○椎名委員 この点はぜひ検討していただいた方がいいのではないかと思います。最初のときは、まだまだこのぐらいなら返せるという
状態だったろうと思いますが、大分
金額も大きくなってきている。これは実際的ないろいろ困難を招くおそれがあるということを私は
指摘しておきたいと思います。
これで最後にいたしますが、私、最初に申しましたように、この
特例という言葉の重みというものを私は特にここで確認をしておきたいと思うのです。とにかく、もう数年間
特例で、ことしも
特例で、来年も恐らく
特例で、再来年も
特例だろうということで、だんだんその
特例という言葉に対する免疫ができてしまって、その重みがなくなってきてしまうということを私は非常に恐れるわけです。これから
日本の経済全体を健全に運営して、その中でできるだけ
国民の生活をよくしていくということは非常に大事ではありますけれ
ども、そしてもちろんそれが
目的ですが、乗っかっている船がひっくり返ってしまうと、その乗組員である
社会保障関係の制度もあるいはその他のもろもろのものも全部一緒に沈んでしまう、そういう大きな問題をこの
財政再建という問題は抱えているというふうに私は考えております。どうしても、ブキャナン、ワグナーの言ったように、代議制民主主義ではこういう非対称性が出て、なるのだからしようがないのだというようなことを偉い
先生が言ってくれたからそうなるのは仕方がないということで日を暮らしていると、われわれは五年ぐらい先になって大変なつらい目を見なければいかぬということを私は恐れるわけであります。
最初は、とにかく
昭和五十五年には
特例公債から脱却するという
計画があったように私、記憶しておりますが、それが今度は五十九年に延びている。私の民間における
経営の記憶から申しますと、融通手形の期日が延びたような気持ちでのんびりしているべき問題ではない。
財政再建については
国民の合意を求めることが非常に必要であるということはどなたも口になさいます。しかし、それは
大蔵省にとどまらずわれわれ政治家全体がそのことに本当に真剣にならない限り、この部屋の中から外にそういう真剣さが伝わるということはあり得ないわけでありまして、私は最後にその点を特に強調しておきたいと思います。この点についての
大臣の御所感を一言いただきまして、私の質問を終わらせていただきます。