○三谷
委員 意見は自由に述べるということについては、何もこちらの方は文句を言っているのじゃありません。意見はどんどん述べてもらえばよろしいけれ
ども、意見が財界に偏ったものになってはだめだから、構成についてもっと公正な
立場に立つ人選をすべきだということを言っているのです。
それで、言論界とおっしゃいましたが、実はその言論界というのがまた問題なんですよ。言論界だから公正中立かといいますと、そうではない。この審議の経過を見ておりますと、言論界から来ていらっしゃいます方の意見がはなはだしく公正中立を欠いておるという例を具体的に挙げることができますよ。たとえばこういう意見がある。「一方において、住民運動というものが起こる。そうすると、その住民運動がもう必然性があって起こるのもありますが、同時に、一体
地方自治の
立場から、全体の
地域住民の
立場からどうであるか、それが曲げて
推進されてくる、それが非常な圧迫感になって首長も議会もそれに押される」、こういう
立場ですね。要するに住民運動否定論というものが述べられております。これは、例示しますと限度がありますけれ
ども、言論界というものが、やはり、わかりやすく言ったら、
新聞社やテレビ会社の経営の
担当者などが出てきておって、それは言論界だから公正中立だというふうな
考え方にお立ちになっているとしますと、これは大変な錯誤がある。私は、そういう点からしますと、言論界の方の
委員がいらっしゃいますが、この方の発言の中に最も不公正なものがありますし、しかも
地方自治に対する認識の不足が非常に露骨に出てきている。さっきおっしゃいましたように、あなたが委嘱されますのは、
地方制度について学識経験者ではなしに、何か豊かな知識を持っている者、こういうふうなお話がありましたから、
地方制度につきましてはあるいは無知であるかわかりませんが、しかし、そのことを抜きにして
地方制度の問題の討議はできますかいな。どこのところに豊富な知識を持っているんですか。つまり、会社の経営について労働者を圧迫したり、あるいは営業上のいろいろな技術的な面におきまして豊富な知識を持っておりましても、それが
地方制度においてどのように生かされるんですか。いろいろおっしゃっておりますことが遁辞の積み重ねになっておりますが、いずれにしても、この構成というものは正しくない。どんなにおっしゃいましても、財界の代表というものが公然と出てきておって、しかもこれは七名出しておるのです。そして、古い官僚の諸君が、これがまた七名です。それであとが学者になっている。二十一名の学識経験者のうち七名が財界、七名が官僚のOB、七名が学者とこうなっている。そこで、この学者も、見ればわかりますけれでも、民主的な学者と称する者はかいもく姿は出していませんね。たとえば私
どもがここで
地方財政問題などにつきまして参考人の意見を聴取しますときに出てきますような学者は、ここには顔を見せておりませんな。つまり、
自治省のお気に入りの学者がここで選択されておるという内容になっております。この学識経験者二十一名が起草
委員になって物事を起草するわけでありますから、五十名中二十一名がすでにそこで意見が一致して問題を出してきます素案というものがそのまま押し通されてしまう。あとの
委員なんていうものは全くこれはつけ足しにすぎない。これがいままでの常態になっているわけですね。そうなってきますと、この学識経験者
委員というのが非常に重要なポイントを持つわけであって、そこにはいろいろな多様な意見が反映をして、要するに世論の集約機関としての役割りを十分に果たして、そして、そこで素案がつくられるということでなければいけないというふうに私は思っております。それにつきまして改善をしてもらいたいと思いますが、どうでしょう。