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渋谷邦彦君 さあそこで、
アメリカ側としても不測の事態がいつどういう形で起こるか、これはもうだれしも予測し得ない問題だろうと、私、思うんですね。先般来からしきりに、
日本の
防衛費というものをふやしてもっと
防衛努力をすべきではないかということがいろんな形で、特に上下両院の軍事
委員会を中心とした証言等を通じて、
アメリカの考え方というもの、あるいは願望を込めて言っているか、それが具体的な要求として言っているのか、その辺は大来さんがこの間
訪米されたときにもどうも定かでない面が相当残されて、近く大平さんが
訪米されるときにもっと具体的にそれが詰められた、まああるいは一つの結論が出される
ような展開が予測されはしまいかというよな状況といいますか、大変切迫した
アメリカ側の
日本に対するそうした要求がいま提唱されているわけですね。それがいま岡崎さんがずっときわめて大ざっぱな
——極東地域あるいは
中近東地域における
海軍力を中心とした米軍の軍事力というものが手薄になるという
ような背景もあるだろうと思うんですが、その手薄になったものに対して、何とか
日本として海上輸送路の確保等もこれあり、当然その点については
日本として分担をすべきではないかと、分担するためには現在のその状況で果たしていかがなものであるのか。具体的に
GNP一%ということがしばしば言われております。昨日も私、第一
分科会でも申し上げたんですけれ
ども、それで、どうもその辺がすっきりしない。いま
アメリカがしきりに要求している、
防衛庁は
防衛庁としていろんなそういう
アメリカがいま考えている
ようなことについての検討をなさって
おいでになるだろうと思うんですね。向こうの要求に対してどう一体対応するのが一番望ましいいまの状況なのか。それで、私は三つ考えられると思うんですね。その意図するところが一体何であるのか、これは昨日も余り定かでない答弁しか聞けなかったものですから、
防衛庁としては一体どういう
判断を持っているのかということをお尋ねするわけです。
一つは、あるいは兵員自体を
増強しろと言っているのか。これはもうかつて六千万ぐらいの人口のときに
日本の平時編制が陸軍で十八万五千ですよ、これは長い間その状態が続いたことをわれわれ知っておりますけれ
ども。それでもういま人口が倍になっています。果たして
日本の国土の自主
防衛という
立場に立って見ても大丈夫なのかという問題が一つある。
それからもう一つは、
予算の総括でもしきりに
細田さんに申し上げました質的向上を図らなきゃいけないと、
近代化の方向をどうしても図らなきゃならない。それはわかるんですよ。それはあえて私も一体何をどうするかということを聞きません、これは機密に属する場合だってないではありませんので。そうしたもっとやはり対応できるレベルアップを図るための負担をせいと、こう言っているのか、これは二つ目ですね。
それから三つ目は、これも私非常に
心配しているんです。というのは、この間もちょこちょこっともう話をしてそれっきりになっちゃったんですけれ
ども、現実にキューバのグアンタナモは要塞化されているわけでしょう。これはもう事実そういうふうに確認されているわけです。その対抗手段として、北方四島がいま基地化から要塞化の方向へこれから動かないという保証は何もないわけですね。そういった場合に、もう一つの対抗手段として沖繩なら沖繩の基地というものをもっと
整備、
強化を図る必要があるんじゃないか、沖繩を中心として。あるいはこの
日本国内にまだ残されている米軍基地というものの
整備を図る必要がある、そのための
日本側としての負担をせいと言っているのか。
まあ常識的に
——私は軍事専門家じゃございませんから詳しいことはわかりません、大体考えられるその問題というのは、大まかに分けてもこの三つに集約される。その中で
アメリカが一体何を
日本に対して願望しているのか、あるいは要求しているのかということですね。恐らくいまは憲法の規制があり、あるいは
国民世論がありということで、いままで政府は一貫して大変むずかしいということを言うてこられたわけです。大来さんが過日
訪米されたときにも、
日本の状況としてはそうだと、こういう状況なんですと、それに対してはバンスも
ブラウンも
理解を示したという答弁に終わっているんです。しかし、それだけで果たして済む問題だろうかと。これは、いまはそれが逃れられても、だんだん、だんだん
情勢がいろいろと激変していく、その中でやはり
日本に対してもう少しく
防衛努力をすべきじゃないかと、もう依然として安保ただ乗り論というものも消え去ってないわけですね。それを調整する一環として、何らかの形でとにかく
防衛努力をすべきじゃないか、そのためには
GNP少なくとも一%にそれをレベルアップして、その
整備を図る必要があるんじゃないかと、これを重ねて、今度は
防衛庁の
立場としてどういう御
判断をお持ちになっていらっしゃるのか、これはむしろ
長官の政治
判断をお願いした方がぼくはいいと思うんですよ。