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1972-04-18 第68回国会 衆議院 運輸委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月十八日(火曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 小峯 柳多君    理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君    理事 徳安 實藏君 理事 細田 吉藏君    理事 箕輪  登君 理事 内藤 良平君    理事 田中 昭二君 理事 河村  勝君       石井  一君    江藤 隆美君      小此木彦三郎君    唐沢俊二郎君       佐藤 守良君    塩川正十郎君       關谷 勝利君    羽田  孜君       福井  勇君    増田甲子七君       山村新治郎君    井岡 大治君       金丸 徳重君    久保 三郎君       斉藤 正男君    松本 忠助君       宮井 泰良君    田代 文久君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君  出席政府委員         環境庁大気保全         局長      山形 操六君         運輸大臣官房長 高林 康一君         運輸省鉄道監督         局長      山口 真弘君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部長 秋富 公正君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部長 中村 大造君         運輸省自動車局         長       野村 一彦君  委員外出席者         運輸省自動車局         整備部長    隅田  豊君         日本国有鉄道副         総裁      山田 明吉君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正巳君     ————————————— 委員の異動 四月十七日  辞任         補欠選任   金丸 徳重君     川崎 寛治君   斉藤 正男君     三宅 正一君 同日  辞任         補欠選任   川崎 寛治君     金丸 徳重君   三宅 正一君     斉藤 正男君     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申し入れに関する件  公聴会開会承認要求に関する件  委員派遣承認申請に関する件  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進  特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出  第四二号)  日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案(  内閣提出第四三号)  道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣  提出第六〇号)      ————◇—————
  2. 小峯柳多

    小峯委員長 これより会議を開きます。  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。丹羽運輸大臣
  3. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  国鉄は、過去百年間国内輸送の大動脈として、国民生活工場国民経済の発展をささえてまいりましたが、今日その役割りは、都市間旅客輸送大都市通勤通学輸送、中長距離大量貨物輸送等の各分野においてますます重要性を増しており、総合交通体系確立の観点からも、将来にわたってその使命遂行が強く期待されるところであります。  一方、国鉄財政は、経済社会の変動と輸送構造の変化に伴い、昭和三十九年度に赤字に転じて以来急速に悪化の傾向をたどり、国鉄が今後国民経済及び国民生活における使命を全うすることができなくなるおそれが生じてまいりました。このため、政府といたしましては、第六十一回国会において成立した日本国有鉄道財政再建促進特別措置法に基づき、昭和四十四年度以降十年間を再建期間として、各種の財政再建対策を鋭意推進してまいった次第であります。  しかしながら、その後の推移をみますと、自動車輸送発達等による輸送量の伸び悩み、ベースアップ等による人件費の大幅な上昇等のため、国鉄財政は、さらに悪化し、現状のまま推移した場合には、昭和四十七年度には大幅な償却前欠損を生ずるというきわめて憂慮すべき事態に立ち至りました。  このような実情にかんがみ、政府といたしましては、現行財政再建対策が十分にその目的を達成できなかった原因について反省し、昭和四十七年度以降十年間を新しい再建期間とする抜本的な財政百姓対策をあらためて策定し、これを強力に推進する必要があると考えております。  このため、国鉄自身が増収と業務運営合理化について最大限の努力を行ないますとともに、政府におきましても、今後十年間にわたり政府出資工事費補助の増額、過去債務についての財政再建債及び同利子補助金対象範囲の拡大、地方閑散線に対する補助新設等財政措置の大幅な拡充を行なうことといたしておるところでありますが、なお、長期にわたる国鉄財政健全化をはかり、国鉄使命遂行に遺憾なきを期するためには、あわせて国民各位の御理解と御協力のもとに、国民生活への影響を勘案しつつ、必要最小限度運賃改定を行なうことも真にやむを得ないものと考えた次第であります。  このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第でありますが、これらの措置が相まって初めて、国鉄財政再建の基礎を確立することができ、ひいては国鉄をして将来ともわが国の基幹的公共輸送機関としての使命を全うさせることができると信ずるものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  まず、国有鉄道運賃法改正内容について申し上げます。  第一に、鉄道普通旅客運賃につきましては、その賃率が、現行では営業キロ一キロメートルごとに五百キロメートルまでの部分について四円二十銭、五百キロメートルをこえる部分については一円五銭となっておりますのを、遠距離低減制是正をも考慮しまして、六百キロメートルまでの部分については五円十銭、六百キロメートルをこえる部分については二円五十銭に改定することといたしております。  第二に、航路普通旅客運賃につきましては、近傍または類似の民営航路運賃等をも勘案しながら、鉄道普通旅客運賃とほぼ同程度改定を行なうことといたしております。  第三に、貨物運賃につきましては、制度合理化をはかるため、車扱い貨物運賃等級数現行の四等級から三等級に圧縮するとともに、その貨率をおおむね二五%引き上げることといたしました。  また、少量物品輸送合理化をはかるため、小口扱い貨物を小荷物に統合するとともに、近年飛躍的な増加を続けておりますコンテナ貨物運賃につきまして、従来は小口扱い貨物運賃の一種とされておりましたものを、新たに国有鉄道運賃法上の貨物運賃とすることといたしております。  次に、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法改正内容について申し上げます。  第一に、昭和四十七年度予算案作成を契機とし、今後十年間にわたり助成策の大幅な拡充をすることといたしましたこと等を勘案いたしまして、昭和四十七年度以降十年間を新たな再建期間とし、あらためて国鉄財政再建に関する基本方針及びこれに基づく再建計画を策定することといたしております。  第二に、国鉄が今後新幹線鉄道建設在来主要幹線改良工事等、その輸送力の増強及び輸送方式近代化のための工事を推進し、その体質の改善がはかられるよう、政府は、再建期間中の毎年度国鉄に対し、工事資金の一部に相当する金額を出資するものといたしております。  第三に、過去債務利子負担を軽減するため、財政再建債及び同利子補給金対象を、現在の昭和四十三年度政府管掌債務から昭和四十六年度政府管掌債務及び政府が保証した鉄道債券にかかる債務に拡大いたすこととしております。  第四に、工事費利子負担を軽減するため、工事費補助金対象工事年度昭和五十六年度まで延長し、その交付年度昭和六十三年度まで延長することにいたしております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。(拍手
  4. 小峯柳多

    小峯委員長 以上で提案理由説明は終わりました。     —————————————
  5. 小峯柳多

    小峯委員長 この際、公聴会閉会承認要求の件についておはかりいたします。  ただいま本委員会において審査中の国有鉄道運貨法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について公聴会を開きたいと存じます。  つきましては、公聴会開会につき議長承認を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 小峯柳多

    小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、公聴会開会日時、公述人の選定その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小峯柳多

    小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  8. 小峯柳多

    小峯委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  ただいま本委員会において審査中の国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について委員派遣し、審査の参考にいたしたいと存じます。  つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 小峯柳多

    小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、派遣地派遣日時派遣委員人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 小峯柳多

    小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  11. 小峯柳多

    小峯委員長 日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する質疑は、去る十二日に終了いたしております。  ただいま、委員長手元宇田國榮君、加藤六月君、徳安實藏君、細田吉藏君及び箕輪登君から、自由民主党提出にかかる修正案提出されております。  修正案はお手元に配付してありますとおりであります。
  12. 小峯柳多

    小峯委員長 この際、提出者から、趣旨説明を求めます。加藤六月君。
  13. 加藤六月

    加藤(六)委員 私は、自由民主党を代表して、日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案に対する修正案について、その趣旨を御説明申し上げます。  修正案の案文は、お手元の印刷物のとおりでございまして、申し上げるまでもなく、原案施行期日四月一日は、すでに経過しておりますので、これを公布の日に改めることとするものであります。  何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  14. 小峯柳多

    小峯委員長 以上で趣旨説明は終わりました。     —————————————
  15. 小峯柳多

    小峯委員長 これより日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに、採決いたします。  まず、宇田國榮君外四名提出修正案について採決いたします。  本修正案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成料起立
  16. 小峯柳多

    小峯委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次いで、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  17. 小峯柳多

    小峯委員長 起立多数。よって、日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案は、宇田國榮君外四名提出修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。  おはかりいたします。ただいま修正議決いたしました本案委員会報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 小峯柳多

    小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  19. 小峯柳多

    小峯委員長 この際、運輸大臣から発言を求められております。これを許します。丹羽運輸大臣
  20. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいまは、日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案について、慎重御審議の結果、御採決をいただきましてまことにありがとうございました。(拍手)      ————◇—————
  21. 小峯柳多

    小峯委員長 この際、連合審査会開会申し入れの件についておはかりいたします。  ただいま商工委員会において審査中の石油パイプライン事業法案について、商工委員会連合審査会開会申し入れを行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 小峯柳多

    小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会開会日時等につきましては、商工委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせいたします。      ————◇—————
  23. 小峯柳多

    小峯委員長 道路運送車両法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。
  24. 久保三郎

    久保委員 道路運送車両法の一部を改正する法律案について、二、三お尋ねをいたします。  数多くの同僚諸君からお尋ねがありましたので、極力重複は避けたいと思っておりますが、限られた時間でもありますので、ぜひ簡潔に御答弁をいただきたい。  まず単一に、自動車整備事業、そして、検査というか、そういうものの指定工場制度というのがあります。この指定工場制度は、実際にその機能を十分に果たしているかどうかというのは、最近たいへん疑問が出てきたと思うのです。ある指定工場経営者が私に話をするのでありますが、最近ではトラックの整備、特にダンプなどの整備が多い。しかし、それぞれ業者が多くなったので、料金ダンピング——ダンピングというか、競争による値下げですね。その結果として、整備点検というか、そういうものの手抜きがあることも事実である。まあ、言うならば、金のかかる重要なところは手抜きして、料金は安い。それで、指定工場ですから、この工場の認定があれば、手続を経ればそのまま検査は終了ということで運行の用に供しているというのでありますが、これは運輸省当局が知らぬわけではないと思うのであります。こういうダンピング実態についてどういうふうにこれを規制していくか、あるいは体制を整えるか、この点についてはどういうふうに考えておられるか。  それからもう一つは、体制整備することも、これは基本的な問題でありますが、と同時に、運輸省自体のこれらの工場に対する監督官の配置の問題であります。いままで臨検もなさった件数があると思うのでありますが、できますれば、最近年度におけるところの臨検件数をお知らせいただきたい。前もって指定整備工場処分状況について、資料はいただいておりますが、何件臨検し、点検したのか、その件数は書いていない。ただ処分された件数が書いてある。この数だけを見る限りにおいてはあまり多く処分されてはいないと思うのです。この資料から見れば、大体指定整備工場というのはよくやっているのではなかろうかというふうに思うのだが、実態はどうも違うようである。この点はどういうふうに考えられておるか。まず第一に指定整備工場実態についてお伺いしたいと思います。
  25. 野村一彦

    野村政府委員 指定整備工場につきましては、いわゆる民間車検場として一定以上の技術のレベルを有し、施設を有し、人員を有する工場が、みずからの責任において整備をし、そして検査をしたものについて、いわば国で検査をしたのと同じような効果を与えているわけでございますが、私どもいままでこの指導をやってまいりまして、この指定整備の活用ということから、これの強化ということをいろいろと指導してまいったわけでございます。しかし、ただいま先生が御指摘になりましたように、幾つかの地域におきまして、指定整備工場におきまして、検査の実施について非常に遺憾な点があったという指摘を受けた工場幾つかあるということは、私ども非常に残念なことだと思っております。しかしながら、この指定整備工場制度を創設いたしました趣旨につきましては、これは民間における整備能力検査能力の漸次向上いたしますとともに、自動車工業進歩発送に応じまして、それ相当の機能を果たしているということもこれまた事実でございます。しかしながら、現在約六千でございますか、全国にございます指定工場の中には、ただいま先生の御指摘のような、非常に遺憾な点がある工場があるということも私ども率直に認めざるを得ませんので、これにつきましては私ども今後さらに監査強化し、そして、いま先生が御指摘になりましたような違反の程度に応じまして処分をするということをさらに強力に続けてまいりたいと思っておる次第でございます。数字等については後ほど申し上げますが、そういう実態でございます。  それから、これを監査いたしますための体制を整えるために、国といたしましてはやはり監査要員の確保ということが必要でございます。現在、四十七年度予算におきまして三十三名の監査要員の増員をお願いをしておるわけでございまして、これが認められますと、全国で八十四名の監査要員になるわけでございます。もちろん、これだけの要員でもって十分な監督ができるとは思いませんが、私ども極力この監査要員監査を生かしまして、そして一そう監督を厳重にして、指定整備事業制度創設目的を果たすようにさらに努力をいたしたいと思います。  なお、先ほどお尋ねのありました数字につきましては整備部長から説明いたさせます。
  26. 隅田豊

    隅田説明員 お尋ね監査の実績とその処分状況について御説明いたします。  確定いたしました数字は、一番最近の、四十五年度のものは完全なものが確定いたしております。それを御説明申し上げます。四十一年度におきましては、監査対象工場数、結局そのときの指定工場全部でございまして、これは三千五百四十二工場でございます。それに対しまして、実際に監査を行ないました件数は四千五百七十一、一年の間に一工場当たり一・三回行っているという計算になります。それに対しまして、先ほど先生の御指摘にございましたとおり、行政処分をいたしました、ことに取り消しとか検査員解任とか、こういう非常に重大な行政処分をいたしましたものの件数というのは非常に少ないことは事実でございます。数字で申し上げますと、取り消しをやりましたのが二件、それから保安基準適合証発行の一時停止というのが——簡単に申しますと一時的な指定工場取り扱い停止でございますが、これをやりましたものが一件、それから、検査員解任を命じましたものが二件、合わせまして全部で、一番厳重な処分をいたしましたのは五件でございます。あと是正命令と申しまして、ある程度の行政的な権限をもって命令を出しましたものが四十四件ございます。それ以外のものにつきましては、特に権限をもっての命令という形はとっておりませんけれども行政指導の形でもって警告をいたしております。こういうことを直したほうがいいということについての警告でございますが、これはかなりの件数があって七百八十九件の警告を行なっております。  先ほど先生が御指摘の非常に件数が小ないというのは、いわば犯罪者といたしましては、非常に重大なる処分をしましたものとしては、確かに少ないのでございますが、警告ということを含めまして、私どもとしてはかなり一生懸命行政指導しているつもりでございますが、なおかつ逆に申しますと、これだけの警告件数が出てきているということを非常にわれわれは反省をしております。今後ともこの監査強化ということをはかってまいりたいと思います。
  27. 久保三郎

    久保委員 お話によりますれば、あんまり問題ないように聞こえますが、処分件数の中身をちょっと見てまいりますと、取り消しというのは、これは文句なしに実際と検査証と合わせてみて、おそらくそこに不正があったん、だろうと思いますね。これが一番決定的な取り消しの要因だと思うんですね。ただそういう是正命令などは、たとえば要員の面で多少欠けるところがあった、あるいは装備というか機械器具装備について欠ける点があったので是正したとかいうことであって、これが一番件数が多いのでありますが、これも大事でないということでありませんが、決定的なものではないだろうと思いますね。それからもう一つは、適合証発行停止というのが四十五年に一件あっておりますが、これはたまたま適合証を間違ってというか、ごまかして発行したというのかもしれません。だからこれは当然取り消しに次ぐものだと思うのですね、発行停止をされれば、これは指定整備工場としての機能は半ば停止することでありますから。検査員解任というのは検査員のやり方でありましょうが、これもその次くらい。  こう見てまいりますと、これは決定的なものは非常に少ない。けっこうな話なんですよ。けっこうな話なんだけれども、実際には車を指定整備工場がいま整備して出してきた。それでこれに実際に合わない適合証発行して陸運事務所に持っていく。これとこれを合わせてみたらネジが一本足りないとか、そんなことはないでしょうが、そういうことを符合をさせて点検するというのは、非常にむずかしいことだとぼくは思うんですね。たまたまこれは偶然にもといったら語弊があるが、うまいぐあいにひっかかったと見てもいいくらいに私は思うのであります。  そういうところからいくと、私は業者実態を疑うわけではありませんが、かなり手抜きをしているものがありはしないかという心配をしているのです。その是正をどうしたらいいかというのが命題だと思うんですね。さっき申し上げたように、料金は別に公示料金じゃないんですね。言うなら、一応のかってなそれぞれの取りきめによってやっている料金でありますから、ダンピングといってもどれがダンピングか実際わかりませんね。ただ料金が安いあるいは高いは別にして、手抜きをされるのが一番困るんですね。手抜きを防止するのにどうしたらいいのかという問題は、やはり監査員派遣以外にきめ手はないだろうと思うのです。  そこで、いまお聞きすると、大体今度三十三名増員して八十四名ということですね。そうなりますと、算術計算で、五千二百からの指定工場でありますうち、大体一人出たり六十二くらいじゃないんですか、待っているのが。いまの説明では六十二を一年に一・三回くらい回っているというのですが、一・三回回っても、実際にいま言った一番のきめ手、かなめである手抜きをしているかどうかの点検がはたして完全にできるかどうか、たいへん私は疑問だと思うのですね。疑えば切りのないことでありますが、事安全の問題でありますから、人命の問題にも関係しますから、これはやはりきびしくする必要がある。そこでこの監査の要領も単に形式的な監査をするんじゃなくて、そのきめ手となるべきところをポイントとして重点的な監査をするようにするとか、それからもう一つは、なるほど料金あるいは代金というか知りませんが、こういうものの取り方あるいはきめ方についても、運輸省はもっと突っ込んだ指導をすべき段階ではないかと思うのですね。  これは独禁法の問題もありまして、一応そういう料金を統制することは非常にむずかしいかと思うのです。しかし利用者から見れば、これははっきりいって、単なる自由競争であればいいなんということはありません。自由であるようだけれども、実際は完全にやってもらえないうらみが最近ではあるわけですね。むしろ利用者から見れば完全に点検整備をして、実際にこれは安全である車を保証してもらうというところに料金があるわけでありますが、ところが、えてして料金を中心に考えた場合に、自由競争でもってやることが、いいサービスができるんだなんという理論を展開する向きもありますが、私は事安全に関してはやはり料金はある程度固定すべきだと思うんですね。そしてこれをきびしく監督するということ、そして確実なサービスを提供するように業界を指導すべきだと私は思うのであります。これは残念ながら利用者はわからないのであります。技術者が、どこが悪くてどういうものを取りかえた、どこを取りかえたと言っても、これはわからないのですから、そういうものを、利用している実態を抜きにして、指定整備工場をいろいろ考えてもこれは無理だろうと思うんですね。利用する者が無知なんでありますから、どこを取りました、どの部品を取りかえました、どこを締めましたと言っても、これは頼んだほうがわからないのでありますから、これを担保してくれるのは陸運事務所の車両の検査係でしょう。そこは書面だけで判押されてしまうのでありますから、利用者にすれば、これは不安きわまりない仕事だと思うんですね。今度それに輪をかけたように協会を設立するというのでありますから、われわれのような気が小さい者は、どうも協会でいいんだろうか、運輸大臣は安心して毎日寝ていられるんだろうかというふうに思うんです、協会にまかせた場合。これはなぜならば、指定終端工場実態が、業者がそう言うのでありますから、この点は何か担保する保証はありますか、あなた。
  28. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま先生のおっしゃいました指定整備事業の整備内容でございますが、この点につきまして私ども指導いたしておりますのは、先生御案内のように、整備をいたしますときに、ユーザーが備えつけることを義務づけられておりますところの定期点検整備記録簿、これを自分で自分の車について定期的に点検をする。それを記録にとっておく。そして整備工場に行きましたならば、そこの整備工場で持っておりますところの分解整備記録簿にこれを突き合わせまして、平生からこういう車はどういうところの点検整備をユーザーとして行なっておるかということ、それを参考にして、自分のほうが整備工場として整備をしたところ、あるいは頼みつけの工場でありますれば、いままでの来歴と申しますか、一つのカルテでございますので、そういうものをよく突き合わせて検査をするということが望ましいわけでございまして、そういう指導を私どもはいたしておるわけでございますが、先ほど来申し上げましたように、監査の結果等によりまして、それが十分行なわれていなくて、いわゆる先生のおっしゃる手抜き検査といいますかあるいは手抜き整備といいますか、そういう事例がままあるということについては、私どもこれを非常に残念に思っておるわけでございます。  したがいまして、いままでやっておりますようなそういう作業、車の使用状況に応じましてそれを定期的に点検をし整備をするということ、そしてその状態を把握した上で、整備工場のほうで整備をし、検査をするということが正しく行なわれますならば、ただいま先生の御指摘のような事例は、だんだんと減っていくであろうと私どもは信じております。したがいまして、そういう意味で、料金問題もさることながら、まずその前提といたしまして、整備内容について標準的な整備内容を確立していって、そして車の実態に応じた整備をするという指導を、さらに強化をいたしたいと思っております。  ただ、現在は、料金というものにつきましては、もちろん先生の御指摘になりましたように、これはいわば自由料金制でございまして、公定料金ではございません。また、現在の制度のもとにおきまして標準料金的なものを指導する、これはやり方によりましては、公取法等の問題もありますので、業界の自主的な措置、作業内容を先ほど言いましたような適正な作業内容にして、それに応じた適正な料金を取るという体制を維持したいと私どもは思っております。問題は、御指摘のような手抜き整備、あるいは手抜き検査というようなことがないように、さらに定期点検整備、そういうものの普及徹底をはかるとともに、検査員の活動を強化をして、そういうものを未然に防止するように指導していきたいと考えております。
  29. 久保三郎

    久保委員 局長の御答弁を聞いていると、たいへん失礼な言い方で申しわけないんですが、はっきりいって何にもやらないということになりはしませんか。私は利用者の一人なんです。〇だの△だの×をつけた定期点検記録簿なんというものを、たまに整備工場でくれますね。秘書が持ってきたものをときたま見ますが、今度車検のときにそれを持っていってやってもらうのだなんというのは、実際に私はよく知らないんです。大体、私のようなものが標準じゃないですか。局長はどうですか。局長委員会があったんで、いろいろお調べになって御答弁なさっているんじゃないですか。あなたは車をお持ちかどうか知りませんけれども、あなたも私と同じじゃないかと、私は見ているんです。私、この委員会の席にいらっしゃる方にすっと聞いてみて——私ども指定整備工場で車検をとってもらっています。陸運事務所には持っていきません。全くまかせっきりなんです。実際、安心してやってもらう。それで私はいいと思うんです。しかし、この場所でいま審議していることは、そういうものが安心してまかせられる整備工場体制づくりをいかにしていくかという問題だと思うんですね。いま御提案なさっているのは、いかに安全を確保するかということではありますが、言うならば、いまの指定整備工場で安心して検杏を受けられるかどうかはわからないというんです。そういう実態、これは全部じゃないと思いますよ。中にはりっぱなものがたくさんあると思うんです。しかし、万分の一がそういう不良工場で、たとえば取り消しを受けるような工場であっても、これはたいへんなことになると思うんですね。これが原因で人が死んでいったり、財産がなくなっていったりする、そういうことが当然あるわけですよね。  そういう意味からいうと、協会にやらせるというのは、何か運輸大臣権限を少し軽く見ていはしないか。もっとも軽自動車だから軽いのかもしれませんけれども。しかし、軽自動車でも普通の自動車でも、検査をするからには、やはり評価は同じでなくちゃいけないと思うのです。安全を確保するということですよ。保安基準を的確に守るということですよ。そこになぜ差異があるのか。協会でやらせる、指定整備工場でやらせる、直轄でやる、三つの方式があります。こういう制度のやり方が、自動車検査制度を非常に混乱させていはしないかということもあるわけであります。   〔委長長退席、箕輪委長代理着席〕 ただ、運輸省としては、検査要員を採ることは、現況では非常にむずかしい。しかし、自動車の検査はやらにゃいかん。だから便法として協会をつくるということに尽きるのではないかと思うんですね。便法も必要でありますが、制度自体が混乱することは、なお一そう困ると思うんですね。幾つにも分かれている。直接やる、指定工場にやらせる、協会にやらせるということでしょう。そういうものの考え方、これは自動車によって区別していると思う。そうですね。この中で共通しているのは何かというと、人手が足りないからということです。人手が足りないから指定工場でやらせる、協会でやらせる、あとはやむを得ず自分でやろう。こういう制度が残っておる。本元の測度がだんだんなしくずしになってきているところに問題があろうと思うのです。安全を確保するためには、やはり便宜主義であってはいけないと思うのですね。そこで、検査をやる主体性はだれが持つのかということです。検査の主体はだれか、これを一本ちゃんと確立しておかないと、この協会ができても、最後にはやはり指定整備工場と同じような結果が出はしないかと私は思うのですが、どうでしょう。
  30. 野村一彦

    野村政府委員 先ほどの私の答弁で、先生の後段に御指摘になりました点が抜けておりまして、まことに申しわけございませんでした。  今度軽自動車検査協会というものを設立して、これで三輪、四輪の軽自動車の検査をやろうといたしました趣旨は、結局、先生の御指摘もございましたように、分類的には、国がみずからやるものと、協会でやるものと、それから指定整備工場、これは普通自動車も軽自動車も共通で考えておるわけでございますが、私ども、従来検査対象になっております一般の普通自動車につきましては、現在、国がみずから検査をやるという制度、これを中心にして運用し、さらに、民間の自動車整備能力あるいは検査能力というものが最近非常に高まってきておりますので、これに対して国が厳重な指導監督のもとにその能力を活用するという制度をもっていけば、これは監督よろしきを得れば十分その目的を達成し得ると考えております。   〔箕輪委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、従来からの検査対象自動車につきましてはいまの体制でやっていきたい、そして将来は指定整備事業の活用を高めていくようにしたい。もちろん国自身の検査内容的にレベルアップをしていきたいということは当然考えておるわけでございます。  それから軽自動車でございますが、これは普通自動車に比べまして、先生御案内のように型式の数も少のうございます。したがいまして、その構造装置の面から、普通自動車に比べて非常に画一的なものが多い。そういうことから、国がこれに対して厳重な指事監督を行なってやれば、国がみずからやったと同じように検査目的を速成することができるというのが私どもの考えでございます。したがいまして、もちろん運輸大臣が法律に基づいて厳正な監督を実施いたしますとともに、具体的な個々の検査につきましては、これは協会が法律に基づいて委任された範囲内におきまして責任を負って実施をするということでございます。ですから、これは国がみずから行なうというのと同じような効果あるいは目的を持っておるというふうに私は考えるわけでございます。  ただ、この共通の点につきまして、人手不足の問題その他いろいろ先生から御指摘がございましたが、こういう点は国がやろうと協会でやろうと指定整備工場でやろうと、同じことでございます。それは、すなわち、第一は、自動車の保安基準というものは、全部共通の保安基準を使って、それによって検査をしていくということでございます。それから、自動車の構造装置の基本になります型式の指定につきましては、これは国がみずから型式指定をやるということでございます。国の責任においてやる。それから、指定整備工場の指定につきましては、これは以前の普通車の指定につきましても国がやっておると同じように、今後軽自動車が検査対象になりましても、その工場を指定するという指定行為は、協会にはまかせませんで国がみずからやる。こういうことでございまして、私どもは、この法律案にございますように、大臣の厳重な監督のもとに各地方陸運局が監督を厳重にやれば、国がみずから実施すると同じような効果といいますか目的を達成することができる、かように考えている次第でございます。
  31. 久保三郎

    久保委員 どうも話がかみ合わないようでありますから、先に行きましょう。私が申し上げたいのは、いま指定整備工場の例をとりましたが、指定整備工場の体質も弱い面があると思うのですね。だから、そういうものをそのままにしておいて、私が指摘したような問題だけを追及していくことも誤りかもしれません。むしろ、運輸省の仕事としては、指定整備工場をもっと健全な体質に育成していくということが必要なのでありまして、その中で何が大事かというと、繰り返し申し上げますが、いわゆる手抜き点検整備は一番困るということを中心にして体制を築くことが必要であると思います。そのための施策はありますかと、長い質問をしておるが、聞いておるわけです、実際は。それはいままであまりお出しになっておらないようですが、あらためて時間をもらって、ぜひ御回答いただきたいと思うのです。単にいままでの制度があるから、これでやっているので間違いありませんとか十分ですとかというのではなくて、事実ぼくが指摘するような問題があるのだから、これに対してやはり考えてもらわなければ困るということであります。  それから類推すれば、協会というところに逃げ込むことは、言うならばひきょうであろう。軽自動車の検査が必要だというのだから、どうしてじかで、自分の責任でやらないのでありますかと言いたいのであります。指定整備工場がりっぱなら別だが、そうではなさそうだというふうに思うからこそ言っているのであります。ですから、われわれはこの法案の改正については実際は疑問があります。しかし、軽自動車の検査は必要だと思っているのです。しかし、的確に安全性を担保できないような制度をつくってみてもしかたがないのではないかなという気持ちも、実は持つわけであります。もっとも、やらないよりはましかもしれません。そういうことも世間で言う人があります。そうであってはいけないのですね、安全だけは。以上申しあげましたが、そういうことを中心に考えております。  それから次へ行きましょう。それでは、この整備工場の共同化という問題が昨年の国会で一応法律改正がありましたが、これはどなたかが質問されたかと思うのでありますが、その進捗状況はどうなんですか。大体これは前進があるのかないのか、法律改正して。しかも、いろいろな問題をここで真剣に討議して一応の結論を得て、全会一致で上げたと思うのですね。これは結果は、成績はどうなのか。
  32. 野村一彦

    野村政府委員 整備事業の共同化、協業化の推進につきましては、昨年来いろいろとこの委員会でも御質疑があり、また御意見の表明がございました。私どもそれを受けまして施策をやっておるわけでございますが、まず基本的な考え方といたしましては、あのときに申し上げましたわけでございますが、中小企業近代化基本計画というものにのっとりまして、整備事業の構造改善事業としての指定をこれは受けておるわけでございます。したがいまして、現在四十六年十一月に構造改善計画の承認を受けまして、そして四十七年度にいま計画を作成をするということでやっております。そして、その計画の内容につきましては、先生指摘の組合、特に中小零細企業の協業化、共同化を進めていく。そうして、それに必要な長期低利の資金を導入するというようなことをいまやっておるわけでございます。そして、その後、昨年来の御質問後今日まで、それがもとになってどの程度の共同化ができたかということは、なかなか数字の上では私どもちょっとはっきりいたしませんけれども、共同化、協業化の方向に向かって相当構造改善の指定を受けて、業界全体がかなり足並みをそろえて進んでおるということは申し上げられると思います。ただ中にはいろいろと中小企業のことでございますから、設備の面におきましても、また協業化、共同化をするということにつきましては、事業の認証が各事業単位になっておるというようなことから、なかなかそこには営業上の理由から必ずしも賛意を表せられない方々もございますが、全体の方向としては構造改善事業の指定を受けて、それでもって業界の近代化を進めるという方向にやっておるということはいえると思います。なお、個々の点につきましてはまだ今後十分指導しなければならない余地が相当残されておるということが実情でございます。
  33. 久保三郎

    久保委員 構造改善のお話が出ましたが、それを通して協業化、共同化をやっていくということは、実態を把握しておらないようであります。それは非常に残念ですね。実態を把握しているのですか。——それではあとから……。  それはそれで実態がおわかりならばお知らせをいただきたいのでありますが、構造改善にからんでちょっとお尋ねしたいのは、近代化から構造改善に移りまして、融資その他のめんどうを見ておると思うのですね。そうですね。そういうものはどの程度活用されておるのか、あるいは融資の条件というのはどんなものか、簡単にお知らせいただきたい。たとえば条件はどんなものか、あるいは税制上のめんどうはどういうふうに見ておるのか、おわかりでしょうか。  それから続いて、構造改善事業等にとってもあるいは協業化、共同化にとっても、どこで御指導なさっておるか知りませんが、業界団体を通してやっておるのか知りませんけれども指導はそう的確に熱心にやっておるとは思えないですね。ある特定の業者が困りに困って相談して、それで、いやこんなのございますくらいでやっておるのが多いのじゃないか。積極的に、おまえの業態からいえばこういう方法があるから、こういうものに乗せてやっていけば構造改善でもっと進展があると、こういうように指導していないのじゃないですか、また指導する体制になっていないのじゃないですか、そういう方向は残念ながら。業界を通しては、あるいは多少やっておるかもしれませんが、実態はどうですか。
  34. 野村一彦

    野村政府委員 中小企業の近代化施設といたしまして、運輸省としても通産省と連絡をとりましていろいろやっております。しかしその中で先生指摘のように、中小企業対策全体の問題点というのがまだいろいろあるわけでございますが、運輸省の企業の中で、まず第一次の近代化をやりまして、それを終わりまして構造改善へ進んだというのは、実はこの自動車分解整備事業だけでございまして、トラックとか港湾運送とか運輸省のほかの業態もいろいろございますけれども、ともかく第三段階の構造改善事業まで踏み込んだということにつきましては、私どもは業界全体の盛り上がる自覚というものがかなりあると思っております。  それからこれに対する指導といたしましては、全国的には整備振興会が中心になりまして、各地区の整備振興会が整備業者指導して、また整備業の中にあります協同組合等を軸にしてこの構造改善を推進させておるということでございます。  具体的な融資条件その他につきましては整備部長から説明させます。
  35. 隅田豊

    隅田説明員 こまかい点、ちょっと私から申し上げます。  まず、その前に、実態を把握しておらないという先生のお話でございますが、若干補足させていただきたいと思います。  先ほど局長説明いたしましたのは、四十六年度につきましてまだ十分数字的なものはあがっておらないという意味でございます。と申しますのは、法律改正をしてある程度若干やり方を広げましたものですから、そういうものの成り立ちにはちょっと時間がかかりますので、その姿としてそういうものが数字としてあがってきておらないわけでございます。四十五年を例にして申し上げますと、協業組合はすでに全国に二十五できております。協同組合について申しますと三百十六できております。ここら辺を利用いたしましてわれわれとしては行政の措置を進めておるわけであります。  それから金融制度の問題でございますが、これは詳しく申し上げると非常に長々となりますので、ごく大ざっぱに言わせていただきますが、中小企業近代化促進法関係、ことに構造改善事業関係、それぞれ中小企業庁の担当でありますが、低利の政府資金あるいは無利子の政府資金、各種ございます。それぞれ事業者申請に合わせながら、地元の、要するに中小企業庁関係の出先のルートと、それから私たちの陸運事秘所の整備課とで、両方相まちながら融資のあっせんその他をやります。具体的な問題をやりますと非常に膨大になりますので、もし御質問があれば御説明いたします。
  36. 久保三郎

    久保委員 一つだけでいいですから、融資条件はどんなふうになっているのですか。
  37. 隅田豊

    隅田説明員 融資の条件、いろいろな場合がございますので、そのそれぞれについての問題になるのですが、たとえば中小企業間度化資金融資制度を例にして申し上げますと、工場共同化事業と申しまして共同工場建設資金を貸すような制度でございまして、これになりますと、貸し付け対象者は二十人以下の中小企業が集まっている協同組合ないし協業組合でございますが、それで融資条件といたしましてはこの場合には所要資金の八〇%を貸します。利率はゼロでございます。それで期間は二年以内の据え置きで、十六年以内の償還、こういう形になっておりまして、この仕事は窓口としては県の商工部が扱う。たとえば一例を申し上げますと以上であります。
  38. 久保三郎

    久保委員 それじゃ全体の四十五年度で構造改善、近代化、そういう資金はどの程度整備事業は使っているかわかりますか、参考のために。——こまかいからあとで資料ください。その事業種別というか貸し付け対象別の資金ですね。そういうものをください。  次に、今度の提案されている中での、これもどなたか質問されているかもしれませんが、軽自動車の検査員の資格要件は政令でおきめになるそうでありますが、その政令の内容はおおむねどんなものでありますか。
  39. 隅田豊

    隅田説明員 私からお答えさせていただきます。  軽自動車の検査員の資格要件といたしましては、これは国の自動車検査官、あるいは指定整備工場がやっております検査員、これと大体質的には同じようになると考えております。経験年数をある程度定めまして、たとえば自動車の検査に関しまして五年以上の経験を有するというようなものについて考えていきたい。あと、こういうものに同等のように並ぶものを列挙いたしまして考えていきたいと考えております。
  40. 久保三郎

    久保委員 次に、自動車のメーカーには特に安全性確保のために品質管理の適正的確というか、そういうものを要求したり、あるいは耐久試験体制拡充強化を要求しているわけでありますが、具体的には最近はどういう要求をしているのですか。
  41. 隅田豊

    隅田説明員 自動車のメーカーに対しまして型式指定の際にどういうデータを要求しているかというお話と思いますが、耐久試験につきましては、先ほど、先年来の欠陥車騒ぎ以降制度改正をいたしました結果で、車によりますが、三万キロないし二万キロの耐久試験をやったあとの車を一応審査に出させる、もちろん新車も出させますが、という条件をつけております。これによって耐久試験の結果の状況というものを審査の際に参考にしていく、こういうことを考えております。  それから部品によりましては定期的な交換制度、こういうもの定期整備の基準の中で考えております。
  42. 久保三郎

    久保委員 わかりました。  この整備業者のほうからの欠陥車を発見したときの届け出でありますが、そういう届け出は今日までどの程度件数があって、その対応策というか、対策としては具体的にはこまかい点があると思うのでありますが、いずれにしても発見して報告があるわけですね。そういう制度ができてから今日までたくさんございましたか。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
  43. 隅田豊

    隅田説明員 欠陥車につきまして整備業者が一番最初に発見をして通知をしてきたという例は残念ながらまだございません。ただ整備業者が自分の経験として、どうも若干こういう問題があるのではないかというような意味でわれわれのほうに非公式な通報をしてきたという例は若干ございます。それはわれわれとしては公式の通報としては考えておりませんので、統計上の数字は持っておりませんが、そういうことを耳にいたしますとすぐメーカーを呼んで実態を調べていくという形をとっております。
  44. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、実際は整備業者から欠陥車を発見することはなかなかむずかしいということになりますか。発見しても、こういう疑いがあるということですが、まあ言いよう、ことばの使いようでは、これはちょっと公表はできないけれども、どうもこの車おかしいですよ、この辺が、というようなことだろうと思うんですね。そういう発見したらば報告をしてもらいたいということを——実際に発見するチャンスを持っているのは整備業者などが多いと思うのです。あるいは乗っている者ですね。ところがそういうところであまり正式に発見されて報告されないということは、見ようによっては安全性を担保するのにちょっと足りないのではなかろうかというふうに思う。これはどういうふうにしますか。
  45. 隅田豊

    隅田説明員 ちょっとことばが足りないで申しわけありません。整備業者が発見をしないという意味じゃないのでございますが、何となくふぐあいのような感じはいたしましても、技術的に見てこれを欠陥車ときめつけることが整備業者のレベルではなかなかむずかしいということでございます。そういう意味で、通報はいろいろございますが、正直申し上げまして通報のあったものの大部分は欠陥車ではございません。やはりそのときそのときの別の原因とかいろいろなものとして解決のつくものであります。欠陥車として取り上げなければならぬものはそのうちのごく一部になっております。その意味で先ほど申し上げたように、多分そういうことではないだろうかという意味の通報が出てくるが、欠陥車としての統計的数字を持っていないということを申し上げたわけでございます。
  46. 久保三郎

    久保委員 わかりました。なかなかむずかしいところでありますが、言うならば、どうしたらば発見できるかということに精を出してほしいのです。実際は出ないほうがいいんですよ。しかしあなたたちの役目は発見する役目だろうと思うんですね。だからその辺のところを私は言いにくいけれども申し上げているわけなのであります。  それから、先ほど私はそんなことを申し上げましたが、使用者の一人として整備点検の問題であります。整備点検を使用者はやることになっていますね。ところがその整備点検の実績というのは実際どの程度になっているのですか。完全に励行されているのでしょうか、どうでしょう。
  47. 隅田豊

    隅田説明員 定期点検整備についての実態調査の数字はございまして、これは検査をやっております普通の自動車と、今度検査対象にする軽自動車との差がございまして、軽自動車で申しますと六七%くらいの実施率になっております。普通の車ですとこれが七五%くらいになっております。
  48. 久保三郎

    久保委員 これも定時点検の記録を読む読まぬは別にして、ぼくのように、読まぬでも、少なくとも法律にきめられた定時点検が七〇何%では使用者としての資格はないと私は思うのです。もう少しこれを強制する手段、方法を考えるべきだと思うんですね。使用するからにはやはりその責任を持ってもらうということです。わけのわからぬ車を乗り回されてはたまったものではないですよ。これはどうなんです。
  49. 野村一彦

    野村政府委員 定期点検整備は法律によって義務づけられておりますが、先生のおっしゃるように強制力はないということは、これは残念ながら現在罰則がないわけでございます。したがいまして、義務づけてはおりますけれども、いま整備部長が申し上げましたようなパーセンテージで、まだ普通車については二五%ほどこれを怠っているということでございます。現段階におきましては、ユーザー団体それから整備振興会等と連絡をとりまして、そしてステッカー運動等をやって、定期点検整備をしたものは車にステッカーを張る。そしてそれが外部からよく見えるというふうなことによって、行政指導で励行をやっておりまして、これは警察等にもいろいろ協力をしていただいて推進をしておりますが、罰則がないという点については、先生指摘のように、非常に強制力として弱いと思います。ただこれが罰則の対象になり得るかどうか、これは純法律的にいろいろ問題もあろうかと思いますが、私どもこれを強力に推進するための一環として、今後その問題についての研究を進めてまいりたいとは思っておりますが、現在は行政指導ということでやっておる状況でございます。
  50. 久保三郎

    久保委員 罰則をつけろという意味ばかりではないのです。義務づけてきちんとさせるためには、罰則ばかりで担保するわけじゃなくて、その他の方法は幾らでもあると思うのですね。そういうものにもう少し目を向けてもらわなければ困るということです。ユーザー団体なんといったって、私らはユーザーの一人かもしれませんが、あまり団体に関係してないのですね。だから、団体というのはそうたよりにばかりならないのじゃないですか。どうなんですか。やっぱりもう少し考えて、ユーザー団体に励行してくださいという通達を流せば、みんなユーザーはその通達をもらって整備点検をするというふうにお考えだとするならば、これは非常に実態とは違うようでありますから、その辺のところももり少し考えてもらいたい、こういうことです。新たなくふうを考えたらどうですか。いかがです。
  51. 野村一彦

    野村政府委員 確かに先生指摘のように、私ども現在行政指導といたしましてステッカー運動をやっておりますし、それから検査の際に定期点検整備記録というものをチェックするということをやっております。また、ユーザー団体にこれをいろいろ通達をして実施をやりましても、これは任意加盟でございますので、必ずしもその徹底を期しがたいということは御指摘のとおりでございますが、最近定期点検整備重要性というものにつきましても、いろいろと各方面から指摘がございますし、私どもさらにこれを効果的に進めるということでやりたいと思いますので、ただいま先生のいろいろの御指摘、これを十分参考にさせていただきまして、さらに強力な措置を講じたいと思います。
  52. 久保三郎

    久保委員 一々聞き流しているようでありますが、約束されたと思って聞いておりますが、よろしゅうございましょうか。
  53. 野村一彦

    野村政府委員 はい。
  54. 久保三郎

    久保委員 型式指定の際に、長距離走行を行なった自動車の提示を求めるという制度ができて二年ほどになりますね。これは実績としてはどうなんですか。その実績というのは、届け出が何件あって、そこで欠陥があったかないかの問題です。これはこまかい数字は別として、それによって欠陥を発見したり、あるいは改善命令を出さなければならなかったことが数多くあるのかないのか、そういうものが効果があるのかないのか、そういういわゆる長距離走行をして提示をさせるという制度は効果があるかどうか、それを聞きたいのです。
  55. 隅田豊

    隅田説明員 実際に私たちのところへ届け出てくる段階におきましては、走行テストは全部済んで、欠陥を直した形で出てまいりますので、その点においては実は申請があった段階でそれにけちがつくということはございません。ただ、われわれのほうといたしましても、一応検査の段階で各メーカーに直接参って、型式指定のメーカーにおけるやり方につきましても監査をやっております。このときには耐久試験結果のデータというものも若干調べますので、そういうときには、こういう車についてこういう問題があって、こう直されたということを指摘している事実があったという場合はあります。
  56. 久保三郎

    久保委員 ぼくが勉強不足でたいへん申しわけない質問をしたと思いますが、これは型式検査をして、それで長距離走行のテストをして、そのあと持ってくるわけですな。いまのお話ではそうですね。
  57. 隅田豊

    隅田説明員 型式指定の前に、済ましてから、よくなったものを持ってくるという……。
  58. 久保三郎

    久保委員 そういう制度も必要かもしれませんが、私がこれを読んで想像したのは、型式証明でユーザーの手元に持っていく、そうしてある一定期間これを使用したあとこれを提示させるという制度があるのかと思って、ないとすればこれはやはり考えてもらいたい。自動車の試験場あたりで何万キロ走ってみても、これは条件が違いますからね。だから私は、前もってどの車という指定はしないでもいいけれども、型式証明した場合の番号を、エンジン番号をとっておくなりして、それを追跡して、一年後なら一年後、二年後なら二年後にそれを引き揚げて見るという制度でやはり安全を確保する制度はどうだろうか、その実績があるのかと思って実はお尋ねしたのでありますが、それはないのですね。そういう制度はありませんね。どうなんです。私はそういうふうなことを考えていたのですが、そうすればメーカーにしても、これは改善の土台になると思うのですよ。自動車の試験場で試験するよりは、もっと実態に即した試験をしたあとでこれは見るのでありますから、安全性の問題ばかりじゃなくて、その他の問題からいっても、できるならば、ユーザーに記録をとらせれば一番いい、そういうことも考えてみたらどうかと思うのだが、いかがでしょう。
  59. 隅田豊

    隅田説明員 御指摘の意味は、すでに型式指定になって世の中に走り出した車についての追跡テストを国の立場でやるべきではないかという御指摘だと思いますが、たしかにわれわれとしてもそういうデータはほしいところでございますので、何らかの方法でその追跡試験をやるといいますか、それのデータをとるということを考えてみたいと思います。
  60. 久保三郎

    久保委員 次に車の一部であるタイヤですね、タイヤの安全性については特別な議論をしたことが過去においてあるのでありますが、その後、タイヤの安全性については、欠陥タイヤというものはあまり見当たりませんか、いかがですか。
  61. 隅田豊

    隅田説明員 タイヤにつきまして、特に欠陥タイヤというものはあまり見当たっておりません。
  62. 久保三郎

    久保委員 メーカーの責任であるかどうかは別にして、最近高速道路においてタイヤの欠陥によるところの事故が非常に多いというふうに私らは承知している。この点については、もう少しメーカーの段階から使用の段階に至るまで、タイヤの検討を重ねるべきだと思うのだが、これはあなたのほうの交通安全公害研究所の研究テーマにはなってはいないのですね。これは科学技術庁の科学技術研究所か何か、そういうところの研究課題ですか、どっちです。
  63. 隅田豊

    隅田説明員 まずその前段のほうでございますが、私が申し上げました意味は、メーカーの製作段階に起因するような意味での欠陥というふうな意味で申し上げたわけであります。もちろん、ユーザーの段階におきまして、タイヤが高速走行中非常に大きな意味を持ってくる、これは御指摘のとおりでございます。タイヤのそういう問題につきましての研究につきましては、これは運輸省の研究所でも全然してないわけではございません。またもちろん通産省の機械試験所、その他財団法人の日本自動車研究所、いろいろな研究所でこれはやっております。それぞれ連携をとりながらやってまいりたいと思いますが、研究所だけでなく、先生のいま言われるようなユーザー段階においてのこれも、どういう状態になっているかという意味の、追跡的な意味でわれわれはやっていきたいと思います。
  64. 久保三郎

    久保委員 メーカーの段階での欠陥タイヤというのはあまりないというお話なんですが、それはわからないのじゃないですか。実際は使用の段階になってみなければタイヤというのは——車だってそうですよ、車体構造の装置だって同じじゃないですか。使用の段階になってみて初めて欠陥というのはわかるのじゃないですか。だから、ユーザーの責任あるのかメーカーの責任であるのかわからないものがタイヤの中には一つあるということなんです。車体のほう、エンジンとかそういうところは、大体ユーザーあるいはメーカーというのは、責任の分界がやや明確だと私は思うのです。タイヤだけはどうもメーカーにすっきりとはなっていないのではないか。そういうものの研究、別に責任の研究をしろという意味じゃないのですよ、これはもう少しこのタイヤについては検討を要する時期だと思うのですね、これは道路の構造も質が違っているのですから。だから、そういうものを考え合わせて、やはりタイヤについては、もちろんタイヤメーカーは幾つもありませんから、これらはそれぞれ研究をしていると思うのでありますが、もう少しタイヤについても、この安全性について目を向ける必要がある、こういうふうに私は思うのであります。  字間もありませんから先へ行きますが、次は交通安全公害研究所であります。これは今日どういうテーマを研究課題にしていますか、研究は。
  65. 隅田豊

    隅田説明員 運輸省の交通安全公害研究所が現在研究項目としてやっておりまするものを、四十七年度に実施する予定のものを、御説明申し上げたいと思います。  まず第一は、高速走行時の安全な走行維持に関する研究。第二は、灯火の性能向上及びげん惑防止に関する研究。第三は、自動車排出ガスの測定法並びに評価試験方法に関する研究。第四は、自動車の騒音源の防止に関する研究。以上がいわゆる特別研究上項目と称するものでございます。  もちろん、一般的な意味での研究は、それ以外に続けてやっております。
  66. 久保三郎

    久保委員 わかりました。当面の課題は騒音や排気ガスだろうと思うのでありますが、そのほかにもう少しやはり自動車自体の安全性について、業者というか、メーカー、メーカーで研究をしているだろうと思うのでありますが、やはり安全性全体についてももう少しやってもらいたいという気持ちも持っているわけです。  それからもう一つは、そういう研究以外に、実務に即したものもやってもらいたい。これは前にも自動車局長にもお尋ねしましたが、過積載の問題があるんですね。いわゆる車の積載過重の問題があるわけです。これはいろいろな問題を引き起こしているわけですね。運賃ダンピングから始まり、労働過重、それから輸送秩序の混乱、事故、公害、ありとあらゆるものの根源になっているわけなんであります。これを規制しなければ、単に自動車のいまあげた問題を解決できないばかりではなくて、貨物輸送全体の輸送秩序を維持することができない。総合交通体系などをいろいろつくられておりますけれども、あの交通体系の前に、これが野放しになっている限りは、これは百日の説法何とか一つということになるようなものがあると思うんですね。この過積載防止のための装置を開発して研究してもらいたいと思っているんだが、これはまずどういうふうにやっておりますか。
  67. 隅田豊

    隅田説明員 過積載防止の機械といたしましては、いまはかりを自動車の中に組み込むことが考えられております。これにつきましては、現在ダンプにつきましてはすでに装着が義務づけられているのでございますが、実行上なかなか精度がうまくいきませんで、あまりいい効果をあげておりません。それでわれわれといたしましては、この大型貨物自動車の過積載防止装置に関しまして、学識経験者、それに研究所の者、もちろんわれわれ行政担当も入りまして委員会をつくりまして、それでこの自重計につきましていいものをつくろうということで、目下委員会で検討中でございますが、現在までのところ、実は残念ながら、まだこういう形でやったらいいだろうという結論を得ておりません。  以上でございます。   〔「二年間、ちっとも答弁変わらぬじゃないか。二年間そう言っているじゃないか」と呼ぶ者あり〕
  68. 久保三郎

    久保委員 研究を続けていくというけれども、頭のいい人間がいまたくさん世の中にはいるんですよ。それがどうして、二年間も研究を続けているだけで結論を得ないというのはどういうわけなんですかね。部長、どこで研究をさせているんですか。
  69. 隅田豊

    隅田説明員 技術的な問題といたしまして非常にむずかしいところがあって、これがどうしても基本的に解決ができないでいるわけでございます。遊んでいるわけじゃないのでございますが、自動車という、何と申しますか、一つのバネの上に載っかった振動体にはかりを載せまして、それで自動的にはかろうということになりますと、走行中の振動条件その他自動車という非常に複雑な運動をするものの影響がすべてバネに、はかりにかかってまいります。はかりと申しますものは、静かなところで安定して使う限りは、これはかなりの精度をもって使うことはそうむずかしいことではございません。ああいう動き回るものの中へそういうものを装着するということにつきましては非常にむずかしさがございます。それが最大の問題でございまして、結局その点がいまだに解決がつかない。確かに御指摘のとおり長いこと研究はしているのでございますが、かなりいろいろなアイデアも出し試作も出しているのでございますが、いまのところこれをやろうといたしますと、どうしても自動車をとめた状態で、しかも自動車を一ぺん、何と申しますか、自動車のバネみたいなものを切り離した形、そういうものの影響を受けない形、要するにもっといいますと、自動車をささえたもの、そのささえのところに、はかりを設けるということでもやれば、これは普通のはかりと全然同じ状態になりますので可能かと思いますが、そうなりますと、これは自動車自体といろいろな面で競合してまいるわけでございます。いまのところ、そういう意味で非常にむずかしいところがあるということを御了解願いたいと思います。
  70. 久保三郎

    久保委員 これはたいへんむずかしい装置だろうと思います。しかしそれは、私はそう正確でなくてもいいと思うのです。と言ったらたいへん語弊がありますが、あるアローアンスをもってやればそれでいいと私は思うんですよ。それを規則なら規則できめればそのとおりになるのでありますから、これはそれでいいと思うのです。  それからもう一つの方法は、大体ダンプで輸送するものとすれば、これは米や砂糖をダンプじゃ輸送しないんですね。言うなら土砂、砂利、石、そういうものなんですね。だからおのずから自動車の形態なり積載トン数のものによって、運ぶものがある程度限定されるわけですよ。そうだとするならば、容積と重量との関係を割り出して、これは何か方法はないものかということですね。苦肉の策ですがね、実際は。だからダンプは、たとえば側板一ぱいで何トンであるというのは、大体砂利とかそういうものはわかるわけですから、それを上に上げてさらに山に積んでいけば、これは何倍か、見ただけでもわかるのでありますが、いまの警察は、はかりにかけなければ取り締まれないというんですね。おもしろいですね。見た目じゃ、これは三倍にもなっているというのに、はかりがなければ取り締まりができないという、これがいわゆる法匪国の悩みだろうと思うのです。実際にはこれは三倍くらい積んでいる。ところがそこに重量計がないものですから、積載オーバーじゃないか、いやオーバーしていませんと言うとそれきりだというので取り締まれない。笑い話のような話も聞きますが、こういうことをいまだ続けているのは三等国以下だと私は思うんですね。いまのような装置をとにかく考えてみたらどうか。  それからもう一つは、これは自動車局長に、運輸行政の問題から、機械装置で取り締まるものも一つかもしれませんが、取り締まりの機構はどうするのかという問題がある。彼らが正確な自分の車の重量に応じて荷物を積むんだというふうに、それで商売がうまくいけばよけいなものは積まぬで済むんですよ、うまくいかないところに問題があるんですね。貨物課長来ているかな。——局長がいらっしゃるから……。何べんも言っているんだが、トラックの輸送秩序を維持するためにあらゆる手段、方法を考え出せと言っているのです。たとえばこれは去年でありますか、おととしか知りませんが、通達を出しましたが、言うなら区域トラックの問題ですね。これは一面ではなるほどという理屈はありますが、反面これでは何も問題を解決する方法にはならない。むしろ混乱する。私はあの通達はそれはそれなりに評価はしますよ。評価はしますが、あれよりももっとやらなければならないのは輸送秩序をどう維持するかの問題ですよ。区域のトラックにしても路線トラックにしても、やろうとすればできるのです。ところがいまだかってやったためしがないのです。自由にやらせている。それで取り締まりはできないというのですね。実際に取り締まりはできない。この前の御答弁でわかった。  あらためてお聞きしますが、機械装置の問題は、整備部長、いま申し上げたことも含めて検討して、早い時期に、ある程度正確でなくてもいいのです。これははっきりいえば約束事ですから、この針が曲がったらだめ、ピンと立っていればいい。一つの約束事ですから、私はそれでいいと思うのです。日本全国それならば。差別があってはだめですがね。  自動車局長お尋ねしたいのは、輸送秩序の維持を真剣に考える時期なんだが、何か考えつつあるのかどうなのか、ひとつお尋ねしたい。
  71. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま先生指摘になりましたように、過積載につきましては基本的な原因があると思います。これはもちろん技術開発の面を進めて測量の精度の向上をはかることも当然でございますが、前々回からいろいろ先生からも御指摘があり、またほかの先生方からも御質問がございましたのですが、基本的にはやはり率直な事実といたしまして、トラック事業者が荷主に対して経済的に弱い立場にあるというようなことが私は一つの原因であろうかと思います。したがいまして、本来ならばそういう過積載とかいうことがないように、もし荷主が不当な要求をする場合にはそれをはねつけて、そしていつも正常な積載をするというようにしなければならないことは当然でございますが、それがなかなかできないというこの基本的な立場、これを私は何とかして業界全体の力でもって、荷主に対する経済的な地位の向上と申しますか、トラック業者の立場を強化するということを、私ども機会あるごとにいろいろと指導しておるわけでございますが、なかなかこれはむずかしい問題でございまして、残念ながらまだ荷主に対するトラック業者の地位というものは非常に弱くて、基本的に不当な要求を拒否できないという立場、これはもう率直に私どももまず第一に認めざるを得ません。これは何とか是正をしたいというふうに思っております。  それから第二は、それと関連があることでございますが、運賃の立て方の問題でございまして、従来は一トン幾らという立て方でございましたのが、今度は車両立てになりまして、荷トン車両幾らといり通貨の立て方をとっております。したがいまして、いままでは一トンでも多く積めばそれだけの運賃をかせげるということで、無理をして、荷主の圧力もあったかわかりませんがトラック業者のほうとしても無理をして、よけいに荷物を積むというような現象があったかと思います。しかしながら現在の制度のもとにおきましては、四トン車については四トン全部積まなくても四トン分の運賃が払われるというたてまえになっておりますから、いまでは制度上は、もっと強い立場であれば、そういう運賃の立て方を利用して、正常な荷物の量を積み正常な運賃を受領するというたてまえになっておるわけですけれども、それが冒頭申し上げましたような基本的事情と相まってなかなかダンピングが防止できないという状況、それがひいては過積載を来たすということであると思います。先生のおっしゃるように、私どもやはり運送秩序の維持ということは、安全面の問題から見ましても非常に重要なことでございまして、そのためにはやはり基本的にはトラック事業者というものの荷主に対する地位の強化、これは先生御案内のように、たとえば内航海運とか港湾運送とかにおいても同様な現象があるわけでございますので、こういう中小企業の多いトラック事業者について、基本的にはやはりその地位の強化をはかるというような方向で——それは一方、独立して十分荷主の要望に応じ得るような体制をとるという、やはり構造改善に連なる問題であろうかと思いますが、現状は残念ながらそういう事実が非常に多いということでございまして、この点については今後ともさらに私ども自粛して努力をしなければならないと考えております。
  72. 久保三郎

    久保委員 局長、今度は四トンの車なら三トン積んでも四トン分取れるようにしました……。ずいぶん甘い話じゃないですか、私の話しているところと違って。そんな取れる実態にないから困っているんですよ。ダンピングがなくなりますなんて、そんなことはないですよ。四トンの軍で四トンが取れなくて困っている。四トン取るのには十二トン——十二トンまで積まないかもしれませんが、十トンくらい積むのです。そういうのがあるのですよ。だから、いままでは積んだ荷物の量で運賃を取った。今度は使う車のトン数で料金を取る。これはいまの実態からいうと五十歩百歩です。いまの実態は、それで、業界の輸送秩序、運貨の秩序というか、そういうものは決して守れませんよ。これは、そういう小手先と言っては語弊がありますが、そういうことではなかなかむずかしいのじゃないですか。あなたもおっしゃるように、内航海運の制度とか、いろいろおっしゃいましたが、そういう制度も見習いながらやるべきだろう、私は年来主張しているわけです。あなたがおっしゃったように、トラック屋は荷主に対して弱い立場にあるから、弱い立場はどうしたらいいのか。これは団結させる以外にないのですよ。これはものの原理です。それを全然手をつけずに、四トンの車に積めば四トンの車の代金はもらえるのですという制度改正で秩序が維持できると思ったら、これは大きな間違いだと思います。団結を強化させなければいけない、組織をさせなければいけないのですよ。それと同時にトラックの輸送分野というものをきちんと整理するということが制度上必要があるのです。そうしないから結局ダンピング、輸送サービスの面でのダンピングをするわけです。運賃ダンピングもする。そこで結局輸送界全体の秩序が混乱するということじゃないのですか。  長い話をしてもしかたがありませんから、いつかも約束されたと思いますが、どうなんです、せめて自動車局の中でもいいですから、トラックの輸送秩序をいかにして守らせるか、あらゆる角度から、ほかの省庁の御助力も得られれば得たほうがいい。建設省もそうだろう、自治省も、自治省というより警察庁もそうだろう。そういうものも得ながら、ひとつ、どうですか、検討する組織をつくってやりだす考えはありませんか。何べん聞いても同じこと答弁されたので、どうも前進がないのですが、当委員会、いま重要な問題をかかえておりますから、これは提案はしませんが、われわれは後刻この委員会でもこの問題で一ぺん、小委員会をつくるなり何なりして検討を加えてもらいたいと思っているのです、実際は。そのときになってから、運輸省があとから来るようではちょっとぐあいが悪いんじゃないですか。どうですか。これを機会にひとつお考えをいただきたい。
  73. 野村一彦

    野村政府委員 先生の御指摘のように、基本的に過積載を防止する、あるいはダンピングを防止する、さらにそういう輸送秩序を確立するということにつきましては、業者の共同化、協業化を含む基盤の強化をはかりますとともに、また実際に街頭において違反のものを取り締まるというようなことで警察関係の御助力も要るわけでございます。また荷主関係の協力も要ります。そういうことで、むしろ私どもから呼びかけまして、関係省庁の御協力を得て、輸送秩序を確立するための方策を検討する会合を持って前進的にやりたいという意欲は十分持っておりますので、御指摘の線については努力をしたいというふうに考えております。
  74. 久保三郎

    久保委員 それからトラック協会というのがあるそうですね。これは何をやっている団体なんですか。業界の意見も一ぺんこの委員会でも聞かなければならないと思うのですが、この協会は何をやっている団体なんですか。私はよくがまんしてこの団体をやっているなと思っているわけです。もっとも大手が大体支配しているのならば、あんまり痛痒を感じない。この協会の指導は自動車局ですか。これはどんなことをやっているのです。参考のためにこの際ちょっと聞かしてください。
  75. 野村一彦

    野村政府委員 トラック協会が各地にいろいろございますが、全国には全協と普通言っております全日本トラック協会というものがございます。これはもちろん普通のバス協会とかその他と同じように事業者の団体でございまして、事業者の共通の立場をいろいろと守るための業界の近代化あるいはその構造改善の問題を含む業務の改善、それからいろいろの施策について、運賃政策についての研究、そういうような問題について、いわゆる事業者団体としての活動をするようになっております。ただ、ただいま先生から御指摘ございましたが、現在のトラック協会といいますのは、全国的に見まして、従来いろいろの団体がございましたのを二、三年前ですか、全国的に一本にまとまりまして、いわゆる全ト協というものができ上がりました。残念ながら、まだ全体の活動というものが、非常に会員が多く、また業種も非常に多うございまして、必ずしもしっくりした活動が行なわれていないという実情でございますので、実は先般、十日か二週間くらい前だと思いますが、私の名前をもちまして監査をいたしました結果に基づいて、もっと活動を強化しなさい、それから事務体制をもっと強化しなさい、それから構造改善事業その他の業界の近代化のための研究、努力、施策というようなものをもっと活発化するようにという文書をもちまして、全ト協の会長あてに一つの要望を相当強くやりました。御指摘のようにいままでの活動状況については私自身もかなり不満を持っておりますので、ひとつ今後その活動をさらに強化するような方向で指導をしたいというふうに考えております。
  76. 久保三郎

    久保委員 質問を終わりますが、資料要求をしたい。  その全ト協という何か聞いたことがあまりないような名前ですが、全ト協なるものの業務報告ですね、それと役員のメンバーとかいうようなもの、それからあなたが監査した結果、それに基づく勧告ですか指導要綱か知りませんが、あとでいただきたいと思います。  質問を終わります。
  77. 細田吉藏

    細田委員長代理 午後三時から再開することとし、この際暫時休憩いたします。    午後零時十三分休憩      ————◇—————    午後三時二十四分開議
  78. 小峯柳多

    小峯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。田中昭二君。
  79. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 ただいま提案になっております道路運送車両法の一部を改正する法律案でございますが、これはいわゆる車検行政の問題でございます。この提案理由説明を読んでまいりますと、まず軽自動車の保有台数が著しく増加した、こういうことが基本になっておると思うのですが、車検制度が必要であると同時に、私は、こういう検査協会を設立して、そしていままで車検を行なってなかった車に対して新しく車検を行なうということであるならば、その客観情勢といいますか、それからそれが行なわれた場合にどういうことを目標にしておるのか、また効果があるのか、こういう点を中心にまずお尋ねしたいと思います。  そこで、提案理由説明でございますが、「軽自動車につきましては、従来、整備不良による事故率が一般車に比して小さかったこと」これは次にいたしまして、その次でございますが、「軽自動車の保有台数が少なかったこと等の理由から検査を実施せず、主として」云々、こうございます。その次には「軽自動車の保有台数の増加が著しく、約六百万台に達しており」このようにありますが、この客観情勢の把握が、私はこの提案理由説明から見まして、納得のいかない点があるわけであります。軽自動車が、最近過去の実績から見て、著しく増加の幅が大きくなって増加したとは思えない。また今後も、さらにこれが増加するということは、これは推定でございますからたいへんむずかしいと思います。まずそういう状況からひとつ御説明願いたいと思います。
  80. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま先主が御指摘になりましたように、提案理由説明で大臣が御説明いたしましたように、軽自動車の数は、昭和三十年の末期から四十年にかけてだんだんとふえてきて、現在の時点におきましては、六百万台をこえているという客観的事実がございまして、この車の台数が非常にふえて、全体の車の三分の一という台数になっておるということが一つ理由でございます。それから先般、各先生方から御質問があったのでございますが、その台数がふえたということのほかに、軽自動車の性能というものが自動車工業の発達に伴って非常によく進んでおる。したがいまして、スピードの向上——一方では非常に軽自動車のスピードが向上しております。これも先生、御案内のように、昨年あたりの国会で問題になりましたように、百キロをこえて、はなはだしきに至っては百二十キロというような最高スピードのものも出てまいっておりますが、これは私ども行政措置で最高スピードを押えることをやっておりますが、そういうふうにスピードが非常に向上をいたしております。それから道路網が、いろいろと国の道路整備計画その他に基づきまして道路網の整備が進んできております。したがいまして、そういうスピードの進んだ車が高速進路を高速で走るという機会が非常に多くなってきておるわけでございます。一方これも前回あるいは前々回の当委員会におきまして話題になりましたように、 いわゆる車両事故率——自動車の整備、構造、装置の欠陥に基づく事故率というものは幸いにして減ってきております。したがいまして、そういう傾向から見ますと、いま何でこの場に検査をするのかという御疑問、これは私どもとしても理解できるわけでございますが、絶対数がいま申し上げましたように非常にふえてきて、高速走行をする機会がふえてきておるということと、それから今後の自動車の伸びということでございますが、伸びはもちろん鈍化した。これからいままでのような勢いではないと思います。しかし全体の、たとえば昭和五十一年における推計をいたしますと、全自動車数二千八百八十万台という推定を私どもいたしておるわけでございますが、このときに軽自動車は七百二十万台になるということで、現在よりも絶対数は相当ふえるという想定がなされるわけでございます。こういう背景におきまして、やはり軽自動車の安全を保ち、あわせて公害の防止をいまよりも強化するということから、この際、いわば後手後手に対策がならないように、事は安全の対策、それに公害の対策なんかもされるわけでございますので、いわば時代の趨勢に応じてこういう検査制度を早目にして、そしてこれには、しかも相当の準備を要するということから、今回御審議をいただいておるわけでございます。
  81. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 軽自動車につきまして車検が必要ではないかというようなことは、私たちも当委員会においていままでそういう趣旨も述べてまいりました。ところが、現在行なわれております車検行政でもたいへんな問題があります そういうものについては、このたびのこの審議にあたっても、整備業者で車検を受けてない車が、車検を受けたとして出たり、資格がないがやってみたり、いろいろな問題があまりにも多過ぎる。どうせやるのであれば、そういう軽自動車について新しくやろうとするのですから、その軽自動車の、いま局長はこの車がたいへんスピードも早くなったという観点から話されましたけれども、そういうものはこの科学の発達のときに当然なことでありまして、それをどう受けとめて、車検をやることによってどういう効果をあげていくか。また実際問題としてやれるか。これは全部機械がやるわけじゃありませんし、整備士も要りますし、検査員も要ります。いま国の車検場でやっておる検査員状況を見ましても、いままでしばしば指摘もしてきましたが、民間車検場においても、今度の審議されましたときに出てきたようないろいろな問題があります。そこで、この提案理由の中に書いてありますように軽自動車の保有台数の増加が著しくないのですよ。自動車紀の調べによりましても、四十年からとってみましても、四十年に約三十一万台、四十一年に三十四万台、四十二年に五十四万台。この辺はすっとふえております。四十三年はさらに六十三万台、四十四年は七十四万台。ここまではずっとふえてきている。これは実績です。ところが四十五年度からはその増加の伸びは減っておるのです。事務当局で推定するものが減っております。その後ずっと減っております、四十六年、四十七年、四十八年と。こういうことであるならば、この提案理由の中に保有台数は着しく増加するというのは適当でないと思いますが、大臣、これはひとついろいろなことから離れますが、ことばの意味ですけれども、私は大事なことだと思いますから御発言いただきたいと思います。
  82. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま田中先生から御指摘をいただきました伸び率が非常に鈍化しておるということは事実でございます。したがいまして、そういう点からいいますると、いままで検査をしないで放置していたということで、しかもそれほど伸びないんじゃないか、いまさら新しく、いろいろ検査を受けるほうはやはり苦痛を伴いますから、費用もかかるし、それだけの必要がないんじゃないかという御趣旨じゃないか、こう思う次第でございますが、これは伸び率は鈍化をしておりますが、やはり絶対数においては増加をしておる。また最近におきまして、欠陥車における事故ということが盛んにいわれてきていろ最近でございます。御承知のように、四十四年に型式の規則を変更いたしました。それまではあまも欠陥車、車の構造自体に対するそれよりも、操縦者のミスということがおもにいわれた次第でございますが、欠陥車に対して監督行政といたしましても何とかもっと徹底した監督をしないといかぬじゃないか、検査を施行しなくちゃいかぬじゃないかというような御意見が非常に多く、承りますと、この運輸委員会におきましても圧倒的に、なぜ軽自動車だけをほうっておくのかというような御趣旨でございました。再三御指摘をいただきまして、それによりまして、確かにやはり軽自動車における事故数も、欠陥車と申しますか、あるいはブレーキがきかなかった、あるいはいろいろな部品の故障であるとかというのも相当多いということで、やはりこの際はひとつ御審議願いまして、そうして軽自動車に関する検査制度をしくことが全体の交通安全のたてまえからいって妥当ではないかというふうに考えて、今回の御提案を申し上げた次第でございます。御了承願います。
  83. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 どうも私は、この提案理由説明が書きかえたほうがいいと思うのですよ。絶対数の六百万台というのはこれは現実ですからいいのですけれども、著しく増加したとまではいえない。いろいろ修正する個所はございますから、私は最後にいろいろな質問者のことをだいぶ集めまして、修正する個所をあとでお願いすることにしまして、一応ここでこの論議を終わります。  いま大臣もちょっとお触れになりましたけれども、欠陥車等によります事故、これも事故率というのは減っておるのですよ。うなずいておられますから、いろいろわかっておればさらにあれいたしませんが、その最後に大事な公害防止の観点から、これは車がいかに大気を汚染しているか。いろいろな公害がいままで論議されましたけれども、一番身近に一番だれもが汚染されているのがこの大気の汚染だという点については、与党の大先輩の議員からもいろいろお話を聞きました。私も聞いておりまして、なるほどとさらにその重要性を認識したわけでございます。そこでこの公害防止ということは、私は車検を行なう意味においては大事な観点にしなければならない、こう思うのですが、この車検行政の中には新しく行なう軽自動車の車検については、公害の排気ガスの実態というものをどのように減少させようとしておるのか、車検の検査をすることによって軽自動車の排出する炭酸ガス、一酸化炭素、窒素酸化物、こういういろいろの有害物をどのように減少させようと思っているのか、こういうことが重大な問題であると思うのですが、事務当局からまずそういうことについての総括的なお考えを聞いて、次に、環境庁からもおいでをいただいておるようでありますから、その辺の車の排気ガスについてどのような実態を把握しておるのか、並びに車の主管省である運輸省とどのような協議をなさっておるのか。特に東京都におきましては、都知事等のたいへんこれに対する努力もあります。いつもそういうものを見ておりますと、国のやっておることのほうが後手後手になっておる。これじゃ、こういう法案を審議する場合に公害防止云々なんか言われても現実が伴わない、こういうことを私は思うのでございます。そういう点についてまず事務当局から説明を聞いて、あと大臣にお尋ねしたいと思います。
  84. 野村一彦

    野村政府委員 自動車の排気ガスでございますが、その中で軽自動車の排気ガスはどの程度空気の汚染を来たしておるか。これは一酸化炭素について申し上げますと、軽自動車の排出するガスの中で一酸化炭素による汚染の寄与率と申しますか、これは全車に対しまして一八%程度でございます。これを私どもは少しでも少なくしたいという考えでおるわけでございますが、現在考えられますのは、使用過程にあります軽自動車の一酸化炭素の排出状況は、私どもの調査いたしましたところから見まして、今後のアイドリングの規制値を新車並みの四・五%にしたといたしますと、現在の軽自動車の二四%がこれをオーバーするということになってくるという問題がございます。これらに対して検査を実施することによりましてこれを抑えていくということで、現在検討をいたしておるということでございます。つまり軽自動車が全体の一八%ほど、一酸化炭素についていいますと空気をよごしておる。それを現在の四・五%の規制値まで持っていって、そうしてきたなくしている空気を普通一般軍と同じような程度の規制を加えて、少しでも正常化をはかりたいというのが私どもの考え方でございます。
  85. 山形操六

    ○山形(操)政府委員 お答えいたします。環境庁が昨年七月発足して以来自動車の排出ガス対策については非常に力を入れておりますが、先生のいまの御質問で現在把握している状態を申し上げますと、まず一酸化炭素、COでございますが、これは私ども国の設備いたしました施設でずっと経年変化を見ております。そうしますと、三十九年から四十四年までは非常なスピードで排気ガスの増加が認められておりますが、一応四十五年からだんだんとやや下降のデータが出ております。すごく落ちているとはいえませんが、下降の数字が認められております。それらはやはり新車に対する昭和四十二年からの規制効果が、中古車の代替によってだんだんとあらわれてきており、また車検の中古車に対する抑制効果などが漸次出てきたものと私どもは解釈しております。  それから炭化水素、これに関しましては規制もおそかったし、また技術的な面もいろいろございまして、まだこの経年変化を見る段階になっておりません。  それから窒素酸化物、現在これはまだ環境基準もできておりませんので、窒素酸化物についてはだんだんと漸増の傾向があらわれております。これに対しては現在私どもの公害対策審議会のほうでこれの環境基準をつくるべくいま用意しておりますので、それらに伴って規制基準を設定していくつもりでございます。  特にお話しの軽自動車に関しましては、現在の規制は新車だけについてやっております。新車のフォアモードのときに三%アイドリングのときに四・五%でございますし、炭化水素につきましてはアイドリングのときにブローバイガスの排出が〇%ということになっておりますが、ことしの三月に一酸化炭素について規制を強めましたし、またディーゼル黒煙等の規制も強めたということで、自動車の排気ガスの問題につきましてはこれからなお強化すると同時に、また先ほど申し上げました光化学スモッグの問題等が非常に最近出てまいりましたので、一そうこれには強く臨んでいく所存でございます。
  86. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 事務当局からお答えいただきましたが、まず運輸省のほうでやっている、軽自動車が出す一酸化炭素が一八%を占めているということ、どこで調査したのか、そんな夢みたいなことだけではだめなんですよ。まず一つ申し上げたいことは、それじゃかりに一八%としますと、一八%の軽自動車の継続使用しておるやつに対して検査を行なって、それで幾らにするのですか。一八%か二〇%になったら、この法案の趣旨説明と違った方向に行くじゃないですか。そういう点が一つ。  それから環境庁のほうは、その大気がどのように人間の生活に害を与えておるか、そこから出発しなければためですよ。一酸化炭素だけじゃありません。窒素酸化物、そのほか有害な物質があります。一酸化炭素を減少させれば他の有害物質はふえていくんです。そういうこまかい論議も公害国会のときにいたしましたけれども、それに対するはっきりした規制といいますか、基準といいますか、両方相まった基準の規定というのが出てこない。私はそういう点がいままでいろんな法案を審議します場合にたいへんおろそかになっておる。はなはだ私もしろうとであって申しわけないのですけれども、四十六年の国会のときだったと思いますが、これは大臣、前の橋本運輸大臣のときでございますけれども、この軽自動車に対する車検も大臣は四十七年度からやりたいという発言があったんです。期待しておりました。どうせやるならば徹底してやらなければならないというのが私たちの言い分なんです。ですからそのときに事務当局としては四十七年にはできませんというふうなことで、それじゃ大臣のお考えになっておることと事務当局の考えとは違うじゃないか、こういうような追及をいたしましたところが、大臣は、いまこれだけ公害がやかましいときだから、公害の問題だけでも四十七年度からやりたい、こういう御発言だった。お聞きになっておるとするならば、いまの自動車局長と環境庁の御答弁では、私はそういう問題は納得できない。そしてうそになります。大臣がおわかりになられたから、引き継ぎの中にそういうことが入っておったかどうか知りませんけれども、事務当局としてそういういろんな目標を立てたり、努力目標を立てるでしょう。それを全然はずして、また新しい法案を提出する場合に、規制しようという場合に、ただことばだけ並べているのでは納得いかぬ、こういっておるわけです。こういう点について大臣の御決意を聞いておきます。
  87. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま田中先生の御指摘ごもっともでございまして、公害問題におきまして都市住民のそれによりますところの健康上その他につきまする影響というものは非常に大きな点でございまして、私どももあらゆる問題、ことに交通機関から及ぼす公害の発生の防止ということには全力をあげなくちゃならぬ。私申しわけなかった次第でございますが、引き継ぎの点はさだかでございませんが、橋本前大臣がこれは大きな問題だからどうしてもやらなくちゃいかぬと、決意を委員会で披瀝したということでございますが、私は国務大臣としては当然のことと思う次第でございます。  今日、公害をいかにして早く防止するかということは一番喫緊の問題でございます。でございますから、諸先生から御指摘がございましたように、でき得れば四十七年度からやりたいということは当然でございますが、諸般の事務手続、先ほどからいろいろ御指摘もございますが、整備士の問題、人員の問題、検査員の問題その他のことを考えまして、四十八年度からひとつ実行したい、こういうことでございます。しかしながらその間におきましても、自動車から出る排気ガスの公害防止ということについては、これは十分抑制をしなければならないというふうに思っておる次第でございますので、たとえ検査がございませんでも、また法規がございませんでも、行政指導その他の点につきまして、公害の発生防止のためにはあらゆる手段をこの間におきましても講じなくちゃならぬ、また講じさせるように強く私はその点を指導いたしまして、先生方も私どももほんとうに憂慮しております公害の発生の防止のために——まだその点は法律がおくれまして御期待に反しましてまことに申しわけない次第でございますが、その間におきまして全力をあげましてそれらの指導に当たりたい、こういうように思っておる次第でございます。
  88. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 自動車局長どうですか、いまの御答弁を受けて。あなた今度検査協会をつくるのですから、あなたたちが——あなたたちと言っておきましょう、いずれ退官されて行かれる場所を自分たちでつくられるわけだから。その検査協会は国の全額出資でつくる。その検査協会はいまの大臣のおことばを受けて、公害問題はきわめて大難な問題だ、こうおっしゃっておるのですから、その検査制度を確立するときに、この公害問題について何かできる方法はないかどうか、あるかどうか。あればどういうものがあるか。そういう方向については、検査協会の発足までにはまだ来年の十月まであるわけですから、そういうものがあるかないか、あなたの考えでいいですから聞かしていただきたい。
  89. 野村一彦

    野村政府委員 検分協会をつくります目的は、要するに国にかわりまして、安全及び公害の検査の実施を国の代行機関としてするということでございます。したがいまして、私どもは先ほど大臣が公害の問題についてその重要性をお答えになりましたが、先生も御案内のように四十五年七月にできました排気ガスについていいますと、長期計画がございます。あの長期計画でもうたってございますように二段階を設けまして、最終的には昭和五十五年度において昭和三十六年の状態に大気の汚染状旗を保っていきたいというのが、先生も御承知のようにあの五カ年計画の目的でございます。しかも、あの目的の中には、現在パーセンテージの規制でやっておりますものを重量規制にして、排出ガスの重量そのものを押えていこうという重量規制に四十八年度から移行するということがうたってございます。これにはもちろん内燃機関のエンジンの改良それから機関の清浄装置の開発等、いろいろやらなければならない問題がございます。こういうことを、私ども運輸省といたしましては、通産省あるいはその他の関係官庁の御協力を得て、もちろん基本的には環境庁の今後の御審議の結果を踏まえて、そして技術の開発を進めるとともに、運輸省としてできるだけ自分の交通安全公害研究所等を活用してやっていくということでございます。   〔委員長退席、箕輪委員長代理着席〕  この法案の中でいま先生の御指摘の点に関連しまして一番やっておりますのは、いままで軽の新車に対してのみの規制でございました。軽の検査はございませんでした。今度は検査を開始いたしますと、使用過程車、つまり軽の中古車についても安全の検査と同時に排出ガスの規制をやるということになります。そういう意味で先ほど先生がおっしゃいました、一八%もよごすものをどうするのかということでございますが、この軽の中古車の排出ガスが規制の対象に入るということは、小さな前進でございますが、私は一歩の前進だと思います。したがいまして、ただいま大臣が答えられましたような基本的な観点に立って、軽の自動車の検査を開始するにあたって、安全とともに中古車、使用過程車の排出ガスの規制を強化していくということを全力をあげてやりたいというのが私どもの考えでございます。
  90. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 提案理由の軽自動車増加の問題、公害の問題、いまの論議では私ははなはだ不満です。なぜかというと、この改正で事務当局で考えておったことから論議が一歩も出ておらないのです。あなたが言ったようなことは、この内容を読めばそういうことはわかります。私が言ったのは、検査協会も発足するのだから、その検査協会が一酸化炭素の排出をどういうふうに実際具体的に減らすかということは何かできないか、こういうことを聞いておるのですけれども、そういうことまでなかなか思いが至らないようでございますから、この問題は、どうしても提案理由の中から重大な問題が二つ納得できませんから、その点については委員長でしかるべく取り計らっていただきたい。   〔箕輪委員長代理退席、委員長着席〕  次に進めてまいりますが、これは事務的なことでございます。いわゆる車検の継続検査という中には民間車検場指定整備業者というものと国の車検場その他という区分でいままでの実積が出ております。四十一年からでございますが、現在まで整備検査を受けた件数の実績、それから現在以降の推定の基準、そういうものをお聞きしたいと思います。
  91. 隅田豊

    隅田説明員 ただいまお尋ねの件は検査件数の実績と四十六年以降の推定ということでございますね。——それについてお答えいたします。  三十九年から申し上げますと、継続検査が三十九年におきまして二百七万四千件でございます。その中で指定整備件数が二十二万八千件でございます。四十年におきましては継続検査が二百五十万四千件でございまして、その中で指定整備件数は三十万六千件でございます。四十一年におきましては二百九十五万七千件に対しまして三十七万九千件でございます。四十二年におきましては三百五十一万件に対しまして四十七万二千件でございます。四十三年におきましては四百三十三万件に対しまして六十八万九千件でございます。四十四年におきましては五百六万四千件に対しまして百六万七千件でございます。四十五年におきましては五百八十万件に対しまして百六十四万一千件でございます。四十六年は最終的な確定数字はまだ詰められておりませんので推定でひとつお考え願いたいと思います。
  92. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 推定といっても、いままでわかった分と推定分と両方言わないと……。
  93. 隅田豊

    隅田説明員 四十六年の一応の最終の推定をいたしますと、六百五十五万三千件に対しまして指定整備件数は二百六十一万一千件でございます。四十七年は七百三十一万七千件に対しまして三百五十一万二千件でございます。四十八年は八百八万五千件に対しまして四百三十六万六千件でございます。  以上でございます。
  94. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 その数字は、私もここにいただいておる数字と同じで、そういうことだから困るのです。だけれども時間がありませんから一つだけ指摘をしておきますが、いまの四十六年の数字は実績と推定と両方あるはずです。それと私がさっきお尋ねしたのは、四十六年以降の四十七年分、四十八年分については推定の基準の根拠がなければおかしいです。それがいまの答弁で抜けております。それと四十八年には十月から軽自動車を車検しようとするのですから、その数字が全然入ってない。そういうことは、事務当局にちゃんと質問するということを私言ってあるのだから、二度手間にならぬようにしてください。それではそういうものを指摘しておきます。  私がこういう数字をことさら聞いておりますことは、運輸省は四十八年度までには全体の車検の車の台数の七〇%を民間車検に持っていこうということで、昨年法案審議をやってそれが審議されておるのです。かりにそれは事実であるならば、民間車検場をそのようにどんなに多くやろうと思っても、それには工場が要りますし、整備員が要りますし、検査員が要りますし、そういうことを考えてみますと四十八年にはそういう車検をする裏づけの準備はどうなんだ。ただ表面だけ全体の車検の七〇%を民間車検に持っていけばいいのだというだけでは法案審議なんかということ自体がおかしいのだ。審議をする以上は実態とそれに対する財政的な裏づけ、事をやるときには必ず金が要るというのと同じに、そういう手当てをしなければ意味がない。これは昨年のことです。そのときは四十四年までの実績がわかっておって、四十五年までの実績も大体わかっておった。そうしますと四十六、四十七、四十八年三カ年で、四十四年には二〇%の民間車検場を三年後には七〇%にしようというのですから、五〇%や三年間でどうしていくか。それに見合う財政的裏づけ、ここでいえば民間車検場の優秀な技術員を確保してそういうものを育成、助成していくのが陸運行政だ、こう思うのです。ところがいま整備部長のほうから数字を聞いたように行きますと四十五年が二八%なった、ここまでは実績です、四十六年二月の法案審議のときですからいいといたしましても、次の四十六年にはいまの数字では四〇%にしかならない。これも四〇%はあぶないです、もうすぐ出ますから。四十七年は四八%、そして四十八年にはかりに軽車両も入れても五四%にしかならない。一年前私が質問したときに、同じ野村自動車局長です。私が言った大体七〇%くらいまで持っていきますということはあなたは何べんもここで言っておる。そういうことでごまかしてはいけません。ごまかししか言えない。こういう構想であなたたちが民間車検を助成していこうとするならば——これは外交上の密約とかうそだとかいうことも大事ですけれども、こういうことのうそは直接日本国民の零細企業と交通事故につながる大事なことです。外交上の密約も大事ですけれども国民生活を守っていく、事故を少なくしていこう、公害を少なくしていこう、そして業者もどんどん仕事をやってもらおうというようなことが、ただ机上の空論だけで、去年認めた数字がもうことし一年たって違うようなことでは、基礎的に違うようなことを出すようでは、私は納得がいかない。その点、ひとつしかと御返事してださい。
  95. 野村一彦

    野村政府委員 昨年法案審議の際に、先生指摘ように、 昭和四十八年度中には民間を七〇%にし、それから国を三〇%にするということを目標にしてやっていこうということを私ども申し上げたことは、そのとおりでございます。そしてまた、現在の数値からまいりまして、ただいま先生がおっしゃいましたように、四十六年は四〇%程度と推定され、四十七年度は四八%、それから四十八年度は五四%程度と推定されるということも、現在の時点におきまして私ども計算をしている数字でございます。そういう意味からいきますと、さきにも申しましたように、七〇%に持っていくというのは四十八年度に不可能であるということは、私どもこれは残念ながらそういう傾向値をたどっておることは認めざるを得ません。ただ、私どもとしましても、将来の姿として七〇%を民間にゆだねて三〇%を国がやるという基本的な考え方は現在変えておりませんので、私ども努力が足らざるところと申しますか、その七〇%に達成する時点がいまの予測では二年ほどおくれたということでございますので、この点はまことに申しわけないことでございますが、努力目標といたしましては、そういう七〇%、二〇%という目標にして民間の車検を活用していきたいということを考えております。いままでの経過につきましては、私ども努力の足らざるところ、現状におきましては、いま先生のおっしゃったような数字ということを、私どもとしては率直に認めざるを得ません。この点はこの機会をかりまして御報告を申し上げて、現段階におきまする数字についてのご了承を願いたいと思います。
  96. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大臣、もう少し具体的に。これは数字の問題ですから、ただ単に努力目標を立ててやったけれども、どうしても一年でできませんでしたというようなことだけでは、ここの論議はこれでいいですけれども、しかし、これにつながる業者が、いずれにしろそれにかかわる業者が六万工場もあるのですよ。ですから、私はそういう面からいけば、あまりにもひど過ぎる。もう一つ事務的なことから聞いて、大臣に一緒に聞いてもらってお尋ねしたいと思いますが、四十六年以降四十八年までの指定民間車検場工場、それから検査員整備員、そういうのは大体どのくらいあれば、五四%か五五%か知らぬけれども、そういう車検をこなせるのですか。どういう目標をたてておるのですか。これは車検の始まるまでの問題ですよ。
  97. 野村一彦

    野村政府委員 お答えいたします。これは民間工場が二千工場くらいふえるべきものだと考えております。
  98. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 かりに二千ふえますと、いまが五千八百六十九工場ですから、約八千くらいの工場になるわけです。八千工場で一千万の大体五割四分ですか五百四十万、五百万そこそこの車を八千の工場でやる、こういうことです。そうしますと、一工場当たり六百台ですよ。違いますか。さっきあなた検査員整備士の数を言わなかった。関連があるのだから一緒に、概算だから、少しの数は違ってもいいから、おおよそ……。
  99. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま工場数の増加を私申し上げましたが、この工場数の増加は、先生は、そうすると六百台くらいになるのではないかとおっしゃいましたが、私どもでは取り扱い件数が平均して工場の生産性の大体二・五%くらいずつ上がるということで、それで年間二千工場くらい増設すべきものとすれば、この数をこなしていけるであろうという計算でございます。
  100. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 少し勉強してもらわなければ困るのですよ。二千ふえて八千工場でしょう。それでいくと、大体六百台というのをあなたは認めた。——大体認めたのでしょう。違いますか。それでは、あなたたちがここに出しておる数字からいうと、五千八百六十九の民間車検場があり、四十五年は一工場当たり二百八十台、前年よりも一工場当たり検査台数は減っておるのです。過去五年間さかのぼっても一工場当たりいままでが大体三百台ですよ。何で四十八年になると六百台もできますか。その証拠にあなたのほうの書類でいけば、四十五年は三百台から二百八十台に減っておるじゃないか。そうして四十六年はばっと一工場当たり三百五十台に上げておる。なぜ私がこういうことを言うかといいますと、指定民間車検場のいまの平均の車検の車の台数が減るかふえるかは、経営にとってものすごく大事な問題ですよ。民間車検の手数料、と同時にいろいろな整備をやるでしょう。そういう問題からいけば、しろうとの私が計算してみても——過去は平均して一工場当たり三百台しかできないのです。よほど何か合理化した工場民間車検場を特別なものをつくるなら別です。できません。いままで三百台しかできなかったのが何でここ二年ぐらいのうちに六百台もできるようになりますか。整備員の数も検査員の数もおかしくなりますよ。何人かの整備員と、その中に一人の検査員がおって、その人たちの一年間の検査台数というのは大体きまっておるのです。これは大体変わりません。それがいまの六百台なんて一ぺんに倍できるのですか。倍できるように何か車検の機械なんかをどこからか持つてくるのですか。
  101. 隅田豊

    隅田説明員 私たちの説明が足りない点があるので、ちょっと整理して説明させていただきます。  先ほど局長が年に二千工場ずつふえると申しましたが、これは毎年三千工場くらいずつ大体ふえておるわけでございますが、四十八年末になりますと、全体の工場数は一万一千八百くらいになるだろうと思います。これは一つの推定でございます。そういう線から計算いたしますと、年間の処理台数は一工場当たり大体四百台くらいのものとわれわれは推定しております。
  102. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 検査員の数なんか全部言うてみなさい。さっきから言っておるのたから。
  103. 隅田豊

    隅田説明員 検査員は現在の検査員数を一応ベースにして推定いたしますと、一工場当たり一・六人の検査員がおりますので、四十八年に必要になります検査員はこの工場数の一・八倍になりますので、ちょっと計算させていただきます。それから工員数でございますが、もし最低の工場がふえていくとすれば六人程度でございますが、平均をとりまして十人といたしまして、全体の指定整備工場の数が一万一千八百工場の十倍、十一万八千くらいになるという一応の試算はできるわけでございます。
  104. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 こういう事務的なことで時間をとってお互い納得いかぬような数字を出されたのでは困ります。ですから、結局は、これは先ほど私が言いましたように、この仕事をする業者が経営が悪くなったり、特に零細な整備業者が仕事ができなくなるような、そういう内容を含んでおるのです。ですから、もう少しこまかい問題でいけば、そういう数字が詰まるのですけれども、いまの持っている数字では私はできないと思うのです。ですからひとつ大臣からそういう問題で今後——民間車検場整備業者、そういうものについては絶対経営が悪くならないような配慮ができるのです。私事務当局といろいろ話したときにこういう話が出たのです。これだけ民間車検場をふやしていこうとするならば、国の車検場のほうはたいへん忙しい目にあっておるのだろう。ところがこの提案された数字で見ていきますと、国の車検場のほうはだんだん仕事が多くなって、そして指定民間業者は少なくなっていく。だからそれでは指定業者民間車検場が立っていかないから、国の車検場のものを地域的に分けまして、そして便利な近くにある民間車検場のほうに仕事を流すようなことが陸連行政ではないか、こういう話し合いまでしたわけです。ところがこのいまの数字でいけばそういうことができないというのです。考えられないという。だから私そういう問題からひとつ整備業者が経営が苦しくなるようなことのないように、いわゆるほんとうにかゆいところに手の届くような陸運行政をやらなければいけない、こういうように思うのですが、それに対する大臣のお考えをお聞きしたい。
  105. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま田中先生から御指摘いただきましたが、私はもうそのとおりだと思う次第でございます。大体民間指定工場をふやしてもらいますのは、国としてやるべき仕事であるけれども、国としてはもう検査車数が非常にふえてまいります。とても国だけの力でできぬ。それゆえに民間にも協力を願って、指定工場にして、そうして国の代行機関というと恐縮でございますが、それらの検査事務をしてもらう、整備をしてもらうということでございますから、私はいま先生がおっしゃったように、やはり民間にどんどんとお願いをする。指定工場をふやす。それからまたそういった車検検査検査数をふやしていく。それによりまして民間工場が経営上も楽になるのはなおさらのことであると思う次第でございまして、国の検査車数というものを譲りましてもしてもらうということも妥当だと思います。  先ほどからいろいろ承っておりますと、民間におきまして整備をして検査をするというのを七割にふやしたい、ところが実際は民間に対する手当てが行き届かぬ、五割そこそこである。これはほんとうに申しわけない次第でございます。われわれの運輸行政といたしましては、これはほんとうに観念論じゃございません、実際に業者を扱い、そして生きている車を扱う次第でございますから、その推定の根拠が大幅に狂うということは、先生が御指摘になったとおりほんとうに申しわけないことだと思っておる次第でございますが、そういう点も十分に含みまして将来の指針といたしましては、それらの推定の根拠をもっと的確に把握する、そうして具体的にその地方地方におきます指定業者をきめてまいる、そして利用者にも便利なように、そしてまたそれらの指定工場が十分に経営がやっていけるようにというふうにつとめてまいるつもりでございます。
  106. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 もう少しこの数字のことで聞きますが、いまの四十八年度のこの軽車両の車検を始める段階での軽車両の車検の推定数、これを大体どういうふうにやって出したのですか。現在六百万台になんなんとしておるこれをいますぐ車検を行なうとすれば、一年間にどのくらいできるのか。そのものが基礎になって、四十八年度の、ここからいきますと百十二万台ですか、百万台くらいの軽車両の検査を、四十八年の十月から四十九年三月まで半年分ですね、ですからこの倍が一年間の推定数だ、こういうふうにあります。ですから、これを簡単に倍して二百万台と現在の保有台数の六百万台との関係、これをよく説明してください。
  107. 野村一彦

    野村政府委員 基本的な考え方を申し上げますと、大体軽自動車の検査対象になりますものが現在ラウンドナンバーで約六百万でございます。これを四十八年十月から検査いたします場合に、一ぺんに検査をいたしませんでということと、それからもう一つは、検査の有効期間は二年を考えておりますので、したがいまして全部やるといたしますと一年間に三百万台という平均になるわけであります。四十八年の十月から三百万台を始めるわけですが、それは一ぺんにやりませんで前に届け出てございます軽自動車の使用の届け出の年次の古いものから順次やっていくということで、いま先生がおっしゃった数字が出てくると思います。基本的な考え方は、その平年度化した場合に半分ずつ毎年度やっていって、発足のときには使用の古いものから順次やっていくというふうにしたいということでございます。
  108. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 そうしますと、現在四十六年末ですが六百万台ちょっとこしているぐらい。結局二年間の期間があるわけですから、それを簡単に六百万台だから三百万台ですか、その三百万台のまた半分が四十八年のそこにあがってくるような数字と見合うものでしょう。違いますか。そうしますと、おたくのほうで出ておる数字が軽車両が約七百八十万台、これは八百万台くらいになるかもしれませんね。かりに切りのいいように八百万台とすれば、八百万台のものが二年間の期限があるわけですから四百万台、その四百万台の半年分だから二百万台、こういうふうにならないのですか。
  109. 隅田豊

    隅田説明員 私から答えさせていただきますが、概念的に申し上げますと先生のおっしゃるとおりなんでございますが、実際の問題といたしましては現在保有されております自動車が二年たって必ずすべての車が継続検査にまいるわけではないのでございます。一部のものは廃車をされたり、所有者がかわったりいたしまして、新規検査というものが出てまいります。そのために実際の計算をいたしますとこういう数字が出てきてしまうわけであります。
  110. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 だからその実際の数字が出たのを最初に聞いたわけですよ。どうして百十万台になったか。こういう事務的なことで時間をとるのはほんとうに困るのですがね。  それでは結局四十八年の十月軽車両を始めるときには、大体見込みとしては、この数量でいけば民間車検場が約四百九十万台ですか。これは間違いありませんね。
  111. 隅田豊

    隅田説明員 軽自動車を新たに加えますと四百九十万台、先生のおっしゃるとおりでございます。
  112. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 四百九十万台を一万一千くらいの工場でやったらどうなりますか。検査員も一緒こ……。
  113. 隅田豊

    隅田説明員 それまでには軽自動車の指定工場というものはある程度の増加を見込まなければならないと思いますが、現在、先ほどの数字にはそれは入っておりません。
  114. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 わからぬ。さっきあなた毎年二千くらいふえていけば一万一千工場くらいになると言ったのですよ。そして一工場出たり四百台くらいでしょう。違うじゃないですか。かりに一万一千でも四百五十台くらいになる。そういう一万一千くらいの工場になることが第一考えられない。検査員も要ります、整備士も要ります。検査員がいままで過去ずっと百九十台か二百台くらいしか一年間やれなかったものが、そんなに倍もなんかできるわけないのです。先日からの局長の答弁を聞いておりますと、整備士なんかも民間車検場におる優秀な人をこの軽車輌検査のために協会あたりも採用する、そういうようなことを言っておった。ほんとうにその気であるならば、自動車局長は、整備士と検査員を雇うために一年じゅう回らなければそんなことはできませんよ、それくらいの覚悟がなければ。一人当たりいままで百八十五台くらいしかできていない、四十五年の実績でも。それをいまの一万一千で、検査員が一万何ぼになりません。そうなりますと、検査員一人当たり三百五十台ですよ。倍近いですよ。そんなことできるわけがない。もう少し可能性のある——それでどうしてもできないのだから、それじゃできないものに対しては、検査員整備士、民間車検場を育成するためにはこういう財政的な裏づけなり指事をしていくという点を、いろいろな数字の問題よりも私聞きたいのです。一番わかっておる整備部長から局長まで、そういう問題を言ってみなさい。
  115. 隅田豊

    隅田説明員 先生のただいまのお話について説明をきせていただきます。  私が先ほどお答えいたしましたのは、軽の指定整備を一応計算に入れない形で四十八年度指定整備実態として申し上げたわけでございます。それで計算いたしました数字が先ほどの大体一工場当たり四百台くらいの数字でございまして、お説のとおり、その四十四、五年の数字は一工場当たり三百七十台から三百八十台になっておりますので、若干の増加はしなければならないわけでございますが、一応四百台近辺のものは見通しとして行なえるだろうと考えております。そして軽自動車の指定整備工場を四十八年から新しくスタートさせるということにつきましては、どうやってふやしていくかということでいろいろと問題があることは御指摘のとおりでございまして、ことに比較的零細な企業の多い軽関係の業者に対して、融資のあっせんその他に対しては格段の努力をいたさなければならぬことは、そのとおりでございます。
  116. 野村一彦

    野村政府委員 私から考え方を説明いたしますとともに、いま先生が御指摘になりました点で、私が先日ちょっと説明不十分だったと思います点を重ねて申し上げたいと思います。  軽自動車の車検協会の職員を採用する場合に、先日、民間から採ることも考えておりますということを申し上げました。それは、あのとき宮井先生でしたかの御質問で、民間の中小企業が相当人手不足であるということは私もよく存じております。ただ、この協会の、整備士でなくて、検査員の資格を持った検査員の人数を推定いたしますと、百数十人でございます。したがいまして、この百数十人の中の、たとえばかりに半分を民間からとるといたしましても、六十名程度でございますし、これを中小企業から抜くというような考えは私どもございませんで、やはり比較的人手の余裕のあるようなところから、もし民間から採用するとしてもとりたいということは、当然優先的に考うべき考え方でございます。そういうことで、この協会の検査員の採用については、民間からも考えておる、こういう趣旨でございますので、その点御理解いただきたいと思います。  それから、いま整備部長が答えましたような推定でございまして、生産性の向上ということをはかって、一工場当たり検査台数を伸ばしていくということもあわせて考えている次第でございます。
  117. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 ほんとうに具体的に内容に入って聞けば聞くほど、お聞きのとおり、私は納得がいかなくなってくるのです。先ほど整備部長も、それは軽車両を除いたところで四百台ぐらいだ、こういうことを言われた。数字は確かにそうでしょう。しかし最初から聞いているように、この法案をつくって四十八年十月からは軽車両も始めるのでしょう。それじゃ当然その数字があるのだから、それも含めたところでないと、民間車検場だから、いままでの民間車検場は軽自動車の車検はしませんよといって、そんなことをするわけではないのです。  それから野村局長のお話も——私たちも昨年のこの車検行政の協業化、共同化ですか、そういうことについてもたいへん心配をしたのは、いわゆる零細な整備業者がだんだん追いやられていくというようなことを指摘したわけです。今度でもこの法案のためには実地に業者の人からいろいろな話を聞いてきている。それがこの審議の爼上にのらない。いままでの法案、すべてそうです。それで、いやそういうことはありません、そういうことはありませんで審議していきよって、そして行管が指定工場監査したところが、言いよったようなことがあった。それを指摘すれば、はなはだ遺憾であります、こういうことで終わっておるでしょうが。  先ほどあなたも公害の問題では、検査済みはステッカーを張るということを言っていたけれども、ステッカーの問題でも、私が指摘したとおり、指摘されてみると、たいへんそういうことはいけませんでした、そういうことにならないように、事前にどういうことをやっているか、国民運動だから協会のほうで適当にやっているでしょう、というようなことしか言いわけはできない。この法案によって、実際車検の車がどのように処理されていき、その中で働く検査員なり整備士なり、それを経営する車検場の経営者はどういう状態におちいるか、それがはっきりしなければ、こんな法案で、かりに不徹底のままやったならば、また計画が変わってくるのですよ。先ほどの民間車検場の育成と同じです。この場でいろいろ言うだけに終わってしまう。今後こういう問題をやっていこうとするときには、いままで議論されたものが実態とどうかね合っておるかということを、あなたたちも机の上で計算するだけでなくて、よく実地を見てもらいたい。そういうことでは、何ぼここで論議してみても話は一つもかみ合わない。  委員長、私は当初申し上げましたが、この法案の提案理由説明の中の二つの大きな問題も軽自動車の台数が多くなって安全の問題が心配になってきたこと、それともう一つは、公害防止のためだということについて、初め論議いたしましたが、これまたお聞きのとおり、たいへん納得のいかないような御返事が返ってきている。ですから、こういう問題とあわせて、これは運輸委員会の権威にかけても、理事会で今後この法案をどうするかということについてもう一ぺん話し合わなければいけない、こう思います。所定の時間もきましたから、私の質問は一応これで終わりますけれども、どうか委員長において私の趣旨をくんでいただきまして、当委員会の権威にかけても——この法案ができることによって、整備業者なり、また陸運当局も、監督行政の中には必ずそれをくぐり抜けようとするいざこざが出てくるのです。そういう問題を考えて、ひとつ慎重に取り扱っていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
  118. 小峯柳多

    小峯委員長 これにて、本案に対する質疑は終了いたしました。  次回は、明十九日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十九分散会