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久保委員 お話によりますれば、あんまり問題ないように聞こえますが、
処分件数の中身をちょっと見てまいりますと、
取り消しというのは、これは文句なしに実際と
検査証と合わせてみて、おそらくそこに不正があったん、だろうと思いますね。これが一番決定的な
取り消しの要因だと思うんですね。ただそういう
是正命令などは、たとえば
要員の面で多少欠けるところがあった、あるいは
装備というか
機械器具の
装備について欠ける点があったので
是正したとかいうことであって、これが一番
件数が多いのでありますが、これも大事でないということでありませんが、決定的なものではないだろうと思いますね。それからもう
一つは、
適合証発行停止というのが四十五年に一件あっておりますが、これはたまたま
適合証を間違ってというか、ごまかして
発行したというのかもしれません。だからこれは当然
取り消しに次ぐものだと思うのですね、
発行停止をされれば、これは
指定整備工場としての
機能は半ば
停止することでありますから。
検査員の
解任というのは
検査員のやり方でありましょうが、これもその次くらい。
こう見てまいりますと、これは決定的なものは非常に少ない。けっこうな話なんですよ。けっこうな話なんだけれ
ども、実際には車を
指定整備工場がいま
整備して出してきた。それでこれに実際に合わない
適合証を
発行して
陸運事務所に持っていく。これとこれを合わせてみたらネジが一本足りないとか、そんなことはないでしょうが、そういうことを符合をさせて
点検するというのは、非常にむずかしいことだとぼくは思うんですね。たまたまこれは偶然にもといったら語弊があるが、うまいぐあいにひっかかったと見てもいいくらいに私は思うのであります。
そういうところからいくと、私は
業者の
実態を疑うわけではありませんが、かなり
手抜きをしているものがありはしないかという心配をしているのです。その
是正をどうしたらいいかというのが命題だと思うんですね。さっき申し上げたように、
料金は別に
公示料金じゃないんですね。言うなら、一応のかってなそれぞれの取りきめによってやっている
料金でありますから、
ダンピングといってもどれが
ダンピングか実際わかりませんね。ただ
料金が安いあるいは高いは別にして、
手抜きをされるのが一番困るんですね。
手抜きを防止するのにどうしたらいいのかという問題は、やはり
監査員の
派遣以外に
きめ手はないだろうと思うのです。
そこで、いまお聞きすると、大体今度三十三名増員して八十四名ということですね。そうなりますと、
算術計算で、五千二百からの
指定工場でありますうち、大体一人出たり六十二くらいじゃないんですか、待っているのが。いまの
説明では六十二を一年に一・三回くらい回っているというのですが、一・三回回っても、実際にいま言った一番の
きめ手、かなめである
手抜きをしているかどうかの
点検がはたして完全にできるかどうか、たいへん私は疑問だと思うのですね。疑えば切りのないことでありますが、事安全の問題でありますから、人命の問題にも関係しますから、これはやはりきびしくする必要がある。そこでこの
監査の要領も単に形式的な
監査をするんじゃなくて、その
きめ手となるべきところをポイントとして重点的な
監査をするようにするとか、それからもう
一つは、なるほど
料金あるいは代金というか知りませんが、こういうものの取り方あるいはきめ方についても、
運輸省はもっと突っ込んだ
指導をすべき段階ではないかと思うのですね。
これは独禁法の問題もありまして、一応そういう
料金を統制することは非常にむずかしいかと思うのです。しかし
利用者から見れば、これははっきりいって、単なる
自由競争であればいいなんということはありません。自由であるようだけれ
ども、実際は完全にやってもらえないうらみが最近ではあるわけですね。むしろ
利用者から見れば完全に
点検整備をして、実際にこれは安全である車を保証してもらうというところに
料金があるわけでありますが、ところが、えてして
料金を中心に考えた場合に、
自由競争でもってやることが、いいサービスができるんだなんという理論を展開する向きもありますが、私は事安全に関してはやはり
料金はある
程度固定すべきだと思うんですね。そしてこれをきびしく
監督するということ、そして確実なサービスを提供するように業界を
指導すべきだと私は思うのであります。これは残念ながら
利用者はわからないのであります。技術者が、どこが悪くてどういうものを取りかえた、どこを取りかえたと言っても、これはわからないのですから、そういうものを、利用している
実態を抜きにして、
指定整備工場をいろいろ考えてもこれは無理だろうと思うんですね。利用する者が無知なんでありますから、どこを取りました、どの部品を取りかえました、どこを締めましたと言っても、これは頼んだほうがわからないのでありますから、これを担保してくれるのは
陸運事務所の車両の
検査係でしょう。そこは書面だけで判押されてしまうのでありますから、
利用者にすれば、これは不安きわまりない仕事だと思うんですね。今度それに輪をかけたように協会を設立するというのでありますから、われわれのような気が小さい者は、どうも協会でいいんだろうか、
運輸大臣は安心して毎日寝ていられるんだろうかというふうに思うんです、協会にまかせた場合。これはなぜならば、指定終端
工場の
実態が、
業者がそう言うのでありますから、この点は何か担保する保証はありますか、あなた。