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佐野(進)
委員 河本通産大臣の立場からはそうでございましょうが、それを一々私の方から反論を加える必要はないと思うわけでございますが、いずれにせよ、
政局の不安定がもたらす経済的情勢については、あなたはいまお答えになりませんでしたけれども、好ましいことでないというようなことに結論づけられるのだろうと思うのであります。そこで、私はこのことをきょう
質問することが真意ではございませんので、この程度でやめたいと思いますが、いずれにせよ、あなたが
通産大臣になられたとき、まあ
三木内閣におけるところの
一つの弱点であるとか、欠点であるとか言われたにもかかわらず、一定の
役割りを果たしてこられたことは、われわれは評価するにやぶさかでない。特に
景気対策について積極的に対応されたこと、その後における動きの中であなたの行動というものが、そういう当初言われたほどのマイナス点を出しているというようなことは考えないわけです。評価するにやぶさかでないわけです。
ただしかし、私はあなたに対して大変不満に思うことが
一つあるわけです。それは何かというと、あなたは
政治家であり、
通商産業大臣ですから、いわゆる
政治的判断に基づいて行政を指導していただくということを私はあなたに期待する。
大臣としてのあなたにわれわれもいろいろ言いたいこともある。文句もあるということもありますが、それを超越して、
河本さんならばこれをやってくれるのではないかと期待したことが大きく外れたことが
一つあるわけです。それは
中小企業問題における分野
調整の問題です。
私はあなたが就任当初から、この問題についてはたびたび
質問を続けてきておる。速記録をお読みになればわかるのですが、あなたはその際、前向きに検討します、積極的に取り組みます、いまは行政指導でやりますが、その趣旨はよくわかりますという答弁をしておりました。だんだんそれが前進をしたのであります。ある時間がたちましたらそれががたっと落ちて、行政指導いたします、そしていまでは、むしろ
三木内閣の中において
河本通産大臣が分野
調整を阻止する最大の
役割りを果たしておる。そして、
三木派に属する商工
委員会に関係する
人たちが一番分野問題については消極的だといううわさが流れておるわけです。そして、あなたが指導されておる
中小企業庁がこの問題について最も激しい抵抗をしておる、こう言われておるわけです。
私は、
中小企業庁といえども、あるいは
通産大臣といえども、あるいは
三木内閣といえども、国民が要望し、議会の総意がそこに近づきつつあるときは、率直にそれを取り入れてそれに取り組むという
政治的な姿勢、行政的な姿勢があっていいと思うのです。ただ、野党のやつらぎゃあぎゃあ言っているけれども、そんなものは聞くことはないのだ、われわれが官僚として考えたことが絶対なものであって、われわれ官僚の考えたことは
大臣はこれを聞かなければ仕事にならぬのだ、
河本通産大臣が何を言ったところでおれたちの言うことを聞かなければもう浮き上がっていってしまうのだし、やがてやめていってしまうのだから、
河本通産大臣の在任期間中われわれの
役割りを果たさせればいいのだと言わんばかりの行動が
中小企業庁を中心にして行われ、あなたはその突き上げで見解がだんだん強くなり、いまやまさに
三木派の代議士を通じてこの議員立法をつぶそうとする。
法案提案はもちろん、前々国会の
委員会における全員一致の決議を否定し、さらにそれだけでなくして、この法案に対するマイナス的な
役割りを
中小企業庁に果たさせる、果たしていることを容認するその先頭に立っている、こういう印象は、
三木内閣がいつまで続き、あなたが
通産大臣をいつまでおやりになるか私はわかりませんけれども、あなたのせっかく
通産行政において評価を高からしめているところにおける
一つの汚点として残るのじゃないか、こういう気がしてならないわけでありますけれども、あなたはこの問題について、いまの私の
質問の一貫した流れの中でいまどう判断されておるか、この点、この際もう一度お聞きしておきたいと思うのであります。