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松永忠二君 その程度のことだからだめだと私は思うんですよ。指定校
制度を廃止するなら各企業が希望する求人を各
学校あてに通知を出すということをやっているから指定校ができるじゃないですか。求人の仕方が、いわゆる私大なら私大の求人でも、
大学のものについてはここへ申し込んでくれ、そうすれば私の方で求人の通知をしていくという、そのくらいのことはやれるじゃないですか。職業安定法には書いてあるんですよ、職業紹介について。そういうことも検討しない、やらなくておいて、自分の企業を自分で自由に
大学へ求め、生徒が逆に企業を訪ねていくというようなやり方のようなことをそのまましておいて、そうして指定校
制度をやめてくれといったって……。指定校
制度というのは試験の間口、指定校を取り除く上にもう
一つ採用の問題が残っているわけです。試験のところからもう指定校を打破できない。いまやるだけの根拠は、職業安定法の中に出ているんだから、もっと、
文部大臣と労働
大臣は協議をするということまで出ているんだから、こういう問題について、もっと要求するなら要求するだけのいわゆるしっかりした
方法を
考えて、私はやっぱり企業が一ところへ申し込めば、それが全
大学に通知が行くという程度のことはしてやる必要がある。大体、国家公務員なんかでも十倍ですよね、応募者が。採用の人員を一人とか三人とか規定してあればそんなにむやみにふえることはないけれども——ふえることも事実なんだ。そういう場合に、会場は勝手にそっちで決めなさいじゃなくて、
大学について申し込みがあれば開放するという程度のことをやらなければ、もっとそういう点について積極的な努力をするように労働省も、ひとつ
文部省と一緒になってやってもらわなければいかぬ。これが
一つ。
それからもう一回、少しまた行きますけれども、
学歴偏重社会をつくり出している元凶は中央官庁だと、こう言っているんですがね。そういうことをやるなら、まず
文部省が、中央官庁はそういう点について反省し、打破をしていく必要があるんじゃないかということです。私は、
人事院の方からこういう資料を出してもらって、これは
調査室を通じて努力してもらって出してもらいましたけれども、これで調べてみると、五十一年の問題ですけれども、上級試験の国家公務員の各省の採用状況は六百七十七人採用した中で、東京
大学は二百六十三人、京都
大学が九十人、五二%を東京と京都で占めているんですよ。それから旧帝大と言われるものと一橋とが五百三十九人。早稲田と慶応が十四人。旧帝大と言われるものと一橋を入れ、早稲田と慶応を入れたものが八一%。その表を見ればなるほど
学歴偏重をつくっているのはいわゆる中央官庁だということさえ言える。だから大蔵省なんかは二十五人全部東京と京都。東京が十九人、京都が三人。自治省が十四人を、東京が十三人、京都が一人。
文部省はどうだ、
文部省は国立から十三人。東京から十人、京都から二人、一橋から一人。私立は早稲田から二人採っているのですよ。これで有名校廃止だとか学歴打破とか何とかかんとか言ったって、これじゃやっぱり言うだけのことだなという感じ。で、名簿記載者の数は千二百六ですよ。
人事院で試験した結果、千二百六あるわけです。
一体文部省に、官房長来ているから聞くのですが、どういう採用するのですか。いわゆる登録名簿の中で、
文部省を希望した者を採点、いわゆる成績順位からとっているのですか。そういう採り方をするのか。しかし国家公務員の上級試験というのは、千二百六人は国家公務員の上級としての、人としての
役割りが学力的にあるということを
判断したのであって、序列から採っていかなければできないというものじゃないのですよ。採って悪いということはないけれどもね。学歴打破、学歴
社会打破というならば、この採用の仕方からもっと検討していかなければいけないでしょう。
大蔵省は五十二年度は東大が十八、京都が一人、東京工大が一人、一橋が二人、早稲田が一人。それでも二十二と一というぐあいに、とにかくいままでは全部京都と東京だったのが幾分でもやったのですよ。本家本元の
文部省も、学歴打破なんて言ってたって何のことはない、国立十三、私立二、しかもこれは有名校に集中して採っているわけです。どういう採用をしてこの人を入れたのですか、官房長から話を聞きたい。官房長に出てこいと言ったでしょう。人事やっているのだから官房長……。何で官房長来ないのですか。官房長が出てきてから、官房長から答弁聞きますがね。これを直さなければだめでしょう。ことしはどうなっているのですか。ちっとは
文部省は、ちょっとは変わってきたのですか。人数は幾人と幾人になっているのですか。これは後からひとつ官房長が来たときに聞かしてもらいますが、やっぱり
学歴偏重社会をつくり出している元凶は中央官庁だと言われたってわかるような統計は出ているのですよ。私は上級試験というのはこれだけの人数は、千二百六人はいわゆる上級官吏としての資格、力がある、その中から採用していけばいい、学歴打破という
社会情勢も
考えながらどういうふうなことをするかということを検討しながら。これは後にして。
その次に、企業は
一体何をするか。私は、新聞によると、日経連の宮本という事務局長は、門戸を開放すれば、武道館を
二つか三つ借りて試験をやらなければいけない、いまでも人事部だけで手いっぱいだ。
一体、指定校
制度以前の問題だ、
大学が多過ぎるということでしょう。こういうことを言っているのですね。しかし高校多様化をやったのは
一体だれの要請によってやったのでしょうか。いわゆる初級の技術者をつくり、中級の技術者をつくるために高校をふやしたり、工業高校をふやしたり、高等専門
学校をふやしたり、理工学部を充実したのは、企業の要請が大きな
一つの力であったことは事実でしょう。企業だって、そんないまさら指定校以前の問題だなんて言っていられるような責任の度合いでは私はないと思う。その上に、櫻田氏が会長である財団法人の日本青少年研究所のものが出たのを見ると、有名
大学卒を採用した方が間違いないと言っているのが一四%、面接で人物本位に選んだ方がよいというのが八三%、学業成積がよくなくても人物がすぐれていればよいというのが六五%だ。いわゆる企業の採用
方針は名
目的な学歴から人物へ重点が移りつつあるという結論だった。これを出したときに、本当かいね、というような疑問をみんな持ったというけれども、本当だと
考えるなら何でそういう——この調べた中には上場の市場へ出している会社が四百十五社。それなら何でもう、すぐ指定校
制度なんかは企業
自身が相談してやめないんですか。企業の
社会的責任は
一体何なのか。自分に言われなくても、この問題が
大臣から提起をされてきたら自発的に申し合わせをつくるとか、基準をこしらえるとかなんていうこと、それはもう
社会的責任だと私は思うんです。きょうは私は通産省呼んじゃいないけれども、人のことじゃないんだ。
二つか三つ武道館を借りにゃできないとか、あるいは人事部で
処理がいまでもできない云々でなく、いい
人材を選べばその企業は
発展するんだ。いい
教育ができれば、その企業が、日本の企業が
発展していく。利益を得るのは企業じゃないですか。しかもいいや、それはもう
大学が多過ぎるんだっていうような、そんな言い方ができる筋合いじゃない。私は、企業
自身がもっと
社会的責任を果たすために、この際自発的に申し合わせをするなり、自発的な基準をつくる。私が前々から主張しているのは、国家公務員の試験なんていうのは、生まれで、何年から何年生まれの人が受ける、という資格だけ持っているだけですよ。
大学卒なんていうようなものはないです。外務省の試験に高校卒とか
大学卒とかいうのがあるけれども、私は学歴を指定した就職なんていうのはやめたらいいと思うんですよ。この企業は、これからこれ生まれの子供で
大学卒業程度の力のある人を採用しますと。
大学を卒業しなきゃできないという、高等
学校を卒業しなきゃ試験を受けられないという、そんなばかなことは私はないと思う。そういうふうに学歴を基礎条件としないというようなことなどについてもこういうとこで自発的に相談してもらう。これは当然なことなんで、私はその企業の
社会的責任というものを明らかにする必要がある。こういうときこそ
文部大臣積極的で、
政府みずからが出てきたら、それこそ企業は言われなくともこういうことについて動き出すべきだと思うが、
文部大臣どうお
考えですか。