○渡部(一)
委員 それではあなたに最後にもう
一つ私は念を押しておきたいのですけれ
ども、あなたのおっしゃることが
政府の
立場だと申されました。しかし
政府の
立場が、自民党の中の多少の派閥的な交渉の結果、右に左に毎日の
ように揺れておる。強くない内閣である、弱い内閣である。クリーン三木からウィーク三木なんという言葉が最近出てき始めました。そしてあなたは微笑とほほ笑みで、それをいつも押しまくっていこうとする。私は、それは内閣としてのそれこそもう主体性のなさというか、内閣の成立の基礎を疑うものではないかと思っておるのです。
現実に言うならば、交渉される人々は、おそらくNPTの保障協定のために行かれた外交官であっても、あるいは
日中平和友好条約の交渉官であっても、はしごを外されないかという不安におびえながら、後ろを見ながら交渉するしかない。交渉員
たちは交渉するのではなくて、自民党の中と
外務大臣の顔色を毎日顕微鏡でながめながら交渉しなければならない。これでいいのか、悪いのか。怒られるのか、怒られないのか。それでは交渉にならないじゃないですか。あなたの姿勢が今日までその点について明快でない。私は
外務大臣に対して申し上げるのは過酷かもしれませんけれ
ども、あなたがここで美しい言葉で幾ら話そうとも、だれもがそれを本気で思えない
ような内部情勢というものに対して、あなたはやはり厳格に見つめて、少なくとも外務官僚がちゃんとした
立場で交渉ができる
ようにしなければならないし、私はその辺を御配慮いただくことが
大臣としての責任ではなかろうか、実はそう思っておるわけなんです。
私もつい言葉が過ぎておるわけでありまして、その点はおわびをしたいと思いますけれ
ども、あなたにもう少ししっかりしてもらいたいのです。日中平和友好じゃなくて、もう日中ぐにゃぐにゃ協定みたいな感じがするのです。NPTのごときに至れば、どこで暗礁に乗り上げるかわからない。きょう、きのうの
新聞は、ことごとく核防
条約は後ろへ下がると
報道されておるではありませんか。あなたはそれに対して、核防
条約は下がらないと押し返すためだったら、もっと明快な言動が要ります。
日本の全マスコミが、NPTに関する自民党の
態度は後ろへ後退したと報じております。そしてあなたは、党側に対して、それを何とかと要請したと述べたとここに
報道されております。まさか
新聞をごらんにならぬわけはないと思うのです。そしてあなたの先ほどからの同僚議員に対するNPTの論争は非常に迫力がなくて、そしていわゆる事務手続の問題に終始されております。それでは私はどちらを受け取ったらいいんでしょうか。わからないと申し上げたのはそこなんです。
だから、いま私が伺っているのは、あなたは保障措置協定その他を終わって、百条からあるので準備中であると申された。それはそうなんでしょう。私はそれは疑っていない。めんどうな手続が大変多いというのは私も漏れ伺っておる。しかしあなたにやる気があるのか。自民党が何かごたごた言ってもそれを押して出す力があるのか、それを伺っておるのです。日中友好平和
条約についても、一、二の点でもめておる。ヘゲモニーの問題その他でもめておるというのは私
たちも推察することができる。それはそれで十分おやりになったら結構だし、友好の基礎というものは十分の話し合いのもとに築かれるべきです。しかし、あなたが
本当にやる気でいるのかどうか。自民党の多少の何かの意見、それはあって結構、ない政党は逆におかしいでしょう。それでもあなたがそれを押してやると決めているのか、三木さんを含めてあなたはやるのか、やる実力があるのか、私
たち聞いているのです。それに
大臣お答えにならなければ、私の質疑は
意味がなくなってしまうじゃありませんか。だからその決意を私は伺っておる。むしろそういう決意を固めてもらいたいとこの二
条約に関しては思っておるというのが私の気持ちなんです。お答えをいただきたい。