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諫山議員 いまの
質問の前にさっき法制局と
自治省から
国民審査制度の
性格について発言がありましたが、
提案者として二点だけ意見を申し上げたいと思います。
第一は、法制局の方から私の発言を引用しながら
国民審査制度というのは
解職の
制度であるという
指摘がされました。私が述べたのは、
解職の
制度であることは否定しないけれども、同時に
任命の
適否について
国民が
審査する
制度である、両方の
性格を持っているんだということを申し上げたわけで、この点は単なる
解職の
制度と機械的に理解しているわけではないということが第一です。
第二は、
審査の
やり方について、
自治省も法制局も
現行法が正しい、
欠陥がないという
立場で述べられたように思います。これはきわめて重大なことです。
現行の
制度が必ずしも正しくないことは、すでにこの
委員会で満場一致で決議していることです。現在の
制度というのは不合理だから改めなければならないというのは、国権の最高機関である
国会ですでに決めていることだ。このことを前提にしますと、現在の
制度が絶対的でいささかも
欠陥がないという
立場で
考えておられるとすれば、これはきわめて重大だという点は、
提案者として
指摘せざるを得ないと思います。
次に、御
質問の点字による
投票の
やり方の問題です。現在の
制度は、点字による
投票を確かに認めております。ただ、これはきわめて
欠陥が多いということを私
たちは
指摘しております。
第一に、
罷免を可とする
裁判官の名前を点字で記入しなければならない、これが現在の
やり方です。つまり、今度の場合のように、たくさんの
裁判官が
国民審査にかけられる、そうすると、何という
裁判官を
罷免させるのか、全部
投票者が名前を記憶しなければならないということになるわけです。視力障害者でない人の場合は、
裁判官の名前がちゃんと
投票用紙に書かれておりますから、名前まで記憶する必要はありません。ところが視力障害者の場合には、
審査にかけられる
裁判官の名前を記憶しなければならないという不当なハンディキャップが負わされる。私
たちは、これは是正を要すると思っております。
もう
一つは、
罷免を可とする
裁判官の名前を
投票所で書くわけですが、視力障害者でない人の場合は×を書けば済む。ところが視力障害者の場合には、
裁判官の氏名を書きますから、これは明らかに×を書いているのと氏名を書いているのと外から見たら区別がつくわけです。つまり
投票の自由というのが実質的に保障されない、こういう弊害が生じております。視力障害者とそうでない人に対して、いささかも不合理な
差別を与えてはならないというのは
民主主義の大原則ですが、これが現在の
やり方では守られない、こういう観点から、私
たちは、もっと
投票の
方法を改善しなければならないと思いました。
そして具体的には、
投票用紙に
裁判官の名前を点字で印刷する、これに〇×に相当する一定の記号をつける。たとえば点字で〇×というような記号があるのかどうか私よく知りませんが、とにかく視力障害者であっても、何らかの記号を点字で記入された
裁判官の名前の上に記載できるようにする、私
たちはこういう
制度に改めたいと思っております。これは
憲法の要請する四民平等という
立場から当然のことですから、ぜひこれは実現したいと念願しております。