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楢崎委員 それで、
アメリカのおっしゃることを――そんなに言われるのだったら、まさにチャフィー長官は
電報発信の四時間前に出発されたとおっしゃいました、そのとおりです。だから
電報が打てないということにどうしてなるのでしょうか。
それから、その種のことをここで言い合いすれば、こういうこともありますよ。在
日米当局筋、書式は本物と同じ。ある在
日米当局筋は、十三日、米
海軍の
電報について、その内容に関しては論を避けながらも、
一つ公表された
電報の写しの書式は正規のものと同様と見られる、配付先の名称に間違いは見られない、こういうことも言っておるのです。
また、防衛庁がいち早く対応なさいました。いろいろ略語の問題を取り上げられたけれ
ども、その太平洋
海軍保安グループ、これはその長はディレクターではなくてコマンダーということもおっしゃいましたが、さっそく反応がありまして、コマンダーのほうが正しい、こういう反応もあっております。
それから、ブラックメール、これは普通スレットを使うとおっしゃっておるけれ
ども、ブラックメールを使うということも反応があっております。
こういうことはたくさんあります。だから、そういうことをここで言い合いしても私は問題にならないと思うのです。だから私は、むしろこのような内容に可能性があるかどうかを問題にしたいのです。
そこで、防衛庁は、この問題の反論として、われわれは非核三原則のもとに核兵器を持つ
考えがないからこういうことがあり得るはずがないとおっしゃいましたね。四次防の技術研究開発計画の中に、原潜の建造の問題も既定の事実としてあげられておる。UAUM、水中・空中・水中ミサイルです。これはサブロック、防衛
局長がおっしゃったとおりです。これも研究の課題の中に入れているじゃありませんか。さらに私はいま
一つ申し上げたいのは、われわれはこの核問題のときに、核弾頭だけを問題にしてはいけない、核もシステムとして
考える必要があるということは、
沖繩国会以来私
どもは指摘しておるところです。いまたとえばポラリス原潜あるいは攻撃型原潜に積んでおるサブロックの問題、あるいは護衛艦に積んでいるアスロック、あるいは対潜核兵器のルル、こういった戦術核兵器を第七艦隊は持っておる。その第七艦隊と共同
作戦をとれば、
アメリカの戦術核システムの中に海上自衛隊は完全に組み込まれるのです。そこで私は徹底的に審議せよということでありますから、ひとつ資料を要求したい、いまのような事実を立証する
一つの問題として。防衛庁は毎年統合戦略見積もりをつくっておられますね。二種類の見積もりがあるはずであります。
一つは統合年度戦略見積もり、いま
一つは統合長期戦略見積もり、これは大体十年先ぐらいを見越したものであります。それで私は、そのうちの
一つでけっこうです。四十年度統合年度戦略見積もりの資料というもの、これをぜひ私は出していただきたいと思います。その中にはどういうことが書かれているか。「イ、
方針」、その中のB、核と海外派兵に関するところだけあげます。「
作戦準備は、核脅威の
あとに行なわれる非核の局地戦形態の
作戦に対処することを主眼として実施するが、核戦に対処することをあわせ考慮する。」C、「外部からの武力攻撃に対しては
米軍と緊密に共同してこれを排除する。この場合に自衛隊は主として
作戦の守備面を担当し、その他は
米軍に期待するが、守勢面の
作戦についても極力
米軍の支援を得るにつとめる。
作戦実施の間、必要な場合核戦力の支援を受けるものとする。」E、「防衛の
対象区域は
わが国の施政下にある全領域とし、自衛隊の
行動区域は防衛目的達成のため必要な範囲とし、要すれば外国領域を含むものとする。」「ウ、
作戦実施、」A、「
わが国の周辺における航空優勢確保のための
作戦。」「一、
わが国周辺における航空優勢を確保するためには、積極的に敵の航空
基地を攻撃し、その航空戦力を撃破するとともに、侵入に対しては防空
作戦を実施してこれを阻止することが必要であり、特に前者の攻撃
作戦の本
作戦全般に占める地位はきわめて大きい。わが能力上の限界から、攻撃は米海空軍に期待し、自衛隊は防空
作戦を実施することとなるが、
状況によっては、能力の範囲内において、近接する地域に対し攻撃
作戦を行なうことを考慮の要がある。」
関係のあるところはこういう個所であります。この戦略見積もりの意味するところは、
日米共同の核
作戦に自衛隊が参画をしておることを意味します。すなわち自衛隊は、先ほ
ども申し上げたとおり、
海軍に例をとればポラリス原潜、攻撃型原潜のサブロック、対潜核兵核のルル、あるいはアスロックというような、
アメリカ海軍の戦術核システムの中に完全に組み込まれていることを意味します。二番目に、能力の
程度によって敵領域を攻撃する、外国であります。それを既定の事実にいたしております。海外派兵を禁じたのは昭和三十四年であったと思いますが、参議院で決議をされておる。これは明らかに
国会決議をじゅうりんするものである。さらに四次防の先取り問題から、江崎長官は航空優勢構想は放棄すると
答弁されておる。しかし、すでに数年前から航空優勢構想は、制服
段階では定着しておるのであります。まさに憲法、
国会決議、
国会答弁とは無
関係に独走しておる制服の実態を、私はこの見積もりは示しておると思います。なお、私はこれはすでに四十四年に取り上げました。秘密であるから出せないとおっしゃいました。しかしこのことは、御承知のとおりすでに
松本清張氏は三十九年十月の文春において、防衛官僚論の中で明確にこれを指摘しております。さらにあの自衛隊違憲の恵庭裁判の第二十一回公判記録、二千五百四十三丁から四十六丁にかけて、
質問者は内藤弁護士であります。
答弁者は三矢
作戦の統裁官であった田中義男元陸将であります。この田中証言もこの事実を肯定いたしております。実態はそこまで進んでおるのです。われわれがこの
電報の内容があり得ることだといって心配しておるのは、そのような事実が現にあるからであります。徹底的に審議されることに私は賛成をいたします。この資料を出していただきます。