運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1978-06-08 第84回国会 参議院 運輸委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年六月八日(木曜日)    午前十時三十一分開会    委員異動  六月三日     辞任         補欠選任      目黒朝次郎君    浜本 万三君  六月五日     辞任         補欠選任      浜本 万三君    目黒朝次郎君  六月七日     辞任         補欠選任      内藤  功君     橋本  敦君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         三木 忠雄君     理 事                 安田 隆明君                 山崎 竜男君                 青木 薪次君                 太田 淳夫君     委 員                 井上 吉夫君                 伊江 朝雄君                 石破 二朗君                 江藤  智君                 高平 公友君                目黒朝次郎君                 田代富士男君                 橋本  敦君                 柳澤 錬造君    国務大臣        運 輸 大 臣  福永 健司君    政府委員        運輸省海運局長  後藤 茂也君        運輸省船員局長  高橋 英雄君        運輸省港湾局長  大久保喜市君        運輸省鉄道監督        局長       住田 正二君        運輸省自動車局        長        中村 四郎君        運輸省自動車局        整備部長     犬丸 令門君        運輸省航空局長  高橋 寿夫君    事務局側        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        警察庁交通局交        通指導課長    広谷 干城君        警察庁警備局警        備課長      若田 末人君        大蔵省主計局主        計官       角谷 正彦君        運輸大臣官房観        光部業務課長   小池 公隆君        運輸省航空局飛        行場部長     田代 雅也君        建設省都市局都        市計画課長    海谷 基治君        自治省行政局行        政課長      中村 瑞夫君        自治省行政局選        挙部選挙課長   大林 勝臣君        日本国有鉄道総        裁        高木 文雄君        日本国有鉄道常        務理事      山口 茂夫君        日本国有鉄道常        務理事      田口 通夫君    参考人        日本住宅公団副        総裁       上林 英男君     —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (無人速度違反取締装置運用に関する件)  (日本国有鉄道の運営に関する件)  (自動車の臨時及び回送運行許可制度に関する  件)  (大阪国際空港の騒音対策に関する件)  (道路運送法運用に関する件)  (船員選挙権行使に関する件)     —————————————
  2. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る三日、目黒朝次郎君が委員辞任され、その補欠として浜本万三君が、また、五日、浜本万三君が委員辞任され、その補欠として目黒朝次郎君が選任されました。さらに、去る七日、内藤功君が委員辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。     —————————————
  3. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 次に、理事補欠選任についてお諮りいたします。  ただいま報告の委員異動に伴い、本委員会理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事青木薪次君を指名いたします。     —————————————
  5. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会日本住宅公団総裁上林英男君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 福崎運輸労使紛争の問題について二、三お伺いいたします。時間がいたましいですから、答えも簡潔にお願いしたいと思うんです。  五十二年の十二月に大阪地方裁判所福崎運輸西由秀昭さん外十七名が雇用の地位保全仮処分申請をしたと、こういうことを聞いているんですが、この関係について、これは最初は運輸省かね——まあ警察関係関係あるから警察の方からちょっと御答弁願いたいと、こう思うんです。
  9. 若田末人

    説明員若田人君) 私の方は、これに関連をいたしまして建造物侵入事件等告訴がございまして、その面について捜査をいたしておりますので、その点については承知をいたしておりますが、警察事犯以外の地位仮処分関係等については、詳細承知をいたしておりません。
  10. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それじゃ、住居侵入の方は後でお伺いしますが、これは運輸省内容を見てみますと、岡谷工機株式会社というのがあるんですがね、岡谷工機株式会社の簡単に言えば子会社みたいなかっこうなんですね。それで福崎運輸該当者に当たってみたところが、その親会社岡谷工機の方からやめろと言われたから福崎運輸を閉鎖して全員解雇したと、こういう関係なんで、岡谷工機の方に行ってみるとそんなことを言った覚えはないということで、だれを相手にどういう交渉をしたらいいかわからないと、こういうのが現状なのです。  それで、大阪陸運局に聞いてみると、運送業免許返納申請があったけれども、陸運局は、労使紛争中の問題としてこれは受理はできないということで受理していない、しかし、福崎運輸の方は、もう終わったんだから首だ、こういうことで裁判所に提訴したと。ですから、これは運輸行政の何と言いますかね、責任なすり合いと言いますか、その責任なすり合い労働者に来ている。こういう問題では困るので、これは自動車局長に、こういう際のけじめは一体どこが責任を負うのか、子会社であれば親会社責任を負うというのは労使紛争でいろいろな判例が出ているのですが、この辺は当然私は、本件問題の当事者として処理に当たるという当事者能力をやはり岡谷工機が持って本件問題に奔走すると、そういうふうに指導すべきだと、こう思うのですが、局長どうでしょうか。
  11. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 先生御指摘の福崎運輸は、昭和三十四年に一般区域限定貨物自動車運輸事業免許を受けまして、大阪府を事業区域としまして、車両十両で営業をやっておりました。そのほか港湾運送事業も行っている会社でありますが、いまお話しのような状態で、資本金百万円の会社でありますけれども、過去四年余りで一億六千万円ほどの累積赤字を計上しまして、再起不能ということで、五十二年、昨年の十一月に運送事業廃止許可申請書大阪陸運局長あて提出してまいったわけであります。  この申請に関しまして調査をしますと、昨年の十一月の十一日に会社解散登記がなされておりまして、また本年の一月に大阪地方裁判所特別清算開始申し立てをしまして、その決定を得ておるわけであります。また、昨年の十二月に従業員組合側からは、大阪地方裁判所身分保全仮処分申し立てをしておる、こんなような状況でございまして、従来こういった労使紛争案件につきまして、事業廃止許可をいたしまして、それが裁判所で争われるというような事態も出ておりまして、私どもとしては、こういった動きを見守っておるというような状況であります。  いまおっしゃいました親会社という関係福崎運輸系列という関係につきましては、資本金百万円でありまして、代表取締役の麻植という方が全額持っておりまして、その関係で、福崎倉庫なり、岡谷工機というものと系列関係というのが現状においてまだ定かに把握していないわけでございます。
  12. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 これはもうきょう時間がないということが言われたものですから、深入りはしませんが、警察の方で住居侵入罪ですか、住居侵入罪で調べているということですが、これは運輸大臣、私はこういうタクシーとか、トラック紛争をずっと手がけてくると、非常に労使関係がうまくなくなって、解雇された方はとてもたまったものじゃないから会社抗議に行く。抗議に行くと、俗称暴力団皆さんがおってこれはチャンチャンバラバラになる。チャンチャンバラバラになると殴った、けったと言って刑事事件だ、あるいは住居侵入罪だと言って首になった、抗議に行ったおっさんがつかまってぶち込まれると、そういうことを繰り返しているのですよ。だから私は、いま局長因果関係はまだ明らかでないと、こう言っているのですが、少なくとも私は、自動車道路運送業免許を与える際に、最低限、社会的公正をやらないような連中には免許をやるべきじゃないんですよ。私はそう思うんです。法律が悪かったら、法律を変えなさいよ。  したがって、トラックでもタクシー運転手でも、働いている運転者をけもの扱いする、そして分が悪くなれば警察と連携してぶち込むと。警察警察で、それを受けると、いま大阪府警とか西警察署は、労働争議とかこういうものがあったというんで、おたくのお巡りさんがぶらぶら私服で入っているということがますます刺激になっちゃってまたぶつかってしまう、こういうかっこうで悪循環で、全部働いている労働者の方にしわ寄せがきてしまうという点は何としても私は運輸行政で一回見直してほしい。警察の方から答弁していますが、大臣として、トラック免許関係については、もう一回社会的公正として、人間らしく働いている運転者を扱うための私は免許見直しをしてもらいたい、こう思うんですが、政策論として大臣、どうですか。
  13. 福永健司

    国務大臣福永健司君) いまいろいろお話を伺いましたが、われわれも当然働く人々に対して温かい配意が及ぶようにしなければならないことは当然だと考えます。必ずしも事情を私みずからつまびらかにいたしておりませんが、よく調べまして、ただいまのお話の趣旨に合うように考えてまいりたいと存じます。
  14. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 大臣、ぜひ見直しをしてもらいたい。私は意見ありますから、道交法運送改正条文などについても自動車局の方に出しまして具体的にやってみたいと思いますから、配慮してもらいたいと思うんです。  それで、警察が二十二日、二十三日、不法侵入ということで九名に出頭命令を出したと、こう言われるんですが、その後にも、現場からの皆さんの意見によると、職制、会社側との連絡ということでいろんなことがされているようなうわさといいますか、疑念といいますか、そういうものがあるわけなんですよ。ですから、私は、労働紛争という際には、警察側として、一般犯罪者の問題もわからないわけではないんですが、その辺の、いま大臣が言ったようなことも含めた、やっぱり私は人間的な配慮といいますか、そういう点が必要ではないかなと、こう思うんですが、警察側の考え方をこの際聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
  15. 若田末人

    説明員若田人君) ただいま運輸大臣から御答弁がございましたとおりでございまして、警察といたしましても、従来から労働運動に対しまして干渉する気持ちは毛頭ございません。今回も干渉しているという気持ちはございません。ただ、ことしの四月十四日、岡谷工機責任者から大阪府警に対しまして、三月二十五日から四月十日の間に、四件ばかりだそうでございますけれども、福崎運輸の分会員等によります建築物侵入事案があったということで告訴がなされております。御承知のとおりに、告訴がございますと、刑事訴訟法の二百四十二条によりまして警察官は捜査をしなければならない。捜査をするについては、これもまた刑事訴訟法百九十八条によりまして一応出頭を求めまして事情を聞くと、こういうことに相なっておりますので、警察基本的立場は、正当な労働運動に対して干渉する気持ちは毛頭ございませんし、ただしかし、労働運動とは申しましても、あるいはそれに随伴いたしまして違法行為があった場合には、あるいは告訴等があった場合には、所要の捜査をしなければならないのは警察の当然の責務と考えております。
  16. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 まあそれ以上聞いたって同じことを答弁するんだろうから、私はきょうは時間がないから言いませんが、一つだけ言っておきます。  昭和五十三年五月二十六日、朝日新聞の朝刊に出ておる問題等について、十分調査をしておいてもらいたい。案件は言いません。あなた方がそういう答弁をするならば、私は神戸港の問題で大分中に入って、暴力団その他の問題についても県警とか警察から、大分中に入って聞いたことがあるんですけれども、そういう答弁をするなら、それらしくひとつ別な方の、暴力団労働者に食ってかかってくるというようなことについても、私はあなたがいま言った答弁のことをやっぱり相手方に対してもやってもらいたい。案件は言いません、新聞見るとわかりますから、調査をしてもらうということで、要請だけして終わります。  それから、次は速度違反自動取り締まり装置最近あちこちに出ているんですが、これは正式の名前は何というんですかね、アメリカ製オービスIIIと言ってみたり、イギリス製はムルターノーバーと言ってみたりするんですが、正式なこの取り扱いの、道交法上のこれの正式の名称は何と言うんですか。
  17. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 道交法上この装置名前について規定はいたしておりません。通称われわれ無人速度取り締まり装置ないしは無人速度監視装置と呼んでおります。  それから、オービスIIIとかそういうふうなものは、いわゆる商品名でございます。
  18. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 これは一体警察予算のどこから出ているんですか。われわれが前にやっておった陸上交通安全対策関係予算整備費という関係から出ているのか、あるいはどこか民間から寄付してもらっているのか。大分実際当たっている方が地方で調査とか話し合いしても、出場所が明らかでないと、こう言っているんですが、どの予算からどういう形で購入しているのか、明らかにしてもらいたいと、こう思うんです。
  19. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 現在全国でこの無人速度監視装置七台を運用いたしておりますけれども、その中で国の補助金を二分の一つけました県費で購入しておるもの、それから団体から寄付をいただいておるもの、この二つの種類がございます。
  20. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 すると、国庫が二分の一、県費が二分の一、そうですか。
  21. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 県費で購入するものにつきましては、県費が二分の一、国の補助金が二分の一入っておる、こういうことでございます。
  22. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 もう時間がないから、これの予算科目とか購入の実情とか補助実情とかという点は後で数字で出してもらいたいと思う。その点いかがですか。
  23. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 提出いたします。
  24. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それから、この自動装置取り締まり方法ですね、幾つかの問題があると思うんですが、これは写真撮って後で呼び出しと、こういう装置なんですね。写真の、この機械精密度といいますか、絶対間違いないのかどうかということについて、関係者皆さん説明を受けてないと。ちょっと話を聞くと、絶対安全だといって安全一点張りでやられてしまう。この安全性というのは、少なくとも人間をつかまえて罰するんですから、警察だけでない、客観的にたとえば精密度は、何とか委員会とか交通安全協会とかありますわね、そういうところで一応テストをして間違いないんだと、そういう精密度についてどうなのかということをひとつ。
  25. 広谷干城

    説明員広谷干城君) この無人速度監視装置は、いわゆるセンサー道路に埋め込みまして、そのセンサー走行する自動車速度をキャッチをいたしまして、一定速度以上の車につきましては、機械の中に組み込まれておりますコンピューターが作動をいたしまして、写真あるいは走行速度というものを記録するというシステムになっておるわけでございますけれども、これの試験につきましては、まず出荷前に社内におきます試験を十分いたします、また検定も十分いたしますということはもちろんございますけれども、日本時計検査協会というところの立ち会い、それからわれわれの方の警察からの立ち会いもいたしまして、精巧に動くかどうかということを出荷前に調査をいたしております。  また、こういう機械を設置いたしまして直ちに翌日から取り締まりを開始するということではございませんで、おおむね一年間程度実際にこの速度監視装置が正常に作動するかどうかという、いわゆる実用試験とでも申しますか、そういう試験をいたしまして、たとえばパトカー一定スピードを出してみる、そうするとパトカー計測をしたスピードとこの計測というものが合致しておるかどうかというふうな点につきまして長期間かけまして検査実験を行うわけでございます。また、そういうふうにしし運用を開始いたしましても、途中で狂いがないかどうかというふうなことは期間を定めまして精密な検査をいたしておりますし、また、先ほども申し上げましたような実際の走行をしてみて、この機械というものが狂いを現出してないかどうかということは実験をしておりまして、まずこの機械の精度につきましては、われわれ十分な自信を持って運用しておるところでございます。
  26. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 だから私は、そういう自信を持っているのなら、たとえば業界の代表とかあるいは全自交のような労働組合代表とか、あるいは運輸労連、トラック皆さんであるとか、こういう皆さんが、具体的にどういうものかを説明してほしいとか、あるいは調査をさせてくれという場合には、やっぱり私は、お前らは信用しないのかとおどしつけるのじゃなくて、こういうものであるからこれに対する信頼感を持ってくれというふうに、むしろ機械に対する信頼感を持たせるためには、そういう方々が質問とか内容とかといった場合には、当然どうぞ見てくれと言って信頼を持たせると、そういう方向に私はやるべきだと思うんですが、その点はどうですか。どうも聞いてもなかなかおえらい方が教えてくれないという話もあるので、その点はどうですか。
  27. 広谷干城

    説明員広谷干城君) われわれこの機械につきましての自信は持っておりますけれども、いろいろな形で、この機械信頼度につきまして皆さんの御理解が得られるような方法につきまして検討いたしてみたいと、かように考えております。
  28. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それからこれは私も見たことはないから、人から聞いているので申しわけないのですが、この装置にはハイヤータクシーなどの普通車は一〇〇%検挙されているけれども、たとえば大型トラックとかそういうものについてはほとんど検挙率がゼロだと、こういうことをある資料から言われたのですが、これは機械がそういう大型が入らないかっこうになっているのか、タクシーとかハイヤーとかこういうものだけを集中的にとらえる。ですから、とらえる車種一定しない。逆に検挙率の方は、タクシーならタクシーはばんばん検挙されるけれども、大型の方は砂利トラとか白トラとか、ああいうものの方はなかなか出てこない。どこに問題点があるんだろうかということなんですが、これはどういう——構造が悪いのか、いまのところそういう限定をされておるのか、その辺の事情をちょっと聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
  29. 広谷干城

    説明員広谷干城君) この自動監視装置につきましては、実際の運用は、たとえば三十キロ以上をオーバーしておる車について写真を撮って記録するというふうな、一定速度を決めまして、それ以上の車については、違反している車はすべて写真を撮る、こういうふうな形で運用いたしておるわけでございます。  で、大型トラック等については、構造として撮れないのじゃないかというお話でございますけれども、大型の車につきましても写真が撮れます。記録もできるわけでございまして、現に大型トラックにおきましても検挙をしておるという実情でございます。  なお、この写真は正面から撮ります。したがいまして、二輪車等前部ナンバープレートをつけておらない車につきましては、顔写真は写りますけれども、ナンバープレートがないために実際の車を特定できないという点は機構上ございますけれども、これも顔写真等によりまして追跡捜査ができるものについては追跡して捜査するということで現在運用しておるところでございます。
  30. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃあここ三年ぐらいの車の車種別それから地域別それから速度違反状況などについて、私も検討してみたいと思いますから資料として、こういう申し入れがおたくで握っている資料と合わせてみてどうなのかということを検討したいと思いますけれども、三年分ぐらいの乗用、営業、自家用、自動二輪、貨物砂利トラなども含めた車種別違反状況資料を提示願いたいと、こう思うのですが、いかがですか。
  31. 広谷干城

    説明員広谷干城君) まだ運用を開始いたしまして間がないので、三年間という数字が出せるかどうか検討いたしてみたいと思いますけれども、ちなみに兵庫県警で昨年中に取り締まりをいたしたものがございます。これは国道四十三号線と二十九号線に設置をいたしておりますけれども、昨年中千百件ばかりの取り締まりをいたしております。その中で普通乗用車が八百七十件ばかり……
  32. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 資料を出してもらえるかどうかでいいです、時間がないから。では資料をお願いします。最近出している資料で結構ですから出してもらいたい。  それから、これも相当議論のあるところですが、たとえば違反をしておった皆さんが画面に写って知らないまま行ってしまって、後で呼び出しを受ける、こういうシステムなわけですね。そうすると、違反をやってしまった本人の違反というものに対する危険意識というか、あるいは今後注意しなければならないということ、そういうことが時間的に見ると過去のものになってしまう。だから、道交法違反者に注意するというのはやっぱりその段階で、おまえさん違反しているよ、注意しなさいよと、そういう現場主義というか、そういうものがこの装置に開発できないだろうか。犯罪捜査でも顔写真やってああでもないこうでもないとやってしまうこともありますが、そういう犯罪捜査と同じようなかっこうで、それからもう一つは、私はこんなことはしないと言って弁明、弁護というか、そういう場がないわけですね。これは機械だから絶対間違いないんだということでやられてしまう。そういう交通事故防止現場主義というものに対しこの自動監視装置がやはり幾つかの問題を抱えているんじゃなかろうか。したがって、その辺の問題をどういうふうに処理するか。これは交通安全対策特別委員会事案かもしれませんが、そういうことについて開発する必要性があるんじゃないかと思うのですが、どんな考えでしょうか。
  33. 広谷干城

    説明員広谷干城君) これらの機械を設置しておりますのも、スピード違反を取り締まって検挙するという目的だけにこれを設置いたしておるわけじゃございませんで、むしろこういう機械を設置することによりまして、適正なスピードで走っていただくことが必要だという意味で実は設置をいたしておるわけでございまして、そういう意味では、これらの機械が設置されております場所の前後にはこの種の機械で監視をいたしておりますよと、また、監視をしなければならぬだけ危険な場所でございますから、ひとつ安全運転をお願いをいたしますという趣旨の広報を事前にやってこの機械運用しておるという実情でございます。したがいまして、この機械を設置いたしましてから事前事後の速度等を測定をいたしてみますと、実際の速度が落ちておるという統計もございますし、また、騒音等につきましても落ちておる、交通事故も減っておるというふうな状況も統計的には出てまいっております。御指摘ございましたように、違反現場で注意するシステムにはならぬじゃないかということでございますが、これは機械の性格上実は事後操作が基礎になるわけでございます。ただ、今後開発の仕方いかんによっては、たとえばスピードオーバーした車には何らかの形で道路からでも信号が出せるというふうな装置も、今後の課題といたしましては十分開発できるような工夫をしていかなきゃいかぬのじゃないかというようなことで検討はいたしておりますけれども、現在まだそのめどを申し上げる段階までには至っておらない状況でございます。
  34. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 これは雇用問題にも関係するんだけど、交通関係でお巡りさんを採用するというと余り抵抗ないですよ。成田問題であんた成田に一万四千人も集められるから、お巡りさんは余っているのかという逆に疑念もありますがね。私は全国歩きますと、どこだったか、北海道だったか、スピード違反するとピンコンピンコンと鳴る装置もあるんですね。ある一定超すと要注意のピンコンピンコンと赤ランプがついて鳴る装置もあるんですよ。だから、これだけの機械化時代だから、やっぱりスピードで三十なら三十出れば赤ランプがついて何か鳴って、そこにお巡りさんがおって、とめて注意する、そういう現場確認ということもあわせて検討してもらいたいし、交通安全のためにお巡りさんの増員ということについては私はそう余り抵抗ないと思うんです。そういうことも含めて併用現場主義ということについて私は前向きにぜひ検討してもらいたい、こう思うんですが、ひとつどうですか、検討の材料になりますか。
  35. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 交通の安全というのは、取り締まりだけで確保できるものではないということは十分承知いたしておるわけでございまして、取り締まりももちろんでございますけれども、現場での指導あるいはいろんな機械力を導入することによって安全速度等を保持する方法があるとすれば、むしろそのことが大変大切なことだというふうに考えておりますので、今後とも御指摘のような点につきまして研究なり努力なりをいたしてまいりたい、かように考えております。
  36. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃ、お願いします。  同時に私は、先ほど資料をもらう際に、できれば無人速度違反取り締まり装置の各県別の設置台数といいますか、設置台数と、あんまり数がなかったら設置個所と、それから予算がどのくらいかかっているかなどについても、できれば追加した資料としてお願いしたいと、こう思うんですが、いかがですか。
  37. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 検討いたしたいと思います。
  38. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃ、よろしくお願いします。  それから、これは別な案件ですが、船員雇用促進センターの関係でちょっとお伺いします。これはこの委員会で、去年の十一月ですか、なかなか時間がないままにやってしまったんですが、その後、この前六月一日に発足をしたと、そういうことのあいさつがありました。この六月一日の記者会見の中で、この前の大臣答弁とちょっと食い違っているような記者会見の話があったという点で、私も聞いたわけじゃありませんから、何かネタがないかといって探したところ、「日刊海運速報」五十三年の六月五日、第千九百二十七号、こういう業界のプリントがありまして、この業界のプリントを見ると、この新聞記者発表で言われたように、大体乗船の皆さんはいわゆる賃金コストは二分の一から三分の一だということをきちっと語っているわけです。これは大臣が言ったとおり、業界と全日海、それから船通労、この二つの組合で結んでおるまあ労働協約、その点を軸にしながらやると、そういう点で、この港湾労働法をつくったような段階のいわゆるそういうものにはならない、いわゆる港湾労働者のやみ集めですか、そういうことはしないという大臣答弁をしておるんですが、これはどういう行政指導をしておるのか、業界からそういう連絡があった際に、おたくの方ではそれでオーケーと言ったのか、いや大臣がこういう答弁をしているからこういうふうにしなさいと言って業界を指導したのか、その辺の経過をまず冒頭聞きたいと、こう思うんです。
  39. 高橋英雄

    政府委員高橋英雄君) 先生御指摘になりましたセンターの会長の記者会見のときの発言内容につきましては、私どももその真意を確かめてみたわけでございますが、それによりますと、船員船員費コストが日本船の場合のせいぜい半分程度でないと、なかなか現状では、日本人の船員を乗せてくれる船を見つけるのはむずかしいという趣旨の発言をしたというふうに聞いております。まあ現在のような非常に厳しい情勢のもとでは、いい労働条件で多数の日本人船員を外国船に乗せていくというのは容易なことではないと思いますけれども、ただ運輸省といたしましては、国会におきます運輸大臣答弁に従いまして、センターを通じて外国船に日本人の船員を配乗する場合の労働条件については労働協約を参酌して決められるように今後とも行政指導をしてまいりたい、かように考えております。  なお、センターの会長の発言にありました、船員費コスト二分の一云々という点でございますけれども、一般的に日本の船の場合に船員費コストという中には、予備員にかかわりますコストとか、あるいはその乗船中の乗組員には直接支払われない付帯経費、たとえば保険の費用とか、そういったものが含まれておりまして、こういうものを除きまして、乗船中の乗組員にかかわります信金コストだけを取り出してみますと、それは全体の船員費コストの半分程度というのが通常でございます。したがいまして、会長の発言にありましたような船員費コストがせいぜい半分程度という場合のその半分というのは、ストレートに労働条件が半分になるという意味でないことはひとつ御理解をいただきたいと存じます。
  40. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 この船員の雇用が厳しいということはわかるんですけれども、しかし、これは船員の諸君が偶然にこうなったんではなくて、いろんないままでの——これは造船不況で大分やったことですからもう繰り返しません。ですから、やっぱりあの大臣答弁を生かすためにどうあるべきかということについて、むしろ厳重な監督と監査を続けてもらうということを要請いたします。  これと関連して伺いますが、マルシップ、仕組み船の問題について大分去年やって、資料を出すと、こう言っておったんですが、いまだに私の手元には資料が来ないんです。ですから、なぜこのマルシップ、仕組み船の——現場船員皆さんに聞くと、まあ皆さんが調べるには簡単なものだと、そう言っているんだけれども、なぜこの行政官庁になると現場で簡単な調査が行政官庁で集まらないのか。それで、私が質問したのは去年の十一月ですからね、いま六月ですからもう七カ月もたっているんですよ。七カ月もたっているというのは、結局むずかしいむずかしいということで、マルシップ、仕組み船の問題には行政は手をつけたがらないと、こういうふうに私は疑わざるを得ないんですが、このマルシップ、仕組み船の資料は確実に出せるんですか、出せないんですか、その点をひとつお伺いしたいと、こう思うんです。
  41. 後藤茂也

    政府委員(後藤茂也君) マルシップに関する資料を出せということははっきりと伺っておりますし、時間がかかって申しわけございませんが、ただいま鋭意資料を整備中でございます。
  42. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 整備といったって六カ月もかかって……。
  43. 後藤茂也

    政府委員(後藤茂也君) 御要望のような資料ができました暁にはそれを提出するようにいたします。
  44. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それじゃ納得できないね、時間がないからあれだけれども、六カ月も七カ月もかかって資料調整中とは。一体それじゃ何をネタに行政はマルシップのチェックをやっているんですか、許可を。何かネタがあるからネタに従って許可しているんでしょう。あんたたち全然知らないままにマルシップとか仕組み船が出てくるわけがないでしょう。全部おたくのある場所を通って、——もう言いません、ある場所を通っておたくのところに行っているんでしょう。それが何で六カ月もできないんですか。大臣、これどうですか、これは大臣責任だ。六カ月もかかっていま資料調整中だと、そんなのはありますか、何をネタに調整をやっているんだ。
  45. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 私、余り詳しく事情承知いたしませんが、お話の趣旨を伺いつつ、ぜひ急いで御要望に応ずるようにさせたいと存じます。
  46. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それじゃあ、どのくらいかかりますか、逆にお聞きしますが、局長どのくらいかかります。
  47. 後藤茂也

    政府委員(後藤茂也君) 一カ月くらいの御余裕をいただきますならば、先生に御説明できるような資料が整備できるのではないかというふうに考えております。
  48. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃあ、それを信用しましょう、一カ月とみなして。それもらわないと、私、マルシップ、仕組み船の問題、前に言った雇用促進センターの問題をやろうと思っても、基礎の資料がありませんから質問も抽象的になっちゃうんですよ。私、それいやだから資料をくれと言ったんだから、それをもらったらマルシップを含めてやりたいと思いますから、じゃあ早急にお願いいたします。  一時間半の予定で集めたネタが四十分となりましたので、最後に国鉄総裁、東北線の揺れといいますか、私も一カ月に毎週ぐらい乗って帰っているんですが、私も運転屋の一人ですからわからないわけじゃありませんが、この前、揺れ脱線しましたね。あれは本当に一つの警告で、やっぱり東北線の路盤強化——新幹線もありますからわからないわけじゃありませんが、しかし事故が起きたら、もう新幹線建設のために手を抜いたとは国鉄側では釈明できないんですから、やっぱり東北線、上越線、この辺の列車の揺れは、安全だ安全だと言っているうちに大変な事故になってしまうから、やはり悪いところは悪いというふうに指摘して思い切って直してもらう、そして、大臣の方もそういう意味では対大蔵省にも納得してもらう、そういう思い切ったことをやらないと大変な社会的な事故を起こしてしまう、こういうことを毎週乗っていながら、毎週心配しているんです。ですから、東北線の整備について総裁なり運輸大臣なりどういう考えでおるのか、見解を聞いて私の質問を終わります。
  49. 高木文雄

    説明員(高木文雄君) 四十二年でございましたか、あの時点のダイヤ改正でスピードも上げましたし、フリークエンシーもふやしたわけでございますが、どうもそれに少し無理があったんではないかというふうに思われます。現状いろいろ努力をいたしておりますけれども、なかなか回復をしない。いま、ここ数年はもうこれ以上悪くなるという状態ではございませんけれども、なかなかいろいろな努力にかかわらずよくならないというので困っておるわけでございまして、現在の計画では、この十月のダイヤ改正の際に大変サービスダウンになりますので、お客様には御迷惑とは存じますけれども、いまお触れになりましたように、安全の問題もありますところから、一部列車間合いをとって、もう少し保守の方に力を入れる、列車間合いをとるということは、当面ちょっとその時間帯の列車が運休のような形になりますので御迷惑をかけますけれども、強いてそれをいたしまして、間合いをとって修理の方に時間をかける、さらに一部到達時分をずらす、つまりスピードを落とすということをいたしたい。これまたスピードが落ちるということは従来余り考えなかったことでございまして、それだけサービスが落ちるわけでございますが、まさにいま御指摘のように、何分安全の問題がありますし、これは技術専門家の方では心配ない、脱線とか転覆とかいうような心配はないと申しておるわけでございますけれども、しかし乗り心地が悪いということはお客さんから見ますと非常にサービスが悪いということになりまして、営業の方から言いましても決していい結果を生みませんので、若干でございますけれどもスピードをむしろ落とすということをいたしたい、この十月の改正の機会にそれを織り込みたい、ごく一部でございますけれどもそういうふうにいたしまして、乗り心地の回復と、保守間合いの確保を通ずる保守強化をいたしたいと思っております。一部で大変お客さんにある意味でまた御迷惑をかけることになりますが、よろしくお願いをいたしたいと存じます。
  50. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 最後にもう一つだけ。  新幹線の保安列車ね、これは総裁、連絡なかったら後で検討してください。夜間工事やる際には、工事をやった後保安列車を全線動かすわけですね。夜間作業やらない、保線作業やらない際には保安列車を動かさないで、とっぱなから六時のひかり号が出てくるということで、六時の始発の運転手は非常に不安な気持ちで二百キロの運転をやっている。だから、終列車が行ってから始発列車まで空間があるわけでありますから、最近は列車妨害とか、子供が線路で遊んだり、もぐっていくものですから、柵があってもやってくる。したがって子供は標的に入りませんから、やっぱり保安列車は保線作業にかかわりなく一番列車の前に動かしてもらいたいということを非常に乗務員が強く要望していますから、これはひとつ答弁要りませんから、これも含めて検討してもらうということ、以上です。
  51. 青木薪次

    青木薪次君 去る八十二国会におきまして、運賃の法定緩和と同時に日鉄法の六条の改正が行われまして、国鉄の投資範囲の拡大という問題を含めて、抜本的な改正がなされたわけでありますが、このことは積み重なる国鉄の財政悪化について、運輸収入とともに関連事業の拡大を通じて収入の道を開いていきたい、これが大体立法の精神だったように考えております。  そこで大臣、この六条改正に伴う関連事業の拡大について大臣はどういうようにこれから指導されていかれるか、御答弁願いたいと思います。
  52. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 御質問はかなり広範囲にわたると思いますが、いずれにいたしましてもなるたけ赤字を少なくする、経営の改善をするという一面からは、できるだけいろいろやって収益を上げるということではございますが、同時にまた私といたしましては国鉄の使命ということからいたしまして、何でもかんでもむやみやたらにやってもいいということでもない、こういうように考えます。いろいろいま国鉄でもそういう面から検討をいたしまして、従来に比較いたしますとかなり広範囲になるようでございますが、一方において収益を上げていくと同時に、国民から見まして国鉄が余りがめついとか、どうも民間から見てはなはだおもしろくないとかいうことを言われるようなことはなるべく避けなきゃいかぬ、こういうような考えで私は臨んでおる次第でございます。
  53. 青木薪次

    青木薪次君 静岡駅付近の高架化に伴いまして、広大な駅周辺用地及び高架下が開発可能になると思われているわけでありますが、これはどれくらいの規模になるんですか。先日も私ども国会議員も入って駅周辺開発に対するいろいろと協議会が開かれたわけでありまするけれども、この規模についてお教えを願いたいと思います。
  54. 山口茂夫

    説明員(山口茂夫君) 静岡駅周辺の高架化事業は、国鉄の用地が関係しますのは大体十七万平米強ございます。そのうち駅前広場あるいは交差道路の用地等として都市側に帰属いたしますのは三万平米弱でございます。したがいまして、国鉄に残りますのは約十四万平米、そのうち高架化事業そのもの、あるいは駅前広場、国鉄の業務機関等に使います用地が十万平米ほどございます。その残りの四万平米弱が用地としては関連事業に充て得る土地ということになっております。  それから、同時に高架化工事が行われまして高架下が構造物として使われるわけでございますが、その使用できる面積が約四万平米でございます。そのうち運輸省と建設省の協定によりまして地方自治体にお渡しする高架下が約三千平米でございます。それから、国鉄の業務機関に使われます面積が約一万二千平米、したがいまして、高架下でいわゆる開発事業に充当できます面積は約二万五千平米ということになっております。両方の土地を合わせますと、約六万平米強が土地と高架下で開発事業に使われるということになっております。
  55. 青木薪次

    青木薪次君 いつからこれを実行に移すんですか。
  56. 山口茂夫

    説明員(山口茂夫君) ただいまの予定では五十五年の四月以降ということになっております。ただ、面積が非常に広いことと、地区が分かれておりますので、段階的に開発していきたいというぐあいに考えております。
  57. 青木薪次

    青木薪次君 昨年の十二月に成立した関連事業の投資の拡大に対する最大の具体的案件のように思われるんですけれども、この推進体制は一体どうなっているんでしょうか。
  58. 山口茂夫

    説明員(山口茂夫君) 国鉄の本社では、従来事業局が一括して管理しておりましたんですが、新しくつくるこういう案件に対しまして、前向きの仕事ばかりをやる開発局というのをつくりまして、新しい案件に対応する専門の部局を本社に置く、また静岡につきましては、浜松、静岡等非常に大きな対象のものがございますので、東京、大阪というような大きな都会と同時に開発部を設けまして、土地の事情に詳しい適任者を充てて陣構えをいたします。また地元の方でも対応する市当局あるいは市が中心になりました地元の協議会等ができておりますので、これと対応して開発を推進したいと思っております。なお、事柄が非常に大きゅうございますので、地元と御相談をいたしまして、中心になって責任を持って推進していく母体も近くつくりたいと考えております。
  59. 青木薪次

    青木薪次君 従来の規定では、鉄道と直接つながりのあるものだけしか投資できなかったのが、用地であれば離れていても投資可能だということになったわけですね。加えて営業線の利用の促進とか、鉄道旅客の誘致になるものなら何にでも投資できるというようになったわけでありますけれども、具体的には投資対象を規定している施行令の改正がいまだもってこれは出ていないということなのであります。現行施行令の第一条に十項目ほどありまして、臨海鉄道、バスセンター、倉庫業、パイプライン、駅ビルといったようなものが投資できる事業として規定されているわけでありますが、新しい投資対象をしていくことについて、まず施行令の改正が非常におくれていると思うんでありますけれども、われわれ委員としてはそのことを早くしていただくということについて、ひとつ監督局長から簡潔に答弁してください。
  60. 住田正二

    政府委員(住田正二君) 御指摘の施行令がおくれておりまして大変申しわけないと思っているわけでございますが、遅くとも来週中には閣議に出しまして、政令の制定を行いたいと考えております。
  61. 青木薪次

    青木薪次君 すぐさま出すということでありますので、それをひとつ検討したいと思いますが、これだけの広大な開発計画であるだけに、地方自治体並びに地元産業との調整が実は必要だと思うんであります。これが問題であると考えるけれども、この点どういうように考えているのか、お伺いいたしたいと思います。これは総裁です。
  62. 高木文雄

    説明員(高木文雄君) 従来からどうも鉄道のやり方は少し自分本位であるといいますか、地元の方々との協調において欠くるものがあったと思うわけでございます。これから資産の活用ということでいろいろの事業を従来よりもやや拡大といいますか、活発にといいますか、仕事を進めていくためには、こちら側といいますか、鉄道側の都合からだけ申しましても地元の御協力を得なければやっていかれないという情勢になると思います。それから本来鉄道側の立場を離れて考えましても、町の中心にかなりの面積の用地があるということで、これが場合によりますと都市の発展を阻害をしておるというようなこともございますので、資産を活用して国鉄の経営に寄与するという立場とは別な立場から申しましても、やはりこの土地を活用すべきであるということが言えると思いますので、そうした面から申しましても、また都市側と申しますか、地域住民の方々の御意向を十分に受け入れた形で事業を進めてまいりたいと思うわけでございまして、そのことはいまかなりやかましくそういう角度で指導いたしておりますので、だんだんいままでよりは、いま申しましたような方向で物事の処理に当たる空気が醸成されてくるのでございましょうし、またそれによって実施することになろうかと存じます。
  63. 青木薪次

    青木薪次君 建設省の都市局にお伺いしたいと思いますが、建設省の都市局は、高架工事そのものが建設省と国鉄との協定でなされているというように思うんでありますが、このこと自体が都市計画事業でありますから、決定したのが四十七年一月二十八日で、すぐさま四十七年二月十七日に半月ほどで認可されているわけであります。このことについて、その後五年たてば再調査して変更することになっているんだけれども、これはどうも変更はないようであります。この決定に伴う公聴会その他行うことに義務づけられておりますけれども、これも公示その他についても、あるいはまた公聴会そのものの形式や態様についてなかなか住民のサイドに立った形には必ずしもなっていないというように私は考えております。したがってそのことによって、気がついたら何か春雨のようなものですっぽりぬれておったということにならないようにしなきゃいかぬということを考えているわけであります。個人、団体の権益というものがこれによってきわめて重大な制限を受ける、あるいはまた街路事業その他の関係についてもそういうことだし、都市開発の問題等についても当然住民のニーズに合ったような形で変更もあり得るということをしていかなければならぬと思うのでありますけれども、建設省はどう考えていますか。
  64. 海谷基治

    説明員(海谷基治君) お答えいたします。  先生ただいまおっしゃいましたように、都市計画あるいはそれに基づきます都市計画事業というものにつきましては、法律の制度の中におきましても、必要な場合には公聴会を開いてよく説明をする、あるいは意見を聞く、それから手続としましても、案につきまして公告し、利害関係人の意見を聞きながら決めていく、最終的には都市計画審議会というところで、一次決定の場合には知事さんが決めるというふうにもなっておるわけでございます。なお、また実際の例としましては、案をつくる前にそれぞれの地区といいますか、そういうところで県なりあるいは市町村の関係の方々が十分説明会等行いまして、案の段階での説明も行っていくということでございますので、そういう手続の中におきまして、住民といいますか、そういう方々の御意向はできるだけ反映していくというふうにはなっておるというふうに考えておるわけでございます。
  65. 青木薪次

    青木薪次君 私は公平な立場に立っていろいろ考えた場合に、この膨大な、先ほど山口常務から説明のありましたように、この用地が逆に、市民サイドの協議会を開きますと、おれのところの土地だと、こう言う。それから、この六条改正というものは国鉄財政再建という課題を背負ったものだと、こういう立場がある。そういうことになりますと、市民の土地であるという声ですべて町のいわゆる有力者、悪く言えば顔役の立場でどんどん決められてしまう。そして、これを認めろという立場に立つ。今度は国鉄の方としては、考えてみたら自分たちの意向というのは何にも通っていなかったというような問題も各地であるやに聞いているわけであります。こういう点について、その辺きちっとしておくべきものはしておかなきゃならぬ。先ほどから大臣総裁答弁を聞きますと、国鉄が今度は先行してしまうということについては十分戒めなきゃならぬということがある反面、今度は国鉄の用地というものは市民の土地であって何を決めたっていいんだという、今度は逆の意味で市民のニーズあるいはまた国鉄の内部の関係等についてそぐわない面が出てくる可能性というものが存在するというように考えるのでありますが、その点について大臣どう考えますか——時間がないから鉄監局長でいいです。
  66. 住田正二

    政府委員(住田正二君) 確かに御指摘のような問題が起き得る可能性が多いと思います。しかし、国鉄がこの土地を持っていることは明らかでございますし、また運輸省と建設省との協定によりまして、都市側に渡すべき割合もはっきり決めてあるわけでございますので、確かに地元との調整は要ると思いますけれども、今後国鉄の再建を行っていく上におきましてこういう関連事業収入が占める役割りも決して小さくないわけでございますので、そういう点について、地元の方に国鉄が事情をよく説明して納得をしてもらうようにするのが筋ではないかというように考えています。
  67. 青木薪次

    青木薪次君 それから職場に近接して設備の完備した住宅をつくれというような意見あるいはまた働くときは一生懸命働いて、遊ぶときには存分遊ぼうじゃないかというようなこととか、大都市には過去の巨大な社会資本の蓄積があるのだけれども、この巨大な資本を休ませることなく稼働させようとか、あるいはまた大都市は、二十四時間休止させることなく働く二十四時間都市でなければならぬとかいったようなことがアメリカあたりじゃいろいろ言われているようであります。こういう中で六十分も通勤をするなんという、これはばかだというような意見が大変起こっているわけであります。一時はドーナツ現象というものがあった、それが今度は逆に今日のいわゆる交通アクセスの問題等でまた町へどんどん寄ってきた、したがって住宅公団やその他、いろいろとこの問題については大変な問題が起きたために、遠くて、高くて、狭いといったようなことで三万戸もいま空き家になっているというような話を実は聞いているわけでありますが、その点について職員住宅と一それからもう一つ一般の住宅建設という問題について、国鉄と住宅公団との協定によってこれを建設するというようなことが計画されていることは数々の新聞に出ているわけでありますか、住宅公団はこれをどう考えておられますか。
  68. 上林英男

    参考人上林英男君) ただいま先生から御指摘ございましたように、私どもの住宅公団の建設いたしております住宅につきましては、いろいろの御批判を受けておるところでございまして、その御批判におこたえいたしまして、交通の便利なところに皆さんの御需要に合いました住宅を建設していきたいと努力をいたしておるところでございます。また一方におきまして、国鉄の方にもそういう交通至便のところに未利用地と申しますか、そういう土地がございまして、その活用を御検討されておるということを承知いたしておりますので、できますればこの両者の困っておるところが一つになって皆様方の御需要におこたえできればということで、昨年来からいろいろと国鉄の御当局の方々とお打ち合わせをし、御協議を続けておるところでございまして、私どももそういうようないい住宅を建てさせていただけるところがございますれば積極的にこれに取り組んでまいりたい、そういう心構えでおるわけでございます。
  69. 青木薪次

    青木薪次君 都市計画の専門家に聞いたわけでありますが、いま都市の水平的発展から垂直的な発展へ方向転換をしている、土地の単層的単一目的から多層的な多目的利用への発展ということがいま叫ばれているわけでありますが、これを支える社会的経済的な考えは確固たる大都市観に基づいているということが言われております。スプロール化するよりもずっと安い費用で、もっと働きやすい、住みよい都市を建設するという立場に立って、具体的にいま私が提案したたとえば職員住宅、国鉄の職員住宅は十万戸あってもおんぼろ住宅で、四万戸は建てかえしなければならぬという住宅になっておるわけですね。それからおたくで建てたものは、さっき言ったように、三万戸も空き家になっているという、こういうような現状の中で、私どもはいま静岡で、住民の皆さんの意見を聞きながら、このことについて非常に関心を持っているわけでありますけれども、静岡において・この間、県の関係者に聞いたところが、住宅公団と話し合いを実は進めておるということが言われておりますけれども、私がいま申し上げましたような立場に立ってこの問題について特に具体的に静岡の関係等について検討する用意がありますか、あるとすればどうなっているか、ひとつ御答弁願いたいと思います。
  70. 上林英男

    参考人上林英男君) 御指摘のような状態でございまするので、現に静岡の市内におきましてはすでに中町というところで市街地の再開発をいま実施中でございます。また最近におきまして、静岡駅前の先ほどお話がございました地域とはあるいはちょっと違うのかもしれませんが、駅前におきまして伝馬町という周辺一帯につきましての再開発につきまして、市がいろいろと検討をなさっておると聞いております。その一部分につきまして、私どもに再開発としてやってみないかというような御要請もあるやに聞いております。ただいまいろいろとそういう市御当局あるいは地元のいろいろな方々と地元の事情につきまして調査をいたしておる段階でございます。
  71. 青木薪次

    青木薪次君 その点はひとつ先ほど申し上げましたように、国鉄の所有地がたとえば飛び地であってもこれを利用できると、そのことについて、いまの景気回復の大体中心的な事業としては住宅建設に負うところが多いわけですから、そういうことで、都市の空間の利用という問題と、いまスプロール化から今日やはり垂直的立場に立った思考を考えていかなければならぬということを十分考えて真剣な取り組みをお願いしたい、こう思います。  それと、いま都市空間の活用ということを言ったわけでありまするけれども、鉄道の上に住宅や学校を建てるべきだという声がいま高まってきております。こういう点についてどうでしょう、大臣、これからいろいろ、たとえば環七線とかなんとかというのは地下に入れてしまって、上に建物を建てろという声がいま高まっていますね。これで公害の除去にもなるんだというようなことなんでありますけれども、こういう関係に日本の都市計画というものは政治的な指導が足りなかったためにばらばらにいまできている。学校の隣にキャバレーがあってみたり、そういう関係が非常に多いんですね。それから、病院のそばを高速道路がどんどん大きな音をたてて走っている、公害をばらまくというような、こういう環境ですね。これを改革することがこれからの日本のやはり都市づくりにとって必要じゃないかと思うのでありますけれども、鉄道の上にそういった意味で住宅や学校をつくっていくというような構想についてどうでしょう。
  72. 高木文雄

    説明員(高木文雄君) ちょっと私から先にお答えをさせていただきます。  いま御指摘の問題は、かなり各方面から寄せられておる御意見でございます。一昨年の十二月、この前の五割値上げの運賃改定の法案御審議の過程におきまして、値上げもさることながら、資産活用をもっとやれというような御意向がありました。そのころから私どもの方でもこの問題に取り組んできたときに、やはりレールの上にいろいろな施設をつくったらどうかという御意見がかなりいろいろな方面から寄せられてまいっております。  そこで、私どもの中に、国鉄の中に、資産活用懇談会と称する十数人のメンバーによります会合を持ちまして、資産の活用のあり方を検討いたしておりますが、そこでもひとつこの問題を議論してもらったわけでございますけれども、今日までの研究の過程においては、結論的に言ってしまいますと、やや消極的な意見が強いわけでございます。なぜ消極的かと言いますと、一つは、もしそこに何か、住宅なり学校なり、あるいはほかのものでもつくるといたしました場合に、現在までの工法を前提として考えます限りは、そこに何か物をつくりますと、平地に同じような建物をつくります場合に比べまして、工費が四倍、場合によりますと五倍かかるということでございます。それはなぜかと言いますと、下に、レールに車両を走らせながら上に建物を建てる場合には、非常に施工期間中の安全要請が強いものでございますから、車が走っている間は工事ができないということで、夜間のごく限られた時間しかできないということになりますので、非常に施工能率が悪いということがありまして、工費がうんとかかるわけでございます。そういう理由から、レールの上空空間の利用というのは、どうもなかなかよほど特殊な場合でないと引き合わない、ほかに手段方法がないというようなときにはいいんでございますけれども、必ずしもそこまで追い詰められた状態でない場合にはどうも引き合わない、というのが専門家の御意見でございます。  第二は、それとは全く別の見地から、いまの都市の中のレール上空空間というものは、災害対策として非常に貴重なものだと。たとえば地震であるとか大規模な火事とかいうことがあります場合に、現在のあの空間を全部ふたしてしまうということは、災害のときの、緊急に逃げるとか、そういうときの問題との関連で非常に貴重なものである。そこで、みだりにあれにふたをするということは、地震対策それから大火災対策という角度から言って問題であるという意見が多いわけでございます。  しかし、われわれの持っておりますところの都市の重要部分の空間というのは、どう見てもあけておくのはもったいないという感じがすることもまた事実でございますので、一方においていまのような御意見があると、つまり、やや消極的な御意見がかなりいまは有力であるということを頭に置きながら、なおかつ全面的にということでなしに、もうちょっと何か方法はないか。われわれとしても、非常にいい場所にいい土地があり、空間があいているわけでございますので、何とか使えないものかなということは依然として、何といいますか、魅力を感じておるわけでございますけれども、いままでのところはそういうふうな御意見の方がよりやや強いという状況であることを申し上げておきたいと存じます。
  73. 青木薪次

    青木薪次君 大臣、簡単にしてくださいね、時間がないから。
  74. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 青木先生のお話、私、興味深く、かつ大変いいお話だと思って伺っております。  国土の狭い日本は、もっともっと国土、特に東京のようなところは高度に活用していかなければならぬと思いますが、国鉄の総裁のような話は、実際の仕事に携わる人として、その種のことが多く耳に入ってくると思いますが、これだけでは政治はいかぬと。そこで、総裁の話にもありましたように、そういうことではあるが、また、魅力を感ずるというような表現をしておりましたが、われわれは大いにそういう部分について、一応それを活用するのが容易じゃないということ、これはこれでわかりますけれども、だからだめだというのではなくて、それならどうするかということに、さらにもう少し大きく発展せしめていくべきである、そういうように存じます。
  75. 青木薪次

    青木薪次君 それから次に、港湾局長ね、あなたは、八十三回国会でしたか八十四回国会だったか忘れましたけれども、実はいま国鉄の貨物の問題が非常に重大な難関に逢着しているわけでありますけれども、私は、公共輸送というものに対する見直しという問題を含めまして、もうばかの一つ覚えのように、輸送の結節点というものを中心として今日まで主張いたしてまいりました。しかも、あなたの受け持っている港湾は、特にこのごろ、特定重要港湾を初めとして、地方港湾とそれから離島港湾というものに重点を置きつつ、国民の流通関係に重点を置いて物価問題その他に対処しようという姿勢というものは私どもは評価いたしておりますけれども、前にも申し上げましたように、大井の埠頭の関係等について、あなたは、前の田村大臣のときにも、鉄監局や国鉄ともよく話し合って、そうして流通ターミナルとしての港湾が、たとえば北海道から東北から関東から東海道に向けて流れをよくしていきたいという問題について、細かいことはもうここで申しませんけれども、その具体案が実は出てこないわけです。  ところが、片方国鉄当局は、荷物が減ったから人を減らせ、あるいはまたその貨物の駅をトラック化へ廃止しろと、このことの工作なんですよ。それは、何と申し上げましても、各種の交通機関が整合性をもって、そうしていい面を出し合うということでなぎやならぬというように考えているわけでありますが、今日トラック輸送が、ある意味ではまたひとつ見直しという点が——資源エネルギーの問題や公害問題、あるいはまた交通渋滞その他交通事故の問題、労働条件の問題等をめぐって、いま私が調べている中でも、全く労働基準法やその他に違反して、ある意味ではチープレーバーと言われるくらい過酷な労働条件で動いている。こういうときに、いま流通大臣をつくれというような声さえ叫ばれているときに、港湾局の果たす役割りというのは非常に大きいわけだけれども、この点についてどういうように相談なすっているか、特に大井埠頭の問題を中心としてもう一度答弁願いたいと思います。
  76. 大久保喜市

    政府委員大久保喜市君) 先生からただいま御指摘ございましたように、昨年の十月及び十一月に同様の先生の御意見の御開陳ございました。その後、私どもこの問題取り組むに当たりましても、まず実態がなぜ鉄道に乗らないのか、どういうものは鉄道に乗るのか、そこらの実態を把握する必要があるということがございまして、実は号の件に関しまして、国鉄御当局は国鉄御当局で、それから私ども港湾関係者は港湾関係者で、それから外貿埠頭公団も関与しておりますので、外貿埠頭公団にも、この問題ひとつ取り組んでみようということで呼びかけをいたします一方、実績の把握のために、港湾統計というのがございますが、港湾統計で——これは毎年やるわけではございませんが、ときどき陸上出入貨物というのを調査をやります。昨年たまたま陸上出入貨物を、横浜とか東京とか、特定重要港湾について幾つかやることになっておりましたので、その結果の出ました時点を踏まえましてこの問題を中心に分析を試みましたところ、まだ詳細のところまでいっておりませんけれども、やはり大量定形貨物にどうも限定されているように——失礼いたしました。陸上出入貨物のうち国鉄に乗るものは、大量定形貨物限定されているように見受けられたわけでございます。それで、その結果を踏まえまして、実はまだ非公式な段階で、国鉄の課長さんのレベルとうちの課長のレベルで、この三月にデータを持ち寄って、この問題にどういうふうにアプローチしていこうかという打ち合わせをしたというところの報告まで受けております。  それで、ちなみに申しますというと、私どもの陸上出入貨物調査の結果から見ますというと、大体、港湾取り扱い貨物量のうち陸上出入貨物の中でも鉄道に依存するシェアはどうも下がっているようでございます。ただ、一つだけ特徴的なことが見受けられましたのが横浜でございます。横浜の場合に、いわゆる港に入ってきた貨物で鉄道に乗るものといたしましては原塩——塩でございますが、原塩が、シェアは下がっておりますけれども、量的には四十二年当時から比べますと、原塩が相当ふえております。それからいま一つ、港K陸上から入ってきて船に乗るものといたしましては、これも横浜でございますけれども、自動車がふえております。これはたまたま横浜では道路が非常に条件が悪いということが一つはあろうかという点がございます。またいま一つは、原塩関係で言いますと、引き込み線の入っている民間の埠頭会社の埠頭がございます。それの関係かとも思います。そこいらのようないろいろデータをさらに分析いたしまして、関係者の間で情報を交換いたしましてこの問題に取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えておる次第でございます。
  77. 青木薪次

    青木薪次君 角谷主計官ね、この前の国会で私はあなたに質問したわけでありますが、近代化を図るというようなことも含めて、輸送の分担関係を整えていくというような施策を推進するというふうな場合においては、国鉄から全体工事計画の策定その他の場面においていろいろ相談があった場合においては、大蔵省としても積極的意味で相談に応じたい、それから田村大臣も主計官に、これは前向きにひとつ取り組んでくれということを言ったというやりとりがあったわけですね。こういう関係について私は、やっぱり投資をするんだったら、これは景気回復とかなんとかでもって何でもかんでもやるというような問題ではなくて、そういうことも必要かもしれぬけれども、こういう全体として貨物の流れをよくする、いわゆる便利で安くて、しかも早く着くというような関係の、荷主のニーズに乗っていないというところに問題があるわけです。しかしこれだけの荷物は動いているわけです。動いているのは何かというと、これは物すごい神風運転で、事故も何も顧みず走っていく。九州を走ったそのトラックが東北から北海道まで走っていってしまうというような、こういう無理な運転というのが非常に多いわけですから、こういうところに、大井のようなところに投資をするということは私は非常に時宜を得た措置だと考えているわけでありますから、これが一つ。  それからもう一つは運賃の問題で、三段階制で——福永運輸大臣が運賃と料金と学割と、こう三段階をいろいろ新聞紙上で見たわけですけれども、これによって大体二百四十億前後もの金が、これが足りなくなる。そういうものについては、西ドイツ、その他ヨーロッパの国々を見てみましても、これは国がやっぱり負担するわけですよ。そういう形でないと、無理なまた運賃値上げというような問題が繰り返しになっていくというようなことになるので、やはりこの公共交通の見直しという問題も含めて、大蔵省としてはその辺にひとつ社会資本を投入するという意味を含めてもう少し前進した考え方を持つべきじゃないか、こう思うのでありますけれども、時間がないからまとめて答弁願いたいと思うのだけれども、いまの投資問題と、それからもう一つは運賃の問題等について、この二つについて大蔵省としてはどう考えていらっしゃるのか、御答弁願います。
  78. 角谷正彦

    説明員(角谷正彦君) まず最初の貨物の問題でございますが、これにつきましては、先ほど青木先生から御指摘がございましたように、八十二国会におきまして、国鉄の貨物輸送が確保され、それが収益に寄与するような輸送の結節点の投資といったものにつきまして、国鉄当局から御相談があればこれを大蔵省としても前向きに検討したいということを申し上げたわけでございます。この点につきましては、早速この点持ち帰りまして公共事業の担当部局というものともいろいろ御相談したわけでございますが、先ほど港湾局長からも御答弁がございましたように、五十三年度におきましては、これに対応するようなプロジェクトというものがまだ具体化するに至っていないというふうな事情もございまして、五十三年度予算においては特に措置しなかったというふうなことでございますので、五十三年度の事情としてはこういうことで御了解いただきたいというふうに考えているわけでございます。  第二点の運賃改定の問題でございますけれども、五十三年度予算におきましては、御案内のとおり、運賃改定等による増収を二千五百五十億円見込んでおるわけでございます。国鉄の五月十一日に出ました申請によりますと、おおむねこれに近い増収額を確保するというふうな形で申請がなされているわけでございますが、他方五月十六日に運賃改定を運輸審議会に諮問するに当たりまして、運輸大臣の方から、三段階に分けて実施したらどうかというふうな意見表明がなされたというふうなことも聞いておるわけでございます。  ただ、この問題につきましては、運輸審議会におきまして今後国鉄の申請案をどういうふうに御判断なさるか、あるいは運輸審議会の御意見を得まして運輸大臣がどのような形で運賃改定を認可されるかということでございまして、それはそれぞれの権限に属する問題でございますので、大蔵省としていまの段階で特にこの点についてどうするかということについてはちょっと判断いたしかねているわけでございます。
  79. 青木薪次

    青木薪次君 最後に、国鉄は貨物が減った、減った原因等についてはそれぞれ検討しているでしょうけれども、やはりいま主計官の言ったように、貨物問題等に対してどういうように投資をしたらいいのか、あるいはまたどういうような計画を進めたらいいのかという点についてまだプロジェクトができていない、そして有力な働きかけがないというような話を聞いたわけでありますけれども、いままでの計画はこれだけ議論をされてきたにもかかわらず一体何をしておったのかという点について、ひとつ答弁を国鉄の方からお伺いしたいと思います。
  80. 田口通夫

    説明員(田口通夫君) いまおしかりをちょうだいいたしましたが、先ほど港湾局長からの御説明がございましたように、課長段階におきまして、特に港湾の問題についていろいろと、なぜ伸びないか、あるいは横浜のような工業塩のような例がございますけれども、そういう点についていろいろと勉強いたしておりますので、その結果を待ちまして、やはり思いつきの毒投資ということではなしに、非常にいままで私ども実際に投資をしてまいります場合、かなり慎重に、確実に取れるものについて投資していくという姿勢を持っておりますので、十分慎重にしながら、なおかつ相当の決心を持ってめどをつけたいというふうに考えております。
  81. 青木薪次

    青木薪次君 一言だけ、いま思いつきの投資と言ったけれども、いままで議論をされて、おたくも賛成し、それから総裁含めて皆さんが非常にいいことだということで、たとえばこの港湾の機能としての流通ターミナルとしての性格を持っている、こういうようなものと、それから国鉄自体のこの交流、いわゆる整合性を持ったいい意味における分担関係というものを明確にしていくという意味における——各省ばらばらの対応でなくて、私たちが声を酸っぱくしていることについて、あなたいま思いつきと言ったけれども、これとんでもないことですよ。たとえば、それじゃ大井埠頭の関係等について、いまやっている港湾計画ですね、京葉臨海鉄道の方から来た計画と、それから大船の方へ行く貨物船の関係がこれも遅々としておくれているでしょう。こういう問題等についてあなた思いつきと言われるんですか。
  82. 田口通夫

    説明員(田口通夫君) 私が思いつきと申し上げましたのは、少し言葉が足りませんで、十分調査した上で自信を持ってという意味の反対言葉として申し上げまして、先生の御指摘を思いつきと言ったわけではございませんので、御了解をいただきたいと思います。
  83. 青木薪次

    青木薪次君 終わります。
  84. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 午後一時まで休憩いたします。    午後零時三分休憩      —————・—————    午後一時七分開会
  85. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  86. 田代富士男

    田代富士男君 きょうは私は、臨時運行業務の実情と事務改善についてお尋ねをしたいと思いますが、まず最初に自動車運送車両法による自動車の臨時回送運行許可制度について、簡単に御説明を願いたいと思います。
  87. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 臨時運行、回送運行許可制度につきまして御説明申し上げます。  御案内のように、自動車を使用する場合には、安全性につきまして検査を受け、所有権についての登録を受けなければいけないことになっております。そこで、検査及び登録を受ける等のために必要となります当該自動車の運行につきまして、特例的に認めた制度が臨時運行許可制度でございます。また、自動車の回送を業としている者、つまり自動車の製作、陸送、販売を業としている方に対しまして、製作過程にある自動車及び流通過程にある自動車、いわゆる商品自動車でございますが、これを反復継続して回送する必要から、こういった方々に対しまして当該営業所の業務として回送いたします自動車の運行を特例的に認めた制度が回送運行許可制度でございます。
  88. 田代富士男

    田代富士男君 ただいまもお話ありました臨時運行許可の件数につきまして、全国といいましても何だから、主に東京あるいは大阪に例を挙げて件数がどのくらいあったのか御説明を願いたいと思います。できれば全国的な傾向もあわせてお願いしたいと思います。
  89. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 臨時運行許可件数でございますが、五十年度全国で二百三十七万八千件、五十一年度二百二十四万五千件でございまして、お尋ねの、たとえば東京都におきましては、昭和五十年度において二十四万三千九百件、五十一年度は二十四万二千四百件となっております。また、大阪府におきましては、五十年度九万一千六百件、五十一年度八万六千二百件となっております。
  90. 田代富士男

    田代富士男君 いま大阪数字を御説明いただきましたが、私の持っている資料とちょっと違いがあります。もう一度大阪数字をちょっと説明してくれますか。
  91. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 私どもの方の資料で申し上げますと、大阪府におきましては臨時運行許可件数は、五十年度九万一千六百件、五十一年度八万六千二百件と相なっております。
  92. 田代富士男

    田代富士男君 はい、わかりました。  警察庁の方お見えになっていらっしゃるでしょうか 一いまもお話がありました、この仮ナンバープレートを不正使用するケースがふえている様相がございます。警察庁といたしまして、この不正使用の実態調査を行われたことがあるのか、またその行われた結果、どういう内容であったのか、わかる範囲内で結構でございますが……。
  93. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 全国的な実態調査等はまだ実施をいたしておりませんけれども、一部の県から話を聞いてみますと、ある程度この仮ナンバー、臨時運行許可証の制度を悪用いたしまして不法事案が行われているようなケースもあるようでございます。
  94. 田代富士男

    田代富士男君 まあ全国的な実施をされてないということでございますが、私も昨日来いろいろお尋ねしておりますけれども、余りまだこれは警察庁として掌握されていない面が多いのではないかと、そのように私も理解をしておりますけれども、こういう仮ナンバーのプレートをつけた自動車によりまして事故を起こしておりますけれども、まあ事故となりましたならば、これはやはり取り締まり警察の方でございますから、そういう点で掌握をしていらっしゃる範囲内で御説明いただけたらと思いますが、お願いいたします。
  95. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 具体的な事例につきまして御説明をいたしたいと思いますけれども、これは盗んだ車を臨時運行許可証を利用いたしまして販売をする等のために利用したと、こういうふうな事例でございます。昨年十月、福井県の福井警察署におきまして逮捕した事例でございますけれども、被疑者、陰山と申しますけれども、昨年の七月二十四日に大阪市内におきまして事務所荒らしをいたしました際に、自動車のナンバーの抹消登録証明書を窃取いたしました。この登録証明書をもとにいたしまして、この証明書に記載をされている同一の車種、年式、型式の自動車を窃取いたしまして、この抹消登録証明書記載の車体番号と同一の番号を車体に刻み込みまして、いわゆる抹消登録をされております車を盗んだ車で仕立て上げたわけでございます。この車につきまして、愛知県下の某町の役場におきまして臨時運行許可証の申請をいたしまして、この交付を受け、福井市内に参りまして売却しようということで参りましたところを逮捕された事案でございますけれども、いわゆるこれは盗んだ車がそのままの状態ではなかなか売れないというところから、この臨時運行許可証の制度を悪用をして適正な自動車であるがごとく装って販売をしようとしたというふうな事例に当たろうかと思います。  また、昭和五十年九月に京都府下で検挙した事例でございますけれども、津田、岸本という二人の男が他人の免許証を盗みまして、この免許証をもとにいたしましてレンタカー会社に参りましてレンタカーを借り出しまして、その後このレンタカーを返さないでそのまま騙取をいたしたわけでございます。ところがこの騙取した自動車を販売あるいは運行するに際しましても、そのままのナンバーで運行するということは非常に犯行が発見されるというおそれがございますし、また販売をするということになるわけでございますけれども、その場合も危険であるということから、ついておったナンバーを取り外しまして、臨時運行許可申請をいたしまして許可証をもらって、この許可証をつけて実は車を運転をしておったところを検挙されたというふうな事例、以上二件の例をお話を申し上げたわけでございますけれども、そういうふうな形で悪用されるケースというものがあるようでございます。
  96. 田代富士男

    田代富士男君 いまもお話ありましたとおりに、たとえば京都の七条署で起きた事件等は、これは仮ナンバーを悪用した最たるものではないかと思うわけなんです。レンタカーを他人名義で借りて、試運転の仮ナンバーでやる。交通の関係取り締まり官という人は盗難車というものは正式なナンバーで一応全部連絡が行っていると思いますし、試運転ナンバーでしたら盲点をついた行為で、京都のレンタカーが徳島へ売られたという、この事件ではないかと思うわけなんです。そういうふうにいろいろこの仮ナンバーが悪用されている面が非常に多いわけなんですが、その一つ問題点になっているのは現在無効番号標の問題ではないかと思うんです。地方自治体で発行されました仮ナンバーが使用日にちを経たにもかかわらず、戻ってきてないと。これにはいろいろ理由がありましょうけれども、そういうところに徹底的なメスが入れられないままに放置されている。その放置された仮ナンバーでこういう犯罪が助長されているという、これは看過できない問題ではないかと思うわけなんです。そういう意味から現在無効番号標の発生状況というものはどのようになっているのか、運輸省の方から御答弁いただきたいと思うんです。
  97. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) ただいま先生申されましたように、臨時運行ナンバーにつきまして有効期間五日以内ということで、それを経過しますと五日以内に返納しなきゃならぬと、こういうことになっておるわけでありますが、それの回収につきましての管理ということが最大の問題であろうというふうに思うわけであります。私どもとして網羅的な調査の結果による不正使用のケースというものを把握するに至っておりませんが、たとえば大阪府におきます臨時運行ナンバープレートの管理状況を見てみますと、四十二年から五十年までの間におきまして大阪府下の市町村で使用されておりました臨時運行ナンバープレートのうち、約八千五百組が無効とされ、その旨公示をしておるわけであります。で、その無効とした原因等を別に見てみますと、番号標の返納の催告おくれ等による無効扱いのものが約四千組、申請人の住所記載の不備のもの約二千組、紛失のもの約千三百組、使用不能のもの約七百組、他県貸し出し、盗難のもの約五百組と、こういうような構成になっておる状況でございます。
  98. 田代富士男

    田代富士男君 いま大阪の例をお引きになりましたけれども、全国都道府県におきますその無効番号標の発生状況を都道府県別に掌握されておりますか。
  99. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 残念ながら全国的な把握にまでまだ至っておりません。
  100. 田代富士男

    田代富士男君 私が申し上げたいところはいまの一点なんです。この無効番号標の発生状況が八千五百件あると、これは運輸省自体でもちろん掌握されなくちゃならない問題でございますけれども、大阪は特にこの問題に対して熱心に地方自治体で取り組んでいるわけなんです。その結果これはわかりまして、恐らくよその県ではこれは掌握されてないというのが実情ではないかと思うんです。放置しているんです。だから、本庁へ帰られてもこの数はわからないと思うんですが、どうですか。
  101. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 私どもとしましても、大阪に限りませんで、他の地域についても調査してまいりたいと、かように思いますが、現状におきましては、先生おっしゃったように全体的な把握ができていない状況でございます。
  102. 田代富士男

    田代富士男君 だから、ここが一番の大きな問題だと思うんです。これだけのものが放置されている、これを運輸省も掌握をしていない。たまたまその事務取り扱いをやる一番出先である地方自治体の熱心なところが、それも自主的に一人の熱心な人が隣の地方自治体のそういう仕事を担当している人に呼びかけ、またその人が呼びかけて自分たちで何とかしなくてはならないと、こういうことで営々と積み上げてきているわけなんです。本来ならば、私はきょうここへ全国一覧表を当然出してくれと言えば出さなくちゃならない責任の立場にあるのが運輸省、それが出てきてない。だからこちらからこの資料要求した場合には、大阪のごく一部しか出てこないんです。その内容たるやいま申されたとおりに、これは一番最初に警察庁の方に最近の事件の一端をお聞きいたしましたけれども、そのように悪用されているという、この実態というものは看過できないと思うんです。だから、この無効番号標が大阪で八千五百組ありますけれども、現在大阪で有効標数、これは七千九百組なんです。お聞きする前にもう私が調べたことを申し上げます。運輸省も掌握していらっしゃらないと思うんです。ここが問題なんです。無効の番号標が八千五百組ですよ、有効標数が七千九百組です。無効の原因をいまいろいろ申されましたけれども、催告おくれ等による無効扱い、これ自身も問題なんです。実施した五日後には返さなくちゃならないと、こういうことになっている。返ってきていない、また住所記載が不備である、申請するときにどういうふうにやっているのか、申請者と実態とは不備である、どれ一つとりましてもこういうようなことを放置していたということは犯罪につながる重大な責任であると思うわけなんですが、この点どうでございましょう。
  103. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) まことにただいま先生御指摘のとおりでございまして、私どもとしてじんぜんとして放置しておいたわけでございませんけれども、結果的にいまお話しのような状態になっておるわけでございまして、まことに遺憾な状態でございます。私どもとしましては、やはり市町村等が行っております臨時ナンバープレートの交付につきまして、許可事務の取り扱いなり管理の厳正化ということにつきましては、今後とも従来に増して陸運局なり陸運事務所と、それから実際に許可事務を行います市町村と緊密な連携をとりまして、適正運用、適正管理に努めてまいらねばならぬというふうに強く思っておる次第でございます。
  104. 田代富士男

    田代富士男君 そこで、この道路運送車両法というのは、いまもお話がありましたとおりに、運輸省でこれは所管していらっしゃるわけなんですが、そしてこの出先機関の事務取り扱いというものは地方自治体の窓口でやっている、それの取り締まりというものは、これは警察の出先機関でやっている。まあ、考えてみるならば、これはいろいろ関係がありますけれども、この三つの関連性というというものが協調していかなければこれを根本的に解決する、犯罪を防止するということはできないと思うわけなんです。まあ、そういう意味から私はこの三者の話し合いといいますか、そういう場づくりというものを私はやるべきではないかと思うわけなんです。いま大臣もおいでになりましたから、先に質問していたことをまあ大臣にも聞いていた、たきたいと思いまして、もう一度申し上げますと、この仮ナンバーの使用というものが犯罪につながっているということを警察庁からの答弁でも実例を挙げてお話をしていただきました。その問題点になっているのは何かといえば、まあ無効番号標の発生状況というものが非常に大きいんです。また、その無効番号発生状況というものが全国的に運輸省で掌握をされてないと、だからこういうところが犯罪を間接的に助長する一因になっているということをただいまも指摘をしたわけなんですが、だからこれを防ぐには、運輸省、それからただいま申し上げました地方自治体の窓口、それから警察、まあ運輸省といいましても陸運事務所になるかと思いますけれども、この三者が協議をしなくてはならないと思いますけれども、それぞれの三者の代表の御意見をまずお聞かせいただきたいと思うんです。
  105. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 確かに御指摘のとおりでございますので、私どもとしても総力を挙げてこれに向かわなければなりません。そこで御提案の関係三者の打ち合わせ、協議、そういう場をつくって推進していくということにつきましては積極的にやってまいりたいと、かように思います。
  106. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 警察といたしましてもすべての無効な仮ナンバーの取り締まりを行うということは不可能なことでございまして、むしろ仮ナンバー制度というものが適正に運用されるということが一番大切なことでございますので、陸運当局とも十分協議をいたしまして、適正な運営がなされるように積極的に努力してまいりたいと、かように考えております。
  107. 中村瑞夫

    説明員中村瑞夫君) お答えを申し上げます。  私どもの省といたしましては、この問題につきまして直接関与する立場にもないわけでございまして、具体的な内容についてはつまびらかにいたしておらないわけでございますけれども、現に市町村の事務としてこのようなものが取り行われておりまして、かつ、いま先生御指摘のような重要な問題があるといたしますならば、地方公共団体におきましては法令の趣旨なりまた主務省の考え方、指導というものを十分配慮いたしまして、また住民の方々、関係者の方々の御意見等も謙虚に聞き入れまして、そこの行政事務が適正に行われるように努めてもらいたいものというふうに存じております。
  108. 田代富士男

    田代富士男君 そこでひとつ、いま三者の方にお答えいただきましたが、運輸省と自治省にちょっとお尋ねをしてみたいと思いますが、昭和二十八年の十二月の二十五日でございますか、これは運輸省自動車局長名で当時の自治庁官房長に対して、「自動車の臨時運行許可事務について」と、こういう書類が出されておるわけなんですが、これには一、二、三、四、五、六項目から成る内容になっておりますけれども、この内容を一々検討いたしますれば、現在の車両法の内容に即したものと私は理解をしておりますけれども、そのように理解してよろしいでしょうか、内容ですよ。
  109. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 先生申されたとおりであろうと私も思っております。
  110. 田代富士男

    田代富士男君 これはどうしてこういう文書を自治省にお出しになられたのか、その点を明確にお答え願いたいと思います。
  111. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 二十八年当時の事情を詳細に解明しておるわけでございませんけれども、当時昭和二十六年に道路運送車両法が制定されまして、二十八年ということで二年ほど経過した時点でございます。当時、臨時運行許可番号標の不正使用、偽造、そういった事案がございまして、さらに一層厳重に許可事務等を遂行しなきゃならぬという時期であったというふうに思います。陸運事務所が当時ございましたが、私どもの方として陸運事務所を通じ市町村長等にお願いすると、これはもちろんのことで努力をしておったわけでありますけれども、さらに全力を挙げてやらなければならぬということで、市町村長等に対しまして、自治省の方に依頼をしたというふうに考えておるわけでございます。
  112. 田代富士男

    田代富士男君 では自治省にお尋ねいたしますけれども、自治省は当時こういう文書をどうして受け取られたのか、また受け取られてからどのようにこの受けた自動車臨時運行許可事務につきまして処置をされたのか。私が特にお尋ねしたいのは、きょう私がこの問題を質問するにつきまして事前のいろいろ打ち合わせを終わった時点で、自治省はこういう文書というものは受け取ってないと、当然縦割り行政ということも理解できますけれども、受け取った、受け取ってないという、そういう意見がございました。だから、私は明確に運輸省の方からはこれは出したと、自治省として、じゃこれを受けた、受け取った以上は受け取った、なぜ受け取ったのか、どういう処置をしてきたのか、昨日来から私はすっきりしない面がありますけれども、明確にこれをしていただきたいと思います。
  113. 中村瑞夫

    説明員中村瑞夫君) お答えが若干前後するかもわかりませんが、この文書の収受の関係につきましては、私どもといたしましても当時の事情をいろいろ調べてまいったわけでございますけれども、残念ながら当時の事情がはっきりといたさないわけでございます。この文書の体裁等から見まして、若干私ども疑問に感ずる点もあるわけでございますけれども、しかし、運輸省の方にこのようなきちっとした文書であるということでございますので、私どもの方に何らかの形でこうした文書が参っておるということは、まずそのように考えてよろしいのではないかというふうに考えるわけでございます。  それから本来この関係の事務につきましては、先生御指摘もございましたように、いわゆる機関委任事務でございまして、主務省の責任と指導のもとに行われる事務でございまして、私どもの方が直接関与する筋合いのものではないかと思いますが、なぜこのような文書が発せられたかということにつきましては、いまほど自動車局長の方から御説明がございましたように、当時法律施行後余り間もないことでございまして、また指揮監督のやり方、陸運事務所の事務のあり方、そういったものにつきまして両省間いろいろと議論なり検討がされたところであろうかと考えるわけでございまして、そういった意味におきましてこの文書というものが出てまいり、われわれとしてもこれを受けとめたのではないかというふうに考えます。そういうことでございますので、この一番から六番まで掲げられました個々の項目につきまして、自治省として具体的に都道府県なり市町村に指導をするというところまではいっていないのではなかろうか。ただ問題の所在等につきまして何らかの形で関係地方団体に伝達をいたしまして、法律の趣旨が一層適正に図られるようにということを指導いたしたのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
  114. 田代富士男

    田代富士男君 いま両者のお話がありましたとおりに、これ、ちょっとかみ合わない面があるわけなんです。もちろんこの縦割り行政というたてまえもありましょうけれども、私はもう一度運輸省にお尋ねをいたしますけれども、いまも自治省の方がお答えになりましたけれども、運輸省の立場といたしましては、昭和二十八年の十二月の二十五日にこれは出されておりますから、この文書はいまでも生きておると考えていらっしゃるのか。そうするならば、いまも自治省を当てにしているとしたならば、この文書があるために自治省を当てにしていると、私はそのように思っていらっしゃるかと思いますが、自治省はそういう文書をもらったかもらわないかも定かでないと、こういうようなことであったならば、当てにして出したけれども、ちゃんとやってくれていると思いながら文書受け取ってないという、ここらあたり私は運輸省として縦割り行政のたてまえがあるにもかかわらず、これらの形の文書を出されたわけなんですが、そこらあたり私すっきりしないんですが、これ、大臣いかがでしょうかね。正式文書は私ここにちゃんと持っておりますので、ところが、受け取ってないと、ここにいまさっき大臣がおいでになる前に、最初具体的な問題を私は提示しまして、犯罪が起きている。その犯罪は仮ナンバーが悪用されていると、その仮ナンバーは使用した後に返さなくちゃならないのにもかかわらず返されてない仮ナンバーが非常に多い。その実態を運輸省においても全国的には掌握されておりません。これはいまさつきも自動車局長が申されましたけれども、こういうところから改善していかなくちゃならないけれども、こういう文書一つすらが自治省受け取っているかどうか定かでないというのは、ここらあたりに事件を解決できない問題点があると思うんですが、いかがでございましょうか。
  115. 福永健司

    国務大臣福永健司君) いまお話しの点につきましては、過去事実がどうであったかというようなこと、これももとより明確にする必要はございましょうが、それと同時に、現に田代さんいまお話しのようなことで問題も起こっているというような、そういう事情にかんがみまして、私といたしましては、これが改善について現時点における、いかにすべきかという点についての処置が必要であろうと思いますので、早速過去においてそういうことがあったかなかったかということとともに、過去にそういう文書も出ていたのであるが、ここに改めてさらにこれを明らかにすると、こうこうだというようなことを指摘し、これについての問題の絶滅を期するように対処すると、その適切な措置を講ずるようにいたさせたいと存じます。
  116. 田代富士男

    田代富士男君 そこで、いま大臣おいでになる前に、三者の代表の方から、やはりこれは縦割り行政だとかいろいろありますけれども、一連の関連があるからこれは関係者が協議をすると、こういうようにして、このような臨時運行不正使用車の撲滅を行うべきであると、そういう意味から、この一番の大もとはやはり運輸省ではないかと思いますから、私は、大臣に再度、これは三者の協議をスムーズに行ってこの問題解決に当たっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  117. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 御趣旨に沿って善処させることにいたしたいと思います。
  118. 田代富士男

    田代富士男君 そこで、これは運輸省と地方自治体との間での一つのやりとりがありました。この文書を通じまして、両者の関係と言いますか、この問題についてちょっと私は触れてみたいと思います。  これは、大阪府下に大東市というのがありますが、大東市が大東市の西村市長名で昭和五十三年一月二十四日大阪陸運局長あてに出しました「道路運送車両法第三十四、三十五条に係る臨時運行許可業務の取扱方について(照会)」というものでありますが、その中に幾つもありますけれども、この中の「2」の「臨時運行許可番号標の失効公告及び返納義務規定等について」の「マルロ」というところがございますが、その中にこういうふうに書いてございます。   返納しない被許可者及び被許可者がまた貸しをしている場合など、車両法において当該許可を受けた者等に対し立入調査、質問、検査の権限が明記されておりません。   それが為に、今日まで本市では七十組近い未返納(紛失、キ損、盗難等)の失効プレートがあり、その届出内容につきましても具体的な調査が実施されていない為、届出そのものに不審なものがあり、すでに返納されず無効となった番号標が堂々と使用されています。   しかし、単に市長の裁量における調査等、権限の行使では適正を期することができません。よって、市の取扱規制に必要最少限の調査、質問等の権限を行使できる旨の規定を設けることについて。  こういう照会が出されております。  これに対する大阪陸運局登録資材課長からの事務連絡でございますが、この中にはこのような返事が来ております。   臨時運行許可について、立入検査等の権限は道路運送車両法では法制化されていません。従って適正な行使を期するためには、道路運送車両法の罰則規定及びその他の法律に基づいて告発等をするのが妥当と考えます。  これだけの答えなんです。大東市役所の窓口の人は、これは一生懸命にやっているわけなんです。ところが、この陸運事務所の返事たるや本当にそっけない返事と言えばそっけない返事なんです。だから、大阪陸運局の回答は刑事訴訟法の第二百三十九条第二項に定められております「犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」とありますけれども、こういうような定まる場合を十分に活用しろとの、そういう陸運事務所の指導でありますけれども、こういう当該条文が根拠となっていると思われるわけなんです、その陸運局の返事というものはですね。  しかし、実際上、司法警察職員が捜査を行うに必要な告発の要件というものは、行政目的による調査権の発動によって告発の要因を構成するものでありまして、単に、一つは、憶測では司法警察において受理し得ないものであることは明らかでございます。こういうことから考えますと、行政目的による調査指導なくして、直ちに告発もしくは任意の捜査によることなくそういうことをやったならば著しく基本的人権侵害になるという、そういうおそれがあるわけなんですが、したがって運輸省が指導されるようなこういう違反行為の懸念による告発というものは、現地の実情をわからない、ただ単に法律解釈だけで返事をよこした、本当に実態がわからないというのは冷たい一方的な返事ではないかと思うわけなんです。  そういうことで司法警察機関においては受理できない。そういうような告発をしても、府で、あたかも許可権者の責任でやるような、そういうような返事というものは、これは双方の話し合いと言いますか、そういうような日ごろの打ち合わせというものがないために、こういう一方的なものになって終わっているのではないかと思うわけなんです。これは一つの具体的なことでございますけれども、私は運輸省、自治省のこれに対する見解をお聞かせいただきたいと思います。
  119. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) ただいまの大東市と大阪陸運局との間の照会、回答の事情を伺いまして、私どもとしてはこれの許可事務を行います市区町村等がいまの大東市の場合のように積極的な熱意を持って皆さんが臨んでいただけるということを強く期待しておるわけであります。したがいまして、そういった意味合いから大東市から熱心な御照会があったのに対して、いまの回答は非常に木で鼻をくくったような回答になっているように承ったわけであります。私どもとしてはやはり不正事案の発見、ナンバープレートの早期回収ということにつきましては、行政庁として電話での督促をするとか、あるいは事業所を訪問して調査をするとか、返納を求めるといったいろいろの方法によって遂行していかなければならぬわけでありまして、その最終的な問題として、警察官署に通報、告発ということが出てまいるわけでございます。その前段の調査につきまして、この回答にありますようなトーンでお答えしておるということでは、私どもとして反省しなければならぬという感じで、私ども陸運局にもそういった点注意をいたしたいと思います。
  120. 中村瑞夫

    説明員中村瑞夫君) 私ども具体的な事務の内容につきまして知識がはなはだ乏しいわけでございますので、的確なお答えを申し上げかねるわけでございますけれども、お話のございましたように、地方団体におきましてせっかく積極的に適切な事務を行いたいという熱意がございます場合におきましては、できるだけその熱意が生かされるような法令なり、制度なり、あるいは解釈運用であってほしいものというふうに考えるわけでございまして、具体的な点につきましては、主務省の方の御意向も十分伺いまして対処させていただきたいと存じます。
  121. 田代富士男

    田代富士男君 時間も余りありませんから、私は、この問題は今回に限らず引き続いてまた取り上げてまいりたいと思いますが、いま言ったのはこの仮ナンバーの問題のほんの一部でございますけれども、とりあえず窓口で一番苦労していらっしゃる人の悩んでいる問題だけは解決してあげなくちゃならないと思うわけなんです。そこで、窓口の実情と取り扱い上の問題点について私ちょっと問題を提起いたします。  一つは、臨時運行許可は現在の車両法の規定によりまして、執行する場合には、法的に義務づけられて提出させるべき書面というものは、御承知のとおりに自動車損害賠償保障法に定める当該自賠責保険証明書の提出のみでよろしいということになっております。ところで、全国の窓口では、当該保険証の提出は必ず実行されておりますけれども、それ以外の書面は各窓口の任意で行われているわけなんです。たとえば車検証、抹消登録証明書、これは廃車証明ですね、などは提示させていない窓口が多いわけなんです。この場合は、車両の特徴や所有者などが不明のために、車両そのものが盗難車であっても全くわからないわけなんです。事実、盗難車の移動に使用した実例もあるわけなんです。いまさっきも警察庁から私はそのために京都の七条署の実例を挙げていただきました。それは登録ナンバーは、警察の盗難手配の対象になるために仮ナンバーでカムフラージュする。これもいま私が話したとおりであります。以上のような状況によりまして、車両法に、運行する車両を確認するための書面の提出を求めることができる旨の規定をする必要があるのではないかと、これがまず第一点でございます。  それから第二点の問題は、運行の目的の中に試運転という項目があります。これは車両の機構上の試験と考えられ、その内容としてはエンジンテナトあるいはブレーキ、ハンドル、そういうもの、直接事故に直結する内容でありまして、乗り心地をテストする試乗とは区別され、試乗は試運転と区別されているわけなんです。このような機械上のテストを公道上で許可することは大変に危険なことである、そういう立場から、こういう試運転という、これは目的は削除する必要があるのではないか。これはやはり人命尊重という、事故を防ぎたいという窓口のそういう責任者の立場からでございます。  それからいろいろありますが、時間がありませんからまとめて申し上げますと、それともう一つは、許可申請書の様式でございますが、これも地方自治体でそれぞれの主体性に任されておりますけれども、これも全国で統一すべきではなかろうか、施行規則の中に規定すべきもので、統一すると、いずれの市におきましてもあらかじめ用紙を用意した上で申請できる、利用者の利便にもつながることでありますし、三者の協議をしていただくならば、こういうところもひとつ事務の簡素化という、効率化ということも考えていただきたいと思います。  次に、臨時運行は、車両を指定して、当該申請車両に許可すべきものとされておりますけれども、運転はだれがしてもよく、申請人だれでもよいとあり、これがために許可したが、借りた人はいずこへとなる。かつ運転者許可を受けた者との関係がまちまちになっている。こういうところが警察庁のお立場といたしましても取り締まりの障害になっている点ではなかろうかと思うわけなんです。だからこういう面を解決するために、許可申請人は運転者とする——これは個人申請の場合、許可申請人は運転者とする。必ず運転免許の確認を行うこと。また、運行責任のある者と運転者が異なるときは、承諾書あるいは依頼書、回送委任状等を添付をさせること。それによりまして臨時運行許可は、申請人が法人もしくは事務所、商店のときはその従業員、個人のときはその申請本人が運行すべきものとして許可書に運転者氏名を明記する必要があると思うわけなんです。その内容以外への、貸したりするということは絶対に許すべきではない、そういうことがあったならば許可無効とすべきである。こういう点を何らかの形で法制化できないものであろうかというのが窓口業務に忠実に携わっている人の忌憚ない意見であるわけでございますが、そういう点につきまして改善する余地があるかどうか、御検討いただきたい。  もう一つ時間の関係で、こちらから言いたいことを申し上げますと、許可申請先は運行する経路の最寄りの行政庁となっておりますけれども、他府県のものに許可して返納しない場合、どうして返納させるのか、その方法がありません。そういうところでいまさきの原因の一つにもこういうことが提示されておりましたけれども、このような場合に回送先または住所地の行政庁で実地回収してもよいのではないかと、そういうわけで返納嘱託制度を設ける。こういうような制度を設けたならば、この問題の解決の一助になるのではないかと思うわけなんです。そういう意味におきましてひとつ運輸省のお立場から御説明を、またどのように改善するかお聞かせいただきたいと思います。  まとめて申し上げましたけれども、よろしく。
  122. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 先生から貴重な数多くの御提案をいただいたわけでございますが、臨時運行許可申請の際の書面の提示の問題、それから試運転の問題、許可申請書様式の統一の問題、それから許可申請人の問題、さらに返納嘱託制度の御提案があったわけでありますが、私どもこれらにつきまして不正使用の防止という見地から真剣に検討させていただきたいと、かように思うわけでございます。
  123. 田代富士男

    田代富士男君 それからもう一つお尋ねしたいことは、仮ナンバーを受けまして実地後五日間と、こういうような期間があるわけでありますけれども、その間に一つナンバープレートを一台の自動車で仮ナンバーを受けまして、それを陸運事務所の検査のときなんか二台、三台に利用しているという場合があるわけなんです。そういう意味で、たとえば陸運事務所の検査コースでそういうこともチェックするために、許可書表示のない車両をその検査コースの中ではねていただくような処遇が最も望ましい、それをやらせてもらいたいと地方自治体がお願いをいたしましたけれども、陸運事務所の方ではそういうことは認めるわけにはいかないと。だから、そういうところでもチェックできるでしょう。一台の車のため二台、三台使っている。その検査コースのところでそういうことも一度に、ただちょっとチェックすればそういうこともわかるわけなんですが、これが事務所への立ち入りを認めてくれません。そこでやむを得ず熱心なこの地方自治体の出先の人が、熱心な人です、そこで事務所へ立ち入りさしてくれないから陸運事務所の通路入り口までの二キロ近くの地点でこれを指導しているわけなんです。そうしたところが、その指導の結果、そういう表示車両を提出さして調べたところが、期限切れ、許可車両外、無効ナンバー、そういうものがまかり通っているというんです。事務所へ行って検査コースのチェックをさしたら一番簡単です。さしてもらえないからせめて自分たちの責任を果たそうとして二キロ離れたところでやる、こういう実態も明らかにしているけれども、陸運事務所の権限内で事務手続をやらされているわけです。何とか事故を防ぎたいと思ってもこういうことがまかり通っているというんです。これいたし方ない。そういう意味で、たとえば鉄道では鉄道公安官という、こういう警察官に準ずるそういう権限を持った制度というものがあるわけなんです。しかし、この制度にはそういう制度がないために、やはり警察としてもこの問題を取り締まらなくちゃならないけれども、警察は普通の交通違反だけでも手が回らない。そういう点もあるかと思いますけれども、こういうような仮ナンバーの車に対しましても私は対処すべきであると、こういう事故が含まれているということを、やはり交通警察官を教育されるときには一緒に教育されて事故を防ぐということもやるべきではないかと思うんですけれども、運輸省警察庁の方から御答弁いただきたいと思います。こういう一つ一つの具体的な例はほかにたくさんあるんです。その点お願いします。
  124. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) いま先生御指摘の陸事の検査コースにおきましてチェックするというやり方につきましては、私どもとして、そういう方法ということは、適切な考え方というふうに思っております。現場でどういう問題点があってそういう対応をしたのか、私、早速調査してみたいと思いますが、私どもとしては、いま先生お話しのように、そういった機会をとらえてチェックしていくという方向へ進みたいと思っております。
  125. 広谷干城

    説明員広谷干城君) 道路交通の秩序は道交法だけで守られるものではございません。また先ほど来お話が出ておるように、この仮ナンバーの問題につきましても、交通問題を離れました関連からいたしましても大変重要な問題を含んでおるわけでございまして、われわれこの種の違反につきましても徹底して取り締まりが行われるように各警察に対しまして指導を徹底してまいりたい、かように考えております。
  126. 田代富士男

    田代富士男君 もう時間が参りました。最後に福永運輸大臣にお願いいたしますが、一番最初に私が申し上げました無効番号票の発生状況、都道府県でどのくらい起きているかということが運輸省では掌握をされておりません。だから、まずこの問題の解決のために都道府県別にこの実態はどうなっているかということを私は掌握をお願いしたい。それといま具体的な問題のうち、時間の関係がありますから、数点私は窓口業務に携わっている人の生の声を申し上げましたけれども、こういう問題に対して一度に解決できない問題もあるかと思いますが、これは私はやはり窓口の事務を全部責任持ってやっている人のためにもこたえてやるべきであると思いますが、大臣の御答弁をいただきまして私の質問を終わります。この問題は、引き続いてまた私は質問をやってまいりたいと思いますから、よろしくお願いします。
  127. 福永健司

    国務大臣福永健司君) いろいろ実例等をお挙げになって御注意もいただいたのでございますが、せいぜい御趣旨に沿うように努力をさせたいと存じます。
  128. 橋本敦

    橋本敦君 騒音防止法が成立をいたしまして早くも四年になろうとするわけでありますが、成田新空港の開港にもあらわれておりますように、空港周辺の騒音対策あるいは周辺整備事業というものが住民の生活の安全あるいは切実なその要求に照らしてますます重要になってきております。運輸省としても、かねてからこの問題については何かと御尽力をなさっていることは、私どももよく承知はいたしておりますが、さりとてその周辺整備事業が着々と計画どおりに進んでいるのかどうか、この問題についてもまた疑念なしとしない点がございます。そういう立場で、きょうは私は大阪空港周辺の整備事業の進捗問題、とりわけこの事業一つの盲点ではないかと私が心配しております借家人対策、これに焦点を当てて運輸当局の御見解を賜りたいということで質問をしたいと思います。  まず最初に、数字から明らかにしていただきたいと思うのですが、移転問題について伺います。あの二種、三種地域、大阪空港周辺、これで運輸省の計画という点から考えますと、五十二年度までの移転事業の達成はどの程度のものだとお考えになっていらっしゃいましょうか。
  129. 田代雅也

    説明員田代雅也君) 大阪空港周辺で五十二年度末までに移転補償を行いました世帯は、約千七百世帯でございます。まあ三種地域にございます世帯数が約四千五百、それから二種地域に居住しております世帯が約一万二千でございます。そのうち希望者から順番に移転補償を行っておるわけでございますけれども、現在そのうち約千七百世帯が移転完了でございます。
  130. 橋本敦

    橋本敦君 千七百世帯のうち、借家人世帯数は、きのういただいた資料で千七十八という数字をいただいておるんですが、そういう関係ですか。
  131. 田代雅也

    説明員田代雅也君) さようでございます。
  132. 橋本敦

    橋本敦君 そこで、これは希望者に対するという関係ですが、推定される希望者総数から見ると、この事業達成数というのはどれくらいの割合になるだろうかということが私の一つの質問の趣意なんですが、その点はいかがでしょうか。
  133. 田代雅也

    説明員田代雅也君) 私どもの方といたしましては、大阪空港周辺整備機構が大阪空港周辺の各世帯を回りましていろいろ御意向をお聞きしながら事業を進めておるわけでございます。しかしながら、今年の十二月に環境基準の中間目標達成の時期が参りますので、その観点からも鋭意移転ないしは民家防音を進めるべく、現在、大阪空港周辺の各地域につきましてアンケートを実施しているわけでございます。現在進行中でございます。その結果によりまして、移転を希望される方々、あるいはその地域にとどまりたいと希望を持っている方々、あるいはその中で民家防音をどのように希望しているか、これにつきましては実態が明らかになると思います。現在におきまして、どのような方々、何人の方々が移転を希望しておられるか、あるいはとどまりたいとしておられるか、そういう点につきましては現在数字は持ち合わしておりません。
  134. 橋本敦

    橋本敦君 一つ問題点がいまの御答弁の中にあると私は思うんです。つまり、二種、三種地域の中で移転を希望する人がどれだけあるか、これからの調査だという問題が一つであります。その調査は、私が伺っているところでは悉皆調査、つまり全世帯戸数に対する調査ではなくて、無差別抽出調査と、こう聞いておりますから、それが出ても、傾向はわかりますけれども、正確に移転希望なら移転希望、民防工事希望なら民防工事希望、この数を住民の希望として正確につかむ、そういう調査ではないと思いますが、いかがですか。
  135. 田代雅也

    説明員田代雅也君) 確かに大阪空港周辺におきましては、悉皆調査ではなしに抽出調査を現在実施中でございます。まあしかしながら、その抽出の比率も周辺部と激甚地帯とは若干異にしておるわけでございまして、しかしながら先生おっしゃいますように、具体的に完全なその戸数はわからないわけでございますけれども、私どもといたしまして、従来から大阪空港周辺の移転補償、あるいは移転された方々に対します配慮といたしましてとっておりましたのは、やはり私どもの方で、あるいは国、大阪周辺整備機構が住民の方々に移転を強制するというようなニュアンスをできるだけ与えないようにという配慮がございました。したがいまして、全部の方々に、あなた移転しなさいとか、移転をどうですかというようなかっこうをいたしますと、ある程度地元から反発があることも予想されましたので、現状至っているわけでございますけれども、私どもといたしましては、環境基準達成という目標がございますので、いま申しましたような調査をいたしまして実態を把握し、今後、いま申しました目的に進めて施策を実施していきたい、さように考えているわけでございます。
  136. 橋本敦

    橋本敦君 趣旨は結構ですよ。だが、事実として正確に、移転なら移転、民防なら民防工事の住民の希望総数を正確につかむ調査はそれではまだできないという、その結論はわかりますね。  で、いまおっしゃいましたけれども、その調査が、住民を強制的に追い出すような向きにとられては困るというのは、そのとおりです。いま運輸省がなさっている調査を、私は調査票を見ましても、この調査では、移転を希望するか、移転を希望するけれどもむずかしいと思うか、移転を希望しないか、同時に、移転だけの調査ではなくて、防音工事を希望するか、希望しても実施がむずかしいと考えるか、希望しないか、こう三つに分けて、いわばあなたのおっしゃった心配がないように、民防工事の希望があるか、移転の希望があるか、こうなさってますよ。だから、私はこの姿勢はこれ自体でいいと思うんです。これで、この調査で住民の方は追い出しにかかったというような受け取り方はしません。また現にしてませんね。だから、そういう方法があるわけです。  そこで、私は特に運輸大臣に、これは大臣の腹構えとして決断をしていただきたいのは、何といっても運輸省自身もお認めになっているように、激甚地区に対する手当てがまず何といっても必要だと、全体も必要ですけれども。というのは、飛行場のランディングしてまいります直下のコース、あるいは離陸をいたします直下のコース、ここでの激甚地区対策というのが、これがまさに健康被害まで及んでいる、裁判まで起こっているわけですね。だから、私はこの調査は少なくとも三種地域、激甚地域に対しては抽出調査ではなくて悉皆調査をやるという、そういうことぐらいは運輸省としてはいまやるべきである、そういう方針を打ち出すべきである、こう思いますが、局長もしくは大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
  137. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 御指摘のとおりでございまして、激甚地区はもう人が住むにふさわしくない地域でございます。一刻も早くやはり移転の問題を片づけるということが、そこに住んでいらっしゃる方の公害被害をなくなすということにつながりますので、これは御指摘のように速やかに全数調査をいたしまして、実情を把握して対策の基礎といたしたいと思います。
  138. 橋本敦

    橋本敦君 ぜひそういうようにお願いをしたいと思います。  そこで、いま部長がおっしゃった環境基準達成という大きな政策目標の問題なんですが、五十三年度の中間目標達成、これについて、その中間目標値はこれはもうすでに出ておるわけですが、つまり、外では八五以下、屋内では六五以下にするという中間目標値が出てる。この達成のために努力されてるということで、その努力は買いますが、果たして五十三年度にこの中間目標値が達成できるかどうかということになりますと、激甚地の豊中市が市自体として調査をいたしました資料を私、手にしておりますが、この豊中市の調査によりますと、これはエアバスが百便になるという、そういう状況を想定いたしまして、数値が八九・五、これがまあ市の調査ですね。ということで、豊中市としては基本的にはこの、いまのままの現状では中間目標値達成は運輸省の努力にかかわらずこれはできないと、こういう見込みを立てている資料であります。運輸省はこの点、いかが把握されておられるでしょう。
  139. 田代雅也

    説明員田代雅也君) 先生御承知のように、空港の環境対策といたしまして、音源対策、それから周辺対策があるわけでございます。私どもといたしましては、できるだけ飛行機の音の低い機材を導入いたしまして音を下げるということを考えているわけでございます。いま先生のおっしゃいました、エアバスをことしの十二月までに百便にいたしまして全体の音の量を下げたいというのは、その一つの施策のあらわれでございます。しかしながら低騒音機、いろいろな形態ございまして、離陸側と着陸側とその音の下がる効果というものが若干異なるわけでございます。特にエアバスの場合に、着陸側におきましては離陸側ほど効果が顕著でないという事実があるわけでございまして、私どもといたしましては、直近地区、激甚地におきまして、音の高い場所につきましてはただいままで申し上げましたような移転を促進させる、あるいは残る家につきましては民家防音工事をいたしまして、室内におきます音量を六五WECPNL以下にする、そのような施策を今後鋭意続けて、中間目標を何としても達成いたしたいと考えておる次第でございます。
  140. 橋本敦

    橋本敦君 いま部長は、何としても達成したいという運輸省の決意を表明されました。私も、何としても達成してほしいんです。  そこで、これを達成する上で一つの大きな問題になる、いま御指摘の民家防音工事、これをどんどんやっていかなくちゃならぬということですが、ここに一つの問題があるということを指摘せざるを得ないんですね。  まず、その前に数字から明確にしていきたいと思いますが、運輸省からお調べをいただいた数字によりますと、一種区域、つまり民家防音対象戸数、大阪府では二万七千百七十六戸、兵庫県では一万五千七百三戸、こういう戸数が運輸省として把握されておられる数字として伺いました。そこで、民防工事がこのうちどれくらいできているかということになりますと、五十二年度まで、つまり五十二年度で終了した戸数が、大阪で言えば八千百三十九戸、兵庫県側が七千三百二十五一戸、合計一万五千四百六十四戸という数字になっております。この数字は間違いございませんか。
  141. 田代雅也

    説明員田代雅也君) そのとおりでございます。
  142. 橋本敦

    橋本敦君 そこで、これを一種区域の民家防音対象戸数総数に対する達成率の比率を見ますと、大阪側では約三〇%、兵庫県側では四七%、まあいわば兵庫県側は半分近く進んでいると、こういうことですね。ところが大阪側は三割程度しか進んでいない。そこで、いま部長がおっしゃった、民家防音工事を促進をして、そして室内の数値を六五以下に下げて、何としても中間値達成したいという場合に、特にこの大阪が問題になるわけであります。で、この大阪が兵庫県に比べて三割程度しか運輸省の努力にかかわらず民家防音工事ができていないという、この現状一つの大きな理由の中に、私は借家人の世帯、これがなかなか民防工事が進まないという問題があると、こう見ているのですが、いかがですか。
  143. 田代雅也

    説明員田代雅也君) ただいまの数字の点につきましてちょっとお許しを得まして若干補足説明をさしていただきたいと存じますが、先生のおっしゃいました大阪府、兵庫県合わせまして現在指定を受けております一種区域内の世帯数は、確かに四万二千八百七十九世帯でございます。この数字と申しますのは、あるいはこの基礎になりました一種の告示と申しますのは、昭和四十九年の調査によりましてその時期の騒音測定置によりまして線を引いたわけでございます。その段階におきましては大阪空港はすべて在来機のジェット機が一日平均約二百六十便ほど飛んでおったわけでございます。しかしながらその後、先ほど申しましたような音源対策の一環といたしましてジェット機の総数を減らして、現在は二百発着の枠の以下にとどめておりますし、またその中でエアバスその他改修を受けました比較的音の低いジェット機を導入しているわけでございます。またこのほかに飛行機の運航方式——できるだけ地上に音の影響が少ないように運航方式を改善しているわけでございまして、当時の予測値から申しますと、現在大阪空港周辺はかなり音が低くなっておるわけでございます。四十九年当時にそのようなもろもろの施策を経た場合に、五十三年のWECPNL八五以上の世帯数はどれくらいかという計算を一応いたした段階では、約一万世帯ということであったわけでございます。しかしながら私どもといたしましては、先ほどの中間目標を達成するために、ことしの夏から秋にかけまして実測をいたしまして、実際にどの程度の音が出るかということを再測定する予定でございます。したがいまして、現状におきましてWの八五以上の世帯が四万二千あるということは必ずしも正確でございませんので、私どもといたしましては、そのWの八五以上の区域の中の世帯につきまして全面的に民家防音工事を進めたいと考えておるわけでございます。  それは現状でございまますが、なお先生の御指摘のように、大阪府と兵庫県と比較いたしまして大阪府の方が進捗率が低いということも事実でございます。それは先生おっしゃいますように、借地、借家人等がこの地域にかなり多いということが一つ理由になっていることはおっしゃるとおりでございます。
  144. 橋本敦

    橋本敦君 豊中市を考えてみますと、たとえば対象地域内の世帯数総数二万九百世帯、そのうちで七割が借家人の皆さんだという大体の私どものつかみ方をしておりますが、運輸省としては豊中地区では約七割が私が申し上げるように借家人世帯だという、大体こういう状況は把握していらっしゃいますか。
  145. 田代雅也

    説明員田代雅也君) 私ども申し訳ございませんが正確な数字はつかんでおりませんけれども、大体大阪側が約六、七割借家人であるというふうに理解しております。
  146. 橋本敦

    橋本敦君 はい、わかりました。いま御答弁のとおり、私は七割と申しましたが、六、七割。  そこで運輸大臣にお聞き願いたいんですが、この借家人の皆さんが一世帯一室の防音工事をしてもらいたいと思っても、どうしてもそこでまず一つひっかかるのが家屋所有者の承諾という問題であります。たとえば「防音工事助成申込書」という書面がここにございますが、これを提出をして申請を行うにも、この書式自体の中に家屋所有者の承諾という欄があって、ここに署名押印をしてもらわにゃならない、こういう状態があるわけですね。だから、したがってこれは民防工事だけじゃなくて移転の場合もそうなんですが、家主さんの承諾がないということのために民防工事が受けられない、あるいは家主さんとそれから借家人との間の協議が整わないためになかなか民防工事も移転工事も進まない、こういう一つ現状があるというのは、これはもう間違いのない事実であります。ところが、借家人の皆さんは、自分が出ていきたいと思っても、三種地域で家主さんが自分の所有建物を除去するという申請しないと、これは移転補償の対象にならない、あるいは優先入居の資格にならない、こういうネックがある。民防工事もそうである。こういうことで、いわば無権利状態に置かれている。ところが一方、土地や家屋の所有者は、この空港の激甚地域や二種地域やいわゆる騒音で毎日毎日悩むという地域に住んでなくて、仮の話をいたしますと、京都に住んでいらっしゃる家主さん、極端な例で言えば東京に住んでいる家主さんも、移転補償ということでは、家屋の所有者としてこの家屋を除去する場合は移転補償を受けられる、これはもう財産的価値が補償される。ところが、人間としてそこに毎日住んでいる借家人は家主さんの同意がないと出ていくにも移転補償を受けられない、民防工事も受けられない、こういう現状にあるんですね。そこでこの問題を何とかしなきゃならぬということが問題になってくるわけですが、現在借家人の皆さんがこういうようにして、まあいわば家主さんの意向ということにかかわって自主的に運輸省に対して適切な助成なり保護が受けられない現状にあるというこのことは、大臣も御認識をしていらっしゃるでしょうか。
  147. 福永健司

    国務大臣福永健司君) ある程度は認識しておりますし、ただいまお話を伺いつつ、ますます耳の感を深くする次第でございます。
  148. 橋本敦

    橋本敦君 この問題は、非常にむずかしい問題がいろいろあるということで、かねてからも議論されてまいりましたが、一つの問題として、この前、運輸省と地元市町村との間でいわゆる十項目覚書というのが交わされました。この中でもこの借家人問題というのが第六項目に問題として取り上げられておりますが、この第六項目ではどのように確認されておりますでしょうか。
  149. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) この覚書は昨年の四月の三日に私が出向きまして、地元の方と結んだ覚書でございますが、現行法の範囲内で可能な限り弾力的な運用を検討すると、こういうことが移転の場合の借家人対策でございます。
  150. 橋本敦

    橋本敦君 そういう確認がなされましたが、同時に五十二年四月二十日付で航空局長から豊中市長あてに出されております回答書、これによりましても、今後の施策についていろいろと言われておりますが、その中で特にこう言われております。「借家人対策等に関連した移転補償の進捗を図るため、現行法に抵触しない範囲で、移転希望し者の態様等を踏まえて、可能な限り弾力的な運用を検討することとする。」、これがいま六項目に符合する部分ですね。次に「民家防音工事については、差し当っては、激甚地域を重点的に配慮しつつ、昭和五十三年目標戸数の達成に努力するものとし、更に環境基準の昭和五十八年目標への起点となる昭和五十四年度以降には、簡易化工法を開発し、これによる全室防音制の導入等を目途に計画の改善を図る。」、こういうふうに方針が示されている。この方針は結構です。この方針は結構ですが、いま言ったように、家主さんの同意という問題がひっかかりますと、運輸省としてもやりたくてもやれないという、こういう状況が出てくるわけですね。  かつてこういう問題がありました。水洗便所に全部やっていくという、こういう地域の環境条件整備の中で、家主さんの同意がないと水洗便所にするための補助が受けられないという問題が世論の問題、社会問題になりました。こういう問題が国会でも取り上げられまして、そして下水道整備、この関係で法改正までやって、家主さんの同意がなくても水洗便所方式が進んでいけるような道が開かれたこともある。  そこで私が申し上げたいのは、現行法の枠内の弾力的運用で可能なものは結構です、うんとやっていただきたい。だがしかし、それが限度にぶつかって運輸省自身が中間目標の達成なりあるいは五十四年度以降五十八年目標達成のために、いま言ったように全室防音工事の導入等も含めて全般的にやりたいという、こういう大きな姿勢を示されているときに、現行法の枠内だけでいいだろうか。思い切って、制度的な、法的な改正も含めて根本的な検討をしなければならぬという問題がこの借家人問題にはあるのではなかろうか、こういう気が私はしておりますが、航空局長、いかがでしょう。
  151. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 昨年締結しました覚書の中で、一番むずかしい問題の二つ三つあるうちの一つが、この借家人あるいは借間人の問題でございまして、現行法の枠というものをぎりぎりに活用いたしましても、御指摘のように、なかなかうまくいかない問題がございます。現行法の枠自体が、これはやはり民法のような私法にわたるものまで含みますものですから、なかなか、弾力的運用の限界もあるわけでございますし、また、その壁も非常に厚くて、民法などの運用につきましては、私どもは軽々しくこれを運用例を広げるわけにもいかないというようなこともございまして、実は非常に苦慮いたしております。  それで、行動の態様といたしましては、借家人、借間人の問題は、地主さんあるいは大家さんというものと借家人、借間人との間のいわゆる話し合いに任していたんではいつまでも進まないというところから、昨年の秋以来、地方の航空局の職員、あるいは大阪周辺整備機構の職員等を積極的にこの両方の間に入らせまして、何とか行政介入をやってうまく話をまとめたいというので努力をいたしております。少しずつ努力は実っていると思いますけれども、まだなかなか思うどおりのことがいってない現状であります。従来までやってまいりました経過を十分反省いたしまして、何か現行法の枠を破らなければどうしてもできないというところに参りますれば、もちろん、現行法の枠を破ることにつきましても検討をするにやぶさかではございませんけれども、恐らく民事法規に関連してきますので非常にむずかしい壁ではないかというふうに考えますので、やはり現行法の枠の中で行政的に対応し得る可能な限りの努力をいたしたい。そういった意味では、まだまだ努力をする余地がございますので、それを鋭意やってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  152. 橋本敦

    橋本敦君 わかりました。  その点、局長、第七十二国会の、私ども参議院当運輸委員会で、この騒音防止法の施行後も「引き続き航空機騒音による障害の軽減のための諸施策を検討し、必要に応じ所要の立法措置を考究すること」という附帯決議がついていることは局長も御存じのとおりですね。だからしたがって、現行法の弾力的運用で当面努力していただく——結構です。だがしかし、どうにも進まないというネックが明らかになれば、附帯決議にも明らかなように、いま御答弁のあったように、将来、立法措置も含めて研究、検討するという姿勢は、いま御答弁いただいたようにとってもらいたいと、こう思うんですね。  それまでの問題として、この借家人対策について、五十三年、ことしの五月八日に、同じく、いま御答弁いただいた航空局長から、豊中市長、豊中市会議長あての回答書の中で、この借家人対策につきましても御回答いただいておりまして、こう述べておられます。「特に所有者の同意を得られない世帯が問題となっている実情に鑑み、」——この実情は把握しておられるとおりですね。「これらの世帯を中心に、従来以上に積極的に本問題に取り組み、関係者間の問題点の把握及びその調整に努めることとするとともに、有効な事業推進方策の可能性についてもさらに検討することとする。」、つまり、調整のために努力します、努力しますが、同時に、有効な事業推進方策の可能性も運輸省は研究しますと、こうおっしゃって回答されている。ここで言う「有効な事業推進方策の可能性」の研究、たとえばどういう点をどのようにいま研究されていらっしゃるか、おわかりでしたら、もし答弁いただけるものがありましたら、御答弁いただきたいんです。
  153. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 大変むずかしい施策でございますので、これをやれば全部解消するというふうなものはなかなか見出しがたいのでありますけれども、そういった全体の総合的な中の一助といたしまして、いま部内で検討いたしておりますものは、この借家人、借間人が移転をする場合に、移転先の権利金とかあるいは礼金というふうなものと、それから移転をするときに国なり機構なりから払われる借間人の移転補償というものの間に若干の金額的なギャップがある。これは金額的には実はギャップがないんですけれども、なぜギャップが事実上出るかと申しますと、いま入っている大家さんからその方が預けておいた権利金を返してもらうときに、大家さんが何かの名目で二、三割カットするというのが例のようでございまして、そういったことがございますと、なかなかスムーズに、大家さんぐるみ移転しようと思っても、そういった場合ですらやはり移転が思うようにいかない、つまり行く先が見つからないということもございますものですから。そういった金額的な負担のギャップを埋める方策といたしまして、現地では民間資金活用というふうな言葉を言っておられますけれども、いま盛んに詰めておりますのは、航空運送会社等の拠出によりまして何かこの移転促進のための基金のようなものをつくりまして、そういった運用利子で何かそういう移転促進のためのお金が出ないかということを考えているわけでありますが、そういったこともこの対策の一つでありますが、それらを含めまして、この借家人、借間人の移転が促進されるように、あるいは民防工事等につきましても促進されますように、いろんな施策を講じていきたいと思っております。
  154. 橋本敦

    橋本敦君 民防工事を希望する場合に家主の同意がないとできないという問題につきましては、私は私なりに考え方としては持っているんです。たとえば、民防工事というものはその建物の構造を基本的に一方的に変えるというんじゃなくて、たとえば間取りを変えてしまうというのじゃなくて、建物の従来の姿に若干の手当てを加えなければなりませんが、家屋基本構造は変わらない。しかもその家屋に対して付加価値的効果がある。そういう点から言って、それを家主の同意なしにやったからといって、いわゆる民法に言う家主と借家人との間の賃貸借契約の信頼関係を裏切る行為とまで評価できないのではないかという考えも私の方はあり得るという考えを持っている。しかし、この考え方でいけるかどうかということになりますと、裁判になった場合に運輸省責任持てるかというと、これはそうはまいりませんから、非常にむずかしい問題であることはわかりますよ。わかりますが、しかし少なくともこの防音工事というのは国が騒音防止法に基づいて行う国の施策であり、公益的、公共的事業であり、そこに住んでいる人の人権と生活を安全ならしめるという、まさに公益目的の事業ですね。だから、そういう点から考えると、私は家主の不同意権というものはこれはある程度制約されるということが運輸省が指定した地域内に起こってもやむを得ない、それが人権を守る道だ、という考え方は十分成り立ち得る。そういう考え方に立って、いま局長がおっしゃった借家人と家主さんとの間の意見の相違を調整するということをやりませんと、これはうまく進みません。基本的な見解として、いま私が申し上げましたような立場に立って調整を図るという、そういう基本的な考え方はお持ちでしょうか。
  155. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) この家屋に構造の改善を加える場合も、たとえば二重窓にするというふうな場合ですと比較的民法上の問題は少ないかと思いますけれども、壁などをいらうということになりますとそういった関係が出てくるかと思いますけれども、しかし、いま先生の御指摘のように、これは家屋の効用を高める工事でございますから、直ちに民法に照らしてどうこうということになるわけでもないんじゃないか。私ども聞いておりますところでは、そういう法律問題よりもむしろ経済問題と申しますか、実態問題があると聞いております。結局、民防工事をいたしますと、その民防工事の費用というのは大部分国が出すわけですけれども、その工事によって家屋の性能は向上する、そこを奇貨として大家さんが間借り人に部屋代の改定を求めると、これも恐らく大家さんとすれば諸物価高騰の折から、何とか間借り人に対して間代の上昇をやろうと思ってもなかなか聞いてもらえないと、そこで一つのチャンスとしてまあ民防工事等もやって家もきれいになったんだからというふうなことで、これを奇貨としてというのは言葉が悪いんで、まあチャンスに、そういうことを持ちかけてくるということがあったりしまして話がこじれているというようなことを聞くわけでございますが、こういったことこそまさに当事者間の話し合いに任していたんでは話がつきませんので、われわれなりあるいは機構の職員が入りまして、両者の仲をとるということをすることができるんじゃないかと、そういうことで、私はむしろ法律問題よりもそういう現実経済問題のことがあるのじゃないかという気がいたしまして、それならばそれなりに対応可能だと思います。これから鋭意やるつもりでございます。
  156. 橋本敦

    橋本敦君 そこで一つの提案ですが、いまお話しした民防工事助成申込書によりますと、申し込みの書面を持っていくこと自体がすでに家主、所有者の承諾の署名押印、これがそろわないとこの申込書が受けつけられないという、こういう様式になっているわけですね。そこで私は提案をしますが、局長がいまおっしゃったような立場で、紛争を解決し、民防工事を進めていくためには借家人の皆さんにどんどん申請してもらわねばなりません。そこで申請自体は、防音工事の希望自体は家主さんの承諾が得られない場合は承諾が得られませんでしたということを記載すればそれでも受けつけて、それによって実情を聞いた上で、運輸省の係官が具体的な調整に入ると。この書式だったら、家主さんの同意がなかったらもう窓口、機構まで来ないんです。だからこの書式を改めるか、もしくは補足して、同意が得られない場合は得られなかった旨を記載して、それで申し込みをしてくださいというように住民の皆さんに指示をするだけでも運輸省実情が把握できるし、局長のおっしゃる運輸省が介入しての調整という作業が実際に進んでいくと私は思う。こういう点についていかがお考えですか。
  157. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 具体的にどの家主さんとどの間借り人と問題が起こっているかという実情把握をすることは必要だと思います。したがって申込書式はそのままにいたしておきまして、もう一つ手前の段階として、そういう希望があるということをダイレクトに間借り人の方からとるということは有効な方法だと思いますので、それはできるだけ早く実現するような方向で検討してみたいと思います。
  158. 橋本敦

    橋本敦君 いま御答弁のように、できるだけ早く申請自体が、希望が出せるようにやっていただきたい。  時間がもう参りましたが、運輸大臣、この問題は実はこの騒音防止法が制定されたときから問題になりまして、当時運輸大臣であった徳永運輸大臣も四十九年三月一日の衆議院運輸委員会ではありますが、この答弁で、幸い整備機構を成立さしていただきますならば、職員の陣容も整えてこの借家人問題についても地元のいろいろなそういう事情に明るい職員等も参加をしていただくことになると思いますから、十分御期待に沿えると思いますという、こういう答弁なさっておるんですね。それ以後今日までこの問題がなかなか実は進まない。で、いま豊中では、現に航空機公害対策として借家人会というのが組織をされまして、多くの借家人世帯の皆さんがこの借家人会という組合をつくっていろんな要望事項を市町村等にも出しておられます。私はこの借家人対策というのは非常に一つの頭の痛い重大な問題であるだけに、運輸大臣は成田問題でも住民との話し合いを人間として行えということをよくおっしゃいましたが、まさにこの借家人問題は家屋の所有者、土地所有者というものに対する補償はなされても、そこに住んでいる、物を持たない人間に対する人間的な補償がないところに問題があるんです。だから私はこの債家人組合も含め、この借家人問題について地元とよく話し合いをし、今後運輸省としてもこれに力を入れて、中間目標達成なり整備機構の事業の前進ということに特に力を入れていただきたい。大臣の御所見を承って、時間が参りましたので質問を終わらしていただきます。
  159. 福永健司

    国務大臣福永健司君) いろいろお話を伺いましたが、お話の御趣旨を念頭に置きつつ、さらにいままでの責任者答弁等の趣旨にも合うように努力をいたしたいと存じます。
  160. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 最初に福永運輸大臣に敬意を表しておきたいと思います。それは五月二十日に成田空港が開港できたことなんです。大臣としてはあれを開港させるについて大変な御努力というか、御心労があったと思います。私でもあの前日の十九日は本当に祈るような気持ちでもってあの成田が無事に開港してほしいというふうに願っていたわけなんですが、大臣の努力、その他関係者の努力で幸いに無事開港ができまして、私はあれがもしもこの前の三月二十六日のような事件が起きたならば、国際的な信用を失うだけではなくて、もう福田総理も先進国首脳会議なんかのこのこ出ていかれなくなるだろうし、日本は法治国家としての資格を失うことになると思う。そういうことがなくて、あのような形で開港できましたこと、ほんとに大臣にまず敬意を表して質問に入ってまいりたいと思います。  きょうは自動車関係のことなんで、自動車局長もおいでいただいておりますけれども、それを中心に少しお聞きしてまいります。  道路運送法、これが戦後大きく改定といいますか、全面的に改定になったのが昭和二十六年だと思うのです。当時は車もせいぜい百万足らずというか、百万そこそこしかなかったと思うのです。そのころに道路運送法ができまして、現在はもう三千三百万台ぐらいが走り回っており、大変な状況の変化を来しておると思うのです。細かいことはさておきまして、道路運送法制定当時と現在では大きく状況も変わっている、そういう中であの道路運送法を全面的に改正をするというお考えがあるかどうか、これからお聞きをしてまいります。
  161. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 確かに現在の道路運送法昭和二十六年に制定されまして、その後何回かの改正を経て今日に至っておるわけであります。私、昭和二十六年当時この法律の作成作業に携わった経験があるわけでありまして、その当時と現在と比べてみまして、おっしゃるとおり、現在三千三百万台でございますし、その中で営業自動車が百万台ということで、三%程度しか占めてない、自家用自動車のウエートが非常に高い、こういう状況になっているわけです。私ども現在いろんな解決すべき問題点があるわけでありますけれども、旅客関係ではやはり当時は伸び行く自動車を目指した時代であったんですが、現在は公共輸送機関をどうやって経営を守っていくか、維持していくか、そして利用者の利便にこたえるか、これはバスもタクシーも同様でございますし、また都市圏におきましても特にまた地方交通においてはそういう状況にあるわけであります。貨物につきましては、数量的に国内物流の中枢を担う地位に立っておるわけでありますけれども、その役割りなり地位にふさわしいような事業体として現在なっておるかどうかという点につきましては、何といっても非常に中小企業、零細でありますので、これの構造改善、近代化ということを進めていかなきゃならないというふうに思っておるわけでございます。で、旅客、貨物通じて輸送秩序の改善、これがまた大きな問題でございまして、この事業者内部の問題と、また事業用と自家用との間の問題として解決していかなきゃならぬということでございまして、いま申し上げたような点を踏まえて、私ども至りませんが努力をいたしておるわけでありまして、そういった中で、たとえば輸送秩序の問題にしましても、これを現行法下でもどうしても守るし、守らしていかなきゃならぬということでございますが、それがルールなり規範の上におきまして問題点があって思うようにいかないという点につきましてはそれらを見直しまして、そして反映さしていくと、こういう考えでおるわけでございます。
  162. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 最後の結びのところはまた一番しまいにもう一回聞きたいと思うんですが、いまも局長お話が出ました自家用車が大変ふえてそれで自家用とこの営業用の関係なんです。自家用、営業用というものの区別というものは何で見ているんですか。それで、これは道路運送法のあの中でも百一条ですか、「自家用自動車は、有償で運送の用に供してはならない。」、さらには、次に「自家用自動車は、運輸大臣許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない。」と明らかに書いているんです。これは局長、現在守られているのかどうか、自家用と営業用というその区別はどういうところでしているのかというその辺をひとつ明らかにしていただいて、そして、この法の精神にのっとってきちんといま守られているかどうか、その点をお聞きしたいんです。  それからもう一つは、さっきも多いと言われたわけだけれども、自家用のバスだとかトラックやマイクロバスというのはいまどのくらい登録されて走っているんですか。
  163. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 第一の点の自家用と営業用の問題でございますが、現在の道路運送法におきましては他人の需要に応じて云々ということで事業というものをとらえておりますし、自家用につきましては自己の需要に応ずる、要するに、需要の他か自かということが両者の区分の大きなメルクマールになっておるわけであります。もちろん先生おっしゃったように、有償性という概念もこれに加味されておるわけでございます。  そこで、そういったものが区分が守られているかどうかという点につきましては、現在の状況から見ましてこれが十分に守られているということは残念ながら言えない状況にあるわけでありまして、したがって、輸送秩序の確立ということが強く叫ばれる状態でございます。  また、自家用のバス、マイクロバス、それからトラックはどのくらいかという第二点のお尋ねでございますが、自家用バスの中で普通車が一万八千四百六十一両、それから小型車、すなわちマイクロバスでございますが、十一万九千百十七両、合計して十三万七千五百七十八両でございます。自家用トラックは合計で七百五十五万五千六百八十五両と相なっております。
  164. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 次に業務課長さん、あなたにお聞きしたいのは、運輸省大臣官房観光部業務課長さんの名前で、昭和五十二年十月二十四日に、日本旅行業協会の会長さんと全国旅行業協会の会長さんあてにいわゆる「道路運送法違反事犯にかかる旅行業者への周知徹底について」ということで、言うならば自家用が営業行為をしておった、それで刑事事件に問われて罰金まで食らっている、こういう事例があるのだから気をつけろという通知を出された。ですからこれだけもうお出しになるんじゃかなり目に余るものがあったからおやりになったと思うのだけれども、これは昨年のことで、この種のこういう違反というようなものがどの程度あるのか、この周知徹底を出されてから、その反応がどういうふうに運輸省の方に来ておるのか、そこら辺をお聞きしたいのです。
  165. 小池公隆

    説明員(小池公隆君) お答えいたします。  昨年、御指摘のように、十月二十四日付で業務課長名で、ある県におきましてレンタカー業者の一般貸し切り旅客自動車運送事業の無免許営業、これをそれと知りつつ利用した旅行業者がいる、そうして道路運送法違反の幇助犯として罰せられたという事件がありました。その件にかんがみまして、そういう行為につきまして、これは単に道路運送法違反ではなくて、旅行業法における旅行業務に関する不正行為である、これは当方といたしましても厳罰をもって対処する、こういうことを旅行業協会に警告いたしたわけでございます。同時に、陸運局、あるいは国内旅行業者を取り扱っております都道府県知事、こういったところに指示いたしまして、こういうことのないように厳重に指導してほしい、こういう依頼をしたわけでございますが、この事案につきましてはその後どのようになっているか、こういう御質問でございますが、旅行業者の場合あくまで道路運送法違反の幇助犯だということでございますので、正犯の処理、これに従うことに相なります。したがいまして、一、二例を聞かないわけでもございませんが、行政処分に至っている例はいまだ承知いたしておりません。
  166. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 件数は。
  167. 小池公隆

    説明員(小池公隆君) 件数は、そういうことでございますので、ちょっとわからないわけであります。
  168. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そういう問題を起こすレンタカーの中で、だから一番いま私聞きたいのは、マイクロバス——大体これは自動車局長の方ですかね、マイクロバスのさっき出たのが十一万九千、この中のこれは自家用ですからあれですか、白ナンバーも全部そういうことになるわけですね。業者の数はどのくらいなんですか。
  169. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 先ほど私申し上げましたのは、自家用バスの中のマイクロバスの両数でございまして、先生いまお尋ねのレンタカーの事業者としてはどうか、こういうことでとらえてみますと、マイクロバスの貸し渡しを行っております事業者は二千六百八十五でございまして、その車両数は七千六百八十九両、これは五十二年の九月末現在の数字でございます。
  170. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 さらに続いて局長にお聞きするのですが、その問題のマイクロバス、マイクロバスというのは二十九人乗り以下ということになっているはずなんです。ところが車体の方は長さが八・一四メートルで一般観光とか路線用に使われているバスと同じ大きさのバスがかなりある。ですから八・一四メートルということになると、一般観光は、路線用になればこれは五十三人乗りになってしまう。五十三人乗りに使えるのをデラックスにして定員だけそういう形で二十九人乗りにして使って、それなるがゆえにマイクロバスとして使用されている。その辺は監督官庁としてどう見ておるのか。それがいま数は七千六百八十九台全部がそうだとは私も思いませんですけれども、普通のレンタカーならばもういま運転免許をもってすぐ乗れるし、これは問題が起きないんだけれども、普通の人でもってそんな大きな車体のレンタカーを借りて、そんなに運転できるような状態でおるわけもないし、また、二千六百八十五の業者がそれで商売が成り立つほどあるはずがないと思うんですね、普通乗用車だったら別ですけれども。ですから、その辺の点が、どうなっているのか、どう御判断をされているのか。私は、このレンタカー業というのは、あくまでもこれは車を貸すことを業にしておるのであって、だからレンタカーです。運転手を貸すのは違法だと思うんです。仮に、それを利用しようとして来た人の方から、運転手がいないからあっせんをしてくれないかと言われても、レンタカーの業をしている人がそれに応じてはならないはずだと思うんです。たとえ利用者の要請であってもそれに応じればそれはやはり違反になると思うんですけれども、その辺をどうお考えになっているかということをお聞きしたい。
  171. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 乗車定員二十九人のバスで長さ八・一四メートルのものについてでございますが、マイクロレンタバスの許可をいたします場合に、対象車両としては乗車定員十一人以上二十九人以下ということで、四十年以降現在まで変わっておらないわけであります。確かに、当初、通常車両長にしましておおむね七メートル以下であったわけでありますが、五十年当時、乗車定員二十九人以下で車両長が八・一四メートルの車両が開発されたことに伴いまして、これを許可対象車両として認めたわけでございます。その通達におきましても、乗車定員三十人以上として製作された車両を二十九人以下に改造するというものについては対象にしないということを明記しておるわけでありまして、そういう状態で現在おるわけでございます。  それから、レンタカーというのは車両を貸し渡すのであって運転手を貸し渡すのではないのだと、こういう御意見に対しましては、私もやはりレンタカーというのは、原型としては自分が運転することができる方が車を物体として借りる、こういうことであろうと思います。あくまでそれが基本なんだろうと思うわけでありますが、一つの集団として、いまの二十九人以下程度の集団として車を借りて、その集団の中において運転行為が行われるというものについてまで一律に禁止するという考えをとっておらない状態でございます。
  172. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 局長、もうちょっとこれ、車の名前、ここじゃ関係ないから言わないようにしますけれども、全長が八メーター一四、幅が二メーター二五で、その五十三人乗りも二十九人乗りも全部同じなんです。改造したんじゃなくて、初めからメーカーがそういうことでつくっておるんですね。ただ、高さの方はデラックスのマイクロバスの方は二メーター八八で、五十三人乗りが二メーター九六というふうに少し高さは違うんですけれども、むしろ車両の総重量においても、ですから、車両の重量というのが一般の五十三人乗りの方がこれは五千五百五十キロっていうんですかね。むしろ二十九人乗りの方が重いんです。六千三百六十キロですか。ですからそういう需要があるから、メーカーの方は、改造ではなくて初めからそういう形で要求に応じてもうつくっておるんだと思うんですね。だから、そこはいま言う需要と供給の関係ですね。そういうものが必要なんだというのだから、それをつくられることは、何もレンタカー業者が買うだけではないんであって、ほかの方の人たちも必要から買うと思うんです。ただ、私が理解がつかないのは、そういう大きなずうたいをしたのを、本来ならば、大きさからいくならば、一般路線用に走っているのと同じ大きさなのをレンタカー業者が持って、レンタカーとしてそういうものを商売の業として貸している。そんなものを借りたってこれできる者がいるはずがないですから、それを許可の対象に含めて認めたというところが私は皆さん方の御判断の少し甘いところと思うんです。もう一回そこをお聞きしたいんですが。
  173. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 先ほども申し上げましたような基本型から、二十九人以下の集団の方で、その集団の中で運転行為を行う方がおって、そうしてそういう車を使いたい、こういう需要というのは、私は全くないとは言えないと思うわけでありまして、むしろそういう需要にどういう形でこたえていくかという方が問題の解決につながるんじゃないかというふうに思っておるわけであります。確かに、外観は通常の路線バスなり通常の貸し切りバスの外観で、中の乗車定員が少ない、ゆったりと申しますか、デラックスと申しますか、そういった形で旅行したい、こういうものにつきまして、それがいけないというところまで禁止するということはいかがかというふうに思うわけでございます。
  174. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 旅行するのを禁止しろと言っているんじゃないんです。レンタカーとしてそういう車を扱うところに問題があるんじゃないかと。それは営業として運転する人だったらそういう人は幾らもおるけれども、年に一回や二回旅行に行くという人で、それだけの大きな車を動かせるような者がそんなにいるわけがないんですから。ですから問題は、いわゆる白バスだとか、マイクロレンタバスだとか、そういうものがいま公然と営業行為を行っていること、それを放置しているところに問題があります。  で、レンタカー業者が、さっきも言ったように、運転手つきで貸し出しをしている場合、これは新聞も書いているんですから事実だと思う。それからレンタカー業者が自分で旅行会員を募集をしていろいろと旅行をしている場合、それから旅行あっせん業者とレンタカー業者が共同して営業行為をしている場合、それからこれも、こんなことは余り何じゃないんですけれども、写真もきょうは持ってきているのでお見せしたいと思うんです。ここに来ているのは全部、白バスなり何なりが東京の中をあっちこっち走りまくっている証拠で撮ってきた写真なんです。これは、ことしのつい最近、五月の三十一日に学士会館の前の駐車場のところへとまっているのをこうやって写真を撮ってきた。だれが使っているかと言えば、文部省の所轄緊急連絡長会議で使われているんです。お調べいただきたいと思うんです。お役所が使っているわけでしょう。あるいは日本商工会議所、これも五月の三十一日にあそこの東京近代美術館の前の駐車場のところにちゃんととめられている。しかも、まだ小学校だとか中学校なんかもユネスコのところの駐車場に明らかに「わ」番号でとまっていれば、これはもうだれが見たって自家用の車ということははっきりするわけです。ここに持ってきているのを、これは何だったら見ていただきたいのですが、私の手元に送られてきたのですが、これは一年も二年もかかってのあれじゃないんです。この三月、四月、五月のわずか三カ月間です。特別に専門でだれかがそういう違反の車を捜して歩いたんじゃないんです。日常運転をしている運転手さんが、余りにも目に余るじゃないかといって、自分たちが運転をしながらそういうのの車のとまっているところを、何月何日どこの場所のところにどういう車がとまっておったといって、その車のあれから、先ほど言ったように、たとえば文部省なら文部省のこういうのに使われている。それでこれなんか、先ほど言ったように.文部省のこれというのはお役所にしてはある意味じゃ正直だと思うんですね。そういう文部省所轄緊急連絡長会議とちゃんと車のどころに書いてあるからわかっちゃうわけなんです。かなりの車はそれをいま書いてないそうですよね。しかし、そのとまっている場所から何から言って、「わ」番号がついていることから言っても、それは明らかに白バスだということになる。白バスはもうそれはネームを見ればわかるんですから。これ、たった三カ月間ですよ。ですから、その辺がこれはもう局長にしても、何というんですか、そういう違反でもって白バスが営業行為をしていることを御存じだと思うけれども、知っているということもこの場でもって言いにくいと思うんです。しかしながら、監督官庁として、もうここまで乱れてきたのを野方図にしておいていいかどうか、もうちょっとお考えいただきたいと思う。その点でいかがです。
  175. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 私といたしましても、先ほど申し上げましたように、輸送秩序の問題というのは何もトラックに限ったことでございませんし、いま先生御指摘のような事例ということを顧みましても、旅客関係においても同じように重要な問題であるわけです。そこのマイクロバスのレンタという問題をとらえてみますと、私はやはりいま先生もおっしゃいましたように、そういう需要があるという前提に立たざるを得ないと思うわけです。これをどうやって正常な形で充足し、賄っていくかということになろうかと思うわけであります。ですから、私は問題の解決としてはそういった違法な白バス行為に対しては取り締まりを厳重にして、これを是正させていくということと同時に、それではそういった需要の受けざらと申しますか、これをどうやって吸収していくかということになると思うんです。現在の貸し切りバス事業の実態を見ますと、保有車両数の中でマイクロバスの比重が約五・八%という状態で、非常に、端的に申し上げますと、余りマイクロバスというものを持ちたがらない傾向にあるわけであります。したがって、私は一方で取り締まりを厳重に推進していくと同時に、他方でこういった貸し切りバスの輸送体制の方の整備というものと一緒に推し進めていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
  176. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 その辺のところは後でまた総括して大臣からお答えいただきたいと思うんですが、いまトラックが出ましたんで、今度はトラックの方の白トラですか、これは私、国鉄の五十一年度の監査報告書で調べたんですが、貨物輸送がトンキロベースで国鉄が一・二%、だんだん落ちてこんなに下がったですけれども、それから民鉄が〇・二%、それからトラック営業用が一九・五%で自家用が一六%、両方でトラックが三五・五%、もちろん一番大きいのは内航海運でこれは五二%、それから航空機が〇・一%。もういまみんな物を運ぶのは国鉄離れをしちゃって、皆トラックでそうやって運ばれているわけなんですから、その増大をしていく中でいわゆる白トラといいますか、これが、かなり多くなってきているということは、これはもう局長さんも御存じだと思うんです。いまはもう公然の秘密になっているんです。  特に一つ例を挙げて申し上げるんだけれども、こういう場合を皆さん方どう扱われるかということなんですが、いわゆる自家用のトラック一台持っているのが砂利なら砂利の採取場に行って、形式的には自分がその砂利を買ってしまう。自分の物にしてしまう。それで、それを走っていって今度は、本来ならば運ぶ先へ行って、今度はそこの業者に自分の砂利として売る。それが先ほどお尋ねしているように、自家用と営業用の区別も昭和二十六年の法律の、いまの非常に——あのころはそんなこと考えられなかったから必要もなくてこわがってしておったのが、いろいろだんだんそういう法の網の目をくぐって、形式的には自分が物を買って自分の物を人に売るんでとやかく言われる筋合いはないじゃないかということになるかもしれない。しかし、その法の精神からいったときに、それは私明らかに違反だと思うんです。いわゆる白トラと思うんです。しかもその人は物を運送するというその業としての何というんですか、許可といいますか、免許は持っているだろうけれども、砂利を売ったり買ったりする、その商売をする上の免許は明らかに持っていない。そういう点からいってもそれはひっかかることなんだけれども、そういうふうなことについてどういうふうなお考えをお持ちで、いまどういう対策をおとりになろうと考えているのか。
  177. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 白トラックと申しますか、自家用トラック営業行為についての御質問でございますが、いまの砂利の販売、それらの手段として運搬行為があってということでございまして、これは形式的には自家用ということになっておりますが、その実態についてはさほど分明なもの、はっきりしているものと言い切れない面、確かにあると思います。私はそういった、いわゆる悪い言葉ですが、一匹オオカミというようなことも言われておりますが、そういったものにつきましてはどうしてもこれは共同化、協業化して、そして一つの輸送単位になるならばそういうものとして、私ども道路運送法の上でも評価してとらえていくという方向へ進まなきゃならぬというふうに思います。また、そういった方々の安全、事故防止というのを目的にして、都道府県単位にダンプカー協会というものが進みつつありますが、そういった団体的なとらえ方をしていくということによって問題を解決しなきゃならぬというふうに考えております。
  178. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 時間もあれですから最後にまとめていろいろ聞いていきたいと思うんです。  いま局長は、そういう一匹オオカミがおるからよろしくないんで、共同化をということを言われたんですが、またそれも私は大変な、なかなか簡単に——そういう方向でと言っても、よほどこれはもう法改正をして再編成をやらなきゃできないことなんですから、そういう点でともかく監督官庁として、白バスが横行している、マイクロレンタバスが横行している、白トラックが横行していることはお認めになれといっても、それは言葉上はこれは無理にお聞きしようと思いませんけれども、それは事実はお認めになると思う。そういう違法行為が目に余るものがあるんだけれども、それを取り締まる御意思があるのかどうなのか。そうして、あるとするならばどういう方法でおやりになろうとしているかが第一点。  それから先ほども申し上げましたけれども、八・一四メートルもあるいわゆる一般の路線バスと同じ大きいのがマイクロバスとして使われている。これは私はレンタカーとしてそれを扱うことが、乗る人員で規制して扱っているんだけれども、それは正しくないと思う。正しくないというか妥当ではないと思うんです。ですからそういう点からいくならば、そういうずうたいの大きいのというのは、やはり事故防止のたてまえからも、レンタカーの対象にさせないというぐらいのことをやはりきちんとなさるべきだと思うんですけれども、その点がどうかということ。  それから先ほども言いましたように、お役所とか学校のようなところがもう白バスを使っているんですから、こういうのについてどうやってそれを取り締まるお考えがあるのか。そしてもう一つの点は、結局これは冒頭にも申し上げました道路運送法全面改正につながるんですけれども、いまの免許の持たせ方というのを、結局、運転者機能を持つ資格というものと、事業者機能を持つ資格というものとに区別をして、言うならば二段階の免許制を実施をする、そういうことをやっていくことになればかなりやはりこれは規制もされると思うんですけれども、もちろんこれには法改正が伴うんだけれども、その辺のことについておやりになる考えがあるかどうか、以上まとめてお聞きします。
  179. 中村四郎

    政府委員中村四郎君) 第一点のこういった違反実態に対して取り締まりの意思があるか、どういう方法で対応するのか、こういうお尋ねでございますが、もちろん私どもとして、輸送秩序の確立ということを最大の眼目にいたしておるわけでありまして、そういった中で事業の適正運営というのを図らしていこう、こういう考えでございますから、取り締まりの意思は十分に持っておるわけであります。ただ、いろいろ予算面、人員面等で力の足りない点はございますが、意思はどうかという点については十分に持っておる所存でございます。  それから、どういう方法かということでございますが、事業者内部の問題と自家用の問題とは性質が違うと思いますが、事業者内部の輸送秩序問題というのは、たとえばトラックで私ども貨物輸送監理官制度というのを発足させまして、現在十五名でございますが、しかし、私はいまのいろんな制約条件の中でこれはとらの子じゃないかというふうに思っておるわけでありまして、これ中心にしまして、やはり業界の自主的な、たとえば適正運賃収受運動を初めとして、輸送秩序を守ろうという運動と相まって、相呼応していかなければ、これだけの台数があるわけでありますからなかなか官側だけで行き届くということはむずかしいんじゃないか、かように思っておるわけです。  それから第二点の八・一四メートルの問題と第三点の役所や学校が白バスと申しますか、レンタカーを使っておるということについてでありますが、これは私は先ほども申し上げましたように、やはりそういったそこに需要があるとするならば、これをどういう形で対応し、充足さしていくかという方法の問題だろうと思うわけでありまして、したがって、私としてはこの問題については貸し切りバスの輸送体制の整備と、それからレンタカーの整々とした運営という、それに対する取り締まりの強化、それと相まってこれらについて結論を出したい、かように考えております。  それから役所、学校という点については、特に私どもとしてそういったレンタカーで、しかも運転手がどういう形で提供されているか、その実態によりましては法で禁ぜられている行為であるということについて、やはり連絡を申し上げて、輸送秩序問題にも御協力をいただくというふうに考えるわけでございます。  それから第四点の免許の持たせ方についてでございますが、確かにいま先生おっしゃった二段階方式というのは、イギリスの免許制度等でとられておりまして、たしか英国の場合に積載重量三・五トン以上のトラックは、営業用、自家用を問いませんで、安全性等の見地からする一種の許可を必要とするということになっておりまして、一方、積載重量十六トン以上の大型車の運行につきましては、そういった許可のほかに、さらに特別の許可を要するというふうにされておると聞いております。しかし、この第二段目の方の規定についてはまだ発効していないというふうにも聞いているような状態であります。しかし、私どもとしては、御提案の二段階制ということにつきましては、外国の例等もさらに調べまして、そういったとらえ方が事業の適正運営の上におきましても、また輸送秩序を確立するという上からも効果的であるというのならば、私ども大いにそれを考慮の中に入れて検討してみたい、かように考えるわけでございます。
  180. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 時間がないから、大臣ね、いままでのをお聞きになっていて、そしていかにいまの道路運送法が不備かということはお感じになったと思うんです。そして、いろいろもう細かいことはいいですから、私はどうしてもこの全面改正に取り組んでいただきたいし、それからいま局長も言われたけれども、需要があるから、方法の問題——これはあなた、私はここでもって違反があることを認めろなんて言うつもりはないけれども、需要があるからこうなっちゃうんだと、問題は方法の問題、それは許されませんですよ。それだったら、成田のあそこの団結小屋と同じじゃないですか。無法者がはびこって、正直に良識的にちゃんと法を忠実に守った者がばかをみている、そんなことを許しておいてはいかぬことなんです。ですから、その例も含めまして本当に、いま何回も局長が言われるように、この輸送の秩序の確立というか、それをどうやってやるかということを本気になってもう考えなければならないところにきているんで、その辺だけ、細かいこといいですから、大臣、締めくくりでもってお答えいただきたいんです。
  181. 福永健司

    国務大臣福永健司君) まず最初に、先ほど成田開港についてありがたいお言葉をいただきまして恐縮に存じます。皆様の御指導、御協力をいただきましてまあまあにいっておりますが、なおこの上ともよろしくお願い申し上げます。  最後にお触れになりました点でございますが、その前にいろんなお話を伺いつつ、私もこれはもう何とかしなきゃならぬという感じを強くいたしておるわけでございます。問題は広範にわたり多岐にわたるためにそう簡単にもいかぬかと思いますし、先ほどから自動車局長答弁しておるのも、ずいぶん苦しい答弁もしておるように正直に私そう思います。そういうような事情でありますだけに、思い切ってこのあたりでこの問題と取り組む姿勢について考え直さなきゃいかぬのじゃないかというように強く感ずるものでございます。どうも容易じゃないから何とか言い逃れしてそのままというようなことを、それに当たるものは苦し紛れにそうしておるんだと思いますけれども、私は、政治のあり方としては、こういう状態になったときに前進することを考えなければならぬと思います。運輸行政もいろいろめんどうがありますので容易じゃございませんけれども、正直私はそういうことを考えております。外国の例等もいろいろ引いておりましたが、大いに参考にするのもよいし、参考にするという段階においては、まだ外国もやっていないようなことでさらにいいようなことも考えていくべきである、こう思います。いずれにいたしましても、まあ取り締まりの意思は十分にあるように局長表現しておりましたが、その意思が現在の程度ではまだ足りないんじゃないかという感じがいたします。大いに強化していかなければいかぬ、こういうように思います。ただ答弁だけのことでなくて本当にそうなるように私は念じつついまのことを申し上げている次第でございます。
  182. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 自治省の方おいでになっていますね。——そちらにお聞きしたいのは、船員の選挙権の問題なんです。国会議員の選挙については不在者投票制度というものがあるんですが、きわめてこれは煩雑なんです。もう御承知だと思う。で、実際の効果というものはどの程度あらわれているのか、昨年の参議院選挙、それから一昨年末の衆議院選挙で、この船員の不在者投票というものがどのくらいあったかということから、まずお聞きしていきたい。
  183. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 御質問の、昨年の通常選挙におきます船員の不在者投票の数でございますが、全国区で五千八百四十二人、このうちいわゆる遠洋航海に携わられます——指定船舶と言っておりますが、これに乗船しておられる方の投票が五百九十六人、それから地方区が、船員全体で五千七百三十九人、そのうちで指定船舶の乗船船員の方の投票が同じく五百九十六名、こうなっております。それから、五十一年の総選挙におきます不在者投票は、船員全体で九千三百八十七人、そのうちで指定船舶に乗船された方の不在者投票が四百十五名となっております。
  184. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 この不在者投票制度というのが決められているわけだけれど、参議院のような、大体もう投票日の決められているのというのはそれなりに間に合うわけだけれども、衆議院のようにいつ解散されていつ総選挙になるのかわからぬというようなのは、実際問題としてはあってもなかなか利用ができないんですね。ですから、そういう点から考えていろいろこの際御検討いただきたいと思うんです。  それから、国政レベルの衆議院と参議院はそういう制度ができているんだけれど、今度は投票日はほとんど決まっているんだけれども、地方選挙、あるいは県知事だとか県会、市会というような地方自治体の選挙、そういうものについては一切認めてないわけなんですが、その辺はいかがなんですか。
  185. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 船員の不在者投票につきましては、お答えの前にちょっといきさつを申し上げますが、一般的に船員の不在者投票につきましては、一般の方との、職業あるいは異動が多いという違いから、一般の方式による不在者投票のほかに、指定市町村、つまり港を指定しまして、その指定港の所在する指定市町村におきまして不在者投票をされる方法、それから、そこで投票用紙をもらって船にお帰りになって、船長が不在者投票管理者として、その船長のもとで不在者投票をする方法、この二通りの方法があったわけでございますが、それも不在者投票の通則としまして、選挙の公示ないし告示後に不在者投票の手続が始まりますために、いわゆる遠洋航海に出発される船員の方につきましては、そういう便法がなかなかむずかしいという経緯がございました。そこでいろいろ工夫をいたしまして、昭和三十九年以来、遠洋航海に従事される船員の方々につきましては、選挙の公示以前におきましても投票用紙の請求をされればお渡しをして、船長さんが一括してそれを受け取って、それで船に積んで航海に出られます。それで、船の中で投票をしまして、最寄りの寄港地から航空便で内地へ送ると、こういう方法を三十九年以来採用をしたわけでございますが、御指摘のように現在はその指定船舶の制度は国の選挙に限られております。つまり、総選挙と通常選挙に限られております。当時から、地方選挙についてもというふうに考えたわけでございますが、御承知のように、地方選挙は選挙期間が非常に短うございます。したがいまして、実際問題として、その短い選挙期間中に船の中で投票をしていただいて最寄りの寄港地から投票用紙を内地へ送っていただくという場合に、時間的に間に合うだろうかという疑問が非常にあったわけでございます。そこで、この問題についても、最近までいろいろ御要望がございました。まあいろいろ御要望の中では、外国でやっておりますような代理投票、いわゆる委任投票でございますね、内地におられる方に投票権を委任すると申しますか、かわりに投票してもらうと、こういう制度が採用できないだろうか、こういうまあ御要望を受けまして一いろいろ勉強をさせていただいたわけでございますが、現在の日本の選挙風土におきまして、そういった委任投票が果たしてそこを壁を突き破ることができるかどうか、現在のところまだ踏み切れないでおる状況でございます。  問題点だけ申し上げました。
  186. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私が一番言いたいのは、ああいう遠洋なんかに行く船員の人たち、国民としての納税の義務は一〇〇%課せられてるわけですね。それで、もう一つの大事な公民権というか、選挙権の行使は、まあ一〇〇%と言わないまでも、ほとんどできない。それで、それは大臣ね、私はもうあっちこっちでずいぶん言われたんだけれども、もうあと二年で定年を迎えるんですが、私は選挙ってことはいまだ一度もやったことがないんですという、そういう船員の人たちがいっぱいいるんです。これは私はね、大体いま遠方へ出ていく、そういう船員が遠洋漁業を含めまして二十万ぐらいいるんですね。これは、自分で海外旅行に行くんならば、たまたま海外旅行でパリにいるときに投票になったといって、これはできない、それはもうおまえたちがわかってて行くんだからと言って済むかわからぬけれども、いまもお話があったように、これは一つの職業としてそこへついてるわけですよね。職業としてついてて、そういう職業にあるがゆえに年がら年じゅう海の上におって、それで選挙が来たってできない。いま大体三カ月から六カ月ぐらい珍しくないんです。それで、だんだんこのごろ大臣ね、また三国間貿易がふえてきたんです。そうすると、三国間貿易ののは、それほど量は昔ほどには多くないですが、それでもやっぱりもう万はいっていると思うんですよ。この人たちってのは、だから出て行ったら一年以上日本の国に帰ってこないんです。そうすると、もう完全にどうにもならない。ましてや、この不在者投票制度ができて、先ほど言うたら昭和三十九年からやられてるのは事実です。これは事前にちゃんと何ていうんですか、選挙人名簿の登録証明書を交付して、これをもらっていって、それでいよいよ出かけるときになったら、今度は何の請求をしていって、その船が着いた所、どっかでもって投票用紙をもらってやるわけですけれども、こんな繁雑なことでもって、実際にそれまでやって、じゃ、投票しようかという人はごくわずかなんです。ですから先ほどお話聞いたのでもわかるとおりに五千何ぼと。五千何ぼといっても、この中のあれはかなり何ていうんですか、近くにおった方たちであって、遠くの人たちというのはほとんどこれはできないわけです。ですから、そういう点で、この船員の人たちのいわゆる選挙権の行使ができるように、これ、自治省で御検討願うお考えありませんか。
  187. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 先ほど申し上げましたように、国の選挙につきましては、一応制度的には、遠洋航路に就航される船員の方々には保障されておるわけでございますが、ただこれとても、まあ最寄りの寄港地がございまして、そこからちょうどうまいぐあいに飛行機便があって、選挙の期日までに到着すればの話でございます。したがいまして、いわんや地方選挙におきましては、選挙期間が非常に短いものでございますので、通常の現在の不在者投票の手続で果たして確実に選挙期日までに届くかどうかという疑問がございますので、ここは一つ大きな壁がございます。いわゆる、先ほど申しましたように、代理人に対して投票を依頼するというようなことがもしできますれば、これは問題が相当解決されるんだろうと思います。  ただその、同じような問題をもう一つ挙げて恐縮でございますが、海外の居住者の方についても同じような事情がございまして、そちらの方々の方からも何とか投票権が確保できるような方策はないかと、こういうお話もございます。同じ問題として今後不在者投票がだんだん利用度もふえてまいりますし、非常に重要な権利でございますので、その壁が突き破れるかどうか、もうしばらく検討さしていただきたいと存じます。
  188. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 時間がないから、外国の、イギリスやフランスの事例もお聞きしたいと言っておいたんだけれども、これはおよそのことは私どももわかっていますので、もういいです。そういうことも参考にしていただいて、そして御検討いただきたいと思うんですよ。  それで、いま壁が破れるかどうかと言っていますけれども、体が悪くて在宅——自分のうちで投票をやれるようになっておった制度を変えてしまってやれなくなったといって、これも裁判でもって訴えられて、憲法違反だといって裁判所が下しているわけでしょう。それから見るならば、この船員のそういう何十万もいる人たちがのべつ幕なし海でもって世界をまたに歩いておって、そしてたまたま港におれば別だけれども、そうでなければほとんどそういう選挙権の行使ができない。いないからできないというなら、じゃそういう人たちは税金の方も外国へ行っている間は税金を納めない——ね、大臣そうでしょう。国税庁が、日本にいなければ免除してやるというなら話は別。しかしそれはきちんと、やっぱり期限には納めないと差し押さえでも何でもやるわけでしょう。かわって奥さんが納めるわけでしょう。だったらやっぱり国民の権利として大事なこの公民権、選挙権もやはり考えてやるべきだと思うんです。  それで、先ほどからその壁が破れるかどうか——おっしゃるとおりだと思うんですよ。しかし私はここでもって提言しておきたいと思いますことは、だからいまも不在者投票制度もつくり、それでもう二十トン以上の船、魚船なら、三十トン以上の船は船長がその不在者投票の管理責任者になってやれということも何ですか、この法の中で決めているんですかね。ただそれがそう決められておっても実際に生かされない、そういう状態にあるんですから、この際その壁を破って、そして生かして、この人たちにも選挙権が行使をできるように考えていただきたい。  ですから、そういう点からいくと、何というんですか、九月十五日かなんかで選挙人名簿ができるわけでしょう。あれと一緒にいつも投票用紙ね、もう船が出ていくときには投票用紙を積んで出ていって、そして走っている間に何かがあったら船長がその投票管理の責任者になってそれをやる、それでどこかの港からすぐ送るという方法をとるとか、そうでなけりゃ、もう一つはいまも言われましたように、家族なら家族に限って代理投票といいますか、委任投票といいますか、何かそういう特例の道をつくって、それで、この人たちが選挙権を行使をするように、その辺のお考えをいただきたいと思うことを申し上げて終わりたいと思うんで、その点御返事だけ聞かしてください。
  189. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) まあ現行制度の中で、さらに投票しやすくなる具体的な方法なり、それから最後に御指摘になりましたような、われわれとしてはまだ大きな壁だと思っておりますが、そういった代理投票なり委任投票の問題につきまして、今後とも研究を続けさしていただきたいと思います。
  190. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 委員長、もう一つ。  壁、壁って、日本の国の経済でも何でもどうなんですか、仮に十年前なり二十年前、さっきの道路運送法でも同じなんだけれども、その一昔、二昔前に考えたようなこと、何もいま通用してないわけでしょう。やっぱり今日の時代、今日の情勢の中でどうしてやらなくちゃならないか、そして国民の持っておる権利というものを、いままで自分たちが実際において、その方法の上でもってやれなかったんでだめですってやってきたんだけれども、もうそういう御時世ではないんだという、そういう御判断に頭を切りかえていただいて、それでその壁をぶち破ってそういう期待にこたえる方向で取り組みますと、きちんと言ってくださいよ。
  191. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) まあこの代理投票、つまり委任投票につきまして、実際問題として、確かに投票権の行使の面から言えば非常に有意義な制度であるとは思います。また同時に、それがまた憲法上の一つの権利だとも思います。ただ御承知のように、憲法ではいわゆる投票の秘密というような規定もございます。それで、結局代理投票ないし委任投票を適用いたします場合に、まあ指定する国内の代理人をもって投票させるわけでございますが、実際問題として果たして代理人が本人の指定するままに投票をする確信、あるいはそういった代理人に対する候補者の記載の依頼がまあ投票の秘密ということについてどう関連するかという、非常に大きな問題も伏在しておるということを御了承いただきたいと思います。
  192. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 検討するんですか、どうなんですか。
  193. 大林勝臣

    説明員(大林勝臣君) 先ほど申しましたように、引き続き検討さしていただきます。
  194. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 終わります。
  195. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時四十六分散会      —————・—————