運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1972-05-24 第68回国会 衆議院 運輸委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年五月二十四日(水曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 小峯 柳多君    理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君    理事 古屋  亨君 理事 箕輪  登君    理事 内藤 良平君 理事 田中 昭二君    理事 河村  勝君       江藤 隆美君   小此木彦三郎君       唐沢俊二郎君    佐藤 守良君       菅波  茂君    關谷 勝利君       福井  勇君    金丸 徳重君       久保 三郎君    斉藤 正男君       宮井 泰良君    内海  清君       田代 文久君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君  出席政府委員         運輸政務次官  佐藤 孝行君         運輸大臣官房長 高林 康一君         運輸省海運局長 鈴木 珊吉君         運輸省船舶局長 田坂 鋭一君  委員外出席者         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正巳君     ――――――――――――― 五月二十三日  国鉄品鶴貨物線客線化に伴う踏切立体化等に  関する請願宇都宮徳馬紹介)(第四五一二  号)  気象業務整備拡充等に関する請願ト部正巳  君紹介)(第四五一三号)  同(内藤良平紹介)(第四五一四号)  同(坂井弘一紹介)(第四五一五号)  同(広沢直樹紹介)(第四五一六号)  同(米田東吾紹介)(第四五一七号) は本委員会に付託された。     ―――――――――――――  五月二十三日  国鉄輸送力充実に関する陳情書  (第二九四号)  国鉄地方閑散線廃止反対に関する陳情書  (第二九五号)  国鉄地方閑散線運行経費に係る地元負担反対  に関する陳情書(第  二九六号)  大町市経由北回り新幹線早期着工に関する陳  情書(第二九七号)  国鉄大糸線各駅無人化反対に関する陳情書  (第二  九八号)  筑豊地区山陽新幹線停車駅設置に関する陳情  書  (第二九九号)  国鉄貨物運賃改定に関する陳情書  (第三〇〇号)  過疎地域バス路線対策に関する陳情書外三件  (第三〇一  号)  気象業務拡充強化に関する陳情書外一件  (第三〇二号)  海洋汚染規制強化に関する陳情書外一件  (第三〇三号)  国鉄運賃値上げ反対に関する陳情書外五件  (第三〇四号)  内航海運業界不況対策に関する陳情書  (第三〇五号)  新幹線騒音防止対策等に関する陳情書外一件  (第三五五号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案  (内閣提出第九八号)      ――――◇―――――
  2. 小峯柳多

    小峯委員長 これより会議を開きます。  臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。
  3. 久保三郎

    久保委員 提案された法案でありますが、これに関連をして二、三お尋ねしたいのでありますが、大臣の時間も制限されているようでありますから、私の質問も制限されるだろうと思うのです。  一つは、計画造船について大臣はどういうふうにお考えであるのか、端的にお伺いします。計画造船についてどういうふうにお考えでありますか。と申しますのは、現在御承知のとおり、海運市況船腹過剰でありまして、これは内航、外航、近海を含めて全体としてそういうわけであります。もちろん計画造船は言うならば外航でありますから、その限りにおいては全体には関係ないかと思うのでありますが、今日の海運不況というか、船舶過剰の原因日本経済の問題だろうと思うのです。日本経済の問題に加えて、世界全体の問題もあります。しかし、世界全体の問題をいまここで議論してもなかなかそう簡単にはいかないのでありまして、日本経済船腹増強の問題、その支柱はいままで二十九次にわたって計画造船中心でやってきたわけであります。  計画造船というか、船腹増強のねらいとしては、原材料というか物資安定供給輸送というか、そういうものが一つと、国際収支改善ということであります。国際収支改善は、もう改善し過ぎて実は百六十五億ドルもだぶついて、この金をどうしようかという問題になっているわけであります。そうしますと、残るは安定供給でありますが、これはなるほど発展計画で策定したところの積み取り比率から見れば、まだ低い水準にわがほうはあると思うのです。しかし、船腹過剰でありますから、船腹過剰の中で積み取り比率が向上しなければ、船腹増強してみて将来に向かって積み取り比率を向上することは不可能であろうというふうにも単純に思います。これはあとから専門的な海運局長なり船舶局長にお尋ねしますが、大まかに発展計画基礎にした四十九年までの船腹増強計画についてどういうように考えられているか。それからもう一つは、その中で中心をなす計画造船船方式についてどのように考えられているか、この二つだけお伺いしましょう。
  4. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま御質問がございましたとおりでございまして、ドルショック以来世界海運界は非常に不況なっております。またその荷動きも非常に緩慢になっておりまして、海運界現状は必ずしも好調とはいえないことは事実であります。しかしながら、日本造船業界は、もうすでに私が申し上げるまでなく世界建造量の五割に及ぶ、こういうふうに世界造船界に大きく寄与している次第でございまして、日本基幹産業としても非常に大きな役割りを演じているところでございます。それに政府といたしましても四十四年度以降いわゆる六カ年、いまお話がございましたように二千八百が総トンの建造をすることを骨子とする海運政策を決定いたしましてこれを実施しつつある次第でございまして、いま御指摘がございましたとおり物資輸送につきまして安定というような点、新全総につきましてもいま改定をいたしまして、それらの点につきましても見直しをするということでございます。私どもといたしましても経済企画庁と絶えず十分な連絡をとりまして、船舶増強が非常に上回りまして船舶過剰になるということになる、また一面におきまして手控えの程度によりましてはまた船舶不足になるというように将来の見通しとしてならないように、それらの間をいかに勘案するかということをせっかく検討しているところでございまして、そういう点につきましてもますます政府中心となってまいりまして、計画造船はこの際なおさら必要だ、こういうふうに考えている次第でございます。
  5. 久保三郎

    久保委員 計画造船はなおさら必要だいうが、その裏づけというか理由があまりはっきりしないように思うのでございます。船腹過剰なんでありますから、単純なものの考え方をすれば、よけいあるときにはつくらぬほうがものの原理であります。むしろ体質改善からするならばどうするのかという問題です。しかも、企業も御承知のように再建計画によりまして企業としてはある程度軌道に乗ったと私らは考えているのであります。だから計画造船方式というものは、今日の段階ではもともと目的が違うと思うのです。二つ目的なんだけれども、その二つのうちの一つは、言うならば安定供給のほうも輸送安定性も、船腹過剰でありますから当然安定するわけです。そうですね。それから国際収支はさっき申し上げたとおりでありますから、二つのねらいからすればもはや計画造船という名前でやってきた今日までのものは大幅な修正が必要である、こういうふうに思うのでお尋ねをしたわけなのであります。もう一度お答えいただけましょうか。
  6. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 私のことばが足りなかったかわかりません。計画造船必要性を私は言った次第でございますが、要するに、長期的の見通しに立ちまして船舶が過剰にならないように、これから将来どの程度建造船舶が必要であるかということ、それから、世界需要に応じましてどの程度必要であるかということを勘案いたしまして、その必要量計画的にやることが必要である。したがいまして、いまの計画造船につきましても十分検討をしなければならぬ、こういうふうに思っている次第でございます。(「不景気のときこそ船をつくる」と呼ぶ者あり)
  7. 久保三郎

    久保委員 いま不規則発言があったが、不景気のときにこそつくるという原則、これも一理はあります。ありますが、過剰なのでありますから、いまの不規則発言は当てはまらないということです。余っておるときにつくるというのは、見通しがあって、五年先には不足しますという見通しが出てくるならこれは別ですよ。そんな見通しはいまのところないのではないですか、少なくとも。  きょう私が質問するのは二点なんです。船腹増強計画というものの計画造船とかそういうものと、もう一つは先般も言いましたUNCTADの問題の中でもありました海運運賃同盟問題等に関連してわが国の海運政策というか、そういう方向もいまや修正すべき時点に来てはいないかということなので、いままでのやり方でいいのだというような話ではどうも話はかみ合わないわけなんですよ。  そこで、大臣、制限された時間だそうでありますから、一応簡単に私からも質問したいと思います。あとはお二人がおられるようですが、実際はこの人らもそれぞれそのうちに職場をかえるのではないかと思うのですが、佐藤内閣と同様にあまりたよりにならぬと思うのでありますが、一応いまの場所においででありますから、それはそのとおりで質問していくつもりであります。  いずれにしてももう一度お尋ねしたいのですが、計画造船というのは日本産業にとって、さっき言った二つの問題を、しかももう一つ表には出ないのでありますが、海運企業健全化という問題が一つあったわけですね。二つじゃないのです、実際は三つなんですよ。そういうもの自体三つを見ても、大体この限りにおいては目的完了ではないか。だから、新たな方向船腹増強、その中でも計画造船方式という建造方式考えていく時代ではないか。計画造船の必要はないのですよ、言うならば。いま御提案になっている法律の運用によってこれは規制をしたり、ゆるめたりしていけばそれで事足りるのでありますから、計画造船なんというものものしいことを言わぬでも、やるつむりならいま御提案になっておる法律を運用したって、これは前後左右何でもコントロールできるはずでありますね、あとからそれは聞きますけれども。そういうものを考えると、もう一ぺん、くどいようでありますが、大臣、いままでの船腹増強政策というか、そういうものについてこれから修正する考えでありますのかどうか、あらためてお聞きしましょう。
  8. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたとおり、いまの海運界状況は必ずしも好況とはいえない。したがいまして、船舶のほうにおきましても相当——これは積み取り比率その他もございますけれども、余っているといわなくとも足りないとはいえない、こういうふうな実情ではないか、こういうふうに思う次第でございます。また、いま経済企画庁におきまして、いまの経済社会発展計画につきましても修正をしたい、御承知のとおりでございます。それらと勘案いたしまして、われわれの海運政策十分検討する段階になっておると思いますということは、率直に申しましていえると思う次第でございます。そういう点からいたしまして、いまの計画造船につきましても、もちろん具体的の問題でございますから、これは局長から答弁をいたさせますが、やはり検討を要するものはどんどん検討してみまして、その需給に合ったような計画造船をやっていかなければならぬ、こういうふうに思っている次第でございます。
  9. 久保三郎

    久保委員 やはり計画造船はおやりになるという前提で再検討でありますか、そういうことなんですか。計画燈船というもののおい立ちというか中身が変わってきやしないかというふうに思うし、変えるべきだと考えているのが私の考え方です。そうすると、いままでどおり、たとえば三つの大きな柱に立ってのことなんでしょうか。これはもはや軌道修正をすべき時期ではないかというのが私らの考えなのですが、大体二十二年でありますかからできてきたやつをいつまでもそのまま踏襲する時代ではもうない、こういうふうに思うのですよ。これは海運局長からでも聞きましょうか、あなたさっきからお答えになりたいようでありますから。
  10. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 どうもおそれ入りました。補足いたしまして説明申し上げたいと思います。  日本の国が貿易立国だということは、かりに景気が悪かろうが悪くなかろうが、基本的な政策理念であると存じます。買切立国である以上は、物を輸入し物を輸出する。その分量は、ときによっては変わるかもしれません。そのためには自分の船というものを持っておりませんといかぬではないか。これは自分輸入するものを全部運ぶとかいうほどの船は要りませんけれども、少なくとも自分のところで必要とする物資を運ぶための船の半分くらい運ぶ力がないと、いざという場合に困るのじゃないかというようなことで、日本商船隊が一本の必要とする物資を半分くら運べる力があってしかるべきではないか。実情を申しますと、現在輸出におきましては大体三七、八%の積み取り比率、それから輸入は四四、五%でございます。きわめて低い。これはどうかといいますと、相当船腹はふえましたけれども輸出入貿易量伸びのほうがいままでは非常に念速でございましたので、船腹伸びがそれに追いつかないというような実情でございました。したがいまして、かなりつくっておりまして、現存実質的には世界第一といわれておりますけれども、まだそういったような積み取り比率状況であることは事実であります。  そういった点が一つと、それからもう一つは、先生が御指摘のように、いままでの旗じるしとしては、国際収支の見地から船腹増強して運賃等外貨払いを減らしていこうという目的がございましたけれども、これにつきましては昨今のような状況でございまして、むしろ黒字、外貨がたまるということでございまして、そうひどい赤字でないならば、多少の赤字があってもいいのではないかというふうに私ども認識しております。したがい度して、国際収支への寄与という問題につきましては、旗じるしは御指摘のように現在おろさざるを得ないということは私どもも認めておるところでございます。  第三点は、やはり御指摘のような企業当盤の強化という問題があるのではないか。まさにお説のとおりでございまして、企業基盤強化ということも計画造船の中には織り込んでおるわけでございます。ところが、企業基盤強化の問題につきましては、すでに三十九年から五年間かかりまして、要するに外航海運集約整備、それに対しますいろいろな裏づけ、たとえば利子のたな上げとかいろいろな補助制度をやりまして、その結果、再建設備が無事完了いたしまして、たいへん未曽有な合併がありましたけれども、幸いにいたしまして海運企業もいよいよ基盤が整備し始めたというふうに改善されてきたことは事実でございます。ところが、つい昨年あたりから、世界不況それからドルショック日本国内経済沈静等が影響いたしまして、せっかく立て直しに出てきたところが、そういったような海運の環境が、悪化したために現在非常に不況におちいっていることは事実でございます。たとえば、三月決算におきましてはかなり業績も苦しくなってきており、九月決算もどうなるか心配しておりますけれども、そういったような現在の経淡情勢の不安定、世界全般海運不況から申しまして、海運企業基盤というものもちょっとあぶなくなってきたということも事実でございます。そういったような点を考慮いたしまして、まず船腹の問題につきまして、先ほど大臣がおっしゃいましたように、現在の海運六カ年計画基礎となっております経済社会発展五カ年計画、その経済指標経済企画庁等におきまして今後検討されまして、それでこれを修正する、手直しする、たとえば、鉄鋼とかあるいは石油等消費需要というものが相当な程度要るのではないかという見通しによりまして、そういった手面しが行なわれますならば、それによって立ちますところの計画造船といいますか、私ども考えております六カ年計画というものも、経済指標の変化に伴いまして変えていく。したがいまして、所要の貿易量、したがってその輸送量、また船腹も、現在考えておりますような三百八十万トン、四百万トンというような分量があるいは減るかもしれない。そういった点の検討、手直しをやる必要があるのではないかと存じます。  それからいま一つは、企業基盤がいまのような状況に追い込まれておりますので、もしも、国際競争力の面からいいまして、非常に日本海運がそれに耐えられないということであれば、いろいろな条件、たとえば財政比率だとかいうような条件につきましても再検討をする必要があるのではないかということで、私ども準備を進めておるわけでございます。もし、そういう暁には、海運造船合理化審議会に諮問いたしまして、いろいろ各方面からの答えを聞きまして検討していただいた結果によりまして、もう一ぺん手面しの案をつくりたい、かように私ども考えて、おります。  基本的にはやはり海運基盤が立ち直ったとはいえ、船というものは非常にお金がかかる、高い設備投資でございます。現在までの体力ではまだ自分で市中の銀行の金を借りて船をつくるというところまではいかない。さらに、たとえば船のコンテナとか、これから出ますLNG船とか、あるいは超大型のタンカーとかいうものを国際競争上どうしてもつくらざるを得ないではないか。それにつきましては、やはり財政資金というものの裏づけを持ちまして、長期、低利の利子でつくらせるということが必要であると思います。その場合に、それではどんな船でも財政資金でいいのかというわけにいきません。やはり優先順位をきめまして、優先順位を持って国の資金でつくっていく。国の資金も限度がございますので、そういうことも必要でないかと思います。これは私ども計画造船と呼んでいるわけでございまして、大量につくることだけが目的ではございません。したがいまして、時々の船腹の、需要に応じましてつくる量もかげんされますでしょうけれども、基本的にはやはり国の財政資金を投入して、そういうささえをしてやらなければ、海運業界企業自身ではとても新船はつくれない。また、それでなければ、国際競争に勝てないというのが実情だと存じます。そういう状況が続く限り、やはり私ども考えておりますような計画造船方式というものはやってしかるべきではないかというふうに考えておるわけでございます。  たいへん長くなりましたけれども、そういうことでございます。
  11. 久保三郎

    久保委員 長いお話でありましたが、いままでの計画造船から新味を出してという理由はあまりたくさんないようであります。あとでお述べになった中身についてはまたお尋ねしたいのですが、一番最初にお話がありました積み取り比率の問題であります。そこで、現況では輸出が三七、論人が四五ですか、大体その程度だとおっしゃるのですが、これは一年ほど前に比べてどの程度上がっているのか、下がっているのか、いかがですか。
  12. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 積み取り比率につきましては、昭和四十五年を申しますと、輸出が三七、偏入が四四・七、約四五でございます。私、先ほど申しましたのは四十六年でございます。それから四十四年は四十五年に比べまして、輸出は多少よろしいのでございまして、四〇、それから輸入のほうもやはりよろしゅうございまして、四七でございます。まあ、まちまちのところもございますけれども、概していえばそういうところを前後しているというのが現状だろうと思います。
  13. 久保三郎

    久保委員 いまのお話では四十四年、四十五年、四十六年と、この数字から見ると積み取り比率は向上していないのですね。船が足りなくて積み取り比率が上がらぬというのなら話はわかりますよ。計画造船理由は。船腹過剰なんだから、船が余っているのに積み取り比率がだんだん低下しているというのは、いわゆるほかの原因があるからなんですよ。だから、船腹増強で直ちに積み取り比率が向上するなんという理屈はもはや夢物語なんです、はっきりいって。数字がそのとおり示しているじゃないですか。どうですか、海運局長、間違っていますか。四十四年が、輸出が四〇で輸入が四七だ、四十五年には低くなってきて、輸出が三七で輸入が四四・七、四十六年は大体四十五年と同じ。船腹過剰になってきて積み取り比率が同じなり下がってきたというのは、これはあなた、犀川になりませんよ。これは何の理由だかその分析はしてありますか。そういう分析もしないで、積み取り比率を向上するんだといっても、大体話が合わないのですがね。
  14. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 一、二年の差を見ますとそういう議論になると存じますけれども、たとえば四十年から見ますと、当時輸出が三五、六、輸入が四二、三というところでございまして、年を追って上がっていることは事実でございます。ただ、つい二、三年間を見ますと、上がったり下がったりで逆になっておるように見えますけれども、これはそのときの輸入魔の増減がございまして、逆の年もあるということでございまして、総体的に申しますと、やはり輸入量に対しまして日本船積み取り比率はまだ低いということはいえる、こう思います。
  15. 久保三郎

    久保委員 局長、いまの御答弁では、これはあなたのところで正確な分析をしているのですか。ただ、この場しのぎで大体そういうことであろう——それはそうですよ。輸出には伸びも縮みもありますけれども、全体的に鉄鋼なら鉄鋼石油なら石油は二年前と比べて今日どうなんだということははっきりわかっているのですね。それで積み取り比率が落ちてきたのじゃ、それは船は余っているのですから、本来ならば船があればもっと積めるという理屈からいえば、いまのような御答弁ではどうもおかしいのですが、長期的に見ればというのは一体どこまで見るのですか、十年間も見るのですか。
  16. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 いま申しましたのは、私のほうで十分分析した結果で私は申し上げたわけではございません。この点は訂正をいたしたいと思います。まあ実績といたしまして四十年度から見ますとかなり上がっておるということを申したわけでございまして、別に長期は十年とかという意味では、ございません。その点ひとつ誤解のないようにしていただきたいと思います。
  17. 久保三郎

    久保委員 それでは、これは分析してください。分析もしないで計画造船積み取り比率を向上させるのだなんて言ったって、もう話は通りませんよ、はっきり言て。  積み取り比率も、これはあらためて聞きましょう。  積み取り比率は、鉄鉱石が、五五ですね。石炭が五〇、石油が六五の積み取り比率にしていこう、昭和、九一年までに。そういう基礎に立って実は策定をしておられると思うのでありますが、あなたのほうは専門ではないかもしれませんが、鉄鉱石をなぜ六五%にしたの、それから石炭がなぜ五〇なのか、石油がなぜ六五%の積み取り比率に上げたいというのか、これはどういう理由なんですか。
  18. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 そういう数字が出ておりますのは、これは、この見通しをつくる前提といたしまして、海運造船合理化審議会というのがございまして、そこでいろいろ議論していただきましてその結果そういう数字が出たのでございます。その出た結果、どうしてそういうことになるのかということになりますと、そのときの議論は、やはり関係鉄鋼業界あるいは石油業界、そういった生産面からそういう強い要望がございまして、むしろ鉄鋼石油も、その論議の過程におきましては、もっと多目の邦船積み取り比率要望されておったのでございます。それでは非常に大量の船腹が要りますので、まあ財政資金等の心情もございますから、それほど日本船に積むわけにいくまいということで、生産業界のそういう要望も聞きながら、片やそういった財政資金の問題なり、それから海運企業自身のつくる能力の問題等勘案いたしましてそういった数字に落ちつかせたというのが、そういう数字が出た過程でございます。
  19. 久保三郎

    久保委員 議論した末に出た数字がこれなんですね。それなら、議論中身を教えていただきたい。それは、時間もないでしょうから、その資料を出してください。おそまきながら、あらためてわれわれも検討したいと思います。  議論した末にこういうものが出ました、海造審ばかり出しておられるようですが、あなたのほうの考え基礎じゃないのですか。これはどうなんです。
  20. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 これにつきまして、まあ、もちろん生産業界のほうは非常に多目の船を確保したいということで、非常に多目の積み取り比率要望しておりました。しかし、私どもといたしましては、船を持つにも限界があるんじゃないかということで、日本船にたよる比率はこの程度にしておいて、あとは外国用船を雇うという方法もあるじゃ、ないかということで、日本船での積み取り比率はその程度ということで検討したというところが実情でございます。  なお、詳しい点につきまして、また別途ひとつ御説明申し上げたいと思います。
  21. 久保三郎

    久保委員 それじゃあらためて。  いまは物資別の積み取り比率を聞いたのでありますが、現在の船腹増強政策積み取り比率は、輸出輸入、どういうふうなパーセンテージでありましたか。幾らですか。
  22. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 ただいまの御質問は、現在の六カ年計画の内容でございますか。——まあ、輸出につきましては、四十四年度から四十九年度までの邦船輸送量は、輸出が大体五〇%を目標にしたいという趣旨でございます。それから輸入は、乾貨物とか石油でございますけれども、突っ込みまして五四・三これは、要するに邦船だけの輸送量を見込んでおります。それで、この輸入の中を分けまして、鉄鋼石とか.石炭とかそういった乾貨物、ドライカーゴーを分けてみますと、四八・八と、それから石油類が御指摘のとおり六五というふうに目標はなっております。それから乾貨物の中で、鉄鉱石が御指摘のように五五%、それから石炭が五〇%、それからその他の輸送物資が平均四五ということでございまして、輸入はそれぞれ全部平均いたしますと、五四・三というのがこの六カ年計画の目標でございます。
  23. 久保三郎

    久保委員 この積み取り比率も、将来というか近い将来、船腹増強政策というか、そういうものの改定に従ってこれは改定さるべきものだと考えてよろしいかどうか。そういうふうに思っていいのかどうか。それとも、積み取り比率というのは大体この程度でやっていくんだという考えでおられるのかどうか。いかがでしょう。
  24. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 大体こういう程度でしかるべきじゃないだろうか。それ以上はやはり、要る場合には外国用船をして、外国の船を船会社が借りまして手当てをするということでいいのではないかというふうに私ども考えております。
  25. 久保三郎

    久保委員 次にいきましょう。  そこで、計画造船中心なんでありますが、さっき言った企業の問題、企業体質の問題もあるという話、お答えもあったのでございますが、集約会社じゃなくて非集約の海運会社のほうが、経営成績というか、そういうものはたいへんいいような話も聞いておるわけです。これについてはどういう見方をしておられるのか。いかがですか。
  26. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 非集約会社の中で特に三光汽船が非常に業績をあげておりますのは事実でございます。これにつきましては、いろいろ議論があると存じますけれども、私ども分析では、やはりこの計画造船でございますと、自分の持っております船を、たとえば、不定期船におきましては、タンカーでございますね、鉄鉱、石とかそういった船におきましては、大体この船価、十年回収ぺースといいますか、そういった回収べースにおきまして財政資金の融資を受けております。したがいまして、それに基づきました用船料は、長期積み荷保証契約のもとに、荷主との間に結んでおる。したがいまして、海運の国際市況が非常に上がっても、その市況そのものをフルに享受できないといううらみがあるわけでございます。そのかわり、海運世界市況がうんと下がりましても、やはり初めにきめた額の用船料できまっておりますから、市況がうんと下がっても損はしない。ところが、その計画造船を持っていません非集約会社のほうは、そういった長期の積み荷保証契約を持っておりません。大体、たとえばタンカーの短期成約あるいは鉄鉱石の短期成約をやっております。したがいまして、つい二、三年前のたいへんなブームがございまして、それにうまく乗った船主さんは非常にもうけた、非常に利益をあげたということは事実でございます。三光汽船以下、非常に業績があがったのは、二、三年前の大ブームをフルに享受したということでございます。したがいまして、もし不況がずっとまた続きますと、今度はそういった安定的な、要するに川船料収人というものは確保できませんから、そういう場合には非常なリスクを受けるのではないかと私は見ております。  なお、しからば計画造船ないしそういった集約関係の船会社につきましては、それじゃそういったようなうまみに乗る自由はないのかという点につきましては、これにつきましては、やはり自分で自己資金なりあるいは外国川船なりいたしまして、そういったいい市況のときに用船で手当てしていくといったことで、市場の好マーケットを享受し得る業者は十分ございます。班に郵船以下集約六社におきましては、つい二、三年前こういった面でもだいぶ手当てをいたしまして、かなり業績をあげたことは事実でございます。両々相まってやっておるということでございます。  なお、おもな定期航路をやっております会社はやはり大体集約会社が多うございます。定期航路につきましては、それほど況、不況の波が不定期船ほどにはやってこない。強固な同盟を結んでおりますので、運賃タリフにつきましても、荷主との間にコストに応じた利率を協議の上で決定している実情にあります。したがってそういった面ではやはりマーケットの況、不況にそれほどの影響なしにかなり安定した業績があげられる。これに従っているのは大体郵船以下集約六社がやっておりますので、そういった面ではかなり安定しておるのじゃないかと思います。そういうふうに私ども見ておる次第でございます。
  27. 久保三郎

    久保委員 大体お話の中に出てまいりましたが、それじゃどうするのか、こう聞きたいのですよ。結局は非集約の三光汽船に代表されるようなものがいい成績だ。これは言うなら昔ながらの海運自由の原則に従って、国際的なマーケットの中で自由に経営の手腕を発揮したからという結果になると思うのですね。一つにはさっきお述べになったように、計画造船の積み荷保証という重荷をしょって歩いているわけですね。これはこれなりに積み荷保証というものは経営の安定ということも一つあるかもしれません。しかしもはやそういう時代であるのかどうかという問題も一ぺん考える時期だと私は思うのですね。船腹はどんどん過剰になるというのですから、過剰時代に積み荷保証というのは荷主の利益にこそなれ、船社の利益には私はならぬと思うのですね。そういうものを考えれば、言うなら積み荷保証をしょって歩いて景気のいいときにもかせげないし、景気の悪いときには最低だしということではうまみの発揮のしようもないし、やはり自力で体質改善をしてもらわぬと、いつまでも助成の陰に隠れているのでは話が違うのじゃないかと私は思う。しかも、この積み荷保証というのは、ある陸上産業の系列下に船会社が置かれるのと同じですね、これは。そうでしょう、積み荷保証というかっこうは。そうなると、これはいつまでたっても船社というか海運がほかの産業と対等の立場に立ち得ないといううらみがあると私は思うのです。  そういうことを考えると、やはりこの際計画造船中身も変えていったらどうだ。それじゃ無保証船でも計画造船にのせるかというと、これは私は反対であります。むしろそういう意味の船はつくらぬほうがいい、計画造船で。計画造船でつくるのは、いま日本海運企業の力では建造ができないもの、たとえばさっきお話があったLNG船というようなそういうものの開発、建造、こういうところにいわゆる国家助成というのをやるのなら、あるいは一部の理屈が立つかもわからぬ。しかしいつまでもその積み荷保証の上に乗っかった計画造船でやっていいのかどうか。これはどうも異論があると思うのですね。しかも積み荷保証は、私はしろうとでよくわかりませんが、運賃の中身もそんなに高い運賃で保証されているわけではないと思うのですね。それが証拠に、たとえばタンカーはきのう調べてもらいましたが、船社の持っているタンカーとそれから、石油会社が持っているタンカーの比率は、大体きのう調べてもらったのでは、石油会社が持っているのが一六%、船社が持っているのが八三%ですか、これはだんだん多くなる傾向があるのですね。しかも船会社が持っているという、船社が持っている千五百八十万デッドウエートでありますが、この中にはいわゆる特殊船主があると思うのですね。特殊船主というのは、言うならばおかでいう限定免許です。限定免許の船会社と同じです。ある特定の会社、それから大体ドライカーゴーというかそういうものはおおむねそういう特殊船主が多いのじゃないかと思うのですね。これは、いま言ったのはタンカーでありますが、タンカー以外に専用船、そういうものの船主は、特殊な船主が非常に多いんじゃないかと思うのです。これは調べてあとから資料として出してほしいのですがね。  そうなると、われわれが議論しているのは、そういうインダストリアルキャリアあるいは特殊船主、そういうものも含めて議論をしなければなりませんが、いま中心として議論しているのは、一般的な船社を中心にした海運産業中心にした海運対策を政府考えているのでしょう。そうでしょう。そうなると、こういうものがどんどんふえていくのだから、しかも自社船、インダストリアルキャリアがふえていけば、言わぬでもおわかりのとおり、船社の持っている運賃の足を引っぱるのはあたりまえです。もしそれが不合理でなければけっこうなんでありますが、そのインダストリアルキャリアは、自分の持っているおかの産業でもってメリットがあれば、運賃で多少マイナスがあってもこれはカバーできまずから、一般の船社が太刀打ちできないのはあたりまえですよ。それに右へならえでいわゆる積み荷保証がきめられるのはあたりまえじゃないですか。そういうものをいまこそ改めてしさいに分析検討して、これは前向きで考え時代だと私は思うのですよ。そういうことを考えているのです。皆さんは海造審だけに諮問すればいいようでありますが、これはいかがですか。
  28. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 海造審だけに諮問すればいというものではございませんので、そういう問題につきましては十分検討したいと思います。ただ情勢が変わってきたのはつい最近でございますので、これから十分検討していきたいと思います。  それからインダストリアルキャリアの問題でございますけれども、インダストリアルキャリアが計画造船のうまみを占めているわけではちっともないのでございまして、インダストリアルキャリアについては、計画造船に参加するチャンスがほとんどないのでございます。やはり一般船会社に対して計画造船に参加しているのは事実でございます。それからこういった不定期船以外に定期船も計画造船の中でやっております。おっしゃいますように、たとえばLNGとかそういったものを、将来そういった組織を通じて建造を指示していくという方法は非常にいいことではないかと存じます。  いずれにいたしましても、そういう点十分検討したいと思います。
  29. 久保三郎

    久保委員 ぼくの言い方が悪かったので誤解されているようですが、インダストリアルキャリアが計画造船でやっているとは言っていないのです。積み荷保証とインダストリアルキャリアの問題を言っているのです。おわかりでしょうか。私もそのくらいはわかっているのです。  それから次にお尋ねしたのは、無保証船を一部計画造船の中に入れたそうだが、どんなものを入れました。積み荷保証のない計画造船を一部認めたように聞いているが、それは認めた実績ありますか。
  30. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 おっしゃいますのは、定期船はそういった保証はございませんですね。
  31. 久保三郎

    久保委員 積み荷保証はありませんよ、あまりにもしろうとの話じゃないですか。
  32. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 原則的にいまは大体積み荷保証を主としてやっておるのが原則でございます。
  33. 久保三郎

    久保委員 認めたことはないのかと聞いているのです。なければないでいいのです。
  34. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 ダンカーで一部……。
  35. 久保三郎

    久保委員 それは何ですか。
  36. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 タンカーです。
  37. 久保三郎

    久保委員 どんな理由でそうなったんですか。積み荷保証が原則なんですね。計画造船というのはそうでしょう。いままでやったいたのはそうでしょう。定期船は積み荷保証なんというのはありませんよ。あまりしろうとらしい話はしないほうがいいですよ。だけれども私が聞いているのは、無保証船を一部建造を認めていたようだが、これはどういうものをどんな理由でお認めになったのかと聞いているのです。いかがでしょう。具体的に聞かせてほしい。
  38. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 お答えいたします。  タンカーで一部荷主が特定していないのは認めた例はございます。これはタンカーフレートが非常にいい船でございまして、それでどこの石油会社ときめずに、短期の用船契約で十分まかない得るという見通しがあったときには、それはやった例がございます。
  39. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、計画造船のやり方というのは——不定期船ですね、定期船なんというとまた間違うから。それはいまのようなものもあり得るということですか。いまの御説明だとちょっとよくわからないんだけれども、いかなる理由でそれは積み荷保証がなくてもよろしいと判断したのか、それを聞いているんですよ。
  40. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 要するに、タンカーフレートの市況が非常によろしゅうございまして、それで特に長期の積み荷保証の荷主はきめてもらわなくても、短期の川船契約を次々に結んでいけば十分採算がとれるという見通しのものにつきまして、そういった例外を認めたということでございます。
  41. 久保三郎

    久保委員 それはどこの会社のどういう船ですか。そんなものをいつ認めたんですか。
  42. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 二十七次船でございます。去年でございます。
  43. 久保三郎

    久保委員 どこの船ですか。
  44. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 日本郵船の船でございます。
  45. 久保三郎

    久保委員 今後も、それではそういう方式はあり得るのですね。別にいい悪いの問題で聞いているんじゃなくて、そういう特殊なものがあるんで、特殊なものの理由をいま聞いている。是非の判断で、それは悪いとかいいとかということを言っているんじゃないですよ。そういうつもりで聞いているわけです。今後もそういう方針でおやりになるのかどうか。
  46. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 そういう環境があれば、今後も認めるという方針にしたいと思います。
  47. 久保三郎

    久保委員 おわかりかと思うのでありますが、いずれにしても、そういうものを含めて、計画流船は再検討というか軌道修正方向検討すべきだとわれわれは考えているわけなんであります。  時間もあまりないようでありますから、それでは次にいきましょう。  「臨時船舶建造調整法第二条の規定に基く船舶建造許可の判断の基礎となる事項」について聞きたいんです。法律では簡単に書いてありますが、実をいうと、第二条の建造許可をする場合の「判断の基礎となる事項」、こういう事項をどんなふうに発動しておられるのか。一つ一つ申請があったものについてこういう判断をしておられるのか。もしそうだとするならば、「判断の基礎となる事項」の第二号ですね。「当該船舶建造が、それを配船しようとする航海区域又は航路における船腹の需給状況からみて著しく過剰となるおそれのないこと。」そういうことを考えると、現在過剰なんだな。いつどういうふうな判断をして、こんなものを過剰にならないと判断したのかという単純な疑問が一つ出てくる。  それから、計画造船の、たとえば今年度は二十八次ですね。二十八次は大体予約建造方式というかそういうもので、二年か三年前に予約するんでしょう。予約建造と判断の基準とのタイムリミットというか、それはいつどういう時点で、「判断の基礎となる事項」を適用するのか。予約建造の時点であるのか、それとも二十八次の審査をして、許可する場合の判断の基礎となるのか。これはどっちなんですか。
  48. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 これは許可するときでございます。それで、予約する場合に、その船を実際に使うという事情がはっきりしているもの、これをつかまえておりますので、かりに二年たったあと建造を許可する場合でも、はっきり荷主がつかまえておるというものがあります。これは余剰船腹ではないという判断が要るわけでございます。そうでないものは、これは前もってつかまえておかないということでございます。
  49. 久保三郎

    久保委員 そうすると、二十八次はこれから判断するわけですな、ことしのは。それでは、計面的にいってことしは何ぼですか。
  50. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 三百四十万トンでございます。
  51. 久保三郎

    久保委員 三百四十万トンはそのまま通すつもりでいるのかどうか。すでにキャンセルがあるという話も聞いているが、それはどの程度になるのですか。
  52. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 四十七年度は三百四十万トンの計画遊船を考えております。それに対しまして、当初四百七十万トン希望がありましたけれども、だんだん減りました。減りましたけれども、まだ三百四十万トンを上回っております。そこで、三百四十万トンの需要といいますか制約は、今年度に関する限りございます。ただし、来年度につきましては、これは予約も出ておりませんし、先行きはわからないというのが実情でございます。
  53. 久保三郎

    久保委員 いまのお話だと、まだ三百四十万トン以上希望がある。そうするとどういうふうにするんです。三百四十万トンだけやるというのですか、それともそれを減らすのですか。この「判断の基礎となる事項」からいって、三百四十力トンで抑えるのか、三百四十万トン以上でやるのか、とうなんです。
  54. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 ワクを越えておりますので、やはり三百四十万トンで締め切ってやりたいという方針でございます。
  55. 久保三郎

    久保委員 ワクによってお仕事なさっているんですか。そうすると、この「判断の基礎となる事項」はあんまり適用がないですね。いま船は、三年も四年もかかるわけじゃないでしょう。ことし船台に乗っければ、大体今年度中にできるんでしょう。そうでしょう。予約の時期ならば別ですよ。船台を予約するという三年か二年前の話なら別ですが、今日船腹過剰が出ているときに三百四十万トン、しかも、さっき前段で運輸大臣からも、計画造船を含めて船舶増強政策は修正を必要とするというようなお話があって、そんな進行途中に、希望はあるがワク一ぱいで押えましょうというのでいいんでしょうか。私はしろうとだから、単純にそういう疑問を持つのですよ。専門家だと、ワク一ぱいでおさめるのがいいのかもしれませんけれどもね。そうでしょう。これはこれで抑えるのがたてまえだと私は思うのです。あなたは三百四十万トンで押えると言う。そうすると、「判断の基礎となる事項」は要らないし、この法案も要らない。だからこれは引っ込めてもらう、こういうことになる。
  56. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 ちょっと私、説明がことば足らずで申しわけないと存じますけれども計画造船以外にも、いま一ぱい建造する希望がございます。私は計画造船だけつかまえて申し上げたのでございますけれども、それ以外に自己資金船の希望もございます。そういうような場合には、やはり一々条件を見るまして、実際に荷主の保証がついているところは、航路事情等を見まして、それで不適格なものはやめさしてしまうということでございます。ただし、計画造船中身について見ますと、三百四十万トンをこえてこの希望はございます。したがって、財政資金のワクの事情もございますので、希望はありますけれども、この程度でおさめてし使おうという趣旨で申し上げたわけでございます。裏づけといたしましては、やはり荷主の輸送事情もございます。そういうもののちゃんとついているものだけをピックアップいたしまして、まず三百四十万トンの中に含める。その中に定期船も入っておりますけれども、いわゆる不定期船につきましては、実際に需要のあるものをつかまえて入れた。それから、これから船腹をどうするか、これはこれからの問題でございまして、要するに二十八次船までには、やはり船の需要があったのでございます。現にあるわけでございますから、それを満たして、やるべきじゃないかと存じます。そういう趣旨でございます。説明不足で申しわけございません。
  57. 久保三郎

    久保委員 どうも話がわからないですね。私の言っているのは、計画造船ばかりでなくて、自己資金船もある。この法律は、自己資金船を含めて、外航船全体のワクをつくろう、政府の施策によってコントロールしようというのでありますから、これは当然だと思うのですよ。だから、むしろ国策というか計画造船中心でやっているのなら、自己資金船を押えるのがあなたのほうの考えとしては筋かと思いますよ。しかし、いずれにしても、われわれ一般から見れば計画造船のほうを押えてもらったほうがいい。自己資金船のほうをやるのがこういうときには当然だろうというふうに思うのですよ、もしどうしてもおやりになりたいというのなら。それは船腹過剰でなければ両方とも旺盛にやってもらう必要がありますよ。これはどうなんですか。もう一ぺん聞きますが、これは「判断の基礎となる事項」はあまり判断しないのですか。
  58. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 実情は、大体計画造船に応募しまして、それで資金があるものですからワクからはずれてしまったものは自己資金に回すというのが実情でございます。したがいまして、大体自己資金船の場合でも、いままでの例でいきますと、大体輸送需要に見合った船をつくりたいというのが実情でございます。ただし、計画造船資金のワクで満たされないものですから、あとは自己資金船に回すというのが実情でございます。したがいまして、そういったようなはっきりした荷物がないとかそういうものは、計画造船はもちろんでございますけれども、自己資金船の場合は認めないというたてまえでございます。特に、こういったような船腹過剰の状況下におきましては、そういったはっきり見通しのない船をつくるわけにはいくまい、そういった意味での建造許可の調整が出てくると思います。
  59. 久保三郎

    久保委員 なるほど……。しかし、なるほどと感心しているわけではないのですよ。なるほどうまい理屈もあるものだというふうに思っただけですよ。私どもとしては、いま法案を口の前にしてあらためて告示を引っぱり出してきて、おそらく昭和二十九年に一ぺん多少手直ししたようでありますが、これはどうも、古いあれじゃなかろうかというふうに思うのですよ。そうではないというなら、これは資料として出してもらいたいのですが、この「判断の基礎となる事項」にひっかかった実績はどういうものがあるのか出してほしい。判断の基礎となる事項にひっかかったもの、通過したものは別として。実際にそういうものがあったかどうか、ひとつお調べになって出してほしいと思う。あらためて勉強したいと思うので、これは別に皮肉な質問しているわけではないのですよ。これは、この際でありますから、せっかく勉強していきたいと思う。しかし、いずれにしても、船腹過剰が常識的になっているのに、どうして日一ぱい計画だからつくるのだろう、いまのお話では、どうしても疑問が解けませんよ。もちろん、いろいろ造船業の問題もあるだろうし、いろいろな問題も考えなければいけませんよ。いけませんが、理屈はそうじゃないですか。そういうことを考えると、どうもふに落ちない点がたくさんあるということです。いずれにしても、これはあとから……。  それからもう一つ。次にお伺いしたいのは、これは船舶局長にお伺いしますが、結局造船施設の過剰の問題ですね、これは余ってくると思うのですね。ところが、大体大型はどんどん申請もしてくるようだし、中手のほうでも大体大型を申請してきていると思うのですね。こういうものの許可基準というか、そういうものもあるのだろうと思うのでありますが、これからどうされようとするのでありますか、いかがでしょう。
  60. 田坂鋭一

    ○田坂政府委員 先生仰せのように、現在の受注動向から見ますと船舶施設が過剰ではないかというふうな見方もされますが、大型造船について考えますと、大型造船業は大体二カ年間から二カ年半くらいの注文を持っております。現在の動向から見ればそうでございますが、景気の停滞あるいは円不安に対する外国船主の買い控え、そういうものが長期にわたらないということになれば、この傾向はやはり将来は造船業の注文は相当ふえてくるというふうに私ども考えておるわけでございます。  そこで一般的なことを申しますと、船舶の最近の大型化、近代技術の革新によります高度化、高速化、そういうものからいいまして、造船業といたしましても、それらの需要にこたえるために施設の近代化あるいは技術の進歩ということをやってこなければいけないわけでありますが、その需要に合わせまして、設備につきましては海運造船合理化審議会でございますが、この合理化審議会に諮問いたしまして逐次その御答申を受けて許可の基本方針は立てておるわけでございます。また一方、造船法によりまして実際的な許可を行なっておるわけでございますが、その許可に際しまして考慮する点と申しますと、日本経済といたしまして適正な造船能力を越えてはならないということ、あるいはその造船事業の健全な発達を阻害するような競争を引き起こさない、技術的及び経理的な基盤が十分であるというような三つの観点が造船法の中に盛り込まれております。これらのこととあわせまして、最近の私どもの方針といたしましては、先ほど申し上げましたけれども船舶需要の動向を考え、また今後近代化、合理化、そういうものを進めていくという面を加味しながら許可をいたしておる次第でございます。  そこで、当面施設につきましては過剰なような感じもいたさないわけではありませんが、将来のことを考えると、やはりこの時期に相当の施設の整備を行なっていく必要がある。特に旧来の施設でやっておるような造船所に対しましては、地域開発というものも含めまして近代化をやる必要があるものについては、今後も許可をしていく考えであります。ただ、そのときに、設備過剰の問題もありますし、また中小造船所がこれから大型化しなければならないということも勘案いたしまして、旧施設につきましては相当のスクラップをやっていってもらうというふうな考え方で進んでおります。
  61. 久保三郎

    久保委員 時間もたくさんありませんから先に行きましょう。  海運局長船腹増強の政策についてもう一つ取り残しがあったので、私の意見を入れてお尋ねしたいのですが、時間がないので、あまり長くなると委員長の許可を得てあなたの答弁の分だけ延ばしてもらいます。  そこで一つは、さっきお話ししましたインダストリアルキャリアですね。こういうものの建造について、船腹過剰のときくらいは少し制限をすることが、海運船社側の体質改善にもなろうかと思うのです。単なる調整ばかりが目当てではいけない、こういうふうに思うのです。  それから特殊な船生ですね。こういうものについての船も考えていくべきだと私は思うのです。これは船舶局長にも関係があるのかもしれません。同じ規制するならそういう方向から規制していくのがほんとうではないか。  それからもう一つは、造船というか船腹増強の観点から、それから外国用船のあり方についても、これは検討を加える必要がある。簡単な話をしますが、いずれにしても、前のインダストリアルキャリア、特殊船主の船の建造、こういうものについてどういうふうに考えていくべきか、お答え願います。
  62. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 建造許可の問題の以前の問題といたしまして計画造船だけを見ますと、そういった特殊な船主、いわゆるインダストリアルキャリアという特殊な船主に対しましては、そういう恩典を与えないという方針でございます。ただし開銀のお金を借りてつくる場合、財政融資の比率を三割くらいの幅で年に一ぱいくらいは認めております。これは船主さんが荷主そのものではございませんで、やはり海運業者でございまして船主が、要するに荷主さんが、たとえば石油会社が出資した海運プロパーでございます。それでタンカーを持っている。そういうものにつきましては年に一ぱいくらい、しかも融資条件を非常に制限いたしまして認めておる、原則的にはそれ以外に認めていないということがわれわれ側の態度でございます。
  63. 久保三郎

    久保委員 特殊な船社については別、いまのお話でいいのですが、私の言ったのはインダストリアルキャリアですね、いわゆる自家用船、こういうものの建造については一番先に、制限するならしたほうがいいのじゃないですかと、こういうのですよ。国家の助成をしながら船社やっているのですから、それと競争させるような立場でいってやったんじゃもう助成のメリットもないんじゃないかと私は思うのです。船腹過剰の時代くらいはそういうふうにしたらいいというふうに思う。  時間がありませんから最後に一つだけ、これは時間もないので次回にまたがろうかと思うのですが、海運同盟というか運賃同盟と、先般終わりましたUNCTADの総会における第四委員会というか、そういうもののいわゆるリマ憲章というか、そういうものなり、あるいは後進国というか開発途上国というのか、そういうものの考え方ですね。これに対して政府はどんな方針でやってきたのか。これは政務次官にお聞きしたほうがいいのかな、政府の方針だから。UNCTADへ行く場合にこの海運同盟、運賃同盟に対してわがほうは聞くところによればヨーロッパ先進国の仲間へ入ってえっさえっさやってきたような話を聞くのでありますが、私の意見としては少なくとも日本は荷主の国である、いわゆる海運の自由といっても、たとえばデンマークとかノルウェーとかあるいはイギリスとか、そういう国が七つの大洋をまたにかけて海運を経常するという、そういう立場とは違うのですね。さっきからお話しのように積み取り比率中心にしてのお話でも自分の使う品物を安定的に輸送しよう、そのために船をつくろう、そしてそれをやる、こういうことなんですね。ところが、この海洋の自由というか海運の自由、そういう、原則だけでやっていけるものではないのでありますね。特に原材料については発展途上国についてもたいへん関係のあるものであります。だからさっき海運局長からも話があったようにフィフティー・フィフティー、私はいつかずっと前ですがこの委員会でも言ったが、フィフティー・フィフティーに積み取り比率は置くべきではないかと言ったら、その当時あまり関心を持っていなかったようでありますが、そういう原則でやはり貫くのが一番正しいと思うのですね。自分だけがうんと積み取り比率が上がればいいんだということでは、はっきりいってそううまいぐあいにいかない、そういう考えを持っているのでありますが、この間政府がサンチアゴへ臨む態度としてはどういう態度でお臨みになったのか、政務次官からお答えいただきます。
  64. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 会議は今月の二十日に閉会していると聞いておりますが、海運関係では第四委員会の場において検討されており、開発途上国側から要求されたおもなものは定期船同盟憲章の問題、それから第二に商船隊の開発問題、第三は港湾の開発問題でありますが、そのうち最も重要なのは定期船同盟の運営のあり方を内外ともに明確にしなければならぬという同盟憲章の問題であろうと思います。  定期船同盟憲章の問題は一つには開発途上国商船隊の同盟に加入する問題、さらに開発途上国の荷主保護の問題、いま御指摘の問題ですが、いずれも国際海運にとりましてはきわめて重安な問題であろうかと思います。したがいまして、国連貿易開発会議には作業部会を新たに設けて慎重にこの問題を検討しなければならぬ、そう結論が出たように御報告を聞いております。先生御指摘の問題もわが国海運界にとってきわめて重要じゃないだろうか、しかしながら国際協調というのも日本の現在の海運界における世界的な立場から配慮しなければならぬじゃなかろうか、かように考えております。
  65. 久保三郎

    久保委員 わかりました。結局日本の立場というのは、さっきも申し上げたとおり先進国の仲間に入って——実際はその国柄からいえば先進国なんです。しかし海運関係では、南北に分けるのもちょっとおかしいのでありますが、荷主という立場からいうならば南の国と大体同じ立場にあるわけですね。それともう一つは、なるほど先進国と同じように大きな商船隊を持っているし、造船能力も持っている、経済力もたくさんあるということが違うのでありますが、そこで日本の態度としては当然これは、南北の問題じゃなくて、それをつなぐ橋の役割りとして本来なら活躍すべきことだと思うのです。ところがどうも、日本海運界がそうなのか知りませんけれども、イギリス流の海運の自由というか、海洋の自由という古くさい、カビくさいそういうものだけがどうも最後まで頭の中にこびりついていたために、UNCTADであまりうまい仕切りがとれなかったといううわさを聞いているわけなのです。将来これは問題だと思うんですね。別にうまい仕切りがとれなくてもやむを得ぬけれども、われわれ日本の進むべき海運政策方向としてどうなのだということはやはりこの際再検討の必要がありはしないか、こう思うのです。単にいままでイギリス流の運賃同盟がいいというようなことだけではいかないと思うのです。しかも三国間輸送日本にとって苦手な一つのものですね。苦手というより、そういうものを中心に置いていないのです、いまは。国際収支改善もできたし、言うなら安定供給の問題だけなのです。言うなら二国間の輸送というものが非常に多いわけですね、中心になる。そこを当然相手側の立場も尊重しながら海運同盟というか、そういうものも改定していかなければならないと思うのです。そういうものを、イギリスとかノルウェーとかデンマークとか、いわゆる昔ながらの海運国と同じような立場でものを律しようとしてもこれは違うと思うんです。しかも、アメリカ自体もUNCTADでは非常に消極的であったというじゃないですか。これは彼らはやはり、別な意味でありますが、多少似通った立場から敬遠したと思うんですね。言うならばアメリカのほうが日本より少しりこうだったのじゃないかなという感じもします。決して日本がばかだとは言いませんけれども。  そういう意味で、これは海運局長が専管事項だから聞きますが、運賛同盟に対してもものの考え方を改めようとするのかどうなのか、これは検討する余地がたくさんあると思うのです。どうなのですか。この運賃同盟なんというのが——私は十年くらい前にロンドンに行きましたよ。そのときにある船社の人から聞いてびっくりしたのは、この運賃同盟ではわが国の荷物がここでは積めないというんですね。最近やっと積めるようになったというのです。運賃同盟に入っていて自分の国の荷物が積めないんだという話です。とっくに解決したと思ったら、ある新聞を見たらごく最近これが許されたという話です。そんなばかばかしいことをいつまでも守っているようではちっとカビくさいのじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
  66. 鈴木珊吉

    鈴木(珊)政府委員 運賃同盟のあり方につきましては先生御指摘のとおりと思います。たとえば、イギリスのロンドンの港は日本の船会社は積み荷ができない、おろすだけだというのを何十年もやってきたような実情でございます。したがいまして私どもといたしましては、この現在の運賃同盟のあり方が、確かに先進海運国が世界海運を牛耳った一つのシステムではないかという批判も内々やっておりますけれども、私ども先進海運国グループの一員でございますから、一応先進海運国グループでの方針には従います。しかしながら、私どもといたしましては、おっしゃいましたように日本海運がいわゆる口国の貨物を運ぶのでも精一ぱいだ。したがいまして、北欧とはだいぶ違うということも事実でございます。そこで私どもといたしましては、おっしゃいましたような見地から再検討したいと思っております。  それで、その手始めに、私ども海運関係の専門家のみならず、一般の国際経済問題をやっておられます学者さん方にお集まり願いまして、実は研究会を去年の六月から始めまして、もうすぐ中間報告が出ますが、どうあるべきか、まさに先生のおっしゃったような角度から再検討したいということで検討しております。ただ、今回のUNCTADにはもちろん間に合いませんでした。今後はそういった検討の結果、いままでの態度を改めて、新しい観点に応じた政策で臨むべきだというふうに基本的には考えております。ただし、現在のところはいまのように先進国グループに入っておりますので、一応先進国グループの中でそういった啓蒙を行なうべきだと思います。幸いにいたしまして先進国グループも、そういった制度が古いということは最近反省いたしまして、後進国も順次どんどん入れていく、そのためには後進国の海運を援助するということまでだいぶ開放的になってまいりました。それから荷主に対します態度も、同盟の一方的な態度を改めまして、荷主との協議機関をつくるとか、争いが起こったら調整機関をつくるとかいうことで、そういった古い点を直そうという態度でおりますので、これに関する限りは、私どもも先進国と同じ態度で一緒に対処したほうがいいのじゃないか。基本的にはそういった先生の御質問どもございますので、今後さらに十分検討したいと思います。  以上でございます。
  67. 久保三郎

    久保委員 時間がありませんから最後に一つだけ。  いま運賃同盟あるいは海運政策、そういうものについては再検討するためにいま検討中だというから、その検討を待つことにしますが、やっぱり軌道修正時代だと思うし、それにつけ加えて先ほど政務次官からもお話があった港湾の問題も造船の問題もやっぱりひっかかりが出てくるわけですよ。単にGNPの一%援助するのだというような単純な問題じゃいけないと私は思うのですね。特にわれわれとしては、出荷国の立場を考えてやりやすくするという意味で、単なる中古船を売るということだけでは用が足りないと私は思うのです。むしろ向こうの体質を改善さしていくという観点から、船もつくってやろう、あるいは中古船を売る場合もあるだろうし、港の改修もそうだろうし、ただ単に自分の都合だけではうまくいかないと思うのですね。安定供給というものはそういうものを含めてやるべきだと思われるので、これを含めて検討されることを要望するのでありますが、政務次官、いかがでしょう。あなたのところが全部関係あるわけですよ。
  68. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 私も先生御指摘の点に全く同感でございます。そういう点も含めて検討して、将来とも日本の造船、海運なりの現在の立場を長らく維持していきたい、そういう方向検討を進める所存でございます。
  69. 久保三郎

    久保委員 終わります。ありがとうございました。
  70. 小峯柳多

    小峯委員長 次回は明後二十六日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十三分散会