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1986-05-21 第104回国会 衆議院 運輸委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年五月二十一日(水曜日)     午前十一時三十一分開議 出席委員   委員長 山下 徳夫君    理事 小里 貞利君 理事 鹿野 道彦君    理事 久間 章生君 理事 津島 雄二君    理事 清水  勇君 理事 吉原 米治君    理事 西中  清君 理事 河村  勝君       自見庄三郎君    田中 直紀君       近岡理一郎君    堀内 光雄君       箕輪  登君    山村新治郎君       若林 正俊君    小林 恒人君       左近 正男君    富塚 三夫君       横山 利秋君    浅井 美幸君       中村 正雄君    梅田  勝君       辻  第一君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 三塚  博君  出席政府委員         運輸大臣官房長 永光 洋一君         運輸大臣官房国         有鉄道再建総括         審議官     棚橋  泰君         運輸省地域交通         局長      服部 経治君  委員外出席者         議    員  横山 利秋君         日本国有鉄道総         裁       杉浦 喬也君         日本国有鉄道副         総裁      橋元 雅司君         運輸委員会調査         室長      荻生 敬一君     ————————————— 委員の異動 五月二十日  辞任         補欠選任   梅田  勝君     浦井  洋君 同日  辞任         補欠選任   浦井  洋君     梅田  勝君 同月二十一日  辞任         補欠選任   柿澤 弘治君     自見庄三郎君   梅田  勝君     浦井  洋君 同日  辞任         補欠選任   自見庄三郎君     柿澤 弘治君   浦井  洋君     梅田  勝君     ————————————— 五月十六日  脊髄損傷者に対する運輸行政改善に関する請願保利耕輔君紹介)(第五四九三号)  同(渡辺紘三君紹介)(第五四九四号)  同(中井洽紹介)(第五七三六号)  同(野間友一紹介)(第五七三七号)  総合交通政策の確立に関する請願五十嵐広三  君紹介)(第五六六一号)  同(岡田春夫紹介)(第五六六二号)  同(関山信之紹介)(第五六六三号)  同(津川武一紹介)(第五六六四号)  同(中林佳子紹介)(第五六六五号)  国鉄分割民営化反対国鉄再建等に関する  請願(辻第一君紹介)(第五六六六号)  国鉄分割民営化反対等に関する請願梅田  勝君紹介)(第五六六七号)  同(沢田広紹介)(第五六六八号)  同(中島武敏紹介)(第五六六九号)  国鉄分割民営化関連法案反対に関する請願  (沢田広紹介)(第五六七〇号)  同(辻第一君紹介)(第五六七一号)  同(富塚三夫紹介)(第五六七二号)  同(野間友一紹介)(第五六七三号)  同外一件(広瀬秀吉紹介)(第五六七四号)  国鉄全国ネットワーク保持等に関する請願  (戸田菊雄紹介)(第五六七五号)  国鉄分割反対等に関する請願(辻第一君紹介  )(第五六七六号)  同(富塚三夫紹介)(第五六七七号)  国鉄分割民営化法案反対等に関する請願(沢  田広紹介)(第五六七八号)  同外一件(辻第一君紹介)(第五六七九号)  同(東中光雄紹介)(第五六八〇号)  同(広瀬秀吉紹介)(第五六八一号)  国鉄分割民営化反対公共企業体として再  生に関する請願瀬崎博義紹介)(第五九三  四号)  公共交通充実等に関する請願瀬崎博義君紹  介)(第五九三五号)  同(松本善明紹介)(第五九三六号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  日本国有鉄道改革法案内閣提出第五三号)  旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に  関する法律案内閣提出第五四号)  新幹線鉄道保有機構法案内閣提出第五五号)  日本国有鉄道清算事業団法案内閣提出第五六  号)  日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清  算事業団職員の再就職促進に関する特別措置  法案内閣提出第五七号)  鉄道事業法案内閣提出第六九号)  日本国有鉄道改革法等施行法案内閣提出第七  〇号)  日本鉄道株式会社法案嶋崎譲君外八名提出、  衆法第一五号)  日本国有鉄道解散及び特定長期債務処理に  関する法律案嶋崎譲君外八名提出衆法第一  六号)  日本鉄道株式会社希望退職者等雇用対策特別措  置法案嶋崎譲君外八名提出衆法第一七号)      ————◇—————
  2. 山下徳夫

  3. 三塚博

    三塚国務大臣 提案説明申し上げる前に、ただいま十時からの参議院本会議におきまして、六十一年緊急措置法可決決定をいただきました。当委員会先生方に厚く御礼を申し上げさせていた。だきまして、提案理由の説明を申し上げます。  ただいま議題となりました日本国有鉄道改革法案旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律案新幹線鉄道保有機構法案日本国有鉄道清算事業団法案日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職の促進に関する特別措置法案鉄道事業法案及び日本国有鉄道改革法等施行法案、以上七件の提案理由につきまして御説明申し上げます。  初めに、日本国有鉄道改革法案につきまして御説明申し上げます。  日本国有鉄道は、昭和二十四年日本国有鉄道法施行によりいわゆる公社として発足し、自来我が国の輸送の大宗を担い国民生活の向上と国民経済の発展に大きな役割を果たしてまいりました。  しかしながら、昭和四十年代のモータリゼーションの急速な進展、航空輸送網の飛躍的な発達の中で、国鉄の担う鉄道輸送我が国交通体系の中で次第に独占的地位を失い、これとともにその経営も極めて厳しい環境に置かれるに至ったのであります。すなわち、昭和四十年代から国鉄経営は年々悪化を続け、これに歯どめをかけるべく四次にわたり策定された再建計画も十分な効果を上げることができず、その結果、昭和六十年度末における累積欠損額は十三兆九千億円もの巨額に達する見込みである等、その事業の経営が破綻するに至っております。このため、国鉄の事業の体制を国民の期待にこたえ得る体制に再生することが喫緊の課題となっているのであります。  このような状況を踏まえ、昨年七月国鉄再建監理委員会から「国鉄改革に関する意見」が提出されました。この「意見」では、現行の公共企業体による全国一元的経営体制のもとにおいては事業の適切かつ健全な運営を確保することが困難であるとの認識のもとに、いわゆる分割・民営化を基本として国鉄の改革を実現することとし、そのための具体的な方策を提言しております。  政府としては、この「意見」に示された方向こそ今日の国鉄事業の危機に対処し、国民の期待にこたえる最善の道であると信ずるものであります。  本法律案は、以上のような認識のもとに、国鉄の経営している鉄道事業等に関し輸送需要の動向に的確に対処し得る適切かつ健全な運営の体制を実現するべく、これら事業経営形態について分割・民営化を基本とした抜本的な改革を実施するため、その基本的事項を定めるものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、日本国有鉄道による鉄道事業等に関し効率的な経営体制を確立するため、その経営形態の抜本的な改革についての基本的な方針に関し、まず、六つの旅客鉄道株式会社による旅客鉄道事業引き継ぎ新幹線鉄道保有機構による新幹線鉄道一括保有及び貸し付け、日本貨物鉄道株式会社による貨物鉄道事業引き継ぎなど日本国有鉄道事業等をそれぞれ適切な法人に引き継がせること。  次に、北海道、四国及び九州の各旅客鉄道株式会社に、経営の安定を図るための基金を置くものとすること。  また、日本国有鉄道を、日本国有鉄道清算事業団に移行させ、資産、債務等の処理及び職員の再就職促進のための業務を行わせること。  さらに、国は、日本国有鉄道清算事業団の債務の償還等の円滑な実施に関する基本的な方針を策定するとともに、これに従って必要な助成等措置を講ずるものとすること。及び、国は、日本国有鉄道改革の実施に伴い一時に多数の職員が再就職を必要とすることとなることにかんがみ、再就職の機会の確保及び再就職援助等のための特別の措置を講ずるものとすることなどについて定めることとしております。  第二に、日本国有鉄道改革の実施のため、運輸大臣による日本国有鉄道事業等引き継ぎ等に関する基本計画の策定、日本国有鉄道による実施計画の作成、承継法人の職員の採用、日本鉄道建設公団からの資産、債務の日本国有鉄道への承継等について所要の規定を設けることとしております。  第三に、日本国有鉄道改革は昭和六十二年四月一日に実施するものとし、同日において日本国有鉄道法及び日本国有鉄道法施行法を廃止することとしております。  次に、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律案につきまして御説明申し上げます。  本法律案は、日本国有鉄道改革法に定める方針に従い、六つの旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社を設立し、鉄道事業に関し、輸送需要の動向に的確に対応し得る適切かつ健全な運営の体制を実現しようとするものであります。  次にこの法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、北海道旅客鉄道株式会社東日本旅客鉄道株式会社東海旅客鉄道株式会社西日本旅客鉄道株式会社四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社は、旅客鉄道事業及びこれに附帯する事業を経営することを目的とする株式会社とし、日本貨物鉄道株式会社は、貨物鉄道事業及びこれに附帯する事業を経営することを目的とする株式会社としております。  また会社は、運輸大臣の認可を受けて自動車運送事業その他の事業を営むことができることとしております。  第二に、東日本旅客鉄道株式会社東海旅客鉄道株式会社西日本旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社について社債発行限度の特例を設けるとともに、会社の社債権者に会社の財産に対する先取特権を認めることとしております。また、会社の監督等に関し、新株の発行、社債の募集、長期借入金代表取締役及び監査役選定等の決議、事業計画、重要な財産の譲渡、定款の変更等決議等について運輸大臣の認可を受けなければならないこととしております。  第三に、北海道旅客鉄道株式会社四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社経営安定基金を置くこととし、その管理及び取り崩しの制限等について定めおこととしております。  第四に、会社の設立に際して発行する株式の総数は日本国有鉄道が引き受けるものとし、会社の成立は日本国有鉄道法の廃止のときとしております。  また政府は、会社の設立後五年間を限り、国会の議決を経た金額の範囲内において会社の社債について保証契約をすることができることとし、当該保証契約をした社債に資金運用部資金等を運用することができることとしております。  次に、新幹線鉄道保有機構法案につきまして御説明申し上げます。  本法律案は、日本国有鉄道改革法に定める方針に従い、新幹線鉄道保有機構を設立し、旅客鉄道株式会社経営基盤均衡化及びこれらの施設に係る利用者の負担の適正化を図るため、新幹線鉄道に係る鉄道施設を一括して保有し、これを旅客鉄道株式会社に貸し付けることとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、新幹線鉄道保有機構は、新幹線鉄道我が国基幹的輸送機関として国土の均衡ある発展に果たしている役割にかんがみ、新幹線鉄道を経営する旅客鉄道株式会社経営基盤均衡化利用者の負担の適正化を図るため、当該新幹線鉄、道を一括して保有し、貸し付けることを目的とする法人とし、新幹線鉄道に係る鉄道施設旅客鉄道会社への貸し付け、大規模災害復旧工事の実施、及びこれらに附帯する業務を行うこととしております。  第二に、機構はその保有する新幹線鉄道施設旅客鉄道会社に有償で貸し付けることとし、会社はこれを借り受けるものとしております。また貸材料の年額及び貸付期間については、この法律及び運輸省令で定める基準、方法によることとしております。  第三に、旅客鉄道株式会社は、借り受けている新幹線鉄道施設について大規模災害復旧工事を行うことについて機構に申し出ることができることとしております。  第四に、政府は、国会の議決を経た金額の範囲内において機構の長期借入金または債券に係る債務について保証契約をすることができることとしております。  第五に、機構の監督等に関し、事業計画借入金業務方法書の作成、利益及び損失の処理、償還計画、重要な財産の処分等について運輸大臣の認可を要することとしております。  第六に、機構は、東日本旅客鉄道株式会社の意見を聞いて、東北新幹線の建設中の区間の建設を行うこととしております。  次に、日本国有鉄道清算事業団法案につきまして御説明申し上げます。  本法律案は、日本国有鉄道改革法に定める方針に従い、日本国有鉄道日本国有鉄道清算事業団に移行させ、その資産、債務等を処理するための業務等を行わせるとともに、臨時に、その職員の再就職の促進を図るための業務を行わせることとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、日本国有鉄道清算事業団は、旅客鉄道株式会社等による日本国有鉄道からの事業等引き継ぎ並びに権利及び義務の承継等の後において、国鉄長期債務等の償還、日本国有鉄道資産処分等を適切に行い、もって改革法に基づく施策の円滑な遂行に資するとともに、臨時に、その職員のうち再就職を必要とする者について、その促進のための業務を行うことを目的とする法人としております。  第二に、事業団資産処分審議会を置き、資産処分業務に関する基本的な方針、重要な資産処分等についてその意見を聞かなければならないこととしております。  第三に、事業団は、その目的を達成するため、国鉄長期債務等の償還、資産の処分、その所有する土地に係る宅地の造成等の業務及び臨時に職員の再就職促進のための業務等を行うこととしております。また事業団は、主務大臣の認可を受けて、その業務の円滑な遂行に資するために投資することができることとし、さらに、その土地の処分について公正かつ適切な実施を確保するため、一般競争入札の方法に準じた方法等によらなければならないこととしております。  第四に、政府は事業団の債務の償還等の確実かつ円滑な実施を図るものとし、このため、事業団の債務の償還等に関する基本的な方針を定め、これに従い予算の範囲内において補助金等を交付し、またはその他の援助をするものとしております。また、事業団は債務の償還等を確実かつ円滑に実施するための償還実施方針を定め、運輸大臣の承認を受けなければならないこととし、また資産の効果的処分その他の措置により必要な資金の確保に努めなければならないこととしております。  第五に、政府は国会の議決を経た金額の範囲内において事業団の債務について保証契約をすることができることとし、また、事業団の監督に関し、事業計画借入金等について運輸大臣の認可を要することといたしております。  第六に、日本国有鉄道日本国有鉄道法の廃止の時において事業団になるものとするとともに、この法律の施行に伴う経過措置に関し必要な事項について定めることとしております。  次に、日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職の促進に関する特別措置法案につきまして御説明申し上げます。  本法律案は、日本国有鉄道改革法の規定による日本国有鉄道改革を確実かつ円滑に遂行するための施策の実施に伴い、一時に多数の再就職を必要とする職員が発生することにかんがみ、これらの者の早期かつ円滑な再就職の促進を図り、その職業の安定に資するため、当該改革前においても、日本国有鉄道の職員のうち再就職を希望する者について再就職の機会の確保等に関する特別の措置を緊急に講ずるとともに、当該改革後において日本国有鉄道清算事業団の職員になった者のうち、再就職を必要とする者について再就職の機会の確保及び再就職援助等に関する特別の措置を総合的かつ計画的に講ずることとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、国鉄退職希望職員に関する措置として、まず国は、再就職促進方針を定めるとともに、国、特殊法人等及び地方公共団体による職員の採用、国による事業主団体に対する協力要請日本国有鉄道による関連事業主に対する雇い入れの要請等の再就職の機会の確保に関する措置を講ずること。  また、公共職業安定所による職業紹介等及び国による日本国有鉄道に対する助言、指導等国鉄退職希望職員の再就職援助等に関する措置を講ずることを定めることとしております。  第二に、清算事業団職員に関する措置として、まず国は、再就職促進基本計画を、三年内にすべての職員の再就職が達成されるような内容のものとして策定するとともに、清算事業団において、毎事業年度、再就職促進基本計画の内容に即して、実施計画を策定すること。  次に、国、特殊法人等及び地方公共団体による職員の採用、国による事業主団体に対する協力要請清算事業団による関連事業主に対する雇い入れの要請等清算事業団職員の再就職の機会の確保に関する措置を講ずること。  さらに、清算事業団による教育訓練職業紹介等の業務の実施、国等による職業訓練職業紹介等に関する措置及び清算事業団に対する援助並びに雇用促進事業団による援護業務実施等清算事業団職員の再就職援助等に関する措置を講ずる保ごとを定めることとしております。  第三に、本法律案は、昭和六十五年四月一日限り、その効力を失うこととしております。  次に、鉄道事業法案につきまして御説明申し上げます。  本法律案は、国鉄改革関連法案の一環として、日本国有鉄道が分割・民営化されることに伴い、現在日本国有鉄道の行っている鉄道事業民営鉄道事業となることから、地方鉄道法を廃止し、新たに鉄道事業に関する一元的な法制度を整備することにより、鉄道等利用者の利益を保護するとともに鉄道事業等の健全な発達を図ろうとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、日本国有鉄道改革後の新体制に対応するとともに、鉄道に対する投資を円滑にし、鉄道事業の今後の発展を期するため、鉄道の経営と所有の分離を認め、免許の種別を第一種鉄道事業、第二種鉄道事業及び第三種鉄道事業に区分して定めること等鉄道事業の免許について所要の規定を設けることとしております。  第二に、安全面に十分配慮しつつ現行地方鉄道法と比較して大幅に規制の緩和、手続の簡素化を図った上で、工事の施行の認可、列車の運行計画届け出等について所要の規定を設けることとしております。  特に技術上の規制については鉄道事業者が一定の要件を満たす設計管理者を選任した場合には、工事の施行の認可及び車両の確認について、認可制届け出制にする等大幅に簡略化された手続によることとしております。  第三に、運賃及び料金について認可を受けること、一定の範囲の割引については届け出をもって足りるものとすること等について所要の規定を設けることとしております。  第四に、運輸に関する協定の届け出運行管理業務等の管理の受委託、事業の譲渡譲り受け、事業休廃止等の許可または認可、事業改善命令、免許の散り消しまたは失効等について所要の規定を設けることとしております。  第五に、索道事業の経営の許可、専用鉄道等の設置の届け出等について所要の規定を設けること  としております。  第六に、運輸大臣が行う鉄道施設または索道施設の検査の全部または一部を、指定検査機関にも行わせることができるものとすること等について所要の規定を設けることとしております。  最後に、日本国有鉄道改革法等施行法案につきまして御説明申し上げます。  本法律案は、日本国有鉄道改革法等六本の法律の施行に関し必要な事項を定めるとともに、これらの法律の施行に伴う関係法律整備等を行い、国鉄改革の円滑な実施と改革後の新たな法体系の整備を図ることとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、日本国有鉄道改革法等施行のための措置として、旅客会社及び貨物会社日本国有鉄道から引き継いだ鉄道事業その他の事業について、関係事業法に基づく免許等を受けたものとみなすこと等会社の日本国有鉄道からの権利及び義務の承継に伴う所要の経過措置を設けることとしております。  第二に、日本国有鉄道法の廃止に伴い、日本国有鉄道の昭和六十一年度の決算の処理に関する事項その他の事項について所要の経過措置を設けることとしております。  第三に、日本国有鉄道改革法等施行に伴い、会計検査院法等計百五十一件の関係法律について廃止または規定の整備等を行うとともに、これに伴い所要の経過措置を設けることとしております。  以上が、日本国有鉄道改革法案旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律案新幹線鉄道保有機構法案日本国有鉄道清算事業団法案日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職の促進に関する特別措置法案鉄道事業法案及び日本国有鉄道改革法等施行法案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  4. 山下徳夫

  5. 横山利秋

    横山議員 私は、日本社会党護憲共同を代表して、ただいま議題となりました日本鉄道株式会社法案日本国有鉄道解散及び特定長期債務処理に関する法律案及び日本鉄道株式会社希望退職者等雇用対策特別措置法案について、その提案理由概要について御説明申し上げます。  国鉄経営危機的状況に陥り、その解決が政治的課題となって久しいものがあります。五回にわたる政府再建計画はことごとく失敗しました。それは急激な交通経済情勢の変化に適切に対応し得なかったこと、そして日本国有鉄道法を初め、多くの経営上の制約があり、経営自主性が保障されなかったこともあって、官僚的経営に終始し、他方、政治の介入は絶えず、その上、国が政策的に国鉄建設させ、経営させた地方交通線などの経費について、国が必要な補償をしなかったところに原因があります。  今日、これらのために、国鉄の財政はまさに破綻状態であります。かかる状態を招いた原因と責任を明らかにしなければ真の対策は生まれません。  社会党案は、こうした立場から立案したものであります。  今ここに、政府案と我が社会党案が並んで議題となり、これから広範な分野にわたり、かつ長期的視野に立って、今後五十年、否、百年にわたる鉄道のあり方について慎重に審議を行い、またこの審議を通じて国民の審判を求めることになります。  申すまでもなく、両案の基本的な相違は、新事業体の経営形態については、分割か一社制か、純然たる私企業にするのか安企業として発展させるのかということであります。  国鉄再建監理委員会の答申は、国鉄経営危機的状況を招いた最大の原因は公社制度と全国一元の巨大組織にあるとして、国鉄事業を再生するには速やかに分割民営化を断行するしか道はないと強弁しています。しかし、これは大きな間違いです。  世界の巨大企業を考えるまでもなく、日本国内においても、政府みずからNTTの組織については分割しなかったではありませんか。  政府・自民党は、こうした国鉄危機の真の原因をすりかえ、その責任をあいまいにしたまま、臨調行革路線に基づいて、国鉄百年の歴史と伝統を無視し、国鉄を含む今後の総合交通体系の展望もないまま、先ほど提案理由説明のありました諸法案提出し、その成立を強行しようとしています。  我が党は、国鉄を解体し、公共性を企業性に置きかえ、全国一体の組織を会社間の対立を招く組織に置きかえ、また希望という名をかりた配転や退職の強要によって、未曾有の数の労働者とその家族に犠牲を押しつけ、他方では、サービスの低下や格差運賃、あるいは累積赤字を国民に押しつけることによって国鉄の再建を図ろうとするやり方には強く反対します。  同時に、国民の共有財産を守り、国鉄が真に国民国鉄としてその機能を発揮し得るようにするためには、現在の国鉄の抜本的改革実施する必要があると判断し、ここに必要な法律案政府案への対案として提出した次第であります。  そこで、まず、我が党の対案の基本的な考え方について御説明申し上げます。第一に、国鉄が担ってきた公共的機能を維持発展させるため、国鉄にかわってその機能を担うべき新たな事業体を国の責任で設立すること、第二に、新事業体には、国鉄資産及び事業のすべてを引き継がせ、地方交通線を含む全国ネットワークを維持発展させること、第三に、新事業体は、今日までの国鉄に見られるような、不当な制約や政治介入、経営を度外視した負担の押しつけなどを排除し、経営自主性と健全な経営確保するため、株式会社の形態をとるとともに、事業分野の拡大を図ること、第四に、国民の需要に応じた事業運営確保するため、新事業体の内部組織として、国民各階層の代表で構成する経営委員会を設置すること、第五に、公共性を担保するために必要な費用は、基本的には国が負担あるいは補助すること、第六に、膨大な累積債務のうも国の政策の失敗によって生じた債務については、新事業体とは切り離し、国の責任で処理すること、第七に、国鉄職員については、すべて新事業体が引き継ぎ、労使協議に基づき適正人員を定め、希望退職者の職業と生活の安定を確保するため、新事業体と国は、その責任において必要な措置を講ずることなどであります。  次に、各法律案概要について御説明申し上げます。  まず、日本鉄道株式会社法案について御説明いたします。  第一に、日本鉄道株式会社は、国鉄事業承継し、全国的な鉄道事業並びにこれに関連する自動車運送事業及び連絡船事業経営することを目的として設立する株式会社とし、会社は、これらの本来の業務のほか、必要な事業を営むことができることといたしております。  なお、会社が関連事業を行うに当たっては、同種の事業を営む中小企業者を圧迫することのないよう、特に配慮しなければならないものといたしております。  第二に、会社は、我が国における旅客及び貨物の基幹的輸送機関である鉄道の全国ネットワークによる輸送その他の公共的輸送を担う企業体として、国及び地方公共団体が中心となって進める総合交通体系の整備確立に寄与し、もって公共の福祉の増進と国民経済発展に寄与する責務を有することといたしております。  第三に、会社には、本社のほか、全国七ブロックにそれぞれ支社を置き、各支社ごとに、地域の輸送需要に適切に対応した効率的な事業運営が行われるようにするため、支社に対し、大幅に権限を委譲する分権化を図ることといたしました。  第四に、政府は、会社発行済み株式総数の十分の七以上を保有していなければならないものといたしております。  第五に、本社に経営委員会を置き、会社経営基本方針及び事業計画等の業務執行に関する重要事項は、経営委員会議決を経なければならないこととするとともに、支社にもそれぞれ地方経営委員会を置き、業務区域内の営業線に関する重要事項は、そこでも議決を経なければならないことといたしております。  第六に、政府は、会社債務に関する保証契約及び事業資金の無利子貸し付けをすることができることとするとともに、鉄道新線の建設費、災害復旧費を補助することができることといたしました。また政府は、当分の間、国民生活にとって必要である地方鉄道営業線であって、収支均衡を確保することが困難であると認められるものについて、その運営費の一部を補助することができることともいたしております。  第七に、運輸大臣に対する事業計画届け出等及び新株発行認可等必要最小限度の運輸大臣監督について所要規定を設けることといたしております。  そして第八に、施行期日及び経過措置等について所要規定を設けることといたしております。  次に、日本国有鉄道解散及び特定長期債務処理に関する法律案について御説明申し上げます。  第一に、日本国有鉄道は、日本鉄道株式会社の成立のときにおいて解散することとし、解散のときに有するその一切の権利及び義務のうち、長期の資金に係る債務で政令で定める特定長期債務以外のものは、国鉄解散のときにおいて、会社承継することといたしております。  第二に、会社の成立の際、現に国鉄職員である者は、会社の成立のときに会社職員となるものといたしております。  第三に、国鉄は、解散した後も清算の目的範囲内においてなお存続することとし、政府は、この清算中の国鉄に対し、特定長期債務の返済が完了するまでの期間中に、債務償還計画を定めて資金の交付等を行うことといたしております。  なお、会社は、土地等の処分をした場合には、その対価の一部を清算中の国鉄に対し、納付することができることといたしております。  最後に、日本鉄道株式会社希望退職者等雇用対策特別措置法案について御説明申し上げます。  第一に、この法律は、日本国有鉄道から移行した日本鉄道株式会社の希望退職者及び希望退職予定職員について特別給付金の支給及び再就職促進に関する特別の措置を講じ、もって希望退職者等の職業及び生活の安定を図ることを目的といたしております。  第二に、希望退職者等の再就職促進に関する国及び会社の責務を定めるとともに、特に、会社は、この法律に定める措置実施するに当たっては、退職を希望する職員の募集に応ずること等を強要し、または差別的取り扱いをしてはならないことといたしました。  第三に、希望退職者等の再就職促進について、国は再就職促進基本計画及び採用促進計画を、会社は再就職促進実施計画をそれぞれ定めるものといたしております。  なお、これらの計画の作成に当たっては、会社は労働組合と協議しなければならないことといたしております。  第四に、希望退職者等の再就職先の確保についてでありますが、国は率先して希望退職者を採用するとともに、特殊法人等及び地方公共団体に対し、希望退職者を採用するよう要請するものといたしております。また、国は、希望退職者を雇い入れる一般事業主に対し、希望退職者雇用助成金を支給することができることといたしております。  第五に、希望退職者に支給する特別給付金に関する規定を設けておりますが、その額は、俸給、扶養手当及び調整手当に相当するものの月額の合計額に十二を乗じて得た金額とするものといたしました。  第六に、関連企業労働者等への配慮に関する規定を設けております。  以上のほか、国の体制整備雇用促進事業団援護業務等、希望退職者等の再就職促進援助に関して、必要な諸規定を設けることといたしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して一カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとし、施行日から起算して五年を経過する日までに廃止することといたしております。  以上、各法律案提案理由及びその内容概要について御説明申し上げました。これらの法律案は、政府が推進する国鉄分割民営化に反対する三千五百万署名者の意向に沿って作成したものであり、広範な国民期待に十分こたえ得る現実的な対案であると確信しております。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに可決されますよう心からお願いいたします。
  6. 山下徳夫

    山下委員長 以上で各案の趣旨の説明は終わりました。      ————◇—————
  7. 山下徳夫

    山下委員長 この際、申し上げます。  本委員会に付託になりました請願は四百十件であります。各請願の取り扱いにつきましては、先ほどの理事会において慎重に協議いたしましたが、いずれも採否の決定を保留することになりましたので、さよう御了承願います。  また、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしてありますとおり、二十七件であります。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————
  8. 山下徳夫

    山下委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  内閣提出  船舶安全法及び道路運送車両法の一部を改正する法律案  日本国有鉄道改革法案  旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律案  新幹線鉄道保有機構法案  日本国有鉄道清算事業団法案  日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職促進に関する特別措置法案  鉄道事業法案及び日本国有鉄道改革法等施行法案並びに嶋崎譲君外八名提出日本鉄道株式会社法案  日本国有鉄道解散及び特定長期債務処理に関する法律案及び日本鉄道株式会社希望退職者等雇用対策特別措置法案 の各案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  9. 山下徳夫

    山下委員長 起立多数。よって、さよう決しました。  次に、  第百一回国会小林恒人君外六名提出、地域交通   整備法案  第百一回国会吉原米治君外六名提出交通事業における公共割引の国庫負担に関する法律案 及び  第百二回国会左近正男君外九名提出、都市における公共交通の環境整備に関する特別措置法案 並びに  陸運に関する件  海運に関する件  航空に関する件  日本国有鉄道経営に関する件  港湾に関する件  海上保安に関する件  観光に関する件及び  気象に関する件 の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 山下徳夫

    山下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣承認申請についてお諮りいたします。  ただいま議長に対し申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になり、その審査のため委員を派遣する必要が生じました場合、調査事項、派遣委員、派遣期間、派遣地並びに承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 山下徳夫

    山下委員長 御異議なしと認めます。よって、  さよう決しました。   本日は、これにて散会いたします。     午後零時十一分散会      ————◇—————