運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1983-05-25 第98回国会 参議院 法務委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年五月二十五日(水曜日)    午前十一時二十一分開会     ─────────────    委員異動  五月十三日     辞任         補欠選任      安武 洋子君     宮本 顕治君  五月十六日     辞任         補欠選任      梶木 又三君     中村 禎二君  五月十七日     辞任         補欠選任      中村 禎二君     梶木 又三君      宮本 顕治君     近藤 忠孝君  五月十九日     辞任         補欠選任      小谷  守君     上野 雄文君  五月二十日     辞任         補欠選任      上野 雄文君     小谷  守君  五月二十三日     辞任         補欠選任      近藤 忠孝君     宮本 顕治君  五月二十四日     辞任         補欠選任      加瀬  完君     和田 静夫君  五月二十五日     辞任         補欠選任      宮本 顕治君     近藤 忠孝君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         鈴木 一弘君     理 事                 名尾 良孝君                 寺田 熊雄君                 中尾 辰義君     委 員                 臼井 莊一君                 平井 卓志者                 八木 一郎君                 小谷  守君                 和田 静夫君                 近藤 忠孝君    政府委員        法務政務次官   円山 雅也君        法務大臣官房長  根岸 重治君        法務大臣官房審        議官       亀山 継夫君        法務省入国管理        局長       田中 常雄君    事務局側        常任委員会専門        員        奥村 俊光君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○検察及び裁判運営等に関する調査  (入国管理に関する件) ○法務局、更生保護官署入国管理官署大幅増員に関する請願(第二三六三号外四件) ○治安維持法等による犠牲者に対する国家賠償に関する請願(第三二一四号外二五件) ○死刑制度廃止死刑執行停止に関する請願(第三八九二号外四件) ○継続調査要求に関する件     ─────────────
  2. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る十三日、安武洋子君が委員辞任され、その補欠として宮本顕治君が選任されました。  また、昨二十四日、加瀬完君が委員辞任され、その補欠として和田静夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) 検察及び裁判運営等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 和田静夫

    和田静夫君 五月十六日の決算委員会で、法務省入管職員摘発情報リーク事件について、法務省側答弁と事実との間に食い違いがあると思われますので、きょうは引き続いてこの問題を取り上げ、法務省見解を伺います。  五月十六日の答弁は、法務省側としては酒食のもてなしを受けたことはお認めになったわけでありますが、摘発情報リークしたことについては認めなかったのであります。ところがその後、法務省関係者新聞記者会見などのまとめの報道によりますと、問題の警備官自身も、またその警備官を調べた平山警備課長も、二回クラブマノン」に摘発情報を流したことを認めています。法務省はこの食い違いをどういうふうに説明をいたしますか。
  5. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) お答えいたします。  先週の決算委員会委員から御質問を受けまして、その当時までに調査し、わかっていたことをベースに御答弁いたしました。現在、本件につきましてはさらに調査続行中でございますが、今日までに調査したところをもとに事実関係について御説明いたしたいと思います。  この問題の職員は、昭和五十五年十一月より赤坂の問題のナイトクラブにおいて、翌年四月まで六回にわたってお金を払わずに飲んでおりました。その後、法務省に通知がございまして、入管職員お金を払わずに飲んでいる者がいるということで、東京入管がそれを調査いたしまして、昭和五十六年七月、問題のクラブマダムに対して計三十九万六千円を支払わせました。その後、八月一日にこの職員厳重注意され、東京入管局横田出張所に配置がえになりました。  また、委員がただいま御指摘になりました情報を漏らしたかということでございますが、同人を現在調査中でございますが、今日まで同人は、自分摘発情報事前に漏らしたことはないと申しておりますし、今日までのところ、同店関係者に対して摘発情報を漏らしたという事実は目下のところ確認できません。また、同人が飲食した店は、当時東京入管局における摘発対象にされたこともない次第でございます。
  6. 和田静夫

    和田静夫君 そこで、問題のクラブ摘発対象として考えたことはないとこの間も言われたわけで、なぜ摘発対象から外していたのかというのが逆の意味で非常に疑問になるわけで、その辺の理由は明らかになりますか。  また、摘発対象基準ですね、摘発対象を選ぶ基準というのは一体どういうもんですか。
  7. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) 委員の御質問の第一点は、なぜその店を摘発対象から外したかという御質問でございますが、まず摘発が始まるときには、摘発を行う前にはいろいろ情報を入手し、いろいろ内偵し、その上で摘発すべき対象を決めるわけでございます。  赤坂地域において五十五年から五十六年のそのころの時期までの間に、摘発は四回やっております。五十五年十月に赤坂地域で三回、それから五十六年の五月に同じように赤坂地域で一回やっておりますが、その店を意図的に摘発対象外としたようなことはございませんで、初めから摘発対象計画には載ってなかったわけでございます。  第二番目に、委員の御質問は、その摘発対象基準いかんと。これはケース・バイ・ケースで千 差万別の態様を持っていると思います。摘発対象のきっかけとなるということにはいろいろございまして、まず民間から非常に確度の高い情報がもたらされることがございます。それから、余り確度は高くないんだけれども、いろいろその店屋について資格外活動者がいるというような情報があって、それに基づいて摘発に赴くといったことがございまして、そして入国警備官の現認と申しますか、その場においてそれぞれ証明書またはパスポートを提出してもらうと、これが資格外活動であるということが発見されるケースもございます。また、警察からこのような店があるというふうに入管連絡があることもございます。
  8. 和田静夫

    和田静夫君 実は、情報リークについてはもうすでに平山課長はその事実関係認めているわけですね。どうも、本局段階東京の局の段階でパイプが詰まっている、あるいは、東京入管局長があなたの前任者に対して、言ってみれば事実関係を隠蔽した報告をする、それを受けて国会に対しては十分な事実調査がないままに結果的にはうその答弁をする、こういう形になっているのがこの事実関係です。たとえば、いまの摘発対象として考えたことがない。五月十六日に私は決算委員会指摘をした。その日からずっと、何といいますか、マスコミが動く。動けば、そこの従業員たちはその日から出勤をしてこない。出勤をしてこない事実関係というのはもう明確なんですね。前はテープがありますし、ここの場合はカメラがある、そういう状態になっていますよ。  そして、あなたの答弁の一番の問題は、本人調査をした、本人調査をして本当のことがわかるかどうかというのは、これは非常に疑問ですね。しかし、クラブ経営者は一体どうなっているのかということになってくれば、クラブ経営者をいまあなた方調査する状態にあるんですか。クラブ経営者はいまどこにいますか。ママは一体どこへ行っていますか。
  9. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) お答えいたします。  調査続行中と申し上げた理由一つには、問題の入管局職員またはその上司に対していろいろ事情を聴取するということと同時に、相手クラブマダムからも事情を聴取する必要がございます。相手クラブマダムは、現在のところ入管局が一生懸命に捜しているんでございますが、所在がいまのところわかりません。しかし、何とかして捜し出して、相手マダムがこの問題についてどういうふうに言うか、これも調査対象でございます。
  10. 和田静夫

    和田静夫君 そのクラブマノン」のママはとにかくいまどこにいるかわからない。日本にいますか。
  11. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) 現在入管局調査中でございますが、まだ絶対に日本から離れたか否か、この点については私たちまだ確認できない状態でございます。しかし、何とかしてマダム所在だけはつかみたいと考えている次第でございます。
  12. 和田静夫

    和田静夫君 調査調査中で逃げられれば国会はあしたで終わりますからね、もう国会の中で参議院選挙が終わるまで追及する機会がありませんからあれですが、出国していませんか。出国させたんじゃないですか。韓国に行ったんじゃないんですか。
  13. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) 入管局がこの人を出国させるというようなことは絶対にございません。われわれとしては調査の完璧を期するために、一生懸命にこのマダムがいると思われるところを捜しているわけでございますが、現在までのところ接触できないわけでございます。韓国に行ってしまったのかどうか、この点についてはいまのところまだわかりません。
  14. 和田静夫

    和田静夫君 調査を約束されていますからね、その調査結果を待っていますし、これは休会中といえども私のところには報告いただきたいと思います。  同行した警備官三名が処分対象から外されておった理由というのは何かありますか。
  15. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) 問題の警備官は飲みに行くときに同僚の警備官三名も連れて行っております。しかし、この三名は誘われたわけでございまして、やはりわれわれとして厳重注意対象にすべきはこの誘った問題の入国警備官というふうに考えて、当時これを処分したということと考えております。
  16. 和田静夫

    和田静夫君 大臣何か衆議院の関係でお見えになりませんが、次官恐縮ですけれども、私はこの問題の処理というのは大変大きな問題があると思っているんです。現場摘発情報を流したことをこれは明確に認めています。そうすると、東京入管局本局との間で、業務執行上いろいろ問題がある。ある憶測をすれば、入管局長は外務省からの人事だから、その辺のところは詰まったって構わぬのだというようなことを平然と言われる法務省関係者もいないわけじゃない。そういうことを頭に置きながら、との入管局偽り報告をうのみにして国家答弁をしたことは間違いないんです、前段段階では。いま調査を進められている、これは問題として私は法務省そのものの問題でありますから、もう少し上下一貫した動きというものがなければならぬ、そういうふうに考えるのでありまして、国会答弁の責任というものは私は非常に重いと思うんですね。いかがお考えですか。
  17. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) 一言補足さしていただきたいと思います。  先ほど委員現場にいる者は認めているではないかと、一方本省は否定しているじゃないかと、この点なんでございますけれども、新聞に同職員上司である課長インタビューを受けました。そこでいま委員質問の趣旨にとられてもやむを得ないような発言をしたことは事実でございます。処事不適切と申すのか、そのインタビューを受けた課長は、質問をした記者の方の質問意味というものを十分につかみ切っていなかったのではないかとしか思えないような答弁でございます。いずれにしましても当該新聞社に対しても非常に御迷惑をおかげいたしました。  ただ、じゃ事実が何かあるのかということでございます。これはわれわれも非常に気にいたしまして、この問題に焦点をしぼって調べたわけでございます。それで、その職員と問題のナイトクラブマダムとの会話内容というものをわれわれ徹底的に調べたわけでございます。そして、マダムからこういうふうに問われているわけでございます。この店はホステスが足りない、だから韓国からの旅行者を雇いたい、どうだろうと、それから、自分のめいが今度親族訪問でここへ来るけれども、ここのホステスとして使ったらどうだろう、そういうような質問を受けております。それに対してその職員は、違反者を使ってはだめだということを言っています。これは違反者を使ってはだめだということを言っているわけでございます。それは事実でございます。そういたしますと、これは摘発情報事前に漏洩したということではないと考えております。  それから、その上司課長は、その職員を調べたときにそういうことを言ったということが頭にこびりついておりまして、新聞記者の方のインタビューの最中に、二時間半にわたっていろいろインタビューされているうちに、質問なさっているインタビュアーの意図を完全につかみ切れないうちに、そういうこともあったのかなあというような発言をしております。だから、記者の方にもそのようなことがあったのではないかと取られてもいたし方がないような発言でございます。新聞社にも御迷惑かけました。
  18. 円山雅也

    政府委員円山雅也君) 万々そのようなことはないとは私も信じたいところでございますが、もしも万が一にも和田先生の御指摘のように、統一の行政官庁の機構の中で、下部の者がと申しますか、現場の者が偽り報告上司にもたらし、そして上司がそれを当委員会で、国会に対してそのまま御報告するというような、事実との食い違いの御答弁がなされるような場合が仮にあるならば、これはやっぱり大変なことだと私は考えます。ですから、私自身もこの委員会が終わりまし た後、念を入れる意味でもその点厳重にチェックをしたり、またはその点の有無、そういうものについて省内で協議をしたいと思います。
  19. 和田静夫

    和田静夫君 この事件に限らず、入管当局の綱紀の乱れというのは看過できません。これは私が要求をして法務当局からいただいた資料でありますが、過去十年間、十五件の不祥事件が発生をいたしております。政務次官もう当然この資料をごらんになっていると思うんですが、一つは御感想を承わりたいのでありますが、さらにこの資料をよく見てみますと、処分がある意味では非常に軽いんですね。  一例だけ申しますと、昭和五十六年の事件入管局登録課長補佐、これは停職二カ月というやつですが、これは現金十五万円等の供与中国人の再入国許可について便宜供与口添え料としてあるわけでありますが、刑事罰可能性もあるのではないかと思われるようなものについても停職二カ月と、こういう状態になっているのであります。この法務省リストの五十七年の処分神戸入管事件ですね、これは本人減給一カ月です。所長以下七名が厳重注意を受けていると、こういうふうに五十七年の一件はなっています。これは密入国在日韓国人吉川栄一こと梁公錫(ヤンコンソク)夫妻強制収容にまつわる不祥事件ですね、この二件についてちょっとまず答弁いただいておきましょう。
  20. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) この昭和五十六年のケースでございますが、これは外国人の芸能人の招聘業者が介在した件でございます。問題の職員は、東京入管出張所長として勤務中、資格外活動調査に関する情報を提供した疑いがございます。提供した情報内容は、不良招聘業者の問題でございます。また、同じその招聘業者から依願されまして、中国人の再入国許可につき、東京入管担当官便宜供与口添えをし、そして現金十五万円等を受けとったケースでございます。このケースにつきましては、警察調査をいたしまして、その結果行政処分に任せると警察当局からは通報を受けております。  それからもう一つ、御指摘昭和五十七年の大阪入管局神戸出張所入国審査官ケースでございますが、このケース在日韓国人ブローカーがおりまして、そのブローカー昭和五十一年十一月ごろ梁夫妻から在留特別許可を得るための助力を依頼されましたので、かねてから知り合いの、問題の入国管理局職員に引き合わせ、在留特別許可について助言を依頼いたしました。また、昭和五十四年三月にも同ブローカーは、同職員に対しその夫妻在留特別許可についても打診をいたしました。その間、同ブローカーは、その不法入国した韓国人夫妻から約三百万円を在留特別許可取得のための資金に充てると称して受領しておりますが、自分ですべて消費してしまっており、そのお金は問題の入管職員に対して一切渡っていないということを法務省入管局調査に対して同ブローカーは申し立てております。  また入管局は、当該入管職員に対して行った事情聴取において、同職員金銭授受等は一切なかったと申し立てております。  しかし、同入管職員は、その不法入国者夫妻に会ったときに、直ちに最寄りの入管局に出頭すべきであると、それを勧めるべき立場にあったわけでございますが、それもせずに、現状では正規在留認めるに足る十分な理由もない。だから、そのまま潜在生活を続けるような示唆をした。これは入管職員としては非常に嘆かわしい行為でございます。そのようなことがございましたもので、これは入管職員としての官職の信用を非常に傷つける行為でございますし、また官職全体の不名誉にもなり得るということで、昨年四月減給処分にしたものでございます。これが経緯でございます。
  21. 和田静夫

    和田静夫君 時間がありませんから少し私の方でしゃべりますが、この事件は二名の韓国人密入国者、夫は一九五二年生まれ、七〇年の密入国、妻は一九五五年生まれ、七一年に密入国。二人は一九七五年に結婚、七九年に長女を設けている。この韓国人密入国者強制送還事件であるわけですが、この過程に大阪入国管理事務所土元清輝さん、現在神戸入国審査官なる人物と、「コンドウ」という名称の人物が登場をする。  これは両名の再審嘆願書ですけれども、この引用をいたしますと、  私共の間には一九七九年四月二十日長女愛景が出生し、私は結婚一年半後独立して鞄製造下請業を開業し妻子を扶養し生活は安定し、家庭は円満に幸福な毎日を送ることができるようになりました。かかる事情でございまして、私は一日も早く入管当局に自首し法のお裁を受け、そのご慈悲にすがり、晴れて在留できますよう嘆願申しあげようと考え、どのように自首をすればよいのか知人松山氏)——これがいま言われたブローカーでしょう——に相談したところ、松山氏の知人法務省入管行政に直接関係しているので、その人の指示どおりするように言われ、昭和五十一年春頃大阪入国管理事務所の「ツチモト氏」に会い紹介され、私達の事情を説明しました。その日の話は法務省に「コンドウ」と言う友人がいるので、二人で連絡をとりながら、私達の特別在留許可をとってやるので待っているように言われました。同日、運動費として百万円の要求がありましたので手渡して私達は東京に帰りました。その後度々連絡があり、五十五年頃迄に参百万円を運動費として渡しました。当時はこの人達を信じ切っていましたが、一向に事が運ばないので、私から時々連絡をとるようにしましたが、コンドウ氏が横浜入管に転出したとか、ツチモト氏が大阪空港に行ったとか色々な理由で遅れているけど心配しないように、又、自分達が裏で助けるので万一入管につかまっても名前などださないように言われました。しかし、昨年八月に収捕され、一ケ月後仮放免された時にすぐツチモト氏に連絡をとってもらいましたが、「心配しないように」と言うだけで、三ケ月の間、松山氏、ツチモト氏、コンドウ氏との連絡にあけ暮れ、財産の処分も出来ずそのままになっています。これらの会話テープで八本にもなり保存してあります。今ではこの人達にだまされたのかも知れないと思いますが、当時は感謝さえしていました。  この両名の申し立てが事実とすれば、またいま答弁にありましたように、自分で消費したかどうかは別問題として、松山某なる者が百万円、その後三百万円か、あるいは三百万円以内か、三百万円から四百万円の金品の授受があったということになってくるわけであります。  そこで、私はこの松山某、これも本名はわかっていますけれども、この金銭授受があったという事実はお認めになったわけであります。そうすると、非常におかしいのは、土元松山と一緒に会った。そしてそこでは食事をしていますね、この人たちと。こういう状態にあるわけです。そうなってきますと、法務省の役人が松山なる人物金銭授受現場にいたということになる。そのことを見ている。見ていると、検察としてはこの辺はどういう見解をお持ちになりますかね。詐欺事件を見て見ぬふりを結果的にはした、ないし幇助をした、そういう関係というものがここで私は生まれてくるのじゃないだろうかということをひとつ考えるのでありますが、前段の問題を含んで検察見解をこの機会に一遍承っておきます。     ─────────────
  22. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、宮本顕治君が委員辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。     ─────────────
  23. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) いまのその金銭授受、どこで渡したかということ、当時徹底的にこの問題について法務省調査いたしました。  お金を渡した場所は、東京から不法入国者夫妻大阪ブローカーが連れて行ったのでございますが、その汽車の中で渡しております。それからまたレストランで会った際、そのブローカーはそ の不法入国者をトイレットに呼びまして、直接渡したって入管職員はそういうものは取らないと、ついてはおれにここで渡しておけと言ってお金を渡してもらったと、そういうことをこのブローカーは申し立てております。
  24. 亀山継夫

    政府委員亀山継夫君) 事実関係が必ずしも明らかでございませんので、確定的に具体的な事件についてどういう犯罪が成立するかというふうなことをお答えいたしかねるわけでございますが、ただいまの入管局長のお答えいたしましたところからいたしますと、当該職員については詐欺、あるいはその他のことについての事情を知らないというふうに認められるようでございますので、そうなりますと、その詐欺罪幇助等犯罪の成立の可能性というものは余りないように思われる次第でございます。
  25. 和田静夫

    和田静夫君 私はかなりその御本人に対して、御本人は、言ってみれば述べ方を信用されるという立場はわからぬわけじゃありません。先ほど姜信極(カンシンク)いわゆるブローカーですね、これから事情を聞かれた、いつどこでどういう形で聞かれたんですか。
  26. 田中常雄

    政府委員田中常雄君) 私たまたまいま持っている資料の中に何月何日付で調べたというのはございませんが、この事件が発覚した後、本省において、これを本省担当官ブローカーについて事情を聴取しております。
  27. 和田静夫

    和田静夫君 時間があれですがね、もう最後にいたしますが、私はどうも疑問に思われるのは、この訴状もあるわけですが、この法務大臣への処分違法性という形の訴状がありますね。ここのところを読んでみても、あるいは再審嘆願書を全部読んでみても、あるいはいままでの関係者新聞その他に対するところの発言をずっと読んでみましても、どうしても納得ができないのであります。  そこで、一度きちんと私は、法務次官調査される必要があると思うんです。その調査は身内だけの調査ではなくて、でき得れば私は外交ルートを通じて梁夫妻事情を聞いてもらう必要があると思うのであります。梁夫妻は一年九カ月ぐらいの刑を刑務所から終えて外に出て、いま故郷の済州島で、それも食うや食わずの生活をしていらっしゃるようで、どうしても日本に来て生活をしたいという本当の希望をお持ちのようであります。そして、私はこの人の特に奥さんの場合は、特別在留許可がおりてもいい、そういう状態の人であったわけですね。親族は日本生活をされているわけですしね、どうも生活の基盤が日本にある。そういう方であるにもかかわらず、これを放置をした。こういう事件に巻き込まれて、結果的にはブローカーの手にかかったんだと法務省が片づけてしまえばそれまでかもしれませんが、そういう不幸な状態にある方でもあるわけです。それから、八本のテープが残っているということを法務大臣あての嘆願書で書いているわけですから、八本のテープを聞いてみりゃこの事実関係明らかになってくるわけで、その辺のところもやっぱり法務省は、法務大臣あての嘆願書が出ておったけれども、やっぱりいままではやっていらっしゃらないわけでありますから、そういう証拠もあるわけでありますから、これらをぜひおやりになるように、この機会要求をしたいんですが、よろしいですか。
  28. 円山雅也

    政府委員円山雅也君) いまも局長がお答えしましたように、かなりいろいろな面からこの事件につきましては私どもも調査をしたようでございます。そこでなお足らざるところも、和田先生指摘のとおりあるかと思います。なお一層ひとつ調査を続行いたしまして、結果的に先生の御希望に沿えるような外交措置がとれるかどうかは別といたしまして、やるだけのことはやってみたいと思います。
  29. 和田静夫

    和田静夫君 わかりました。  それじゃ最後に、先ほど質問いたしましたこの十五件の事件ですね、もう御一読願ったと思うのでありますので、ここのところでちょっと法務次官として見解を求めておきたいんですね。
  30. 円山雅也

    政府委員円山雅也君) 私もこれを拝見いたしました。ただ、この事件のそれぞれの細かい背後事情まではまだ時間不足で十分な検討ができておりません。そこで、たとえばお金授受なんかの場合は、確かに先生おっしゃるとおり、刑事上の贈収賄の問題にも発展するかもわかりませんし、事が、結果が重大でございますし、それから、たとえばひとつ御指摘の五十六年の例をとりましても、この囲みの中の説明ですと、いかにも贈収賄が成立するような感じの事件でございますけれども、警察がその点を調査してなお刑事事件として立件困難としたからこそ、恐らく行政庁の処置に任せたんだろうと私は思うのでございますけれども、そうなりますと、これだけからはなかなか処置が適切であったか、軽過ぎたかということが、にわかにちょっとお答えができかねますので、ちょっと控えさしていただきたいと思います。
  31. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  32. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) これより請願の審査を行います。  第二三六三号法務局、更生保護官署入国管理官署大幅増員に関する請願外三十五件を議題といたします。  今期国会中本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。  理事会で協議の結果、第二三六三号法務局、更生保護官署入国管理官署大幅増員に関する請願外四件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第三二一四号治安維持法等による犠牲者に対する国家賠償に関する請願外三十件は保留とすることに意見が一致いたしました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  35. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  検察及び裁判運営等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 鈴木一弘

    委員長鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会