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1985-02-12 第102回国会 参議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年二月十二日(火曜日)    午後零時二十六分開会     ─────────────    委員異動  十二月十三日     辞任         補欠選任      工藤砂美君     加藤 武徳君  十二月十四日     辞任         補欠選任      加藤 武徳君     工藤砂美君  十二月十九日     辞任         補欠選任      安武 洋子君     宮本 顕治君  十二月二十日     辞任         補欠選任      志村 哲良君     藤田 正明君      宮本 顕治君     安武 洋子君  十二月二十一日     辞任         補欠選任      藤田 正明君     志村 哲良君  一月十四日     辞任         補欠選任      上田耕一郎君     神谷信之助君  一月二十五日     辞任         補欠選任      神谷信之助君     上田耕一郎君  二月五日     辞任         補欠選任      安武 洋子君     山中 郁子君  二月十二日     辞任         補欠選任      志村 哲良君     藤田  栄君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         本岡 昭次君     理 事                 堀内 俊夫君                 増岡 康治君                 増田  盛君                 青木 薪次君     委 員                 安孫子藤吉君                 井上 吉夫君                 植木 光教君                 遠藤  要君                 工藤砂美君                 志村 哲良君                 福田 宏一君                 藤田  栄君                 白木義一郎君                 二宮 文造君                 馬場  富君                 上田耕一郎君                 山中 郁子君                 山田  勇君    国務大臣        建 設 大 臣  木部 佳昭君    政府委員        国土庁大都市圏        整備局長     佐藤 和男君        建設大臣官房長  豊蔵  一君        建設省都市局長  梶原  拓君        建設省道路局長  田中淳七郎君    事務局側        常任委員会専門        員        田熊初太郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律案内閣提出衆議院送付) ○派遣委員の報告に関する件     ─────────────
  2. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る五日、安武洋子君が委員辞任され、その補欠として山中郁子君が選任されました。     ─────────────
  3. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。木部建設大臣
  4. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) ただいま議題となりました昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  今国会に提出されました補正予算におきましては、景気持続的拡大に資するため、約二百六十九億円の道路整備事業費追加が計上されておりますが、この財源につきましては、現下の厳しい財政事情等にかんがみ、揮発油税等のいわゆる道路特定財源を充てることが必要であると考えられます。  ところで、道路整備費財源につきましては、道路整備緊急措置法の規定により、揮発油税等収入額決算額がその予算額を上回ったときは当該上回った額に相当する額を決算調整額として翌々年度道路整備費財源に充てることとなっておりますが、昭和五十八年度におきましては約二百六十九億円の決算調整額が生じております。  このため、本来昭和六十年度財源に充てられることとなるこの決算調整額昭和五十九年度財源に充てることにより、今回追加される道路整備事業費財源確保することとし、道路整備緊急措置法第三条の適用について特例措置を設けることといたした次第であります。  したがいまして、法律案要旨といたしましては、昭和五十八年度揮発油税等決算調整額昭和五十九年度道路整備費財源に充てることとし、これに伴い、この決算調整額昭和六十年度道路整備費財源には充てないことといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  5. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 青木薪次

    青木薪次君 本格的な道路整備に関する論議は別に後で法案も準備されているようでありますので、時間の関係もありますので、私は今回の、今大臣から趣旨説明のありました二百六十九億円問題を中心といたしまして、この法案を提出するに至った目的というものと理由についてまず質問いたしたいと思います。  近年の財政抑制によって各種社会資本整備率が極端におくれてきているわけでありまして、道路整備五カ年計画についてどのような状況にあるか、まずこの法案提案した目的理由、それから社会資本整備計画、特に道路整備五カ年計画進捗状況についてひとつ明らかにしていただきたい、このように考えております。
  7. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) まず第一の御質問でございますが、道路整備費にかかわる昭和五十九年度補正予算におきましては、国費約二百六十九億円、事業費で約三百九十六億円を追加補正することとしております。今回の補正予算は、第九次道路整備五カ年計画のバランスのとれた促進を図り、高速自動車国道から市町村道に至る道路網を 体系的に整備するとともに、最近の経済情勢にかんがみ、景気回復のおくれている地域等景気浮揚を図ることを目的としているものでございます。  それから御質問二つ目の第九次五カ年計画進捗状況でございますが、道路に関して申し上げますと、御案内のように、第九次道路整備五カ年計画昭和五十八年から六十二年度まで総額事業費ベースで三十八兆二千億をもって緊急を要する事業につきまして計画的な推進を図ることとしております。五十九年度補正にかかわる国費追加分は今申し上げましたとおり二百六十九億、事業費で約三百九十六億円でございますが、補正が行われた場合の五十九年度末の第九次道路整備五カ年計画進捗状況は三四・六%となる見込みでございます。  また、同計画昭和六十年度末の進捗状況について考えてみますと、昭和六十年度から新しく臨時交付金によります緊急地方道路整備事業、仮称でございますが、国費で一千百十億にかかわる事業費が未確定のため、この事業費を除いて算定いたしますと、昭和六十年度末には五二・五%、計画は五六・七%でございまして、計画よりやや下回る見込みでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、新しい交付金制度国費一千百十億円の事業費はこの場合見込んでおりません。したがいまして、実際にはこれより高くなる予定でございます。  以上でございます。
  8. 青木薪次

    青木薪次君 今回のような決算調整額先食いする措置というものは過去三回の例があるんです。したがって、ガソリン税に関する関係は前々年度余ったものを二年おくれで措置するという法律に従ってやってきた。ところが、今回は昭和五十八年度のものを一年おくれで昭和五十九年度に使うということでありますので、過去三回の措置というものについては、同時に行われた補正予算において道路整備費についていわゆる特定財源だけでなくて一般財源追加して措置をしてきたと思うんです。今回の補正予算では決算調整額二百六十九億円だけの追加になっているということであります。現在の経済事情道路整備のおくれなどを考えてまいりますと、補正予算に当たっては一般財源も加えて道路事業促進を図るべきではないかと考えておるわけでありますが、この点、建設省はどういうように折衝してきたのか、お伺いいたしたいと思います。
  9. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 昭和五十九年度補正予算におきましては、先生指摘のように五十八年度決算調整額を計上しておりますが、これは現下経済情勢にかんがみまして、景気持続的拡大に資するための特例措置として行うものでございます。道路整備事業財源といたしましては道路特定財源を活用すべきであるとの考え方から、今回においては昭和五十八年度における揮発油税等決算調整額を計上したものでございます。  御指摘のように、昭和五十五年度一般財源からは五十九億円、五十六年度は二百八十一億円、五十七年度以降三カ年間はいわゆる重量税オーバーフローという問題が起こっておりまして非常に残念な状態でございますが、本年もそういうような状態でございます。  以上でございます。
  10. 青木薪次

    青木薪次君 道路事業促進する場合においては二百六十九億円だけでは済まされないんですね。国の予算もさることながら、やっぱり地方裏負担という問題についても配慮しなきゃならぬと思うんです。二百六十九億というものはいわゆる三分の二の補助率であると考えた場合に、今、道路局長から三百九十六億円という話を聞いたわけでありますが、地方財政負担について今非常に厳しいときでありますが、とにかく交付金一〇%削減といったような問題があって地方は大変苦労しているんですけれども、この辺の事情についてお聞かせ願いたいと思うんです。
  11. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 五十九年度補正予算におきましては、景気持続的拡大に資するため、地域の要望を踏まえつつ所要道路整備費を計上したものでございます。このため、その実施に当たりましては、所期の効果を発揮し得るよう地方公共団体調整を図りながら、具体的には土木部長その他知事さん等々と相談しながら道路事業の円滑な推進に努めてまいりたい、かように考えております。
  12. 青木薪次

    青木薪次君 地方財政の厳しさというものは補助事業だけでなくて単独事業にも影響してきていると思うのでありますが、この点をどんなふうに解釈しておりますか。
  13. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 実は、県は大体道路特定財源はその県の道路整備のために単独事業につきましてもお使いくださっているようでございますが、全国三千三百ほどあります市町村の中には一部、道路整備だけじゃなくて、ほかのものに使っておられるところもあるやに聞いております。ただ、一般的には地方自治体は必要な額を単独費でやってくださっている傾向に現在ございます。  以上でございます。
  14. 青木薪次

    青木薪次君 私は、財政事情が厳しいから地方道路建設等について相当な配慮をなされないと、ただ一般財源は低くなった、それから事業費だけふえたという形だけではなかなか困難な事情下にあると思うんです。きょうは自治省も呼んでいないし、大蔵省も呼んでいないわけでありますけれども裏負担問題について建設大臣はどんなふうに考えますか。
  15. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 青木先生指摘のように地方自治体もなかなか大変でございますが、できる限りその辺を配慮して努力させていただきます。
  16. 青木薪次

    青木薪次君 大臣答弁としてはわかるわけでありますが、塗炭苦しみをしているんです。じゃ、専門家道路局長ひとつ答弁してください。
  17. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 塗炭苦しみをしている町もございますし、そうでない町もいろいろございまして、塗炭苦しみをされているところは、これは建設省所管事項じゃございませんので、自治省さんともいろいろ相談させていただきまして、余りそういう面でお苦しみにならないように、さよう努力したいと考えております。  以上でございます。
  18. 青木薪次

    青木薪次君 今回先食いする二百六十九億円は本来ならば昭和六十年度道路整備に使われるべきものでありますが、関連上、昭和六十年度の分を先食いするということになれば、昭和六十年度予算はどうなるかという点についてひとつ御答弁を願いたいと思います。
  19. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 御指摘のように、今回の補正によります二百六十九億円は本来六十年度予算に充てるべきものでございます。昭和六十年度におきましては、第九次道路整備五カ年計画を達成するため、新たに地方道路整備臨時交付金を導入すること等により所要予算額確保したところであり、今回の措置により道路整備の円滑な推進が図られるものと考えております。また、来年度のいわゆる揮発油税関係決算その他一般的な日本経済状態等々で多少そこら辺の考え方が変わってくることもございますので、しかるべきときにしかるべき措置をとりたいと考えております。  以上でございます。
  20. 青木薪次

    青木薪次君 しかるべきときにしかるべき措置ということをおっしゃったんですが、私は二百六十九億円が前倒しに来ることについては賛成なんです。しかしながら、その前倒しに来るには来るけれども、来年度の問題についてはこれは別ですよという考え方、そのときにはそのときの風が吹くというような答弁ではこれは困ります。その点どう考えますか。
  21. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 非常に難しい御質問で恐縮でございますけれども、先ほど申し上げましたように、日本景気はどうなっているか、あるいは揮発油税収入額は一体どれぐらいになるか、そういうもろもろの点を勘案しまして、確かに御指摘のとおり、先倒ししました結果、国費二 百六十九億円は穴があくというのは事実でございます。その他の要素がございますので、できるだけ善処したいと思います。具体的にはそのときにならないとわかりませんが、来年度もことしと同じような措置をとる可能性もないわけではないという意味でございます。
  22. 青木薪次

    青木薪次君 道路局長、どうも空気投げのような答弁で、確かにあなたも、大蔵省との折衝もあることですから、ここでもってその分だけまた穴埋めしますということはなかなか言えない事情はわかります。わかりますけれども、やはり道路財源の問題としてオーバーフローの問題に触れておかなきゃならぬと思うのでありますが、その点との関連が全く不明確なんです。その点どう考えますか。
  23. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 五十七、五十八、五十九年度にお貸ししました自動車重量税のいわゆるオーバーフロー分国費で四千百八億でございますが、これは道路局長としては経済その他財政が許す限りなるべく速やかに返していただくつもりでおります。  以上でございます。
  24. 青木薪次

    青木薪次君 返してもらうということは、決意はわかります。わかりますけれども特定財源先食いですから、ですから一般財源は全く繰り入れられていないんですね、今回の分。したがって、このオーバーフローの解消には全く役立っていないというように私は解釈しています。したがって、オーバーフロー状況はその後どうなっているか、御説明いただきたいと思います。
  25. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 先生指摘のように、今回の補正予算におきます国費二百六十九億円は昭和五十八年度におきます揮発油税等決算調整額を五十九年度に先取りしたものであり、本年度におきますいわゆる自動車重量税オーバーフローは約一千百億円ございますが、正確に言いますと一千九十六億円になりますが、これとは全く無関係のものでございます。
  26. 青木薪次

    青木薪次君 道路整備緊急措置法との関係で明確になっていないですね。したがって、その点について、もう一度ひとつその点との関連で御答弁を願いたい。どうもしっくりいっていないんです。
  27. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 先生案内のように、竹下大蔵大臣とそれから水野建設大臣との間に、過去の五十七、五十八、五十九年、さらに六十年度のいわゆる重量税オーバーフローに対する覚書がございますので、建設省としましては、この五十七、五十八、五十九年の約四千億は日本経済その他が好転すればぜひおくれている道路整備に充てたいと考えております。
  28. 青木薪次

    青木薪次君 今、道路局長答弁されたように、昨年度私も建設委員長をやっておりましたから、そのときの水野建設大臣大蔵大臣との間において、過去の分については速やかに返還する、こういうように言っておったわけでありますが、この金額についてはどんなふうに理解しておりますか。
  29. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 失礼しました。ちょっと聞き逃しましたので、済みません。
  30. 青木薪次

    青木薪次君 今年度というか、今現在の五十九年度予算編成の段階で、昭和六十年度予算編成ということも見通しながら、ひとつ過去の分は速やかに道路財源に返還しましょう、こういうことを言って、それで私は、とにかく水野建設大臣よくやった、こう言ったんですよ。その金額についてはちょっと曇りガラスの向こうで見えたような見えないような関係だったんですが、どんなふうに考えていますか。
  31. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 昭和六十年度自動車重量税の約二千億は、昭和六十年度予算にちゃんと返していただきました。問題は、五十七、五十八、五十九年の約四千億、それはまだ返していただいておらない。それは、両大臣覚書の間では先生指摘のように経済状態が許せばなるべく早く返しましょう、簡単に言えばそういう文面でございました。
  32. 青木薪次

    青木薪次君 私も、建設大臣大臣に就任された直後の委員会でそれらの点について、水野建設大臣がやられたそのことについて木部建設大臣にひとつ決意表明をしてもらったんです。木部建設大臣はこの問題についてどういうように認識されておりますか。
  33. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 今、青木先生指摘自動車重量税につきましては、これからも我々は道路特定財源として原則に従って運用しなきゃならない、その基本的態度は変わっておりません。私、先般申し上げましたように、水野大臣竹下大蔵大臣との覚書、このことにつきましては、今申し上げるような精神で可及的速やかに道路整備費として充当してもらうような、そういう必要性を痛感しておるわけでございます。
  34. 青木薪次

    青木薪次君 ただ、大臣公共事業費をふやせということについては、かつてあなたは大臣に就任されない前だってその主張をされてきたと思うんです。今の予算書なんか見てみましても、公共事業費をふやせというような要求に歩調を合わせるために事業費でひとつこの数字合わせをしている感というものがこれはあるわけですよ。ですから、それらの点を考えますと非常に私は問題が多い。建設省はそのために相当苦労しているんですよ。したがって、その点について、もう一度ひとつ大臣所信表明をお願いしたいと思います。
  35. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 今申し上げましたような答弁考え方で私ども建設省といたしましては原則を貫く。同時にまた、いわゆるオーバーフロー額につきましては、先ほど道路局長からもたびたびお答えを申し上げておりますように、我々といたしましてはこれは速やかに道路整備費原則に従って返してもらう、そういう方向でこの上とも最大の努力を尽くさせていただきます。
  36. 青木薪次

    青木薪次君 その辺の予算折衝の過程は、大蔵省と相当何回も何回もやったと思うんですけれども、その辺どうなっていますか、現状は。
  37. 豊蔵一

    政府委員豊蔵一君) 私からちょっと説明させていただきます。  御案内のように、昭和六十年度財政状況も依然として非常に厳しいものがございまして、そういう中で政府予算編成に当たりまして、私どもといたしましては、まず第一に道路関係のいわゆる特定財源オーバーフローを六十年度は絶対生じさせないように努力をいたしたわけでございます。その結果、一般会計といたしましては一兆八千二百六十億円の道路関係国費でございますが、それ以外に揮発油税の一部千百十億円を直接道路整備特別会計に繰り入れて、これをもって特に地方道整備に充てるための交付金とするということが第一点。それからまた、資金運用部から千二百億円の借り入れでございますが、これも道路整備特別会計に繰り入れるということで、そういうことを合計いたしますと、道路事業につきましては二兆円を超える国費確保ができた。そういうことを総合してみますと、道路につきましては一応総合的に見ていわゆるオーバーフローは生じない結果になったというのがまず大きな眼目であろうかと思います。  そのほか、非常に苦しい事情でございましたが、国全体といたしまして、高率の補助率を一時的ではございますが引き下げるという措置によりまして、その結果事業量全体がふえるというような措置を講じました。  そのほか、御案内のとおり、財政投融資の活用によるとか、あるいはまたダム事業等につきまして一部借入金を導入する等々の措置を講ずることによりまして、前年度に比較いたしまして若干事業量はふえるというようなところまでこぎつけた次第でございます。そういう意味で、六十年度につきましては不十分ではございますがまあまあの事業量確保ができたのではなかろうかというふうに考えておりますので、私から一応お答えさせていただきます。
  38. 青木薪次

    青木薪次君 今、官房長から答弁のありましたように、事業費としては相当ふえて、これは地方地方で非常に喜んでいるんですよ。問題は、これは後の法案がありますから、それとの関連で詰めていくようにしますけれども、当面の目玉は千百十億円と今言った千二百億円、これで相当潤う ということはわかります。わかりますが、千百十億円は、これはまた今後の法案審議の中で明らかにされてまいりますが、何カ年間やる予定ですか。
  39. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 昭和六十年度から六十一、六十二、三カ年間の臨時措置でございます。
  40. 青木薪次

    青木薪次君 後はどうなりますか、予想としては。
  41. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) ちょっと答えられませんです。といいますのは、第九次五カ年計画が終わるのが六十二年度でございますので、そのときの各種道路整備状態、特に今申し上げました千百十億円は県道以下の道路、具体的に言いますと都道府県道及び市町村道でございますが、そういうものに充てられますので、そういう状態を勘案しながら考えたいと思いますが、現在のところ三年間のあくまで臨時的な措置と考えております。
  42. 青木薪次

    青木薪次君 これは、例えば高速道路が走っている。そこへ市町村道が入ってきている。市町村道は全く舗装もできていないようなところもある。あるいはまた、そこ一カ所だけでは大変問題もある。だから、その地域全体を拾うということでしょう。ですから、そういうような考え方というものはこれは正しいんですよ。これは、私どものところのように地震対策なんか推進しているところにとっては大変ありがたいことなんです。その辺のことはよくわかりますし、問題は、そこだけで三年間で終わるものじゃないんですね。したがって、その辺については、道路局長よりもひとつ官房長、簡単でいいから答弁してください。
  43. 豊蔵一

    政府委員豊蔵一君) 昭和六十年度予算編成に当たりましては、財政的にも非常に厳しい状況があったため特例としてこのような措置をとりました。ただ、現在の道路整備五カ年計画昭和六十二年度までとなっておりますために、一応それまでに既定の地方道整備のおくれを取り戻したいということでこのような三年間の特別の措置をとるというような措置をいたしました。これで次の道路整備五カ年計画がどのような姿になりますか、またそのときにおきます財政状況がどのようになりますか、そういったものを見定めた上でまた措置をいたしたいと思いますが、ただ私どもといたしましては、地方道整備が若干おくれぎみであるということはやっぱり重要なことでございますので、今後とも引き続きこれらの道路整備については力を入れてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  44. 青木薪次

    青木薪次君 その点は十分前を見通して、全体計画の中で予算の配分あるいはまた効率的な運用というような点についてひとつ考えてもらいたいと思います。公共事業費が抑制されていますから、地域経済状況なんかに対応した配分をしませんとなかなか問題があると思うんです。  私は静岡県のことを例に出して申し上げますと、静岡県は非常に通過道路が多い。それから、道路局長から前回質問のときにお答え願ったように、南アルプス連峰が前にはみ出してきて、東西交通はあるけれども南北交通は何にもない。しかも、このことがいわゆる地方道で連結されているために非常に粗悪な道路が多いんですね。加えて予想される地震対策ということを考えたときに、こういったような要請にどうこたえるかというような問題等についてひとつ考えてもらいたいと思いますが、これは最後ですから、これで終わりますから、大臣答弁してください。
  45. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 今回のこの補正の編成に当たりましても、我々は地域のいろんな民需の拡大、不況対策も兼ねておりますので、全国的に、例えば一つの例を申し上げれば、北海道であるとか、沖縄であるとか、また東北六県であるとか、かつては長崎県なんというのは御承知のとおり造船県でありまして非常ないい財政状況にあったわけでありますけれども、今では長崎県は不況県になっているわけであります。そういうような点をよく配慮いたしまして、そして今御指摘のように効率的、効果的に配分をして努力をしていかなきゃなりませんし、補正予算また六十年度予算審議を今お願い中でありますけれども、そういう面を十分配慮して効率的、効果的、また地域の要望にもこたえていきたい、こう考えております。
  46. 馬場富

    ○馬場富君 最初に、第九次五カ年計画の三年度目に当たります六十年度の基本方針と重点政策あるいは予算規模の概要についてお伺いいたします。
  47. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 第九次道路整備五カ年計画の三年目でございますが、五十九年度補正にかかわります国費追加分約二百六十九億円、事業費三百九十六億円、これを入れまして五十九年度末の第九次道路整備五カ年計画進捗状況は三四・六%となる見込みでございます。また、六十年度末の進捗状態は、先ほどもお話ししましたように、緊急地方道路整備事業国費一千百十億円にかかわります事業費が未確定なため、これを除いて算定いたしますと五二・五%、計画の五六・七%をやや下回る見込みとなっております。  以上でございます。
  48. 馬場富

    ○馬場富君 ここで、特に法案関係もございます道路特定財源につきまして、なかんずく揮発油税あるいは石油ガス税等については現行の暫定税率の三年延長法案が今出ておりますが、この点に関しまして財政当局とどのような話し合いがなされておるか、これは特に大臣にお願いしたい。揮発油税については五十四年六月より六十二年度末までの暫定税率としてキロ当たり四万五千六百円でありますが、道路整備あるいは利用者負担等々の側面から暫定としても私はやむを得ない事情にあるとは思いますが、やはりここらあたりで道路整備財源との関係についてしっかりした政策方針を持つ必要があると思いますが、この点、大臣どうでしょうか。
  49. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 第九次道路整備五カ年計画は、道路特定財源の現行の税率を五年間適用し所要財源確保することを前提に策定されたものであり、今回関係省庁とも了解の上暫定税率の三年延伸をお願いしているところでございます。揮発油税等道路財源諸税は、受益者負担あるいは損傷者負担の考えのもとに道路整備費に充てることとして道路利用者に特別の負担を求めているものでございます。これら諸税につきましては今後とも道路特定財源としての原則に従いまして運用するように努めてまいる所存でございます。
  50. 馬場富

    ○馬場富君 その点、大臣、この延長と合わせまして、財政当局と建設省との間にこの問題についてはどのような話し合いがなされておるかどうか、お尋ねいたします。
  51. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 五カ年計画整備のために必要なものとして暫定税率の延伸をお願いしたものでございます。したがいまして、六十年の三月あるいは四月に切れます重量税及び揮発油税の延伸を三カ年お願いしたわけでございます。
  52. 馬場富

    ○馬場富君 次に、電電公社に対する電柱の占用については、建設省はどのようにお考えですか。
  53. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 電電公社の道路占用物件にかかわります占用料につきましては、従来建設大臣管理の国道等についてこれを免除するとともに、地方公共団体につきましても徴収しない方針で処理するようお願いしているところでございます。しかしながら、民営移管後は事業に対する道路法上の取り扱いも変わることから、占用料につきましても従来の措置を継続することにはならないものと考えております。  以上でございます。
  54. 馬場富

    ○馬場富君 継続にならないものという意味が、四月一日からやはり民営に移行するわけです。従来は公共性があるということからこれは免除されておったわけです。電力等の電柱についてもこれは占用料が取られておるわけですから、そこらあたり不公平な問題が必ず出てくる。だから、そこらの点は大臣どのようにお考えか、はっきりしてもらいたい。
  55. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 電電公社は御承知のとおり四月から株式会社になるわけでございまして、従来は先ほど道路局長からお答えをしたとおりでございますけれども、これは当然電電公社が会社として発足する以上、私どもは料金をいただ く、使用料をちょうだいする、そういう方向で今検討いたしております。
  56. 馬場富

    ○馬場富君 次に、道路予算の実施面から何点かお尋ねいたします。  国道三百二号線につきまして当建設委員会も視察していただきましたし、また前水野大臣も現地を視察されまして早期実現ということを実は答弁もされておりますが、私もかねてから当委員会において、この路線については全国でもまれに見るいわゆる交通事故等の問題の非常に大きい原因であるということです。それは名古屋へ国道とかあるいは高速道路の集中化、市街の通過という問題から、愛知県が交通事故死一、二を争うような問題の大きい原因にもなっておるわけです。だから、その点非常に推進をいつもお願いしておるわけですが、特にこの中でも名港にかかる架橋でございますが、これが大きいやはり焦点になってきております。当局の理解によりまして西大橋は今建設の運びとなっておりますが、中央と東大橋はまだその点について計画だけでございます。だが、今回これに対して調査費の関係は六十年度についてはつく予定となっておるのでございますが、地元からは特に中央、東、個々という問題ではなくて、中央、東とも一体とした調査費という予算計上をぜひしてほしい、そして両者を対象とした調査に乗り出してほしいという声がございますが、この点どのようにお考えか御説明願いたい。  あわせまして、今東名阪がいよいよ名古屋に入ってきました。そしてこれの連係道路というのは今まだ皆無でございますので、これはその交通量が皆市街地に流れ込むという大きい一つは交通障害の問題にもなってきております。このために当局が立てられました東名阪と東名名古屋とを結ぶいわゆる近畿自動車道路というのが計画されておりますが、この推進状況もあわせて御説明願いたいと思います。  以上です。
  57. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) まず最初の名古屋中央大橋及び東大橋の件でございますが、名港西大橋に接続します名港中央大橋及び名港東大橋につきましては、現在建設省におきまして伊勢湾岸道路調査の中で橋梁の構造の検討とか、あるいは取りつけ道路の検討とかの調査を実施しておるところでございます。昭和六十年度より日本道路公団におきましても新たに当該区間の調査に着手し、特に大規模な構造物となります名港中央大橋に重点を置きまして有料道路としての採算性の検討を行うこととしております。今後、これらの結果を踏まえまして、調査の一層の促進を図ってまいりたいと考えております。  それから名古屋二環の問題でございますが、先生案内のように、名古屋市の中心部から半径約八キロメートルの周辺地域を結ぶ延長約六十六キロメートルの環状道路でございます。  一般国道三百二号として現在直轄事業により国道二百四十七号線の東海市新宝町から国道二十三号線の飛島村梅之郷まで合計約五十五・八キロメートルの区間を事業化しているほか、日本道路公団の一般有料道路事業により、先ほど出てきました名港西大橋、道路延長三・二キロメートルの工事を行っております。さらに、名古屋環状二号の一部を形成いたします高速自動車国道近畿自動車道の名古屋インターチェンジから名古屋西インターチェンジの間につきましては、昭和五十八年八月に日本道路公団に対しまして施行命令を発し、鋭意事業促進しているところでございます。  現在までに、直轄施行区間のうち、国道十九号から二十二号までの間約八・九キロメートルを含みます十キロメートルが供用済みとなっているほか、本年三月には名港西大橋を含む三・二キロメートルの区間を一般有料道路として供用する予定でございます。  さらに今後は、国道百五十三号豊田西バイパスから上社インターチェンジまでの間約四キロございますが、その区間及び名古屋西インターから南へ国道二十三号までの間延長で約九・三キロございますが、この二つの区間を重点的に事業を実施することと今考えております。  以上でございます。
  58. 馬場富

    ○馬場富君 それで、今中央と名港の東大橋、これの説明はよくわかりましたが、地元の地方自治体等もまた関係者等も、これはやはり中央と東大橋ともに、今調査費は中央と言われましたが、両者を対象として、これは時期的には多少の前後はあると思いますけれども、そういう考え方で調査費の計上をぜひしてほしいという声が強いんですね。この点、ひとつ御答弁願いたいと思うんです。  それからもう一つ。今の近畿自動車道路につきましては、東名と東名阪をつなぐ非常に重要高速道路です。だから、これは一刻も放置しますと市内の大混乱を招いてしまうわけでございますので、用地買収等もまだ随分おくれておるような状況にあるので、この点のやはり推進をもう一歩、今言われたよりも一段とひとつ強化できる考え方はないかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
  59. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 名港中央大橋は、先生案内のように非常に難しいといいますか、センタースパンが長い橋でございます。東大橋の方はそれに比べますと大したことございませんが、今のところ大体暫定で中央大橋が一千億かかる。それから名港東大橋が約五百億ぐらい少なくとも今現段階で暫定二車でかかるであろう。したがいまして、有料制の限界等々を今一生懸命道路公団の方で六十年度からやるわけでございまして、それまでは建設省では主に土質調査だとかあるいは航路の調査だとか、そういうことをやっておるわけでございます。御指摘のようにこれが二つかかりませんと、理想的には二つ一遍にできればいいわけでございますが、事業費等々の点からやはり一方から攻めていくということにならざるを得ぬと思いますが、調査の方は調査の方で、先ほど申し上げましたように両方とも重点的に調査を続けたいと考えております。  それから三〇二の高速道路部分でございますが、これは大都市環状道路、名古屋二環としてはわりかし用地取得がうまくいっている方の一つでございまして、東京外環あたりに比べますと用地の買収問題は相当うまくいっておりますので、今後とも鋭意、御指摘のとおり名古屋市内の交通緩和のためには非常に重要な道路でございますので、建設に精力を注ぎたいと考えております。  以上でございます。
  60. 馬場富

    ○馬場富君 大臣ももう立たれる時間ですが、最後に、今の御説明のこの三百二号線の推進、これは前水野建設大臣も視察していただきまして、非常にこれは交通災害の対策としては最重要課題だというふうに答弁もされておりますが、今、局長から詳細については御答弁いただきましたが、建設大臣もこの点の推進について強力な対策をひとつ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  61. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) かねがね愛知県の県知事さんや、また市長さんからも陳情を受けておる問題でございます。私も、今は予算審議中ですから出られませんけれども、機会を見て一度現地を見させていただこう、そういうふうに考えておるわけでございます。
  62. 馬場富

    ○馬場富君 大臣、結構です。  あと、局長に質問いたします。  次に、もう一つの関係として、名古屋空港を結ぶ四十一号線がございます。これが今非常に道路が狭いために、名古屋空港の飛行機に名古屋駅から行く人たちがおくれてしまうという問題が実は起こっておるわけです。そういうために非常に四十一号線の拡幅というのが推進されておりますが、いわゆる片道四車線、両道八車線の推進ですが、これが名神の小牧インターまでの予定でありますけれども、まだこれが中途で終わっておりますが、この推進の強化は交通ラッシュとそういう飛行場の問題等もありまして非常な急務でございます。  それからもう一つは、尾張地方の交通障害の問題となって、その解決策には百五十五号線のバイパス北尾張中央道というのがございますが、この推進が非常に現地から要望されておりますが、この二点についての進捗状況をお願いいたします。
  63. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) まず最初の御質問の国道四十一号の名神高速道路の小牧インターチェンジから名古屋環状二号線に至る区間の交通混雑対策としまして、現在の四車線を八車線に拡幅する計画となっております。このうち、名古屋環状二号線から名古屋空港の入り口にございます主要地方道春日井—稲沢線までの区間につきましては、昭和五十八年度に拡幅事業を完了したところでございます。残りの区間の拡幅につきましても、主要交差点の改良等々から始めまして、漸次事業を実施していく方針でございます。  それから北尾張中央道の建設促進のお話がございましたが、これも非常に重要な道路であるということはもうよく存じ上げておりますので、まず都市計画決定の変更をしましてからしかるべき道路整備したい、かように考えております。
  64. 馬場富

    ○馬場富君 それから、ここで先般、愛知県、岐阜県、三重県あるいは名古屋市の三県一市より、建設あるいは国土庁長官もあわせて、局長も立ち会われたと思いますが、陳情がなされました。それは、三県一市の強い要望として東海環状構想というのが打ち出されております。そして、これに伴う道路推進について陳情がなされたと聞いておりますが、この点につきまして建設省のお考えをお聞きしたいと思います。
  65. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 東海環状道路は、名古屋市の周辺三十ないし四十キロメートル圏に位置するいろんな都市を相互連絡する延長百六十キロメートルの幹線道路でございまして、中京圏の均衡ある発展を図る上で重要な役割を果たすものと考えております。本道路につきましては、従来より基礎的な検討を進めてまいりましたが、極めて大規模なプロジェクトであることから、昭和五十九年度より大規模特殊事業計画調査としまして本格的な調査に着手したところでございます。今後は、路線に関する基礎資料の収集整備を図るとともに、昭和五十九年度に設置しました学識経験者等々によります東海環状道路整備地域開発に関する研究会等を通じまして、沿線の地域開発を含む総合整備方策について検討を進める方針でございます。
  66. 馬場富

    ○馬場富君 これはそういう意味では、大臣ももちろん、局長もそうですけれども、やはり前向きでがっちりと取り組んで対処をしていくという御決意ですか。そこら辺どうでしょうか。
  67. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 先ほど申しましたように、延長百六十キロで、現在車線数は、四車にするか六車にするか、検討中でございます。  それから、これは相当な金がかかりますので、まず例えば主な非常に大きな道路との交差点とか、あるいは工場が位置しているところとか、そういうところから重点的に整備せざるを得ない。正直のところ、かかりましてもなかなか今の道路予算では一遍には整備できないと思いますので、必要なところから漸次進めていきまして最終的に延長の形にしたい、かように考えております。
  68. 馬場富

    ○馬場富君 この点については、国土開発の関係からも非常に関係のある構想であると思うんです。長官も出席されたと聞いておりますが、国土庁の見解をお尋ねいたします。
  69. 佐藤和男

    政府委員(佐藤和男君) 今ほど道路局長からお話がありましたように、この東海環状道路を中心としまして東海環状都市帯整備構想という形で五十七年、五十八年の二カ年にわたりまして関係五省庁が調査をしてまとめたものでございます。中核的な考え方は、今ほどの東海環状道路を中心として地域の活性化を図るということでございますが、これとあわせまして先端技術振興センターなどの整備による産業の振興を図っていこうとするものでございまして、今後の中部、東海地域の開発にとりましていわば目玉となる中核的な構想と考えております。国土庁といたしましては、現在策定を進めております四全総と、それからこれと並行して行っております中部圏の開発基本計画などにおきましていわば中核として取り上げてまいりたい、推進をしてまいりたいと思っております。
  70. 馬場富

    ○馬場富君 終わります。
  71. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 暫時休憩いたします。    午後一時二十二分休憩      ─────・─────    午後六時十九分開会
  72. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  73. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 きょう審議中のこの五十九年度道路整備費財源特例等に関する法律案ですけれども、共産党は、この親法の道路整備緊急措置法そのものについても、モータリゼーションを促進し、生活関連を軽視して、大企業本位の道路政策を高めたものとして反対いたしました。したがって、この特例法についても我々は反対いたします。  もう十年ぐらい前になりますけれども、公害問題が非常に大きな問題になった時期にはこの自動車道路公害も大きなやっぱり問題になって一時ちょっと後背に退いていた時期があるんですけれども、最近の民間活力問題などと絡んでどうもそこのけそこのけ道路が通るという状況がまた復活し始めているように思います。私も、この建設委員会で外環道路問題、それから先日は高尾山を貫く圏央道問題、それから東京湾横断道路問題などをずっと取り上げてまいりました。私は、やっぱりこれは非常に大きな問題だと思うんですね。  こういう道路公害を構わぬというのでまたずっと顔を出してきているんですけれども、国民の意識は、例えば最近の東京都の調査によりましても、かなり大半が道路ができて便利になるよりは緑と環境を守る方がいいという答えが東京都の世論調査などからも出ているんですね。そうしますと、今建設省が推し進めているこういう自動車道路高速道路を、緑と環境を大したことはないという形で推し進めていくことは、そういう国民の世論、意識との間、ニーズの変化との間に非常に鋭い問題を生み出している、そう私は思うんです。ところが、旧態依然たる道路行政がまたまかり通っていると思うので、私は、ほかの外交問題、財政問題なんかもそうなんですけれども、この危機の時代にやっぱり発想の転換を建設省としても行うべきだ、そう思うんです。  ところが、逆の発想の転換が推し進められる点が非常に問題で、ですから、きょう私は余り時間もございませんけれども、この委員会で何回も取り上げてきたんですけれども、今度、練馬区で一・一キロ都市計画の変更が進んでいる外環道路の問題、これを取り上げたいと思うんです。今度、埼玉の県境から放射七号線までということで都市計画変更が行われようとしていて、一月から地元での説明会も始まっており、東京都のアセスメント案も既に出ているわけです。  そこで、まずお伺いしたいのは、五十七年一月二十九日の官報、これに国土開発幹線自動車道建設線の基本計画が公表されていて、この練馬—川口間の基本計画も書いてあるんですが、これには建設主体日本道路公団となっているんですね。ところが、この東京都のアセスメント概要を見ますと、事業主体は建設省関東地建となっている。なぜこういうことになっているんですか。
  74. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 高速自動車国道法の第六条でございますが、「高速自動車国道の新設、改築、維持、修繕、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号)第二条第二項に規定する災害復旧事業(以下「災害復旧」という。)その他の管理は、建設大臣が行う。」ということになっておりまして、道路整備特別措置法で「日本道路公団の行う有料の高速自動車国道の新設又は改築」の第二条の二で「建設大臣は、高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第六条の規定にかかわらず、日本道路公団をして同法第五条に規定する整備計画に基く高速自動車国道の新設又は改築を行わせ、料金を徴収させることができる。」ということで、基本計画区間は建設大臣がやりますが、国幹審で整備計画を出して、建設大臣日本道路公団総裁に施行命令を出しましてからは日本道路公団が施行を行うということ になっております。
  75. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 そうすると、ここにパンフレットあるんですけれども、基本計画はもう既に国幹審でできたわけですね。これから整備計画またやるわけでしょう。そのとき以後は事業者は道路公団になる。それまでの間、建設省というわけですか。
  76. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 国土開発幹線自動車道で整備計画を出しまして、直ちにではなくて、それ以後建設大臣日本道路公団総裁に施行命令を出します。その時点から日本道路公団が施行を行うという意味でございます。
  77. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それから二番目は、去年関東地建からいただいた資料を見ますと、都市計画変更区間というのは一・五キロだったんですね。今度は一・一キロに減っているわけですが、なぜ〇・四キロ減ったんですか。
  78. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 一・一キロはインターを含んでおりませんで、そのインター区間が〇・四キロございまして、いわゆる道路の通常道路部分が一・一キロで、インターを入れますとプラス〇・四キロメートル。したがいまして、今度都市計画決定が通りまして施行命令を出す段階では、実際上は一・五キロメートルの区間を施行するというふうな格好になろうかと思います。
  79. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 大問題だな。実際上は一・五キロやるんですか。  なお、今度はインターチェンジじゃないんてすね。あそこは地元に出るのじゃなくて、ランプということになっているんですな。実際上は一・五キロやるんですか。そうすると、白子川の下までくぐる掘り割りもつくるんですか。
  80. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 何の下でございますか。
  81. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 現場を御存じないからな。掘り割りは……。
  82. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 本線延長が一・一キロでございまして、これは御案内のように掘り割り構造でございます。それと関越自動車道とのジャンクションあるいは目白通りとのインターチェンジがございますので、その区間が〇・四キロメートルあるという意味でございます。
  83. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 私、二月六日に現地に行って現地を見てきたんですけれども、二度目ですが、この一・一キロというのは、あの付近は風致地区に指定されているなかなか環境のいい場所なんですね。それで、今度の計画は都市計画公園の予定地の真ん中をぶった切る。それからあの地域の商店街を完全に破壊します。これは大変な計画になるんですね。それから今工事中の比丘尼橋の上流、下流の調整池、これも分断する路線になっているんですね。環境破壊の最たるものだと思うんですけれども、なぜそういうとんでもない環境破壊を強行してまで一・一キロやるんですか。
  84. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 周辺地域の環境に及ぼす影響等につきましては、大気汚染、それから騒音、振動、景観等につきまして調査しておりまして、環境の保全目標を満足できるような構造になっております。今回の都市計画変更に当たりましては、周辺地域の環境保全を図るため、周辺土地利用の状況を踏まえ、高架構造を半地下構造に変更し、さらに両側に二十メートル幅の環境施設地帯を設ける構造にしておりまして、そういう点は相当意を払ったつもりでございます。  それから先生指摘の比丘尼の池でございますが……
  85. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 比丘尼橋の上流、下流の調整池と言うんです。
  86. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 比丘尼橋の上下流に調整池があるのは存じております。比丘尼橋の下流の調整池につきましては、今回、都市計画変更の予定の東京外郭環状道路により一部その池がひっかかることになります。これにつきましては、必要な面積を確保することで東京都と調整を図っており、支障のないように考慮することとしております。  以上でございます。
  87. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 なぜそういう一・一キロやるのかということについてお答えがなかったんですが、資料を拝見すると、谷原交差点の混雑緩和ということがまずトップに挙げられているんですね。確かに分かれるわけだから、一時、計算によると一日二万台減るという計算だそうですけれども、若干緩和されることはたしか事実だろうと思いますけれども、そう簡単じゃない。私がさっき言った悪循環問題というのが当然出てくるんですね、一時減ってもそれでまた自動車がふえるということで。  ですから、この東京都の谷原交差点問題についての計画でも、ここにありますが、現在の数字の一日十万台が、六十五年には、谷原交差点は外環道路ができたとしても実際数字は余り変わらないという結果が東京都の調査からも出ていることなんですね、ちょっと資料が出てきませんが。この間、一月の二十二日と二十四日には現地で東京都の説明会があったんだけれども、住民の反対で白紙撤回を東京都が言わざるを得ないというような状況で、机上プランというのは決してうまくいかない問題なんですね。  それにもかかわらず、なぜこういう一・一キロを強行するのかというところから、私はさらに大きな問題がここにあると思うのは、これは私この委員会で何回も取り上げてまいりましたけれども建設大臣は御存じと思いますけれども、二十年近い長い経過のある問題なんですね。当時大きな反対運動が起きて、超党派の議員連盟もできて、それからこの参議院の建設委員会で請願も通過して、根本建設大臣が凍結をはっきり答弁している。それから金丸建設大臣も、道路づくりによって悪循環というのは確かに生まれているということで、住民、それから関係する県、市町村が反対の場合にはやっぱりつくれないということをはっきり答弁いたしまして、その後、歴代の建設大臣が凍結については確認してきた非常な問題のある道路なんですね。  それで、凍結についてここで建設大臣にお伺いしたいんだが、例えば東京都については練馬から世田谷まで十八キロ分、これが凍結ということだと思いますけれども、間違いございませんね。
  88. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 御指摘のとおり、根本元建設大臣がそういう発言をしておられますが、また金丸幹事長も発言されていることは事実でございます。ただ、先生案内のように、その後、渡辺建設大臣、斉藤建設大臣、始関建設大臣、内海建設大臣とおのおの、あるときは上田先生あるいはその他の方々の御質問に答えておられますことは、例えば渡辺栄一建設大臣の場合について見ますと、「道路構造等についても検討を加え、また環境保全につきましても十分考慮いたしまして、地元の理解と協力が得られるように努力をせねばならぬと思っておりますが、ルートの変更等につきましては私はきわめて重要な問題であると思いますので、慎重に検討を進めてまいりたい、」。  同じく、五十六年五月二十八日の参議院の建設委員会でございますが、上田先生の御質問に対しまして斉藤建設大臣が、一人でも反対があればやらないというようなことではなく、地域住民の「御理解をいただいて前向きでひとつできるように御協力をお願いしたい、このように考えるわけであります。」。  以下、例えば始関建設大臣、これは五十七年七月二十八日の衆議院の建設委員会でございますが、当時の社会党の山花先生の御質問に対しまして、「本道路整備に当たりましては」、途中省略させていただきますが、「地域が受け入れられる計画を提示することが前提である、過去における経緯等からそのように考えるものでございまして、」、道路の構造、整備の手法等を中心といたしまして「十分検討を行って、各地方公共団体を初め関係機関と密接な連絡、調整を図りながら、地域の意向を十分反映した計画を固めてまいりたい、」。  さらに、五十八年三月二十四日、参議院の建設委員会でございますが、上田先生の御質問に対しまして内海建設大臣が、途中飛ばしますが、「本道 路の整備に当たりましては、地域が受け入れられる計画を提示することが前提であると考えております。過去における、先生指摘のような経緯を踏まえまして、道路の構造、整備の手法等について十分検討を行い、各地方公共団体を初め関係機関と密接な連絡、調整を図りながら、地域の意向を十分反映した計画推進してまいりたい」、そのような答弁をしております。  今回は、とりあえずは、先ほど申し上げましたように、東京都内としましては関越道とぶつかります練馬区の範囲内でございまして、それより南の方、すなわち世田谷の方でございますね、杉並、荻窪、その方はまだ考えておりません。いろいろ調査中でございます、どういう構造にするか。
  89. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 時間がなくなりましたけれども、この間、石神井公園駅前の説明のセンターへ行ってきましたが、ここに写真がありますけれども、模型ができているんですね、局長。模型ができている。模型を見ると、今、局長は南の方は検討中だけれどもまだ決めていないとおっしゃるけれども、模型はちゃんとできているんです。「至杉並」と書いてあって、掘り割りまでずっとできているんです、ちゃんと。それで松本所長に、ちゃんとできているじゃないか、何でつくったのかと言ったら、図面がありますのでこうやって模型をつくったと言うんですよ。都市計画変更の案もまだできていないのに、いない部分について、先ほど言った一・一キロの方から先ですよ、ずっとつくってあって、ここにありますが、「至杉並」と書いてある。だから、あなた方やるつもりなんじゃないですか。  もう一つ、ここに東京都のアセスメント案の概要がありますけれども、この十三ページ、昭和六十五年、一日三万五千台です。昭和七十五年、日量八万八百台と書いてある。関東地建の課長さんが一月の十八日に日本共産党の都会議員などに対する説明では、これは以南に全部貫通した場合の数字でございますと。ちゃんとアセスメント案に全部南まで行ったところの案が出ているんですよ。おやりになるつもりなんですか。
  90. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) まず第一の、二月六日に現地の川崎国道工事事務所で模型を見た、それで関越から南の方のモデルがあったというお話でございまして、そのときに所長が答えましたのは、実は昭和四十一年でございますか昭和三十九年に一応都市計画決定がなされております。それは既に御案内だと思いますが……
  91. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 そのときは今のと違う掘り割りじゃないんですか。
  92. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) いや、今の案と全然違う……
  93. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 だけど、掘り割りでちゃんとできている。
  94. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) いや、それはごく一部でございまして、正確に言いますと、とにかく関越道から海側の方につきましては構造等々は今後詰めてまいりたいと思います。  所長が図面があると申しましたのは、前のすなわち昭和三十九年か四十一年だと思いますが、都市計画決定したときの図面があるという意味でございます。
  95. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 この八万八百台はどうですか。
  96. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) それから交通量の点でございますけれども、簡潔に申し上げますと、関越自動車道から常磐自動車道間約三十キロメートルの専用路につきましては、昭和五十七年一月に国土開発幹線自動車道、先ほどおっしゃいましたように基本計画が決定されたわけでございますが、関越自動車道以北の交通量、すなわち三郷の方へ行くときの専用部の交通量でございますが、昭和六十五年で約三万五千台・日、一日当たりという意味でございます。昭和七十五年で約一日当たり八万台と予測しております。  以上でございます。
  97. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 時間が来ておりますので、そのつもりでひとつ。
  98. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 はい。これ一問で終わります、もう時間も過ぎましたので。  今のお答えは、お答えになっていない。八万八百台は、この外環道路が南に全部貫通したときの数字だということを関東地建の課長さんが言っているんですよ。これは南は検討中だというのが実質上既定事実としている。重大問題だと思うんですね。それで、この建設委員会でも、何回も参議院の建設委員会で反対の請願が満場一致で可決されているんですね。建設大臣が凍結と言っていて、その凍結を崩すわけだから、それについて私は最後に大臣、これだけ問題になった問題でしょう。それを一部取り崩して、これは凍結に触れるわけだ。南についてもこういうことを考えている以上、建設大臣、今までの大臣のたび重なる言明によって、国会、東京都、関係する自治体、それから反対同盟などの住民と話し合いが必要だと思うんです。練馬区だけの一・一キロちょこっとやっちゃった。これは実は突破口なんだから、初めての高速道路になるんですよ、今までのは一般国道ですから埼玉のは。初めての高速道路を一・一キロにするというのは凍結に触れるんです。全体にかかわる問題だから、東京都、関係自治体、反対同盟などの住民、それから国会、建設委員会、これに対してやっぱりきちんと話し合いをするということが必要だと思うんですね。そのお約束をぜひいただきたいと思います。
  99. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 東京外郭環状道路の関越自動車道以南の区間につきましては、東京都内の稠密な市街地を通過しており、これらの地域の実情を十分配慮しながら、今後さまざまな角度から総合的な検討を行うつもりでございます。その検討に当たりましては、御指摘のように、各地方公共団体を初め関係機関と密接な連絡調整を図りながら、地域の意向を十分反映した計画とする必要があると考えております。
  100. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 大臣一言言って、終わります。
  101. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 私も昨年就任しましてから、地元の皆さん方が沿道の環境問題で反対である、そういうふうな実は反対陳情を受けたこともございます。いろいろ今まで経過を伺ってみますと、先ほど先生から御指摘のような長い歴史が実はあるわけでありまして、そういう中にありましても、御承知のとおり道路網の建設というものは、特に外環道路というものは交通の緩和とか都市機能の問題だとか、そういうふうな欠くことのできない。また、特に関越道もことしの十月には開通すると言われておるわけですから、そういう点をいろいろ考えてみますと、先ほど来御指摘のように、この沿道の環境保全というものは一番大事な問題でございまして、またそれに御了解いただけるような、先ほど局長答弁のように、道路の構造であるとか、そういうものについての修正その他、また地元との話し合いというようなものは最善の努力をしなければならぬと思いますが、何といっても関係機関や地元の了解を得るということが一番大事な問題でございますから、そういう点を我々といたしましても最大限努力をしてまいりたい、こう考えております。     ─────────────
  102. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) この際、委員の移動について御報告いたします。  本日、志村哲良君が委員辞任され、その補欠として藤田栄君が選任されました。     ─────────────
  103. 山田勇

    ○山田勇君 昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律案につき、若干御質疑をいたします。  大臣並びに局長は、予算委員会から引き続きで長時間の委員会審議でございまして大変御苦労さんでございますが、私が最終質疑者でございますので、ひとつ濶達に、明快なる御答弁をいただきたいと思います。  これからの道路整備を進める上で、鉄道などほかの交通機関との整合についてどのように配慮していくのかを、まずお尋ねいたします。  モータリゼーションの発達など、今後の道路交通はかなりの増加が予想されますが、このため国民に快適で利便性の高い交通手段を提供するのには道路整備はますます基本的かつ重要なものと なってくると思います。このような交通体系の中で道路の役割はますます高くなってまいりますが、これはあくまで利用者の立場に立った道路行政でなければなりません。特に、都市地域においては鉄道など各種交通機関と道路とのつながりが重要と考えます。道路整備を進める上で他の交通機関との整合についてどういう方針を持っているのか、お尋ねをいたします。
  104. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 建設省といたしましては、第九次道路整備五カ年計画の中で、特に他の交通機関との連携に配慮しつつ体系的な道路網整備推進していくこととしております。今後とも港湾、空港や鉄道などの機能を十分に発揮させるためのアクセス道路やバス路線、交通結節点の整備を図るなど、他の交通機関との整合性につきまして十分配慮してまいるつもりでございます。  次に、関西空港に関連する道路につきましては、国を含む関係の機関及び地方公共団体等が相互に協力、調整して整備を行うこととしております。その具体的な内容につきましては、今後策定される予定の関西国際空港関連施設整備大綱、これは仮称でございますが、その中で示すこととしており、関係各省庁、地方公共団体と緊密に連絡しながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。
  105. 山田勇

    ○山田勇君 大都市における交通渋滞は毎日のように発生していますが、大阪などでも朝夕の渋滞はひどいものでございます。都市住民のこの間における時間の浪費、精神的ないらいらは高まるばかりであります。快適な都市市内の道路環境づくりは焦眉の問題であります。また、道路の未整備により無秩序に市街地が広がり、防災面でも深刻な事態が生じております。こういったもろもろの事態を改善し、安全で快適な都市環境をつくるための都市市内道路整備についての御方針を聞かせてください。  私の質疑はこれで終わります。
  106. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 先ほどの関西国際空港の問題でございますが、私もこの間、空でありますけれども、ヘリコプターで予定地からずっと関連道路を視察させていただいたわけです。おっしゃるとおり、関西空港で言いますと、六十七年に開港の予定になっているわけでありますから、それまでに、おっしゃるように、港湾とか鉄道とか、それからアクセスの道路、こういうようなものが一体になって建設を進めませんと、これはどこが外れてもなかなか問題がある。  私は、端的なことを言って恐縮でありますけれども、今貿易摩擦とかいろんな問題がたくさんありますけれども、やっぱり東京の都心部と成田の間というのは非常に御承知のとおり時間がかかるんですね。ですから、飛行場は外国人のためにあるわけじゃありません。我々日本人が利用するためにあるわけでしょうけれども、とにかく外国人から言わせましても、これは一番率直に申して評判悪いですね。そういう点等を考えてみましても、今、局長答弁のように、この七月に整備大綱ができると言われておりますが、今御指摘になられました点を十二分整合性を維持しながら目的が果たせるように、そういう最善の努力をいたしていきたいと考えております。  それから大阪なんかの大都市の交通緩和の問題。今おっしゃられるとおり、市街地へ非常に延びていくわけですが、何といっても私は今我々の建設行政で三つの柱があると思いますが、それは大都市に二十一世紀にかけて恐らく日本の人口の集中度というのは都市に集中するのが七〇%ぐらいであろう、そういうふうな想定もされておるわけです。それだけにやはり都市計画その他を実行して、そして環境のいい都市づくりをするということは、今申し上げるように、非常に大事な建設行政の根幹だと私は思っておるわけです。  そういう中にありまして、特に街路その他も非常に大事な問題ですけれども、基本的にはやっぱり総合交通体系といいますか、そういうのを前提としまして良好な都市の環境づくりというものは何よりも大事でございます。したがって、今申し上げますように、都市の基盤となる街路の体系的整備、それから公共交通の利便性の向上であるとか、それからやはり何といっても私は緑の文化と言っておりますが、緑がたくさんあった潤いのある良好な都市機能の回復、形成というものは非常に大事な点でございますので、そういう点をしっかり私どもは建設行政の最重点施策としてこれからも努力をしてまいりたい、こう考えておるわけであります。
  107. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 他に発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  109. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 日本共産党を代表して反対の討論を行います。  第一の反対理由は、本法案の親法となっている道路整備緊急措置法で定められている道路特定財源制度そのものの問題であります。我が党は、従来から道路財源だけを優先的に確保するやり方ではなく、一般財源化して国民生活の安定のために振り向けるべきであると主張してまいりましたが、依然として改善が見られず、この制度が引き継がれております。そのため、同じ公共事業でも下水道とか公園などは、国民生活に密着し、かつ緊急度の高い部門であるにもかかわらず、立ちおくれが目立ち、アンバランスが出ております。  第二は、本法案予定している補正予算額二百六十九億円を含めた五十九年度道路予算の問題点であります。国民生活中心の道路より産業基盤整備型の道路整備が中心になっており、今回の補正予算もその性格を補強するものになっています。一九六〇年代後半から七〇年代にかけて日本列島全体を覆った公害問題の顕在化で道路計画も大きな見直しを迫られ、その後の道路行政に大きな影響を与えました。私が指摘してきた東京外環道路問題もその一つであります。  ところが、この数年、またまた民間活力論という議論とともに自動車道路まかり通りの復活のような状況で、東京圏だけでも東京湾横断道路、圏央道、東京外環道路、東京中央環状道路、王子線など、代表的な問題道路を次々と事業化しようとしております。生活道路優先、都市の環境保全、道路公害の追放などを第一義とすべきであります。  第三に、自動車の拡大と道路の建設拡大という悪循環が広がり続けていることであります。その結果、ますますモータリゼーションが助長され、公共交通輸送機関の衰退が促進されております。  以上、私は真に国民本位の道路投資、財源政策の改善を求めて討論を終わります。
  110. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  112. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  114. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。  先般、当委員会が行いました建設事業並びに建設諸計画に関する実情調査のための委員派遣につきましては、その報告書が提出されておりますの で、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 本岡昭次

    委員長本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時五十六分散会