○岡田(正)
委員 去る八日提示されました
議長調停を
もとに、ただいま
委員長より提案されました
衆議院議員定数の
是正に関する
起草案に対しまして、私は、民社党・
国民連合を代表して、反対の
意見を申し上げます。
私ども民社党は、
最高裁判決を待つまでもなく、第一に、総
定数五百十一を大きく削減をすること、第二に、
格差を二倍以内にすること、第三に、三ないし五名の中
選挙区制を堅持すること、第四に、
国勢調査ごとに第三者機関による自動的
是正が行われること、第五に、
確定値公表後は直ちに
抜本是正をすること、第六に、今
国会中に
暫定是正をすることを
主張してまいったのでございます。
ただいま上程されました
起草案は、以上の
趣旨からいたしまして賛成することができません。
まず第一の理由は、総
定数を一名ふやして五百十
二名にするという点であります。
そもそもこのことは、昨年十二月十九日の
議長見解で、
現行総
定数は
変更しないものとするという
趣旨を天下に公表したのであります。そのことを
議長みずから破るというまさに重大な公約違反であり、
国民の
政治不信を助長する最大の問題であるからであります。
国会は率先をして
行政改革の範を垂れよというのが、
国民の声ではないでありましょうか。総
定数を減らすことを求められている今日、逆にふやすとは、一体、何事でありますか。こんな安易な方法なら、だれがやったってできることであります。
暫定是正といえども、断じて許すわけにはまいらぬのであります。
国は、口を開けば地方の行革を推進と言いますが、全国の三千三百二十五の
地方議会は、行革は
議会が率先して実行するべきものとして、本年の一月現在で調べてみますると、法
定数八万六千六百十四名のところを、実に一万七千百九十名も削減をいたしております。これは率にして約二〇%となります。これほどの行革の範を
地方議会は示しております。しかるに、地方の手本となるべき
立場にあります国が、
国会がまことに恥ずかしい、まことに情けない、
定数増とはまことに残念きわまることであります。
反対の第二は、
定数協の
座長見解や
各党の
合意事項に反する問題についてであります。
その第一は、「
確定値で変動する可能性のある微差の
選挙区は、
是正を見送る。」ことにいたしておりました。順位は第十番目でありました
大分県二区の問題が唐突に取り込まれたことであります。地元の陳情団の皆さんの申し入れ書の中に、まさに寝耳に水という言葉が書いてありましたが、私ども
委員にとりましても、まさに寝耳に水の唐突な取り込みであります。
第二に、「
関係者等の
意見を踏まえ、合分区、
境界線変更等により
調整し、二人区の
解消に努め、」云々としておりましたのに、二人区を大量に四つもつくったり、あるいは六人区までつくっているということであります。
この二つの問題につきましては特に慎重を期すべきであり、従来から
地域に深く
関係する特別法をつくるときには、慎重に地元の
意見をよく聞かなければならないとされておりました。今回は、その手法を余りにも粗略にしておるのではありませんか。
また、
境界線の
変更は、郡、市単位で移動すべきであるのに、一町だけを動かすという、
挾間町だけを動かすという変則手法を用いたり、しかも、その町の
歴史的、地理的な条件を全く無視をした不自然な手法は、無神経とも言える乱暴きわまる手法と言わなければなりません。かつ、合分区の手法は一切とられておりません。このような
各党の
合意を踏みにじるような手法は、断じて我が党は許すことはできません。
反対の第三は、三十日間の
周知期間では
有権者に対する周知に必要な
期間としては全く不十分なことであります。住民の
選挙権でさえ、
現行法律におきまして三カ月以上居住しなければ
選挙権は与えないことになっておるではありませんか。
野党の
一致した六カ月という要求を余りにも軽視していることは、断じて許すことは相なりません。
反対の第四は、県単位の逆転現象に全くほおかぶりをしておることであります。
まず第一に、兵庫県は
人口五百二十七万で全国第七番目の大県であり、本来、
現行定数二十名が
人口割でいけば二十
二名にしなければならない、
二名増員しなければならない県であるのに、逆に一名削って十九名になるということなどは、何をもって県民にこのことを納得させることができるでありましようか。
石川県もそのとおりであります。隣に
人口が三万人少ないという富山県があります。その富山県よりも
定数が一名減って五名になってしまう。何をもって県民が納得できるでありましょうか。もっと地元の
意見を反映した実とすべきであります。この点からも、私どもは反対を申し上げる次第であります。
以上申し上げました反対
意見を集約してみますと、第一は、総
定数をふやしておることであります。第二は、二人区を大量につくったことであり、六人区までつくったことであります。第三は、合分区の手法を一切使わなかったことであります。第四は、
境界線変更の手法が余りにも乱暴であり、粗略であることであります。第五は、
周知期間が余りにも短過ぎることであります。第六は、逆転現象の放置、ほおかぶりであります。
なかんずく、何といっても総
定数をふやすなどということは
行政改革に逆行し、
政治に期待する
国民の顔を逆なでをする
起草案であることを再度強調いたしまして、私の反対
意見を終わります。