○濃
野政府委員 この
法案は、本年の年初から
法案の作成作業にかかりまして、一月の半ばごろに私
どものいわゆる第一次案——第一次案と申しますよりは、いろいろな
議論の結果をまとめました案ができ上がったころから、ただいま
先生御指摘の朝日新聞の二月十六日でございましたか、その前から、この
法案に対する各方面からのいろいろな論評が出てまいりました。
ただいま
先生からは五つ御指摘がございまして、
一つは
雇用問題で首切り
法案、二番目が
中小企業の切り捨て
法案、それから物価高を招く、それからいわゆる独占禁止法との問題、反独占、それから官僚統制を招くというような御批判がいろいろな方面から出てまいりまして、そういう御批判はまことに私
ども残念でございまして、そもそもこの構造不況問題の取り組みは、大臣からも何遍も御
答弁ございますように、昨年以来私
どもは、
関係業界の自主的な努力を前提に、なるべく役所が介入することなく、
業種業種の
実態に応じて問題点を整理し、整理のできたところで一緒に解決の方向を考えていくという基本方針で進んできたわけでございます。そういう
意味で、こういう御批判を受けたのははなはだ残念でございましたが、この
法案作成の階段になりましていろいろな問題点の整理をいたしまして、それが第一次案と申しますか、最初に取りまとめた
段階では、すべて問題点として羅列をしたというのが
現状でございまして、その中でこういう御批判が出てきたと思います。
しかし、その後の調整の
過程におきまして、たとえば第一の首切り
法案である、あるいは
中小企業の切り捨て
法案であるという点につきましては、この
法律案の第一条の
目的にも書きましたように、
過剰設備の
処理という
構造不況業種に共通の問題点に取り組むことによりまして、むしろそういう
業種の不況の克服と安定を図ることによって
雇用の安定あるいはそれにつながる
中小企業の安定を図るということで、私
どもこういう御批判にはそういう
意味でこたえたつもりでございますし、物価高という点につきましては、先ほど御
説明いたしましたように、私
ども、当面の循環的な問題というよりは、非常に長期にわたってこの
業界の安定を図ることによって、むしろこの
対象業種というのは、どちらかと申しますと、
基礎資材の供給
産業でございますとか、あるいは国民衣料を中心としたいわば国民生活のために基本的に必要なものの供給をする
産業、あるいは典型的な輸出
産業ということで、そういうものが長期的に安定した
かっこうで供給をされるということがむしろこのねらいでございました。
それから、独占禁止法との
関係、当初にはいろいろなことを問題点として私
ども検討はいたしましたけれ
ども、
公正取引委員会との間で調整の結果この
法律案の作成に到達したわけでございまして、独禁法という観点、独占禁止政策という観点から見ても、十分調整のとれた案ではないか、こう思っております。
また、官僚統制という点では、先ほどから御指摘にあるたとえば指示カルテルとかあるいはアウトサイダー命令、いろいろな点も
議論されました。しかし、私
どもは、あくまでも安定計画と、それから後の金融的ないわば債務保証ということを柱に、むしろ
業界の自主的な努力、判断を前視に構造不況
対策を進めるということをこの
法律のいわば柱としているわけでございまして、官僚統制的な色彩がこの
法律の中に出ておるとは私
ども考えておりません。
以上でございます。