をつくる場合はそういう法人の形でやるのだ。今言う行革の時代だからそういう法人をつくることはもう、それは理解できますよ。だから県営でやる以外にない。しかもあれは国有地でしょう。賃借料は今後どうなるのか。ですから造成費に県自体で何か一千三百万とか、調査費も含めて今までやってきた。今度造成に二億かかる。大体建物に十二億。これは国も苦しいかもしらぬがさらに県は苦しいわけですよ。沖縄振興のためにそういうフリーゾーンを活用しようということでせっかく法で制度として設けられていて、時代がそうなったから特殊法人できないから一切地元でやれ、こういうことは、ちょっとどうですか長官。少しこれはまじめに考えていただきたいのです。それはできたら丸々という、それはいろいろな県との相談をされながらやはり考えていただく必要があると思うのですね。
  138. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 このフリーゾーンの問題につきましては、県の方、知事の御意向等も承りながら、どういうふうに持っていくかということを真剣に考えていかなければならないと考えております。
  139. 玉城栄一

    ○玉城委員 この問題では、当初の規模よりも、土地のいろいろなトラブルがありましたために非常に規模が縮小されている。それはそれで芽出しとして、今後それを芽出しした後、このフリーゾーンの拡大あるいは規模の拡大、あるいはサブ的なものも必要だろうというような意見も相当ありますので、長官もぜひいろいろな方の御意見をお聞きになっていただきたいと思うのですね。  それで六十二年度開発庁の概算要求、これは時間がありませんので一つ、首里城の復元、これは開発庁とされても一つの六十二年の目玉にしたい、こういうことです。長年やはり首里城というのは、これは今さら私が申し上げるまでもないのですが、沖縄県民の一つの精神的なシンボルとでもいいますか、あの城というのは軍事的な要塞でも軍事施設でもなかったわけです。まさに行政センターといいますかお祭りといいますかイベントといいますか、そういう意味では極めて平和的で、しかも構造建築物というのは非常にすぐれた、いわゆる日本の財産と言っても過言ではないぐらいです。それを復元しようということで今度予算も要求していらっしゃるわけですが、開発庁とされては、大体どのぐらいの総事業費、それから、例えば首里城の正殿とか南殿とか北殿とかありますが、その復元の規模。あるいは県の方のお話を伺いますと、復帰二十周年の記念事業としてある程度めどづけをしたいという話もあるわけですね。あるいは、これができ上がって国営の公園になるわけですから、管理運営はどういうふうになるのか、その辺もちょっとわかりませんので、開発庁、ひとつお願いします。
  140. 塚越則男

    塚越政府委員 首里城の復元の問題でございますが、国営沖縄海洋博覧会記念公園というのがございましたけれども、それをこの十一月二十八日でございましたか、国営沖縄記念公園ということで、その中の首里地区と海洋博覧会地区というふうに、二つのものをまたがるものとして国営公園として整備していくことを閣議決定していただいたわけであります。  その内容でございますけれども、大体、公園の区域面積が約四ヘクタール、総事業費が約七十億円というふうに考えられております。施設といたしましては、正殿それから門、園池等ということでございまして、また、国営公園として認められた区域の周辺部分につきましては、県営の補助公園として整備する予定でございます。  以上が首里城復元の問題につきましての大ざっぱな御説明でございます。
  141. 玉城栄一

    ○玉城委員 復帰二十周年記念事業としてせっかく復元されるのですから、我々としては今おっしゃるような規模でも極めて不満なんですけれども、やはりそれから超えてでもさらに復元できる部分は相当ありますので、それはひとつぜひやっていただきたい。それは国も県も、県民も非常に関心があるわけですから、カンパしてでもやろうという人もたくさんいるわけですから、そういうことも考えながらぜひやっていただきたい、このように思います。  長官、長官に御就任されまして、これからも宮古にお行きになられる機会が当然あろうかと思うのです。行かれましたら、まずさっきの先島と本土の直行便の要望が地元では真っ先に出てきますし、それから例の国営かんがい排水事業、これもぜひやってもらいたい。これは農水省の方も概算要求に入れてあるというふうに承っておりますので、ぜひ推進をしていただきたいのです。  もう一つ、例のウリミバエですね。幸いに国も県も力を入れて駆除されました。ところが、やはり宮古島以外からの野菜は移入禁止、それは、さらにまたウリミバエで汚染されないようにということなんですが、野菜が入らないということになりますと、地元で、野菜をどうしてくれるのかという声もあるわけですね。これは簡単でいいですから、事務局の方からお願いしたいのです。  それと、宮古に空港が二つあるのです。宮古空港と伊良部の下地島空港ですね。お行きになられるとおわかりのとおり、平良市というのは戦前型の町がそのままになっている。道路は狭いし車は通れないという状況です。あの都市の再開発は非常に必要なんですが、いわゆるスペースがないわけですね。ですから、そういう意見も地元から出てくるかどうかよくわかりませんが、今の宮古空港を伊良部の下地島空港に一本化してきちっとして、そして宮古島と伊良部に架橋する。幸いに国のあれで、池間島の架橋それから来間の架橋はもう着工の段階に入っておりますからあれですが、そういう意見もありますので、宮古島の方にも視察に行かれるときには、ぜひそういう話も真剣にお聞きになっていただいてひとつ検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  142. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 今度十九日に伺う予定にいたしておりますので、現地へ行きましてよくお話を聞いたり状況を視察しながら考えさせていただきたいと思っております。
  143. 玉城栄一

    ○玉城委員 では、時間がありませんので最後に。  三原山のこの前の噴火の問題がありまして、私は昨年も伺ったのですが、沖縄関係について気象庁の方に伺いたいのですが、地震観測、予知体制というものが果たしてどうなっているのか。前から非常に問題だと言われているわけですね。今回も、先月だったですか、台湾の北東部で地震があって、与那国では震度三ですか。ところが津波警報がおくれた。やはり予知体制というのは沖縄の場合弱いのだなという指摘があるわけですね。その辺はいかがなんでしょうか。
  144. 勝又護

    ○勝又説明員 沖縄では現在七カ所の島々に地震計を置いて地震活動を監視しているわけでございますけれども、たまたまこの間起こりました台湾の地震、これは、これらの観測網がカバーをする領域のぎりぎりのところに、早く言えば観測網の外に起こったという事情もございまして、少し技術的にも問題があったのでございます。もちろん私どもの方のいろいろな処理にも不手際がございまして、津波注意報が確かにおくれた。これは一つには、そういう特殊な場所に起こった、非常に震源その他を決定するのに困難な状況があったことはもちろんですけれども、技術的にもそれをカバーしていかなくてはならないと思っております。それから、この場合に、大きな津波の災害が予想されるという警報ではございませんで、津波の発生が予想されるという注意報ではございました。しかし、注意報だから遅くていいというようなことはもちろん考えておりません。  そういう状況でございますが、まず初めの技術的問題の方でございますが、大体来年三月をめどに気象資料伝送網というものが完成する予定になっておりますので、これによりまして技術的には、地震の検知力と申しますか、あるいはその解析能力、こういったものは増強されることになると思います。もちろん人間の方も、単に訓練を行って習熟の度合いを増すというだけではなしに、何らかの形で増強、応援の体制を図っていくつもりでおります。
  145. 玉城栄一

    ○玉城委員 時間がありませんのでこれで終わりますけれども皆さん方気象庁の方が御専門ですが、南西諸島海域も決して地震の空白区域ではないという指摘もあるわけでありますから、ぜひそういう予知体制は強化しておいていただきたいですね。万一のことがあってからやるといったってこれはどうにもならぬわけでありますから、その点を要望して質問を終わります。
  146. 加藤万吉

    加藤委員長 林保夫君。
  147. 林保夫

    ○林(保)委員 綿貫長官初め皆様御苦労さまでございます。  沖縄の問題に関しましては、だれしも国民の一人であるならばいろいろな意味で深く関心を寄せざるを得ないような問題が今なお残っておる、こういうこともございまして、大臣を初め御関係の方々には特別御苦心があろうことはただいまの委員会質問でも実ははっきり出ております。  一方また、これを何とかして早く解決しなければならぬというのは、中曽根総理も戦後政治の総決算ということを言っております。これが完全解決ですべてがうまくいくわけではございませんけれども、先ほど大臣もおっしゃっておられたように、いろいろな意味での本土との格差がある。それがあり過ぎるのかもしれませんね。沖振法によりましていろいろ手を打っておられますけれども、これから大きな政治的な課題としての展望といいますか、政治的に努力しなきゃならぬというのは一体どのようなものがあるのか、大臣、その辺を二、三点で結構ですからこの機会に明確にしていただきたいと思います。
  148. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 私も長官になりまして、沖縄の復帰が終われば戦後は終わった、こういう言葉もございましたが、沖縄の内情を見ますと、つぶれ地問題とか不発弾対策の問題とか、いまだにそういうものが残っておるわけでありまして、まだ戦後は終わっていないなというような感じを持ちました。そういうような戦争によって残されたいろいろの本土との格差問題がまだあると思います。これらをまず基本的に解決していくことが極めて重要な課題だと考えておるわけであります。  特に雇用の問題にいたしましても、沖縄の産業政策と申しましょうか、この問題をどういうふうにするかということが一番重要な問題であります。基本的には、やはり沖縄に残されましたあのすばらしい自然の景観、それを基本にした観光立県を目指していくという方向をぜひ支持してまいらなければならないと考えておりますし、また、亜熱帯性による特殊な農業があるわけでありますが、これもさらに知恵を絞りながら、一次産業からさらに加工段階を含めて、現地の皆様方の意欲が出るような方向沖縄を引っ張っていくことが非常に大きな問題ではなかろうかと考えております。また、それらを支える生活基盤あるいは生産基盤を充実してまいることももちろんあわせて行わなければならない基本的な問題だと認識をしております。
  149. 林保夫

    ○林(保)委員 揚げ足をとるわけじゃございませんけれども、例えばつぶれ地の問題とか不発弾の問題ですね。これは大臣予算がつけられれば今わかっている範囲だけでは割と早くできるのではないかと思うのですが、その辺何が障害になっているのでしょうか。
  150. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 これらの問題につきましては、現地におきまして県の方でもいろいろ御心配をいただきまして、開発庁も御相談をしながら、年次計画と申しましょうか、計画的にこれを処理していこうということで、それぞれいろいろな細かい問題があるようでございますから、それらを一つずつ取り上げながら解決をしていくということで開発庁は今取り組んでおるというふうに私は承知しております。
  151. 林保夫

    ○林(保)委員 では、開発庁の皆さんに聞くのですが、今わかっている範囲で大体いつごろまでにそれらが決着がつくのか。防衛庁の方もきょう来ておられますので、あるいはそちらからでも結構ですが。
  152. 小谷宏三

    小谷政府委員 まず、不発弾についてお答え申し上げます。  不発弾が現在沖縄に何トン埋まっているかという正確な数字は、実はございません。沖縄開発庁といたしましても、現在何トンの不発弾が残っているかということは申し上げられないのが正直なところでございます。  それから、最近の不発弾の探査、発掘でございますが、この発見の仕方に二つございまして、一つは、戦争中のことに詳しい方々から、あの辺に不発弾があったはずだ、あるいは日本の軍隊が弾薬を置いて撤退したとか、そういう情報をいただきまして、そしてそこへ行って発掘・探査作業というのをやるのが一つの方法でございます。それからもう一つは、工事をやっておりますと、これは公共工事もございますし、個人が住宅をお建てになるというような工事もございまして、そこで工事をやっていると不発弾が出てくるという二つの方法がございます。  ところが、最近は戦争中の事情を知った御老人の方がだんだん少なくなったり、あるいは記憶が薄れたりいたしまして、開発庁や沖縄県では不発弾情報をお寄せくださるようにPRしてお願いしておりますが、だんだんその件数は減るような状況にございます。それで、では不発弾が少なくなったのかと思いますと、工事をやると出てくる、あるいは畑を深く掘った場合に出てくるというような状況でございまして、実は私ども甚だ困っているわけでございます。  また、最近の毎年の不発弾処理状況のトン数というのはございますが、不発弾が現在埋まっているトン数がつかめないものですから、これはあと何年かかれば沖縄から不発弾が一掃されるであろうかということは、甚だ申しにくいことでございますが、予想もつかないという状況でございます。不発弾につきましては、不十分ではございますが、以上申し上げたとおりでございます。
  153. 林保夫

    ○林(保)委員 この問題はまた追っていろいろと私なりに勉強もし、また御提言申し上げるような機会を得たいと思いますが、大臣、そのような問題は、私も沖縄に二度ばかり行きまして、一応安心できる体制にはなっているような感じですけれども、恐さが残っておるとするとやはり戦後は終わっていないな、こういうことで、ひとつ特に関係の皆さん方に目を光らせていただいて、可能な限り敏速な処理をやっていただくよう要望もしておきたいと思います。  それから、きょうは質問の時間がございませんので、産業振興そのほか雇用問題を含めても、内地も大変厳しいのですけれども特に沖縄が厳しいということも理解しておりますので、この点もとりあえず御要望申し上げておきたいと思います。私は岡山なんですが、こちらの方におるものですから、何より沖縄の場合は今もなお犠牲というか御負担を願っておるな、これはやはり国民として考えて対応していかなければならない、そのために沖振法もあるのではないか、この点は十分理解できるわけです。  それで、とりあえず今問題になっておりますのは、防衛白書を見ましても、在日米軍の駐留に関しまして、いろいろな問題で沖縄は一項目設けてありまして、六十二年五月で使用期限が切れる基地内の土地、そのほかいろいろな施設の問題があるということであります。そしてまた、もう時間がないのではしょりますけれども、最近の新聞を見ましても、思いやり予算をやらなきゃならぬという大きな報道と同時に、思いやり予算の犠牲になるのはごめんだという動きもある。一体どうなっているのか。これは施設庁の皆さんから、今どんなトラブルがあり、どういう状況になっているか、概略で結構ですから、ポイントのところだけひとつお示しいただきたいと思います。
  154. 井上憲治

    ○井上説明員 最近の円高・ドル安によりまして在日米軍の駐留経費が相当逼迫しておるということで、それが基地で働きます日本人の従業員の雇用問題に大きな影響が出てくるのではないかということから、関係省庁で現在調整、検討中でございまして、まだ具体的なことを申し述べる段階ではございません。現在検討中でございます。
  155. 林保夫

    ○林(保)委員 では、きょう外務省の方も来ていらっしゃるのでちょっと聞きたいのですけれども、米軍駐留経費で何か特別協定をして六十二年度から対処するというような報道も出ておりますが、そういう状況は今どうなっておるのか、御説明願いたいと思います。
  156. 藤井宏昭

    ○藤井(宏)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま防衛施設庁の方から御答弁ございましたように、いわゆる思いやり予算でございますけれども、かねてから政府といたしましては、施設整備費及び労務費につきましていろいろその増額に努めてきたわけでございます。これは、在日米軍の駐留というものは安保の根幹である、その支援が重要であるということでございます。しかしながら、昨年の急激な円高によりまして在日米軍の経費の逼迫を見ておるわけでございまして、そのような状況の中で先ほど御答弁ございましたように雇用の不安定というような事態も生まれてきております。したがいまして、政府としてはこのような事態にいかに対処すべきかということについて現在真剣にこれを検討中でございます。  ただ、本日ただいまどのような方策、例えば今委員が御指摘になりましたような特別協定とかいうことについて現在の段階でいまだ政府部内でいろいろな観点からの検討の真っ最中でございますので、このような案があるということを申し上げる段階にないことは非常に残念でございますけれども、本件につきましては、雇用の安定という見地に立ちまして、さらに在日米軍の窮状の緩和と申しますかそういう見地にも立ちまして、政府内部で種々の方策を真剣に検討中でございます。
  157. 林保夫

    ○林(保)委員 局長、米側の方からかなり強く要請が出ておるような話も実は聞いておりますけれども、その辺の折衝はかなり詰めておられるわけですか。それとも、あるいはもし今、日程をはっきりできないとおっしゃっておられましたけれども、どうせ日米安保協議委員会あたりでこれの決着をしなければならぬような感じで、新聞報道によると六十二年度予算ではきっちりしなければならぬ。そうすると何かかなり交渉が煮詰まっておるような報道にもなっておると思うのですが、その辺のニュアンスはいかがなんでしょうか、六十二年度四月からちゃんとやれるという状況になるのでしょうか。円高になってから既に久しゅうございますので、これが報道されるような状況であるとすると本当に当事者は困った状況になっておると思うのですが、その辺をもう少しお話し願いたい。
  158. 藤井宏昭

    ○藤井(宏)政府委員 アメリカ政府は本件につきまして、去る九月に栗原防衛庁長官が訪米なさいました際に、最高レベルにおきまして、副大統領、それからワインバーガー国防長官等含めまして一般的な形で日本の円高によるさらに大きな負担ということの要請がございました。その背後にはアメリカの議会におきまして大変に強い要望があるということがあるかと思います。それ以降特にアメリカ政府から具体的な話があるわけではございませんし、現段階におきましては、アメリカ政府と話し合っているわけではございませんが、ただいま御指摘のように、六十二年度の予算ということの関連も考えまして、現在いかなる方策があり得るのかということについて真剣に検討中でございます。なお若干の時日をおかし願いたいと思います。
  159. 林保夫

    ○林(保)委員 了解いたしました。また機会があったらひとつ内容も御説明いただきたいと思いますが、外交交渉の問題でございますので、この辺でとめたいと思います。  先ほど施設庁さんおっしゃっておられましたけれども、騒音の問題とか、それから不明確な土地を返せとかという問題が私ども三、四年前に行きましたときにもいろいろ出ておりましたけれども、そういう問題で際立って、県あるいは地元の住民との交渉ではどのようなものが今一体あるのでしょうか。なければないで結構なんです、非常にうまく運営されているというのであればこれはこれにこしたことはございませんので。
  160. 井上憲治

    ○井上説明員 お答えいたします。  実は私、労務部の方で労務関係だけで施設関係はよくわかりませんけれども、労務関係におきましては今言いましたような沖縄の基地に勤務をする従業員のそういうような雇用不安定という問題がございます。  施設部の方はちょっと私担当が違いますので、申しわけございませんがお答えできません。
  161. 林保夫

    ○林(保)委員 それでは、これもまた次にいたしましょう。  そのようなことで沖縄皆さんが大変御苦心されている実態というのはもうわかり過ぎるほどわかっていることではございますけれども、何か聞いておりますと、解決できるものがどうも的確に手が打たれていないんじゃないだろうか、必要以上にそういうものが向こうの重荷になってはせぬのだろうか。過日知事選挙のときに問題提起されたものもいろいろ見ましたけれども、そういう問題がいっぱいあるように思いますので、この辺は鋭意関係者の方で努力して解決するようにしていただかなければならぬと思います。  次に移りますけれども沖縄でもう一つ私ども鮮やかに記憶しておりますのは、インドシナの難民が沖縄皆さん方の住んでおられる周辺でお世話になっていた。これは沖縄ばかりではなくて大村なり姫路なりそれからまた大和ですか、品川にもございましたけれども、今インドシナ難民がどういう状況になっておるか、沖縄ではどういう受け入れ、あるいはつい最近、もういなくなったという話も聞いておりますので、実情を御説明いただきたいと思います。
  162. 小谷宏三

    小谷政府委員 お答えいたします。  私ども沖縄には日本赤十字社沖縄県支部が、ベトナム難民の定住国が決定するまでの間人道的見地から収容するため本部国際友好センターというものを昭和五十三年八月一日から開設したというお話を伺っております。これは主務官庁でございます内閣官房のインドシナ難民対策連絡調整会議事務局というところから伺いましたことでございます。  それで、現在先生おっしゃいますとおり、難民はおりません。昭和六十一年十一月末現在で全国にいらっしゃるのが九百三十一人でございますが、本部の国際友好センターの滞留者数はゼロでございます。本部のセンターの滞留者数が多かったのは昭和五十七年七月で、これが三百二十五人、ことしの十一月になって三十七人に減ってきたということを主務官庁から伺っておりますので、お答えいたします。
  163. 林保夫

    ○林(保)委員 これはまだ事務的な結論は出ていないんだと思いますけれども、日赤が三月末で借入期限が来るようになっておりますけれども大臣、それをそのまま残しておくのですか。それとも、またほかに転用するようなお考えあるんでしょうか。
  164. 小谷宏三

    小谷政府委員 申しわけないのでございますけれども、私どもそこまでは対策本部から伺っておりません。
  165. 林保夫

    ○林(保)委員 人数も少のうございましたし、今はもう国際化の時代でございますので、私も実際に行ってみたときに、障害があるようなところではないということは承知しておりましたけれども、インドシナ情勢をどう判断するかにもよるかと思いますが、それなりの対応を、沖縄でなくてもこっちでやるとか、きっちりした対応だけは政治姿勢としてもとっておられる方がいいような感じもいたします。また実情を聞かせていただきたいと思います。  続きまして、あと七分ほどしかございませんけれども、先ほども出ておりましたフリーゾーンの問題ですね。大変新しいアイデアとして、言うならば私の近くの瀬戸内海にもそういうものが欲しいなというぐらい見ておるのですけれども大臣、今お話聞いておりますと、これがなかなか段取りが進まないような感じが強過ぎるのですけれども、政治的には何が障害になっておるのでしょうか。やはり各省庁の、日本内の縄張りの問題と一言で言えない問題があるのではないかと思うのですけれども、為替の問題あるいは通関の問題、どんなものがポイントになっておるのでしょうか。
  166. 小谷宏三

    小谷政府委員 ことしの一月ごろでございましたか、フリーゾーンの根拠法である沖振法は復帰と同時に制定されたのに、今もってフリーゾーンができないではないか、なぜであるかということで沖縄県ともいろいろお話ししてみたのでございます。フリーゾーンを設置しようという機運が盛んになったのは一昨年あたりでございますが、ことしの一月に沖縄県と話し合ったところでは、フリーゾーンをどこに立地するのがよいかということを検討し、どうも施設、区域内の土地に立地したらばよいのではないかということになりまして、そこで施設、区域内にフリーゾーンをつくれるだろうかというその土地問題でいろいろ沖縄県庁あるいは開発庁の総合事務局それから那覇の防衛施設局と相談しておりまして、そこで難航したというのがことしの春の状況でございます。ただ幸いにも共同利用申請を出しておりますので、土地の点は先ほど防衛施設庁の政府委員の方がお答えしましたように、いつかはちょっと未定でございましょうが、なるべく早くということでございます。  また次に新しい問題として、まだ具体的に沖縄県から私どもに問題提起があったわけではございませんが、先ほど委員がおっしゃいましたように、税制改革の結果現行法制のフリーゾーンが御利益を失うないし薄くなるのではないかという問題を、これは私ども税制改革がどうなるかということがまるでわからないのですが、まず考えているところでございます。この点につきましては今後税制改革がどのような方向に向かって展開するかを見詰めて、沖縄県とも御相談の上的確な対応を講じてまいりたいと思います。  また、先ほど玉城先生から、沖縄県として財政難でフリーゾーンの施設をなかなかつくれないのではないかという御指摘がございまして、それでは私ども沖縄開発庁が補助金なり負担金なり出せるかというと、現在の予算状況では甚だ難しいのでございますが、これも隘路の一つであるということは確かに私どもも認識いたしております。
  167. 林保夫

    ○林(保)委員 難しい条件はいろいろあると思いますけれども、これはタイミングを失したら本当にどうにもならないなという感じもいたします。しかしなおパーマネントのものとして日本に一つ欲しいなというのも、これは経済人であればだれでも考えるところなんです。二・八ヘクタールの上にどんなものを建てようとしているのですか。えらいお金がかかるものなのですか。
  168. 小谷宏三

    小谷政府委員 まだ県から具体的な設計図等はいただいておりませんが、上物で約十億円要るということを伺っております。ただ具体的な詳しい相談はまだちょうだいしておりません。
  169. 林保夫

    ○林(保)委員 大臣、そういうように沖縄はそれなりに芽も立派にいろいろある、先ほど来おっしゃっておられた海洋的な、そして亜熱帯の中では素晴らしいところでもあるというようなことがいろいろありますので、積極的にひとつ施策も、いつまでもということではなくて集中的にできるものはしてしまうような御努力をひとつぜひお願いしたいと思うのでございます。  来年五月だと思いますが、もう復帰十五年になりますね。そうすると、これで沖縄が一体どうなったんだということも国民の目に一度しっかり見せてもいただきたいし、これが私ども民族あるいは国家の悲願でもあります北方領土返還の運動にもやはり響いてくると思います。これはまた改めて聞きたいのですが、北方領土が返ってきて、一体これをどのように位置づけてどうこれを活用して太平洋の平和あるいは北東アジアの平和に役立たせながら使っていくかというような問題も、もうそろそろ中曽根さんとゴルバチョフさんが話し合いをするのであれば当然出ていていいような感じもいたしますね。そういった点もあり、余計に沖縄の問題をこの機会にしっかりしておいていただきたいと思います。  きょうは時間がなくて意は足りませんけれども最後にもう一度沖縄の特性を考えてしっかりやるというようなことくらい御決意をちょうだいして、私なりの質問をまた次の機会にさせていただきたいと思います。
  170. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 ただいまフリーゾーンのお話もございましたが、これらもやはり沖縄の特色の一つにして繁栄のてこにどういうふうに使っていくか十分知恵を絞らなければならないことだと思っております。今おっしゃいましたようなもろもろの沖縄の特性を生かして繁栄を図るように一層私も努力してまいりたいと考えております。
  171. 林保夫

    ○林(保)委員 終わります。
  172. 加藤万吉

  173. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 私は主として失業問題、雇用問題についてお伺いします。  その前に、沖縄振興開発計画というのは二十六年余にわたるアメリカの占領支配のもとで沖縄県民の生活、産業、経済が破壊されたということで、せめて本土並みにすべてを持っていこうという趣旨のもとで計画されたものでありますが、これが第一次振計、十年間で大体達成できるはずだったんだな、これが達成できないということで第二次振計の今五年が過ぎて、あと五年残っている。  それで最初にお伺いしたいのは、今所得水準にしても本土との格差は依然として解消されてない、まだ七〇%前後を横ばいしておる、だから第二次振計が目標としている本土並み、これは五年間で果たしてできるのかどうか、できるとすればどういう構想をお持ちなのか、これを長官にあらかじめお聞きしたいと思います。
  174. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 復帰十四年でございますが、いろいろの条件を復帰当時と比べてみますと、先ほどからも申し上げておりますように、学校にいたしましても道路にいたしましても港湾、空港、上下水道、先日私は泊大橋を渡らせていただきましたが、隔世の感があると言いたいくらい着々と格差是正に向かっての努力があらわれておると私は考えております。一次振計に続きまして二次振計におきまして鋭意その格差是正に努めておりますが、今後の五年間においてもできるだけ格差を是正するように努力していくということを申し上げておきたいと考えております。
  175. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 私の方で具体的に問題提起します。これは一体全体なぜもう十五年になるにもかかわらず県民所得がまだ七〇%を横ばいかという問題その他です。これは例えば施設庁、開発庁から沖縄に流されておる金が、この配分がほとんど本土に還流しているということを私は指摘したいと思います。後で具体的に数字を申し上げます。  その前に、私、宜名真トンネルの疑惑を解明したときに問題に出したのだが、今でも沖縄に他府県の本土の企業が組織している五月会というのがあるかどうか。これは長官でなくてもいいですから、あるかどうか、あればある、なければないでいいですから答えてください。
  176. 小谷宏三

    小谷政府委員 お答えいたします。  私、直接担当ではございませんが、最近まで沖縄総合事務局長をしておりましたので、五月会なる会の存在は存じておりました。現在もあると思います。建設業者、特に本土から沖縄に出張所、営業所などを持っている建設業者の会であるというふうに伺っておりました。
  177. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 今の答弁正しいのですよ。あるのです。三十三ありますよ。  それで、具体的な問題に入ります。  沖縄における公共事業の発注状況、これは開発庁関係が一九八四年発注総額が三百四十一億一千万円。県内でどういうふうに発注されたか、これは百五十一億三千六百万円、パーセンテージは四四%です、県内は。逆に県外、この五月会のメンバー、本土資本は百八十九億七千四百万円、五五・六%、すなわち県外が多いのです。ですから、県民に落ちる金は県外に落ちていくということをあなた方のあれでちゃんと示しているわけなのです。それから八五年、六十年は幾らかよくなったかなと思われます。これはパーセンテージだけ申し上げますと五〇、五〇です。五割が県内、五割が県外。  ところで、驚くべきことは防衛施設庁関係、これは同じく八四年が総額で三百四十八億七千百万円、このうち県内は百三十九億四千万円、パーセンテージ四〇%です。それから県外が二百九億三千百万円で六〇%が県外に発注されている。同じく八五年、六十年が総額三百二十五億六千八百万円のうち百三十一億四千七百万円、パーセンテージ四〇・四%が県内で、百九十四億二千百万円、パーセンテージ五九・六%は県外に発注されている。これは当局に確かめる必要ないと私思います。これは全部開発庁と施設庁からとった資料。ジョイントベンチャーがありますね。これは資本の配分で全部配分したらこういう格好になっている。この状態では、これは何カ年続けても県内に落ちる金が落ちないで県外に還流しているわけです、逆流。琉球銀行の調査でも、ちゃんとそういった逆流現象を食いとめて県内に落ちるような県民本位にしなければいかぬ。沖縄では本当に特殊な機械以外は何でも沖縄の中小企業でできるような状態なのです。  長官にお聞きしますが、このような経済構造を変えない限り県外に持っていかれるわけなのですから、私が五月会はあるかどうか聞きましたら、これは三十三あってみんな九州支店、福岡支店のものである、竹中工務店とかいろいろありますが、こういったような状態を変えない限り、あと五カ年でできる、努力しますと言っても、こういった基本的なものを変えない限りこれは絶対できるものじゃないということを数字で示している。だから、長官は新しく長官になられたわけなのだから、長官の方でこういった逆流をむしろ逆にする、むしろ県内に六〇%とか――私は他府県の企業を敵と思っているのじゃないですよ。  問題は他府県に流れていくこと。せっかくの国の予算です。開発庁の予算でしょう。それから施設庁の予算でしょう。こういったのが本土に六割ぐらい還流している。これを逆にすれば沖縄企業も非常に活況を呈するということになるので、その点をとりわけ具体的に長官に意見をお聞きしたい。長官は初めてかもしれませんが、しかしこの資料はあなたのところから来ているわけなのだから、私は長官の御意見をお聞きしたいと思います。
  178. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 今瀬長さんから沖縄の業者の方々は何でもやれるのだという御発言がございましたが、いろいろ技術水準その他もあると思います。  ただいまの数字につきましては、五割、五割というような形でございますが、沖縄振興開発ということには私としても努めてまいるつもりでございますので、その実態をもう一度よく調べてまたいろいろと考えさせていただきたいと思っております。
  179. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これは私が作成したものじゃなしに、長官の開発庁と防衛施設庁からもらったのをちゃんと整理して、この金額は間違いないのですよ。この金額の配分をしているから、これをお確かめになった上でこれは私はぜひ逆にしてほしい。それで、沖縄に金が多く落ちるような方法をとらない限りできないわけだから、その点をもう一遍答弁してください。これが一番のネックなんですよ。
  180. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 これは沖縄だけではございません。全国のいろいろな県におきましても、例えば隧道とかダムとかいろいろなものについて安全性ということが極めて重要な問題でありまして、それには技術水準とかいろいろのものがありまして、会社のスケールあるいは信用度、それらもありまして、発注をするときのいろいろな基準等もありますので、そういう条件もよく考えてみなければならない問題だと私は考えております。
  181. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 そうすると、今のような発注状況を変える必要はないというお答えですか。
  182. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 沖縄の業者の方々の技術水準とかその他の状況もよく把握してみなければならないと考えておるわけでございます。
  183. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 沖縄の関係を調べて、これは沖縄でできるなと思われた場合にはこういった比率を変える意思はあるわけですね。
  184. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 比率を変えるということよりも、一つ一つの事業の発注の集積によってそういうデータが出たものでありますから、事業の内容を一つ一つ見なければわからないと私は思います。そういう状況でございまして、それぞれの事業が的確に安全に、しかも地域振興に寄与するような事業が発注され、しかもでき得ればそれが地元に還元されれば余計いい、こういうふうに考えております。
  185. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これは長官として初めての数字かもしれませんが、せっかく国の予算がおろされたわけなのだから、県民の懐が暖かくなるような方向でぜひ検討してもらいたい。  それから、同じく失業問題ですが、私も調べて驚いたのですが、これは長官知っておられると思うのですが、失業対策事業費の問題で、これは自治省の昭和五十九年度決算なんですが、失業対策事業費が九州全体で、金額で二百五十二億円以上になっておりますが、これは福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島ですね。沖縄の場合には、人口一人当たりの失業対策事業費はわずかに四十九円四十銭なんですよ。同じ人口がやや似ておる宮崎を取り上げますと、四百八十三円八十銭。福岡は特別にいろいろ事業があると思いますが、全国でも一位なんですよ。これは四千三百二十九円七十銭。沖縄を一として考える場合に、類似県である宮崎県の約十分の一にしかすぎないという失業対策事業費、これは自治省の決算書なんですが、この点、長官おわかりであるのかどうか、初めてお聞きになるのかどうかわからぬですが、この点をお聞きになって、もし初めてであればこれは検討しないとちょっとおかしい格好になるのです。失業率は全国が二・七とか、沖縄は五・二とか五・三とか、とにかく失業率は全国平均の倍以上なんですよ。今度失業対策事業費となると、驚くなかれ一人当たりにして四十九円四十銭で、これを見て私自身びっくりしたのですよ。これは御存じですか。
  186. 小谷宏三

    小谷政府委員 私ども沖縄開発庁の職員はこのことは大臣に申し上げておりません。したがって、開発庁長官としては御存じございません。これはなぜかと申しますと、労働省が市町村を機関委任事務の手足としてやっておりまして、開発庁が関知しないところでございます。  ただし、先生おっしゃるとおり、沖縄の失業事情というのは全国の約二倍でございまして、沖縄振興開発に重要な影響をもたらしているものでございますので、先生の御趣旨は労働省にお伝えいたしたいと存じます。
  187. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これは、労働省関係であればなお、沖振の三十八条、三十九条、とりわけ三十八条は、労働大臣は県知事の意見を聞いて、失業問題を重視して事業計画しなければいかぬというところまで来ているわけだ。そういった労働省が、この沖縄に対して失対事業費一人当たり四十九円四十銭では、何のために三十八条をつくったのか、あるいは三十九条をつくったのかわからぬような状態になっている。これは、ぜひ長官の方でこの点を労働大臣にもお話しになって――これは自治省の決算書ですから、事実ですから。だから、この結論としては、今度の予算はまだ確定しておりませんが、今度の予算でこの失業対策事業費をせめて、全九州並みというと、人口一人当たり千九百十二円になります。それから、人口が似ておる宮崎を取り上げますと四百八十三円八十銭になるのですよ。人口が似ておると言った宮崎の人口は、百十七万四千人と書いてあるのです。沖縄は百十六万七千人と書いてあるが、せめて宮崎並みの失業対策事業費、これは四百八十三円になるのです。沖縄は四十九円。これじゃ情けない話です。今事務局から答弁があったが、長官、ぜひこの問題は労働大臣にも言われて、失業対策事業費はふやそうじゃないかとひとつ積極的に働きかけてほしいということを要望したいと思いますが、いかがですか。
  188. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 実態をよく調べてみます。
  189. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 長官のよく実態を調べます、調べて後はどうするかはないんだな。調べて知らぬ顔をするわけにいかぬでしょう。調べて、もしそうであれば、理由が立つのですよ。御承知のように三十八条もあるでしょう、三十九条もある。これは特段に設けられているわけだ。そういった意味でも沖縄に対する失業対策事業費はふやそうじゃないかというぐらいの意見は言ってほしいと、要するに要望しているのですよ。どうですか。
  190. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 実態をよく調べて、そのようなことがあるかどうか確認した上で、沖縄の格差是正を私どもは言っておるわけですから、そのような方向でひとつよく相談をしてみたいと思っております。
  191. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 もっと失業問題を聞きたいのですが、時間がありませんので、最後に政府の責任というか、深刻な沖縄の失業問題を解決することは緊急の課題であると私は考えているわけです。きのうの本院の雇用の安定に関する決議でも、総合的雇用政策の推進、国と地方が一体となった雇用問題に対する適切かつ機動的対処を政府に求めているわけなんです。労働大臣あるいは沖縄県と十分相談されて、公共事業への失業者の就労、さらに就業機会の増大のため事業の拡大など、真剣に雇用、失業問題の解決に、長官、ひとつ努力してほしいと思いますが、いかがですか。これはきのうの本会議で決議されたことに関連がありますから。
  192. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 沖縄の失業対策あるいは雇用の拡大、さらに沖縄振興につきましてはこれから十分努力していくということは、先ほどから申し上げておるとおりでございます。
  193. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間がありませんから、最後に米軍の沖縄従業員大量解雇問題について。  これは長官御承知であるかもしれませんが、十二月三日の現地の新聞で、キャンプ・バトラー基地司令官が西銘県知事に会って、年明けに三百人解雇するという通告をしておるのですよ。沖縄の失業率が長官御承知のように全国の倍以上ある中で、しかも年末年始、こういったのをとらえて三百人解雇するということを通告しているのですよ。これは、海兵隊のキャンプ・バトラー基地司令官のヘンリー・C・スタックポール准将が西銘県知事に会ってその通告をしております。しかも年末年始を控えていて三百人の大量解雇となるとこれは大変なことになる。その後円高によって、四〇%ぐらいは日本が持ってもらえばとかというようなお話ありますが、この点については事実をお調べになって、もしそれが事実であるとすればひとつ解雇するのを撤回してもらいたいということをぜひ長官からおっしゃっていただきたい。  これは私も、二回にわたって新聞に出ているのでこの新聞を見ての話でありますから、事実関係をお調べになって、これが事実であればこの際解雇は撤回してほしいということ、そういった要望を長官の方からしてほしいと思いますが、いかがですか。
  194. 小谷宏三

    小谷政府委員 ただいまの問題は先生御承知のとおり米軍に提供している駐留軍労務者の問題でございまして、沖縄開発庁といたしましてはとても関与できる立場にはございませんので、ただいま先生お話しのようなことは無理であると私ども存じております。
  195. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間が参りましたので終わりますが、私は、これは開発庁とは関係ないと、もちろんそれはわかりますよ、しかし綿貫長官は沖縄問題に対する窓口でしょう、そういった意味では関係あり、閣議の閣僚の一員ですから、そういった方向援助の手を差し伸べてもらいたいと要望しているわけなんですよ。担当長官であるという意味じゃないわけだから、私はそれは知っていますから、その点ひとつお答えになっていただいて私の質問を終わりたいと思います。どうぞ。
  196. 綿貫民輔

    綿貫国務大臣 現地の知事ともいろいろお話があったようでございますので、その知事との話し合いを私どもは見守りながら、ただいまの御要望は一応お聞きしたということにしておきます。
  197. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 終わります。
  198. 加藤万吉

    加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせをすることとし、本日は、これにて散会をいたします。     午後二時四十三分散会