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1976-02-12 第77回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年二月十二日(木曜日)委員会におい て、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。  災害対策の基本問題に関する小委員       今井  勇君    島田 安夫君       田村 良平君    高鳥  修君       竹中 修一君    野田  毅君       村岡 兼造君    金丸 徳重君       兒玉 末男君    柴田 健治君       柴田 睦夫君    高橋  繁君       宮田 早苗君  災害対策の基本問題に関する小委員長                  高鳥 修君 ————————————————————— 昭和五十一年二月十二日(木曜日)     午前十一時三十一分開議  出席委員    委員長 兒玉 末男君    理事 今井  勇君 理事 高鳥  修君    理事 野田  毅君 理事 金丸 徳重君    理事 柴田 健治君 理事 柴田 睦夫君       天野 光晴君    志賀  節君       塩谷 一夫君    竹中 修一君       中尾  宏君    旗野 進一君       増岡 博之君    村岡 兼造君       川俣健二郎君    木島喜兵衞君       三宅 正一君    高橋  繁君       広沢 直樹君    宮田 早苗君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国土庁長官) 金丸  信君  出席政府委員         国土庁長官官房         審議官     紀埜 孝典君         国土庁地方振興         局長      近藤 隆之君  委員外出席者         大蔵省主税局主         税企画官    大山 綱明君         文部省初等中等         教育局企画官  宮園 三善君         文部省管理局教         育施設部指導課         長       大井 久弘君         文部省管理局教         育施設部助成課         長       西崎 清久君         厚生省社会局施         設課長     水田  努君         建設省道路局企         画課長     浅井新一郎君         自治省財政局交         付税課長    豊住 章三君         自治省財政局指         導課長     関根 則之君         自治省税務局固         定資産税課長  川俣 芳郎君         日本国有鉄道施         設局長     鈴木 秀昭君     ————————————— 委員異動 二月十二日  辞任         補欠選任   阪上安太郎君     木島喜兵衞君   古川 喜一君     三宅 正一君 同日  辞任         補欠選任   木島喜兵衞君     阪上安太郎君   三宅 正一君     古川 喜一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員会設置並びに小委員及び小委員長選任の  件  豪雪による災害対策  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 兒玉末男

    兒玉委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、小委員会設置の件についてお諮りいたします。  先ほどの理事会協議に基づきまして、災害対策の基本問題について調査を行い、必要な対策を樹立するため、本委員会に小委員十三名より成る災害対策の基本問題に関する小委員会設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 兒玉末男

    兒玉委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、小委員及び小委員長選任の件についてお諮りいたします。  小委員の各会派割り当ては、自由民主党七名、日本社会党三名、日本共産党革新共同一名、公明党一名、民社党一名とし、小委員及び小委員長委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 兒玉末男

    兒玉委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  それでは、災害対策の基本問題に関する小委員に       今井  勇君    島田 安夫君       田村 良平君    高鳥  修君       竹中 修一君    野田  毅君       村岡 兼造君    金丸 徳重君       兒玉 末男君    柴田 健治君       柴田 睦夫君    高橋  繁君       宮田 早苗君 以上十三名を指名し、  小委員長高鳥修君を指名いたします。  なお、本委員異動に伴う小委員及び小委員長辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 兒玉末男

    兒玉委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————
  6. 兒玉末男

    兒玉委員長 次に、去る二月四日から三日間にわたり、新潟県における豪雪による被害状況調査のため派遣されました委員を代表し、便宜私から調査概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、今井勇君、瓦力君、竹中修一君、坂本恭一君、柴田睦夫君、高橋繁君及び私、兒玉末男で、他に多数の地元選出議員の御参加を得て調査いたしてまいりました。  まず、豪雪を降らした当時の気象状況について申し上げますと、去る一月十八日からの日本付近気圧配置は、西高東低の冬型であり、比較的安定して二十四日まで続いたのであります。この間におきまして、十八日から十九日にかけては、上空寒気団がシベリアから日本海及び北日本上空に南下し、この上空寒気は、北海道の約五千メートル上空マイナス四十五度以下という強い寒気で、マイナス四十度以下の区域は、東西幅が約五千キロメートルという大規模なもので、この寒気団が南下し、上空に居座ったため、一月十八日から二十四日にかけて、連日千ミリを超える大雪を降らし、この地方でも一月の気象としては近来にない異常な短期間に連続した降雪となったのであります。  このため、新潟県の豪雪地帯は、一夜にして、一般生活道路はもちろんのこと、国道主要地方道交通が途絶し始め、国鉄上越線信越線飯山線も長期にわたる運休を余儀なくされ、いまなお孤立集落が多く、なだれ等の危険にさらされ、住民生活に異常なる圧迫が加えられている状況下にあります。  加えて、今後の気象も連続的な寒気降雪量の増大が予想され、豪雪被害が一層拡大することが憂慮されております。  調査団は、信越線妙高高原から国道十八号線を北上して、道路除雪確保状況視察しつつ新井市に向かったのでありますが、この付近でも二メートル七十センチを超える積雪があり、除排雪をして上下二車線を確保してある両側は、三メートルを超える雪の壁であり、きわめて不安定な交通で、市街地においては、排雪が進まず、積雪の上に屋根からおろした雪をうずたかく積み上げて一時をしのいでいる個所が多く見受けられたのであります。  この国道に通ずる一般生活道路は、もちろん雪の下に埋まり全く利用できず、沿線住民の不自由がしのばれたのであります。  新井市に至り、まず県当局並びに関係機関から今次豪雪による全般的な被害状況及び対策要望などを承り、調査団各位協議、懇談に入ったのでありますが、それによりますと、県当局は、一月二十日豪雪対策本部設置交通確保を最重点として活動を開始したとのことであります。  現在までに判明した被害は、除雪作業中の転落死など二十一名の死傷、家屋の損壊は公共建物を含めて五十二棟、商工業で百四十六億、農林業では、積雪が深く調査中なるも相当大きな被害が見込まれるとのことであります。  道路交通につきましては、除雪機械延べ一万四千台が出動して道路確保に当たり、一月二十五日には県管理北陸地建直轄、合わせて七十四路線八十二区間延長二百七十二キロメートルが交通不能となり、これをピークとして、二月二日に至って県管理道路二十二路線二十三区間延長四十二キロメートルが通行不能の状況にあります。このことは、今回の豪雪に加えて寒波強風による吹きだまり、さらに屋根雪処理による障害等の事情も絡み、除雪作業が難航して道路交通障害を大きくした原因と見られました。関係者によれば、道路交通確保があれば、豪雪被害の七〇%は解決され、住民の不安が解除できると言っても決して過言ではないとのことであります。  また、教育関係につきましても、小中高校合わせて臨時休校延べ四百二十一校に上ったのであります。  これらの被害に対し、県当局は、異常豪雪除雪費等財政負担の急増に対処する特別交付税増額配分除雪事業費の追加、消雪促進事業費等農業対策などの予算措置、なお豪雪地域住民に対する雑損控除大幅適用中小企業に対する金融措置上信越線飯山線等国鉄運行確保等についても特段要望があったのであります。  さらに、特別豪雪地帯の他地域との均衡ある発展のための振興策として、地方交付税上の措置特別豪雪債制度償還財源補てん、税制上の特別措置雪寒道路改良工事促進防雪施設公立学校施設整備農林業振興策等を強く要望しておりました。  なお、新潟県におきましては、五十年から冬期孤立集落機能を維持する制度として、県独自の試行として保安要員を二十四団体二百十九名を設定して、孤立集落の最低限の機能維持を図っているとのことでありますが、この制度について、国もこれらの冬期集落実態について調査研究の上、積極的な措置を講ずることが必要と存じます。  次に、新潟鉄道管理局から今回の豪雪時の県下列車運行規制措置等について説明がありましたが、管内の除雪機械力を総動員し、国鉄職員を初め除雪作業員消防団自衛隊の応援をも得て、延べ約六万名により列車運行確保に努めたとのことでありますが、気温が連日氷点下を記録し、乾燥した雪質で風速二十七メートルの吹雪の中で作業がきわめて困難となり、ついに第五次規制を行う最悪の運転休止区間が生じたのであります。豪雪とはいえ、列車運休は、地域住民生活基盤を根底から覆すこととなり、その重要性を痛感したのであります。  次に、新井当局並びに中頸城郡から、一月十八日からの異常などか雪による地域住民生活障害の実情が切々と訴えられたのでありますが、集中すれば、雪そのものが正常な生活を阻害する災害であるとの感を深くしたのであります。  次いで、調査団は、市街地積雪、その除排雪状況視察しつつ上越市に赴き、上越市、糸魚川市、西頸城郡東頸城郡町村会から説明を受けました。当時の豪雪、その異常さは、積雪量では例年に比しそれほどでもないが、連日の猛吹雪の明け暮れで、二十四時間に百三十センチを超える、高田測候所観測史上三回目の大雪となったのであります。現在も幹線のみの除雪で、生活道路は手がつかない状況にあり、多くの集落は、なだれによる危険でいまだに交通が途絶している悲惨な説明を受けました。関係者は、この記録的などか雪災害対策全力を挙げているとのことですが、除雪費等負担財政が危機に瀕し、特別交付税増額配分早期交付除雪機械増強等特段措置をそれぞれ求めておりました。この地帯は、特に出かせぎの多いところで、除雪従事者も少なくなり、機械力を使用する以外に方法がなく、そのためにも道路構造改良促進が必要と思われました。  調査団は、翌日国道十八号線、八号線を経由して柏崎から二百五十二号線沿い視察を続けたのでありますが、二百五十二号線は沿線で三メートルを超える積雪がありましたが、二つのトンネルが完成して、またスノーシェッドが数ヵ所あり、交通確保され、この道路沿いの多くの集落孤立を避けられているとのことであります。  次いで、調査団は、十日町市に至り、長野鉄道管理局から飯山線雪害とその対策について説明を求めました。この飯山線は、地域住民生活にとってきわめて重要な路線にもかかわらず、一月十九日から二十四日まで間断なく降り続いた雪は十日町で五メートル十五センチ、桑名川で六メートル十五センチとなり、このどか雪に阻まれ、ついに十日間にわたりほぼ全線近くが不通となる雪害をこうむったのであります。  国鉄は、二十四日から消防団自衛隊の出動を求めて、延べ六千九百人と機械力を動員して除雪全力を挙げて、二十九日に開通したのであります。なお、飯山線防雪設備に、昭和四十九年及び五十年の二ヵ年間に約五億円を投資したのでありますが、五十一年度以降二十億円を投資して雪害による不通を防止する計画であるとのことであります。  次に、十日町市及び中魚沼町村会から豪雪被害状況、各種の要望事項を承ったのでありますが、十日町市は、特別交付税増配分早期交付流雪溝及び水源施設に対する国庫補助増額等のほか、この市は伝統的な織物産地であり、豪雪による中小企業生産低下販売成約中断などの被害に対し、金融措置を強く望んでいました。さらに、市は、特異な調査をしており、これによると、雪による一戸当たりの被害額がこれまでに十五万二千円となるとのことでありました。豪雪地域住民被害対策に重要な資料となることと思います。  市街地は、流雪溝等設置されて、幹線において、すでに排除雪が行われ、交通確保されていましたが、周辺は、三メートルを超える積雪があり、日常生活をも阻害することがしのばれたのであります。  折から降り続く雪の中を、調査団は、百十七号線の除雪状況視察しながら小千谷市に向かったのでありますが、市役所において、小千谷当局北魚沼町村会から説明並びに要望を承りました。この地域県下有数豪雪地帯でありますが、今回は一週間にわたり連日降り続けて積雪は約七メートルとなり、山沿い地勢ゆえ、全域が雪に埋まり、道路幹線すべてが閉塞して遮断されていたとのことであります。現在も幹線道路確保することが精いっぱいのようでありました。ここでも各地と同様、冬期間道路交通確保のための諸施策、豪雪地域財政措置など、特に豪雪に対する災害救助法の発動、豪雪僻地医療対策強化について切実なる要望がありました。調査団は、引き続き市内流雪溝、堀之内町における県道の路面流水による除雪施設並びに小出町にある北魚沼防雪総合センター視察したのでありますが、この施設は、国土庁補助による防雪生活圏整備モデル事業として昭和四十九年に完成したもので、センターと各サブセンターを結んで降雪積雪状況観測道路情報除雪状況等の主として情報管理を行っておりましたが、この情報に基づく国、県、市町村道路管理の調整に力を発揮しているようでありました。なお、この防雪生活圏整備モデル事業は、全国七ヵ所で実施しておりますが、五十一年までの予定であります。今後この事業を本格的に継続するかどうか、検討が迫られるところであります。  翌日六日、調査団は、吹雪の中を上越山岳三国峠に向かって国道十七号線を進み、道路除雪状況及び沿線積雪視察しつつ、建設省塩沢道路ステーションに至ったのであります。この施設は、標高一千百メートルの三国峠を越える国道十七号線の降雪時の道路確保等を目的とし、その機能は、タイヤチェーン着装場車両計量除雪ステーション等であります。この道路ステーション道路管理上の機能を発揮するためには、峠を中心として、各行政機関相互連絡協調が必要であると見受けられました。  次に、湯沢町におきまして、南魚沼郡の各町村関係者から道路公共建物等除雪費増額特別交付税等々の財政措置孤立集落対策強化融雪災害防止等について要望を承りました。特にこの地方例年豪雪に襲われるのでありますが、今回の豪雪は連続して十日間にわたり、七メートルの積雪となり、短期間大雪被害を大きくしていることが特徴的でありました。  また、この地方は多くのスキー場がありますが、上越線運休と余りにも連続大雪のため、スキー関連産業被害が大きく、これが町村財政を圧迫する原因一つでもあるとのことでありました。  以上が今回の調査概要でありますが、積雪寒冷地域住民の民生安定、福祉の向上のためには、ますもって生活関連道路を初め幹線道路確保鉄道の正常な運行確保が必要であることを痛感したのであります。そのためには、道路産業の推進、除排雪機械の増強等特別な措置が必要であることをつけ加え、今回の調査に御協力いただきました関係各位に謝意を表しまして、派遣報告を終わります。     —————————————
  7. 兒玉末男

    兒玉委員長 なお、新潟県及び被害市町村からの詳細な要望事項等につきましては、これを本日の会議録の末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 兒玉末男

    兒玉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。この際、午後一時まで休憩をいたします。     午前十一時四十九分休憩      ————◇—————     午後一時二分開議
  9. 兒玉末男

    兒玉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を続行いたします。  新潟県における豪雪による災害対策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高鳥修君。
  10. 高鳥修

    高鳥委員 まずもって、昭和五十一年一月十八日から約一週間、新潟県の主として上越中越地方山間地帯を襲いました今回の異常豪雪災害に際しまして、委員長を初めといたしまして委員各位から、貴重な時間を割いていただきまして、現地視察、御調査をいただきましたことに関しまして、衷心よりお礼を申し上げる次第であります。  今次豪雪災害につきましては、各担当省庁あるいは出先機関、県、市町村国鉄自衛隊消防団等挙げてその対策に真剣に取り組んでいただいておるわけでありまして、その御努力に対しましては衷心より感謝を申し上げる次第であります。しかしながら、今次豪雪に遭ってみまして、雪国の被害、また豪雪の打撃のいかに大きいかということをまた改めて痛感をさせられているところであります。  そこで、せっかく国土庁長官お見えでありますので、まず災害対策を総括されます国土庁長官として、また国土の均衡ある発展国民生活安定確保を図る主管大臣としての金丸長官に、雪害についての基本的な認識を承りたい、このように思うわけであります。  災害対策基本法によれば、この法律に用語の定義として掲げてありますものの中に、「災害、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。」ということで、災害対策基本法には明らかに「豪雪」という言葉が入っているわけであります。ところが、長官山梨県でいらっしゃいますが、山梨県で降る程度の雪と東北、新潟県あるいは北海道等豪雪地域に降る雪とでは相当程度が違うわけであります。新潟県で普通の雪だという程度でも、同じ雪が山梨県で降ったら恐らく大変な豪雪災害を起こすであろう。長官が多年苦心をしてお育てになっている地域ブドウ畑などは恐らく全滅してしまうだろう、このようにも思うのであります。したがいまして、おのずから雪に対する考え方が違うところがあってしかるべきではなかろうか、私はこのように思うわけであります。  私の考えといたしましては、今回のような異常豪雪集中豪雪はいわば激甚災相当する形のものでありまして、一週間、毎日の降雪量が一メートルを超える、最高積雪地域は五メートルを超えるというような状態は、まさに激甚災の渦中に全戸が置かれた、このような状況になるわけであり・ます。  さらに歩また、新潟県においては通常の積雪である、このように考えられております積雪の際におきましても、たとえば道路交通は、雪寒法で指定されるところの路線除雪はある程度行われますけれども、指定路線以外の除雪はほとんど行われない。山間地帯に点々として部落が孤立しておる。そして、社会生活の態様の変化に伴いまして、かつて雪害ではなかった、災害ではなかったと思われるような事態も、国民生活変化によりましては災害と同じような被害を及ぼしてまいるわけであります。  具体的な例をとりますと、たとえば教育問題一つを取り上げてみましても、かつての寺子屋教育の時代には通学をするという必要は全くなかった。ところが、今日、小中学校が義務教育になり、さらにまた高等学校進学率が非常に高まっておる、そういう際に、相当積雪があって交通が途絶をするということでありますならば、これは非常な災害を勉学をしようとする者には及ぼすわけであります。あるいは医療問題一つを取り上げてみましても、昔、医療制度というものがほとんど完備をしておらない、医師そのものがいないという状態の中では、平場の積雪地域でないところも山間地帯豪雪地域も、病気になれば医師にもかかれず、運命が来れば死んでいく以外にないということでありますが、今日は非常に医療制度完備をしてまいっておりますから、もし何とか病人が運べるならば、あるいはまた往診してもらえるならば助かるはずの者でも、国民健康保険なりその他社会保険を掛けて掛金だけは掛けておるけれども実質的に医療の恩恵にあずかれない、このようなケースも非常に多いわけであります。燃料、通信、運輸、それらの社会生活の革命的な変化に伴いまして、豪雪だけがいまや災害ではない、ふだんの積雪であっても非常な住民被害を起こしておるというのが実態であります。  これらの点につきまして、まず国土庁長官から雪害というものについての基本的な御認識、御見解を承りたい、このように思うわけであります。
  11. 金丸信

    金丸国務大臣 ただいま高鳥委員お話を承っておりまして、私も豪雪地帯というところに生まれたではなし、また豪雪というものをこの目で、このはだでまだ感じたことはないわけでありまして、一度その豪雪地帯視察したいという考え方を持っておりますが、豪雪というお話につきましては、まさに災害だと私は思います。しかし、いま御案内のように私の県は、雪がたくさん降りましても五十センチ程度、きょうこのごろのように干ばつのときは、この冬のことですから、雨が降ってほしいと願うどころでなくて雪でも降ってほしいというような考え方を持っておるところを見れば、五十センチ程度のものは、これは災害でなく、むしろ農民から言えば農作物のために非常に裨益することが多いだろうという考え方を持つわけでありますが、私は四メートル、五メートルというような雪を全然見たわけでなし、またそういう場合の交通が途絶するというようなこと、お話しのように昔はそれで済んだけれども、きょうこのごろのようにすべてのものが進んでおるとき、これが災害でないのか、こういう御質問に対しましては、まさに私も高鳥先生と同じ考え方をもってそれには対処しなければならない、こういう考え方を持っておるわけでございます。
  12. 高鳥修

    高鳥委員 大臣から、ぜひ豪雪地域現地視察して認識を深めたいというまことに頼もしい御発言がありましたので、ぜひ東頚城あるいは魚沼山間地帯孤立をする住民の本当に生の苦しい姿を御視察をいただきたい。いつでも喜んで御案内を申し上げる所存であります。  豪雪ないし積雪は、また同時に地域住民の働く場所を奪うのであります。十一月末からほぼ四月いっぱい、一番遅い雪消えで五月の連休前後というような——もちろん山に行けばまだまだ雪がありますが、少なくとも人の居住しておる集落地域においては大体五月末まで、約半年間文字どおり雪の中に埋まって、全く何することもできない、そういう状態にあるわけであります。でありますから、万やむなく出かせぎ等で所得を得る。国民生活がどんどん向上してまいりますと、現金収入によって少なくともある程度生活レベル維持しなければならぬ。そういうことになりますと、冬は一家の主柱は出かせぎ以外にない、こういうふうな姿になってまいっておるわけであります。したがいまして、今日集落機能を維持することが非常に困難な状況になりつつあるわけであります。一家の主柱、部落の主たる働き手、青壮年層がほとんど出かせぎに出てしまう。あるいはまた、ただ単に男だけではなくて婦人も一緒に、あるいは別個に働きに出ざるを得ない。そういう状態になって、まさに集落は崩壊寸前、こういう状態にあるわけであります。それが、他に職を求めて、あるいは住居を求めていければいいのでありますけれども、それまた一つの行き方でありましょうけれども、そう簡単に先祖伝来の国土を捨てて移住をするというわけにはまいらないわけであります。  そこで新潟県では、昭和五十年度から、そうした雪の中に孤立をする部落のために何とか働いていただく、本当に働きのできる、老人あるいは婦人、子供だけではなくて、働いてもらえるりっぱな青壮年層に部落に残っていただいて、集落機能維持を図りたい。学童の通学のために——これは何キロも雪道を歩いていかなくてはならぬ。しかも、今次豪雪のようなことになりますと、毎日毎日腰まで埋まってしまうような雪が降り続く。それをかんじきをかけてともかく踏みつけてやらなければ通学も何もできない。あるいはまた身体障害者、母子家庭、老人だけが残っておる、そういう家庭では家の雪おろしもできない。公民館の雪おろしなどにしても、してくれる人は全くいない。こういうふうな状況になりますので、冬期保安要員制度というものを新潟県は独自に今年始めたわけであります。これは月額六万円の給与をもって、そのうち県が二万円、地元市町村負担が四万円ということでありますから、県が出しております金額は決して多くはないし、期間も十二月一日ないし十五日から三月いっぱいということであり、非常勤の嘱託というような形でお願いをするということでありまして、身分的にも保障は必ずしも十分ではありませんが、緊急保安のための要員としてこの制度を創設されまして、今次豪雪に際しましては非常な働きをしていただいておるわけであります。  新潟県からは国土庁に対しまして、こうしたことを県はやっておるが、ぜひ国の立場においてもお取り上げをいただいてはどうだろうかということで御陳情も申し上げ、御要望をいたしておるところであります。本委員会におきましても請願が出まして、これを採択いたしまして政府に御送付を申し上げておるということでありますが、こうした制度につきまして国土庁としてどのようにお考えになっておるか、承りたいのであります。
  13. 金丸信

    金丸国務大臣 新潟保安要員の問題につきまして、県知事さんからの御要望は私も直接承っておるところであります。  問題は、豪雪という問題の見解——まさに新潟の四メートル、五メートルという雪の問題から言えば保安要員も必要でありましょうし、また土地柄よそへ出かせぎに行かなければならぬということになれば、いわゆる担い手の男の人がほとんどおらないという状況の中で集落を維持していくためにはそういう人も必要だということで、やむにやまれず新潟ではそういう制度をつくったということであろうと私は思うわけであります。  ただ、それを財政的に国が裏づけをするということにつきまして、どの程度やっていいのか、またどういう範囲でやっていいのか、こういうところに検討する問題点が、まだその他あると思うわけでありますが、いろいろあるわけでありまして、本庁といたしましても、請願も出ておることでございますから、ただいま検討をいたしておるというところでございます。
  14. 高鳥修

    高鳥委員 確かにおっしゃるとおり、これをどの程度の範囲に設置をするか、あるいはまた人件費補助的なものになるわけでありますから、給与あるいは身分取り扱い等につきましては数多くの問題があることは私どももよく承知をしておるところであります。しかもまた、なだれの危険を冒し、雪道を踏んで子供たちを誘導するということでありますから、一身の危険を顧みず御努力をいただかなければならないわけでありまして、現に今次豪雪に際しまして、雪上車をもって雪踏みをして、歩く道を確保しようということで出動をいたしておりました保安要員の人がなだれのために犠牲になったというまことに痛ましい事故かあるわけであります。そういうことを考えてみますと、こうした点について十分積極的に、文字どおり前向きに御検討をいただきまして、こうした制度の創設について御熱意を持ってぜひお取り組みをいただきたい、このことを御要望を申し上げておきます。  それからなお、せっかく長官お見えでありますので、私は、雪が災害をもたらすだけではなくて、国土の有効利用の上において非常に大きな役割りを果たしておるということも十分御認識をいただきたいと思うのであります。  それは、この雪が一つの自然のダムの役割りを果たしておるわけでありまして、たとえば信濃川水系あるいは只見川水系、これらにおきまして起こされる電力は、東京都を初めといたしまして首都圏の国民生活を大きく維持いたしておるわけであります。国鉄信濃川発電所の発電いたしました電力は、東京の環状線の所要消費電力の八割を賄っておる、そういう状況でありますが、これらの水は、雪が解けて、そして六月までの春の乾燥期に絶えず水を供給し、電気を起こすもとになっておるわけであります。そうした大きな恩恵をもっぱら雪の降らないところが受けて、被害だけは雪国が受けておるということはきわめて不公平でありますから、私は、そうした面において雪が大きな役割りを果たしているのだということをお考えをいただいて、被害を受けておる住民に対しても恩恵のある政治が行われることが必要である、このように思うわけであります。  さらにまた、春の融雪期になりますと、融雪出水、融雪災害というものがございます。南風が吹いてまいりますと、雪が一挙に解け出して濁流となって日本海に注ぐわけであります。これは、水の有効利用としてはまことにもったいないことだと私は思うのであります。もっともっとダムなり貯水池なりそういったものをつくって、水の有効利用を図る。これは従来、そういうダムをつくっても電力のコストからいって合わないとか、あるいはまた多目的に利用する場合にも、いろいろと経費負担を考えてみた場合採算がとれないということで、日本海にただ濁流となって流れていくというケースが多いわけであります。これらの有効利用ということについて、やはり国土の総合的な開発、発展を図る見地から、長官に、建設大臣も御経験でありますから、ひとつ大いにお考えをいただきたいと思うのでありますが、いかがですか。
  15. 金丸信

    金丸国務大臣 ただいま御指摘のように、豪雪地帯等におきましては、春に出水という問題、そのために災害も起きるという話、あるいはまたこれをそのまま海に流していくということについては、有効利用という点で考えなくちゃならぬじゃないかというお話、ごもっともだと私は思います。また、水を使う都会の人、水道を使う人、こういう人に感謝の気持ちがなければならない、連帯感というか、連帯性というものをすべての人が持つべきだ、感謝の気持ちがなくて、われわれは金を払えば水がもらえるんだというような考え方は、少しく早合点の考え方だと私は思うわけであります。そういう意味で、私は、この豪雪地帯の人たちに対しては、水を使う人たちが本当に感謝の心持ちを持ち、またそういう意味からいえば、全国民が豪雪という問題について最大の関心を持ってこれに対処するということが必要だという考え方であります。  なお、水の有効利用という問題につきましては、昭和六十年度を踏まえてみましても、水の問題が非常にやかましくなってくる、不足してくるということを考えてみますと、当然ダムをつくらなくちゃならない。ダムをつくるためには、いまいろいろの施策が不足しておるということでありましょう。いわゆる拒否反応がある。私は、こういうような拒否反応を国民全体の連帯性の中で、地元の人たちのあるいは補償の問題、生活再建の問題、こういう問題についても最大の関心を持って処理してやるべきだという考え方であります。  水が非常に不足して、水がないというときになったらどうなるだろう。実は私は、昨年九月一日の防災記念日に横浜へ参りました。そうして飛鳥田市長に、私が水の問題はどうなっていますかと聞いたら、いや私のところも六十年を踏まえてみますと全く不足してきます。しかし水がないときは人間生活の上に及ぼす影響は甚大でありますから、私はいかに金がかかっても、現実派ですからダムはつくります、ダムをつくって、その場合水道料金が上がってもこれはやむを得ぬ、水がなければ生活ができないんだという説明を聞きまして、水の必要性というものは、あの大横浜を受け持っておる飛鳥田市長の言として、私は本当に現実派的なお考え方を聞いたわけであります。  水という問題は、本当に生活と切り離すことのできないことでありますから、今後この水の問題につきましては、われわれはできるだけダムをつくって水の有効利用を図ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
  16. 高鳥修

    高鳥委員 その有効利用をされる水でありますが、これは雪国で有効利用するように、被害だけは雪国が受けて水は関東へ持っていって流すのだというようなことのないように、ぜひひとつお考えをいただきたいと思いますし、いま長官から豪雪地域実態をぜひ視察をしたいという御発言がありましたので、新潟県側も傍聴席にいっぱいおりますから、早急に具体的な計画を立てて御案内を申し上げますから、国会審議御多端の折でありますが、ぜひひとつ実現をしていただきたいと思うわけであります。  時間の関係で先に進みます。  次に、建設省に承りたいと思うわけでありますが、道路法の四十二条によりますと、「道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、もって一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。」こうあるわけであります。ところが、いまの豪雪地域積雪地域状況は、この第四十二条の趣旨が実現されているようには少しも思えないのであります。  それを受けまして、雪寒法で、これは全部やれと言われると困るから、除雪区域を指定いたしまして、それだけある程度やっておるというのが現実であります。新潟県からの今次災害状況報告、実は視察に参りました際にいただいたのでありますが、これを見ますと、道路はかなり除雪がされて、もちろんその一週間の豪雪期間ばストップでありますが、その他の期間においてはかなりの程度に維持されておるように数字の上では出ておるのであります。ところが、これは実は実態相当かけ離れた数字でありまして、たとえば東頸城、中頸城あるいは西頸城の山間地帯魚沼三郡、これらをとって考えてみますと、除雪区間に指定されているところでも、このようなパーセンテージで交通確保されている状況にはない。さらに、除雪区間に指定されていない地域、そうしたところに孤立している部落も非常にたくさんあるわけであります。  したがいまして、まず建設省は、道路法第四十二条ないし雪寒法第一条の趣旨に照らして、現在が適当な状態に維持されておるというふうにお考えであるかどうか、その辺の御見解を承りたいと思うわけであります。
  17. 浅井新一郎

    ○浅井説明員 お答えいたします。  先生御指摘のように、道路法の四十二条に、道路は常に良好な状態に保たれなければいけないというふうにはっきり書いてございまして、雪国に  ついてこういう状況に保つために、雪の条件を考えて、なお雪国についての除雪あるいは防雪等による交通確保実態を踏まえた特別な立法でその趣旨が明らかにされておるわけでございますが、現況は確かに先生のおっしゃるように、必ずしも十分な状態とは認識しておりません。しかしながら、雪寒法のおかげで、昭和三十二年の雪寒法の発足当初の除雪延長はわずかに二千キロでございましたものが、現在、昭和五十年度の除雪計画路線は四万五千キロに達しておりまして、この間、逐次雪寒事業の拡大を図ってまいったわけでございますが、先ごろの視察実態、いろいろお聞きした実態を見ましても、山間僻地あるいはその他国道でもまだときどき途絶するというような状況は必ずしも十分と言えないわけでございまして、今後除雪の計画路線の拡大を図りますとともに、除雪の質と申しますか、中身を十分充実するための除雪機械の大幅な整備、そういうようなものを逐次やってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  雪寒事業は、御承知のように毎年の道路事業の執行の中で常に重点を置いてやってまいっておりまして、昭和五十一年度も、現在予定しております案では前年対比で一・一六倍、一般道路事業の一・一三倍に対しまして若干ながら重点的な張りつけを行っておるというようなことでございまして、今後とも努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  18. 高鳥修

    高鳥委員 交通確保等のために、除雪路線を延ばして非常に努力をしていらっしゃることは認めますが、道路法では「道路を常時良好な状態に保つように維持し、」こう書いてあるのでありますから、私は、現在の状態は少なくとも道路法違反である、このように思うわけでありまして、なお一層の御努力を期待する次第であります。  そういう中で、今次豪雪に際しまして市町村道の除雪補助をしてほしい、こういう陳情が実はたくさん出ておったわけであります。これは、いわゆる地方財政計画等との絡み合いもございます。交付税等との絡み合いがございますが、またこれらを補助するということになりますと、事務量も非常に大変なものになるであろうということから、実は特別豪雪地域の指定の際にこの論議をいたしまして、豪雪地域につきましては市町村道の幹線道路は県道昇格の特例措置を認めよう、そして県で除雪をするようにやろう、こういうふうなこともいたしたわけであります。  ところが、市町村道のトップであっても県道にいくとビリというようなかっこうになりまして、なかなか改良ないし除雪がうまくいっておらない、かえって市町村道のトップにいた方が、むしろ鶏口となるとも牛後となるなかれということになりまして、必ずしもその趣旨が生かされていないのではないだろうか、あるいは今次新潟県からの要望を見ますと、県代行に対する負担が非常にかかって困る、これを何とか財源措置をしろというようなことでありますが、特豪地域における県代行制度をつくりました張本人といたしましては、どうも最近の特豪県代行のやり方は本来の立法の趣旨に必ずしも合っていないのではなかろうか、このようにも思うのであります。  本来ならば、県代行というものは技術的に見て市町村がとうていやれない、あるいは財政負担にとうていたえられない、これらのものについて県がかわってやってやることによって、豪雪県自体も豪雪対策を進めるということが、県民に対しまして非常に大きな使命でありますから、その程度のことはやってやるべきではなかろうかというふうに考えておるわけでありますが、だんだんと拡大をされてきておるわけでありまして、それらについては行政、政治のバランスの上からやむを得ないという点もあるであろうと思いますが、豪雪の中に孤立をしておる部落が、たとえばスノーシェッドとかトンネルといったものをつくってもらえば、それは金がかかり過ぎてとうてい市町村の手に負えないが、県の力でつくってもらえば、孤立状態から救われるというようなところもあるわけであります。  それら市町村道の補助あるいは豪雪地域の県道昇格、さらにまた県代行についての考え方、こうしたことについてまとめて御答弁をいただきたいと思います。
  19. 浅井新一郎

    ○浅井説明員 お答えいたします。  特豪代行事業の実施のやり方につきましては、確かに先生御指摘のとおりで、四十七年度から実施しておるわけでございますが、たしか、山間僻地等で特に道路の構造等が弱く除雪が不可能なような道路を積極的に取り上げて、これを改良することによりまして除雪等ができる道路にしていくというようなことで、何分山間僻地の急峻な地形のところの道路が多いわけでございますので、金もかかるわけでございます。そういうようなことで、特に財政困難でそういう市町村事業についての執行体制の弱体な市町村に対して、そういう事業を助けるというような趣旨で行われる事業でございますので、その採択に当たりましては、そういう趣旨を十分勘案して今後とも実施してまいりたいというふうに考えております。  それから、その事業の中で、もちろんなだれ等の危険があって交通どめをせざるを得ないというような路線も多いわけでございますので、改築の際には、必要に応じてトンネルとか迂回、スノーシェッドというような、こういう金のかかる施設は県代行事業でなければできませんので、積極的に取り上げてまいりたいというふうに考えております。  それから、県代行事業で、ここ一、二年、三十億、四十億近い事業をやってまいっておりますので、今後大いに拡大しますとともに、あわせてこの市町村道の県道昇格というようなこともやはり雪国においては特別配慮をしていかなければならぬと思います。基準等につきましては若干緩和しておりますが、具体的ないろいろな雪国での事情を勘案しながら、昇格の問題も十分積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  20. 高鳥修

    高鳥委員 今次豪雪災害では非常に人的被害が大きいということが一つの特徴であります。死者が十一名でありますが、除雪作業屋根から転落死した者五名、それから自宅周囲の雪掘りによる圧死が二名、なだれによる圧死が一名、これは実はその後に、先ほど申し上げました保安要員の方がやはりなだれによりまして圧死をいたしておりますので二名、それから屋根雪落下による圧死が一名、除雪作業列車に触れ死亡した者一名ということで、合計死者が十一名、その他重傷七名、軽傷四名、計二十二名の人的被害が出ておるわけでありまして、異常豪雪のいかにはなはだしかったかということを物語るものであります。  実は、なだれによる死者というのが毎年かなり出るのであります。これは市町村道あるいは県道、国道等を通過中に、歩行通過中ないしは車による通過中に、上からなだれが落ちてきて、そのため下敷きになって圧死をするというケースが多いのでありますが、こういったケースの場合に、たとえば飛騨川のバス転落事故においては、国の管理責任というものが問われたわけであります。これらの場合におきましても、もちろんケース・バイ・ケースにはなるでありましょうけれども、道路管理者の事故に対する責任問題というのが今後当然起こってくるのではなかろうか、そのために、最近やっておりますように、たとえば降雨量が何ミリ以上になれば全部交通ストップだというようなことが間々行われますと、まさに雪国の生活は麻痺してしまうわけでありますが、しかし管理責任が追及されるというケースは当然起こってくると思うのであります。その点につきまして、建設省はどのようにお考えでありますか、承りたいと思います。
  21. 浅井新一郎

    ○浅井説明員 お答えいたします。  なだれの危険個所は、これから特に融雪期に入りますと、非常に各所、もう数え切れないほどあるわけでありますが、従来道路側の対策としましては、なだれ常襲個所を重点的に、なだれ防止さくとかあるいは防止壁、スノーシェッドといったような施設整備してまいってきておるわけでございますが、しかし何分にも除雪延長が延びれば延びるほど危険個所との接触が広がるわけでございまして、融雪期には非常に危険な状態になるわけでございます。  これに対して当面の対策としては、何といたしましても危険を早急に察知して、交通情報網を強化しまして、事前の交通どめをやるということが人命を救うための一番効果的な措置だと思います。  それから、こういった場合に万一事故が起きた場合、これは飛騨川等の例では道路管理者の管理瑕疵というような判決も出ておりますが、なだれの場合、従来管理瑕疵を問われたケースはほとんどございません。ただ、ああいう判決を見ますと、今後ともだんだん管理の責任というようなものが重要になってまいりまして、特に常襲個所等での災害がありました場合には、やはりいろいろ責任を問われるような問題があろうかと思います。従来ございました例としては、なだれの危険で、そこへ入った車を誘導中に事故が起きまして、そのときは自賠責と、それから一部を見舞い金等として出した例はございますが、管理瑕疵というような形で問われているケースはほとんどございません。  しかしながら、非常に今後問題が起きてくるケースが予想されますので、交通情報強化ということとなだれ防止施設強化とそれから拡大、そういうものに努めてまいりたいというふうに考えております。
  22. 高鳥修

    高鳥委員 私の予定した時間、四十分ということで、そろそろ実は時間になっておりますが、もう少しだけ時間をいただきまして、あと建設省としては具体的な問題といたしまして、国道幹線道路整備というようなことについていろいろ御注文を申し上げたいし、また除雪機械整備ということについても申し上げたかったわけでありますが、これは割愛いたしまして、次に自治省にお伺いをいたしたいと思うわけであります。  昭和四十六年ごろから積寒補正が相当によく見ていただいて改善の跡が見られるわけでありまして、一般交付税で相当除雪に要する経費等が見られておるわけでありますが、今回は異常な豪雪でありますために、各市町村とも予定をいたしました除雪費はほとんど使い切って大幅に赤字を出しておるというような状態でありまして、当然これは異常災害として災害並みの特交の対象になるというふうに理解をするわけでありますが、そのことが一つと、今年高知県を初めといたしまして私ども現地をたびたび視察をいたしましたが、北海道その他非常に災害が多く発生をいたしました。これらにつきましては当然特交で措置をしなければならないわけでありますから、それらを含めまして、また今日まだ雪が降りやんだわけではありませんで、きょうも実は新潟県は非常にふぶいておるというような状況であります。年度末までには相当の出費を要する。これらを見越した上での特交措置ということになりますと、総枠として金がどうなっているのか、そしてまた、もし万一足らない場合にはどのような措置をなさるのか、これらについて承りたいと思います。
  23. 関根則之

    ○関根説明員 お答えいたします。  地方公共団体の除雪費、その他積雪に関連いたしまして経常的に必要になってくる経費につきましては、普通交付税で三百六十四億ほどベースに入って財源措置をいたしておりますが、今年度のように特定の地区に特別に豪雪がございまして、標準経費以上の支出を余儀なくされる、そういう場合には、従来から特別交付税におきまして措置をいたしてきたわけでございます。今年度につきましても、いままでの雪の降り方からいたしまして、特別交付税配分の段階におきまして当然措置をすべきものという考え方のもとに、現在地方から報告を求めまして積算をしているところでございます。二月いっぱいには金額を決定の上、配分する目途で作業を進めている状況でございます。  特別交付税の総額についてのお尋ねがございましたが、今年度は二千六百億の総枠がございますので、高知、青森等の夏の豪雨災害等によりまして相当被害額が出ておりますけれども、そういったようなものを含めまして、豪雪対策の分の財源も支障なく確保できるというふうに考えております。
  24. 高鳥修

    高鳥委員 その他大蔵省、国鉄等につきましても御質問申し上げようと思ったのですが、時間がございませんので、また同僚旗野議員からも御質問がありますから割愛をいたしまして、最後に厚生省に承りたいと思います。  昨年、実はこの本委員会災害基本問題小委員会におきまして災害救助法の洗い直しというのをいたしました。その際に、災害救助法の適用ということに関しまして、災害救助法施行令の第一条の四項、「多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じたこと。」ということで、災害救助法にはいろいろな規定があるけれども、これを活用すれば弾力的発動ができるのであるという見解が厚生省から示されておりまして、それを了としてわれわれは了解をいたしておったわけであります。今回の場合、たとえば国道に自動車が六百台以上も雪の中に閉じ込められたまま埋まってしまっておる、当然その運転者等についても救助を要する、あるいはまた豪雪のためにうちがつぶれそうになっていくということで、母子家庭で母と子がもう本当に雪に埋もれてしまうということで、雪をおろそうとして雪の中に埋まってしまった、そして母の体温で子供は辛うじて命を取りとめたというような、母は死んだけれども子供は助かったとか、いろいろな、実はまさに地域全体が濁流にのみ込まれたような災害状態が発生をいたしておるわけであります。こういう場合に、当然いまの弾力条項によりまして災害救助法の適用が可能であるとわれわれは理解をいたしておるわけであります。そのことが地域住民にとって大きな力づけになる、このようにも考えておるのでありますが、厚生省の御見解をはっきりと承りたい。どうも聞くところによりますと、県の方が発動を要請しなかったというふうに私は聞いておるのでありますが、その点についてはどうであるかということもあわせて承りたいと思います。  それから、災害弔慰金制度というものについても本委員会においていろいろと御検討いただきました結果、一家の支柱である世帯主の死者に対しては百万円、家族に対しては五十万円の弔慰金を出すというようなことも決まっておるわけでありますが、これも厚生大臣が指定をした災害ということにおのずから限定をされ、ケース・バイ・ケースで判断をされるわけであります。今回十一人の死者が出ておるわけでありますが、これらにつきましては、厚生省としてその対象としてお考えになるかどうかという点について承って、終わりにいたします。
  25. 水田努

    ○水田説明員 お答え申し上げます。  まず、第三番目の弔慰金の支給についてからお答えを申し上げます。  今回の死亡の方につきましては、弔慰金の支給に関します法律の一般原則には当たりませんで、個別協議の事項になるわけでございますが、いわゆるどか雪という異常災害の中で発生した不可抗力的な死亡であるとわれわれは考えておりますので、支給するという前向きの方向で県当局にすでに指導済みでございます。なお、協議がなされました場合には、一応ケース・バイ・ケースで重大な過失があったかどうか、こういう点の検証はさしていただきますが、一応私どもは支給すべきだ、こういう前提のもとに県当局と現在協議を続けている、ここの点はまず第一点御報告をさしていただきたいと思います。  次に、災害救助法の発動の仕方についての御質問でございますが、この点につきましては、小委員会において厚生省がお答え申し上げたその考え方には現時点においても何ら変更はない、このように考えておるわけでございます。それはすなわちどういうことかと申し上げますと、災害救助法そのものの立法の目的というのは、多数の人の生命、身体に危害が発生し、または発生するおそれがある場合に、人命の保護あるいはその人の生活の保護を応急に図り、社会の秩序の保全に当たる、これが目的でございまして、一般的には政令で、先生の御指摘のように一条の一項一号から三号までに発動し得る基準というのがありまして、発動権者というのは最も地方の実情を的確に掌握し得る知事に授権してございまして、その法の趣旨並びに政令の一般基準、これを両方かみ合わして知事が総合判断をなさる、こういうことになっております。  なお、その一号から三号までの一般基準に該当しないけれども、多数の生命なり身体に危害が発生し、または発生するおそれある場合には、厚生大臣協議した上で発動し得る、これは先生の御指摘のとおりでございます。  それでは雪の場合に、どういう状態で四号がしからば具体的に発動し得るのか、こういう問題になろうかと思います。これは一義的な降雪量のみによって判断するのは、四号の発動の趣旨からいって的確性を欠く場合があろうかと思います。やはりそれは政令四号に書いてあります条項にまさしく事態が適合しているかどうかというその地域における知事の判断を第一義的に尊重してわれわれは対処する、こういう関係に相なろうかと思うわけでございますが、それは具体的に一、二例示をさしていただきますと、一つは、私も北海道の内陸部で生まれ、子供のころまで非常な雪の中で育った経験があるわけでございます。雪国の生活としては、生活の知恵として、孤立した場合の若干の生活物資の備蓄というのは通常いたしておるわけでございますが、非常な豪雪によって交通が途絶して、ある部落なり集落というものが、緊急に物資を輸送しなければ生活が非常に危殆に瀕するというような事態がある。これはおそらく水の場合とも同じだと思います。大洪水で、ある部落が孤立して、緊急に物資を輸送しないと生活の維持ができないというそれに似た、要するに長期の孤立状態が発生して、これに対しては応急の物資の輸送をするなり応急に道をつくるなりしないと、そこの部落なり集落生活機能が麻痺するというような急迫した状態にある場合には、積雪量云々というよりも、やはりその実態にかんがみて発動というのが私は適切ではないか。  それからもう一つ考えられます点は、大体雪国というのは、通常予想している雪に耐え得るような建物構造というのを持っておるわけでございますが、それをはるかに超えるような異常な積雪があって、このままでは多数の家が倒壊してしまう、あるいは雪なだれによって家が崩れる、それによってやはり人命に被害が生ずる、そういうこと等が発生のおそれある場合には、緊急にどこかにそこの住民を避難させて、それからそういう妨害の除去をしなければならぬ、こういう事態の場合には当然私は四号を発動させてしかるべきではないか、適切な例かどうかわかりませんが、一応抽象的に申し上げますと、そういう事態の場合には災害救助法四号が発動されてしかるべきではないか、このように考えている次第でございます。  なお最後に、新潟県の方から災害救助法の発動について四号協議があったかどうか、こういう点でございますが、この点につきましては、四号による発動をしたいという意味の御協議を受けたことはございませんが、その後において、今後の新潟県における災害救助法の発動の仕方の反省という意味において御相談をお受けしたことはあるのは事実でございまして、やはり今後の発動の仕方というのは、法の目的なりその他を総合勘案しながら対処してまいらなければならぬ、こういう感じで御指導を申し上げた次第でございます。  以上でございます。
  26. 高鳥修

    高鳥委員 課長さんは、大分、県の立場を考えてかばった答弁をしていらっしゃるのですが、現実問題としては、自動車が六百二十台もそれぞれ運転手やあるいはその乗員が乗ったまま雪の中で三日も四日も埋まっているというような状態で、その人たちははるか遠くから来ている人たちもあるし、どこかへ救助してやらなければならぬという状態も現実に起こっておる、あるいはまたうちがつぶれそうになっておる、毎日毎日一メートルを超える積雪がどんどん降り積もっていくというような状態の中で、まさに何十万人かの人たちがそういうふうな非常な危機的な状態にあるときに四号発動ができないんだったら、一体いつ発動するかということに私はなると思うのです。だから、これは協議があれば当然イエスと言ったはずでありまして、その点については私はノーという答えはなかった、このように思いますし、もしノーという答えをするであろうならば、われわれとしてはもう一回小委員会において徹底的に厚生省の立場をただすべくやりますということを申し上げて、終わりにいたします。  どうもありがとうございました。
  27. 兒玉末男

    兒玉委員長 旗野進一君。
  28. 旗野進一

    ○旗野委員 過般は、委員長初め関係議員の方々に親しく現地を御視察いただきまして、地元の立場としてまことに感謝にたえないわけであります。謹んでお礼を申し上げます。また初めておいでになられた方々は、それなりにやはり受け取り方が違うだろうと思うのです。豪雪地帯における状況というものがいかに深刻であるかというようなことは、いまさら私が申し上げるまでもないと思うのでありますけれども、少なくともわれわれの日常の生活の上において、いかに大きな災害としてこれを取り扱わなければならないかということを御認識をいただいたと思うのでありますが、雪が災害として取り扱いをいただきまして余り長いことではないと思いますけれども、日が浅いということから、したがっていろいろと法令の改廃という問題があろうかと思うのです。すでにこうした問題につきましては、関係議員の方から従来までいろいろ御質疑があったわけでございますので、私から詳しくは申し上げません。数多くは申し上げませんけれども、重複を避けまして、私の素朴な質問を二、三お伺いをいたしたいと思います。  雪もその年々によって違うわけでありますから、生じてくるところの被害もまたその年によって違うわけであります。県内においても、私ども東と西では大きな差があるわけです。したがって、それに伴うところの被害の度合いというものも違ってきておりますけれども、少なくとも豪雪地帯における立場から見た場合に、当地帯にあらざる地域と比較をした場合にいかに深刻であるかということは、これはもうすでに十分に御理解をいただいておると私は思いますが、経済的にあるいは精神的に負担がきわめて大きいわけであります。特に今度の雪害におきましては、地方財政が非常に逼迫をしておる中に、除雪等に要するところの費用を多大に要したということであります。したがって、関係町村ではその負担に耐えられないという状態のものもある。さらにまた、その首長の考え方と申しましょうか、あるいはまた住民サービスと申しましょうか、いまだに村道と名のつくところに道が開けていないというところがたくさんある。これは私どもも、現に帰るたびごとに田舎を回ってみましてつくづくそういうことを感じて、これはやはり予算の問題であろうかと思うのでございまして、これらにつきまして、特に私は、いままでこの問題でいろいろと議論が交わされておりました特別豪雪対策事業債というものを一般債から枠を外して、その起債を認めるという方向に持っていくということにつきまして、もはや質疑をする段階ではないと思う。この際、これは委員長におかれまして、本委員会の名においてこの実現を図るようにお取り計らいをいただきたい、こういうことを冒頭、委員長に御要望申し上げておきます。  次に、一般家庭における個々の雪害に対する問題であります。  この問題についていろいろ御苦心をなされておられると思いますけれども、今回皆さん方のお手元に資料がいっていると思いますが、これは十日町でありますね。十日町の一般家庭におけるところの雪害の経費という問題が出ておる。もちろん最初は雪囲いを初め住宅の防雪準備、庭木の保護、住宅施設の防衛等に要するところの野菜あるいは燃料、食糧等の確保、あるいはまた毎朝雪がその日によって違いますけれども、降るところの雪踏みというように問題がたくさんあるわけです。こういうことを考えます場合に、この被害というものをほとんど見ておらない——見ておりますか。私が承知しておるところでは、現在のところ、個々の一般家庭の雪害によるところの経費は、単に特別交付税というような形で漠として町村に交付せられておるのではないか、私はそういうふうに県会におったころは承知しておったのですが、最近それが変わったかどうかわかりませんが、この点はどうなっておりましょう、お聞かせいただきたいと思います。
  29. 関根則之

    ○関根説明員 お答え申し上げます。  災害に伴いまして農家の被害であるとか農作物の被害等が出ましたときには、当然、特別交付税市町村財政需要を計算いたしますときに、その基礎に算入をいたしまして特別交付税の配分をいたしておるところでございます。
  30. 旗野進一

    ○旗野委員 やはり私の考えたとおりだと思うのであります。  そこで私は、お気に召さないようなことを申し上げて失礼でありますけれども、公務員には寒冷地手当というものを支給しておりますね。これは人事院の勧告によって逐年改善をされて、皆様方の寒冷地手当を支給するということはまことに当を得たことだと思いますし、それがあたりまえだと私は思う。その支給段階を調べてみますと、豪雪地に該当しておるところの新潟県などにおきましては、大体四ないし五級ですね。そうしますと、八万八千円くらいのものが支給されておるわけであります。一般の住民は、では何をもらっているかというと、何ももらっていない。何か方法がありますか。この問題については皆さんの方で、一般個々の家庭の住民特別交付税で賄われて市町村に交付をされておるだけであって、個人のそういう被害に対して何らの補償もなされておらない。この点についてはどうお考えか、ひとつ御意見を伺いたいと思います。——御答弁がなければ、後でまたどなたかにひとつ御答弁をいただくことにいたしますが、そういうことで、個人災害に対する基準というものが明確でないところにそういう問題が起きてきていると私は思いますけれども、今日までいろいろとすでにこうした雪害に対するところの一般家庭の問題が出ておる。したがって、こうした問題については、もう少し積極的に対処する必要があるのではないかと私は思うのです。それは雪見の宴であるとか、あるいはまた雪は観賞物だ、あるいは雪によってスキーというようなものがあるから相当プラスであろうなんというようなお考えを持っておられる方々が多いのじゃないかと思うのです。しかし、そうではない。毎日あの雪の中に住んでおるところの生活を考えた場合に、これは容易でないのです。私は、そういう点につきまして、もう少し認識の度合いというものを明確にしてもらわなければ困ると思う。  そこで私は、税制上の問題の特別控除の処置をお考えになっていただく必要があると思う。家屋の新築の場合などは、当然われわれの地域は太い大きなものを使います。したがって、課税評価ははね上がる。積雪寒冷補正をもって減価償却は認められてはおりますけれども、構造物の取得に対しての課税の減免はされておらない。——されておりますか。お聞きしたいと思います。
  31. 川俣芳郎

    川俣説明員 家屋に対します固定資産税の積雪寒冷地域における補正の問題だと思うのでございますが、積雪寒冷地域に所在をいたします家屋のうち、木造家屋につきましては、ただいまもお話がございましたように、そういった地域に所在をすることによりまして、他の地域に所在をするものに比較をして特殊な構造を持っておる、あるいはまた積雪寒冷によりまして損耗の状況が無雪地帯の家屋に比較いたしまして大きい。こういう事情を勘案いたしまして、従来から、通常、家屋が経年をいたしますにつれて損耗をいたします、その度合いに応ずる損耗減点率に加えまして、積雪寒冷に応じたところの割り落としの補正をやっておるわけでございます。その率は五%から二五%増しになっておりまして、私どもが調査をいたしましたところでは、現在の積雪寒冷によりますところの補正率はおおむね妥当なものではないか、かように考えておるところでございます。
  32. 旗野進一

    ○旗野委員 妥当であるかどうか、いささか疑義がございますけれども、固定資産税における積雪寒冷補正で処置すべき問題はそれとしましても、さらに所得税あるいは法人税等においても、積寒地帯被害の補てん費を控除して、特別の措置を講ぜられてしかるべきであろうと私は思いますので、この点についてひとつ十分に御考慮をいただきたいということを御要望申し上げておきます。はなはだ唐突の質問を申し上げて恐縮でございます。  いま一点、建設省関係の方にお聞きしたいと思うのでありますが、これは大したむずかしい問題じゃないのですけれども、車道の除雪に伴う歩道の排雪の問題、これは皆さんがどういうふうに現地を御指導なされておられるかわかりませんけれども、最近はブルドーザーとかロータリー除雪車というようなものが近代式な新しい機械を用いられて、車両交通には非常に大きな貢献をしておることは事実であります。しかし、それは車両通行帯の確保でありまして、歩行者の安全確保というものがどういうふうになっておるのかという問題、これはいま私どもの非常に重大な問題だ。  そこで私は、新潟県内におけるところの一昨年の十二月から昨年の三月の積雪期における交通事故の発生状態を調べてみた。ところが、二千七百二件あります。そのうちにはスピード違反というのと飲酒運転というのはない。いわゆる雪の、車の交差によって生じておるところの事故がきわめて多い。その交通事故の発生のうちの九・五%、二百五十六件が車の滑走による事故になっております。死者が一六・五%、全死者八十五人に対して十四名というとうとい生命、人命が失われておる。三百七十五名の負傷者、全体の三千四百六十四人の、いかにその中にこの負傷者が多いかということ、除雪における滑走事故死亡というものが大体御理解をいただけると思うのでありますけれども、この問題については、ブルドーザーでやってもらっておりますから、車両はまことに円滑に行くでしょう。しかし、人が行く場合にどこへ行くか。車の間を危険を冒しながら端へ逃げ回って目的地へ行くのが現実の状態です。これはうそでも何でもない。  そこで私は、あえてあなた方にお聞きしたい。建設省の担当官にお聞きしたいのでありますが、なるほど車道はよく除雪をされておるけれども、歩道は一体どうなっておるんだろう。この間もある除雪車が来ましたので、君たちは歩道の除雪はだれがやるんだと言いましたところが、私どもは車道だけでありますとブルドーザーの運転手は答えておる。ところが、市街地の近くのところの歩道であれば、これは地域の人たちがみんなで共同で歩道のところを除雪しております。しかし、ちょっと市街地から離れたところの歩道はほとんど除雪されておらない。全部車道の雪が排雪されたところが歩道になっておる。だから、歩道がちょうど雪だまりになる。ごらんになったことありますか、建設省の担当官の方。私はこれが一番大事なところだと思う。だから、歩道は何でつけるのか、人の危険を防止して交通ができるようにつけるのが歩道だろうと思うのです。その歩道は完全に封鎖されておるというのは、一体人道無視もはなはだしいじゃありませんか。歩道は人道無視だ、私はあえてそういう極論を吐きたい。そういういわゆる除雪に対する建設省の考え方と指導というものをお聞きして私の質問を終わりたいと思いますが、御答弁願います。
  33. 浅井新一郎

    ○浅井説明員 お答えいたします。  先生御指摘のように、歩道除雪実態はまことにお粗末なわけでございますが、実は先ほど申し上げましたように、積寒地域の特に雪の深いところでの交通確保路線として先ほど四万五千キロという数字を申し上げましたが、これは大体車道を中心にした考え方でございまして、除雪の順序としまして、まず車道の雪を除いてから歩道の雪を車道に投げてそれを排雪して運び出すというような形、まことに歩道の除雪が後回しになるような感じでございますが、やはり順序としてそうせざるを得ないということから、今日まで車道の除雪に非常に重点を置いてやってきたわけでございまして、逐次直轄等を中心にしまして、車道からさらに歩道への除雪の拡大というようなことを考えております。  それで、北陸地建あたりではすでに試験的に歩道除雪を実施しておりますが、これもまだ全面的な実施に至っておりません。御承知のように、歩道除雪ということになりますと、ガードレールがあったり標識があったり、それから歩道の高さがまちまちであったり、またブロックで仕切られたものやステップアップしたものや、いろいろな形になっておりまして、除雪の手段として機械化除雪がなかなかなじまないという点がございます。  そういうようなことがございまして、試験的にいろいろ模索しながら歩道除雪を逐次拡大していくように心がけておりまして、昨年から実は歩道除雪について調査費を一応つけて現在研究中でございます。五十一年度も引き続き試験除雪を含めて歩道除雪のあり方を調査研究いたしてまいりまして、逐次歩道除雪に、車道だけでなく歩道の除雪に手をつけてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  34. 旗野進一

    ○旗野委員 事実上いまでもまだ歩道のところに雪があって、それをつぶして歩いているところがあると思います。でありますから、どうか今後出先に対しては、人道を無視しないように歩道をひとつ除雪をするようにかたく御指導願いたいということを御要望申し上げておきます。
  35. 兒玉末男

    兒玉委員長 木島喜兵衛君。
  36. 木島喜兵衞

    ○木島委員 この委員会においても個々の細かい問題についてはずいぶんと討論がなされておりますし、同時に、年々施策の進歩のほども見られるわけでありますが、しかしなお多くの要望があるということは、なお不満であるということかもしれません。大変要望のあることは、われわれ雪国の者からすれば何としても解決せねばならぬ、解決してほしいと思うことでありますが、大変項目がよけいでございますから、今回ことに雪の多かった新潟県第四区の三名の名前でもって、個々の問題については後に質問書によってお答えをいただくということしかないだろうと思いますし、なお委員長にお願いいたしますけれども、この委員会ですべての問題が解決するわけでもないと思うのでありますので、これらについては、各調査・に参りましたところの要望やあるいは要望書が出たところのものを整理されて、いままでどのようにしてきたか、今度どうするか、将来どの方向に向かって解決の努力をするかというようなものはぜひ委員会においてもおまとめいただきたいということをまず最初にお願い申し上げます。  そういう意味では、個々のことに余り触れないのかもしれませんけれども、せっかく長官来ていらっしゃって、手持ちぶさたのごとくでございますので、長官にお聞きいたしますけれども、一つ住民生活意識あるいは生活様式の変化というものが雪に対する考え方というものを大きく変えてきたのだろうと思うのです。それに対して、行政の速度は進んでおるけれども、たとえばいままで、雪というのはいま降り出したわけではない、われわれの祖先が住みついたときから雪が降っているのだという宿命感があった。けれども、たとえば道路がよくなり自動車が通れるようになると、生活空間が広くなります。テレビその他の情報が拡大されることによって、意識空間が広くなります。すると、意識というものは急激に変革をしておる。テレビでもって雪のない地域を見る。他の国民はこういう生活をしておるのに、われわれはなぜこうしなければならないのだろう、これでいいのだろうか、それが強い要望になってくる。その意識の変革というものが要望になってくることに対するところの行政は、その速度と合っておらないのではないかと基本的に私は思うのでありますが、長官いかがですか。
  37. 金丸信

    金丸国務大臣 要望が多いということは一つの大きな世論だと、これは認めてしかるべきだと私も思います。これは豪雪の問題ばかりでなく、行政が追いつかないという場面は、こればかりじゃないと私は思います。しかし、行政は先に先にといくことが、先手先手といくことが行政のあり方だと私は考えるわけでありますが、財政的な措置その他を含めまして、なかなか考えどおりにいかないというのがきょうまでのあり方じゃないかと私は思うのですが、努めて先取り先取りといくべきだ、こう私は考えておるわけであります。
  38. 木島喜兵衞

    ○木島委員 いま長官、これは単にこの問題だけでないとおっしゃいましたけれども、しかし雪害災害ということと、他の住民の意識、生活様式の変化に伴うところの行政と、雪害とか災害とか、こういうものの行政のおくれをいまお認めになりましたけれども、どちらが優先すべきか。政治としてはどちらを優先すべきなのか。より進めるべきものに重点を置くべきか、おくれているものを重点とすべきか。先ほど申したとおり、雪の降ることをとめることもあるいは科学によってはできるかもしれませんけれども、いまそれを除きまして、雪が降る、しかしそれを雪害にするかしないか、あるいは雪害を大きくするか、軽微なものにするかということは、それは行政のあり方によって違ってくる。同じ雪が降っても行政の対処の仕方によって大きな雪害になり、あるいは軽微な雪害になってくるであろう。そのことの方が優先するべきものではないか。いままで雪国は雪の降るのは、これはしようがないんだと思って宿命として考えてきた雪国の人たち。だから、宿命と思ったから物言わぬ住民たちが、先ほど申したとおりの生活様式や生活意識の変化によって物を言わねばならぬものを多く持ってきたことがこの要望でありましょう。すると、いま大臣がおっしゃったように、確かにそれらは単に雪害だけでなしに、災害だけでなしに、すべての問題にかかわる問題でありましょうけれども、政治全体の問題でありましょうけれども、そのウェートは一体どっちへ置くべきなのか。この災害に対するところの基本的なことが確立されないと、個々の問題に及ばないのだろうと思うのです。その点をもう一度お願い申し上げます。
  39. 金丸信

    金丸国務大臣 ウエートの問題だと思うのですが、私は災害とかそういう問題は人命の関係のことでありますから、これは優先すべきだという考え方を持っておるわけであります。  お説のように生活様式も変わっていますし、世の中は五十年前ときょうの時点とは非常に変わってきておる。その雪の降らない、あるいは雪がたくさん降って困る、こういうものがいわゆる情報関係でテレビでもあるいは電話でもいろいろな関係から目に、耳に入ってくるという状況の中で、この格差というものを是認するというわけにはいかない。私は国土庁それ自体の誕生の原点を考えてみても、いわゆる均衡のある地域社会をつくるという立場から考えてきても、そういうような考え方でなければならぬ、こう考えておるわけでございます。
  40. 木島喜兵衞

    ○木島委員 今度は長官でなくてもよろしいのですが、さっきもちょっと言いましたけれども、根本的には無雪にすることも科学の進歩の中ではできるかもしれません。たとえば、中央の山脈のどっかに何本か穴をあけて、おたくの山梨県あたりへ持っていくこともできますね。あるいは潮流を変えることも、それはあるかもしれません。しかし、それらを含めた無雪、あるいは雪が降ることを前提にした消雪、融雪、除雪排雪という問題と、さらに進めば利雪、雪を利用したところの問題というように分けることができます。しかし、いまそれらは一と三は別といたしましょう。そうすると、二の場合に雪が降るとすれば、これをどうするかということは、一つには都市構造上の問題がありましょう。あるいは各種施設の雪に対する配慮の問題点がありましょう。それから、財政上の問題で解決できる問題それから消雪や融雪、除雪排雪のための体制の問題というように分けることができると思いますけれども、いま当面最大の課題は一体どこに置くべきであるとお考えになりますか。この問題は長官でもいいですが、長官でなくても結構です。  要は、先ほど言いましたように、当面最大の課題というのは財政措置によって解決してほしいという要望が一番大きいということです。雪国の住人はよく言うのです。もし東京に一メートルの雪が一ヵ月積もったら政府は一体どうするだろうかと言うのです。私もなるほどなあと思うのですが、大臣、もし一メートルの雪が東京に一ヵ月積もっておったらどうなると思います。
  41. 金丸信

    金丸国務大臣 極端な言い方ですが、東京の機能は停止をするのではないかと心配をいたしております。
  42. 木島喜兵衞

    ○木島委員 これは東京じゃなくて、日本全体ではございませんか、政治、経済、文化各面にわたっての日本全体の中枢機能が破壊されるのでありますから。日本全体がパニックになりませんか。そうだとすれば、行政は何をおいてもその雪の消雪に、融雪に、除雪に、排雪に、そのことができるのかできないのかは別として、最大のことをやるし、やらねばならないでしょう。すると、さっき言いますように、雪国の住民生活意識や生活様式が変わってきておるだけに、東京に雪が降ったと同じような対策を求めることは不当でありましょうか。いかがでしょう。
  43. 金丸信

    金丸国務大臣 雪国の住民としてそういう要求をすることは、要求があるとすれば当然だと私は思います。
  44. 木島喜兵衞

    ○木島委員 要求があれはその解決のために——東京に雪が降ればすべての力をそれに注ぐだろう、日本全体がパニックなんだから。とすれば、日本全体がどうなるかは別としまして、住民からすればそういう要求があるのは当然だとするならば、東京の人たちならばやるけれども雪国なら多少おくれてもあるいは予算が多少少なくてもということであるとすれば、さっき私が言った住民の意識の変革に行政がついていけないんではないかということになるんじゃないでしょうか。
  45. 金丸信

    金丸国務大臣 先ほど申し上げましたように、行政が全きを得ておるかということになりますと、いささか私もその点については疑義を持っておるわけでありますが、しかしそれにはそれなりの要因もあるわけであります。  東京が一メートルあるいは一メートル五十センチの雪に一ヵ月間閉ざされたらどうなる、東京の機能は停止する、東京の機能が停止するということは日本のすべての機能が停止するという結論だ、そういう考え方から言えば東京も豪雪地帯も同じ考え方であってしかるべきだ、私もそう思います。木島先生はだんだん私を追い詰めて、そうである、そうであるならばなぜこうしないか、こういうことに相なるだろうと私も思うわけでありますが、この問題については努めて解決するような最善の努力をすることが政治、行政だと考えておるわけでございます。
  46. 木島喜兵衞

    ○木島委員 さすがベテラン政治家、私の言うことを先に言われたんじゃ、ちょっと矛先が鈍りますな。  年によって多いか少ないかの差はあれ、毎年雪が降る。同じ地域に降る。それは他の台風だとかあるいは洪水だとかと違った要素を持っております。この日本の国土に、同じ時期に、同じ地域に、毎年毎年、多少の差はあれ災害がある。そこに住む住民はそのことで毎年同じ苦しみをしておる。この雪の問題は、最終的には一体どこの責任で処置すべきことなんでしょうか、国土庁長官にお聞きいたします。
  47. 金丸信

    金丸国務大臣 それは政府にも責任がありますし、またその地域の自治体にも責任がありますし、その地域に住む人たちも一緒に解決すべき問題だと私は考えております。
  48. 木島喜兵衞

    ○木島委員 長官、私、現在の行政の形態を全く知らないわけじゃないのです。ですけれども、発想として——だからいまあなたがどうお答えになったからすぐに解決するとは考えておりません。それはおっしゃるとおり、国も県も市町村もこれは一緒にやらなければならぬ問題でありますけれども、ただ私が言うように、他の災害と違って同じ時期に、同じ地域に、毎年毎年必ず降るのです。私はそこが他の災害と違うと思うのです。とすれば、国土庁長官としてお聞きしておるのでありますけれども、物の発想として、一体最終的にはどこが責任を持ってやるべきことなんでしょう。
  49. 金丸信

    金丸国務大臣 当然国土庁が責任の中心になってやるべきだと考えております。
  50. 木島喜兵衞

    ○木島委員 先ほども災害救助のお話がございました。現在の災害救助法のことを私は言うつもりではありませんが、そして直ちにそうせいということではないにしても、たとえば雨がたくさん降って川をはんらんさせて土砂が家や道路やたんぼを埋めれば、それは除去する。雨が凍って雪となって埋めておるとすれば、これは土砂と同じように取ってほしいと住民が思う。もちろんいまその努力中であります。だが、そのために毎年毎年同じ地域の人たちがみんな大変苦労しておる。もちろん、それじゃ土砂と同じように、たんぼのものも畑のものもみんな取れというわけにはいかないかもしれない。あるいは土砂なら夏になってもあるけれども、雪なら夏になればなくなるのだからまあいいじゃないかということかもしれない。だけれども、住民はそれだけでは、雪は消えるから、だから待ってくれというわけにはいかない、半年雪の中に埋まっているんだから。だから、住民は言います。半年雪に埋まっているんだから半分取ってくれ、せめて自分のうちの周りだけでも取ってくれ、屋根の上の雪だけでも取ってくれという要望になってくる。そういうことが必要であれば、財政的な事情もありますから現在すぐにはできないにしても、そういうものは法改正も含めて検討していく価値のある問題ではないかと思うのですが、いかがお考えになりますか。
  51. 金丸信

    金丸国務大臣 豪雪地帯を指定いたしましたのは、全国で大体三分の一ぐらいだと思うわけでありますが、しかしそれだけではなく、今度はその三分の一の中でまだ豪雪豪雪というものがあるじゃないかということで特別豪雪地帯というものが指定された、こういうことであります。その問題は当然国土庁といたしましても、いま一応豪雪地帯というものを指定しながらなおかつそれには甲乙があるんだということで特別地帯をつくった、そうすると今度は、特別地帯をつくった豪雪地帯とその隣の町あるいは村あるいは市とどれだけの違いがあるんだ。一方のは入っておらない。それらの問題等につきましては、いま非常に流動的な問題点がたくさんあると私は思うのです。そういう意味で、当然こういう問題は、政治というものは国民をできるだけ温かく善意に解釈して、聞けるものは聞いてやっていくべきだという考え方の中で十分検討していくべきだ、こう私は考えております。
  52. 木島喜兵衞

    ○木島委員 そういう点は大臣の意思を体して、役所の方々からぜひ御推進をいただきたいと思うし、委員長にお願いしますが、そういうことはいわゆる議会答弁でなしに忠実に着手されることをなるたけ確認をしていただきたいと思うのであります。  そういう前提に立って当面何をやるかという問題は、またおのずから別であります。さっきからお話がございますように、たとえば機械の問題だとかあるいは幅員の狭いところとか、そういうのをどうするかということが今回の一つのネックでもありましょうから、そういう問題、あるいは消雪パイプや流雪溝をどうしたらいいか。消雪パイプにしても流雪溝にしても、それは水の量の問題やあるいは勾配の問題、流末処理の問題、いろいろありますけれども、いずれにしてもそういう当面のものを進めていかなければならない、そういう要望が強いのになかなか拡大のスピードが遅いという要望があるわけです。  同時に、たとえば屋根の雪おろしの影響というのでしょうか、大体十日町あたりでは普通四回、少なくとも三回、多いときには六回、ときには十回を超えることがある。その雪をもしも道路におろさなかったら、除雪のエネルギーは十分の一でいいだろうと言われるのですね。すると、これをどうするかという研究もまた必要だろうと思うのです。たとえば、夢みたいなことだと言われるかもしれませんけれども、大通りにアーケードがある。アーケードの上にベルトコンベヤーをつける。雪をおろしてそこへ投げたらベルトコンベヤーで——もちろん最後の処理はどうするかという問題もありますが、何かたとえばそういう新しい方式というのでありましょうか、そういうものをもっと国みずからもまた責任を持った研究なり、あるいは研究委託をさせるなりというようなことも含めて、当面はそういうことになっていくのだろうと思います。そしてまた、最終的に国の責任だとするならば、先ほど答弁ございましたけれども、交付税や特交の問題等も十分に配慮されなければならぬことだろうと思うのでありますが、時間がありませんから次の問題に移ります。  これもまた物の考え方の御質問です。もし、雪のために家が倒れた、そして人間が圧死したら、国家賠償法の思想とのかかわりではどうなりましょうか。どなたか、何かもしございましたら……。
  53. 紀埜孝典

    紀埜政府委員 ただいま御質問いただきました件につきましては、国土庁発足以前の総理府時代におきまして、個人災害を国家が賠償すべきであるのかないのか、そこらの議論を、調査等もかねがね進められたようでございますが、賠償という観念には結論を見ることができませんでした。結論として、いわゆる災害に対する援護資金の貸し付けとか弔慰金の給付とか、こういうふうな形の解決をやるのがただいま現在の法律論としては至当であるということで結論が出た、こういうふうにお聞きしておりますので、よろしく御承認いただきたいと思います。
  54. 木島喜兵衞

    ○木島委員 いまお話ございました災害弔慰金の思想は何でしょう。災害弔慰金をつくったその思想は一体何ですか。
  55. 水田努

    ○水田説明員 お答え申し上げます。  災害弔慰金につきましては、支給すべきケースというのは一般基準があるわけでございますが、御質問の趣旨は、今度の豪雪によって新潟県で死亡なさった十一名に対して具体的に弔慰金の支給の用意があるかどうか、こういう意味合いにおとりしてお答え申し上げてよろしゅうございましょうか。
  56. 木島喜兵衞

    ○木島委員 いや違う。  もっと端的に申します。国家賠償法というのは過失責任主義ですね。過失責任主義というのを脱皮することはなかなか困難なことかもしれません、資本主義経済の一つの原則でありましょうから。だが、それですべてが律し切れるのかどうかというところから災害時におけるところの弔慰金の思想があるのではないかと私は善意に解釈をするのですが、その思想を聞いたのであります。
  57. 水田努

    ○水田説明員 質問を聞き漏らして大変失礼をいたしました。  災害弔慰金に関します法律は、まず一つは沿革的なものが現実にありまして、これを無視するわけにはいかないと思います。  それは御承知のとおり、市町村段階におきまして、条例で、いわゆる自然災害で死亡なさった方に対して自治体として死亡弔慰金と申しますか、死亡見舞い金を出す、こういう制度が一般化してきたことにかんがみまして、これに対して、全国普及を図るために国も応分のてこ入れをしてその助成を図る、こういう意味合いで議員立法によりまして超党派的に制定された法律でございまして、その意味しますところは、いわゆる自然災害が発生して、そこで亡くなられた方に対しまして社会的な一つのお見舞い金を出すという思想のものではないか、このように考えている次第であります。
  58. 木島喜兵衞

    ○木島委員 私がもし家でもって脳溢血で倒れたら、弔慰金が出ないわね。なぜ出ないか。国賠法の思想は故意、過失または瑕疵でしょう。ところが、それじゃ災害の場合は、故意、過失、瑕疵と言えるかどうかは、状況にもよりますけれども、なかなか困難である。過失責任主義でいけば、災害の場合は故意、過失がない、瑕疵がない。しかし、それでは律し切れないから、いまお話しのように、自治体は、国はそういう方針をとらないけれども、見舞い金その他の制度をとったから、それを追っかけたというお話、私はそういう沿革を聞いておるのではなしに、災害におけるところの過失責任主義というものでいいのかどうか、この基本的な思想をお聞きしておるのです。
  59. 水田努

    ○水田説明員 この法律の立法趣旨を、私ども制定化されたものについて条理解釈していく以外に、議員立法でございますので、そうせざるを得ないと思うのでございますが、この法律を見ますと、やはり自然災害によって生じた死亡事故に対して、いわゆる見舞い金的な性格として支給されるという点がきわめて強いのじゃないか。いわゆる補償金的な性格であるならば、たとえば自然災害の中でも、国家賠償法によって支給される場合には、当然補償的な性格をこの給付金が持っている場合には調整規定があってしかるべきでございますが、この規定には、自然災害で死亡した場合に、仮にそれが国家賠償法の支給対象になっていても、この弔慰金はそれとの調整規定を持っていないということは、自然災害で死亡なさったことに対していわゆる社会的に一つのお見舞い金を出そう、こういうのがこの法律の立法趣旨ではないか、私はこのように解しております。
  60. 木島喜兵衞

    ○木島委員 ちょっとあなたには無理——無理というのは能力がないというのじゃないよ。担当の責任上、あなたにこれを御答弁いただくのは少し無理、悪く思わないでよ。無理というのは能力がないという意味じゃないからね。立場上、職務上ということですからね。ただ私、さっきも言いますように、それはケース・バイ・ケースで国賠法になるかもしれません。たとえば屋根に雪がたくさん降った。何回か降った。何回か雪をおろしたけれども、だんだんと道路に積まれた雪が高くなるのだから上げ切れない。私がもしそのとき病気だった。老人だけの家庭とか母子家庭とかあるいは要保護者なら別だけれども、私なら私が何でもないんだけれども、私はたまたま病気だった。それで、とても努力したけれども、先ほどお話ございましたけれども、道路道路の役をなさないわけだ、通れないんだから。ちょうど道路が陥没して、そこで事故があれば、それは国賠法の対象になりますな。道路に雪がうんと積もって通れない。そのことによって、道路という営造物が営造物としての機能を果たさないから、それによって死んだとすれば、それは裁判によってどうなるかわからないけれども、国家賠償法の対象にはなりましょうね、きっと。
  61. 金丸信

    金丸国務大臣 私は法律家ではないからうまくわからぬけれども、代議士という立場で、政治家という立場では、私は当然だと思います。
  62. 木島喜兵衞

    ○木島委員 たとえばそういうように考えるとすると、それはいまの場合は、道路が雪に埋まって道路機能を果たし得ないというところに瑕疵があったからということで、政治家としてお答えがあったわけでありますけれども、そのことを私は、将来に向かってどうのこうのと、いますぐにと言っているのではないのです、物の考え方を申しておるのですから。  ところが、そういうことでなくて私は病気だ。そこで、雪が降って、道路は通れたんだけれども、圧死した。これは瑕疵がありませんね、故意、過失がありませんね、国は、自治体は。本人の過失でもないわけです。しかし、いま日本の賠償責任は過失責任主義をとっておるわけです。しかし、無過失だけれども、放置できないじゃないかということで、地方自治体が、過失責任主義をとっている体制の中であるから見舞い金をつくった。したがって、その後を追って、いま御答弁のように、国がそういう制度をつくった。言うなれば、これはある意味では、制限的ではあれ、無過失賠償責任という方向の思想がそこに入ってきた。私はいまここで資本主義の経済の原理の一つであるところの過失賠償を無過失賠償にせよとかどうとかという、そういう議論に発展させようと思いませんけれども、しかし少なくとも制限的であれ、災害の場合においてはその思想というものがもっと入っていいんではないか。現に過失賠償責任だけでは処理できないところの問題があるから、賠償という形ではないかもしれないけれども、弔慰金という形をつくったんだろう。とすれば、災害の場合、先ほどから繰り返しますけれども、毎年同じ地域に必ず降る雪に対するところの制限的な、無過失賠償的な何らかの措置を考えていいんではないかという気がするのでございますけれども、長官、いかがでしょうか。
  63. 金丸信

    金丸国務大臣 私は、この雪の問題につきましては先ほどから申し上げたとおりでありますが、この雪の災害豪雪というような問題については、思想的な問題ば何もないと思うのですよ。で、この問題についてこの委員会等のお知恵も拝借し、英知もかりて、豪雪地帯の人たちも、ただその豪雪地帯の格差もあるわけでありますから、国民すべての連帯性あるいは連帯感の中で、これだけの雪がたまっているんだ、この雪はのけなければならないんだ、それは当然国も出してやるべきなんだというような考え方が、いわば麗しい考え方、そういう考えの中で、そういうものが本当によかったという結果が出ることを私はこいねがうわけであります。とかくあそこが入ったのじゃ私のところも、そんなに負担はないのだけれども、あそこと同格にしろというような考え方が往々にしてある。そういうものをなくして、本当に確かにそうだとだれしも納得するような一つのものが、あるいは物差しが、基準が出れば一番理想だという考え方です。そういう意味で、この委員会の先生方のひとつ格段の御協力をいただきながら今後十分に検討してまいりたい、こう考えておる次第であります。
  64. 木島喜兵衞

    ○木島委員 もう時間が来ちゃったからあれなんですが、思想的なことを言っているのじゃないのです。しかし現在、過失賠償責任主義でおるところに一つの問題があると思うのです。だから、弔慰金というような形が出てくると思うのです。いま大臣のおっしゃることにとやかく言いませんが、その思想を現実の制度の中にどのように生かすかということをお考え願いたいということであります。  先ほどお話ありましたように、あるいは税金の問題もそうですね。さっき旗野さんが、公務員には積雪寒冷地手当が出ているじゃないか。正直に申しますと、これは私がかかわってつくったときなんでありますが、公務員が雪のために他の公務員よりもよけいに支出をするその部分を手当として支給しましょうということであります。その中身は言いません、たくさんありますから。とすれば、公務員以外の人たちはそれは自前でいいのか。もう時間がありませんから、一つだけさっき出たことで言うなら、公務員はその地域が寒冷地の何級、何級となっていますね。そして、幾ら支給されるとなっている。その分だけ税金を免除したらどうですか。公平になりますね。他の地域との公平と、その地域における公務員とその他の方との公平と両方期せられますね。それにも技術的な問題がありましょうが、私は現在の制度を前提にしておったら、なかなか解決しない問題がたくさんあると思うのです。そこには発想の転換がなければならぬと思うのです。思い切った発想の転換が必要なんだろうと思うのです。だから、たとえばいま私が言ったようにやれば公平が期せられます。賠償という思想を決して私は国家賠償等の思想と言っているのじゃありませんが、過失だけではなしに、故意ではなしに、あるいは瑕疵があったかなかったかということだけではなしに、弔慰金の思想というものをもう少し拡大していったら、所得税を減税してほしいというその要望は、そういう方法で技術的にはできる。  最初に申しましたように、私は個々のことをお聞きするのじゃなしに、物の基本的なことを中心にして、その基本のことが固まらない限り個々の問題はなかなか解決しないという要素が多いのじゃないかと思うものですから御質問したのですが、最後にどうですか、その手当のやり方なども御検討を命じられませんか。
  65. 金丸信

    金丸国務大臣 豪雪地帯の問題点につきましては、現在の指定基準を基本にしていろいろ調査をいたしておるわけでありますが、いまの先生のお話は非常に示唆に富んだことで、全く考え方の転換をして、ここからだという一つの出発点をつくって、そしていまのようなお考えも入れながら進めていく。いかに討論してみても、その辺がはっきりしなければ討論しても結果は何にもならない。十分ひとつ検討してみたいと思います。
  66. 木島喜兵衞

    ○木島委員 時間が来ましたから、以上で終わります。
  67. 兒玉末男

  68. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 このたび新潟県において豪雪状況視察いたしました。これは私にとっては昭和四十九年二月の新潟、福島、東北地方などの豪雪視察に続いて二度目の経験であるわけですが、もともと私は、九州だとか東京だとか千葉だとか、そういうところで生活しておりまして、豪雪を直接経験することはありませんでしたけれども、今度こうした地域を見ながら、日本の深刻な事態に改めて感慨を覚えた次第であります。いまでは、日本の広範囲な地域に及ぶ豪雪地帯では、この豪雪対策は二重にも三重にも困難になってきているのではないか、こう痛感するわけです。豪雪対策は、従来のように限定された特定地域の一時的災害対策というのでは済まなくなりまして、豪雪地帯の自治体の重要な行政課題であることはもちろんですが、国の本格的対策が求められているというのが現状であります。そういう問題であると思うわけです。  こうなってきた原因をたどってみますと、それはやはり高度成長政策の住民生活に与えるゆがみや格差、これが豪雪地帯に特に激しくあらわれていることが根底にあると思うわけです。このことは、たとえば除雪をする人がいないという嘆きがあるわけですけれども、このような地帯から大量の出かせぎ労働者を流出させる、こういうことが生まれている、この事実を見てもこの原因が明らかだと思うわけです。その上、豪雪対策が困難になるということは、住民生活の条件や生活環境をますます荒廃させて過疎化を一層進めるという、そういう意味で悪循環になっていると思います。  豪雪地帯がこのように過疎地、辺地と重なり合っているために、豪雪地帯対策としての総合対策が一層重要になりますし、これらの地帯では、除雪雪害救済などの対策も、住民生活の条件確保地域経済や産業の振興など、国の援助を大幅に拡大して、豪雪地帯が苦しんでいる格差をなくする、そういうための総合的な対策が進められなければならない、こうわれわれは考えるわけですが、そこで大臣に、この豪雪地帯住民生活条件の確保地域経済、産業の振興などの総合対策に今後どのように取り組もうと考えられておるのか、基本的な見解をお伺いしたいと思います。
  69. 近藤隆之

    ○近藤(隆)政府委員 豪雪地帯につきましては、先生御存じのとおり、昭和三十七年にできました豪雪地帯対策特別措置法によりまして、関係各省協力いたしまして、その地域の振興に当たっておるわけでございます。それなりにわれわれとしては効果があったと思っておりますけれども、御案内のように、毎年毎年雪というものは降りますし、それから先ほど来いろいろ御議論がございますように、国民を取り巻くところの生活環境施設もいろいろ高度化してまいっておりまして、国民の要望もだんだんそれに対応して多様化してまいってきております。そういうのに対応するために、今後ともなおきめ細かい対策というものを続けていかなければならないと思っておりますが、何と申しましても豪雪地帯におきましてまず第一にやらなければならないのは冬期間交通確保鉄道道路等を中心とする交通確保が第一でございますし、それからそれに関連いたしまして、その地域が、先ほども御指摘ございましたように、急激な過疎の波に洗われている地域であることも事実でございますので、若い者が喜んで住めるような地域に改善していく、生活環境施設整備ということにも特に力を入れていかなければならない、そのように考えております。  今後とも豪雪地帯対策特別措置法の趣旨にのっとりまして、関係各省協力してその地域の振興を図ってまいりたい、そのように存じております。
  70. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 この豪雪地帯対策特別措置法を中心にいたしました一連の救済措置や一部の事業の援助は、これはあるわけですけれども、現実に豪雪に見舞われたときに、今回のように国に対する緊急対策や恒久対策要望が次々に出てまいりますし、それらの要望は実は当然な要望である、こう思われるものが多いわけです。ということは、現行の法律では、またその運用もありましょうが、実際に間に合っていない。特に今回のように集中的な異常豪雪、こういう現実に比べてみまして、現行の法令や運用が現実に合致していないという問題があると思われるわけです。法律を見てみましても、たとえばその豪雪法でも「国の財政の許す範囲内」でという対策になっておりまして、国に対する義務づけももちろんありませんし、対象地域もそれから対象の事業も範囲が狭いのではないか、そういう問題があると考えております。  今回この新潟県では、先ほど来から話がありましたように、除雪作業などで十一人もの人が亡くなっているほどの豪雪でありながら、除雪排雪の費用についで国の補助が出るというのは、道路除雪のほかでは地方交付税の積寒補正というくらいだと思うのです。交付税ということになりますと、全国枠のものを分配するわけですから、豪雪地帯の分だけ、そこに回せばほかの地域の分配が減る、こういう関係になってしまいます。特に各個人の除雪については国はいまのところめんどうを見ないというのが実情でありまして、このような豪雪になりますと、その地域の人々は心身をすり減らして除雪をやる、また交通途絶などの関係もありますし、物価高の波をかぶるというような、二重、三重の苦労が強いられることになりますけれども、一体こういうことでよいのか、この救済措置、先ほどの保安要員制度の問題もありますけれども、この救済措置はいかにあるべきかという点についての大臣の御見解を伺いたいと思います。
  71. 金丸信

    金丸国務大臣 先ほど木島先生にも私からお答えをいたしたわけでございますが、本当に豪雪地帯の——私ははだで、目でも見たわけではないから、これから行ってひとつつぶさに視察をして帰りたいと考えておるわけでありますが、お話や御質問等を承っておりまして、豪雪地帯は非常に、一般の雪の降らないところと比べると大きな段差があるということをしみじみと感ずるわけでありまして、本当に国民がひとしく同じような明るい生活ができるということを考えるならば、当然この問題についても十分な配慮をすべきだという考え方でおるわけでありまして、たまたま新潟県で保安要員の問題について県が二万円あるいは自治体では四万円出しておるというお話、なるほどこれは、その積寒地帯の行政をやる者あるいは政治家は当然考えるべきことだと私は思うわけでありますが、この問題については前向きで積極的に検討してまいりたい、こう考えておるわけであります。
  72. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 今度は厚生省に伺いますが、この災害救助法の問題ですが、昭和三十八年の豪雪のときにはこの災害救助法が発動されているわけです。これは多分政令の一条四号該当として扱われたのではないかと思うわけですが、昭和三十八年豪雪のときの災害救助法発動の理由ですね、それと今度の豪雪状況との違い、たくさんの自動車が閉じ込められた、たくさんの人が死亡し、けがをする、こういうような事態、それとの違いがあるかどうか、お伺いします。
  73. 水田努

    ○水田説明員 お答え申し上げます。  先ほどの御質問でもお答え申し上げたわけでございますが、先生には釈迦に説法でございますが、災害救助法の法構造というものは、一応多数の人命あるいは身体に危害が生じ、あるいは生ずるおそれがある場合に、人命の救助、生活の保護を緊急的に図り、いわゆる社会の秩序の保全を図るということが立法の目的になっておりまして、それに基づきまして、都道府県知事に実情に合った運用ができるようにその発動権限というのは法律上付与がなされているわけでございます。その法の趣旨に照らしまして、政令の一条の一号から三号までは、そういう状態が発生し、法の目的に照らして発動する場合には知事限りにおいて対処してよろしい、こういうことになっておるわけです。その他、四号の、いわゆる一般基準でなく抽象的な基準として、多数の生命なり身体に危害が生じ、生ずるおそれがある場合には、その知事が発動するに当たっては、一つの全国的な均衡性その他の判断を加える必要があるので、一応厚生大臣協議した上でオーケーをとって発動してくれ、このような法の構造になっているわけでございます。私どもとしましては、災害救助法の発動につきましては、できる限りにおいて現地の判断、これは一番的確でございますので、それを尊重するというたてまえで法の運用を図ってまいっておるのが私どもの基本的な立場、こういうことに相なるわけでございます。  具体的な御質問として、三十八年のときに豪雪についての災害救助法の発動はどういう条件のもとにおいて発動がなされたか、これが第一点の御質問になるわけでございますが、そのときの状況は、三十七年の十二月の末から三十八年の二月の初旬に至ります間、一ヵ月半強にわたりまして、裏日本一帯に多数の豪雪が生じまして、その際の状況といたしましては、交通途絶による孤立部落が多数発生した、それから一般住居が破壊を生じてきた、あるいは破壊するおそれが生じてきた、それから三番目としましては、なだれ発生による人命事故が生じ、また生ずるおそれが発生してきた、こういう状況がございまして、この間の異常豪雪によりまして災害救助法を発動しました県は十一県の多きに及んでおります。青森県、福島県、新潟県、富山県、石川県、福井県、兵庫県、鳥取県、島根県、広島県、山口県までに及んでおります。この間、発動されました市町村の数は、市が十六、町が六十四、村が二十九、こういう形になっております。これが三十八年当時の豪雪に対しての災害救助法の発動の状況でございます。  次の第二点は、今回の新潟県のいわゆるどか雪と言われるものに対して、なぜ災害救助法を発動しなかったか、今回の発動に至らなかった経緯と、三十八年当時に比して適用についてのアンバランスがないかどうか、これが御質問の趣旨かと思いますが、一応私の方は現地の判断主義を第一前提にとっております関係上、新潟県の判断としまして四号発動に至るほどの事態の急迫性がなかったという一つの判断をおとりになられた結果が、いわゆる四号発動の協議まで至らなかった経緯ではないかと思っておりますが、その後におきまして、高鳥先生の御質問にもお答えいたしましたように、新潟県も一応まだシーズン中でございますので、今後の——災害救助法の発動の仕方について、現地においてもやや弾力性に欠けたのではないかという批判等もあることから、今後のそういう再び豪雪による被害が多数発生した場合の四号発動について、厚生省との意思の疎通を十分図っておきたい、こういう観点でつい最近、先週でございますが、御相談に来られましたので、先ほど高鳥先生にお答えいたしましたように、やはり急迫な状態にあった場合には、新潟県の県条例に規定している積雪量のみにこだわることなく、実態的に救済すべき実態がある場合には適切な措置を講じていただきたいし、またその御相談があればわれわれもオーケーを出す用意は十分持っている、こういう形で新潟県を御指導した、こういう経緯があることを御報告をさせていただきたいと思います。
  74. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 その点につきましては、きょうの新潟県や県議会からの要望の中にも、「豪雪による被害は深刻であるので、事態の変動に応じて災害関係法令を適時に発動できるように対処されたいこと。特に災害救助法の適用については、豪雪に対する適用基準を積雪量のみによることなく、日降雪量等も勘案するなど、弾力的な運用をはかられたいこと。」こういう要望が出ていることから考えてみますと、法令の規定が非常に弾力性に欠けるといいますか、発動しにくいというように思われたのではないかと思いますので、積極的にいま言われた趣旨で対処していただきたいということを申し上げたいと思います。  そして、もう一つ伺いたいのは、個人の除雪排雪については、この施行令の方にあります障害物の除去としての救助の対象となるのかどうか、この点についてはどういうお考えか、お伺いします。
  75. 水田努

    ○水田説明員 お答えを申し上げます。  除雪費に対しての補助というのは、その前提として災害救助法が発動されている、こういうことになるわけでございます。で、災害救助法が発動されるということは、当該部落なり市町村において、そういう除雪をしなければそこの社会秩序の保全ができないという一つの急迫状態のもとにおいてなされる除雪、こういうことに相なろうかと思いますが、その場合もやはり他の災害における場合との均衡等も当然考えなければならぬわけです。水害等におきます場合に、いわゆる浸水も床下浸水の場合の障害物の除去というのは対象にいたしておりません。床上浸水程度被害があった場合の障害物の除去のみを対象にしておる。そういうこと等との均衡も私どもは考えなければならないのでございまして、災害救助法が発動されたから直ちにそこで行われる除雪作業すべてを見るというのではございませんで、災害救助法が発動され、かつ平年の積雪量を超えるような雪についての除雪については補助の対象にする、こういう考え方で運用をいたしておりますことを御報告申し上げます。
  76. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 雪の場合においても、施行令にありますように土砂や竹木だけではなくて、日常生活に著しい支障を及ぼしているという場合は該当する、こういうように理解していいのじゃないかと思うわけです。  それから今度は、救助法とも関係しますけれども、災害弔慰金ですが、先ほど説明がありましたけれども、いま協議中だ。ということは、結局本人の過失、そういう故意過失の調査をするということを言われましたが、そういうものがないということになれば、これは弔慰金は支給されるというような判断に立っておられるわけですね。
  77. 水田努

    ○水田説明員 お答え申し上げます。  そのとおりでございます。
  78. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 次は文部省ですが、道路除雪以外の除雪補助制度として公共施設除雪費特別措置法の問題ですが、昭和三十八年にこれが立法されてからいままで適用されたのが二回しかないわけです。その執行額も二県八市町村で全体的に四百八十四万九千円。もとよりこれは適用されるような豪雪がないことをもちろん望むわけですけれども、実際には昭和四十八年度のあの豪雪でも結局新潟県の守門村に一ヵ所しか適用されていない。これは法律がつくられて、公共施設除雪について、この法律が適用されなくても十分に行われているというように文部省は考えておられるのかどうか、お伺いします。
  79. 大井久弘

    ○大井説明員 御案内のとおり、この法律は政令で指定する豪雪に際して、地方公共団体が行う学校その他の公共の施設除雪事業に要する費用が平年に比して著しく多額である場合において、当該地方公共団体の財政事情等を勘案して、特に必要があると認めるときに補助をするというのが立法の趣旨でございます。したがいまして、この法律に基づく政令におきましても、そのような趣旨から一定の基準を設けまして補助の要件を定めているところでございます。したがいまして、御指摘の二ヵ年にまたがる豪雪については、当該市町村から申請があったものについて査定をいたしました結果、このような補助の実績というふうに相なったわけでございます。
  80. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 この点についても、新潟県からは、現行基準では豪雪についての指定基準が厳しいためにこの制度適用の対象となることがほとんどないので、それぞれの基準の緩和を図られたい、こういう要望が出ているわけです。  政令による指定要件では、気象庁の観測所四十ヵ所中八ヵ所以上で平年の一・五倍以上の積雪があること、こういうことになっておりますけれども、もともと豪雪地帯では冬になれば除排雪を常時行っておりますし、平年最大積雪量を超えないから除雪費が要らないというものでもないわけです。また、今回のようにわずか一週間で平年最大積雪量を超えてしまうようなときには、これは一層大きな負担になるわけです。  今回視察に行きましたときにも、自治体の方からせめてこうした短期間に降り積もる豪雪に対しては、平年最大積雪量の一・二倍を超えたとき、こういうような条件にしてもらいたいというような要望が出ておりましたけれども、文部省としてこの基準について調査研究して検討する、基準を考え直すというような考え方はないのかどうか、お伺いします。
  81. 大井久弘

    ○大井説明員 先ほど御説明申し上げました立法の趣旨から考えましてこのような基準が定められているわけでございまして、現在のところ、そのような基準を緩和するということについては考えておりません。
  82. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 だから、実際上は本当にこういう法律を適用してもらいたいと思うときにおいても、実際上適用できないというようなことになるわけですけれども、今度は自治省に伺いますけれども、一応交付税で積寒補正があるわけですが、この交付税の算定基準となります除雪費の一日の日当、これは昭和五十年度では幾らになっておりますか。
  83. 豊住章三

    ○豊住説明員 お答え申し上げます。  昭和五十年度で除雪の人夫賃は二千八百円でございますが、今年度は若干上げるように考えております。
  84. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 いろいろなところで聞いておりますと、この日当は、実際上の日当は二千八百円とかいうようなものでは決してないわけです。五千円あるいは六千円と言われます。国鉄の経験では、日当四千円ということで人を入れようとしても、それは安過ぎるということで人が集められない、困る、こういう時代であるわけで、実勢単価に近づくように処置してほしいとみんな思うわけでありますし、そうすべきであると思いますけれども、その点についての考え方を伺います。
  85. 豊住章三

    ○豊住説明員 先ほど申し上げましたように、人夫賃につきましては、普通の人夫賃につきましては二千三百円でございますが、除雪につきましては二千八百円という単価を設定しております。これは五十年度でございますが、来年度の五十一年度におきましては、なお実態をよく調査いたしまして、実情に近い額だけ若干上げたいというふうに考えております。
  86. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 それから今度は、国土庁に冬期保安要員制度についてお伺いしますが、これは七十五国会で国が補助する制度を創設するようにという請願が採択されているわけですが、そして国土庁としてもこの制度についてずっと検討されておられると思うのですけれども、そしてまた新潟県のこの制度についていろいろ論議をされていると思うのですが、実際に今度の新潟県の豪雪においてこの除雪要員が確保されて、そして威力を発揮したという評価では一致していると思うわけです。国土庁としていまどういう点が問題になっているのか、その検討の課題などについて示していただきたいと思います。
  87. 近藤隆之

    ○近藤(隆)政府委員 先生も十分御承知のとおり、雪の降り方というのは地域によって非常に違いますし、その除雪の仕方も都市部、農村部、山村部、その地形等によっても千差万別でございます。どういうような方式をとるのが妥当か、国土庁としてもかねてよりいろいろ検討しておるところでございまして、いろいろモデルを設定いたしまして、広域圏あるいは基礎集落圏等について除雪のあり方について検討はしております。  ところで、昨年新潟県が冬期保安要員制度というのを県の独自の制度として制度化したわけでございまして、私どもといたしましても、県当局にその内容等につきましては十分照会して承知しておるところでございます。当初は一律の国庫補助制度にならないものかというような県の御意向もございまして、われわれいろいろ検討いたしましたが、先ほども申しましたように、いろいろ地域によりましてその除雪の方法等も違いますので、国庫補助制度ということになりますと、御承知のように、基幹道路等の除雪あるいは義務教育施設等の除雪、そういったものについては一律の制度になじむわけでございますけれども、その他の部分につきましてはなかなかむずかしいので、現在、御案内のように、交付税の中でその経費を積算するというような方法がとられておるわけでございます。  ところで、新潟県のこの保安要員制度でございますが、たまたま本年豪雪がございまして現実にこの制度が動いておるようでございますので、県当局に対しまして、その運用の実態、メリット及びデメリットというようなものにつきまして十分伺いまして、これからのわれわれの施策の参考にしていきたい、そのように考えております。
  88. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 いまはまだ交付税の範囲を超えないということなんですけれども、交付税は、先ほども言いましたように全体の枠があるということで、本当の意味でのこの除雪に対するバックアップということには十分ではないと考えられますし、そういう意味でこの保安要員制度のようなもの、そういう形で実際国が進んで補助をする、そしてまた早急に実現するということでやるべきであると思うのですけれども、そういう方向で進んでいるわけですか。
  89. 近藤隆之

    ○近藤(隆)政府委員 保安要員制度につきましては、いろいろな問題点がございます。したがいまして、現在そのメリット及びデメリットというものをいろいろ検討しなければ、直ちに国の制度化ということにまで踏み切るわけにはまいらないと思います。たまたま、先ほども申しましたように、本年の豪雪という機会に現実にこの制度が動いておりますので、その成果が出たところで県の方から十分事情を聴取いたしまして、どうするかということを検討したいということでございます。
  90. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 終わります。
  91. 兒玉末男

  92. 高橋繁

    高橋(繁)委員 本日の最後の質問者でありますから、簡潔に要領よくやる予定でありますので、お答えもそのつもりでお願いしたいと思います。  最初に、長官がいらっしゃいますので一問だけお聞きいたしまして、忙しいようですからお帰りになって結構と思います。新潟県から、豪雪地帯対策特別措置法及び関係法令の改正を含めて積極的な、抜本的な措置を講じられるよう御配慮願いたい、あるいは昭和三十七年にこの基本計画がもうできておりますが、自来もう四年有半を過ぎておりますし、国会での附帯決議等もありますし、この辺で見直しをする必要があると私は思いますが、今回の新潟県の豪雪につれて、そうした全体的な豪雪地帯の基本計画の見直しあるいは検討をされ、対処をされるお考えがありますか、それをまずお聞きをいたしたい。
  93. 金丸信

    金丸国務大臣 指定基準もあることでございますが、その指定基準をもとに、現在豪雪地帯調査をいたしておるわけでございます。その調査の結果、ひとつこれは検討すべきじゃないかと——検討すべきということは、いままで特別地域に指定されておるところが抹消されるということじゃなくて、考えは、これを拡大できることであればしたいと、こういう考え方で対処してまいりたい、こう考えておるわけであります。
  94. 高橋繁

    高橋(繁)委員 拡大というよりも、その全体を現状に沿って検討をしていただきたい、これを要望しておきます。
  95. 金丸信

    金丸国務大臣 十分ただいまの御質問にこたえるように、最大の努力をいたします。
  96. 高橋繁

    高橋(繁)委員 じゃ、結構です。次は、国鉄に質問をいたしたいのですが、今回の新潟県の雪に対して五次規制、かなりの、かつてないような五次規制をやり、国鉄がとまったわけでありますが、その理由は、この間も視察に行ったときに、毎日の降雪量が異常に多い、あるいは連日襲ってきた、また寒波と強風による吹きだまりというようなことが原因で今回のような五次規制をしなければならない理由があったということを各鉄道管理局からも聞いたわけですが、ほかに、たとえばラッセル車がたくさん入り過ぎて——入り過ぎてということはどうかと思うのですが、そういうことで阻害になって運休したんじゃないかとか、ほかにいろいろな、今回のあれについて理由があるんじゃないかと思いますが、なければいいんですけれども、再びあのような雪が新潟県を襲ったときにはまた同じようなことを繰り返さなければならない。そのための国鉄としての今回の雪害についての教訓なり、あるいは同じようなことが襲ってきても二度とそういうことは今度はないという確信が持てるのか、その辺の問題についてお答えを願いたい。
  97. 鈴木秀昭

    ○鈴木説明員 お答え申し上げます。  ことし五次規制と申しまして相当数の列車の本数を打ち切りまして、除雪に専念をいたしました。これは先生御案内のとおり、通勤通学というものを主体といたしまして、特急等の長距離列車を大幅に切り、あるいは貨物を切ったわけで、非常に御迷惑をかけてまことに申しわけないと思いますが、こうした運休がなぜ多かったかということを反省してみますと、まず降雪がことしは非常に異常な雪でありまして、特に関山のところでは四十年に一回ぐらいの記録の雪であるということと、それからもう一つ、通常の新潟の雪でございますと、もう少し水分を含んでおる雪質でございましたが、今回はまた非常に外気温が下りまして非常に軽い質の雪になりました。そこで、ラッセルで動かしてもまた風でもって吹きだまりができる、こういうようなためにラッセル車の行動が非常に鈍かったということを反省しております。  したがいまして、今後どうするかといいますと、雪だまり等の機械除雪のしにくいところ、たとえばホームの下でございますとか、フランジャーが使えないようなところでございますとか、分岐器とか、こういうものの消雪設備を増備してまいろうと思います。それから、こうしたような雪質の場合には、モーターカーロータリーの増備を図ってまいりたいと思います。とともに、もう少し長期的な技術開発といたしましては、除雪車の自動操縦化を促進するよういろいろと検討を図っております。  以上でございます。
  98. 高橋繁

    高橋(繁)委員 今後あのような雪があった場合には、過日のようなことは二度と繰り返さないのか、そういう心配はないのかということ、それはどうなんですか。
  99. 鈴木秀昭

    ○鈴木説明員 お答え申し上げます。  極力ないように努力いたします。
  100. 高橋繁

    高橋(繁)委員 ひとつ確信を持ってやってください。  次に、建設省道路局、道路の関係で先ほどからたくさん質問が出ておりますので確認するような意味になりますが、問題は雪国、雪の被害の場合、道路の問題が解決すれば、先ほども話があったように七〇%以上解決する、確かにそのとおりだと思います。したがって、私、雪国でありませんのでそこまでまだちょっと調べてありませんが、そうした雪の被害があった場合に、国、県、市町村道についての除排雪の計画ですか、そうしたものを建設省は一体持たれているのかどうか、あるいは第一次はここまでやるとか、第二次はここまでやる、大体の計画というものがなされていいと思いますが、もうあるかもしれませんが、その辺の県あるいは市町村との連絡調整というものは持たれているのかどうか。
  101. 浅井新一郎

    ○浅井説明員 お答えいたします。  積雪期に入る前に、除雪計画は県、市、国それぞれ十分な打ち合わせをして除雪期を迎えるわけでございますが、その際に、除雪計画路線というようなものをあらかじめ確認いたしておきまして、これが先ほど申し上げました県道以上で四万五千キロに達しているわけでございますが、そのうちさらに今度のような豪雪、異常な積雪があった場合の緊急に確保すべき路線というものも、さらにその上で一部分決めております。これは大体四万五千キロのうちの三万二千キロくらいのものをそういう路線として確認しております。  それから、除雪のやり方につきましても、それぞれ一種、二種、三種というような除雪区分を設けまして、それぞれたとえば一種は常時二車線確保して、異常な場合でも一車線と待避所は確保する。それから、たとえとまった場合でも、五日間以内には必ずあけるというような除雪の目標をつくりまして、それぞれ除雪の目標に応じてそれぞれの分担を決めておるというようなことでございます。  そういうことで、除排雪の計画は一応立てておるわけですが、臨機にいろいろな問題が出てまいりますので、その際、何分ああいう異常な時期でございますので、トラブルが若干ございます。しかし、何回も経験を重ねておることでございますので、逐次その辺をもう少しシステム的にしっかりさせてまいりたいということで、面的に除雪路線確保するというような方策も今後研究として必要なんではないかということで、現在そういうようなことも模索しておる段階でございまして、各管理者同士、除雪期を迎える前に十分な打ち合わせをしておるわけでございます。
  102. 高橋繁

    高橋(繁)委員 そういう村がある程度できておれば、それに伴う機械の設備あるいは費用、今回も市町村道の除排雪の費用等特別に補助をお願いしたいという要望がかなりあります。そうしたこともある程度計画ができておれば、それに対する費用というものももちろん予算化をされていると思います。特別な雪でありますので、そういうことが起こったと思うのですが、ある程度かなり確実な雪の量、除排雪に要する機械というものによってその計画が実現されていくんじゃないか。そのことが明記されておれば、民生の安定も、そこに住む住人も不安はある程度解消されるんじゃないかという感じがいたしましたので、これはひとつ強力にお願いもしたいと思います。  それから、文教関係で若干、私、文教委員でもありますので、具体的に質問を少ししてみたいと思いますが、この基本計画でも冬期分校が設置をされるようであります。これはちょっと数字が違うかもしれませんが、新潟県内で六十八校、九十一学級、その中で冬期分校が設置をされると、その冬期分校の子供を担当する教員の問題です。そのうち有資格者が約二割程度、あとは全部無資格者。早いのは十一月一日から開設をするということになりますと、これは約五ヵ月間、あるいは冬休みを含めて四ヵ月少しというものは、この無資格者によって教えられる。託児所のようなものだ。したがって、父兄にとってはこれは非常に大きな問題です。わずか九十一学級、教員九十一名、あるいは若干下回るかもしれませんが、そのくらいの定員枠を持っていてもいいじゃないかという感じが私はするわけです。一体この現実というものを、文部省はどうお考えでありますか。
  103. 宮園三善

    ○宮園説明員 新潟県におきます冬期分校の数、学級数それから教員数、これは先生お話しのとおりでございます。確かに冬期分校が設置されますと、一定開設期間中に限りまして、新たに教員をそこに配置するという措置がとられております。その際に、実際上の教員の需給関係の上から、採用される人の八割、先生のおっしゃるとおりですが、その程度の先生方は、高校を卒業したその地域の方々にお願いをしている。その際に、免許法によりまして、普通免許状を所有する者が採用できない場合には臨時免許状を交付して採用することができる、その免許法上の規定を活用しまして、実際上は合法的な教員でございますが、採用されております。ただ願わくは、優秀な正規の免許状を持った方々が採用されるとよろしいわけでございますけれども、現実にはそういった一定の期間でございますとか地域の事情等によって、なかなかそういう者が採用できない。これを、そういうことをしてはいけないということになりますと、現実にそこでは教育ができないということと、できなければそれでは寄宿舎をつくってそちらに収容しなさい、この二つの方法しかございませんので、私どもの方としては、遺憾ではございますけれども、県にできるだけ教員定数の実員が確保できるようなお願いはいたしております。  ただ、定数上の扱いといたしましては、これらの分校が設置されますと、本校と同様に定数は自動的に増加される。法律上の定数はそういう形になっております。
  104. 高橋繁

    高橋(繁)委員 たとえば、この五ヵ月間、四ヵ月間、卒業生にとって卒業間際の大事なときですね。あるいはそれぞれ進学する大事なときである。そういうときに、県にそういう要請をしているとかおっしゃいますが、いま教員は大分志望者もありますし、わずか九十名、あるいは七十二名かもしれませんが、それくらいの人数ですから、やはりそうした有資格者をきちっと、それこそ特別な豪雪地帯の基本計画の中において、そういう点でも改革をしてもらうように先ほどぼくは長官にも言ったんですけれども、そういう意味でぜひとも——これは私は大変な問題になると思うし、あるいは地元の皆さんに聞きますと、前に教員をやっていた方もいる。そういう方の方がまだまだ実際に教育ができる。そういう人たちを臨時に採用してやるとかいう方法もあるんじゃないか。ですから、地域の実情もよく聞いて、この冬期分校の教員の問題については、資格のある者をひとつぜひとも採用して、教育の充実を図っていただきたい。文部省としてもこうところにやはり私は手を差し伸べるべきだと思うのです。  それからあわせて寮の問題、これは冬期分校をつくるか寄宿舎をつくるか、これも基本計画の中にありますが、新潟県では通年のものが十四ヵ所、季節に開設するものが五十七ヵ所ありますが、こ  の五十七ヵ所のところへ冬の間は子供を預けて勉強さしておりますが、これまた舎監というものが正式にいないわけですね。盲学校とか聾学校には規定がありますけれども、そういう舎監というのがいない。したがって、地元の先生方に大変頭を下げてお願いして交代でやっていただく。これもなかなか地元としては大変だということでありますが、そういう季節の寄宿舎についても、あるいは冬期分校にしても、そうした教員あるいは舎監の正式な配置というものは考えていないのか、できないのか。
  105. 宮園三善

    ○宮園説明員 学校教育法の体系で現在舎監あるいは寮母の規定がございますのは盲学校、聾学校、養護学校でございます。小中学校につきましては、生御承知のとおり、全国的に数も少ないというようなことから、学校教育法上一般的でないということでございまして、現在規定はございませんが、実際上の効果のございます標準定数法の方では、盲学校、聾学校とほぼ同じような定数の算定をいたしております。一般の教科の授業に必要な定数というのは、小中学校と盲学校、聾学校、養護学校の小学部、中学部の教員の配置基準、算定基準は全く同じでございます。そのほかに盲、聾、養護学校の場合には、養護訓練の指導という小中学校にない指導部面がございますので、その分の定数が加算してございます。その上に、盲学校、聾学校、養護学校につきましては、寄宿児童生徒数が八十人までは一人、八十一人から二百人までは二人、二百一人以上は三人、やはり舎監の職務を考慮した定数が算定してございます。  この規定と同じように、昭和四十九年から新たに改正いたしましたが、第四次の五ヵ年計画では、小中学校の寄宿児童生徒数が百人まで、盲学校、聾学校の場合は八十人まででございますが、百人以下の場合一人、百一人以上の場合は二人という舎監相当の定数を加算することにいたしております。そこのところは盲、聾学校と小中学校の寄宿舎とはほとんど変わりはございません。  ただ、実際面の運用といたしましては、舎監で専任で毎日寄宿舎に配置される、そうして一般の授業は担当しないということは、現実には先生方は非常にお好みにならないわけでございまして、そういったこともございまして、盲、聾、養護学校では輪番、ローテーションを組みまして舎監を担当していただく、そして翌日の授業は軽減するというような形でその定数を活用していただいているのか現状でございます。  ところが、小中学校の場合は、この定数措置がごく最近に行われた関係もございまして、その運用の方法がまだ定着していないといった面もあろうかと思いますが、また規模の大きさによってさらに加算をする必要があるのかどうか、こういつた問題も含めまして、今後私どもの方でも十分努力すべき面もあろうかというふうに考えております。
  106. 高橋繁

    高橋(繁)委員 義務教育の定数の標準に関する法律が、たしか四十九年、七十二国会で成立しましたことは私も記憶しておりますが、その場合、こういう季節的な寄宿舎、寮の場合でもそのように含まれて配置されているのかどうか、その辺はどうなんですか。
  107. 宮園三善

    ○宮園説明員 この規定が最初に入りましたのは、昭和四十四年からの第三次五ヵ年計画の法律改正からでございます。その際は、通年制の寄宿舎だけを対象にいたしておりましたけれども、四十九年の改正ではこれを季節制も含めるということで算定をするということになっております。
  108. 高橋繁

    高橋(繁)委員 実際に新潟県は、そのように定員の枠というものがふえておりますか。
  109. 宮園三善

    ○宮園説明員 いま計数をここに持ちませんのでわかりませんが、先生必要とございますれば後ほど調べてお届けしたいと思っております。
  110. 高橋繁

    高橋(繁)委員 それは後でひとつ調べてください。  それについて、先生方が交代で舎監として寮に宿泊した場合は、これは手当というものは出るのですか。
  111. 宮園三善

    ○宮園説明員 一般の宿日直の場合には、一夜千三百円でございます。盲、聾学校及び小中学校の寄宿舎の当直業務に宿泊した先生方は、これを二千円にするというふうなことになっております。
  112. 高橋繁

    高橋(繁)委員 こういう豪雪地帯で季節的に設けられる寄宿舎の舎監というものもやはりきちっと制度づけて、主任に手当出すなんて考えないで、舎監にひとつ手当を出すという方向で検討をしてください。それでないと、子供を責任を持たしてそこへ預けるわけですから、交代で行った先生方も大変だろうし、父兄の方も、そこに舎監がおり、しかも寮母がおり、賄いがきちんとされていればいいのですけれども、その寮母たるや正式な寮母はわずか二名しかいないとか、賄いもごく限られた人数でやっておると考えられるので、その辺の冬期分校、あわせて寄宿舎の舎監制度、寮母の問題についてもひとつ検討をしていただきたいと思います。  それから、体育館の基準面積の変更でありますが、これは非常に、ああいう雪国でありますから——現在、基準が小学校で一学級から十三学級が五百三十二平米ですね。ところが、豪雪地帯が五百六十平米、わずか三十平米しか寒冷地を見ていない。二十五学級から三十六学級で、普通の小学校が九百三十五、寒冷地が九百八十しか見ていない。これじゃ、あの雪国の中で、わずか三十や四十平米の広さで、一体本当にまともな体育ができるかどうかということなんです。ひとつこういう基準面積の変更をしてもらいたいという要望がありますが、その辺の問題についてはどうなんですか。
  113. 西崎清久

    ○西崎説明員 ただいま先生からお話ございました屋体の基準でございますが、お話でお示しいただいた一学級から十三学級までの数字の五百六十平米と申しますのは、実は昭和四十九年に改正をいたしまして、それ以前はうんと小さかったわけでございます。これはお話し申し上げるのも恐縮でございますが、二百平米とか三百平米とかいうような数字でございます。これを豪雪地域とか山村僻地等を勘案いたしまして、とりあえず四十九年度だけは、積寒地域でございますが、五百六十平米に改正をしたという経緯がございます。それからさらに、豪雪地域等でもやはり体育館が非常に問題でございまして、他の一般地域もあわせまして、五十年度に、小学校で申しますと十四学級以上、中学校で申しますと十一学級以上の規模の大きい方につきましても、約二〇%の屋内体育館の基準改定をいたしておるわけでございます。そういう意味で、屋内体育館につきましては、四十九年度と五十年度と二年かけまして、小規模と大規模とについての基準改定をしてきたという経緯がございます。  それから、先生のお話の御趣旨の焦点であります積寒地域と一般地域との差の問題でございます。これが非常に小さいではないかという御指摘でございますが、実は確かに積寒地域において、体育の授業であるとかあるいは遊び時間等におけるグラウンドの使用がなかなか困難だという点はあるわけでございますが、校舎の方につきましてやはり積寒補正をいたしておるわけでございます。この積寒補正、校舎の方で申しますと、たとえば十八学級で申しますと、三千五百五十九平米を四千百三十五平米というふうに、小学校の場合でございますが、積寒補正でふやしておるわけであります。その要素としては、プレールームなども校舎でとるようにしたい。かなりの教室の大きさがとれるわけでございますが、屋内体育館と校舎両方につきまして積寒の補正をして、そして教育運営実施が円滑にいくように配慮してきたというふうな経緯があるわけでございます。  そういう意味で、今後、屋内体育館につきまして、われわれといたしましては、まだ未保有がかなりございますので、申請がありました場合にはできるだけ採択をしていくという方向で努力をいたしたいというふうに思っております。  以上でございます。
  114. 高橋繁

    高橋(繁)委員 基準面積の変更をする考えがあるわけですね。
  115. 西崎清久

    ○西崎説明員 この点は、昭和三十九年に屋内体育館の基準面積が一度改正されまして、十年ぶりに四十九年と五十年度に改正をしたわけでございます。ただいま、二割改定をしたばかりでございまして、直ちにいま基準改定をいたしますということはちょっと申し上げかねるわけでございますが、今後の補助採択その他の面では努力をいたしてまいりたいというふうに思うわけでございます。
  116. 高橋繁

    高橋(繁)委員 十年ぶりに二割改定したかもしらぬけれども、実際にそういういわゆる豪雪地帯に行ってごらんなさい。二割改定してどれだけ間に合うかというのです。ですから、日本全体の子供の教育ということを考えると、二割改定したからこれでいいのだということじゃなくて、そういう豪雪地帯の子供の教育のために屋内体育館は一体どうあるべきかということを私は現実に即して考えてほしいと思う。先ほどの舎監の問題にしても、教員の定員の枠の増大、有資格者の問題にしても、ただ数字の上でふやしているのだとか、定員枠をふやしているのだということではなくて、現実に即してやらなければ、第一、そこの子供は救われないじゃないですか。そういうこともあわせて、今後の豪雪地帯教育の問題についても、きょうは局長も文部大臣もおりませんのでまた文教委員会か何かでやりますが、ひとつ考えてほしいというのです。  それから、体育館の構造上の問題、きょうのこの資料を見ますと、文教施設被害があったのは、原因が四ヵ所とも全部屋体場の雪の落下です。そうしますと、これは現地でも声がありましたが、この屋体場の雪の落下によって渡り廊下が破損したとか、給食室の柱が二本折れたとか、全部そうなんですね、そうすると、私はどこかに欠陥があるのじゃないか。その体育館、屋体をつくる上の構造上の問題について、これは県の教育委員会がやっておるかもしれませんが、そういうことについて文部省としても考え、指導を——あるいはこれは文部省が考えた構造上のあれですか。
  117. 西崎清久

    ○西崎説明員 体育館の構造上の問題でございますが、私ども、個々の体育館の構造設計については設置者にお任せをしておるというのが実情でございます。ただ、指導といたしまして、局長通知等あるいは主管課長会議等において、昨年も山形県で屋体が雪のために若干つぶれたというような経緯もございまして、そういう機会あるごとに、設計監理、施工上の点については十分注意をするようにというふうな指導はいたしておるわけでございます。
  118. 高橋繁

    高橋(繁)委員 また文教委員会でさらに詰めていきたいと思いますが、そういういろいろな問題が派生をしてきておりますので、事教育の問題でありますので、文部省でもひとつ大至急お考えになっていただきたいと思います。  最後に、もう時間が来てしまいましたが、これで詰めることはいたしませんが、先ほどからもいろいろ御意見が出ております住民の税負担の軽減について、特に固定資産税評価基準においての損耗減点補正率の引き上げとか、あるいは所得税における特別控除制度の新設とかいうことについて、将来にわたってどういうお考えを持っておりますか、自治省あるいは大蔵省、関係するところでお答えを願いたいと思います。
  119. 川俣芳郎

    川俣説明員 家屋にかかります固定資産税の評価の面につきまして、積雪寒冷地域に所在するものに限りまして、普通の経年減点補正率に加えて積雪寒冷のための特別の補正を現在やっております。その率は、級地区分にまりまして五%ないし二五%ということに相なっております。  この補正率が果たして適正なものであるかどうかにつきましては、私どもも私どもなりに調査をいたしたことがあるのでございますけれども、現在のところ、評価基準で定めておりますこの積雪寒冷に関する補正率は、おおむね妥当な水準にあるのではなかろうかというふうに考えております。  なお、今後とも、この問題につきましては、機会あるごとにいろいろ検討はいたしてみたい、かように考えておるところでございます。
  120. 大山綱明

    ○大山説明員 お答え申し上げます。  豪雪地帯における住民の方々には特別なかかり増しがあるということで、かねがねこれに対して特別控除の制度を設けるべきではないかという御指摘があることは承知いたしておりまして、政府におきます税制調査会においてもこれを検討の議題としております。しかしながら、遺憾ながらまだ具体的にこれを肯定するに至っておりません理由は、こういった豪雪地帯におけるかかり増しとちょうど同じような形で、全国各地、たとえば北海道でございますと光熱費がかさみますとか、台風通過地域でございますとそれなりのかかり増しがあるとか、そういった個別の事情というのが全国津々浦々いろいろございます。税制調査会におきます結論は、各地いろいろ事情があるので、これを一つ一つ取り上げて特別控除という形で解決をしていくよりも、むしろ基礎控除とか扶養控除とかそういった一般的な控除の中で、その引き上げということを通じて取り上げていくのが適当ではないかという結論でございます。したがいまして、特別控除というような形では取り上げられておりません。しかしながら、現在、所得税法には御案内のように雑損控除というような制度もございます。これは雪害等によりまして家屋等に損害が出た場合には、これを所得税法上所得から控除をしていこうというような制度でございますが、そういった制度を弾力的に運用いたしますことによって、執行上も対処をしていける余地があるのではないか、そういったことで国税庁あるいは税務署においてきめの細かい取り扱いをいたしておるというのが実情でございます。
  121. 高橋繁

    高橋(繁)委員 補正率の引き上げは大体妥当なものと思う、検討するような話がありましたが、要するに社会情勢の変化、先ほど木島先生から話がありましたように、生活変化等によってもうすでに四年前、五年前とは変わってきていると私は思うのです。  そういう点も考えあわせて、住民の方々の負担というものを軽減する意味で、この税の軽減、補正率の改定あるいは所得税の控除の問題については、要望になりますけれども、お考え願いたいと申し上げて、質問を終わります。
  122. 兒玉末男

    兒玉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十三分散会      ————◇—————