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1972-04-20 第68回国会 衆議院 逓信委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月二十日(木曜日)     午後二時六分開議  出席委員    委員長 高橋清一郎君    理事 加藤常太郎君 理事 古川 丈吉君    理事 本名  武君 理事 水野  清君    理事 古川 喜一君 理事 樋上 新一君    理事 栗山 礼行君       池田 清志君    小渕 恵三君       佐藤 守良君    坪川 信三君       中村 拓道君    林  義郎君       森  喜朗君    阿部未喜男君       武部  文君    中井徳次郎君       松浦 利尚君    中野  明君       土橋 一吉君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 廣瀬 正雄君  出席政府委員         郵政大臣官房長 森田 行正君         郵政大臣官房電         気通信監理官  柏木 輝彦君         郵政省人事局長 北 雄一郎君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社営業局長   遠藤 正介君         日本電信電話公         社計画局長   清水 通隆君         日本電信電話公         社施設局長   三宅 正男君         日本電信電話公         社データ通信本         部長      朴木  実君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十日  辞任         補欠選任   八百板 正君     松浦 利尚君 同日  辞任         補欠選任   松浦 利尚君     八百板 正君     ――――――――――――― 四月十九日  郵便貯金預金者貸付制度実現に関する陳情書外  一件  (第二〇五号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  電信電話設備拡充のための暫定措置に関する  法律等の一部を改正する法律案内閣提出第四  〇号)      ――――◇―――――
  2. 高橋清一郎

    高橋委員長 これより会議を開きます。  電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栗山礼行君。
  3. 栗山礼行

    栗山委員 たいへん質問の予定時間から、所用がございまして御迷惑をおかけいたしまして、おわびを申し上げなくちゃならぬと思います。ちょうど選挙区のほうの陳情がございまして、言いわけだけをいたして御了承をいただきたい、かように考えております。まず前段委員長の御了解をいただきたいと思います。  今度の拡充法法律改正案は、その法律が三本ございます。それぞれの制定の時期及び法律目的性格等を異にいたしておるのであります。これが御案内の一本で御提案をされるということになりまして、一つ法律案でありますけれども、事実は三つ法律案、こういう考え方でこの問題をながめてまいらなくちゃならぬ、こういうことでございます。御質問を申し上げる形におきましても、とても短時間でこの問題の質疑を終了するということは非常に困難な内容を持つのでないか。電気通信事業の未来を創造いたします、ある意味におきましては大きな転機としての問題を提起されていらっしゃる、こういうふうに受けとめてまいりますと、非常に重大な将来の命運に関する法律だ、こういうふうに理解をいたしますと、時間をかけてこれは御審議をいただかなければ、不十分な形において進めてまいるということは許せない、私流にこういうような理解をいたしておるわけであります。四十四年以来二人の逓信委員が割り当てられましたが、特殊な条件がございまして主として私が御質疑を申し上げておる、こういうことでございますけれども理事会のいろいろ御了解をいただきまして、とても私の時間内の問題でこの質疑を終了するわけにはまいりません。したがいまして、二名の逓信委員がございますから、今回は重要性にかんがみまして二名の質問をする、こういうことで後日の理事会で御了承を得て進めてまいりたいということでございます。もしかりに、私が引き続いて一名で処理をしようということになりますと、私はかわった立場において二名のそれをお引き受けする、こういうふうなこともあわせまして委員長の御了解を求め、理事会の御了承をいただきましてこの問題に臨んでまいりたい、こういう私どもの率直な感じをまず申し上げて、時間をかけて法律終了役割りを果たしてまいりたい、こういう前段をひとつ御了承いただいて質問に入らせていただきたい、かように考えておる次第でございます。  申し上げましたように、今度の三つの中身を持っております電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律の一部改正でございます。二番は、電話設備拡充に係る電話交換方式自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律、あるいは三番目は、電話加入権質に関する臨時特例法、それぞれの法律性格、それから内容を異にいたしておる。法律それ自身の施行にあたりましても、日時が軌を一にしておりません。こういうものが一本で提示されておるわけであります。  そこで、まず大臣電電公社総裁にお伺いを申し上げます点は、この三本が制定された当時の背景あるいは法律の本旨並びに今日までこの法律役割りを進めてまいりました評価等をどのようにながめてみるべきか、こういうことについてまず原点に返って、この三法の御意見をお伺いをいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  4. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 ただいま御指摘の三法につきましては、従来立法の精神を発揮いたしまして大いに効果をあげておりますことは私から御答弁できますわけでございますが、なお詳細につきましてはいろいろ委曲の経過があるようでございますが、事務当局から詳しく御説明させていただきたいと思います。
  5. 柏木輝彦

    柏木政府委員 まず、いわゆる拡充法でございますが、これは御承知のように昭和三十五年に制定されたわけでございます。御承知のように、わが国電話は、戦前最高では約百八万加入というところまで行ったのでございますが、終戦時に非常な被害を受けまして、全国で五十四万という数までに減少したわけでございます。その後の復旧、これはたいへん困難な事情がございまして、その需要にもなかなか応じきれない。そこで昭和二十六年にいわゆる負担法制定いたしまして、新申し込み者に対しまして建設費資金の一部を負担してもらうということにしておりまして、さらに昭和二十八年になりまして負担法のほかに電信電話債券を引き受けてもらうことが始まったわけでございます。電信電話債券の発行によりましてこの建設はかなり促進されてまいりまして、昭和三十四年の末におきましては約三百十万加入というところまで達しましたのでありますが、その後のわが国の経済の成長は非常に急速でございまして、あわせてまた生活水準の向上というものも著しいものがございまして、この結果、加入電話に対します需要がますます急激に増大したということでございまして、公社発足後の五カ年計画、第二次五カ年計画昭和三十三年から三十七年でありますが、その当時の予測をはるかに上回っている。そして加入申し込みの積滞ということが年々増加するという傾向をたどってきておるのでありまして、これまでの設備拡充程度ではとうていこれをまかなうことができないということで、この悪化する電話需給状況に対して、根本的な対策が必要になってきたというわけでございます。そのために、電話設備規模拡充を大幅にやらなければならぬ。当時の見込みといたしましては、昭和四十七年末には百人当たりの普及率を約一〇%、百人に十加入程度のものまでやればいいじゃないか、ここを一つわれわれ目標にしていままできていたわけでございますが、このようにいたしまして拡充法が三十五年に制定されて以来、いままで電信電話拡張資金の非常に重要な財源といたしまして、日本電気通信水準拡張には非常な役割りをいたしておりまして、この最近数カ年の電信電話、特に電話架設の伸びというものは、欧米の水準をはるかに上回っている。その増加の速度はざっと先進国水準の三倍程度のスピードを持った拡張を続けていたということは、これはひとえに日本独得拡充法によります加入者による資金の協力という新しい方途を創設したためという評価ができるかと存じます。  これを歴史的にざっと見ますと、第一次計画におきましては電話架設数が百九万個であったわけでありまして、年間平均二十万増、第二次五カ年計画、ここで拡充法効果をあげているわけでありますが、二百十四万個、年平均にしまして四十万個、さらに第三次五カ年計画におきましては五百十一万個、年平均百万個という増設をいたしておりまして、第四次五カ年計画等におきましては、年平均二百万個という計画で現在進めているというわけであります。  このような非常に急激な電話増設ができるような対策をとっておるのでございますが、しかし、いまの需給均衡ということは相当時間がかかる。一応昭和五十二年を目標にいたしておりますが、この均衡時点に達したあとにおいては電話加入新規架設申し込みというものは、年平均二百五十万前後のものが数カ年見込まれるであろう。したがいまして、このような状態でこの加入者債というものを廃止するということになりますと、非常に重大な支障を来たしまして、さらに現在のような二百万あるいは三百万というような積滞をかかえるような事態に直ちに悪化するというような見通しを立てているわけでございます。  それから、質権法関係でございます。質権法はこれも昭和三十三年に制定されました法律であることは御承知のとおりでございますが、この法律制定される前におきましても、電話加入権というものは譲渡ができるという公衆電気通信法上の性格を持っておりました。特に日本では需給均衡歴史的に非常にアンバランスであったということから、電話の市価というものが非常に高い水準に保たれた経過がございまして、それにつきまして、加入権というものが一つの財産権的な社会的な扱いを受けることになりまして、これが、電話質権公衆電気通信法では禁止されているにかかわらず、たとえば譲渡担保というような方式で、あるいは白紙委任状つき融資というようなことでの金融業者扱いにかかるということで、この結果公社のほうの業務面でのいろいろな支障もございましたし、また加入者の保護という面から見て非常に好ましくない事態も出ておったわけでございます。しかし、電話質権という新しい制度をつくるためには、一般の質権とは違ういろいろの制約要件がございまするので、それらを勘案いたしまして、簡便な、しかも安全確実な方法で加入者の利益を十分保ちながらこれを担保にした質の制度ができるということを当時非常に要望されまして、その事情背景にいたしました質権法が三十三年に制定されたわけでございます。  この法律につきましては、また一方、電話需給均衡がとれないということが一つの問題になっておりましたこととともに、負担法あるいは拡充法によります加入者資金負担につきまして、特別な融資制度も考えてやったらどうかというような国会での附帯決議もありましたことを踏まえました結果、このような特別の融資制度ということで、非常に現在、特に庶民金融といいますか、中小企業金融といいますか、そういうような金融体制というものが非常に不備であります日本事情におきましては、低額、有利、確実なこのような制度というものが庶民にもたいへん喜ばれてきたという実績がございまして、現在までも約百六十万というような利用がされているということでございます。この質権の問題も、結局はつまるところ、需給の不均衡というところに一つの大きなネックの問題がございますので、これは公社といたしましても、一体どのようにして今後の需要見込みを立て、これに対する供給体制を考えていくか、つまり長期的な計画をどのようにして推進していくかということを十分御審議、究明いただけませんと、これらの法律につきましての問題の解決がむずかしいのではないかということで、この二つ法律は、やはり一つ需給均衡に基づくというところから、共通の問題としまして、一本の法律として立案を進めたということでございます。  なお、自動化に伴います特別手当法律につきましては、人事局長のほうから御説明申し上げます。
  6. 高橋清一郎

    高橋委員長 柏木監理官、速記の関係がありますからもう少し声を大きくお願いいたします。
  7. 北雄一郎

    北政府委員 お答え申し上げます。特別措置沖でございますが、これは電話設備拡充改善計画遂行に伴って生ずる困難な問題を避けることによりまして、この計画遂行の促進に寄与する、こういう目的昭和三十九年に制定された法律でございます。すなわち、その電話のサービスに対しますところの急激な需要増加に即応するために、電話設備拡充改善を急速に実施するということ、これは国民的な要望でございますが、このためには全国的に電話交換方式自動化する、こういうことが必要になるわけであります。しかしながら、この自動化を実施するにあたりましては、一時に多数の電話交換要員が過剰と相なります。これら過剰となる電話交換要員の円満な退職をはかるために特別の給付金を支給する、こういうのがこの法律趣旨でございます。
  8. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。先ほど郵政大臣監理官あるいは人事局長から詳しい御説明がござました。電電公社立場から申し上げます。と、この拡充法は、ちょうど第二次五カ年計画を改定いたしましたときにお願いいたして、昭和三十五年に成立しておる次第であります。そうして電話の数そのものにおきまして、現在約二千万個に達した。この二千万個まで電話拡張が行なわれたということは、やはりこの拡充法によって資金が得られた、大体建設投資額の約三〇%に相当する資金がこの拡充法によって得られたということがあずかって力あるというふうに考えております。  質権につきましては、これは三十三年に施行されまして、その後また三十八年に十年間の延長ということでまいっておる次第でありますが、この質権につきましては、先ほど監理官お話がありましたように、現在でも利用されている国民の方が百三十万ぐらい件数としてある。したがって、庶民金融という面におきまして、非常に安全確実な金融が得られておるということにおいて効果があったというふうに思っております。  それから自動化措置法、これは三十九年に制定されておるわけでありますが、ちょうどこのころ、特にだんだん電話局自動改式が都市から農村方面に参りまして、また自動即時化をするということ、これは三十五年の拡充法のときにもやはりそういった措置を、自動化等をやる場合に、労務問題等について十分配意しろという附帯決議もいただいておるわけでありまして、そういう面において、この自動化をやる際の交換要員が退職される場合に、特別に給付金をプラスするということをやって、わりあいに順調にこの自動化が進められるということになってきたので、そういう意味におきまして効果があったというふうに考えております。
  9. 栗山礼行

    栗山委員 私の前段お尋ね申し上げましたことにつきましては、これの新しい法律改正一つ変遷を回顧してみる。そして今日どのようなものか評価をして、新しい法律改正意味するものをひとつ把握して取り組んでまいるということが必要でないかというようなことで、実はいまの御質問大臣総裁に申し上げた次第であります。ものを起こしてまいります上についてはやはり歴史がございまして、その内容を正しく評価をしてまいらないと前進を進めてまいることの形の合理性を欠くのではないか、こういうことで大臣お尋ね申し上げたわけであります。できるだけ政治のサイドにおける問題は大臣にのみ御質問申し上げて、その他に属することは担当の局長その他の人にお伺いする、こういうふうに進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。いま大臣から、せっかくこの法律提案される最高責任者として、そういう変遷経過をお伺いすることのでき得なかったことをはなはだ残念しごくに私感ずるあまり一言だけ私の気持ちを申し上げておきたい、かように考えておる次第であります。  次に、お尋ねを申し上げますが、いろいろ電話加入の際の設備費用負担変遷資料昭和二十一年四月一日から設備料という形において進んでおります資料もちょうだいいたしました。いろいろ変遷がございます。設備料になりましたり、あるいは装置料という名目になりましたり、あるいは装置料負担金というようなことで負担法というような形に発展をしてまいりまして、さらに今度は設備料、こういうふうなことで拡充法の方向が進んでおるというような非常に複雑な経緯をこの資料によって拝見をするわけでありますが、端的に申し上げまして、これは負担法に続くものという理解をいたしていいものですか、お伺いを申し上げます。
  10. 柏木輝彦

    柏木政府委員 日本電話発展の過程を振り返ってみますと、明治二十二年の電話の開通以来現在に至るまでの歴史は、理想、目標といたしましては政府資金あるいは公社資金等自前架設するということを掲げながら、しかし現実の歴史はまさにその逆でございまして、加入者負担あるいは利用者負担という制度を長い間、戦前においても続けておったわけでございます。昭和七年の数字をちょっと思い出したのでございますが、全国電話交換取り扱い局数、これが三千幾つあったかと思いますが、この九十何%の数はいわゆる明治時代に始めました特設電話、つまり電話交換局地元特定局あるいは加入者が出した金で開通されたものであったというような状況が、まだ昭和の初めまで残っていたのであります。その後政府資金、公債というようなもので何とか架設を進めたいという意欲は大いにありましたのですが、さらに戦災という事態経過いたしまして、やはり相当部分は架設者負担にかからなければならぬということで、ただいまお話がありましたような装置料設備料負担金、あるいは同じ資金負担ということでございますが、利用者から融資、お借りするという意味での債券という変遷をたどっておりました。装置料設備料というのは一つ料金といたしまして、原則としてこれは利用者からいただく。ただし設備料につきましては、当初五年間以内に解約された場合にはお返しするというような扱いをしたことがございますが、原則としてこれは料金としていただくという形できたわけでございます。その後お借りをするということでの拡充法資金というものが、電話発達に非常に大きな貢献をしたという経過をたどっているわけでございます。
  11. 栗山礼行

    栗山委員 たいへん懇切に明治からの歴史的な経過にお触れをいただいて御説明をいただきまして、非常に参考になるお話をいただいたと理解をいたしておるわけであります。ただ私のお尋ね申し上げましたのは、これは負担法拡充法に切りかえられたということに私は理解をいたしておるのですが、それはそのように理解をいたしてもいいものかどうかということについて、いま御説明をいただかなかったと思いますので、それだけひとつ御答弁をいただきたい。
  12. 柏木輝彦

    柏木政府委員 形式的には従来の負担法というものがなくなりまして拡充法になったということでございますが、拡充法になりましても、例の設備料として当初一万円、次に三万円、次に五万円という形で、これは料金としていただいております。この経済的な効果と申しますか、実質的な役割りは、負担金と同じような建設資金の一部、これを利用者の方に負担をしていただくということには変わりはないわけでございます。
  13. 栗山礼行

    栗山委員 私は順次お尋ね申し上げたいというようなことでいま申し上げたのでありますが、若干いろいろ私より御答弁が進んでおるやに理解をいたすのであります。  次にお尋ねをいたします問題は、昨日の当委員会における委員質問の中にもございましたように、異なったそれぞれの法案を一本化して提案するということはいかがなものか。それからその根拠をひとつお示しを願いたいということで、きのう質問があったやに理解をいたしておるわけであります。私も先ほどの柏木監理官の御答弁伺いまして、その終局のねらいというものは、それぞれの異なった法律案件であるけれども、一にいたしておるので一本化の形で御提案を申した次第だ、こういうふうな御答弁をいただいておるわけであります。そういたしますと、目的が一にするのであれば、それぞれ個々の異なった法律でありましても、最終的には同一の要素を持つものなら法律は一本化してもいいじゃないか、こういうふうなことが法律制度やあるいは制定の中であったのかどうかということについてちょっとお尋ねを申し上げたい。
  14. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 この三つ法律延長の問題につきましては、昨日来から御質問をいただきましたわけでございますが、そのつど答弁を申し上げておりますように、まさに法律の始期と申しますか、成立いたしました時期が違っておるわけでございますけれども、今度十カ年延長するということは、三つ法律とも終期昭和五十七年度ということで一緒になっておるわけでございまして、そうして内容におきましても、御説明申し上げておりますように電話需給関係、これにみんなつながりを持っておるわけでございます。特別給付金自動化ということにはなっておるわけでございますけれども、これまた電話需給関係の一連の問題だというように考えておるわけでございます。つまりそういうような需要供給がアンバランスである。これを一日も早くバランスをとりたいということに私どもの今後政策を進めてまいりますねらい、努力の目標があるわけでございます。そういうような意味におきましてはおのおの関連を持った法律案である、こういうように考えまして、一括いたしまして御審議を願うというようなことにいたしましたほうがかえって御審議の御便宜があるのじゃなかろうかというようなことで、もっとも三本一緒にいたしておるわけでございますから、一つ法律の延期ということだけにあるいは簡単には時間的に進みませんけれども関連を持った三つであり、しかも終期を同じくしておるというようなことで一括して提案をいたしたわけでございます。この点御理解をぜひ賜わりたい、こういうように考えておるわけでございます。
  15. 栗山礼行

    栗山委員 いま二つ内容がございました。三本を一本化した一つの御趣旨について大臣からの御説明をちょうだいをいたしました。私はこれは法制局の問題に属すると思うのでありますけれども、御提案大臣でございますから、大臣に、こういうような異なった法律を一本化して目的は帰する、こういうような帰結で御答弁をいただいたが、法律制度として、こういうようなものが過去に例があったかどうか、こういうことをお尋ね申し上げたのでありますが、これは簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。
  16. 柏木輝彦

    柏木政府委員 お尋ね事例につきまして過去数年間のものを調べてございますが、一々申し上げることは時間の関係でできませんが、たとえば四十三年には国会議員互助年金法の一部改正あるいは国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部改正その他二件、一つ法案一括上程をしておる。あるいは四十五年につきましては運輸省設置法の一部改正職業安定法の一部改正道路運送法の一部改正道路運送車両法の一部改正というような四つの法案を一括して提案しておる。その他現在まで私のほうで調べました案件は、一括提案しておりますのが昭和四十三年以降六件の事例承知しておるわけでございます。
  17. 栗山礼行

    栗山委員 私のお尋ねを申し上げましたことについて、それぞれの法律を一本化した問題の法律について御説明を受けたのでありますが、私はこういう同様な、たとえばなんでしょう、拡充法というものは暫定措置に関する法律でしょう。それから手動から自動化への問題に伴う退職者に対する問題は特別措置に関する法律でしょう。それから三番目は、公衆電気通信法にはこれを禁止いたしておるのでありますが、それを内容的に何らかの措置をとることが最も合理的だというようなことで臨時特例法、こういうような形においてこの法律ができた。いわゆるそういう特異なものの法律制定が本旨である、こう理解をいたしておるわけであります。こういう異なった法律自身が、あなたの言われているのは一般の法律の、一つ内容のもとにおける法律が一本化されたという経過。私は、こういう異なった内容を持っておる法律が一本化されたという経緯があるかどうか、こういうようなお尋ねを申し上げておるのでありまして、これはあるならあるということと、あればこれと匹敵するものはどうか、これに適応するものがあるかどうかという問題にお答えをいただきたい、こういうことでございます。
  18. 柏木輝彦

    柏木政府委員 ただいまの御質問にお答えするためには、それぞれの関係法律内容をもう少し吟味いたさないと、はっきりしたお答えを私からは申し上げかねるということでございます。
  19. 栗山礼行

    栗山委員 それで非常にけっこうでございます。これは後日にそれを何らかの形において御答弁をいただくか、あるいは資料として御提示をいただくということで、この問題は私も理解をいたしてまいりたい、このように考えて進ませていただくことにいたします。  若干具体的に問題を進めてまいりますが、電話架設費の負担法の当時における電話架設費の変遷というものはどうなっておるか。若干お触れをいただいたのでありますけれども、その変遷経過をお伺いをいたしたいということが一点であります。  それから二点は、負担法制定をされました当時の負担法趣旨並びに負担法に基づく債券引き受けの条件及びその金額の利率等はいかがなものであったか、こういうような経過を一応伺いたい。  第三点は、加入者債券の公社資金関係に占める役割りはどのようなものであったか、これは負担法に基づく内容のものでございます。  この三点についてお答えをいただきたいと思います。
  20. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えいたします。まず第一問の負担金関係の経緯を概略申し上げます。負担法が施行になります前におきましては、装置料といたしまして四千円をいただいておったわけでございます。これが負担法の施行後、四千円の装置料と三万円の負担金改正になりました。それが負担法改正によりましてさらに三万円、と申しますのは東京を例にとっております。負担法改正によりまして、昭和二十八年から、東京の例で申し上げますと六万円の債券をいただくようになったわけでございます。その状態がずっと続いてまいりまして、公社になりまして公衆電気通信法施行以後、御存じのように公衆電気通信法に基づきまして設備料一万円と、この拡充法に基づく加入者債という形に変わって今日に至っております。この設備料につきましては、その後改正が二度ほどございまして、現在では五万円になっておるわけでございます。  それで負担法当時の債券でございますが、これはただいま申し上げましたように、負担法ができましてしばらくいたしまして、昭和二十八年一月一日以降電電債券を引き受けてもらうことになったわけでございます。これは利率といたしましては六分五厘でございます。非常に安い金利でございます。引き受け金額につきましては、ちょっといま手元に詳細な資料がございませんが、一応申し上げますと、先ほど申し上げました東京の単独電話が六万円ということで、当時としては非常に高額の引き受け額になっております。いずれもこういう単独電話あるいは共同電話という種類あるいは加入数等によって引き受け金額は変わっております。なお、これも詳細な資料はただいまちょっと調べました上で、あとで提出させていただきます。  それから、拡充法施行後今日までの加入者債資金調達額におけるあるいは建設投資額に占める比率につきましては、先ほど総裁が申しましたように、大体なべて今日まで三〇%前後を占めておるわけでございます。
  21. 栗山礼行

    栗山委員 遠藤局長お尋ねを申し上げました中で、ちょっと欠けておる問題がありますが、負担法当時における利息の問題等もそこに資料がございましたらお答えをいただきたいと私は思います。
  22. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 負担法当時の債券の利息は、先ほど申し上げましたように六分五厘でございます。  なお、失礼いたしました。負担法当時の債券資金調達総額に占めます比率はこれは非常に少のうございまして、大体一三%前後ではなかったかというふうに思います。
  23. 栗山礼行

    栗山委員 それでけっこうでございますが、いろいろの電話需要の急激な変化、こういう形でこの計画が幾回か変わってまいっておるということでございますが、申し込めばすぐつく、こういうようなキャッチフレーズで計画をお立てになりました。その計画が第四次計画までいろいろ変わっております。また、必ずしもそれの内容の成果をあげておらない、こういうような経過がございます。  拡充法の問題は、いまの七カ年計画は五十二年で終わるということで御説明を受けておるわけであります。そういたしますと、その後における問題は、五十二年の拡充計画の中における拡充法延長をまず第一段としてはかられるということが事実に適するのではないか。それから、その後における電話需要という一つの推定あるいは予測というようなものがされることはもちろんきわめて当然でありますけれども、そういう予測を計画と混同して、十年間の計画を策定するというような、法律を十年間延長するということについては私は少し理解をしにくい点があるわけであります。私は計画に基づくものについての拡充法の年限の延長ははかるべし、ただし未確定あるいは想定的なものにつきましては、その時点においてその法律延長をはかってまいる、こういうふうに、やはりけじめをつけて、問題の目的計画の方向とを合わせてまいるということにならなくてはならない、こういうふうに思うのでありますが、これは大臣、いかがでございましょうか。
  24. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 理屈から申しますとそういうことも考えられると思いますけれども、現在におきましても、ただいま実施いたしております七カ年計画、これの終期でございます昭和五十二年度、一応これを目途に需給のバランスをとりたい、普通の一般の加入電話が、申し込めばすぐに架設できるような状態に持っていきたいということでやっておることは事実でございます。そうなりますれば、拡充法の末期はもうそれでいいわけでございますけれども、ということになれば五カ年ということになるわけでございますけれども、それでもだんだん経済の進んでまいっております現在の状態、また国民の生活程度、また電話架設需要、要望の実態というようなものをいろいろ計算いたしてみますと、また一般加入電話の非常に普及いたしておりますアメリカ等、他の国の例から考えましても、まだまだ日本電話加入申し込み需要というものが相当長く続くだろうというようなことに調査の結果なったわけでございまして、昭和五十三年度以降五十七年度までの見通しといたしましても千三百万個程度はそういう需要があるのではないか。これを五カ年の年度別に割りますと一カ年二百五十万個ということになりますか、そういうような需要が予想されるというようなことが計数的に出ましたものですから、そういうことであれば、ほんとう申しますと、五十二年で一応打ち切って、そのときの状態をながめてさらに五年延ばすならば延ばすというようなことをいたしますのが順序であろうかと思いますけれども、そうした十カ年間の見通しが、電電公社で調査の結果出てまいりましたので、それであれば今度こそはいよいよ最後だと思います。十カ年間延ばさせていただきまして、そうなりますと、せんだって来電電公社から御説明申し上げておりますように、普及率も、九四%でございますか五%でございますかというような非常に高い率になるということになれば、それ以後、さらにそれ以上需要というものが継続すると思われないというような観点に立ちまして、そうして十カ年間の延長をお願いしようということを考えるに至ったわけでございます。その結果十カ年ということにいたしたわけでございます。つまり、五十三年度以後におきましてもどんどん需要がある、申し込んでもすぐに取りつけられないというような状態が続くということが見通されるようなことになりましたものですから、さらに五年を延長いたしまして、最初から十カ年間にお願いしようということになったわけでございます。
  25. 栗山礼行

    栗山委員 一般論としてわかるのでありますが、私は昨日の同僚委員質疑をいろいろ伺っておりまして、暫定措置に関する法律性格と違うのかということで、これの定義、それから暫定措置に対する問題が、暫定にあらざる一つのものの性格変遷をしているじゃないかという論議を昨日静かに拝聴いたしました。私自身は、やはり暫定措置に関する問題でございますから、一つの目途についてこれを暫定措置という法律で裏づけて行なってまいるということがきわめて合理的であり、当然な一つの処置じゃないか、こういう範疇でものをながめておるわけでございます。いま計画をされておりますのは、五十二年度までの計画についての積滞の解消あるいは資金計画の問題等等、いろいろそれに関連いたしまする計画作業というものを公社のほうで積極的にお運びいただいておる。これはこれなりに一つの筋が立っておる、こういうふうに何回か狂ってまいりました問題について、法律の本旨から、あるいは需要状況、積滞の状況等かんがみて、ひとつ十分な成果をあげるように取り組んでいただきたい。こういうところで一応線を引くというのが本質じゃないか。それを、いま大臣から御答弁ございましたように、その後の予測もこれを含めての予測は、当然立つべきだと思います。しかし、暫定措置の中に計画のない一つの予測をあわせて入れるということが合理的であるかどうかということについて、疑問を持たざるを得ない。これが私のお尋ね申し上げる中心点なのでございます。これについて、何か安直な年限というものをやはり想定をされておる、ここに問題の狂いが生ずる起源があるのだ、こういうふうにその危険性の内蔵するものを考えまするときに線引きをすべきである。この線引きの中で行なって、あやまてばそれをどういうふうに修正し、新たなる計画の方向で法律内容をどう扱ってまいるか、こういうふうにえりを正してまいりませんと、計画制定とをミックスされて、期限の延長という法律の年限の定めというものについては、矛盾と撞着がはなはだしい、こういうような感を、いま御答弁伺いましても深くするわけであります。これは大臣の御答弁を伺ったのでありますが、この問題について、法律制定自身というものについてはいろいろ問題がございましょうけれども、担当の電電公社総裁としては、どういう受けとめ方をされておるかということについてお尋ねいたします。
  26. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。昭和三十四年に第二次五カ年計画を改定いたしましたときにこの拡充法制定をお願いいたしました。これは昭和四十七年度末において、いわゆる申し込んだらすぐつけるという状態を実現するために十三年間の時限立法をお願いいたしました。これによりまして電話架設を進めてまいりました。その当時、昭和四十七年度末には最終需要が大体千百万というふうに予定いたしましたけれども、この拡充法があったために、また国民の皆さんの御協力を得たために、実際に全体として近く二千万という数字になってまいりました。また同時に市内はほとんど自動化いたしまして、市外も九五%まで自動化も進んでまいりました。  ところで、ただいま御質問ございましたが、それでは今後の問題についてはどうかということでございますが、一昨年七カ年計画をつくりまして、その七カ年計画の末の五十二年度末までに全国的規模において積滞を解消するということをきめました。電話事業を経営する上でこういうことはぜひ必要なことであるというふうに思いまして、それによっていろいろ予算等の措置も現在四十七年度の予算に出ておる次第でございます。その中で、五十二年度末までに約二千万個の加入電話をつけるということになっております。ところで、その五十二年から先の、五十三年から五十七年度末までの問題につきまして実は詳しく需要予測をいたしまして、また御質問ございましたら、どういうふうな方法によって需要予測をしたかということをお話ししたいと思うのでありますが、一ぺん積滞がなくなったものがまた積滞がふえるような形になっては、これはまた電話事業を経営する公社としてまことにすまないわけでございまして、一ぺん積滞が解消したものを継続してずっといく必要があるのじゃないか。したがって、その数字というものを、しさいに検討いたしますと、電話需要は自動車の普及その他と似ておるわけでありますが、ある時点までは相当伸びていく。ところが、伸びていくのは、一つは経済成長の問題によって起こるし、もう一つはいわゆる核家族化、大家族が分裂して、しかも電話が国民の生活必需品に変わってきた、こういうことで需要が非常にふえてくるわけでありますが、ちょうど四十七年度末までに出ました数字が二千万でございます。それから五十二年度末に約千四百万つける。それから五十三年から五十七年度末にいわゆる申し込んだらすぐつける、全国的規模における積滞をなくすためには千三百万つける。この数は相当大きな数で、第二次五カ年計画のときに、五カ年間全体でつけた数が約二百二十万くらいでございまして、それを今度五十三年から五十七年度には一年間に二百五十万つける。すなわち拡充法を最初にお願いしましたときの五カ年間が二百二十万であったのに対しまして、五十三年度から五十七年度に、一年間で二百五十万つけなければならない。これほど旺盛な需要が継続するわけでございますので、したがって、五十七年度末までに拡充法延長をお願いいたしまして、一ぺん積滞解消となったものをさらにずっと持続していきたい、こういうことでお願いしておる次第でございます。
  27. 栗山礼行

    栗山委員 私といろいろ路線の相違がございます。それなりに評価をいたしてまいりたい、こう考えておりまして、以上平行論議は避けてまいりたい、こういうふうに考えております。  次に、設備料の問題でございますが、建設資金の調達のために三十五年四月二十八日の拡充法制定当時の設備料は一万円でございます。四十三年五月に設備料が三万円になりまして、四十六年六月一日から五万円、こういう経過を踏まえておるわけでありますが、この事柄は時間的な経過を検討いたしてまいりますと、あまりにも急激な設備料の増大という形にあらわれておると思うのであります。片や電話債券関連をいたしまして、それぞれの種類級に応じまして、東京を中心にいたしまして十五万、あるいはまた最低二万、こういうふうな限度における電話債券、こういうことに相なっておると思うのでありますが、私はこういうことをいつかの質問で申し上げたことがあると思います。その一つは、電話料金改定の問題を何回か御提案、意図されていろいろ努力をされた経過を思い出すのであります。そのことは市内通話の七円を十円に値上げしてもらいたい、こういうような案についていろいろ意見を戦わしたことがございますが、結局これは広域時分制というようなことに発展をいたす大きな論点の経過であったと思うのでありますが、とき同じゅういたしまして電話料金は度数料金が上がらない、こういうことで、それに見合ったものという形において設備料金というものが政治的な一つ設備料金、こういう中身であるというように理解をいたしまして若干質問で触れた点がございます。そうでないと、一万から三万の時限というものは、物価指数、経済状況というものがそれだけの相当高い設備料一つの根拠を示しておるかというと実は示さないわけなのでありまして、あるいは三万から五万という値上げの経過を見ましても、わずか二年の経過でありまして、その二年間に三万と五万との根拠ということにつきましては、残念ながら平行線で終わっておるという経過があります。その中身は、結局電話拡充に基づく財政上の措置としての設備料金の値上げということ、これは否定すべからざる一つ経過でなかろうか、こういうふうに理解をいたしておったわけでございます。設備料電話債券との関連性、いわゆるあり方ということについてどのように総裁はお考えになっていらっしゃいますか。
  28. 米澤滋

    米澤説明員 昭和三十四年に拡充法制定をお願いいたしまして、設備料は一万円ということにいたしておりました。その後、いろいろ料金関係改正案を、公社としては、先ほど御指摘がございましたように、現在の料金制度からいいまして市内が原価的に料金と非常にかけ離れている、むしろ市外が高くて市内が安過ぎるという形になっておりますのを、だんだんこういうものは、事業を経営していく上に少しずつ原価に近づけていくということが望ましいということで、これまでいろいろ提案をしましたけれども、実際にはその点は実現しない。たとえば、七円を十円にするような問題、あるいは市外料金を、遠距離を下げるというような問題は、まだ実現はしておりません。これは原価に近づけていこうということで過去において提案をいたしました。  ところで、昨年設備料を三万円から五万円にするという公衆電気通信法改正国会で成立させていただきました。その際に、七カ年計画の中でも拡充法はやはり存続をお願いしたいということを申し上げておるわけでありますし、また国会で御質問がございましたが、設備料が三万円から五万円になったときに、拡充法延長はどうだという御質問がございました。それに対しましては資金計画の面で、実際拡充法というものが建設投資の約三〇%近いものを占めておって、これにかわる資金調達の方法が実際問題として、理論的にはいろいろ方法がありましても、実際には非常にむずかしい、したがって、これはやはり計画を達成するためにぜひお願いしたいということを申し上げたわけでありまして、その際結局、先ほど御指摘がございましたように、確かにこの設備料というものは加入者の方に、新規に架設する方に負担していただく一時的な料金ということになるわけでございますが、それを負担していただかなければ——この額というものは料金の面において幾らか軽減されるという事実は確かにそのとおりでありまして、最初にいただくか、あるいは毎年のものでいただくかという、結局原価を補わなければならない。電電公社自体が独立採算でいかなければならないわけでありまして、そういうことから確かに関連はしてまいりますが、しかし昨年のこの資金計画というものをつぶさに検討いたしますと、やはり七カ年計画実現のために、これは三万円を五万円にする、それから、拡充法の存続をお願いするということを同時に申し上げておるわけであります。その点はいまでも変わっていない、こういうことでございます。
  29. 栗山礼行

    栗山委員 電話料金問題を、過去の論議を振り返りましていま御説明をいただき、私もそういう頭に去来するものがあるわけであります。私は、市内電話というものはビジネスで、それから市外通話というものは特別なものだ、極端な表現をいたしますと、ぜいたく的要因を持つものだという考え方の一つ根底が、市外料金というものは非常に高いものである、こういうような実態をなしておる、これはもう今日の社会構造の変遷の状態に合わざる料金制度のあり方ではないか、こういうような議論を御質問の中で展開をいたしまして、少なくともこういうような市外通話と市内通話との問題の区分は、いまや抜本的に、広域化された地域の中における市外通話の料金を下げて、そうしてひとつ広域通話制、特に私は時分制の問題につきましては、明確にそれは適した一つのシステムの問題だということで、賛成を申し上げて御質問をいたしました経過があるわけでございます。ただこの当時、広域時分制の制定については、公社としての収支がとんとんだというつじつまを合わす一つ制度というような、言うなら、暫定的な一つの処置、こういう姿で運ばれたような感をいまだに私は抱いておるわけであります。したがって、私は現在の市外について、社会構造に対応するような広域時分制を実施されんといたしておるのでありますけれども、中距離以上の問題の市外通話というものにつきましても、いまの時代に適応性を持ちません。こういうふうに考えてまいりますと、電話料金の問題は、収支とんとんだということじゃなくて、この機会に電話料金の合理的な一つ制度改正を検討する時期に至っておるのじゃないか、こういうような感を私は持つわけでありますが、総裁その点はどうお考えになりますか。
  30. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。この問題につきましては、公社内ではいろいろ検討いたしました。しかし、現在の時点でこれをどういうふうにするかということにつきましては、これからもいわゆる過疎過密対策政府のいろいろな国土開発計画等関連もございますので、その政府の国土開発計画、過疎過密対策等の今後の方針等も受けて十分検討していくというふうに考えておる次第でございます。
  31. 栗山礼行

    栗山委員 時間の制約を受けておりまして、私の足らざるところはもう一人の委員を立てて質問いたすことになりますから、できるだけ問題をしぼってお伺いをいたしてまいりたい、かように考えております。  次にお尋ね申し上げます点は、強制疎開電話というようなものが戦時中にございましたことを理解いたしておるわけであります。あるいはまた動員電話、こういうようなものが戦時中に行なわれた。これの架設につきましては債券設備料というものは不要だ、こういう処置を運んでまいられたと理解をいたしておるわけであります。強制疎開電話あるいはまた動員電話というもの、これはもう完全に事後の処理ができておるのであるかということがひとつお伺いしたい点でございます。  それから今度の法律改正の中におきましても、戦災電話の問題につきましては、電話債券のみの十万円で、そして設備料ということにつきましては現行の五万円を適用されておる、こういう内容になっておるのであります。この戦災電話と、それからいま申し上げます強制疎開と動員電話の問題との性格は違いますけれども、戦時中における特異な一つの条件を持ったものでございましたが、条件的にはあまりにも差異が存在する、こういうふうな疑問を抱かざるを得ないのであります。この点について当局から明確にお答えをいただきたい。  それから、戦災電話はいま何ぼ残っておるかということについて数的に明らかになっておりましたら御答弁をいただきたい。
  32. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えいたします。まず数から申し上げますが、強制疎開電話と動員電話、この両方合わせて四十五年度末で九百三十二本残っております。それから戦災電話のほうは四万一千九百二でございます。それからもう一つ未設電話というものがございますが、これが七百九十でございます。いずれも四十五年度末でございます。  そこでいま御指摘のございました強制疎開電話と動員電話については設備料債券は不要、それから戦災電話と未設電話につきましては、設備料はいただきますが、債券のほうは一般の三分の二ということになっております。この考え方と申しますのは、これはだいぶ古い時代にさかのぼったものでございますが、動員電話あるいは強制疎開電話と申しますのは、御存じの戦争中に電話を設置していた建物が、強制疎開というぐあいになりましたときに、そこにある電話を通話中止扱いをいたしまして、権利としては残っておるのでありますが、建物を強制疎開させた、こういう形で残った権利の電話のことでございます。それから動員電話と申しますのも同じような性質のものでございまして、これも当時の国の必要に基づいてもっと有効なところに転用するというようなことで電話そのものは持っていく、ただ加入者に対しては権利をそのまま認めて一応中止扱いをしておったというものでございます。したがいまして、私どもといたしましては、これらについてはいずれも逓信省令に基づいて行なっております。当時の逓信省は現在の電電公社の前身でございますから、その責任でやっておりましたものに対しましては、やはり今日の段階におきましても設備料債券というものはそのままいただかないで、当時無理無理よそに使わしていただいたものを復活されるときには新しく取るべきではなかろう、こういう観念できておるわけでございます。  これに対しまして、戦災電話と申しますのも、確かに先生のおっしゃったように、いささか均衡を失するようにごらんになれると思うのでありますが、ただ戦災電話につきましては、当時の理屈を申し上げますと、これは逓信省なり何なりが全部責任を負担すべきものでなくて、戦災で焼げた電話であるという形におきまして、やはり逓信省だけで責任を負う必要はなかろうということで、先ほどのような措置をいたしておるわけであります。それから未設電話につきましては、これもいろいろ経緯はございますが、公社になりました以後、戦災電話とのバランス上同じような扱いをさしていただいているというのが従来の経緯でございます。
  33. 栗山礼行

    栗山委員 いま遠藤局長から御答弁ございました未加入電話というものは、これは加入権だけが存在しておるという性格のものでございますか、これが一点です。  それから何か過去のことを若干伺ってまいりますと、申し込みますと一定の料金を払いまして、そしてそれが加入権、こういう形で抽せんシステムによって電話架設される、こういう経過のものが過去の例にあったようでございますが、この点は未加入電話との関係性格のものと一致するのかどうかという点をお伺いいたしたい。  それからいま疎開電話と動員電話の問題と、戦災電話の問題についての御答弁がございまして、それは確かにああいう戦時体制下において、逓信省それ自体がすべからく責任を負うべき問題でない、こういうことでございますことも議論の中心のとらえ方だ、こういうふうに理解をいたしますが、動員電話、疎開電話のみがきわめて常識的な処置をとられておるということでありますが、戦災電話に限ってそれは何らの処置もとられておらない。ただ電話債券の五万円の低額処置だけにおいて、設備料五万円を取る、こういうような処置というものは均衡を失するのではないか、これを何らかの形において、合理性を持つような是正の方向で検討する用意がありやいなや、こういう質問でございまして、御検討いただけるか、検討の余地なきものとして理解すべきものであるか、その結論だけひとつお答えいただきたい。
  34. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 この未設電話と申しますのは、先生御指摘のように、戦災とは少し事が異なりまして、私はそういう意味では一番責任がある電話だと思います。明治時代のことでありますが、お金をいただいておるわけであります。それから戦災電話というものにつきましても、今日までこういう状態できておりますにつきましては、先ほど申し上げましたような理屈はございますけれども、このこと自体が電電公社の現場では事務としては相当繁雑な要因にもなっておりますし、また戦争が終わりましてからすでに数十年もたっておる今日、戦災電話という形で権利だけ残っておるということも、できるだけ早く何らかの形で解決しなくてはいけない問題だとは思っております。ただそれにつきましては、従来の加入権ということで当然のこととしてやるのがよろしいのか、あるいは戦災電話あるいは未設電話というものが現在どこまでどういうぐあいに維持されておって、これを実際ほんとうに必要な方がおつけになろうとしておられるなら私ども異存はないのでありますけれども、そのことがそういう形でなくて別の逆効果を生む場合も十分あろうかと思います。そういった点を十分考慮いたしました上で、時期といたしましてはもう数十年たっておりますので、やはりこの辺で何らかの解決策を考えなければいけないと思っておりますし、また先生の御指示によってそういう準備を至急進めたいと思っております。
  35. 栗山礼行

    栗山委員 前段に申し上げましたように、きょうは二時間ばかりをちょうだいいたしまして、ひとつ私の大まかな御質問を申し上げてということでなにいたしましたが、まだあとに松浦委員も残っておる。きょうは異例の午後二時から開会の委員会、こういうふうなやむを得ざる一つの状態のもとに開かれて、同僚の委員諸君からおしかりを受けるというようなことは避けるべきだ、こういうふうに考えておりますので、多くの問題をかかえておるのでありますが、これは後日他の委員か、また私が別途の形におきまして継続するということで質問を留保いたしまして、きょうは私、以上をもって質問を終わります。
  36. 高橋清一郎

  37. 松浦利尚

    松浦(利)委員 前もって訂正しておきますが、私がせき立てたわけじゃございませんので、ぜひ栗山先生の保留された質問につきましては、私のためにせっかくの慎重審議のための質問がとだえては申しわけありませんので、ぜひ次回質問の機会を与えていただきますように委員長のほうにお願いをいたしておきたいと存じます。  まず最初に、大臣にずばりお尋ねをしておくのですが、昨日からきょうにかけまして、今回の法案の出し方についていろいろと議論がございましたが、政府の御答弁、あるいは公社側の御答弁等は、すでに昨日からお聞きをしておるわけでありますが、いずれにしてもこうした三つ法律を一本にまとめて出すということは、私はきわめて異例の措置である、このように考えます。いまかりに一歩譲って、内容的に同一的なものであるという判断に立ってこういった法律の提出がなされるとすれば、昭和四十七年度予算に関連する法律については、各委員会ですべて一本にして出すという拡大解釈も私はできると思うのです。そういう意味で私は今回のこの法案の出し方についていろいろと批判がありましたから、くどくどとは申し上げませんが、この出し方についてはまことに異例の措置である、このように大臣はお考えになっておられるかどうか、当然の措置であるとお考えになっておられるかどうか、その点について大臣からお答えいただきたいと思うのです。
  38. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 予算関係法律案を一括して出す、予算ということで共通の性質を持っているのだというような広い解釈をいたしまして、法律案をすべて一緒に出すというようなことには当然くみすることはできないのであります。これは松浦先生と同様に、絶対にさようなことは避けるべきであるというように考えておるわけでございます。ただ、先日来御答弁申し上げておりますのは、電話需給関係という意味において、予算とかなんとかいうような広い意味ではなくて、電話需給という関係において共通のものであるというようなことで出したわけでございますが、先日来いろいろ御質問をいただきましたし、ただいまは栗山委員から法制のたてまえの本質論、これについては郵政省の政府当局から、調査いたしまして御答弁申し上げるということで、ごかんべんを願ったわけでございますけれども、そういうようないろいろなことで御教示いただきますと、今度は一括して出しましたけれども、将来はこういうことについてはよほど慎重にやらなければならない。よほど気をつけて、よほど筋の通るものでなければ出すべきでないというような感じが強くいたしておるわけでございまして、こういう点については将来、十分気をつけてまいりたいと思っております。
  39. 松浦利尚

    松浦(利)委員 私は、いまの大臣の御答弁、そのまま正直にお受けしたいと思うのです。私はそれが正しいあり方だと思います。ですから、出されたものをここで撤回せよとは言いません。審議をいたします。ただ問題は、そういったまことに異例の措置である法律をここに出されておるわけでありますから、大臣はすでに国会法案を提出されておる側でありますけれども委員長もいまの大臣の御答弁をひとつぜひ理解をしていただきまして、かりに三本が一本にされておる内容はありますけれども、それぞれを慎重に審議する、少なくとも三つ一緒に一本の法律で出したから簡単だというのではなくて、むしろ、まことに異例中の異例として出されている法律でありますから、それぞれの内容について十分に慎重審議できる時間と余裕をお与えいただきたい。そういう意味で私はきょう、本問題については拡充法についてのみ質問を申し上げて、その他の問題については保留をさしていただきたい、このように思いますが、そのように配慮していただきたいと申し上げておきます。  それでは、質問内容に入ります。  まず、総裁お尋ねをするわけでありますが、第六十五通常国会におきまして、御案内のとおり公衆法の一部改正が通過をしたわけであります。そのときの議論の過程を通じまして、当時の井出郵政大臣あるいは電電公社総裁、お二人とも電話の積滞は昭和五十二年までにはすべて解消する、こういう御答弁が衆参両院においてなされておるわけでありますが、いまでもそのお考えに間違いがないかどうか、その点について総裁のほうからお答えいただいて、また大臣から御答弁いただきたいと思います。
  40. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。ただいま御質問ございましたが、昭和五十二年度末までにおきまして、全国的規模において電話の積滞を解消する、こういうふうにいまでも考えております。
  41. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 七カ年計画の最終年度であります五十二年度に積滞をなくするということで努力を続けておるわけでございますけれども、その後の電話需要というものは、必ずしも五十二年度で終わらない、五十七年度まで延ばさなければ積滞は解消できないというように私どもは考えておるわけでございます。
  42. 松浦利尚

    松浦(利)委員 大臣、いま総裁の御答弁はきわめて明快でございましたが、いまの大臣の御答弁をお聞きしておりますと、五十二年度までに積滞は終わらない、さらに残るんだ、こういうふうに言っておられるのでありますが、間違いございませんか。
  43. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 どうも、先生の御趣意がわからぬまま答弁いたしましたが、五十二年度で拡充法をやめるということになりますと、積滞が残るというように考えておるわけでございます。
  44. 松浦利尚

    松浦(利)委員 大臣、これは質問のポイントが正確を欠くのかもしれませんが、五十二年度末までに電話の積滞は解消する、そういうふうに六十五国会では大臣の御答弁があっておるわけです。その点が、総裁は明快でしたけれども、いまの大臣の御答弁によると修正になったのでありますか、その点もう一度お答えいただきます。
  45. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 それは、前大臣が六十五回国会で御答弁申し上げておりますように、七カ年計画の最終年度であります五十二年度で一応積滞はなくなるわけでございますけれども、その後の新規需要がどんどんできてまいりますということをつけ加えて、私は御答弁申し上げたわけでございます。
  46. 松浦利尚

    松浦(利)委員 大臣は先を見越してお話しになったのですね。それはこの法律提案によりますと明確に書いてあるのです。柏木さん、あなた少し大臣に対するアドバイスがまずいと私は思うのです。この提案にはこう書いてありますよ。昭和五十三年度以降五十七年度に至る期間において、昭和四十八年度から五十二年度に至る期間の新規需要一千二百万を上回る千三百万の新規需要が発生すると見込まれている。したがって、この期間において積滞が生じないように一千三百万の加入電話増設を行なっていくのだ。ですから、少なくとも五十二年度までには積滞は全部なくなるわけですね。それ以降については、新規のものは全部つくように千三百万の電話増設を行なうという提案ですよ。だから、五十三年度以降は、この提案内容からいくと積滞というのは起こってこない。そういう理解でいいでしょう。
  47. 柏木輝彦

    柏木政府委員 昭和五十二年末を目標といたします電電公社の七カ年計画が一応終わりますと、その時点では、現在二百数十万の積滞は全部なくなりますということに、まず御了解をお願いしたいと思います。  それからさらに、その後の需要増加の傾向を考えますと、五十二年から五十七年までの需要年平均二百五十万という架設を必要とする、しかしこの際に、もし五十二年ぽっきりで拡充法延長されなくなるということになりますと、資金の欠陥が生じまして、さらに現在程度の、三百万に近い積滞がその期間中に生ずるであろうという趣旨でございます。
  48. 松浦利尚

    松浦(利)委員 柏木さん、あまりそういう心配をしなくていいと思うのです。私は拡充法について話をしておるのじゃない。この法律延長されるとかなんとか、そんなことを言っているのじゃないのです。要するに、積滞が解消するかどうかということを聞いているのですから、あなたがそんなふうに前へ前へ先取りしていきますとね、それは極端な言い方をすると、私たちは逓信委員会という雰囲気ですから笑って済ましておるけれども、しかしそれは失礼なんですよ。ずばり言いますと、質問したことに答えるというのが正規のあり方ですよ。それを先、先を読んで、質問しないことまであなたが答弁するということは、それは行き過ぎた答弁だと言うのです。それは改めてください。困りますよ。  それで、いま大臣の言われたことはわかりました。この拡充法についての関連でそういう御答弁をなさった柏木さんは、私の質問のとり方を間違ったのかもしれませんけれども、これからの質問に対しては、ぜひ質問をよく聞いておって、大臣を補佐してください。  昨日島本委員質問を聞いておりましたら、それに対する御答弁で、自動改式は五十二年末で未改式の局が四百局残ります、こういうふうに御答弁が出ておるわけでありますが、その点は間違ない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  49. 清水通隆

    ○清水説明員 お答えいたします。そのとおりでございます。
  50. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは総裁お尋ねをいたします。四百局残るというのは、これはおそらく磁石局だと思うのです。この四百の磁石局が、そのまま五十二年度以降にも残るということになりますと、おそらくこの四百局というのは過疎地帯の小さな局だと思います。いま問題になっておるのは、過密都市の積滞ということも大事ですけれども、磁石局における積滞が非常に問題になっておる。加入増設、増端ができないために四百局の磁石局がそのまま残るというのは、五十二年末になっても現在の電話の積滞は残る、こういう結果が出てくると思うのです、実質的には。その点については総裁は先ほど明快に五十二年末にはなくなる、こう言われたのですが、現実的には答弁に矛盾があると思うのですが、この点はどういうふうに整理しておられるのか。それから、こういう四百の磁石局はどうでもいい、過疎は過疎、しようがない、切り捨てて、こういうものは切り捨てた上で五十二年末積滞はなくなった、こういうふうに明言をされたのか。この扱いはどうなるのか。この点は非常にあいまい不明確であるから、公社のほうから明確にお答え願いたいと思います。
  51. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。詳しくはまた局長から補足させますが、この七カ年計画末におきまして、全国的規模において積滞を解消する、そういうふうに七カ年計画の中のプリントにも書いておりますし、私自身も絶えずそういうふうにお答えしております。  ところで、磁石局がまだ残るじゃないかというお話でございますが、確かに七カ年計画の中でほとんど自動改式する、こういうふうに書いてございまして、全部やるとは書いてないのです。ほとんど全部やる。ほとんどという字が入れてあるわけです。それで実際問題として、山の中の非常に過疎地帯とか、あるいは離島等は、やはり非常に配置転換等の問題があって、これは郵政省関係の配置転換になるわけなんでございますが、全部やるということが実際問題として、理想的には確かに望ましいのでありますが、問題があるというので、ほとんどということになっております。ほとんどというのは、約四百ということでございまして、ところが四百の局に積滞が残るか残らぬかという問題になりますと、今度は加入区域の問題が一つ出てくるわけであります。いわゆる現在ある加入区域に対しまして、五二末までには、これは加入区域は幾らか拡大されてくるのじゃないか。この加入区域の中における積滞はほとんどなくなるけれども、ゼロになるということではない。その辺は多少ミクロ的な問題になっております。いま計画局で押えているのはマクロ的な数字でありまして、たとえばどの地域のどの加入区域はどうだという話まで行きますと、その辺は、そういうところの加入区域内の問題は、考え方としてはまだ先の実際問題として、ただし加入区域の外側はまた別に考えていく、こういうふうに整理しておるわけであります。
  52. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いまの総裁の言っておられることはよくわかります。加入区域の中に吸収してしまう。そうすると逆にいいますと、いまの総裁のことばをさらに逆からお聞きしますが、四百局については、磁石交換機というものはなくなってしまうのだ、その加入の、入っておる者の大半は、ほかの局に整理統合されてしまうのだ、こういうことを言っておられるのですか。その点はどうです。
  53. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。そういうことじゃないのでありまして、四百局はいずれは自動式になりますけれども、その時点ではまだマグネットの局として残るでしょう。ただしかし、その地域の区域外の電話におそらく需要が起こりますが、それまで解消するということは考えておりません。いわゆる加入区域内の、これは現在より拡大されてくると思いますが、その拡大された形というものの中において行なわれるのじゃないか。ですから、その辺は、今度はミクロの問題で、どの地域のどの加入区域がどうというところまで入ってくるわけでありまして、その辺は詳しく局長から一ぺん答弁させます。
  54. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えをいたします。いまの先生の御疑念は、まことにごもっともだと思うのです。私ども説明が昨日足りなかったのかもしれませんが、片一方で隣接の自動の加入区域の拡大ということを行なう。ほんとうならば、資金的には自動化することができるわけでございますけれども、先ほど総裁が御説明しましたような趣旨自動改式が残りました場合でも、隣接の自動局の加入区域を暫定的に拡大して救済する方法でございますとか、あるいはその磁石式局そのものの加入区域を拡大する方法でございますとか、そういう形で——御疑念のマグネットの局の積滞は全体的にみんな残ってしまうのじゃないか、少なくともこれから出てくる需要というものに対しては改式が行なわれるまで、つまり五十二年以降においても残るのじゃないかという御疑念は、そういう形で救済をするように考慮をいたしております。したがいまして、全国的規模においては、いまのマグネットの局を含めまして積滞が解消されるといいますか、そういう形になり得るわけであります。
  55. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いまの営業局長お話は具体的ですから、理解はできるのですが、それじゃきのう答弁なさった四百局残るということについては、四百局残るけれども、実質的には積滞は全然ないのだ、当初の六十五国会のときと同じように残らない、こういうふうに詰めて言えば理解してくれ、こういうことですね。
  56. 清水通隆

    ○清水説明員 お答えいたします。約四百の磁石局が現実に残るということになると思いますが、具体的な局名等につきましては、今後郵政御当局と十分打ち合わせしながら局名の選定に入っていくわけでございますけれども、いま私ども計画ペースで考えておりますことは、これら残ります手動局は、大体設備的に余裕がありそうな局を選んでまいります。したがいまして、本来なら自動にしたほうがいいのでございますけれども、手動台のままで台増をしたり、あるいは現在の設備のままで積滞を起こさないように計画を進めていく、このように考えておるのが主でございます。そのほかにどうしてもやりくりのつかないような場合には、ただいま営業局長が申しましたような問題、あるいは場合によっては加入区域の拡大等との関連も出てくるかと思いますが、現在のところ考えておりますのは、現設備あるいは一部増設等で積滞をなくすような計画で仕事をしていきたい、このように考えております。
  57. 松浦利尚

    松浦(利)委員 きのうこういう答弁がなければ、きょうあまり疑問としなくて質問しなかったのですけれども、またここで大臣にぜひ理解をしておっていただきたいのは、御承知のように、過疎地帯に対する振興施策というのが、国会におきましても、政府においても積極的に議論されて今日まで取り組んできているはずです。ところが最も必要とするところに加入電話がつかない、あるいはこのように五十二年度末で磁石局が残り、積滞が残っていく。極端に言うと、僻地におればこそ一番電話が必要なんですね。そういうところに、逆にきのうのような答弁からすると残るような内容なんです。こういう問題については、ぜひ大臣ももっと公社計画等をチェックしていただきまして、こういった、少なくとも五十二年度までに積滞はなくなるのだ、こういう御答弁がなされておるわけでありますから、五十二年度末には、いまいろいろと御説明がありましたから理解をいたしますけれども、しかしそれはいまのは私は思いつきの答弁であることを非常におそれる。ここでこういう答弁をしていなければ、結果的に五十二年末になってみたら残っておったじゃないか、君たちは何を議論していたか、こう言われてはたいへんでありますから、そういう意味で、この四百局残るという昨日の答弁に対して、どういう具体的な方法で六十五国会そしてきょう御答弁なさった、五十二年度末に積滞はほとんどなくすのだという、具体的なプランというものをぜひもう一ぺん整理して、練り上げていただきたいことを希望として申し上げたいと思うのですが、大臣、どうです。
  58. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 いま総裁、それから両局長から御答弁申しましたように、過疎対策につきましては松浦委員と同感でございますので、いま電電公社がお答えになりましたように、私どもとよく御協議を願って、そして御趣旨の方向に向かって努力をしたい、こういうように考えております。
  59. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは、電気的な問題でありますから、機械的な問題ですから、どうしても技術的に困難な場所もあると思います。そういった問題については、なぜ残ったか、なぜできないかということを明らかにするということもあわせて希望として申し上げておきたいというふうに思います。  次に、これは公社のほうにお尋ねをするわけでありますが、七〇年代の電気通信の発展の方向、公社の基本的な考え方、こういったことについて一ぺん簡単でけっこうでありますから御説明をいただきたいというふうに思います。
  60. 清水通隆

    ○清水説明員 お答えいたします。一昨年策定いたしました「電信電話拡充七カ年計画」というものの中に、大体七〇年代におきます電気通信の発展方向とこれに対します公社の基本的な考え方を織り込んでございます。さらに五十三年以降もこれを継続して進めていくという基本線においては変わりはないわけでございます。これにつきまして、ごく簡単に申し上げてみたいと思います。  わが国の経済の急速な成長発展あるいは生活水準の著しい向上とその様式の変化並びに広範な都市化、こういった趨勢が現実でございまして、そういったことに伴いまして、最近におきます電話需要が一段と増加の傾向を示しております。そのために、電話申し込み積滞数が増大の一途をたどってきておるということは御承知のとおりでございます。これらにつきまして、先般政府その他でいろいろと計画を立てていただきました中で、四十四年にできました新全国総合開発計画あるいは四十五年度にできました新経済社会発展計画、こういった政府の考えておられます国土開発計画あるいは経済発展計画、こういったものを十分織り込みまして、そういったことから電電公社といたしましては情報ネットワークの整備あるいは情報の伝達、処理、こういったものの効率化あるいは行政、企業活動及び国民生活分野での情報化の促進という面で重要な役割りを果たさなくてはいけないのではないか、こういうふうに考えて、そういったことが七カ年計画を策定した基本方針になっておるわけであります。  具体的にはまず経済の効率化と国民生活の充実に資するために、先ほどからお話が出ておりますように、電話の一そうの普及をはかりまして、昭和五十二年度末には加入電話の積滞を全国的規模において解消する。同時に、いろいろと熾烈な要望でございますサービスの多様化、これにも応じていこうということでございます。  それから二番目が情報化社会というものの発展に寄与するために、データ通信あるいは画像通信等の拡充、開発を積極的に推進いたしまして、高度化、多様化する電気通信サービスに効率的に対処していく。このために、たとえば電子交換機等の導入をはかりまして、総合電気通信網の形成を促進しよう、こういうことが第二点目でございます。  次に、第三番目といたしまして、これらを推進していきますために、どうしても公社の事業といたしましては技術革新をベースにして進めざるを得ない。そのために研究実用化体制を一そう拡充強化していきたい。さらに、これの裏になります事業経営の改善、合理化、省力化、そういったことも含めました一そうの企業努力をいたしまして今後計画を進めていくというようなことで、今後の七〇年代に臨んでいきたいと考えておる次第でございます。
  61. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いまの答弁ですね、資料をそこに持っておられますから、その資料をあとでいただきたいと思うのです。  いま言われた内容は非常に重要な意味を私は持っておると思います。いま私の手元に、昭和四十四年十二月に出された「昭和六十年の電電公社のビジョン」というのがあります。これには、要するに加入電話だけではない、各種の主要なサービスというものについていろいろと羅列されております。その一部をいまお話しになったわけでありますけれども、実際に電話だけの事業からそういった各種のサービス、情報化社会に備えてのサービス需要、こういったものに進んでおりますね。いまの御説明でも理解できるわけであります。そうだといたしますと、実際にこれからの電電公社の全体の建設投資の中に占める電話架設加入電話建設投資と、その他のサービス、情報化社会に備えてのデータ通信その他の建設投資に回る比率は、どういう比率になっておるのか、この点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
  62. 清水通隆

    ○清水説明員 お答えいたします。  先ほど御説明したものの中で、七カ年計画に相当する部分でございますが、これにつきましては、私ども建設投資額といたしまして八兆五千億を予定いたしたわけでございます。この中で、電話に直接関係のある投資といたしましては七兆二千億ほどでございまして、先ほどの八兆五千億を一〇〇といたしますと大体八四%、こういうような数字になるかと思います。それに引き続きます五十三年以降の五年間ということでは、私ども建設投資といたしまして約九兆円を想定いたしておるわけでございますが、この九兆円の見通しに対しまして、電話を大体五兆九千億、こういうふうに考えております。したがいまして、それは六五%に相当する、このようなことでございます。
  63. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いまの局長説明でおわかりのように、公社計画内容というのは、建設投資というのが、加入電話からその他のサービス、データその他のほうにだんだんと移っていくわけですね。加入電話に対する設備の投資率というのが低下をしていくということをいまパーセンテージであなたは御説明なさったわけですね。だとしますと、実際にこの電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律、今回出されておる法律案の中の拡充法、こういった内容のものは、この法案が通ることによって今度設備費が負担されるようになります。データ通信等は加入者債券の引き受けが必要になりますね。ところが、いままではそういったものには債券というものはどういう形で行使されておったのか、債券があったのかなかったのか、そういうものに対する設備費はどういうところから支出をされておるのか。もっと平たくいえば、あなたのところから、あなたのところの電話をつけますといって電話債券を買わせて、その電話債券で集まった金をプールして、もちろん財投その他の資金も集めて、プールして、その中からデータ通信等にすでに支出をされておったのかどうか。ですから、今回そういう無秩序なことではいかぬというのでこの中に一条を加えるようになったのかどうか、その点もあわせて御答弁願いたいと思います。
  64. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えいたします。法律といたしましては、今度の改正によりまして、たとえばデータ通信の中の公衆通信回線の使用契約等につきましていただきます債券等は、法律の中に新しく入ってまいります。しかしながら、従来からございましたデータ通信、公社がやっておりましたデータ通信の端末部分に関する債券でございますとか、あるいはいまお話が出ました黒電話以外のいろんな端末でございますね。たとえばプッシュホンというようなもの、こういったようなものにつきましては、それぞれいまの拡充法に基づきまして——拡充法によりましてというか、拡充法を参考といたしまして、郵政大臣の御認可をいただきまして、私どものほうで加入者債をいただいております。したがいまして、それらのものにつきましては、黒電話加入者債から流用している、こういう形ではなく、それぞれのサービスに基づく債券を買っていただいて、今日まできておるわけです。これを今度の改正法で整備をいたした、こういうことでございます。
  65. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは営業局長、いままでそういうことができておった。しかも、御承知のように先ほどから言っておるように、五十二年度までの五カ年間、これは積滞しておる電話の解消に努力をする、どんどんとつけていくんだ。それが中心ですからね。データ関係というのは、先ほどの建設設備投資の内訳を見てもそんなに多くはない。だとするなら、それをこれにわざわざ条文を入れて、いま直ちににデータを加入者債と同じような並みの扱いとしてここに条文を入れる必要はないんじゃないか。現実にいままで認可でやってきたんですからね。その点をなぜいまあらためてここに入れる必要がありますか。急激にふやそうとしているんじゃないですか。その点はどうです。
  66. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えいたします。これは公社のやります直営のデータ通信の端末については、すでに昨年の公衆法改正に基づいてそういうことになっておるわけでございます。いま新しく今度の関係拡充法の中に入れますのは、新しく今度始まります公衆通信回線の使用契約の回線部分でございますとか、あるいは公社が行ないますデータ通信設備使用契約の中で、公衆通信回線を使用する部分の回線に対応する債券、こういったようなものにつきましては、御承知のように今度の広域時分制が実施になります時点から始まります。したがいまして、それらにつきましては公社の正規のサービスになりますので、従来のように試行サービスという形で郵政大臣の認可をいただくのではなくて、拡充法の中に正規にいたしませんといけないと思います。それは、この公衆法改正のときから御議論ありましたように、同じ回線を、黒電話のほうに使うのを、それより有利な条件で公衆通信回線としてデータ通信業者に使わせるということは不均衡ではないか、こういう御議論もございましたので、やはり拡充法という一本の法律の中に入れて、その辺のところを明確にしておくことが必要かと思っております。
  67. 松浦利尚

    松浦(利)委員 この議論は、あまりしておったら基本的な問題になってきますので、なかなか一致点は出てこないですし、また、議論をすればするほど深まっていくことはいきますけれども、短時間に議論ができませんが、しかし、いずれにしてもいま私たちが当面の目標にしておるのは、黒電話というものを充足する。御承知のように、昭和四十五年に政府がつくりました新全総計画あるいは新経済社会発展計画、こうした中から出てきて、少なくともこういう五十二年末というものが計画されてきておるわけであります。それがいつの間にかこう出ていって、データのほうにデータのほうにというふうに移行しておる。黒電話から情報へ、電電公社が情報公社へ、いつの間にかそういった方向に進んでいくのではないか。そういう計画がずっといくのではないか。現実に、この昭和六十年の電電公社のビジョンというのを見ると、そういう方向がここに如実に示されているのです。私はそういった意味で、試行錯誤という点もあるでしょうけれども、いずれにしても、いま私たちがここで明確にしておかなければならないことは、加入者債というのは、ここでいう加入者債というのはあくまでも電話ですね、加入電話加入電話に対する建設資金として徴収を国民にお願いをしておるんだ。その原則は踏みはずしてはならぬと私は思う。ですから、私はいまここであえて質問するのですが、これは前もって質問を通告してありますから計算してあると思うのですが、加入電話建設単金ですね。これは一体幾らになっておるのか。その点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
  68. 三宅正男

    ○三宅説明員 お答えを申し上げます。現在私ども仕事をやっております中で、いわゆる総投資額の中の電話部門への投資額、これで計算をしてみますと、一加入当たり、最近ずっと続けまして各年度多少のでこぼこはございますが、三十五万円前後になっております。
  69. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いま御説明があったとおり三十五万円だと思うのです。私の計算方法が間違っておれば公社のほうで御指摘いただきたいのですが、少なくともこの七カ年計画で、先ほど御説明いただきましたように、設備投資額が八兆五千億、そのうち、つける電話が一千九百七十万個、これを平均化いたしますと、一個当たりの電話設備単価というのは四十万円、こういうふうにふえてきておる。それから、五十三年から五十七年の設備投資額が五兆九千億、これをこの提案によりますと一千三百万の加入電話増設をはかるということで、指数をはじきますと七十万円、こういうふうにだんだんと高くなっていく傾向なんですね。それは当然設備投資の中にいろんなものが入ってくるから、そういう計算になってくるのだとは思いますけれども、しかしいずれにしても、だんだんだんだん、年がたつごとに一加入当たりの単価が上がる、コストが上がるというのは、一体どこに原因があるのですか。ただ単に物価が上がるとか、建設資材が上がるとかいう以外の要素があるというふうに分析しておられるのじゃありませんか。その点明確にしていただきたいと思います。
  70. 清水通隆

    ○清水説明員 この建設単金というものの計算方法、なかなかこれはむずかしいものがあるわけでございまして、ただいま施設局長から申し上げたのがいわゆる私たちのことばで帰納単金というふうに申し上げておる数字でございますが、現実に電話をおつけいたします場合の新規増としての単金というのが一つございます。これはただいまおっしゃいましたように、投資額の中で純粋に電話増設するために必要な資金増設される加入数で割ったもので、一つ増設単金と私ども言っております。これで大体計算いたしますと、七カ年計画に相当する時点で大体二十六万円ちょっとということになるわけでございます。一方、すでにかなりの、今日時点で二千万近い加入者というものが現在稼働いたしておるわけでございまして、これらの稼働いたしております電話に対してのいわば維持改良分というものがかなり必要になってまいるわけでございます。そういった維持改良分というものが、大体七カ年計画の時点におきまして一加入者当たりに考えてみますと、年間で一万二千円ほどに大体相当いたします。そういたしますと、そういった新しく増設される分の必要なお金と、既設のお客さまの維持改良分というふうなものを全部足したものが総投資額になるわけでございまして、その総投資額を、新しくおつけする、増設する加入数で割りますと、先ほど、現在三十五万円と申し上げましたが、五次ベースで大体三十九万円くらいの数字が出てまいるわけであります。そういうことでございます。
  71. 松浦利尚

    松浦(利)委員 具体的な数字そのものはいろいろと主張もあるでしょう。しかし、一般論としてその同じ状態で計算をしていった場合に上がっていく。ところが、大量建設ですからね。大量建設をして、設備は現実にもうあるわけですから、現実に設備があって加入の増が進んでいくわけでありますから、それをかりに念頭に置くとすれば、だんだんむしろ、設備投資、一加入者当たりの料金設備比率というのは下がっていく。単価というのは下がっていく、私はそういうふうに数字的に理解をするのが国民の頭だと思うのですね。ところが逆にそれが上がっていく。いま言われたように、確かにたくさんになるから維持改良もあるんでしょう。そういった維持改良分、いまあなたが言われた維持改良分が幾ら、加入電話に対する設備投資が幾ら、停滞に対するものが幾ら、そういう計画があなたの手元に明白にありますか。少なくとも設備投資が総額ここに八兆五千億あるいは九兆、現実に五十三年から五十七年、九兆というものもある。そういったものについての計画があなたの手元にありますか。あればすぐそれを出していただきたいと思うのです。
  72. 清水通隆

    ○清水説明員 私の手元に数字がございますが、これはただいま申し上げますか。あるいは後ほど資料としてお届けしたほうがよろしいでしょうか。
  73. 松浦利尚

    松浦(利)委員 じゃあとでけっこうです。  実は、この際総裁にお願いをしておきたいのですが、この法案加入者からお金をいただきますよという、収入をきめる拡充法なんですね。十年間延長してこれからずっと電話をつけるときには電話債券をいただきますぞという、言えば金の入ってくる窓口をあける法律なんですよ。それじゃ、窓口をあける法律だけつくっておいて計画がないというのは、私はまことに不都合だと思うのですね。だからそういう意味では、この法案関連をして、電電公社自体に少なくともさらにここから七カ年延長する、そういった計画というものがあるだろうと私は思うのです。いますぐに、数字があるということですから、それを私は本委員会に、委員長にお願いをいたします。ぜひ要求をして、この法案に対する資金計画すべて提出していただくように、それが出たときにまたこの問題を議論させていただきたいと思いますので、資料要求を公社のほうにお願いしたいと思うのです。どうですか。
  74. 米澤滋

    米澤説明員 必要な資料は全部提出いたします。
  75. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それではそのときに……。さらにもう一回、提出される資料でお願いをしておきたいのですが、この建設計画の最終年度において収支差額がゼロということになっていますね。収支差額がゼロということで計算されておるわけでありますが、そういった十年間の収支の差額がゼロということはわれわれは考えられないのです。おそらくこれはこの法案をつくるための一つの目安としてつくられた資料だと思いますので、実行性のある計画というものもあると思いますから、やはり収支関係内容を含めて御提出いただきたい。この点も委員長にお願いしたいのですが、よろしいですか。
  76. 清水通隆

    ○清水説明員 お答えいたします。七カ年計画につきましては、すでに先般お示しいたしておりますように、収支差額百四十億ということで一応の見通しを立てたわけであります。五十三年以降につきましては、この収支につきましていろいろ考えておるわけでございますが、収入及び支出いずれもかなりの量として増加してまいります。同時に、この収支差額がどうなるかということを計算いたしますためには、いろいろな経済発展の指標等が十分明確でございませんと、なかなか計算のしにくいという面があるわけでございます。一方、先ほど来御説明申し上げましたように、電話需給に対する需要数あるいはそのほかのいろいろなサービス等につきましては、それを建設投資という面で考えてみますとかなり明らかでもございます。そういうふうなことから、詳細な計画は立てたつもりでございますが、収支差額につきましてはゼロというふうに仮定をいたしたわけでございます。
  77. 松浦利尚

    松浦(利)委員 資金調達の見通しその他についてはこれは将来、十カ年の問題でありますから、むずかしいというのがほんとうだと思うのです。私はあなたの答弁は正直だと思う。そのとおりだと思います。見通し立たないのですよ。現に、昭和四十五年につくりました新全総計画、経済社会発展計画、これも来年手直しいたします。政府の長期計画というものは、郵政大臣も御承知のように、すべて五カ年間を限度としておるのです。しかも、国鉄の財政再建計画五カ年あるいはその他の緊急臨時措置法、こういったものについては、すべて五カ年間を限度としておりますね。五カ年間ということであればある程度の予測が立つ、収入支出の予測が、見通しが立つのです。しかし、それでつくって国会に提出した法案といえども、二年か三年たったら修正せざるを得ない。新全総がすでにもう来年度変更するために経済企画庁は作業に入っておりますね。各種委員会にそれぞれの緊急措置法が五カ年間経過途中で、二年、三年で改定されてまた五カ年計画を出されておる。私は通常五カ年計画というものが限度だと思う。収支の見通しが立つためには。ここに無理があるわけで、私は十カ年という極端に言うと長いベース、きのう島本委員がここでいみじくも言いましたが、暫定、暫定、暫々定ということを言いましたけれども、暫定でなくったって五カ年なんですよ、普通。緊急措置法で五カ年間、それは郵政大臣が一番よく知っておられる、大臣建設のベテランでございますから。建設行政というのは臨時措置法が一番多いのです。みんな五カ年、私はそういう点に公社の無理があると思いますね。この点についてまた発言をする機会があったらさらに指摘をしたいのですが、収支ゼロであるという資料が出たあと、五年、十年の問題を含めてこういった問題について根本的な議論をさせていただきたいと思う。ですからそういう意味で、私はきょうは一つの案として、一つの考え方として、やはり五カ年が通常じゃないか。それこそほんとうの正確な資料が出し得る、そういうことだけ申し上げておいて、次に進みたいと思うのです。  そこで、ここで営業局長ですか、その他の方にお尋ねするわけですが、電電公社が行なうデータ通信に関する開発ですね。これは公衆法の一部改正のときにもいろいろ議論があったのですが、一体こういう公社が行なうものはどういう内容のものか、少なくとも公共性という、それを前提にした開発であるというふうに公衆法のときにも御答弁があったのですが、今日その考え方は変わっておりませんですね。
  78. 朴木実

    ○朴木説明員 お答え申し上げます。データ通信に対しましての公社の基本的な考え方でございますけれども、これは毎度総裁が言明しておるところでございますが、公共的色彩の強いシステム、たとえば具体例で申し上げますと、一昨年でしたか、大阪で行なわれました万国博覧会の運営システムあるいはことしの冬の札幌のオリンピックシステム、こういうようなものがこれに当たるかと思います。二番目に、全国的な広がりを持っておるシステム、これは具体的に申し上げますと、全国地方銀行協会のシステム等がこれに当たるかと思います。あるいは運輸省の自動車局によります自動車の車検登録システム、こういうようなものが当たります。三番目には技術——技術と申しますと、ハードの面あるいはソフトの面、両方含めて技術開発型のシステム、この三つの公共的なあるいは全国的なあるいは技術開発的、こういうようなシステムを中心にいままで展開をはかってきたわけでございます。
  79. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いま言われたのは、少なくとも公共的な立場の開発だというふうに御答弁がありましたが、現実に行なわれておるのも公共的な立場に立ったものである、こういうふうに理解をしておるわけでありますが、だとすると、これは郵政大臣お尋ねするのですが、電電公社が行なうこうしたデータですね。しかもそれが公共的なものである、国家的な立場に立った開発事業であるということになれば、当然これは、私は、国家の資金というものが導入されてしかるべきではないか、このように思うのです。ところが、この全体計画の中で流れておる考え方というのは、国の資金というのはきわめて少ない。電電公社のほうに国家的なそういうデータの開発が行なわれておるにかかわらず、国家の資金投資というものが非常に少ないというのは、私は問題があると思うのです。だから、それについてこの際郵政大臣お尋ねをしておきたいのは、こういった将来公社が行なおうとするであろうデータの開発については、財投とか、あるいは政府資金の援助とか、こういったものがもっと積極的にあってしかるべきだ、こういうふうに思うのですが、大臣の御見解を承りたいと思うのです。
  80. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 電電公社は、ひとりデータ通信ばかりでなく、その他の通信事業にいたしましても、きわめて公共性を持った機関でありますわけでございます。したがって、国の助成、具体的に申しますと財投の金をなるべく多額に注入、投入すべきだということは、私は全く松浦委員と同じ見解を持っておりますわけでございます。ところが国の財投資金にも限度がございますし、他方、社会資本のおくれた日本といたしましては、他の社会資本拡充のための資金として利用しなければならないというような面もありますわけでございます。そういう意味におきましては、社会資本の資金電電公社資金と、おのずから調和を保つことが必要であるかと考えますわけでございます。しかし、まあ私ども立場から申しますと、できるだけ財投の資金電電公社利用していただきたい、そういうふうに努力をしなければならない立場にあるかと思いますわけでございます。電電公社は、自己の関係におきまして、縁故債にたよっております面もございますが、また、いま御指摘のように、国の財投を大いに拡大していくということに将来も努力の方向がなければならないというように考えますわけでございます。まあ幸いに昭和四十七年度は、御承知のように、従来認められていなかった政府保証のない一般の公募債、まあ事業債と申しますか、これが利用できるというようなことに道が開かれたわけであります。これは非常に大きな進歩であった、このように考えております。また、建設規模と申しますか、建設投資と申しますか、電電公社のそれも、御承知のように今回は一兆円台に乗りまして、一兆五十億円であったかと記憶いたしておりますが、そういう大台に乗ってまいりましたことも、私は非常に喜んでおりますわけでございます。  まあそういうようなことで、将来、いま御指摘のように電電公社の公共性、その公共性の中にはデータ通信も入るかと思いますけれども、そういうようなことを考え合わせまして、つとめて財投の利用に私ども努力してまいりたい、こういうように考えておりますわけでございます。
  81. 松浦利尚

    松浦(利)委員 昭和四十三年の国会決議においても、財投資金を増額せよという附帯決議が超党派で行なわれておるわけです。そういう意味では、いま大臣が言われたように、今年度等を含めて確かに財投があることは事実だし、資金的に政府保証ということで、政府自身が保証債を認めておるということも事実だと思いますね。ただ、私がいまここで指摘をしたいのは、この加入電話ですね。しかも公共的なシステム、こういうデータ関係が、その加入者、国民の負担において行なわれる、国民の負担中心において行なわれるというのは、私はやはりこれからの考え方としては問題があると思うのですよ。今度出される計画の中にどういうふうになっておるのかわかりませんけれども、この計画が出たときに、資料が出たときに議論をいたしますが、いずれにしても、政府が、国がこういった公共施設、公共設備に対してはひとつ投資をしていく、国が援助をしていくという大臣原則が、出される資料の中に貫いておることを私は期待をしたいと思うのです。おそらく十カ年計画の中でそういった議論がこまかく行なわれてはおらないと思うのですね。ですから今度出されたものについては、大臣の意見も入れて、私はそういった財投等含めて、政府が四十三年の国会決議に対してどう対処したかというものを含めた案をここに出していただきたいということを希望としてお願いしておきたいと思います。  それから、それが出たときに質問すればいいわけですから、もうここで質問を終わってもいいわけですが、よく電電公社の書類等を見ますと、「総合通信網」ということばが出されておりますし、政府が出すそういった資料についてもよく「総合通信網」というものが出ておるのですけれども政府がいう「総合通信網」というものは一体どういうものをさしておるのか、その点をひとつお聞かせいただきたいというふうに思います。
  82. 清水通隆

    ○清水説明員 お答えいたします。従来私どもが扱っております通信網といいますものは、大体電話のための電話網が主でございまして、それに加入電信を扱います加入電信網、こういったものが従来の通信網という範疇に入るわけでございますが、今後の五次五カ年計画あるいはそれ以後の七〇年代の方向というものを考えてみますと、これらに加えまして、先ほどちょっと御説明いたしましたように、データ通信サービスとかあるいは画像通信サービス等、多様なサービスの需要というものが増加するということが予想されるわけでございます。  で、実は少し技術的なことになるわけでございますけれども、従来の電話あるいは加入電信等の場合には、これを結びます交換網あるいは通信網といたしましては、大体周波数の範囲として四キロヘルツ程度でまかなえるというふうなこと。したがいまして、こういった低い周波数を扱いますために、比較的いわば品質が悪くても、何とかササービスできるような通信網であったわけでございます。しかしながら、今後は、先ほど言いましたように、いろいろと高度のサービスが要求されてまいります。たとえば画像通信等を考えてみますと、これは四キロヘルツに対しまして四メガヘルツというような、一千倍にも及ぶような周波数体系を必要といたしますし、また高速の模写電送、そういったいろいろなものを考えてまいりますと、従来のような通信網ではどうしてもこれを経済的に、かつ効率的に対処することができないというわけでございます。そういったことから、いまのような電話網あるいは加入電信網に、さらに加えましてデータ通信あるいは画像通信等も、同時に効率的に、能率よく処理できるような通信網の形成をしなくてはいけない、こういうことになるわけでございます。そういった総合された通信網を、米澤総裁は総合通信網というふうに言っているわけでございます。
  83. 松浦利尚

    松浦(利)委員 大臣大臣でなければ柏木さんでけっこうですが、いま公社のほうで御説明なさいましたが、総合通信網という考え方ですね。それはいまの公社の考え方でよろしいですか。
  84. 柏木輝彦

    柏木政府委員 私どももそのような考え方をしているわけでございます。
  85. 松浦利尚

    松浦(利)委員 もう時間がたいへん経過しておりますから、たいへんかってなお願いですが、質問を留保さしていただきます。  ただ、ひとつここで柏木さんにお尋ねしておきたいのは、総合通信網の中でCATVというのがどういう位置づけになっているか、これも含まれるのかどうか、その点をひとつお聞かせいただいておきたいと思うのです。
  86. 柏木輝彦

    柏木政府委員 最近CATVの問題がたいへんいろいろ話題にのぼっておるわけでございますが、CATVと申しますのは、御承知のように同軸ケーブルの一つのテレビあるいは将来は双方向の通信も含めた通信網というふうに把握できるかと思いますが、もちろんこれは一つの通信網でございますので、総合通信網とあわせて考えるべき問題だと思います。ただし、CATVの設置、利用の範囲と申しますのは、将来とも地域的な性格が非常に強いという点があると思います。これらにつきましての今後の総合通信網との位置づけ、あるいはこれを法制的にどうするか、あるいはどんな利用、開発を今後はかるということにつきましては、非常に基本的な問題がございまして、郵政省のほうにおきましても、ただいまCATVの今後のそのような問題を総合的に検討するCCIS調査会ということで、各種の専門家数十名の方に非常に活発な御議論をいただいておりまして、それを参考にいたしまして、今後CATVと総合通信網との関係等の問題を含めました一つの郵政省としての考え方も固めてまいりたいというふうに考えております。
  87. 松浦利尚

    松浦(利)委員 これはいま非常に重要なことを言われたのです。双方向性を認めたCATV、それと総合通信網との関係、これだけでも私は相当な議論を呼ぶと思うのです。いま非常に大きな議論を提起していただきましたので、この問題を含めて、先ほどお願いいたしました資料が出てきましたときに、その資料を含めてそれに関連した質問がありますので、私はきょうここでたいへんかってでありますが、質問を留保させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  88. 高橋清一郎

    高橋委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。   午後四時三十二分散会