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国務大臣(
安倍晋太郎君) ただいま
議題となりました千九百八十三年の
国際コーヒー協定の
締結について
承認を求めるの件につきまして
提案理由を御
説明いたします。
この
協定は、延長された千九百七十六年の
国際コーヒー協定にかわるものとして、昭和五十七年九月十六日に、ロンドンで開催された国際コーヒー理事会において採択されたものであります。
この
協定は、輸出割り当ての実施によって国際市場におけるコーヒーの著しい価格の変動を防止し、コーヒーの需要と供給との間の妥当な均衡を達成するとともに、コーヒー生産国の輸出収入の安定を図ること及びコーヒー消費国への公正な価格による供給を図ることを目的としております。
わが国がこの
協定を
締結することは、消費国である
わが国にとっても利益をもたらすとともに、開発途上にあるコーヒー生産国の経済発展に引き続き協力する等の見地から有意義であると
考えられます。
よって、ここに、この
協定の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、千九百八十二年の
ジュート及び
ジュート製品に関する
国際協定の
締結について
承認を求めるの件につきまして
提案理由を御
説明いたします。
この
協定は、
ジュート及び
ジュート製品について作成された商品
協定であって、昭和五十七年十月一日に、ジュネーブで開催された国際連合
ジュート及び
ジュート製品会議において採択されたものであります。
この
協定は、研究開発等の事業の実施を通じて
ジュート及び
ジュート製品輸出国の輸出収入の安定を図ることを主たる目的としております。
わが国がこの
協定を
締結することは、輸入国である
わが国にとっても利益をもたらすとともに、開発途上にある
ジュート及び
ジュート製品輸出国の経済発展に協力する等の見地から有意義であると
考えられます。
よって、ここに、この
協定の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、千九百七十一年の
国際小麦協定を構成する千九百七十一年の
小麦貿易規約及び千九百八十年の
食糧援助規約の
有効期間を更に延長する千九百八十三年の
議定書の
締結について
承認を求めるの件につきまして
提案理由を御
説明いたします。
昭和四十六年に作成されました千九百七十一年の
国際小麦協定は、小麦の市況に関する
情報交換等について定める
小麦貿易規約と開発途上国に対する食糧援助について定める
食糧援助規約から成っておりますが、両規約は昭和五十八年六月三十日に失効することとなっておりますので、昭和五十七年十二月ロンドンで開催された
政府間会議において、その
有効期間を三年間延長することとしました。これらの
議定書は、このような延長について定めたものであります。
これらの
議定書を
締結することは、小麦貿易に関する国際協力の促進が
期待されること、開発途上国の食糧問題の解決に貢献することとなること等の見地から、
わが国にとり有益であると
考えられます。
よって、ここに、これらの
議定書の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、千九百八十二年六月二十四日に採択された千九百二十八年十一月二十二日にパリで署名され、千九百四十八年五月十日、千九百六十六年十一月十六日及び千九百七十二年十一月三十日の
議定書によって
改正され及び補足された
国際博覧会に関する
条約の
改正の受諾について
承認を求めるの件につきまして
提案理由を御
説明いたします。
国際博覧会条約は、
国際博覧会の開催頻度等について規制しており、その中で国を異にして開催される二の一般博覧会の間には、最低七年間の間隔を置くこととなっております。しかし、現在、
フランスは、一九八九年に
フランス革命二百年記念パリ万国博覧会を、
アメリカ合衆国及びスペインは、一九九二年にコロンブス新大陸発見五百年記念シカゴ・セビリア万国博覧会をそれぞれ開催することを強く希望しこれらの計画を博覧会国際
事務局に申請しております。博覧会国際
事務局の総会は、これらの博覧会の競合問題について
検討した結果、両博覧会とも歴史的事実に由来する国家的記念事業としての博覧会であるため、いずれかの博覧会の開催の年を変更することは不適当であるとの結論を得、例外的かつ特別な場合には、一般博覧会の開催間隔を短縮できることとする
条約改正案を昨年六月にコンセンサスをもって採択いたしました。
わが国がこの
改正を受諾することは、
国際博覧会を通ずる国際協力に資するとともに、昭和六十年に
わが国で開催される国際科学技術博覧会の成功のために各国の積極的な協力を得ていく上で重要かつ有意義であると
考えられます。
よって、ここに、この
改正の受諾について御
承認を求める次第であります。
次に、
領事関係に関する
ウィーン条約及び紛争の
義務的解決に関する
選択議定書の
締結について
承認を求めるの件につきまして
提案理由を御
説明いたします。
この
条約及びこの
選択議定書は、国際連合の主催による全権
委員会議で昭和三十八年に作成さ
れ、昭和四十二年に効力を生じております。
この
条約は、領事上の特権及び免除その他
領事関係全般に関する国際法の規則の明確化及び統一化を図るものであり、また、この
選択議定書は、この
条約の解釈または適用から生ずる紛争の
義務的解決について定めたものであります。
わが国がこの
条約及びこの
選択議定書を
締結することは、これまで主として国際慣習法によって規律されてきた
わが国と諸外国との間の
領事関係を一層円滑に処理する見地から有意義と認められます。
よって、ここに、この
条約及びこの
選択議定書の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、
所得に対する
租税に関する二重
課税の
回避及び脱税の防止のための
日本国とスウェーデンとの間の
条約の
締結について
承認を求めるの件につきまして
提案理由を御
説明いたします。
政府は、スウェーデンとの間の現行
租税条約にかわる新たな
租税条約を
締結するため、昭和五十六年十月、昭和五十七年二月及び同年三月に
交渉を行いました結果、昭和五十八年一月二十一日にストックホルムにおいて、両国
政府の代表者の間でこの
条約に署名を行った次第であります。
この
条約は、現行
条約に比し、
条約全般にわたって最近の
租税条約の改善された規定ぶりをできる限り取り入れたものであり、この結果、近年
わが国が諸外国との間で
締結してまいった
租税条約と同様OECDモデル
条約案に基本的に沿ったものとなっております。
この
条約の主な内容は、次のとおりであります。事業
所得につきましては、企業が相手国内に支店等の恒久的施設を有する場合に限り、かつ当該恒久的施設に帰属する利得に対してのみ相手国で
課税できるものとし、船舶または航空機を国際運輸に運用することによって生ずる
所得につきましては、相互に全額免税としております。投資
所得に対する源泉地国での税率につきましては、配当に関しては
原則として一五%、利子及び使用料に関しては一〇%をそれぞれ超えないものとしております。また、文化交流のための両国
政府間の特別の計画に基づく活動による
所得に関しては、そのような活動が行われた国において免税することとしております。
この
条約の
締結により、両国間の二重
課税の
回避等の制度がさらに整備され、両国間の経済及び文化の面での交流が一層促進されることが
期待されます。
よって、ここに、この
条約の
締結について御
承認を求める次第であります。
最後に、
所得に対する
租税及びある種の他の
租税に関する二重
課税の
回避のための
日本国と
ドイツ連邦共和国との間の
協定を修正補足する第二
議定書の
締結について
承認を求めるの件につきまして、
提案理由を御
説明いたします。
政府は、昭和四十一年四月に署名された
ドイツ連邦共和国との間の現行の
租税協定に昭和五十四年四月に署名された
議定書による修正補足を加え、新たな修正補足を行うための
議定書を
締結するため昭和五十七年七月から
交渉を行いました結果、昭和五十八年二月十七日にボンにおいて両国
政府の代表者の間でこの
議定書の署名を行った次第であります。
この
議定書による修正補足の主な内容は次のとおりであります。すなわち、国際運輸に使用されるコンテナ等のリース料の取り扱いに関する規定を国際運輸業
所得条項に含めることにより、源泉地国
課税を免除することであります。
この
議定書の
締結によりまして、
わが国と
ドイツ連邦共和国との間の二重
課税回避の制度がさらに整備され、両国間の経済
関係の緊密化に資することが
期待されます。
よって、ここに、この
議定書の
締結について御
承認を求める次第であります。
以上七件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御
承認あらんことを希望いたします。