○堀本宜実君 もっと詳しく私の構想を申し上げてもいいんだけれ
ども、貴重な時間でもあるし、まだほかにいろいろありますから、あまりこまかいことを申し上げてもいかぬが、あなた私らも研究してみますなんて言わないで、あなたら専門家だから、ひとつ率先して
政策に移せにゃいかんな。ぎょうさんなこと、何ページもこれ印刷物出してなにするけれ
ども、過去の
統計や何かがどういうふうであったからどうだなんという、いままでだけの
統計を集めても
政策になりませんよ。やるという腹がまえがなければ、私はうまくないと思うんですね。
そこで、自暴自棄になって、いまの子とり牛でも、子とり牛
——牛は年に一回しか子
ども産まないだね、知っていますか。豚は二十頭から産むんだよ。だからそこらを
考えて、実に貴重な資源ですよ。その子とり
——子をとることがたいへん手間がかかって、そして親は、大きな子供が乳を吸うんですから、やせてしまうんだな。だから子をとることは引き合いにかからない。その子を買うて今度自分が肥育する人はどうにかペイするという姿でしょう。その子とり牛というものについて、何か、
奨励金というか、出産
——まあ、
価格の安定をするようにということですか、子牛
価格の安定をはかるために、と書いてある。子牛の
価格安定基金協会へ金を出そうと、こういうわけでしょう。これね。少しぐらい基金協会に金積んでやったから牛の子が生まれるなんというのじゃない。あれだって、妊娠という
一つの、まあ、いわゆるげさくなことになるから、言っちゃ悪いかしらぬが、ともあれ、人工受精ではらまなきゃ子は産まぬのですよ。だから、そういう手続をとって
——これは手続ですよね。人間なら自分の意思でやるんでしょうけれ
ども、動物はそういうわけにはまいりますまいから、そういう手続をとって子供を産まして、そして、乳を離してももうこれなら死なないという、育つであろうというときに乳を離すわけです。ですから、それが引き合いにかからないんだから、元の元牛というものは
生産されないんですよ。少し基金協会に補助金を出しておりゃいいというものではないと私は思う。そういうものではない。これにもくふうが足りぬと思う。牛が産まれてこないのに、あなた、肉牛やろうと言ったってどうにもならぬでしょう。そして、犢牛を外国から入れるのは無税で入れようということでやってみたけれ
ども、買い手がないでしょう。少しあったけれ
どもたいしたことはない。
伸びない。私は、こういうところにももう
一つくふうをしてもらいたい、こう思います。それについてはもう時間がよけいないから伺いません。
次に、審議会を開いて、乳に対しては保証
価格、あるいは豚の肉に対しては安定
価格というものがあるが、牛肉にはそういう制度がないでしょう。あるいは卵に対しては液卵にするというようなことで確保する、あるいは保存をするということになっておるわけであります。で、このときにあたって、いまの
価格というものは長期的な要因を持った
価格形成ですから、なかなか
——少し
政策を立てて、おまじないみたいな
政策を立ててやったって、これが私は下がってくるとは思いません。それですから、三月に乳価の改定をするという審議会が開かれるのでありますから、それまで待とうというつもりかどうか知りませんが、少なくとも、いまの時代に、これだけえさも、四回上がっているんですから、今度上げれば五回でしょう。えさが五回こう上がってきているんだから、それまでにも
価格の変更はあったが、これは急いで、直ちに審議会を開くべきであると私は思うのです。これは、
大臣がおられぬから、あなたが直ちに開きますやと言うても、それは私のほうも信用しません。あなたもそういうことは言いにくいと思う。言うに言えぬことはないが、実効が伴わないということになりましょうから、私は、決議か何かをして、要請して、少なくとも、審議会というものは直ちにやるべきである、そして
価格の改定をすべきである、こういうふうに思う。
これは御
承知でもございましょうが、私が言うまでもない、あなたのほうが法律のほうは専門だけれ
ども、畜安法の四条に書いてあるんですよね。農林
大臣は、物価その他の
経済事情が著しく変動が生じた場合には、あるいは生ずるおそれがあった場合には、特に安定
価格を改定をすることができる、と書いてあるんだから、いつでもこれはやれるんだ、これは。こんなに何回も
飼料を上げてきて、そして、いま、まだ見合わして懇談会をいたしますなんというのはおかしいよ。これはほんとに
生産者をばかにしているよ。これは、あなたのほうもやりにくいだろうし、
大臣がおればお答えをいただくところだけれ
ども、
大臣はおらぬので、決議か何かで、これは私は皆さんに申し上げて表明をすべきであるというふうに思います。それは、あなたがお答えにならぬでも、しますから、それはそれでいいわけですが、(「それは動議か、動議なら賛成するぞ。」と呼ぶ者あり)動議だけれ
ども、みなさん
あとから賛成するなり、意見なりあると思うが、ここでどうということはないが、いま私の意見としてそう申し上げておきます。
それから経営特別資金が五十億ほど余っているからそれを活用してという
お話があるようですが、いま金を少し貸してやるからやりなさいと言ったってやれませんよ。払わずに済むのならいいんだよ。金借りてやって、元金も払え、利子も払うていくので引き合いにかかりますか。自分の自己資金でやっていてすら赤字が出ているのに、金を借りて進めて、それを奨励しますなんということを
農林省言うんだけれ
ども、そんな甘いものじゃないですよ。そういうことを言うことに危機感があるんだよ。やれりゃせぬのだ、まかしといたって、できぬのだと、こういうような危機感があります。私は金を貸すのを悪いとは言いませんが、もう少し深刻にものをとらえてもらいたい、こう思います。並びに、この機会に申し上げておきたいと思いますが、償還期限が来ておりまする制度資金等は延期を、条件緩和を決定するように指導するなんということになっておりますが、こういうものを指導するというのはどういう
意味なんですか。指導でなくて
政府がきめりゃきまるんでしょう。それは、指導いたしますと言うけれ
ども、指導でない、決定して通知をいたしますというところまでさっそくやらなければ、私は牛を売って、そして払わなきゃならぬという苦悩にさいなまれておるというのがいまの
生産者ですよ。どうです、この制度資金等の支払い期限の延期、償還期限の延期の条件緩和というようなことは、決定して通知をするというのか。そういうことについては一切やる意思はないのか。お答えをいただきたいと思います。