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国務大臣(
田村元君) 私事にわたって恐縮ですが、私はちょうどまる二十年ほど
海上保安庁のお世話をしてまいりました。まあ過去のことでございますから、私が申し上げることをひとつ厳しくお取り上げになることはお許しを願いたいんですが、私がずっと今日まで
——今日までというか、以前ですね、
保安庁のお世話をしておりますときに、どうもやっぱり運輸省の
予算要求の態度が最後のぎりぎりになりますと国鉄だ、港湾だというようになりましてね、
保安庁に対する力点といいますか、薄らぐという現象がなかったと言えばうそになると思います。ところが今日では、
保安庁は二百海里
時代を迎えまして、一躍運輸省の寵児に、
時代の寵児になってきた、こういうことでございますが、いま
三木さんおっしゃったように、私は
人命救助の点から言ってもなお、現在の
保安庁の持っております機能で相当十分に稼働できるのではありますけれ
ども、なおいまひとつ適切な施設といいますか、機具といいますか、そういうものがあれば一層の効果を上げ得るがな
あというふうに実は私個人としては今日まで感じております。
でありますので、実はちょっと不謹慎な発言になったんですが、私は
予算委員会でうっかり私のその本音を吐いてしまいまして、そう言いますのは、
予算委員会で
保安庁の今後の
増強計画というものを説明しろという御質問がありました。実は私こういう答弁をしたんです。
保安庁長官はそれに対して大分悪戦苦闘をしたんですが、私はこういう答弁をしたんです。いや、実は私のところへ説明に来ましたと、来ましたが、これじゃだめだと、もっと吹っかけろと、こう私は言って戻しましたと、こう言いましたら爆笑されたんですけれ
ども、私の偽らざる心境はそういうことなんです。
でありますので、これから
計画を立てますのにもちろん財政当局というものとの絡みはございますけれ
ども、財政当局に対して哀訴嘆願するということより、これを堂々の説得をして、りっぱな装備をしていくということはどうしても必要かと存じます。でありますので、私は五十三年度
予算編成に際しての作業は、
保安庁の
増強ということに運輸省としての最重点、一つの最重点としてこれを置いていきたい、このように考えております。